(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116096
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】表示装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20240820BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240820BHJP
H05B 33/14 20060101ALI20240820BHJP
H05B 33/26 20060101ALI20240820BHJP
H10K 59/122 20230101ALI20240820BHJP
H10K 59/179 20230101ALI20240820BHJP
H10K 50/824 20230101ALI20240820BHJP
H10K 59/121 20230101ALI20240820BHJP
H10K 50/844 20230101ALI20240820BHJP
H10K 50/842 20230101ALI20240820BHJP
H10K 71/60 20230101ALI20240820BHJP
H10K 59/124 20230101ALI20240820BHJP
H10K 59/131 20230101ALI20240820BHJP
【FI】
G09F9/30 349Z
G09F9/30 338
G09F9/30 365
G09F9/00 338
G09F9/30 309
H05B33/14 Z
H05B33/26
H10K59/122
H10K59/179
H10K50/824
H10K59/121
H10K50/844
H10K50/842 428
H10K71/60
H10K59/124
H10K59/131
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024018976
(22)【出願日】2024-02-09
(31)【優先権主張番号】10-2023-0019850
(32)【優先日】2023-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】李 東 勳
(72)【発明者】
【氏名】金 玄 俊
(72)【発明者】
【氏名】金 慧 ▲ミン▼
(72)【発明者】
【氏名】徐 榮 完
(72)【発明者】
【氏名】李 根 虎
(72)【発明者】
【氏名】李 仙 花
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107AA05
3K107BB01
3K107CC36
3K107DD37
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3K107EE03
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3K107GG11
3K107GG37
5C094AA02
5C094AA10
5C094BA03
5C094BA27
5C094CA20
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5G435AA03
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5G435LL04
5G435LL07
5G435LL08
(57)【要約】
【課題】画素の開口率を向上させる表示装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】表示装置は、第1発光素子と、第2発光素子と、前記第1発光素子と前記第2発光素子との間に配置され、前記第1発光素子及び前記第2発光素子に電気的に接続される隔壁導電層とを含み、前記隔壁導電層に隔壁開口部が画定・形成(定義)されており、前記隔壁開口部は、前記第1発光素子と前記第2発光素子との間に配置される。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1発光素子と、
第2発光素子と、
前記第1発光素子と前記第2発光素子との間に配置され、前記第1発光素子及び前記第2発光素子に電気的に接続される隔壁導電層と、を含み、
前記隔壁導電層に隔壁開口部が画定・形成されており、前記隔壁開口部は、前記第1発光素子と前記第2発光素子との間に配置される表示装置。
【請求項2】
前記第1及び第2発光素子のそれぞれは、前記第1及び第2発光素子のそれぞれに隣接した前記隔壁導電層の側面に電気的に接続する請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記隔壁導電層は、前記隔壁開口部によって電気的に分離されることで、前記第1発光素子及び前記第2発光素子を電気的に分離する請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記隔壁導電層は、
前記第1発光素子に隣接して前記第1発光素子に電気的に接続される第1隔壁導電層と、
前記第2発光素子に隣接して前記第2発光素子に電気的に接続され、前記隔壁開口部によって前記第1隔壁導電層と電気的に分離される第2隔壁導電層と、を含む請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1隔壁導電層は閉ループ状を有し、前記第1発光素子を囲み、
前記第2隔壁導電層は閉ループ状を有し、前記第2発光素子を囲む請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1発光素子は、前記第1発光素子を囲む前記第1隔壁導電層の第1内側面に接触し、
前記第2発光素子は、前記第2発光素子を囲む前記第2隔壁導電層の第2内側面に接触する請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1隔壁導電層よりも下方に配置され、前記第1隔壁導電層に電気的に連結されるトランジスタを更に含む請求項4に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1隔壁導電層と前記トランジスタとの間に配置される絶縁層と、
平面上にて見たとき、前記第1隔壁導電層に重畳する前記絶縁層の部分に画定・形成されたコンタクト孔に配置される発光接続部と、を更に含み、
前記発光接続部は、前記第1隔壁導電層から延長され、前記コンタクト孔を介して前記トランジスタに電気的に連結される請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1発光素子及び前記第2発光素子が配置されるための発光開口部が画定・形成された画素画定膜を更に含み、
前記隔壁導電層は前記画素画定膜の上に配置される請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記絶縁層は無機層を含む請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第1及び第2発光素子が配置されるための開口部が、前記隔壁導電層に画定・形成されており、前記開口部は、前記発光開口部に重畳し、前記発光開口部よりも大きい面積を有する請求項9に記載の表示装置。
【請求項12】
前記隔壁導電層は、
前記画素定義膜の上に配置される第1導電層と、
前記第1導電層の上に配置される第2導電層と、
前記第2導電層の上に配置される第3導電層と、を含み、
前記第1及び第2発光素子それぞれに隣接した前記第1及び第3導電層の側面は、前記第1及び第2発光素子のそれぞれに隣接した、前記第2導電層の側面よりも外側に突出する請求項9に記載の表示装置。
【請求項13】
第1発光素子は、
前記画素画定膜の下に配置され、前記発光開口部のうちの対応する発光開口部によって所定部分が露出される第1電極と、
前記第1電極の上に配置される第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に配置される機能層と、
前記機能層内に配置される発光層と、を含み、
前記機能層及び前記第2電極は、前記第2導電層の前記側面に接触する請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記機能層及び前記第2電極は、前記隔壁導電層の上に更に配置され、前記隔壁導電層と前記第2電極とは前記機能層によって互いに絶縁される請求項13に記載の表示装置。
【請求項15】
前記第1及び第2発光素子及び前記隔壁導電層の上に配置される薄膜封止層を更に含み、
前記開口部は、前記隔壁導電層及び前記薄膜封止層に連続して画定・形成される請求項1に記載の表示装置。
【請求項16】
前記薄膜封止層の上に配置されるカバー絶縁層を更に含み、前記カバー絶縁層は、前記隔壁開口部内に配置される請求項15に記載の表示装置。
【請求項17】
前記隔壁開口部内に配置されるダミー絶縁層を更に含む請求項1に記載の表示装置。
【請求項18】
前記ダミー絶縁層の上に配置されるスペーサを更に含むが、
前記スペーサの幅は前記スペーサの下面から前記スペーサの上面に行くほど大きくなる請求項17に記載の表示装置。
【請求項19】
前記第1及び第2発光素子及び前記隔壁導電層の上に配置される薄膜封止層を更に含み、
前記薄膜封止層は前記開口部内に配置される請求項1に記載の表示装置。
【請求項20】
ベース層の上に第1電極を提供するステップと、
前記第1電極の部分を露出させる発光開口部が画定・形成(された画素画定膜を前記第1電極の上に提供するステップと、
前記第1電極及び前記画素画定膜の上に隔壁導電層を提供するステップと、
前記発光開口部に重畳し、前記発光開口部より大きい面積を有する、前記隔壁導電層の第1除去部を除去・形成するステップと、
前記画素開口部のそれぞれに、機能層、前記機能層内に配置される発光層、及び、前記機能層の上に配置される第2電極を提供し、前記隔壁導電層の上に前記機能層及び前記第2電極を提供するステップと、
前記第2電極の上に薄膜封止層を提供するステップと、
前記発光開口部同士の間に配置される、前記隔壁導電層の第2除去部に重畳する、前記薄膜封止層の部分、前記第2除去部に重畳する前記機能層の部分、前記第2除去部に重畳する前記第2電極の部分、及び、前記隔壁導電層の第2除去部の箇所を除去することで、隔壁開口部を形成するステップと、を含み、
前記隔壁導電層は、前記隔壁開口部によって、その両側の領域が互いに電気的に分離される表示装置の製造方法。
【請求項21】
ベース層の上に第1電極を提供するステップと、
前記第1電極の部分を露出させる発光開口部が画定・形成された画素画定膜を前記第1電極の上に提供するステップと、
前記画素画定膜の上に隔壁導電層を提供するステップと、
前記発光開口部に重畳し、前記発光開口部よりも大きい面積を有する、前記隔壁導電層の第1除去部、及び、前記発光開口部同士の間に配置される前記隔壁導電層の第2除去部を除去・形成するステップと、
前記第2除去部が除去・形成されて前記隔壁導電層に画定・形成された隔壁開口部に、ダミー絶縁層を提供するステップと、
前記ダミー絶縁層の上にスペーサを提供するステップと、
前記画素開口部のそれぞれに、機能層、前記機能層内に配置される発光層、及び前記機能層の上に配置される第2電極を提供し、前記機能層及び前記第2電極を、前記隔壁導電層及び前記スペーサの上に提供するステップと、を含むが、
前記隔壁導電層は、前記隔壁開口部によって、その両側の領域が互いに電気的に分離される表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ、携帯電話、タブレットPC、コンピュータ、ナビゲーション、及びゲーム機などといったマルチメディア電子装置は、映像を表示するための表示装置を含む。表示装置は映像を表示する表示パネルを含み、表示パネルは映像を生成する複数個の画素を含む。
【0003】
画素のそれぞれは、発光素子と、発光素子を駆動するための画素駆動部とを含む。表示パネルの信頼性を向上させるために、発光素子と画素駆動部との連結に関する研究が進められている。
【0004】
