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特開2024-116229植物由来ポリエチレンを含有する親環境複合繊維スパンボンド不織布及びその製造方法
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  • 特開-植物由来ポリエチレンを含有する親環境複合繊維スパンボンド不織布及びその製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116229
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】植物由来ポリエチレンを含有する親環境複合繊維スパンボンド不織布及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   D04H 1/544 20120101AFI20240820BHJP
   D01F 8/06 20060101ALI20240820BHJP
   D01D 5/30 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
D04H1/544 ZAB
D01F8/06
D01D5/30 Z
D04H1/544
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024091296
(22)【出願日】2024-06-05
(62)【分割の表示】P 2022533234の分割
【原出願日】2020-12-04
(31)【優先権主張番号】10-2019-0169631
(32)【優先日】2019-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】501380081
【氏名又は名称】東レ先端素材株式会社
【氏名又は名称原語表記】TORAY ADVANCED MATERIALS KOREA, INC.
【住所又は居所原語表記】93-1, Imsu-dong, Gumi-si, Gyeongsangbuk-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ユン, ジェ ドゥク
(72)【発明者】
【氏名】ソ, ヤン ソク
(72)【発明者】
【氏名】キム, ダ ヒ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】繊維素材製造過程での二酸化炭素の発生量を減らしたスパンボンド不織布を提供する。
【解決手段】ポリプロピレンを含む第1成分と、植物由来ポリエチレンを含む第2成分とを複合紡糸して製造される親環境複合繊維スパンボンド不織布であって、第1成分の融点は、150~170℃で、溶融流れ指数は、25~60g/10分であり、第2成分の融点は、120~130℃で、溶融流れ指数は、16~24g/10分であり、第1成分及び第2成分間の溶融流れ指数差が20g/10分以下であり、第1成分及び第2成分は、70:30ないし50:50の重量比を有し、複合繊維は第1成分及び第2成分のサイドバイサイド紡糸によって製造され、複合繊維スパンボンド不織布は、0.6ないし0.8mm厚を有し、且つ複合繊維スパンボンド不織布は、HOM(Handle-o-meter)の測定結果2.5ないし4.5gfである、不織布である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリプロピレンを含む第1成分と、
植物由来ポリエチレンを含む第2成分と
を複合紡糸して製造され、
前記第1成分の粘度及び融点が前記第2成分より高い、植物由来ポリエチレンを含有する親環境複合繊維スパンボンド不織布。
【請求項2】
前記第1成分の融点は、150~170℃で、溶融流れ指数は、25~60g/10分である、請求項1に記載の植物由来ポリエチレンを含有する親環境複合繊維スパンボンド不織布。
【請求項3】
前記第2成分の融点は、120~130℃で、溶融流れ指数は、16~24g/10分である、請求項2に記載の植物由来ポリエチレンを含有する親環境複合繊維スパンボンド不織布。
【請求項4】
前記第1成分及び前記第2成分間の溶融流れ指数差が20g/10分以下である、請求項2または3のうち、いずれか1項に記載の植物由来ポリエチレンを含有する親環境複合繊維スパンボンド不織布。
【請求項5】
前記第1成分及び前記第2成分は、70:30ないし50:50の重量比を有する、請求項1に記載の植物由来ポリエチレンを含有する親環境複合繊維スパンボンド不織布。
【請求項6】
前記第2成分は、単独で紡糸して焼却する時に二酸化炭素が1,350kgCOeq/ton以下に排出する、請求項1に記載の植物由来ポリエチレンを含有する親環境複合繊維スパンボンド不織布。
