(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116181
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】消化器系を処置するため、および刺激を呼吸と同期させるための非侵襲的装置および方法
(51)【国際特許分類】
A61N 1/36 20060101AFI20240820BHJP
A61N 1/04 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
A61N1/36
A61N1/04
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024085812
(22)【出願日】2024-05-27
(62)【分割の表示】P 2021520309の分割
【原出願日】2019-10-10
(31)【優先権主張番号】62/748,468
(32)【優先日】2018-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
2.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】521149378
【氏名又は名称】ゲルドケア メディカル エルティーディー.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アルベル,ギオラ
(72)【発明者】
【氏名】エシュ,モーデチェイ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】胃食道逆流症(GERD)などの消化器系疾患を処置するための非侵襲的装置および方法を提供する。
【解決手段】人間工学に基づく自己用の非侵襲的装置100であって、装置は、複数の電極102,104と、電極と電気通信状態にあるプロセッサーと、を含み、前記プロセッサーは、2つ以上の電極を、電極がユーザの身体シグナルを受信する操作の少なくともECGモードと、電極がユーザの腹筋を刺激するための電気パルスを生成するEPGモードとに切り替えるように構成されている。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非侵襲的処置装置であって、該非侵襲的処置装置は、
複数の電極と、
前記電極に電気的に接続されたプロセッサーと、
ECGシグナルの増幅するように構成された、前記電極と接続状態にあるECG増幅器と、を含み、
ここで、前記プロセッサーは、前記電極の少なくとも2つを、前記電極が被験体の身体シグナルを受信する操作のECGモードと、前記電極が腹筋を刺激するために電気パルスを生成するEPGモードとに切り替えるように構成され、ここで、前記プロセッサーは、さらに前記少なくとも2つの電極を、操作の前記EPGモードと操作の前記ECGモードとに切り替えるように構成され、
ここで、前記装置は、操作の前記EPGモードから操作の前記ECGモードへの切り替え前に前記電極を放電するために前記プロセッサーに制御される少なくとも1つのオプトカプラをさらに含み、
前記放電は、前記ECG増幅器を高電圧の前記EPGモードから保護するために行われる、非侵襲的処置装置。
【請求項2】
前記装置は、消化症状を前記刺激によって処置するようにさらに構成され、ここで、前記消化症状は、胃食道逆流症、肥満症、および便秘からなる群から選択された一員である、請求項1に記載の非侵襲的処置装置。
【請求項3】
前記電極は、前記被験体の腰回りの高さで腹筋上に配置されるように構成される、請求項1に記載の非侵襲的処置装置。
【請求項4】
前記電極に接続可能なECG回路をさらに含み、ここで、操作の前記EPGモードへの切り替えは、前記ECG回路を前記電極から接続解除することを含み、およびここで、前記ECGモードへの切り替えは、前記ECG回路を前記電極に再接続することを含む、請求項1に記載の非侵襲的処置装置。
【請求項5】
前記装置は、前記プロセッサーに電気的に接続された1つ以上の加速度計またはジャイロユニットを含み、ここで、前記加速度計または前記ジャイロユニットは、身体位置および身体活動に応じて刺激強度を調節するように構成されている、請求項1に記載の非侵襲的処置装置。
【請求項6】
前記プロセッサーは、刺激に対する筋肉反応を測定し、かつ安定した筋肉運動を生成するために刺激パラメータを調節するように構成される、請求項1に記載の非侵襲的処置装置。
【請求項7】
非侵襲的処置装置であって、該処置装置は、
ECGセンサーであって、前記ECGセンサーは、被験体の腹部領域の位置にあるように構成された複数の電極を含み、ここで、前記電極は、前記被験体のECGシグナルをモニタリングするため、および前記腹部領域の筋肉上に刺激を加えるように構成されている、ECGセンサーと、
腹囲および前記腹部領域の位置の変動に応じて第2シグナルを生成するように構成された圧電センサーと、
前記電極に電気的に接続されたプロセッサーと、を含み、ここで、前記プロセッサーは、前記ECGセンサーから検出された前記被験体の呼吸の呼吸サイクル期間の第1の変動を測定するように、および前記圧電センサーから検出された前記被験体の呼吸の呼吸サイクル期間の第2の変動を測定するように、前記第1の変動および第2の変動から最低の変動に関連するセンサーを選択するように、および前記選択されたセンサーによって検出された吸気相に応じて前記刺激を加えるように構成されている、非侵襲的処置装置。
【請求項8】
前記装置はバンドをさらに含み、ここで、前記バンドは、前記圧電センサーと前記複数の電極の少なくとも1つの電極基部とを相互接続させ、および前記第2の吸気相を検出するように、吸気中または呼気中に前記腹部の運動を前記圧電センサーと前記少なくとも1つの電極基部の間に伝達するように構成されている、請求項7に記載の非侵襲的処置装置。
【請求項9】
前記電極は磁気スタッドを含み、前記磁気スタッドの雄部は、適切な機械的および導電性のカップリングを維持するために、プラスチックベースに固定された雌部スナップに引き付けられる、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
装置であって、該装置は、
ユーザーの腹部領域の位置にあるように構成された複数の電極と、
腹囲および前記腹部領域の位置の変動に応じて第2シグナルを生成するように構成された圧電センサーと、
バンドであって、ここで、前記バンドは、前記圧電センサーと複数の電極の少なくとも1つの電極基部とを相互接続させ、および前記ユーザーの吸気をモニタリングするために、吸気中または呼気中に前記腹部の運動を前記圧電センサーと前記少なくとも1つの電極基部の間に伝達するように構成されているバンドを含む、装置。
【請求項11】
前記腹部領域の変動に応じて第3のシグナルを生成するように構成された1つ以上の加速度計ユニットまたはジャイロをさらに含んでおり、ここで、前記装置は、呼吸相検出を支援するために前記加速度計によって生成されたデータを分析するように構成されたプロセッサーを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記電極は磁気スタッドを含み、前記磁気スタッドの雄部は、適切な機械的および導電性のカップリングを維持するために、プラスチックベースに固定された雌部スナップに引き付けられる、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
装置であって、該装置は、
2つのTENS電極であって、ここで、前記電極はユーザーの腹部領域に位置するように構成されている電極と、
ECGシグナルを増幅するように構成された、前記電極と接続状態にある非接地ECG増幅器と、
前記電極に電気的に接続されたプロセッサーであって、ここで、前記プロセッサーは、前記電極からユーザーの身体シグナルを受信するように、前記シグナルから得たECG結果を計算するように、および前記ECG結果をアプリケーションに送るように構成されている、プロセッサーを含む、装置。
【請求項14】
非侵襲的処置装置であって、該非侵襲的処置装置は、
複数の電極と、
前記電極に電気的に接続されたプロセッサーであって、前記プロセッサーが操作の前記EPGモードから操作の前記ECGモードに切り替えるように構成される、プロセッサーと、を含み、
ここで、前記プロセッサーが、前記電極を放電するように前記切り替えにおいて前記電極を短絡するようにさらに構成される、非侵襲的処置装置。
【請求項15】
前記短絡の持続時間は、0.5mS~2mSである、請求項14に記載の非侵襲的処置装置。
【請求項16】
前記プロセッサーは、前記被験体の継続的な心拍動と前記被験体の呼吸サイクルの吸気相との間で前記パルスを同期させるためにさらに構成された、請求項1に記載の非侵襲的処置装置。
【請求項17】
非侵襲的処置装置であって、該非侵襲的処置装置は、
複数の電極と、
前記電極に電気的に接続されたプロセッサーと、を含み、
ここで、前記プロセッサーは、前記電極の少なくとも2つを、前記電極が被験体の身体シグナルを受信する操作のECGモードと、前記電極が腹筋を刺激するために電気的パルスのバーストを生成するEPGモードとに切り替えるように構成され、ここで、前記ECGモードから前記EPGモードへの切り替えは、前記電極から受信されたECGシグナルから吸気相を検知した結果であり、
ここで、前記プロセッサーは、前記EPGモードから前記ECGモードに切り替えるようにさらに構成され、前記EPGモードから前記ECGモードへの切り替えは、前記吸気相の検知のために利用されるEDR(Electrocardiogram Derived Respiration)分析の正確で連続的なECGデータベースを取得するために前記パルスのバーストの間にある、非侵襲的処置装置。
【請求項18】
非侵襲的処置装置であって、該処置装置は、
複数の電極と、
前記電極に電気的に接続されたプロセッサーと、を含み、
ここで、前記プロセッサーは、前記電極の少なくとも2つを、前記電極が被験体の身体シグナルを受信する操作のECGモードと、前記電極が腹筋を刺激するために電気的パルスのバーストを生成するEPGモードとに切り替えるように構成され、ここで、前記ECGモードから前記EPGモードへの切り替えは、前記電極から受信されたECGシグナルから吸気相を検知した結果であり、ここで、前記プロセッサーは、前記EPGモードから前記ECGモードに切り替えるようにさらに構成され、前記EPGモードから前記ECGモードへの切り替えは、吸気相の検知のために利用されるEDR(Electrocardiogram Derived Respiration)分析の正確なECGデータベースを取得するために前記バーストのパルスの間にある、前記、非侵襲的処置装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、そのいくつかの実施形態では、医療装置、および具体的に、しかし限定されない、消化器系に関連する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
胃食道逆流症(GERD)は、胃から食道内に上昇して来る胃酸によって引き起こされる。GERDは、通常、下部食道括約筋(LES)(それが通常胃の上部を閉じられた状態に保つ)の異常な緩和、食道からの胃逆流物の排出の低下、または裂孔ヘルニアを含む、胃と食道との間の障壁の変化によって引き起こされる。
【0003】