画素駆動部と発光素子とを連結するために、連結配線が使用される。連結配線は、発光接続部を介して発光素子に連結され、駆動接続部を介して画素駆動部に連結される。発光接続部は、発光素子に重畳する(少なくとも部分的に重なり合う)ように配置される。発光接続部によって画素の開口率が減少する。画素の開口率を向上させるための技術開発が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国特許出願公開第110534660号
【特許文献2】米国特許第11348983号
【特許文献3】中国特許出願公開第110098344号
【特許文献4】中国特許出願公開第111628105号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、画素の開口率を向上させる表示装置及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施例による表示装置は、(1)第1発光素子と、(2)第2発光素子と、(3)前記第1発光素子と前記第2発光素子との間に配置され、前記第1発光素子及び前記第2発光素子に電気的に接続される隔壁導電層とを含み、前記隔壁導電層に隔壁開口部が画定・形成(定義)されるが、前記隔壁開口部は前記第1発光素子と前記第2発光素子との間に配置される。
【0008】
本発明の一実施例による表示装置の製造方法は、ベース層の上に第1電極を提供するステップと、前記第1電極の部分を露出させる発光開口部が画定・形成(定義)された画素画定(定義)膜を前記第1電極の上に提供するステップと、前記第1電極及び前記画素画定(定義)膜の上に隔壁導電層を提供するステップと、前記発光開口部に重畳し、前記発光開口部よりも大きい面積を有する、前記隔壁導電層の第1除去部を除去・形成するステップと、前記画素開口部のそれぞれに、機能層、前記機能層内に配置される発光層、及び、前記機能層の上に配置される第2電極を提供し、前記隔壁導電層の上に前記機能層及び前記第2電極を提供するステップと、前記第2電極の上に薄膜封止層を提供するステップと、前記発光開口部同士の間に配置される前記隔壁導電層の第2除去部に重畳する前記薄膜封止層の部分、前記第2除去部に重畳する前記機能層の部分、前記第2除去部に重畳する前記第2電極の部分、及び、前記隔壁導電層の第2除去部の箇所を除去することで、隔壁開口部を形成するステップと、を含み、前記隔壁導電層は、前記隔壁開口部によって、前記隔壁開口部を挟む両側の領域が互いに電気的に分離される。
【0009】
本発明の一実施例による表示装置の製造方法は、ベース層の上に第1電極を提供するステップと、前記第1電極の部分を露出させる発光開口部が画定・形成(定義)された画素定義膜を前記第1電極の上に提供するステップと、前記画素画定(定義)膜の上に隔壁導電層を提供するステップと、前記発光開口部に重畳し、前記発光開口部よりも大きい面積を有する前記隔壁導電層の第1除去部、及び前記発光開口部同士の間に配置される前記隔壁導電層の第2除去部を、除去・形成するステップと、前記第2除去部が除去・形成されることで前記隔壁導電層に画定・形成(定義)された隔壁開口部に、ダミー絶縁層を提供するステップと、前記ダミー絶縁層の上にスペーサを提供するステップと、画素開口部のそれぞれに、前記機能層、前記機能層内に配置される発光層、及び前記機能層の上に配置される第2電極を提供し、前記機能層及び前記第2電極を前記隔壁導電層及び前記スペーサの上に提供するステップと、を含み、前記隔壁導電層は前記隔壁開口部によって、その両側の領域が互いに電気的に分離される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一実施例によると、発光素子を駆動する画素駆動部のトランジスタは隔壁導電層の重畳する発光接続部を介して発光素子に連結される。発光接続部が発光素子に重畳せずに隔壁導電層に重畳するため、画素の開口率が向上される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施例による表示装置のブロック図である。
【
図2a】
図1に示した画素の一実施例による画素の等価回路図である。
【
図2b】
図1に示した画素の一実施例による画素の等価回路図である。
【
図3】本発明の一実施例による表示パネルの平面構成を概略的に示す図である。
【
図4】
図3に示した表示パネルの表示領域の一部領域を拡大した平面図である。
【
図5】
図4に示したいずれか一つの発光ユニット及び発光ユニットに連結される画素駆動部の駆動接続部を示す図である。
【
図6】
図4に示した構成に発光素子の第1電極を示す図である。
【
図8】
図7に示した第1領域AA1の拡大図である。
【
図9a】本発明の実施例による表示装置の製造方法を示す図である。
【
図9b】本発明の実施例による表示装置の製造方法を示す図である。
【
図9c】本発明の実施例による表示装置の製造方法を示す図である。
【
図9d】本発明の実施例による表示装置の製造方法を示す図である。
【
図9e】本発明の実施例による表示装置の製造方法を示す図である。
【
図9f】本発明の実施例による表示装置の製造方法を示す図である。
【
図9g】本発明の実施例による表示装置の製造方法を示す図である。
【
図10】本発明の他の実施例による表示装置の構成を示す図である。
【
図12】本発明の他の実施例による表示装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書において、ある構成要素(または領域、層、部分など)が他の構成要素の「上にある」、または「結合される」と言及されれば、それは他の構成要素の上に直接配置・連結・結合され得るか、またはそれらの間に第3の構成要素が配置され得ることを意味する。
【0013】
同じ図面符号は同じ構成要素を指す。また、図面において、構成要素の厚さ、割合、及び寸法は技術的内容の効果的な説明のために誇張されている。
【0014】
「及び/または」は、関連する構成が定義する一つ以上の組み合わせを全て含む。
【0015】
第1、第2などの用語は多様な構成要素を説明するのに使用されるが、前記構成要素は前記用語に限らない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的にのみ使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱しないながらも第1構成要素は第2構成要素と命名されてもよく、類似して第2構成要素も第1構成要素と命名されてもよい。単数の表面は文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。
【0016】
また、「下に」、「下側に」、「上に」、「上側に」などの用語は、図面に示した構成の連関関係を説明するために使用される。前記用語は相対的な概念であって、図面に示した方向を基準に説明される。
【0017】
異なるように定義されない限り、本明細書で使用された全ての用語(技術的及び科学的用語を含む)は、本発明の属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるようなものと同じ意味を有する。また、一般的に使用される辞書で定義された用語のような用語は、関連技術の脈絡で有する意味と一致する意味を有すると解釈すべきであって、ここで明示的に定義されない限り、理想的であるかまたは過度に形式的な意味で解釈されない。
【0018】
「含む」または「有する」などの用語は明細書の上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定するものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないと理解すべきである。
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施例による表示装置のブロック図である。
【0021】
図1を参照すると、表示装置DDは、表示パネルDPと、パネル駆動部SDC、EDC、DDCと、電源提供部PWSと、タイミング制御部TCとを含む。パネル駆動部SDC、EDC、DDCは、スキャン駆動部SDCと、発光駆動部EDCと、データ駆動部DDCとを含む。
【0022】
本実施例において、表示パネルDPは発光型表示パネルである。発光型表示パネルは、有機発光表示パネル、無機発光表示パネル、または量子ドット発光表示パネルを含む。以下、本発明の表示パネルは有機発光表示パネルであると説明される。
【0023】
表示パネルDPは、複数個のスキャンラインGWL1~GWLn、GCL1~GCLn、GIL1~GILn、GBL1~GBLn、GRL1~GRLnと、複数個の発光ラインESL1~ESLnと、複数個のデータラインDL1~DLmとを含む。m及びnは1より大きい自然数である。
【0024】
表示パネルDPは、スキャンラインGWL1~GWLn、GCL1~GCLn、GIL1~GILn、GBL1~GBLn、GRL1~GRLn、発光ラインESL1~ESLn、及びデータラインDL1~DLmに連結される複数個の画素PXijを含む。例示的に、
図1には、第i水平ライン(または第i画素行)及び垂直ライン(または第j画素列)に配置される一つの画素PXijが示されているが、実質的に複数個の画素PXijが表示パネルDP内に配置される。i及びjは自然数である。
【0025】
画素PXijは、i番目の第1スキャンライン(または記入スキャンライン)GWLi、i番目の第2スキャンライン(または補償スキャンライン)GCLi、i番目の第3スキャンライン(または第1初期化スキャンライン)GILi、i番目の第4スキャンライン(または第2初期化スキャンライン)GBLi、i番目の第5スキャンライン(またはリセットスキャンライン)GRLi、j番目のデータラインDLj、及びi番目の発光ラインESLiに連結される。
【0026】
画素PXijは、発光素子と、複数個のトランジスタと、複数個のキャパシタとを含む。画素PXijは電源提供部PWSを介して第1電源電圧VDDと、第2電源電圧VSSと、第3電源電圧(または基準電圧)VREFと、第4電源電圧(または第1初期化電圧)VINT1と、第5電源電圧(または第2初期化電圧)VINT2と、第6電源電圧(または補償電圧)VCOMPとを提供される。
【0027】
第1電源電圧VDD及び第2電源電圧VSSによって画素PXijの発光素子が駆動される。発光素子に電流が流れて発光素子が発光するように、第1電源電圧VDD及び第2電源電圧VSSの電圧値が設定される。例えば、第1電源電圧VDDは第2電源電圧VSSより高い電圧値と設定される。
【0028】
第3電源電圧VREFは画素PXijの駆動トランジスタのゲートを初期化するための電圧である。第4電源電圧VINT1は画素PXijのキャパシタを初期化するための電圧である。第5電源電圧VINT2は画素PXijの発光素子のカソードを初期化するための電圧である。
【0029】
第6電源電圧VCOMPは、駆動トランジスタの閾値電圧を補償する際に、駆動トランジスタに所定の電流を提供する。第6電源電圧VCOMPは、第5電源電圧VINT2と同じ電圧値と設定されるが、これに限らず、他の電圧値に設定されてもよい。
【0030】
図1において、電源提供部PWSから第1乃至第6電源電圧VDD、VSS、VREF、VINT1、VINT2、VCOMPが、いずれも表示パネルDPに提供されると示したが、本発明の実施例はこれに限らない。例えば、第1電源電圧VDD及び第2電源電圧VSSが画素PXijの構造とは関係なく表示パネルDPに提供され、第3、第4、第5、及び第6電源電圧VREF、VINT1、VINT2、VCOMPのうちの少なくとも一つの電圧は画素PXijの構造によって、表示パネルDPに提供されなくてもよい。
【0031】
スキャン駆動部SDCは、タイミング制御部TCから第1制御信号SCSを受信し、第1制御信号SCSに応答して複数個のスキャン信号を生成する。スキャン駆動部SDCは、第1スキャンラインGWL1~GWLn、第2スキャンラインGCL1~GCLn、第3スキャンラインGIL1~GILn、第4スキャンラインGBL1~GBLn、及び第5スキャンラインGRL1~GRLnにスキャン信号を提供する。
【0032】
スキャン信号は、スキャン信号を提供されるトランジスタがターンオンされる電圧レベルに設定される。例えば、P型トランジスタに提供されるスキャン信号は論理ローレベルに設定され、N型トランジスタに提供されるスキャン信号は論理ハイレベルに設定され、本発明の実施例において、画素PXijのトランジスタはN型トランジスタである。
