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特開2024-116097フラットソケットコンタクトデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116097
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】フラットソケットコンタクトデバイス
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/115 20060101AFI20240820BHJP
   H01R 13/11 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
H01R13/115 C
H01R13/11 C
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024019112
(22)【出願日】2024-02-13
(31)【優先権主張番号】10 2023 103 680.7
(32)【優先日】2023-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】518345815
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ソリューソンズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(74)【代理人】
【識別番号】100229736
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 剛
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン シェアー
(72)【発明者】
【氏名】ハラルト ウルリヒ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィリ ディートリヒ
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ローザン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】高電流接続のための高い接触垂直力を有するフラットソケットコンタクトデバイスを提供する。
【解決手段】本発明は、電力接続のための電気フラットソケットコンタクトデバイス(100)であって、主に直方体状のタブコンタクト(105)を差し込むことのできる、主に直方体状のコンタクトボックスユニット(103)を形成する、キャリア構造体(101)と、タブコンタクト(105)に接触するためにコンタクトボックスユニット(103)に配置された、主に直方体状のコンタクト本体(107)とを備え、コンタクト本体(107)は、キャリア構造体(101)の基壁(109)に配置され、基壁(109)に対向して配置されたキャリア構造体(101)の上壁(111)に、タブコンタクト(105)に機械的に接触するための少なくとも1つのばね要素ユニットが配置され、上壁(111)は、基壁(109)の少なくとも2倍の壁厚を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力接続のための電気フラットソケットコンタクトデバイス(100)であって、
前記電気フラットソケットコンタクトデバイス(100)は、
● 主に直方体状のコンタクトボックスユニット(103)を形成するキャリア構造体(101)を備え、
前記コンタクトボックスユニット(103)は、前記電気フラットソケットコンタクトデバイス(100)に電気的に接触するための主に直方体状のタブコンタクト(105)を前記コンタクトボックスユニット(103)に差し込むことができるように構成されており、
● 前記コンタクトボックスユニット(103)に差し込まれた前記タブコンタクト(105)に接触するために前記コンタクトボックスユニット(103)に配置された、主に直方体状のコンタクト本体(107)と
を備え、

前記コンタクト本体(107)は、前記キャリア構造体(101)の基壁(109)に配置され、
前記基壁(109)に対向して配置された前記キャリア構造体(101)の上壁(111)に、前記タブコンタクト(105)に機械的に接触するための少なくとも1つのばね要素ユニット(113)が配置され、
前記上壁(111)は、前記基壁(109)よりも大きい壁厚を有する、電気フラットソケットコンタクトデバイス(100)。
【請求項2】
前記上壁(111)は、内側部分壁(115)と外側部分壁(117)とを含み、
前記内側部分壁(115)と前記外側部分壁(117)とは、平面状に互いに接触するように配置され、
前記内側部分壁(115)は、前記コンタクトボックスユニット(103)の内壁(119)を画定し、
前記少なくとも1つのばね要素ユニット(113)は、前記内側部分壁(115)に形成されている、請求項1に記載のフラットソケットコンタクトデバイス(100)。
【請求項3】
前記基壁(109)は、第1の側壁要素(121)を介して前記内側部分壁(115)に一体に接続され、第2の側壁要素(123)を介して前記外側部分壁(117)に一体に接続され、
前記第1の壁要素(121)および前記第2の壁要素(123)は、前記コンタクトボックスユニット(103)の側壁を画定する、請求項2に記載のフラットソケットコンタクトデバイス(100)。
【請求項4】
前記キャリア構造体(101)は、多面曲げ構造体として設計されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のフラットソケットコンタクトデバイス(100)。
【請求項5】
前記第1の側壁要素(121)および前記第2の側壁要素(123)はそれぞれ、90°曲がり部を介して、前記基壁(109)ならびに前記内側部分壁および前記外側部分壁に対して角度を有して配置されている、請求項1から4のいずれか一項に記載のフラットソケットコンタクトデバイス(100)。
【請求項6】
前記少なくとも1つのばね要素ユニット(113)は、前記内側部分壁(115)と一体的に形成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載のフラットソケットコンタクトデバイス(100)。
【請求項7】
前記少なくとも1つのばね要素ユニット(113)は、曲げ要素(125)として設計され、前記内側部分壁(115)の側縁部(127)に配置され、
前記ばね要素ユニット(113)は、180°曲がり部を介して、少なくとも部分的に前記内側部分壁(115)に沿って延びる、請求項1から6のいずれか一項に記載のフラットソケットコンタクトデバイス(100)。
【請求項8】
前記内側部分壁(115)と前記外側部分壁(117)とは、少なくとも1つのクリンチ接続部(129)および/または溶接接続部を介して互いに接続されている、請求項1から7のいずれか一項に記載のフラットソケットコンタクトデバイス(100)。
【請求項9】
