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  • 特開-IO-Linkワイヤレス通信 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116103
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】IO-Linkワイヤレス通信
(51)【国際特許分類】
   H01Q 21/24 20060101AFI20240820BHJP
   H01P 1/17 20060101ALI20240820BHJP
   H01Q 1/38 20060101ALI20240820BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20240820BHJP
【FI】
H01Q21/24
H01P1/17
H01Q1/38
H04W84/10 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024020431
(22)【出願日】2024-02-14
(31)【優先権主張番号】23305200
(32)【優先日】2023-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
2.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】594083128
【氏名又は名称】シュネーデル、エレクトリック、インダストリーズ、エスアーエス
【氏名又は名称原語表記】SCHNEIDER ELECTRIC INDUSTRIES SAS
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100124372
【弁理士】
【氏名又は名称】山ノ井 傑
(72)【発明者】
【氏名】モハメド、アル、アジミ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-イブ、ブーランジェ
(72)【発明者】
【氏名】ベルトラン、フリュシャール
【テーマコード(参考)】
5J021
5J046
5K067
【Fターム(参考)】
5J021AB02
5J021AB03
5J021JA06
5J046AA12
5J046AB07
5J046AB12
5J046AB13
5J046PA04
5K067AA41
5K067EE25
5K067EE35
5K067KK01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】任意の数の通信ネットワークに動作可能に接続して、プロセス/機械制御機能に加えて、在庫管理、会計、製造管理などの様々なビジネス管理機能を容易にする装置を提供する。
【解決手段】コントローラ(CNT)と、産業用近距離ワイヤレス通信用のマスタデバイス(MD)と、通信デバイス(CD)のセットと、を備える通信システムにおいて、複数の無線周波数トランシーバ(RFT)のセット及び処理ユニット(PU)を備えるMDは、複数のRFTのセットにリンクされた複数のトラックに接続され、かつ、1つのアンテナ(ANT)のみに接続されたスプリッタ(SP)をさらに備え、前記ANTは、円偏波アンテナであり、前記SPは、90度移相器を備え、前記複数のトラックは、1つの同一のプリント回路基板(PCB)に統合され、かつ、前記RFTを前記SPに接続する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の無線周波数トランシーバ(RFT)のセットを備える、産業用近距離ワイヤレス通信用の装置(MD)であって、
前記装置は、前記複数の無線周波数トランシーバのセットにリンクされた複数のトラックに接続され、かつ、1つのアンテナ(ANT)のみに接続されたスプリッタ(SP)を備え、
前記アンテナ(ANT)は、円偏波アンテナであり、
前記スプリッタ(SP)は、90度移相器を備える、
装置。
【請求項2】
前記装置は、双方向、デジタル、ポイント・ツー・ポイントの産業用ワイヤレス通信用に適合される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記装置は、IO-Linkワイヤレス技術に準拠している、請求項1から2のいずれか一項に記載の装置。
【請求項4】
