(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116068
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】アンテナ基板
(51)【国際特許分類】
H01Q 25/00 20060101AFI20240820BHJP
H01Q 1/40 20060101ALI20240820BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
H01Q25/00
H01Q1/40
H05K1/02 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023216213
(22)【出願日】2023-12-21
(31)【優先権主張番号】10-2023-0020326
(32)【優先日】2023-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 亮 制
(72)【発明者】
【氏名】朴 帝 相
(72)【発明者】
【氏名】呉 昌 建
(72)【発明者】
【氏名】朴 賢 耕
【テーマコード(参考)】
5E338
5J021
5J046
【Fターム(参考)】
5E338AA03
5E338AA16
5E338BB25
5E338BB75
5E338CC10
5E338CD02
5E338CD23
5E338CD40
5E338EE11
5E338EE22
5J021AA05
5J021AA09
5J021AB06
5J021HA05
5J021JA07
5J046AA03
5J046AA07
5J046AB03
5J046AB13
5J046QA02
(57)【要約】
【課題】信号損失が最少化され、小型に製造することができるアンテナ基板を提供する。
【解決手段】本発明によるアンテナ基板は、第1比誘電率を有する第1絶縁層と、第1絶縁層の内部に配置され最大面積の第1主面を有する少なくとも一つの第1アンテナ部材と、第1絶縁層に隣接して配置され第1比誘電率よりさらに高い第2比誘電率を有する第2絶縁層と、第2絶縁層の内部に配置され最大面積の第2主面を有し、第2主面は、第1主面と互いに交差するように配置される、少なくとも一つの第2アンテナ部材と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1比誘電率を有する第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の内部に配置され最大面積の第1主面を有する少なくとも一つの第1アンテナ部材と、
前記第1絶縁層に隣接して配置され前記第1比誘電率よりさらに高い第2比誘電率を有する第2絶縁層と、
前記第2絶縁層の内部に配置され最大面積の第2主面を有し、前記第2主面は、前記第1主面と互いに交差するように配置される、少なくとも一つの第2アンテナ部材と、を有することを特徴とするアンテナ基板。
【請求項2】
前記第2比誘電率は、6~10であることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ基板。
【請求項3】
前記第1アンテナ部材は、パッチ型アンテナを含むことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ基板。
【請求項4】
前記第2アンテナ部材の前記第2主面は、前記第1アンテナ部材の前記第1主面に対し垂直であることを特徴とする請求項3に記載のアンテナ基板。
【請求項5】
前記第2アンテナ部材は、前記第2主面の面積より小さい面積の補助面を有することを特徴とする請求項4に記載のアンテナ基板。
【請求項6】
前記第2アンテナ部材は、前記第1主面と垂直である第1方向に積層される複数の導電体を含むことを特徴とする請求項5に記載のアンテナ基板。
【請求項7】
前記複数の導電体は、
前記第1方向に互いに離隔して配置される複数の導電パターン層と、
隣接する前記導電パターン層間にそれぞれ配置される複数の導電ビア層と、を含むことを特徴とする請求項6に記載のアンテナ基板。
【請求項8】
前記第1方向に延長される前記導電パターン層の厚さは、前記第1方向と垂直である第2方向に延長される前記導電パターン層の長さより小さいことを特徴とする請求項7に記載のアンテナ基板。
【請求項9】
前記第1絶縁層内部に配置され電気的信号を伝達する第1回路配線と、