【0033】
例示的に、
図1では、説明の便宜上、スキャン駆動部SDCが単一構成と示されているが、本発明の実施例はこれに限らない。例えば、表示装置DDは第1スキャンラインGWL1~GWLn、第2スキャンラインGCL1~GCLn、第3スキャンラインGIL1~GILn、第4スキャンラインGBL1~GBLn、及び第5スキャンラインGRL1~GRLnにスキャン信号を提供するための複数個のスキャン駆動部を含む。
【0034】
発光駆動部EDCはタイミング制御部TCから第2制御信号ECSを受信し、第2制御信号ECSに応答して複数個のスキャン信号を生成する。発光駆動部EDCは発光制御ラインESL1~ESLnに発光信号を提供する。
【0035】
データ駆動DDCは、タイミング制御部TCから第3制御信号DCS及び複数個の映像データRGBを受信する。データ駆動部DDCはデジタル形態の映像データRGBをアナログ形態の複数個のデータ信号(例えば、データ電圧)に変換する。データ駆動部DDCは第3制御信号DCSに応答してデータラインDL1~DLmにデータ信号を提供する。
【0036】
電源提供部PWSは、タイミング制御TCから提供された第4制御信号PCSに応答して画素PXijを駆動するための第1電源電圧VDD、第2電源電圧VSS、第3電源電圧VREF、第4電源電圧VINT1、第5電源電圧VINT2、及び第6電源電圧VCOMPを生成する。
【0037】
電源提供部PWSは第1電源電圧VDD、第2電源電圧VSS、第3電源電圧VREF、第4電源電圧VINT1、第5電源電圧VINT2、及び第6電源電圧VCOMPを表示パネルDPに提供する。第1電源電圧VDD、第2電源電圧VSS、第3電源電圧VREF、第4電源電圧VINT1、第5電源電圧VINT2、及び第6電源電圧VCOMPは画素PXijに連結される電源ライン(以下、
図2aに示す)を介して画素PXijに提供される。
【0038】
タイミング制御部TCは複数個の入力映像データIRGB、複数個の同期信号Sync(例えば、垂直同期信号及び水平同期信号など)、データイネーブル信号DE、及びクロック信号などに基づいて、第1制御信号SCS、第2制御信号ECS、第3制御信号DCS、及び第4制御信号PCSを生成する。
【0039】
第1制御信号SCSはスキャン駆動部SDCに提供され、第2制御信号ECSは発光駆動部EDCに提供される。第3制御信号DCSはデータ駆動部DDCに提供され、第4制御信号PCSは電源提供部PWSに提供される。
【0040】
タイミング制御部TCは、表示パネルDP内の画素PXijの配列に対応して入力映像データIRGBを再整列して映像データRGB(または、フレームデータ)を生成する。
【0041】
スキャン駆動部SDC、発光駆動部EDC、データ駆動部DDC、電源提供部PWS、及び/またはタイミング制御部TCは表示パネルDPに直接形成されるか、別途の駆動チップの形態に提供されて表示パネルDPに連結される。また、スキャン駆動部SDC、発光駆動部EDC、データ駆動部DDC、電源提供部PWS、及びタイミング制御部TCのうち少なくとも2つは一つの駆動チップとして形成されてもよい。例えば、データ駆動部DDC及びタイミング制御部TCは一つの駆動チップとして形成される。
【0042】
図2a及び
図2bは、
図1に示した画素の一実施例による画素の等価回路図である。
【0043】
例示的に、
図2a及び
図2bにはi番目の第1スキャンラインGWLi及びj番目のデータラインDLjに連結される画素PXij、PXij-1の等価回路図が示されている。
【0044】
図2aを参照すると、画素PXijは発光素子LDと画素駆動部PCとを含む。発光素子LDは第1電源ラインVDLと画素駆動部PCとの間に接続される。発光素子LDは画素駆動部PCによって駆動されて光を生成する。
【0045】
発光素子LDは、第1電極EL1(またはアノード)と、第2電極EL2(またはカソード)と、第1電極EL1と第2電極EL2との間の発光層(以下、
図7に示し)とを含む。第1電極EL1に第1電源電圧VDDが印加され、第2電極EL2に第2電源電圧VSSが印加される。
【0046】
画素駆動部PCは、複数個のi番目の第1、第2、第3、第4、及び第5スキャンラインGWLi、GCLi、GILi、GBLi、GRLi、j番目のデータラインDLj(以下、データラインと称する)、i番目の発光ラインESLi(以下、発光ラインと称する)、及び複数個の電源電圧ラインVDL、VSL、VIL1、VIL2、VRL、VCLに連結される。画素駆動部PCは、第1乃至第8トランジスタT1~T8と、第1キャパシタC1と、第2キャパシタC2とを含む。
【0047】
以下、i番目の第1、第2、第3、第4、及び第5スキャンラインGWLi、GCLi、GILi、GBLi、GRLiはそれぞれ記入スキャンラインGWLi、補償スキャンラインGCLi、第1初期化スキャンラインGILi、第2初期化スキャンラインGBLi、及びリセットスキャンラインGRLiと称する。
【0048】
以下、第1乃至第8トランジスタT1~T8はいずれもN型である場合を例に挙げて説明する。但し、本発明はこれに限らず、第1乃至第8トランジスタT1~T8のうち一部はN型トランジスタで、残りはP型トランジスタであってもよい。また、これに限らず、第1乃至第8トランジスタT1~T8はP型トランジスタであってもよい。
【0049】
第1乃至第8トランジスタT1~T8それぞれはソースと、ドレインと、ゲートとを含む。以下、
図2a及び
図2bにおいて、便宜上ソース及びドレインのうちいずれか一つは第1電極と称され、他の一つは第2電極と称される。
【0050】
第1トランジスタT1は第1ノードN1の電圧によってスイッチされる。第1トランジスタT1は第6トランジスタT6を介して発光素子LDの第2電極EL2に接続される。第1トランジスタT1は第7トランジスタT7を介して第2電源ラインVSLに接続される。
【0051】
第1トランジスタT1は、第1ノードN1に連結されるゲートと、第2ノードN2に連結される第1電極と、第3ノードN3に連結される第2電極とを含む。第1トランジスタT1は駆動トランジスタと定義される。
【0052】
第1トランジスタT1は、第1ノードN1の電圧によって、第1電源ラインVDLから発光素子LDを経由して第2電源ラインVSLに流れる駆動電流ILDを制御する。このような動作のために、第1電源電圧VDDは第2電源電圧VSSに比べ高いレベルを有する電圧と設定される。
【0053】
第2トランジスタT2は、第1ノードN1とデータラインDLjとの間に接続され、記入スキャン信号GWによってスイッチされる。第2トランジスタT2は、記入スキャンラインGWLiに連結されるゲートと、データラインDLjに連結される第1電極と、第1ノードN1に連結される第2電極とを含む。データラインDLjはデータ信号DATAを受信する。
【0054】
第2トランジスタT2は、記入スキャンラインGWLiを介して提供さる記入スキャン信号GWに応答して第1ノードN1にデータ信号DATAを提供する。第2トランジスタT2は記入スキャン信号GWによってターンオンされてデータラインDLjと第1ノードN1を電気的に連結する。第1ノードN1に伝達され、データ信号DATAはキャパシタC1に保存される。
【0055】
第3トランジスタT3は、第1ノードN1と基準電圧ラインVRLとの間に接続される。第3トランジスタT3は、リセットスキャンラインGRLiに連結されるゲートと、基準電圧ラインVRLに連結される第1電極と、第1ノードN1に連結される第2電極とを含む。
【0056】
基準電圧ラインVRLは、基準電圧VREFを受信し、リセットスキャンラインGRLiはリセットスキャン信号GRを受信する。第3トランジスタT3は、リセットスキャン信号GRに応答してターンオンされ、第1ノードN1に基準電圧VREFを提供する。
【0057】
第4トランジスタT4は、第3ノードN3と第1初期化電圧ラインVIL1との間に接続される。第4トランジスタT4は、第1初期化スキャンラインGILiに連結されるゲートと、第3ノードN3に連結される第1電源と、第1初期化電圧ラインVIL1に連結される第2電極とを含む。
【0058】
第1初期化スキャンラインGILiは、第1初期化スキャン信号GIを受信し、第1初期化電圧ラインVIL1は第1初期化電圧VINT1を受信する。第4トランジスタT4は第1初期化スキャン信号GIに応答してターンオンされ、第1初期化電圧VINT1を第3ノードN3に提供する。
【0059】
第5トランジスタT5は補償電源ラインVCLと第2ノードN2との間に接続される。第5トランジスタT5は、補償スキャンラインGCLiに連結されるゲートと、補償電圧ラインVCLに連結される第1電極と、第2ノードN2に連結される第2電極とを含む。
【0060】
補償スキャンラインCGLiは、補償スキャン信号CGを受信し、補償電圧ラインVCLは補償電圧VCOMPを受信する。第5トランジスタT5は、補償スキャン信号GCに応答してターンオンされ、補償電圧VCOMPを第2ノードN2に提供し、補償区間の間に第1トランジスタT1の閾値電圧が補償される。
【0061】
第6トランジスタT6は、第1トランジスタT1と発光素子LDとの間に接続される。第6トランジスタT6は、発光ラインESLiに連結されるゲートと、第4ノードN4に連結される第1電極と、第2ノードN2に連結される第2電極とを含む。
【0062】
発光ラインESLiは発光信号EMを受信する。第6トランジスタT6は、発光信号EMに応答してターンオンされて発光素子LDと第1トランジスタT1を電気的に連結する。
【0063】
第7トランジスタT7は、第2電源ラインVSLと第3ノードN3との間に接続される。第7トランジスタT7は、発光ラインESLiに連結されるゲートと、第3ノードN3に連結される第1電極と、第2電源ラインVSLに連結される第2電極とを含む。
【0064】
第2電圧ラインVSLは第2電源電圧VSSを受信する。第7トランジスタT7は、発光信号EMに応答してターンオンされて、第1トランジスタT1と第2電源ラインVSLを電気的に連結する。
【0065】
本発明の実施例において、第6トランジスタT6と第7トランジスタT7とは、同じ発光ラインESLiに連結されて同じ発光信号EMによってターンオンされるが、本発明の実施例はこれに限らない。例えば、第6トランジスタT6と第7トランジスタT7とは、互いに区別される他の信号によって独立にターンオンされてもよい。また、本発明の実施例による画素駆動部PCにおいて、第6トランジスタT6と第7トランジスタT7のうちいずれか一つは省略されてもよい。
【0066】
第8トランジスタT8は、第2初期化電圧ラインVIL2と第4ノードN4との間に接続される。第8トランジスタT8は、第2初期化スキャンラインGBLiに連結されるゲートと、第2初期化電圧ノードVIL2に連結される第1電源と、第4ノードN4に連結される第2電極とを含む。
【0067】
第2初期化スキャンラインGBLiは第2初期化スキャン信号GBを受信し、第2初期化電圧ラインVIL2は第2初期化電圧VINT2を受信する。第8トランジスタT8は第2初期化スキャン信号GBに応答してターンオンされ、発光素子LDの第2電極EL2に連結される第4ノードN4に第2初期化電圧VINT2を提供する。発光素子LDの第2電極EL2は、第2初期化電圧VINT2によって初期化される。
【0068】
本発明の実施例において、第5及び第8トランジスタT5、T8は、同じスキャン信号によってターンオンされて同じ電圧を提供される。例えば、第5及び第8トランジスタT5、T8は、同じ補償スキャン信号GCによって同時にオン/オフされる。
【0069】
このような場合、補償スキャンラインGCLiと第2初期化スキャンラインGBLiは実質的に単一のスキャンラインとして提供される。よって、発光素子LDのカソード初期化と第1トランジスタT1の閾値電圧補償が同じタイミングで行われる。
【0070】
また、本発明の実施例において、発光素子LDの第2電極EL2の初期化と第1トランジスタT1の閾値電圧補償が同じ電源電圧で行われる。例えば、補償電圧ラインVCLと第2初期化電圧ラインVIL2が実質的に単一の電源電圧ラインとして提供される。このような場合、一つの電源電圧で発光素子LDの第2電極EL2の初期化と第1トランジスタT1の閾値電圧補償動作が行われるため、駆動部の設計が単純化される。