前記装置は、前記複数の無線周波数トランシーバ(RFT)の数に基づいて信号レベルを増加させるように適合された処理ユニット(PU)を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記装置は、前記アンテナ(ANT)がプリントされたプリント回路基板(PCB)を備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記アンテナ(ANT)は、ヘリカルアンテナ、ダイポールアンテナ、ミアンダアンテナ、及び平面逆Fアンテナのうちの1つである、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記複数のトラックは、1つの同一のプリント回路基板(PCB)に統合され、かつ、前記複数の無線周波数トランシーバ(RFT)を前記スプリッタ(SP)に接続する複数の導電性トラックである、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器がワイヤレスリンクを用いて複数のモジュールと通信することを可能にする近距離無線周波数通信システムに関する。本発明は、特に、マスタモジュールと通信する複数の対話ユニットを備えるシステムに適用することができる。これらの様々な対話ユニットは、例えば、プッシュボタン又はスイッチ、視覚又は音響シグナリングユニット(ランプ、ブザーなど)、センサ又は検出器、アクチュエータなどである。
【背景技術】
【0002】
産業用オートメーション/制御システムは、プロセス、機械などを含む多種多様なシステムの動作を制御するために使用され、典型的には、制御モジュール、入出力(Input/Output:I/O)モジュール、I/Oデバイスなどの複数の制御システム構成要素又はデバイスの構成及び相互接続を介して異なる制御用途に適合可能である。既存の産業用制御システムは、典型的には、I/Oシステム(例えば、典型的には、1つ又は複数のI/Oモジュール又はデバイス)と相互作用して、フィールドセンサからアナログ及び/又はデジタル入力の形態でシステム情報を受信し、1つ又は複数のアクチュエータに出力(アナログ及び/又はデジタル)を提供する制御プログラムを実行するプロセッサを含む。産業用制御システムは、ますます製造施設内の管理情報システム及び他のシステムと相互接続されており、任意の数の通信ネットワークに動作可能に接続して、プロセス/機械制御機能に加えて、在庫管理、会計、製造管理などの様々なビジネス管理機能を容易にすることができる。
【0003】
例えば、このような産業用オートメーション/制御システムでは、以下の2つのワイヤレス技術が使用されている。Zigbee Green Powerは、各チャネルに予約されている2MHzの帯域幅、及び250kbit/sのデータレートで通信する16個のチャネルを提供する。Bluetooth Low Energyは、各チャネルに予約されている1MHzの帯域幅及び1Mbit/sのデータレートで40個のチャネルを提供する。
【0004】
これらのワイヤレス技術は、WiFi、4G、5G送信機、及び同じ帯域幅の任意のワイヤレス技術によって互いに妨害されることがあり、その結果、ワイヤレス接続が失われることがある、ロバストではない無線通信を提供するという点で欠点がある。
【0005】
次いで、これらの欠点のいくつかを克服するために、IO-Linkワイヤレスと呼ばれる新たなワイヤレス技術が導入された。IO-Linkワイヤレス技術は、Bluetooth Low Energyを改良したもので、レイテンシが5msと低く、外乱チャネルを回避するためにブラックリストチャネルを使用でき、及び非常に良好なフレーム誤り率又は信頼性を有する。
【0006】
IO-Linkワイヤレスは、マスタとデバイスを中心に構成されるシステムであり、例えば10m程度のエリアで最大3つまでのマスタを管理する。各マスタは、5つのトラックを管理することができ、したがって、通信用に5つのアンテナを必要とする。
【0007】
したがって、IO-Linkワイヤレス技術に準拠した通信システムの効率を改善するための単純で、省スペースで経済的な解決策を見出す必要がある。
【発明の概要】
【0008】
この概要は、本発明の主題に関連する概念を紹介するために提供される。この概要は、特許請求される主題の本質的な特徴を特定することを意図するものでも、特許請求される主題の範囲を決定又は限定するために使用することを意図するものでもない。
【0009】
一実装形態では、複数の無線周波数トランシーバのセットを備える、産業用近距離ワイヤレス通信用の装置が提供され、
