(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116093
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】ベローズ、ジョイント構成および自動車
(51)【国際特許分類】
F16D 3/84 20060101AFI20240820BHJP
F16J 3/04 20060101ALI20240820BHJP
F16J 15/52 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
F16D3/84 J
F16J3/04 B
F16J15/52 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024018138
(22)【出願日】2024-02-08
(31)【優先権主張番号】10 2023 103 259.3
(32)【優先日】2023-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】507334967
【氏名又は名称】ゲーカーエン ドライブライン インターナショナル ゲゼルシャフト ミト ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】GKN DRIVELINE INTERNATIONAL GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マルクス ダイシンガー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】冷間始動条件に耐え得るよう有利に設計されたベローズの提案。
【解決手段】ジョイント構成用のベローズ(1)であって、ベローズ(1)は、軸(5)に沿って中空体として第1の端部(3)と第2の端部(4)との間に延在し、周方向(7)に沿って前記第1と第2の端部(3、4)間で前記軸(5)を囲み内部空間(8)を形成する壁(6)によって、形成され、前記壁(6)は、前記軸(5)に沿って並んで配置された少なくとも複数のプリーツ(9、10)によって、形成され、複数の前記プリーツ(9、10)のそれぞれは、第1の最小径から、第1の側面を経由して第1の最大径まで、および、第2の側面(14)を経由して第2の最小径まで、前記軸(5)に沿って延在し、複数の前記プリーツ(9、10)の少なくとも1つは、側面が、前記周方向(7)に沿って分布する複数の構造(16)を有する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジョイント構成(2)用のベローズ(1)であって、
ベローズ(1)は、軸(5)に沿って中空体として第1の端部(3)と第2の端部(4)との間に延在し、周方向(7)に沿って前記第1と第2の端部(3、4)間で前記軸(5)を囲み内部空間(8)を形成する壁(6)によって、形成され、
前記壁(6)は、前記軸(5)に沿って並んで配置された少なくとも複数のプリーツ(9、10)によって、形成され、
複数の前記プリーツ(9、10)のそれぞれは、第1の最小径(11)から、第1の側面(12)を経由して第1の最大径(13)まで、および、第2の側面(14)を経由して第2の最小径(15)まで、前記軸(5)に沿って延在し、
複数の前記プリーツ(9、10)の少なくとも1つは、側面(12、14)が、前記周方向(7)に沿って分布する複数の構造(16)を有し、
複数の前記構造(16)のそれぞれは、前記内部空間(8)を拡大する隆起部、または、前記内部空間を縮小する窪み部によって、形成され、
複数の前記プリーツ(9、10)と複数の前記構造(16)は、複数の前記プリーツ(9、10)が互いに向かい合っているとき、複数の前記構造(16)を弾性変形可能とすることで前記内部空間(8)に存在する1つの前記プリーツ(9、10)の前記側面(12、14)間の接触面が拡大するよう、設計されている、ベローズ(1)。
【請求項2】
請求項1に記載のベローズ(1)であって、
2つの前記プリーツ(9、10)が前記軸(5)に沿って互いに隣接して配置されている場合、対向する2つの前記側面(12、14)のうちの一方のみが、複数の前記構造(16)を有する、ベローズ(1)。
【請求項3】
請求項1または2に記載のベローズ(1)であって、
複数の前記構造(16)のそれぞれが、高さ(18)にわたって前記軸(5)に交差する径方向(17)に延在し、
高さ/[(最大径-最小径)/2)]≧0.6
である、ベローズ(1)。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載のベローズ(1)であって、
前記側面(12、14)は、複数の前記構造(16)間に前記周方向(7)に沿って、平面(19)を有する、ベローズ(1)。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載のベローズ(1)であって、
前記側面(12、14)上の複数の前記構造(16)のそれぞれは、円形の形状を有する、ベローズ(1)。
【請求項6】
請求項3に記載のベローズ(1)であって、
