(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011613
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】制御システム
(51)【国際特許分類】
B25J 15/00 20060101AFI20240118BHJP
B25J 13/08 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
B25J15/00 F
B25J13/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113779
(22)【出願日】2022-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】306022513
【氏名又は名称】日鉄エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【弁理士】
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100217249
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 耕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100221279
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 健吾
(74)【代理人】
【識別番号】100207686
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 恭宏
(74)【代理人】
【識別番号】100224812
【弁理士】
【氏名又は名称】井口 翔太
(72)【発明者】
【氏名】村上 健太
(72)【発明者】
【氏名】川口 秀喜
(72)【発明者】
【氏名】甲原 匠
(72)【発明者】
【氏名】中尾 泰三
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS12
3C707BS10
3C707BT16
3C707KS17
3C707KS20
3C707KS22
3C707KS34
3C707KW03
3C707KX06
3C707LT06
3C707LU01
3C707LU08
3C707MT04
(57)【要約】
【課題】接触を伴う作業を可能にしつつ、対象物から受ける想定外の反力に対しては、工具を対象物から高速で退避させることができる技術を提供する。
【解決手段】ベース11とアタッチメント取付部14とを有し、複数方向に移動し、又は姿勢が変化することで対象物Mとの相対位置が変化する装置本体10と、アタッチメント取付部14に取り付けられ且つ複数方向に移動し、又は姿勢が変化することで対象物Mとの相対位置が変化するアタッチメント20と、を制御する制御システムであって、アタッチメント20の先端の、アタッチメント取付部14から見た複数方向への移動速度は、アタッチメント取付部14の、ベース11から見た複数方向への移動速度よりも速いことを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースとアタッチメント取付部とを有し、複数方向に移動し、又は姿勢が変化することで対象物との相対位置が変化する装置本体と、
前記アタッチメント取付部に取り付けられ且つ前記複数方向に移動し、又は姿勢が変化することで前記対象物との相対位置が変化するアタッチメントと、
を制御する制御システムであって、
前記アタッチメントの先端の、前記アタッチメント取付部から見た前記複数方向への移動速度は、前記アタッチメント取付部の、前記ベースから見た前記複数方向への移動速度よりも速い、
ことを特徴とする制御システム。
【請求項2】
前記複数方向のうちの1つの方向である第1方向に前記アタッチメントが所定距離を越えて動いたか否か判定する第1方向移動距離判定手段をさらに備え、
前記第1方向移動距離判定手段が、前記アタッチメントが前記第1方向に所定距離を越えて動いたと判定すると、前記装置本体は、前記第1方向に移動し、又は姿勢が変化する、
ことを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記複数方向のうち、前記第1方向とは異なる第2方向に前記アタッチメントが所定距離を越えて動いたか否か判定する第2方向移動距離判定手段をさらに備え、
前記第2方向移動距離判定手段が、前記アタッチメントが前記第2方向に所定距離を越えて動いたと判定すると、前記装置本体は、前記第2方向に移動し、又は姿勢が変化する、
ことを特徴とする請求項2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記複数方向のうち、前記第1方向及び前記第2方向とは異なる第3方向に前記アタッチメントが所定距離を越えて動いたか否か判定する第3方向移動距離判定手段をさらに備え、
前記第3方向移動距離判定手段が、前記アタッチメントが前記第3方向に所定距離を越えて動いたと判定すると、前記装置本体は、前記第3方向に移動し、又は姿勢が変化する、
ことを特徴とする請求項3に記載の制御システム。
【請求項5】
前記アタッチメントを基準として前記複数方向に沿って広がる所定空間を設定する空間設定手段と、
前記アタッチメントが前記所定空間を越えて動いたか否か判定する移動空間判定手段と、をさらに備え、
前記移動空間判定手段が、前記アタッチメントが前記所定空間を越えて動いたと判定すると、前記装置本体は、前記アタッチメントの動いた方向である第4方向に移動し、又は姿勢が変化する、
ことを特徴とする請求項4に記載の制御システム。
【請求項6】
前記空間設定手段によって設定される前記所定空間が、鉛直方向に沿って、直方体形状又は球形状である、
ことを特徴とする請求項5に記載の制御システム。
【請求項7】
前記アタッチメントは、前記アタッチメントが前記対象物から受ける反力が所定値以上であると、前記対象物から遠ざかる方向に移動し、又は姿勢が変化する、
ことを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項8】
前記アタッチメントは、前記アタッチメントが前記対象物から受ける反力が所定値以上であると、前記アタッチメントが前記対象物から受ける反力が所定値未満になるまで、前記対象物から遠ざかる方向に移動し、又は姿勢が変化し続ける、
ことを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項9】
前記アタッチメントと前記対象物とは、前記アタッチメントの前記対象物から遠ざかる方向への移動の前後で接触状態が維持される、
ことを特徴とする請求項7に記載の制御システム。
【請求項10】
前記装置本体及び前記アタッチメントを前記複数方向のいずれかへ移動させるための指令をユーザから受け付ける受付手段と、
前記受付手段が前記指令を受け付けた場合に、前記アタッチメントが前記対象物から受ける反力の大きさが所定の閾値を越えたか否か判定する反力判定手段と、
前記反力判定手段が、前記反力が前記閾値を越えていないと判定した場合には、前記アタッチメントを前記指令の方向に移動させ、前記反力判定手段が、前記反力が前記閾値を越えたと判定した場合には、前記アタッチメントを前記指令の方向とは反対の方向に移動させる制御手段と、
前記アタッチメントが前記指令の方向に沿って移動可能な複数の位置のうち、前記対象物に相対的に遠い位置を遠隔位置とし、前記対象物に前記遠隔位置よりも近い位置を中間位置とし、前記対象物に前記中間位置よりも近い位置を近接位置とし、前記アタッチメントの現在の位置が前記遠隔位置、前記近接位置、及び前記中間位置のいずれであるか判別する位置判別手段と、
を更に備え、
前記制御手段は、
前記受付手段が前記指令を受け付けた際に、
前記位置判別手段が、
前記アタッチメントの位置が前記近接位置であると判別された場合には、前記アタッチメントが前記対象物に近づく方向に前記装置本体が移動し、又は姿勢が変化し、
前記アタッチメントの位置が前記遠隔位置であると判別された場合には、前記アタッチメントが前記対象物から遠ざかる方向に前記装置本体が移動し、又は姿勢が変化する、
ことを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項11】
前記アタッチメントの位置が前記中間位置であると判別された場合には、前記装置本体の移動が抑制される、
ことを特徴とする請求項10に記載の制御システム。
【請求項12】
前記アタッチメントは、前記アタッチメントが前記対象物から受ける反力の変化量が所定値以上であると、前記対象物から遠ざかる方向に移動し、又は姿勢が変化する、
ことを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項13】
ベースとアタッチメント取付部とを有し、複数方向に移動し、又は姿勢が変化することで対象物との相対位置が変化する装置本体と、
前記アタッチメント取付部に取り付けられ且つ前記複数方向に移動し、又は姿勢が変化することで前記対象物との相対位置が変化するアタッチメントと、
を制御する制御システムであって、
前記装置本体及び前記アタッチメントを前記複数方向のいずれかへ移動させるための指令をユーザから受け付ける受付手段と、
前記受付手段が前記指令を受け付けた場合に、前記アタッチメントが前記対象物から受ける反力に関するパラメータが所定の閾値を越えたか否か判定する反力判定手段と、
前記反力判定手段が、前記パラメータが前記閾値を越えていないと判定した場合には、前記アタッチメントを前記指令の方向に移動させ、前記反力判定手段が、前記パラメータが前記閾値を越えたと判定した場合には、前記アタッチメントを前記指令の方向とは反対の方向に移動させる制御手段と、
第1反力モード及び前記第1反力モードとは異なる第2反力モードを設定する反力モード設定手段と、
を備え、
前記アタッチメントの先端の、前記アタッチメント取付部から見た前記複数方向への移動速度は、前記アタッチメント取付部の、前記ベースから見た前記複数方向への移動速度よりも速く、
前記パラメータは、
前記反力モード設定手段が前記第1反力モードを設定した場合には前記反力の大きさであり、
前記反力モード設定手段が前記第2反力モードを設定した場合には前記反力の変化の大きさである、
ことを特徴とする制御システム。
【請求項14】
前記アタッチメント取付部は、前記アタッチメントの先端の移動速度よりも遅く、前記アタッチメントの先端の移動方向に追従して位置又は姿勢が変化する、
ことを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
対象物に対する工具を用いた作業を、ロボットによって工具を操作することによって行うことがある。
特許文献1では、廃棄物溶融炉の炉口に作業棒を挿入してスラグを除去する作業を、垂直多関節ロボットによって行う構成が開示されている。
特許文献2では、スレーブロボットが対象物と接触した際の剛性、粘性を含む反力をマスターロボットに再現させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9-273872号公報
【特許文献2】特開2015-6722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
市販の垂直多関節ロボットのみでは実現の難しい人手作業として大型鍛造品の仕上げ加工等が挙げられる。これは対象物(鍛造品)に発生するバリを工具(回転砥石)にて除去する作業であるが、対象物の外形に沿って、繊細に力加減を調整しつつ、対象物から受ける想定外の反力には、高速に抜重する動きが求められる。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、接触を伴う作業を可能にしつつ、対象物から受ける想定外の反力に対しては、工具を対象物から高速で退避させることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
