(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116171
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】ストッキングフット・ウェーダー
(51)【国際特許分類】
A41D 13/06 20060101AFI20240820BHJP
A43B 23/02 20060101ALI20240820BHJP
A43B 1/10 20060101ALI20240820BHJP
A43B 1/028 20220101ALN20240820BHJP
【FI】
A41D13/06
A43B23/02 A
A43B23/02 101A
A43B1/10
A43B1/028
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024084067
(22)【出願日】2024-05-23
(62)【分割の表示】P 2021520084の分割
【原出願日】2019-06-01
(31)【優先権主張番号】16/016,633
(32)【優先日】2018-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520503979
【氏名又は名称】シムズ フィッシィング プロダクツ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001346
【氏名又は名称】弁理士法人MM&A
(72)【発明者】
【氏名】ギブソン、ロバート
(72)【発明者】
【氏名】グスタフソン、デレク
(72)【発明者】
【氏名】キー、サイモン
(72)【発明者】
【氏名】グロドキエウィッツ、ジェレミー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】疎水性及び親水性材料の組合せを利用して、水分の移動をさらに促進する。
【解決手段】ウェーダーは、本体部分2及びブーティー3を有する。ブーティーは、本体部分に取り付けられる。ブーティーは、つま先部、足首部及び足底部を有する。つま先部、足首部及び足底部は、互いに固着されてブーティーを形成する。つま先部は外面を有し、且つつま先部は、前記外面で隆起したネオプレン領域を含む。足首部は内面を有し、且つ足首部は、前記内面で隆起したネオプレン領域を含む。つま先部、足首部及び足底部の全ては、ネオプレン材料で構成される。足首部の内面で隆起したネオプレン領域は、水分を吸い上げて着用者の足から遠ざけるように構成されている。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部分及びブーティーを有するウェーダーであって、
前記ブーティーは、前記本体部分に取り付けられており、
前記ブーティーは、つま先部、足首部及び足底部を含み、
前記つま先部、前記足首部及び前記足底部は、互いに固着されて前記ブーティーを形成し、
前記つま先部は外面を有し、且つ前記つま先部は、前記外面で隆起したネオプレン領域を含み、
前記足首部は内面を有し、且つ前記足首部は、前記内面で隆起したネオプレン領域を含み、
前記つま先部、前記足首部及び前記足底部の全ては、ネオプレン材料で構成されている
ことを特徴とするウェーダー。
【請求項2】
請求項1に記載のウェーダーにおいて、
前記足首部の内側で隆起したネオプレン領域は、前記ブーティーが着用されたときに着用者の足首の近傍に位置する足首セグメントを含み、
前記足首セグメントは、上縁を含み、
前記足首部の内側で隆起したネオプレン領域は、下端を有する複数の垂直方向セグメントをさらに含み、
前記垂直方向セグメントは、少なくともいくつかの前記垂直方向セグメントの下端と前記足首セグメントの上縁との間において、前記足首セグメントの上部領域の周りに流体流路を形成するように構成され、
前記垂直方向セグメントは、前記垂直方向セグメント間に垂直方向流体流路を形成するように構成される
ことを特徴とするウェーダー。
【請求項3】
請求項2に記載のウェーダーにおいて、
前記ブーティーは、前記足首部及び前記足底部によって形成される内周を伴う内側を有し、
前記垂直方向セグメントは、前記足底部によって形成される前記ブーティーの部分を除き、前記ブーティーの内側全体の周りに内周方向に延在する
ことを特徴とするウェーダー。
【請求項4】
請求項2に記載のウェーダーにおいて、
前記垂直方向セグメントは、前記着用者の中足の上にアーチを形成するように構成され、
前記垂直方向セグメントの下端は、前記着用者の足首の骨の上にアーチを形成するように構成されている
ことを特徴とするウェーダー。
【請求項5】
請求項1に記載のウェーダーにおいて、
前記ブーティーは、内面を含み、
前記ブーティーの内面全体は、抗菌化学物質でコーティングされている
ことを特徴とするウェーダー。
【請求項6】
請求項1に記載のウェーダーにおいて、
前記つま先部の外側で隆起したネオプレン領域は、ネオプレン材料の単層を圧縮成形することによって製造され、
前記足首部の内側で隆起したネオプレンは、ネオプレン材料の単層を圧縮成形することによって製造される
ことを特徴とするウェーダー。
【請求項7】
請求項6に記載のウェーダーにおいて、
前記つま先部の圧縮後にGS-701NタイプCデュロメータテスタを用いて測定すると、前記つま先部の外側で隆起したネオプレン領域は、デュロメータ硬さ11を有し、圧縮された前記ネオプレン材料の単層の部分は、デュロメータ硬さ20を有し、
前記足首部の圧縮後にGS-701NタイプCデュロメータテスタを用いて測定すると、前記足首部の内側で隆起したネオプレン領域は、デュロメータ硬さ11を有し、圧縮された前記ネオプレン材料の単層の部分は、デュロメータ硬さ25を有する
ことを特徴とするウェーダー。
【請求項8】
請求項6に記載のウェーダーにおいて、
前記つま先部の圧縮後、前記つま先部の隆起したネオプレン領域は、6ミリメートルの厚さを有し、圧縮された前記ネオプレン材料の単層の部分は、4ミリメートルの厚さを有し、
前記足首部の圧縮後、前記足首部の隆起したネオプレン領域は、8ミリメートルの厚さを有し、圧縮された前記ネオプレン材料の単層の部分は、4ミリメートルの厚さを有する