前記フラットソケットコンタクトデバイス(100)を保持デバイスに固定するための固定留め具(131)が、前記外側部分壁(117)および/または前記基壁(109)に配置されている、請求項1から8のいずれか一項に記載のフラットソケットコンタクトデバイス(100)。
【請求項10】
前記タブコンタクト(105)に接触するための少なくとも1つの接触ドーム(133)および/または前記タブコンタクト(105)に接触するための少なくとも1つの接触ばね(135)が、前記コンタクト本体(107)に形成されている、請求項1から9のいずれか一項に記載のフラットソケットコンタクトデバイス(100)。
【請求項11】
前記コンタクト本体(107)は、少なくとも1つのクリンチ接続部(137)を介して、前記コンタクトボックスユニット(103)内の前記キャリア構造体(101)の前記基壁(109)に接続されている、請求項1から10のいずれか一項に記載のフラットソケットコンタクトデバイス(100)。
【請求項12】
前記少なくとも1つのクリンチ接続部(137)は、前記タブコンタクト(105)を前記コンタクトボックスユニット(103)に挿入することができる前端部(139)、および/または、前記前端部(139)とは反対側に配置された前記コンタクトボックスユニット(103)の後端部(141)に形成されている、請求項1から11のいずれか一項に記載のフラットソケットコンタクトデバイス(100)。
【請求項13】
前記コンタクト本体(107)は、前記コンタクト本体(107)の前端部(139)および/または側部領域(143)に、前記少なくとも1つのクリンチ接続部(137)を受け入れるための少なくとも1つの受入凹部(145)を含む、請求項1から12のいずれか一項に記載のフラットソケットコンタクトデバイス(100)。
【請求項14】
前記コンタクトボックスユニット(103)は、前記キャリア構造体(101)の後壁(147)を介して、前記後端部(141)で境界付けられている、請求項1から13のいずれか一項に記載のフラットソケットコンタクトデバイス(100)。
【請求項15】
前記後壁(147)は、前記内側部分壁(115)の側縁部(149)と一体的に形成され、
前記後壁(147)は、90°曲がり部を介して、前記内側部分壁(115)に対して角度を有して配置されている、請求項1から14のいずれか一項に記載のフラットソケットコンタクトデバイス(100)。
【請求項16】
前記キャリア構造体(101)は、ステンレス鋼または銅化合物から製造されている、請求項1から15のいずれか一項に記載のフラットソケットコンタクトデバイス(100)。
【請求項17】
前記キャリア構造体(101)は、差し込まれた前記タブコンタクト(105)に接触するために、最大40N、好ましくは最大50N、特に好ましくは最大60Nの接触垂直力を、前記少なくとも1つのばね要素ユニット(113)によって提供するように構成されている、請求項1から16のいずれか一項に記載のフラットソケットコンタクトデバイス(100)。
【請求項18】
前記タブコンタクト(105)を、前記ばね要素ユニット(113)によって前記コンタクトボックスユニット(103)に押さえ付けることができる、請求項1から17のいずれか一項に記載のフラットソケットコンタクトデバイス(100)。
【請求項19】
少なくとも約200V、300V、400V、500V、1kV、1.25kV、もしくは1.5kVの電圧、および/または、少なくとも約200A、300A、400A、500A、600A、800A、1kA、もしくは1.25kVの電流用に設計されている、請求項1から18のいずれか一項に記載のフラットソケットコンタクトデバイス(100)。
【請求項20】
請求項1から19のいずれか一項に記載の電気フラットソケットコンタクトデバイス(100)と、
主に直方体状のタブコンタクト(105)と
を備える電気接続システム(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に自動車工学において使用するためのフラットソケットコンタクトデバイスに関する。本発明によるフラットソケットコンタクトデバイスは、特に、電動であり得る車両の電気バッテリモジュールに使用することができる。本発明によるフラットソケットコンタクトデバイスは、高電流領域で使用するのに適している。
【背景技術】
【0002】
特に自動車工学における電力接続のためのフラットソケットコンタクトデバイスが、従来技術から知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明により対処する課題は、高電流接続のための改良されたフラットソケットコンタクトデバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明により対処する課題は、独立請求項に記載のフラットソケットコンタクトデバイスによって解決される。有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
【0005】
本発明の一態様によれば、電力接続のための電気フラットソケットコンタクトデバイスであって、
キャリア構造体であり、キャリア構造体は、フラットソケットコンタクトデバイスに電気的に接触するための主に直方体状のタブコンタクトを差し込むことのできる、主に直方体状のコンタクトボックスユニットを形成する、キャリア構造体と、
コンタクトボックスユニットに差し込まれたタブコンタクトに接触するためにコンタクトボックスユニットに配置された、主に直方体状のコンタクト本体と
を備え、
コンタクト本体は、キャリア構造体の基壁に配置され、基壁に対向して配置されたキャリア構造体の上壁に、タブコンタクトに機械的に接触するための少なくとも1つのばね要素ユニットが配置され、上壁は、基壁よりも大きい壁厚を有する、電気フラットソケットコンタクトデバイスが提供される。
【0006】
これは、高電流接続のための改良された電気フラットソケットコンタクトデバイスを提供することができるという技術的利点を実現することができる。このために、フラットソケットコンタクトデバイスは、キャリア構造体を備え、キャリア構造体は、主に直方体状のタブコンタクトを差し込んで高電流接続を生じさせることのできる、主に直方体状のコンタクトボックスユニットを形成する。タブコンタクトに接触するための主に直方体状のコンタクト本体が、コンタクトボックスユニットに配置されている。上壁に、コンタクト本体、少なくとも1つのばね要素ユニットが配置され、このばね要素ユニットにより、差し込まれたタブコンタクトの接触を生じさせることができる。ここでは、キャリア構造体の上壁は、キャリア構造体の基壁よりも大きい壁厚を有する。
壁厚がより大きいことにより、ばね要素ユニットのより高い接触垂直力を実現することができ、それにより、コンタクトボックスユニットに差し込まれたタブコンタクトを、増大した接触圧力でコンタクト本体に押し付けることができる。これにより、タブコンタクトとコンタクト本体との電気的接触を向上させることができる。特に、ばね要素ユニットの復元力を使用して、約60ニュートンの接触垂直力を生じさせることができる。用途に応じて、より高い復元力を有するばね要素ユニットを使用してもよく、これにより、必要な場合に、より高い接触垂直力が可能になる。ばね要素ユニットによってタブコンタクトに加えられる高い接触垂直力を使用して、タブコンタクトをコンタクト本体に、よりしっかりと押し付けることができる。
