(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116088
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】マルチアンテナの無線ユニット、基地局および衛星通信用の回路アーキテクチャ
(51)【国際特許分類】
H04B 1/38 20150101AFI20240820BHJP
H04L 27/26 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
H04B1/38
H04L27/26 310
H04L27/26 410
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024017215
(22)【出願日】2024-02-07
(31)【優先権主張番号】112105400
(32)【優先日】2023-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】523471851
【氏名又は名称】繁晶科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100159499
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 義典
(72)【発明者】
【氏名】王 易凡
【テーマコード(参考)】
5K011
【Fターム(参考)】
5K011AA04
5K011JA01
5K011KA03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】特に大型多入力多出力アンテナの基地局に適しており、送信電力を低減でき、省エネ・炭素削減のグリーン技術効果を備える無線通信システムにおける無線ユニット、基地局および衛星通信に関する回路アーキテクチャを提供する。
【解決手段】無線ユニットの回路アーキテクチャ400は、複数枚のプリント基板410~430から構成され、アンテナモジュールとRFフロントエンドモジュールなどの無線ユニット、基地局および衛星通信システムに必要なアクティブアンテナと、フロントホールインタフェースモジュール、通信デジタル信号処理モジュール、ビームフォーミングモジュール、ベースバンドデジタル回路モジュールなどのデジタル回路と、電源モジュールとを、複数枚のプリント基板に割り当てる。各モジュールを複数枚のプリント基板に適宜配置することで、協働で必要な機能を達成し、全体的な性能を最適化することができる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれの間には任意の形式及び任意の数量の単方向又は双方向デジタルインタフェース及び/またはアナログインタフェースを介してデータおよび/または信号を伝送することができる複数枚のプリント基板を備え、少なくとも1枚のプリント基板にアンテナモジュールが含まれ、少なくとももう1枚のプリント基板には、フロントホールインタフェースモジュールが含まれていることを特徴とする無線ユニット用の回路アーキテクチャ。
【請求項2】
アンテナモジュールを含むプリント基板には、アンテナモジュールの他に、FRフロントエンドモジュールが含まれ、フロントホールインタフェースモジュールを含むプリント基板には、フロントホールインタフェースモジュールの他に、FRモジュール、通信デジタル信号処理モジュール、及びビームフォーミングモジュールが含まれ、FRフロントエンドモジュールは、1つまたは複数の送受信スイッチ、パワーアンプ、および低ノイズアンプを含み、FRモジュールは、1つまたは複数のアップコンバータ及びダウンコンバータ、フィルタ、アンプおよび/または減衰器などを含み、通信デジタル信号処理モジュールは、高速逆フーリエ変換(IFFT)と、サイクリックプレフィックスの付加、ピーク抑圧、デジタルプレディストーション、デジタルアップコンバータ、D/Aコンバータ、A/Dコンバータ、デジタルダウンコンバータ、サイクリックプレフィックスの除去、高速フーリエ変換、物理ランダムアクセスチャネルの処理、自動利得制御、直交周波数分割多重の位相補償、アンテナ補正、及び同相と直交信号の圧縮及び解凍のうちの少なくとも1つ又は複数の組合を含むことを特徴とする請求項1に記載の無線ユニット用の回路アーキテクチャ。
【請求項3】
アンテナモジュールを含むプリント基板には、アンテナモジュールの他に、FRフロントエンドモジュールとFRモジュールが含まれ、フロントホールインタフェースモジュールを含むプリント基板には、フロントホールインタフェースモジュールの他に、通信デジタル信号処理モジュール、及びビームフォーミングモジュールが含まれ、FRフロントエンドモジュールは、1つまたは複数の送受信スイッチ、パワーアンプ、および低ノイズアンプを含み、FRモジュールは、1つまたは複数のアップコンバータ及びダウンコンバータ、フィルタ、アンプおよび/または減衰器などを含み、通信デジタル信号処理モジュールは、高速逆フーリエ変換(IFFT)と、サイクリックプレフィックスの付加、ピーク抑圧、デジタルプレディストーション、デジタルアップコンバータ、D/Aコンバータ、A/Dコンバータ、デジタルダウンコンバータ、サイクリックプレフィックスの除去、高速フーリエ変換、物理ランダムアクセスチャネルの処理、自動利得制御、直交周波数分割多重の位相補償、アンテナ補正、及び同相と直交信号の圧縮及び解凍のうちの少なくとも1つ又は複数の組合を含むことを特徴とする請求項1に記載の無線ユニット用の回路アーキテクチャ。
【請求項4】
アンテナモジュールを含む少なくとも1枚のプリント基板と、フロントホールインタフェースモジュールを含むもう1枚のプリント基板との他に、電源モジュールを含む少なくとももう1枚のプリント基板を備えることを特徴とする請求項1に記載の無線ユニット用の回路アーキテクチャ。
【請求項5】
それぞれの間には任意の形式及び任意の数量の単方向又は双方向デジタルインタフェース及び/またはアナログインタフェースを介してデータおよび/または信号を伝送することができる複数枚のプリント基板を備え、少なくとも1枚のプリント基板にアンテナモジュールが含まれ、少なくとももう1枚のプリント基板には、電源モジュールが含まれていることを特徴とする無線ユニット用の回路アーキテクチャ。
【請求項6】
アンテナモジュールを含むプリント基板には、アンテナモジュールの他に、FRフロントエンドモジュール、FRモジュール、通信デジタル信号処理モジュール、及びビームフォーミングモジュールが含まれ、FRフロントエンドモジュールは、1つまたは複数の送受信スイッチ、パワーアンプ、および低ノイズアンプを含み、FRモジュールは、1つまたは複数のアップコンバータ及びダウンコンバータ、フィルタ、アンプおよび/または減衰器などを含み、通信デジタル信号処理モジュールは、高速逆フーリエ変換(IFFT)と、サイクリックプレフィックスの付加、ピーク抑圧、デジタルプレディストーション、デジタルアップコンバータ、D/Aコンバータ、A/Dコンバータ、デジタルダウンコンバータ、サイクリックプレフィックスの除去、高速フーリエ変換、物理ランダムアクセスチャネルの処理、自動利得制御、直交周波数分割多重の位相補償、アンテナ補正、及び同相と直交信号の圧縮及び解凍のうちの少なくとも1つ又は複数の組合を含むことを特徴とする請求項5に記載の無線ユニット用の回路アーキテクチャ。
【請求項7】
それぞれの間には任意の形式及び任意の数量の単方向又は双方向デジタルインタフェース及び/またはアナログインタフェースを介してデータおよび/または信号を伝送することができる複数枚のプリント基板を備え、少なくとも1枚のプリント基板にアンテナモジュールが含まれ、少なくとももう1枚のプリント基板には、ベースバンドデジタル回路モジュールが含まれていることを特徴とする基地局及び衛星通信用の回路アーキテクチャ。
【請求項8】
アンテナモジュールを含むプリント基板には、アンテナモジュールのほか、FRフロントエンドモジュールが含まれ、ベースバンドデジタル回路モジュールを含むプリント基板には、ベースバンドデジタル回路モジュールの他に、FRモジュールおよびビームフォーミングモジュールが含まれ、FRフロントエンドモジュールは1つまたは複数の送受信スイッチ、パワーアンプ、および低ノイズアンプを含み、FRモジュールは、1つまたは複数のアップコンバータ、ダウンコンバータ、フィルタ、並びにアンプおよび/または減衰器を含むことを特徴とする請求項7に記載の基地局及び衛星通信用の回路アーキテクチャ。
【請求項9】
アンテナモジュールを含むプリント基板には、アンテナモジュールの他に、FRフロントエンドモジュール及びFRモジュールが含まれ、ベースバンドデジタル回路モジュールを含むプリント基板には、ベースバンドデジタル回路モジュールの他に、ビームフォーミングモジュールが含まれ、FRフロントエンドモジュールは1つまたは複数の送受信スイッチ、パワーアンプ、および低ノイズアンプを含み、FRモジュールは、1つまたは複数のアップコンバータ、ダウンコンバータ、フィルタ、並びにアンプおよび/または減衰器を含むことを特徴とする請求項7に記載の基地局及び衛星通信用の回路アーキテクチャ。