【0071】
第1キャパシタC1は、第1ノードN1と第2ノードN2との間に接続される。第1キャパシタC1は、第1ノードN1と第3ノードN3との間の電圧差に対応する電荷を保存する。第1キャパシタC1はストレージキャパシタと定義される。
【0072】
第1キャパシタC1は、第1ノードN1に連結される第1キャパシタ電極と、第3ノードN3に連結される第2キャパシタ電極とを含む。第2キャパシタ電極は、第1トランジスタT1と第2電源ラインVSLとの間に接続される。第1キャパシタ電極は第1トランジスタT1のゲートに連結され、第2キャパシタ電極は第1トランジスタT1の第2電極に連結される。
【0073】
第2キャパシタC2は、第3ノードN3と第2電源VSLとの間に接続される。第2キャパシタC2は、第3ノードN3に連結される第3キャパシタ電極と、第2電源ラインVSLに連結される第4キャパシタ電極とを含む。第2キャパシタC2は、第2電源電圧VSSと第2ノードN2との間の電圧差に対応する電荷を保存する。第2キャパシタC2はホールドキャパシタと定義される。
【0074】
第2キャパシタC2は、第1キャパシタC1に比べ高い保存容量を有する。よって、第2キャパシタC2は、第1ノードN1の電圧変化に対応して第3ノードN3の電圧変化を最小化する。
【0075】
発光素子LDは第4ノードN4を介して画素駆動部PCと連結される。発光素子LDの第1電極EL1は第1電源ラインVDLに連結され、発光素子LDの第2電極EL2は第4ノードN4に連結される。発光素子LDは第2電極EL2を介して画素駆動部PCと連結される。
【0076】
発光素子LDと画素駆動部PCが連結される接続ノードは第4ノードN4であるが、第4ノードN4は第6トランジスタT6の第1電極と発光素子LDの第2電極EL2との間の接続ノードに対応する。よって、第4ノードN4の電位は実質的に発光素子LDの第2電極EL2の電位と対応する。
【0077】
発光素子LDの第1電極EL1には静電圧である第1電源電圧VDDが印加され、発光素子LDの第2電極EL2は第6トランジスタT6を介して第1トランジスタT1に連結される。このような連結構造によって、第1乃至第8トランジスタT1~T8がN型トランジスタである本実施例において、駆動トランジスタである第1トランジスタT1のソースに対応する第3ノードN3の電位は発光素子LDの特性によって直接的な影響を受けない。
【0078】
このような場合、発光素子LDの劣化が発生しても、画素駆動部PCを構成するトランジスタに及ぼす影響が減少する。特に、発光素子LDの劣化による、駆動トランジスタのゲート-ソース電圧Vgsに及ぼす影響が減少する。つまり、発光素子LDが劣化しても駆動電流の変化量が減少するため、使用時間の増加による表示パネルDPの残像不良が減少されて画素PXijの寿命が向上される。
【0079】
図2bを参照すると、画素PXijは2つのトランジスタT1、T2及び一つのキャパシタC1を含む画素駆動部PC-1を含んでもよい。画素駆動部PC-1は発光素子LD、記入スキャンラインGWLi、データラインDLj、及び第2電源ラインVSLに連結される。
図2bに示した画素駆動部PC-1は、
図2aに示した画素駆動部PCにおいて第3乃至第8トランジスタT3~T8と第2キャパシタC2が省略された構造を有する。
【0080】
第1トランジスタT1は、第1ノードN1に連結されるゲートと、第2ノードN2に連結される第1電極と、第3ノードN3に連結される第2電極とを含む。第1トランジスタT1は第2ノードN2を介して発光素子LDに連結され、第3ノードN3を介して第2電源ラインVSLに連結される。第1トランジスタT1は駆動トランジスタと定義される。
【0081】
第2トランジスタT2は、記入スキャンラインGWLiを介して記入スキャン信号GWを受信するゲートと、データラインDLjに連結される第1電極と、第1ノードN1に連結される第2電極とを含む。第2トランジスタT2は、記入スキャンラインGWLiを介して伝達される記入スキャン信号GWに応答して第1ノードN1にデータ信号DATAを提供する。
【0082】
キャパシタC1は、第1ノードN1に連結される第1キャパシタ電極と、第3ノードN3に連結される第2キャパシタ電極を含む。キャパシタC1は第1ノードN1に伝達されるデータ信号DATAを保存する。
【0083】
発光素子LDの第1電極EL1は第1電源ラインVDLと連結され、第2電極EL2は第2ノードN2を介して画素駆動部PC-1と連結される。第2電極EL2は第1トランジスタT1に連結される。発光素子LDは画素駆動部PC-1の第1トランジスタT1に流れる電流量に対応して発光する。
【0084】
図2a及び
図2bは、本発明の一実施例による画素駆動部PDC、PC-1に対する回路を例示的に示したものであって、トランジスタの個数は配置関係及びキャパシタの個数や配置関係は多様に設計されうる。
【0085】
図3は、本発明の一実施例による表示パネルの平面構成を概略的に示す図である。
【0086】
図3には表示パネルDPの一部構成(例えば、配線)が省略されて示されている。
【0087】
図3を参照すると、表示パネルDPは第1方向DR1より第2方向DR2の方により長く延長される。第1方向DR1と第2方向DR2は互いに交差する方向と定義される。以下、第3方向DR3は、第1及び第2方向DR1、DR2によって定義される平面と交差する方向であると定義される。本明細書において、「平面上にて見たとき」とは、第3方向DR3から眺めた状態と定義される。
【0088】
表示パネルDPは、表示領域DAと、表示領域DA周辺の非表示領域NDAとを含む。表示領域DAは複数の発光部EPを含む。発光部EPは画素PXijによってそれぞれ発光する領域である。詳しくは、発光部EPのそれぞれは後述する発光開口部OP-PDLの領域に対応する。非表示領域NDAは表示領域DAに隣接して配置される。本実施例において、非表示領域NDAは表示領域DAを囲む。
【0089】
本実施例において、スキャン駆動部SDC、発光駆動部EDC、及びデータ駆動部DDCは表示パネルDPに実装される。例示的に、スキャン駆動部SDC及び発光駆動部EDCは表示領域DAに配置され、データ駆動部DDCは非表示領域NDAに配置される。平面上にて見たとき、データ駆動部DDCは、表示パネルDPに下側から隣接した非表示領域NDAに配置される。
【0090】
スキャン駆動部SDC及び発光駆動部EDCは、表示領域DAに配置される発光部EPのうちの一部の発光部EPと平面上で重畳しうる。例示的に、スキャン駆動部SDCと発光駆動部EDCとは、第1方向DR1の互いに逆側にて、表示領域DAの両縁に隣接する発光部EPと重畳しうる。
【0091】
表示領域DAの両縁に隣接した発光部EPの下方(ベース層BSの側)に、上述した画素駆動部EPが配置されない。よって、表示領域DAの両縁に隣接した発光部EPの下方に、スキャン駆動部SDC、及び、発光駆動部EDCを形成する回路が配置される。このような構成は、後ほど詳細に説明する。
【0092】
スキャン駆動部SDC及び発光駆動部EDCが非表示領域NDAに配置される場合は、非表示領域NDAが拡張されうる。しかし、本発明の実施例において、スキャン駆動部SDC及び発光駆動部EDCが非表示領域NDAに配置されずに、表示領域DAに配置されることで、非表示領域NDAの面積が減少しうる。
【0093】
図4は、
図3に示した表示パネルの表示領域の一部の領域を拡大した平面図である。
【0094】
図4を参照すると、表示パネルDPは、複数個の発光ユニットUTと、隔壁導電層WCLと、複数個の発光接続部CE1、CE2、CE3とを含みうる。例示的に、
図4には2行及び2列で配列される発光ユニットUTが示されている。行は第1方向DR1に対応し、列は第2方向DR2に対応しうる。
【0095】
発光ユニットUTは、第1方向DR1及び第2方向DR2に配列されうる。発光ユニットUTのそれぞれは、第1発光部EP1と、第2発光部EP2と、第3発光部EP3とを含む。
【0096】
第1発光部EP1、第2発光部EP2、及び第3発光部EP3は、互いに異なる色の光を発光しうる。例えば、第1発光部EP1は赤色光を生成し、第2発光部EP2は緑色光を生成し、第3発光部EP3は青色光を発光しうる。
【0097】
発光ユニットUTのそれぞれにおいて、第1発光部EP1及び第2発光部EP2は、第2方向DR2に配列されうる。発光ユニットUTそれぞれにおいて、第3発光部EP3は、第1及び第2発光部EP1、EP2と交互に、第1方向DR1に配列されうる。
【0098】
第3発光部EP3のそれぞれは、第2方向DR2で互いに離隔される、第3-1サブ発光部EP31と、第3-2サブ発光部EP32とを含みうる。但し、これは例示的な図示であって、第3発光部EP3は、第1発光部EP1及び第2発光部EP2のように、一体の形状を有する一つのパターンに形成されてもよい。
【0099】
第1、第2、及び第3発光部EP1、EP2、EP3のそれぞれは、後述する画素開口部OP-PDL(
図7を参照)に対応する部分である。つまり、発光部EP1、EP2、EP3のそれぞれは、光が表示される平面上の領域と定義される。
【0100】
第1、第2、及び第3発光部EP1、EP2、EP3のそれぞれは、平面上にて見たとき、画素開口部OP-PDL(
図7を参照)に重畳する領域と定義されうる。第1、第2、及び第3発光部EP1、EP2、EP3のそれぞれは、
図7に示した第1電極EL1、発光層EML、及び第2電極EL2が重畳する平面上の領域と定義されうる。
【0101】
第1発光部EP1は第1発光素子LD1によって構成され、第2発光部EP2は第2発光素子LD2によって構成され、第3発光部EP3は第3発光素子LD3によって構成されうる。よって、第1、第2、及び第3発光部EP1、EP2、EP3の配列状態は、実質的に第1、第2、及び第3発光素子LD1、LD2、LD3の平面上の配列状態に対応する。第1、第2、及び第3発光素子LD1、LD2、LD3のそれぞれは、
図2aに示した発光素子LDに対応しうる。
【0102】
発光ユニットUTのそれぞれは、第1発光素子LD1と、第2発光素子LD2と、第3発光素子LD3とを含むものと解釈されることもありうる。第1、第2、及び第3発光素子LD1、LD2、LD3のそれぞれは実質的に同じ構成を有しうる。
【0103】
平面上にて見たとき、第1、第2、及び第3発光部EP1、EP2、EP3は、隔壁導電層WCLによって区画された複数個の領域内に配置されうる。隔壁導電層WCLは、第1、第2、及び第3発光素子LD1、LD2、LD3を囲むように形成されうる。
【0104】
隔壁導電層WCLは導電物質を含む。例えば、隔壁導電層WCLは複数個の層に積層される金属層を含む。隔壁導電層WCLの断面構造は
図7で詳細に後述する。
【0105】
隔壁導電層WCLには隔壁開口部WOPが画定・形成(定義)される。平面上にて見たとき、隔壁開口部WOPは、第1、第2、及び第3発光部EP1、EP2、EP3の間に画定・形成(定義)されうる。平面上にて見たとき、隔壁開口部WOPは、第1方向DR1及び第2方向DR2に延長されうる。
【0106】
隔壁開口部WOPは、第1及び第2発光部EP1、EP2の間に定義されて第1方向DR1に延長される。隔壁開口部WOPは、第1及び第3発光部EP1、EP3の間と、第2及び第3発光部EP2、EP3の間に定義されて第2方向DR2に延長される。第1方向DR1に延長する隔壁開口部WOPと、第2方向DR2に延長する隔壁開口部WOPとは、一体に画定・形成(定義)される。
【0107】
隔壁開口部WOPによって隔壁導電層WCLは、複数個に分離されうる。隔壁導電層WCLは、隔壁開口部WOPによって分離される、複数個の第1隔壁導電層WCL1と、複数個の第2隔壁導電層WCL2と、複数個の第3隔壁導電層WCL3とを含む。
【0108】
平面上にて見たとき、第1隔壁導電層WCL1は、第1発光部EP1にそれぞれ隣接して第1発光部EP1をそれぞれ囲む。例示的に、第1発光部EP1は四角形状を有し、第1隔壁導電層WCL1は、四角形の閉ループ状を有して、第1発光部EP1をそれぞれ囲む。しかし、第1発光部EP1及び第1隔壁導電層WCL1の形状は、これに限らない。
【0109】
第1発光部EP1は、第1隔壁導電層WCL1の第1内側面IS1とそれぞれ離隔されて配置される。第1隔壁導電層WCL1の第1内側面IS1によって、第1発光部EP1が配置される空間が画定・形成(定義)される。