前記第2絶縁層内部に配置され電気的信号を伝達する第2回路配線と、をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のアンテナ基板。
【請求項10】
第1比誘電率を有する第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の内部に配置され最大面積の第1主面を有する少なくとも一つの第1アンテナ部材と、
前記第1絶縁層に隣接して配置され前記第1比誘電率と同一の第2比誘電率を有する第2絶縁層と、
前記第2絶縁層の内部に配置され最大面積の第2主面を有し、前記第2主面は、前記第1主面と互いに交差するように配置される、少なくとも一つの第2アンテナ部材と、
前記第1絶縁層又は前記第2絶縁層に隣接して配置され前記第2比誘電率よりさらに低い第3比誘電率を有する第3絶縁層と、を有することを特徴とするアンテナ基板。
【請求項11】
前記第2比誘電率は、6~10であることを特徴とする請求項10に記載のアンテナ基板。
【請求項12】
前記第1アンテナ部材は、パッチ型アンテナを含むことを特徴とする請求項10に記載のアンテナ基板。
【請求項13】
前記第2アンテナ部材の前記第2主面は、前記第1アンテナ部材の前記第1主面に対し垂直であることを特徴とする請求項12に記載のアンテナ基板。
【請求項14】
前記第2アンテナ部材は、前記第2主面の面積より小さい面積の補助面を有することを特徴とする請求項13に記載のアンテナ基板。
【請求項15】
前記第2アンテナ部材は、前記第1主面に対し垂直である第1方向に積層される複数の導電体を含むことを特徴とする請求項13に記載のアンテナ基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ基板に関し、特に、信号損失が最少化され、小型に製造することができるアンテナ基板に関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信のデータトラフィック(Data Traffic)は、毎年飛躍的に増加する傾向にある。
このような飛躍的なデータを無線網で、リアルタイムで支援しようと活発な技術開発が行われている。
例えば、IoT(Internet of Thing)基盤データのコンテンツ化、AR(Augmented Reality)、VR(Virtual Reality)、SNS(Social Networking Service)と結合したライブVR/AR、自律走行、シンクビュー(Sync View、超小型カメラを用いて使用者時点リアルタイム画像伝送)などのアプリケーション(Application)は、大容量のデータを送受信することができるように支援する通信を必要とする。
【0003】
したがって、近年、5世代(5G)通信を含むミリ波(mmWave)通信が研究されており、これを円滑に実現するアンテナ基板の商用化及び標準化のための研究も行われている。
5G通信に適用されるアンテナ基板では、5Gの強い直進性によってアンテナの方向によって5Gの信号感度が異なるようになる。
【0004】
したがって、複数のアンテナ基板を互いに異なる方向に配置するか、一部のアンテナ基板は、垂直に配置する。
特に、アンテナ基板が水平又は垂直に配置される場合、別途のフレキシブル回路基板(Flexible Printed Circuit:FPC)又はケーブル(cable)で水平アンテナ基板と垂直アンテナ基板を互いに連結しなければならないので、信号損失が発生し、製造費用が増加するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記従来のアンテナ基板における問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、信号損失が最少化され、小型に製造することができるアンテナ基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明によるアンテナ基板は、第1比誘電率を有する第1絶縁層と、前記第1絶縁層の内部に配置され最大面積の第1主面を有する少なくとも一つの第1アンテナ部材と、前記第1絶縁層に隣接して配置され前記第1比誘電率よりさらに高い第2比誘電率を有する第2絶縁層と、前記第2絶縁層の内部に配置され最大面積の第2主面を有し、前記第2主面は、前記第1主面と互いに交差するように配置される、少なくとも一つの第2アンテナ部材と、を有することを特徴とする。
【0008】
前記第2比誘電率は、6~10であることが好ましい。