【請求項10】
アンテナモジュールを含む少なくとも1枚のプリント基板と、ベースバンドデジタル回路モジュールを含むもう1枚のプリント基板の他に、電源モジュールを含む少なくとももう1枚のプリント基板を備えることを特徴とする請求項7に記載の基地局及び衛星通信用の回路アーキテクチャ。
【請求項11】
それぞれの間には任意の形式及び任意の数量の単方向又は双方向デジタルインタフェース及び/またはアナログインタフェースを介してデータおよび/または信号を伝送することができる複数枚のプリント基板を備え、少なくとも1枚のプリント基板にアンテナモジュールが含まれ、少なくとももう1枚のプリント基板には、電源モジュールが含まれていることを特徴とする基地局及び衛星通信用の回路アーキテクチャ。
【請求項12】
アンテナモジュールを含むプリント基板には、アンテナモジュールのほか、FRフロントエンドモジュール、FRモジュール、ビームフォーミングモジュールおよびベースバンドデジタル回路モジュールが含まれ、FRフロントエンドモジュールは1つまたは複数の送受信スイッチ、パワーアンプ、および低ノイズアンプを含み、FRモジュールは、1つまたは複数のアップコンバータ、ダウンコンバータ、フィルタ、並びにアンプおよび/または減衰器を含むことを特徴とする請求項11に記載の基地局及び衛星通信用の回路アーキテクチャ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線通信システムにおける無線ユニット、基地局および衛星通信に関する回路アーキテクチャに関する。
【背景技術】
【0002】
マルチアンテナ(Multiple Antenna)を有する無線通信システムでは、そのアンテナアーキテクチャに応じてアクティブアンテナ(Active Antenna)とパッシブアンテナ(Passive Antenna)の2種類に分けることができる。従来の第4世代(4th Generation、4G)移動通信基地局(Base Station、BS)は主にパッシブアンテナを採用し、高周波(Radio Frequency、RF)コンポーネントをアンテナから分離することを特徴とし、その中の高周波コンポーネントがリモート無線ヘッド(Remote Radio Head、RRH)内に配置され、アンテナがリモート無線ヘッドの外に配置され、ケーブル(Cable)を介してリモート無線ヘッドに接続されている。アクティブアンテナは、パッシブアンテナアーキテクチャとは異なり、高周波コンポーネントとアンテナを統合することで、ケーブル損失(Cable Loss)を回避または低減でき、アンテナ数の多い無線通信システムにより適している。アクティブアンテナの利点とアンテナ数の増加により、第5世代(5th Generation、5G)移動通信基地局は、例えば基地局の無線ユニット(Radio Unit、RU)に高周波コンポーネントとアンテナを統合するなど、アクティブアンテナを使用することが多い。
【0003】
アクティブアンテナシステムにおいて、従来技術は、単一のプリント基板(Printed Circuit Board,PCB)を主流のアーキテクチャとして用い、単一の多層(Multilayer)プリント基板アーキテクチャによりアンテナ、高周波コンポーネント、およびベースバンド(Baseband)デジタル回路をプリント基板に統合している。例えば、米国特許公報第US9391370B2号、第US10201073B2号、および第US10290920B2号は、いずれも類似する多層プリント基板アーキテクチャを使用し、アンテナ、高周波コンポーネント、およびベースバンドデジタル回路を単一のプリント基板に統合している。しかし、無線ユニット、基地局、および衛星通信などのアンテナ数が多いアクティブアンテナシステムの応用において、単一の多層プリント基板を使用することは従来技術の主流であるが、以下のような欠点がある。まず、アンテナ、高周波コンポーネント、およびデジタル回路は何れも単一のプリント基板に統合され、その放熱面積が単一のプリント基板の面積に限られているので、放熱効率が低く、放熱しやすくない。次に、アンテナ、高周波コンポーネント、およびデジタル回路が単一のプリント基板に統合されているため、各コンポーネントの間隔が近く、電磁干渉(Electromagnetic Interference、EMI)/電磁両立性(Electromagnetic Compatibility、EMC)などのノイズや干渉の問題が発生しやすい。また、単一のプリント基板を採用しているため、そのプリント基板や内部コンポーネントが老化したり破損したりすると、システム全体が動作しなくなりやすく、使用寿命が短く且つ安定性が低く、また、その高度な統合性により、破損したコンポーネントの保守、交換、更新は困難になっている。そして、多層のプリント基板は立体構造を用いてコンポーネントを配置するため、その制作が複雑であり、その製作コストがかなり高くなり、また、その制作が複雑であるため、量産の良品率も低くなっている。
【0004】
上記に基づき、従来技術には、依然として放熱が悪く、騒音や干渉が高く、寿命が短く、安定性が低く、保守しやすくなく、コストが高く、量産の良品率が低いなどの欠点があり、なお改善の余地がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の従来技術の欠点を解決するために、本開示は、単一のプリント基板とは異なり、複数枚のプリント基板アーキテクチャを用い、例えばアンテナや高周波コンポーネントなどの無線ユニット、基地局、及び衛星通信システムに必要なアクティブアンテナと、フロントホールインタフェース(Fronthaul Interface)モジュールや通信デジタル信号処理モジュールやビームフォーミング(Beamforming)モジュールやベースバンド(Baseband)デジタル回路モジュールなどのデジタル回路と、電源(Power)モジュールとを複数枚のプリント基板に割り当て、各モジュールを複数枚のプリント基板に適宜配置することにより、協働で必要な機能を達成し、その全体的な性能を最適化することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様はそれぞれの間には任意のデジタルインタフェースおよび/またはアナログインタフェースを介してデータおよび/または信号を伝送することができる複数枚のプリント基板を備え、少なくとも1枚のプリント基板にアンテナモジュールが含まれ、少なくとももう1枚のプリント基板には、フロントホールインタフェースモジュールが含まれている無線ユニット用の回路アーキテクチャを提供する。アンテナモジュールを含むプリント基板には、アンテナモジュールの他に、FRフロントエンドモジュール(Front-End Module、FEM)が含まれてもよい。フロントホールインタフェースモジュールを含むプリント基板には、フロントホールインタフェースモジュールの他に、FRモジュール、通信デジタル信号処理モジュール、ビームフォーミングモジュールが含まれてもよい。アンテナモジュールを含むプリント基板と、フロントホールインタフェースモジュールを含むプリント基板の他に、電源モジュールを含むもう1枚のプリント基板が含まれてもよい。
【0007】
本開示のさらなる態様は、それぞれの間には任意のデジタルインタフェースおよび/またはアナログインタフェースを介してデータおよび/または信号を伝送することができる複数枚のプリント基板を備え、少なくとも1枚のプリント基板にアンテナモジュールが含まれ、少なくとももう1枚のプリント基板には、フロントホールインタフェースモジュールが含まれている無線ユニット用の回路アーキテクチャを提供する。アンテナモジュールを含むプリント基板には、アンテナモジュールの他に、FRフロントエンドモジュールおよびFRモジュールが含まれてもよい。フロントホールインタフェースモジュールを含むプリント基板には、フロントホールインタフェースモジュールの他に、通信デジタル信号処理モジュール及びビームフォーミングモジュールが含まれてもよい。アンテナモジュールを含むプリント基板と、フロントホールインタフェースモジュールを含むプリント基板の他に、電源モジュールを含むもう1枚のプリント基板が含まれてもよい。
【0008】
本開示のさらなる態様は、それぞれの間には任意のデジタルインタフェースおよび/またはアナログインタフェースを介してデータおよび/または信号を伝送することができる複数枚のプリント基板を備え、少なくとも1枚のプリント基板にアンテナモジュールが含まれ、少なくとももう1枚のプリント基板には電源モジュールが含まれている無線ユニット用の回路アーキテクチャを提供する。アンテナモジュールを含むプリント基板には、アンテナモジュールの他に、FRフロントエンドモジュール、FRモジュール、通信デジタル信号処理モジュール、及びビームフォーミングモジュールが含まれてもよい。
【0009】