前記円形の形状は、楕円形状であって、その最大径(20)が少なくとも前記径方向(17)に延びる、ベローズ(1)。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載のベローズ(1)であって、
前記側面(12、14)上に配置された複数の前記構造(16)のすべてが、隆起部または窪み部として設計されている、ベローズ(1)。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか一項に記載のベローズ(1)であって、
前記側面(12、14)上に配置された複数の前記構造(16)が、前記周方向(7)に沿って隆起部と窪み部として交互に設計されている、ベローズ(1)。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載のベローズ(1)であって、
複数の前記プリーツ(9、10)の前記直径(11、13、15)が、前記第1の端部(3)から前記第2の端部(4)に向かって連続して減少し、
複数の前記構造(16)は、前記第2の端部(4)に向いた複数の前記プリーツ(9、10)の第2の側面(14)上にのみ、配置される、ベローズ(1)。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載のベローズ(1)であって、
前記ベローズ(1)の複数の前記プリーツ(9、10)のすべてが、複数の前記構造(16)を有する、ベローズ(1)。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載のベローズ(1)と、
キャビティ(23)を有する外側ジョイント部(22)と、内側ジョイント部(24)と、外側ジョイント部(22)と内側ジョイント部(24)との間に配置された複数の転動体(25)と、を少なくとも含むジョイント(21)と、
を少なくとも備えるジョイント構成(2)であって、
前記内側ジョイント部(24)は、前記キャビティ(23)内に枢動可能に配置され、
前記ベローズ(1)は、前記ジョイント(21)の周辺領域(26)に対して前記キャビティ(23)を囲んでいる、ジョイント構成(2)。
【請求項12】
駆動部(28)と、
前記駆動部(28)によって駆動可能な少なくとも1つの車輪(29)と、
請求項1~10のいずれか一項に記載のベローズ(1)、または、請求項11に記載のジョイント構成(2)と、
を少なくとも備える自動車(27)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジョイント構成用のベローズ、ジョイント構成および自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
ジョイント構成は、例えば、(等速)ジョイントを備えている。このジョイント構成を介して、2つのシャフトを互いに枢動可能に接続することができる。このような(等速)ジョイントは、通常、外側ジョイント部、内側ジョイント部、それらの間に配置された転動体(例えば、等速ボールジョイントの場合はボール、トリポード型ジョイントの場合は転動体)から構成される。ベローズは、ジョイントをシールしたり、ジョイントの周囲から保護したりする役割を果たす。ベローズは、例えば、ベローズの第1の(大きい)端部が外側ジョイント部に取り付けられ、第2の(小さい)端部がシャフトに取り付けられて、外側ジョイント部から内側ジョイント部に接続されたシャフトまで延在する。ベローズは、例えば、止め輪によって外側ジョイント部(およびシャフト)に取り付けられる。
【0003】
このようなベローズが一般的には知られている。ベローズは、第1の端部と第2の端部との間を中空体として軸に沿って規則的に延在し、両端部の間で周方向に沿って軸を囲んで内部空間を形成する壁によって形成されている。この壁は、軸に沿って互いに隣り合って配置された少なくとも複数のプリーツによって、形成され、これらのプリーツは、軸に沿って変化する直径を有し、軸に対して横方向に延在し、壁によって形成される。ベローズが伸長した状態で、第1の端部、軸、第2の端部が同軸上に配置されている場合、各プリーツは、第1の最小径から、第1の側面を経由して第1の最大径まで、および、第2の側面を経由して第2の最小径まで軸に沿って延びる。上述のジョイント構成では、回転シャフトが互いに同軸に配置されていない場合でも、プリーツによってジョイントを永久的にシールすることができる。
【0004】
このようなプリーツは、通常、ベローズの(無負荷の)初期状態では円形状を有する。いくつかのプリーツの対応する最小径または最大径は、第1の端部から第2の端部に向かって、その大きさが連続的に小さくなり得る。
【0005】
ベローズの製造にはさまざまな製造方法が使用され得る。ベローズの材料(ゴム、熱可塑性物質)によっては、ハイドロフォーミング法および/または射出成形法が好ましい。熱可塑性材料で製造されたベローズは、少なくとも主に内部高圧法、特にいわゆる「プレスブロー成形」によって製造される。
【0006】
ベローズは、特に目的どおりに使用すれば、次のような摩耗や応力を受けることになる。
1.(プリーツの壁の)側面接触、摩擦、荷重による疲労
2.側面の圧力(プリーツの壁が互いに押し付けられること)による摩耗
3.周辺領域からの堆積物(埃、汚れなど)
【0007】