ことを特徴とするウェーダー。
【請求項9】
請求項1に記載のウェーダーにおいて、
前記つま先部の外側で隆起したネオプレン領域は、
前記隆起したネオプレン領域の形態のネオプレン島部を、ネオプレン材料の下側層の上に積み重ねるステップと、
前記ネオプレン島部を前記ネオプレン材料の下側層に固着するステップと、
前記ネオプレン島部の上面及び前記ネオプレン材料の下側層にニットジャージー材料の層を固着するステップと
により製造され、
前記足首部の内側で隆起したネオプレン領域は、
前記隆起したネオプレン領域の形態のネオプレン島部を、ネオプレン材料の下側層の上に積み重ねるステップと、
前記ネオプレン島部を前記ネオプレン材料の下側層に固着するステップと、
前記ネオプレン島部の上面及び前記ネオプレン材料の下側層の上面にニットジャージー材料の層を固着するステップと
により製造される
ことを特徴とするウェーダー。
【請求項10】
請求項9に記載のウェーダーにおいて、
GS-701NタイプCデュロメータテスタを用いて測定すると、
前記つま先部の前記ネオプレン島部及び前記ネオプレン材料の下側層の両方は、デュロメータ硬さ11を有し、
前記足首部の前記ネオプレン島部及び前記ネオプレン材料の下側層の両方は、デュロメータ硬さ11を有し、
前記足底部は、デュロメータ硬さ18を有する
ことを特徴とするウェーダー。
【請求項11】
請求項9に記載のウェーダーにおいて、
前記つま先部の前記ネオプレン島部は、2ミリメートルの厚さを有し、前記つま先部の前記ネオプレン材料の下側層は、3ミリメートルの厚さを有し、
前記足首部の前記ネオプレン島部は、3ミリメートルの厚さを有し、前記足首部の前記ネオプレン材料の下側層は、3ミリメートルの厚さを有する
ことを特徴とするウェーダー。
【請求項12】
請求項1に記載のウェーダーにおいて、
前記つま先部の前記外面で隆起したネオプレン領域は、前記つま先領域の前部を横切って横方向に延在する横方向部分と、前記横方向部分の中央部から後方に延在する2つの延長部と、後方に延在する前記2つの延長部のそれぞれに平行であり且つ前記2つの延長部の外側に位置する2つのウィングとを備え、
前記横方向部分、前記後方に延在する延長部及び前記ウィングは全て相互接続されている
ことを特徴とするウェーダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願との相互参照]
本願は、2018年6月24日に出願された米国特許出願第16/016,633号に基づく優先権を主張する。同出願の内容は、参照により本開示に組み込まれる。
【0002】
1.本発明が属する分野
本発明は、主に、釣り用ウェーダー(胴付き長靴)の分野に関し、より具体的には、ブーティー(足部)のつま先の外側及び足首の内側の領域に隆起したネオプレン製パターンを有して、空気の流れ、暖かさ、快適さ及びフィット感を改善するストッキングフット・ウェーダーに関する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術の説明
少なくとも前世紀への変わり目以来、多くの発明者は、履物における熱及び水分の蓄積の問題を解決しようと試みてきた。これらの発明のいくつかを以下に記載する。以下でより詳細に説明するように、これらの発明のいずれも、釣り用ウェーダーに組み込まれるように特別に設計されておらず、本発明に特有の構造的特徴を有するものはない。
【0004】
米国特許第757,424号(Vohl、1904年)は、空気流路を形成するための間隔リブ又はコードを有するオープンテクスチャの裏地を備えた靴を開示している。裏地は織物で構成されており、コード又はリブは裏地の外面に固定又は取付けされている。コード又はリブは、足底から裏地の上部まで延在し、足が靴に接しているときに裏地が靴に接触しないように、十分な距離を置いてサイズが決められている。さらに、裏地は、金属プレートが固着された堅い足底を備えている。
【0005】
米国特許第3128566号(Burleson他、1961年)は、歩行中に作動する空気ポンプを踵に備えた通気性のブーツについて記載している。ブーツの踵部分に圧力がかかると、踵部分の中空の空洞が崩れ、それによって、空気が空洞から排出され、ブーツ内の様々な通路を通って移動し、ブーツ内の様々な場所で排出される。通常の歩行動作中に体重が踵から解放されると、断熱材の弾力性材料により、空洞が通常の位置に戻り、新鮮な空気が入口通路を通って空洞に引き込まれる。このサイクルは、各歩行ステップで繰り返される。
【0006】
米国特許第5295312号(Blumberg 他、1994年)は、スポンジ状の連続気泡圧縮性インソールを備えた通気性のブーツ又は靴を提供している。インソールは、踵と甲の領域でインソールに空気が入ることができるように構成された2対の流路を有する。通気パイプは、ブーツ又は靴の開いた上部から下方に延在し、流路に接続されている。着用者が歩くと、インソールは圧縮され、インソールの連続気泡に閉じ込められた空気を排出する。インソールへの圧力が緩和されると、弾力性のあるインソールが膨張し、通気パイプを通して空気を引き戻す。
【0007】
米国特許第5319807号(Brier、1994年)及び同第5353524号(Brier、1994年)の両方は、靴下の足首からつま先まで延在する多層の水分発散流路を靴下が有する、水分管理された靴下及び靴を開示している。靴下は、水分発散流路の反対側に沿って延在する空気循環流路をさらに含む。靴には、舌革とつま先のボックス領域に隣接して配置された水分発散性の内部裏地があり、足から靴を通して湿気を移動させる。靴と靴下は一緒に着用するように設計されている。
【0008】
米国特許第5499459号(Tomaro、1996年)は、履物製品内に適合する第1及び第2の交換可能なブーティーを備えた履物製品を記載している。第1のブーティーは、水が浸透しない材料からなる防水層を有する。第2のブーティーは、吸湿性と通気性のある材料で作られた内側層を有する。両ブーティーは交換可能であり、履物製品内にブーティーを解放可能に固定するための取付け要素を有する。