胃食道逆流症(GERD)などの消化器系疾患は、典型的に生活様式の変化および薬物を介して処置される。薬物治療は、様々な副作用に関連しており、その長期使用の安全性に対する懸念を高める。外科手術療法および内視鏡的介入は、薬物治療に反応しないユーザ、またはそのような薬物を長期間に使用するのに抵抗するユーザに代替法を提供するが、それも副作用に関連する。
【0004】
関連技術の前述の例およびその関連の限定は、例示的なおよび非限定的であるように意図される。関連技術の他の限定は、本明細書および図面の読解後に当業者に明白になるであろう。
【0005】
背景技術は、2018年3月27日に付与された米国特許第9,925,375号、“Non-invasive device and method for treating gastro esophageal reflux disease (GERD) and the digestive system”を含む。
【0006】
背景技術は、AlborguniversityのBiomedical Engineering and Informatics のLasse Sohrt-Petersen氏の“Evaluation of Algorithms for ECG Derived Respiration in the Context of Heart Rate Variability Studies”との修士論文を含む。
【発明の概要】
【0007】
以下の実施形態およびその態様は、範囲を限定することなく、典型的かつ例示的であることを目的のシステム、装置および方法と共に記載され、例示される。開示された本発明事項の1つの例示的な実施形態は非侵襲的処置装置であり、該装置は、複数の電極、および電極に電気的に接続されたプロセッサーを含み、ここで、プロセッサーは、電極の少なくとも2つを、電極が被験体の身体シグナルを受信する操作のECGモードと、電極が腹筋を刺激するように電気パルスを生成するEPGモードとの間で切り替えるように構成される。いくつかの実施形態では、プロセッサーは、電極から受信されたECGシグナルから吸気相を検知するように、および吸気相の検知の結果としてECGモードからEPGモードに切り替えるようにさらに構成される。いくつかの実施形態では、検知は、吸気相を検知するために心電図誘導呼吸(Electrocardiogram Derived Respiration)アルゴリズムを利用することを含む。いくつかの実施形態では、装置は、消化症状を刺激によって処置するようにさらに構成され、ここで、消化症状は、胃食道逆流症、肥満症、および便秘からなる群から選択された一員である。いくつかの実施形態では、電極は、被験体の腰回りの高さで腹筋上に配置されるように構成される。いくつかの実施形態では、プロセッサーは、腹筋を刺激するための電気パルスを、被験体の吸気相と、およびECGデータの喪失を回避するために心拍の間に同期させるようにさらに構成される。いくつかの実施形態では、電極はEPGモードおよびECGモードを作動するための二重機能である。いくつかの実施形態では、装置は、電極に連結可能なECG回路をさらに含み、ここで、操作のEPGモードへの切り替えは、ECG回路を電極から接続解除することを含み、およびここで、ECGモードへの切り替えは、ECG回路を電極に再接続することを含む。いくつかの実施形態では、プロセッサーは、パルスのバーストの間で操作のEPGモードから操作のECGモードに切り替わるように構成される。いくつかの実施形態では、装置は、プロセッサーに電気的に接続された1つ以上の加速度計またはジャイロユニットを含み、ここで、加速度計またはジャイロユニットは、身体位置および身体活動に応じて刺激強度を調節するように構成されている。他のいくつかの実施形態ではプロセッサーは、刺激に対する筋肉反応を測定し、かつ安定した筋肉運動を生成する刺激パラメータを調節するように構成される。
【0008】
開示された本発明事項の他の1つの例示的な実施形態は、非侵襲的処置装置であって、該装置は、ECGセンサーであって、ECGセンサーは、被験体の腹部領域の位置にあるように構成された複数の電極を含み、ここで、電極は、被験体のECGシグナルをモニタリングするため、および腹部領域の筋肉上に刺激を加えるように構成されている、ECGセンサーと、腹囲および腹部領域の位置の変動に応じて第2シグナルを生成するように構成された圧電センサーと、電極に電気的に接続されたプロセッサーと、を含み、ここで、前記プロセッサーは、ECGセンサーから検知された被験体の呼吸期間の第1の変動を測定するように、および圧電センサーから検知された被験体の呼吸期間の第2の変動を測定するように、第1の変動および第2の変動から最低の変動に関連するセンサーを選択するように、および選択されたセンサーによって検知された吸気相に応じて刺激を加えるように構成されている。いくつかの実施形態では、装置はバンドをさらに含み、ここで、バンドは、圧電センサーおよび複数の電極の少なくとも1つの電極基部を相互接続させ、および第2の吸気相を検知するように、吸気中または呼気中に腹部の運動を圧電センサーと少なくとも1つの電極基部の間に伝達するように構成されている。いくつかの実施形態では、電極は磁気スタッドを含み、磁気スタッドの雄部は、適切な機械的および導電性の連結を維持するために、プラスチックベースに固定された雌部スナップに引き付けられる。
【0009】
開示された本発明事項の1つの例示的な実施形態は、装置であって、該装置は、ユーザの腹部領域の位置であるように構成された複数の電極と、腹囲および腹部領域の位置の変動に応じて第2シグナルを生成するように構成された圧電センサーと、バンドであって、ここで、バンドは、圧電センサーおよび複数の電極の少なくとも1つの電極基部を相互接続させ、およびユーザの吸気をモニタリングするように、吸気中または呼気中に腹部の運動を圧電センサーと少なくとも1つの電極基部の間に伝達するように構成されているバンドを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、電極は磁気スタッドを含み、磁気スタッドの雄部は、適切な機械的および導電性の連結を維持するために、プラスチックベースに固定された雌部スナップに引き付けられる。
【0011】
開示された本発明事項の1つの例示的な実施形態は、装置であって、該装置は、2つのTENS電極であって、ここで、電極はユーザの腹部領域に位置するように構成されている電極と、ECGシグナルを増幅するように構成された、電極と接続状態にある非接地ECG増幅器と、電極に電気的に接続されたプロセッサーであって、ここで、プロセッサーは、電極からユーザの身体シグナルを受信するように、シグナルから得たECG結果を計算するように、および前記ECG結果をアプリケーションに送るように構成されている、プロセッサーを含む。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態の態様では、胃食道逆流症(GERD)および消化器系を処置するための非侵襲的装置(以下は「本装置」)と方法が提供される。いくつかの実施形態では、本装置は腹筋に影響を与えるように構成される。いくつかの実施形態では、腹筋は次に消化器系の活動(例えば、収縮および/または運動性)を促進する。いくつかの実施形態では、腹筋は電極によって加えられた電気パルスによる影響を受ける。いくつかの実施形態では、電気パルスの生成は、呼吸サイクルの具体的な相(例えば、吸気相)と同期される。いくつかの実施形態では、本装置は、呼吸サイクル中に腹部領域の腰回りと電極の互いの空間的位置、および配向の変動に応じてシグナルを生成するように構成された圧電素子を含む。いくつかの実施形態では、圧電素子は、半剛性システムまたは剛性システムマウントの先端に取り付けられる。いくつかの実施形態では、マウントは少なくとも1つの電極基部に連結される。いくつかの実施形態では、マウントは2つの電極基部の間で連結される。いくつかの実施形態では、マウントは装置制御ボックスに連結される。いくつかの実施形態では、マウントは、ベルトに連結される。
【0013】
いくつかの実施形態では、パルスの生成は呼吸サイクルの特定の相と同期される。いくつかの実施形態では、パルス生成は呼吸サイクルの吸気相と同期される。いくつかの実施形態では、呼吸サイクルの相に関する情報はECG分析に基づいている。
【0014】
いくつかの実施形態では、本装置は電気パルスを生成する。いくつかの実施形態では、パルスは身体シグナルと同期される。いくつかの実施形態では、身体シグナルは、呼吸に関連した胸の動き、呼吸に関連した腹部の動き、ECG、胸部インピーダンス、オキシメーター記録、身体運動(加速度計)および身体位置を含む。いくつかの実施形態では、電気パルスは呼吸サイクルの吸気相中に加えられる。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態の態様では、装置が提供され、該装置は、2つ以上の電極および電極に電気的に接続されたプロセッサーを含む。プロセッサーは、電極がECGシグナルを測定する操作のECGモードと、電極が腹筋を刺激するための電気パルスを生成する刺激モードの間で電極を切り替えるように構成される。
【0016】
いくつかの実施形態では、本装置はECGシグナルから、呼吸サイクルの相を導き出すように構成されたEDR(心電図誘導呼吸)アルゴリズムを備えたプロセッサーを含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、プロセッサーは、呼吸サイクルの相と同期して操作モード、例えば、電気パルス生成とECGモニタリング、の間で切り替わるように構成される。いくつかの実施形態では、電極は、ECGシグナルを受信し、および/または吸気中に消化器系に加えられた圧力の増大と同期して刺激パルスを送信するように構成される。
【0018】
いくつかの実施形態では、本装置は少なくとも、ECGシグナルをモニタリングするように構成された電極の第1の対、および腹筋に影響を与える電気パルスを加えるように構成された電極の第2の対を含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、電極は、皮膚に電極を接着させるように構成された接着表面(例えば、導電性ヒドロゲル)を含む。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態の態様では、装置が提供され、該装置は、呼吸サイクルの相に同期して電気パルスを送信することによって腹筋を刺激するための2つ以上の電極を含み、電極は、刺激電気パルスの送信の間にECGシグナルをモニタリングする。
【0021】
いくつかの実施形態では、電気装置は、電気パルスの起動および/または停止を制御するプロセッサーを含む。いくつかの実施形態では、プロセッサーは、ECGシグナルに基づいた呼吸相、例えば、ECG誘導呼吸(EDR)、の識別のためのアルゴリズムを実行するように構成される。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態の態様では、装置が提供され、該装置は、呼吸サイクル中に、ユーザの腹部領域の腰回りの変化に応じてシグナルを生成するための圧電(PE)素子、および圧電素子のシグナルと同期して電気パルスを送信することによってユーザの腹筋を刺激するための2つ以上の刺激電極を含む。いくつかの実施形態では、圧電(PE)素子は、2つ以上の電極の互いに対する位置、および/またはPE素子に対する位置の変化に応じてシグナルを生成するように構成される。
【0023】