【0110】
平面上にて見たとき、第2隔壁導電層WCL2は、第2発光部EP2にそれぞれ隣接して第2発光部EP2をそれぞれ囲みうる。例示的に、第2発光部EP2は四角形状を有し、第2隔壁導電層WCL2は、四角形の閉ループ状を有して第2発光部EP2をそれぞれ囲みうる。しかし、第2発光部EP2及び第2隔壁導電層WCL2の形状はこれに限らない。
【0111】
第2発光部EP2は、第2隔壁導電層WCL2の第2内側面IS2とそれぞれ離隔されて配置されうる。第2隔壁導電層WCL2の第2内側面IS2によって、第2発光部EP2が配置される空間が画定・形成(定義)されうる。
【0112】
平面上にて見たとき、第3隔壁導電層WCL3は第3発光部EP3にそれぞれ隣接して第3発光部EP3をそれぞれ囲みうる。例示的に、第3発光部EP3は四角形状を有し、第3隔壁導電層WCL3は四角形の閉ループ状を有して、第3発光部EP3をそれぞれ囲みうる。しかし、第3発光部EP3及び第3隔壁導電層WCL3の形状はこれに限らない。
【0113】
第3発光部EP3は、第3隔壁導電層WCL3の第3内側面IS3とそれぞれ離隔されて配置されうる。第3隔壁導電層WCL3の第3内側面IS3によって、第3発光部EP3が配置される空間が画定・形成(定義)されうる。
【0114】
第1、第2、第3発光部EP1、EP2、EP3を構成する第1、第2、及び第3発光素子LD1、LD2、LD3は、第1、第2、及び第3隔壁導電層WCL1、WCL2、WCL3に電気的に接続しうる。このような構成は、後ほど詳細に説明する。
【0115】
隔壁開口部WOPによって、第1、第2、及び第3隔壁導電層WCL1、WCL2、WCL3が電気的に分離されうる。隔壁開口部WOPによって、第1、第2、及び第3隔壁導電層WCL1、WCL2、WCL3が電気的に分離されるため、第1、第2、及び第3発光素子LD1、LD2、LD3も、隔壁開口部WOPによって電気的に分離されうる。
【0116】
発光接続部CE1、CE2、CE3は、隔壁導電層WCLに重畳するように配置されうる。発光接続部CE1、CE2、CE3は、第1、第2、及び第3発光素子LD1、LD2、LD3をトランジスタにそれぞれ連結する隔壁導電層WCLの部分と定義されうる。このような構成は
図7で後ほど詳細に説明されうる。
【0117】
発光接続部CE1、CE2、CE3は、複数個の第1発光接続部CE1と、複数個の第2発光接続部CE2と、複数個の第3発光接続部CE3とを含みうる。第1発光接続部CE1は、第1隔壁導電層WCL1にそれぞれ重畳するように配置されうる。第2発光接続部CE2は、第2隔壁導電層WCL2にそれぞれ重畳するように配置されうる。第3発光接続部CE3は、第3隔壁導電層WCL3にそれぞれ重畳するように配置されうる。
【0118】
発光ユニットUTのそれぞれにおいて、第1発光接続部CE1は第1発光接続部WCL1の部分と定義されうる。発光ユニットUTそれぞれにおいて、第2発光接続部CE2は第2発光接続部WCL2の部分と定義されうる。発光ユニットUTそれぞれにおいて、第3発光接続部CE3は第3発光接続部WCL3の部分と定義されうる。
【0119】
平面上にて見たとき、第1、第2、及び第3発光接続部CE1、CE2、CE3は、第1、第2、第3隔壁導電層WCL1、WCL2、WCL3の下側にそれぞれ隣接して配置されうる。しかし、これは例示的な図示であって、第1、第2、及び第3発光接続部CE1、CE2、CE3は、第1、第2、第3隔壁導電層WCL1、WCL2、WCL3の多様な部分にそれぞれ重畳するように配置されてもよい。
【0120】
図5は、
図4に示したいずれか一つの発光ユニット及び発光ユニットに連結される画素駆動部の駆動接続部を示す図である。
【0121】
図5を参照すると、第1発光素子LD1は第2-1電極EL2-1を含み、第2発光素子LD2は第2-2電極EL2-2を含み、第3発光素子LD2は第2-3電極EL2-3を含む。第2-1電極EL2-1、第2-2電極EL2-2、第2-3電極EL2-3それぞれは
図2aに示した第2電極EL2(またはカソード)に対応する。
【0122】
平面上にて見たとき、第2-1電極EL2-1は、第1発光部EP1よりも大きい面積を有し、第1隔壁導電層WCL1に向かって延長されうる。平面上にて見たとき、第1隔壁導電層WCL1は第2-1電極EL2-1を囲みうる。第2-1電極EL2-1は第1隔壁導電層WCL1の第1内側面IS1に接触しうる。
【0123】
第2-1電極EL2-1が第1隔壁導電層WCL1に接触するため、第2-1電極EL2-1が第1隔壁導電層WCL1に電気的に接続しうる。よって、第1発光素子LD1が第2-1電極EL2-1によって第1隔壁導電層WCL1に電気的に接続しうる。
【0124】
平面上にて見たとき、第2-2電極EL2-2は、第2発光部EP2より大きい面積を有し、第2隔壁導電層WCL2に向かって延長されうる。平面上にて見たとき、第2隔壁導電層WCL2は第2-2電極EL2-2を囲みうる。第2-2電極EL2-2は第2隔壁導電層WCL2の第2内側面IS2に接触しうる。
【0125】
第2-2電極EL2-2が第2隔壁導電層WCL2に接触するため、第2-2電極EL2-2が第2隔壁導電層WCL2に電気的に接続しうる。よって、第2発光素子LD2が第2-2電極EL2-2によって第2隔壁導電層WCL2に電気的に接続しうる。
【0126】
平面上にて見たとき、第2-3電極EL2-3は第3発光部EP3より大きい面積を有し、第3隔壁導電層WCL3に向かって延長されうる。平面上にて見たとき、第3隔壁導電層WCL3は第2-3電極EL2-3を囲む。第2-3電極EL2-3は第3隔壁導電層WCL3の第3内側面IS3に接触しうる。
【0127】
第2-3電極EL2-3が第3隔壁導電層WCL3に接触するため、第2-3電極EL2-3が第3隔壁導電層WCL3に電気的に接続しうる。よって、第3発光素子LD3が、第2-3電極EL2-3によって第3隔壁導電層WCL3に電気的に接続しうる。
【0128】
表示パネルDPは複数個の画素駆動部PC1、PC2、PC3を含む。画素駆動部PC1、PC2、PC3のそれぞれは実質的に
図2aに示した画素駆動部PCと同じ構成を有しうる。画素駆動部PC1、PC2、PC3は第1、第2、第3発光部EP1、EP2、EP3より下に配置されうる。
【0129】
例示的に、
図5において、画素駆動部PC1、PC2、PC3は点線で区分されて示されている。画素駆動部PC1、PC2、PC3のそれぞれは、
図2aに示した画素駆動部PCに対応しうる。点線で区分された画素駆動部PC1、PC2、PC3のそれぞれの領域に、
図2aに示したトランジスタT1~T8及びキャパシタC1、C2が配置されうる。
【0130】
画素駆動部PC1、PC2、PC3は、第1画素駆動部PC1と、第2画素駆動部PC2と、第3画素駆動部PC3とを含む。第1画素駆動部PC1は第1発光素子LD1に連結され、第2画素駆動部PC2は第2発光素子LD2に連結され、第3画素駆動部PC3は第3発光素子LD3に連結されうる。
【0131】
表示パネルDPは、複数個の駆動接続部CD1、CD2、CD3と、複数個の延長配線EXL1、EXL2、EXL3とを含む。延長配線EXL1、EXL2、EXL3は、駆動接続部CD1、CD2、CD3からそれぞれ延長されて形成されうる。
【0132】
駆動接続部CD1、CD2、CD3は、第1駆動接続部CD1と、第2駆動接続部CD2と、第3駆動接続部CD3とを含みうる。第1駆動接続部CD1は第1画素駆動部PC1に連結される。第2駆動接続部CD2は第2画素駆動部PC2に連結される。第3駆動接続部CD3は第3画素駆動部PC3に連結されうる。
【0133】
第1、第2、及び第3駆動接続部CD1、CD2、CD3のそれぞれは、実質的に
図2aに示した第6トランジスタT6のドレイン電極によって形成されうる。つまり、第1、第2、及び第3駆動接続部CD1、CD2、CD3は、第1、第2、第3画素駆動部PC1、PC2、PC3の第6トランジスタT6にそれぞれ接続しうる。第1、第2、及び第3駆動接続部CD1、CD2、CD3それぞれは、実質的に
図2aに示した第4ノードN4に対応しうる。
【0134】
第1、第2、及び第3駆動接続部CD1、CD2、CD3は、第1方向DR1に配列されうる。第1、第2、及び第3駆動接続部CD1、CD2、CD3は、第2方向DR2に対する発光ユニットUTの中心部に配置されて第1方向D1に配列されうる。例示的に、第1及び第2駆動接続部CD1、CD2は、第1及び第2隔壁導電層WCL1、WCL2の間に配置されうる。第3駆動接続部CD3は、第3-1発光部EP31と第3-2サブ発光部EP32との間に配置されうる。
【0135】
延長配線EXL1、EXL2、EXL3は、第1延長配線EXL1と、第2延長配線EXL2と、第3延長配線EXL3とを含む。第1延長配線EXL1は、第1駆動接続部CD1から延長されて第1発光接続部CE1に連結されうる。第2延長配線EXL2は、第2駆動接続部CD2から延長されて第2発光接続部CE2に連結されうる。第3延長配線EXL3は、第3駆動接続部CD3から延長されて第3発光接続部CE3に連結されうる。
【0136】
第1画素駆動部PC1は、第1駆動接続部CD1、第1延長配線EXL1、及び第1発光接続部CE1を介して発光素子LD1に電気的に連結されうる。例えば、第1画素駆動部PC1は第1駆動接続部CD1に連結され、第1駆動接続部CD1から延長された第1延長配線EXL1は第1発光接続部CE1に連結され、第1発光接続部CE1は第1隔壁導電層WCL1に連結され、第1隔壁導電層WCL1は第2-1電極EL2-1に連結されうる。よって、第1画素駆動部PC1は、第1発光素子LD1の第2-1電極EL2-1に電気的に連結されうる。
【0137】
第2画素駆動部PC2は、第2駆動接続部CD2、第2延長配線EXL2、及び第2発光接続部CE2を介して第2発光素子LD2に電気的に連結されうる。例えば、第2画素駆動部PC2は第2駆動接続部CD2に連結され、第2駆動接続部CD2から延長された第2延長配線EXL2は第2発光接続部CE2に連結され、第2発光接続部CE2は第2隔壁導電層WCL2に連結され、第2隔壁導電層WCL2は第2-2電極EL2-2に連結されうる。よって、第2画素駆動部PC2は第2発光素子LD2の第2-2電極EL2-2に電気的に連結されうる。
【0138】
第3画素駆動部PC3は、第2駆動接続部CD3を介して第3発光素子LD3に電気的に連結されうる。例えば、第3画素駆動部PC3は第3駆動接続部CD3に連結され、第3駆動接続部CD3から延長された第3延長配線EXL3は第3発光接続部CE3に連結され、第3発光接続部CE3は第3隔壁導電層WCL3に連結され、第3隔壁導電層WCL3は第2-3電極EL2-3に連結されうる。よって、第3画素駆動部PC3は第3発光素子LD3の第2-3電極EL2-3に電気的に連結されうる。
【0139】
発光ユニットUTは、第1方向DR1に第1幅W1を有しうる。発光ユニットUTに連結される第1、第2、第3画素駆動部PC1、PC2、PC3は、駆動ユニットDTと定義される。駆動ユニットDTは第1方向DR1に第1幅W1より小さい第2幅W2を有しうる。
【0140】
駆動ユニットDT及び発光ユニットUTは、表示パネルDPに複数個で提供されうる。このような場合、駆動ユニットDTが発光ユニットより小さい幅を有するため、複数個の駆動ユニットDTが配置されるための面積は複数個の発光ユニットUTが配置されるための面積より小さいのでありうる。
【0141】
図3に示したスキャン駆動部SDC及び発光駆動部EDCは、駆動ユニットDTと同じ層に配置されうる。駆動ユニットDTが発光ユニットUTよりも小さい幅を有するため、複数個の駆動ユニットDTは表示領域DAの両側に配置されないのでありうる。よって、表示領域DAにおける駆動ユニットDTが配置されるための面積が縮小されるため、駆動ユニットDTが配置されない表示領域DAの両縁部に、
図3に示したようにスキャン駆動部SDC及び発光駆動部EDCが配置されうる。
【0142】
図6は、
図4に示した構成に発光素子の第1電極を示す図である。
【0143】
図6を参照すると、第1電極EL1は、
図2aに示した第1電極EL1(またはアノード)に対応しうる。第1電極EL1は、第1、第2、及び第3発光素子LD1、LD2、LD3のアノードでありうる。第1電極EL1は、第1、第2、及び第3発光素子LD1、LD2、LD3に共通に提供されうる。