【0009】
米国特許第5708985号(Ogden、1998年)は、連続する糸で編まれた靴下であって、踵とつま先の間で縦方向に延在し、互いに間隔を置いた多数のリブを有するものを提供している。リブは、選択された数の追加の連続する糸を編むことによって形成され、この追加の連続する糸は、靴下の外側層から靴下の甲部分に向かって延在する。個々のリブは、横方向に連続しているか、又はステッチされた糸のセクション間の各リブに沿って形成された横方向の隙間を伴って不連続である。リブ間の縦方向の隙間と、個々のリブ内の横方向の隙間は、足の裏の表面の皮膚が少なくとも部分的にその中で伸びるように誘導するのに十分な幅であり、それによって靴下と足との摩擦係合を強化する。
【0010】
米国特許第6286151号(Lambert、2001年)は、靴から汗を発散させるように設計された靴下を開示している。靴下には、靴下の足底から靴下の上部まで延在する統合された流路が組み込まれている。流路は、熱調節ネット生地で構成されている。米国特許出願公開第2006/0143801号(Lambert)は、靴下の足底に除湿流路を備えた靴下を開示している。靴下の内側の脚側及び/又は外側の脚側にはエアダクトが設けられ、エアダクトは、除湿流路に接続されている。
【0011】
米国特許第7392601号(Vattes他、2008年)は、弾性化された煙突構造を備えたフットカバーを記載している。煙突構造は、熱又は湿気を、フットカバー内から、フットカバーのカラー領域を通して移動させるように構成された複数の煙突である。各煙突は、細長い支持部材の対と、細長い支持部材を接続する一連の分散ブレースで構成されている。ブレースは、着用中に足が動くと、静止位置から、伸ばされた位置又は圧縮された位置に移動可能である。
【0012】
米国特許第8146266号(Vattes他、2012年)は、熱又は湿気を履物製品の内側から外側に移動させるための経路を規定する複数の煙突からなる煙突構造を備えた履物製品を提供する。各煙突には、一対の側壁、側壁の間に位置する後壁、及び後壁の反対側の開いた側面がある。煙突の開いた側面は、足を受け入れるための履物製品で形成された空洞に面し、着用中は足に隣接している。特殊なフットベッドを組み込んで、高温で湿った空気を足の下側から煙突に向かって排出することができる。米国特許第8359769号(Vattes他、2013年)は、様々な構成の煙突構造を含むいくつかの代替の実施形態を記載している。後者の煙突構造は、履物製品の舌皮及び/又は上部領域に沿って配置されている。
【0013】
米国特許第8191284号(Cho、2012年)は、履物製品の足底が2つの圧縮チャンバを有する履物冷却システムを開示している。これらのチャンバは歩行中に圧縮されるため、2つのチャンバ間に圧力の不均衡が生じ、それによって空気が上側足底部の開口部を介して上側足底部に沿って配置される。圧縮チャンバと開口部の間に位置する流路は、下側足底から上側足底領域への空気の通過を容易にする。
【0014】
米国特許第9226527号(Dahlgren他、2016年)及び米国特許出願公開第 2014/0157491号(Dahlgren)には、足から水分を逃がすように特別に設計された靴下が含まれている。靴下は、靴下の内部から上方及び外側への水分の移動を容易にするように配置されたリブ、流路及びパッドを含む。一実施形態において、靴下の管状部分は、横方向に配置され、縦方向に離間することで管状流路を形成する複数の管状リブを有する。これらのリブは追加の糸材料で形成されており、着用者の足に接触するように構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、疎水性及び親水性材料の組合せを利用して、水分の移動をさらに促進する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、本体部分及びブーティーを含むウェーダーであって、ブーティーは本体部分に取り付けられ、ブーティーは、つま先部、足首部及び足底部を含み、つま先部、足首部及び足底部が互いに固着されてブーティーを形成し、つま先部は外面を有し、つま先部は前記外面で隆起したネオプレン領域を含み、足首部は内面を有し、足首部は前記内面で隆起したネオプレン領域を含み、つま先部、足首部及び足底部は全てネオプレン材料で構成されている。好ましい実施形態において、足首部の内側で隆起したネオプレン領域は、ブーティーが着用されたときに着用者の足首の近傍に位置する足首セグメントを含み、足首セグメントは、上縁を含み、足首部の内面で隆起したネオプレン領域は、下端を有する複数の垂直方向セグメントをさらに含み、垂直方向セグメントは、少なくともいくつかの垂直方向セグメントの下端と足首セグメントの上縁との間において、足首セグメントの上部領域の周りに流体流路を形成するように構成され、垂直方向セグメントは、垂直方向セグメント間に垂直方向流体流路を形成するように構成される。
【0017】
好ましい実施形態において、ブーティーは、足首部と足底部によって形成される内周を伴う内側を有し、垂直方向セグメントは、足底部によって形成されるブーティーの部分を除き、ブーティーの内側全体の周りに内周方向に延在する。好ましい実施形態において、垂直方向セグメントは、着用者の中足の上にアーチを形成するように構成され、また、垂直方向セグメントの下端は、着用者の足首の骨の上にアーチを形成するように構成される。ブーティーは内面を含み、ブーティーの内面全体が抗菌化学物質でコーティングされていることが好ましい。
【0018】
