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特開2024-11607フィルムロール交換装置、フィルムロール供給方法及びフィルムロール取り外し方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011607
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】フィルムロール交換装置、フィルムロール供給方法及びフィルムロール取り外し方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 19/12 20060101AFI20240118BHJP
   B65B 41/12 20060101ALI20240118BHJP
   B65B 9/207 20120101ALN20240118BHJP
【FI】
B65H19/12 B
B65B41/12 502A
B65B9/207
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113759
(22)【出願日】2022-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】市川 誠
(72)【発明者】
【氏名】橋本 哲
(72)【発明者】
【氏名】山根 雅行
(72)【発明者】
【氏名】▲トウ▼ 宇川
【テーマコード(参考)】
3E050
3F064
【Fターム(参考)】
3E050AA02
3E050AB02
3E050AB08
3E050CA02
3E050CA09
3E050CB09
3E050DC02
3E050DD03
3E050DF02
3E050FA01
3E050FB01
3E050FB07
3E050GB06
3E050HB09
3F064AA03
3F064EA01
3F064EA12
3F064EB01
3F064EB11
(57)【要約】
【課題】製袋包装機に対するフィルムロールの装着作業の作業負担を低減する。
【解決手段】フィルムロール交換装置は、フィルムロールR1を支持するフィルムロール支持部としての支持部112を有し、フィルムロールのフィルムを用いて物品の収容されている袋を製造する製袋包装機に対し、フィルムロールを供給する。フィルムロール交換装置は、保持部230と、第3駆動部と、コントローラと、を備える。保持部は、製袋包装機に隣接して配置され、製袋包装機に供給するフィルムロールを保持する。第3駆動部は、保持部を移動させる。コントローラは、第3駆動部の動作を制御し、保持部を製袋包装機の支持部に向かって第1方向に移動させ、保持部の保持するフィルムロールを支持部に受け渡す。
【選択図】図13B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空の巻き芯にフィルムが巻き回されているフィルムロールを支持するフィルムロール支持部を有し、前記フィルムを用いて物品の収容されている袋を製造する製袋包装機に対し、前記フィルムロールを供給する、フィルムロール交換装置であって、
前記製袋包装機に隣接して配置され、前記製袋包装機に供給する前記フィルムロールを保持する保持部と、
前記保持部を移動させる保持部駆動部と、
前記保持部駆動部の動作を制御し、前記保持部を前記製袋包装機の前記フィルムロール支持部に向かって第1方向に移動させ、前記保持部の保持する前記フィルムロールを前記フィルムロール支持部に受け渡す制御部と、
を備える、フィルムロール交換装置。
【請求項2】
第1押し部材と、
前記第1押し部材を移動させる第1押し部材駆動部と、
を更に備え、
前記制御部は、前記第1押し部材駆動部の動作を制御し、前記保持部が保持する前記フィルムロールの端面を前記第1押し部材で押して、前記フィルムロールを前記フィルムロール支持部に移動させる、
請求項1に記載のフィルムロール交換装置。
【請求項3】
前記第1押し部材は、前記フィルムロールの端面のうち、前記巻き芯の端面を少なくとも押す、
請求項2に記載のフィルムロール交換装置。
【請求項4】
前記フィルムロール支持部は、中空の前記巻き芯に挿入され、前記フィルムロールを支持する支持軸を有し、
前記第1押し部材には、前記支持軸の外形形状に沿う切り欠きが形成されている、
請求項3に記載のフィルムロール交換装置。
【請求項5】
前記保持部駆動部が、前記第1押し部材駆動部としても機能し、
前記保持部駆動部は、前記保持部と前記第1押し部材とを一体として前記第1方向に移動させる、
請求項2に記載のフィルムロール交換装置。
【請求項6】
第2押し部材と、
前記第2押し部材を上下方向に移動させる第2押し部材駆動部と、
を更に備え、
前記保持部は、前記第1方向において、前記フィルムロール支持部の遠隔側に配置される第1端部と、前記第1端部とは反対側の、前記フィルムロール支持部の近接側に配置される第2端部と、を有し、
前記第1押し部材は、前記第1端部に隣接して配置され、
前記第2押し部材は、前記第2端部に隣接して配置され、
前記制御部は、
前記保持部が保持する前記フィルムロールの端面を前記第1押し部材で押して、前記フィルムロールを前記フィルムロール支持部に移動させた後、
前記第2押し部材駆動部の動作を更に制御して、前記第2押し部材を、前記フィルムロール支持部に移動させられた前記フィルムロールの端面に接触する高さ位置に移動させ、
前記保持部駆動部の動作を更に制御し、前記フィルムロールの端面を前記第2押し部材で押して、前記フィルムロールを前記第1方向に移動させる、
請求項5に記載のフィルムロール交換装置。
【請求項7】
第3押し部材と、
前記第3押し部材を前記第1方向とは反対の第2方向に移動させる第3押し部材駆動部と、
を更に備え、
前記制御部は、前記第3押し部材駆動部の動作を更に制御し、前記フィルムロール支持部が支持する前記フィルムロールの端面を前記第3押し部材で押して、前記フィルムロールを前記保持部に移動させる、
請求項1又は2に記載のフィルムロール交換装置。
【請求項8】
前記フィルムロール支持部は、中空の前記巻き芯に挿入され、前記フィルムロールを支持する支持軸を有し、
前記第3押し部材には、前記支持軸の外形形状に沿う切り欠きが形成されている、
請求項7に記載のフィルムロール交換装置。
【請求項9】
前記保持部を上下方向に移動させる上下方向駆動部と、
前記保持部と、前記フィルムロール支持部が支持する前記フィルムロールの表面との上下方向の距離を測定する測定部と、
を更に備え、
前記制御部は、前記フィルムロール支持部が支持する前記フィルムロールを前記保持部に移動させる前に、前記測定部の測定した前記距離に基づいて、前記上下方向駆動部の動作を更に制御し、前記保持部の高さ位置を調節する、
請求項7に記載のフィルムロール交換装置。
【請求項10】
前記保持部駆動部は、前記第3押し部材駆動部としても機能し、
前記保持部駆動部は、前記フィルムロール支持部が支持する前記フィルムロールの端面を前記第3押し部材で押して、前記フィルムロールを前記保持部に移動させる際、前記保持部と前記第3押し部材とを一体として前記第2方向に移動させる、
請求項7に記載のフィルムロール交換装置。
【請求項11】
使用済みの前記フィルムロールの前記巻き芯を回収する回収部を更に備え、
前記保持部には、前記フィルムロール支持部から移動させられた使用済みの前記フィルムロールの前記巻き芯が通過して前記回収部へと落下する隙間が形成されている、
請求項7に記載のフィルムロール交換装置。
【請求項12】
前記保持部の前記隙間には、前記巻き芯の前記回収部への落下を防止する第1位置と、前記巻き芯の前記回収部への落下を許容する第2位置と、の間を移動するストッパが配置される、
請求項11に記載のフィルムロール交換装置。
【請求項13】
中空の巻き芯にフィルムが巻き回されているフィルムロールを支持するフィルムロール支持部を有し、前記フィルムを用いて物品の収容されている袋を製造する製袋包装機に対し、フィルムロール交換装置を用いて前記フィルムロールを供給する、フィルムロール供給方法であって、
前記フィルムロール交換装置は、前記製袋包装機に隣接して配置され、前記製袋包装機に供給する前記フィルムロールを保持する保持部と、前記保持部を移動させる保持部駆動部と、を有し、
前記フィルムロール供給方法は、
前記保持部駆動部が、前記保持部を前記製袋包装機の前記フィルムロール支持部に向かって第1方向に移動し、前記保持部の保持する前記フィルムロールを前記フィルムロール支持部に受け渡すステップ、を備える、
フィルムロール供給方法。
【請求項14】
中空の巻き芯にフィルムが巻き回されているフィルムロールを支持するフィルムロール支持部を有し、前記フィルムを用いて物品の収容されている袋を製造する製袋包装機から、フィルムロール交換装置を用いて前記フィルムロールを取り外す、フィルムロール取り外し方法であって、
前記フィルムロール交換装置は、前記製袋包装機に隣接して配置される保持部と、前記保持部を移動させる保持部駆動部と、押し部材と、前記押し部材を移動させる押し部材駆動部と、前記保持部と前記フィルムロール支持部が支持する前記フィルムロールの表面との距離を測る測定部と、を有し、
前記フィルムロール取り外し方法は、
前記保持部駆動部が、前記保持部を前記フィルムロール支持部の下に移動するステップと、
前記測定部が、前記保持部と前記フィルムロール支持部が支持する前記フィルムロールの表面との距離を測定するステップと、
前記測定部が測定した前記距離に基づき、前記保持部駆動部が、前記保持部の高さを調整するステップと、
前記押し部材駆動部が、前記押し部材を駆動して、前記押し部材を前記フィルムロール支持部が支持する前記フィルムロールの端面に当接させるステップと、
前記押し部材駆動部が、前記押し部材を駆動して前記フィルムロールの端面を第1方向に押すとともに、前記保持部駆動部が、前記保持部を前記フィルムロール支持部の下から前記第1方向に移動させて、前記フィルムロール支持部が支持している前記フィルムロールを、前記保持部に移動させるステップと、
を備える、
フィルムロール取り外し方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製袋包装機に対してフィルムロールを供給するフィルムロール交換装置、フィルムロール供給方法及びフィルムロール取り外し方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2002-337817号公報)のように、フィルムロールから繰り出されるフィルムを用いて物品を包装し、物品が収容された袋を製造する製袋包装機が知られている。
【0003】
従来、このような製袋包装機に対するフィルムロールの取り付けは、特許文献1(特開2002-337817号公報)に記載されているように、作業者が手動で行っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、フィルムロールの取り付けを手動で行う場合には、フィルムロールの交換が必要になるたびに作業者がフィルムロールの交換作業を行う必要があり、作業者の作業負担が大きい。
【0005】
本発明の課題は、製袋包装機に対するフィルムロールの供給作業の作業負担を低減可能なフィルムロール交換装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1観点に係るフィルムロール交換装置は、中空の巻き芯にフィルムが巻き回されているフィルムロールを支持するフィルムロール支持部を有し、フィルムを用いて物品の収容されている袋を製造する製袋包装機に対し、フィルムロールを供給する。フィルムロール交換装置は、保持部と、保持部駆動部と、制御部と、を備える。保持部は、製袋包装機に隣接して配置され、製袋包装機に供給するフィルムロールを保持する。保持部駆動部は、保持部を移動させる。制御部は、保持部駆動部の動作を制御し、保持部を製袋包装機のフィルムロール支持部に向かって第1方向に移動させ、保持部の保持するフィルムロールをフィルムロール支持部に受け渡す。
【0007】
第1観点に係るフィルムロール交換装置は、製袋包装機に対して自動でフィルムロールを供給するので、製袋包装機に対するフィルムロールの供給作業に関する作業者の作業負担を低減できる。
【0008】
本発明の第2観点に係るフィルムロール交換装置は、第1観点のフィルムロール交換装置であって、第1押し部材と、第1押し部材を移動させる第1押し部材駆動部と、を更に備える。制御部は、第1押し部材駆動部の動作を制御し、保持部が保持するフィルムロールの端面を第1押し部材で押して、フィルムロールをフィルムロール支持部に移動させる。
【0009】
第2観点に係るフィルムロール交換装置では、第1押し部材がフィルムロールを押して移動させるので、フィルムロールを、フィルムロール保持部の所定の位置に精度良く受け渡すことができる。
【0010】
本発明の第3観点に係るフィルムロール交換装置は、第2観点のフィルムロール交換装置であって、第1押し部材は、フィルムロールの端面のうち、巻き芯の端面を少なくとも押す。
【0011】
第3観点のフィルムロール交換装置では、第1押し部材が巻き芯を押すので、第1押し部材がフィルム部分だけを押す場合に比べ、フィルムロールの変形(フィルムの一部が巻き芯に対し巻き芯の軸方向にずれる変形)が抑制されやすい。
【0012】
本発明の第4観点に係るフィルムロール交換装置は、第3観点のフィルムロール交換装置であって、フィルムロール支持部は、中空の巻き芯に挿入され、フィルムロールを支持する支持軸を有する。第1押し部材には、支持軸の外形形状に沿う切り欠きが形成されている。
【0013】
第4観点のフィルムロール交換装置では、第1押し部材に支持軸の外形形状に沿う切り欠きが形成されているので、第1押し部材を支持軸には接触させずに、支持軸近傍で巻き芯の端面の比較的広い部分を押して、フィルムロールを支持軸に深くまで押し込むことができる。
【0014】
本発明の第5観点に係るフィルムロール交換装置は、第2観点から第4観点のいずれかのフィルムロール交換装置であって、保持部駆動部が、第1押し部材駆動部としても機能する。保持部駆動部は、保持部と第1押し部材とを一体として第1方向に移動させる。
【0015】
第5観点のフィルムロール交換装置では、保持部を駆動する保持部駆動部が、第1押し部材を駆動する第1押し部材駆動部としても機能するため、フィルムロール交換装置を構成する機器の点数を削減できる。
【0016】