装置は、複数の無線周波数トランシーバのセットにリンクされた複数のトラックに接続され、かつ、1つのアンテナのみに接続されたスプリッタを備え、
アンテナは、円偏波アンテナであり、
スプリッタは、90度移相器を備える。
【0010】
有利には、アンテナが1つしか存在しないことで、装置のサイズが大幅に小さくなり、装置トラックのアンテナ(ここでは1つのアンテナのみ)と環境(他のアンテナなし)との間の内部干渉を回避する。装置は、いくつかのスプリッタ/コンポーザを使用して、常に1つの固有のアンテナを介してより多くのワイヤレストラックを扱うことを可能にする。
【0011】
一実施形態では、装置は、双方向、デジタル、ポイント・ツー・ポイントの産業用ワイヤレス通信用に適合される。
【0012】
一実施形態では、装置は、IO-Linkワイヤレス技術に準拠している。
【0013】
一実施形態では、装置は、複数の無線周波数トランシーバの数に基づいて信号レベルを増加させるように適合された処理ユニットを備える。装置は、ワイヤレス規制を遵守しながら、各トラックの電力伝送を増加させて、スプリッタ/コンポーザの挿入損失を補償することができる。
【0014】
一実施形態では、装置は、アンテナがプリントされたプリント回路基板を備える。
【0015】
一実施形態では、アンテナは、ヘリカルアンテナ、ダイポールアンテナ、ミアンダアンテナ、及び平面逆Fアンテナのうちの1つである。
【0016】
一実施形態では、複数のトラックは、1つの同一のプリント回路基板(Printed Circuit Board:PCB)に統合(integrate)され、かつ、複数の無線周波数トランシーバ(Radio Frequency Transceiver:RFT)をスプリッタに接続する複数の導電性トラックである。
【0017】
装置は、ただ1つのアンテナを使用することによって受信信号ノイズを低減することを可能にし(他のアンテナとの無線周波数ディアフォニアがない)、これはまた、より良好なレイテンシを保証するために最適化されたリトライ回数を可能にする。
【0018】
詳細な説明は、添付の図面を参照して説明される。図中、参照符号の最左桁は、参照符号が最初に現れる図を識別する。ここで、本主題の実施形態によるシステム及び/又は方法のいくつかの実施形態を、単なる例として、添付のたった1つの図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】一実施形態による通信システムの簡略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
同じ参照符号は、すべての図面において同じ要素又は同じタイプの要素を表す。
【0021】
当業者には、本明細書におけるブロック図はいずれも、本主題の原理を具現化する例示的なシステムの概念図を表すことが理解されよう。同様に、フローチャート、流れ図、状態遷移図、擬似コードなどはいずれも、コンピュータ可読媒体で実質的に表され、このようなコンピュータ又はプロセッサが明示的に示されているか否かにかかわらず、コンピュータ又はプロセッサによって実行され得る様々なプロセスを表すことが理解されよう。
【0022】
図面及び以下の説明は、本発明の特定の例示的な実施形態を示す。したがって、当業者には、本明細書に明示的に記載又は示されていないが、本発明の原理を具現化し、本発明の範囲内に含まれる様々な構成を考案することができることが理解されよう。さらに、本明細書に記載の例はいずれも、本発明の原理の理解を助けることを意図しており、そのような具体的に列挙された例及び条件に限定されないと解釈されるべきである。結果として、本発明は、以下に記載の特定の実施形態又は例に限定されず、特許請求の範囲及びそれらの等価物によって限定される。
【0023】
産業用通信の進化に伴い、コネクテッドロボット、倉庫オートメーション、及びファクトリー加工機械類などのマシン・ツー・マシン通信がますます普及しており、より高い可用性、より良好なロバスト性、より低いレイテンシ、及び決定論的なパターンが求められるようになっている。ケーブルベースの通信は、柔軟性、モビリティ、及びモニタリングの観点から、コネクテッドデバイスの急増によって求められるすべての要件を満たすことができない。IO-Link規格の拡張であるIO-Linkワイヤレスは、これらのニーズに対処し、信頼性が高く決定論的なワイヤレス通信をセンサ及びアクチュエータに提供するワイヤレスプロトコルである。
【0024】