さらに、ベローズは、目的どおりに使用すると、特に、周知の「スティックスリップ減少」(隣接する接触面が短時間接着され、その後剥がれる)の結果、特にきしむようなノイズを発生する。
【0008】
とりわけ、冷間始動条件下では、つまり、ベローズが長期間の休止後に再び動き始めるとき、ベローズが故障するような、つまり、壁が破れて開くような、非常に高い負荷が、発生することがある。この場合、ベローズ内に規則的に配置された潤滑剤が、プリーツの所定の動き(つまり、互いに同軸上に配置されていないベローズの両端部の回転によって生じるプリーツの開きと相互の位置決め)を妨げているように見える。特に、プリーツと接触する潤滑剤の接着効果により、プリーツの開きが妨げられる。既知のプリーツまたは側面は、広い面積にわたって互いに対向する各平面を有し、その結果、接着効果が増大する。
【0009】
ベローズとしては、リブ状構造がプリーツの側面に配置された、米国特許第5,098,344号に記載のものが知られている。向かい合う側面のリブ部は互いに連結する。これらの構造は、対向する側面のスライド動作を軽減し、プリーツ間のねじり力の伝達を可能にすることにより、プリーツにかかる摩耗や応力を軽減することを目的としている。
【0010】
また、ベローズとしては、プリーツの少なくとも1つの側面が多数の隆起した領域または窪んだ領域を有する、米国特許出願公開第2004/0232630号明細書に記載のものが知られている。これは、対向する側面間の接触面を点接触に軽減し、側面が濡れたときに発生するノイズを最小限に抑えることを目的としている。
【発明の概要】
【0011】
本発明は、従来技術に関して挙げた問題の少なくとも一部を解決することを目的とする。特に、冷間始動条件に耐え得るよう有利に設計されたベローズが提案されている。
【0012】
請求項1に記載のベローズはこれらの問題の解決に寄与する。また、有利にさらに進展されたものが、従属請求項の主題である。特許請求の範囲に個々に列挙された特徴は、技術的に意味のある方法で互いに組み合わせることができ、明細書からの説明的事実およびは図からの詳細内容の少なくとも一方により、補足することができ、それによって本発明のさらなる実施形態が示される。
【0013】
ジョイント構成用のベローズが提案されている。このベローズは、第1の端部と第2の端部との間を中空体として軸に沿って延在し、両端部の間で周方向に沿って軸を囲んで内部空間を形成する壁によって形成されている。この壁は、軸に沿って並んで配置された少なくとも複数のプリーツによって形成される。各プリーツは、第1の最小径から第1の側面を経て第1の最大径まで、および、第2の側面を経て第2の最小径まで軸に沿って延びる。
【0014】
特に、少なくとも1つのプリーツ(または複数のプリーツ、あるいは、すべてのプリーツ)において、(各プリーツの)側面は、周方向に沿って分布する複数の構造を有し、各構造は、内部空間を拡大させる隆起部または内部空間を縮小させる窪み部によって形成される。
【0015】
上記プリーツや構造は、特に、プリーツが互いに隣接する場合、構造を弾性変形可能とすることで、プリーツの側面間の内部空間に存在する接触面が拡大するように設計される。
【0016】
「隆起部」や「窪み部」という用語はそれぞれ、各側面の表面が平坦な形状から逸脱していることを意味する。各側面は、特に、それぞれの最小径と最大径との間で軸周りの周方向に沿って延在し、各構造を除いて、平面または平坦な形状の表面を有する。構造は、特に、表面が平面から不連続に遷移することによって特徴付けられている。
【0017】
上記壁は、特に、少なくとも各構造の領域および/または各側面の領域において一定の壁厚を有し、それにより、例えば、内部空間を拡大させる隆起部が、側面の内部空間に面する側に窪み部を形成する。逆に、内部空間を縮小させる窪み部は、側面の内部空間に面する側に隆起部を形成する。
【0018】
特に、仮想平面と隆起部または窪み部との最大偏差は、この領域における側面の壁厚の少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%である。特に、仮想平面と隆起部または窪み部との最大偏差は、この領域における側面の壁厚の最大50%、好ましくは最大30%、特に好ましくは最大25%である。
【0019】
両端部が同軸上に配置されておらず、ベローズが温かい状態である場合、ベローズの回転が終了すると、内部に存在する潤滑剤のほとんどが(プリーツが互いに押し付けられ、通常は平らな側面が互いに接触して接触面を形成する軸側で)プリーツの外に押し出されることがテストにおいて確認されている。
【0020】
圧縮された側面間に残る潤滑剤の非常に薄い膜は、接着剤のような働きをする。特に、それは、各側面の表面の不連続性(非平面)を補償し、互いに圧着されたプリーツ間に強力な接着効果をもたらす。平坦な側面を有する既知のプリーツは、特に大きな接触面を有する。このような接着効果は、特に潤滑剤が凍結状態にある場合に、低温周囲温度で(かつ、特に冷間始動条件下で)顕著である。
【0021】
その後(特に凍結した潤滑剤を有する)ベローズが回転を開始すると、各側面は上記接着効果による接着抵抗に抗して強制的に分離される(それによりプリーツが開く)。各プリーツの接合領域または接着接合領域の開きが遅れると、他の領域にさらなる応力が生じ、ひいては破損する可能性がある。