本発明の第6観点に係るフィルムロール交換装置は、第2観点から第5観点のいずれかのフィルムロール交換装置であって、第2押し部材と、第2押し部材を上下方向に移動させる第2押し部材駆動部と、を更に備える。保持部は、第1方向において、フィルムロール支持部の遠隔側に配置される第1端部と、第1端部とは反対側の、フィルムロール支持部の近接側に配置される第2端部と、を有する。第1押し部材は、第1端部に隣接して配置される。第2押し部材は、第2端部に隣接して配置される。制御部は、保持部が保持するフィルムロールの端面を第1押し部材で押して、フィルムロールをフィルムロール支持部に移動させた後、第2押し部材駆動部の動作を更に制御して、第2押し部材を、フィルムロール支持部に移動させられたフィルムロールの端面に接触する高さ位置に移動させ、保持部駆動部の動作を更に制御し、フィルムロールの端面を第2押し部材で押して、フィルムロールを第1方向に移動させる。
【0017】
第6観点のフィルムロール交換装置では、第1押し部材及び第2押し部材を利用することで、第1方向に沿う方向における保持部の可動域を抑制でき、もって第1方向におけるフィルムロール交換装置の幅を抑制できる。
【0018】
本発明の第7観点に係るフィルムロール交換装置は、第1観点から第6観点のいずれかのフィルムロール交換装置であって、第3押し部材と、第3押し部材を第1方向とは反対の第2方向に移動させる第3押し部材駆動部と、を更に備える。制御部は、第3押し部材駆動部の動作を更に制御し、フィルムロール支持部が支持するフィルムロールの端面を第3押し部材で押して、フィルムロールを保持部に移動させる。
【0019】
第7観点のフィルムロール交換装置では、第3押し部材を利用して、使用済みのフィルムロール(フィルムがほぼ残っていないフィルムロール)や、利用を終了した使用済みではないフィルムロール(未だフィルムが残っているフィルムロール)を自動で取り外すことができる。
【0020】
本発明の第8観点に係るフィルムロール交換装置は、第7観点のフィルムロール交換装置であって、フィルムロール支持部は、中空の巻き芯に挿入され、フィルムロールを支持する支持軸を有する。第3押し部材には、支持軸の外形形状に沿う切り欠きが形成されている。
【0021】
第8観点のフィルムロール交換装置では、第3押し部材に支持軸の外形形状に沿う切り欠きが形成されているので、フィルムロールに実質的にフィルムが残っていない場合でも、第3押し部材を支持軸には接触させずに、支持軸近傍で巻き芯の端面の比較的広い部分を押して、巻き芯を支持軸から取り外すことができる。
【0022】
本発明の第9観点に係るフィルムロール交換装置は、第7観点のフィルムロール交換装置であって、上下方向駆動部と、測定部と、を更に備える。上下方向駆動部は、保持部を上下方向に移動させる。測定部は、保持部と、フィルムロール支持部が支持するフィルムロールの表面との上下方向の距離を測定する。制御部は、フィルムロール支持部が支持するフィルムロールを保持部に移動させる前に、測定部の測定した距離に基づいて、上下方向駆動部の動作を更に制御し、保持部の高さ位置を調節する。
【0023】
第9観点のフィルムロール交換装置では、フィルムロール支持部が支持するフィルムロールが保持部に高い位置から落下し、保持部が損傷したりする事態の発生を抑制できる。
【0024】
本発明の第10観点に係るフィルムロール交換装置は、第7観点から第9観点のいずれかのフィルムロール交換装置であって、保持部駆動部は、第3押し部材駆動部としても機能する。保持部駆動部は、フィルムロール支持部が支持するフィルムロールの端面を第3押し部材で押して、フィルムロールを保持部に移動させる際、保持部と第3押し部材とを一体として第2方向に移動させる。
【0025】
第10観点のフィルムロール交換装置では、保持部を駆動する保持部駆動部が、第3押し部材を駆動する第3押し部材駆動部としても機能するので、フィルムロール交換装置を構成する機器の点数を削減することができる。
【0026】
本発明の第11観点に係るフィルムロール交換装置は、第7観点から第10観点のいずれかのフィルムロール交換装置であって、使用済みのフィルムロールの巻き芯を回収する回収部を更に備える。保持部には、フィルムロール支持部から移動させられた使用済みのフィルムロールの巻き芯が通過して回収部へと落下する隙間が形成されている。
【0027】
第11観点のフィルムロール交換装置では、自動でフィルムロール支持部から取り外された使用済みのフィルムロールを保持部から除去できる。
【0028】
本発明の第12観点に係るフィルムロール交換装置は、第11観点のフィルムロール交換装置であって、保持部の隙間には、ストッパが配置される。ストッパは、巻き芯の回収部への落下を防止する第1位置と、巻き芯の回収部への落下を許容する第2位置と、の間を移動する。
【0029】
第12観点のフィルムロール交換装置では、意図しないタイミングでフィルムロール(巻き芯)が保持部の隙間から落下したり、回収部への回収対象でないフィルムロールが回収部へと落下したりすることを防止できる。
【0030】
本発明の第13観点に係るフィルムロール供給方法は、中空の巻き芯にフィルムが巻き回されているフィルムロールを支持するフィルムロール支持部を有し、フィルムを用いて物品の収容されている袋を製造する製袋包装機に対し、フィルムロール交換装置を用いてフィルムロールを供給する方法である。フィルムロール交換装置は、保持部と、保持部駆動部と、を有する。保持部は、製袋包装機に隣接して配置され、製袋包装機に供給するフィルムロールを保持する。保持部駆動部は、保持部を移動させる。フィルムロール供給方法は、保持部駆動部が、保持部を製袋包装機のフィルムロール支持部に向かって第1方向に移動し、保持部の保持するフィルムロールをフィルムロール支持部に受け渡すステップを備える。
【0031】
第13観点に係るフィルムロール供給方法では、製袋包装機に対して自動でフィルムロールを供給するので、製袋包装機に対するフィルムロールの供給作業に関する作業者の作業負担を低減できる。
【0032】
本発明の第14観点に係るフィルムロールの取り外し方法は、中空の巻き芯にフィルムが巻き回されているフィルムロールを支持するフィルムロール支持部を有し、フィルムを用いて物品の収容されている袋を製造する製袋包装機から、フィルムロール交換装置を用いてフィルムロールを取り外す方法である。フィルムロール交換装置は、製袋包装機に隣接して配置される保持部と、保持部を移動させる保持部駆動部と、押し部材と、押し部材を移動させる押し部材駆動部と、保持部とフィルムロール支持部が支持するフィルムロールの表面との距離を測る測定部と、を有する。フィルムロール取り外し方法は、保持部駆動部が、保持部をフィルムロール支持部の下に移動するステップを含む。また、フィルムロール取り外し方法は、測定部が、保持部とフィルムロール支持部が支持するフィルムロールの表面との距離を測定するステップを含む。また、フィルムロール取り外し方法は、測定部が測定した距離に基づき、保持部駆動部が、保持部の高さを調整するステップを含む。また、フィルムロール取り外し方法は、押し部材駆動部が、押し部材を駆動して、押し部材をフィルムロール支持部が支持するフィルムロールの端面に当接させるステップを含む。また、フィルムロール取り外し方法は、押し部材駆動部が、押し部材を駆動してフィルムロールの端面を第1方向に押すとともに、保持部駆動部が、保持部をフィルムロール支持部の下から第1方向に移動させて、フィルムロール支持部が支持しているフィルムロールを、保持部に移動させるステップを含む。
【0033】
第14観点に係るフィルムロールの取り外し方法では、使用済みのフィルムロール(フィルムがほぼ残っていないフィルムロール)や、利用を終了した使用済みではないフィルムロール(未だフィルムが残っているフィルムロール)を製袋包装機から自動で取り外すことができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明に係るフィルムロール交換装置及びフィルムロール供給方法では、製袋包装機に対して自動でフィルムロールを供給するので、製袋包装機に対するフィルムロールの供給作業に関する作業者の作業負担を低減できる。
【0035】
本発明に係るフィルムロールの取り外し方法では、使用済みのフィルムロールや、利用を終了した使用済みではないフィルムロールを製袋包装機から自動で取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明のフィルムロール供給装置の一実施形態に係るフィルムロール交換装置がフィルムロールを供給する製袋包装機を含む、計量包装システムの概略斜視図である。
図2図1の製袋包装機の概略構成図である。
図3図1の製袋包装機のフィルム供給部と本発明の一実施形態に係るフィルムロール交換装置とを、左後方側から見た概略斜視図である。
図4図1の製袋包装機のフィルム供給部と本発明の一実施形態に係るフィルムロール交換装置とを、右後方側から見た概略斜視図である。
図5】フィルムロール交換装置の概略平面図である。
図6】フィルムロール交換装置の概略左側面図である。
図7】製袋包装機及びフィルムロール交換装置の制御ブロック図である。
図8】フィルムロール交換装置の右側押し部材の概略右側面図である。
図9】フィルムロール交換装置の左側押し部材の概略左側面図である。
図10A】製袋包装機の支持軸からのフィルムロールの取り外しの際のフィルムロール交換装置の動作を説明するための、フィルムロール交換装置の一部の概略平面図である。
図10B】製袋包装機の支持軸からのフィルムロールの取り外しの際のフィルムロール交換装置の動作を説明するための、フィルムロール交換装置の一部の概略平面図である。
図10C】製袋包装機の支持軸からのフィルムロールの取り外しの際のフィルムロール交換装置の動作を説明するための、フィルムロール交換装置の一部の概略平面図である。
図10D】製袋包装機の支持軸からのフィルムロールの取り外しの際のフィルムロール交換装置の動作を説明するための、フィルムロール交換装置の一部の概略平面図である。
図11】製袋包装機の支持軸からの使用済みのフィルムロールの巻き芯の回収の際の、フィルムロール交換装置の動作を説明するための概略左側面図である。
図12A】保持部へのフィルムロールの移動と、保持部の高さ位置調整と、を説明するための、フィルムロール交換装置の一部の概略左側面図である。
図12B】保持部へのフィルムロールの移動と、保持部の高さ位置調整と、を説明するための、フィルムロール交換装置の一部の概略左側面図である。
図12C】保持部へのフィルムロールの移動と、保持部の高さ位置調整と、を説明するための、フィルムロール交換装置の一部の概略左側面図である。
図12D】保持部へのフィルムロールの移動と、保持部の高さ位置調整と、を説明するための、フィルムロール交換装置の一部の概略左側面図である。
図12E】保持部へのフィルムロールの移動と、保持部の高さ位置調整と、を説明するための、フィルムロール交換装置の一部の概略左側面図である。
図13A】フィルムロール交換装置による製袋包装機の支持軸へのフィルムロールの取り付けを説明するための、フィルムロール交換装置の一部の概略平面図である。
図13B】フィルムロール交換装置による製袋包装機の支持軸へのフィルムロールの取り付けを説明するための、フィルムロール交換装置の一部の概略平面図である。
図13C】フィルムロール交換装置による製袋包装機の支持軸へのフィルムロールの取り付けを説明するための、フィルムロール交換装置の一部の概略平面図である。
図13D】フィルムロール交換装置による製袋包装機の支持軸へのフィルムロールの取り付けを説明するための、フィルムロール交換装置の一部の概略平面図である。
図13E】フィルムロール交換装置による製袋包装機の支持軸へのフィルムロールの取り付けを説明するための、フィルムロール交換装置の一部の概略平面図である。
図14】フィルムロール交換装置の保持部の拡大図であり、第1フィルムロールの中心までの高さ位置の計測方法を説明するための図である。
図15】変形例Aのフィルムロール交換装置の制御ブロック図である。
図16】変形例Bのフィルムロール交換装置の保持部の拡大図であり、第1フィルムロールの中心までの高さ位置の計測方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図面を参照しながら、本開示のフィルムロール供給装置の一実施形態に係るフィルムロール交換装置200について説明する。なお、以下の記載は、本発明の具体例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【0038】
以下の説明では、平行、垂直、水平、鉛直、直交、同一等の表現を用いる場合があるが、これらは厳密に平行、垂直、水平、鉛直、直交、同一等である場合だけではなく、実質的に平行、垂直、水平、鉛直、直交、同一等である場合を含む。
【0039】
また、以下の説明では、説明の便宜上、方向を表すために、「前(正面)」、「後(背面)」、「上」、「下」、「左」、「右」等の表現を使用する場合がある。特記無き場合、これらの方向を表す表現は、図面に付された矢印の向きを表す。
【0040】
(1)製袋包装機及び計量包装システム
初めに、フィルムロール交換装置200がフィルムロールを供給する対象である製袋包装機3、及び、製袋包装機3を含む計量包装システム1について、図1図2及び図7を参照しながら説明する。図1は、計量包装システム1の概略斜視図である。図2は、製袋包装機3の概略構成図である。図7の下部には、製袋包装機3の制御ブロック図が示されている。
【0041】
計量包装システム1は、組合せ計量機2と製袋包装機3とを主に有する(図1参照)。
【0042】
(1-1)組合せ計量機
組合せ計量機2は、図1のように複数の計量ホッパ2aを主に有する。組合せ計量機2は、複数の計量ホッパ2aを用いて、所定重量の物品P(例えばポテトチップス)を量り取り、下方に配置される製袋包装機3に供給する。具体的には、組合せ計量機2は、図示しない供給コンベア等から供給される物品Pを、図示しない搬送手段を用いて複数の計量ホッパ2aへと搬送供給する。組合せ計量機2は、各計量ホッパ2aに供給された物品Pの重量を、図示しない計量手段を用いて計量する。組合せ計量機2は、各計量ホッパ2aの物品Pの重量の合計値が所定重量範囲になるように、計量ホッパ2aの組み合わせを選択する。組合せ計量機2は、組み合わせに選択した計量ホッパ2a内の物品Pを下方に排出することで、所定重量の物品Pを製袋包装機3に供給する。
【0043】
(1-2)製袋包装機
製袋包装機3は、図2に示すように、組合せ計量機2から物品Pの供給を受け、シート状のフィルムFから袋Bを成形し、内部に物品Pが収容されている袋Bを製造する。製袋包装機3は、図1図2及び図7に示すように、製袋包装部3aと、フィルム供給部100と、包装機コントローラ4と、を主に備える。
【0044】
フィルム供給部100は、シート状のフィルムFが巻き回されたフィルムロールR1を保持し、フィルムロールR1から繰り出されるフィルムFを製袋包装部3aに供給する。製袋包装部3aは、組合せ計量機2から物品Pの供給を受けると共に、フィルム供給部100から供給されるシート状のフィルムFを成形して、物品Pの入った袋Bを製造する。包装機コントローラ4は、製袋包装機3の各種構成の動作を制御する。