本開示のさらなる態様は、それぞれの間には任意のデジタルインタフェース及び/又はアナログインタフェースを介してデータ及び/又は信号を伝送することができる複数枚のプリント基板を備え、少なくとも1枚のプリント基板にアンテナモジュールが含まれ、少なくとももう1枚のプリント基板には、ベースバンドデジタル回路モジュールが含まれている基地局及び衛星通信用の回路アーキテクチャを提供する。アンテナモジュールを含むプリント基板には、アンテナモジュールの他に、FRフロントエンドモジュールが含まれてもよい。ベースバンドデジタル回路モジュールを含むプリント基板には、ベースバンドデジタル回路モジュールの他に、FRモジュール及びビームフォーミングモジュールが含まれてもよい。アンテナモジュールを含むプリント基板と、ベースバンドデジタル回路モジュールを含むプリント基板の他に、電源モジュールを含むもう1枚のプリント基板が含まれてもよい。
【0010】
本開示のさらなる態様は、それぞれの間には任意のデジタルインタフェース及び/又はアナログインタフェースを介してデータ及び/又は信号を伝送することができる複数枚のプリント基板を備え、少なくとも1枚のプリント基板にアンテナモジュールが含まれ、少なくとももう1枚のプリント基板には、ベースバンドデジタル回路モジュールが含まれている基地局及び衛星通信用の回路アーキテクチャを提供する。アンテナモジュールを含むプリント基板には、アンテナモジュールの他に、FRフロントエンドモジュールおよびFRモジュールが含まれてもよい。ベースバンドデジタル回路モジュールを含むプリント基板には、ベースバンドデジタル回路モジュールの他に、ビームフォーミングモジュールが含まれてもよい。アンテナモジュールを含むプリント基板と、ベースバンドデジタル回路モジュールを含むプリント基板の他に、電源モジュールを含むもう1枚のプリント基板が含まれてもよい。
【0011】
本開示のさらなる態様は、それぞれの間には任意のデジタルインタフェース及び/又はアナログインタフェースを介してデータ及び/又は信号を伝送することができる複数枚のプリント基板を備え、少なくとも1枚のプリント基板にアンテナモジュールが含まれ、少なくとももう1枚のプリント基板には電源モジュールが含まれている基地局と衛星通信用の回路アーキテクチャを提供する。アンテナモジュールを含むプリント基板には、アンテナモジュールの他に、FRフロントエンドモジュール、FRモジュール、ビームフォーミングモジュール、およびベースバンドデジタル回路モジュールが含まれてもよい。
【発明の効果】
【0012】
上記に基づき、本開示に係る無線ユニット、基地局、および衛星通信の回路アーキテクチャは、複数枚のプリント基板を採用し、各モジュールを複数枚のプリント基板に配置することにより、既存のシステムが備えるべき機能を達成することができるほか、システム全体の性能を最適化するとともに、以下のように新しい効果を提供することができる。まず、複数枚のプリント基板を使用するため、単一のプリント基板に比べると、放熱面積が大きいため、放熱効果がより良い。次に、回路コンポーネントは複数枚のプリント基板に配置することができるため、電磁干渉と電磁両立性の問題を引き起こしやすいコンポーネントを、異なるプリント基板に配置し、その間隔を遠くし、ノイズや干渉を低減することができる。また、複数枚のプリント基板アーキテクチャを採用しているため、その安定性と寿命は単一のプリント基板アーキテクチャより優れている。例えば、マルチアンテナを有する無線ユニットの応用において、特にアンテナ数が多い場合、一部のアンテナの枝路のプリント基板又はその内部コンポーネントに損害が発生した場合でも、性能に欠陥が生じる可能性があるが、システム全体は正常に動作する可能性があり、寿命の延長が図れる。また、一部のプリント基板の内部コンポーネントに損害が発生した場合も、システム全体を取り替えることなく、損害したプリント基板とそのコンポーネントを取り替えるだけでよいので、保守しやすくなる。また、複数枚のプリント基板アーキテクチャの製作複雑度は比較的に低いため、回路全体のコストを低減させ、量産の良品率を向上させることができる。また、本開示に係る回路アーキテクチャは、例えば大型多入力多出力アンテナ(Massive Multiple-Input Multiple-Output、Massive MIMO)基地局などのアンテナ数が多い無線通信システムに特に適している。大型多入力多出力アンテナ基地局は同じデータ伝送速度の条件下で、アンテナ数の増加に伴い、例えば携帯電話(Cell Phone)などのユーザ機器(User Equipment、UE)や基地局の送信電力(Transmit Power)を効果的に低減することができ、低減された送信電力はアンテナ数に比例し、つまりアンテナ数が多いほど送信電力が多く低減されるため、携帯電話や基地局の電力消費(Power Consumption)を削減し、省エネ・炭素削減のグリーン技術効果を達成することができる。
【0013】
上記により、本開示に係る回路アーキテクチャはあるべき機能を達成することができるほか、全体の性能を最適化するとともに、放熱効率がより良く、ノイズや干渉を低減し、使用寿命が長く、保守や更新がしやすく、量産に適し、回路コストが低く、省エネ・炭素削減の効果を備えるような追加の効果を提供することができる。その中で、放熱効果が良いことにより、放熱に対する要求が高い基地局と衛星通信システムにより適し、騒音や干渉の低減により、基地局と衛星通信システムの安定性と性能を高めることができ、使用寿命が長く、保守と更新がしやすいことにより、基地局と衛星通信システムの応用により適している。特に基地局の応用のように、通信事業者は通常、基地局に10年以上の寿命などの長寿命を求めるため、国際通信規格の更新に伴い、その内部回路に修正や更新を必要とする可能性があり、また、量産に適し、回路コストが低く、省エネ・炭素削減の効果を備えることにより、第5世代(5G)ひいては将来の第6世代(6G)移動通信基地局の大量建設とレイアウトに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は無線ユニットを有する無線通信基地局の概略図を図示する。
【
図4】
図4は本開示の一実施例に係る無線ユニットの回路アーキテクチャを図示する概略図である。
【
図5】
図5は本開示の他の実施例に係る無線ユニットの回路アーキテクチャの概略図である。
【
図6】
図6は本開示の他の実施例に係る無線ユニットの回路アーキテクチャの概略図である。
【
図7】
図7は本開示の他の実施例に係る無線ユニットの回路アーキテクチャの概略図である。
【
図8】
図8は本開示の他の実施例による基地局及び衛星通信の回路アーキテクチャの概略図である。
【
図9】
図9は本開示の他の実施例による基地局及び衛星通信の回路アーキテクチャの概略図である。
【
図10】
図10は本開示の一実施例に係る基地局及び衛星通信の回路アーキテクチャの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら実施例を詳述するが、記載される実施例は、本明細書の範囲を制限するために使用されるものではない。コンポーネントを新たに組み合わせた構造、それによる同等な効果を有する装置は、本明細書の範囲に属する。なお、図面は説明のみを目的とし、原寸法に従って作図されていない。
【0016】
本明細書で使用される「第1」、「第2」、・・・などについては、特に順序や順位を指す意味ではなく、説明される異なる対象を区別するためにすぎず、本発明を限定するものでもない。
【0017】
本明細書で使用される「複数枚のプリント基板」は1枚以上のプリント基板であり、少なくとも2枚または2枚以上のプリント基板を指し、各プリント基板が単層(Single Layer)とも言われる片面(Single-Sided)、二層(Double Layer)とも言われる両面(Double-Sided)、または多層(Multilayer)プリント基板であってもよく、これらの3種類の任意の組合であってもよい。
【0018】
本明細書で使用される「双方向に伝送する」ことについては、AがBに信号またはデータを双方向に伝送する場合、AがBに信号やデータを伝送することができることおよび/またはBがAに信号やデータを伝送することができることを意味する。
【0019】
本明細書で使用される「無線ユニット(Radio Unit,RU)」については、アンテナ、FRアナログ回路、およびデジタル回路を有するシステムを指し、本明細書で使用される無線ユニットは、マルチアンテナ無線ユニットであってもよい。例えば、オープン無線アクセスネットワーク(Open Radio Access Network,O-RAN)により組成されたオープン無線ユニット(Open Radio Unit、O-RU)は、本明細書で定義される無線ユニットに属している。その他の組合せについて、例えばオープン無線ユニット(O-RU)+オープン分散ユニット(Open Distributed Unit、O-DU)などの組合せシステムも、本明細書で定義される無線ユニットに属している。
【0020】