<1>本発明の態様1に係る制御システムは、ベースとアタッチメント取付部とを有し、複数方向に移動し、又は姿勢が変化することで対象物との相対位置が変化する装置本体と、前記アタッチメント取付部に取り付けられ且つ前記複数方向に移動し、又は姿勢が変化することで前記対象物との相対位置が変化するアタッチメントと、を制御する制御システムであって、前記アタッチメントの先端の、前記アタッチメント取付部から見た前記複数方向への移動速度は、前記アタッチメント取付部の、前記ベースから見た前記複数方向への移動速度よりも速いことを特徴とする。
【0007】
態様1に係る発明によれば、アタッチメントの先端の、アタッチメント取付部から見た複数方向への移動速度は、アタッチメント取付部の、ベースから見た複数方向への移動速度よりも速い。このような構成とすることで、装置本体のみが対象物に接近する場合と比較して、より迅速に対象物に接近することができる。また、例えば、作業中に対象物から想定外の反力を受けたときにアタッチメントを対象物から高速で退避させることができる。上記構成は、例えば、大型鍛造品の仕上げ加工をアタッチメントに取り付けられた工具によって行う場合、鍛造品から工具を高速で退避させるときに顕著な作用効果をもたらす。
また、装置本体の移動速度を上げるのではなく、装置本体に取り付けられるアタッチメントの移動速度を高めることで、対象物への迅速な接近と退避とを実現できる。よって、例えば、装置本体の改造等の大掛かりな作業の発生を抑えることができる。
【0008】
<2>本発明の態様2に係る制御システムは、態様1に係る制御システムにおいて、前記複数方向のうちの1つの方向である第1方向に前記アタッチメントが所定距離を越えて動いたか否か判定する第1方向移動距離判定手段をさらに備え、前記第1方向移動距離判定手段が、前記アタッチメントが前記第1方向に所定距離を越えて動いたと判定すると、前記装置本体は、前記第1方向に移動し、又は姿勢が変化することを特徴とする。
【0009】
態様2に係る発明によれば、第1方向移動距離判定手段が、アタッチメントが第1方向に所定距離を越えて動いたと判定すると、装置本体は、第1方向に移動し、又は姿勢が変化する。つまり、アタッチメントが第1方向に所定距離を越えて移動すると、装置本体がアタッチメントの動きに追従する。これにより、例えば、第1方向における所定距離がアタッチメントの移動許容範囲の最大値である場合に、アタッチメントが移動不可となることを抑えることができる。また、アタッチメントが第1方向における所定距離を越えて移動するまで装置本体を動かさないようにすることで、装置本体の動きを抑えることができる。
【0010】
<3>本発明の態様3に係る制御システムは、態様2に係る制御システムにおいて、前記複数方向のうち、前記第1方向とは異なる第2方向に前記アタッチメントが所定距離を越えて動いたか否か判定する第2方向移動距離判定手段をさらに備え、前記第2方向移動距離判定手段が、前記アタッチメントが前記第2方向に所定距離を越えて動いたと判定すると、前記装置本体は、前記第2方向に移動し、又は姿勢が変化することを特徴とする。
【0011】
態様3に係る発明によれば、第2方向移動距離判定手段が、アタッチメントが第2方向に所定距離を越えて動いたと判定すると、装置本体は、第2方向に移動し、又は姿勢が変化する。つまり、アタッチメントが第2方向に所定距離を越えて移動すると、装置本体がアタッチメントの動きに追従する。これにより、例えば、第2方向における所定距離がアタッチメントの移動許容範囲の最大値である場合に、アタッチメントが移動不可となることを抑えることができる。また、アタッチメントが第2方向における所定距離を越えて移動するまで装置本体を動かさないようにすることで、装置本体の動きを抑えることができる。
【0012】
<4>本発明の態様4に係る制御システムは、態様3に係る制御システムにおいて、前記複数方向のうち、前記第1方向及び前記第2方向とは異なる第3方向に前記アタッチメントが所定距離を越えて動いたか否か判定する第3方向移動距離判定手段をさらに備え、前記第3方向移動距離判定手段が、前記アタッチメントが前記第3方向に所定距離を越えて動いたと判定すると、前記装置本体は、前記第3方向に移動し、又は姿勢が変化することを特徴とする。
【0013】
態様4に係る発明によれば、第3方向移動距離判定手段が、アタッチメントが第3方向に所定距離を越えて動いたと判定すると、装置本体は、第3方向に移動し、又は姿勢が変化する。つまり、アタッチメントが第3方向に所定距離を越えて移動すると、装置本体がアタッチメントの動きに追従する。これにより、例えば、第3方向における所定距離がアタッチメントの移動許容範囲の最大値である場合に、アタッチメントが移動不可となることを抑えることができる。また、アタッチメントが第3方向における所定距離を越えて移動するまで装置本体を動かさないようにすることで、装置本体の動きを抑えることができる。
【0014】
<5>本発明の態様5に係る制御システムは、態様1から態様4のいずれか1つに係る制御システムにおいて、前記アタッチメントを基準として前記複数方向に沿って広がる所定空間を設定する空間設定手段と、前記アタッチメントが前記所定空間を越えて動いたか否か判定する移動空間判定手段と、をさらに備え、前記移動空間判定手段が、前記アタッチメントが前記所定空間を越えて動いたと判定すると、前記装置本体は、前記アタッチメントの動いた方向である第4方向に移動し、又は姿勢が変化することを特徴とする。
【0015】
態様5に係る発明によれば、移動空間判定手段が、アタッチメントが所定空間を越えて動いたと判定すると、装置本体は、アタッチメントの動いた方向である第4方向に移動し、又は姿勢が変化する。つまり、アタッチメントが所定空間を越えて移動すると、装置本体がアタッチメントの動きに追従する。これにより、例えば、アタッチメントが所定空間を越えて移動した結果、アタッチメントの移動許容範囲の最大値に達するような場合に、アタッチメントが移動不可となることを抑えることができる。また、アタッチメントが所定空間を越えて移動するまで装置本体を動かさないようにすることで、装置本体の動きを抑えることができる。また、アタッチメントの動きを3次元的に把握することで、アタッチメントの動きを1次元的にのみ把握する場合と比較して、装置本体のアタッチメントの動きに対する追従性をより高くすることができる。
【0016】
<6>本発明の態様6に係る制御システムは、態様5に係る制御システムにおいて、前記空間設定手段によって設定される前記所定空間が、鉛直方向に沿って、直方体形状又は球形状であることを特徴とする。
【0017】
態様6に係る発明によれば、所定空間が、鉛直方向に沿って、直方体形状又は球形状である。例えば、作業する現場、又は作業の内容等の条件に合わせて、所定空間の形状が予め定義される。これにより、アタッチメントを用いた作業において、アタッチメントが予め定義された空間を越えて動くことを抑えることができる。よって、アタッチメントを用いた作業を安全に行うことができる。また、装置本体の動きを小さくして、制御システムによる作業の効率を上げることができる。
【0018】
<7>本発明の態様7に係る制御システムは、態様1から態様6のいずれか1つに係る制御システムにおいて、前記アタッチメントは、前記アタッチメントが前記対象物から受ける反力が所定値以上であると、前記対象物から遠ざかる方向に移動し、又は姿勢が変化することを特徴とする。
【0019】
態様7に係る発明によれば、アタッチメントは、アタッチメントが対象物から受ける反力が所定値以上であると、対象物から遠ざかる方向に移動し、又は姿勢が変化する。つまり、アタッチメントが対象物から所定値以上の反力を受けた場合に、対象物からアタッチメントを退避させる。これにより、アタッチメントが故障し、又はアタッチメントが対象物を損傷することを抑えることができる。
【0020】
<8>本発明の態様8に係る制御システムは、態様1から態様7のいずれか1つに係る制御システムにおいて、前記アタッチメントは、前記アタッチメントが前記対象物から受ける反力が所定値以上であると、前記アタッチメントが前記対象物から受ける反力が所定値未満になるまで、前記対象物から遠ざかる方向に移動し、又は姿勢が変化し続けることを特徴とする。
【0021】
態様8に係る発明によれば、アタッチメントは、アタッチメントが対象物から受ける反力が所定値以上であると、アタッチメントが対象物から受ける反力が所定値未満になるまで、対象物から遠ざかる方向に移動し、又は姿勢が変化し続ける。これにより、アタッチメントが故障し、又はアタッチメントが対象物を損傷することをより確実に抑えることができる。よって、制御システムによる作業をより安全に行うことができる。
【0022】
<9>本発明の態様9に係る制御システムは、態様1から態様8のいずれか1つに係る制御システムにおいて、前記アタッチメントと前記対象物とは、前記アタッチメントの前記対象物から遠ざかる方向への移動の前後で接触状態が維持されることを特徴とする。
【0023】
態様9に係る発明によれば、アタッチメントと対象物とは、アタッチメントの対象物から遠ざかる方向への移動の前後で接触状態が維持される。つまり、アタッチメントが対象物から退避する前後において、アタッチメントと対象物とが常に接した状態である。これにより、例えば、アタッチメントが対象物の外表面に追従するように移動ことが求められる作業において、アタッチメントが故障し、又はアタッチメントが対象物を損傷することを抑えることができる。
【0024】
<10>本発明の態様10に係る制御システムは、態様1から態様9のいずれか1つに係る制御システムにおいて、前記装置本体及び前記アタッチメントを前記複数方向のいずれかへ移動させるための指令をユーザから受け付ける受付手段と、前記受付手段が前記指令を受け付けた場合に、前記アタッチメントが前記対象物から受ける反力の大きさが所定の閾値を越えたか否か判定する反力判定手段と、前記反力判定手段が、前記反力が前記閾値を越えていないと判定した場合には、前記アタッチメントを前記指令の方向に移動させ、前記反力判定手段が、前記反力が前記閾値を越えたと判定した場合には、前記アタッチメントを前記指令の方向とは反対の方向に移動させる制御手段と、前記アタッチメントが前記指令の方向に沿って移動可能な複数の位置のうち、前記対象物に相対的に遠い位置を遠隔位置とし、前記対象物に前記遠隔位置よりも近い位置を中間位置とし、前記対象物に前記中間位置よりも近い位置を近接位置とし、前記アタッチメントの現在の位置が前記遠隔位置、前記近接位置、及び前記中間位置のいずれであるか判別する位置判別手段と、を更に備え、前記制御手段は、前記受付手段が前記指令を受け付けた際に、前記位置判別手段が、前記アタッチメントの位置が前記近接位置であると判別された場合には、前記アタッチメントが前記対象物に近づく方向に前記装置本体が移動し、又は姿勢が変化し、前記アタッチメントの位置が前記遠隔位置であると判別された場合には、前記アタッチメントが前記対象物から遠ざかる方向に前記装置本体が移動し、又は姿勢が変化することを特徴とする。
【0025】
態様10に係る発明によれば、アタッチメントの位置が近接位置であると判別された場合には、アタッチメントが対象物から遠ざかる方向に装置本体が移動し、又は姿勢が変化する。これにより、例えば、アタッチメントの対象物に近づく方向への移動量が、移動可能量の最大値に近い場合に、装置本体を対象物に近づけることで、アタッチメントの移動可能量に余裕を持たせることができる。
【0026】
アタッチメントの位置が遠隔位置であると判別された場合には、アタッチメントが対象物に近づく方向に装置本体が移動し、又は姿勢が変化する。これにより、例えば、アタッチメントの対象物から遠ざかる方向への移動量が、移動可能量の最大値に近い場合に、装置本体を対象物から遠ざけることで、アタッチメントの移動可能量に余裕を持たせることができる。
【0027】
このように、アタッチメントの位置状態に合わせて装置本体を補助的に移動させることで、アタッチメントの過度な移動を防ぐことができ、作業性を向上することができる。
【0028】
<11>本発明の態様11に係る制御システムは、態様10に係る制御システムにおいて、前記アタッチメントの位置が前記中間位置であると判別された場合には、前記装置本体の移動が抑制されることを特徴とする。
【0029】
態様11に係る発明によれば、アタッチメントの位置が中間位置であると判別された場合には、装置本体の移動が抑制される。これにより、装置本体の過度な移動を抑えることができ、作業性を向上することができる。
【0030】
