(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116067
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】一体型高輝度信号コンバイナを有するマルチコアファイバレーザー
(51)【国際特許分類】
H01S 3/067 20060101AFI20240820BHJP
【FI】
H01S3/067
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023206928
(22)【出願日】2023-12-07
(31)【優先権主張番号】63/485,170
(32)【優先日】2023-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/194,242
(32)【優先日】2023-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515288122
【氏名又は名称】ルーメンタム オペレーションズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Lumentum Operations LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100225543
【弁理士】
【氏名又は名称】上原 真
(72)【発明者】
【氏名】リチャード ディー ファウルハーバー
(72)【発明者】
【氏名】マーティン エイチ メンデル
(72)【発明者】
【氏名】パトリック グレッグ
【テーマコード(参考)】
5F172
【Fターム(参考)】
5F172AM01
5F172AM08
5F172DD03
5F172DD06
5F172NQ34
(57)【要約】 (修正有)
【課題】複数のコアを含むマルチコア入力ファイバによるファイバレーザーを含む光学システムを提供する。
【解決手段】光学システムは、それぞれが個別のシングルモードレーザーをサポートするように構成された複数のコアを含むマルチコア入力ファイバと、複数のモードをサポートするように構成された単一のコアを含むデリバリファイバと、並びに、マルチコア入力ファイバ及びデリバリファイバに結合される信号コンバイナと、を備える。いくつかの実装形態では、信号コンバイナは、マルチコア入力ファイバから複数の個別のシングルモードレーザー入力を受け取り、且つ、複数の個別のシングルモードレーザー入力を合成して、デリバリファイバに供給されるマルチモード出力を生成するように構成される。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学システムであって、
・ポンプレーザー源と、
・マルチコアファイバレーザーであり、該マルチコアファイバレーザーは、
前記ポンプレーザー源に結合される入力側、及び出力側を有する発振器を含み、前記発振器は、
前記ポンプレーザー源によって生成されたポンプ光を信号光に変換するための複数のシングルモードアクティブファイバコアを含むアクティブファイバ、
それぞれが前記複数のシングルモードアクティブファイバコアに関連付けられ、前記発振器の入力側で高反射器(HR)として動作するようにそれぞれ構成された、複数の第1の反射器、また、
それぞれが前記複数のシングルモードアクティブファイバコアに関連付けられ、前記発振器の出力側で出力カプラ(OC)として動作するようにそれぞれ構成された、複数の第2の反射器、
を含むものである、該発振器、及び
前記発振器の出力側に結合され、前記発振器の複数のシングルモードアクティブファイバコアに整合された複数のコアを有するパワー増幅器
を含む、該マルチコアファイバレーザーと、
・マルチモードデリバリファイバと、並びに、
・前記マルチコアファイバレーザーと一体化されており、前記マルチコアファイバレーザーから複数のシングルモードレーザー入力を受け取り、且つ、前記複数のシングルモードレーザー入力を合成して、前記マルチモードデリバリファイバに供給されるマルチモード出力を生成するように構成された信号コンバイナと、
を備える、光学システム。
【請求項2】
請求項1に記載の光学システムにおいて、前記信号コンバイナは、前記マルチコアファイバレーザーから前記複数のシングルモードレーザー入力を受け取るための複数の対称的なコアを備え、前記マルチモードデリバリファイバとの継ぎ合わせ地点に向かって断熱的にテーパ付けしている、光学システム。
【請求項3】
請求項1に記載の光学システムにおいて、前記信号コンバイナは、1/4ピッチ長を有するグレーデッドインデックスファイバを備え、グレーデッドインデックスファイバは、該第1の継ぎ合わせ地点で前記マルチコアファイバレーザーに継ぎ合わされ、第2の継ぎ合わせ地点で前記マルチモードデリバリファイバに継ぎ合わされる、光学システム。
【請求項4】
請求項1に記載の光学システムにおいて、前記マルチコアファイバレーザーからの前記複数のシングルモードレーザー入力の量が、前記マルチモードデリバリファイバにおいてサポートされるモードの量に等しい、光学システム。
【請求項5】
請求項1に記載の光学システムにおいて、前記発振器の複数のシングルモードアクティブファイバコア及び前記パワー増幅器の複数のコアは、前記信号コンバイナと前記マルチモードデリバリファイバとの間の継ぎ合わせ地点における前記マルチモードデリバリファイバ内の対応するモードと整合するコアサイズ及び開口数をそれぞれ有する、光学システム。
【請求項6】
請求項1に記載の光学システムにおいて、前記信号コンバイナは疎水性表面コーティングを有する、光学システム。
【請求項7】
光学システムであって、
・それぞれが個別のシングルモードレーザーをサポートするように構成された複数のコアを含むマルチコア入力ファイバと、
・複数のモードをサポートするように構成された単一のコアを含むデリバリファイバと、並びに、
・前記マルチコア入力ファイバ及び前記デリバリファイバに結合される信号コンバイナと、
を備え、
前記信号コンバイナは、前記マルチコア入力ファイバから複数の個別のシングルモードレーザー入力を受け取り、また、前記複数の個別のシングルモードレーザー入力を合成して、前記デリバリファイバに供給されるマルチファイバ出力を生成するように構成される、光学システム。
【請求項8】
請求項7に記載の光学システムにおいて、前記信号コンバイナは、前記マルチコア入力ファイバから前記複数の個別のシングルモードレーザー入力を受け取るための複数の対称的なコアを備え、前記マルチコア入力ファイバは、前記デリバリファイバとの継ぎ合わせ地点に向かって断熱的にテーパ付けしている、光学システム。
【請求項9】
請求項7に記載の光学システムにおいて、前記信号コンバイナは、1/4ピッチ長を有するグレーデッドインデックスファイバを備え、前記グレーデッドインデックスファイバは、第1の継ぎ合わせ地点で前記マルチコア入力ファイバに継ぎ合わされ、第2の継ぎ合わせ地点で前記デリバリファイバに継ぎ合わされる、光学システム。
【請求項10】
請求項7に記載の光学システムにおいて、前記信号コンバイナで前記マルチコア入力ファイバから受け取られる前記複数の個別のシングルモードレーザー入力の量が、前記デリバリファイバにおいてサポートされる前記複数のモードの量に等しい、光学システム。
【請求項11】
請求項7に記載の光学システムにおいて、前記マルチコア入力ファイバの複数のコアは、前記信号コンバイナと前記デリバリファイバとの間の継ぎ合わせ地点における前記デリバリファイバ内の対応するモードと整合するコアサイズ及び開口数をそれぞれ有する、光学システム。
【請求項12】
請求項7に記載の光学システムにおいて、前記信号コンバイナは疎水性表面コーティングを有する、光学システム。
【請求項13】
光学システムを動作させるための方法であって、
・それぞれが複数の個別のシングルモードレーザー入力における個別のシングルモードレーザーをサポートするように構成された複数のコアを含むマルチコアファイバレーザーから、信号コンバイナによって、複数の個別のシングルモードレーザー入力を受け取るステップと、
・前記信号コンバイナによって、前記複数の個別のシングルモードレーザー入力を合成してマルチモード出力を生成するステップと、及び、
・前記信号コンバイナによって、複数のモードをサポートするように構成された単一のコアを含むデリバリファイバに前記マルチモード出力を供給するステップと、
を備える、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法において、前記信号コンバイナは、前記マルチコアファイバレーザーから前記複数の個別のシングルモードレーザー入力を受け取るための複数の対称的なコアを備え、前記マルチコアファイバレーザーは、前記デリバリファイバとの継ぎ合わせ地点に向かって断熱的にテーパ付けしている、方法。
【請求項15】
