(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116208
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】調節可能な足踏みペダルを備えたフットコントローラ
(51)【国際特許分類】
G05G 1/30 20080401AFI20240820BHJP
G05G 1/38 20080401ALI20240820BHJP
G05G 5/03 20080401ALI20240820BHJP
A61B 17/00 20060101ALI20240820BHJP
A61F 9/007 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
G05G1/30 Z
G05G1/38
G05G5/03 A
A61B17/00
A61F9/007
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024089910
(22)【出願日】2024-06-03
(62)【分割の表示】P 2021513997の分割
【原出願日】2019-09-18
(31)【優先権主張番号】62/732,705
(32)【優先日】2018-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー シー.ジャウィドジク
(57)【要約】
【課題】調節可能な足踏みペダルを備えたフットコントローラを提供する。
【解決手段】本技術の開示された実施形態は、固定された踏板に摺動可能に結合された調節可能な踏面部材とラッチアセンブリとを備えて、調節可能な踏面部材を踏板に対して固定された位置に調節する、調節可能な足踏みアセンブリを備えたフットコントローラに関する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と、
足踏みアセンブリであって、
踏板であって、前記踏板の近位端において前記基部と回転可能に結合され、且つ前記踏板の遠位端において前記基部に対して可変な角度位置を有し、前記踏板が、
前記踏板の前記近位端から前記踏板の前記遠位端の方向に延びる、前記踏板の表面にある少なくとも1つのチャネルと、
前記少なくとも1つのチャネルにある少なくとも1つのレールと、
前記少なくとも1つのレールに摺動可能に結合された少なくとも1つのシャトルと、
前記踏板の底面にあり、且つ前記踏板の前記遠位端に実質的に隣接する複数のノッチと
を更に備える、踏板と、
前記少なくとも1つのシャトルを介して前記踏板に結合された調節可能な踏面部材と、
前記調節可能な踏面部材の遠位端の近くに配置されたレバー遠位端と、前記踏板の下を前記踏板の近位端に向かう方向に延びるレバー近位端とを備えたレバーを備えるラッチアセンブリであって、前記レバー近位端が、前記踏板の底面にある前記複数のノッチのうちの少なくとも1つと選択的に係合し、それにより前記少なくとも1つのレール上で前記少なくとも1つのシャトルを摺動させ、それにより前記調節可能な踏面部材を前記踏板に対して調節する、少なくとも1つの突起を備える、ラッチアセンブリと
を備える、足踏みアセンブリと
を備え、
前記ラッチアセンブリが、前記少なくとも1つの突起を前記踏板の底面にある前記複数のノッチのうちの少なくとも1つと選択的に係合させる支点として作用するラッチ軸ピンを更に備え、
前記調節可能な踏面部材が、前記調節可能な踏面部材の近位端にあるヒールカップから前記調節可能な踏面部材の前記遠位端まで実質的に平面であり、
前記調節可能な踏面部材が、前記ラッチアセンブリを遮蔽するために前記調節可能な踏面部材の前記遠位端において下向きに更に延び、且つ開口部で終わる、フットコントローラ。
【請求項2】
前記踏板が、前記踏板の前記近位端から前記踏板の前記遠位端の方向に延びる、前記踏板の前記表面にある2つのチャネルを更に備え、前記2つのチャネルのそれぞれが1つのレールを備える、請求項1に記載のフットコントローラ。
【請求項3】
前記踏板が、前記2つのチャネルにある前記レールのそれぞれに摺動可能に結合された2つのシャトルを更に備える、請求項2に記載のフットコントローラ。
【請求項4】
前記ラッチ軸ピンが前記レバー遠位端と前記レバー近位端とを分離する、請求項1に記載のフットコントローラ。
【請求項5】
前記ラッチアセンブリが、
前記レバーと前記調節可能な踏面部材との間において前記レバー遠位端に実質的に隣接して配置されたラッチスプリングであって、前記ラッチスプリングが、前記支点を中心とした前記レバーの動きに対する抵抗と、前記レバーに対して戻る力とを与える、ラッチスプリング