<12>本発明の態様12に係る制御システムは、態様1から態様12のいずれか1つに係る制御システムにおいて、前記アタッチメントは、前記アタッチメントが前記対象物から受ける反力の変化量が所定値以上であると、前記対象物から遠ざかる方向に移動し、又は姿勢が変化することを特徴とする。
【0031】
態様12に係る発明によれば、アタッチメントは、アタッチメントが対象物から受ける反力の変化量が所定値以上であると、対象物から遠ざかる方向に移動し、又は姿勢が変化する。つまり、アタッチメントが対象物から受ける反力の変化が所定値以上である場合に、対象物からアタッチメントを退避させる。これにより、例えば、制御システムによる作業においてアタッチメントと対象物との相対位置が何らかの理由によってずれた場合等のアタッチメントに過度な反力がかかりうる場合に、アタッチメントが故障し、又はアタッチメントが対象物を損傷することを抑えることができる。
【0032】
<13>本発明の態様13に係る制御システムは、ベースとアタッチメント取付部とを有し、複数方向に移動し、又は姿勢が変化することで対象物との相対位置が変化する装置本体と、前記アタッチメント取付部に取り付けられ且つ前記複数方向に移動し、又は姿勢が変化することで前記対象物との相対位置が変化するアタッチメントと、を制御する制御システムであって、前記装置本体及び前記アタッチメントを前記複数方向のいずれかへ移動させるための指令をユーザから受け付ける受付手段と、前記受付手段が前記指令を受け付けた場合に、前記アタッチメントが前記対象物から受ける反力に関するパラメータが所定の閾値を越えたか否か判定する反力判定手段と、前記反力判定手段が、前記パラメータが前記閾値を越えていないと判定した場合には、前記アタッチメントを前記指令の方向に移動させ、前記反力判定手段が、前記パラメータが前記閾値を越えたと判定した場合には、前記アタッチメントを前記指令の方向とは反対の方向に移動させる制御手段と、第1反力モード及び前記第1反力モードとは異なる第2反力モードを設定する反力モード設定手段と、を備え、前記アタッチメントの先端の、前記アタッチメント取付部から見た前記複数方向への移動速度は、前記アタッチメント取付部の、前記ベースから見た前記複数方向への移動速度よりも速く、前記パラメータは、前記反力モード設定手段が前記第1反力モードを設定した場合には前記反力の大きさであり、前記反力モード設定手段が前記第2反力モードを設定した場合には前記反力の変化の大きさであることを特徴とする。
【0033】
態様13に係る発明によれば、パラメータは、反力モード設定手段が第1反力モードを設定した場合には反力の大きさであり、反力モード設定手段が第2反力モードを設定した場合には反力の変化の大きさである。このように、パラメータを、反力の大きさ、又は、反力の変化の大きさに設定可能とし、切替可能とすることで、制御システムを使用する現場において求められる条件に柔軟に対応することができる。
【0034】
例えば、態様13に係る制御システムについて、第1反力モードを設定した場合には、アタッチメントの先端に取り付けた作業棒によって、溶融炉の内部に堆積したスラグを除去することができる。また、第2反力モードを設定した場合には、アタッチメントの先端に取り付けた回転砥石によって、大型鍛造品の仕上げ加工を行うことができる。
【0035】
<14>本発明の態様14に係る制御システムは、態様1から態様13のいずれか1つに係る制御システムにおいて、前記アタッチメント取付部は、前記アタッチメントの先端の移動速度よりも遅く、前記アタッチメントの先端の移動方向に追従して位置又は姿勢が変化することを特徴とする。
【0036】
態様14に係る発明によれば、アタッチメント取付部は、アタッチメントの先端の移動速度よりも遅く、アタッチメントの先端の移動方向に追従して位置又は姿勢が変化する。これにより、アタッチメント取付部が移動せず、装置本体のみがアタッチメントに追従する場合と比較して、アタッチメントの動きに対する追従性をより高くすることができる。よって、アタッチメントによる作業をより円滑に行うことができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、接触を伴う作業を可能にしつつ、対象物から受ける想定外の反力に対しては、工具を対象物から高速で退避させることができる技術を提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図2】制御対象が対象物に接触している状態を示す第1図である。
【
図3】制御対象が対象物に接触している状態を示す第2図である。
【
図4】実施形態の制御システムのシステム構成図である。
【
図5】実施形態の制御システムのブロック図である。
【
図6】制御対象が第1方向のうち+X方向に移動するときの、アタッチメントを工具の側から見た模式図である。
【
図7】制御対象が第1方向のうち-X方向に移動するときの、アタッチメントを工具の側から見た模式図である。
【
図8】制御対象が第2方向のうち+Y方向に移動するときの、アタッチメントを工具の側から見た模式図である。
【
図9】制御対象が第3方向のうち+Z方向に移動するときの、制御対象の正面視における模式図である。
【
図10】制御対象が第1方向及び第2方向のうち+X方向と+Y方向との間に移動するときの、制御対象の正面視における模式図である。
【
図11】制御対象によって工具の姿勢が第1回転方向に変化するときの、制御対象の正面視における模式図である。
【
図12】制御対象のアタッチメントの位置指令についての動作フローである。
【
図13】制御対象のアタッチメントの姿勢指令についての動作フローである。
【
図14】制御対象の装置本体の位置指令についての動作フローである。
【
図15】制御対象の装置本体の姿勢指令についての動作フローである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る制御システム200を説明する。制御システム200の説明にあたり、まず、制御対象100について説明する。
図1は、本実施形態に係る制御対象100の模式図である。
制御システム200は、
図1に示す制御対象100を制御する。制御対象100は、装置本体10と、アタッチメント20と、を備える。
【0040】
本実施形態に係る制御対象100は、上述の各構成によって工具Tを対象物Mに接触させることで作業を行う。具体的には、制御対象100は、
図2及び
図3に示すように、工具Tを移動させ、又は工具Tの姿勢を変化させる。これにより、工具Tを対象物Mに物理的に接触させる。
上述の制御対象100による作業は、例えば、アタッチメント20の先端に取り付けられた回転砥石(工具T)によって大型鍛造部品(対象物M)の仕上げ加工をするために用いられる。以下、本実施形態について上述の用途を例に挙げて説明する。
【0041】
(制御対象100の構成について)
制御対象100は、装置本体10と、アタッチメント20と、を備える。
装置本体10は、アタッチメント20(後述する)を、対象物Mの付近まで移動させる。装置本体10は、複数方向に移動し、又は姿勢が変化することで対象物Mとの相対位置が変化する。装置本体10は、ベース11と、アーム12と、関節13と、アタッチメント取付部14と、を備える。
【0042】
ベース11は、装置本体10において作業現場に設置される部位である。ベース11にはアーム12の一方の端が接続されている。
アーム12は、一方の端がベース11に接続され、他方の端が関節13に接続されている。
関節13は、アーム12とアタッチメント取付部14とを接続する。
【0043】
アタッチメント取付部14は、関節13を介してアーム12と接続されている。また、アタッチメント取付部14にはアタッチメント20が接続され、アタッチメント20には6自由度が付与されるように構成されている。本実施形態において、アタッチメント取付部14は、アタッチメント20の先端の移動速度よりも遅く、アタッチメント20の先端の移動方向に追従して移動し、又は姿勢が変化する。
【0044】
本実施形態において、装置本体10が移動するとは、ベース11に対してアタッチメント取付部14が相対移動することをいう。装置本体10の姿勢が変化するとは、ベース11に対してアタッチメント取付部14の相対角度が変化することをいう。
装置本体10には、例えば、公知の6軸垂直多関節ロボットが好適に用いられる。
【0045】
アタッチメント20は、装置本体10のアタッチメント取付部14に取り付けられている。アタッチメント20は、複数方向に移動し、又は姿勢が変化することで、対象物Mとの相対位置が変化する。
図1に示すように、アタッチメント20は、基台部21と、複数のアーム部22と、グリッパ23と、を備える。
基台部21は、アタッチメント取付部14に取り付けられる部位である。基台部21には、アーム部22を駆動するためのアクチュエータ(不図示)が備えられている。
【0046】
アーム部22は、基台部21とグリッパ23とを接続する。アーム部22は、アタッチメント20において6本設けられるとよい。アーム部22のそれぞれは、基台部21とグリッパ23との間に関節部22aを備える。
グリッパ23は、アーム部22を介して基台部21に接続されている。グリッパ23は、上述の不図示のアクチュエータによるアーム部22の駆動によって、基台部21に対して相対移動する。グリッパ23には、例えば、対象物Mに接触する工具Tが取り付けられる。
【0047】
本実施形態において、アタッチメント20は、6自由度を有するパラレルリンクロボットである。これにより、グリッパ23に取り付けられた工具Tが、基台部21を(
図6に示す)原点Oとして6自由度で移動可能である。本実施形態において、アタッチメント20が移動するとは、基台部21に対してグリッパ23が相対移動することをいう。アタッチメント20の姿勢が変化するとは、基台部21に対してグリッパ23の相対角度が変化することをいう。
【0048】
以下、本実施形態において、制御対象100を移動させる、又は装置本体10及びアタッチメント20を移動させるとは、アタッチメント20のグリッパ23に取り付けられた工具Tを移動させることをいう。装置本体10及びアタッチメント20の姿勢を変化させるとは、工具Tの対象物Mに対する角度を変化させることをいう。また、工具Tの位置の基準は、対象物Mに接する工具Tの先端部とする。
【0049】
つまり、本実施形態において、制御対象100は、後述するユーザの指令に合わせて工具Tの位置及び角度を変更するために、装置本体10及びアタッチメント20を動作させる。
以下、便宜上、工具Tを移動させることを、制御対象100を移動する、又はアタッチメント20を移動するということがある。工具Tの姿勢を変化させることを、制御対象100の姿勢を変化させる、又はアタッチメント20の姿勢を変化させるということがある。対象物Mに工具Tが接触することを、対象物Mにアタッチメント20が接触するということがある。
【0050】
本実施形態において、装置本体10は、アタッチメント20を第1方向X、第2方向Y、及び第3方向Zのうちいずれか一方向又は複数の方向に移動させる。アタッチメント20は、グリッパ23に取り付けられた工具Tを第1方向X、第2方向Y、及び第3方向Zのうちいずれか一方向又は複数の方向に移動させる。これにより、制御対象100は、工具Tを対象物Mに対して相対移動させる。
【0051】
第1方向Xは、上述の複数方向のうちの1つの方向である。本実施形態において、第1方向Xに沿う一方向を、+X方向という。また、+X方向と反対の方向を、-X方向という。
第2方向Yは、上述の複数方向のうち、第1方向Xと異なる方向である。本実施形態において、第2方向Yに沿う一方向を、+Y方向という。また、+Y方向と反対の方向を、-Y方向という。
第3方向Zは、上述の複数方向のうち、第1方向X及び第2方向Yの双方と異なる方向である。本実施形態において、第3方向Zに沿う一方向を、+Z方向という。また、+Z方向と反対の方向を、-Z方向という。
【0052】
本実施形態において、装置本体10は、アタッチメント20を第1回転方向A、第2回転方向B、及び第3回転方向Cのうちいずれか一方向又は複数の方向に回転させることで姿勢を変化させる。アタッチメント20は、グリッパ23に取り付けられた工具Tを第1回転方向A、第2回転方向B、及び第3回転方向Cのうちいずれか一方向又は複数の方向に回転させることで姿勢を変化させる。これにより、制御対象100は、工具Tの先端を回転中心として、工具Tを回転移動させることができる。