請求項13に記載の方法において、前記信号コンバイナは、1/4ピッチ長を有するグレーデッドインデックスファイバを備え、前記グレーデッドインデックスファイバは、第1の継ぎ合わせ地点で前記マルチコアファイバレーザーに継ぎ合わされ、第2の継ぎ合わせ地点で前記デリバリファイバに継ぎ合わされる、方法。
【請求項16】
請求項13に記載の方法において、前記信号コンバイナで前記マルチコアファイバレーザーから受け取られる前記複数の個別のシングルモードレーザー入力の量が、前記デリバリファイバにおいてサポートされる前記複数のモードの量に等しい、方法。
【請求項17】
請求項13に記載の方法において、前記マルチコアファイバレーザーの複数のコアは、前記信号コンバイナと前記デリバリファイバとの間の継ぎ合わせ地点における前記デリバリファイバ内の対応するモードに整合するコアサイズ及び開口数をそれぞれ有する、方法。
【請求項18】
請求項13に記載の方法において、前記マルチコアファイバレーザーは、マルチコア発振器及びマルチコアパワー増幅器の入力端に結合されるポンプレーザー源及びコンバイナを有するエンドポンプ型主発振器パワー増幅器(MOPA)レーザーである、方法。
【請求項19】
請求項13に記載の方法において、前記マルチコアファイバレーザーは、双方向ポンプを有する主発振器パワー増幅器(MOPA)レーザーであり、該主発振器パワー増幅器(MOPA)レーザーは、
マルチコア発振器及びマルチコアパワー増幅器の入力端に結合される第1のポンプレーザー源及び第1のコンバイナと、並びに
マルチコア発振器及びマルチコアパワー増幅器の出力端に結合される第2のポンプレーザー源及び第2のコンバイナと、
を備え、
前記第1のポンプレーザー源及び前記第2のポンプレーザー源は、互いに逆方向に伝播するポンプ光を生成するように構成される、方法。
【請求項20】
請求項13に記載の方法において、前記マルチコアファイバレーザーは、ポンプレーザー源と、シードレーザー源と、マルチコア前置増幅器及びマルチコアパワー増幅器の入力端に結合されるコンバイナと、を備えるエンドポンプ型マルチステートアンプである、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本特許出願は、2023年2月15日に出願された、「MULTICORE LASER WITH INTEGRATED HIGH-BRIGHTNESS SIGNAL COMBINER」と題する米国仮特許出願第63/485,170号の優先権を主張する。先行出願の開示は、本特許出願の一部とみなされ、参照により本特許出願に援用する。
【0002】
本開示は、一般に、高出力ファイバレーザーアーキテクチャ、及び一体型高輝度信号コンバイナによりいくつかの個別の(独立した)シングルモードレーザーをサポート(支援)するマルチコアファイバを含むレーザーアーキテクチャに関する。
【背景技術】
【0003】
レーザーパワースケーリングは、レーザーの幾何学的構成配置(ジオメトリ)、形状、又は動作原理を変更することなく、レーザーからの出力パワーを増加させる技術を含む。パワースケーラビリティは、レーザー設計において重要な利点であると一般的に考えられており、通常、より強力なポンプ源、より強力な冷却、サイズの増大、並びに/又は、レーザー共振器及び/若しくは利得媒質におけるバックグラウンド損失の低減を必要とする。例えば、パワースケーラビリティを達成するための1つのアプローチは、主発振器パワー増幅器(MOPA)アーキテクチャを使用することである。例えば、MOPAシステムでは、主発振器が高コヒーレントビームを生成し、光増幅器を使用して、ビームの主要な特性を維持しながらビームのパワーを増大する。
【発明の概要】
【0004】
いくつかの実装形態では、光学システムは、・ポンプレーザー源と、・マルチコアファイバレーザーであり、該マルチコアファイバレーザーは、前記ポンプレーザー源に結合される入力側、及び出力側を有する発振器を含み、該発振器は、前記ポンプレーザー源によって生成されたポンプ光を信号光に変換するための複数のシングルモードアクティブファイバコアを含むアクティブファイバ、それぞれが前記複数のシングルモードアクティブファイバコアにそれぞれ関連付けられ、前記発振器の入力側で高反射器(HR)として動作するようにそれぞれ構成された、複数の第1の反射器、また、それぞれが前記複数のシングルモードアクティブファイバコアにそれぞれ関連付けられ、前記発振器の出力側で出力カプラ(OC)として動作するように構成された、複数の第2の反射器、を含むものである、該発振器、及び前記発振器の出力側に結合され、前記発振器の複数のシングルモードアクティブファイバコアに整合された複数のコアを有するパワー増幅器を含む、該マルチコアファイバレーザーと、・マルチモードデリバリファイバと、並びに、・前記マルチコアファイバレーザーと一体化されており、前記マルチコアファイバレーザーから複数のシングルモードレーザー入力を受け取り、且つ、前記複数のシングルモードレーザー入力を合成して、前記マルチモードデリバリファイバに供給されるマルチモード出力を生成するように構成された信号コンバイナと、を備える。
【0005】
いくつかの実装形態では、光学システムは、・それぞれが個別のシングルモードレーザーをサポートするように構成された複数のコアを含むマルチコア入力ファイバと、・複数のモードをサポートするように構成された単一のコアを含むデリバリファイバと、並びに、・前記マルチコア入力ファイバ及び前記デリバリファイバに結合される信号コンバイナと、を備え、前記信号コンバイナは、前記マルチコア入力ファイバから複数の個別のシングルモードレーザー入力を受け取り、また、前記複数の個別のシングルモードレーザー入力を合成して、前記デリバリファイバに供給されるマルチファイバ出力を生成するように構成される。
【0006】
いくつかの実装形態では、光学システムを動作させるための方法は、それぞれが複数の個別のシングルモードレーザー入力における個別のシングルモードレーザーをサポートするように構成された複数のコアを含むマルチコアファイバレーザーから、信号コンバイナによって複数の個別のシングルモードレーザー入力を受け取るステップと、前記信号コンバイナによって、前記複数の個別のシングルモードレーザー入力を合成してマルチモード出力を生成するステップと、及び、前記信号コンバイナによって、複数のモードをサポートするように構成された単一のコアを含むデリバリファイバに前記マルチモード出力を供給するステップと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】主発振器パワー増幅器(MOPA)レーザーアーキテクチャの実施例を示す図である。
【
図1B】外部信号コンバイナを使用してMOPAレーザーアーキテクチャのパワースケーリングを行う実施例を示す図である。
【
図2A】一体型高輝度信号コンバイナを含むマルチコアレーザーアーキテクチャの実施例を示す図である。
【
図2B】一体型高輝度信号コンバイナを有するマルチコアレーザーアーキテクチャにおいて使用可能なマルチコア発振器の1つ以上の実施例を示す図である。
【
図3A】一体型高輝度信号コンバイナを含むマルチコアレーザーアーキテクチャにおいて使用可能なマルチコアアクティブファイバの例示的な断面を示す図である。
【
図3B】一体型高輝度信号コンバイナを含むマルチコアレーザーアーキテクチャにおいて使用可能なマルチコアアクティブファイバの例示的な断面を示す図である。
【
図4A】MOPAレーザーアーキテクチャにおけるマルチコア発振器及びパワー増幅器を結合するための例示的なインタフェースを示す図である。
【
図4B】MOPAレーザーアーキテクチャにおけるマルチコア発振器及びパワー増幅器を結合するための例示的なインタフェースを示す図である。
【
図4C】MOPAレーザーアーキテクチャにおけるマルチコア発振器及びパワー増幅器を結合するための例示的なインタフェースを示す図である。
【
図5A】マルチコアレーザーアーキテクチャにおいて使用可能な一体型高輝度信号コンバイナの実施例を示す図である。
【
図5B】マルチコアレーザーアーキテクチャにおいて使用可能な一体型高輝度信号コンバイナの実施例を示す図である。
【
図5C】マルチコアレーザーアーキテクチャにおいて使用可能な一体型高輝度信号コンバイナの実施例を示す図である。
【
図6】一体型高輝度信号コンバイナを有するマルチコアレーザーアーキテクチャを含む光学システムを動作させるための例示的なプロセスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
例示的な実装形態の以下の詳細な説明は、添付の図面を参照する。異なる図面における同一の参照符号は、同一又は類似の要素を識別可能である。
【0009】
図1Aは、主発振器パワー増幅器(MOPA)レーザーアーキテクチャの実施例100Aを示す図であり、
図1Bは、外部信号コンバイナを使用してMOPAレーザーアーキテクチャのパワースケーリングを行う実施例100Bを示す図である。