これにより、自動的に差し込まれたタブコンタクトとコンタクト本体との間に、高電流接続に適した効率的な電気接続部を形成することができる。ばね要素ユニットによって提供することのできる高い接触垂直力はまた、タブコンタクトとコンタクト本体との間の電気接続部のより高い耐振性を確実にする。したがって、本発明によるフラットソケットコンタクトデバイスは、HV振動クラス2+超またはクラス3の要件を満たす。
【0007】
基壁および上壁は、直方体状のキャリア構造体またはコンタクトボックスユニットの2つの最大面によって形成され、互いに対向して配置されている。キャリア構造体またはコンタクトボックスユニットは、主に直方体状の受入空間を画定する。
【0008】
一実施形態によれば、上壁は、内側部分壁と外側部分壁とを含み、内側部分壁と外側部分壁とは、平面状に互いに接触するように配置され、内側部分壁は、コンタクトボックスユニットの内壁を画定し、少なくとも1つのばね要素ユニットは、内側部分壁に形成されている。
【0009】
この技術的利点は、平面状に互いに接触して配置された2つの部分壁を使用して、壁厚が2倍の上壁を形成することである。コンタクトボックスユニットの内壁を画定する内側部分壁は、コンタクトボックスユニットの内部へ延びるばね要素ユニットを含む。他方、内側部分壁に載っている外側部分壁は、ばね要素ユニットを含まず、主に内側部分壁を補強するために使用されて、ばね要素ユニットの接触垂直力を増大させることができる。したがって、内側部分壁に載っている外側部分壁により、キャリア構造体全体を技術的に簡単に補強することができ、これにより、ばね要素ユニットの可能な接触垂直力を増大させることができるため、タブコンタクトに増大した接触垂直力を加えることができ、したがって、挿入されたタブコンタクトの電気的接触を向上させることができる。特に、上壁の壁厚を、基壁の壁厚の少なくとも2倍にすることができる。
【0010】
一実施形態によれば、基壁は、第1の側壁要素および第2の側壁要素を介して内側部分壁に一体に接続され、第1の壁要素および第2の壁要素は、コンタクトボックスユニットの側壁を画定する。
【0011】
これは、コンタクトボックスユニットの側壁を画定する第1の側壁要素を介して基壁を内側部分壁に一体に接続し、コンタクトボックスユニットの側壁を画定する第2の側壁要素を介して基壁を外側部分壁に一体に接続することによって、頑強なキャリア構造体を提供することができるという技術的利点を有する。この場合、2つの側壁要素は、コンタクトボックスユニットの主に直方体状の受入空間を境界付ける。
【0012】
一実施形態によれば、キャリア構造体は、多面曲げ構造体として設計されている。
【0013】
これは、多面曲げ構造体により、キャリア構造体の製造が容易になるという技術的利点を有する。
【0014】
一実施形態によれば、第1の側壁要素および第2の側壁要素はそれぞれ、90°曲がり部を介して、基壁ならびに内側部分壁および外側部分壁に対して角度を有して配置されている。
【0015】
このようにして、基壁ならびに内側部分壁および外側部分壁に対する第1の側壁要素および第2の側壁要素の90°曲がり部により、キャリア構造体の簡単かつ頑強な設計が可能になるという技術的利点を実現することができる。本発明によれば、90°曲がり部とは、75°~105°、好ましくは80°~100°、さらに好ましくは85°~95°の角度範囲、特に好ましくは90°を表す。
【0016】
一実施形態によれば、少なくとも1つのばね要素ユニットは、内側部分壁と一体的に形成されている。
【0017】
これは、内側部分壁におけるばね要素ユニットの一体設計により、ばね要素ユニットの頑強な設計と、キャリア構造体に対するばね要素ユニットの頑強な接続とが可能になるという技術的利点を有する。
【0018】
一実施形態によれば、少なくとも1つのばね要素ユニットは、曲げ要素として設計され、内側部分壁の側縁部に配置され、ばね要素ユニットは、180°曲がり部によって、少なくとも部分的に内側部分壁に沿って延びる。
【0019】
これは、内側部分壁と一体的に形成された、曲げ要素としてのばね要素ユニットの設計により、頑強なばね要素ユニットが可能になるという技術的利点を有する。加えて、180°曲がり部により、ばね要素ユニットをコンタクトボックスユニット内に容易に製造することができ、ばね要素ユニットを内側部分壁に部分的に平行に位置合わせすることが可能になる。本発明によれば、180°曲がり部とは、165°~195°、好ましくは170°~190°、さらに好ましくは175°~185°の角度範囲、特に好ましくは180°を表す。
【0020】
一実施形態によれば、内側部分壁と外側部分壁とは、少なくとも1つのクリンチ接続部および/または溶接接続部を介して互いに接続されている。
【0021】
この技術的利点は、クリンチ接続部および/または溶接接続部により、内側部分壁と外側部分壁とを互いに確実かつ頑強に固定することが可能になることである。
【0022】
一実施形態によれば、フラットソケットコンタクトデバイスを保持デバイスに固定するための固定留め具が、外側部分壁および/または基壁に配置されている。
【0023】
これは、外側部分壁および/または基壁の固定留め具により、フラットソケットコンタクトデバイスを、例えば車両の取付けデバイスに確実に配置することができるという技術的利点を実現することができる。固定留め具により、フラットソケットコンタクトデバイスを容易に取り付けることができる。
【0024】
一実施形態によれば、タブコンタクトに接触するための複数の接触ドームおよび/またはばね要素ユニットが、コンタクト本体に形成されている。
【0025】
これは、コンタクト本体の接触ドームおよび/または接触ばねにより、コンタクトとの効率的かつ強力な接触が可能になるため、高電流伝導が可能になるという技術的利点を実現することができる。
【0026】
一実施形態によれば、コンタクト本体は、少なくとも1つのクリンチ接続部を介して、コンタクトボックスユニット内のキャリア構造体の基壁に固定されている。
【0027】
これは、コンタクト本体が、クリンチ接続部によってコンタクトボックスユニットに確実に固定されるという技術的利点を有する。ここでは、クリンチ接続部は、コンタクト本体を固定するための簡単な解決策である。
【0028】
本出願の意味の範囲内において、クリンチ接続部を、ロックタブ接続部として設計してもよい。
【0029】
一実施形態によれば、少なくとも1つのクリンチ接続部は、タブコンタクトをコンタクトボックスユニットに挿入することができる前端部、および/または、前端部とは反対側に配置されたコンタクトボックスユニットの後端部に形成されている。
【0030】