【請求項7】
前記複合繊維スパンボンド不織布は、焼却時二酸化炭素が4,000kgCOeq/ton以下に排出する、請求項6に記載の植物由来ポリエチレンを含有する親環境複合繊維スパンボンド不織布。
【請求項8】
前記複合繊維スパンボンド不織布は、0.6ないし0.8mm厚を有する、 請求項1に記載の植物由来ポリエチレンを含有する親環境複合繊維スパンボンド不織布。
【請求項9】
前記複合繊維スパンボンド不織布は、HOM(Handle-o-meter)の測定結果2.5ないし4.5gfである、請求項1に記載の植物由来ポリエチレンを含有する親環境複合繊維スパンボンド不織布。
【請求項10】
前記第2成分の一部が外部に露出する形態またはサイドバイサイド形態で紡糸される、請求項1に記載の植物由来ポリエチレンを含有する親環境複合繊維スパンボンド不織布。
【請求項11】
前記複合繊維スパンボンド不織布は、エンボスロールを利用した熱接着により不織布として製造される、請求項1に記載の植物由来ポリエチレンを含有する親環境複合繊維スパンボンド不織布。
【請求項12】
前記第1成分及び前記第2成分をそれぞれ別の押し出し機で溶融させて、それぞれのポリマーをサイドバイサイド紡糸が可能なノズルで紡糸し、紡糸されたフィラメントに冷却空気を付与して固体化して形成される、請求項1に記載の植物由来ポリエチレンを含有する親環境複合繊維スパンボンド不織布。
【請求項13】
ポリプロピレンを含む第1成分及び植物由来ポリエチレンを含む第2成分をそれぞれ別の押し出し機で溶融させて、それぞれのポリマーをサイドバイサイド紡糸が可能なノズルで紡糸し、紡糸されたフィラメントに冷却空気を付与して固体化させた後、固体化されたフィラメントを延伸過程を介して延伸した後、延伸フィラメントを連続的に駆動される多孔性スクリーンベルトに集積して不織布ウェブを形成し、集積された不織布ウェブを熱接着で結合して不織布ウェブの形態安定性を付与して形成され、
前記第1成分の粘度及び融点が前記第2成分より高い、植物由来ポリエチレンを含有する親環境複合繊維スパンボンド不織布。
【請求項14】
ポリプロピレンを含む第1成分及び植物由来ポリエチレンを含む第2成分をそれぞれ別の押し出し機で溶融させて、それぞれのポリマーをサイドバイサイド紡糸が可能なノズルで紡糸するステップと、
紡糸されたフィラメントに冷却空気を付与して固体化させた後、固体化されたフィラメントを延伸過程を介して延伸した後、延伸フィラメントを連続的に駆動される多孔性スクリーンベルトに集積して不織布ウェブを形成するステップと、
前記集積された不織布ウェブを熱接着で結合して、不織布ウェブの形態安定性を付与するステップと
を含み、
前記第1成分の粘度及び融点が前記第2成分より高い、植物由来ポリエチレンを含有する親環境複合繊維スパンボンド不織布の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物由来組成物を含有する親環境複合繊維スパンボンド不織布及びその製造方法に関し、さらに具体的に植物由来ポリプロピレン及び石油由来ポリプロピレンを複合紡糸して製造される複合繊維及びこれを利用したスパンボンド不織布に関する。
【背景技術】
【0002】
不織布を構成する繊維原料は、大部分ポリプロピレン及びポリエチレンのような化石燃料から由来した素材を使用している。しかしながら、環境汚染問題が全世界的に深刻な問題として認識され、これを解決するための親環境素材の研究が進行し続けられる状況において、石油から由来する素材は、石油から抽出する過程で二酸化炭素の排出量が高くて親環境素材への代替が求められている。
【0003】
しかしながら、従来の親環境素材は、廃棄時に分解が容易な生分解性に焦点を合せて製品が開発及び発売されているから、一般的な石油由来素材と比較して性能や物性が落ちるか、または審美感及び耐久性が低くて多様な分野において商用化されていない。
【0004】
このような問題を解決するために、大韓民国登録特許10-1231985号は、不織布を構成するフィラメントを芯鞘型として、芯成分には、ポリプロピレンを位置させ、鞘成分には、植物から由来したポリエチレンを位置させて複合長繊維スパンボンド不織布を製造する方法を開示している。しかしながら、前記特許は、ポリマーの紡糸性が落ちて生産性の低下問題があり、その他、不織布において求められる物性を達成できないという問題を有する。特に、このように形成された不織布ウェブは、クリンプ(Crimp)がない単純な構造を有するようになり、加熱接着過程において薄い形態の不織布を形成するようになる。したがって、このような不織布ウェブでは、ハイロフト(High Loft)不織布を形成し難いから、バルキー(Bulky)性が低くてソフト性が低下するという問題を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記のような従来の技術の問題点を解決するためのものであって、製造時の二酸化炭素の発生量を低減させ、厚みがあり、かつソフト性が向上した親環境複合繊維及びこれを利用したスパンボンド不織布を提供する。