IO-Linkワイヤレス規格は、産業用ファクトリーオートメーション制御システム向けに信頼性のあるリアルタイムかつ決定論的なプロトコルを提供し、産業用制御用途におけるシリアル・ワイヤド・ケーブルを拡張し、ワイヤドプロトコルに欠けているモビリティ及び柔軟性を追加する。
【0025】
IO-Linkワイヤレスは、ファクトリーオートメーション環境におけるセンサ、アクチュエータ、及びコントローラ(PLC)間のワイヤレスネットワーク通信を定義している。それは、ケーブルと同様のレベルの性能及び後方互換性のあるインターフェースを提供するように設計されたものである。IO-Linkワイヤレスは、40個のノード(センサ又はアクチュエータ)との5msの決定論的な通信レイテンシを提供する。それは、パケット誤り率(Packet Error Rate:PER)10e-9よりも良好な信頼性を提供する。
【0026】
図1を参照すると、通信システムは、コントローラCNTと、マスタデバイスMDと、通信デバイスCDのセットとを備える。
【0027】
通信システムは、(マスタデバイスとしての)IO-Linkワイヤレス・フィールドバス・ゲートウェイと、(通信デバイスとしての)IO-LinkワイヤレスデバイスとからなるIO-Linkワイヤレスシステムを形成する。
【0028】
コントローラCNTは、プログラマブル・ロジック・コントローラ(Programmable Logic Controller:PLC)、プログラマブル・オートメーション・コントローラ(Programmable Automation Controller:PAC)、又は他のタイプの処理デバイスとすることができる。
【0029】
通信デバイスCDは、センサ、アクチュエータ、RFIDリーダ、バルブ、モータスタータ、又は単純なI/Oモジュールであり得る。
【0030】
各通信デバイスCDは、マスタデバイスMDとデータを交換するためのエアインターフェースを備える。
【0031】
マスタデバイスMDは、処理ユニットPUと、プリント回路基板PCBと、無線周波数トランシーバRFTのセットと、スプリッタSPと、アンテナANTとを備える。
【0032】
マスタデバイスMDは、マスタデバイスMDから通信デバイスCDにメッセージを送信するための独自のトラック及び専用周波数チャネルを有する最大5つの(小帯域)無線周波数トランシーバRFTを備えることができる。各トラックは、最大8つの通信デバイスCDにサービスを提供し、交互に送受信することができる。一実施形態では、マスタデバイスMDのすべてのトラックは、周波数ホッピング算出テーブルに従って異なる周波数で同時に送信することができる。
【0033】
マスタデバイスMDは、双方向、デジタル、ポイント・ツー・ポイントの産業用ワイヤレス通信を介して通信デバイスCDと通信する。
【0034】
無線周波数トランシーバRFTのセットは、アンテナANTにリンクされたスプリッタSPに接続される。トランシーバのセットは、最終的に、各トランシーバがそれ自体のアンテナにリンクされる代わりに、ただ1つのアンテナにリンクされる。したがって、(多くのアンテナを有する古典的なデバイスと比較して)アンテナ間の結合が大幅に低減され、干渉が低減され、ワイヤレス・リンク・バジェットが改善される。
【0035】
従来のIO-Linkワイヤレスシステム向けの従来のアンテナは、直線偏波を有し、全方向性ではない(アンテナ軸に放射がない)放射パターンを有する水平又は垂直アンテナである。従来のIO-Linkワイヤレス用の従来のアンテナの数は、アンテナの一部の向きについては、無線周波数範囲リンクの減少につながる。
【0036】
アンテナANTは、円偏波を有するように設計される。
【0037】
一実施形態では、アンテナANTは、90度移相器にリンクされた2つのアンテナ(水平及び垂直)の組合せである。円偏波の使用は、マスタデバイス及び通信デバイスの空間的配向に関係なく、それらの間の良好なワイヤレス通信を保証する。
【0038】
アンテナANTの放射パターンは全方向性(すべての空間方向で放射が同じ)であり、無線周波数範囲リンクはすべてのアンテナ配向について同一である。
【0039】
一実施形態では、アンテナANTは、プリント回路基板PCB上に印刷することができ、マイクロストリップに実装されたワイヤレス回路構成に使用することができる任意のタイプの短絡パッチアンテナとすることができる。
【0040】
一実施形態では、メインアンテナは、平面逆Fアンテナ(Planar Inverted-F Antenna:PIFA)、ヘリカルアンテナ、又はミアンダアンテナである。
【0041】