【0045】
(1-2-1)製袋包装部
製袋包装部3aは、図2に示すように、成形機構10と、フィルム搬送装置20と、縦シール機構30と、横シール機構40と、を主に含む。
【0046】
成形機構10は、図2に示すように、チューブ12とフォーマ14とを主に含む。チューブ12は、上下端が開口している筒状の部材である。チューブ12の上端の開口には、組合せ計量機2の供給する物品Pが投入される(図2参照)。フォーマ14は、チューブ12を取り囲むように配置されている。フォーマ14は、フィルム供給部100が搬送してくるシート状のフィルムFを筒状に成形し、フィルムFの搬送方向と直交する方向における端部が重なり合った筒状フィルムFtを成形する。
【0047】
フィルム搬送装置20は、フィルム供給部100から供給されるフィルムFを搬送する。具体的には、フィルム搬送装置20は、吸着機能を有する図示しない一対のベルトで筒状フィルムFtを吸着し、ベルトを下方に搬送することで、筒状フィルムFt及び上流側のシート状のフィルムFtを搬送する。
【0048】
縦シール機構30は、筒状フィルムFtを縦方向にシールする。縦シール機構30は、図2のようにチューブ12の正面に配置される。縦シール機構30は、筒状フィルムFtのフィルムFの重なり合う部分をチューブ12との間で挟みこみ、その状態で、フィルムFの重なり部分を、縦シール機構30の有する図示しないヒータで熱シールする。
【0049】
横シール機構40は、筒状フィルムFtの底部に物品Pが投入されている状態で、内部にヒータを搭載している一対のシールジョー42の間に筒状フィルムFtを挟み込み、搬送方向と直交する方向に沿って筒状フィルムFtを熱シールし、物品Pの収容された袋Bを製造する。筒状フィルムFtをシールする一対のシールジョー42の一方の内部には、図示しないカッターが内蔵されている。横シール機構40は、筒状フィルムFtを横シールする際に、カッターを用いて、シールジョー42による横シール部分の高さ方向の中心位置において筒状フィルムFtを切断し、物品Pの収容された袋Bを、後続の筒状フィルムFtから切り離す。
【0050】
(1-2-2)フィルム供給部
フィルム供給部100は、図1のように、製袋包装部3aの後方に、製袋包装部3aに隣接して設けられ、製袋包装部3aの成形機構10にシート状のフィルムFを供給する。フィルム供給部100は、保持機構110と、支持フレーム120と、フレーム用シャフト130と、接合機構160と、切断機構162と、複数のローラ170と、張力調整機構180と、を主に含む。
【0051】
保持機構110は、一対の支持部112と、支持軸駆動部116と、を含む。一対の支持部112のそれぞれは、中空の巻き芯WCにフィルムFが巻き回されているフィルムロールR1を保持する。フィルム供給部100は、支持部112が保持するフィルムロールR1から繰り出されるフィルムFを製袋包装部3aに供給する。
【0052】
保持機構110が支持部112を複数(ここでは2つ)有することで、保持機構110は、製袋包装部3aにフィルムFを供給しているフィルムロールR1(使用中のフィルムロールR1)に加えて、交換用のフィルムロールR1も同時に保持できる。そのため、使用中のフィルムロールR1のフィルムFを使い切った際に、交換用のフィルムロールR1のフィルムFを用いることで、袋Bの製造を短期間で再開できる。
【0053】
支持部112について詳しく説明する。各支持部112は、左右方向に延びる支持軸114を有する。支持軸114には、フィルムロールR1が取り付けられ、取り付けられたフィルムロールR1を支持する。具体的には、支持軸114がフィルムロールR1の巻き芯WCに挿入されることで、支持軸114にはフィルムロールR1が取り付けられる。支持軸114には、図示しないエアチャック等の固定機構が設けられている。支持軸114は、フィルムロールR1の中空の巻き芯WCに支持軸114が挿通させられた状態で固定機構を駆動することで、フィルムロールR1を支持軸114に固定する。フィルム供給部100の支持軸駆動部116は、例えば支持軸114のそれぞれに対して設けられたモータであり、支持軸114を回転させることで、各支持軸114に取り付けられているフィルムロールR1を回転させる。
【0054】
支持フレーム120は、一対の支持部112を支持するアーム状の部材である。支持フレーム120は、その中央部においてフレーム用シャフト130に取り付けられている。支持部112は、アーム状の支持フレーム120の両端に、フレーム用シャフト130を挟むように取り付けられている。
【0055】
モータ等のフレーム駆動部132により、フレーム用シャフト130が回転させられると、フレーム用シャフト130と共に支持フレーム120は回転し、一対の支持部112の支持軸114は、フレーム用シャフト130の中心軸周りを回転する。支持フレーム120がフレーム用シャフト130の中心軸周りを回転することで、一対の支持部112の支持軸114のそれぞれは、フィルムロール交換位置や、フィルム供給位置等に移動させられる。フィルムロール交換位置は、支持軸114に対し、フィルムロール交換装置200によりフィルムロールR1が供給される位置である。フィルム供給位置は、支持軸114が支持しているフィルムロールR1から、製袋包装部3aへと、フィルムFが繰り出される位置である。
【0056】
一対の支持軸114のうち、一方の支持軸114に取り付けられる交換用のフィルムロールR1のフィルムFの始端(フィルムロールR1に巻き回されているフィルムFの、巻き芯WCと固定される側とは反対側の端部)は、所定位置にセットされる。そして、使用中のフィルムロールR1(他方の支持軸114に取り付けられたフィルムロールR1)のフィルムFが使い切られると(実際にはフィルムFの残量が所定量以下になると)、包装機コントローラ4が制御する接合機構160は、使用中のフィルムロールR1(言い換えれば、使用済みのフィルムロールR1)のフィルムFの終端(巻き芯WCに固定されている端部)の近傍と、交換用のフィルムロールR1のフィルムFの始端の近傍とを接合する。また、包装機コントローラ4が制御する切断機構162は、使用済みのフィルムロールR1のフィルムFを、交換用のフィルムロールR1のフィルムFとの接合箇所より使用済みのフィルムロールR1側で切断する。このようにフィルムFを継ぎ合わせる工程と、使用済みのフィルムロールR1のフィルムFの切断工程とが自動で行われることで、この製袋包装機3では、フィルムロールR1が使い切られた際の作業者の作業負担を低減できる。
【0057】
フィルム供給位置に配置される支持軸114に支持されるフィルムロールR1から繰り出されるフィルムFは、フィルム供給部100の所定のフィルム搬送経路に沿って配置された複数のローラ170により案内されて、製袋包装部3aの成形機構10へと搬送される。
【0058】
フィルム供給部100のフィルム搬送経路には、搬送されるフィルムFに作用する張力の大きさを調整する張力調整機構180が設けられている。
【0059】
張力調整機構180は、主に、3つの固定ローラ182と、可動ローラ機構184と、シャフト184aと、エアシリンダ187と、エンコーダ188と、を有する(図2及び図7参照)。可動ローラ機構184は、2つの可動ローラ185と、可動ローラ185を支持する一対のアーム186と、を含む(図2参照)。一対のアーム186は、左右方向に延びる可動ローラ185を挟むように、可動ローラ185の左右に配置され、可動ローラ185の端部を支持する。一対のアーム186は、左右方向に延びるシャフト184aにより回転可能に支持されている。エアシリンダ187のシリンダ(図示せず)を出入りするロット(図示せず)の先端は、シャフト184aから径方向に延びるアーム(図示せず)に連結される。エアシリンダ187が駆動されることで、シャフト184aを回転させる力が発生する。
【0060】
固定ローラ182は、図示しないフレームに固定されており、位置が不変である。可動ローラ185は、可動ローラ185の取り付けられているアーム186の動きに応じて位置が変化する。固定ローラ182及び可動ローラ185は、支持部112の支持軸114が支持するフィルムロールR1から繰り出されたフィルムFが、製袋包装部3aの成形機構10へと向かうフィルム搬送経路に配置される。固定ローラ182及び可動ローラ185には、フィルムFが巻き掛けられ、フィルム搬送経路を搬送されていくフィルムFを案内する。可動ローラ185は、可動ローラ185に巻き掛けられたフィルムFが可動ローラ185に作用させる力に応じて移動する。
【0061】
シャフト184aの一端には、シャフト184aの回転角度を検出するためのエンコーダ188が取り付けられている。エンコーダ188は、可動ローラ185の移動を検知する。エンコーダ188の検出結果は、包装機コントローラ4による可動ローラ185の位置の制御等に用いられる。
【0062】
(1-2-3)包装機コントローラ
包装機コントローラ4は、製袋包装機3の各部の動作を制御する装置である。包装機コントローラ4は、例えば、CPUや、主記憶装置や補助記憶装置等の記憶装置や、入出力装置や、各種の電気回路や電子回路を有する。包装機コントローラ4では、CPUがメモリに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、製袋包装部3a及びフィルム供給部100の各部の動作を制御する。
【0063】
具体的には、包装機コントローラ4は、図7に示すように、製袋包装部3aのフィルム搬送装置20、縦シール機構30及び横シール機構40と電気的に接続され、これらの動作を制御する。また、包装機コントローラ4は、フィルム供給部100の支持軸駆動部116、フレーム駆動部132、接合機構160、切断機構162、及びエアシリンダ187と電気的に接続され、これらの動作を制御する。また、包装機コントローラ4は、フィルム供給部100のエンコーダ188及びスキャナ190と電気的に接続され、これらの機器が送信する信号を受信する。スキャナ190は、フィルムロールR1に付されているバーコードやマトリックス型二次元コード等のコードを読み取る装置である。
【0064】
包装機コントローラ4は、製袋包装部3aが袋Bを製造する通常運転時には、支持軸駆動部116と、エアシリンダ187と、フィルム搬送装置20と、縦シール機構30と、横シール機構40と、の動作を以下の様に制御する。
【0065】
包装機コントローラ4は、支持軸駆動部116を用いてフィルムロールR1から引き出されるシート状のフィルムFが所定速度で搬送されるよう、フィルム搬送装置20を制御する。包装機コントローラ4は、フィルムFの搬送状態や、エンコーダ188の検知結果に基づき、支持軸駆動部116の駆動/停止や、支持軸駆動部116によるフィルムロールR1の回転速度を制御する。また、包装機コントローラ4は、可動ローラ185が搬送中のフィルムFに一定の力を作用させるよう、エアシリンダ187を制御する。さらに、包装機コントローラ4は、縦シール機構30が所定のタイミングで筒状フィルムFtの縦シールを行い、横シール機構40が所定のタイミングで筒状フィルムFtの横シールを行うよう、縦シール機構30及び横シール機構40の動作を制御する。
【0066】
フィルムロール交換装置200が製袋包装機3に対してフィルムロールR1を供給する際に、包装機コントローラ4が行う制御内容については、フィルムロール交換装置200の説明の中で合わせて説明する。
【0067】
(2)フィルムロール供給装置
(2-1)全体概要
本発明の一実施形態に係るフィルムロール交換装置200の概要について、図3図9を参照しながら説明する。
【0068】
図3は、製袋包装機3のフィルム供給部100とフィルムロール交換装置200とを、左後方側から見た概略斜視図である。図4は、製袋包装機3のフィルム供給部100とフィルムロール交換装置200とを、右後方側から見た概略斜視図である。図5は、フィルムロール交換装置200の概略平面図である。図6は、フィルムロール交換装置200の概略左側面図である。図7の上部には、フィルムロール交換装置200の制御ブロック図が示されている。図8は、フィルムロール交換装置200の右側押し部材240の概略右側面図である。図9は、フィルムロール交換装置200の左側押し部材250の概略左側面図である。
【0069】
フィルムロール交換装置200は、製袋包装機3にフィルムロールR1を供給する。以下では、説明の分かりやすさの観点から、フィルムロール交換装置200が製袋包装機3に供給するフィルムロールR1を、第1フィルムロールR1aと呼ぶ場合がある。
【0070】
また、本開示では、フィルムロール交換装置200は、製袋包装機3の支持軸114から、使用済みのフィルムロールR1や、使用を中断したフィルムロールR1を取り外す。使用済みのフィルムロールR1とは、巻き芯WCに巻き回されていたフィルムFが使い切られた(フィルムFの残量が所定量以下となった)フィルムロールR1を意味する。また、使用を中断したフィルムロールR1とは、フィルムFは使い切られていないものの、少なくとも一時的に、製袋包装機3で使用されなくなるフィルムロールR1を意味する。以下では、説明の分かりやすさの観点から、製袋包装機3の支持軸114から取り外されるフィルムロールR1を、第2フィルムロールR1bと呼ぶ場合がある。
【0071】
なお、フィルムロール交換装置200は、製袋包装機3に対してフィルムロールR1を供給する機能のみを有する装置であってもよい。この際には、第2フィルムロールR1bは、作業者により手作業で支持軸114から取り外されればよい。
【0072】
フィルムロール交換装置200は、図3及び図4のように、例えば、製袋包装機3のフィルム供給部100の右側に配置される。ただし、図3及び図4に描画されているフィルムロール交換装置200の配置は、一例に過ぎず、製袋包装機3やフィルムロール交換装置200の仕様に応じて、適宜変更されればよい。
【0073】
フィルムロール交換装置200は、図5及び図6に示すように、コンベア210と、ゲート220と、保持部230と、右側押し部材240と、左側押し部材250と、ストッパ260と、巻き芯回収機構270と、第1部材280と、を有する。また、フィルムロール交換装置200は、図7に示すように、ゲート駆動部222と、第1駆動部235と、第2駆動部236と、第3駆動部237と、右側押し部材駆動部242と、左側押し部材駆動部252と、ストッパ駆動部262と、第1部材駆動部282と、エンコーダ284と、距離センサ286と、コントローラ290と、を有する。なお、ここでの駆動部222,235,236,237,242,252,262,282は、駆動対象を動作させるためのモータやエアシリンダ等の機器である。駆動部222,235,236,237,242,252,262,282にどのような機器を使用するかは、適宜選択されればよい。
【0074】
フィルムロール交換装置200の各種構成の詳細について、以下に説明する。