【0022】
通常の機能に必要な特性がすべて保持されるように、側面の形状を変更または形成することが提案されている。ただし、(プリーツが平面の場合)大きな連続接触面を中断する複数の構造が付加される。これらの構造は、各側面が互いに押し付けられると弾性的に変形する(平らな形状に戻る)ように設計されている。この挙動(つまり、互いに押し付けられた際の形状と弾性変形)によって側面の開放や分離が容易となり、少なくとも以下2つの方法で、接触面が形成される。
【0023】
1.側面同士が互いに押し付けられると、側面圧力が局所的に高くなるため、側面間に存在する潤滑剤が、少なくとも各構造の領域から、移動する。プリーツ間または側面間の接着力を伝達する接触面は、各構造(つまり、隆起部または窪み部)によって縮小する。これにより全体的な接着力が低下し、側面を分離したりプリーツを開いたりしやすくなる。
【0024】
2.各構造の平坦化変形において蓄えられた弾性エネルギーによって、各側面の分離や各プリーツの開放をサポートする力が生成される。
【0025】
したがって、特に、(例えば、米国特許第5,098,344号に提案されるような)プリーツが互いに押し付けられた際に連結する構造や、(例えば、米国特許出願公開第2004/0232630号明細書に提案されるような)弾性変形可能に設計されていない構造は、設けられていない。
【0026】
ベローズの両端部は、特に、中空の円筒形状を有し、そのそれぞれが、軸と同軸上に整列している。そのため、各端部を介して、シャフト上またはジョイント部上に、ベローズを配置することができる。
【0027】
軸は直線状に延びており、特に、少なくとも部分的に湾曲していてもよい。とりわけ、ベローズの両端部は、通常、互いに同軸ではない構成要素に取り付けられるため、ベローズを(例えば、ジョイント構成に)設置する際、軸は湾曲または傾斜する。
【0028】
両端部の開放端面を除けば、壁は特に閉じられているので、ベローズは、それ以外は完全に密閉された中空体を形成する。
【0029】
具体的には、ベローズは、軸に沿って互いに隣接して配置された複数のプリーツを有する。特に、軸に対して横方向に延び、壁によって囲まれまたは形成される各プリーツの直径は、軸に沿って本質的に連続的に変化する。特に、ベローズは(特に各構造を除いて)回転対称である。
【0030】
各プリーツは、第1の最小径から、第1の側面を経由して第1の最大径まで、および、第2の側面を経由して第2の最小径まで、軸に沿って延びる。これにより、第1の最大径はこれらの最小径の間に配置される。
【0031】
2つのプリーツが軸に沿って互いに隣接して配置される場合、特に、第1のプリーツの第2の最小径が、第2のプリーツの第1の最小径を形成する。これにより、最小径と最大径が軸に沿って交互に配置される。
【0032】
ベローズの伸長(初期)状態では、最小径と最大径は互いに平行に延びる。特に、最小径および最大径と両端部とは互いに同軸上に配置される。
【0033】
ベローズの側面図(具体的には、軸が延在する平面における断面図)、すなわち、軸を横切る方向から見た図において、ベローズの壁は、ジグザグ状または鋸歯状の軌道を特に生じる。このようなジグザグ状または鋸歯状の軌道に沿って、特に、最小径は壁の軌道の極小値を形成し、最大径は極大値を形成する。
【0034】
特に、2つのプリーツが軸に沿って互いに隣接して配置されて、2つの対向する側面のうちの一方のみがそれらの各構造を有する。とりわけ、これにより、プリーツが互いに押し付けられた際、各構造が他のプリーツの平らな側面上に支持され、それゆえ変形して元に戻ることが可能になる。
【0035】
あるいは、2つのプリーツが軸に沿って互いに隣接して配置される場合、対向する側面はそれぞれ各隆起部(すなわち、内部空間を拡大する各構造)を有する。これにより、特に、プリーツが互いに押し付けられた際、各構造が平らな側面上または他のプリーツの隆起部上に支持されることによって、変形して元に戻ることが可能になる。
【0036】
またあるいは、プリーツの対向する側面それぞれは、各窪み部(すなわち、内部空間を縮小させる各構造)を有する。これにより、特に、プリーツが互いに押し付けられた際、一方の側面の各構造が、形成されたばかりの側面上または他方の側面の窪み部上に支持されることによって変形して元に戻ることが可能になる。
【0037】
特に、複数の構造のそれぞれが、ある高さにわたって軸に交差する径方向に延在し、それにより、以下が適用される。
高さ/[(最大径-最小径)/2)]≧0.6
【0038】
特に、この比率、すなわち、高さ/[(最大径-最小径)/2]は、少なくとも0.7、さらに少なくとも0.8である。とりわけ、各構造が、特にそれぞれの反転領域の外側(すなわち、2つの隣接する側面間の遷移部の外側)に、配置されているため、この比率は0.95未満である。
【0039】
したがって、各構造が各側面の大部分にわたって延在することで、弾性変形可能な各領域が可能な限り大きくなり、ひいては平らな各接触面が可能な限り小さくなる。
【0040】
特に、側面は、複数の構造間に周方向に沿って、平面を有する。
【0041】
特に、側面の各構造それぞれは、円形(円、楕円など)の形状を有する。しかしながら、他の形状、例えば、角を有する形状であってもよい。