を更に備える、請求項4に記載のフットコントローラ。
【請求項6】
前記調節可能な踏面部材の近位端にあるヒールカップを更に備える、請求項1に記載のフットコントローラ。
【請求項7】
前記ラッチアセンブリが、
前記レバーの前記遠位端に配置され、且つ前記開口部に実質的に配置されるように下向きに延びるラッチボタン
を更に備える、請求項1に記載のフットコントローラ。
【請求項8】
前記調節可能な踏面部材が、オペレータの足に対応するように概ねサイズ決めされた略平坦な表面を備える、請求項1に記載のフットコントローラ。
【請求項9】
前記基部に対する前記足踏みアセンブリの前記角度位置を判定し、前記角度位置を前記足踏みアセンブリの前記角度位置を表す第1の信号に変換するように構成されたコントロールアセンブリ
を更に備える、請求項1に記載のフットコントローラ。
【請求項10】
前記レバーが、前記踏板の前記底面にある前記複数のノッチのうちの1つと選択的に係合する複数の突起を備える、請求項1に記載のフットコントローラ。
【請求項11】
前記フットコントローラが、手術用コンソールと通信可能に結合され、ペダル表面の前記角度位置を表す第1の信号が、前記手術用コンソールと結合された手術用ツールを制御するために使用される、請求項1に記載のフットコントローラ。
【請求項12】
前記基部と前記足踏みアセンブリとに結合されたスプリングアセンブリであって、前記スプリングアセンブリが、前記足踏みアセンブリを前記基部に対してデフォルトの角度位置に配置するように構成され、且つ前記足踏みアセンブリの下向きの回転での押し下げによって前記足踏みアセンブリにトルクを加えることにより縮むように構成される、スプリングアセンブリ
を更に備える、請求項1に記載のフットコントローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、フットコントローラに関し、より詳細には、調節可能な足踏みペダルを備えたフットコントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
眼科手術を行うときに使用される手術用機器などの患者治療装置又は手術システムは、空気圧及び電子駆動式サブシステム、治療用レーザなどの様々なサブシステムの制御を必要とし得る。
【0003】
サブシステムの動作は、マイクロプロセッサ駆動式コンソールによって制御され得る。手術用コンソール内のマイクロプロセッサ制御部は、手術システムのオペレータ又はアシスタントのいずれかから機械的入力を受け取って、患者治療装置内のサブシステムの動作を律する。制御入力デバイスとしては、コンソール上のスイッチ、リモートハンドスイッチ、リモートフットコントローラ、及び他の制御入力デバイスが挙げられる。
【0004】
一部の手術では足踏みペダル駆動式フットコントローラが有用であり、足踏みペダル駆動式フットコントローラによって、自動車のペダルによって速度を調整するように、オペレータが可変制御入力、例えば硝子体手術用プローブの切断速度を調整できる。これらの足踏みペダル駆動式フットコントローラでは、機械的入力はオペレータの足の動きからもたらされ、オペレータの足の動きが電気信号に変換され、電気信号がマイクロプロセッサ制御部に供給され得る。
【0005】
フットコントローラは、通常、固定されたサイズを有し、場合により、オペレータの足を支えるヒールカップを備え得る。しかしながら、足が小さいオペレータは、可変制御入力を駆動するための足踏みペダルに届きにくい場合がある。また、ヒールカップの位置が1つであることにより、一部のユーザにとっては、ボタンに対する知覚される又は実際の足の配置が最適ではなくなる場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術の開示される実施形態は、調節可能な足踏みアセンブリを備えたフットコントローラに関する。調節可能な足踏みアセンブリは、踏板と、調節可能な踏面部材と、ラッチアセンブリとを備え得る。
【0007】
フットコントローラは、足踏みアセンブリの角度位置を判定し、角度位置を、足踏みアセンブリの角度位置を表す第1の信号に変換するコントロールアセンブリを備え得る。フットコントローラは手術用コンソールと通信可能に結合され、ペダル表面の角度位置を表す第1の信号が、手術用コンソールと結合された手術用ツールを制御するために使用される。
【0008】