【0075】
(2-2)詳細
(2-2-1)コンベア
コンベア210は、製袋包装機3に供給するための第1フィルムロールR1aを、保持部230へと前方に搬送する。コンベア210には、作業者が第1フィルムロールR1aを供給してもよいし、フィルムロールR1aを搬送してくるAGV(Automatic Guided Vehicle)が第1フィルムロールR1aを供給してもよい。
【0076】
本実施形態では、コンベア210は、図示しないモータにより搬送ベルトを駆動し、フィルムロールR1を搬送するベルトコンベアである。ただし、コンベア210の種類はベルトコンベアに限定されるものではなく、コンベア210は、駆動源を有さないローラコンベアでもよい。この場合でも、コンベア210の保持部230側の端部を、コンベア210の保持部230とは反対側の端部より低くすれば、人がフィルムロールR1を動かさなくても、フィルムロールR1を保持部230へと搬送できる。
【0077】
なお、フィルムロール交換装置200からは、コンベア210が省略されてもよい。コンベア210が無い場合には、第1フィルムロールR1aを、AGVが、直接、保持部230に、搬送・供給してもよい。あるいは、作業者が、第1フィルムロールR1aを、直接、保持部230に供給してもよい。
【0078】
(2-2-2)ゲート
ゲート220は、図5に示すように、コンベア210の前方、かつ、保持部230の後方に配置される。言い換えれば、ゲート220は、図5に示すように、平面視において、コンベア210と保持部230との間に配置される。
【0079】
ゲート220は、コンベア210上の第1フィルムロールR1aの移動を規制する部材であり、意図しないタイミングで第1フィルムロールR1aが保持部230へと移動することを防止する。ゲート220は、ゲート駆動部222により駆動され、第1フィルムロールR1aの保持部230側への移動を規制する位置(規制位置)と、第1フィルムロールR1aの保持部230側への移動を規制しない位置(非規制位置)と、の間を移動する。
【0080】
ゲート駆動部222がゲート220を動かすタイミング等については後述する。
【0081】
(2-2-3)保持部
保持部230は、図5に示すように、製袋包装機3が有するフィルムロールR1を支持する支持軸114に少なくとも一時的に隣接して配置される。具体的には、保持部230は、前述のフィルムロール交換位置へと移動させられた支持軸114に隣接する位置に配置される。
【0082】
保持部230は、製袋包装機3に供給する第1フィルムロールR1aを保持する。また、保持部230は、支持軸114から取り外された第2フィルムロールR1bを保持する。
【0083】
保持部230は、図5に示すように、左右方向において、フィルムロール交換位置に配置される支持軸114の遠隔側に配置される第1端部231aと、第1端部231aの反対側であって、フィルムロール交換位置に配置される支持軸114の近接側に配置される第2端部231bと、を有する。保持部230は、第1端部231aと第2端部231bとの間で、巻き芯WCが左右方向に延びるような姿勢で、コンベア210により供給される第1フィルムロールR1aや、支持軸114から取り外される第2フィルムロールR1bを保持する。
【0084】
保持部230は、図5及び図6に示すように、第1保持部材232と、第2保持部材234と、を有する。第1保持部材232と第2保持部材234とは、前後方向に並べて配置されている。具体的には、第1保持部材232は、図5及び図6に示すように、第2保持部材234の後方に(コンベア210側に)配置されている。第1保持部材232及び第2保持部材234は、平板状の部材である。ただし、保持部230が以下に説明するように機能可能であれば、第1保持部材232及び第2保持部材234の形状は、平板状に限定されない。第1保持部材232は、第1フィルムロールR1aを支持する第1保持面232aを有し、第2保持部材234は、第1フィルムロールR1aを支持する第2保持面234aを有する。
【0085】
平板状の第1保持部材232及び第2保持部材234は、図6のように、右側面視において、V字形状を形成するように配置されている。言い換えれば、第1保持部材232と第2保持部材234とは、右側面視及び左側面視において、第1保持面232aと第2保持面234aとがV字形状を形成するように配置されている。さらに言い換えれば、第1保持部材232と第2保持部材234とは、製袋包装機3の支持軸114の軸方向視において、第1保持面232aと第2保持面234aとがV字形状を形成するように配置されている。特に、ここでは、第1保持面232aの垂線と第2保持面234aの垂線とは直交する。ただし、第1保持面232aの垂線と第2保持面234aの垂線とがなす角度は、90°以外であってもよい。
【0086】
なお、V字形状を形成するように配置されている第1保持部材232と第2保持部材234とは、V字形状における谷部において、第1保持部材232と第2保持部材234との間に隙間230aが形成されるように、距離を空けて配置されている。言い換えれば、保持部230には、その下部に隙間230aが形成されている。隙間230aの左右方向の幅は、フィルムロールR1の巻き芯WCの外径よりも大きい。保持部230の隙間230aは、支持軸114から取り外されて保持部230に移動させられた第2フィルムロールR1b、特には使用済みのフィルムロールR1の巻き芯WCを通過させて、巻き芯回収機構270へと使用済みのフィルムロールR1の巻き芯WCを落下排出するために用いられる。
【0087】
保持部230は、第1駆動部235、第2駆動部236及び第3駆動部237により駆動される。
【0088】
第1駆動部235は、左右方向に延びる、所定位置に配置される回転軸周りに、保持部230を回転させる。例えば、第1駆動部235は、左側面視において、第1保持面232aを延長した直線と第2保持面234aを延長した直線との交点X(図14参照)を回転中心として、保持部230を回転させる。具体的には、第1駆動部235は、保持部230を回転させることで、保持部230の姿勢を、第1姿勢と第2姿勢との間で変更する。保持部230が第1姿勢にある時、第1保持面232aの垂線は鉛直方向に延び、第2保持面234aの垂線は水平方向に延びる。なお、ここで示す保持部230の第1姿勢は一例に過ぎない。例えば、第1保持面232aが後方側から前方側に向かって低くなるように若干傾斜している保持部230の姿勢を、保持部230の第1姿勢としてもよい。保持部230が第2姿勢にある時、第1保持面232aの垂線は水平面に対して45°傾き、第2保持面234aの垂線も水平面に対して45°傾く。第2姿勢における保持部230を左方から見た時に、第1保持面232aは鉛直面に対して45°傾斜し、第2保持面234aは鉛直面に対して45°傾斜する。言い換えれば、第2姿勢の保持部230を左方から見ると、第1保持面232aと第2保持面234aとは、上下方向及び左右方向に広がる鉛直面Vに対して対称に配置される(図6参照)。第2姿勢の保持部230を左方から見た時に、第1保持面232aと第2保持面234aとは、上向きに開口するV字形状を形成する。
【0089】
第2駆動部236は、保持部230を上下方向に移動させる。
【0090】
第3駆動部237は、保持部230を左右方向に移動させる。言い換えれば、第3駆動部237は、フィルムロール交換位置に配置されている支持軸114に接近するように左方に、フィルムロール交換位置に配置されている支持軸114から離隔するように右方に、第2姿勢の保持部230を移動させる。
【0091】
なお、本実施形態の第3駆動部237は、保持部230と、右側押し部材240及び左側押し部材250とを同時に左右に移動させる。言い換えれば、第3駆動部237は、保持部230と、右側押し部材240及び左側押し部材250とを一体として左右に移動させる。
【0092】
第1駆動部235、第2駆動部236及び第3駆動部237が保持部230を動かすタイミング等については後述する。
【0093】
(2-2-4)右側押し部材
右側押し部材240は、図5に示すように、保持部230の第1端部231aに隣接して配置される部材である。右側押し部材240は、保持部230が保持する第1フィルムロールR1aの右端面を押す部材である。
【0094】
右側押し部材240は、右側押し部材駆動部242により上下方向に駆動される。右側押し部材駆動部242は、右側押し部材240を上下方向に駆動することで、右側押し部材240を、第1フィルムロールR1aの端面に接触可能な位置(接触位置と呼ぶ)に移動させる。また、右側押し部材駆動部242は、右側押し部材240を上下方向に駆動することで、右側押し部材240を、製袋包装機3の支持軸114に取り付けられているフィルムロールR1に接触しない位置(非接触位置と呼ぶ)に移動させる。
【0095】
さらに、右側押し部材240は、第3駆動部237により左右方向に駆動される。特に、第3駆動部237は、右側押し部材240が接触位置にある状態で、右側押し部材240を左方向に移動させることで、保持部230が保持する第1フィルムロールR1aの右端面を右側押し部材240で押して、フィルムロール交換位置に配置されている支持軸114に向かって第1フィルムロールR1aを左方に移動させる。
【0096】
右側押し部材240は、形状を限定するものではないが、図8のように、右側面視において略長方形形状を有する。右側押し部材240の上部には、好ましくは、製袋包装機3の支持軸114の外径形状に沿う切り欠き240aが形成されている。形状を限定するものではないが、切り欠き240aは、例えば、U字形状や、V字形状である。例えば、切り欠き240aがU字形状である場合には、切り欠き240aは、右側面視において、略長方形状の切り欠きであって、下端部が半円形状に形成されている。または、切り欠き240aがU字形状である場合には、切り欠き240aは、図8に示すように、右側面視において、半円形状の切り欠きであってもよい。本開示では、右側押し部材240の上部には半円形状の切り欠き240aが形成されている。そして、好ましくは、切り欠き240aの半円の直径Aは、第1フィルムロールR1aが取り付けられる支持軸114の直径D1より大きく、かつ、第1フィルムロールR1aの巻き芯WCの外周の直径D2より小さい。
【0097】
右側押し部材240の上部に、上記寸法の切り欠き240aを設ける理由について説明する。
【0098】
通常、第1フィルムロールR1aでは、第1フィルムロールR1aの巻き芯WCの端面は、巻き芯WCの軸方向において、巻き芯WCに巻き回されているフィルムFよりも外側に配置されている。右側押し部材240の上部に上記寸法の切り欠き240aが形成されている場合、右側押し部材駆動部242が、右側押し部材240の切り欠き240aの底部が、第1フィルムロールR1aの取り付け対象の支持軸114の最下点の下方近傍に配置されるように右側押し部材240を上下方向に移動させれば、第3駆動部237により駆動される右側押し部材240は、第1フィルムロールR1aの巻き芯WCの端面だけを押すことができる。
【0099】
第1フィルムロールR1aの巻き芯WCにフィルムFが比較的緩く巻き回されている場合、右側押し部材240が、第1フィルムロールR1aの端面のフィルムFの部分だけを押せば、フィルムFの一部が左右方向に位置ずれし、フィルム供給部100は、製袋包装部3aの適切な位置にフィルムFを搬送できないおそれがある。これに対し、右側押し部材240が巻き芯WCの端面だけを押せば、右側押し部材240が第1フィルムロールR1aの端面を押しても、第1フィルムロールR1aに巻き回されているフィルムFの一部の左右方向の位置ずれを抑制できる。
【0100】
なお、右側押し部材240が、巻き芯WCの端面に加え、第1フィルムロールR1aの端面のフィルムFの部分を押す場合であっても、巻き芯WCの端面を少なくとも押すことで、第1フィルムロールR1aにおけるフィルムFの左右方向の位置ずれが抑制されやすい。
【0101】
なお、右側押し部材240の形状は、ここで説明したU字形状に限定されるものではない。例えば、右側押し部材240は、支持軸114に接触することなく、巻き芯WCの右端面を少なくとも押すことが可能な、U字形状以外の形状を有するものであってもよい。
【0102】
また、特に不都合が無い場合には、右側押し部材240は、第1フィルムロールR1aの右端面のフィルムFの部分だけを押すものであってもよい。
【0103】
右側押し部材駆動部242及び第3駆動部237が、どのように右側押し部材240を動かすかについては後述する。
【0104】
(2-2-5)左側押し部材
左側押し部材250は、図5に示すように、保持部230の第2端部231bに隣接して配置される部材である。左側押し部材250は、製袋包装機3の支持軸114に取り付けられる第1フィルムロールR1aの右端面を押す部材である。また、左側押し部材250は、製袋包装機3の支持軸114から取り外される第2フィルムロールR1bの左端面を押す部材である。
【0105】
左側押し部材250は、左側押し部材駆動部252により上下方向に駆動される。左側押し部材駆動部252は、左側押し部材250を上下方向に駆動することで、左側押し部材250を、第1フィルムロールR1aの端面や、第2フィルムロールR1bの端面に接触可能な位置(接触位置と呼ぶ)に移動させる。また、左側押し部材駆動部252は、左側押し部材250を上下方向に駆動することで、左側押し部材250を、製袋包装機3の支持軸114に取り付けられているフィルムロールR1に接触しない位置(非接触位置と呼ぶ)に移動させる。
【0106】
さらに、左側押し部材250は、第3駆動部237により左右方向に駆動される。
【0107】
第3駆動部237は、左側押し部材250が接触位置にあり、左側押し部材250が第1フィルムロールR1aの右側に配置されている状態で、左側押し部材250を左方向に移動させる。この際、左側押し部材250は、第1フィルムロールR1aの巻き芯WCの中空部の一部に支持軸114が挿入されている状態の第1フィルムロールR1aの右端面を押し、第1フィルムロールR1aを、左側に、支持軸114の所定位置まで移動させる。
【0108】
また、第3駆動部237は、左側押し部材250が接触位置にあり、左側押し部材250が第2フィルムロールR1bの左側に配置されている状態で、左側押し部材250を右方向に移動させる。この際、左側押し部材250は、支持軸114が挿入されている状態の第2フィルムロールR1bの左端面を押し、第2フィルムロールR1bを、保持部230へと移動させる。
【0109】
左側押し部材250は、形状を限定するものではないが、図9のように、左側面視において略長方形形状を有する。左側押し部材250の上部には、右側押し部材240の切り欠き240aと同様の形状の切り欠き250aが形成されている。切り欠き250aの形状は、切り欠き240aの形状と同様であるので、切り欠き250aの形状の詳細については説明を省略する。左側押し部材250の上部に切り欠き250aが形成されていることで、左側押し部材250は、第1フィルムロールR1aの巻き芯WCや、第2フィルムロールR1bの巻き芯WCを押すことができる。
