(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116092
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】ワイヤレスデバイスにおけるデータスループットの強化のためのレート適合のためのシステム、方法およびデバイス
(51)【国際特許分類】
H04W 16/14 20090101AFI20240820BHJP
H04L 27/00 20060101ALI20240820BHJP
H04W 72/542 20230101ALI20240820BHJP
【FI】
H04W16/14
H04L27/00 Z
H04W72/542
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024017674
(22)【出願日】2024-02-08
(31)【優先権主張番号】18/107,888
(32)【優先日】2023-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】507364997
【氏名又は名称】サイプレス セミコンダクター コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Cypress Semiconductor Corporation
【住所又は居所原語表記】198 Champion Court, San Jose, CA 95134, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ヴィクラム クマール ラマンナ
(72)【発明者】
【氏名】キラン ウルン
(72)【発明者】
【氏名】アシュトシュ パンデイ
(72)【発明者】
【氏名】ラケシュ タオリ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ワイヤレスデバイスにおけるデータスループットを強化するシステム、方法およびデバイスを提供する。
【解決手段】方法は、処理要素を備える処理デバイスを用いて、ワイヤレス通信チャネル上のワイヤレスデータ特徴を表現する複数のワイヤレスパラメータを決定するステップと、処理デバイスを用いて、複数のワイヤレスパラメータに少なくとも部分的に基づいて、ワイヤレス通信チャネル上の干渉イベントを識別する複数の干渉パラメータを決定するステップと、複数の干渉パラメータに少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数のデータ送信パターン修正を生成するステップと、を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理要素を備える処理デバイスを用いて、ワイヤレス通信チャネル上のワイヤレスデータ特徴を表現する複数のワイヤレスパラメータを決定するステップと、
前記処理デバイスを用いて、前記複数のワイヤレスパラメータに少なくとも部分的に基づいて、複数の干渉パラメータを決定するステップであって、前記複数の干渉パラメータは、前記ワイヤレス通信チャネル上の干渉イベントを識別するステップと、
前記複数の干渉パラメータに少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数のデータ送信パターン修正を生成するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記複数のワイヤレスパラメータは、複数のワイヤレスデバイスを識別し、前記ワイヤレス通信チャネル上のアクティビティをさらに識別するデータ値を備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の干渉パラメータは、ニューラルネットワークを用いて決定される、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ニューラルネットワークは、前記複数のワイヤレスデバイスから受信されるデータに少なくとも部分的に基づいて構成される、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ニューラルネットワークは、前記複数の干渉パラメータを分類し、前記干渉イベントを識別するように構成され、干渉イベントの予測パターンを生成するようにさらに構成される、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の干渉パラメータは、オートエンコーダを用いて決定される、
請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記オートエンコーダは、前記ワイヤレス通信チャネル上の観察されたアクティビティに少なくとも部分的に基づいて構成される、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記オートエンコーダは、前記複数の干渉パラメータを分類し、前記干渉イベントを識別するように構成され、干渉イベントの予測パターンを生成するようにさらに構成される、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記1つまたは複数のデータ送信パターン修正を生成するステップは、
前記複数の干渉パラメータに少なくとも部分的に基づいて、干渉イベントの予測パターンを生成するステップと、
干渉イベントの前記予測パターンに基づいて、媒体ビジーパターンを生成するステップと、
をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ワイヤレス通信プロトコルと互換性を有するように構成されるトランシーバと、
前記トランシーバに結合された処理要素と、
を備えるシステムであって、
前記処理要素は、
ワイヤレス通信チャネルのワイヤレスデータ特徴を表現する複数のワイヤレスパラメータを決定することと、
前記複数のワイヤレスパラメータに少なくとも部分的に基づいて、複数の干渉パラメータを決定することであって、前記複数の干渉パラメータは、前記ワイヤレス通信チャネル上の干渉イベントを識別することと、
前記複数の干渉パラメータに少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数のデータ送信パターン修正を生成することと、
を行うように構成される、
システム。
【請求項11】