プリント回路基板PCBは、それが組み込まれているデバイスに応じて設計することができる。プリント回路基板PCBは、導電性トラックの長さと無線周波数トランシーバRFTの電力との間で全体的な整合性を示すべきである。トラックは、波がすべてのトラックに均一に分布することを可能にするように画定された形状を有するパッシブ電子アセンブリである。したがって、トラックの形状及び寸法は、送信される波の所望のスペクトルに合わせて画定することができる。
【0042】
処理ユニットPUは、マスタデバイスと通信デバイスとの間でワイヤレスでデータを送受信するように構成される。
【0043】
一実施形態では、送信サイクルは2つの位相からなることができる。第1の位相では、出力データを送信するために、マスタデバイスは、割り当てられたタイムスロット内で通信デバイス向けのマルチキャストフレームでダウンリンクデータを送信する。第2の位相では、マスタデバイスは、合意された固定方式に従って次々に送信する通信デバイスからアップリンクデータを収集する。
【0044】
一実施形態では、処理ユニットPUは、ガウス周波数シフトキーイング(Gaussian Frequency Shift Keying:GFSK)変調のような狭帯域を使用する。この変調は、高い電力効率及び干渉源に対する良好な除去性能を持つだけでなく、1MHzという狭帯域によるチャネルフェージングに対する耐性も持つ。処理ユニットPUは、周波数及び時分割多重アクセス方式の組合せ(Frequency and Time Division Multiple Access Scheme:F/TDMA)を使用することができる。メッセージは、定義された時間枠内で半二重モードでマスタデバイスと通信デバイスとの間で交換することができる。
【0045】
一実施形態では、処理ユニットPUは、周波数ホッピング及びダイナミックブラックリスト作成の2つのメカニズムを使用し、これにより、2.45GHz帯域に3つのWLAN帯域が割り当てられている産業プラントでも、低いパケット誤り率でワイヤレスセンサ/アクチュエータネットワークを動作させることが可能になる。
【0046】
処理ユニットPUは、無線周波数トランシーバの数に基づいて信号レベルを増加させるようにさらに構成される。スプリッタSPの挿入損失を補償するために、マスタデバイスMDから送信されるワイヤレス電力を増加させることができる(例えば、2mWではなく10mW)。また、通信デバイスCDのワイヤレス送信電力もまた、必要なワイヤレス規格に準拠して増加させることができる。
【0047】
一実施形態は、1つ又は複数のプロセッサ、I/Oインターフェース、ネットワークインターフェース、及びプロセッサに結合されたメモリを備える装置の形態のマスタデバイスMDを備える。プロセッサは、1つ又は複数のマイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、中央処理装置、ステートマシン、論理回路構成、及び/又は動作命令に基づいて信号を操作する任意のデバイスとして実装することができる。プロセッサは、単一の処理ユニット又はいくつかのユニットとすることができ、そのすべてが複数のコンピューティングユニットを含むこともできる。他の能力の中でもとりわけ、プロセッサは、メモリに記憶されているコンピュータ可読命令をフェッチして実行するように構成される。
【0048】
プロセッサが実現する機能は、専用のハードウェアを用いる他、適切なソフトウェアと連携してソフトウェアを実行可能なハードウェアを用いて実現し得る。プロセッサによって提供される場合、機能は、単一の専用プロセッサによって、単一の共有プロセッサによって、又はそのうちのいくつかが共有されてもよい複数の個々のプロセッサによって提供されてもよい。さらに、「プロセッサ」という用語の明示的な使用は、ソフトウェアを実行することができるハードウェアを排他的に指すと解釈されるべきではなく、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor:DSP)ハードウェア、ネットワークプロセッサ、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)、ソフトウェアを記憶するための読み出し専用メモリ(Read Only Memory:ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(Random Access Memory:RAM)、及び不揮発性記憶装置を暗黙的に含み得るが、これらに限定されない。従来及び/又はカスタムの他のハードウェアも含まれ得る。