前記第1アンテナ部材は、パッチ型アンテナを含むことが好ましい。
前記第2アンテナ部材の前記第2主面は、前記第1アンテナ部材の前記第1主面に対し垂直であることが好ましい。
前記第2アンテナ部材は、前記第2主面の面積より小さい面積の補助面を有することが好ましい。
前記第2アンテナ部材は、前記第1主面に対し垂直である第1方向に積層される複数の導電体を含むことが好ましい。
前記複数の導電体は、前記第1方向に互いに離隔して配置される複数の導電パターン層と、隣接する前記導電パターン層間にそれぞれ配置される複数の導電ビア層と、を含むことが好ましい。
前記第1方向に延長される前記導電パターン層の厚さは、前記第1方向と垂直である第2方向に延長される前記導電パターン層の長さより小さいことが好ましい。
前記第1絶縁層内部に配置され電気的信号を伝達する第1回路配線と、前記第2絶縁層内部に配置され電気的信号を伝達する第2回路配線と、をさらに有することが好ましい。
【0009】
また、上記目的を達成するためになされた本発明によるアンテナ基板は、第1比誘電率を有する第1絶縁層と、前記第1絶縁層の内部に配置され最大面積の第1主面を有する少なくとも一つの第1アンテナ部材と、前記第1絶縁層に隣接して配置され前記第1比誘電率と同一の第2比誘電率を有する第2絶縁層と、前記第2絶縁層の内部に配置され最大面積の第2主面を有し、前記第2主面は、前記第1主面と互いに交差するように配置される、少なくとも一つの第2アンテナ部材と、前記第1絶縁層又は前記第2絶縁層に隣接して配置され前記第2比誘電率よりさらに低い第3比誘電率を有する第3絶縁層と、を有することを特徴とする。
【0010】
前記第2比誘電率は、6~10であることが好ましい。
前記第1アンテナ部材は、パッチ型アンテナを含むことが好ましい。
前記第2アンテナ部材の前記第2主面は、前記第1アンテナ部材の前記第1主面に対し垂直であることが好ましい。
前記第2アンテナ部材は、前記第2主面の面積より小さい面積の補助面を有することが好ましい。
前記第2アンテナ部材は、前記第1主面に対し垂直である第1方向に積層される複数の導電体を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るアンテナ基板によれば、垂直アンテナの厚さを最小化してアンテナ基板の全体厚さを縮小することができるので、アンテナ基板を小型携帯用装置に容易に適用することができる。
また、別途のFPC又はケーブルなくても垂直アンテナを実現することができるので、信号損失及び製造費用を最少化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態によるアンテナ基板の概略的な構成を示す斜視図である。
【
図2】
図1のII-II’線に沿って切断した断面図である。
【
図3】
図2の第2アンテナ部材の拡大斜視図である。
【
図4】本発明の他の実施形態によるアンテナ基板の概略的な構成を示す斜視図である。
【
図5】
図4のV-V’線に沿って切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明に係るアンテナ基板を実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
【0014】
本発明は、様々の異なる形態で実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一又は類似の構成要素については、同一の参照符号を付けるようにする。
また、添付した図面は、本明細書に開示した実施形態を容易に理解することができるようにするためのものに過ぎず、添付した図面によって本明細書に開示された技術的思想が制限されず、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物ないし代替物を含むと理解されなければならない。
【0015】
また、図に示した各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜のために任意に示したので、本発明が必ずしも図示したところに限定されない。
図面において様々の層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。
そして図面において、説明の便宜のために、一部層及び領域の厚さを誇張して示した。
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分“の上に”又は“上に”あるという時、これは他の部分“の直上に”ある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。