一実施形態において、つま先部の外側で隆起したネオプレン領域は、ネオプレン材料の単層を圧縮成形することによって製造され、足首部の内側で隆起したネオプレン領域は、ネオプレン材料の単層を圧縮成形することによって製造される。好ましくは、つま先部の圧縮後にGS-701NタイプCデュロメータテスタを用いて測定すると、つま先部の外側で隆起したネオプレン領域は、デュロメータ硬さ11を有し、圧縮されたネオプレン材料の単層の部分は、デュロメータ硬さ20を有し、足首部の圧縮後にGS-701NタイプCデュロメータテスタを用いて測定すると、足首部の内側で隆起したネオプレン領域は、デュロメータ硬さ11を有し、圧縮されたネオプレン材料の単層の部分は、デュロメータ硬さ25を有する。好ましくは、つま先部の圧縮後、つま先部の隆起したネオプレン領域は、6ミリメートルの厚さを有し、圧縮されたネオプレン材料の単層の部分は、4ミリメートルの厚さを有し、足首部の圧縮後、足首部の隆起したネオプレン領域は、8ミリメートルの厚さを有し、圧縮されたネオプレン材料の単層の部分は、4ミリメートルの厚さを有する。
【0019】
別の実施形態において、つま先部の外側で隆起したネオプレン領域は、隆起したネオプレン領域の形態のネオプレン島部を、ネオプレン材料の下側層の上に積み重ねるステップと、ネオプレン島部をネオプレン材料の下側層に固着するステップと、ネオプレン島部の上面及びネオプレン材料の下側層にニットジャージー材料の層を固着するステップとにより製造され、足首部の内側で隆起したネオプレン領域は、隆起したネオプレン領域の形態のネオプレン島部を、ネオプレン材料の下側層の上に積み重ねるステップと、ネオプレン島部をネオプレン材料の下側層に固着するステップと、ネオプレン島部の上面及びネオプレン材料の下側層の上面にニットジャージー材料の層を固着するステップとにより製造される。好ましくは、GS-701NタイプCデュロメータテスタを用いて測定すると、つま先部のネオプレン島部及びネオプレン材料の下側層の両方は、デュロメータ硬さ11を有し、足首部のネオプレン島部及びネオプレン材料の下側層の両方は、デュロメータ硬さ11を有し、足底部は、デュロメータ硬さ18を有する。好ましくは、つま先部のネオプレン島部は、2ミリメートルの厚さを有し、つま先部のネオプレン材料の下側層は、3ミリメートルの厚さを有し、足首部のネオプレン島部は、3ミリメートルの厚さを有し、足首部のネオプレン材料の下側層は、3ミリメートルの厚さを有する。
【0020】
好ましい実施形態において、つま先部の外面で隆起したネオプレン領域は、つま先領域の前部を横切って横方向に延在する横方向部分と、横方向部分の中央部から後方に延在する2つの延長部と、後方に延在する2つの延長部のそれぞれに平行であり且つ2つの延長部の外側に位置する2つのウィングとを備え、横方向部分、後方に延在する延長部及びウィングは全て相互接続されている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図3A】ブーティーを裏返しにした状態で示したブーティーの斜視図である。
【
図4A】圧縮成形前のつま先部のパターン図である。
【
図4B】成形されたつま先部を形成するために使用されるプレスツールのパターン図である。
【
図4C】圧縮成形後のつま先部のパターン図である。
【
図5B】成形された足首部を形成するために使用されるプレスツールのパターン図である。
【
図7】積層式製造法で使用されるつま先島部のパターン図である。
【
図8】積層式製造法で使用される足首島部のパターン図である。
【
図9】
図9~
図14では、本発明を製造する圧縮成形法が示されているところ、
図9は、プレスツールがつま先部に接触する前におけるブーティーのつま先部を、プレスツールに関連して示す断面図である。
【
図10】圧縮ステップ中におけるブーティーのつま先部を、プレスツールに関連して示す断面図である。
【
図11】圧縮後にプレスツールを取り除いた状態におけるブーティーのつま先部を示す断面図である。
【
図12】プレスツールが足首部に接触する前におけるブーティーの足首部を、プレスツールに関連して示す断面図である。
【
図13】圧縮ステップ中におけるブーティーの足首部を、プレスツールに関連して示す断面図である。
【
図14】圧縮後にプレスツールを取り除いた状態におけるブーティーの足首部を示す断面図である。
【
図15】
図15~
図26では、本発明を製造する積層式製造法が示されているところ、
図15は、組立て前におけるブーティーのつま先部の分解図である。
【
図16】ネオプレン島部及び下側ネオプレン層の上方に配置されたフラットヒートプレスの断面図である。
【
図17】フラットヒートプレスが両方のネオプレン層と接触している状態且つニット層が除かれた状態におけるブーティーのつま先部を示す断面図である。
【
図18】ネオプレン島部及び下側ネオプレン層の上方にプレスツール(メス金型)が配置された状態、且つ、プレスツール及び両方のネオプレン層の間にニットジャージー生地が配置された状態におけるブーティーのつま先部の断面図である。
【
図19】プレスツールがニットジャージー層に接触した状態におけるブーティーのつま先部を示す断面図である。
【
図20】最後の固着ステップ後にプレスツールを取り除いた状態におけるブーティーのつま先部を示す断面図である。
【
図21】組立て前におけるブーティーの足首部の分解図である。
【
図22】ネオプレン島部及び下側ネオプレン層の上方に配置されたフラットヒートプレスの断面図である。
【
図23】フラットヒートプレスが両方のネオプレン層と接触している状態且つ且つニット層が除かれた状態におけるブーティーの足首部を示す断面図である。
【
図24】ネオプレン島部及び下側ネオプレン層の上方にプレスツール(メス金型)配置された状態、且つ、プレスツール及び両方のネオプレン層の間にニットジャージー生地が配置された状態におけるブーティーの足首部の断面図である。
【
図25】プレスツールがニットジャージー層に接触した状態におけるブーティーの足首部を示す断面図である。
【
図26】最後の固着ステップ後にプレスツールを取り除いた状態におけるブーティーの足首部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