【0049】
メモリは、例えば、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(Static Random Access Memory:SRAM)及びダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(Dynamic Random Access Memory:DRAM)などの揮発性メモリ、並びに/又は読み出し専用メモリ(Read Only Memory:ROM)、消去可能プログラマブルROM、フラッシュメモリ、ハードディスク、光ディスク、及び磁気テープなどの不揮発性メモリを含む、当技術分野で公知の任意のコンピュータ可読媒体を含むことができる。メモリは、モジュール及びデータを含む。モジュールは、特定のタスクを実行し、又は特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。データは、とりわけ、モジュールのうちの1つ又は複数によって処理、受信、及び生成されたデータを格納するためのリポジトリとして機能する。
【0050】
当業者は、上記の方法のステップがプログラムされたコンピュータによって実行され得ることを容易に認識するであろう。本明細書では、いくつかの実施形態はまた、機械又はコンピュータ可読であり機械実行可能又はコンピュータ実行可能な命令のプログラムを符号化するプログラム記憶装置、例えばデジタルデータ記憶媒体をカバーすることを意図しており、当該命令は、記載の方法のステップの一部又はすべてを実行する。プログラム記憶装置は、例えば、デジタルメモリ、磁気ディスク及び磁気テープなどの磁気記憶媒体、ハードドライブ、又は光学的に読み取り可能なデジタルデータ記憶媒体であってもよい。
【0051】
以上、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明を、本明細書に記載の特定の形態に限定することを意図するものではない。むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲によってのみ限定され、上記の特定の形態以外の他の実施形態も、これらの添付の特許請求の範囲内で等しく可能である。
【0052】
さらに、例示的な実施形態が、構成要素及び/又は機能のいくつかの例示的な組合せで上述されているが、代替的な実施形態は、本開示の範囲から逸脱することなく、部材及び/又は機能の異なる組合せによって提供されてもよいことが理解されよう。さらに、個別に又は実施形態の一部として記載されている特定の特徴は、他の個別に記載されている特徴又は他の実施形態の一部と組み合わせることができることが特に企図される。
図1
【手続補正書】
【提出日】2024-03-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の無線周波数トランシーバ(RFT)のセットを備える、産業用近距離ワイヤレス通信用の装置(MD)であって、
前記装置は、前記複数の無線周波数トランシーバのセットにリンクされた複数のトラックに接続され、かつ、1つのアンテナ(ANT)のみに接続されたスプリッタ(SP)を備え、
前記アンテナ(ANT)は、円偏波アンテナであり、
前記スプリッタ(SP)は、90度移相器を備える、
装置。
【請求項2】
前記装置は、双方向、デジタル、ポイント・ツー・ポイントの産業用ワイヤレス通信用に適合される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記装置は、IO-Linkワイヤレス技術に準拠している、請求項に記載の装置。
【請求項4】
前記装置は、前記複数の無線周波数トランシーバ(RFT)の数に基づいて信号レベルを増加させるように適合された処理ユニット(PU)を備える、請求項に記載の装置。
【請求項5】
前記装置は、前記アンテナ(ANT)がプリントされたプリント回路基板(PCB)を備える、請求項に記載の装置。
【請求項6】
前記アンテナ(ANT)は、ヘリカルアンテナ、ダイポールアンテナ、ミアンダアンテナ、及び平面逆Fアンテナのうちの1つである、請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記複数のトラックは、1つの同一のプリント回路基板(PCB)に統合され、かつ、前記複数の無線周波数トランシーバ(RFT)を前記スプリッタ(SP)に接続する複数の導電性トラックである、請求項に記載の装置。
【外国語明細書】