いくつかの実施形態では、圧電素子によって検知された腹部領域の腰回りの変化は、呼吸サイクルの相の間の1つ以上の移行段階のものである。いくつかの実施形態では、電極基部は圧電センサーに接続され、その結果、圧電素子のシグナルは、圧電センサーに関しての電極基部の相対運動に対応する。いくつかの実施形態では、相対運動は呼吸サイクルの相に対応する。
【0024】
いくつかの実施形態では、装置は、圧電(PE)素子および少なくとも1つの電極基部を相互接続させるバンドを含む。いくつかの実施形態では、バンドは軸方向に拡張不可かつ圧縮不可であり、および吸気中および/または呼気中にPEセンサーと1つ以上の電極基部の間に相対運動を伝達するように構成される。いくつかの実施形態では、バンドは剛性である。
【0025】
上記の例示的な態様および実施形態に加えて、さらなる態様および実施形態は、図を参照して、および以下の詳細な記載の読解によって明白になるであろう。
本開示によって開示された1つの技術的問題は、刺激パルスと患者の呼吸の間の同期をどのように最適化するかということである。同期は、吸息サイクルを通じて腹部の圧力が正(または硬性)の際にのみパルスを生成することのために必要とされる。
1つの技術的解決法は、LP(ローパス)フィルタ(ピエゾモードとして定義された)を介して圧電センサー、およびEDR(ECG誘導呼吸)法(ECGモードとして定義された)によって、呼吸相を同時に検知し、次の一連の刺激パルスの時点を決定するため最適な実施モードを選択することである。いくつかの実施形態では、装置は、ECGモードまたはピエゾモードのいずれかによって1つの刺激当たりの吸気相を決定する。いくつかの実施形態では、各々のセンサー(ECGセンサーおよびピエゾセンサー)は、各呼吸サイクルにおける呼吸時間を出力する。装置は、特定の期間の各センサー当たりの継続的な測定値の偏差を計算する。一実施例では、特定の期間は10秒である。装置は、刺激を吸気期間と同期させるために、吸気期間を決定するためにより安定したセンサーを選択する。
安定モードは、特定の時間間隔サイクルにおいて継続的に測定された呼吸時間の間の平均偏差が最小限のモードである。通常、静止状態においてピエゾモードはより安定しているが、運動中に組み合わせた身体運動によってピエゾモードは雑音が多くなり;したがって、運動中に、ECGモードは典型的により安定的になり、および装置にそれに応じてモードを変更させる。他の1つの技術的な問題は、ECGシグナルを測定するためにどのように刺激電極を利用するかということである。そのような利用は、従来のECG装置によって典型的に使用される電極を置く必要なく、患者の臀部に置かれるベルトからECGを測定することを可能にする。
【0026】
他の1つの技術的解決法は、刺激に使用される2つの大きなサイズの電極のみを利用する単一チャネルECGを実装することであり、それにより、装置の使用を単純化する。典型的に、ECGは、第3の接地電極を必要とする。しかしながら、システムは浮き上がる(例えば、任意の導体素子から分離される)。
加速度計の機能:
1. 身体位置の検知は、身体位置に応じて刺激強度の調節を可能にする。
2. (歩行、走行のような)身体活動の検知は、身体活動に応じて刺激強度の調節を可能にする。
3. 呼吸サイクルとのピエゾ同期を可能にする。
4. 装置が安定した筋肉運動を生成することができるより刺激に対する筋肉反応を測定する。
【0027】
いくつかの実施形態では、装置はECGデータをEDRアルゴリズムに使用する。装置は、BLE通信を介してアプリケーションに無線で接続され、ノイズ環境の干渉を最小限に抑えることが必要されるのでサイズが小さく、それによって、良好なECGシグナルを接地電極なしでモニタリングすることができる。
【0028】
ECG増幅器の入力(数mVの次数)と刺激の出力(約120V-300V)の間の大きな差があり、両方とも同じ電極を使用するので、ECG増幅器を刺激の高電圧および刺激バーストの終了後に電極に残った電荷から保護することが必要とされる。保護は、(主なプロセッサーによって制御される)オプトカプラ(Optocouplers)の1組によってECGを接続解除させ、バーストの終了に続く短時間(0.5-5 mS)に短絡することによって電極を放電することにより達成される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
例示的な実施形態は参照される図において示される。図に示される要素および仕様の寸法は、一般的に、説明の利便性および鮮明度のために選択され、一定の比例に示されるとは限らない。図は下に表記される。
【
図1A】本発明のいくつかの実施形態に係る電気装置(以下は本装置)の簡略化された斜視図である。
【
図1B】本発明のいくつかの実施形態に係る電気装置(以下は本装置)の簡略化された斜視図である。
【
図1C】本発明のいくつかの実施形態に係る電気装置(以下は本装置)の簡略化された斜視図である。
【
図2】本発明のいくつかの実施形態に係る、人体上の装置の位置の簡略化された平面図である。
【
図3A】本発明のいくつかの実施形態に係る、心電図出力および本装置によってモニタリングされた呼吸波形を重ね合わせる、簡略化されたグラフである。
【
図3B】本発明のいくつかの実施形態に係る、心電図出力および本装置によってモニタリングされた呼吸波形を重ね合わせる、簡略化されたグラフである。
【
図3C】本発明のいくつかの実施形態に係る、心電図出力および本装置によってモニタリングされた呼吸波形を重ね合わせる、簡略化されたグラフである。
【
図4】本発明のいくつかの実施形態に係る、本装置動作の簡略化された電気的フローチャートである。
【
図5A】本発明のいくつかの実施形態に係る、電極基部を相互接続させるバンド上にマウントされた本装置のPEセンサーの簡略化された平面図および断面図である。
【
図5B】本発明のいくつかの実施形態に係る、本装置のPEセンサーの簡略化された図面である。
【
図5C】本発明のいくつかの実施形態に係る、本装置のPEセンサーの簡略化された図面である。
【
図5D】本発明のいくつかの実施形態に係る、本装置のPEセンサーの簡略化された図面である。
【
図5E】本発明のいくつかの実施形態に係る、本装置のPEセンサーの簡略化された図面である。
【
図6A】本発明のいくつかの実施形態に係る、本装置および電極の皮膚接触の表面の簡略化された分解組立図である。
【
図6B】本発明のいくつかの実施形態に係る、本装置および電極の皮膚接触の表面の簡略化された平面図である。
【
図6C】本発明のいくつかの実施形態に係る、本装置および電極の皮膚接触の表面の簡略化された平面図である。
【
図7A】本発明のいくつかの実施形態に係る、本装置のポジショナーのためのポジショナーの簡略化された平面図である。
【
図7B】本発明のいくつかの実施形態に係る、本装置のポジショナーのためのポジショナーの簡略化された平面図である。
【
図7C】本発明のいくつかの実施形態に係る、本装置のポジショナーのためのポジショナーの簡略化された平面図である。
【
図8A】本発明のいくつかの実施形態に係る、基準呼吸サイクルシグナルと相関してEDRで得られた心拍数の変化およびRピーク振幅を描くグラフである。
【
図8B】本発明のいくつかの実施形態に係る、基準呼吸サイクルのシグナルと相関してEDRで得られた脈拍数の変化およびRピーク振幅を描くグラフである。
【
図9】本発明のいくつかの実施形態に係る、鼻のフローセンサーサーミスタによって測定された基準呼吸系シグナルに対して描かれた、脈拍数の変化(
図9A)、Rピーク振幅(
図9B)、それらの2つのアルゴリズムの組み合わせ(
図9C)、に基づいたEDRで得られたプロセッサーパルス生成のトリガーポイントを描くグラフである。
【
図10】データのバックグラウンド干渉を有して得られた、被験体の運動中に生成された例示的なEDRトリガーのグラフである。
【
図11A】運動中にPE素子センサーから得られたシグナルおよびローパス2Hzのフィルタを通過したPE素子センサーから得られたシグナル上の呼吸サイクルのグラフである。
【
図11B】運動中にPE素子センサーから得られたシグナルおよびローパス2Hzのフィルタを通過したPE素子センサーから得られたシグナル上の呼吸サイクルのグラフである。
【
図12A】静止状態において圧電素子センサーの入力から得られたトリガー位置のグラフである。
【
図12B】運動中に圧電素子センサーの入力から得られたトリガー位置のグラフである。
【
図13】開示された発明事項のいくつかの実施形態に係る、制御ユニットの簡略化された図面である。
【
図14A】開示された装置の操作、生理的パラメータレポートの制御のためのアプリケーションの例示的なスクリーンショットを示す。
【
図14B】開示された装置の操作、生理的パラメータレポートの制御のためのアプリケーションの例示的なスクリーンショットを示す。
【
図14C】開示された装置の操作、生理的パラメータレポートの制御のためのアプリケーションの例示的なスクリーンショットを示す。
【
図14D】開示された装置の操作、生理的パラメータレポートの制御のためのアプリケーションの例示的なスクリーンショットを示す。
【
図14E】開示された装置の操作、生理的パラメータレポートの制御のためのアプリケーションの例示的なスクリーンショットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の実施形態は、胃腸系疾患あるいは症状、例えば胃食道逆流症(GERD)、肥満症、および便秘の治療を促進するための人間工学に基づく自己用の非侵襲的装置を開示する。装置は、ユーザの腹部の皮膚に配置、かつ腹筋に影響を与える電気パルスを生成するように適合され、それらのパルスは次に、食道内容物の排出に影響を与え、および/または胃逆流を抑制し、および胃食道逆流の症状を軽減する腹内の圧力を加える。
【0031】
いくつかの実施形態では、電気パルスはユーザ身体シグナルと同期される。例えば、パルスは、呼吸サイクル、心拍数-ECG測定値、単調動作および身体位置と同期されてもよい。同期は、装置に含まれているセンサーによって行われる場合がある。場合によっては、呼吸および身体位置は胃と食道の圧力、および位置を変化させる。いくつかの実施形態では、電気パルスは、呼吸サイクルと同期され、呼吸サイクルに関連する腹圧が正であるとき、すなわち、吸気中に、のみパルスを生成する。いくつかの実施形態では、例えば、GERDの処置について、腹圧が増大すると電気パルスは生成され、腹圧が低下すると、電気パルスは停止される。
【0032】
本発明のいくつかの実施形態の態様では、装置が提供される。いくつかの実施形態では、装置は、電気パルスを生成するように構成された複数の電極を含む。いくつかの実施形態では、電極はECGシグナルを受信するように構成される。いくつかの実施形態では、電極は二重機能(例えば、TENS/ECGモニタリング)電極である。
【0033】
いくつかの実施形態では、装置は、ECGシグナルを受信するモード(ECGモード)および電気パルスを生成するモード(EPGモード)から、機能の電極モードを切り替えるように構成されたプロセッサーを含む。いくつかの実施形態では、装置プロセッサーは、電気パルスのバースト間に機能の電極モードを、パルスを生成するモードからECGシグナルを受信するモードへと切り替えるように構成される。いくつかの実施形態では、装置プロセッサーは、パルスの1つ以上のバースト内の個々の電気パルス間で機能の電極モードを、電気パルスを生成する(EPG)モードからECGシグナルを受信する(ECGモード)モードへと切り替えるように構成される。