踏板は、フットコントローラの基部と回転可能に結合され得、基部に対して可変角度位置を有し得る。踏板は、踏板の表面にある少なくとも1つのチャネルと、チャネルにある少なくとも1つのレールと、少なくとも1つのレールに摺動可能に結合された少なくとも1つのシャトルとを有し得る。場合によっては、踏板は踏板の表面にある2つのチャネルを有し、2つのチャネルのそれぞれが1つのレールを備える。踏板はまた、2つのチャネルにあるレールのそれぞれに摺動可能に結合された2つのシャトルを更に有し得る。調節可能な踏面部材は、ヒールカップを有し得、且つ少なくとも1つのシャトルを介して踏板に結合され得、これにより、調節可能な踏面部材がレールに沿って移動して、フットコントローラの遠位端に対してヒールカップを調節できる。
【0009】
フットコントローラはまた、踏板の下に延びるレバーを備えるラッチアセンブリを備え得る。踏板は、踏板の遠位端の付近の底面にある複数のノッチを更に備え得る。レバーは、踏板の底面にある複数のノッチのうちの少なくとも1つと選択的に係合して調節可能な踏面部材を踏板に対して固定された位置に調節する、少なくとも1つの突起を有し得る。場合によっては、レバーは、踏板の底面にある複数のノッチのうちの1つと選択的に係合する複数の突起を備える。
【0010】
ラッチアセンブリはまた、少なくとも1つの突起を踏板の底面にある複数のノッチのうちの少なくとも1つと選択的に係合させる支点として作用するラッチ軸ピンを備え得る。加えて、ラッチアセンブリは、支点を中心としたレバーの動きに対する抵抗と、レバーに対して戻る力とを与えるラッチスプリングを備え得る。場合によっては、調節可能な踏面部材は、ラッチアセンブリを遮蔽するために遠位端において下向きに更に延び、ラッチアセンブリは遮蔽された領域の開口部に配置されたラッチボタンを備え得る。
【0011】
本技術、本技術の特徴、及び本技術の利点をより詳細に理解するために、添付の図面と併せて、以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本技術の一部の実施形態による、調節可能な足踏みペダルを備えたフットコントローラを示す。
【
図2A】
図2Aは、フットコントローラの足踏みアセンブリの層別の図を示す。
【
図2B】
図2Bは、フットコントローラの足踏みアセンブリの層別の図を示す。
【
図3】
図3は、本技術の一部の実施形態による、踏板と、調節可能な踏面部材と、ラッチとを有する足踏みアセンブリを備えたフットコントローラの切り欠き図を示す。
【
図4】
図4は、調節可能な足踏みペダルを備えたフットコントローラで使用されるラッチングアセンブリの側面図を示す。
【
図5A】
図5Aは、本技術の一部の実施形態による、踏板と調節可能に結合された調節可能な踏面部材とラッチングアセンブリとを備えたフットコントローラの側面図を示す。
【
図5B】
図5Bは、本技術の一部の実施形態による、踏板と調節可能に結合された調節可能な踏面部材とラッチングアセンブリとを備えたフットコントローラの側面図を示す。
【
図6】
図6は、踏板に対して固定された位置に調節された調節可能な踏面部材を備えたフットコントローラの側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、基部102と、フレーム104と、足踏みペダル108とを備えたフットコントローラ100を示している。場合によっては、足踏みペダル108は、足踏みペダル108の近位端にあるヒールカップ106を備える。足踏みペダル108は、基部102に対してデフォルトの角度位置に向けられ得、基部102に向かって回転で押し下げられ得る足で制御されるアセンブリである。フットコントローラ100はまた、基部に対する足踏みペダル108の角度位置を判定し、角度位置を信号に変換することができるコントロールアセンブリ(図示せず)を備え得る。フットコントローラ100はコンソールと通信可能に結合され得、信号は、コンソール、コンソールアクセサリ、及び/又はコンソールと併せて使用される別のモジュールを制御するために使用され得る。例えば、フットコントローラ100は眼科手術用コンソールと結合され得、コントロールアセンブリからの信号は、例えば、硝子体手術用プローブ、水晶体超音波乳化吸引術用ハンドピース、ディスプレイ設定などの眼科手術用ツールを制御するために使用され得る。フットコントローラ100はまた、フレーム104の遠位端にある1つ又は複数のボタン146、148を備え得る。ボタン146、148は、押されると、コンソール、コンソールアクセサリ、及び/又はコンソールと併せて使用される別のモジュールの別の制御態様のための更なる信号を生成し得る。