前記複数のワイヤレスパラメータは、複数のワイヤレスデバイスを識別し、前記ワイヤレス通信チャネル上のアクティビティをさらに識別するデータ値を備える、
請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記複数の干渉パラメータは、ニューラルネットワークを用いて決定され、前記ニューラルネットワークは、前記複数のワイヤレスデバイスから受信されるデータに少なくとも部分的に基づいて構成される、
請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記ニューラルネットワークは、前記複数の干渉パラメータを分類し、前記干渉イベントを識別するように構成され、干渉イベントの予測パターンを生成するようにさらに構成される、
請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記複数の干渉パラメータは、オートエンコーダを用いて決定され、前記オートエンコーダは、前記ワイヤレス通信チャネル上の観察されたアクティビティに少なくとも部分的に基づいて構成される、
請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記オートエンコーダは、前記複数の干渉パラメータを分類し、前記干渉イベントを識別するように構成され、干渉イベントの予測パターンを生成するようにさらに構成される、
請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
処理要素を備えるデバイスであって、
前記処理要素は、
ワイヤレス通信チャネル上のワイヤレスデータ特徴を表現する複数のワイヤレスパラメータを決定することと、
前記複数のワイヤレスパラメータに少なくとも部分的に基づいて、複数の干渉パラメータを決定することであって、前記複数の干渉パラメータは、前記ワイヤレス通信チャネル上の干渉イベントを識別することと、
前記複数の干渉パラメータに少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数のデータ送信パターン修正を生成することと、
を行うように構成される、
デバイス。
【請求項17】
前記複数の干渉パラメータは、ニューラルネットワークを用いて決定され、前記ニューラルネットワークは、前記ワイヤレス通信チャネルに関連付けられた複数のワイヤレスデバイスから受信されるデータに少なくとも部分的に基づいて構成される、
請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記ニューラルネットワークは、前記複数の干渉パラメータを分類し、前記干渉イベントを識別するように構成され、干渉イベントの予測パターンを生成するようにさらに構成される、
請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
前記複数の干渉パラメータは、オートエンコーダを用いて決定され、前記オートエンコーダは、前記ワイヤレス通信チャネル上の観察されたアクティビティに少なくとも部分的に基づいて構成される、
請求項16に記載のデバイス。
【請求項20】
前記オートエンコーダは、前記複数の干渉パラメータを分類し、前記干渉イベントを識別するように構成され、干渉イベントの予測パターンを生成するようにさらに構成される、
請求項19に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、概して、ワイヤレスデバイスに関するものであり、より詳しくは、この種のワイヤレスデバイス内のトランシーバのデータスループットの強化に関するものである。
【0002】
ワイヤレスデバイスは、1つまたは複数のワイヤレスモダリティ、例えば、WiFi接続またはブルートゥース接続を介して互いに通信してもよい。したがって、この種のワイヤレス通信は、ワイヤレスプロトコルに準拠する方法で実施されてもよい。さらに、この種のワイヤレスデバイスは、さまざまなハードウェア構成要素を含み、この種の通信を容易にしてもよい。例えば、ワイヤレスデバイスは、1つまたは複数のトランシーバおよびアンテナを含んでもよい伝送媒体を含んでもよい。ワイヤレス環境において、複数のワイヤレスデバイスが存在してもよく、共通のワイヤレス媒体を通じて共通のデバイスと通信してもよい。ワイヤレス環境においてこの種のワイヤレスデバイスのアクティビティを管理するための従来技術は、この種のワイヤレス環境におけるデバイス間に発生しうる干渉を効率的に説明することができないので、制限されたままである。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【
図1】いくつかの実施形態に従って構成される、データスループットの強化のためのシステムの一例を示す。
【
図2】いくつかの実施形態に従って構成される、データスループットの強化のためのデバイスの一例を示す。
【
図3】いくつかの実施形態に従って実行される、データスループットの強化のための方法の一例を示す。
【
図4】いくつかの実施形態に従って実行される、データスループットの強化のための方法の他の例を示す。
【
図5】いくつかの実施形態に従って実行される、データスループットのための方法の一例を示す。
【
図6】いくつかの実施形態に従って実行される、データスループットのための方法の一例を示す。
【0004】
以下の説明では、多数の具体的な詳細は、提示された概念の完全な理解を提供するために記載される。提示された概念は、これらの具体的な詳細の一部または全部なしで実行されてもよい。他の例において、周知のプロセス動作は、記載されている概念を不必要に不明瞭にしないように詳述されていない。いくつかの概念が具体例と連動して記載されるが、これらの例が制限することを意図するものではないことを理解されたい。
【0005】
ワイヤレスデバイスは、1つまたは複数のワイヤレスモダリティ、例えば、WiFi接続またはブルートゥース接続を介して互いに通信してもよい。この種のワイヤレスデバイスは、アクセスポイント(AP)およびステーションとして構成されてもよい。さらに、ワイヤレス環境において、複数のAPおよびステーションが存在してもよい。より詳しくは、単一のステーションは、2つ以上のAPと通信してもよい。以下に詳述するように、この種のAPは、互いに通信しないかもしれないので、AP間の送信は、互いにコンフリクトして、結果として衝突(本願明細書において、干渉イベントとも称される)になるかもしれない。この種の衝突に対処するための従来技術は、データトラフィック衝突に応答して発生しうるような、データレートの減少、または、利用可能帯域幅の不必要に長いセクションをブロックすることを必要としうるので、制限されたままである。結果として、この種の技術は、デバイス使用に関連付けられた増加時間に起因して、データスループットを低下させ、全体の電力消費を増加させる。