【0053】
第1回転方向Aは、第1方向Xを回転軸とした回転方向である。本実施形態において、第1回転方向Aのうち一方の回転方向を、+A方向という。また、+A方向と反対の回転方向を、-A方向という。
第2回転方向Bは、第2方向Yを回転軸とした回転方向である。本実施形態において、第2回転方向Bのうち一方の回転方向を、+B方向という。また、+B方向と反対の回転方向を、-B方向という。
第3回転方向Cは、第3方向Zを回転軸とした回転方向である。本実施形態において、第3回転方向Cのうち一方の回転方向を、+C方向という。また、+C方向と反対の回転方向を、-C方向という。
【0054】
第1方向X、第2方向Y、及び第3方向Zは、それぞれ互いに直交する。つまり、第1方向X、第2方向Y、第3方向Zは、三次元座標の3軸である。本実施形態において、方向について記述する際は、装置本体10及びアタッチメント20が初期位置にある状態における工具Tの先端を原点Oとした、第1方向X、第2方向Y、及び第3方向Zからなる三次元座標系を基準とする。
【0055】
本実施形態において、アタッチメント20の先端(グリッパ23)の、アタッチメント取付部14から見た複数方向への移動速度は、アタッチメント取付部14の、ベース11から見た複数方向への移動速度よりも速い。ここで、複数方向への移動速度とは、装置本体10及びアタッチメント20が移動可能な全ての方向における移動速度をいう。
つまり、パラレルリンクロボットであるアタッチメント20が、基台部21に対してグリッパ23を相対移動させる速度は、装置本体10が、ベース11に対してアタッチメント取付部14を相対移動させる速度よりも速い。つまり、本実施形態において、アタッチメント20の備える不図示のアクチュエータは、グリッパ23を、アタッチメント取付部14の移動速度よりも速く移動させる性能を有する。なお、アタッチメント20は、装置本体10よりも遅く移動してもよい。
【0056】
(制御システム200)
次に、
図4に示すシステム構成図と、
図6から
図11の模式図と、
図12から
図15のフローチャートと、を用いて、制御システム200における装置本体10とアタッチメント20の具体的な動きについて説明する。
制御システム200は、運転室210と、制御盤220と、を備える。
まず、
図4に示すように、作業現場に設置された制御システム200では、装置本体10が運転室210に設けられたロボット用制御盤211に接続されている。ロボット用制御盤211は、プログラミングペンダント212と、座標計算機213と、にそれぞれ接続されている。また、アタッチメント20及びロボット用制御盤211がユーザの操作する制御盤220に接続されている。
【0057】
運転室210に備えられたロボット用制御盤211、及び制御盤220は、それぞれ、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサとメモリとを備えるシステム制御装置を備え、プログラムを実行する。ロボット用制御盤211及び制御盤220は、
図5に示すように、それぞれ、プログラムの実行によって、受付手段と、判定手段と、空間設定手段と、制御手段と、位置判別手段と、反力モード設定手段と、を備える装置として機能する。
【0058】
受付手段は、装置本体10及びアタッチメント20を複数方向のいずれかへ移動させるための指令をユーザから受け付ける。
判定手段は、アタッチメント20の各種状態を判定する。例えば、判定手段が、アクチュエータの回転量、又はアクチュエータが動作しようとした際に付加される抵抗等の情報をアクチュエータから受け付けることでアタッチメント20の状態を判定する。
判定手段は、例えば、第1方向移動距離判定手段と、第2方向移動距離判定手段と、第3方向移動距離判定手段と、回転角度判定手段と、移動空間判定手段と、反力判定手段と、を備える。なお、判定手段は、前記各構成の全てを備えてもよいし、一部のみ備えてもよい。
【0059】
第1方向移動距離判定手段は、第1方向Xにアタッチメント20が所定距離を越えて動いたか否か判定する。具体的には、第1方向移動距離判定手段は、基台部21を基準として、グリッパ23が第1方向Xに所定距離を越えて動いたか否か判定する。
第2方向移動距離判定手段は、第2方向Yにアタッチメント20が所定距離を越えて動いたか否か判定する。具体的には、第2方向移動距離判定手段は、基台部21を基準として、グリッパ23が第2方向Yに所定距離を越えて動いたか否か判定する。
【0060】
第3方向移動距離判定手段は、第3方向Zにアタッチメント20が所定距離を越えて動いたか否か判定する。具体的には、第3方向移動距離判定手段は、基台部21を基準として、グリッパ23が第3方向Zに所定距離を越えて動いたか否か判定する。
回転角度判定手段は、アタッチメント20の姿勢が所定角度だけ変化したか否か判定する。具体的には、回転角度判定手段は、工具Tの先端を基準として、工具Tの姿勢が第1回転方向A、第2回転方向B、及び第3回転方向Cのうちいずれか一の方向について所定角度だけ変化したか否か判定する。回転角度判定手段は、第1回転方向A、第2回転方向B、及び第3回転方向Cの各々について設けられていてもよい。
【0061】
移動空間判定手段は、アタッチメント20が所定空間AMを越えて動いたか否か判定する。具体的には、移動空間判定手段は、基台部21を基準として、グリッパ23が所定空間AMを越えて動いたか否か判定する。所定空間AMとは、アタッチメント20が第1方向X、第2方向Y及び第3方向Zに移動可能な領域をいう。所定空間AMの詳細は後述する。
【0062】
反力判定手段は、受付手段が指令を受け付けた場合に、アタッチメント20が対象物Mから受ける反力に関するパラメータが所定の閾値を越えたか否か判定する。パラメータは、例えば、反力の大きさである。又は、パラメータは、反力の変化の大きさであってもよい。パラメータは、制御対象100の用途に応じて適宜決定される。
【0063】
空間設定手段は、アタッチメント20を基準として複数方向に沿って広がる所定空間AMを設定する。空間設定手段によって設定される所定空間AMは、鉛直方向に沿って、直方体形状又は球形状である。所定空間AMの形状は、対象物Mの形状、又は作業現場のレイアウト等の条件によって適宜決定される。所定空間AMの大きさは、アタッチメント20の可動域によって決定される。
【0064】
制御手段は、判定手段が判定した結果によって、装置本体10及びアタッチメント20の移動方向を変更するように制御する。具体的な制御については後述する。
位置判別手段は、アタッチメント20の位置を判別する。位置判別手段は、アタッチメント20の現在の位置が、遠隔位置、近接位置、及び中間位置のいずれであるか判別する。
遠隔位置とは、アタッチメント20がユーザの指令の方向に沿って移動可能な複数の位置のうち、対象物Mに相対的に遠い位置をいう。中間位置とは、対象物Mに遠隔位置よりも近い位置をいう。近接位置とは、対象物Mに中間位置よりも近い位置をいう。
【0065】
反力モード設定手段は、第1反力モード及び第1反力モードとは異なる第2反力モードを設定する。パラメータは、反力モード設定手段が第1反力モードを設定した場合には反力の大きさである。又は、パラメータは、反力モード設定手段が第2反力モードを設定した場合には反力の変化の大きさである。このように、制御対象100の制御に用いる反力に関するパラメータを、反力モード設定手段によって適宜設定する。
【0066】
制御盤220は、操作レバー221と、ディスプレイ222と、を備える。本実施形態に係る制御システム200は、この操作レバー221をユーザが操作することによって入力される指令を、受付手段が受け付けることにより動作する。ユーザの操作によって操作レバー221から入力される指令は、次に記載する通りである。すなわち、ユーザは、工具Tを対象物Mに対して相対移動させる。ユーザは、工具Tの先端を回転中心として、工具Tの角度を変化させる。制御システム200は、上述のユーザから入力される指令に応じて、装置本体10及びアタッチメント20を、第1方向X、第2方向Y、若しくは第3方向Zに移動させ、又は装置本体10及びアタッチメント20の姿勢を、第1回転方向A、第2回転方向B、若しくは第3回転方向Cに変化させる。
ディスプレイ222は、ユーザが制御盤220を操作するとき、各要件を判断するための情報を表示し、ユーザは表示された情報を把握する。
【0067】
(制御方法)
次に、上述の各手段及び操作による装置本体10及びアタッチメント20の具体的な動きを説明する。まず、装置本体10及びアタッチメント20の位置について、次のように定義する。すなわち、工具Tの先端が移動する前の位置を原点Oとする。
【0068】
第1方向X、第2方向Y、及び第3方向Zにおける所定距離を、それぞれパラレルリンクロボットであるアタッチメント20の移動許容範囲の最大値であるとする。
このとき、原点Oから+X方向に向けて所定距離だけ移動した位置を、+X方向端という。原点Oから-X方向に向けて所定距離だけ移動した位置を、-X方向端という。原点Oから+Y方向に向けて所定距離だけ移動した位置を、+Y方向端という。原点Oから-Y方向に向けて所定距離だけ移動した位置を、-Y方向端という。原点Oから+Z方向に向けて所定距離だけ移動した位置を、+Z方向端という。原点Oから-Z方向に向けて所定距離だけ移動した位置を、-Z方向端という。
【0069】
第1回転方向A、第2回転方向B及び第3回転方向Cにおける所定角度を、それぞれパラレルリンクロボットであるアタッチメント20の姿勢変化の許容範囲の最大値であるとする。
また、アタッチメント20の姿勢が、初期位置から+A方向に向けて所定角度だけ変化した位置を、+A方向端という。アタッチメント20の姿勢が、初期位置から-A方向に向けて所定角度だけ変化した位置を、-A方向端という。アタッチメント20の姿勢が、初期位置から+B方向に向けて所定角度だけ変化した位置を、+B方向端という。アタッチメント20の姿勢が、初期位置から-B方向に向けて所定角度だけ変化した位置を、-B方向端という。アタッチメント20の姿勢が、初期位置から+C方向に向けて所定角度だけ変化した位置を、+C方向端という。アタッチメント20の姿勢が、初期位置から-C方向に向けて所定角度だけ変化した位置を、-C方向端という。
【0070】
所定空間AMが、原点Oを中心として、+X方向端と、-X方向端と、+Y方向端と、-Y方向端と、+Z方向端と、-Z方向端と、を結んで形成される略球状の空間であるとする。このとき、所定空間AMの外殻を、ロボット動作域ARという。
装置本体10の位置及び姿勢は、例えば、ロボット用制御盤211の制御値に基づいて判定することができる。対象物Mからアタッチメントが受ける反力は、例えば、アタッチメント20の備える力覚センサ等のセンサにより取得される反力に基づいて判定することができる。また、原点O、所定距離、所定角度、所定空間AM、及び設定されたパラメータに関する情報は、予めロボット用制御盤211に記憶されている。
【0071】
本実施形態において、装置本体10及びアタッチメント20は、次のように動作する。すなわち、まず、アタッチメント20が、所定距離を越えて移動し、又は、アタッチメント20の姿勢が所定角度を越えて変化するまでは、装置本体10は移動し、又は姿勢を変化しない。このような動作とすることで、装置本体10の移動が抑えられる。具体的には、下記の通りとなる。
【0072】
図6は、
図1に示す制御対象100が第1方向Xのうち+X方向に移動するときの、
図1に示すアタッチメント20を工具Tの側から見た模式図である。制御対象100が+X方向に移動する際は、
図6の(a)から(c)に示すように、まずアタッチメント20が+X方向に移動する。そして、
図6の(d)に示すように、アタッチメント20を工具Tの側から見て、原点Oが+X方向端を越えて所定空間AMの外側に位置すると、第1方向移動距離判定手段は、アタッチメント20が+X方向に所定距離を越えて動いたと判定する。すると、
図6の(d)及び(e)に示すように、装置本体10がアタッチメント20の動いた方向、つまり+X方向に移動する。このように、第1方向移動距離判定手段が、アタッチメント20が+X方向に所定距離を越えて動いたと判定すると、装置本体10は、+X方向に移動し、又は姿勢が変化する。