【0014】
場合によっては、コントロールアセンブリは、位置センサ(図示せず)を備える。位置センサは、足踏みペダル108に直接、又は歯車などの中間的機械的結合を介して回転結合され得る。歯車が使用される場合、周知のように、それぞれの歯車の歯数の比に応じて、回転運動を機械的に増幅又は減衰させることが可能である。位置センサは、多くの可能な周知の機構、例えば光学式エンコーダの使用又はポテンショメータの使用を介して働き得る。
【0015】
上で説明したように、当技術分野では、オペレータの様々な足のサイズにより良く対応するように調節され得るフットコントローラが必要とされている。したがって、フットコントローラ100の足踏みペダル108は、このような調節を可能にする複数部品を有する足踏みアセンブリであり得る。
【0016】
図2A及び
図2Bは、本技術の一部の実施形態による、基部202と、フレーム204とを備えたフットコントローラ200の足踏みアセンブリであって、足踏みアセンブリが、踏板210と、調節可能な踏面部材250と、ラッチ260とを有する、足踏みアセンブリの層別の図を示している。
図2Aは、踏板210を露出させているフットコントローラ200の層別の図を示している。踏板210は、踏板210の近位端216に又はその付近においてフットコントローラの基部202と回転可能に結合され得る。踏板210は、踏板210の近位端216から踏板210の遠位端218の方向に延びる、踏板210の表面にある1つ又は複数のチャネル220、222を備え得る。チャネル220、222は、1つ又は複数のシャトル228、230、232、234が上に摺動可能に結合される1つ又は複数のレール224、226を収容し得る。
図2Aにはまた、ラッチングマウント242を介して踏板210に取り付けられたラッチ260も示されている。ラッチ260を備えるラッチングアセンブリについては、詳しく後述する。
【0017】
図2Bは、シャトル228、230、232、234及びラッチングマウント242を介して踏板210に結合された調節可能な踏面部材250を重ねた、踏板210を備えたフットコントローラ200の層別の図を示している。レール224、226とのシャトル228、230、232、234の摺動可能な結合により、調節可能な踏面部材250は踏板210に対して調節可能に摺動され得る。
【0018】
フットコントローラ200はまた、フレーム204の遠位端にあるボタン246、248を備え得る。加えて、調節可能な踏面部材250は、調節可能な踏面部材250の近位端にあるヒールカップ252を備える。オペレータがヒールカップ252に足を載せると、ヒールカップ252の位置が、ボタン246、248に対するオペレータの足の配置に影響を与える。したがって、オペレータの足のサイズが異なるため、調節可能な踏面部材250を調節することにより、より多様なオペレータに対応できる。
【0019】
調節可能な踏面部材250は「面」として表されているが、調節可能な踏面部材250が必ずしも最上面である必要はないことと、フットコントローラ200の有用性を維持しながら、他の材料、フィルム、塗料などが調節可能な踏面部材250に塗布、堆積、結合などされてもよいこととが本開示の恩恵を受ける当業者には容易に理解されよう。
【0020】
図3は、本技術の一部の実施形態による、基部302と、フレーム304とを備えたフットコントローラ300であって、足踏みアセンブリが、踏板310と、調節可能な踏面部材350と、ラッチ360とを有する、フットコントローラ300の切り欠き図を示している。図示のように、シャトル328、330は、踏板310の表面にあるチャネル(符号なし)にあるレール324に摺動可能に結合される。シャトル328、330はまた、調節可能な踏面部材350に結合され、調節可能な踏面部材350は踏板210に対して調節可能に摺動され得る。
【0021】
場合によっては、フットコントローラ300はまた、基部302と足踏みアセンブリとに結合されたスプリングアセンブリ(図示せず)を備える。スプリングアセンブリは、足踏みアセンブリを基部302に対してデフォルトの角度位置に配置し得、足踏みアセンブリの下向きの回転での押し下げによって足踏みアセンブリにトルクを加えることにより縮むように構成され得る。
【0022】
図4は、本技術の一部の実施形態による、踏板410と調節可能な踏面部材450とを有する足踏みアセンブリを備えたフットコントローラ400において使用されるラッチングアセンブリ470の側面図を示している。