【0006】
本願明細書において開示されるさまざまな実施形態は、データ伝送適合動作を動的に決定および実施し、AP間の干渉を識別および補償する能力を提供する。以下に詳述するように、ワイヤレスネットワーク接続上のデバイスおよびアクティビティを記載するさまざまな情報は、検索(retrieve)されてもよい。さらに、既存のデータトラフィックもまた検索されてもよく、この種の情報を用いて、干渉イベントならびに干渉パターンを識別してもよい。したがって、以下に詳述するように、検索された情報を用いて、機械学習モデルを訓練してもよく、機械学習モデルを用いて、干渉の予想パターンを予測してもよい。干渉イベントの予測パターンを用いて、ネットワークトラフィックをスケジュールするとともにワイヤレス通信チャネルの構成要素を構成してもよい。例えば、データレートは、不変のままでもよいが、省電力動作は、干渉イベントに対応する予想されるビジータイムにスケジュールされてもよい。このようにして、予測された干渉パターンを用いて、データ送信レートを犠牲にすることなく、伝送媒体の使用を最適に構成することができる。
【0007】
図1は、いくつかの実施形態に従って構成される、データスループットの強化のためのシステムの一例を示す。したがって、システム100のようなシステムは、ワイヤレスデバイスを含んでもよく、ワイヤレスデバイスは、ワイヤレス通信のために用いられ、本願明細書において開示されるようなデータ伝送適合動作を実行できるようにも構成される。以下に詳述するように、システム100内に含まれるワイヤレスデバイスは、データ伝送適合動作を動的に決定および実施し、アクセスポイント間の干渉を予想および補償するように構成されてもよい。
【0008】
さまざまな実施形態において、システム100は、ワイヤレス通信デバイスでもよいワイヤレスデバイス102を含んでもよい。上述したように、この種のワイヤレスデバイスは、1つまたは複数のワイヤレス伝送プロトコル、例えば、WiFiプロトコル、ブルートゥースプロトコル、近距離無線通信(NFC)プロトコル、ジグビープロトコルまたは超広帯域(UWB)プロトコルと互換性を有してもよい。したがって、本願明細書において開示される例は、Wi-Fiおよびブルートゥースプロトコルを参照して記載されるが、任意の適切なワイヤレス伝送プロトコルが用いられてもよい。いくつかの実施形態において、ワイヤレスデバイス102は、同一位置に配置された無線機を含む。例えば、ワイヤレスデバイス102は、通信媒体へのアクセスを共有するWi-Fi無線機およびブルートゥース無線機を含んでもよい。例えば、ワイヤレスデバイス102は、第1のトランシーバ(例えば、トランシーバ104)および第2のトランシーバ(例えば、トランシーバ105)を含んでもよい。トランシーバ104は、Wi-Fiの仕様およびプロトコルと互換性を有してもよく、トランシーバ105は、ブルートゥースの仕様およびプロトコルと互換性を有してもよい。例えば、ブルートゥースプロトコルは、ブルートゥーススマートとも称されるブルートゥースローエナジー(BLE)プロトコルでもよい。いくつかの実施形態において、ワイヤレスデバイス102は、スマートデバイス、例えば、ウェアラブルデバイスにおいて見られるものでもよいし、または、モニタリングデバイス、例えば、スマートビルディング、環境モニタリングおよびエネルギー管理において見られるものでもよい。この種のワイヤレスデバイスが、任意の適切なデバイス、例えば、車、他の乗り物および医療用インプラントさえでもよいことを認識されたい。
【0009】
図1に示すように、さまざまなワイヤレス通信デバイスは、1つまたは複数のワイヤレス通信媒体を介して互いに通信してもよい。より詳しくは、ワイヤレスデバイス102は、1つまたは複数のアンテナ、例えば、アンテナ111およびアンテナ112を含んでもよく、さらに、処理デバイス106も含んでもよい。上述したように、ワイヤレスデバイス102はまた、同一位置に配置されたトランシーバ、例えば、トランシーバ104およびトランシーバ105を含んでもよい。本願明細書において開示されるように、トランシーバは、その関連付けられた送信および受信チェーンならびに処理論理とともに無線機と称されてもよい。以下に詳述するように、この種の処理デバイス、トランシーバおよび無線機は、他のデバイスとの通信接続を確立し、この種の通信接続を介してデータパケットの形でデータを送信するように構成されてもよい。したがって、ワイヤレスデバイス(例えば、ワイヤレスデバイス102)は、データ伝送適合動作を動的に決定および実施し、アクセスポイントまたは他のエンティティ間の干渉を予想および補償するように構成される。さまざまな実施形態において、ワイヤレスデバイス102は、アクセスポイントまたはステーションとして構成されてもよい。
【0010】
いくつかの実施形態において、システム100は、ワイヤレスデバイスでもよいデバイス108をさらに含んでもよい。上述したのと同様に、デバイス108は、1つまたは複数のワイヤレス伝送プロトコル、例えば、WiFiプロトコルまたはブルートゥースプロトコルと互換性を有してもよい。いくつかの実施形態において、デバイス108は、ワイヤレスデバイス102と通信するステーションとして構成されてもよい。例えば、デバイス108は、スマートデバイスまたは他のデバイス、例えば、ゲームシステム、車、他の乗り物および医療用インプラントにおいて見られるものでもよい。いくつかの実施形態において、デバイス108は、アクセスポイントまたはソフトウェア対応アクセスポイント(SoftAP)でもよい。さまざまな実施形態において、デバイス108は、ワイヤレスデバイス102とは異なるタイプのデバイスでもよい。上述したように、各デバイス108は、1つまたは複数のアンテナならびに処理デバイスおよびトランシーバを含んでもよく、処理デバイスおよびトランシーバは、他のデバイスとの通信接続を確立し、この種の通信接続を介してデータパケットの形でデータを送信するように構成されてもよい。上述したように、デバイス108はまた、データ伝送適合動作を動的に決定および実施し、干渉パターンを予想および補償するように構成されてもよい。
【0011】