【0144】
平面上にて見たとき、第1電極EL1は、第1、第2、及び第3発光部EP1、EP2、EP3に重畳しうる。平面上にて見たとき、第1電極EL1は第1、第2、及び第3発光接続部CE1、CE2、CE3に重畳しないのでありうる。
【0145】
第1電極EL1は、第1、第2、及び第3発光接続部CE1、CE2、CE3に重畳する第1電極EL1の所定部分が除去されることで、第1、第2、及び第3発光接続部CE1、CE2、CE3に重畳する開口部OP-EL1が画定・形成(定義)されうる。第1電極EL1は、隔壁導電層WCLの部分を露出するために部分的に開口される。つまり、隔壁導電層WCLの部分に重畳する第1電極EL1の部分に、開口部OP-EL1が画定・形成(定義)されうる。
【0146】
第1電極EL1は、第1、第2、及び第3発光部EP1、EP2、EP2に重畳する部分に区分され、第1、第2、及び第3発光部EP1、EP2、EP2に重畳する複数個の第1電極EL1と定義されうる。第1、第2、及び第3発光素子LD1、LD2、LD3の第1電極EL1は、互いに連結されて一体に形成されうる。
【0147】
図7は、
図5に示したI-I’線の断面図である。
図8は、
図7に示した第1領域AA1の拡大図である。
【0148】
図7を参照すると、表示パネルDPは、ベース層BSと、駆動素子層DDLと、発光素子層LDLと、薄膜封止層TFEと、カバー絶縁層C-ILとを含みうる。
【0149】
ベース層BSは、画素駆動部PCが配置されるベース面を提供する部材でありうる。ベース層BSは、リジッド(rigid)基板であるか、曲げ(bending)、折りたたみ(folding)、または巻き(rolling)などが可能なフレキシブル(flexible)基板でありうる。ベース層BSは、ガラス基板、金属基板、または高分子基板などでありうる。
【0150】
駆動素子層DDLは、ベース層BSの上に順次に積層される第1乃至第7絶縁層10~70と、画素駆動部PCとを含みうる。画素駆動部PCは、
図2aに示した画素駆動部PCに対応しうる。また、画素駆動部PCは
図5に示した第1、第2、第3画素駆動部PC1、PC2、PC3のそれぞれに対応しうる。
図5に示したI-I’線の断面図によって、
図7に示した画素駆動部PCは
図5に示した第1画素駆動部PC1でありうる。
【0151】
ベース層BSの上に、画素駆動部PCのトランジスタTR及び第1及び第2キャパシタC1、C2が配置されうる。トランジスタTRは
図2aに示した第6トランジスタT6である。トランジスタTRは、
図2aに示した第4ノードN4に連結される接続トランジスタと定義されうる。また、トランジスタTRは第1画素駆動部PCの第6トランジスタT6でありうる。
【0152】
図示していないが、画素駆動部PCの他のトランジスタもベース層BSの上に配置され、実質的に
図7に示したトランジスタTRと同じ構成を有する。
【0153】
ベース層BSの上に第1絶縁層10が配置されうる。第1絶縁層10の上に下部導電層BCLが配置されうる。下部導電層BCLの上に第2絶縁層20が配置されうる。第2絶縁層20は、下部導電層BCLを覆うように第1絶縁層10の上に配置されうる。
【0154】
下部導電層BCLは、ベース層BSの分極現象による電気ポテンシャルがトランジスタTRに影響を及ぼすことを遮断しうる。下部導電層BCLはベース層BSの下部でトランジスタTRに入射する光を遮断しうる。そのために下部導電層BCLは反射型金属を含みうる。
【0155】
図示していないが、下部導電層BCLはソース電極パターンSDP1に連結されうる。しかし、これに限らず、下部導電層BCLはトランジスタTRのゲート電極Gに連結されてもよい。また、下部導電層BCLは他の導電パターンから孤立した(isolated)形態で備えられてもよい。下部導電層BCLは静電圧を印加されうる。
【0156】
第2絶縁層20の上にはトランジスタTRが配置されうる。トランジスタTRは半導体パターンSPとゲート電極Gとを含む。半導体パターンSPは第2絶縁層20の上に配置されうる。
【0157】
半導体パターンSPは酸化物半導体を含む。例えば、酸化物半導体は、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、インジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)、亜鉛酸化物(ZnO)、またはインジウム酸化物(In2O3)などの透明導電性酸化物(transparent conductive oxide、TCO)を含みうる。しかし、これに限らず、半導体パターンは非晶質シリコン、低温多結晶シリコン、または多結晶シリコンを含んでもよい。
【0158】
半導体パターンSPは、伝導性の程度によって区分されるソース領域Sと、ドレイン領域Dと、チャネル領域Aとを含みうる。チャネル領域Aは平面上においてゲート電極Gと重畳する半導体パターンSPの部分でありうる。ソース領域S及びドレイン領域Dはチャネル領域Aを間に挟んで互いに離隔される半導体パターンSPの部分でありうる。
【0159】
ソース領域Sとドレイン領域Dはチャネル領域Aに比べ相対的に高い伝導性を有しうる。ソース領域SはトランジスタTRのソース電極に対応し、ドレイン領域DはトランジスタTRのドレイン電極に対応しうる。
【0160】
半導体パターンSPの上に第3絶縁層30が配置されうる。第3絶縁層30は半導体パターンSPを覆うように第2絶縁層20の上に配置されうる。
【0161】
第3絶縁層30上にトランジスタTRのゲート電極Gが配置されうる。ゲート電極Gは半導体パターンSPの上に配置されてチャネル領域Aに重畳しうる。トランジスタTRのゲート電極GはトランジスタTRのゲートとして機能しうる。
【0162】
ゲート電極Gの上に第4絶縁層40が配置されうる。第4絶縁層40はゲート電極Gを覆うように第3絶縁層30の上に配置されうる。第4絶縁層40の上に第5絶縁層50が配置され、第5絶縁層50の上に電極パターンSDP1とドレイン電極パターンSDP2が配置されうる。第1乃至第5絶縁層10~50は無機層または有機層でありうる。
【0163】
ソース電極パターンSDP1は、第3、第4、及び第5絶縁層30、40、50に画定・形成(定義)された第1コンタクト孔CH1を介して、トランジスタTRのソース領域Sに連結されうる。ソース電極パターンSDP1と半導体パターンSPのソース領域SとはトランジスタTRのソースとして機能しうる。
【0164】
ドレイン電極パターンSDP2は、第3、第4、及び第5絶縁層30、40、50に画定・形成(定義)された第2コンタクト孔CH2を介してトランジスタTRのドレイン領域Dに連結されうる。ドレイン電極パターンSDP2と半導体パターンSPのドレイン領域DはトランジスタTRのドレインとして機能しうる。
【0165】
ソース電極パターンSDP1及びドレイン電極パターンSDP2の上に第6絶縁層60が配置されうる。第6絶縁層60はゲート電極パターンSDP1及びドレイン電極パターンSDP2を覆うように第5絶縁層50の上に配置されうる。第6絶縁層60の上に第7絶縁層70が配置されうる。第6及び第7絶縁層60、70は有機層でありうる。
【0166】
第1キャパシタC1は、第1キャパシタ電極CPE1と、第1キャパシタ電極CPE1の下に配置される第2キャパシタ電極CPE2とを含みうる。平面上にて見たとき、第1キャパシタ電極CPE1と第2キャパシタ電極CPE2は、互いに重畳しうる。第1キャパシタ電極CPE1は上述した第1ノードN1に連結され、第2キャパシタ電極CPE2は上述した第3ノードN3に連結されうる。
【0167】
第1キャパシタ電極CPE1は半導体パターンSPと同じ層に配置され、第2キャパシタ電極CPE2は下部導電層BCLと同じ層に配置されうる。第1キャパシタ電極CPE1及び半導体パターンSPは同じ物質で同時にパターニングされて形成される。第2キャパシタ電極CPE2及び下部導電層BCLは、同じ物質で同時にパターニングされて形成されうる。
【0168】
第2キャパシタC2は、第3キャパシタ電極CPE3と、第3キャパシタ電極CPE3の下に配置される第4キャパシタ電極CPE4とを含みうる。平面上にて見たとき、第3キャパシタ電極CPE3と第4キャパシタ電極CPE4は互いに重畳しうる。3キャパシタ電極CPE3は上述した第3ノードN3に連結され、第4キャパシタ電極CPE4は上述した第2電源ラインVSLに連結されうる。第3キャパシタ電極CPE3及び下部導電層BCLは同じ物質で同時にパターニングされて形成されうる。
【0169】
第3キャパシタ電極CPE3は、実質的に第2キャパシタ電極CPE2でありうる。つまり、第1キャパシタC1と第2キャパシタC2とは一つのキャパシタ電極を共有しうる。
【0170】
第4キャパシタ電極CPE4はベース層BSの上に配置される。第1絶縁層10は、第4キャパシタ電極CPE4を覆うようにベース層BSの上に配置されうる。
【0171】
第2コンタクト孔CH2に重畳するドレイン電極パターンSDP2の部分は、駆動接続部CDと定義されうる。
図5に示した第1、第2、及び第3駆動接続部CD1、CD2、CD3は駆動接続部CDに対応しうる。
図5に示したI-I’線の断面図によって、
図7に示した駆動接続部CDは
図5に示した第1駆動接続部CD1でありうる。
【0172】
第7絶縁層70の上には発光素子層LDLが配置されうる。表示素子層LDLは、第1及び第2発光素子LD1、LD2と、画素画定(定義)膜PDLと、隔壁導電層WCLとを含みうる。第1及び第2発光素子LD1、LD2のそれぞれは、
図2aに示した発光素子LDに対応しうる。第1及び第2発光素子LD1、LD2は、
図5に示した第1及び第2発光素子LD1、LD2にそれぞれ対応しうる。
【0173】
図7に示していないが、
図5に示した第3発光素子LD3は、第1及び第2発光素子LD1、LD2のそれぞれと同じ構成を有しうる。
【0174】
第1及び第2発光素子LD1、LD2のそれぞれは、第1電極EL1と、中間層IMLと、第2電極EL2とを含みうる。第1及び第2発光素子LD1、LD2の第1電極EL1は、
図2a及び
図6に示した第1電極EL1(またはアノード)でありうる。つまり、第1電極EL1は、実質的に
図6に示したように互いに連結されて一体に形成されうる。
【0175】
第1電極EL1は第7絶縁層70の上に配置され、第1電極EL1及び第7絶縁層70の上に画素定義膜PDLが配置される。画素定義膜PDLは無機層である。
【0176】
画素定義膜PDLには、第1発光素子LD1と、第2発光素子LD2が配置されるための発光開口部OP-PDLが画定・形成(定義)される。発光開口部OP-PDLによって、画素定義膜PDLの下に配置される第1電極EL1の所定の部分が露出されうる。露出された第1電極EL1の部分が、第1発光素子LD1の第1電極EL1及び第2発光素子LD2の第1電極EL1を形成しうる。
【0177】
図示していないが、第3発光素子LD3が配置されるための発光開口部OP-PDLが画素画定(定義)膜PDLに更に画定・形成(定義)され、第3発光素子LD3の第1電極EL1の所定部分が、発光開口部OP-PDLによって露出される。
【0178】
発光開口部OP-PDLには、第1及び第2発光素子LD1、LD2の構成が重畳して配置され、実質的に第1及び第2発光素子LD1、LD2によって放出される光が表示される領域でありうる。上述した第1及び第2発光部EP1、EP2(
図4を参照)の形状は、実質的に発光開口部OP-PDLの平面上の領域に対応しうる。図示していないが、第3発光部EP3も、対応する発光開口部OP-PDLの平面上の領域に対応しうる。
【0179】
第1発光素子LD1及び第2発光素子LD2の構成は実質的に互いに同じであるため、以下では、第1発光素子LD1を構成が主に説明する。図示していないが、第3発光素子LD3も、第1発光素子LD1と実質的に同じ構造を有しうる。
【0180】
第1電極EL1の上に第2電極EL2が配置され、中間層IMLは第1電極EL1と第2電極EL2との間に配置されうる。第1発光素子LD1の第2電極EL2は
図5に示した第2-1電極EL2-1であり、第2発光素子LD2の第2電極EL2は
図5に示した第2-2電極EL2-2でありうる。
【0181】