【0042】
特に、円形とは、楕円形であって、その最大径が少なくとも径方向に延びる。とりわけ、その形状の最小径は周方向に延びる。
【0043】
特に、側面上に配置されたすべての複数の構造が、隆起部または窪み部として設計されている。
【0044】
特に、側面上に配置された複数の構造が、周方向に沿って隆起部と窪み部として交互に設計されている。
【0045】
特に、複数のプリーツの直径が、第1の端部から第2の端部に向かって連続して減少する。
【0046】
特に、複数の構造は、第2の端部に向いた複数のプリーツ(9、10)の各側面上にのみ、配置される。
【0047】
特に、ベローズのすべてのプリーツが、複数の構造を有する。
【0048】
前述のベローズと、キャビティを有する外側ジョイント部と、内側ジョイント部と、外側ジョイント部と内側ジョイント部との間に配置された複数の転動体と、を少なくとも含むジョイントと、を少なくとも備えるジョイント構成が、さらに提案されている。内側ジョイント部は、キャビティ内に枢動可能に配置される。折り畳み式ベローズは、ジョイントの周辺領域に対してキャビティを囲んでいる。特に、ジョイント構成は、内部ジョイント部に接続可能な、または、接続されるシャフトも備える。
【0049】
ベローズは、特に、ジョイントの周辺領域に対してジョイントをシールまたは保護する役割を果たす。ベローズは、例えば、その第1の(大きい)端部が外側ジョイント部に取り付けられ、第2の(小さい)端部がシャフトに取り付けられて、外側ジョイント部から内側ジョイント部に接続されたシャフトまで延在する。ベローズは、例えば、止め輪によって外側ジョイント部に(およびシャフトに)取り付けられて使用される。
【0050】
少なくとも1つの駆動部と、駆動部によって駆動可能な少なくとも1つの車輪と、前述のベローズ、または、前述のジョイント構成と、を備える自動車が、さらに提案される。
【0051】
具体的には、駆動部によって生成されたトルクは、ジョイント構成を介して車輪に伝達される。しかしながら、車輪は自動車の非駆動輪として配置することもできる。
【0052】
ベローズは、自動車の構成要素、特に、ジョイントの外側ジョイント部に取り付けることができ、ジョイントの内側ジョイント部に接続されたシャフト上のアタッチメントまで延在することができる。
【0053】
ベローズに関する説明は、特に、ジョイント構成と自動車に適用することができ、またその逆も同様である。
【0054】
特に、特許請求項及びこれらを再掲する記載において、不定冠詞(「a」、「an」)は、数詞として使用したものではなく、そのまま理解すべきであることを意図している。従って、これにより導入される用語や構成要素は、少なくとも一回は存在しているが、特に、数回存在することもありうると理解すべきことを意図している。
【0055】
疑義を回避するために言えば、本明細書において使用する序数詞(「第1」、「第2」、等)は、主として、幾つかの同じような対象物、数値、ステップを区別するため(のみ)に供されるものであり、即ち、特に、これらの序数詞が、これら対象物、数値、ステップの、互いに対する任意の依存関係や順序を必ずしも定めるものでない。依存関係や順序が必要である場合には、このことは本明細書に明記されるか、又は、実際に記載されている構成を精査することにより、当業者にとって明らかになる。構成要素が1回以上(「少なくとも1つ」)生じ得る場合は、それらの構成要素の1つに関する記載は、これらの複数の構成要素の全て又は幾つかに等しく当てはまり得るが、必ずそのようであるわけではない。
【0056】
以下で、添付の図を参照して、本発明及び技術的内容をより詳細に説明する。実施形態により本発明が限定されることを意図しないことに留意すべきである。特に、図及び特に図示された比率は、単に概略的なものにすぎないことに留意すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【
図1】
図1は、ジョイント構成を備えた自動車の側面断面図である。
【
図2】
図2は、連結した第1状態のジョイント構成を示す図である。
【
図3】
図3は、伸長状態における
図2によるジョイント構成を示す図である。
【
図4】
図4は、連結した第2状態の
図2および
図3によるジョイント構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
図1は、連結したジョイント構成2を備えた自動車27の側断面図を示す。自動車27は、駆動部28と、駆動部28によって駆動可能な車輪29と、ジョイント構成2とを備えている。
【0059】
ジョイント構成2は、ベローズ1とジョイント21を有する。ジョイント21は、ここでは一般に知られるトリポード型ジョイントとして設計されている。もちろん、ジョイント21は、基本的に知られるボール等速ジョイントとして設計することもできる。
【0060】
ジョイント21は、キャビティ23を有する外側ジョイント部22と、(複数のトラニオン31を有する)内側ジョイント部24と、外側ジョイント部22と内側ジョイント部24の間に配置される複数の転動体25(トラニオン31上に配置される)とを備える。内側ジョイント部24は、キャビティ23内に枢動可能に配置されている。ベローズ1は、ジョイント21の周辺領域26に対してキャビティ23を取り囲んでいる。また、ジョイント構成2は、内側ジョイント部24に接続されたシャフト32を備える。車輪29は、シャフト32を介してジョイント21に接続される。