【0110】
なお、左側押し部材250の形状は、U字形状に限定されるものではない。例えば、左側押し部材250は、支持軸114に接触することなく、第1フィルムロールR1aの巻き芯WCの右端面や、第2フィルムロールR1bの巻き芯WCの左端面を少なくとも押すことが可能な、U字形状以外の形状を有するものであってもよい。
【0111】
また、特に不都合が無い場合には、左側押し部材250は、第1フィルムロールR1aの右端面のフィルムFの部分だけを押すものであってもよい。
【0112】
一方、支持軸114から第2フィルムロールR1bを取り外す際には、第2フィルムロールR1bにフィルムFがほとんど残っていない場合がある。そのため、支持軸114から第2フィルムロールR1bを取り外す際には、左側押し部材250は、巻き芯WCの左端面を少なくとも押すことが好ましい。
【0113】
左側押し部材駆動部252及び第3駆動部237が、どのように左側押し部材250を動かすかについては後述する。
【0114】
(2-2-6)ストッパ
ストッパ260は、第2姿勢にある保持部230の隙間230aを塞ぎ(図6参照)、支持軸114から取り外された第2フィルムロールR1bが、隙間230aから下方の巻き芯回収機構270へと落下するのを防止するための部材である。
【0115】
ストッパ260は、ストッパ駆動部262により駆動され、隙間230aを塞ぐ閉鎖位置と、隙間230aの閉鎖を解除する開放位置との間を移動する。閉鎖位置は、ストッパ260がその位置に配置される時に、ストッパ260が、第2フィルムロールR1bの巻き芯WCの巻き芯回収機構270への落下を防止する位置である。開放位置は、ストッパ260がその位置に配置される時に、ストッパ260が、第2フィルムロールR1bの巻き芯WCの巻き芯回収機構270への落下を許容する位置である。
【0116】
ストッパ駆動部262がストッパ260を動かすタイミングについては後述する。
【0117】
(2-2-7)巻き芯回収機構
巻き芯回収機構270は、第2姿勢にある保持部230の隙間230aから落下する支持軸114から取り外された第2フィルムロールR1bを回収する機構である。特に、巻き芯回収機構270は、第2姿勢にある保持部230の隙間230aから落下する第2フィルムロールR1bとしての使用済みのフィルムロールR1の巻き芯WCを回収するための機構である。
【0118】
保持部230の隙間230aから落下した第2フィルムロールR1bは、巻き芯回収機構270の傾斜面272を滑り落ち、コンベア210の直下の回収エリア274に回収される(図6参照)。なお、保持部230の隙間230aから落下した第2フィルムロールR1bをどのように回収するかについては適宜設計されればよい。
【0119】
(2-2-8)第1部材及びエンコーダ
第1部材280及びエンコーダ284は、製袋包装機3に供給される第1フィルムロールR1aの直径を計測するために用いられる構成である。
【0120】
第1部材280は、コンベア210の上方に配置されている。
【0121】
第1部材280は、第1フィルムロールR1aの直径の計測のために使用されないタイミングでは、所定の第1位置(待機位置)に配置されている。第1位置は、その位置に第1部材280が存在していたとしても、第1部材280が、コンベア210を搬送される第1フィルムロールR1aに接触しない位置である。第1部材280が第1フィルムロールR1aの直径の計測のために使用されるタイミングでは、第1部材駆動部282は、第1部材280を、下方に、コンベア210に載置されている第1フィルムロールR1aの外周面(上端)に接触する第2位置まで移動させる。
【0122】
ここでの第1部材駆動部282は、エンコーダ284の取り付けられているモータである。エンコーダ284は、第1部材駆動部282が、第1部材280を第1位置から第2位置に移動させた際のモータの回転変位量を計測し、計測した回転変位量に応じた信号を後述するコントローラ290へと送信する。
【0123】
第1計測部としてのコントローラ290は、エンコーダ284の信号に基づいて第1位置から第2位置までの第1部材280の移動距離を算出する。さらに、コントローラ290は、算出した第1部材280の移動距離に基づいて、コンベア210上の第1フィルムロールR1aの直径を計測する。
【0124】
(2-2-9)距離センサ
距離センサ286は、所定の基準位置から、フィルムロールR1の外周面までの距離を非接触で測定するセンサである。例えば、距離センサ286は、保持部230の隙間230aの直下に配置される。距離センサ286は、その種類を限定するものではないが、例えばレーザ距離センサである。距離センサ286は、距離センサ286が配置される基準位置から、保持部230上に載置されているフィルムロールR1の外周面までの距離や、支持軸114に取り付けられているフィルムロールR1の外周面までの距離を測定できる。
【0125】
距離センサ286の用途については後述する。
【0126】
(2-2-10)コントローラ
コントローラ290は、フィルムロール交換装置200の各部の動作を制御する装置である。コントローラ290は、例えば、CPUや、主記憶装置や補助記憶装置等の記憶装置や、入出力装置や、各種の電気回路や電子回路を有する。
【0127】
コントローラ290は、図7に示すように、コンベア210と、ゲート駆動部222と、第1駆動部235と、第2駆動部236と、第3駆動部237と、右側押し部材駆動部242と、左側押し部材駆動部252と、ストッパ駆動部262と、第1部材駆動部282と、エンコーダ284と、電気的に接続されている。コントローラ290は、コンベア210、ゲート駆動部222、第1駆動部235、第2駆動部236、第3駆動部237、右側押し部材駆動部242、左側押し部材駆動部252、ストッパ駆動部262、及び第1部材駆動部282の動作を制御する。また、コントローラ290は、エンコーダ284や、距離センサ286の出力する信号を受信する。また、コントローラ290は、製袋包装機3の包装機コントローラ4と通信可能に接続されている。
【0128】
コントローラ290は、CPUが記憶装置に記憶されているプログラムを実行することで、フィルムロール交換装置200の各部の動作を制御して、フィルムロール交換装置200に以下のような動作を実行させる。
【0129】
コントローラ290は、支持軸114から、使用済みの又は使用を中断したフィルムロールR1(第2フィルムロールR1b)を取り外す。また、コントローラ290は、保持部230を移動させて、保持部230の保持する交換用のフィルムロールR1(第1フィルムロールR1a)の中心の高さ位置を、第1フィルムロールR1aを取り付ける支持軸114の中心の高さ位置と一致させる。また、コントローラ290は、保持部230を左方向に移動させて、保持部230の保持する第1フィルムロールR1aを、製袋包装機3の支持部112(支持部112の支持軸114)に移動させる。
【0130】
フィルムロール交換装置200が、支持軸114から第2フィルムロールR1bをどのように取り外し、支持軸114に交換用の第1フィルムロールR1aをどのように取り付けるかについて、以下に、図10図13を参照しながら説明する。図10A図10Eは、製袋包装機3の支持軸114からの第2フィルムロールR1bの取り外しの際のフィルムロール交換装置200の動作を説明するための、フィルムロール交換装置200の一部の概略平面図である。図11は、製袋包装機3の支持軸114からの第2フィルムロールR1bの取り外しの際の、フィルムロール交換装置200の動作を説明するための概略左側面図である。図12A図12Eは、保持部230への第1フィルムロールR1aの移動と、保持部230の高さ位置調整と、を説明するための、フィルムロール交換装置200の一部の概略左側面図である。図13A図13Eは、フィルムロール交換装置200による第1フィルムロールR1aの製袋包装機3の支持軸114への取り付けを説明するための、フィルムロール交換装置200の一部の概略平面図である。
【0131】
(A)第2フィルムロールの製袋包装機の支持軸からの取り外し
コントローラ290は、包装機コントローラ4からフィルムロールR1の交換要求が送信されてくると、初めに、製袋包装機3の支持軸114からフィルムロールR1(第2フィルムロールR1b)を取り外す。
【0132】
フィルムロール交換装置200の動作ではないが、まずは、包装機コントローラ4がフィルムロールR1の交換要求を送信する際の、製袋包装機3の動作について説明する。特に、ここでは、これまで製袋包装機3において使用されていたフィルムロールR1のフィルムFが使い切られた際の製袋包装機3の動作を例に説明する。
【0133】
包装機コントローラ4は、例えば、エンコーダ188の出力する信号に基づいて検出される可動ローラ185の動きに基づき、これまで使用されていたフィルムロールR1のフィルムFが使い切られたことを検知する。フィルムロールR1のフィルムFが使い切られたことを検知すると、包装機コントローラ4は、接合機構160を制御して、使用済みのフィルムロールR1のフィルムFの終端近傍と、交換用のフィルムロールR1のフィルムFの始端近傍と、を接合する。また、包装機コントローラ4は、切断機構162を制御して、使用済みのフィルムロールR1のフィルムFを、所定位置で切断する。
【0134】
そして、包装機コントローラ4は、フレーム駆動部132を駆動して、交換済のフィルムロールR1(これから包装に使用されるフィルムロールR1)を支持する支持軸114をフィルム供給位置に移動させるとともに、使用済みのフィルムロールR1を支持する支持軸114をフィルムロール交換位置に移動させる。
【0135】
なお、この際、万が一、使用済みのフィルムロールR1のフィルムFが切断されていない状態でフレーム駆動部132を駆動してしまうと、フィルムFが製袋包装機3のローラ170に絡みつく等の不具合が発生するおそれがある。
【0136】
そこで、包装機コントローラ4は、フレーム駆動部132を駆動する前に、支持軸駆動部116を制御して、使用済みのフィルムロールR1を支持する支持軸114を、フィルムFを巻き取る方向に回転させることが好ましい。この際、もし使用済みのフィルムロールR1のフィルムFと製袋包装部3a側へと延びるフィルムFとが接続されていたままであれば、可動ローラ185が上方に動かされる。そのため、包装機コントローラ4は、エンコーダ188の検知結果に基づき、使用済みのフィルムロールR1と製袋包装部3aとが、使用済みのフィルムロールR1から引き出されているフィルムFで接続されていることを検知できる。包装機コントローラ4は、使用済みのフィルムロールR1と製袋包装部3aとがフィルムFにより接続されたままとなっている場合には、フレーム駆動部132を駆動する制御は行わず、例えば、製袋包装機3及びフィルムロール交換装置200をエラー停止させる。
【0137】
包装機コントローラ4は、第2フィルムロールR1bを支持する支持軸114をフィルムロール交換位置に移動させた後は、保持部230に第2フィルムロールR1bを受け渡す前に、支持軸駆動部116の動作を制御して、第2フィルムロールR1bを支持する支持軸114を回転させて、第2フィルムロールR1bのフィルムFを巻き芯WCに巻き取ることが好ましい。このように構成されることで、第2フィルムロールR1bに残っているフィルムFが、第2フィルムロールR1bのフィルムFがフィルムロール交換装置200の各種構成に絡みついて、巻き芯回収機構270に排出されるべき第2フィルムロールR1bの巻き芯WCが、巻き芯回収機構270に排出されなかったりする不具合の発生を抑制できる。
【0138】
なお、第2フィルムロールR1bのフィルムFの巻き取り量(第2フィルムロールR1bが取り付けられている支持軸114の回転量)は、第2フィルムロールR1bからフィルムFから垂れ下がることがないように、第2フィルムロールR1bのフィルムロール径に基づいて決定されることが好ましい。
【0139】
これを実現するため、例えば、包装機コントローラ4がフィルムFの巻き取りのために支持軸駆動部116を動作させる前に、フィルムロール交換装置200は、保持部230を、フィルム供給位置に配置されている支持軸114の直下に移動させる。そして、フィルムロール交換装置200は、距離センサ286に、距離センサ286から第2フィルムロールR1bの外周面(最下部)までの距離を測定させる。次に、フィルムロール交換装置200のコントローラ290は、記憶装置に予め記憶されている距離センサ286とフィルム供給位置に配置されている支持軸114の位置関係と、距離センサ286の測定値とに基づいて、第2フィルムロールR1bのフィルムロール径を計測する。そして、コントローラ290は、計測した第2フィルムロールR1bのフィルムロール径を、包装機コントローラ4に送信する。包装機コントローラ4は、受信した第2フィルムロールR1bのフィルムロール径に基づいて、第2フィルムロールR1bからフィルムFから垂れ下がらないように、第2フィルムロールR1bのフィルムFの巻き取り量(支持軸114の回転量)を決定する。
【0140】
なお、ここでは、フィルムロール交換装置200のコントローラ290が第2フィルムロールR1bのフィルムロール径を計測するが、これに代えて、包装機コントローラ4が、距離センサ286の測定値に基づいて、第2フィルムロールR1bのフィルムロール径を計測(算出)してもよい。また、ここでは、第2フィルムロールR1bのフィルムロール径の計測に、距離センサ286の測定値が用いられるが、これに限定されるものではなく、例えば、製袋包装機3に設けられた図示しない距離センサの測定値に基づいて第2フィルムロールR1bのフィルムロール径が計測されてもよい。
【0141】
包装機コントローラ4は、例えば、第2フィルムロールR1bの巻き芯WCへのフィルムFの巻き取り動作の直前に、フィルムロール交換装置200のコントローラ290に対して、フィルムロールR1の交換要求を送信する。なお、包装機コントローラ4がフィルムロールR1の交換要求をコントローラ290に送信するタイミングは、矛盾の無い範囲で適宜決定されればよい。例えば、第2フィルムロールR1bの巻き芯WCへのフィルムFの巻き取りの際に、距離センサ286の測定値を利用して第2フィルムロールR1bのフィルムロール径を計測しない場合、包装機コントローラ4がフィルムロールR1の交換要求をコントローラ290に送信するタイミングは、第2フィルムロールR1bの巻き芯WCへのフィルムFの巻き取り動作の後であってもよい。
【0142】