「ストッキングフット」(stockingfoot)という用語は、ウェーダーのブーティー(bootie)(又は足部)が釣り用ブーツ(又はウェーディング(水中歩行用)ブーツ)の内側に収まる釣り用ウェーダーを指す。ストッキングフット・ウェーダーは、釣り場にハイキングする必要があるときにウェーディングブーツがハイキング用ブーツとしても機能するという汎用性をもたらし、様々なタイプのウェーディングブーツ(フェルトソール、ラバーソール、スタッズ等)と一緒に着用できる。ストッキングフット・ウェーダーの代わりに、フィッシングブーツがウェーダーに取り付けられているブーツフット・ウェーダーがある。ブーツフット・ウェーダーは、冷水フィッシングや投げ釣り、海釣りで好まれる。これらのフィッシングは、通常のフィッシング条件よりも、塩や砂がブーツに入る可能性が高くなり、また、ブーツフット・ウェーダーは、ストッキングフット・ウェーダーよりも暖かいと考えられている。一方、ストッキングフット・ウェーダーは、装着しやすく、荷造りしやすく、他の全ての釣りの状況で一般的に好まれていると考える人もいる。ラックアップ(lack-up)ブーツと組み合わせたストッキングフット・ウェーダーは、ブーツフット・ウェーダーよりも足首をサポートし、何マイルも歩くのに適している。
【0023】
ストッキングフット・ウェーダーは、通気性のない素材であるネオプレン(クロロプレンゴム)、又はGORE-TEX(登録商標)製生地等の通気性のある素材で作ることができる。但し、通気性のあるウェーダーでも、ウェーダーのブーティー(又は足部)は、耐久性、伸縮性、クッション性及び断熱性のため、ネオプレンで作られることが通常である。ネオプレン製ブーティーは着用者の足を暖かく保ち、水の浸入を防ぐが、発汗による水分も閉じ込める。ブーティー内での過度の発汗は、足の貴重な熱を奪うことになる。本発明は、ブーティーのシャフトを介して水分をブーティーから吸い上げ、ウェーダーの通気性セクションに達する流路を提供することによって、上記問題を解決するように設計されている。また、本発明は、足の領域の上部のブーティーの縫い目及びクッション性に対する追加の保護を提供して摩耗を防ぐ。さらに、本発明は、より多くのネオプレンを特定領域に配置することにより、ユーザに快適さを追加するように設計されている。加えて、追加されたネオプレンは、足を暖かく保つためにより多くの断熱性をもたらす。本発明は、最適な性能を達成するために、様々なネオプレン層の相対的な厚さ及びデュロメータ硬さを検討している。
【0024】
本発明は、足首レベルから始まり、ブーティーの上部に向かって上方に延在してブーティーに組み込まれる内部流路のセットと、ブーティーの前側部分の外側の上部(足の真上)に位置するネオプレンの隆起部分によって形成される流路の構成との両方を組み込む。内部流路は、ブーティーのシャフトに対して水分を鉛直上向きに移動するように特別に構成される。これにより、ブーティー内の空気の流れが大きくなる。これらの流路は、足の自然な動きと連動して、水分を多く含む空気をシャフトからより効果的に押し上げる。ウェーダーの通気性のある部分(ふくらはぎの真ん中で始まる)に入ると、この水分は放散され、ウェーダーから出る。
【0025】
流路の第2セット(ブーティーの外側)は、ブーティーとウェーディングブーツの内側とを分離するように設計されているため、特に足の甲において、ブーティーの摩耗が少なくなる。この隆起したネオプレン領域は、(ブーティーの上に位置する)ウェーディングブーツの紐が締められているときに足の領域の上部でより大きな快適さをもたらす。
【0026】
図1は、本発明の斜視図である。この図に示すように、本発明は、本体部分2及びブーティー3を含む釣り用ウェーダー1である。ブーティー3は、接着剤で本体部分2に取り付けられている。本発明の新規性は、ブーティー3の構造に関するものであり、本体部分2に関係するものではなく、ブーティー3を本体部分2に取り付ける方法に関するものでもない。
【0027】
図2Aは、本発明に係るブーティーの斜視図である。この図に示すように、ブーティー3は3つの部分を含む。第1部分はつま先部4、第2部分は足首部5、第3部分は足底部(ソール部)6である。これら3つの部分は、全てネオプレン材料で構成されており、全て同じ厚さであること(但し、隆起したネオプレン領域を除く。)が好ましい。それらは、それらの縁に沿って固着(又は接着)されて、
図2Aに示すようなブーティーの形状を形成する。次に、この目的に適したテープ7が、結合された全ての縁に沿って適用され、継ぎ目8を形成する。各図では、継ぎ目8が点線で示されている。ブーティーのどこにも縫い目はない。また、
図2Aは、つま先部4の外側で隆起したネオプレン領域9を示している。隆起したネオプレン領域9は、以下に説明するように、2つの方法のうちの1つで形成することができる。
【0028】
図2Bは、
図2Aに示すブーティーの縦断面図である。この図に示すように、ブーティー3は、足首部5の内側に、隆起したネオプレン領域10をさらに含む。この隆起したネオプレン領域10も、以下に説明するように、2つの方法のうちの1つで形成することができる。隆起したネオプレン領域10は、ブーティー3が着用されたときに着用者の足首の近傍に位置する足首セグメント11を備える(ここでは、足首セグメント11は楕円状として示されているが、本発明は、楕円状の足首セグメント11に限定されない。)。隆起したネオプレン領域10は、複数の垂直方向セグメント12をさらに含む。垂直方向セグメント12は、足首セグメント11の上部領域の周り(少なくともいくつかの垂直方向セグメント12の下端と、足首セグメント11の上縁との間)の流体流路13と、垂直方向セグメント12の間の垂直方向流体流路14とを形成するように構成されている。ウェーダーが着用されると、足領域からの水分が上向きに吸い上げられ、ウェーダー1の通気性のある本体部分2に入る。垂直方向流体流路14によって分離された垂直方向セグメント12の特定構成は、ブーティーの足首領域の周りにより大きな柔軟性(折り畳み性)をもたらす。また、足首領域の周りに、よりよいフィット感をもたらす。
【0029】
図3Aは、ブーティーを裏返しにした状態で示したブーティーの斜視図である。各ブーティーは、2つの足首セグメント1 1(着用者の足首の両側に1つずつ)を有する。垂直方向セグメント12は、足底部6によって形成されるブーティーの部分を除いて、ブーティーの内側の周りの全周に亘って内周方向に延在する。垂直方向セグメント12は、中足の上にアーチを形成するように構成されていることにも留意されたい(