【0006】
本発明の前記及び他の目的と利点は、好ましい実施例を説明した下記の説明によりさらに明らかになるはずである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的は、ポリプロピレンを含む第1成分と、植物由来ポリエチレンを含む第2成分とを複合紡糸して製造され、第1成分の粘度及び融点が第2成分より高い、植物由来ポリエチレンを含有する親環境複合繊維スパンボンド不織布により達成される。
好ましくは、第1成分の融点は、150~170℃で、溶融流れ指数は、25~60g/10分でありうる。また、 好ましくは、第2成分の融点は、120~130℃で、溶融流れ指数は、16~24g/10分でありうる。このとき、第1成分及び第2成分間の溶融流れ指数差が20g/10分以下であることが好ましい。
【0008】
好ましくは、第1成分及び第2成分は、70:30ないし50:50の重量比を有することができる。
【0009】
好ましくは、第2成分は、単独で紡糸して焼却する時に二酸化炭素が1,350kgCOeq/ton以下に排出し、さらに好ましくは、複合繊維スパンボンド不織布は、焼却時二酸化炭素が4,000kgCOeq/ton以下に排出することができる。
【0010】
好ましくは、前記複合繊維スパンボンド不織布は、0.6ないし0.8mm厚を有することができる。
【0011】
好ましくは、複合繊維スパンボンド不織布は、HOM(Handle-o-meter)の測定結果2.5ないし4.5gfでありうる。
【0012】
好ましくは、複合繊維スパンボンド不織布は、第2成分の一部が外部に露出する形態またはサイドバイサイド形態で紡糸される形態で形成されることができる。
【0013】
好ましくは、複合繊維スパンボンド不織布は、エンボスロールを利用した熱接着により形態安定性が付与されて不織布として製造されることができる。
【0014】
好ましくは、第1成分及び第2成分をそれぞれ別の押し出し機で溶融させて、それぞれのポリマーをサイドバイサイド紡糸が可能なノズルで紡糸し、紡糸されたフィラメントに冷却空気を付与して固体化して形成されることができる。
【0015】
また、上記目的は、ポリプロピレンを含む第1成分及び植物由来ポリエチレンを含む第2成分をそれぞれ別の押し出し機で溶融させて、それぞれのポリマーをサイドバイサイド紡糸が可能なノズルで紡糸し、紡糸されたフィラメントに冷却空気を付与して固体化させた後、固体化されたフィラメントを延伸過程を介して延伸した後、延伸フィラメントを連続的に駆動される多孔性スクリーンベルトに集積して不織布ウェブを形成し、集積された不織布ウェブを熱接着で結合して不織布ウェブの形態安定性を付与して形成され、第1成分の粘度及び融点が第2成分より高い、植物由来ポリエチレンを含有する親環境複合繊維スパンボンド不織布により達成される。
【0016】
また、上記目的は、ポリプロピレンを含む第1成分及び植物由来ポリエチレンを含む第2成分をそれぞれ別の押し出し機で溶融させて、それぞれのポリマーをサイドバイサイド紡糸が可能なノズルで紡糸するステップと、紡糸されたフィラメントに冷却空気を付与して固体化させた後、固体化されたフィラメントを延伸過程を介して延伸した後、延伸フィラメントを連続的に駆動される多孔性スクリーンベルトに集積して不織布ウェブを形成するステップと、集積された不織布ウェブを熱接着で結合して、不織布ウェブの形態安定性を付与するステップとを含み、第1成分の粘度及び融点が第2成分より高い、植物由来ポリエチレンを含有する親環境複合繊維スパンボンド不織布の製造方法により達成される。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明の一実施例による植物由来ポリエチレンを含有する親環境複合繊維スパンボンド不織布は、植物由来ポリエチレンを共に使用することによって、繊維素材製造過程での二酸化炭素の発生量を減らして、親環境的な特徴を有する。
【0018】
また、本発明の一実施例による植物由来ポリエチレンを含有する親環境複合繊維スパンボンド不織布は、親環境素材を使用するにもかかわらず、厚みがあり、かつ軟らかい性質を維持するハイロフト不織布を提供できる。
【0019】