【0073】
図7は、
図1に示す制御対象100が第1方向Xのうち-X方向に移動するときの、
図1に示すアタッチメント20を工具Tの側から見た模式図である。制御対象100が-X方向に移動する際は、
図7の(a)から(c)に示すように、まずアタッチメント20が-X方向に移動する。そして、
図7の(d)に示すように、アタッチメント20を工具Tの側から見て、原点Oが-X方向端を越えて所定空間AMの外側に位置すると、第1方向移動距離判定手段は、アタッチメント20が-X方向に所定距離を越えて動いたと判定する。すると、
図7の(d)及び(e)に示すように、装置本体10がアタッチメント20の動いた方向、つまり-X方向に移動する。このように、第1方向移動距離判定手段が、アタッチメント20が-X方向に所定距離を越えて動いたと判定すると、装置本体10は、-X方向に移動し、又は姿勢が変化する。
【0074】
図8は、
図1に示す制御対象100が第2方向Yのうち+Y方向に移動するときの、
図1に示すアタッチメント20を工具Tの側から見た模式図である。制御対象100が第2方向Yに移動する際は、
図8の(a)から(c)に示すように、まずアタッチメント20が+Y方向に移動する。そして、
図8の(d)に示すように、アタッチメント20を工具Tの側から見て、原点Oが+Y方向端を越えて所定空間AMの外側に位置すると、第2方向移動距離判定手段は、アタッチメント20が+Y方向に所定距離を越えて動いたと判定する。すると、
図8の(d)に示すように、装置本体10がアタッチメント20の動いた方向、つまり+Y方向に移動する。この動きは、制御対象100が第2方向Yのうち-Y方向に移動する場合も同じである。このように、第2方向移動距離判定手段が、アタッチメント20が第2方向Yに所定距離を越えて動いたと判定すると、装置本体10は、第2方向Yに移動し、又は姿勢が変化する。
【0075】
図9は、
図1に示す制御対象100が第3方向Zのうち+Z方向に移動するときの、制御対象100の正面視における模式図である。制御対象100が第3方向Zに移動する際は、
図9の(a)から(c)に示すように、まずアタッチメント20が+Z方向に移動する。そして、
図9の(d)に示すように、アタッチメント20を工具Tの側から見て、原点Oが+Z方向端を越えて所定空間AMの外側に位置すると、第3方向移動距離判定手段は、アタッチメント20が+Z方向に所定距離を越えて動いたと判定する。すると、
図9の(d)に示すように、装置本体10がアタッチメント20の動いた方向、つまり+Z方向に移動する。この動きは、制御対象100が第3方向Zのうち-Z方向に移動する場合も同じである。このように、第3方向移動距離判定手段が、アタッチメント20が第3方向Zに所定距離を越えて動いたと判定すると、装置本体10は、第3方向Zに移動し、又は姿勢が変化する。
【0076】
図10は、
図1に示す制御対象100が第1方向X及び第2方向Yのうち+X方向と+Y方向との間に移動するときの、制御対象100の正面視における模式図である。このとき、アタッチメント20が動いた方向を第4方向とする。制御対象100が第4方向に移動する際は、
図10の(a)から(c)に示すように、まずアタッチメント20が第4方向に移動する。そして、
図10の(d)に示すように、アタッチメント20を工具Tの側から見て、原点Oが所定空間AMの外側に位置すると、移動空間判定手段は、アタッチメント20が所定空間AMを越えて動いたと判定する。すると、
図10の(d)に示すように、装置本体10が第4方向に移動する。このように、移動空間判定手段が、アタッチメント20が所定空間AMを越えて動いたと判定すると、装置本体10は、アタッチメント20の動いた方向である第4方向に移動し、又は姿勢が変化する。
【0077】
図11は、
図1に示す制御対象100によって工具Tの姿勢が第1回転方向Aに変化するときの、制御対象100の正面視における模式図である。
工具Tの姿勢が+A方向に変化する際は、
図11の(a)から(c)に示すように、まず、工具Tの姿勢を+A方向に変化させるように、アタッチメント20の姿勢が変化する。
図11の(d)に示すように、制御対象100の正面視において、アタッチメント20が+A方向端に位置すると、回転角度判定手段は、アタッチメント20の姿勢が所定角度だけ変化したと判定する。すると、
図11の(d)及び(e)に示すように、工具Tの姿勢を+A方向に変化させるように、装置本体10の姿勢が変化する。このように、回転角度判定手段が、アタッチメント20の姿勢が所定角度だけ変化したと判定すると、装置本体10は、アタッチメント20の姿勢が変化した方向に回転する。
上記では、工具Tが+A方向に回転した場合を例に挙げて説明したが、上記の動きは、工具Tの姿勢が第2回転方向B及び第3回転方向Cに変化した場合も同様である。
【0078】
アタッチメント20が対象物Mに接触すると、対象物Mからアタッチメント20に反力が加えられる。この反力が過大なものとなると、アタッチメント20及び工具Tが破損する原因となる。反力が過大なものとなることを防止するために、装置本体10及びアタッチメント20は、下記のように動作する。
反力判定手段が、反力に関するパラメータ(反力の大きさ、又は反力の変化の大きさ)が閾値を越えていないと判定した場合には、制御手段は、アタッチメント20を指令の方向に移動させる。
反力判定手段が、反力に関するパラメータ(反力の大きさ、又は反力の変化の大きさ)が閾値を越えたと判定した場合には、制御手段は、アタッチメント20を指令の方向とは反対の方向に移動させる。
【0079】
アタッチメント20が対象物Mから受ける反力が所定値以上であると、アタッチメント20は、対象物Mから遠ざかる方向に移動し、又は姿勢が変化する。このとき、アタッチメント20は、対象物Mから受ける反力が所定値未満になるまで、対象物Mから遠ざかる方向に移動し、又は姿勢が変化し続けてもよい。また、アタッチメント20と対象物Mとは、アタッチメント20の対象物Mから遠ざかる方向への移動の前後で接触状態が維持されるようにしてもよい。
【0080】
アタッチメント20は、アタッチメント20が対象物Mから受ける反力の変化量が所定値以上であると、対象物Mから遠ざかる方向に移動し、又は姿勢が変化するようにしてもよい。これにより、制御システム200による作業において反力の変化量が過大となるような場合に迅速に対応できる。
【0081】
(制御フロー)
次に、上述の各制御の制御フローについて説明する。本実施形態では、制御システム200は、アタッチメント20及び装置本体10を並行に制御する。以下では、アタッチメント20及び装置本体10それぞれの制御フローを説明する。
【0082】
(アタッチメント20の制御フロー)
まず、アタッチメント20の制御フローについて説明する。アタッチメント20は、
図12及び
図13に示す動作フローチャートに従って動作する。
ユーザは、操作レバー221によって工具Tを移動し、又は工具Tの姿勢を変化させる旨の指令を入力する。この指令を受付手段が受け付ける。このとき、
図12に示すように、まず、受付手段が、制御盤220が操作レバー221を介して位置指令を受け付けたか否か判定する(ステップSA1)。
【0083】
受付手段が位置指令を受け付けた場合(ステップSA1:YES)、動作モードは位置指令モードに移行する。受付手段が位置指令を受け付けなかった場合(ステップSA1:NO)、受付手段は、制御盤220が操作レバー221を介して姿勢指令を受け付けたか否か判定する(ステップSA2)。
受付手段が、姿勢指令を受け付けたと判定した場合(ステップSA2:YES)は、動作モードは
図13に示す姿勢指令モードに移行する。受付手段が位置指令及び姿勢指令のいずれも受け付けなかった場合(ステップSA2:NO)は、フローは終了する。
位置指令においては、まず、制御手段は、前記指令によっていずれの方向へアタッチメント20を移動させるか判定する。
【0084】
(+X方向位置指令)
受付手段が、アタッチメント20を+X方向へ移動させる旨の指令を受け付けた場合(ステップSA3)、まず、反力判定手段は、アタッチメント20が、+X方向から閾値を越える反力を受けているか否か判定する(ステップSA4)。
【0085】
+X方向からの反力の大きさが所定の閾値を越えていない場合(ステップSA4:NO)、又は、後述する-X方向位置指令において-X方向からの反力の大きさが所定の閾値を越えている場合(ステップSA9:YES)、第1方向移動距離判定手段は、アタッチメント20が+X方向端に存在するか否か判定する(ステップSA5)。
アタッチメント20が+X方向端に存在しないと判定した場合(ステップSA5:NO)、制御手段は、アタッチメント20の+X方向への動作量を算出する(ステップSA6)。その後、算出された動作量に基づき、アタッチメント20のアクチュエータは、アタッチメント20を+X方向に移動させ(ステップSA7)、フローは終了する。アタッチメント20が+X方向端にあると判定した場合(ステップSA5:YES)、フローは終了する。
+X方向からの反力の大きさが所定の閾値を越えている場合(ステップSA4:YES)、第1方向移動距離判定手段は、アタッチメント20が-X方向端に存在するか否か判定する(ステップSA10)。ステップSA10以降のフローは後述する。
【0086】
(-X方向位置指令)
受付手段が、アタッチメント20を-X方向へ移動させる旨の指令を受け付けた場合(ステップSA8)、まず、反力判定手段は、アタッチメント20が、-X方向から閾値を越える反力を受けているか否か判定する(ステップSA9)。
【0087】
-X方向からの反力の大きさが所定の閾値を越えていない場合(ステップSA9:NO)、又は、上述の+X方向位置指令において+X方向からの反力の大きさが所定の閾値を越えている場合(ステップSA4:YES)、第1方向移動距離判定手段は、アタッチメント20が-X方向端に存在するか否か判定する(ステップSA10)。
アタッチメント20が-X方向端に存在しないと判定した場合(ステップSA10:NO)、制御手段は、アタッチメント20の-X方向への動作量を算出する(ステップSA11)。その後、算出された動作量に基づき、アタッチメント20のアクチュエータは、アタッチメント20を-X方向に移動させ(ステップSA7)、フローは終了する。アタッチメント20が-X方向端にあると判定した場合(ステップSA10:YES)、フローは終了する。
-X方向からの反力の大きさが所定の閾値を越えている場合(ステップSA9:YES)、第1方向移動距離判定手段は、アタッチメント20が+X方向端に存在するか否か判定する(ステップSA5)。ステップSA5以降のフローは、上述した通りである。
【0088】
(+Y方向位置指令)
受付手段が、アタッチメント20を+Y方向へ移動させる旨の指令を受け付けた場合(ステップSA12)、まず、反力判定手段は、アタッチメント20が、+Y方向から閾値を越える反力を受けているか否か判定する(ステップSA13)。
【0089】
+Y方向からの反力の大きさが所定の閾値を越えていない場合(ステップSA13:NO)、又は、後述する-Y方向位置指令において-Y方向からの反力の大きさが所定の閾値を越えている場合(ステップSA17:YES)、第2方向移動距離判定手段は、アタッチメント20が+Y方向端に存在するか否か判定する(ステップSA14)。
アタッチメント20が+Y方向端に存在しないと判定した場合(ステップSA14:NO)、制御手段は、アタッチメント20の+Y方向への動作量を算出する(ステップSA15)。その後、算出された動作量に基づき、アタッチメント20のアクチュエータは、アタッチメント20を+Y方向に移動させ(ステップSA7)、フローは終了する。アタッチメント20が+Y方向端にあると判定した場合(ステップSA14:YES)、フローは終了する。
+Y方向からの反力の大きさが所定の閾値を越えている場合(ステップSA13:YES)、第2方向移動距離判定手段は、アタッチメント20が-Y方向端に存在するか否か判定する(ステップSA18)。ステップSA18以降のフローは後述する。
【0090】
(-Y方向位置指令)
受付手段が、アタッチメント20を-Y方向へ移動させる旨の指令を受け付けた場合(ステップSA16)、まず、反力判定手段は、アタッチメント20が、-Y方向から閾値を越える反力を受けているか否か判定する(ステップSA17)。