中間層IMLは発光層EMLと機能層FNLとを含みうる。第1発光素子LD1は多様な構造の中間層IMLを含み、いずれか一つの実施例に限らない。例えば、機能層FNLは、複数個の層として提供され、発光層EMLを間に挟むようにして離隔される2つ以上の層として提供されうる。
【0182】
発光層EMLは有機発光物質を含みうる。また、発光層EMLは無機発光物質を含むか、有機発光物質と無機発光物質の混合層を含んでもよい。発光層EMLは、青色、赤色、及び緑色のうちいずれか一つの光を生成しうる。
【0183】
機能層FNLは、第1電極EL1と第2電極EL2との間に配置されうる。機能層FNLは、第1電極EL1と発光層EMLとの間と、第2電極EL2と発光層EMLとの間に配置されうる。このような構造によって、発光層EMLは、発光開口部OP-PDLに重畳して機能層FNL内に配置されうる。発光層EMLは、発光開口部OP-PDL及び発光開口部OP-PDLに隣接した部分まで配置されうる。
【0184】
機能層FNLは、第1電極EL1と第2電極EL2との間で電荷の移動を制御しうる。機能層FNLは、正孔注入/輸送物質と、電子注入/輸送物質とを含む。機能層FNLは電子阻止層、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層、及び電荷生成層のうち少なくとも一つを含みうる。
【0185】
画素定義膜PDLの上に隔壁導電層WCLが配置されうる。隔壁導電層WCLは第1発光素子LD1と第2発光素子LD2との間に配置されうる。
図5に示した隔壁導電層WCLによって区画される領域に、第1発光素子LD1と第2発光素子LD2が配置されうる。隔壁導電層WCLに画定・形成(定義)された隔壁開口部WOPは、第1発光素子LD1と第2発光素子LD2との間に配置されうる。
【0186】
隔壁導電層WCLには、発光開口部OP-PDLに重畳して発光開口部OP-PDLよりも大きい面積を有する開口部OPが画定・形成(定義)される。開口部OPに、第1及び第2発光素子LD1、LD2がそれぞれ配置されうる。図示していないが、第3発光素子LD3が配置されるための開口部OPが、隔壁導電層WCLに更に画定・形成(定義)されうる。
【0187】
図7及び
図8を参照すると、第1及び第2隔壁導電層WCL1、WCL2のそれぞれは、画素定義膜PDLの上に配置される第1導電層CTL1と、第1導電層CTL1の上に配置される第2導電層CTL2と、第2導電層CTL2の上に配置される第3導電層CTL3とを含みうる。第2導電層CTL2は第1導電層CTL1と第3導電層CTL3との間に配置されうる。
【0188】
第2導電層CTL2は第1及び第3導電層CTL1、CTL3よりも厚い厚さを有しうる。第2導電層CTL2は、第1及び第3導電層CTL1、CTL3よりも大きい導電性を有しうる。
【0189】
第1導電層CTL1及び第3導電層CTL3は互いに同じ物質を含みうる。第2導電層CTL2は、第1及び第3導電層CTL1、CTL3とは異なる物質を含みうる。第1及び第3導電層CTL1、CTL3は、第2導電層CTL2より低いエッチング率を有しうる。本発明の実施例において、第2導電層CTL2はアルミニウム(Al)を含み、第1及び第3導電層CTL1、CTL3はチタン(Ti)を含みうる。
【0190】
第1及び第3導電層CTL1、CTL3の側面ISは、第2導電層CTL2の側面ISより外側に突出しうる。第2導電層CTL2の側面ISは第1及び第3導電層CTL1、CTL3の側面ISより内側に配置される。第2導電層CTL2の側面ISより外側に突出する第1及び第3導電層CTL1、CTL3の部分は、チップ部TPと定義されうる。
【0191】
第1、第2、及び第3導電層CTL1、CTL2、CTL3の側面ISによって、隔壁導電層WCLの側面ISが画定(定義)されうる。隔壁導電層WCLの側面ISは、上述した第1、第2、及び第3内側面IS1、IS2、IS3に対応しうる。第1、第2、及び第3内側面IS1、IS2、IS3によって画定・形成(定義)される空間が、開口部OPと定義される。第1、第2、及び第3導電層CTL1、CTL2、CTL3の側面ISは、第1及び第2発光素子LD1、LD2に隣接する。
【0192】
機能層FNL及び第2電極EL2は、隔壁導電層WCLに向かって延長して隔壁導電層WCLの側面ISに接触しうる。詳しくは、機能層FNL及び第2電極EL2は、画素画定(定義)膜PDL及び第1導電層CTL1の上を通って第2導電層CTL2の側面ISに接触しうる。
【0193】
第1及び第2発光素子LD1、LD2の第2電極EL2が隔壁導電層WCLの側面ISに接触することで、隔壁導電層WCLが、第1及び第2発光素子LD1、LD2に電気的に接続しうる。第1発光素子LD1は第1発光素子LD1に隣接した隔壁導電層WCLの側面ISに接続しうる。第2発光素子LD2は第2発光素子LD2に隣接した隔壁導電層WCLの側面ISに接続しうる。
【0194】
隔壁導電層WCLは、隔壁開口部WOPによって電気的に分離されうる。隔壁導電層WCLは隔壁開口部WOPによって電気的に分離されることで、第1発光素子LD1と第2発光素子LD2とが電気的に分離されうる。
【0195】
隔壁導電層WCLの第1隔壁導電層WCL1は、第1発光素子LD1に隣接して第1発光素子LD1に電気的に接続しうる。隔壁導電層WCLの第2隔壁導電層WCL2は隔壁開口部OPによって第1隔壁導電層WCL1と電気的に分離されうる。第2隔壁導電層WCL2の第2発光素子LD2に隣接して第2発光素子LD2に電気的に接続しうる。
【0196】
図示していないが、隔壁導電層WCLの第3隔壁導電層WCL3も、隔壁開口部OPによって第1及び第2隔壁導電層WCL1、WCL2と電気的に分離され、第3発光素子LD3に電気的に接続しうる。
【0197】
図5に示したように、第1隔壁導電層WCL1は閉ループ状を有し、
図7に示した第1発光素子LD1を囲みうる。
図5に示したように、第2隔壁導電層WCL2は閉ループ状を有し、
図7に示した第2発光素子LD2を囲みうる。第3隔壁導電層WCL3も同じく閉ループ状を有し、第3発光素子LD3を囲みうる。
【0198】
第1発光素子LD1は第1発光素子LD1を囲む第1隔壁導電層WCL1の側面IS(または第1内側面IS1)に接触しうる。詳しくは、第1発光素子LD1の第2電極EL2は、第1発光素子LD1の第2電極EL2を囲む第1隔壁導電層WCL1の側面IS(または第1内側面IS1)に接触しうる。
【0199】
第2発光素子LD2は第2発光素子LD2を囲む第2隔壁導電層WCL2の側面IS(または第2内側面IS2)に接触しうる。詳しくは、第2発光素子LD2の第2電極EL2は、第2発光素子LD2の第2電極EL2を囲む第2隔壁導電層WCL2の側面IS(または第2内側面IS2)に接触すしうる。
【0200】
トランジスタTRは、第1隔壁導電層WCL1より下に配置されて第1隔壁導電層WCL1に電気的に連結されうる。詳しくは、第1隔壁導電層WCL1とトランジスタTRとの間に配置される画素定義膜PDL、及び第6及び第7絶縁層60、70に第3コンタクト孔CH3が画定・形成(定義)されうる。第1隔壁導電層WCL1は、第3コンタクト孔CH3を介してトランジスタTRのドレイン電極パターンSDP2に連結されうる。
【0201】
第1隔壁導電層WCL1から延長されて第3コンタクト孔CH3に配置される、第1隔壁導電層WCL1の部分は、発光接続部CEと定義されうる。つまり、発光接続部CEは、第3コンタクト孔CH3に重畳する第1隔壁導電層WCL1の部分と定義されうる。
【0202】
発光接続部CEは、第1隔壁導電層WCL1の第1導電層CTL1及び第2導電層CTL2によって形成されうる。平面上にて見たとき、発光接続部CEは第1隔壁導電層WCL1に重畳するように配置されうる。
【0203】
発光接続部CEは
図4及び
図5に示した第1、第2、第3発光接続部CE1、CE2、CE3に対応しうる。
図5に示したI-I’線の断面図によると、
図7に示した発光接続部CEは、
図5に示した第1発光接続部CE1でありうる。
【0204】
発光接続部CEは、第3コンタクト孔CH3を介してトランジスタTRに電気的に連結されうる。駆動接続部CDから延長される延長配線EXLが発光接続部CEに接触することで、トランジスタTRは発光接続部CEに連結されうる。
【0205】
延長配線EXLは、
図5に示した第1、第2、第3延長配線EXL1、EXL2、EXL3に対応しうる。
図5に示したI-I’線の断面図によって、
図7に示した延長配線EXLは
図5に示した第1延長配線EXL1でありうる。
【0206】
図7に示していないが、
図5に示した第2及び第3隔壁導電層WCL2、WCL3の部分が、第2及び第3接続部CE2、CE3と定義されうる。第2及び第3隔壁導電層WCL2、WCL3は、第2及び第3発光接続部CE2、CE3、第2及び第3延長配線EXL2、EXL3、及び第2及び第3駆動接続部CE2、CE3を介して第2及び第3画素駆動部PC2、PC3の第6トランジスタT6にそれぞれ連結されうる。
【0207】
隔壁導電層WCLの上に機能層FNL及び第2電極EL2が更に配置されうる。機能層FNLが、隔壁導電層WCLと第2電極EL2との間に配置される。機能層FNLによって隔壁導電層WCLと第2電極EL2とが互いに絶縁されうる。
【0208】
第1及び第2発光素子LD1、LD2及び隔壁導電層WCLの上に、薄膜封止層TFEが配置されうる。隔壁開口部OPは、隔壁導電層WCL、機能層FNL、第2電極EL2、及び薄膜封止層TFEに連続して定義されうる。
【0209】
図示していないが、薄膜封止層TFEは、2つの無機層と、無機層の間の有機層とを含む。無機層は水分/酸素から第1及び第2発光素子LD1、LD2を保護し、有機層はほこり粒子のような異物から第1及び第2発光素子LD1、LD2を保護しうる。
【0210】
カバー絶縁層C-ILは薄膜封止層TFEの上に配置されうる。カバー絶縁層は隔壁開口部WOP内に配置されうる。カバー絶縁層C-ILは、外部の異物・汚染物質から隔壁導電層WCLを保護するために、隔壁開口部WOPによって露出される隔壁導電層WCLを覆いうる。第1、第2、第3導電層CTL1、CTL2、CTL3は、カバー絶縁層C-ILによって保護されうる。
【0211】
図示していないが、カバー絶縁層C-ILの上には、ユーザのタッチをセンシングするための入力センシング部が更に配置されうる。
【0212】
隔壁導電層WCLが使用されずに、隔壁導電層WCLが配置される位置に、画素画定(定義)膜PDLが更に配置されてもよい。このような場合、画素定義膜PDLは有機層を含みうる。
【0213】
画素画定(定義)膜PDLが使用される場合、第6絶縁層60と第7絶縁層70との間に、別途の接続電極が配置されうる。接続電極は、トランジスタTRの上に延長してトランジスタTRに連結されうる。接続電極は、第1発光素子LD1の第2電極EL2の下に延長し、第2電極EL2に重畳して第2電極EL2に連結されうる。つまり、接続電極が、第1発光素子LD1の部分に重畳しうる。接続電極が、第1発光素子LD1に重畳するように配置されれば、画素PXijの開口率が減少しうる。
【0214】
本発明の実施例において、第1、第2、及び第3発光接続部CE1、CE2、CE3は隔壁導電層WCLに重畳し、第1、第2、及び第3発光素子LD1、LD2、LD3に重畳しないのでありうる。よって、画素PXijの開口率が向上されうる。
【0215】
図9a乃至
図9gは、本発明の実施例による表示装置の製造方法を示す図である。
【0216】
例示的に、
図9a乃至
図9gは、
図7に示した断面に対応する断面で示されている。
【0217】
図9aを参照すると、ベース層BSの上に画素駆動部PCが形成され、画素駆動部PCの上に第6及び第7絶縁層60、70が提供されうる。ベース層BSの上に第1及び第2発光素子LD1、LD2の第1電極EL1が提供されうる。第1電極EL1は第7絶縁層70の上に配置されうる。発光開口部OP-PDLが画定・形成(定義)された画素画定(定義)膜PDLが、第1電極EL1の上に提供されうる。
【0218】
第1電極EL1及び画素画定(定義)膜PDLの上に、隔壁導電層WCLが提供されうる。隔壁導電層WCLは、第1電極EL1及び画素定義膜PDLを覆いうる。隔壁導電層WCLには、発光開口部OP-PDLに重畳し、発光開口部OP-PDLより大きい面積を有する、第1除去部RM1が定義されうる。第1除去部RM1は、上述した開口部OPに重畳しうる。