また、本発明の一実施例による植物由来ポリエチレンを含有する親環境複合繊維スパンボンド不織布は、植物由来ポリエチレンを含有しているから、使用後に焼却して廃棄する時、二酸化炭素の排出量が少ない特徴を有する。
【0020】
また、本発明の一実施例による植物由来ポリエチレンを含有する親環境複合素材スパンボンド不織布は、クリンプ構造を通じて厚い形態のハイロフト不織布を形成できるから、高いバルキー(Bulky)性を有して、おむつ及び生理用ナプキンのバックシート(Back Sheet)に使用されることができる。
【0021】
ただし、本発明の効果らは、以上で言及した効果に制限されず、言及していないさらに他の効果は、以下の記載から当業者にとって明確に理解されるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施例による植物由来ポリエチレンを含有する親環境複合繊維スパンボンド不織布の延伸状態を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施例と図面を参照して、本発明を詳細に説明する。これらの実施例は、ただ本発明をより具体的に説明するために例示的に提示したものに過ぎず、本発明の範囲がこれらの実施例により制限されないということは、当業界における通常の知識を有する者にとって自明であるはずである。
【0024】
図面において、複数の層及び領域を明確に表現するために、厚さを拡大して示した。明細書全体にわたって類似の部分に対しては、同一の図面符号を付してある。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」あるとする時、これは他の部分の「直上に」ある場合だけでなく、その中間にさらに他の部分がある場合も含む。これに対し、ある部分が他の部分の「直上に」あるとする時には、中間に他の部分がないことを意味する。
【0025】
別に定義されない限り、本明細書において使用されるすべての技術的及び科学的用語は、本発明が属する技術分野の熟練者により通常に理解されることと同じ意味を有する。相反する場合、定義を含む本明細書が優先するはずである。また、本明細書において説明されることと類似または同等な方法及び材料が本発明の実施または試験に使用されうるが、適合した方法及び材料が本明細書に記載される。
【0026】
本発明の一実施例による植物由来ポリエチレンを含有する親環境複合繊維スパンボンド不織布は、石油由来ポリプロピレンを含む第1成分及び植物由来ポリエチレンを含む第2成分を複合紡糸して製造される。
【0027】
このとき、石油由来ポリプロピレンを含む第1成分の粘度及び融点は、植物由来ポリエチレンを含む第2成分より高いことが好ましい。これは、石油由来ポリプロピレンと植物由来ポリエチレンをサイドバイサイド複合紡糸時に異種の原料の粘度及び融点に差があるほど、クリンプを形成しやすいためである。
【0028】
さらに具体的に、石油由来ポリプロピレンを含む第1成分の融点は、150ないし170℃であることが好ましい。第1成分の融点が150℃未満である場合、熱圧搾工程においてエンボスロールにくっつく問題を有し、第1成分の融点が170℃を超過する場合、熱圧搾をするために熱圧搾温度を多く上昇させなければならないから、電力費が上昇するという問題が発生する。
【0029】
また、第1成分の溶融流れ指数は、25ないし60g/10分であることが好ましい。第1成分の溶融流れ指数が25g/10分未満である場合、流れ性がよくないから、紡糸不良問題が生じ、第1成分の溶融流れ指数が60g/10分を超過する場合、流れ性が過度に良く、この場合にもやはり紡糸不良問題が生じるためである。
【0030】
また、植物由来ポリエチレンを含む第2成分の融点は、120ないし130℃であることが好ましい。第2成分の融点が120℃未満である場合、熱圧搾工程においてエンボスロールにくっつく問題が生じ、第2成分の融点が130℃を超過する場合、熱圧搾をするために熱圧搾温度を多く上昇させなければならないから、電力使用量が上昇するという問題が発生する。
【0031】
また、第2成分の溶融流れ指数は、16ないし24g/10分であることが好ましい。第1成分の溶融流れ指数が16g/10分未満である場合、流れ性がよくないから紡糸不良問題があり、第1成分の溶融流れ指数が24g/10分を超過する場合には、流れ性が過度に良いから、この場合にもやはり紡糸不良の問題があるためである。
【0032】
また、第1成分及び第2成分間の溶融流れ指数差は、20g/10分以下であることが好ましい。第1成分及び第2成分間の溶融流れ指数差は、20g/10分超過の場合、溶融流れ指数差が大きくなって紡糸不良問題が発生するので、上記の範囲にすることが好ましい。
【0033】