図1に示すように、システム100は、デバイス108と通信する他のワイヤレスデバイスでもよいワイヤレスデバイス110を含んでもよい。一例では、ワイヤレスデバイス102およびワイヤレスデバイス110は、アクセスポイント(AP)として構成されてもよく、デバイス108と通信してもよい。したがって、この例では、ワイヤレスデバイス102およびワイヤレスデバイス110は、互いを知らなくてもよいが、両方ともデバイス108と通信していてもよい。したがって、ワイヤレスデバイス102およびワイヤレスデバイス110の各々からの送信は、デバイス108と通信しようとするとき、それぞれ互いに干渉するかもしれない。以下に詳述するように、本願明細書において開示されるデバイスは、データ伝送適合動作を動的に決定および実施し、アクセスポイント間の干渉を予想および補償するように構成される。
【0012】
図2は、いくつかの実施形態に従って構成される、データスループットの強化のためのデバイスの一例を示す。より詳しくは、
図2は、ワイヤレスデバイス201を含むシステム、例えば、システム200の一例を示す。ワイヤレスデバイス201が、
図1を参照して上述したワイヤレスデバイスのいずれかの1つ、例えば、ワイヤレスデバイス102、デバイス108および/またはワイヤレスデバイス110でもよいことを認識されたい。
【0013】
さまざまな実施形態において、ワイヤレスデバイス201は、1つまたは複数のトランシーバ、例えば、トランシーバ204およびトランシーバ205を含む。一例では、システム200は、トランシーバ204を含み、トランシーバ204は、アンテナ221またはアンテナ222を含んでもよい通信媒体を用いて、信号を送信および受信するように構成される。上述したように、トランシーバ204は、Wi-Fiトランシーバでもよい。したがって、トランシーバ204は、WiFi通信プロトコル、例えば、802.11axプロトコルと互換性を有してもよい。802.11axプロトコルが一例として提供されるが、任意の適切なワイヤレス伝送プロトコルが用いられてもよいことを認識されたい。したがって、トランシーバ204は、さまざまな他のWiFiプロトコルまたは本願明細書において開示される技術を実施することができる他の任意の適切なワイヤレス伝送プロトコルと互換性を有してもよい。さまざまな実施形態において、トランシーバ204は、変調器および復調器ならびに1つまたは複数のバッファおよびフィルタを含み、これらは、アンテナ221および/またはアンテナ222を介して信号を生成および受信するように構成される。
【0014】
加えて、システム200は、ワイヤレスデバイス201内のトランシーバ204と同一位置に配置されてもよいトランシーバ205を含む。さまざまな実施形態において、トランシーバ205はまた、アンテナ221またはアンテナ222を含んでもよい通信媒体を用いて、信号を送信および受信するように構成される。したがって、トランシーバ205は、ブルートゥース通信プロトコルと互換性を有するブルートゥーストランシーバでもよい。一例では、ブルートゥースプロトコルは、ブルートゥースローエナジー(BLE)プロトコルでもよい。さらに、トランシーバ205は、変調器および復調器ならびに1つまたは複数のバッファおよびフィルタを含み、これらは、アンテナ221および/またはアンテナ222を介して信号を生成および受信するように構成される。さまざまな実施形態がブルートゥースおよびWiFi通信プロトコルを参照して記載されるが、任意の適切なプロトコルを用いてもよいことを認識されたい。
【0015】
さまざまな実施形態において、システム200は、処理要素および/または1つまたは複数のプロセッサコアを用いて実施される論理を含んでもよい処理デバイス224をさらに含む。したがって、処理デバイス224は、以下に詳述するように、データ伝送適合動作を実行するように構成される。より詳しくは、処理デバイス224内に含まれる処理要素は、本願明細書において開示されるように、データ伝送適合動作を実行するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、処理要素は、処理デバイス224内に含まれるファームウェアにおいて実施されてもよい。
【0016】
さらに、処理デバイス224は、媒体アクセス制御(MAC)層を実施するように構成される1つまたは複数の構成要素を含み、媒体アクセス制御(MAC)層は、ワイヤレス伝送媒体に関連付けられたハードウェア、例えば、Wi-Fi伝送媒体に関連付けられたハードウェアを制御するように構成される。一例では、処理デバイス224は、ドライバ、例えば、ブルートゥースおよび/またはWi-Fiドライバを実施するように構成されてもよいプロセッサコアブロック210を含んでもよい。処理デバイス224は、マイクロコードを含むように構成されてもよいデジタル信号プロセッサ(DSP)コアブロック212をさらに含んでもよい。
【0017】
さまざまな実施形態において、プロセッサコアブロック210は、ワイヤレスプロトコルインタフェースの特定部分を実施するように各々構成される複数のプロセッサコアを備える。例えば、ブルートゥースプロトコルは、ブルートゥーススタックを用いて実施されてもよく、ブルートゥーススタックにおいて、ソフトウェアは、層のスタックとして実施され、この種の層は、ブルートゥース通信プロトコルを実施するために利用される特定機能を区分するように構成される。さまざまな実施形態において、ホストスタックは、ブルートゥースネットワークカプセル化プロトコル、無線周波数通信、サービス発見プロトコルのための層ならびにさまざまな他のハイレベルのデータ層を含んでもよい。さらに、コントローラスタックは、リンク管理プロトコル、ホストコントローラインタフェース、低エネルギーリンク層でもよいリンク層ならびにさまざまな他のタイミングクリティカル層を含んでもよい。
【0018】
システム200は、アンテナ221およびアンテナ222に結合される無線周波数(RF)回路202をさらに含む。さまざまな実施形態において、RF回路202は、さまざまな構成要素、例えば、RFスイッチ、ダイプレクサおよびフィルタを含んでもよい。
図2は、2つのアンテナを有するシステム200を示すが、システム200が単一のアンテナまたは任意の適切な数(2よりも大きい任意の数)のアンテナを有してもよいことを認識されたい。したがって、RF回路202は、送信/受信のためのアンテナを選択するように構成されてもよく、バス(例えば、バス211)を介して、選択されたアンテナ(例えば、アンテナ221)とシステム200の他の構成要素との間の結合を提供するように構成されてもよい。1つのRF回路が示されるが、ワイヤレスデバイス201が複数のRF回路を含んでもよいことを認識されたい。したがって、複数のアンテナの各々は、それ自体のRF回路を備えてもよい。さらに、各アンテナは、特定のワイヤレス通信プロトコルに関連付けられてもよく、例えば、第1のアンテナおよびRF回路は、Wi-Fiのためであり、第2のアンテナおよびRF回路は、ブルートゥースのためでもよい。