これは、前端部のクリンチ接続部により、コンタクト本体が挿入開口部を通ってコンタクトボックスユニットから抜けることを防ぐという技術的利点を有する。他方、コンタクトボックスユニットの後端部のクリンチ接続部により、コンタクト本体がコンタクトボックスユニットに対して傾くことを防ぐことができる。後端部のクリンチ接続部は、コンタクト本体の側部領域に配置されている。
【0031】
コンタクトボックスユニットの前端部は、コンタクトボックスユニットの挿入開口部によって画定されている。
【0032】
一実施形態によれば、コンタクト本体は、コンタクト本体の前端部および/または側部領域に、少なくとも1つのクリンチ接続部を受け入れるための少なくとも1つの受入凹部を含む。
【0033】
これは、クリンチ接続部が、コンタクト本体の前端部または側部領域の凹部を通ってコンタクト本体に確実に係合することができ、したがって、コンタクト本体がコンタクトボックスユニット内でずれるまたは傾くことを防ぐことができるという技術的利点を有する。
【0034】
一実施形態によれば、コンタクトボックスユニットは、キャリア構造体の後壁によって後端部で限定されている。
【0035】
これは、コンタクトボックスユニットの後端部に配置された後壁により、タブコンタクトがコンタクトボックスユニットを通って抜けることを防ぐという技術的利点を有する。したがって、タブコンタクトを、後壁によって、コンタクトボックスユニットに正確に位置決めすることができる。
【0036】
実施形態によれば、後壁は、内側部分壁の側縁部と一体的に形成され、後壁は、90°曲がり部を介して、内側部分壁に対して角度を有して配置されている。
【0037】
これは、後壁と内側部分壁との一体設計により、後壁がキャリア構造体に固定されているという技術的利点を有する。内側部分壁に対する後壁の90°曲がり部により、後壁をコンタクトボックスユニットに対して位置合わせするための簡単な技術的解決策が可能になる。
【0038】
一実施形態によれば、キャリア構造体は、ステンレス鋼または銅化合物から形成されている。
【0039】
これは、安定した頑強なキャリア構造体を設けることができるという技術的利点を有する。
【0040】
一実施形態によれば、キャリア構造体は、挿入されたタブコンタクトに接触するために、最大40N、好ましくは最大50N、特に好ましくは最大60Nの接触垂直力を、少なくとも1つのばね要素ユニットによって提供するように構成されている。
【0041】
これは、ばね要素ユニットの増大した復元力により、増大した接触垂直力を、接触するタブコンタクトに加えることができるという技術的利点を有する。これにより、タブコンタクトとコンタクト本体との高性能の電気的接触が可能になるため、高電流領域における高電流の使用が可能になる。加えて、高い接触垂直力を使用して、接続部の耐振性を向上させることができる。接触垂直力は、タブコンタクトの表面に対して垂直に向けられる。
【0042】
一実施形態によれば、タブコンタクトを、ばね要素ユニットによってコンタクトボックスユニットに押さえ付けることができる。
【0043】
これは、ばね要素ユニットの増大した復元力およびタブコンタクトに加えられる接触垂直力によって、タブコンタクトをコンタクトボックスユニットに確実に固定することができるという技術的利点を有する。したがって、コンタクトボックスユニットからタブコンタクトが抜けること、およびそれに関連して電気的接触が途切れることを避けることができる。
【0044】
一実施形態によれば、フラットソケットコンタクトデバイスは、少なくとも約200V、300V、400V、500V、1kV、1.25kV、もしくは1.5kVの電圧、および/または、少なくとも約200A、300A、400A、500A、600A、800A、1kA、もしくは1.25kVの電流用に設計されている。
【0045】
これは、フラットソケットコンタクトデバイスを、特に高電圧領域または高電流領域における広範囲の電圧および電流用に使用することができるという技術的利点を有する。
【0046】
一態様によれば、前述した実施形態のうちの1つによる電気フラットソケットコンタクトデバイスと、主に直方体状のタブコンタクトとを備える電気接続システムが提供される。
【0047】
以下で、図面を参照しながら、本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】一実施形態による電気接続システムの概略図である。
図2】一実施形態による電気フラットソケットコンタクトデバイスの概略図である。
図3】さらなる実施形態による電気フラットソケットコンタクトデバイスのさらなる概略図である。
図4】さらなる実施形態による電気フラットソケットコンタクトデバイスのさらなる概略図である。
図5】さらなる実施形態による電気フラットソケットコンタクトデバイスのさらなる概略図である。
図6】さらなる実施形態による電気フラットソケットコンタクトデバイスのさらなる概略図である。
図7】さらなる実施形態による電気フラットソケットコンタクトデバイスのさらなる概略図である。
図8】さらなる実施形態による電気フラットソケットコンタクトデバイスのさらなる概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
図1は、一実施形態による電気接続システム200の概略図である。
【0050】
図示の電気接続システム200は、電気フラットソケットコンタクトデバイス100と、主に直方体状のタブコンタクト105とを備える。
【0051】
電気フラットソケットコンタクトデバイス100は、キャリア構造体101を備える。キャリア構造体101は、主に直方体状のコンタクトボックスユニット103を画定する。タブコンタクト105を、キャリア構造体101の開口部153を通して、キャリア構造体101の長手方向Lに沿ってコンタクトボックスユニット103に挿入することができる。キャリア構造体101は、基壁109と、基壁109に対向して配置された上壁111と、基壁109と上壁111とを互いに接続する2つの側壁要素121、123とを含む。第1の側壁要素115および第2の側壁要素117は、横方向Qに沿って互いに平行に離間するように設計されている。
【0052】
主に直方体状のコンタクト本体107が、主に直方体状のコンタクトボックスユニット103に配置されている。コンタクト本体107は、キャリア構造体の基壁109に載っている。上壁111と基壁109とは、直方体状のコンタクトボックスユニット103の2つの大きい面によって画定され、互いに平行に配置され、コンタクトボックスユニット103の高さ方向Hに沿って離間している。
【0053】
本発明によれば、上壁111は、基壁109よりも大きい壁厚を有する。上壁111の壁厚は、基壁109の壁厚の少なくとも2倍であることが好ましい。さらに、少なくとも1つのばね要素ユニット113(図1では見えない)が、上壁111に配置されている。ばね要素ユニット113は、コンタクトボックスユニット103内へ延び、コンタクトボックスユニット103に挿入されたタブコンタクト105に接触するように機能する。ばね要素ユニット113によって、接触垂直力を、コンタクトボックスユニット103に挿入されたタブコンタクト105に加えることができる。タブコンタクト105は、接触垂直力によってコンタクト本体107に押し付けられ、その結果、タブコンタクト105とコンタクト本体107とが電気的に接触する。