また、複合繊維を構成する第1成分及び第2成分が複合紡糸時に第1成分及び第2成分は、70:30ないし50:50の重量比を有することが好ましい。第1成分及び第2成分間の重量比において第1成分が70%を超過する重量比を有すると、全体複合繊維において親環境素材の使用量が低下して、二酸化炭素低減効果が大きく減少して好ましくなく、また、第1成分が50%未満の重量比を有すると、複合繊維及び複合繊維で製造される不織布の軟らかい特性が減少して、不織布を利用する製品の商品価値が低下する恐れがある。
【0034】
本発明の一実施例による植物由来ポリエチレンを含有する親環境複合繊維スパンボンド不織布は、親環境性を高めるために使用後に不織布または複合繊維を廃棄する過程で焼却時に発生される二酸化炭素を最小化する。このために、本発明において植物由来ポリエチレンを含む第2成分は、単独で紡糸して焼却する時、二酸化炭素が1,350kgCoeq/ton以下に排出することが好ましい。また、第1成分及び第2成分が複合紡糸されて製造された複合繊維スパンボンド不織布は、焼却時に二酸化炭素が4,000kgCoeq/ton以下に排出することが好ましい。
【0035】
また、石油由来ポリプロピレンを含む第1成分及び植物由来ポリエチレンを含む第2成分を複合紡糸して製造される複合繊維スパンボンド不織布は、0.6ないし0.8mm厚を有することが好ましい。複合繊維スパンボンド不織布の厚みが0.6mm未満である場合、厚みがよく感じられないという問題を有し、厚みが0.8mmを超過する場合、不織布を加工して製品を作る時に加工性が不良な問題を有する。
【0036】
また、複合繊維スパンボンド不織布は、HOM(Handle-o-meter)の測定結果、2.5ないし4.5gfであることが好ましい。HOMの測定結果が2.5gf未満である場合、不織布を加工して製品を作る時に加工性が不良な問題を有し、4.5gfを超過する場合、触感が軟らかくないという問題を有する。
【0037】
第1成分は、石油由来ポリプロピレン成分の他に、本発明の目的を損傷させない範囲で必要によってその他成分を含有できる。その他成分は、公知された耐熱安定剤、耐厚安定剤、各種安定剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、充填剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックスまたはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0038】
安定剤は、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール(BHT)などの老化防止剤;テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アルキルエステル、2,2’-オキサミドビス[エチル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどのフェノール系酸化防止剤;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、1,2-ヒドロキシステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩;グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレートなどの多価アルコール脂肪酸エステル;またはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0039】
充填剤は、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、軽石粉、軽石バラン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、白雲石、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、滑石、クレー、雲母、石綿、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト、グラファイト、アルミニウム粉、硫化モリブデンまたはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0040】
上述したプロピレン系重合体と必要によって用いられる前記その他成分は、公知された方法を利用して混合できる。
【0041】