逆に、ある部分が他の部分“の直上に”あるという時には中間に他の部分がないことを意味する。
また、基準となる部分“の上に”又は“上に”あるというのは基準となる部分の上又は下に位置することであり、必ずしも重力反対方向に向かって“の上に”又は“上に”位置することを意味するのではない。
【0016】
また、明細書全体で、ある部分がある構成要素を“含む”という時、これは特に反対になる記載がない限り他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに含むことができるのを意味する。
また、明細書全体で、“平面上”という時、これは対象部分を上から見た時を意味し、“断面上”という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見た時を意味する。
また、明細書全体で、“連結(接続)される”という時、これは二つ以上の構成要素が直接的に連結(接続)されることのみを意味するのではなく、二つ以上の構成要素が他の構成要素を通じて間接的に連結(接続)されること、物理的に連結(接続)されることだけでなく電気的に連結(接続)されること、又は位置や機能によって異なる名称で称されたが一体であるのを意味することができる。
以下、図面を参照して本発明の多様な実施形態と変形例を詳細に説明する。
【0017】
図1~
図3を参照して、本発明の一実施形態によるアンテナ基板について説明する。
図1は、本発明の一実施形態によるアンテナ基板の概略的な構成を示す斜視図であり、
図2は、
図1のII-II’線に沿って切断した断面図であり、
図3は、
図2の第2アンテナ部材の拡大斜視図である。
図1~
図3に示したように、本発明の一実施形態によるアンテナ基板は、第1絶縁層100、複数の第1回路配線200、複数の第1アンテナ部材300、第2絶縁層400、複数の第2回路配線500、複数の第2アンテナ部材600、そして保護層700を含む。
【0018】
第1絶縁層100は、エポキシ樹脂、ポリイミド(polyimide)などのような熱硬化性樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)などのような熱可塑性樹脂、又はこれらと共にガラス繊維又は無機フィラーのような補強材を含む樹脂などを含む。
例えば、第1絶縁層100は、プレプレグ(Prepreg)、ABF(Ajinomoto Buildup Film)、PID(Photo Image-able Dielectric)などを含み得る。
このような第1絶縁層100に含まれる樹脂の種類、樹脂に含有されるフィラーの種類、フィラーの含量などによって誘電損失率(Df)は、調節できる。
【0019】
誘電損失率(Df)は、誘電損失に対する値であって、誘電損失は、誘電体に交流性電界が形成された時に発生する損失電力を意味する。
誘電損失率(Df)は、誘電損失に比例し、誘電損失率(Df)が小さいほど誘電損失が小さい。
低誘電損失特性を有する絶縁層は、高周波信号を伝達する場合、損失減少側面から有利である。
このような第1絶縁層100の第1比誘電率(Dk1)は、3.5以下であり得る。
【0020】
第1回路配線200は、第1絶縁層100内に配置され、電気的信号を伝達する。
第1回路配線200は、多様なパターンで配置され得る。
第1回路配線200は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質を含み得る。
本実施形態で、第1回路配線200は、一つの層として示しているが、必ずしもこれに限定されるのではなく、複数の層で配置できる。
【0021】
ここで、説明の便宜のために、第1絶縁層100の上部面と平行なX-Y平面を第1平面S1、第1平面S1に対し垂直であるX-Z平面を第2平面S2、そして、第1平面S1及び第2平面S2に対し同時に垂直であるX-Z平面を第3平面S3と定義する。
第1アンテナ部材300は、第1絶縁層100の内部に配置され第1絶縁層100の上部面と平行な第1平面S1上に位置する水平アンテナである。
第1アンテナ部材300は、所定幅Wを有するパッチ型アンテナを含み得る。
第1アンテナ部材300は、複数の面を有し、複数の面の内の最大面積を有する第1主面300a、そして第1主面300aに隣接する側面であり第1主面300aよりさらに小さな面積を有する第1補助面300bを有する。