本明細書で使用される「分散ユニット(Distributed Unit,DU)」については、1つまたは複数のインタフェースを介して無線ユニットに接続され、物理層(Physical Layer,PHY)の関連演算に関するデジタル回路を含むシステムを指す。例えば、オープン無線アクセスネットワーク(O-RAN)により組成されたオープン分散ユニット(Open Distributed Unit,O-DU)は、本明細書で定義される分散ユニットに属している。その他の組み合わせについて、オープン分散ユニット+オープンセントラルユニット(Open Central Unit、O-CU)などの組合せシステムも、本文で定義される分散ユニットに属している。
【0021】
本明細書で使用される「フロントホールインタフェース」については、無線ユニットと分散ユニットとを接続するインタフェースを指す。例えば、オープン無線アクセスネットワークにより組成されたフロントホールインタフェース(Fronthaul Interface)は、拡張共通公衆無線インターフェース(evolved Common Public Radio Interface,eCPRI)プロトコル(Protocol)を採用し、制御プレーン(Control Plane,C-Plane)、ユーザプレーン(User Plane,U-Plane)、同期プレーン(Synchronization Plane,S-Plane)、および管理プレーン(Management Plane,M-Plane)を含み、本明細書で定義されるフロントホールインタフェースに属している。
【0022】
図1を参照すると、
図1は無線ユニットを有する無線通信基地局10の概略図を図示する。無線ユニット(RU)100a~100cは、アンテナ、FRアナログ回路、およびデジタル回路を統合したものであり、リモート無線ヘッド(RRH)のケーブル損失を低減または回避することができる。また、無線ユニット100a~100cはアンテナと統合されているため、例えば大型多入力多出力アンテナ(Massive MIMO)基地局などのアンテナ数が多いアクティブアンテナアーキテクチャへの適用により適しているため、第5世代(5G)移動通信基地局は無線ユニットを有する無線通信基地局10を使用することもできる。
図1に示すように、無線ユニットを有する無線通信基地局10は、無線ユニット100a~100cと、支持フレーム120と、分散ユニット(DU)130と、フロントホールインタフェース11a~11cとを含む。
【0023】
支持フレーム120は、主に支持の役割を果たし、その上にアンテナ、FRアナログ回路、およびデジタル回路を含む無線ユニット100a~100cが取り付けられている。アンテナは電波信号を送受し、FRアナログ回路はFRフロントエンドモジュール(FEM)とFRモジュールとを含み、主にFRアナログ信号処理を実行し、デジタル回路の部分は主に低物理層(Low Physical Layer、Low-PHY)に関するデジタル信号処理演算を行い、ビームフォーミングモジュール、通信デジタル信号処理モジュール、およびフロントホールインタフェースモジュールを含む。無線ユニットの回路アーキテクチャは本開示の核心であり、詳細は
図4~
図7による実施例の説明を参照することができる。無線ユニット100a~100cは、無線ユニットの無線通信基地局10のために必要な、高物理層(High Physical Layer、High-PHY)、メディアアクセス制御(Media Access Control、MAC)、及び無線リンク制御(Radio Link Control、RLC)などを含む機能を実行する分散ユニット130に対して、フロントホールインタフェース11a~11cを介して、デジタルデータを双方向に伝送する。
【0024】
図2を参照すると、
図2は、無線通信基地局20の概略図を図示する。
図1の図示とは異なり、無線ユニットを有する無線通信基地局10は、無線ユニット100a~100cが分散ユニット130と分離可能であり、無線通信基地局20の基地局(BS)回路200a~200cは、無線ユニット(RU)100a~100cの内部モジュールを有するほか、分散ユニット(DU)130及びセントラルユニット(Central Unit、CU)の内部モジュールを統合して一体型の基地局とすることもできる。分散ユニット(DU)130は、高物理層(High-PHY)、メディアアクセス制御(MAC)、および無線リンク制御(RLC)などの機能を有するベースバンドデジタル回路を含むことができ、一方、セントラルユニット(CU)は、本明細書では、パケットデータ統合プロトコル(Packet Data Convergence Protocol、PDCP)および無線リソース制御(Radio Resource Control、RRC)などの機能を含むベースバンドデジタル回路のシステムを指す。例えば、オープン無線アクセスネットワーク(O-RAN)により組成されたオープンセントラルユニット(Open Central Unit,O-CU)は、本明細書で定義されるセントラルユニットに属している。
【0025】
図2に示すように、無線通信基地局20は基地局(BS)回路200a~200cと支持フレーム220とを含む。支持フレーム220は、主に支持の役割を果たし、その上に、アンテナ、FRアナログ回路、およびデジタル回路を含む基地局回路200a~200cが取り付けられている。基地局の回路アーキテクチャは本開示の核心であり、詳細は
図8~
図10の実施例の説明を参照することができる。
【0026】
図3を参照すると、
図3は衛星通信地上局30の概略図を図示する。
図3に示すように、衛星通信地上局30は、地上局(Ground Station、GS)回路300と支持フレーム320とを含む。支持フレーム320は、主に支持の役割を果たし、その上に、アンテナ、FRアナログ回路、およびデジタル回路を含む地上局回路300が取り付けられている。衛星通信地上局の回路アーキテクチャは本開示の核心であり、詳細は
図8~
図10の実施例の説明を参照することができる。
【0027】
図4を参照すると、
図4は、本開示の一実施例に係る無線ユニットの回路アーキテクチャ400の概略図である。
図4に示すように、無線ユニットの回路アーキテクチャ400は、第1のプリント基板410、第2のプリント基板420、第3のプリント基板430、単方向アナログインタフェース41、双方向アナログインタフェース42、双方向アナログインタフェース43、およびフロントホールインタフェース44を含む。
【0028】
第1のプリント基板410は、アンテナモジュール411とFRフロントエンドモジュール(FEM)412とを含む。アンテナモジュール411は、電波信号を送受するための送受信アンテナを含む。そのアンテナ数は、単一のアンテナまたは複数のアンテナであってもよく、例えば32本のアンテナ、64本のアンテナ、128本のアンテナ、またはそれ以上の大型多入力多出力アンテナ(Massive MIMO)を有するように、特にアンテナ数が多いアンテナ配列に適している。FRフロントエンドモジュール(FEM)412は、1つまたは複数の送受信(Transmit/Receive、T/R)スイッチ(Switch)、パワーアンプ(Power Amplifier、PA)、および低ノイズアンプ(Low Noise Amplifier、LNA)を含み、送受信スイッチは、送信回路と受信回路との切り替えに用いられ、送信回路におけるパワーアンプは、主に単方向アナログインタフェース41を介して第2のプリント基板420におけるFRモジュール421により生成されたFR信号が入力され、増幅処理を行ってから、アンテナモジュール411に出力し、受信回路における低ノイズアンプは、アンテナモジュール411により受信された信号を増幅処理した後、単方向アナログインタフェース41を介して第2のプリント基板420におけるFRモジュール421に出力する。
【0029】
第2のプリント基板420は、FRモジュール421、通信デジタル信号処理モジュール422、ビームフォーミングモジュール423、およびフロントホールインタフェースモジュール424を含む。
【0030】
FRモジュール421は、1つまたは複数のアップ/ダウンコンバータ(Up/Down Converter)、フィルタ(Filter)、アンプ(Amplifier)、および/または減衰器(Attenuator)を含む。その主な機能はFRアナログ信号の周波数のアップ/ダウン、フィルタリング(Filtering)、及び信号の増幅と減衰である。送信回路の部分では、まず、通信デジタル信号処理モジュール422におけるD/Aコンバータ(Digital to Analog Converter,DAC)により生成されたアナログ信号は、フィルタによりフィルタリング処理され、アンプまたは減衰器により利得(Gain)が調整され、さらにアップコンバータ(Up Converter)を介して信号の周波数が伝送信号のキャリヤ周波数(Carrier Frequency)に引き上げられ、そして、単方向アナログインタフェース41を介して第1のプリント基板410のFRフロントエンドモジュール412に出力される。受信回路の部分では、まず、第1のプリント基板410におけるFRフロントエンドモジュール412から供給される受信信号は、単方向アナログインタフェース41を介してダウンコンバータ(Down Converter)とフィルタに入力され、周波数のダウンとフィルタリング処理が行われ、アンプまたは減衰器により利得が調整され、通信デジタル信号処理モジュール422におけるA/Dコンバータ(Analog to Digital Converter、ADC)に出力される。