図示の実施形態において、ばね要素ユニット113は、180°曲がり部を介して上壁111、特に内側部分壁115に接続されている。180°曲がり部は、内側部分壁115の前端部139に形成され、したがって、ばね要素ユニット113は、コンタクトボックスユニット103の長手方向軸Lに平行に延びる。
【0054】
コンタクト本体107はまた、電流接続のためにライン接続要素151に接続されている。ライン接続要素151は、キャリア構造体101によって画定されたコンタクトボックスユニット103の外側に配置され、電気接続のために使用される。ライン接続要素151を、例えばケーブルラグとして設計することができ、このケーブルラグにより、フラットソケットコンタクトデバイス100をケーブルに接続することができる。コンタクト本体107を、例えば銅合金から形成することができる。代わりにまたは加えて、ライン接続要素151を、圧着パッド、超音波パッド、または溶接パッドとして設計することができる。
【0055】
図示の実施形態において、挿入されたタブコンタクト105は、コンタクトボックスユニット103に配置されたコンタクト本体107とキャリア構造体101の上壁111との間に配置される。
【0056】
図示の実施形態において、コンタクト本体107は、電気的接触のための複数の接触ドーム133を有する。接触ドーム133は、コンタクト本体107の表面165に形成され、この表面165からコンタクトボックスユニット103内へ突出する。したがって、挿入されたタブコンタクト105は、ばね要素ユニット113の接触圧力によってコンタクト本体107に押し付けられ、それにより、タブコンタクト105と複数の接触ドーム133との点接触が生じる。図示の実施形態において、接触ドーム133はそれぞれ、少なくとも部分的に円形の外面134と少なくとも部分的に球形の端部領域136とを含む部分的に円筒形の形状を有する。接触ドーム133は、少なくとも部分的に円筒形の形状を有し、表面165から突出する少なくとも部分的に円形の外面134を含む。表面165は、直方体状のコンタクト本体107の2つの大きい面のうちの一方によって形成され、内側部分壁115に平行に向けられている。
【0057】
図示の実施形態において、コンタクト本体107は、クリンチ接続部137を介してキャリア構造体101に接続されている。ここでは、クリンチ接続部137は、キャリア構造体101に一体に接続され、図示の実施形態において、コンタクト本体107の側部領域143に形成された受入凹部145に係合する。側部領域143は、2つの側壁要素121、123に当接する、直方体状のコンタクト本体107の小さい面のうちの少なくとも1つによって形成されている。図示の実施形態において、クリンチ接続部137は、キャリア構造体101の後端部141に形成されている。ここでは、後端部141は、キャリア構造体101の前端部139とは反対側に配置されている。
【0058】
図示の実施形態において、上壁111は、外側部分壁117と内側部分壁(図1では見えない)とを含む。ここでは、内側部分壁115と外側部分壁117とは、互いに平らに重なって配置されている。
【0059】
図示の実施形態において、キャリア構造体101の外側境界を画定する外側部分壁117は、固定留め具131を有する。固定留め具131は、フラットソケットコンタクトデバイス100を、例えば車両の受入構造体に固定するように機能する。固定留め具131によって、フラットソケットコンタクトデバイス100を、コンタクトデバイスを保持するための対応する保持構造体に確実に固定することができる。
【0060】
図示の実施形態において、第1の側壁要素121および第2の側壁要素123はそれぞれ、端面139に、受入チャンバ103の方向に曲げられた2つの折返し要素167を有する。この場合、折返し要素167は、180°曲がり部を有し、第1の壁要素121および第2の壁要素123に少なくとも部分的に平行に配置されている。
【0061】
図2は、一実施形態による電気フラットソケットコンタクトデバイス100の概略図である。
【0062】
図2の実施形態は、図1の実施形態に基づいており、図1の実施形態で説明した特徴の大部分を含む。
【0063】
図2は、上壁111の内側部分壁115および外側部分壁117の設計を示す。ここでは、内側部分壁115と外側部分壁117とは、互いに平らに重なって配置されている。内側部分壁115は、コンタクトボックスユニット103の内天井境界を表す。前述した少なくとも1つのばね要素ユニット113は、内側部分壁115に形成されている。図示の実施形態において、ばね要素ユニット113は、曲げ要素として設計され、コンタクトボックスユニット103の受入空間内へ延びる。図示の実施形態において、ばね要素ユニット113は、180°曲がり部169を有し、内側部分壁115に一体に接続されている。ばね要素ユニット113は、180°曲がり部169を介して、少なくとも部分的に内側部分壁115に沿って延びるように配置されている。ここでは、ばね要素ユニットは、キャリア構造体101の基壁109の方向に接触垂直力を加えるように配置されている。
【0064】
図示の実施形態において、内側部分壁115の側縁部の180°曲がり部が形成され、したがって、第2の側壁要素123に平行に延びる。内側部分壁115の側縁部は、第2の側壁要素123に平行に位置合わせされている。したがって、ばね要素ユニット113は、コンタクトボックスユニット103の長手方向軸Lに対して垂直に延びる。曲げ要素125として形成されたばね要素ユニット113は、第1の端部114と、反対側に配置された第2の端部116とを含む。第1の端部は、180°曲がり部に接続され、第2の端部116は自由端部として形成されている。第1の端部114と第2の端部116との間に、2つの帯状要素(bar element)118、122が形成され、曲がり部120を介して互いに接続されている。ばね要素ユニット113の2つの傾斜した帯状要素118、122は、曲がり部120により、互いに角度を有している。第2の端部116はまた、内側部分壁115に接触している。その結果、2つの帯状要素118、122と曲がり部120とは、内側部分壁115から離間し、コンタクトボックスユニット103の受入空間内へ突出する。
【0065】
図示の実施形態において、後端部141に形成されたクリンチ接続部137に加えて、コンタクト本体107は、前端部139に形成されたさらなるクリンチ接続部137を介して、キャリア構造体101、特にコンタクトボックスユニット103にさらに固定されている。このために、コンタクト本体107は、前端部139に、キャリア構造体101のクリンチ接続部137が係合することができるさらなる受入凹部145を有する。このために、クリンチ接続部137は、キャリア構造体101の基壁109に一体に接続されている。図示のクリンチ接続部137は、コンタクト本体107の表面165からコンタクトボックスユニット103内へ延びる湾曲領域163も有する。