【0023】
ラッチングアセンブリ470は、調節可能な踏面部材450の遠位端の近くに配置されたレバー遠位端464と、踏板410の下を踏板410の近位端に向かう方向に延びるレバー近位端466とを備えたレバー462を備える。ラッチングアセンブリ470はまた、調節可能な踏面部材450に結合されたラッチ軸ピン468を備える。レバー462はラッチ軸ピン468と回転結合され、ラッチ軸ピン468はレバー462の支点として作用し得る。
【0024】
踏板410は、踏板410の底面にあり、且つ踏板410の遠位端に実質的に隣接する複数のノッチ412を備える。加えて、レバー462は、レバー近位端466又はその付近に突起472を備える。ラッチ軸ピン468を中心としたレバー462の作動によって踏板410の底面にある第1のノッチ412から突起472が係脱されることにより、調節可能な踏面部材450が、例えばシャトル(図示せず)上でレール(図示せず)に沿って摺動することができる。突起472は、踏板410の底面にある第1のノッチ412又は他方のノッチ412と選択的に係合して、調節可能な踏面部材450を踏板に対して調節し得る。場合によっては、レバー462は、複数のノッチ412と選択的に係合する複数の突起を備える。
【0025】
一部の他の実施形態では、踏板410と調節可能な踏面部材450との係合は、摩擦によって実現される。
【0026】
ラッチングアセンブリ470はまた、レバー462と調節可能な踏面部材450の間においてレバー遠位端464の近くに配置されたラッチスプリング474を備え得る。ラッチスプリング474は、ラッチ軸ピン468支点を中心としたレバー462の動きに対する抵抗を与える。ラッチスプリング474はまた、作動力を取り除いた後、レバー462に対して戻る力を与える。他の一部の場合では、ラッチスプリングはねじりばねであり得る。
【0027】
場合によっては、調節可能な踏面部材450は、ラッチアセンブリ470を遮蔽するために調節可能な踏面部材450の遠位端において下向きに更に延び、且つ開口部452で終わり得る。ラッチアセンブリ470はまた、レバー遠位端464に配置され、開口部452に実質的に配置されるように下向きに延びるラッチボタン476を備え得る。ラッチボタン476は、レバー462に対して作動力を与えるために使用され得る。
【0028】
特定のラッチングアセンブリ470が本明細書で明示的に説明されているが、フットコントローラ400の有用性を維持しながら他のラッチングアセンブリを使用することもできることを本開示の恩恵を受ける当業者には容易に理解されよう。例えば、ラッチ機能は、直線的なばね式プランジャピンを用いて実現することもでき、ラッチは、動きを縦方向から垂直などに変換する中間リンケージ(回転又は摺動)に直角に向けることもできる。
【0029】
図5A及び
図5Bは、本技術の一部の実施形態による、踏板510及びラッチングアセンブリ570と調節可能に結合された調節可能な踏面部材550を備えたフットコントローラ500の側面図を示している。
【0030】
図5Aに示されるように、調節可能な踏面部材550の開口部552に配置されたラッチボタン576が、ラッチ軸ピン568を中心としてレバー562を回転させるように作動されている。回転の結果、レバー562の近位端にある突起572は第1のノッチ512aから係脱され、調節可能な踏面部材550は、踏板510にあるレール(図示せず)上をシャトル(図示せず)を介して踏板510上を自由に摺動する。
【0031】
図5Bに示されるように、調節可能な踏面部材550は、フットコントローラ500の遠位端に向かって摺動しており、レバー562の近位端にある突起572が第2のノッチ512bの下に位置している。ラッチボタン576にかかる作動力を除去した後、ラッチスプリング574は、レバー562の近位端に対して戻る力を与えて、突起572を第2のノッチ512bと係合させ、調節可能な踏面部材550を所定の位置に固定する。
【0032】
図6は、ラッチングアセンブリ670が調節可能な踏面部材650を所定の位置に固定している状態で、踏板610の遠位位置に調節された調節可能な踏面部材650を備えたフットコントローラ600の側面図を示している。
【0033】