【0061】
ベローズ1は、ジョイント21の周辺領域26に対してジョイント21をシールまたは保護するように機能する。ベローズ1は、外側ジョイント部22から内側ジョイント部24に接続されたシャフト32まで延在する。そこで、ベローズ1は、その大きな第1の端部3により外側ジョイント部22に取り付けられ、小さな第2の端部4によりシャフト32に取り付けられている。ベローズ1を外側ジョイント部22およびシャフト32に固定するために止め輪30が設けられている。
【0062】
ベローズ1は、軸5に沿って中空体として第1の端部3と第2の端部4との間に延在し、周方向7に沿って両端部3、4間で軸5を囲んで内部空間8を形成する壁6によって、形成される。この壁6は、少なくとも、軸5に沿って互いに隣り合って配置された複数のプリーツ9、10によって、形成され、これらのプリーツは、軸5に沿って異なり軸に対して横方向に延び壁6に囲まれた直径11、13、15を、有する。各プリーツ9、10は、第1の最小径11から、第1の側面12を経由して第1の最大径13まで、および、第2の側面14を経由して第2の最小径15まで、軸5に沿って延びている。
【0063】
ベローズ1の伸長(初期)状態では、最小および最大の直径11、13、15は互いに平行に延びる。最小および最大の直径11、13、15と端部3、4は互いに同軸上に配置されている。
【0064】
軸5は直線状に延びているが、具体的には、少なくとも部分的に湾曲または傾斜していてもよい(
図2、
図4参照)。
【0065】
両端部3、4の開放端面を除けば、壁6は閉じており、ベローズ1は、それ以外は完全に密閉された中空体を形成する。
【0066】
軸5に対して横方向に延び、壁6によって囲まれるまたは形成される各プリーツ9、10の直径11、13、15は、軸5に沿って本質的に連続的に変化する。ベローズ1は回転対称である。
【0067】
ベローズ1の側面図、すなわち、軸5を横切る方向から見た図では、ベローズ1の壁6がジグザグ状または鋸歯状の軌道となる。このようなジグザグ状または鋸歯状の軌道に沿って、最小径11、15はそれぞれ壁6の軌道の極小値を形成し、最大径13は極大値を形成する。
【0068】
図2は、連結した第1の状態におけるジョイント構成2を示す。
図3は、伸長状態における
図2によるジョイント構成2を示す。
図4は、連結した第2状態における
図2および
図3によるジョイント構成を示す。以下、
図1の説明を参照して、
図2~
図4をまとめて説明する。
【0069】
図2~
図4はそれぞれ、上部にジョイント構成2を示し、下部にそれぞれの図の詳細を示す。いずれの場合も、第1の端部3によって外側ジョイント部22に取り付けられ、第2の端部4によってシャフト32に取り付けられたベローズ1が、様々な状態で示されている。
【0070】
両端部3、4が同軸上に配置されておらず(
図2、
図4参照)、ベローズ1が温かい状態である場合、ベローズ1の回転が終了すると、内部8に存在する潤滑剤34のほとんどが(プリーツ9、10が互いに押し付けられ通常は平らな側面12、14が互いに接触して接触面を形成する軸側で)プリーツ9、10の外に押し出されることがテストにおいて確認されている。
【0071】
圧着された側面12、14の間に残る潤滑剤の非常に薄い膜は、接着剤のような働きをする。具体的には、側面12、14の表面の不連続性(非平面)を補償し、それゆえ、圧着されたプリーツ9、10間に強力な接着効果をもたらす。側面12、14の平面19を有する既知のプリーツは、特に大きな接触面を有する(
図2参照)。このような接着効果は、特に潤滑剤34が凍結状態にある場合に、低温周囲温度で(かつ、特に冷間始動条件下で)で顕著である。
【0072】
その後ベローズ1が回転を開始すると(特に潤滑剤が凍結している場合)、側面12、14は上記接着効果による接着抵抗に抗して強制的に分離される(それによりプリーツ9、10が開く)。プリーツ9、10の接合領域または接着接合領域の開きが遅れると、他の領域にさらなる負荷が生じ、ひいては破損する可能性がある。
【0073】
【0074】
ベローズ1は、軸5に沿って中空体として第1の端部3と第2の端部4との間に延在し、周方向7に沿って端部3、4の間で軸5を囲んで内部空間8を形成する壁6によって、形成される。この壁6は、少なくとも、軸5に沿って互いに隣接して配置された複数のプリーツ9、10によって、形成される。各プリーツ9、10は、第1の最小径11から、第1の側面12を経由して第1の最大径13まで、および、第2の側面14を経由して第2の最小径15まで、軸5に沿って延びている。
【0075】
複数のプリーツ9、10の場合、第2の側面14は、周方向7に沿って分布する複数の構造16を有し、各構造16は、内部空間8を拡大する隆起部(
図10参照)、または、内部空間8を縮小する窪み部(
図8参照)によって形成される。
【0076】