いくつかの実施形態では、プロセッサーは、呼吸サイクル相と同期してEPG(電気パルスの生成するモード)とECG(心電計)モードとの間で切り替わるように構成される。いくつかの実施形態では、プロセッサーは、一定期間にわたって電極からのECGシグナルを分析し、かつECG分析から呼吸サイクル波形を導き出すように構成される。いくつかの実施形態では、プロセッサーは導き出された波形から一定期間の呼吸サイクルの呼吸相を識別するように構成される。いくつかの実施形態では、プロセッサーは、呼吸サイクル中に消化器系(例えば、胃、食道)に対して腹筋によって加えられた圧力の増大または減少と刺激パルスの生成を同期させるように構成される。いくつかの実施形態では、プロセッサーは、周波数、振幅、波形および電流などの刺激的電気パルスのパラメータを制御するように構成される。
いくつかの実施形態では、電極は接着表面(例えば、粘着性ヒドロゲル)を含み、粘着によって身体に付けられる。いくつかの実施形態では、装置は他の支持(例えば、ベルトまたはハーネス)なしで粘着のみによってユーザの身体に適用される。いくつかの実施形態では、装置は、腹部領域にわたって装置を固定するための少なくとも1本のベルトを含む。
本発明のいくつかの実施形態の態様では、刺激と呼吸との同期は、消化管活動(例えば、収縮および/または運動性)を促進する方法によって使用されてもよい。いくつかの実施形態では、本方法は腹筋を刺激することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、臍の高さでユーザの身体に複数の電極を取り付けることを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、1つ以上の呼吸サイクルの波形を取得すること、および呼吸サイクルの少なくとも吸気相を識別することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、呼吸サイクルの吸気相中に2つ以上の電極から1つ以上の電気パルスを生成することを含む。いくつかの実施形態では、本方法はECGシグナルを取得することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、1つ以上の呼吸サイクルの波形を取得すること、およびEDR(心電図誘導呼吸)技術を使用して呼吸サイクルの少なくとも吸気相を識別することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、生成された刺激的電気パルス間でECGデータを取得することを含む。本発明のいくつかの実施形態の態様では、呼吸サイクル中に腹部領域の腰回りの変動と、電極の互いの空間的位置、および配向の変化に応じてシグナルを生成するように構成された圧電素子を含む。いくつかの実施形態では、圧電素子は、呼吸サイクル相間の移行段階、例えば、吸気および/または呼気の開始、を検知する。いくつかの実施形態では、圧電素子は、半剛性または剛性マウントの先端に取り付けられる。いくつかの実施形態では、マウントは少なくとも2つの電極基部の間で連結される。いくつかの実施形態では、マウントは装置制御ボックスに連結される。いくつかの実施形態では、マウントは、ベルトに連結される。
【0034】
いくつかの実施形態では、本装置は、圧電素子と少なくとも1つの電極基部とを相互接続させるバンドを含む。いくつかの実施形態では、バンドは、完全な呼吸サイクル(吸気中および呼気中)にわたって電極基部と圧電素子の間に相対運動を伝達するように構成される。いくつかの実施形態では、バンドは軸方向に拡張不可、かつ圧縮不可である。いくつかの実施形態では、バンドは剛性を有する。いくつかの実施形態では、バンドは、ベルトの一部を含む。
【0035】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による装置および装置の実装の、簡略化した斜視図と平面図である
図1A、
図1B、
図1C、および
図2を参照する。
図1Aに示されるように、電気装置(100)は接続バンド(106)の対向端部にそれぞれつながれた電極基部(110/112)にマウントされた2つ以上の電極(102)と(104)を含む。いくつかの実施形態では、電極(102/104)の少なくとも1つの表面は、例えば、ベルトなどの追加的なサポートを用いずに1つ以上電極(102/104)の皮膚への多重使用を可能にするように構成された、生体適合性の接着剤(例えば導電性のヒドロゲル)ヒドロゲル(628)で被覆される。いくつかの実施形態では、1つ以上の基部(110/112)は、バンド(106)の一部を含む。いくつかの実施形態では、電極(102/104)は二重機能電極(例えば、EPG/ECGモニタリング)である。EPG機能は、腹筋を刺激するパルスを生成することを含み、およびECG機能は、身体ECGシグナルをモニタリングすることを含む。電極(102/104)のEPG/ECGモニタリング機能は、本明細書の他の箇所でより詳細に説明されるように一定の時間で交替する。
【0036】
いくつかの実施形態では、装置(100)は、例えば、プロセッサー回路基板、スイッチ、電圧ブースターなどの電気部品、および、少なくともプロセッサー(202)を収容する制御ボックス(108)を含む(
図4A)。いくつかの実施形態では、プロセッサー(202)は電極(102/104)と電気的および/またはデータ的通信状態にある。本明細書の他の箇所でより詳細に説明されるように、いくつかの実施形態では、プロセッサー(202)は少なくとも操作のECGモードとEPGモードの間で電極(102/104)を切り替えるように構成される。ECGモードにセットされた時、電極は身体ECGシグナルをモニタリングし、また、EPGモードにセットされた時、電極は腹筋を刺激するための電気パルスを生成し、そのことは、次に消化管の活動を促進する。いくつかの実施形態では、装置は、別個の操作のECGモードの電極と操作のEPGモードの電極を含む。いくつかの実施形態では、電極(102/104)は使い捨てである。
【0037】
いくつかの実施形態の、装置(100)は、電極基部(110/112)をそれぞれ端部(606)および(604)において相互接続させるバンド(106)を含む(
図6A)。いくつかの実施形態では、バンド(106)は、呼吸サイクル(吸気と呼気)の間に胸および/または腹筋の伸縮によって生成された電極基部(110/112)間の相対運動を伝達する。いくつかの実施形態では、電極(102/104)と制御ボックス(108)は、バンド(106)内にある少なくとも1つの電気的およびデータ的導路を介して電気的およびデータ的に通信状態にある。
【0038】
いくつかの実施形態によると、電気装置(100)は複数の制御ボタン(204)を含む。いくつかの実施形態では、制御ボタン(204)は、刺激パルスの手動による起動または停止を可能にする。いくつかの実施形態では、起動は、バンド(106)によってバンド(106)の一端に連結された圧電(PE)素子上に適用される張力によって、自動的に行われる。いくつかの実施形態では、装置(100)は、モバイル装置(例えば、スマートフォン、スマートタブレット、またはラップトップコンピュータ)上のアプリケーションによって起動される。
【0039】
図2に描かれた例示的な実施形態に示されるように、身体の側腹部領域での、腹直筋と外腹斜筋上の、刺激電気パルスの生成は、装置(100)に、消化管および主として食道と胃の最も有効な反応をもたらす。
【0040】
図1Aの装置の実装の簡略化された斜視図である
図2に示されるように、本開示の著者は、パルスを放射する電極(例えば、(102/104)を腹筋上で被験体のウエストラインの高さ、例えば、腹直筋と外腹斜筋上に配置することが、消化管の最も有効な処置をもたらすことを発見した。
図2に示す例示的な実施形態で描かれるように、電極(102)は、水平の配置で下部腹直筋上に置かれ、および、電極(104)は、下部腹斜筋上に垂直の配置で置かれる。本明細書の他の箇所でより詳しく説明されるように、呼吸サイクルの間における腹直筋と外腹斜筋との間の運動差異は、PEセンサー(508)にかかる張力/圧縮力の変動によって表現される。
【0041】
いくつかの実施形態によると、呼吸サイクルの相の1つ以上は、電極(102/104)によって検知されたシグナルによって決定される。いくつかの実施形態によると、電極(102/104)は、呼吸サイクル中に腹筋によって消化器系(例えば、胃、食道)にかけられた圧力の増大または減少と同期して、刺激パルスを送信する。
【0042】
ここで、集合的に
図3と呼ばれる
図3A、
図3B、および
図3Cを参照する。
図3Aと3Bは、本発明のいくつかの実施形態による、本装置のプロセッサーによって生成された電気的な刺激パルスのダイアグラムとECG測定値を重ねた、簡略化されたグラフである。
図3Cは、本発明のいくつかの実施形態による、電気的な刺激パルスのダイアグラム、ECG測定値、および鼻の圧力センサーまたは鼻サーミスターによってモニタリングされた呼吸リファレンス(respiration reference)を重ねた、簡略化されたグラフである。いくつかの実施形態では、および、
図3Aと
図3Bにおいて示されるように、装置(100)のプロセッサー(202)は、個々の心拍の間の期間(385)(例えば、60BPM)にECGシグナルを平均で毎秒およそ1000回、サンプルするように構成される。いくつかの実施形態では、
図3Aで描写されるように、電気パルス(330)は、ある時間パターンと、任意の調節されたパターンとを持つ二相性である。生成されるパルス(330)は、患者の呼吸の相と同期され、および、吸気相にある時に心拍の間で、および、あらかじめ定められたパターン(例えば、速度および/または持続時間)で、生成される。
【0043】
本明細書の他の箇所でより詳しく説明されるように、装置(100)の電極(102/104)は二重機能(例えば、EPG/ECGモニタリング)電極であり、および、パルスを生成するため、またはECGシグナルを読み取るために、タイムシェアされる。この設定では、パルス生成の間、電極(102/104)はECGシグナルを読み取らず、またその逆も正しい。本明細書の他の箇所で記載されるように、ECGは毎秒200~1500回の間でサンプリングされる。例えば、いくつかの実施形態では、ECGは、60BPMの心拍数の鼓動の間に1000のサンプルをサンプリングする。単一の生成パルスの持続時間は、ECGサイクル(385)の期間(およそ1秒)に対して非常に短く(ほぼ0.45mS)、従って、パルスのバースト生成中のECG測定値における測定されない部分(325)によって取りこぼされるECG入力は、無視できる。
【0044】
本明細書の他の箇所で述べられるように、いくつかの実施形態では、電極(102/104)は二重機能(例えば、EPG/ECGモニタリング)電極である。EPG機能は、消化器系を刺激する電気的な刺激パルスを生成することを含み、ECG機能は、身体ECGシグナルをモニタリングすることを含む。本明細書の他の箇所でより詳細に説明されるように、電極(102/104)のEPG/ECGモニタリング機能は、設定された時間で交替する。
【0045】
いくつかの実施形態では、電気パルス(330)は、短パルスの調節されたバーストとして生成される。いくつかの実施形態では、単一のバーストは5~25、10~20、または、13~16の間のパルスを含む。いくつかの実施形態では、パルス持続時間は0.10~0.60mS、0.20~0.55mS、または0.30~0.50mSの間である。いくつかの実施形態では、呼吸サイクルの吸気相の間に1~3のバーストが適用される。