続いて、フィルムロール交換装置200による、フィルムロール交換位置に配置されている支持軸114からの第2フィルムロールR1bの取り外しについて、図10A図10D及び図11を参照して説明する。なお、以下の説明は、フィルムロール交換装置200による第2フィルムロールR1bの取り外し動作の一例に過ぎず、適宜変更されればよい。
【0143】
説明の前提として、図10Aに描画されている時点では、保持部230上にはフィルムロールR1は存在しておらず、保持部230はゲート220の前方に隣接する位置に配置され、右側押し部材240及び左側押し部材250は前述の非接触位置に配置されているものとする。また、図10Aに描画されている時点では、保持部230の隙間230aは、ストッパ260により塞がれた状態にあるものとする。
【0144】
コントローラ290は、包装機コントローラ4からフィルムロールR1の交換要求を受信すると、コントローラ290は、第3駆動部237の動作を制御して、保持部230をゲート220に隣接する図10Aに描画されている位置から、左側に、図10Bのフィルムロール交換位置に配置されている支持軸114の直下まで移動させる。なお、この際、コントローラ290は、保持部230が支持軸114や支持軸114に取り付けられている第2フィルムロールR1bに接触しないように、第2駆動部236を制御して、保持部230を上下の可動範囲において、最も低い位置に移動させている。
【0145】
保持部230が図10Bのように支持軸114の直下に配置されると、距離センサ286は、距離センサ286から第2フィルムロールR1bの外周面(最下部)までの距離を測定する。
【0146】
そして、好ましくは、包装機コントローラ4は、前述のように、保持部230に第2フィルムロールR1bを受け渡す前に、距離センサ286の測定値に基づいて、第2フィルムロールR1bを支持する支持軸114を回転させて、第2フィルムロールR1bのフィルムFを巻き芯WCに巻き取る。その後、包装機コントローラ4は、支持軸114と第2フィルムロールR1bとの固定機構による固定を解除する。
【0147】
一方、コントローラ290は、記憶装置に予め記憶されている距離センサ286と保持部230の位置関係と、距離センサ286から第2フィルムロールR1bの外周面までの距離とに基づいて、保持部230と(保持部230の所定の代表箇所と)、支持軸114が支持する第2フィルムロールR1bの外周面と、の上下方向の距離を計測する。
【0148】
次いで、コントローラ290は、保持部230と支持軸114が支持する第2フィルムロールR1bの外周面との上下方向の距離に基づいて、第2駆動部236を制御し、保持部230の高さ位置を調節する。具体的には、コントローラ290は、第2駆動部236を制御し、保持部230を第2フィルムロールR1bの近傍まで移動させる。
【0149】
また、コントローラ290は、左側押し部材駆動部252の動作を制御し、左側押し部材250を、支持軸114には接触しない位置であって、かつ、支持軸114の第2フィルムロールR1bの巻き芯WCに接触する位置(前述の接触位置)まで、上昇させる。
【0150】
次に、コントローラ290は、第3駆動部237の動作を制御して、保持部230を図10Aに描画した位置から、右側に、図10Cの位置(図10Aの時点で、保持部230が配置されていた位置)まで移動させる。この過程で、第2フィルムロールR1bは、左側押し部材250に押されて移動し、図10Cに描画するように保持部230上に移動する。
【0151】
また、コントローラ290は、保持部230を図10Cに描画した位置まで移動させると、左側押し部材駆動部252の動作を制御し、左側押し部材250を、前述の非接触位置まで移動させる。
【0152】
次に、コントローラ290は、ストッパ駆動部262によりストッパ260を開放位置まで移動させる。その結果、第2フィルムロールR1b(第2フィルムロールR1bの巻き芯WC)は、保持部230の隙間230aから落下する。第2フィルムロールR1bが無事に落下したか否かの判断には、距離センサ286の検出結果を利用できる。
【0153】
なお、ここでは、第2フィルムロールR1bが使用済みのフィルムロールR1であることを想定しているが、第2フィルムロールR1bが、フィルムFが未だ残っているフィルムロールR1(製袋包装機3において使用が中断されたフィルムロールR1)である場合は、コントローラ290は、ストッパ駆動部262を駆動させなくてもよい。例えば、この場合には、コントローラ290は、図示しない出力装置(ディスプレイやスピーカ等)を用いて、フィルムFが残存しているフィルムロールR1が保持部230に存在することを報知してもよい。作業者は、この報知に基づき、保持部230に存在するフィルムFが残存しているフィルムロールR1を取り出す。
【0154】
コントローラ290が、ストッパ駆動部262によりストッパ260を開放位置まで移動させた場合には、保持部230の隙間230aから落下した第2フィルムロールR1bは、図11に示すように、巻き芯回収機構270の傾斜面272を滑り落ち、コンベア210の直下に配置された回収エリア274に回収される。
【0155】
(B)第1フィルムロールの製袋包装機の支持軸への取り付け
コントローラ290は、製袋包装機3の支持軸114からの第2フィルムロールR1bの取り外しが完了すると、第1フィルムロールR1aを製袋包装機3に供給し、第1フィルムロールR1aを支持軸114に取り付ける。
【0156】
ここでは、図12A図12Eを参照しながら、保持部230への第1フィルムロールR1aの移動と、保持部230の高さ位置調整と、を初めに説明する。その後、図13A図13Eを参照しながら、フィルムロール交換装置200による第1フィルムロールR1aの製袋包装機3の支持軸114への取り付けを説明する。
【0157】
(B-1)保持部への第1フィルムロールの移動と保持部の高さ位置調整
説明の前提として、図12Aに描画されている時点では、保持部230上にはフィルムロールR1は存在せず、前述の第2姿勢の保持部230は、ゲート220の前方に隣接する位置(初期位置)に配置されている。また、図12Aに描画されている時点では、ゲート220は、第1フィルムロールR1aの保持部230側への移動を規制する位置にあり、コンベア210上のゲート220と隣接した位置に、第1フィルムロールR1aが載置された状態にある。第1部材280は、第1フィルムロールR1aの上方の、第1フィルムロールR1aとは離れた上述の第1位置に配置されている。
【0158】
この状態で、コントローラ290は、第1部材駆動部282により、第1部材280を、コンベア210に載置されている第1フィルムロールR1aの外周面(上端)に接触する第2位置まで移動させる(図12B参照)。
【0159】
コントローラ290は、第1部材駆動部282が第1部材280を第1位置から第2位置に移動させた際に、エンコーダ284の送信してくるモータ(第1部材駆動部282)の回転変位量に応じた信号を受信する。コントローラ290は、エンコーダ284の信号に基づいて第1位置から第2位置までの第1部材280の移動距離を算出する。さらに、第1計測部としてのコントローラ290は、算出した第1部材280に基づいて、コンベア210上の第1フィルムロールR1aの直径を計測する。例えば、コントローラ290の記憶装置には、第1位置からコンベア210の搬送面(第1フィルムロールR1aの載置されている面)との距離が予め記憶されている。コントローラ290は、第1位置からコンベア210の搬送面までの距離から、第1位置から第2位置までの第1部材280の移動距離を差し引くことで、第1フィルムロールR1aの直径を算出する。
【0160】
次に、コントローラ290は、第1部材駆動部282により、第1部材280を第1フィルムロールR1aの外周面に接触しない第1位置まで移動させる。
【0161】
次に、コントローラ290は、第1駆動部235の動作を制御して保持部230を回転させ、保持部230の姿勢を、第2姿勢から第1姿勢に変更する。特に、本実施形態では、第1保持面232aが水平面となる状態にある保持部230を、第1姿勢の保持部230としており、コントローラ290は、左側面視において、第1駆動部235の動作を制御して保持部230を45°反時計回りに回転させ、保持部230の姿勢を、第2姿勢から第1姿勢に変更する(図12C参照)。なお、例えば、第1保持面232aが後方側から前方側に向かって低くなるように若干傾斜している保持部230を、第1姿勢の保持部230と定義する場合には、コントローラ290が保持部230を回転させる角度は、45°以外の所定の角度に適宜決定されればよい。
【0162】
また、コントローラ290は、ゲート駆動部222の動作を制御して、ゲート220を、第1フィルムロールR1aの保持部230側への移動を規制しない位置に移動させる(図12C参照)。また、コントローラ290は、コンベア210の動作を制御して、第1フィルムロールR1aを保持部230へと移動させる(図12C参照)。
【0163】
その後、コントローラ290は、第1駆動部235の動作を制御して保持部230を回転させ、保持部230の姿勢を、第1姿勢から第2姿勢に変更する。特に、本実施形態では、第1保持面232aが水平面となる状態にある保持部230を、第1姿勢の保持部230としているので、コントローラ290は、左側面視において、第1駆動部235の動作を制御して保持部230を45°時計回りに回転させ、保持部230の姿勢を、第1姿勢から第2姿勢に変更する(図12C参照)。なお、例えば、第1保持面232aが後方側から前方側に向かって低くなるように若干傾斜している保持部230を、第1姿勢の保持部230と定義する場合には、コントローラ290が保持部230を回転させる角度は、45°以外の所定の角度に適宜決定されればよい。
【0164】
また、コントローラ290は、ゲート駆動部222の動作を制御して、ゲート220を、第1フィルムロールR1aの保持部230側への移動を規制する位置に移動させる(図12D参照)。また、コントローラ290は、コンベア210の動作を停止する。
【0165】
次に、コントローラ290は、計測した第1フィルムロールR1aの直径に基づき、第2駆動部236の動作を制御して、保持部230の保持する第1フィルムロールR1aの中心の高さ位置が、フィルムロール交換位置に配置されている支持軸114の中心の高さと一致する位置に、保持部230を移動させる。
【0166】
例えば、具体的には、コントローラ290は、以下のようにして、保持部230の高さ位置を変更する。図14を参照しながら説明する。なお、図14は、フィルムロール交換装置200の保持部230の拡大図であり、第1フィルムロールR1aの中心までの高さ位置の計測方法を説明するための図である。
【0167】
前提として、コントローラ290の記憶装置には、フィルムロール交換位置に配置されている支持軸114の中心の高さ位置の情報(例えば、床面から支持軸114の中心までの高さH1)が記憶されている。また、前提として、コントローラ290は、例えば、左側面視において、第1保持面232aを延長した直線と第2保持面234aを延長した直線との交点Xが現在配置されている高さ位置(例えば、床面から交点Xまでの高さh1)を把握している。
【0168】
この条件において、コントローラ290は、以下のようにして、現時点において保持部230が保持している第1フィルムロールR1aの中心の高さ位置を算出する。現在、床面から交点Xまでの高さh1が分かっているので、図14において、h2の値が分かれば、床面から第1フィルムロールR1aの中心(ここでは、符号Cで表す)までの高さが分かる。前述のように、コントローラ290は、第1フィルムロールR1aの直径Dは算出済みである。また、左側面視において、交点Xと中心Cとを結ぶ直線と中心Cから第1保持面232aに下ろした垂線とがなす角度θは、保持部230の設計によって決まるため、既知である。したがって、三角関数を利用すれば、h2は、D/2cosθという数式により算出できる。コントローラ290は、現時点において保持部230が保持している第1フィルムロールR1aの中心の高さ位置を値h1と値h2とを足し合わせて算出する。そして、現時点において保持部230が保持している第1フィルムロールR1aの中心の高さ位置が算出されれば、Δh=H-(h1+h2)だけ保持部230が上方に移動させられれば、保持部230の保持する第1フィルムロールR1aの中心の高さ位置が、フィルムロール交換位置に配置されている支持軸114の中心の高さ位置と一致することになる。
【0169】
そこで、コントローラ290は、第2駆動部236の動作を制御して、図12Eのように、保持部230を、二点鎖線で描画された位置から、実線で描画された位置へと、Δhだけ上方に移動させる。この結果、保持部230の保持する第1フィルムロールR1aの中心の高さ位置は、フィルムロール交換位置に配置されている支持軸114の中心の高さ位置と一致する。なお、仮にΔhの値が負の値であれば、保持部230は下方に移動させられる。
【0170】
なお、保持部230の構造上、保持部230に保持される第1フィルムロールR1の中心Cは、前後方向において、前述の交点Xと同じ位置に配置される。言い換えれば、左側面視において、保持部230に保持される第1フィルムロールR1の中心Cは、交点Xを通過する鉛直方向に延びる直線上に配置される。そのため、このフィルムロール交換装置200において、交点Xの前後位置が変化しないような設計が採用されれば、前後方向において保持部230の保持する第1フィルムロールR1aの中心の位置と、フィルムロール交換位置に配置されている支持軸114の中心の位置との位置調整は不要である。
【0171】
なお、フィルムロール交換装置200は、第2駆動部236として、例えば、電動シリンダ及びエアシリンダの両方を有することが好ましい。その理由について説明する。
【0172】
フィルムロール交換装置200は、例えば、電動シリンダだけを第2駆動部236として利用しても、保持部230を、保持部230の保持する第1フィルムロールR1aの中心の高さ位置を、フィルムロール交換位置に配置されている支持軸114の中心の高さと一致する位置まで移動させることができる。ただし、第1フィルムロールR1aは重量物であるため、電動シリンダ単独で第1フィルムロールR1aの載置されている保持部230を移動させようとすると、大型の電動シリンダが必要となる。そのため、フィルムロール交換装置200は、電動シリンダに加えて、エアシリンダを併用することが好ましい。
【0173】
具体的な制御としては、例えば、コントローラ290は、保持部230を移動させる際、図示しない電空レギュレータを制御して、まず、エアシリンダの内圧を徐々に上昇させる。そして、コントローラ290は、距離センサ286等を用いて、保持部230の微小な移動(保持部230に保持されている第1フィルムロールR1aの移動)を検知すると、図示しない電空レギュレータの生じさせる圧力は一定に保ったまま、電動シリンダを制御して保持部230の保持する第1フィルムロールR1aの中心の高さ位置を、フィルムロール交換位置に配置されている支持軸114の中心の高さと一致させる。