図7Aは、従来のシステムバスコンピューティングシステムアーキテクチャ700を示しており、システムのコンポーネントがバス705を用いて互いに電気的に通信している。例示的なシステム700は、処理ユニット(CPU又はプロセッサ)710と、読み取り専用メモリ(ROM)720及びランダムアクセスメモリ(RAM)725などのシステムメモリ715を含む様々なシステムコンポーネントをプロセッサ710に結合するシステムバス705とを備える。システム700は、プロセッサ710に直接接続されているか、近接しているか、又はその一部として統合されている高速メモリのキャッシュを備え得る。システム700は、プロセッサ710が迅速にアクセスするために、メモリ715及び/又はストレージデバイス730からのデータをキャッシュ712にコピーし得る。このようにして、キャッシュは、データを待機している間のプロセッサ710の遅延を回避する性能の向上を提供し得る。これらのモジュール及び他のモジュールは、様々なアクションを実行するためにプロセッサ710を制御し得る、又は制御するように構成され得る。他のシステムメモリ715も同様に使用可能であり得る。メモリ715は、異なる性能特性を有する複数の異なるタイプのメモリを含み得る。プロセッサ710は、任意の汎用プロセッサと、プロセッサ710を制御するように構成された、ストレージデバイス730に格納されたモジュール1 732、モジュール2 734、及びモジュール3 736などのハードウェアモジュール又はソフトウェアモジュールと、ソフトウェア命令が実際のプロセッサ設計に組み込まれる専用プロセッサとを含み得る。プロセッサ710は、複数のコア又はプロセッサ、バス、メモリコントローラ、キャッシュなどを備える、本質的に完全に自己完結型のコンピューティングシステムであってもよい。マルチコアプロセッサは対称あっても非対称であってもよい。
【0034】
コンピューティングデバイス700とのユーザ対話を可能にするために、入力デバイス745は、音声用のマイクロフォン、ジェスチャ又はグラフィック入力用のタッチ感知式画面、キーボード、マウス、モーション入力、音声などの任意の数の入力機構を表し得る。出力ディスプレイ735はまた、当業者に既知であるいくつかの出力機構のうちの1つ又は複数であり得る。場合によっては、マルチモーダルシステムによって、ユーザがコンピューティングデバイス700と通信するために複数のタイプの入力を提供することが可能になり得る。通信インターフェース740は、一般に、ユーザ入力及びシステム出力を律したり管理したりし得る。特定のハードウェア構成での動作に制限はないため、ここでの基本機能は、開発時に改善されたハードウェア又はファームウェア構成に容易に置き換えられ得る。
【0035】
ストレージデバイス730は、不揮発性メモリであり、ハードディスク、又は磁気カセット、フラッシュメモリカード、ソリッドステートメモリデバイス、デジタル多用途ディスク、カートリッジ、ランダムアクセスメモリ(RAM)725、読み取り専用メモリ(ROM)720、及びそれらのハイブリッドなど、コンピュータがアクセスできるデータを格納し得る他のタイプのコンピュータ可読媒体であり得る。
【0036】
ストレージデバイス730は、プロセッサ710を制御するためのソフトウェアモジュール732、734、736を含み得る。他のハードウェア又はソフトウェアモジュールも企図されている。ストレージデバイス730はシステムバス705に接続され得る。一態様では、特定の機能を実行するハードウェアモジュールは、その機能を実行するために、プロセッサ710、バス705、ディスプレイ735などの必要なハードウェアコンポーネントと併せて、コンピュータ可読媒体に格納されたソフトウェアコンポーネントを含み得る。
【0037】
図7Bは、説明された方法を実行し、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)を生成及び表示する際に使用され得るチップセットアーキテクチャを有するコンピュータシステム750を示している。コンピュータシステム750は、開示された技術を実施するために使用され得るコンピュータハードウェア、ソフトウェア、及びファームウェアの一例である。システム750は、特定された計算を実行するように構成されたソフトウェア、ファームウェア、及びハードウェアを実行できる任意の数の物理的及び/又は論理的に異なるリソースを表すプロセッサ755を備え得る。プロセッサ755は、プロセッサ755への入力及びプロセッサ755からの出力を制御し得るチップセット760と通信し得る。この例では、チップセット760は、ディスプレイなどの出力765に情報を出力し、例えば磁気媒体及びソリッドステート媒体を含み得るストレージデバイス770に対して情報を読み書きし得る。チップセット760はまた、RAM775に対してデータを読み書きし得る。チップセット760とインターフェースするために、様々なユーザインターフェースコンポーネント785とインターフェースするためのブリッジ780が設けられ得る。そのようなユーザインターフェースコンポーネント785としては、キーボード、マイクロフォン、タッチ検出及び処理回路、マウスなどのポインティングデバイスなどが挙げられる。一般に、システム750への入力は、機械生成及び/又は人間生成の様々なソースのいずれかからもたらされ得る。