【0046】
いくつかの実施形態では、および、
図3Cで示されるように、呼吸サイクルに関する情報は、例えば、被験体の鼻孔に隣接して置かれた鼻の圧力センサーまたは鼻サーミスターなどの、呼吸モニターに由来する。
【0047】
いくつかの実施形態では胸郭の拡張は、身体の胴回りを他に比べて一時的に増大させ、ウエスト回りの高さにおいて、バンド(106)上に張力を適用する。そのような張力は、胸郭の拡張または吸気を示す電気的シグナルを発するPEセンサー(508)に力を加える。吸気相(375)は、横隔膜および胸郭の拡張の結果として、腹部器官(例えば胃)に対する圧力が最も大きい期間である。
【0048】
呼気では、前記プロセスは反転され、および、バンド(106)が軸方向に拡張不可かつ圧縮不可であり、または剛性であるため、胸郭の収縮はウエストの高さにおける身体の胴回りを減少させ、バンド(106)上に圧縮力を加え、そのことはPEセンサー(508)から負の(反転した)電気的シグナルが生成されることによって表現される。プロセッサー(202)は、PEセンサー(508)によって発せられ、プロセッサー(202)に伝えられたシグナルを識別し、および、呼吸サイクル(322)の吸気相(375)に関連づけられるシグナルを識別するように構成される(
図3C)。プロセッサー(202)は、識別すると直ちに、電極(102/104)を操作のEPGモードに切り替え、今度は、腹筋に作用するパルスのバーストを生成する。
【0049】
図3Aに描かれた例示的な実施形態で示すように、プロセッサー(202)は、吸気相(375)の開始またはその直後に、パルス(330)のバースト(332)を生成するために、電極(102/104)を操作のEPGモードに切り替え(起動し)、および、吸気相(375)の終わり(390)またはその直後に、電極(102/104)を操作のECGモードに切り替える(不活化する)。
【0050】
付加的に、または代替的に、電気装置(100)は、ECGシグナル(320)をプロセッサー(202)に伝えるように構成されたECGモニター(406)を含み、それは、呼吸サイクルの相(つまり吸気/呼気)に関する情報をもたらすだけでなく、消化管の処置が最も有効である、吸気相が始まる時(350)も予測する。いくつかの実施形態では、および、本明細書の他の箇所で詳細に説明されるように、電極(102/104)はECGシグナルを受信するように構成される。
【0051】
本明細書の他の箇所で説明されるように、プロセッサー(202)は、例えば、ECG誘導呼吸(EDR)(ECG-derived respiration)のような、ECGシグナルから呼吸の波形と相を識別するためのアルゴリズムを実行するように構成される。いくつかの実施形態では、プロセッサーは、ECGのR-R間隔から推定された呼吸波形を識別するためのアルゴリズムを実行する。
【0052】
EDR(ECG誘導呼吸・ECGから呼吸シグナルを得る技術)の技術は、ECG QRSパターン:心拍数における変動、Rピーク振幅およびQRS領域における変動、に基づく。
図3Bに示されるように、いくつかの実施形態では、パルス持続時間は0.2mSであり、および、パルス間の隙間持続時間(395)は、ほぼ28mSである(バースト持続時間はほぼ450mSであり、および、バースト間の隙間が0mSから1000mSまでの間で変動し得る)。ある実施形態では、ECGサンプルは、(例えば、1KHzのレートの)パルスの間で取られ得る。スイッチングの間、システムはパルス直前にECG回路を分離し、および、パルスの直後に再接続する(パルスの前にEPGモードに切り替え、そして、パルスの後にECGモードに戻す)。この構成では、サンプルの約0.1~0.2%だけが取りこぼされる(
図3B、325)。それでもなお、心拍の検知は影響を受けない。
【0053】
いくつかの実施形態では、および、
図3Cに描かれるように、プロセッサー(202)は、予測された継続的な心拍動の間でバーストが生成されるように、また、呼吸サイクルの吸気相(375)の間でバーストが生成されるように、生成バーストを同期させる。この構成では、プロセッサー(202)は、バースト後約10~100mSに操作のECGモードに切り替わり、および、次の心臓の鼓動の直前に、操作のEPGモードに戻る。EPGからECGへの遷移において、電極を放電させるために、電極は、0.5mSから2mSの持続時間の間短絡される。
【0054】
電極のECG回路を分離し、および、電極を放電させることは、高電圧刺激シグナルからECG回路を保護する目的で実行される。本明細書の他の箇所で説明されるように、いくつかの実施形態では、電極(102/104)は、操作のEPGモード中に電極をECGサンプリングができなくする、二重機能(例えば、EPG/ECGモニタリング)電極である。
【0055】
完全な呼吸サイクル(322)を通じて完全なECG測定値(320/320-1)を取得することの潜在的利点は、EDR分析のために、および、呼吸サイクルに沿った全ての点において相および相の区分を正確に識別するために、プロセッサー(202)に正確なECGデータベースを提供することにある。
【0056】
呼吸サイクルの相の正確な点を正確に特定することの潜在的利点は、プロセッサー(202)が吸気相(375)の開始を正確に識別することができ、および、それに応じて、消化管の刺激処理法が最も有効な呼吸サイクルの点に電気パルスバースト(332)の適用を同期させることができる、ということにある。
【0057】
いくつかの実施形態では、プロセッサー(202)は、電極(102/104)を操作のECGモードから操作のEPGモードに切り替え、またその逆も行う、1つ以上の電気式スイッチ装置と通信状態にある。例えば、スイッチが閉位置にある場合、電極(102/104)は、ECGシグナル(320)を受信するように操作のECGモードに切り替えられる。あるいは、スイッチが開位置にある場合、電極(102/104)は、操作のEPGモードに切り替えられ、および、2相パルス発生器とDC/DCコンバータ・ブースター(例えば、120VDC410ブースター)との通信状態にあり、および刺激パルス(330)を生成する。
【0058】
この構成での潜在的利点は、いくつかの実施形態では、プロセッサー(202)が、電極(102/104)の操作のモードを、ECGシグナルを取得する操作のECGモードと、電気パルス(330)のバースト(332)を生成する操作のEPGモードの間で切り替えることにある。この構成の潜在的利点は、プロセッサー(202)が、パルス(330)のバースト(332)間で、および/または、個々のパルス(330)の間で、電極(102/104)を操作のECGモードに切り替えるように、構成されることにある。
【0059】
いくつかの実施形態では、プロセッサー(202)は、電極(102/104)によって生成されるパルス(330)の、例えば、周波数および/またはバーストの形態(パルス振幅、電圧、電流など)などのパラメータを制御し調節するように構成される。いくつかの実施形態では、操作のECGモードと操作のEPGモードの間に、電極(102/104)は放電される。
【0060】
いくつかの実施形態では、および、
図3Cに示すように、装置(100)のプロセッサー(202)は、少なくとも以下の条件が同時に存在する期間中に、ECGシグナル(320)を取得するための操作のECGモードから電気パルス(330)のバースト(332)を生成するための操作のEPGモードへ電極(102/104)を切り替える:呼吸サイクル(322)は吸気相(375)にあり、および、ECGは心拍動の間(つまりQRS群)にある。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態によると、装置(100)の電気パルス(330)は以下のパラメータによって決定される:25から40Hzの間の周波数。いくつかの実施形態では、周波数は35Hzである。いくつかの実施形態では、パルスは二相である。いくつかの実施形態では、パルスの持続時間は0.35mSから0.50mSの間である。いくつかの実施形態では、二相のパルスの持続時間は0.45mSである。いくつかの実施形態では、パルス(330)間には28mSの差がある。いくつかの実施形態では、電極(102/104)は、操作のECGモードに切り替わる前の28mSの差(395)のの間に放電されるように構成される。いくつかの実施形態では、電気パルス(330)の電位は、100Vから140Vの間、または110Vから130Vの間である。いくつかの実施形態では、電気パルス(330)の電位は120Vである。
【0062】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、電気装置(100)の操作の簡略化されたフローチャートである、
図4を参照する。
図4で描かれた例示的な実施形態では、ブロック(402)において、電極(102/104)は操作のECGモードにあり、およびECGシグナルを受信するように構成されている。電極(102/104)からのECGシグナルは、ブロック(404)にあるプロセッサー(202)に伝えられる。PEセンサー(508)(ブロック(406))は、呼吸サイクルの間における身体の胴回りの変動に関連付けられるシグナルを、同時的に又は連続的に、プロセッサー(202)に伝える。ブロック(408)では、プロセッサー(202)は、電極(102/104)とPEセンサー(508)からの入力を分析し、および受信した入力に基づいて呼吸サイクルの相を識別する。ブロック(410)において、プロセッサー(202)は、呼吸サイクル(322)の吸気相(375)の開始を決定し、および、ブロック(412)において、電極(102/104)を操作のECGモード(ブロック(402))から操作のEPGモードに切り替え、この時、ブロック(414)において、電極(102/104)は刺激パルスを生成する。本明細書の他の箇所で詳細に説明するように、刺激パルス(330)生成の後で、および/または、個々のパルスの中間(ブロック(416))で、プロセッサー(202)は、ブロック(418)にて、操作のEPGモード(ブロック(412))から、ブロック(402)にある、操作のECGモードへと電極(102/104)を切り替えて戻し、それにより電気パルス(330)の生成を止める(ブロック(420))。
【0063】
ブロック(422)にて、呼吸サイクル(322)の呼気相(380)を識別するにあたり、PEセンサー(508)プロセッサー(202)は、ブロック(418)で電極(102/104)を、操作のEPGモード(ブロック(412))から、ブロック(402)にある操作のECGモードに切り替えて戻し、それにより電気パルス(330)の生成を止める(ブロック(420))。
【0064】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、本装置のPEセンサーが相互連結バンド上にマウントされた断面図と平面図である
図5Aと、本装置のPEセンサーを簡略化して図解した断面図である
図5B、
図5C、
図5D、および
図5Eとを参照する。
図5A、
図5B、および
図5Cに描かれた例示的な実施形態では、装置(500)は、マウント(550)上にマウントされた圧電(PE)センサー(508)を含む。いくつかの実施形態では、マウント(550)は、1つ以上の片持ち梁(512)につながれた弾性を有するPE基部(509)を含む。いくつかの実施形態では、弾性を有するPE基部(509)は、金属および/または高分子で作られている。