【0066】
図示の実施形態において、コンタクト本体107は、前述した複数の接触ドーム133を有する。接触ドーム133は、ここでも主に円筒形状であり、コンタクト本体107の表面165から突出する。接触ドーム133は、コンタクト本体107の表面165上に、互いに離間した組で形成されている。
【0067】
図示の実施形態において、キャリア構造体101は、後端部141に後壁147も有する。後壁147は、基壁109に接続され、基壁109に対して角度を有して配置されている。コンタクトボックスユニット103は、後壁147によって後端部141に向けて境界付けられている。
【0068】
図示の実施形態において、内側部分壁115と外側部分壁117とは、2つのクリンチ接続部129によって互いにさらに固定されている。図示の実施形態において、クリンチ接続部129は、前端部139で外側部分壁117と一体的に形成され、内側部分壁115の周りに係合する。
【0069】
図示の実施形態において、第1の側壁要素121は、概ね連続した壁要素として形成されている。他方、第2の側壁要素123は、2つの帯状要素173によって形成されており、1つは前端部139に配置され、1つは後端部141に配置されている。
【0070】
図3は、さらなる実施形態による電気フラットソケットコンタクトデバイス100のさらなる概略図である。
【0071】
図3は、図2の実施形態に基づいており、図2の実施形態で説明したすべての特徴を含む。
【0072】
図示の実施形態において、さらなる固定留め具131が、キャリア構造体101の基壁109に形成されている。さらなる固定留め具131によっても、フラットソケットコンタクトデバイス100を対応するレセプタクルに固定することができる。
【0073】
基壁109および外側部分壁117の固定留め具131は、それぞれの壁109、117から打抜き曲げプロセスによってそれぞれ形成され、これらの壁から突出する。
【0074】
図4は、さらなる実施形態による電気フラットソケットコンタクトデバイス100のさらなる概略図である。
【0075】
図示の実施形態は、図2の実施形態に基づいており、図2の実施形態で説明したすべての特徴を含む。
【0076】
図示の実施形態において、内側部分壁115と外側部分壁117とは、前端部139に形成されたクリンチ接続部129に加えて、2つのさらなるクリンチ接続部129によって互いに固定されている。ここでは、さらなるクリンチ接続部129は、キャリア構造体101の側部領域175に形成されている。クリンチ接続部129は、第1の側壁要素121と一体的に形成されている。外側部分壁117は、側部クリンチ接続部129を受け入れるための2つの受入凹部177を有し、前記凹部は、外側部分壁117の側部領域175に配置されている。
【0077】
図5は、さらなる実施形態による電気フラットソケットコンタクトデバイス100のさらなる概略図である。
【0078】
図5に示す実施形態は、図4の実施形態に基づいており、図4の実施形態で説明したすべての特徴を含む。図示の実施形態は、第2の側壁要素123が連続した壁要素として設計され、図4の実施形態のように2つの帯状要素173によって形成されていない点で、図4の実施形態とは異なる。
【0079】
さらに、前端部139に形成された、コンタクト本体107を固定するためのクリンチ接続部137は、湾曲領域163なしで形成されている。他方で、クリンチ接続部137は、コンタクト本体107の表面165と同一平面にある。
【0080】
加えて、第1の側壁要素121および第2の側壁要素123は、図1に示した側部折返し要素167を有する。
【0081】
加えて、外側部分壁117には、前端部139にクリンチ接続部129がない。したがって、内側部分壁115と外側部分壁117とは、側部領域175に形成されたクリンチ接続部129のみを介して、互いに固定されている。
【0082】
図6は、さらなる実施形態による電気フラットソケットコンタクトデバイス100のさらなる概略図である。
【0083】
図6の実施形態は、図4の実施形態に基づいている。図4の実施形態とは対照的に、さらなるクリンチ接続部129は、側部領域175に形成されていない。加えて、前端部139に形成されたクリンチ接続部137は、湾曲領域163を有していない。クリンチ接続部137は、コンタクト本体107の表面165に直接載っている接触領域179を有する。さらに、コンタクト本体107の接触ドーム133は、接触ばね135に置き換えられている。接触ばね135は、キャリア構造体101の長手方向Lに対して垂直に延びる。ここでは、長手方向Lは、前端部139から後端部141へ延びる。
【0084】
複数の接触ばね135は、同様に長手方向Lに対して垂直に配置された溝付き凹部159によって分離されている。
【0085】
接触ばね135はそれぞれ、第1の端部181と、反対側に配置された第2の端部183とを有する。第1の端部181は、コンタクト本体107と一体的に形成され、第2の端部183は、自由端部として形成されている。接触ばね135は、湾曲領域185も有する。湾曲領域185は、第1の端部181と第2の端部183との間に延び、コンタクトボックスユニット103の受入空間内へ延びる。
【0086】
接触ばね135の第2の端部183は、円形凹部161に自由に取り付けられ、したがって、第2の端部183は、コンタクト本体107に対して自由に可動であり、接触ばねは、湾曲領域183により接触垂直力を提供するように装着されている。
【0087】
図7は、さらなる実施形態による電気フラットソケットコンタクトデバイス100のさらなる概略図である。
【0088】
図示の実施形態は、図6の実施形態に基づいており、図6の実施形態で説明したすべての特徴を含む。図7は主に、図6のフラットソケットコンタクトデバイス100の側面図である。図7では、接触ばね135が、互いに平行かつ長手方向Lに対して垂直に位置合わせされた状態で示されている。接触ばね135は、溝付き凹部177によって互いに分離され、第2の端部183は、円形凹部161において自由に可動である。
【0089】
図8は、さらなる実施形態による電気フラットソケットコンタクトデバイス100のさらなる概略図である。
【0090】
図示の実施形態において、フラットソケットコンタクトデバイス100のキャリア構造体101は、一体的な曲げ構造体として設計されている。図示の実施形態において、キャリア構造体101の個々の部品、すなわち、基壁109、内側部分壁115および外側部分壁117、ならびに第1の側壁要素121および第2の側壁要素123は、互いに一体に接続されている。
【0091】
ここでは、基壁109は、第3の側縁部187で第1の側壁要素121に接続され、第4の側縁部189を介して第2の側壁要素123に接続されている。外側部分壁117も、第5の側縁部191を介して第2の側壁要素123に接続されている。内側部分壁115は、第2の側縁部149を介して第1の側壁要素121に接続されている。さらに、ばね要素ユニット113は、内側部分壁115の第1の側縁部127に形成されている。