このような複合繊維を使用して不織布を製造するための方法として、本発明の一実施例による植物由来ポリエチレンを含有する親環境複合繊維スパンボンド不織布の製造方法は、ポリプロピレンを含む第1成分及び植物由来ポリエチレンを含む第2成分をそれぞれ別の押し出し機で溶融させて、それぞれのポリマーをサイドバイサイド紡糸が可能なノズルで紡糸するステップと、紡糸されたフィラメントに冷却空気を付与して固体化させた後、固体化されたフィラメントを、延伸過程を介して小さな繊維直径を有する延伸フィラメントを連続的に駆動される多孔性スクリーンベルトに集積して不織布ウェブを形成するステップと、集積された不織布ウェブを熱接着またはニードルパンチングで結合して、不織布ウェブの形態安定性を付与するステップとを含んで構成される。このとき、第1成分の粘度及び融点が前記第2成分より高いことが好ましい。
【0042】
上述したように、本発明の一実施例による植物由来ポリエチレンを含有する親環境複合繊維スパンボンド不織布の製造方法は、まず、第1成分及び第2成分を含む複合繊維を製造する。石油由来ポリプロピレン(第1成分)及び植物由来ポリエチレン(第2成分)をそれぞれ別の押し出し機(Extruder)を介して溶融させた後、溶融された二つのポリマー(第1成分ポリマー及び第2成分ポリマー)をサイドバイサイド紡糸が可能なノズルで紡糸して、サイドバイサイド形態の複合繊維を製造する。このとき、複合繊維をサイドバイサイド形態で複合紡糸する時、第1成分及び第2成分の重量割合は、70:30ないし50:50であることが好ましい。
【0043】
次に、それぞれ別の押し出し機で溶融されてノズルで紡糸されたフィラメントに、これを冷却させるための空気を付与して、サイドバイサイド形態で固体化して複合繊維を製造する。そして、固体化されたフィラメントを延伸過程を介して小さな繊維直径を有する延伸フィラメントを連続的に駆動される多孔性スクリーンベルトに集積して不織布ウェブを形成する。
【0044】
このように紡糸されたフィラメントから不織布ウェブが形成されると、不織布ウェブを結合する過程を介して不織布ウェブに形態安定性を付与して不織布形態を完成する。このとき、不織布ウェブに形態安定性を付与する方法で熱接着方式及びニードルパンチング法などが使用されることができ、好ましくは、熱接着方式が使用されることができる。このとき、石油由来ポリプロピレンを含む第1成分及び植物由来ポリエチレンを含む第2成分の含有量によって熱接着後の不織布の物性が変わり、生産性もまた熱接着条件によって差を見せるのを明らかにして、最適の条件を選定して生産性及び物性を向上させた。
【0045】
具体的には、サイドバイサイド紡糸が可能なノズルを介して第1成分及び第2成分各々の割合を別にして使用し、また、第1成分及び第2成分の融点と溶融流れ指数を上述した条件を満すようにし、それによる熱接着温度を144ないし152℃にして物性を向上させることができる。このとき、熱接着温度を144℃未満にすると、石油由来ポリプロピレンと植物由来ポリエチレンとの間に熱による接着力が低くて強度が低下し、毛羽がひどく発生でき、152℃以上にすると、熱接着された不織布層が熱接着駆動ロールに巻かれる巻き付き現象を引き起こして生産が不可能になって好ましくない。
【0046】
本発明において不織布ウェブを熱接着する方法としてエンボスロールを利用した加工が好ましくありうる。エンボス加工は、ボンディング率(すなわち、エンボス面積率)が13%以下で、非エンボス単位面積が0.2mm以上、例えば、0.2ないし0.7mmの条件において行われることができる。
【0047】
ここで、非エンボス単位面積とは、四方がエンボス部で囲まれた最小単位の非エンボス部において、エンボスに内接する四角形の最大面積を意味する。この範囲の条件においてエンボス加工を行うと、必要な不織布の強度を維持したまま、さらにバルキー性の大きな不織布を得ることができる。
【0048】
ボンディング率及び非エンボス単位面積は、エンボスパターンを変更することによって調節されることができる。前記エンボス加工の結果、前記不織布は、エンボス部及び非エンボス部を含み、前記エンボス部は、オープンエンボスタイプで同一または相異な間隔で連続的に配列された複数の単位エンボスパターン部を含むことができる。
【0049】
図1は、本発明の一実施例による植物由来ポリエチレンを含有する親環境複合繊維スパンボンド不織布の延伸状態を説明するための図である。
【0050】
図1を参照すると、本発明の一実施例による植物由来ポリエチレンを含有する親環境複合繊維スパンボンド不織布は、それぞれ別の押し出し機で溶融されてサイドバイサイド紡糸が可能なノズルで紡糸されたフィラメントを冷却して固体化した後、延伸過程を介して小さな繊維直径を有する延伸フィラメントを連続的に駆動される多孔性スクリーンベルトに集積して、不織布ウェブを形成する。このとき、ポリプロピレンを含む第1成分(A)及び植物由来ポリエチレンを含む第2成分(B)は、延伸時サイドバイサイド形態の紡糸によってフィラメントにクリンプ(Crimp)が発生する。このように本願発明による植物由来ポリエチレンを含有する親環境複合繊維スパンボンド不織布は、複合繊維フィラメントにクリンプが形成された複雑な構造を有するようになって、厚い形態の不織布を形成するようになる。このように本願発明は、複合繊維フィラメントのクリンプ構造を介してハイロフト不織布への物性を確保することができる。