【0091】
-Y方向からの反力の大きさが所定の閾値を越えていない場合(ステップSA17:NO)、又は、上述の+Y方向位置指令において+Y方向からの反力の大きさが所定の閾値を越えている場合(ステップSA13:YES)、第2方向移動距離判定手段は、アタッチメント20が-Y方向端に存在するか否か判定する(ステップSA18)。
アタッチメント20が-Y方向端に存在しないと判定した場合(ステップSA18:NO)、制御手段は、アタッチメント20の-Y方向への動作量を算出する(ステップSA19)。その後、算出された動作量に基づき、アタッチメント20のアクチュエータは、アタッチメント20を-Y方向に移動させ(ステップSA7)、フローは終了する。アタッチメント20が-Y方向端にあると判定した場合(ステップSA18:YES)、フローは終了する。
-Y方向からの反力の大きさが所定の閾値を越えている場合(ステップSA17:YES)、第2方向移動距離判定手段は、アタッチメント20が+Y方向端に存在するか否か判定する(ステップSA14)。ステップSA14以降のフローは、上述した通りである。
【0092】
(+Z方向位置指令)
受付手段が、アタッチメント20を+Z方向へ移動させる旨の指令を受け付けた場合(ステップSA20)、まず、反力判定手段は、アタッチメント20が、+Z方向から閾値を越える反力を受けているか否か判定する(ステップSA21)。
【0093】
+Z方向からの反力の大きさが所定の閾値を越えていない場合(ステップSA21:NO)、又は、後述する-Z方向位置指令において-Z方向からの反力の大きさが所定の閾値を越えている場合(ステップSA25:YES)、第3方向移動距離判定手段は、アタッチメント20が+Z方向端に存在するか否か判定する(ステップSA22)。
アタッチメント20が+Z方向端に存在しないと判定した場合(ステップSA22:NO)、制御手段は、アタッチメント20の+Z方向への動作量を算出する(ステップSA23)。その後、算出された動作量に基づき、アタッチメント20のアクチュエータは、アタッチメント20を+Z方向に移動させ(ステップSA7)、フローは終了する。アタッチメント20が+Z方向端にあると判定した場合(ステップSA22:YES)、フローは終了する。
+Z方向からの反力の大きさが所定の閾値を越えている場合(ステップSA21:YES)、第3方向移動距離判定手段は、アタッチメント20が-Z方向端に存在するか否か判定する(ステップSA26)。ステップSA26以降のフローは後述する。
【0094】
(-Z方向位置指令)
受付手段が、アタッチメント20を-Z方向へ移動させる旨の指令を受け付けた場合(ステップSA24)、まず、反力判定手段は、アタッチメント20が、-Z方向から閾値を越える反力を受けているか否か判定する(ステップSA25)。
【0095】
-Z方向からの反力の大きさが所定の閾値を越えていない場合(ステップSA25:NO)、又は、上述の+Z方向位置指令において+Z方向からの反力の大きさが所定の閾値を越えている場合(ステップSA21:YES)、第3方向移動距離判定手段は、アタッチメント20が-Z方向端に存在するか否か判定する(ステップSA26)。
アタッチメント20が-Z方向端に存在しないと判定した場合(ステップSA26:NO)、制御手段は、アタッチメント20の-Z方向への動作量を算出する(ステップSA27)。その後、算出された動作量に基づき、アタッチメント20のアクチュエータは、アタッチメント20を-Z方向に移動させ(ステップSA7)、フローは終了する。アタッチメント20が-Z方向端にあると判定した場合(ステップSA26:YES)、フローは終了する。
-Z方向からの反力の大きさが所定の閾値を越えている場合(ステップSA25:YES)、第3方向移動距離判定手段は、アタッチメント20が+Z方向端に存在するか否か判定する(ステップSA22)。ステップSA22以降のフローは、上述した通りである。
【0096】
次に、姿勢指令モードについて説明する。
図13は、制御対象のアタッチメントの姿勢指令についての動作フローである。上述のように、姿勢指令モードは、受付手段が姿勢指令を受け付けた場合(ステップSA2:YES)に移行するモードである。
姿勢指令においては、まず、前記指令によっていずれの方向へアタッチメント20を動作させるか判定する。
【0097】
(+A方向姿勢指令)
受付手段が、アタッチメント20の姿勢を+A方向へ変化させる旨の指令を受け付けた場合(ステップSB1)、まず、反力判定手段は、アタッチメント20が、+A方向から閾値を越える反力を受けているか否か判定する(ステップSB2)。
【0098】
+A方向からの反力の大きさが所定の閾値を越えていない場合(ステップSB2:NO)、又は、後述する-A方向姿勢指令において-A方向からの反力の大きさが所定の閾値を越えている場合(ステップSB7:YES)、回転角度判定手段は、アタッチメント20が+A方向端に存在するか否か判定する(ステップSB3)。
アタッチメント20が+A方向端に存在しないと判定した場合(ステップSB3:NO)、制御手段は、アタッチメント20の+A方向への動作量を算出する(ステップSB4)。その後、算出された動作量に基づき、アタッチメント20のアクチュエータは、アタッチメント20の姿勢を+A方向に変化させ(ステップSB5)、フローは終了する。回転角度判定手段が、アタッチメント20が+A方向端にあると判定した場合(ステップSB3:YES)、フローは終了する。
+A方向からの反力の大きさが所定の閾値を越えている場合(ステップSB2:YES)、回転角度判定手段は、アタッチメント20が-A方向端に存在するか否か判定する(ステップSB8)。ステップSB8以降のフローは後述する。
【0099】
(-A方向姿勢指令)
受付手段が、アタッチメント20の姿勢を-A方向へ変化させる旨の指令を受け付けた場合(ステップSB6)、まず、反力判定手段は、アタッチメント20が、-A方向から閾値を越える反力を受けているか否か判定する(ステップSB7)。
【0100】
-A方向からの反力の大きさが所定の閾値を越えていない場合(ステップSB7:NO)、又は、上述の+A方向姿勢指令において+A方向からの反力の大きさが所定の閾値を越えている場合(ステップSB2:YES)、回転角度判定手段は、アタッチメント20が-A方向端に存在するか否か判定する(ステップSB8)。
アタッチメント20が-A方向端に存在しないと判定した場合(ステップSB8:NO)、制御手段は、アタッチメント20の-A方向への動作量を算出する(ステップSB9)。その後、算出された動作量に基づき、アタッチメント20のアクチュエータは、アタッチメント20の姿勢を-A方向に変化させ(ステップSB5)、フローは終了する。回転角度判定手段が、アタッチメント20が-A方向端にあると判定した場合(ステップSB8:YES)、フローは終了する。
-A方向からの反力の大きさが所定の閾値を越えている場合(ステップSB7:YES)、回転角度判定手段は、アタッチメント20が+A方向端に存在するか否か判定する(ステップSB3)。ステップSB3以降のフローは、上述した通りである。
【0101】
(+B方向姿勢指令)
受付手段が、アタッチメント20の姿勢を+B方向へ変化させる旨の指令を受け付けた場合(ステップSB10)、まず、反力判定手段は、アタッチメント20が、+B方向から閾値を越える反力を受けているか否か判定する(ステップSB11)。
【0102】
+B方向からの反力の大きさが所定の閾値を越えていない場合(ステップSB11:NO)、又は、後述する-B方向姿勢指令において-B方向からの反力の大きさが所定の閾値を越えている場合(ステップSB15:YES)、回転角度判定手段は、アタッチメント20が+B方向端に存在するか否か判定する(ステップSB12)。
アタッチメント20が+B方向端に存在しないと判定した場合(ステップSB12:NO)、制御手段は、アタッチメント20の+B方向への動作量を算出する(ステップSB13)。その後、算出された動作量に基づき、アタッチメント20のアクチュエータは、アタッチメント20の姿勢を+B方向に変化させ(ステップSB5)、フローは終了する。回転角度判定手段が、アタッチメント20が+B方向端にあると判定した場合(ステップSB12:YES)、フローは終了する。
+B方向からの反力の大きさが所定の閾値を越えている場合(ステップSB11:YES)、回転角度判定手段は、アタッチメント20が-B方向端に存在するか否か判定する(ステップSB16)。ステップSB16以降のフローは後述する。
【0103】
(-B方向姿勢指令)
受付手段が、アタッチメント20の姿勢を-B方向へ変化させる旨の指令を受け付けた場合(ステップSB14)、まず、反力判定手段は、アタッチメント20が、-B方向から閾値を越える反力を受けているか否か判定する(ステップSB15)。
【0104】
-B方向からの反力の大きさが所定の閾値を越えていない場合(ステップSB15:NO)、又は、上述の+B方向姿勢指令において+B方向からの反力の大きさが所定の閾値を越えている場合(ステップSB11:YES)、回転角度判定手段は、アタッチメント20が-B方向端に存在するか否か判定する(ステップSB16)。
アタッチメント20が-B方向端に存在しないと判定した場合(ステップSB16:NO)、制御手段は、アタッチメント20の-B方向への動作量を算出する(ステップSB17)。その後、算出された動作量に基づき、アタッチメント20のアクチュエータは、アタッチメント20の姿勢を-B方向に変化させ(ステップSB5)、フローは終了する。回転角度判定手段が、アタッチメント20が-B方向端にあると判定した場合(ステップSB16:YES)、フローは終了する。
-B方向からの反力の大きさが所定の閾値を越えている場合(ステップSB15:YES)、回転角度判定手段は、アタッチメント20が+B方向端に存在するか否か判定する(ステップSB12)。ステップSB12以降のフローは、上述した通りである。
【0105】
(+C方向姿勢指令)
受付手段が、アタッチメント20の姿勢を+C方向へ変化させる旨の指令を受け付けた場合(ステップSB18)、まず、反力判定手段は、アタッチメント20が、+C方向から閾値を越える反力を受けているか否か判定する(ステップSB19)。
【0106】
+C方向からの反力の大きさが所定の閾値を越えていない場合(ステップSB19:NO)、又は、後述する-C方向姿勢指令において-C方向からの反力の大きさが所定の閾値を越えている場合(ステップSB23:YES)、回転角度判定手段は、アタッチメント20が+C方向端に存在するか否か判定する(ステップSB20)。
アタッチメント20が+C方向端に存在しないと判定した場合(ステップSB20:NO)、制御手段は、アタッチメント20の+C方向への動作量を算出する(ステップSB21)。その後、算出された動作量に基づき、アタッチメント20のアクチュエータは、アタッチメント20の姿勢を+C方向に変化させ(ステップSB5)、フローは終了する。回転角度判定手段が、アタッチメント20が+C方向端にあると判定した場合(ステップSB20:YES)、フローは終了する。
+C方向からの反力の大きさが所定の閾値を越えている場合(ステップSB19:YES)、回転角度判定手段は、アタッチメント20が-C方向端に存在するか否か判定する(ステップSB24)。ステップSB24以降のフローは後述する。
【0107】
(-C方向姿勢指令)
受付手段が、アタッチメント20の姿勢を-C方向へ変化させる旨の指令を受け付けた場合(ステップSB22)、まず、反力判定手段は、アタッチメント20が、-C方向から閾値を越える反力を受けているか否か判定する(ステップSB23)。
【0108】
-C方向からの反力の大きさが所定の閾値を越えていない場合(ステップSB23:NO)、又は、上述の+C方向姿勢指令において+C方向からの反力の大きさが所定の閾値を越えている場合(ステップSB19:YES)、回転角度判定手段は、アタッチメント20が-C方向端に存在するか否か判定する(ステップSB24)。
アタッチメント20が-C方向端に存在しないと判定した場合(ステップSB24:NO)、制御手段は、アタッチメント20の-C方向への動作量を算出する(ステップSB25)。その後、算出された動作量に基づき、アタッチメント20のアクチュエータは、アタッチメント20の姿勢を-C方向に変化させ(ステップSB5)、フローは終了する。回転角度判定手段が、アタッチメント20が-C方向端にあると判定した場合(ステップSB24:YES)、フローは終了する。