【0019】
システム200は、上述しかつ以下に詳述するデータ伝送適合動作に関連付けられた1つまたは複数のデータ値を格納するように構成されるメモリシステム208を含む。したがって、メモリシステム208は、この種のデータ値を格納するように構成される、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)でもよいストレージデバイスを含み、ローカルキャッシュを提供するように構成されるキャッシュを含んでもよい。さまざまな実施形態において、システム200は、システム200によって実施される処理動作を実施するように構成されるホストプロセッサ214をさらに含む。
【0020】
上述した構成要素の1つまたは複数が単一のチップ上に、または、異なるチップ上に実施されてもよいことを認識されたい。例えば、トランシーバ204、トランシーバ205および処理デバイス224は、同じ集積回路チップ、例えば、集積回路チップ220上に実施されてもよい。他の例では、トランシーバ204、トランシーバ205および処理デバイス224は、各々、それ自体のチップ上に実施されてもよく、したがって、マルチチップモジュールとして別々に配置されてもよいし、または、プリント基板(PCB)のような共通の基板上に配置されてもよいし、または、同一パッケージ内に実装されるマルチダイチップでもよい。システム200の構成要素が、低エネルギーデバイス、スマートデバイスまたは自動車のような車両の文脈で実施されてもよいことも認識されたい。したがって、集積チップ220のようないくつかの構成要素は、第1の位置において実施されてもよく、アンテナ221のような他の構成要素は、第2の位置において実施されてもよく、両者の間の結合は、RF回路202のような結合器を介して実施されてもよい。
【0021】
図3は、いくつかの実施形態に従って実行される、データスループットの強化のための方法の一例を示す。したがって、方法300のような方法は、本願明細書において開示されるように、データ伝送適合動作を動的に実施するように実行されてもよい。以下に詳述するように、この種のデータ伝送適合動作を実行することは、異なるアクセスポイントの送信の間にステーションによって受信される干渉の予想およびそれの補償を可能にしてもよい。
【0022】
方法300は、動作302を実行し、動作302において、複数のワイヤレスパラメータが識別されてもよい。さまざまな実施形態において、ワイヤレスパラメータは、ワイヤレス通信チャネル上のワイヤレスデータ特徴を表現してもよい。例えば、ワイヤレスパラメータは、さまざまな利用できるネットワーク情報、例えば、ワイヤレス通信チャネルを用いる既存のワイヤレスデバイスを含んでもよい。ワイヤレスパラメータはまた、他のチャネル情報、例えば、雑音測定基準によって決定される雑音量ならびにワイヤレス通信チャネルを通じて送信されているデータ量を含んでもよい。ワイヤレスパラメータはまた、他の測定基準、例えば、信号強度または品質測定法または変調コーディングスキーム(MCS)インデックスを含んでもよい。したがって、動作302の間、ワイヤレスパラメータの基礎となる適切な情報は、ワイヤレスデバイスによって識別および検索されてもよい。
【0023】
方法300は、動作304を実行し、動作304において、複数の干渉パラメータは、複数のワイヤレスパラメータに少なくとも部分的に基づいて識別されてもよい。さまざまな実施形態において、干渉パラメータを用いて、ワイヤレスパラメータの特徴および属性を分類し、干渉イベントならびに干渉パターンを識別してもよい。この種の干渉パラメータがどのように決定されるかに関する追加の詳細は、
図4から
図6を参照して詳述される。
【0024】
方法300は、動作306を実行し、動作306において、1つまたは複数のデータ送信パターン修正は、複数の干渉パラメータに少なくとも部分的に基づいて生成されてもよい。したがって、1つまたは複数のデータ送信パターン修正は、識別された干渉を補償するために生成および実施されてもよい。一例では、データレートを変更してもよい。他の例では、データレートは変更されないが、その代わりに、予想される媒体ビジーパターンが生成され、これを用いてトラフィックをスケジュールし、識別された干渉イベントとの衝突を回避する。このようにして、データ送信パターンは、データレートの減少を回避するとともに、干渉および衝突を回避するために動的に修正されてもよい。
【0025】
図4は、いくつかの実施形態に従って実行される、データスループットの強化のための方法の他の例を示す。したがって、方法400のような方法は、本願明細書において開示されるように、データ伝送適合動作を動的に実施するように実行されてもよい。以下に詳述するように、1つまたは複数の機械学習技術は、干渉アクティビティの推定を生成し、この種の推定を用いて、送信パターンを修正し、この種の干渉アクティビティを回避するために実施されてもよい。このようにして、ネットワークトラフィック衝突を減少することができ、データレートもまた減少することができる。
【0026】
方法400は、動作402を実行し、動作402において、複数のワイヤレスパラメータが識別されてもよい。上述したように、ワイヤレスパラメータは、ワイヤレス通信チャネル上のワイヤレスデータ特徴を表現してもよい。例えば、ワイヤレスパラメータは、さまざまな利用できるネットワーク情報、例えば、ワイヤレス通信チャネルを用いる既存のワイヤレスデバイスを含んでもよい。ワイヤレスパラメータはまた、他のチャネル情報、例えば、雑音測定基準によって決定される雑音量ならびにワイヤレス通信チャネルを通じて送信されているデータ量を含んでもよい。ワイヤレスパラメータはまた、他の測定基準、例えば、信号強度または品質測定法または変調コーディングスキーム(MCS)インデックスを含んでもよい。
【0027】
したがって、動作402の間、ワイヤレスパラメータの基礎となる適切な情報は、アクセスポイントまたはステーションでもよいワイヤレスデバイスによって識別および検索されてもよい。一例では、複数のワイヤレスパラメータは、複数のステーションと通信するアクセスポイントによって識別および検索される。したがって、アクセスポイントは、必要に応じて1つまたは複数のポーリング動作またはクエリを実行し、ワイヤレスパラメータを取得してもよい。