【0010】
本明細書で説明するように、レーザーパワースケーリングは、一般的に、レーザーのジオメトリ、形状、又は動作原理を変更することなく、レーザーからの出力パワーを増加させるために使用可能な技術を指す。パワースケーラビリティは、レーザー設計における重要な利点と考えられており、通常、より強力なポンプ源、より強力な冷却、サイズの増大、並びに/又は、レーザー共振器及び/若しくは利得媒質におけるバックグラウンド損失の低減を必要とする。例えば、レーザーアーキテクチャにおいてパワースケーラビリティを達成するための1つのアプローチは、MOPAアーキテクチャを使用することであり、MOPAアーキテクチャでは、主発振器が高コヒーレントビームを生成し、光パワー増幅器が、ビームの主要な特性を維持しながらビームのパワーを増加させるために使用される。例えば、MOPAアーキテクチャでは、低パワーの単一周波数レーザー発振器からの出力を、より高出力のパワー容量を有する光増幅器内に、一方向で注入することができる。特殊なケースは、パワー増幅器がファイバデバイスである主発振器ファイバ増幅器(MOFA)である。他の場合には、MOPAが、固体バルクレーザー及びバルク増幅器、又は波長可変型外部共振器型ダイオードレーザー及び半導体光増幅器を含む場合がある。
【0011】
例えば、
図1Aを参照すると、実施例100Aは、レーザーダイオードのセット112と、コンバイナ114と、レーザーダイオードのセット112及びコンバイナ114を結合する出力ファイバのセットとを備えるマルチキロワット(kW)ポンプ源110を含むMOPAレーザーアーキテクチャを示す。さらに示すように、このMOPAレーザーアーキテクチャは、高コヒーレントビームを生成するように構成された主発振器120を含んでもよく、主発振器120は、第1の反射器122(例えば、第1のファイバブラッググレーティング(FBG))、アクティブファイバ124、及び第2の反射器126(例えば、第2のFBG)を備えてもよい。例えば、第1の反射器122は、コンバイナ114とアクティブファイバ124の入力端との間で、アクティブファイバ124から放射される光の大部分を反射するための高反射器(HR)として使用してもよく、第2の反射器126は、アクティブファイバ124の出力端で出力カプラ(OC)として使用してもよい。MOPAレーザーアーキテクチャは、さらに、パワー増幅器140と、発振器120の出力端をパワー増幅器140に(例えば、アクティブファイバ124の出力端におけるOCとして構成された第2の反射器126を介して)結合するパッシブファイバ130と、光チェーン内の様々な他の構成要素(例えば、望ましくない波長又は吸収されないポンプ光のためのフィルタ)等とを含んでもよい。
【0012】
MOPA構成は、必要な出力パワーを直接生成可能なレーザーよりも複雑な場合があるが、MOPA構成は、必要な出力パワーが高い場合、(例えば、線幅、波長調整範囲、ビーム品質、又はパルス持続時間に関して)必要な性能をより容易に達成することができる。加えて、MOPA構成は、低パワーシードレーザーを変調するために使用でき、又は、高出力デバイスを直接変調するのではなく、シードレーザー(例えば、発振器120)とパワー増幅器140との間で光変調器を使用でき、既存のレーザー及び既存の増幅器(又は増幅器チェーン)を使用し、それにより、より高出力のパワーを有する新しいレーザーの開発を不要にすることができ、且つ/又は、レーザーの共振器内強度と比較してより低い光強度を有する増幅器を使用することができる。
【0013】
しかしながら、MOPAレーザーアーキテクチャをより高パワーにスケーリングすることは、困難である。例えば、MOPAレーザーアーキテクチャにおける発振器120は、安定性のために可能な限りシングルモードに近い状態に維持されるべきであるが、これは困難である。なぜなら、ポンプ光を発振器120において信号光に変換することが、誘導ラマン散乱(SRS)、誘導ブリルアン散乱(SBS)、又はシングルモードレーザーのパワースケーリングに深刻な障害をもたらす他の非線形効果によって制限されるからである。特に、SRSは、光学ビームからのエネルギーが、ガラス媒質の分子内で励起される振動モード及び/若しくは回転モード又はフォノンを介して、より長い波長に変換される、非線形光学効果である。このプロセスは、(例えば、光ファイバをラマン増幅器又は波長可変型ラマンレーザーに変えた)特定の用途では有用な場合があるが、SRSは、切断及び溶接産業で使用されるマルチkW連続波(CW)の工業用ファイバレーザー又は準CWのkWファイバレーザーには望ましくない。例えば、工業用の場合、SRSは、エネルギーをある波長から別の波長に伝達し、且つ/又は、望ましくない損失及び/若しくは加熱を伴わずに伝播可能なパワーを制限する場合があり、これにより、工業プロセスに悪影響を及ぼし、且つ/又は機器に損傷を引き起こす可能性がある。工業用kWファイバレーザーのパワーレベルが増加し続けるにつれて、SRS、SBS、及び他の非線形効果はより問題になり、非線形効果を抑制するための技術が必要とされる。
【0014】
いくつかの場合、MOPAレーザーアーキテクチャにおけるパワースケーリングは、レーザーのコア直径及び/又は開口数(NA)を増加させることによって達成することができる。しかしながら、レーザーのコア直径及び/又はNAを増加させると、パワーの増加の代償として輝度が犠牲になる。他の場合、MOPAレーザーアーキテクチャにおけるパワースケーリングは、複数のレーザーを外部信号コンバイナと組み合わせることによって達成することができる。例えば、
図1Bを参照すると、実施例100Bは、複数のシングルモードレーザーを含み、外部信号コンバイナ150を有するMOPAアーキテクチャを示しており、このMOPAアーキテクチャでは、n個(nは1より大きい)のシングルモードレーザーからのシングルモード出力が外部信号コンバイナ150に供給され、外部信号コンバイナ150は、n個のシングルモード出力を結合して、デリバリケーブル160を介してマルチモード出力を供給する。例えば、n個のシングルモードレーザーからのシングルモード出力が、n本の別々のファイバを介して外部信号コンバイナ150に供給されてもよく、これらのファイバは、捩じられてもよく、テーパ化されてもよく、融着されてもよく、またデリバリケーブル160に継ぎ合わされてもよい。代替的に、外部信号コンバイナ150は、ガラスエンクロージャ(例えば、毛細管)を含んでもよく、この場合、n本の別々のファイバは、外部信号コンバイナ150に入れられ、ガラスエンクロージャのテーパ領域内でテーパ化され、デリバリケーブル160に継ぎ合わされる。しかしながら、外部信号コンバイナ150をこのように使用することにより、複数のレーザーを結合し、パワーを増幅できるが、外部信号コンバイナ150はコストを増加させ、輝度を犠牲にする。
【0015】
本明細書で説明するいくつかの実装形態は、複数の個別のシングルモードレーザーをサポート可能なマルチコアファイバと、高輝度信号コンバイナとを含むレーザーアーキテクチャに関し、高輝度信号コンバイナをマルチコアファイバと一体化することにより、MOPAレーザーアーキテクチャ又は他のモノリシックファイバレーザーにおけるパワースケーリング性能を向上させることができる。例えば、上述のように、MOPAレーザーアーキテクチャにおける主発振器は、シングルモード又はほぼシングルモードの領域で動作するときに、最も安定である。さもないと、発振器の寸法が十分に制御されていない場合に、横モード不安定性が生じる可能性がある。さらに、HR及び/又はOC反射器として使用されるFBG及び/又は他のデバイスは、一般的に、反射器デバイスがシングルモード又はほぼシングルモードの場合に、書き込み及び/又は測定がより容易となる。したがって、いくつかの個別のシングルモードレーザーをサポートするマルチコアファイバを高輝度信号コンバイナと一体化することを利用することにより、信号パワーが増加し、輝度が最適化し、コストが最小限に抑えられ、且つ/又は既存のレーザーアーキテクチャを活用することが可能な方法で、マルチモード出力を生成することができる。
【0016】
図2Aは、一体化した高輝度信号コンバイナを含むマルチコアレーザーアーキテクチャの実施例200-1、200-2、及び200-3を示す図である。実施例200-1では、マルチコアレーザーアーキテクチャは、マルチコアパワー増幅器ファイバ240に結合されるマルチコア発振器220を含むエンドポンプ型MOPAアーキテクチャであり、マルチコアパワー増幅器ファイバ240は、デリバリファイバ260を介してマルチモード出力を供給する信号コンバイナ250と一体化される。付加的に又は代替的に、実施例200-2では、マルチコアレーザーアーキテクチャは、双方向ポンプで構成されたMOPAアーキテクチャであり、マルチコア発振器220の入力端に設けられた第1のセットのダイオード212-1及び第1のコンバイナ214-1を備える、(例えば、光の伝播方向に第1のポンプ光を供給する)第1のポンプレーザー源210-1と、マルチコアパワー増幅器ファイバ240の出力端に設けられた第2のセットのダイオード212-2及び第2のコンバイナ214-2を備える、(例えば、光の伝播方向とは逆方向に第2のポンプ光を供給する)第2のポンプレーザー源210-2と、を含む。