【0031】
通信デジタル信号処理モジュール422は、送信回路と受信回路の2つの部分を含み、その送信部分が高速逆フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform、IFFT)、サイクリックプレフィックスの付加(Cyclic Prefix Addition、CP Addition)、ピーク抑圧(Crest Factor Reduction、CFR)、デジタルプレディストーション(Digital Pre-distortion,DPD)、デジタルアップコンバータ(Digital Up Converter、DUC)、及びD/Aコンバータ(Digital to Analog Converter,DAC)を含む。まず周波数領域(Frequency Domain)信号は高速逆フーリエ変換及びサイクリックプレフィクスの付加により直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing、OFDM)の変調演算が行なわれ、周波数領域信号が時間領域(Time Domain)信号に変換され、その後、ピーク抑圧(CFR)により信号の大きさが設定された動的範囲内に制限され、さらにFRフロントエンドモジュール412におけるパワーアンプ(PA)による非線形歪みが、デジタルプレディストーション(DPD)により補償される。最後に、デジタルアップコンバータ4(DUC)により信号サンプリング周波数及び/又は周波数シフトが高められ、D/Aコンバータ(DAC)によりデジタル信号がアナログ信号に変換され、FRモジュール421に出力される。
【0032】
通信デジタル信号処理モジュール422は、その受信部分がA/Dコンバータ(ADC)、デジタルダウンコンバータ(Digital Down Converter、DDC)、サイクリックプレフィックスの除去(Cyclic Prefix Removal、CP Removal)、及び高速フーリエ変換(Fourier Transform、FFT)を含む。まずFRモジュール421から出力されたアナログ信号は、A/Dコンバータ(ADC)によりデジタル信号に変換され、さらにデジタルダウンコンバータ(DDC)により信号サンプリング周波数の低減及び/または周波数シフトの処理が行なわれ、最後にサイクリックプレフィックスの除去(CP Removal)と高速フーリエ変換(FFT)により直交周波数分割多重(OFDM)の復調演算が行なわれ、時間領域信号が周波数領域信号に変換される。
【0033】
通信デジタル信号処理モジュール422は、物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel,PRACH)の処理、自動利得制御(Automatic Gain Control,AGC)、直交周波数分割多重の位相補償(OFDM Phase Compensation)、アンテナ補正(Antenna Calibration)、及び同相と直交(In-phase and Quadrature,I/Q)信号の圧縮(Compression)及び解凍(Decompression)のモジュールを含むこともできる。その中で物理ランダムアクセスチャネルの処理は主に物理ランダムアクセスチャネルに関連するフィルタリング(Filtering)処理を行い、自動利得制御は自動利得調整の機能を達成するために用いられ、直交周波数分割多重の位相補償は、直交周波数分割多重の位相を補償する演算を提供し、アンテナ補正は送信側と受信側のアンテナと高周波回路の利得を一致させることができ、同相と直交信号の圧縮及び解凍は、フロントホールインタフェース44に必要な送受信データを減少させるために使用される。
【0034】
ビームフォーミング(Beamforming)モジュール423は、主にアップリンク(Uplink)とダウンリンク(Downlink)のビームフォーミング演算を行う。その中でアップリンクの部分では、ビームフォーミング演算は、主に各アンテナにより受信されたデジタル信号を対応する各ユーザのデータストリーム(Data Stream)に変換し、ダウンリンクの部分では、ビームフォーミング演算は、主に各ユーザに伝送しようとするデータストリームを、各アンテナに対応するデジタル信号に変換する。
【0035】
フロントホールインタフェースモジュール424は、フロントホールインタフェース44の送受信機であり、無線ユニット100a~100cのデータを分散ユニット130にフロントホールインタフェース44を介して伝送することができ、また分散ユニット130からフロントホールインタフェース44を介して無線ユニット100a~100cに伝送されたデータを受信することができる。
【0036】
図4に示すように、第1のプリント基板410と第2のプリント基板420との間には、1つまたは複数の単方向アナログインタフェース41を介してデータを双方向に伝送することができ、ここで単方向アナログインタフェース41はアナログ信号のインタフェースであり、FRフロントエンドモジュール(FEM)412とFRモジュール421との間の双方向伝送インタフェースとすることができる。
【0037】
第3のプリント基板430は、電源回路であるとともに1つまたは複数の双方向アナログインタフェース42と双方向アナログインタフェース43を介して第2のプリント基板420と第1のプリント基板410の内部モジュールにそれぞれ電源を供給することができる電源モジュール431を含み、その中の双方向アナログインタフェース42と双方向アナログインタフェース43は、例えば電源ケーブルや電源コンセントなど、任意の給電可能なアナログインタフェースであってもよい。
【0038】
本開示に係る各モジュールのコンポーネントまたは回路は任意に組み合わされてもよく、何れも本開示の範囲に属している。例えば、第2のプリント基板420のFRモジュール421は、FR集積回路(RF Integrated Circuit、RFIC)であるとともに、例えばデジタルプレディストーション(DPD)、ピーク抑圧(CFR)、自動利得制御(AGC)、D/Aコンバータ(DAC)、A/Dコンバータ(ADC)、デジタルアップコンバータ(DUC)、およびデジタルダウンコンバータ(DDC)などのデジタル回路のような、通信デジタル信号処理モジュール422における一部のデジタル回路を統合することができる。
【0039】
図5を参照すると、
図5は、本開示の一実施例に係る無線ユニットの回路アーキテクチャ500の概略図である。
図5に示すように、無線ユニットの回路アーキテクチャ500は、第1のプリント基板510、第2のプリント基板520、第3のプリント基板530、デジタルインタフェース51、双方向アナログインタフェース52、双方向アナログインタフェース53、およびフロントホールインタフェース54を含む。
【0040】
第1のプリント基板510は、アンテナモジュール511、FRフロントエンドモジュール(FEM)512、およびFRモジュール513を含む。アンテナモジュール511は、電波信号を送受するための送受信アンテナを含む。そのアンテナ数は、単一のアンテナまたは複数のアンテナであってもよく、例えば32本のアンテナ、64本のアンテナ、128本のアンテナ、またはそれ以上の大型多入力多出力アンテナ(Massive MIMO)を有するように、特にアンテナ数が多いアンテナ配列に適している。FRフロントエンドモジュール(FEM)512は、1つまたは複数の送受信スイッチ(T/Rスイッチ)、パワーアンプ(PA)、および低ノイズアンプ(LNA)を含み、送受信スイッチは、送信回路と受信回路との切り替えに用いられ、送信回路におけるパワーアンプは、主にFRモジュール513から入力されたFR信号を増幅処理してアンテナモジュール511に出力する。受信回路における低ノイズアンプは、アンテナモジュール511により受信された信号を増幅処理してFRモジュール513に出力する。
【0041】
本実施例では、FRモジュール513は、1つまたは複数のアップ/ダウンコンバータ(Up/Down Converter)、フィルタ(Filter)、アンプ(Amplifier)および/または減衰器(Attenuator)などのFRアナログ回路の他に、デジタルプレディストーション(DPD)、ピーク抑圧(CFR)、自動利得制御(AGC)、D/Aコンバータ(DAC)、A/Dコンバータ(ADC)、デジタルアップコンバータ(DUC)、およびデジタルダウンコンバータ(DDC)などのデジタル回路を含む一部のデジタル回路を統合している。