【0051】
本発明の一実施例による植物由来ポリエチレンを含有する親環境複合繊維スパンボンド不織布は、おむつ、吸収用品、排泄用品、生理用ナプキン、支持層(Support Layer)またはトップシート(Top Sheet)、バックシート(Back sheet)、サイドギャザー(Side Gather)でありうる。
【0052】
以下、実施例と比較例を介して本発明の構成及びそれによる効果をさらに詳細に説明しようとする。しかしながら、本実施例は、本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明の範囲がこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例0053】
[実施例1]
ポリプロピレン樹脂70重量%及び植物由来ポリエチレン樹脂30重量%をそれぞれの押し出し機に投入して混練した後、複数のホールがあるノズルを介してそれぞれ溶融紡糸した後、多孔性のコンベヤベルトにフィラメントをランダムに集積しエンボスロールを通過させて熱圧着して、重量が25gsmである不織布を製造した。
【0054】
このとき、ポリプロピレン重合体(PP)は、LG化学(LG Chemical)社製の商品名H7700であり、溶融流れ指数(MI:Melt Index)が34g/10分である。また、植物由来ポリエチレン重合体(Bio PE)は、ブラジルのブラスケム(Braskem)社製のSHA7260であり、溶融流れ指数(MI:Melt Index)が20g/10分である。
【0055】
[実施例2]
ポリプロピレン樹脂50重量%及び植物由来ポリエチレン樹脂50重量%を投入するのを除いては、実施例1と同じ方法で不織布を製造した。
【0056】
[比較例1]
ポリプロピレン樹脂80重量%及び植物由来ポリエチレン樹脂20重量%を投入するのを除いては、実施例1と同じ方法で不織布を製造した。
【0057】
[比較例2]
ポリプロピレン樹脂40重量%及び植物由来ポリエチレン樹脂60重量%を投入するのを除いては、実施例1と同じ方法で不織布を製造した。
【0058】
[比較例3]
植物由来ポリエチレン樹脂の溶融流れ指数が30g/10分であることを投入するのを除いては、実施例1と同じ方法で不織布を製造した。
【0059】
[比較例4]
植物由来ポリエチレン樹脂の溶融流れ指数が10g/10分であることを投入するのを除いては、実施例1と同じ方法で不織布を製造した。
【0060】
[比較例5]
ポリプロピレン樹脂の溶融流れ指数が70g/10分であることを投入するのを除いては、実施例1と同じ方法で不織布を製造した。
【0061】
[比較例6]
ポリプロピレン樹脂の溶融流れ指数が18g/10分であることを投入するのを除いては、実施例1と同じ方法で不織布を製造した。
【0062】
[比較例7]
植物由来ポリエチレンの代わりに石油由来ポリエチレン樹脂で投入するのを除いては、実施例1と同じ方法で不織布を製造した。このとき、石油由来ポリエチレン重合体(PE)は、SKケミカル(SK Chemical)社製のMM810であり、溶融流れ指数(MI:Melt Index)は、30g/10分である。
【0063】
[比較例8]
植物由来ポリエチレンの代わりに石油由来ポリエチレン樹脂で投入するのを除いては、実施例2と同じ方法で不織布を製造した。このとき、石油由来ポリエチレン重合体(PE)は、SKケミカル(SK Chemical)社製のMM810であり、溶融流れ指数(MI:Melt Index)は、30g/10分である。
【0064】
[実験例]
前記実施例及び比較例によって製造された不織布に対して、次のように各々の物性を測定して評価した。
【0065】
(1)重量(Weight)測定
試験方法としてINDAスタンダードテスト(INDA Standard Test、IST)方法番号WSP 130.1に従って重量を測定した。
【0066】
(2)引張強度と伸び(Tensile strength and Elongation)の測定
試験方法でINDAスタンダードテスト(INDA Standard Test、IST)方法番号WSP 110.4に従って引張強度と伸びを測定した。
【0067】
(3)HOM(Handle-o-meter)の測定