図2Aにさらに示すように、実施例200-3では、マルチコアレーザーアーキテクチャが、エンドポンプ型多段増幅器である。この場合、ポンプ光を供給するように構成されたダイオード212に加えて、ポンプレーザー源210は、信号光を供給可能なシードダイオード216と、ダイオード212によって供給されたポンプ光を、シードダイオード216によって供給された信号光と結合して、マルチコアレーザーアーキテクチャへの入力光を生成可能なポンプ信号コンバイナ218と、を含み、このマルチコアレーザーアーキテクチャは、マルチコア前置増幅器ファイバ240-1、及び高輝度信号コンバイナ250と一体化した第2段マルチコアパワー増幅器ファイバ240-2を備える。実施例200-3によって示すように、PSCアーキテクチャにおいて外部シードダイオード216を使用すると、アクティブファイバの入力端でHRとして使用される第1の反射器222、及び/又はアクティブファイバの出力端でOCとして使用される第2の反射器226を不要にすることができる。
【0017】
したがって、本明細書で説明するように、
図2Aに示すマルチコアレーザーアーキテクチャはそれぞれ、複数のレーザーダイオード212と、コンバイナ214又はポンプ信号コンバイナ218と、を備えるマルチキロワット(kW)ポンプ源210を含んでもよい。いくつかの実装形態では、マルチkWポンプ源210は、マルチコアレーザーアーキテクチャへの入力光を生成するように構成されたポンプレーザー源を画定してもよい。さらに示すように、マルチコアレーザーアーキテクチャは、マルチコアアクティブファイバ224の入力端に(例えば、コンバイナ214/218とマルチコアアクティブファイバ224との間のインタフェースに)設けられた複数のHR反射器(例えば、複数の第1のFBG)222、又はマルチコアアクティブファイバ224と整合するパッシブマルチコアファイバを含んでもよい。複数のHR反射器222はそれぞれ、マルチコアアクティブファイバ224の1つのコアに関連付けられる。さらに、複数のOC反射器226(例えば、複数の第2のFBG)が、マルチコアアクティブファイバ224の出力端に(例えば、マルチコアアクティブファイバ224の出力端と、マルチコアパワー増幅器ファイバ240内に結合するパッシブファイバとの間のインタフェースに)設けられてもよい。複数のOC反射器226はそれぞれ、マルチコアアクティブファイバ224の1つのコアに関連付けられてもよい。さらに、マルチコアアクティブファイバ224の1つのコアに関連付けられたHR反射器222は、マルチコアアクティブファイバ224の同じコアにおける対応するOC反射器226に関連付けられる。さらに、マルチコアレーザーアーキテクチャは、マルチコア発振器220又はマルチコア前置増幅器ファイバ240-1を含んでもよく、マルチコア発振器220又はマルチコア前置増幅器ファイバ240-1は、複数のHR反射器222、複数のOC反射器226、及びマルチコアアクティブファイバ224を含んでもよい。
【0018】
実施例200-1及び200-2では、マルチコア発振器220の各発振器が、複数のHR反射器222のうちの1つ、マルチコアアクティブファイバ224のうちの1つのコア、及び複数のOC反射器226のうちの1つを含んでもよい。入力光は、マルチコア発振器220によって信号光に変換してもよく、信号光は、パワー増幅器ファイバ240によってより高パワーレベルに増幅してもよい。例えば、いくつかの実装形態では、マルチコアアクティブファイバ224が複数のコアを含んでもよく、反射器222/226は、マルチコア発振器220の異なるコア内に書き込まれる。いくつかの実装形態では、反射器222/226の周期が互いに異なってもよく、反射器222/226の周期を変化させることにより、各発振器において(例えば、マルチコア発振器アクティブファイバ224の各コアにおいて)異なる波長を発振させることが可能となる。代替的に、いくつかの実装形態では、反射器222/226の周期は、各発振器内で特定の波長が発振できるように、互いに一致してもよく、又は、反射器222/226のうちの1つは、より広い格子と重複する狭い格子であってもよい。代替的に、いくつかの実装形態では、フェムト秒レーザー等を使用して、ファイバ全体にわたって単一の格子を書き込んでもよい。ファイバ全体にわたって単一の格子が書き込まれる構成では、ファイバ全体を一度に露光して、すべてのコアにわたって同じ格子を書き込んでもよい。いずれの場合も、マルチコア発振器220に複数の個別のコアを設けることにより、SRS又は他の非線形効果を大幅に増加させることなく、ポンプ光-信号光変換を効果的に乗算することができる。例えば、発振器内の単一のコアが、一般的に、(例えば、そのコア内のポンプパワーの変換に基づいて)所与の量のパワーを生成でき、それにより、マルチコア発振器220内の個別に動作するコアの数を2倍にすること、3倍にすること、4倍にすること、あるいは乗算することによって、マルチコア発振器220内で発生するポンプ光-信号光変換を効果的に乗算することができる。さらに、実施例200-3では、マルチコア前置増幅器ファイバ240-1及び/又はマルチコアパワー増幅器ファイバ240-2は、本明細書で説明するマルチコア発振器220と同様の特性を有するマルチコアファイバを備えてもよい。
【0019】
いくつかの実装形態では、安定性を最大にするために、マルチコアレーザーアーキテクチャに含まれるマルチコアファイバが、シングルモード領域で動作するように構成されてもよい。例えば、本明細書で説明するように、マルチコアファイバは、シングルモード(例えば、光のシングルモードのみを反射するように設計される)、ほぼシングルモード(例えば、シングルモードの閾値内)、シングル横モード且つシングル偏光モード、シングル横モードであるがシングル偏光モードではないモード等となるように構成されてもよい。いずれの場合も、マルチコアファイバをシングルモード領域で動作させることにより、マルチコアレーザーアーキテクチャは、マルチコアアクティブファイバ又はマルチコアファイバ内の任意の他の信号搬送ファイバのパラメータが十分に制御されていない場合に生じる可能性がある横モード不安定性を回避することができる。さらに、1つのアクティブファイバ内に複数の個別のシングルモード又はほぼシングルモードのコアを作製することにより、HR反射器及び/又はOC反射器として動作するように構成されたFBG又は他の反射器を書き込み且つ/又は測定するために使用される技術を単純化することができる。したがって、本明細書で説明するように、
図2Aに示すマルチコアレーザーアーキテクチャは、1本のファイバ内に作製可能な複数の個別のシングルモード又はほぼシングルモードのコアを有する1本以上のマルチコアファイバを含み、そうすることで、ポンプ光-信号光変換を増加し、SRS利得を低減し、フォトダークニングを低減し、マルチコアファイバから生じる安定性を維持する。このようにして、マルチコアファイバからの信号パワーを増加させることができ、そうすることで、(1本以上の)パワー増幅器ファイバ240を含む(1つ以上の)後段における反転及び/又は加熱が低減される。付加的に又は代替的に、マルチコアファイバの1つ以上のコア内で複数のモードが搬送されてもよい。例えば、高次モードは異なる共振波長を有することになるので、いくつかの実装形態では、HR反射器及び/又はOC反射器として動作するように構成されたFBG又は他の反射器を使用して、マルチモードファイバにおいてシングルモードレーザー処理達成することができる(例えば、わずかにマルチモード化したファイバから初めて、(1つ以上の)FBGを使用してほぼシングルモードの性能を与えることができ、これにより製造公差を緩和することができる)。
【0020】