【0042】
第2のプリント基板520は、通信デジタル信号処理モジュール521、ビームフォーミングモジュール522、およびフロントホールインタフェースモジュール523を含む。
【0043】
通信デジタル信号処理モジュール521は、その送信部分が高速逆フーリエ変換(IFFT)と、サイクリックプレフィックスの付加(CP Addition)とを含む一方、その受信部分が、高速フーリエ変換(FFT)、およびサイクリックプレフィックスの除去(CP Removal)を含む。デジタルプレディストーション(DPD)、ピーク抑圧(CFR)、自動利得制御(AGC)、D/Aコンバータ(DAC)、A/Dコンバータ(ADC)、デジタルアップコンバータ(DUC)、デジタルダウンコンバータ(DDC)などの他のデジタル回路は、FRモジュール513のFR集積回路(RFIC)に統合されている。通信デジタル信号処理モジュール521は、物理ランダムアクセスチャネルの処理、直交周波数分割多重の位相補償、アンテナ補正、及び同相と直交信号の圧縮及び解凍のモジュールを含むこともできる。また、通信デジタル信号処理モジュール521は、1つまたは複数のデジタルインタフェース51を介してFRモジュール513におけるデジタル回路にデジタルデータを双方向に伝送する。
【0044】
ビームフォーミングモジュール522は、主にアップリンクとダウンリンクのビームフォーミング演算を行う。その中でアップリンクの部分では、ビームフォーミング演算は、主に各アンテナにより受信されたデジタル信号を対応する各ユーザのデータストリームに変換し、ダウンリンクの部分では、ビームフォーミング演算は、主に各ユーザに伝送しようとするデータストリームを、各アンテナに対応するデジタル信号に変換する。
【0045】
フロントホールインタフェースモジュール523は、フロントホールインタフェース54の送受信機であり、無線ユニット100a~100cのデータを分散ユニット130にフロントホールインタフェース54を介して伝送することができ、また分散ユニット130からフロントホールインタフェース54を介して無線ユニット100a~100cのデータに伝送されたデータを受信することができる。
【0046】
図5に示すように、第1のプリント基板510と第2のプリント基板520との間には、1つ又は複数のデジタルインタフェース51を介してデータが双方向に伝送され、ここで、デジタルインタフェース51は例えばJESD204(A/B/C)、低電圧差動信号(Low-Voltage Differential Signaling,LVDS)、PCIe(Peripheral Component Interconnect Express)などのインタフェースまたは他の任意の形式のインタフェースにより実現することができる。
【0047】
第3のプリント基板530は、電源回路であるとともに1つまたは複数の双方向アナログインタフェース52と双方向アナログインタフェース53を介して第2のプリント基板520と第1のプリント基板510の内部モジュールにそれぞれ電源を供給することができる電源モジュール531を含み、その中の双方向アナログインタフェース52と双方向アナログインタフェース53は、例えば電源ケーブルや電源コンセントなど、任意の給電可能なアナログインタフェースであってもよい。
【0048】
図6を参照すると、
図6は、本開示の一実施例に係る無線ユニットの回路アーキテクチャ600の概略図である。
図6に示すように、無線ユニットの回路アーキテクチャ600は、第1のプリント基板610、第2のプリント基板620、デジタルインタフェース61、双方向アナログインタフェース62、およびフロントホールインタフェース63を含む。
【0049】
第1のプリント基板610は、アンテナモジュール611、FRフロントエンドモジュール(FEM)612、およびFRモジュール613を含む。アンテナモジュール611は、電波信号を送受するための送受信アンテナを含む。そのアンテナ数は、単一のアンテナまたは複数のアンテナであってもよく、例えば32本のアンテナ、64本のアンテナ、128本のアンテナ、またはそれ以上の大型多入力多出力アンテナ(Massive MIMO)を有するように、特にアンテナ数が多いアンテナ配列に適している。FRフロントエンドモジュール(FEM)612は、1つまたは複数の送受信スイッチ(T/Rスイッチ)、パワーアンプ(PA)、および低ノイズアンプ(LNA)を含み、送受信スイッチは、送信回路と受信回路との切り替えに用いられ、送信回路におけるパワーアンプは、主にFRモジュール613から入力されたFR信号を増幅処理してアンテナモジュール611に出力する。受信回路における低ノイズアンプは、アンテナモジュール611により受信された信号を増幅処理してFRモジュール613に出力する。
【0050】
本実施例では、FRモジュール613は、1つまたは複数のアップ/ダウンコンバータ(Up/Down Converter)、フィルタ(Filter)、アンプ(Amplifier)および/または減衰器(Attenuator)などのFRアナログ回路の他に、例えばデジタルプレディストーション(DPD)、ピーク抑圧(CFR)、自動利得制御(AGC)、D/Aコンバータ(DAC)、A/Dコンバータ(ADC)、デジタルアップコンバータ(DUC)、およびデジタルダウンコンバータ(DDC)などのデジタル回路を含む一部のデジタル回路を統合している。
【0051】
第2のプリント基板620は、通信デジタル信号処理モジュール621、ビームフォーミングモジュール622、フロントホールインタフェースモジュール623、および電源モジュール624を含む。
【0052】
通信デジタル信号処理モジュール621は、その送信部分が高速逆フーリエ変換(IFFT)、およびサイクリックプレフィックスの付加(CP Addition)を含む一方、その受信部分が、高速フーリエ変換(FFT)、およびサイクリックプレフィックスの除去(CP Removal)を含む。デジタルプレディストーション(DPD)、ピーク抑圧(CFR)、自動利得制御(AGC)、D/Aコンバータ(DAC)、A/Dコンバータ(ADC)、デジタルアップコンバータ(DUC)、デジタルダウンコンバータ(DDC)などの他のデジタル回路は、FRモジュール613のFR集積回路(RFIC)に統合されている。通信デジタル信号処理モジュール621は、物理ランダムアクセスチャネルの処理、直交周波数分割多重の位相補償、アンテナ補正、及び同相と直交信号の圧縮及び解凍のモジュールを含むこともできる。さらに、通信デジタル信号処理モジュール621は、デジタルインタフェース61を介して、第1のプリント基板610のFRモジュール613にデータを双方向に伝送することができる。
【0053】
ビームフォーミングモジュール622は、主にアップリンクとダウンリンクのビームフォーミング演算を行う。その中でアップリンクの部分では、ビームフォーミング演算は、主に各アンテナにより受信されたデジタル信号を対応する各ユーザのデータストリームに変換し、ダウンリンクの部分では、ビームフォーミング演算は、主に各ユーザに伝送しようとするデータストリームを、各アンテナに対応するデジタル信号に変換する。
【0054】
フロントホールインタフェースモジュール623は、フロントホールインタフェース63の送受信機であり、無線ユニット100a~100cのデータを分散ユニット130にフロントホールインタフェース63を介して伝送することができ、また分散ユニット130からフロントホールインタフェース63を介して無線ユニット100a~100cのデータに伝送されたデータを受信することができる。
【0055】
電源モジュール624は、電源回路であるとともに1つまたは複数の双方向アナログインタフェース62を介して第1のプリント基板610の内部モジュールにそれぞれ電源を供給することができ、その中の双方向アナログインタフェース62は、例えば電源ケーブルや電源コンセントなど、任意の給電可能なアナログインタフェースであってもよい。
【0056】
図6に示すように、第1のプリント基板610と第2のプリント基板620との間には、1つ又は複数のデジタルインタフェース61を介してデータが双方向に伝送され、ここで、デジタルインタフェース51は例えばJESD204(A/B/C)、低電圧差動信号、PCIeなどのインタフェースまたは他の任意の形式のインタフェースにより実現することができる。
【0057】
図7を参照すると、
図7は、本開示の一実施例に係る無線ユニットの回路アーキテクチャ700の概略図である。
図7に示すように、無線ユニットの回路アーキテクチャ700は、第1のプリント基板710、第2のプリント基板720、双方向アナログインタフェース71、およびフロントホールインタフェース72を含む。
【0058】
第1のプリント基板710は、アンテナモジュール711、FRフロントエンドモジュール(FEM)712、FRモジュール713、通信デジタル信号処理モジュール714、ビームフォーミングモジュール715、およびフロントホールインタフェースモジュール716を含む。