【0028】
方法400は、動作404を実行し、動作404において、複数のワイヤレスパラメータは、複数のワイヤレスパラメータカテゴリに分類されてもよい。以下に詳述するように、1つまたは複数の機械学習技術を用いて、ワイヤレス接続上のアクティビティの識別された特徴を異なるカテゴリに分類してもよく、したがって、干渉としての特定のワイヤレスアクティビティのカテゴリに分類してもよい。したがって、機械学習モデルは、干渉アクティビティを他のネットワークアクティビティと区別するように構成されてもよく、干渉アクティビティの予測パターンの推定を生成するようにさらに構成されてもよい。例えば、機械学習モデルは、ワイヤレスパラメータによって与えられるような、ワイヤレスチャネルの識別された特徴を熱雑音または干渉の1つに分類する機械学習分類器でもよい。機械学習モデルはまた、識別された特徴を、OBSS、マイクロ波干渉、ブルートゥースアクティビティ、超広帯域通信(UWB)、近距離無線通信(NFC)、セルラーアクティビティならびにレーダーアクティビティとして分類してもよい。
【0029】
いくつかの実施形態において、機械学習技術は、ニューラルネットワークの生成および適用を含んでもよい。したがって、以下に詳述するように、ニューラルネットワークは、学習フェーズの間に取得された訓練データに基づいて訓練されてもよい。ニューラルネットワークは、1つまたは複数のワイヤレスパラメータを識別する入力を受信し、ワイヤレスパラメータのためのカテゴリならびにアクティビティの予測パターンを識別する出力を生成するように構成されてもよい。一例では、機械学習技術は、オートエンコーダニューラルネットワークでもよい。したがって、機械学習技術は、干渉しないイベントおよびアクティビティを無視するようにニューラルネットワークを訓練することによって、干渉パターンの表現を学習するように構成されるニューラルネットワークでもよい。機械学習モデルの生成および適用に関する追加の詳細は、
図5および
図6を参照して詳述される。
【0030】
方法400は、動作406を実行し、動作406において、複数の干渉パラメータは、複数のワイヤレスパラメータカテゴリの少なくとも1つに基づいて識別されてもよい。上述したように、機械学習モデルの出力は、干渉イベントならびにこの種の干渉イベントのためのアクティビティの推定パターンを識別してもよい。いくつかの実施形態において、干渉イベントのさまざまな特徴は、干渉パラメータとして識別および格納されてもよい。例えば、干渉物のタイプは、1つまたは複数の指定された識別子ならびに干渉の推定期間および推定持続期間またはデューティに基づいて識別されてもよい。
【0031】
方法400は、動作408を実行し、動作408において、現在のデータ送信パターンは、ワイヤレス通信チャネルのために識別されてもよい。したがって、次のデータ送信期間の予想されるデータ送信パターンは、検索されてもよい。この種の情報は、以前に交渉されたネットワークトラフィックスケジュールまたは他の信号、例えば、RFアクティブ信号に基づいて決定されてもよい。
【0032】
方法400は、動作410を実行し、動作410において、1つまたは複数のデータ送信パターン修正は、現在のデータ送信パターンおよび複数の干渉パラメータに少なくとも部分的に基づいて生成されてもよい。したがって、1つまたは複数のデータ送信パターン修正は、識別された干渉を補償するために生成および実施されてもよい。一例では、干渉パラメータによって表現される以前に決定された干渉パターンは、予想される媒体ビジーパターンとして用いられ、これを用いて、トラフィックを再スケジュールし、識別された干渉イベントとの衝突を回避する。
【0033】
他の例では、送信機は、識別された干渉の予測された終了まで、送信を遅延させるように送信パターンを調整してもよい。さらに、遅延の後、送信機は、指定された期間の間にチャネルを聞くことにより、干渉がなくなったかを確認してもよく、一旦干渉が終了したと確認されるならば送信してもよい。干渉が遅延期間の後に継続する場合、送信機は、追加の遅延期間の間に待ってもよく、結果を修正として格納してもよい。したがって、干渉の予測パターンの精度を改善するのに用いられる観察データに基づいて、調整および修正がなされてもよい。
【0034】
方法400は、動作412を実行し、動作412において、現在のデータ送信パターンは、1つまたは複数のデータ送信パターン修正に基づいて更新されてもよい。したがって、更新されたデータ送信パターンが次のデータ送信期間の間に用いられるように、現在のデータ送信パターンは、複数の干渉パラメータに基づいて修正されてもよい。
【0035】
図5は、いくつかの実施形態に従って実行される、データスループットのための方法の一例を示す。したがって、方法500のような方法は、本願明細書において開示されるように、データ伝送適合動作を動的に実施するように実行されてもよい。以下に詳述するように、1つまたは複数の機械学習モデルは、干渉アクティビティの推定を生成し、送信パターンを修正し、この種の干渉アクティビティを回避するように訓練および構成されてもよい。このようにして、方法500のような方法は、ニューラルネットワークを構成し、ニューラルネットワークをデータ伝送適合動作のために実施するように実行されてもよい。
【0036】
方法500は、動作502を実行し、動作502において、データトラフィックは、指定された期間の間にワイヤレス通信チャネル上で観察されてもよい。したがって、ワイヤレストラフィックがワイヤレス通信チャネル上で観察される学習または訓練期間は、観察されてもよい。したがって、訓練期間の間、データ送信/受信イベントは、観察されてもよく、この種のイベントを表現するデータは、格納されてもよい。例えば、送信/受信イベントは、対応するタイムスタンプ、持続期間ならびに1つまたは複数の他の測定基準、例えば、信号強度または電力レベルを有してもよい。すべてのこの種のデータは、訓練データとして格納されてもよい。
【0037】