-C方向からの反力の大きさが所定の閾値を越えている場合(ステップSB23:YES)、回転角度判定手段は、アタッチメント20が+C方向端に存在するか否か判定する(ステップSB20)。ステップSB20以降のフローは、上述した通りである。
【0109】
(装置本体10の制御フロー)
次に、装置本体10の制御フローについて説明する。装置本体10は、
図14及び
図15に示す動作フローチャートに従って動作する。
ユーザは、操作レバー221によって工具Tを移動し、又は工具Tの姿勢を変化させる旨の指令を入力する。この指令を受付手段が受け付ける。このとき、
図14に示すように、まず、受付手段が、制御盤220が操作レバー221を介して位置指令を受け付けたか否か判定する(ステップSC1)。なお、ユーザの指令は、上述したアタッチメント20の操作フローにおける操作レバー221による指令と同じものである。
【0110】
受付手段が位置指令を受け付けた場合(ステップSC1:YES)は、動作モードは位置指令モードに移行する。受付手段が位置指令を受け付けなかった場合(ステップSC1:NO)、受付手段は、制御盤220が操作レバー221を介して姿勢指令を受け付けたか否か判定する(ステップSC2)。
受付手段が姿勢指令を受け付けた場合(ステップSC2:YES)は、動作モードは
図15に示す姿勢指令モードに移行する。受付手段が位置指令及び姿勢指令のいずれも受け付けなかった場合(ステップSC2:NO)は、フローは終了する。
位置指令においては、まず、前記指令によっていずれの方向へアタッチメント20を移動させるか判定する。
【0111】
(+X方向位置指令)
受付手段が、アタッチメント20を+X方向へ移動させる旨の指令を受け付けた場合、まず、第1方向移動距離判定手段は、アタッチメント20が、+X方向に所定距離を越えて移動しているか否か、つまり、アタッチメント20の位置が+X方向に向けて装置本体10を動作させる領域(+Xロボット動作域)にあるか否か判定する(ステップSC3)。
【0112】
アタッチメント20が、+X方向に向けて装置本体10を動作させる領域に存在すると判定された場合(ステップSC3:YES)、制御手段は、装置本体10の+X方向への動作量を算出する(ステップSC4)。その後、算出された動作量に基づき、装置本体10は、アタッチメント取付部14を+X方向に移動させ(ステップSC5)、フローは終了する。アタッチメント20の位置が、+X方向に向けて装置本体10を動作させる領域にないと判定された場合(ステップSC3:NO)、フローは終了する。
【0113】
(-X方向位置指令)
受付手段が、アタッチメント20を-X方向へ移動させる旨の指令を受け付けた場合、まず、第1方向移動距離判定手段は、アタッチメント20が-X方向に所定距離を越えて移動しているか否か、つまり、アタッチメント20の位置が-X方向に向けて装置本体10を動作させる領域(-Xロボット動作域)にあるか否か判定する(ステップSC6)。
【0114】
アタッチメント20の位置が、-X方向に向けて装置本体10を動作させる領域にあると判定された場合(ステップSC6:YES)、制御手段は、装置本体10の-X方向への動作量を算出する(ステップSC7)。その後、算出された動作量に基づき、装置本体10は、アタッチメント取付部14をX方向に移動させ(ステップSC5)、フローは終了する。アタッチメント20の位置が、-X方向に向けて装置本体10を動作させる領域にないと判定された場合(ステップSC6:NO)、フローは終了する。
【0115】
(+Y方向位置指令)
受付手段が、アタッチメント20を+Y方向へ移動させる旨の指令を受け付けた場合、まず、第2方向移動距離判定手段は、アタッチメント20が+Y方向に所定距離を越えて移動しているか否か、つまり、アタッチメント20の位置が+Y方向に向けて装置本体10を動作させる領域(+Yロボット動作域)にあるか否か判定する(ステップSC8)。
【0116】
アタッチメント20の位置が、+Y方向に向けて装置本体10を動作させる領域にあると判定された場合(ステップSC8:YES)、制御手段は、装置本体10の+Y方向への動作量を算出する(ステップSC9)。その後、算出された動作量に基づき、装置本体10は、アタッチメント取付部14を+Y方向に移動させ(ステップSC5)、フローは終了する。アタッチメント20の位置が、+Y方向に向けて装置本体10を動作させる領域にないと判定された場合(ステップSC8:NO)、フローは終了する。
【0117】
(-Y方向位置指令)
受付手段が、アタッチメント20を-Y方向へ移動させる旨の指令を受け付けた場合、まず、第2方向移動距離判定手段は、アタッチメント20が-Y方向に所定距離を越えて移動しているか否か、つまり、アタッチメント20の位置が-Y方向に向けて装置本体10を動作させる領域(-Yロボット動作域)にあるか否か判定する(ステップSC10)。
【0118】
アタッチメント20の位置が、-Y方向に向けて装置本体10を動作させる領域にあると判定された場合(ステップSC10:YES)、制御手段は、装置本体10の-Y方向への動作量を算出する(ステップSC11)。その後、算出された動作量に基づき、装置本体10は、アタッチメント取付部14をY方向に移動させ(ステップSC5)、フローは終了する。アタッチメント20の位置が、-Y方向に向けて装置本体10を動作させる領域にないと判定された場合(ステップSC10:NO)、フローは終了する。
【0119】
(+Z方向位置指令)
受付手段が、アタッチメント20を+Z方向へ移動させる旨の指令を受け付けた場合、まず、第3方向移動距離判定手段は、アタッチメント20が+Z方向に所定距離を越えて移動しているか否か、つまり、アタッチメント20の位置が+Z方向に向けて装置本体10を動作させる領域(+Zロボット動作域)にあるか否か判定する(ステップSC12)。
【0120】
アタッチメント20の位置が、+Z方向に向けて装置本体10を動作させる領域にあると判定された場合(ステップSC12:YES)、制御手段は、装置本体10の+Z方向への動作量を算出する(ステップSC13)。その後、算出された動作量に基づき、装置本体10は、アタッチメント取付部14を+Z方向に移動させ(ステップSC5)、フローは終了する。アタッチメント20の位置が、+Z方向に向けて装置本体10を動作させる領域にないと判定された場合(ステップSC12:NO)、フローは終了する。
【0121】
(-Z方向位置指令)
受付手段が、アタッチメント20を-Z方向へ移動させる旨の指令を受け付けた場合、まず、第3方向移動距離判定手段は、アタッチメント20が-Z方向に所定距離を越えて移動しているか否か、つまり、アタッチメント20の位置が-Z方向に向けて装置本体10を動作させる領域(-Zロボット動作域)にあるか否か判定する(ステップSC14)。
【0122】
アタッチメント20の位置が、-Z方向に向けて装置本体10を動作させる領域にあると判定された場合(ステップSC14:YES)、制御手段は、装置本体10の-Z方向への動作量を算出する(ステップSC15)。その後、算出された動作量に基づき、装置本体10は、アタッチメント取付部14をZ方向に移動させ(ステップSC5)、フローは終了する。アタッチメント20の位置が、-Z方向に向けて装置本体10を動作させる領域にないと判定された場合(ステップSC14:NO)、フローは終了する。
【0123】
次に、
図15を用いて、姿勢指令モードについて説明する。上述のように、姿勢指令モードは、受付手段が姿勢指令を受け付けた場合(ステップSC2:YES)に移行するモードである。
姿勢指令においては、まず、前記指令によっていずれの方向へアタッチメント20を動作させるかを判定する。
【0124】
(+A方向姿勢指令)
受付手段が、アタッチメント20の姿勢を+A方向へ変化させる旨の指令を受け付けた場合、まず、回転角度判定手段は、アタッチメント20の姿勢が+A方向に所定角度を越えて変化したか、つまり、アタッチメント20の姿勢が+A方向に向けて変化するように、装置本体10の姿勢を変化させる領域(+Aロボット動作域)にあるか否か判定する(ステップSD1)。
【0125】
アタッチメント20の姿勢が、+A方向に向けて装置本体10の姿勢を変化させる領域にあると判定された場合(ステップSD1:YES)、制御手段は、装置本体10の+A方向への動作量を算出する(ステップSD2)。その後、算出された動作量に基づき、装置本体10は、アタッチメント取付部14の姿勢を+A方向に変化させ(ステップSD3)、フローは終了する。アタッチメント20の位置が、+A方向に向けて装置本体10を動作させる領域にないと判定された場合(ステップSD1:NO)、フローは終了する。
【0126】
(-A方向姿勢指令)
受付手段が、アタッチメント20の姿勢を-A方向へ変化させる旨の指令を受け付けた場合、まず、回転角度判定手段は、アタッチメント20の姿勢が-A方向に所定角度を越えて変化したか、つまり、アタッチメント20の姿勢が-A方向に向けて変化するように、装置本体10の姿勢を変化させる領域(-Aロボット動作域)にあるか否か判定する(ステップSD4)。
【0127】
アタッチメント20の姿勢が、-A方向に向けて装置本体10の姿勢を変化させる領域にあると判定された場合(ステップSD4:YES)、制御手段は、装置本体10の-A方向への動作量を算出する(ステップSD5)。その後、算出された動作量に基づき、装置本体10は、アタッチメント取付部14の姿勢をA方向に変化させ(ステップSD3)、フローは終了する。アタッチメント20の位置が、-A方向に向けて装置本体10を動作させる領域にないと判定された場合(ステップSD4:NO)、フローは終了する。
【0128】
(+B方向姿勢指令)
受付手段が、アタッチメント20の姿勢を+B方向へ変化させる旨の指令を受け付けた場合、まず、回転角度判定手段は、アタッチメント20の姿勢が+B方向に所定角度を越えて変化したか、つまり、アタッチメント20の姿勢が+B方向に向けて変化するように、装置本体10の姿勢を変化させる領域(+Bロボット動作域)にあるか否か判定する(ステップSD6)。
【0129】
アタッチメント20の姿勢が、+B方向に向けて装置本体10の姿勢を変化させる領域にあると判定された場合(ステップSD6:YES)、制御手段は、装置本体10の+B方向への動作量を算出する(ステップSD7)。その後、算出された動作量に基づき、装置本体10は、アタッチメント取付部14の姿勢を+B方向に変化させ(ステップSD3)、フローは終了する。アタッチメント20の位置が、+B方向に向けて装置本体10を動作させる領域にないと判定された場合(ステップSD6:NO)、フローは終了する。
【0130】
(-B方向姿勢指令)
受付手段が、アタッチメント20の姿勢を-B方向へ変化させる旨の指令を受け付けた場合、まず、回転角度判定手段は、アタッチメント20の姿勢が-B方向に所定角度を越えて変化したか、つまり、アタッチメント20の姿勢が-B方向に向けて変化するように、装置本体10の姿勢を変化させる領域(-Bロボット動作域)にあるか否か判定する(ステップSD8)。
【0131】
アタッチメント20の姿勢が、-B方向に向けて装置本体10の姿勢を変化させる領域にあると判定された場合(ステップSD8:YES)、制御手段は、装置本体10の-B方向への動作量を算出する(ステップSD9)。その後、算出された動作量に基づき、装置本体10は、アタッチメント取付部14の姿勢をB方向に変化させ(ステップSD3)、フローは終了する。アタッチメント20の位置が、-B方向に向けて装置本体10を動作させる領域にないと判定された場合(ステップSD8:NO)、フローは終了する。
【0132】
(+C方向姿勢指令)
受付手段が、アタッチメント20の姿勢を+C方向へ変化させる旨の指令を受け付けた場合、まず、回転角度判定手段は、アタッチメント20の姿勢が+C方向に所定角度を越えて変化したか、つまり、アタッチメント20の姿勢が+C方向に向けて変化するように、装置本体10の姿勢を変化させる領域(+Cロボット動作域)にあるか否か判定する(ステップSD10)。
【0133】