【0092】
第1の側壁要素121および第2の側壁要素123は、前記側縁部との接続部に、90°曲がり部171を有する。図では、キャリア構造体101が、曲げられていない形態で示され、平坦な構造体を表す。図1図7の立体の、主に直方体状のキャリア構造体101は、90°曲がり部171および180°曲がり部169における対応する曲げプロセスによって形成される。
【0093】
さらに、外側部分壁117は、前縁部193に、互いに離間した2つのクリンチ接続部129を有する。同様に、外側部分壁117は、後縁部195に2つのクリンチ接続部129を有する。
【0094】
同様に、基部板109は、前縁部193にさらなるクリンチ接続部137と、後縁部195で横方向に配置された2つのクリンチ接続部137とを有する。
【0095】
クリンチ接続部129、137はそれぞれ、180°曲がり部169を有し、これにより、クリンチ接続部129を内側部分壁115の周りで曲げることができ、クリンチ接続部137をコンタクト本体107の周りで曲げることができる。
【0096】
内側部分板115も、後縁部195に後壁147を有する。後壁147は、同様に90°曲がり部171を介して内側部分板115に配置され、したがって、コンタクトボックスユニット103の後方を境界付けするために、90°曲げることができる。
【0097】
図示の実施形態において、接触ばね135は、180°曲がり部169を介して第1の側縁部127に配置されている。図示の実施形態において、ばね要素ユニットは、曲げ要素125として設計され、互いに隣接して配置され、かつスロット155によってそれぞれ互いに分離された3つのばね要素ユニット113を有する。曲げ要素125は、第1の端部114と、反対側に配置された第2の端部116とを有する。曲げ要素125は、第1の端部114を介して180°曲がり部169に接続され、第2の端部116は、自由端部として形成されている。個々のばね要素ユニット113は、曲がり部120を介して互いに接続された2つの帯状要素118、122を有する。帯状要素118、122を、曲がり部120を介して、互いに角度を有して配置することができる。
曲がり部120および帯状要素118、122により、例えば180°曲がり部169により、ばね要素ユニット113は、対応する接触垂直力を生じさせることができる。180°曲がり部169により、ばね要素ユニット113または曲げ要素125を、内側部分壁115に少なくとも部分的に平行に配置することができる。これは、図2図4図6および図7の実施形態に示すように、ばね要素ユニット113が、コンタクトボックスユニットの長手方向Lに対して垂直に配置され、内側部分壁115に沿って延びるからである。ここでは、第2の端部116は、内側部分壁115に接触することができるが、曲がり部120によって互いに接続された帯状要素118、122は、内側部分壁115から離間し、コンタクトボックスユニット103の受入空間内へ延びて、戻りを確実にする。
【0098】
同様に、図1および図5の実施形態に示すように、ばね要素ユニット113または曲げ要素125のばね要素ユニット113を、対応する180°曲がり部169を介して、内側部分壁115の前縁部193に形成してもよい。このような構成では、曲げ要素125のばね要素ユニット113は、コンタクトボックスユニット103の長手方向軸Lに平行に延びる。
【0099】
図示の実施形態において、第1の側壁要素121は、90°曲がり部171の領域に配置された4つのスロット155を有する。同様に、第2の側壁要素123は、凹部157を有し、主に帯状要素173によって形成されている。
【0100】
さらに、基壁109および外側部分壁117は、固定留め具131を有する。固定留め具131はそれぞれ、第1の端部196と、反対側の第2の端部197とを有する。第1の端部196は、曲がり部198を介して基壁109または外側部分壁117に接続されている。他方、第2の端部197は、自由端部として形成されている。曲がり部198を介して、固定留め具131を、基壁109または外側部分壁117に対して、希望に応じて設定可能な角度を有して曲げることができる。これにより、固定留め具137は、接触垂直力を生じさせることができる。固定留め具137は、打抜きプロセスによって製造され、主にU字形のスロット199によって取り囲まれている。
【0101】
一実施形態によれば、キャリア構造体101は、ステンレス鋼から形成されている。キャリア構造体101を、打抜きプロセスによって対応するシート材料から製造し、このために設けられた曲がり部169、171、198における前述した曲げプロセスによって、図1図7の立体キャリア構造体101に変えることができる。
【0102】
図8に示す実施形態は、主に例示的なものに過ぎず、様々な要因に関して図示の実施形態から外れてもよい。特に、ばね要素ユニット113は、図示の実施形態とは形状、数、および向きが異なっていてもよい。
【符号の説明】
【0103】
100 フラットソケットコンタクトデバイス
101 キャリア構造体
103 コンタクトボックスユニット
105 タブコンタクト
107 コンタクト本体
109 基壁
111 上壁
113 ばね要素ユニット
114 第1の端部
115 内側部分壁
116 第2の端部
117 外側部分壁
118 帯状要素
119 内壁
120 曲がり部
121 第1の側壁要素
122 帯状要素
123 第2の側壁要素
125 曲げ要素
127 第1の側縁部
129 クリンチ接続部
131 固定留め具
133 接触ドーム
134 外面
135 接触ばね
136 端部領域
137 クリンチ接続部
139 前端部
141 後端部
143 側部領域
145 受入凹部
147 後壁
149 第2の側縁部
151 ライン要素
153 開口部
155 スロット
157 凹部
159 溝付き凹部
161 円形凹部
163 湾曲領域
165 表面
167 折返し要素
169 180°曲がり部
171 90°曲がり部
173 帯状要素
175 側部領域
177 受入凹部
179 接触領域
181 第1の端部
183 第2の端部
185 湾曲領域
187 第3の側縁部
189 第4の側縁部
191 第5の側縁部
193 前縁部
195 後縁部
196 第1の端部
197 第2の端部
198 曲がり部
199 U字形スロット
200 高電流接続システム
H 高さ方向
L 長手方向
Q 横方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-04-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力接続のための電気フラットソケットコンタクトデバイス(100)であって、
前記電気フラットソケットコンタクトデバイス(100)は、
● 主に直方体状のコンタクトボックスユニット(103)を形成するキャリア構造体(101)を備え、
前記コンタクトボックスユニット(103)は、前記電気フラットソケットコンタクトデバイス(100)に電気的に接触するための主に直方体状のタブコンタクト(105)を前記コンタクトボックスユニット(103)に差し込むことができるように構成されており、