いくつかの実装形態では、マルチコア発振器220内に含まれる個別のアクティブファイバコアが、マルチコアパワー増幅器ファイバ240への発射前に異なる波長を反射するように作製される異なるHR反射器222及び/又はOC反射器226を有してもよい(例えば、アクティブファイバの各コアが、特定の波長用に作製され、対応するコア用のHR反射器222及びOC反射器226として使用される、一対のFBG222/226又は他のデバイスを有してもよく、それにより、各発振器が、マルチコアアクティブファイバ224内で(1つ以上の)異なる波長を有する個別のレーザーとして機能することができる)。付加的に又は代替的に、特定の波長用にHR反射器222及びOC反射器226を両方とも作製するのではなく、波長毎に一方の反射器(例えば、HR反射器222)のみを作製してもよく、他方の反射器(例えば、OC反射器226)は広帯域幅の格子であってもよい。このようにして、マルチコアパワー増幅器ファイバ240に関連付けられた段に遷移するときに、望ましくないコヒーレンス効果を抑制することができ、これは、実施例200-1、200-2におけるマルチコア発振器220とマルチコアパワー増幅器ファイバ240との間、又は実施例200-3におけるマルチコア前置増幅器ファイバ240-1と第2段マルチコアパワー増幅器との間にパッシブファイバを有することによって対処可能である。いくつかの実装形態では、マルチコアファイバ220/240-1とマルチコアパワー増幅器ファイバ240/240-2との間の輝度は、モード整合パッシブファイバ(例えば、1/4ピッチグレーデッドインデックスファイバ又は等価ステップインデックスファイバ)を追加することによって増加させることができる。また、マルチコアファイバは、発振器コア内及び(1つ以上の)後段の増幅器段内でより効率的な変換を可能にするために、同じポンプコンバイナ内で異なるポンプ波長を用いて使用することもできる。
【0021】
図2Bを参照すると、第1の構成では、一体型高輝度信号コンバイナを有するマルチコアレーザーアーキテクチャにおいて使用可能なマルチコア発振器220-1は、マルチコアアクティブファイバ224の個別のアクティブコア内に直接作製された複数の格子(例えば、HR格子222及びOC格子226)を有するマルチコアアクティブファイバ224を備える。いくつかの実装形態では、複数のコアのそれぞれに複数の格子がそれぞれ書き込まれる場合があるが、分かり易さのために、
図2Bでは、複数のHR格子222のうちの1つのみと、複数のOC格子226のうちの1つのみが示されている。この場合、単一のアクティブファイバ224は、関連付けられたFBG222/226と協働して、個別の発振器として機能し、またクロストークの閾値レベルを満たすように互いに離間させられている、複数のドープコアを含む。例えば、いくつかの実装形態では、複数のコアは、複数のドープコア間のクロストークを回避若しくは抑制するように、又はコア間のクロストークのレベルを最小限に抑えるように、互いから離間させられてもよい。代替的に、いくつかの実装形態では、コア間の離間度は、コア間のクロストークの閾値レベルを可能にするように低減されてもよい(例えば、コヒーレントビーム結合等のクロストークが望まれる用途の場合、コア間の離間度は、コア間で固定位相関係を達成するように制御されてもよい)。
【0022】
マルチコア発振器220-1の第1の構成では、マルチコア発振器220-1の入力端でHR反射器222として使用される1つ以上のFBG、及び/又はマルチコア発振器220-1の出力端でOC反射器226として使用される1つ以上のFBGが、フェムト秒(FS)レーザー又は他の手段を用いて、アクティブファイバ224の両側の各コアに直接書き込まれてもよい。例えば、いくつかの実装形態では、アクティブファイバ224の入力端上の第1のFBGが、(例えば、約99%の反射率を持つ)HR反射器222として動作するように構成されてもよく、アクティブファイバ224の出力側上の第2のFBGが、(例えば、約10-20%の反射率を持つ)OC反射器226として動作するように構成されてもよい。代替的に、
図2Bは、整合アクティブファイバ及びパッシブファイバを含むマルチコア発振器220-2の第2の構成を示す。本明細書で説明するように、整合アクティブ及びパッシブファイバは、一般的に、同じ数のコアを有し、ファイバ内のコアの相対位置が同じであり、並びに/又は同様のモードサイズ及び開口数(NA)を有してもよい。さらに、本明細書で説明するように、整合アクティブ及びパッシブファイバは、ファイバ同士が一緒に継ぎ合わされ又は他の方法で結合されたときにファイバ内の各コアが整列するように配向されてもよい。マルチコア発振器220-2の第2の構成の場合、各コアに書き込まれたHR反射器222及びOC反射器226(例えば、各FBG)を有する整合マルチコアパッシブファイバは、整合マルチコアアクティブファイバ224の両端に継ぎ合わされてもよい。例えば、参照符号228-1及び228-2は各継ぎ合わせ地点を示しており、そこで整合マルチコアパッシブファイバが整合マルチコアアクティブファイバ224の両端に継ぎ合わされる。さらに、マルチコア発振器220-1の第1の構成と同様に、アクティブファイバ224の入力端上の第1のFBGがHR反射器222として機能し、アクティブファイバ224の出力端上の第2のFBGがOC反射器226として機能する。
【0023】
上述のように、
図2A~2Bは実施例として提示されている。他の実施例は、
図2A~2Bに関して説明したものとは異なっていてもよい。
図2A~2Bに示すデバイスの数と配置は例として提示される。実際には、
図2A~2Bに示すものと比べて、追加のデバイス、より少ないデバイス、異なるデバイス、又は異なるように配置されたデバイスが存在してもよい。さらに、
図2A~2Bに示す2つ以上のデバイスが単一のデバイスの中に実装されてもよく、又は
図2A~2Bに示す単一のデバイスが複数の分散デバイスとして実装されてもよい。付加的に又は代替的に、
図2A~2Bに示すデバイスのセット(例えば、1つ以上のデバイス)が、
図2A~2Bに示す別のデバイスのセットによって実行されるものとして説明されている1つ以上の機能を実行してもよい。
【0024】
図3A~3Bは、一体型高輝度信号コンバイナを含むマルチコアレーザーアーキテクチャにおいて使用可能なマルチコアアクティブファイバの例示的な断面を示す図である。
図3A~3Bは、一体型高輝度信号コンバイナを有するマルチコアレーザーアーキテクチャにおいて(例えば、
図2Aに示すマルチコアレーザーアーキテクチャにおいて)使用可能なマルチコアアクティブファイバの例示的な断面300-1~300-6を示す実施例である。例えば、
図3A~3Bに示すように、マルチコアアクティブファイバは、一般的に、内側クラッド320と、内側クラッド320を囲む外側クラッド330と、内側クラッドに埋め込まれており、ポンプレーザー源からのポンプ光をパワー増幅器に発射される信号光に変換するため、並びに/又は合成されたポンプ光及び信号光をパワー増幅器に伝送するために使用される、複数のシングルモードファイバコア310と、を含んでもよい。
【0025】
図3Aを参照すると、断面300-1、300-2、及び300-3は、コア310間のクロストークを回避するため及び/又はコア310間のクロストークの閾値レベルを満たすために、マルチコアアクティブファイバが、互いに均一に離間している2つ、3つ、又は4つの同一のコア310(例えば、コア310は、均一なドーピング及び均一なコアサイズを有する)を含んでいる、例示的な構成を示している。しかしながら、マルチコアアクティブファイバは、一般的に、N個(Nは1より大きい整数である)のコアを含んでもよい。
【0026】
付加的に又は代替的に、
図3Bを参照すると、断面300-4、300-5、及び300-6は、マルチコアアクティブファイバが、異なるパラメータに関連付けられた複数のコア310を含む例示的な構成を示す。例えば、断面300-4によって示すように、マルチコアアクティブファイバは、コアの離間度が異なる複数のコア310を含んでもよい(例えば、第1のコア310が、第1の距離だけ第2のコア310から離間させられ、また第1の距離とは異なる第2の距離だけ第3のコア310から離間させられてもよい)。付加的に又は代替的に、断面300-5によって示すように、マルチコアアクティブファイバは、異なるコアサイズ(例えば、異なるコア直径)を有する複数のコア310を含んでもよい。付加的に又は代替的に、断面300-6によって示すように、マルチコアアクティブファイバは、各コア310内で異なるドーピング(異なるコア310の塗りつぶしパターンの変化によって
図3Bに示される)を有する複数のコア310を含んでもよい。他の実施例(明示的には図示せず)では、複数のコア310が、アクティブファイバの中心軸の周りで撚り合わされてもよく、これはコア310を屈曲させることと同等であり、こうすることで、マルチコア発振器によってより多くのシングルモード信号を出力することを保証することができる。いくつかの実装形態では、撚り合わせの周期を調整してもよく、そうすることで曲げ直径が変化する。さらに、いくつかの実装形態では、コア310を撚り合わせることにより、異なるコア310にわたってポンプ吸収をより均一にすることができる。
【0027】
上述のように、
図3A~3Bは実施例として提示される。他の実施例は、
図3A~
図3Bに関して説明したものとは異なっていてもよい。
図3A~3Bに示すデバイスの数と配置は例として提示される。実際には、
図3A~3Bに示すものと比べて、追加のデバイス、より少ないデバイス、異なるデバイス、又は異なるように配置されたデバイスが存在してもよい。さらに、
図3A~3Bに示す2つ以上のデバイスが単一のデバイスの中に実装されてもよく、又は
図3A~3Bに示す単一のデバイスが複数の分散デバイスとして実装されてもよい。付加的に又は代替的に、