【0038】
チップセット760はまた、異なる物理的インターフェースを有し得る1つ又は複数の通信インターフェース790とインターフェースし得る。そのような通信インターフェースとしては、有線及び無線ローカルエリアネットワーク、ブロードバンドワイヤレスネットワーク、及びパーソナルエリアネットワークのためのインターフェースが挙げられる。本明細書に開示されるGUIを生成、表示、及び使用するための方法の一部の用途は、物理的インターフェースを介して順序付けられたデータセットを受信すること、又はプロセッサ755がストレージ770若しくは775に格納されたデータを分析することによって機械自体によって生成されることを含み得る。更に、本機械は、ユーザインターフェースコンポーネント785を介してユーザからの入力を受け取り、プロセッサ755を用いてこれらの入力を解釈することにより、閲覧機能などの適切な機能を実行し得る。
【0039】
例示的なシステム700及び750は、2つ以上のプロセッサ710を有し得る、又はより大きな処理能力を提供するために一緒にネットワーク化されたコンピューティングデバイスのグループ又はクラスターの一部であり得ることが理解されよう。
【0040】
説明を明確にするために、場合によっては、本技術は、デバイス、デバイスコンポーネント、ソフトウェアで具現化された方法におけるステップ又はルーチン、又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせを含む機能ブロックを含む個々の機能ブロックを含むものとして提示され得る。
【0041】
一部の実施形態では、コンピュータ可読ストレージデバイス、媒体、及びメモリは、ケーブル又はビットストリームなどを含む無線信号を含み得る。しかしながら、言及される場合、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、エネルギー、搬送波信号、電磁波、及び信号自体などの媒体を明示的に除外する。
【0042】
上記の例による方法は、コンピュータ可読媒体に格納されるか又はコンピュータ可読媒体から何らかの仕方で利用可能であるコンピュータ実行可能命令を用いて実施され得る。このような命令は、例えば、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は専用処理デバイスに特定の機能又は機能群を実施又は構成させる命令及びデータを含み得る。使用されるコンピュータリソースの一部は、ネットワークを介してアクセスできる。コンピュータ実行可能命令は、例えば、バイナリ、アセンブリ言語、ファームウェア、又はソースコードなどの中間フォーマット命令であり得る。説明された例による方法中に、命令、使用される情報、及び/又は作成された情報を格納するために使用され得るコンピュータ可読媒体の例としては、磁気又は光ディスク、フラッシュメモリ、不揮発性メモリを備えたUSBデバイス、ネットワーク化されたストレージデバイスなどが挙げられる。
【0043】
これらの開示による方法を実装するデバイスは、ハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを含むことができ、様々なフォームファクタのいずれかを取ることができる。このようなフォームファクタの典型的な例としては、ラップトップ、スマートフォン、スモールフォームファクタのパーソナルコンピュータ、携帯情報端末などが挙げられる。本明細書で説明される機能はまた、周辺機器又はアドインカードで具現化され得る。このような機能はまた、更なる例として、単一のデバイスで実行される異なるチップ又は異なるプロセスの中で回路基板上に実装され得る。
【0044】
命令、そのような命令を伝達するための媒体、それらを実行するためのコンピューティングリソース、及びそのようなコンピューティングリソースをサポートするための他の構造は、これらの開示で説明された機能を提供するための手段である。
【0045】