● 前記コンタクトボックスユニット(103)に差し込まれた前記タブコンタクト(105)に接触するために前記コンタクトボックスユニット(103)に配置された、主に直方体状のコンタクト本体(107)と
を備え、

前記コンタクト本体(107)は、前記キャリア構造体(101)の基壁(109)に配置され、
前記基壁(109)に対向して配置された前記キャリア構造体(101)の上壁(111)に、前記タブコンタクト(105)に機械的に接触するための少なくとも1つのばね要素ユニット(113)が配置され、
前記上壁(111)は、前記基壁(109)よりも大きい壁厚を有する、
電気フラットソケットコンタクトデバイス(100)。
【請求項2】
前記上壁(111)は、内側部分壁(115)と外側部分壁(117)とを含み、
前記内側部分壁(115)と前記外側部分壁(117)とは、平面状に互いに接触するように配置され、
前記内側部分壁(115)は、前記コンタクトボックスユニット(103)の内壁(119)を画定し、
前記少なくとも1つのばね要素ユニット(113)は、前記内側部分壁(115)に形成されている、
請求項1に記載の電気フラットソケットコンタクトデバイス(100)。
【請求項3】
前記基壁(109)は、第1の側壁要素(121)を介して前記内側部分壁(115)に一体に接続され、第2の側壁要素(123)を介して前記外側部分壁(117)に一体に接続され、
前記第1の壁要素(121)および前記第2の壁要素(123)は、前記コンタクトボックスユニット(103)の側壁を画定する、
請求項2に記載の電気フラットソケットコンタクトデバイス(100)。
【請求項4】
前記キャリア構造体(101)は、多面曲げ構造体として設計されている、
請求項1から3のいずれか一項に記載の電気フラットソケットコンタクトデバイス(100)。
【請求項5】
前記第1の側壁要素(121)および前記第2の側壁要素(123)はそれぞれ、90°曲がり部を介して、前記基壁(109)ならびに前記内側部分壁および前記外側部分壁に対して角度を有して配置されている、
請求項3に記載の電気フラットソケットコンタクトデバイス(100)。
【請求項6】
前記少なくとも1つのばね要素ユニット(113)は、前記内側部分壁(115)と一体的に形成されている、
請求項2または3に記載の電気フラットソケットコンタクトデバイス(100)。
【請求項7】
前記少なくとも1つのばね要素ユニット(113)は、曲げ要素(125)として設計され、前記内側部分壁(115)の側縁部(127)に配置され、
前記ばね要素ユニット(113)は、180°曲がり部を介して、少なくとも部分的に前記内側部分壁(115)に沿って延びる、
請求項2または3に記載の電気フラットソケットコンタクトデバイス(100)。
【請求項8】
前記内側部分壁(115)と前記外側部分壁(117)とは、少なくとも1つのクリンチ接続部(129)および/または溶接接続部を介して互いに接続されている、
請求項2または3に記載の電気フラットソケットコンタクトデバイス(100)。
【請求項9】
前記電気フラットソケットコンタクトデバイス(100)を保持デバイスに固定するための固定留め具(131)が、前記外側部分壁(117)および/または前記基壁(109)に配置されている、
請求項2または3に記載の電気フラットソケットコンタクトデバイス(100)。
【請求項10】
前記タブコンタクト(105)に接触するための少なくとも1つの接触ドーム(133)および/または前記タブコンタクト(105)に接触するための少なくとも1つの接触ばね(135)が、前記コンタクト本体(107)に形成されている、
請求項1からのいずれか一項に記載の電気フラットソケットコンタクトデバイス(100)。
【請求項11】
前記コンタクト本体(107)は、少なくとも1つのクリンチ接続部(137)を介して、前記コンタクトボックスユニット(103)内の前記キャリア構造体(101)の前記基壁(109)に接続されている、
請求項1からのいずれか一項に記載の電気フラットソケットコンタクトデバイス(100)。
【請求項12】
前記少なくとも1つのクリンチ接続部(137)は、前記タブコンタクト(105)を前記コンタクトボックスユニット(103)に挿入することができる前端部(139)、および/または、前記前端部(139)とは反対側に配置された前記コンタクトボックスユニット(103)の後端部(141)に形成されている、
請求項11に記載の電気フラットソケットコンタクトデバイス(100)。
【請求項13】
前記コンタクト本体(107)は、前記コンタクト本体(107)の前端部(139)および/または側部領域(143)に、前記少なくとも1つのクリンチ接続部(137)を受け入れるための少なくとも1つの受入凹部(145)を含む、
請求項11に記載の電気フラットソケットコンタクトデバイス(100)。
【請求項14】
前記コンタクトボックスユニット(103)は、前記キャリア構造体(101)の後壁(147)を介して、前記後端部(141)で境界付けられている、
請求項12に記載の電気フラットソケットコンタクトデバイス(100)。
【請求項15】
前記上壁(111)は、内側部分壁(115)と外側部分壁(117)とを含み、
前記後壁(147)は、前記内側部分壁(115)の側縁部(149)と一体的に形成され、
前記後壁(147)は、90°曲がり部を介して、前記内側部分壁(115)に対して角度を有して配置されている、
請求項14に記載の電気フラットソケットコンタクトデバイス(100)。
【請求項16】
前記キャリア構造体(101)は、ステンレス鋼または銅化合物から製造されている、
請求項1からのいずれか一項に記載の電気フラットソケットコンタクトデバイス(100)。
【請求項17】
前記キャリア構造体(101)は、差し込まれた前記タブコンタクト(105)に接触するために、最大40N、または最大50N、または最大60Nの接触垂直力を、前記少なくとも1つのばね要素ユニット(113)によって提供するように構成されている、
請求項1からのいずれか一項に記載の電気フラットソケットコンタクトデバイス(100)。
【請求項18】
前記タブコンタクト(105)を、前記ばね要素ユニット(113)によって前記コンタクトボックスユニット(103)に押さえ付けることができる、
請求項1からのいずれか一項に記載の電気フラットソケットコンタクトデバイス(100)。
【請求項19】
少なくとも約200V、300V、400V、500V、1kV、1.25kV、もしくは1.5kVの電圧、および/または、少なくとも約200A、300A、400A、500A、600A、800A、1kA、もしくは1.25kの電流用に設計されている、
請求項1からのいずれか一項に記載の電気フラットソケットコンタクトデバイス(100)。
【請求項20】
請求項1からのいずれか一項に記載の電気フラットソケットコンタクトデバイス(100)と、
主に直方体状のタブコンタクト(105)と
を備える電気接続システム(200)。
【外国語明細書】