【0059】
アンテナモジュール711は、電波信号を送受するための送受信アンテナを含む。そのアンテナ数は、単一のアンテナまたは複数のアンテナであってもよく、例えば32本のアンテナ、64本のアンテナ、128本のアンテナ、またはそれ以上の大型多入力多出力アンテナ(Massive MIMO)を有するように、特にアンテナ数が多いアンテナ配列に適している。FRフロントエンドモジュール(FEM)712は、1つまたは複数の送受信スイッチ(T/Rスイッチ)、パワーアンプ(PA)、および低ノイズアンプ(LNA)を含み、送受信スイッチは、送信回路と受信回路との切り替えに用いられ、送信回路におけるパワーアンプは、主にFRモジュール713から入力されたFR信号を増幅処理してアンテナモジュール711に出力する。受信回路における低ノイズアンプは、アンテナモジュール711により受信された信号を増幅処理してFRモジュール713に出力する。
【0060】
本実施例では、FRモジュール713は、1つまたは複数のアップ/ダウンコンバータ(Up/Down Converter)、フィルタ(Filter)、アンプ(Amplifier)、および/または減衰器(Attenuator)などのFRアナログ回路の他に、デジタルプレディストーション(DPD)、ピーク抑圧(CFR)、自動利得制御(AGC)、D/Aコンバータ(DAC)、A/Dコンバータ(ADC)、デジタルアップコンバータ(DUC)、およびデジタルダウンコンバータ(DDC)などのデジタル回路を含む一部のデジタル回路を統合している。
【0061】
通信デジタル信号処理モジュール714は、その送信部分が高速逆フーリエ変換(IFFT)、およびサイクリックプレフィックスの付加(CP Addition)を含む一方、その受信部分が、高速フーリエ変換(FFT)、およびサイクリックプレフィックスの除去(CP Removal)を含む。デジタルプレディストーション(DPD)、ピーク抑圧(CFR)、自動利得制御(AGC)、D/Aコンバータ(DAC)、A/Dコンバータ(ADC)、デジタルアップコンバータ(DUC)、デジタルダウンコンバータ(DDC)などの他のデジタル回路は、FRモジュール713のFR集積回路(RFIC)に統合されている。通信デジタル信号処理モジュール714は、物理ランダムアクセスチャネルの処理、直交周波数分割多重の位相補償、アンテナ補正、及び同相と直交信号の圧縮及び解凍のモジュールを含むこともできる。
【0062】
ビームフォーミングモジュール715は、主にアップリンクとダウンリンクのビームフォーミング演算を行う。その中でアップリンクの部分では、ビームフォーミング演算は、主に各アンテナにより受信されたデジタル信号を対応する各ユーザのデータストリームに変換し、ダウンリンクの部分では、ビームフォーミング演算は、主に各ユーザに伝送しようとするデータストリームを、各アンテナに対応するデジタル信号に変換する。
【0063】
フロントホールインタフェースモジュール716は、フロントホールインタフェース72の送受信機であり、無線ユニット100a~100cのデータを分散ユニット130にフロントホールインタフェース72を介して伝送することができ、また分散ユニット130からフロントホールインタフェース72を介して無線ユニット100a~100cのデータに伝送されたデータを受信することができる。
【0064】
第2のプリント基板720は、電源回路であるとともに1つまたは複数の双方向アナログインタフェース71を介して第1のプリント基板710の内部モジュールにそれぞれ電源を供給することができる電源モジュール721を含み、その中の双方向アナログインタフェース71は、例えば電源ケーブルや電源コンセントなど、任意の給電可能なアナログインタフェースであってもよい。
【0065】
図8を参照すると、
図8は、本開示の一実施例に係る基地局および衛星通信の回路アーキテクチャ800の概略図である。
図8に示すように、基地局及び衛星通信の回路アーキテクチャ800は、第1のプリント基板810、第2のプリント基板820、第3のプリント基板830、単方向アナログインタフェース81、双方向アナログインタフェース82、双方向アナログインタフェース83、およびフロントホールインタフェース84を含む。
【0066】
第1のプリント基板810は、アンテナモジュール811及びFRフロントエンドモジュール(FEM)812を含む。アンテナモジュール811は、電波信号を送受するための送受信アンテナを含む。そのアンテナ数は、単一のアンテナまたは複数のアンテナであってもよく、例えば32本のアンテナ、64本のアンテナ、128本のアンテナ、またはそれ以上の大型多入力多出力アンテナ(Massive MIMO)を有するように、特にアンテナ数が多いアンテナ配列に適している。FRフロントエンドモジュール(FEM)812は、1つまたは複数の送受信スイッチ(T/Rスイッチ)、パワーアンプ(PA)、および低ノイズアンプ(LNA)を含み、送受信スイッチは、送信回路と受信回路との切り替えに用いられ、送信回路におけるパワーアンプは、主に単方向アナログインタフェース81を介して第2のプリント基板820におけるFRモジュール821により生成されたFR信号が入力され、増幅処理を行ってから、アンテナモジュール811に出力する。受信回路における低ノイズアンプは、アンテナモジュール811により受信された信号を増幅処理した後、単方向アナログインタフェース81を介して第2のプリント基板820におけるFRモジュール821に出力する。
【0067】
第2のプリント基板820は、FRモジュール821、ビームフォーミングモジュール822、およびベースバンドデジタル回路モジュール823を含む。
【0068】
FRモジュール821は、1つまたは複数のアップ/ダウンコンバータ(Up/Down Converter)、フィルタ(Filter)、アンプ(Amplifier)、および/または減衰器(Attenuator)を含む。その主な機能はFRアナログ信号の周波数のアップ/ダウン、フィルタリング(Filtering)、及び信号の増幅と減衰である。
【0069】
ビームフォーミングモジュール822は、主にアップリンクとダウンリンクのビームフォーミング演算を行う。その中でアップリンクの部分では、ビームフォーミング演算は、主に各アンテナにより受信されたデジタル信号を対応する各ユーザのデータストリームに変換し、ダウンリンクの部分では、ビームフォーミング演算は、主に各ユーザに伝送しようとするデータストリームを、各アンテナに対応するデジタル信号に変換する。
【0070】
ベースバンドデジタル回路モジュール823は、本実施例において通信ベースバンド演算に関連するデジタル回路を指す。例えば基地局の適用において、ベースバンドデジタル回路モジュール823は、無線ユニット(RU)100a~100cにおける通信デジタル信号処理モジュールのデジタル回路を含むことができるし、分散ユニット(DU)130及び/又はセントラルユニット(CU)のベースバンドデジタル回路を含むことができ、衛星通信の適用において、ベースバンドデジタル回路モジュール823は、衛星通信に関連する通信ベースバンド演算デジタル回路であり、例えば、変調(Modulation)や復調(Demodulation)などの演算のデジタル回路を含むことができる。
【0071】
図8に示すように、第1のプリント基板810と第2のプリント基板820との間には、1つまたは複数の単方向アナログインタフェース81を介してデータを双方向に伝送する。ここで、単方向アナログインタフェース81はアナログ信号のインタフェースであり、FRフロントエンドモジュール(FEM)812とFRモジュール821との間の双方向伝送インタフェースとすることができる。
【0072】
第3のプリント基板830は、電源回路であるとともに1つまたは複数の双方向アナログインタフェース82と双方向アナログインタフェース83を介して第2のプリント基板820と第1のプリント基板810の内部モジュールにそれぞれ電源を供給することができる電源モジュール831を含み、その中の双方向アナログインタフェース82と双方向アナログインタフェース83は、例えば電源ケーブルや電源コンセントなど、任意の給電可能なアナログインタフェースであってもよい。
【0073】
図9を参照すると、
図9は、本開示の一実施例に係る基地局及び衛星通信の回路アーキテクチャ900の概略図である。
図9に示すように、基地局及び衛星通信の回路アーキテクチャ900は、第1のプリント基板910、第2のプリント基板920、第3のプリント基板930、デジタルインタフェース91、双方向アナログインタフェース92、双方向アナログインタフェース93を含む。
【0074】