本実施形態では、複数の第1アンテナ部材300が同一の第1平面S1上に配置されているが、必ずしもこれに限定されるのではなく、複数の第1アンテナ部材300が第1方向Zに沿って互いに離隔して配置される実施形態も可能である。
【0022】
第2絶縁層400は第1絶縁層100と隣接して下に配置される。
しかし、必ずしもこれに限定されるのではなく、第2絶縁層400は、第1絶縁層100と隣接して上に配置することもできる。
第2絶縁層400は、コア絶縁層410、そして第1方向Zに沿ってコア絶縁層410の両側に配置される複数の第1ビルドアップ絶縁層420及び複数の第2ビルドアップ絶縁層430を含む。
コア絶縁層410は、一つの第1ビルドアップ絶縁層420より厚く、一つの第2ビルドアップ絶縁層430より厚い。
しかし、第2絶縁層400の構造は、これに限定されるのではなく、コア絶縁層410が省略されるコアレス(Coreless)基板の形態を有することもできる。
【0023】
第2絶縁層400は、エポキシ樹脂、ポリイミド(polyimide)などのような熱硬化性樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)などのような熱可塑性樹脂、又はこれらと共にガラス繊維又は無機フィラーのような補強材を含む樹脂などを含み得る。
第2絶縁層400は、第1絶縁層100より比誘電率の高い高誘電率物質からなる。
即ち、第2絶縁層400の第2比誘電率(Dk2)は、第1絶縁層100の第1比誘電率(Dk1)より高い。
例えば、第2絶縁層400の第2比誘電率(Dk2)は、4~10であり得る。
【0024】
アンテナの面積をS、アンテナが配置される絶縁層の比誘電率をεとすると、アンテナで発生する信号波の波長(λ)は、下記に示す数式1で表される。
(数1)
λ2∝S×ε
【0025】
したがって、低誘電率の第1絶縁層100内に配置される第1アンテナ部材300と同一の波長の信号波を発生させるために、高誘電率の第2絶縁層400を適用し、第2絶縁層400内に位置する第2アンテナ部材600の面積を小さくすることができる。
このように、垂直アンテナである第2アンテナ部材600の厚さTを最小化してアンテナ基板の全体厚さを縮小することができるので、アンテナ基板を小型携帯用装置に容易に適用することができる。
【0026】
第2回路配線500は、第2絶縁層400内に配置され、電気的信号を伝達する。
第2回路配線500は、多様なパターンで配置され得る。
第2回路配線500は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質を含み得る。
第2回路配線500は、回路配線層510及び配線ビア層520を含む。
回路配線層510は、複数のコア配線層511、そして第1方向Zに沿って複数のコア配線層511の両側に配置される複数の第1ビルドアップ配線層512及び複数の第2ビルドアップ配線層513を含む。
【0027】
配線ビア層520は、第1方向Zに沿って第2絶縁層400を貫通して回路配線層510を互いに接続される。
配線ビア層520は、複数のコア配線ビア層521、そして第1方向Zに沿ってコア配線ビア層521の両側に位置する複数の第1ビルドアップ配線ビア層522及び第2ビルドアップ配線ビア層523を含む。
コア配線ビア層521は、第1方向Zに沿ってコア絶縁層410を貫通しコア絶縁層410の両面に配置された複数のコア配線層511を互いに接続する。
複数の第1ビルドアップ配線ビア層522及び複数の第2ビルドアップ配線ビア層523は、第1方向Zに沿って複数の第1ビルドアップ絶縁層420及び第2ビルドアップ絶縁層430をそれぞれ貫通し、複数の第1ビルドアップ配線層512及び第2ビルドアップ配線層513と複数のコア配線層211を互いに接続する。
しかし、第2回路配線500の構造は、これに限定されるのではなく、第2絶縁層400でコア絶縁層410が省略されるコアレス(Coreless)基板の場合、複数のコア配線層511及びコア配線ビア層521が省略できる。
【0028】
第2アンテナ部材600は、第2絶縁層400の内部に配置され、第1アンテナ部材300と交差する第1方向Zに延長されて配置される。
具体的に、第2アンテナ部材600は、第1アンテナ部材300が配置される第1平面S1に対し垂直である第2平面S2と平行に配置される。
第2アンテナ部材600は、複数の面を有し、複数の面の内の最大面積を有する第2主面600a、そして第2主面600aに隣接する側面であり第2主面600aよりさらに小さな面積を有する第2補助面600bを有する。