【0065】
いくつかの実施形態では、PEマウント(550)は、軸方向に拡張不可かつ圧縮不可であるバンド(106)につながれる。バンド(106)は、PEセンサー(508)、マウント(550)、および電極基部(112)を相互接続させ、その結果、マウント(550)に対する電極基部(112)の動きは、バンド(106)を介してマウント(550)のPE基部(509)上に曲げ力を及ぼし、圧電センサー(508)を変形する。いくつかの実施形態では、バンド(106)は、例えば、ストラップ(206)などの、装置(500)の他の部分にPEセンサー(508)を接続する。
【0066】
マウント(550)上に作用された張力と圧縮力は、胸郭の伸縮の結果として、呼吸サイクル(322)に合わせて、腹腔および主として横隔膜を動かし、マウント(550)上に作用してPE素子上に変形する力をもたらす。PEセンサー(508)の変形は、プロセッサー(202)への電気シグナルを生成する。
【0067】
いくつかの実施形態によると、および、
図5Aで示されるように、バンド(106)の一部は、呼吸サイクルの相に連動して、ハウジング(502)の内部で前後に動くことができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、および、
図5Bと
図5Cで示されるように、圧電センサ(508)の基部(509)は、バンド(106)に連結されたマウント(550)に連結される。説明目的のためにのみ、
図5Bと
図5Cで描かれた例示的な実施形態では、マウント(550)は静止した点(555)につながれる。
【0069】
図5Bに示されるように、バンド(106)が矢印(575)によって示された方向にハウジング(502)に向かって動く時、バンド(106)は、矢印(577)によって示された方向に力のモーメントを及ぼして、基部(509)上に曲げ力を及ぼして基部(509)を曲げ(例えば、被験体の体壁(580)から遠ざかって)、および、PEセンサー(508)を変形させる。PEセンサー(508)の変形は、第1の極性の電気的シグナルを生成する。
図5Cに示されるように、バンド(106)が、矢印(595)で示されているようにハウジング(502)から遠ざかる方向に張力を及ぼすとき、マウント(550)に曲げ力を及ぼし、基部(509)を反対の方向に(例えば、被験体の体壁(580)に向かって)曲げる。基部(509)を曲げることは、PEセンサー(508)を反対の方向に(例えば、被験体の体壁(580)に向かって)変形し、および第2の、反対の極性の電気シグナルを生成させる。
【0070】
バンド(106)の動きが被験体の呼吸の相に関連付けられるため、PEセンサー(508)によって生成された電気シグナルの極性は、被験体の呼吸の相(PEセンサー(508)が基部(509)によって変形される方向)に関連付けられる。
【0071】
いくつかの実施形態では、プロセッサー(202)は、圧電センサー(508)からプロセッサー(202)に伝えられる情報と、電極(102/104)からプロセッサー(202)に伝えられるECG情報とを組み合わせ、および、例えば、腹筋と胃に対する作用がもっとも有効な吸気相(375)の開始の時点など、呼吸サイクルに沿った全ての時点で正確な識別を生成するように構成される。いくつかの実施形態によると、プロセッサー(202)は、電気パルスと呼吸サイクルの相の識別との間で同期するように構成される。
【0072】
呼吸サイクル中の身体の胴回りの変動に加えて、いくつかの実施形態では、胸肋骨郭、腹腔と主として横隔膜の伸縮は、電極(102/104)の互いに関しての空間の位置を変える。
図5Dおよび
図5Eは、被験体の吸気相の間に電極基部(112)に対する電極基部(110)の空間的位置の変化を描く。
図5Dおよび
図5Eに描かれた例示的な実施形態では、電極基部(110)は、被験体の身体上で
図2に示された電極基部(112)よりも前方に置かれている。
【0073】
図5Dは、呼気中の被験体に置かれた装置(500)を例示しており、このとき電極(102/104)のそれぞれの基部(110/112)は、通常、被験体の体壁(580)の同じ平面上にある。吸気中に、および、
図5Eに示されるように、
図5E中の矢印(525)で描かれた方向への電極基部(110)の放射状の動作は、電極基部(112)におけるよりも電極基部(110)においてより大きい。この結果、吸気相(375)の終わりには、電極基部(110/112)は異なる平面上にある。
【0074】
本明細書の他の箇所でより詳しく説明されるように、電極基部(112)に対する電極基部(110)の空間位置の差異は、マウント(550)上に変形力(例えば、曲げ、および/または剪断力)を及ぼし、PEセンサー(508)を変形する。
【0075】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、装置および電極の皮膚接触面の簡略化された図解の分解図、平面図である、
図6A、
図6B、および
図6Cを参照する。いくつかの実施形態では、電極(102/104)の間の相対的な距離、および/または、相対的な角度は、調整可能である。
図6Aで示されるように、いくつかの実施形態では、電極(102/104)は、皮膚に付着するように構成された生体適合性の導電性のヒドロゲル(628)で被覆された背面(616)および皮膚接触側面(620)を含む。いくつかの実施形態では、背面(616)は、電極基部(110/112)にそれぞれ電極(102/104)をつなぐように構成された1つ以上カプラー(622/624)を含む。
【0076】
いくつかの実施形態では、カプラー(622/624)の少なくとも1つは電気パルスエネルギーを装置(100)パルス発生器(図示せず)から電極皮膚接触面(620)まで、および/またはECGシグナルを皮膚接触面(620)からプロセッサー(202)まで、伝導するように構成される。付加的に、または代替的に、いくつかの実施形態では、カプラー(622/624)の1つは、パルスエネルギーをパルス発生器(図示せず)から電極皮膚接触面まで、および/または、ECGシグナルを皮膚接触面(620)からプロセッサー(202)まで伝導するように構成され、他方は、電気的に分離され、回転防止カプラーとして役立つ。
【0077】
いくつかの実施形態では、TENSE/ECG電極の標準の金属バネ雄型カプラー(622と624)は、1組の導電性の磁気スタッドに交換可能である。磁気雄型スタッドは、プラスチック基部(112)へマウントされる雌型スナップに引きつけられ、適切な機械的および導電性の連結を維持する。装置に電極を接続するためにカプラーを押す必要がないため、この機能は、快適で容易な連結を可能にする。また、そのことは、皮膚から電極を剥がし取ることなく身体から装置を容易に取り外し、および、電極とのよい接触を確かなものにしながら、装置を置き戻すことを可能にし、電極が柔らかい皮膚上に置かれる時、装置を電極に押し付けることの技術的問題を克服する。
【0078】
「ホットスポット」を回避するために、スタッドは、導電性の炭素被覆アイレット(626)の手段による電極に固定される。
【0079】
いくつかの実施形態では、装置は、背面(606)の1つ以上カプラー(622/624)が適合される多角形の回転可能なナット(610)を含む電極回転メカニズム(608)を含む。いくつかの実施形態では、多角形の回転可能なナット(610)は、電極(102/104)を回転させ、バンド(106)に対して複数の方向付けで位置されることを可能にするように構成される。電極(102/104)が回転可能であることの潜在的利点は、消化管および主として食道と胃の最も有効な反応をもたらすように、電極が装置(100)の活動に対して調整可能なことにある。いくつかの実施形態では、カプラー(622/624)は、導電性であり、および、パルスエネルギーを装置(100)から電極の皮膚接触面(620)まで、および/または、ECGシグナルを皮膚接触面(620)からプロセッサー(202)まで、伝導するように構成される。
【0080】
いくつかの実施形態では、電極(102/104)は、経皮的電気刺激(TENS)のために使用される電極に構造上類似する。例えば、(背面(616)から皮膚接触面(620)まで)階層状の構造を有することは、耐久性トップコート織布、導電層、例えば、銀が充填されたポリマー、導電性の炭素膜、ヒドロゲル層、シリコーン化された剥離ライナーなどを含む。
【0081】
いくつかの実施形態では、バンド(106)のメカニズム(608)は、ストラップ(206)をバンド(106)および電極(102)基部(110)に固定するためのカラー(614)に適合するマッチングワッシャー(612)を含む。カラー(614)は、ストラップ(206)がバンド(106)と整列して維持されるように、バンド(106)にピボット式に連結される。
【0082】
いくつかの実施形態では、固定キャップ(616)を含む装置(600)は、バンド(106)の第2の端部(606)にキャップ(616)を固定するために、左回りのねじ山を持っている。
【0083】
集合的に
図7として参照される
図7A、7B、および7Cに目を向けると、それらは、本発明のいくつかの実施形態による、装置とポジショナーの平面視の簡略化された図解である。
図7に示されるように、いくつかの実施形態では、ポジショナー(700)は、ユーザの身体に電気装置(例えば、100/400/600)を配置するために、寸法決めされ、適合される。いくつかの実施形態では、ポジショナー(700)はユーザの臍に対してあらかじめ定められた場所に装置(100/400/600)を配置するために使用される。
図7で描かれた例示的な実施形態に示されるように、ポジショナー(700)は、ポジショナー本体(702)、本体(702)の片端に配置された臍ロケータ孔(704)、本体から突出した1つ以上のバンド(106)支持体(706)、1つ以上の電極に合致する切り欠き(708)、および、本体(702)からバンド(106)支持体(702)とは反対の方向に延在する1つ以上のハンドル(714)、を含む。例えば、
図7A中の電極(102)について破線によって描かれるように、切り欠き(708)は、多角形の回転可能な突部(608)を介して、1つまたは両方の電極(102/104)の回転を支持するように形成される。いくつかの実施形態では、ポジショナー(700)は平らである。いくつかの実施形態では、ポジショナー(700)は様々なユーザの身体に適合するために拡張可能である。いくつかの実施形態では、ポジショナー(700)は、様々なユーザの身体に適合するために不規則輪郭をもつ。いくつかの実施形態では、ポジショナー(700)は、様々なユーザの身体のまわりに適合するために柔軟である。
【0084】
ポジショナー(700)は、ベースライン・ポジショニング装置として役立つように、つまり、ECGシグナルの取得と電気パルスの生成(EPG)の両方に最も効果的な場所であると経験的に発見された場所に電極(102/104)をポジショニングするように、構成される。いくつかの例示的な実施形態では、および、
図7Bと
図7Cで描かれたポジショナー(720)は、ピボット式に連結されたベースライン・ポジショニング・アーム(722)と装置(100/400/600)キャリア・アーム(724)を含む。いくつかの実施形態では、ポジショナー(720)は、ベースライン・ポジショニング・アーム(722)と装置(100/400/600)キャリア・アーム(724)を連結するピボット・ヒンジ(726)のまわりに位置するプロトラクター(750)含む.