図5Cも参照)。垂直方向セグメント12の下端は、着用者の足首の骨の上にアーチを形成するように構成されている。好ましい実施形態では、臭いを低減する抗菌化学薬品(MICROBAN(登録商標)スプレー殺菌剤等)で、ブーティーの内面全体がコーティングされている。
【0030】
図3Bは、
図3Aに示すブーティーの縦断面図である。この図及び
図2Bに示すように、継ぎ目8は、好ましくは、各継ぎ目8の内側及び外側の両方についてテープ7で留められている。足底部6は、ブーティーの足底と、足底の後端からブーティーの上部後縁まで上方に延在するブーティーのリアパネルとを形成する。つま先部4は、足首の前方の足の上部を取り囲んでいる(足底を除く)。足首部5は、足底部6によって形成されたリアパネルを除き、足首領域を円周方向に取り囲んでいる。
【0031】
1つの構築方法において、つま先部4及び足首部5の隆起したネオプレン領域9、10は、ネオプレンの単層を圧縮して、隆起したネオプレン領域9、10を形成することによって作製される。この方法を
図4A~
図4Cに示す。
【0032】
図4Aは、圧縮成形前のつま先部のパターン図である。つま先部4は、ネオプレン材料の単層と、ネオプレン材料の単層の片側に固着されたナイロンジャージー生地の層と、ネオプレン材料の単層の反対側に固着されたパワーストレッチポリエステルジャージー生地の層とを有することが好ましい(以下の
図9~
図11を参照。)。つま先部4は、
図4Aに示すような形状であることが好ましい。
【0033】
図4Bは、成形されたつま先部を形成するために使用されるプレスツールのパターン図である。プレスツール15は、隆起したネオプレン領域9のパターンが切り取られた金属シートである。
【0034】
図4Cは、圧縮成形後のつま先部のパターン図である。圧縮成形法を
図9~
図11に示す。
【0035】
図5Aは、圧縮成形前の足首部のパターン図である。足首部5は、ネオプレン材料の単層と、ネオプレン材料の単層の片側に固着されたナイロンジャージー生地の層と、ネオプレン材料の単層の反対側に固着されたパワーストレッチポリエステルジャージー生地の層とを有することが好ましい(以下の
図12~
図14を参照。)。足首部5は、
図5Aに示すような形状であることが好ましい。
【0036】
図5Bは、成形された足首部を形成するために使用されるプレスツールのパターン図である。プレスツール16は、隆起したネオプレン領域10のパターンが切り取られた金属シートである。
【0037】
【0038】
図6は、足底部のパターン図である。この図は、ブーティーの足底を形成する足底部6の部分(
図6の左側部分)と、ブーリーのリアパネルを形成する足底部6の部分(
図6の右側部分)とを示している。リアパネルは、ブーティーを着用したときに足のアキレス腱の近傍に配置される。
【0039】
図7は、積層式製造法(stack-up manufacturing method)で使用されるつま先島部のパターン図である。別の構築方法において、つま先部4の隆起したネオプレン領域9は、ネオプレン材料の下側層の上につま先島部17を積み重ねることによって形成される。つま先島部(toe island)は、隆起したネオプレン領域9の形状にカットされたネオプレン材料の層である。好ましい実施形態において、隆起したネオプレン領域9(圧縮式製造法及び積層式製造法の両方を含む。)は、つま先領域の前部を横切って横方向に延在する横方向部分17aと、横方向部分17aの中央部から後方に延在する2つの延長部17bと、後方に延在する2つの延長部17bのそれぞれに平行であり且つ2つの延長部17bの外側に位置する2つのウィング17cとを備える。好ましい実施形態において、横方向部分17a、後方に延在する延長部17b及びウィング17cは全て相互接続されている。
【0040】
図8は、積層式製造法で使用される足首島部のパターン図である。足首島部(ankle island)18は、足首部5の内部において、隆起したネオプレン領域10を形成する。隆起したネオプレン領域10の特定の構成は、既に説明済である。
【0041】
図9~
図14は、本発明を製造する圧縮成形法を示している。この構築方法は、後続の図で説明する積層式製造法よりも実行が簡単で、コストも低くなる。
【0042】
図9は、プレスツールがつま先部に接触する前におけるブーティーのつま先部を、プレスツールに関連して示す断面図である。上記のように、ネオプレン材料の層は、ネオプレン材料の下側(底部)に固着されたナイロンジャージー生地の層と、ネオプレン材料の上面に固着されたパワーストレッチポリエステルジャージー生地の層とを有する。ネオプレン層(ジャージー層及びポリエステル層を含む。)の厚さは、好ましくは6ミリメートル(mm)である。
【0043】
図10は、圧縮ステップ中におけるブーティーのつま先部を、プレスツールに関連して示す断面図である。このステップにおいて、隆起したネオプレン領域9を形成するネオプレン層の部分は圧縮されないが、ネオプレン層の残りの部分は、33.6ポンド/平方インチ(psi)及び華氏325度の温度で20分間、プレスツール15を適用することによって4mmの厚さまで圧縮される。
【0044】
図11は、圧縮後にプレスツールを取り除いた状態におけるブーティーのつま先部を示す断面図である。積層式製造法と異なり、圧縮式製造法では冷却ステップは存在しない。
【0045】
図12は、プレスツールが足首部に接触する前におけるブーティーの足首部を、プレスツールに関連して示す断面図である。つま先部と同様、ネオプレン材料の層は、ネオプレン材料の下側(底部)に固着されたナイロンジャージー生地の層と、ネオプレン材料の上面に固着されたパワーストレッチポリエステルジャージー生地の層とを有する。ネオプレン層(ジャージー層及びポリエステル層を含む。)の厚さは、好ましくは8ミリメートル(mm)である。
【0046】
図13は、圧縮ステップ中におけるブーティーの足首部を、プレスツールに関連して示す断面図である。このステップにおいて、隆起したネオプレン領域10を形成するネオプレン層の部分は圧縮されないが、ネオプレン層の残りの部分は、33.6psi及び華氏325度の温度で20分間、プレスツール16を適用することによって4mmの厚さまで圧縮される。