上記の開示された発明の主題は、例示的と見なされるべきであり、限定的と見なされるべきではなく、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の趣旨及び範囲内にあるそのようなすべての修正、強化、及び他の実施形態を包含することが意図されている。したがって、法律で認められる最大限の範囲で、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物の最も広い許容可能な解釈によって決定され、上述の詳細な説明によって制限又は限定されないものとする。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と、
足踏みアセンブリであって、
踏板であって、前記踏板の近位端において前記基部と回転可能に結合され、且つ前記踏板の遠位端において前記基部に対して可変な角度位置を有し、前記踏板が、
前記踏板の表面にある少なくとも1つのチャネルと、
前記少なくとも1つのチャネルにある少なくとも1つのレールと、
前記少なくとも1つのレールに摺動可能に結合された少なくとも1つのシャトルと、
前記踏板の底面にあり、且つ前記踏板の前記遠位端に実質的に隣接する複数のノッチと
を更に備える、踏板と、
前記少なくとも1つのシャトルを介して前記踏板に結合された調節可能な踏面部材と、
前記調節可能な踏面部材の遠位端の近くに配置されたレバー遠位端と、前記踏板の下を前記踏板の近位端に向かう方向に延びるレバー近位端とを備えたレバーを備えるラッチアセンブリと、
前記調節可能な踏面部材の近位端にあるヒールカップと、を備え、
前記レバー近位端が、前記踏板の底面にある前記複数のノッチのうちの少なくとも1つと選択的に係合し、それにより前記少なくとも1つのレール上で前記少なくとも1つのシャトルを摺動させ、それにより前記調節可能な踏面部材を前記踏板に対して調節する、少なくとも1つの突起を備える、
足踏みアセンブリと
を備え、
前記ラッチアセンブリが、前記少なくとも1つの突起を前記踏板の底面にある前記複数のノッチのうちの少なくとも1つと選択的に係合させる支点として作用し、前記レバー遠位端と前記レバー近位端とを分離する、ラッチ軸ピンと、
前記レバーと前記調節可能な踏面部材との間において前記レバー遠位端に実質的に隣接して配置されたラッチスプリングであって、前記ラッチスプリングが、前記支点を中心とした前記レバーの動きに対する抵抗と、前記レバーに対して戻る力とを与える、ラッチスプリングと、を更に備え、
前記調節可能な踏面部材が、前記調節可能な踏面部材の近位端にある前記ヒールカップから前記調節可能な踏面部材の前記遠位端まで実質的に平面であり、
前記基部と前記足踏みアセンブリとに結合されたスプリングアセンブリであって、前記スプリングアセンブリが、前記足踏みアセンブリを前記基部に対してデフォルトの角度位置に配置するように構成され、且つ前記足踏みアセンブリの下向きの回転での押し下げによって前記足踏みアセンブリにトルクを加えることにより縮むように構成される、スプリングアセンブリを更に備える、
フットコントローラ。
【請求項2】
前記踏板が、前記踏板の前記近位端から前記踏板の前記遠位端の方向に延びる、前記踏板の前記表面にある2つのチャネルを更に備え、前記2つのチャネルのそれぞれが1つのレールを備える、請求項1に記載のフットコントローラ。
【請求項3】
前記踏板が、前記2つのチャネルにある前記レールのそれぞれに摺動可能に結合された2つのシャトルを更に備える、請求項2に記載のフットコントローラ。
【請求項4】
前記ラッチアセンブリが、
前記レバーの前記遠位端に配置され、且つ開口部に実質的に配置されるように下向きに延びるラッチボタン
を更に備える、請求項1に記載のフットコントローラ。
【請求項5】
前記調節可能な踏面部材が、オペレータの足に対応するように概ねサイズ決めされた略平坦な表面を備える、請求項1に記載のフットコントローラ。
【請求項6】
前記基部に対する前記足踏みアセンブリの前記角度位置を判定し、前記角度位置を前記足踏みアセンブリの前記角度位置を表す第1の信号に変換するように構成されたコントロールアセンブリ
を更に備える、請求項1に記載のフットコントローラ。
【請求項7】
前記レバーが、前記踏板の前記底面にある前記複数のノッチのうちの1つと選択的に係合する複数の突起を備える、請求項1に記載のフットコントローラ。
【請求項8】
前記フットコントローラが、手術用コンソールと通信可能に結合され、ペダル表面の前記角度位置を表す第1の信号が、前記手術用コンソールと結合された手術用ツールを制御するために使用される、請求項1に記載のフットコントローラ。