アタッチメント20の姿勢が、+C方向に向けて装置本体10の姿勢を変化させる領域にあると判定された場合(ステップSD10:YES)、制御手段は、装置本体10の+C方向への動作量を算出する(ステップSD11)。その後、算出された動作量に基づき、装置本体10は、アタッチメント取付部14の姿勢を+C方向に変化させ(ステップSD3)、フローは終了する。アタッチメント20の位置が、+C方向に向けて装置本体10を動作させる領域にないと判定された場合(ステップSD10:NO)、フローは終了する。
【0134】
(-C方向姿勢指令)
受付手段が、アタッチメント20の姿勢を-C方向へ変化させる旨の指令を受け付けた場合、まず、回転角度判定手段は、アタッチメント20の姿勢が-C方向に所定角度を越えて変化したか、つまり、アタッチメント20の姿勢が-C方向に向けて変化するように、装置本体10の姿勢を変化させる領域(-Cロボット動作域)にあるか否か判定する(ステップSD12)。
【0135】
アタッチメント20の姿勢が、-C方向に向けて装置本体10の姿勢を変化させる領域にあると判定された場合(ステップSD12:YES)、制御手段は、装置本体10の-C方向への動作量を算出する(ステップSD13)。その後、算出された動作量に基づき、装置本体10は、アタッチメント取付部14の姿勢をC方向に変化させ(ステップSD3)、フローは終了する。アタッチメント20の位置が、-C方向に向けて装置本体10を動作させる領域にないと判定された場合(ステップSD12:NO)、フローは終了する。
【0136】
制御対象100は、上記フローに基づき制御される。ここで、アタッチメント20が、原点Oから第1方向X、第2方向Y、又は第3方向Zにおいて所定位置を越えるまで移動すると、アタッチメント20の可動域に余裕がない状態となる。このとき、アタッチメント20の可動域に余裕を持たせるために、上記フローに加えて、下記の制御を適宜行ってもよい。
【0137】
制御手段は、受付手段が指令を受け付けた際に、位置判別手段が、アタッチメント20の位置が近接位置であると判別した場合には、制御手段は、アタッチメント20が対象物Mに近づく方向に装置本体10を移動し、又は姿勢を変化させる。
位置判別手段が、アタッチメント20の位置が遠隔位置であると判別した場合には、制御手段は、アタッチメント20が対象物Mから遠ざかる方向に装置本体10を移動し、又は姿勢を変化させる。
位置判別手段が、アタッチメント20の位置が中間位置であると判別した場合には、制御手段は、装置本体10の移動を抑制する。
上記内容に基づき、制御システム200は、制御対象100を制御して作業を行う。
【0138】
以上説明したように、本実施形態に係る制御対象100及び制御システム200によれば、アタッチメント20の先端の、アタッチメント取付部14から見た複数方向への移動速度は、アタッチメント取付部14の、ベース11から見た複数方向への移動速度よりも速い。このような構成とすることで、装置本体10のみが対象物Mに接近する場合と比較して、より迅速に対象物Mに接近することができる。また、例えば、作業中に対象物Mから想定外の反力を受けたときにアタッチメント20を対象物Mから高速で退避させることができる。上記構成は、例えば、大型鍛造品の仕上げ加工をアタッチメント20に取り付けられた工具によって行う場合、鍛造品から工具を高速で退避させるときに顕著な作用効果をもたらす。
また、装置本体10の移動速度を上げるのではなく、装置本体10に取り付けられるアタッチメント20の移動速度を高めることで、対象物Mへの迅速な接近と退避とを実現できる。よって、例えば、装置本体10の改造等の大掛かりな作業の発生を抑えることができる。
【0139】
また、第1方向移動距離判定手段が、アタッチメント20が第1方向Xに所定距離を越えて動いたと判定すると、装置本体10は、第1方向Xに移動し、又は姿勢が変化する。つまり、アタッチメント20が第1方向Xに所定距離を越えて移動すると、装置本体10がアタッチメント20の動きに追従する。これにより、例えば、第1方向Xにおける所定距離がアタッチメント20の移動許容範囲の最大値である場合に、アタッチメント20が移動不可となることを抑えることができる。また、アタッチメント20が第1方向Xにおける所定距離を越えて移動するまで装置本体10を動かさないようにすることで、装置本体10の動きを抑えることができる。
【0140】
また、第2方向移動距離判定手段が、アタッチメント20が第2方向Yに所定距離を越えて動いたと判定すると、装置本体10は、第2方向Yに移動し、又は姿勢が変化する。つまり、アタッチメント20が第2方向Yに所定距離を越えて移動すると、装置本体10がアタッチメント20の動きに追従する。これにより、例えば、第2方向Yにおける所定距離がアタッチメント20の移動許容範囲の最大値である場合に、アタッチメント20が移動不可となることを抑えることができる。また、アタッチメント20が第2方向Yにおける所定距離を越えて移動するまで装置本体10を動かさないようにすることで、装置本体10の動きを抑えることができる。
【0141】
また、第3方向移動距離判定手段が、アタッチメント20が第3方向Zに所定距離を越えて動いたと判定すると、装置本体10は、第3方向Zに移動し、又は姿勢が変化する。つまり、アタッチメント20が第3方向Zに所定距離を越えて移動すると、装置本体10がアタッチメント20の動きに追従する。これにより、例えば、第3方向Zにおける所定距離がアタッチメント20の移動許容範囲の最大値である場合に、アタッチメント20が移動不可となることを抑えることができる。また、アタッチメント20が第3方向Zにおける所定距離を越えて移動するまで装置本体10を動かさないようにすることで、装置本体10の動きを抑えることができる。
【0142】
また、移動空間判定手段が、アタッチメント20が所定空間AMを越えて動いたと判定すると、装置本体10は、アタッチメント20の動いた方向である第4方向に移動し、又は姿勢が変化する。つまり、アタッチメント20が所定空間AMを越えて移動すると、装置本体10がアタッチメント20の動きに追従する。これにより、例えば、アタッチメント20が所定空間AMを越えて移動した結果、アタッチメント20の移動許容範囲の最大値に達するような場合に、アタッチメント20が移動不可となることを抑えることができる。また、アタッチメント20が所定空間AMを越えて移動するまで装置本体10を動かさないようにすることで、装置本体10の動きを抑えることができる。また、アタッチメント20の動きを3次元的に把握することで、アタッチメント20の動きを1次元的にのみ把握する場合と比較して、装置本体10のアタッチメント20の動きに対する追従性をより高くすることができる。
【0143】
また、所定空間AMが、鉛直方向に沿って、直方体形状又は球形状である。例えば、作業する現場、又は作業の内容等の条件に合わせて、所定空間AMの形状が予め定義される。これにより、アタッチメント20を用いた作業において、アタッチメント20が予め定義された空間を越えて動くことを抑えることができる。よって、アタッチメント20を用いた作業を安全に行うことができる。また、装置本体10の動きを小さくして、制御システム200による作業の効率を上げることができる。
【0144】
また、アタッチメント20は、アタッチメント20が対象物Mから受ける反力が所定値以上であると、対象物Mから遠ざかる方向に移動し、又は姿勢が変化する。つまり、アタッチメント20が対象物Mから所定値以上の反力を受けた場合に、対象物Mからアタッチメント20を退避させる。これにより、アタッチメント20が故障し、又はアタッチメント20が対象物Mを損傷することを抑えることができる。
【0145】
また、アタッチメント20は、アタッチメント20が対象物Mから受ける反力が所定値以上であると、アタッチメント20が対象物Mから受ける反力が所定値未満になるまで、対象物Mから遠ざかる方向に移動し、又は姿勢が変化し続ける。これにより、アタッチメント20が故障し、又はアタッチメント20が対象物Mを損傷することをより確実に抑えることができる。よって、制御システム200による作業をより安全に行うことができる。
【0146】
また、アタッチメント20と対象物Mとは、アタッチメント20の対象物Mから遠ざかる方向への移動の前後で接触状態が維持される。つまり、アタッチメント20が対象物Mから退避する前後において、アタッチメント20と対象物Mとが常に接した状態である。これにより、例えば、アタッチメント20が対象物Mの外表面に追従するように移動ことが求められる作業において、アタッチメント20が故障し、又はアタッチメント20が対象物Mを損傷することを抑えることができる。
【0147】
また、アタッチメント20の位置が近接位置であると判別された場合には、アタッチメント20が対象物Mから遠ざかる方向に装置本体10が移動し、又は姿勢が変化する。これにより、例えば、アタッチメント20の対象物Mに近づく方向への移動量が、移動可能量の最大値に近い場合に、装置本体10を対象物Mに近づけることで、アタッチメント20の移動可能量に余裕を持たせることができる。
【0148】
アタッチメント20の位置が遠隔位置であると判別された場合には、アタッチメント20が対象物Mに近づく方向に装置本体10が移動し、又は姿勢が変化する。これにより、例えば、アタッチメント20の対象物Mから遠ざかる方向への移動量が、移動可能量の最大値に近い場合に、装置本体10を対象物Mから遠ざけることで、アタッチメント20の移動可能量に余裕を持たせることができる。
【0149】
このように、アタッチメント20の位置状態に合わせて装置本体10を補助的に移動させることで、アタッチメント20の過度な移動を防ぐことができ、作業性を向上することができる。
【0150】
また、アタッチメント20の位置が中間位置であると判別された場合には、装置本体10の移動が抑制される。これにより、装置本体10の過度な移動を抑えることができ、作業性を向上することができる。
【0151】
また、アタッチメント20は、アタッチメント20が対象物Mから受ける反力の変化量が所定値以上であると、対象物Mから遠ざかる方向に移動し、又は姿勢が変化する。つまり、アタッチメント20が対象物Mから受ける反力の変化が所定値以上である場合に、対象物Mからアタッチメント20を退避させる。これにより、例えば、制御システム200による作業においてアタッチメント20と対象物Mとの相対位置が何らかの理由によってずれた場合等のアタッチメント20に過度な反力がかかりうる場合に、アタッチメント20が故障し、又はアタッチメント20が対象物Mを損傷することを抑えることができる。
【0152】
また、パラメータは、反力モード設定手段が第1反力モードを設定した場合には反力の大きさであり、反力モード設定手段が第2反力モードを設定した場合には反力の変化の大きさである。このように、パラメータを、反力の大きさ、又は、反力の変化の大きさに設定可能とし、切替可能とすることで、制御システム200を使用する現場において求められる条件に柔軟に対応することができる。
【0153】
例えば、制御システム200について、第1反力モードを設定した場合には、アタッチメント20の先端に取り付けた作業棒によって、溶融炉の内部に堆積したスラグを除去することができる。また、第2反力モードを設定した場合には、アタッチメント20の先端に取り付けた回転砥石によって、大型鍛造品の仕上げ加工を行うことができる。
【0154】
また、アタッチメント取付部14は、アタッチメント20の先端の移動速度よりも遅く、アタッチメント20の先端の移動方向に追従して位置又は姿勢が変化する。これにより、アタッチメント取付部14が移動せず、装置本体10のみがアタッチメント20に追従する場合と比較して、アタッチメント20の動きに対する追従性をより高くすることができる。よって、アタッチメント20による作業をより円滑に行うことができる。
【0155】
なお、本発明の技術的範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、制御システム200の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0156】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0157】
10 装置本体
11 ベース
14 アタッチメント取付部
20 アタッチメント
200 制御システム
AM 所定空間
M 対象物
X 第1方向
Y 第2方向
Z 第3方向