【0047】
図14は、圧縮後にプレスツールを取り除いた状態におけるブーティーの足首部を示す断面図である。積層式製造法と異なり、圧縮式製造法では冷却ステップは存在しない。
【0048】
好ましい実施形態において、つま先部を形成するネオプレン層は、圧縮前にGS-701NタイプCデュロメータテスタを使用してデュロメータ硬さ11を有する。圧縮されていない、隆起したネオプレン領域9は、これと同じデュロメータ硬さを保持する。一方、つま先部の圧縮領域のデュロメータ硬さは、同じデュロメータ硬さテストを使用してデュロメータ硬さ20である。好ましい実施形態において、足首部を形成するネオプレン層は、圧縮前にGS-701NタイプCデュロメータテスタを使用してデュロメータ硬さ11を有する。圧縮されていない、隆起したネオプレン領域10は、これと同じデュロメータ硬さを保持する。一方、足首部の圧縮領域のデュロメータ硬さは、同じデュロメータ硬さテストを使用してデュロメータ硬さ25である。
【0049】
図15~
図26は、本発明を製造する積層式製造法を示している。この方法では、島部17、18は、好ましくは、最初にネオプレンの平らなシートに(上側のニットジャージー生地と共に)固着され、次に積層体全体がダイカットされてつま先部4及び足首部5を形成する。
【0050】
図15は、組立て前におけるブーティーのつま先部の分解図である。この製造法は、2層のネオプレン材料から始まる。上述のように、ネオプレン材料の各層は、ネオプレン材料の下側(底部)に固着されたナイロンジャージー生地の層と、ネオプレン材料の上面に固着されたナイロンジャージー生地の層とを有する。好ましい実施形態において、上側のネオプレン層の厚さは2mmであり、底側のネオプレン層の厚さは3mmである(各ケースにおいて生地の層を含む。)。両方のネオプレン層の上にあるのは、ニットジャージー生地19(78%ナイロンと22%スパンデックス)の層である。ニットジャージー生地19の目的は、下側ネオプレン層の上部においてつま先島部17をさらに固定すると共に、より完成した外観を提示することである。完全に組み立てられると、つま先島部17は、下側ネオプレン層の上に直接配置され、ニットジャージー生地19は、つま先島部17及び下側ネオプレン層の両方の上に配置される。
【0051】
図16は、ネオプレン島部及び下側ネオプレン層の上方に配置されたフラットヒートプレスの断面図である。
図17は、フラットヒートプレスが両方のネオプレン層と接触している状態且つニット層が除かれた状態におけるブーティーのつま先部を示す断面図である。このステップにおいて、つま先島部17は、10psi及び華氏260度で60秒間、フラットヒートプレス20aを適用することによって下側ネオプレン層に接合される。フラットヒートプレス20aは、2つのネオプレン層の間に塗布された接着剤を活性化する。どちらのネオプレン層もそれほど圧縮しない。
【0052】
図18は、ネオプレン島部及び下側ネオプレン層の上方に配置されたプレスツール(メス金型)配置された状態、且つ、プレスツール及び両方のネオプレン層の間にニットジャージー生地が配置された状態におけるブーティーのつま先部の断面図である。
図19は、プレスツールがニットジャージー層に接触した状態におけるブーティーのつま先部を示す断面図である。このステップにおいて、ニットジャージー層は、2つのネオプレン層(その時点で互いに結合されている)の上側に配置され、メス金型の形態のプレスツール20bが、10psi及び華氏260度で60秒間、適用される。プレスツール20bは、ニットジャージー層と、2つの積層したネオプレン層の上面との間に塗布された接着剤を活性化する。このステップもその前のステップも、どちらのネオプレン層のデュロメータ硬さにも影響を与えない。
【0053】
図20は、最後の固着ステップ後にプレスツールを取り除いた状態におけるブーティーのつま先部を示す断面図である。このステップの後、同じプレスツール20bを周囲温度まで冷却し、次いで、積層したネオプレン層に10psiで30秒間適用して接着剤を安定させる。
【0054】
積層式製造法を適用して、足首部は、足首島部のネオプレン層が2mmの厚さではなく3mmの厚さであることが好ましいことを除いて、つま先部と同じ方法で作られる。それ以外は、
図21~
図26に示すように、製造法は同じである。
【0055】
好ましい実施形態において、つま先部及び足首部を形成する2つのネオプレン層(すなわち、ネオプレン島部及びネオプレン材料の下側層の両方)それぞれは、GS-701NタイプCデュロメータ硬さデスタを使用して、デュロメータ硬さ11を有する。足底部を形成するネオプレン層は、同じデュロメータ硬さテストを使用してデュロメータ硬さ18を有する。従って、圧縮式製造法は、積層式製造法よりも高いデュロメータ硬さを有するつま先部及び足首部の隆起していない領域をもたらす。
【0056】
本発明の好ましい実施形態を示して説明してきたが、当業者であれば、本発明から逸脱することなく、より広い態様で、多くの変更及び修正を行うことができることが明らかであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神及び範囲内にあるような全てのそのような変更及び修正をカバーすることを意図している。
【符号の説明】
【0057】
1 ウェーダー
2 本体部分
3 ブーティー
4 つま先部
5 足首部
6 足底部
7 テープ
8 継ぎ目
9 (つま先部の外側で)隆起したネオプレン領域
10 (足首部の内側で)隆起したネオプレン領域
11 足首セグメント
12 垂直方向セグメント
13 (足首セグメント及び垂直方向セグメントの間における)流体流路
14 (垂直方向の)流体流路
15 プレスツール(つま先部用)
16 プレスツール(足首部用)
17 つま先島部
18 足首島部
19 ジャージー材料
20a フラットヒートプレス
20b プレスツール(メス金型)
【手続補正書】