第2主面600aは、第2平面S2上に位置する垂直面であり、第2補助面600bは第1平面S1上に位置する水平面である。
【0029】
以下で、
図2及び
図3を参照して第2アンテナ部材の具体的な構造について詳しく説明する。
第2アンテナ部材600は、第1方向Zに積層される複数の導電体60を含む。
複数の導電体60は、複数の導電パターン層610、そして複数の導電ビア層620を含む。
複数の導電パターン層610及び複数の導電ビア層620は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質を含み得る。
【0030】
複数の導電パターン層610は、第1方向Zに互いに離隔して配置される。
ここで、第1方向Zに延長される導電パターン層610の厚さtは、第1方向Zに対し垂直である第2方向Xに延長される導電パターン層610の長さLより小さい。
したがって、第2アンテナ部材600で第2平面S2上に位置する第2主面600aの面積は、第2アンテナ部材600で第1平面S1上に位置する第2補助面600bの面積よりさらに大きい。
具体的には、複数の導電パターン層610は、複数のコアパターン層611、そして第1方向Zに沿って複数のコアパターン層611の両側に配置される複数の第1ビルドアップパターン層612及び複数の第2ビルドアップパターン層613を含む。
【0031】
複数のコアパターン層611は、第1方向Zに沿ってコア絶縁層410の両面に配置される。
複数の第1ビルドアップパターン層612及び複数の第2ビルドアップパターン層613は、第1方向Zに沿って複数の第1ビルドアップ絶縁層420及び第2ビルドアップ絶縁層430上にそれぞれ配置される。
複数の導電ビア層620のそれぞれは、隣接する導電パターン層610の間に配置される。
導電ビア層620は、隣接する導電パターン層610と接触して電気的信号を伝達する。
具体的には、複数の導電ビア層620は、コア導電ビア層621、そして第1方向Zに沿ってコア導電ビア層621の両側に配置される複数の第1ビルドアップ導電ビア層622及び第2ビルドアップ導電ビア層623を含む。
【0032】
コア導電ビア層621は、第1方向Zに沿ってコア絶縁層410を貫通しコア絶縁層410の両面に配置された複数のコアパターン層611を互いに接続する。
複数の第1ビルドアップ導電ビア層622及び複数の第2ビルドアップ導電ビア層623は、第1方向Zに沿って複数の第1ビルドアップ絶縁層420及び複数の第2ビルドアップ絶縁層430をそれぞれ貫通し、複数の第1ビルドアップパターン層612及び複数の第2ビルドアップパターン層613を互いに接続する。
しかし、複数の導電パターン層610及び複数の導電ビア層620の構造は、これに限定されるのではなく、コア絶縁層410と共に複数のコアパターン層611及び複数のコア導電ビア層621が省略されるコアレス基板の形態を有することもできる。
【0033】
このように、本発明の一実施形態によるアンテナ基板は、第2絶縁層400内で、第1方向Zに複数の導電体60を積層して容易に垂直アンテナである第2アンテナ部材600を形成することができる。
したがって、垂直アンテナである第2アンテナ部材600を水平アンテナである第1アンテナ部材300と別途のフレキシブル回路基板(Flexible Printed Circuit:FPC)又はケーブル(cable)で接続しなくてもよいので、信号損失が最少化され、製造費用を節減することができる。
【0034】
保護層700は、アンテナ基板の内部構成物質を外部の物理的及び化学的損傷などから保護する。
保護層700は、第1保護層710及び第2保護層720を含む。
第1保護層710は、第1絶縁層100を覆って保護し、第2保護層720は、第2絶縁層400を覆って保護する。
このような保護層700は、ABF(Ajinomoto Buildup Film)、PID(Photo Image-able Dielectric)、ソルダレジスト(Solder resist)などの絶縁物質を含み得る。
【0035】
一方、
図2に示しているように、第2保護層720の外側に電子部品ECが表面実装形態で配置されてアンテナモジュールを成す。
電子部品ECは、第2保護層720に形成された開口部に位置する導電接着部材CMを通じて回路配線層510の内の少なくとも一つと電気的に接続される。