第1のプリント基板910は、アンテナモジュール911、FRフロントエンドモジュール(FEM)912、およびFRモジュール913を含む。アンテナモジュール911は、電波信号を送受するための送受信アンテナを含む。そのアンテナ数は、単一のアンテナまたは複数のアンテナであってもよく、例えば32本のアンテナ、64本のアンテナ、128本のアンテナ、またはそれ以上の大型多入力多出力アンテナ(Massive MIMO)を有するように、特にアンテナ数が多いアンテナ配列に適している。FRフロントエンドモジュール(FEM)912は、1つまたは複数の送受信スイッチ(T/Rスイッチ)、パワーアンプ(PA)、および低ノイズアンプ(LNA)を含み、送受信スイッチは、送信回路と受信回路との切り替えに用いられ、送信回路におけるパワーアンプは、主にFRモジュール913に入力されたFR信号を増幅処理してアンテナモジュール911に出力する。受信回路における低ノイズアンプは、アンテナモジュール911により受信された信号を増幅処理してFRモジュール913に出力する。
【0075】
本実施例では、FRモジュール913は、1つまたは複数のアップ/ダウンコンバータ(Up/Down Converter)、フィルタ(Filter)、アンプ(Amplifier)、および/または減衰器(Attenuator)などのFRアナログ回路の他に、デジタルプレディストーション(DPD)、ピーク抑圧(CFR)、自動利得制御(AGC)、D/Aコンバータ(DAC)、A/Dコンバータ(ADC)、デジタルアップコンバータ(DUC)、およびデジタルダウンコンバータ(DDC)などのデジタル回路を含む一部のデジタル回路を統合することができる。
【0076】
第2のプリント基板920は、ビームフォーミングモジュール921及びベースバンドデジタル回路モジュール922を含む。
【0077】
ビームフォーミングモジュール921は、主にアップリンクとダウンリンクのビームフォーミング演算を行う。その中でアップリンクの部分では、ビームフォーミング演算は、主に各アンテナにより受信されたデジタル信号を対応する各ユーザのデータストリームに変換し、ダウンリンクの部分では、ビームフォーミング演算は、主に各ユーザに伝送しようとするデータストリームを、各アンテナに対応するデジタル信号に変換する。
【0078】
ベースバンドデジタル回路モジュール922は、本実施例において通信ベースバンド演算に関連するデジタル回路を指す。例えば基地局の適用において、ベースバンドデジタル回路モジュール922は、無線ユニット(RU)100a~100cにおける通信デジタル信号処理モジュールのデジタル回路を含むことができるし、分散ユニット(DU)130及び/又はセントラルユニット(CU)のベースバンドデジタル回路を含むことができ、衛星通信の適用において、ベースバンドデジタル回路モジュール922は、衛星通信に関連する通信ベースバンド演算デジタル回路であり、例えば、変調(Modulation)や復調(Demodulation)などの演算のデジタル回路を含むことができる。
【0079】
図9に示すように、第1のプリント基板910と第2のプリント基板920との間には、1つ又は複数のデジタルインタフェース61を介してデータが双方向に伝送され、ここで、デジタルインタフェース51は例えばJESD204(A/B/C)、低電圧差動信号、PCIeなどのインタフェースまたは他の任意の形式のインタフェースにより実現することができる。
【0080】
第3のプリント基板930は、電源回路であるとともに1つまたは複数の双方向アナログインタフェース92と双方向アナログインタフェース93を介して第2のプリント基板920と第1のプリント基板910の内部モジュールにそれぞれ電源を供給することができる電源モジュール931を含み、その中の双方向アナログインタフェース92と双方向アナログインタフェース93は、例えば電源ケーブルや電源コンセントなど、任意の給電可能なアナログインタフェースであってもよい。
【0081】
図10を参照すると、
図10は、本開示の一実施例に係る基地局及び衛星通信の回路アーキテクチャの概略図である。
図10に示すように、基地局及び衛星通信の回路アーキテクチャ1000は、第1のプリント基板1010、第2のプリント基板1020、および双方向アナログインタフェース101を含む。
【0082】
第1のプリント基板1010は、アンテナモジュール1011、FRフロントエンドモジュール(FEM)1012、FRモジュール1013、ビームフォーミングモジュール1014、およびベースバンドデジタル回路モジュール1015を含む。
【0083】
アンテナモジュール1011は、電波信号を送受するための送受信アンテナを含む。そのアンテナ数は、単一のアンテナまたは複数のアンテナであってもよく、例えば32本のアンテナ、64本のアンテナ、128本のアンテナ、またはそれ以上の大型多入力多出力アンテナ(Massive MIMO)を有するように、特にアンテナ数が多いアンテナ配列に適している。FRフロントエンドモジュール(FEM)1012は、1つまたは複数の送受信スイッチ(T/Rスイッチ)、パワーアンプ(PA)、および低ノイズアンプ(LNA)を含み、送受信スイッチは、送信回路と受信回路との切り替えに用いられ、送信回路におけるパワーアンプは、主にFRモジュール1013に入力されたFR信号を増幅処理してアンテナモジュール1011に出力する。受信回路における低ノイズアンプは、アンテナモジュール1011により受信された信号を増幅処理してFRモジュール1013に出力する。
【0084】
本実施例では、FRモジュール1013は、1つまたは複数のアップ/ダウンコンバータ(Up/Down Converter)、フィルタ(Filter)、アンプ(Amplifier)、および/または減衰器(Attenuator)などのFRアナログ回路の他に、デジタルプレディストーション(DPD)、ピーク抑圧(CFR)、自動利得制御(AGC)、D/Aコンバータ(DAC)、A/Dコンバータ(ADC)、デジタルアップコンバータ(DUC)、およびデジタルダウンコンバータ(DDC)などのデジタル回路を含む一部のデジタル回路を統合することができる。
【0085】
ビームフォーミングモジュール1014は、主にアップリンクとダウンリンクのビームフォーミング演算を行う。その中でアップリンクの部分では、ビームフォーミング演算は、主に各アンテナにより受信されたデジタル信号を対応する各ユーザのデータストリームに変換し、ダウンリンクの部分では、ビームフォーミング演算は、主に各ユーザに伝送しようとするデータストリームを、各アンテナに対応するデジタル信号に変換する。
【0086】
ベースバンドデジタル回路モジュール1015は、本明細書及び本実施例において通信ベースバンド演算に関連するデジタル回路を指す。例えば基地局の適用において、ベースバンドデジタル回路モジュール1015は、無線ユニット(RU)100a~100cにおける通信デジタル信号処理モジュールのデジタル回路を含むことができるし、分散ユニット(DU)130及び/又はセントラルユニット(CU)のベースバンドデジタル回路を含むことができ、衛星通信の適用において、ベースバンドデジタル回路モジュール1015は、衛星通信に関連する通信ベースバンド演算デジタル回路であり、例えば、変調(Modulation)や復調(Demodulation)などの演算のデジタル回路を含むことができる。
【0087】
第2のプリント基板1020は、電源回路であるとともに1つまたは複数の双方向アナログインタフェース101を介して第1のプリント基板1010の内部モジュールにそれぞれ電源を供給することができる電源モジュール1021を含み、その中の双方向アナログインタフェース101は、例えば電源ケーブルや電源コンセントなど、任意の給電可能なアナログインタフェースであってもよい。
【符号の説明】
【0088】
10:無線ユニットを有する無線通信基地局
11a~11c、44、54、63、72:フロントホールインタフェース
100a~100c:無線ユニット
120、220、320:支持フレーム
130:分散ユニット
20:無線通信基地局
200a~200c:基地局回路
30:衛星通信地上局
300:地上局回路
41、81:双方向アナログインタフェース
42、43、52、53、62、71、82、83、92、93、101:単方向アナログインタフェース
400、500、600、700:無線ユニットの回路アーキテクチャ
410、420、430、510、520、530、610、620、710、720、810、820、830、910、920、930、1010、1020:プリント基板
411、511、611、711、811、911、1011:アンテナモジュール
412、512、612、712、812、912、1012:FRフロントエンドモジュール
421、513、613、713、821、913、1013:FRモジュール
422、521、621、714:通信デジタル信号処理モジュール
423、522、622、715、822、921、1014:ビームフォーミングモジュール
424、523、623、716:フロントホールインタフェースモジュール
431、531、624、721、831、931、1021:電源モジュール
51、61、91:双方向デジタルインタフェース
800、900、1000:基地局及び衛星通信の回路アーキテクチャ
【外国語明細書】