【0174】
(B-2)第1フィルムロールの製袋包装機の支持軸への取り付け
保持部230の保持する第1フィルムロールR1aの中心の高さ位置と、フィルムロール交換位置に配置されている支持軸114の中心の高さ位置とが一致した後の、フィルムロール交換装置200による第1フィルムロールR1aの支持軸114への取り付けについて説明する。
【0175】
説明の前提として、図13Aに描画されている時点では、平面視において、保持部230はゲート220の前方に隣接する位置(初期位置)に配置され、右側押し部材240及び左側押し部材250は前述の非接触位置に配置されているものとする。
【0176】
まず、コントローラ290は、右側押し部材駆動部242の動作を制御して、右側押し部材240を、第1フィルムロールR1aの右端面に接触可能な接触位置、特には、第1フィルムロールR1aの巻き芯WCに少なくとも接触可能な接触位置に移動させる。
【0177】
次に、コントローラ290は、第3駆動部237の動作を制御して、保持部230を初期位置から、左側に、図13Bのフィルムロール交換位置に配置されている支持軸114に向かって左方に移動させ、保持部230の保持する第1フィルムロールR1aを支持部112に受け渡す。具体的に説明する。
【0178】
コントローラ290が、第3駆動部237の動作を制御して保持部230を左方に移動させると、保持部230が保持している第1フィルムロールR1aの巻き芯WCの中空部に支持軸114が挿入され、保持部230の第1フィルムロールR1aが、支持軸114に受け渡される。ただし、特に、支持軸114の外径と巻き芯WCの中空部の径との差が小さい場合、保持部230を左側に移動させても、巻き芯WCの中空部の内面と支持軸114の外面との摩擦により、第1フィルムロールR1aがある程度以上は左側に移動しなくなる場合がある。しかし、ここでは、保持部230の第1端部231a(右端部)に隣接して右側押し部材240が配置されているので、第1フィルムロールR1aが保持部230の第1端部231aより右側に配置された状態となると、第1フィルムロールR1aの右断面が、第3駆動部237により駆動される右側押し部材240により押されて、支持軸114が、第1フィルムロールR1aの巻き芯WCの中空部により深く挿入される(図13B参照)。言い換えれば、ここでは、コントローラ290は、第3駆動部237の動作を制御し、保持部230が保持する第1フィルムロールR1aの端面を右側押し部材240で押して、第1フィルムロールR1aを支持軸114に移動させる。
【0179】
保持部230の左側への可動範囲が十分広い場合には、右側押し部材240だけでも、支持軸114を第1フィルムロールR1aの巻き芯WCの中空部に十分に挿入して、第1フィルムロールR1aを支持軸114の所定位置にセットすることができる。
【0180】
ただし、このような設計では、保持部230の移動するエリアを十分に確保する必要があるため、製袋包装機3及びフィルムロール交換装置200の設置に必要な床面積が増大するおそれがある。そこで、フィルムロール交換装置200は、好ましくは、以下のように設計される。
【0181】
保持部230の第2端部231bが、支持軸114の支持端の近傍まで到達すると、コントローラ290は、第2駆動部236の動作を制御して保持部230をやや下方に移動させると共に、第3駆動部237の動作を制御して保持部230を右方に初期位置まで移動させる。
【0182】
そして、コントローラ290は、右側押し部材駆動部242の動作を制御して、右側押し部材240を非接触位置に移動させる。また、コントローラ290は、左側押し部材駆動部252の動作を制御して、左側押し部材250を、支持軸114に移動させられた第1フィルムロールR1aの右端面に接触可能な接触位置、特には、第1フィルムロールR1aの巻き芯WCの右端面に少なくとも接触可能な接触位置に移動させる。
【0183】
次に、コントローラ290は、第3駆動部237の動作を制御して、保持部230と共に左側押し部材250を、左側に、所定位置(ここでは、図13Dに描画されている位置)まで移動させる。ここでの所定位置は、使用されるフィルムロールR1の寸法等によって予め定められた位置である。このようにコントローラ290がフィルムロール交換装置200の動作を制御する結果、第1フィルムロールR1aは、左側押し部材250により位置決めされて、支持軸114の適切な位置に配置されることになる。
【0184】
なお、図13Dに描画されている状態では、左右方向において、左側押し部材250と支持軸114とは重なる位置に配置されている。しかし、左側押し部材250には前述のように切り欠き250aが形成されているため、左右方向において、左側押し部材250と支持軸114とが重なる位置に配置されていても、支持軸114と左側押し部材250とは接触しない。
【0185】
この後、コントローラ290は、包装機コントローラ4に対して、第1フィルムロールR1aの支持軸114への供給が終了した旨を通知する。また、コントローラ290は、所定のタイミングで、第3駆動部237の動作を制御して、保持部230を初期位置(図13Aに描画されている位置と同じ位置)まで移動させる(図13E参照)。また、コントローラ290は、左側押し部材駆動部252の動作を制御して、左側押し部材250を、上記の非接触位置まで移動させる(図13E参照)。さらに、コントローラ290は、所定のタイミングで、第2駆動部236の動作を制御して、保持部230を図12Aに描画された高さ位置まで移動させる。
【0186】
なお、コントローラ290が、保持部230を初期位置へと移動させ、左側押し部材250を非接触位置に移動させるタイミングを、包装機コントローラ4が、支持軸114の固定機構の動作を制御して、第1フィルムロールR1aと支持軸114とを固定するタイミングまで遅らせれば、左側押し部材250に、第1フィルムロールR1aの位置規制機能も持たせることができる。
【0187】
フィルムロール交換装置200の動作に関する内容ではないが、包装機コントローラ4は、第1フィルムロールR1aの支持軸114への供給が終了し、第1フィルムロールR1aが支持軸114に固定された時点で、支持軸駆動部116により第1フィルムロールR1aを回転させ、フィルムロール交換位置に配置された支持軸114の近傍に配置されるスキャナ190で、フィルムロールR1に付された図示しないバーコードやマトリックス型二次元コードを読み取ることが好ましい。そして、包装機コントローラ4は、スキャナ190で読み取られたバーコードやマトリックス型二次元コードにより特定されるフィルムロールR1の種類が、支持軸114に取り付けられるべきフィルムロールR1の種類と一致するか否かを確認することが好ましい。このように構成されることで、自動で製袋包装機3にフィルムロールR1が供給される場合であっても、正しいフィルムロールR1が製袋包装機3に供給されたかをチェックできる。
【0188】
(3)特徴
(3-1)
フィルムロール交換装置200は、中空の巻き芯WCにフィルムFが巻き回されているフィルムロールR1を支持するフィルムロール支持部としての支持部112を有し、フィルムFを用いて物品Pの収容されている袋Bを製造する製袋包装機3に対し、フィルムロールR1を供給する。フィルムロール交換装置200は、保持部230と、特許請求の範囲における保持部駆動部の一例としての第3駆動部237と、特許請求の範囲における制御部の一例としてのコントローラ290と、を備える。保持部230は、製袋包装機3に隣接して配置され、製袋包装機3に供給するフィルムロールR1を保持する。第3駆動部237は、保持部230を移動させる。コントローラ290は、第3駆動部237の動作を制御し、保持部230を製袋包装機3の支持部112に向かって特許請求の範囲における第1方向の一例としての左方に移動させ、保持部230の保持するフィルムロールR1を支持部112に受け渡す。
【0189】
フィルムロール交換装置200は、製袋包装機3に対して自動でフィルムロールR1を供給するので、製袋包装機3に対するフィルムロールR1の供給作業に関する作業者の作業負担を低減できる。
【0190】
(3-2)
フィルムロール交換装置200では、特許請求の範囲における第1押し部材の一例としての右側押し部材240と、右側押し部材240を移動させる特許請求の範囲における第1押し部材駆動部の一例としての第3駆動部237と、を備える。コントローラ290は、第3駆動部237の動作を制御し、保持部230が保持するフィルムロールR1の端面を右側押し部材240で押して、フィルムロールR1を支持部112に移動させる。
【0191】
フィルムロール交換装置200では、右側押し部材240がフィルムロールR1を押して移動させるので、フィルムロールR1を、支持部112の所定の位置に精度良く受け渡すことができる。
【0192】
(3-3)
フィルムロール交換装置200では、右側押し部材240は、フィルムロールR1の端面のうち、巻き芯WCの端面を少なくとも押す。
【0193】
フィルムロール交換装置200では、右側押し部材240が巻き芯WCを押すので、右側押し部材240がフィルムFの部分だけを押す場合に比べ、フィルムロールR1の変形(フィルムの一部が巻き芯WCに対し巻き芯WCの軸方向にずれる変形)が抑制されやすい。
【0194】
(3-4)
製袋包装機3の支持部212は、中空の巻き芯WCに挿入され、フィルムロールR1を支持する支持軸114を有する。右側押し部材240には、支持軸114の外形形状に沿う切り欠きが240a形成されている。
【0195】
フィルムロール交換装置200では、右側押し部材240に支持軸114の外形形状に沿う切り欠き240aが形成されているので、右側押し部材240を支持軸114には接触させずに、支持軸114の近傍で巻き芯WCの端面の比較的広い部分を押して、フィルムロールR1を支持軸114に深くまで押し込むことができる。
【0196】
(3-5)
フィルムロール交換装置200であって、第3駆動部237が、右側押し部材240を移動させる第1押し部材駆動部としても機能する。第3駆動部237は、保持部230と右側押し部材240とを一体として左方に移動させる。
【0197】
フィルムロール交換装置200では、保持部230を駆動する第3駆動部237が、右側押し部材240を駆動する第1押し部材駆動部としても機能するため、フィルムロール交換装置200を構成する機器の点数を削減できる。
【0198】
(3-6)
フィルムロール交換装置200は、特許請求の範囲における第2押し部材の一例としての左側押し部材250と、左側押し部材250を上下方向に移動させる、特許請求の範囲における第2押し部材駆動部の一例としての左側押し部材駆動部252と、を備える。保持部230は、左右方向において、支持部112の遠隔側に配置される第1端部231aと、第1端部231aとは反対側の、支持部112の近接側に配置される第2端部231bと、を有する。右側押し部材240は、第1端部231aに隣接して配置される。左側押し部材250は、第2端部231bに隣接して配置される。コントローラ290は、保持部230が保持するフィルムロールR1の端面を右側押し部材240で押して、フィルムロールR1を支持部112に移動させた後、左側押し部材駆動部252の動作を更に制御して、左側押し部材250を、支持部212に移動させられたフィルムロールR1の端面に接触する高さ位置に移動させ、第3駆動部237の動作を更に制御し、支持部212に移動させられたフィルムロールR1の端面を左側押し部材250で押して、フィルムロールR1を左方に移動させる。
【0199】
フィルムロール交換装置200では、右側押し部材240及び左側押し部材250を利用することで、左右方向に沿う方向における保持部230の可動域を抑制でき、もって左右方向におけるフィルムロール交換装置200の幅を抑制できる。
【0200】
(3-7)
フィルムロール交換装置200は、特許請求の範囲における第3押し部材の一例としての左側押し部材250と、左側押し部材250を第1方向(左方)とは反対の特許請求の範囲における第2方向の一例としての右方に移動させる特許請求の範囲における第3押し部材駆動部の一例としての第3駆動部237と、を備える。コントローラ290は、第3駆動部237の動作を更に制御し、支持部112が支持するフィルムロールR1の端面を左側押し部材250で押して、フィルムロールR1を保持部230に移動させる。
【0201】
フィルムロール交換装置200では、左側押し部材250を利用して、使用済みのフィルムロールR1(フィルムFがほぼ残っていないフィルムロールR1)や、利用を終了した使用済みではないフィルムロールR1(未だフィルムFが残っているフィルムロールR1)を自動で取り外すことができる。
【0202】
(3-8)
製袋包装機3の支持部112は、中空の巻き芯WCに挿入され、フィルムロールR1を支持する支持軸114を有する。左側押し部材250には、支持軸114の外形形状に沿う切り欠き250aが形成されている。
【0203】
フィルムロール交換装置200では、左側押し部材250に支持軸114の外形形状に沿う切り欠き250aが形成されているので、フィルムロールR1に実質的にフィルムFが残っていない場合でも、左側押し部材250を支持軸114には接触させずに、支持軸114の近傍で巻き芯WCの端面の比較的広い部分を押して、巻き芯WCを支持軸から取り外すことができる。
【0204】
(3-9)
フィルムロール交換装置200は、特許請求の範囲における上下方向駆動部の一例としての第2駆動部236と、特許請求の範囲における測定部の一例としての距離センサ286と、を備える。第2駆動部236は、保持部230を上下方向に移動させる。距離センサ286は、保持部230と、支持部112が支持するフィルムロールR1の表面との上下方向の距離を測定する。コントローラ290は、支持部112が支持するフィルムロールR1を保持部230に移動させる前に、距離センサ286の測定した距離に基づいて、第2駆動部236の動作を更に制御し、保持部230の高さ位置を調節する。
【0205】
フィルムロール交換装置200では、支持部112が支持するフィルムロールR1が保持部230に高い位置から落下し、保持部230が損傷したりする事態の発生を抑制できる。
【0206】
(3-10)
フィルムロール交換装置200では、第3駆動部237は、左側押し部材250を右方に移動させる第3押し部材駆動部としても機能する。第3駆動部237は、支持部112が支持するフィルムロールR1の端面を左側押し部材250で押して、フィルムロールR1を保持部230に移動させる際、保持部230と左側押し部材250とを一体として右方に移動させる。
【0207】
フィルムロール交換装置200では、保持部230を駆動する第3駆動部237が、左側押し部材250を駆動する駆動部としても機能するので、フィルムロール交換装置200を構成する機器の点数を削減することができる。