【0219】
隔壁導電層WCLには、隔壁開口部WOPに重畳する第2除去部RM2が画定・形成(定義)されうる。第2除去部RM2は、発光開口部OP-PDL同士の間に配置されうる。
【0220】
図9bを参照すると、隔壁導電層WCLから第1除去部RM1が除去されうる。第1除去部RM1が除去されることで、開口部OPが形成されうる。第1除去部RM1ドライエイジング方式を介して除去されうる。
【0221】
図9cを参照すると、開口部OPを介してエッチング液が隔壁導電層WCLに提供される。エッチング液によるエッチング方式はウェットエッチング方式と定義されうる。
【0222】
第2導電層CTL2のエッチング率が第1及び第3導電層CTL1、CTL3より高いため、第2導電層CTL2が、第1及び第3導電層CTL1、CTL3よりも、内側へと更にエッチングされうる。よって、第1及び第3導電層CTL1、CTL3の側面ISが、第2導電層CTL2の側面ISよりも外側に突出する。第1及び第3導電層CTL1、CTL3の側面IS及び第2導電層CTL2の側面ISによって、開口部OPが形成されうる。
【0223】
図9dを参照すると、発光開口部OP-PDLのそれぞれに機能層FNL、発光層EML、及び第2電極EL2が提供され、隔壁導電層WCLの上に機能層FNL及び第2電極EL2が定義されうる。機能層FNL及び第2電極EL2は、発光開口部OP-PDLのそれぞれの内側に、そして、隔壁導電層WCLの上に同時に提供されうる。
【0224】
開口部OPのそれぞれに、機能層FNL及び第2電極EL2が提供され、機能層FNL及び第2電極EL2は、開口部OPのそれぞれにて、第2導電層CTL2の側面ISに接触しうる。
【0225】
図9eを参照すると、第2電極EL2の上に薄膜封止層TFEが提供されうる。
【0226】
図9fを参照すると、第2除去部RM2に重畳する薄膜封止層TFEの部分、第2除去部RM2に重畳する機能層FNLの部分、第2除去部RM2に重畳する第2電極EL2の部分、及び、隔壁導電層WCLにおける第2除去部RM2の箇所が、全て除去されることで、隔壁開口部WOPが形成されうる。
【0227】
第2除去部RM2に重畳する薄膜封止層TFEの部分、第2除去部RM2に重畳する機能層FNLの部分、第2除去部RM2に重畳する第2電極EL2の部分、及び、隔壁導電層WCLにおける第2除去部RM2の箇所は、ドライエッチング方式及びウェットエッチング方式など、多様なエッチング方式を多数使用して除去されうる。このような工程によって、隔壁導電層WCLの上に配置される機能層FNL及び第2電極LE2が、第1発光素子LD1と第2発光素子LD2との間にて、途切れて分離されうる。
【0228】
図9gを参照すると、カバー絶縁層C-ILが薄膜封止層TFEの上に提供されうる。カバー絶縁層C-ILは隔壁開口部OP内に提供されうる。カバー絶縁層C-ILは、隔壁開口部OPによって外部に露出される、隔壁導電層WCL、機能層FNL、及び第2電極EL2をカバーしうる。
【0229】
図10は、本発明の他の実施例による表示装置の構成を示す図である。
【0230】
例示的に、
図10は
図7に対応する断面で示されており、以下、
図7に示した構成とは異なる構成を中心に、
図10に示した表示装置DD’の構成が説明される。
【0231】
図10を参照すると、本発明の他の実施例による表示装置DD’の表示パネルDP’は、隔壁開口部WOP内に配置されるダミー絶縁層DINと、ダミー絶縁層DINの上に配置されるスペーサSPCとを更に含みうる。ダミー絶縁層DIN及びスペーサSPCは有機層を含みうる。
【0232】
スペーサSPCの幅は、スペーサSPCの下面からスペーサSPCの上面に行くほど大きくなりうる。つまり、スペーサSPCは逆テーパ状を有しうる。機能層FNL及び第2電極EL2は、スペーサSPCの上に更に配置されうる。
【0233】
【0234】
【0235】
図11aを参照すると、ベース層BSの上に第1電極EL1が提供され、発光開口部OP-PDLが画定・形成(定義)された画素定義膜PDLが、第1電極EL1の上に提供される。第1除去部RM1及び第2除去部RM2が定義された隔壁導電層WCLが第1電極EL1及び画素定義膜PDLの上に提供される。
【0236】
図11bを参照すると、隔壁導電層WCLから第1除去部RM1が除去されて開口部OPが形成されるのであって、第2除去部RM2が除去されることで隔壁開口部WOPが形成されうる。第1及び第2除去部RM1、RM2は、ドライエッチング方式で除去されうる。
【0237】
図11cを参照すると、有機物質を含むフォト層(感光パターニング層)PTLが隔壁導電層WCLの上に提供される。フォト層PTLは、開口部OP及び隔壁開口部WOP内に提供されうる。フォト層PTLは、フォトレジストPR(photoresist)を含みうる。
【0238】
図11c及び
図11dを参照すると、隔壁開口部WOPに配置されるフォト層PTLの部分が残存し、他の部分は除去されうる。例えば、露光及び現像の工程を介して、隔壁開口部OPに配置されるフォト層PTLの部分を除いた、フォト層PTLの部分が除去されうる。隔壁開口部WOPに配置されるフォト層PTLの部分によって、ダミー絶縁層DINが形成される。よって、隔壁開口部WOPにダミー絶縁層DINが提供されうる。
【0239】
図11eを参照すると、開口部OPを介してエッチング液が隔壁導電層WCLに提供され、第2導電層CTL2が、第1及び第3導電層CTL1、CTL3よりも内側に更にエッチングされうる。
【0240】
図11fを参照すると、ダミー絶縁層DINの上にスペーサSPCが提供されうる。発光開口部OP-PDLのそれぞれに機能層FNL、発光層EML、及び第2電極EL2が提供され、隔壁導電層WCLの上に機能層FNL及び第2電極EL2が提供されうる。スペーサSPCの上に、機能層FNL及び第2電極EL2が更に提供されうる。機能層FNL及び第2電極EL2は、隔壁導電層WCL及びスペーサSPCの上に同時に提供されうる。
【0241】
スペーサSPCが逆テーパ状を有するため、機能層FNLが隔壁導電層WCL及びスペーサSPCの上に同時に蒸着される際、スペーサSPCの側面に機能層FNLが提供されないのでありうる。また、スペーサSPCが逆テーパ状を有するため、第2電極EL2が隔壁導電層WCL及びスペーサSPCの上に同時に蒸着される際、スペーサSPCの側面に第2電極EL2が提供されないのでありうる。
【0242】
よって、スペーサSPCによって隔壁導電層WCLの上に配置される機能層FNL及び第2電極LE2が、第1発光素子LD1と第2発光素子LD2との間で、途切れて分離されうる。
【0243】
図12は、本発明の他の実施例による表示装置の構成を示す図である。
【0244】
例示的に、
図12は
図7に対応する断面として示されており、以下、
図7に示した構成とは異なる構成を中心に、
図12に示した表示装置DD”の構成が説明される。
【0245】
図12を参照すると、表示パネルDP”の薄膜封止層TFEは、第1及び第2発光素子LD1、LD2及び隔壁導電層WCLの上に配置されうる。詳しくは、薄膜封止層TFEは第2電極EL2の上に配置されうる。薄膜封止層TFEは隔壁開口部WOP内に配置されうる。薄膜封止層TFEは、隔壁開口部WOPによって露出される、隔壁導電層WCLの第1、第2、及び第3導電層CTL1、CTL2、CTL3をカバーすることで、第1、第2、及び第3導電層CTL1、CTL2、CTL3を保護しうる。
【0246】
これまで実施例を参照して説明したが、当該技術分野における熟練した当業者は、下記特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で、本発明を多様に修正及び変更し得ることを理解できるはずである。また、本発明の開示された実施例は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく、下記特許請求の範囲及びそれと同等な範囲内にある全ての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれると解釈すべきである。
【0247】
好ましい一実施形態によると、下記のとおりである。
【0248】
本件の背景及び課題は下記(i)~(iv)のとおりである。
【0249】
(i) 有機発光表示装置などによる表示パネルにおいて、サブ画素ごとの画素電極と、その下方の画素駆動回路とを接続する接続部が必要となる。
【0250】
(ii) 特に、画素電極が上方(ベース層BSから遠い側)に配置される場合、画素画定(定義)膜(PDL)の上面側に配置される導電層と、画素駆動回路とが接続されるコンタクトホール部を設置する必要がある。
【0251】
(iii) また、画素電極またはこれに接続される導電層を、サブ画素ごとに分離するための分離帯を設置する必要がある。
【0252】
(iv) 高解像度化が求められる中で、画素開口率を向上させるためには、このようなコンタクトホール部と分離帯を設置するための面積ないし面積割合を小さくする必要がある。
【0253】
そこで、特に好ましい実施形態において、下記A1~A4またはA1~A6のとおりとする。また、A7またはA7~8のように行うこともできる。
【0254】
A1 樹脂材料からなる平坦化膜(60,70)の上に、下側電極としての共通電極(EL1)を形成した後に、画素画定(定義)膜(PDL)を形成する。この画素画定(定義)膜(PDL)には、発光部ごとの発光開口部(OP-PDL)を形成しておく(
図9b)。
【0255】
A2 A1に続いて、画素配置領域の全面に、厚みの大きい(例えば画素画定(定義)膜(PDL)と同等またはそれより大きい厚みの)導電層(隔壁導電層WCL)を形成する。この導電層(隔壁導電層WCL)に、発光開口部(OP-PDL)に対応する開口部(OP)を形成しておく。
【0256】
A3 A2に続いて、発光用の機能層(FNL)及び上側電極としての画素電極(EL2)の導電層を形成する。この際、各発光開口部(OP-PDL)の縁をなす側端面にて、画素電極(EL2)の導電層と、隔壁導電層(WCL)とが接触する(
図9d及び
図8)。
【0257】
A4 A3よりも後に、封止層(薄膜封止層TFE)を形成してから、各サブ画素領域を相互に分離するための、格子状の隔壁開口部(WOP)を形成する(
図9f)。
隔壁開口部(WOP)は、封止層(薄膜封止層TFE)から、隔壁導電層(WCL)まで貫くように形成される。薄膜封止層(TFE)は、例えば、無機膜と樹脂膜とが交互に積層された膜により形成することができる。
【0258】
A5 A4に続いて、画素配置領域の全体を覆うカバー絶縁層(C-IL)を形成する(
図9g)。この際、溝状の隔壁開口部(WOP)が埋められる。
【0259】
A6 隔壁導電層(WCL)は、側方エッチングを受けやすい金属からなる厚いメイン層(第2導電層CTL2)と、これを覆うより薄く、側方エッチングを受けにくい金属からなる、より薄いカバー層(第3導電層CTL3)とを含むようにすることができる。
これにより、隔壁導電層(WCL)上の導電層及び機能層が、発光開口部(OP-PDL)の底面に位置する画素電極(EL2)と分離される。例えば、メイン層(第2導電層CTL2)をアルミニウム系の金属から、カバー層(第3導電層CTL3)をチタン系の金属から形成し、湿式エッチングを行うことができる(
図9c)。
【0260】
A7 隔壁開口部(WOP)は、発光開口部(OP-PDL)と同時に形成することもできる(
図11b)。この場合、薄膜封止層(TFE)を形成する前に、隔壁開口部(WOP)を埋める絶縁層(ダミー絶縁層DIN)を形成しておくことができる(
図11d)。
【0261】
A8 A7に続いて、隔壁開口部(WOP)の箇所に、逆テーパ状のセパレータ(SPC)を配置することもできる(
図11f)。
【符号の説明】
【0262】
DD:表示装置 DP:表示パネル
LD1、LD2、LD3:第1、第2、第3発光素子
CE1、CE2、CE3:第1、第2、及び第3発光接続部
CD1、CD2、CD3:第1、第2、第3駆動接続部
WCL:隔壁導電層 WOP:隔壁開口部
WCL1、WCL2、WCL3:第1、第2、第3隔壁導電層
PDL:画素定義膜 TFE:薄膜封止層
C-IL:カバー絶縁層 OP-PDL:画素開口部
OP:開口部