方法500は、動作504を実行し、動作504において、追加のワイヤレス情報が決定されてもよい。したがって、上述したイベントに関連付けられたワイヤレスデバイスを識別するように構成される1つまたは複数の識別子は、格納されてもよい。例えば、この種の識別子は、ワイヤレス通信チャネルを用いる1つまたは複数のステーションおよびアクセスポイントのためのデバイス識別子でもよく、この種の識別子は、ワイヤレス通信チャネル上で送信されるデータパケットから取得されてもよい。さらに、追加のデータは、ワイヤレス通信チャネルを介して他のデバイスから受信されてもよい。追加のデータは、指定された期間の間に1つまたは複数の干渉イベントの報告を提供するメッセージを含んでもよい。例えば、ステーションは、自分がどれくらいのパケットエラーを経験したかについて、ならびに、この種のパケットエラー、例えば、タイムスタンプに関連付けられた追加のデータを報告してもよい。
【0038】
方法500は、動作506を実行し、動作506において、ニューラルネットワークは、観察データトラフィックおよびワイヤレスデバイス情報に少なくとも部分的に基づいて構成されてもよい。したがって、訓練データを用いて、ニューラルネットワークを構成し、送信/受信イベントを分類するように構成される分類器を生成し、干渉イベントを識別してもよい。上述したのと同様に、干渉イベントは、異なるカテゴリ、例えば、雑音、非周期的な干渉物および周期的な干渉物に分類されてもよい。さらに、ニューラルネットワークはまた、1つまたは複数のタイプの干渉イベントのためのアクティビティのパターンを予測するように構成されてもよい。
【0039】
いくつかの実施形態において、訓練データは、ワイヤレスデバイスの動作環境においてキャプチャされる現実の観察ならびにテスト環境においてキャプチャされる観察データの一方または両方に基づいて生成されてもよい。したがって、学習フェーズまたは学習期間は、この種のデータをキャプチャするように実施されてもよく、データは、訓練データとして用いられてもよい。一例では、この種の訓練データは、製造業者のようなエンティティによって、特定のタイプの干渉をシミュレーションするためのテスト条件を用いて生成されてもよい。例えば、テスト環境において、他のデバイス、例えば、携帯電話および一般家庭のスマートデバイスに関連付けられた他のアクセスポイントからの干渉は、テスト環境においてモデル化およびプロファイルされてもよく、訓練データの一部として格納されてもよい。このようにして、ニューラルネットワークを訓練するのに用いられる訓練データは、1つまたは複数の以前に生成された訓練データおよびリアルタイムの観察データを含んでもよい。
【0040】
さまざまな実施形態において、追加の学習フェーズは、ニューラルネットワークを周期的に更新するために実施されてもよい。一例では、以前に生成された訓練データは、アクセスポイントと通信するすべてのステーションに配備されてもよく、各ステーションは、それ自体の追加の学習フェーズを実施し、各ステーションのニューラルネットワークを、その特定のステーションのアクティビティおよび詳細のためにさらに訓練してもよい。このようにして、訓練データは、配備された各ワイヤレスデバイスに適合されてもよい。
【0041】
方法500は、動作508を実行し、動作508において、何らかの干渉が存在するかが決定されてもよい。したがって、一旦ニューラルネットワークモデルが構築されるならば、ネットワークトラフィックは、観察が継続されてもよく、観察データは、ニューラルネットワークモデルに提供されてもよい。さまざまな実施形態において、次に、ニューラルネットワークモデルは、送信/受信イベントを分類し、分類の結果に基づいて、何らかの干渉イベントが存在するかを決定してもよい。干渉が存在しないと決定される場合、方法500は、動作510に進行してもよく、動作510において、現在のデータ送信パターンは、データ送信に用いられてもよい。
【0042】
干渉が存在すると決定される場合、方法500は、動作512に進行してもよく、動作512において、干渉物のタイプが決定されてもよい。上述したように、ニューラルネットワークモデルは、イベントを1つまたは複数のカテゴリに分類してもよい。したがって、動作512の間、ニューラルネットワークモデルの出力は、どのタイプの干渉物が存在するのかを識別してもよい。上述したように、訓練データは、訓練期間の間に、固有の識別子によって表現されるように、干渉、例えば、検出される干渉のタイプとともに長さ、周期性および周波数の態様を表現する時間系列データとして、ニューラルネットワークモデルに供給されてもよい。次に、ニューラルネットワークは、観察データの特徴を、干渉、例えば、OBSS、マイクロ波干渉、ブルートゥースアクティビティ、UWB、NFC、セルラーアクティビティならびにレーダーアクティビティに分類してもよい。
【0043】
方法500は、動作514を実行し、動作514において、アクティビティの予測パターンは、生成されてもよい。したがって、干渉アクティビティの予測パターンは、観察されたアクティビティおよび識別された干渉物のタイプに基づいて生成されてもよい。したがって、上述したように、ニューラルネットワークは、観察データに基づいて、干渉物のエンコードされたパラメータとみなされてもよいものを分類するように構成されてもよい。より詳しくは、観察された干渉のパターンは、デコードされ、干渉物を識別および分類してもよい。反対に、干渉物のタイプが識別される場合、ニューラルネットワークは、リバースに基づいて、アクティビティの推定パターンを生成するように構成されてもよい。より詳しくは、ニューラルネットワークの構成は、所定のタイプの干渉物に基づいて、アクティビティのパターンの再生を可能にしてもよい。このようにして、ニューラルネットワークは、識別されたタイプの干渉物を干渉の予測パターンに変換するように構成されてもよい。
【0044】
方法500は、動作516を実行し、動作516において、データ送信パターンは、アクティビティの予測パターンに基づいて更新されてもよい。より詳しくは、データ送信パターンは、予測された干渉アクティビティの間、データ送信のスケジューリングを回避するように更新されてもよい。上述したのと同様に、送信機は、識別された干渉の予測された終了まで、送信を遅延させるように送信パターンを調整してもよい。さらに、遅延の後、送信機は、指定された期間の間にチャネルを聞くことにより、干渉がなくなったかを確認してもよく、一旦干渉が終了したと確認されるならば送信してもよい。干渉が遅延期間の後に継続する場合、送信機は、追加の遅延期間の間に待ってもよく、結果を修正として格納してもよい。したがって、干渉の予測パターンの精度を改善するのに用いられる観察データに基づいて、調整および修正がなされてもよい。
【0045】