図3A~3Bに示すデバイスのセット(例えば、1つ以上のデバイス)が、
図3A~3Bに示す別のデバイスのセットによって実行されるものとして説明されている1つ以上の機能を実行してもよい。
【0028】
図4A~4Cは、MOPAレーザーアーキテクチャ400の実施例と、MOPAレーザーアーキテクチャにおけるマルチコア発振器420及びパワー増幅器440を結合する例示的なインタフェースと、を示す図である。例えば、
図4Aに示すように、MOPAレーザーアーキテクチャ400は、複数のレーザーダイオード412と、コンバイナ414とを備えるマルチkWポンプ410を含んでもよく、マルチkWポンプ410は、MOPAレーザーアーキテクチャ400への入力光を生成するように構成されるポンプレーザー源を集合的に画定することができる。さらに示すように、MOPAレーザーアーキテクチャは、マルチコア発振器420の入力端(例えば、コンバイナ414とアクティブファイバ424との間のインタフェース)に設けられた複数のHR反射器422(例えば、複数の第1のFBG)を含んでもよく、アクティブファイバ424の各コアの入力端に1つのHR反射器422が設けられてもよい。さらに示すように、MOPAレーザーアーキテクチャ400は、マルチコア発振器420の出力端(例えば、アクティブファイバ424の出力端と、パワー増幅器440に結合するパッシブ又はアクティブ出力ファイバ430との間のインタフェース)に複数のOC反射器426(例えば、複数の第2のFBG)を含んでもよく、アクティブファイバ424の各コアの出力端に1つのOC反射器426が設けられてもよい。
【0029】
いくつかの実装形態では、マルチコア発振器420からの出力が、最後の増幅段用のマルチコア発振器420に整合されるマルチコアパワー増幅器440に継ぎ合わされる。一般に、本明細書で説明するように、マルチコア発振器420及びマルチコアパワー増幅器440内の個々のコアはそれぞれ、個別の(独立した)シングルモードレーザーとして機能する。さらに、いくつかの実装形態では、様々なコアにわたってポンプ吸収の均一化を助けるために、マルチコア発振器420及び/又はマルチコアパワー増幅器440用に使用されるマルチコアファイバを捩じってもよい。いくつかの実装形態では、マルチコアパワー増幅器440用に使用されるマルチコアファイバが、複数の対称コア、複数の同心コア、複数のオフセットコア、又はマルチコア発振器220からの出力に整合される他の適切なコア構成を含んでもよい。
【0030】
例えば、
図4Aを参照すると、参照符号450-1は、マルチコア発振器420の出力端の例示的な断面を示しており、マルチコア発振器420は2つのアクティブコア452を含み、アクティブコア452は、フッ素(F)ドープ外側クラッド456によって囲まれた溶融シリカ内側クラッド454に埋め込まれている。さらに示すように、参照符号460-1は、マルチコア発振器420の出力に継ぎ合わされ又は一体化したマルチコアパワー増幅器440の入力端の例示的な断面を示す。図示のように、マルチコアパワー増幅器440は、マルチコア発振器420の2つのアクティブコア452に整合する2つのアクティブコア462と、2つのアクティブコア462を囲み、マルチコア発振器420の溶融シリカ内側クラッド454に整合する溶融シリカ内側クラッド464と、溶融シリカ内側クラッド464を囲み、マルチコア発振器420のフッ素ドープ外側クラッド456に整合するフッ素ドープ外側クラッド466と、を含む。
【0031】
別の実施例では、
図4Bを参照すると、参照符号450-2は、マルチコア発振器420が、フッ素ドープ外側クラッド456によって囲まれた溶融シリカ内側クラッド454の内部に中心アクティブコア452-1及びオフセットアクティブコア452-2を含む、例示的断面を示す。参照符号460-2によって示すように、マルチコア発振器420の断面は、マルチコア発振器420の中心コア452-1に整合される内側コア462-1と、マルチコア発振器420のオフセットコア452-2に整合される外側コア462-2と、二重同心コア462-1、462-2を囲む溶融シリカ内側クラッド464と、溶融シリカ内側クラッド464を取り囲むフッ素ドープ外側クラッド466と、を含む二重同心コア出力ファイバ(例えば、パッシブ又はアクティブ出力ファイバ)に整合される。
【0032】
別の実施例では、
図4Cを参照すると、参照符号450-3は、マルチコア発振器420が
図4Bに示すものと同じ構成を有する例示的な断面を示す。参照符号460-3によって示すように、マルチコア発振器420の断面は、マルチコア発振器420の中心コア452-1に整合された中心コア462-1と、マルチコア発振器420のオフセットコア452-2に整合されたオフセットコア462-2と、二重オフセットコア462-1、462-2を囲む溶融シリカ内側クラッド464と、溶融シリカ内側クラッドを囲むフッ素ドープ外側クラッド466と、を含む二重オフセットコア出力ファイバ(例えば、パッシブ又はアクティブ出力ファイバ)に整合される。
【0033】
他の実施例(明示的に図示せず)では、マルチコアパワー増幅器ファイバ440は、コンファインドドーピング(confined doping)を有してもよく、コンファインドドーピングは、テーパ状のコアと類似しており、マルチコア発振器420からの信号がマルチコアパワー増幅器ファイバ440に発信された後にそのモードをより良く封じ込めることができる。付加的に又は代替的に、マルチコア発振器420のアクティブファイバ424は、単一の中心オフセットコア452を含んでもよく、中心オフセットコア452は捩じられてもよく、単一の中心オフセットコア内のモードは、捩じりの周期を制御することによって十分に管理することができる。
【0034】
上述のように、
図4A~4Cは例として提示される。他の実施例は、
図4A~4Cに関して説明したものとは異なっていてもよい。
図4A~4Cに示すデバイスの数と配置は例として提示される。実際には、
図4A~4Cに示すものと比べて、追加のデバイス、より少ないデバイス、異なるデバイス、又は異なるように配置されたデバイスが存在してもよい。さらに、
図4A~4Cに示す2つ以上のデバイスが単一のデバイスの中に実装されてもよく、又は
図4A~4Cに示す単一のデバイスが複数の分散デバイスとして実装されてもよい。付加的に又は代替的に、
図4A~4Cに示すデバイスのセット(例えば、1つ以上のデバイス)が、
図4A~4Cに示す別のデバイスのセットによって実行されるものとして説明されている1つ以上の機能を実行してもよい。
【0035】
図5A~5Cは、一体型高輝度信号コンバイナを有するマルチコアレーザーアーキテクチャの実施例500-1、500-2、及び500-3を示す図である。例えば、
図5A~5Cに示すように、実施例500-1、500-2、及び500-3はそれぞれ、マルチKWポンプ510を備えるMOPAレーザーアーキテクチャを含み、マルチKWポンプ510は、MOPAレーザーアーキテクチャへの入力光を生成するように構成されたポンプレーザー源を画定可能な複数のレーザーダイオード512及びコンバイナ514を含む。代替的に、いくつかの実装形態では、マルチkWポンプ510は、マルチコアレーザーアーキテクチャへの入力光を生成可能なシードダイオード(図示せず)及びポンプ信号コンバイナ514を含んでもよい。いくつかの実装形態では、さらに示すように、マルチコアレーザーアーキテクチャはマルチコア発振器520を含み、マルチコア発振器520は、マルチコア発振器520の入力端(例えば、コンバイナ514とマルチコア発振器520のアクティブファイバ524との間のインタフェース)に設けられた複数のHR反射器522(例えば、複数の第1のFBG)と、マルチコア発振器520の出力端(例えば、アクティブファイバ524の出力端とパッシブ又はアクティブ出力ファイバ530との間のインタフェース)にある複数のOC反射器526(例えば、複数の第2のFBG)と、マルチコアパワー増幅器540と、を備えてもよい。
図5A~5Cにさらに示すように、マルチコアパワー増幅器540からの出力は一体化信号コンバイナ550に供給されてもよく、一体化信号コンバイナ550は、マルチコアパワー増幅器540の様々なコアから受け取ったシングルモード入力を合成してマルチモード出力を生成し、マルチモード出力は、デリバリファイバ560を介して供給される。
【0036】
例えば、
図5Aを参照すると、実施例500-1は、パッシブテーパを有する信号コンバイナ550と一体化可能なマルチコアレーザーアーキテクチャを示す。例えば、