【0085】
最も有効な消化管の処置のために、装置(100/400/600)は、開口部(704)がユーザの臍孔(臍)のまわりに置かれるようにポジショナー(720)を置くことによって、ユーザの身体上で、ベースライン位置に置かれる。このことにつづいて、装置(100/400/600)キャリア・アーム(724)を、ベースライン・ポジショニング・アーム(722)に対して、最適な反応が達成される(例えば、最も強力なECGシグナルの生成、および/または最も有効な電気パルスが生成される)までピボットさせ、および、プロトラクター(750)によって決定される角度(α)が、特定のユーザについて記録される。最終のポジショニング工程は、最適な反応の取得が達成され、それによって装置(100/400/600)のポジショニングが決定されるまで、1つ以上の電極(102/104)をピボットさせることを含む。この段階で、電極(102/104)は、(例えば、ピールオフ・フィルムを取り除いて接着剤表面を露出することによって)皮膚に貼り付けられ、および、ポジショナー(720)は取り除かれる。
【0086】
実験結果
本明細書の他の箇所に説明されるように、呼吸サイクルとその相(つまり吸気と呼気)に関する情報を得るために、ECG誘導呼吸(EDR)のアルゴリズムが使用される。
図8A、
図8B 図9A、
図9B、
図10、
図11A、
図11B、
図12A、および
図12Bは、本開示の著者により実行された実験中に得られたEDRと圧電センサーの結果を表すグラフであり、得られた様々なECG入力と、呼吸サイクルと、呼吸サイクルの吸気相の開始と相関するトリガーポイント(すなわち電気パルス電極起動のポイント)の生成との間の相関を実証している。
【0087】
図8Aは、例えば、鼻の圧力センサーまたはサーミスターなどの、被験体の鼻孔に隣接して置かれた呼吸モニターによって生成された基準シグナル(804)に対して描かれた、連続する心拍の間の持続時間(例えば、R-R間隔)を示す、心拍数入力(802)を表わす。
図8Aに描かれたグラフは、心拍数入力(802)と基準シグナル(804)との間の相関を示す。
【0088】
例えば、
図8Bは、被験体の鼻孔に隣接して置かれた鼻の圧力センサーまたはサーミスターなどの呼吸モニターによって生成された基準シグナル(804)に対して描かれたRピーク振幅(806)を表わす。
図8Bに描かれたグラフは、Rピーク振幅(806)と基準シグナル(804)の間の相関を示す。
【0089】
図9Aに示されたグラフは、心拍数入力(802)に基づいてプロセッサーによって生成されたトリガーポイント(902)を実証しており、該グラフは、例えば、鼻の圧力センサーまたはサーミスターなどの、被験体の鼻孔に隣接して置かれた呼吸モニターによって生成された基準シグナル(804)に対して描かれている。いくつかの実施形態では、本明細書の他の箇所で詳細に説明されるように、電気装置(100)のプロセッサー(202)は、
図9Aに示されるように生成されたトリガーポイント(902)において電気パルスを生成するために、電極(102/104)を起動するように構成される。
【0090】
図9Aに示されるグラフと同様に、
図9Bに示されたグラフは、Rピーク振幅(806)に基づいてプロセッサーによって生成されたトリガーポイント(904)を実証しており、該グラフは、例えば、鼻の圧力センサーまたはサーミスターなどの、被験体の鼻孔に隣接して置かれた呼吸モニターによって生成された基準シグナル(804)に対して描かれている。いくつかの実施形態では、本明細書の他の箇所で詳細に説明されるように、電気装置(100)のプロセッサー(202)は、
図9Bに示されるように生成されたトリガーポイント(904)において電気パルスを生成するために、電極(102/104)を起動するように構成される。
【0091】
図9Cに示されたグラフは、心拍数入力(802)とRピーク振幅(806)からの結合された入力に基づいてプロセッサーによって生成されたトリガーポイント(906)を実証している。いくつかの実施形態では、本明細書の他の箇所で詳細に説明されるように、電気装置(100)のプロセッサー(202)は、電気パルスを生成するために、
図9Cに示されるように生成されたトリガーポイント(906)において電極(102/104)を起動するように構成される。
【0092】
図9A、
図9B、および
図9Cに示されるグラフは、プロセッサー(202)によって生成されたトリガーポイント(902/904/906)を表わしており、それらは呼吸サイクル(322)の吸気相(375)の開始に相関して位置している。
【0093】
ここで、被験体の運動によって生成された、データのバックグラウンド干渉を有して得られた、例示的なEDRトリガーのグラフである
図10を参照する。
図10に示されるように、呼吸サイクルとその相(つまり吸気と呼気)に関する情報を得るために使用される、ECG誘導呼吸(EDR)のアルゴリズムは、「ノイズ」干渉、および、処置期間の被験体の動きを克服し、トリガーポイント(1002)を生成するように構成される。いくつかの実施形態では、本明細書の他の箇所で詳細に説明されるが、電気装置(100)のプロセッサー(202)は、電気パルスを生成するために、
図10に示されるように、呼吸サイクルの吸気相の開始に相関して生成されたトリガーポイント(1002)において電極(102/104)を起動するように構成される。生成された呼吸サイクル(1022)とトリガーポイント(1002)は、
図10において、EDRデータが得られたECG測定(1020)に対応されて、示される。
【0094】
図11Aは、詳細に他のところに本明細書に説明されるようにPEセンサー(508)から得られたシグナルに基づいてプロセッサー(202)によって生成された呼吸サイクル(1122)のグラフである。
図11Bは、本明細書の他の箇所で詳細に説明されるようにPEセンサ(508)から得られ、かつローパス2Hzフィルタを通過したシグナルに基づいてプロセッサー(202)によって生成された、呼吸サイクル(1124)のグラフを表す。
【0095】
図12Aと
図12Bは、静止中に(12A)、および、ユーザの動作中に(12B)、本明細書の他の箇所で説明されるように圧電素子センサー(508)からの入力から得られたトリガー位置を表す。
図12Aは、静止における、呼吸サイクル(1222)に相関するトリガー(1202)のグラフを表わす。
図12Bは、PEセンサ(508)から得られたシグナルと、被験体の動作によって生成されたバックグランド干渉を伴うデータに基づいてプロセッサー(202)によって生成された、呼吸サイクル(1224)に相関する、トリガー(1204)のグラフを表わす。
図12Bに示されるように、装置(100)のプロセッサー(202)は、本明細書の他の箇所で説明されるように電気パルスを生成するためのPE素子から得られた呼吸サイクルの吸気相(グラフの上昇する区分)の開始に相関して、
図12Bに示されるように、生成されたトリガーポイント(1204)において、電極(102/104)を起動するように構成される。
【0096】
図13は、開示された発明特定事項のいくつかの実施形態による制御ボックスの簡略化された図解である。制御ボックス(108)は、CPU(プロセッサー)(202)、BLE(低エネルギーブルートゥース(Bluetooth Low Energy))(1082)、高電圧発生器(1083)、フルブリッジ・ユニット(1084)、圧電AMP (1085)、ECG AMP (1086)、および電極(102/104)を含む。
CPU(202)は、装置の制御のために構成される。いくつかの実施形態によると、CPU(202)は、アプリケーションと通信するBLE(1082)を介してデータとコマンドを送受信する。そのアプリケーションは、
図14A、
図14B、
図14C、
図14Dにおいて、より詳細に説明される。CPU(202)は、高電圧発生器(1083)も制御する。
高電圧発生器(1083)は、電極(102/104)に電流を印加するように構成される。高電圧発生器(1083)は、約120ボルトまで生成することができ、および、フルブリッジ・ユニット(1084)に接続される。
フルブリッジ・ユニット(1084)は、電流を電極(102/104)の間で、順に切り替えるように構成される。
フルブリッジ・ユニット(1084)は、CPU(1081)によって制御される。電極(1087)は、ECG増幅器(1086)にも接続される。および、ECGと呼吸をモニタリングするために、および刺激するために、人体上に置かれるように構成される。
ECG増幅器(1086)は、ECGシグナルを増幅し、およびフィルタリングし、および電極(102/104)の出力をCPU(1081)に伝達するように構成される。
圧電増幅器(1085)は、圧電によるノイズをフィルタリングし、および圧電シグナルを増幅するように構成される。
いくつかの実施形態によると、装置は、CPUに電気的に接続された1つ以上の加速度センサーを含み、および、体位と動作の情報を提供する(図示されず)。
【0097】
図14A、
図14B、
図14C、
図14D、および
図14Eは、開示された装置の、操作、制御、および生理学的パラメータの報告のためのアプリケーションの例示的なスクリーンショットを示す。いくつかの実施形態によると、装置はアプリケーションによって制御される場合がある。いくつかの実施形態によると、アプリケーションは、ユーザに、および/または装置に関連するデータを収集する。