プリーツ9、10および構造16は、プリーツ9、10が互いに接触している場合、構造16を弾性変形可能とすることで、プリーツ9、10の側面12、14間の内部空間8における接触面が(すなわち、構造16を形成する側面12、14の一方の表面が他方の側面14、12の表面と接触することによって)拡大するよう設計されている。
【0077】
「隆起部」や「窪み部」という用語はそれぞれ、各側面12、14の(平)面19の平坦な形状から逸脱していることを意味する。側面12、14は、それぞれの最小径11、15と最大径13との間で軸5周りの周方向7に沿って延在し、構造16を除いて、平面19または平坦な形状の表面を有する。構造16は、表面の不連続な遷移によって平坦な表面19と区別される(
図5~
図10参照)。
【0078】
壁6は、少なくとも構造16の領域および側面12、14の領域において、一定の壁厚を有し、それにより、例えば、内部空間8を拡大させる隆起部が、第2の側面14の内部空間8に面する側に窪み部を形成する(
図10参照)。逆に、内部空間8を縮小させる窪み部は、第2の側面14の内部空間8に面する側に隆起部を形成する。
【0079】
仮想平面19と隆起部または窪み部との最大偏差33は、この領域における第2の側面14の壁厚の約25%である。
【0080】
側面12、14の形状は、通常の機能に必要な特性がすべて保持されるように設計されている。ただし、第2の側面14は、(プリーツ9、10の平面19との)大きな連続接触面を中断する複数の構造16を、有する。これらの構造16は、側面12、14が互いに押し付けられると弾性的に変形する(平らな形状に戻る)ように設計される。この挙動(すなわち、互いに押し付けられたときの形状および弾性変形)によって、側面12、14の開きまたは分離が容易となり、少なくとも以下2つの方法で接触面が形成される。
【0081】
1.側面12、14が互いに押し付けられると、そこの表面圧力が局所的に高くなるため、側面12、14間に存在する潤滑剤34が、少なくとも各構造16の領域から、移動する。プリーツ9、10間または側面12、14間の接着力を伝達する接触面は、各構造16(つまり、隆起部または窪み部)によって縮小する。これにより、全体的な接着力が低下し、側面12、14を分離する、または、プリーツ9、10を開くことが、しやすくなる。
【0082】
2.各構造16の平坦化変形において蓄えられた弾性エネルギーによって、側面12、14の分離やプリーツ9、10の開きをサポートする力が生成される。
【0083】
2つのプリーツ9、10が軸5に沿って互いに隣接して配置されていることにより、2つの対向する側面12、14のうちの一方(ここでは2つの側面14)だけが複数の構造16を有する。具体的には、これにより、プリーツ9、10が互いに押し付けられた際に、各構造16が、他方のプリーツ10、9の第1の側面12上に支持され、それにより、変形して元に戻ることが可能になる。
【0084】
あるいは(ここでは不図示)、2つのプリーツ9、10が軸5に沿って互いに隣接して配置される場合、対向する側面12、14のそれぞれは、隆起部(すなわち、内部空間8を拡大する各構造16)を有する。具体的には、これにより、プリーツ9、10が互いに押し付けられた際に、各構造16が、形成されたばかりの側面12、14上または他方のプリーツ9、10の隆起部上にサポートされ,それゆえ変形して元に戻ることが可能になる。
【0085】
またあるいは(ここでは図示せず)、プリーツ9、10の対向する側面12、14のそれぞれは、窪み部(すなわち、内部空間8を縮小させる構造16)を有する。具体的には、これにより、プリーツ9、10が互いに押し付けられた際、一方の側面12、14の構造16が、形成されたばかりの側面12、14上または他方の側面12、14の窪み部上に、サポートされ,それゆえ変形して元に戻ることが可能になる。
【0086】
構造16のそれぞれは、高さ18にわたって軸5に交差する径方向17に延在し、以下の式が成り立つ。
高さ/[(側面の最大径-側面の最小径)/2]≧0.6
(
図8、
図10参照)。
【0087】
特に、この比率、つまり、高さ/[(最大径-最小径)/2]は、構造16がそれぞれの反転領域35の外側(すなわち、2つの隣接する側面12、14間の遷移部の外側)に配置されているため、0.95未満となる(
図8、
図10参照)。
【0088】
したがって、構造体16は、各側面12、14の大部分にわたって延在することで、弾性変形可能な領域が可能な限り大きくなり、ひいては平らな接触面が可能な限り小さくなる。
【0089】
第2の側面14は、構造16間に、周方向7に沿って平面19を有する。第1の側面12は、周方向7に沿って、反転領域35間に平面19を有する。
【0090】
第2の側面14上の構造16はそれぞれ丸い楕円形状を有する。この楕円形状の最大径20は、少なくとも径方向17に延びる。また、この形状の最小径は、すぐ分かるように、周方向7に延びる。
【0091】
特に、側面12、14上に配置されたすべての構造16は、隆起部(
図10に示す)または窪み部(
図8に示す)として設計される。代替的または追加的に、側面12、14上に配置された構造16は、周方向7に沿って隆起部(
図10に示す)および窪み部(
図8に示す)として交互に配置されるように設計される。
【0092】
プリーツ9、10の直径11、13、15が、第1の端部3から第2の端部4に向かって連続的に減少していることが分かる。