図5Aに示すように、対称コアを有するマルチコアレーザーからの出力は、おおよそ3xのテーパ比で断熱的にテーパ付けされ、またマルチモードデリバリファイバ(又はデリバリケーブル)560に継ぎ合わされてもよい。例えば、参照符号552は、入力インタフェースにおける一体化信号コンバイナ550の断面を示しており、入力インタフェースでは、マルチコアレーザーアーキテクチャからシングルモード入力が受け取られ、参照符号554は、継ぎ合わせ地点570における一体型信号コンバイナ550の断面を示し、継ぎ合わせ地点570では、信号コンバイナ550がマルチモードデリバリファイバ560に継ぎ合わされ、参照符号562は、マルチモードデリバリファイバ560の断面を示す。したがって、実施例500-1では、ファイバがテーパ化するにつれて、マルチコアレーザーアーキテクチャの個々のコアからのモードが、クラッドに向かって断熱的に拡張することができる。いくつかの実装形態では、明るさを最適化するために、テーパ比を十分に大きくなるように構成して、モードがコアから完全に現れることを保証してもよい。さもないと、個々のコアからのモードが十分に制御されていない場合、モード同士が結合して、マルチモードデリバリファイバ560内でいくつかのモードが作られる可能性があり、その結果、輝度が減少する可能性がある。
【0037】
さらに、いくつかの実装形態では、一体化信号コンバイナ550に表面処理を施すことにより、一体化信号コンバイナ550に疎水性表面コーティングを持たせてもよい。例えば、いくつかの実施態様では、信号コンバイナ550の表面にヘキサメチルジシラザン(HMDS)(H3C)3Siの化学処理層が塗布されてもよく、これにより、信号コンバイナ550の表面の化学的性質を変化させることができる。この場合、信号コンバイナ550の表面上の水酸(OH)基(シラノール末端)をHMDS(のメチル基)と反応させて、信号コンバイナ550上に単分子層保護コーティング(例えば、HMDS層)を形成することができる。言い換えれば、各酸素分子が水素分子を持つ酸素分子(例えば、シラノール基)の表面層を有するシリカ系光ファイバ(又は他のタイプの光ファイバ若しくは光学部品)ではなく、信号コンバイナ550は、各酸素分子がHMDS基を持つ酸素分子の表面層を含む。露出したHMDS基は疎水性表面を形成し、それにより、信号コンバイナ550上にある大気水分子ベースの堆積表面汚染物質、及び/又は加水分解反応による微小亀裂伝播が、防止又は低減される。このようにして、HMDS処理(又は別のタイプの処理)の利用により、信号コンバイナ550のために再コーティング又はハウジングを設ける必要性を低減することができ、それにより、製造の複雑性が低減され且つ/又はさらなる小型化が可能になる。
【0038】
付加的に又は代替的に、
図5Bに且つ実施例500-2によって示すように、信号コンバイナ550は、1/4ピッチグレーデッドインデックス(GI)ファイバを備えてもよい。例えば、
図5Bに示すように、マルチコアレーザーアーキテクチャからの出力は、第1の継ぎ合わせ地点570-1で、1/4ピッチ長を有するグレーデッドインデックスファイバの整合ピースに継ぎ合わされてもよく、グレーデッドインデックスファイバは、第2の継ぎ合わせ地点570-2で、マルチモードデリバリファイバ(又はデリバリケーブル)560に継ぎ合わされてもよい。例えば、
図5Bにおいて、参照符号552は、マルチコアレーザーアーキテクチャからシングルモード入力が受け取られる第1の継ぎ合わせ地点570-1におけるグレーデッドインデックスファイバの断面を示し、参照符号554は、グレーデッドインデックスファイバの1/4ピッチ長の中点におけるグレーデッドインデックスファイバの断面を示し、参照符号556は、第2の継ぎ合わせ地点570-2におけるグレーデッドインデックスファイバの断面を示す。いくつかの実装形態では、
図5Aの実施例500-1と比較した場合、ファイバアセンブリ内にさらなる継ぎ合わせ570があると、より多くの損失をもたらす可能性がある。さらに、
図5Aを参照して上述したのと同様に、個々のコアからのモードが十分に制御されない場合、個々のコアからのモード同士が結合して、マルチモードデリバリファイバ560内でいくつかのモードが作られる可能性があり、その結果、輝度が減少する可能性がある。
【0039】
付加的に又は代替的に、
図5Cを参照すると、実施例500-3は、アクティブテーパを有する信号コンバイナ550と一体化可能なマルチコアレーザーアーキテクチャを示す。例えば、
図5Cでは、マルチコアレーザーアーキテクチャ内のコアの数が、マルチモードデリバリファイバ560内のサポートされているモードの数に整合し、またマルチコアレーザーアーキテクチャ内のマルチコアにおける各コアが、信号コンバイナ550とマルチモードデリバリファイバ560との間のインタフェースにおいて、マルチモードデリバリファイバ560内の対応するモードに整合するコアサイズ及びNAを有するという点で、マルチコアレーザーアーキテクチャ及びマルチモードデリバリファイバ560は十分に整合している。例えば、4つのコアを有するマルチコアファイバでは、この4つのコアが、4つのモード(例えば、LP01、LP11X、LP11Y、及びLP02モード)をサポートするデリバリファイバ560に整合される。いくつかの実装形態では、一体型信号コンバイナ550を形成するためにマルチコアファイバが正確にテーパ化されたときに、マルチコアファイバからの各モードがマルチモードデリバリファイバ560内の正確なモードに整合するように、マルチコアレーザーアーキテクチャのコアサイズ及びNAが固定される。例えば、いくつかの実装形態では、第1のテーパ状コアが、マルチモードデリバリファイバ560内のLP01モードに直接整合してもよく、第2のテーパ状コアが、マルチモードデリバリファイバ560内のLP11Xモードに直接整合してもよく、第3のテーパ状コアが、マルチモードデリバリファイバ560内のLP11Yモードに直接整合してもよく、第4のテーパ状コアが、マルチモードデリバリファイバ560内のLP02モードに直接整合してもよい。さらに、
図5Aを参照して上述したのと同様の方法で一体化信号コンバイナ550に表面処理を施すことにより、一体化信号コンバイナ550に疎水性表面コーティングを持たせて、信号コンバイナ550上にある大気水分子由来の堆積表面汚染物質及び/又は加水分解反応を介した微小な亀裂の伝播を防止又は低減させることができる。
【0040】
上述のように、
図5A~5Cは実施例として提示される。他の実施例は、
図5A~5Cに関して説明したものとは異なっていてもよい。
図5A~5Cに示すデバイスの数と配置は例として提示される。実際には、
図5A~5Cに示すものと比べて、追加のデバイス、より少ないデバイス、異なるデバイス、又は異なるように配置されたデバイスが存在してもよい。さらに、
図5A~5Cに示す2つ以上のデバイスが単一のデバイスの中に実装されてもよく、又は
図5A~5Cに示す単一のデバイスが複数の分散デバイスとして実装されてもよい。付加的に又は代替的に、
図5A~5Cに示すデバイスのセット(例えば、1つ以上のデバイス)が、
図5A~5Cに示す別のデバイスのセットによって実行されるものとして説明されている1つ以上の機能を実行してもよい。
【0041】
図6は、一体化高輝度信号コンバイナを有するマルチコアレーザーアーキテクチャを含む光学システムを動作させるための例示的なプロセス600のフローチャートである。いくつかの実装形態では、
図6の1つ以上のプロセスブロックが、信号コンバイナ(例えば、信号コンバイナ250、信号コンバイナ550等)によって実行される。
【0042】
図6に示すように、プロセス600は、それぞれが複数の個別のシングルモードレーザー入力における個別のシングルモードレーザーをサポートするように構成された複数のコアを備えるマルチコアファイバレーザーから、複数の個別のシングルモードレーザー入力を受け取ることを含んでもよい(ブロック610)。例えば、信号コンバイナ250、信号コンバイナ550等は、上述のように、それぞれが複数の独立したシングルモードレーザー入力における個別のシングルモードレーザーをサポートするように構成された複数のコアを備える、マルチコアファイバレーザー200-1、200-2、及び/又は200-3、MOPAレーザーアーキテクチャ400等から、複数の個別のシングルモードレーザー入力を受け取ってもよい。
【0043】
図6にさらに示すように、プロセス600は、複数の個別のシングルモードレーザー入力を合成してマルチモード出力を生成することを含んでもよい(ブロック620)。例えば、信号コンバイナ250、信号コンバイナ550等は、上述のように、複数の個別のシングルモードレーザー入力を合成してマルチモード出力を作ってもよい。
【0044】
図6にさらに示すように、プロセス600は、複数のモードをサポートするように構成された単一のコアを備えるデリバリファイバにマルチモード出力を供給することを含んでもよい(ブロック630)。例えば、信号コンバイナ250、信号コンバイナ550等は、上述のように、複数のモードをサポートするように構成された単一のコアを備えるデリバリファイバ260、560等にマルチモード出力を供給してもよい。
【0045】
プロセス600は、後述の及び/又は本明細書の他の場所に記載される1つ以上の他のプロセスに関連して記載される、任意の単一の実装形態又は任意の実装形態の組み合わせ等の付加的な実装形態を含んでもよい。