【0098】
図14Aは、装置を制御するためのアプリケーションのスクリーンショット(1401)を例示する。ユーザは、スクリーン(1401)によって、タッチスクリーン・キーを介して刺激をオンおよびオフにすることができる。ユーザは、スクリーン(1401)によって、「+」「-」タッチスクリーン・キーを介して刺激の強度を変更することができる。そのアプリケーションは、また、スクリーンの下部領域でエラーメッセージを表示する場合がある(図示されず)。例えば、付け替え可能な電極が接続を絶たれるか、または乾燥しすぎている、または消耗しきった場合のメッセージである。そのアプリケーションは、クラウドにスクリーン(1401)に関する以下のデータを送信する場合がある:on/off操作の時刻、強度変更の情報、および、スクリーンに示されるすべての注意メッセージ。
【0099】
図14Bおよび
図14Cは、ユーザのデータの収集に関するスクリーン(1402)と(1403)を例示する。スクリーン(1402)は、ユーザの症状を表示している。ユーザは、スクリーン(1402)および(1403)によって、症状を編集することができる。いくつかの実施形態では各々の特定された症状は、重篤度とイベントの時刻(リアルタイム、または、朝に報告される夜のイベントなどの、事後イベント)を含む。特定された症状は、クラウドに送信されてもよい。
図14Dは、スクリーン(1404)が日ごとの活動の収集するための、およびクラウドに活動を送信するためのものであることを例示する。
図14Eは、2つの計数を表わすスクリーン(1405)を例示する:ECGに従って刺激を起動するためのトリガーの数と、圧電センサーに従って刺激を起動するためのトリガーの数。スクリーン(1405)は、また、装置が各々のモードで稼働中だった時間に関する情報を提供する。ソフトウェアアプリケーションは、また、心拍および呼吸数をモニタリングすること、およびクラウドにこの情報を送信することを可能にする場合がある。
【0100】
本出願の全体にわたり、本発明の様々な実施形態は、範囲の形式(range format)で提示されてもよい。範囲の形式における記載は単に利便性と簡潔さのためのものであり、本発明の範囲に対する確固たる制限として解釈されるべきでないことを、理解されたい。従って、範囲の記載は、すべての可能な部分範囲、同様にその範囲内の個々の数値を具体的に開示したものであると考慮されなければならない。例えば、1乃至6などの範囲の記載は、1乃至3、1乃至4、1乃至5、2乃至4、2乃至6、3乃至6といった、具体的に開示されたサブ範囲、同様に、例えば1、2、3、4、5、および6といった範囲内にある個々の数字を有するものとして考慮されなければならない。これは、範囲の広さにかかわらず適用される。数値域は、本明細書で示される場合は常に、示された範囲内にある任意の引用された数字(分数又は整数)を含むことを意味する。最初に示す数字と次に示す数字の「間の範囲に及ぶ/範囲」との句、および、最初に示す数字乃至次に示す数字「の範囲に及ぶ/範囲」は、本明細書で互換的に使用され、最初と次に示される数字、およびその間の全ての分数と整数を含むことを意味する。
【0101】
本出願の記載および請求項では、単語「含む(comprise)」、「含む(include)」、および「持っ(have)」、およびそれらの形(form)の各々は、必ずしもその単語が関連付けられ得るリスト中の要素に限定されない。加えて、本出願と参照によって組み込まれたいずれかの文書との間に矛盾がある場合、これによって、本出願が支配するものと意図される。本発明の様々な実施形態の記載は、例示目的のためにされてきたが、余すところがないものとも、開示される実施形態に限定するものとも、意図されてはいない。多くの修正および変形が、記載される実施形態の範囲および精神から逸脱することなく、当業者に明白になる。本明細書で使用される用語は、実施形態の原理、市場において見出される技術にわたる実用化又は技術的な改善を最良に説明するために、或いは、本明細書に開示された実施形態を当業者が理解するのを可能にするために、選択された。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非侵襲的装置であって、該非侵襲的装置は、
複数の電極と、
前記電極に電気的に接続されたプロセッサーと、
ECGシグナルを受信するように構成された、前記電極と接続状態にあるECG増幅器と、を含み、
ここで、前記電極の少なくとも2つが、前記プロセッサーが前記電極から前記ECGシグナルを受信するように構成された、操作のECGモードと、前記プロセッサーが、前記電極を介して、腹筋を刺激するための電気パルスを生成するように構成されたEPGモードとに切り替え可能であり、
ここで、前記ECGモードの間に受信された前記ECGシグナルが被験体の呼吸サイクルの相を導き出すために使用され、かつ前記電気パルスが前記呼吸サイクルの相と同期するように、前記プロセッサーが、前記ECGモードと、前記EPGモードとに切り替えるようにさらに構成された、非侵襲的装置。
【請求項2】
前記非侵襲的装置は、消化症状を前記刺激によって処置するようにさらに構成され、ここで、前記消化症状は、胃食道逆流症、肥満症、および便秘からなる群から選択された一症状である、請求項1に記載の非侵襲的装置。
【請求項3】
前記電極は、前記被験体の腰回りの高さで腹筋上に配置されるように構成される、請求項1に記載の非侵襲的装置。
【請求項4】
前記電極に接続可能なECG回路をさらに含み、ここで、操作の前記EPGモードへの切り替えは、前記ECG回路を前記電極から接続解除することを含み、およびここで、前記ECGモードへの切り替えは、前記ECG回路を前記電極に再接続することを含む、請求項1に記載の非侵襲的装置。
【請求項5】
前記電気パルスの前記呼吸サイクルの相との同期は、前記呼吸サイクルに関連する腹圧が吸息中に正であるときに行われる、請求項1に記載の非侵襲的装置。
【請求項6】
前記プロセッサーは、前記電極の少なくとも2つを、前記電極が被験体の身体シグナルを受信する、操作のECGモードと、前記電極が、腹筋を刺激するための電気パルスのバーストを生成するEPGモードとに切り替えるように構成され、ここで、前記ECGモードから前記EPGモードへの切り替えは、前記電極から受信されたECGシグナルから吸気相を検知した結果であり、
ここで、前記プロセッサーは、前記EPGモードから前記ECGモードに切り替えるようにさらに構成され、前記EPGモードから前記ECGモードへの切り替えは、前記吸気相の検知のために利用されるEDR(Electrocardiogram Derived Respiration)分析の正確で連続的なECGデータベースを取得するために前記パルスのバーストの間にある、請求項1に記載の非侵襲的装置。
【請求項7】
前記プロセッサーは、前記電極の少なくとも2つを、前記電極が被験体の身体シグナルを受信する、操作のECGモードと、前記電極が、腹筋を刺激するための電気パルスのバーストを生成するEPGモードとに切り替えるように構成され、ここで、前記ECGモードから前記EPGモードへの切り替えは、前記電極から受信されたECGシグナルから吸気相を検知した結果であり、ここで、前記プロセッサーは、前記EPGモードから前記ECGモードに切り替えるようにさらに構成され、前記EPGモードから前記ECGモードへの切り替えは、前記吸気相の検知のために利用されるEDR(Electrocardiogram Derived Respiration)分析の正確なECGデータベースを取得するために前記バーストのパルスの間にある、請求項1に記載の非侵襲的装置。
【請求項8】
非侵襲的装置であって、該非侵襲的装置は、
ECGセンサーであって、前記ECGセンサーは、被験体の腹部領域の位置にあるように構成された複数の電極を含み、ここで、前記電極は、前記被験体のECGシグナルをモニタリングするように、かつ前記腹部領域の筋肉上に刺激を加えるように構成された、ECGセンサーと、
前記腹部領域の腰回りと電極の互いの空間的位置、および配向の変動に応じてシグナルを生成するように構成された圧電センサーと、
前記電極に電気的に接続されたプロセッサーと、を含み、
ここで、前記プロセッサーは、前記ECGセンサー、および前記圧電センサーから呼吸相を導き出すように、かつ次の一連の刺激パルスの時点を決定するために最適な実施モードを選択するように構成された、非侵襲的装置。
【請求項9】
前記非侵襲的装置はバンドをさらに含み、ここで、前記バンドは、前記圧電センサーと複数の前記電極の少なくとも1つの電極基部とを相互接続させ、前記呼吸相を検出するように、吸気中または呼気中に腹部の運動を前記圧電センサーと少なくとも1つの前記電極基部の間に伝達するように構成された、請求項8に記載の非侵襲的装置。
【請求項10】
非侵襲的装置であって、該非侵襲的装置は、
複数の電極と、
前記電極に電気的に接続され、腹筋を刺激するための電気パルスを生成するように構成されたプロセッサーと、
1つ以上の加速度計またはジャイロユニットと、を含み、ここで、1つ以上の前記加速度計または前記ジャイロユニットは、身体位置および身体活動に応じて刺激強度を調節するように構成された、非侵襲的装置。
【外国語明細書】