【符号の説明】
【0093】
1 ベローズ
2 ジョイント構成
3 第1の端部
4 第2の端部
5 軸
6 壁
7 周方向
8 内部空間
9 第1のプリーツ
10 第2のプリーツ
11 第1の最小径
12 第1の側面
13 第1の最大径
14 第2の側面
15 第2の最小径
16 構造
17 径方向
18 高さ
19 平面
20 形状の最大径
21 ジョイント
22 外側ジョイント部
23 キャビティ
24 内側ジョイント部
25 転動体
26 周辺領域
27 自動車
28 駆動部
29 車輪
30 サークリップ
31 ジャーナル
32 シャフト
33 偏差
34 潤滑剤
35 反転領域
【手続補正書】
【提出日】2024-06-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジョイント構成(2)用のベローズ(1)であって、
ベローズ(1)は、軸(5)に沿って中空体として第1の端部(3)と第2の端部(4)との間に延在し、周方向(7)に沿って前記第1と第2の端部(3、4)間で前記軸(5)を囲み内部空間(8)を形成する壁(6)によって、形成され、
前記壁(6)は、前記軸(5)に沿って並んで配置された少なくとも複数のプリーツ(9、10)によって、形成され、
複数の前記プリーツ(9、10)のそれぞれは、第1の最小径(11)から、第1の側面(12)を経由して第1の最大径(13)まで、および、第2の側面(14)を経由して第2の最小径(15)まで、前記軸(5)に沿って延在し、
複数の前記プリーツ(9、10)の少なくとも1つは、側面(12、14)が、前記周方向(7)に沿って分布する複数の構造(16)を有し、
複数の前記構造(16)のそれぞれは、前記内部空間(8)を拡大する隆起部、または、前記内部空間を縮小する窪み部によって、形成され、
複数の前記プリーツ(9、10)と複数の前記構造(16)は、複数の前記プリーツ(9、10)が互いに向かい合っているとき、複数の前記構造(16)を弾性変形可能とすることで前記内部空間(8)に存在する1つの前記プリーツ(9、10)の前記側面(12、14)間の接触面が拡大するよう、設計されている、ベローズ(1)。
【請求項2】
請求項1に記載のベローズ(1)であって、
2つの前記プリーツ(9、10)が前記軸(5)に沿って互いに隣接して配置されている場合、対向する2つの前記側面(12、14)のうちの一方のみが、複数の前記構造(16)を有する、ベローズ(1)。
【請求項3】
請求項1または2に記載のベローズ(1)であって、
複数の前記構造(16)のそれぞれが、高さ(18)にわたって前記軸(5)に交差する径方向(17)に延在し、
高さ/[(最大径-最小径)/2)]≧0.6
である、ベローズ(1)。
【請求項4】
請求項1または2に記載のベローズ(1)であって、
前記側面(12、14)は、複数の前記構造(16)間に前記周方向(7)に沿って、平面(19)を有する、ベローズ(1)。
【請求項5】
請求項1または2に記載のベローズ(1)であって、
前記側面(12、14)上の複数の前記構造(16)のそれぞれは、円形の形状を有する、ベローズ(1)。
【請求項6】
請求項3に記載のベローズ(1)であって、
円形の形状は、楕円形状であって、その最大径(20)が少なくとも前記径方向(17)に延びる、ベローズ(1)。
【請求項7】
請求項1または2に記載のベローズ(1)であって、
前記側面(12、14)上に配置された複数の前記構造(16)のすべてが、隆起部または窪み部として設計されている、ベローズ(1)。
【請求項8】
請求項1または2に記載のベローズ(1)であって、
前記側面(12、14)上に配置された複数の前記構造(16)が、前記周方向(7)に沿って隆起部と窪み部として交互に設計されている、ベローズ(1)。
【請求項9】
請求項1または2に記載のベローズ(1)であって、
複数の前記プリーツ(9、10)の前記直径(11、13、15)が、前記第1の端部(3)から前記第2の端部(4)に向かって連続して減少し、
複数の前記構造(16)は、前記第2の端部(4)に向いた複数の前記プリーツ(9、10)の第2の側面(14)上にのみ、配置される、ベローズ(1)。
【請求項10】
請求項1または2に記載のベローズ(1)であって、
前記ベローズ(1)の複数の前記プリーツ(9、10)のすべてが、複数の前記構造(16)を有する、ベローズ(1)。
【請求項11】
請求項1または2に記載のベローズ(1)と、
キャビティ(23)を有する外側ジョイント部(22)と、内側ジョイント部(24)と、外側ジョイント部(22)と内側ジョイント部(24)との間に配置された複数の転動体(25)と、を少なくとも含むジョイント(21)と、
を少なくとも備えるジョイント構成(2)であって、
前記内側ジョイント部(24)は、前記キャビティ(23)内に枢動可能に配置され、
前記ベローズ(1)は、前記ジョイント(21)の周辺領域(26)に対して前記キャビティ(23)を囲んでいる、ジョイント構成(2)。
【請求項12】
駆動部(28)と、
前記駆動部(28)によって駆動可能な少なくとも1つの車輪(29)と、
請求項1に記載のベローズ(1)、または、請求項11に記載のジョイント構成(2)と、
を少なくとも備える自動車(27)。
【外国語明細書】