電子部品ECは、PMIC(Power Management Integrated Circuit)、RFRC(Radio Frequency Integrated Circuit)、又は受動素子の内の少なくとも一つを含み得る。
受動素子は、チップタイプの受動素子であって、例えば、チップタイプのキャパシタ、チップタイプのインダクタなどであってもよいが、必ずしもこれに限定されるのではない。
【0036】
導電接着部材CMは、銅(Cu)より融点が低い低融点金属、例えば、スズ(Sn)や又はスズ(Sn)を含む合金などからなるソルダ(solder)などを含み得る。
一方、本実施形態では、垂直アンテナである第2アンテナ部材が位置する第2絶縁層のみ高誘電率物質からなるが、水平アンテナである第1アンテナ部材が位置する第1絶縁層も高誘電率物質からなる他の実施形態も可能である。
【0037】
以下で、
図4及び
図5を参照して、本発明の他の実施形態によるアンテナ基板について詳しく説明する。
図4は、本発明の他の実施形態によるアンテナ基板の概略的な構成を示す斜視図であり、
図5は、
図4のV-V’線に沿って切断した断面図である。
図4及び
図5に示した本発明の他の実施形態は、
図1~
図3に示した本発明の一実施形態と比較して、水平アンテナである第1アンテナ部材が配置される第1絶縁層も高誘電率物質からなることのみを除いて実質的に同一なので反復される説明は、省略する。
【0038】
図4及び
図5に示したように、本発明の他の実施形態によるアンテナ基板は、第1絶縁層100、複数の第1回路配線200、複数の第1アンテナ部材300、第2絶縁層400、複数の第2回路配線500、複数の第2アンテナ部材600、第3絶縁層800、複数の第3回路配線900、そして保護層700を含む。
第3絶縁層800、第2絶縁層400、そして第1絶縁層100は、第1方向Zに沿って下から上に配置される。
しかし、第3絶縁層800、第2絶縁層400、そして第1絶縁層100の配置位置は、これに限定されるのではなく多様に変形できる。
【0039】
第1回路配線200は、第1絶縁層100内に配置され、第2回路配線500は、第2絶縁層400内に配置され、第3回路配線900は、第3絶縁層800内に配置される。
第1アンテナ部材300は、第1絶縁層100の内部に配置され第1絶縁層100の上部面と平行な第1平面S1上に位置する水平アンテナである。
第2アンテナ部材600は、第1アンテナ部材300が位置する第1平面S1に対し垂直である第2平面S2と平行に配置される。
【0040】
第1絶縁層100及び第2絶縁層400は、第3絶縁層800より比誘電率の高い高誘電率物質からなる。
即ち、第2絶縁層400の第2比誘電率(Dk2)は、第1絶縁層100の第1比誘電率(Dk1)と同一であり、第1比誘電率(Dk1)及び第2比誘電率(Dk2)それぞれは、第3絶縁層800の第3比誘電率(Dk3)より高い。
例えば、第1比誘電率(Dk1)及び第2比誘電率(Dk2)それぞれは、4~10であり、第3比誘電率(Dk3)は、3.5以下である。
【0041】
このように、水平アンテナである第1アンテナ部材300が配置される第1絶縁層100を高誘電率物質から形成し、垂直アンテナである第2アンテナ部材600が配置される第2絶縁層400を高誘電率物質から形成することによって、水平アンテナである第1アンテナ部材300の厚さと垂直アンテナである第2アンテナ部材600の厚さTを最小化してアンテナ基板の全体厚さを縮小することができるので、アンテナ基板を小型携帯用装置に容易に適用することができる。
【0042】
尚、本発明は、上述の実施形態に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0043】
100 第1絶縁層
200 第1回路配線
300 第1アンテナ部材
400 第2絶縁層
410 コア絶縁層
420 第1ビルドアップ絶縁層
430 第2ビルドアップ絶縁層
500 第2回路配線
510 回路配線層
511 コア配線層
512 第1ビルドアップ配線層
513 第2ビルドアップ配線層
520 配線ビア層
521 コア配線ビア層
522 第1ビルドアップ配線ビア層
523 第2ビルドアップ配線ビア層
600 第2アンテナ部材
610 導電パターン層
611 コアパターン層
612 第1ビルドアップパターン層
613 第2ビルドアップパターン層
620 導電ビア層
621 コア導電ビア層
622 第1ビルドアップ導電ビア層
623 第2ビルドアップ導電ビア層
700 保護層
710 第1保護層
720 第2保護層
800 第3絶縁層