【提出日】2024-06-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部分及びブーティーを有するウェーダーであって、
前記ブーティーは、前記本体部分に取り付けられており、
前記ブーティーは、つま先部、足首部及び足底部を含み、
前記つま先部、前記足首部及び前記足底部は、互いに固着されて前記ブーティーを形成し、
前記つま先部は外面を有し、且つ前記つま先部は、前記外面で隆起したネオプレン領域を含み、
前記足首部は内面を有し、且つ前記足首部は、前記内面で隆起したネオプレン領域を含み、
前記つま先部、前記足首部及び前記足底部の全ては、ネオプレン材料で構成され、
前記足首部の内側で隆起したネオプレン領域は、下端を有する複数の垂直方向セグメントをさらに含み、
前記複数の垂直方向セグメントは、前記足底部によって形成される前記ブーティーの部分を除き、前記ブーティーの内側全体の周りに内周方向に延在し、
前記複数の垂直方向セグメントの下端は、それぞれが上に凸となるように湾曲した3つのアーチを形成するように構成され、
前記3つのアーチは、
前記着用者の中足の上に位置する第1アーチと、
それぞれが前記着用者の足首の骨の上に位置する第2アーチ及び第3アーチと
を含み、
前記足首部の内側で隆起したネオプレン領域は、前記ブーティーが着用されたときに着用者の足首の近傍に位置する第1足首セグメント及び第2足首セグメントを含み、
前記第1足首セグメント及び前記第2足首セグメントは、上縁を含み、
前記垂直方向セグメントは、前記垂直方向セグメントの前記第2アーチと前記第1足首セグメントの上縁との間において、前記第1足首セグメントの上部領域の周りに第1流体流路を形成すると共に、前記垂直方向セグメントの前記第3アーチと前記第2足首セグメントの上縁との間において、前記第2足首セグメントの上部領域の周りに第2流体流路を形成するように構成され、
前記第1流体流路は、前記第2アーチに沿って且つ前記第2アーチ全体に亘って形成され、前記第2流体流路は、前記第3アーチに沿って且つ前記第3アーチ全体に亘って形成される
ことを特徴とするウェーダー。
【請求項2】
請求項1に記載のウェーダーにおいて、
前記垂直方向セグメントは、前記垂直方向セグメント間に垂直方向流体流路を形成するように構成される
ことを特徴とするウェーダー。
【請求項3】
請求項1に記載のウェーダーにおいて、
前記ブーティーは、内面を含み、
前記ブーティーの内面全体は、抗菌化学物質でコーティングされている
ことを特徴とするウェーダー。
【請求項4】
請求項1に記載のウェーダーにおいて、
前記つま先部の外側で隆起したネオプレン領域は、ネオプレン材料の単層を圧縮成形することによって製造され、
前記足首部の内側で隆起したネオプレン領域は、ネオプレン材料の単層を圧縮成形することによって製造される
ことを特徴とするウェーダー。
【請求項5】
請求項4に記載のウェーダーにおいて、
前記つま先部の圧縮後にGS-701NタイプCデュロメータテスタを用いて測定すると、前記つま先部の外側で隆起したネオプレン領域は、デュロメータ硬さ11を有し、圧縮された前記ネオプレン材料の単層の部分は、デュロメータ硬さ20を有し、
前記足首部の圧縮後にGS-701NタイプCデュロメータテスタを用いて測定すると、前記足首部の内側で隆起したネオプレン領域は、デュロメータ硬さ11を有し、圧縮された前記ネオプレン材料の単層の部分は、デュロメータ硬さ25を有する
ことを特徴とするウェーダー。
【請求項6】
請求項4に記載のウェーダーにおいて、
前記つま先部の圧縮後、前記つま先部の隆起したネオプレン領域は、6ミリメートルの厚さを有し、圧縮された前記ネオプレン材料の単層の部分は、4ミリメートルの厚さを有し、
前記足首部の圧縮後、前記足首部の隆起したネオプレン領域は、8ミリメートルの厚さを有し、圧縮された前記ネオプレン材料の単層の部分は、4ミリメートルの厚さを有する
ことを特徴とするウェーダー。
【請求項7】
請求項1に記載のウェーダーにおいて、
前記つま先部の外側で隆起したネオプレン領域は、
前記隆起したネオプレン領域の形態のネオプレン島部を、ネオプレン材料の下側層の上に積み重ねるステップと、
前記ネオプレン島部を前記ネオプレン材料の下側層に固着するステップと、
前記ネオプレン島部の上面及び前記ネオプレン材料の下側層にニットジャージー材料の層を固着するステップと
により製造され、
前記足首部の内側で隆起したネオプレン領域は、
前記隆起したネオプレン領域の形態のネオプレン島部を、ネオプレン材料の下側層の上に積み重ねるステップと、
前記ネオプレン島部を前記ネオプレン材料の下側層に固着するステップと、
前記ネオプレン島部の上面及び前記ネオプレン材料の下側層の上面にニットジャージー材料の層を固着するステップと
により製造される
ことを特徴とするウェーダー。
【請求項8】
請求項7に記載のウェーダーにおいて、
GS-701NタイプCデュロメータテスタを用いて測定すると、
前記つま先部の前記ネオプレン島部及び前記ネオプレン材料の下側層の両方は、デュロメータ硬さ11を有し、
前記足首部の前記ネオプレン島部及び前記ネオプレン材料の下側層の両方は、デュロメータ硬さ11を有し、
前記足底部は、デュロメータ硬さ18を有する
ことを特徴とするウェーダー。
【請求項9】
請求項7に記載のウェーダーにおいて、
前記つま先部の前記ネオプレン島部は、2ミリメートルの厚さを有し、前記つま先部の前記ネオプレン材料の下側層は、3ミリメートルの厚さを有し、
前記足首部の前記ネオプレン島部は、3ミリメートルの厚さを有し、前記足首部の前記ネオプレン材料の下側層は、3ミリメートルの厚さを有する
ことを特徴とするウェーダー。
【請求項10】
請求項1に記載のウェーダーにおいて、
前記つま先部の前記外面で隆起したネオプレン領域は、前記つま先部の前部を横切って横方向に延在する横方向部分と、前記横方向部分の中央部から後方に延在する2つの延長部と、後方に延在する前記2つの延長部のそれぞれに平行であり且つ前記2つの延長部の外側に位置する2つのウィングとを備え、
前記横方向部分、前記後方に延在する延長部及び前記ウィングは全て相互接続されている
ことを特徴とするウェーダー。