【0208】
(3-11)
フィルムロール交換装置200は、使用済みのフィルムロールR1の巻き芯WCを回収する、特許請求の範囲における回収部の一例としての巻き芯回収機構270を備える。保持部230には、支持部112から移動させられた使用済みのフィルムロールR1の巻き芯WCが通過して巻き芯回収機構270へと落下する隙間230aが形成されている。
【0209】
フィルムロール交換装置200では、自動で支持部112から取り外された使用済みのフィルムロールR1を保持部230から除去できる。
【0210】
(3-12)
フィルムロール交換装置200では、保持部230の隙間230aには、ストッパ260が配置される。ストッパ260は、巻き芯WCの巻き芯回収機構270への落下を防止する第1位置と、巻き芯WCの巻き芯回収機構270への落下を許容する第2位置と、の間を移動する。
【0211】
フィルムロール交換装置200では、意図しないタイミングでフィルムロールR1(巻き芯WC)が隙間230aから落下したり、巻き芯回収機構270への回収対象でないフィルムロールR1が巻き芯回収機構270へと落下したりすることを防止できる。
【0212】
(3-13)
フィルムロール供給方法は、中空の巻き芯WCにフィルムFが巻き回されているフィルムロールR1を支持する支持部112を有し、フィルムFを用いて物品Pの収容されている袋Bを製造する製袋包装機3に対し、フィルムロール交換装置200を用いてフィルムロールR1を供給する方法である。フィルムロール交換装置200は、保持部230と、特許請求の範囲における保持部駆動部の一例としての第3駆動部237と、を有する。保持部230は、製袋包装機3に隣接して配置され、製袋包装機3に供給するフィルムロールR1を保持する。第3駆動部237は、保持部230を移動させる。フィルムロール供給方法は、第3駆動部237が、保持部230を製袋包装機3の支持部112に向かって左方(第1方向)に移動し、保持部230の保持するフィルムロールR1を支持部112に受け渡すステップを備える。
【0213】
このフィルムロール供給方法では、製袋包装機3に対して自動でフィルムロールR1を供給するので、製袋包装機3に対するフィルムロールR1の供給作業に関する作業者の作業負担を低減できる。
【0214】
(3-14)
フィルムロールの取り外し方法は、中空の巻き芯WCにフィルムFが巻き回されているフィルムロールR1を支持する支持部112を有し、フィルムFを用いて物品Pの収容されている袋Bを製造する製袋包装機3から、フィルムロール交換装置200を用いてフィルムロールR1を取り外す方法である。フィルムロール交換装置200は、製袋包装機3に隣接して配置される保持部230と、保持部230を移動させる第3駆動部237と、特許請求の範囲における押し部材の一例としての左側押し部材250と、左側押し部材250を移動させる、特許請求の範囲における押し部材駆動部の一例としての第3駆動部237と、保持部230と支持部112が支持するフィルムロールR1の表面との距離を測る特許請求の範囲における測定部の一例としての距離センサ286と、を有する。フィルムロール取り外し方法は、第3駆動部237が、保持部230を支持部112の下に移動するステップを含む。また、フィルムロール取り外し方法は、距離センサ286が、保持部230と支持部112が支持するフィルムロールR1の表面との距離を測定するステップを含む。また、フィルムロール取り外し方法は、距離センサ286が測定した距離に基づき、第3駆動部237が、保持部230の高さを調整するステップを含む。また、フィルムロール取り外し方法は、第3駆動部237が、左側押し部材250を駆動して、左側押し部材250を支持部112が支持するフィルムロールR1の端面に当接させるステップを含む。また、フィルムロール取り外し方法は、第3駆動部237が、押し部材250を駆動してフィルムロールR1の端面を右方に押すとともに、第3駆動部237が、保持部230を支持部112の下から右方に移動させて、支持部112が支持しているフィルムロールR1を、保持部230に移動させるステップを含む。
【0215】
このフィルムロールの取り外し方法では、使用済みのフィルムロールR1(フィルムFがほぼ残っていないフィルムロールR1)や、利用を終了した使用済みではないフィルムロールR1(未だフィルムFが残っているフィルムロールR1)を製袋包装機3から自動で取り外すことができる。
【0216】
(4)変形例
以下に本実施形態の変形例を示す。変形例は、互いに矛盾のない範囲で適宜組み合わされてもよい。
【0217】
(4-1)変形例A
上記実施形態では、コントローラ290は、第1部材駆動部282としてのモータにとりつけられたエンコーダ284が出力する信号に基づいて第1フィルムロールR1aの直径Dを計測する。
【0218】
ただし、第1フィルムロールR1aの直径Dの計測方法は、エンコーダ284が出力する信号に基づいて計測する方法に限定されない。
【0219】
例えば、フィルムロール交換装置200は、図15に示すように、エンコーダ284に代えて、第1センサ285を有するものであってもよい。また、この場合には、第1部材駆動部282は、エアシリンダ等、モータ以外の駆動機構であってもよい。第1センサ285は、例えば、第1部材280の直下に、又は、第1部材280の直上に配置される。第1センサ285は、第1基準位置(例えば、第1センサ285の設置される位置)から第1フィルムロールR1aの外周面に接触している第1部材280までの第1距離(ここでは上下方向の距離)を非接触で測定するレーザ距離センサである。
【0220】
そして、第1計測部としてのコントローラ290は、第1センサ285が計測する第1距離に基づいて、第1フィルムロールR1aの直径Dを計測する。例えば、コントローラ290の記憶装置には、第1基準位置からコンベア210の搬送面(第1フィルムロールR1aの載置されている面)との距離が予め記憶されている。コントローラ290は、第1基準位置からコンベア210の搬送面までの距離と、第1距離とから、第1フィルムロールR1aの直径Dを算出する。
【0221】
(4-2)変形例B
上記実施形態では、第1計測部としてのコントローラ290が第1フィルムロールR1aの直径Dを計測し、さらに、コントローラ290が、第1フィルムロールR1aの直径Dに基づいて、第2駆動部236の動作を制御して、保持部230の保持する第1フィルムロールR1aの中心の高さ位置が、製袋包装機3の支持軸114の中心の高さと一致する位置に、保持部230を移動させる。
【0222】
ただし、コントローラ290は、第1フィルムロールR1aの直径Dを計測せずに、保持部230の保持する第1フィルムロールR1aの高さ位置を計測し、その計測結果に基づいて、第2駆動部236の動作を制御して、保持部230の保持する第1フィルムロールR1aの中心の高さ位置が、製袋包装機3の支持軸114の中心の高さと一致する位置に、保持部230を移動させてもよい。図16を参照しながら具体例を説明する。なお、図16は、フィルムロール交換装置200の保持部230の拡大図であり、第1フィルムロールR1aの中心までの高さ位置の計測方法を説明するための図である。
【0223】
変形例Bでは、フィルムロール交換装置200は、第1部材280、第1部材駆動部282、及びエンコーダ284を有さない。変形例Bでは、第2計測部としてのコントローラ290は、保持部230の保持する第1フィルムロールR1aの中心の高さ位置を計測する。コントローラ290は、例えば、前述の距離センサ286の測定結果を利用する。変形例Bでは、距離センサ286は、第2基準位置(距離センサ286の位置)から保持部230の保持する第1フィルムロールR1aの外周面(最下部)までの第2距離を非接触で測定するセンサとして機能する。
【0224】
コントローラ290の記憶装置には、例えば、距離センサ286と床面との高さh1’と、第1保持面232aを延長した直線と第2保持面234aを延長した直線との交点Xと距離センサ286との高さh2’とが記憶されている’(図16参照)。また、ここでは保持部230の構造から、左側面視において、第1フィルムロールR1aの中心Cと、交点Xと、第1フィルムロールR1aの中心Cから第1保持面232aに下ろした垂線と第1保持面232aとの交点Yとは、直角二等辺三角形であることが分かっている。そのため、距離センサ286により、第2基準位置としての距離センサ286の位置から第2フィルムロールR1bの外周面(最下部)までの第2距離(h2’+h3’)を測定できれば、コントローラ290は、床面から第1フィルムロールR1aの中心Cまでの距離を、h1’+h2’+√2×h3’/(√2―1)という式で算出できる。なお、h1’及びh2’は既知の値であり、h3’は、距離センサ286により測定された第2距離から既知の値h2’を減ずることで算出できる値である。
【0225】
なお、ここでは、第1保持面232aと第2保持面234aとがなす角度が90°である場合を想定しているが、第1保持面232aと第2保持面234aとがなす角度が90°ではなくてもよい。この場合には、第1フィルムロールR1aの中心Cと、交点Xと、交点Yとを結んだ図形は、直角二等辺三角形ではなくなるが、第1フィルムロールR1aの中心Cと交点Xとを結んだ線分と、交点Xと交点Yとを結んだ線分とのなす角度等が分かれば、三角関数を利用して保持部230の保持する第1フィルムロールR1aの高さ位置を計測できる。
【0226】
(4-3)変形例C
上記実施形態では、第1部材280は、上方から第1フィルムロールR1aの外周面に接触するが、これに限定されるものではない。例えば、第1部材280は、側方から(例えば後方から)第1フィルムロールR1aの外周面に接触するものであってもよい。この場合にも、上記実施形態と同様な方法を用いて、コントローラ290は、第1フィルムロールR1aの直径Dを計測できる。
【0227】
(4-4)変形例D
上記実施形態では、保持部230、右側押し部材240、及び左側押し部材250は、第3駆動部237により一体的に駆動されるが、これに限定されるものではない。例えば、保持部230、右側押し部材240、及び左側押し部材250は、それぞれ別の駆動部により駆動されてもよい。また、例えば、右側押し部材240及び左側押し部材250の一方と保持部230とは、第3駆動部237により駆動され、右側押し部材240及び左側押し部材250の他方は、第3駆動部237とは別の駆動部により駆動されてもよい。
【0228】
(4-5)変形例E
上記実施形態では、フィルムロール交換装置200は据付型の装置である。ただし、フィルムロール交換装置200は、据付型に限定されるものではなく、例えば、車輪等の移動機構を有する自走式の装置であってもよい。
【0229】
(4-6)変形例F
上記実施形態では、コントローラ290が第1フィルムロールの直径を計測する第1計測部として機能し、変形例Bでは、コントローラ290が保持部の保持する第1フィルムロールの中心の高さ位置を計測する第2計測部として機能する。ただし、これに限定されるものではなく、第1計測部又は第2計測部は、コントローラ290とは独立した構成であってもよい。
【0230】
(4-7)変形例G
上記実施形態では、コントローラ290は、第1フィルムロールR1aの直径を計測し、計測結果に基づいて、第1フィルムロールR1aの中心の高さ位置調整を行う。ただし、これに限定されるものではなく、コントローラ290は、例えば、図示しない入力装置から入力される第1フィルムロールR1aの直径の値に基づいて、第1フィルムロールR1aの中心の高さ位置調整を行ってもよい。
【0231】
(4-8)変形例H
フィルムロール交換装置200には、巻き芯回収機構270は設けられなくてもよい。ただし、自動で、支持軸114から第2フィルムロールR1bを取り外し、支持軸114に第1フィルムロールR1aを取り付ける場合には、第2フィルムロールR1b(使用済みのフィルムロールR1の巻き芯WC)を取り去る作業者の負担を減らすため、フィルムロール交換装置200に巻き芯回収機構270が設けられることが好ましい。
【0232】
(4-9)変形例I
巻き芯回収機構270が設けられず、保持部230の隙間230aから下方に使用済みのフィルムロールR1の巻き芯WCを落下させる必要が無い場合には、保持部230は、上記実施形態の第1保持部材232と第2保持部材234とが一体化されたV字形状の部材であってもよい。
【0233】
(4-10)変形例J
上記実施形態では、保持部230はV字形状の部材であるが、保持部230の形状はV字形状に限定されるものではない。例えば、保持部230は、前後方向における中央部に左右方向に延びる溝(フィルムロールR1が嵌まり込む溝)が形成されている平板状の部材であってもよい。
【0234】
(4-11)変形例K
上記実施形態では、交換用のフィルムロールR1(第1フィルムロールR1a)の直径が一様ではない状況を想定しているが、フィルムロールR1の直径は全て同一であってもよい。この場合には、第2駆動部236による、保持部230の保持する第1フィルムロールR1aの中心の高さ位置と、製袋包装機3の支持軸114の中心の高さ位置との位置合わせは行われなくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0235】
本発明は、製袋包装機にフィルムロールを供給するフィルムロール交換装置、製袋包装機にフィルムロールを供給するフィルムロール供給方法、及び、製袋包装機からのフィルムロールの取り外し方法として有用である。
【符号の説明】
【0236】
3 製袋包装機
112 フィルムロール支持部(支持部)
114 支持軸
200 フィルムロール交換装置
230 保持部
230a 隙間
231a 第1端部
231b 第2端部
236 第2駆動部(上下方向駆動部)
237 第3駆動部(保持部駆動部,第1押し部材駆動部,第3押し部材駆動部,押し部材駆動部)
240 右側押し部材(第1押し部材)
240a 切り欠き
250 左側押し部材(第2押し部材,第3押し部材,押し部材)
250a 切り欠き
252 左側押し部材駆動部(第2押し部材駆動部)
260 ストッパ
270 巻き芯回収機構(回収部)
286 距離センサ(測定部)
290 コントローラ(制御部)
B 袋
F フィルム
R1 フィルムロール
WC 巻き芯
【先行技術文献】
【特許文献】
【0237】
【特許文献1】特開2002-337817号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10A
図10B
図10C
図10D
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図12C
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図15
図16