図6は、いくつかの実施形態に従って実行される、データスループットのための方法の一例を示す。したがって、方法600のような方法は、本願明細書において開示されるように、データ伝送適合動作を動的に実施するように実行されてもよい。以下に詳述するように、1つまたは複数の機械学習モデルは、干渉アクティビティの推定を生成し、送信パターンを修正し、この種の干渉アクティビティを回避するように訓練および構成されてもよい。このようにして、方法600のような方法は、オートエンコーダモデルを構成し、オートエンコーダモデルをデータ伝送適合動作のために実施するように実行されてもよい。
【0046】
方法600は、動作602を実行し、動作602において、データトラフィックは、指定された期間の間にワイヤレス通信チャネル上で観察されてもよい。したがって、ワイヤレストラフィックは、ワイヤレス通信チャネル上で観察されてもよく、さまざまなデータ送信/受信イベントならびに他のイベントを表現するデータは、観察されてもよく、この種のイベントを表現するデータは、格納されてもよい。
【0047】
方法600は、動作604を実行し、動作604において、無線情報が決定されてもよい。したがって、ネットワークトラフィックに関連付けられたワイヤレスデバイスを識別するように構成される1つまたは複数の識別子もまた、格納されてもよい。例えば、この種の識別子は、ワイヤレス通信チャネルを用いる1つまたは複数のステーションおよびアクセスポイントのためのデバイス識別子でもよく、この種の識別子は、ワイヤレス通信チャネル上で送信されるデータパケットから取得されてもよい。さらに、追加のデータは、ワイヤレス通信チャネルを介して他のデバイスから受信されてもよい。
【0048】
方法600は、動作606を実行し、動作606において、オートエンコーダは、観察データトラフィックおよびワイヤレスデバイス情報に少なくとも部分的に基づいて構成されてもよい。したがって、格納データを用いて、オートエンコーダが送信/受信イベントを分類し、干渉イベントを識別するように構成してもよい。いくつかの実施形態において、オートエンコーダモデルは、異常値を干渉イベントとして識別するように構成されてもよい。さらに、干渉イベントは、異なるカテゴリ、例えば、雑音、非周期的な干渉物および周期的な干渉物に分類されてもよい。さらにまた、ニューラルネットワークを用いて、1つまたは複数のタイプの干渉イベントのためのアクティビティのパターンを予測してもよい。
【0049】
さまざまな実施形態において、オートエンコーダは、エンコーダ、ボトルネックおよびデコーダを含むように構成されてもよい。エンコーダは、訓練・検証・テストデータセットをエンコードされた表現に圧縮するように構成されてもよい。入力データは、時間系列データ、例えば、エネルギーレベル、データレートの時間系列データならびに通信チャネル上の他の観察可能な特徴を含んでもよい。ボトルネックは、特徴の減少したセットの圧縮表現を含むように構成されてもよい。例えば、ボトルネックは、干渉のタイプを表現するノードならびに干渉のタイプの1つまたは複数のパラメータ、例えば、周期性を含んでもよい。デコーダは、データを解凍および再構築するように構成されてもよい。この例では、デコーダは、観察データを再構築するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、デコーダは、観察された特徴を再形成し、予測された干渉のブロックまたはパターンを生成するように構成される。
【0050】
方法600は、動作608を実行し、動作608において、何らかの干渉が存在するかが決定されてもよい。したがって、一旦オートエンコーダモデルが構成されるならば、ネットワークトラフィックは、観察されてもよく、観察データは、オートエンコーダモデルに提供されてもよい。さまざまな実施形態において、次に、オートエンコーダモデルは、送信/受信イベントを分類し、分類の結果に基づいて、干渉イベントが存在するかを決定してもよい。干渉が存在しないと決定される場合、方法600は、動作610に進行してもよく、動作610において、現在のデータ送信パターンは、データ送信に用いられてもよい。
【0051】
干渉が存在すると決定される場合、方法600は、動作612に進行してもよく、動作612において、干渉物のタイプが決定されてもよい。上述したように、オートエンコーダモデルは、イベントを1つまたは複数のカテゴリに分類してもよい。例えば、干渉の態様を表現する時間系列データ、例えば、長さ、周期性および周波数は、オートエンコーダモデルに供給されてもよく、次に、オートエンコーダモデルは、観察データの特徴を、干渉、例えば、OBSS、マイクロ波干渉、ブルートゥースアクティビティ、UWB、NFC、セルラーアクティビティならびにレーダーアクティビティに分類してもよい。したがって、動作612の間、オートエンコーダモデルの出力は、どのタイプの干渉物が存在するのかを識別してもよい。
【0052】
方法600は、動作614を実行し、動作614において、アクティビティの予測パターンが生成されてもよい。したがって、干渉アクティビティの予測パターンは、観察されたアクティビティおよび識別された干渉物のタイプに基づいて生成されてもよい。上述したように、オートエンコーダモデルは、観察データの特徴を、干渉、例えば、OBSS、マイクロ波干渉、ブルートゥースアクティビティ、UWB、NFC、セルラーアクティビティならびにレーダーアクティビティに分類してもよい。さらに、オートエンコーダモデルの構成は、所定のタイプの干渉物に基づいて、アクティビティのパターンの再生を可能にしてもよい。このようにして、オートエンコーダモデルは、識別されたタイプの干渉物を干渉の予測パターンに変換するように構成されてもよい。
【0053】
方法600は、動作616を実行し、動作616において、データ送信パターンは、アクティビティの予測パターンに基づいて更新されてもよい。より詳しくは、データ送信パターンは、予測された干渉アクティビティの間、データ送信のスケジューリングを回避するように更新されてもよい。上述したのと同様に、送信機は、識別された干渉の終了まで送信を遅延させるように送信パターンを調整してもよく、遅延期間は、修正として格納されてもよい。したがって、干渉の予測パターンの精度を改善するのに用いられる観察データに基づいて、調整および修正がなされてもよい。
【0054】
上述した概念は、理解の明快さのためにいくつかの詳細において記載されてきたが、特定の変化および修正が添付の請求の範囲内で実行されてもよいことは明らかである。プロセス、システムおよびデバイスを実施する多くの代替方法がある点に留意されたい。したがって、本例は、例示的であり限定的ではないとみなされるべきである。
【外国語明細書】