【0046】
第1の実装形態では、信号コンバイナは、マルチコアファイバレーザーから複数の個別のシングルモードレーザー入力を受け取るための複数の対称的なコアを備え、これらのコアは、デリバリファイバとの継ぎ合わせ地点に向かって断熱的にテーパ付けする。
【0047】
単独での又は第1の実装形態と組み合わせられた第2の実装形態では、信号コンバイナは、1/4ピッチ長を有するグレーデッドインデックスファイバを備え、グレーデッドインデックスファイバは、第1の継ぎ合わせ地点でマルチコアファイバレーザーに継ぎ合わされ、第2の継ぎ合わせ地点でデリバリファイバに継ぎ合わされる。
【0048】
単独での又は第1及び第2の実装形態のうちの1つ以上と組み合わせられた第3の実装形態では、信号コンバイナでマルチコアファイバレーザーから受け取られる複数の個別のシングルモードレーザー入力の量が、デリバリファイバにおいてサポートされる複数のモードの量に等しい。
【0049】
単独での又は第1-第3の実装形態のうちの1つ以上と組み合わせられた第4の実装形態では、マルチコアファイバレーザーの複数のコアは、信号コンバイナとデリバリファイバとの間の継ぎ合わせ地点におけるデリバリファイバ内の対応するモードに整合するコアサイズ及び開口数をそれぞれ有する。
【0050】
単独での又は第1-第4の実装形態のうちの1つ以上と組み合わせられた第5の実装形態では、マルチコアファイバレーザーは、マルチコア発振器及びマルチコアパワー増幅器の入力端に結合されるポンプレーザー源及びコンバイナを有するエンドポンプ型MOPAレーザーである。
【0051】
単独での又は第1-第5の実装形態のうちの1つ以上と組み合わせられた第6の実装形態では、マルチコアファイバレーザーは、マルチコア発振器及びマルチコアパワー増幅器の入力端に結合される第1のポンプレーザー源及び第1のコンバイナと、マルチコア発振器及びマルチコアパワー増幅器の出力端に結合される第2のポンプレーザー源及び第2のコンバイナと、を備える双方向ポンプを有するMOPAレーザーであり、第1のポンプレーザー源及び第2のポンプレーザー源は、互いに逆方向に伝播するポンプ光を生成するように構成される。
【0052】
単独での又は第1-第6の実装形態のうちの1つ以上と組み合わせられた第7の実装形態では、マルチコアファイバレーザーは、ポンプレーザー源と、シードレーザー源と、マルチコア前置増幅器及びマルチコアパワー増幅器の入力端に結合されるコンバイナと、を備えるエンドポンプ型マルチステートアンプである。
【0053】
図6はプロセス600の例示的なブロックを示すが、いくつかの実装形態では、プロセス600が、
図6に示すものよりと比べて、追加のブロック、より少ないブロック、異なるブロック、又は異なるように配置されたブロックを含む。付加的に又は代替的に、プロセス600のブロックのうちの2つ以上は、並行して実行されてもよい。
【0054】
前述の開示は、例示及び説明を提供するが、網羅的となること、又は開示されている厳密な形態に実装形態を限定することを意図するものではない。変更及び改変は、上記の開示に照らしてなされてもよく、又は実装形態の実践から獲得されてもよい。さらに、1つ以上の実装形態を組み合わせることができない理由を前述の開示が明示的に提示していない限り、本明細書で説明されている実装形態のいずれも組み合わせてもよい。
【0055】
特定の特徴の組合せが特許請求の範囲に記載され且つ/又は本明細書に開示されているが、これらの組合せは、様々な実装形態の開示を限定することを意図するものではない。実際、これらの特徴の多くは、特許請求の範囲に具体的に記載されておらず且つ/又は本明細書に開示されていない方法で組み合わせることができる。以下に列挙される各従属請求項は、1つの請求項のみに直接従属する場合もあるが、種々の実装形態の開示は、請求項のセットにおける他のすべての請求項と組み合わせられた各従属請求項を含む。本明細書で使用する場合、項目のリストのうちの「少なくとも1つ(at least one of)」を指す語句は、単一の要素を含む、それらの項目の任意の組合せを指す。例として、「a、b、又はcのうちの少なくとも1つ(at least one of: a, b, or c)」は、a、b、c、a-b、a-c、b-c、及びa-b-c、並びに同じ項目の倍数との任意の組合せを網羅するように意図される。
【0056】
本明細書で使用される要素、行為、又は指令は、明示的に記載されていない限り、重要又は必須であると解釈されるべきではない。また、本明細書で使用される場合、冠詞「a」及び「an」は、1つ以上の項目を含むように意図される。さらに、本明細書で使用される場合、冠詞「the」は、冠詞「the」に関連して参照される1つ以上の項目を含むように意図され、また「1つ以上の(the one or more)」と互換的に使用される場合がある。さらに、本明細書で使用される場合、用語「セット(set)」は、1つ以上の項目(例えば、関連する項目、無関係な項目、又は関連する項目と無関係な項目の組合せ)を含むように意図され、「1つ以上(the one or more)」と互換的に使用される場合がある。1つのみの項目が意図される場合、語句「1つのみの(only one)」又は類似の用語が使用される。また、本明細書で使用する場合、用語「有する(has, have, having)」等は、オープンエンドの用語であるように意図される。さらに、「に基づく(based on)」という語句は、特に明記しない限り、「に少なくとも部分的に基づく(based, at least in part, on)」ことを意味するものとする。また、本明細書で使用される場合、用語「又は(or)」は、連続して使用される場合に包括的であることが意図され、また別段の定め(例えば、「いずれか(either)」又は「一方のみ(only one of)」と組み合わせて使用される場合)が明示的に記載されていない限り、「及び/又は(and/or)」と互換的に使用される場合がある。さらに、「下方(below)」、「下側(lower)」、「上方(above)」、「上側(upper)」等の空間的に相対的な用語は、本明細書では、説明を容易にするために、図に示すように、1つの要素又は特徴と別の(1つ以上の)要素又は(1つ以上の)特徴との関係を説明するために使用される場合がある。空間的に相対的な用語は、図に示す方位に加えて、使用又は動作中の装置、デバイス、及び/又は要素の異なる方位を包含するように意図される。装置は、他の方位(90度又は他の方位)に合わせてもよく、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子も同様に、それに応じて解釈されてもよい。
【符号の説明】
【0057】
100 MOPAレーザーアーキテクチャ
110 マルチキロワット(kW)ポンプ源
112 レーザーダイオードのセット
114 コンバイナ
120 発振器
122 反射器
124 アクティブファイバ
126 反射器130 パッシブファイバ
140 パワー増幅器
150 外部信号コンバイナ
160 デリバリケーブル
200 マルチコアレーザーアーキテクチャ
210 ポンプレーザー源
212 ダイオードのセット
214 コンバイナ
216 シードダイオード
218 ポンプ信号コンバイナ
220 マルチコア発振器
222 反射器
224 マルチコアアクティブファイバ
226 反射器
240 マルチコアパワー増幅器ファイバ
240-1 マルチコア前置増幅器ファイバ
240-2 マルチコアパワー増幅器ファイバ
250 信号コンバイナ
260 デリバリファイバ
300 マルチコアアクティブファイバの断面
310 シングルモードファイバコア
320 内側クラッド
330 外側クラッド
400 MOPAレーザーアーキテクチャ
410 マルチkWポンプ
412 レーザーダイオード
414 コンバイナ
420 マルチコア発振器
422 HR反射器
424 アクティブファイバ
426 OC反射器
430 パッシブ又はアクティブ出力ファイバ
440 パワー増幅器
450 マルチコア発振器420の出力端の断面
452 アクティブコア
454 溶融シリカ内側クラッド
456 フッ素(F)ドープ外側クラッド
460 マルチコアパワー増幅器440の入力端の断面
462 アクティブコア
464 溶融シリカ内側クラッド
466 フッ素ドープ外側クラッド
500 マルチコアレーザーアーキテクチャ
510 マルチKWポンプ
512 レーザーダイオード
514 コンバイナ
520 マルチコア発振器
522 HR反射器
526 OC反射器
540 マルチコアパワー増幅器
550 一体化信号コンバイナ
552 一体化信号コンバイナ550の断面
554 一体型信号コンバイナ550の断面
560 マルチモードデリバリファイバ
562 マルチモードデリバリファイバ560の断面
570 継ぎ合わせ地点
【外国語明細書】