試験方法でINDAスタンダードテスト(INDA Standard Test、IST)方法番号WSP 90.3に従ってHOM値を測定した。
【0068】
(4)厚み測定
試験方法でINDAスタンダードテスト(INDA Standard Test、IST)方法番号WSP 120.1に従って厚みを測定した。
【0069】
(5)炭素排出量の測定
石油由来ポリプロピレン及び石油由来ポリエチレンの炭素排出量は、国家LCIデータベース情報網内のHomo-polypropylene生産部分資料を参照した。
【0070】
植物由来ポリエチレンの炭素排出量は、実施例及び比較例において使用した植物由来ポリエチレンSHA7260の製造社であるブラジルのブラスケム(Braskem)社から提供した資料を参照した。
【0071】
上述した実施例1及び2と比較例1ないし8による物性と上記の実験例に従って測定した実験結果は、下記の表1及び表2のとおりである。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】

実施例1及び2は、複合繊維の第1成分としてポリプロピレン樹脂を使用し、第2成分として植物由来ポリエチレン樹脂を使用し、第1成分及び第2成分間の重量比及び溶融流れ指数が本明細書において要求する条件を満たす。このような実施例1及び2は、厚みがそれぞれ0.71mm及び0.62mmで厚み条件である0.6ないし0.8mm厚を満たし、HOM測定値が2.9gf及び3.3gfでHOM条件を満たして、ハイロフト不織布として要求される厚み及びソフト性を有することが分かる。
【0074】
しかしながら、ポリプロピレン樹脂及び植物由来ポリエチレン樹脂の含有量(重量%)が70:30ないし50:50の条件を満たさない比較例1及び2は、厚みがそれぞれ0.48mm及び0.88mmで、HOM測定結果がそれぞれ5.5gf及び1.8gfで、厚みがあまり薄くて過度に軟らかい物性を有するか、あまり厚くて軟らかい物性が不足してハイロフト不織布で適切な物性を達成できないことが分かる。
【0075】
また、植物由来ポリエチレンの溶融流れ指数が条件より高い比較例3は、厚みが0.39mmで、HOM測定結果が5.1gfで現れて、厚みがあまり薄く不織布がソフト性を有することができないことが分かる。
【0076】
また、植物由来ポリエチレンの溶融流れ指数が条件より低い比較例4は、紡糸が不可能であるから、正常な不織布を形成できないことが分かる。
【0077】
また、植物由来ポリエチレンとポリプロピレン間の溶融流れ指数差が過度に大きな比較例5は、紡糸が不可能であるから、正常な不織布を形成できないことが分かる。
【0078】
また、ポリプロピレン樹脂の溶融流れ指数が25g/10分より低く、植物由来ポリエチレンの溶融流れ指数より低い比較例6は、厚みが0.38mmでHOM測定結果が5.2gfで厚みがあまり薄くソフト性が不足して、ハイロフト不織布で適切な物性を達成できないことが分かる。
【0079】
また、植物由来ポリエチレンでない石油由来ポリエチレンを使用した比較例7及び8は、焼却時の二酸化炭素の排出量がそれぞれ4595及び4708kgCoeq/tonで、二酸化炭素の排出量がおおすぎて親環境的な特性を達成できないことが分かる。
【0080】
上述したように、本発明の一実施例による植物由来ポリエチレンを含有する親環境複合繊維スパンボンド不織布及びその製造方法によれば、従来のハイロフト不織布と比較して親環境素材である植物由来ポリエチレン(Bio-PE)を含んで厚み及び軟らかい物性(Soft)が向上し、二酸化炭素低減効果を有する。さらに具体的に従来のポリプロピレン素材のサイドバイサイド型ハイロフトの場合、厚みが0.62mm程度であることに対し、本願発明は、0.62mmないし0.71mm程度でより厚く、かつHOM値が2.9gfないし3.2gfでより柔らかくなることを確認することができる。
【0081】
以上、本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲は、これに限定されるものではなく、以下の請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形及び改良形態もまた、本発明の権利範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0082】
A ポリプロピレンを含む第1成分が紡糸されたフィラメント
B 植物由来ポリエチレンを含む第2成分が紡糸されたフィラメント
図1
【手続補正書】
【提出日】2024-06-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリプロピレンを含む第1成分と、
植物由来ポリエチレンを含む第2成分と
を複合紡糸して製造される、植物由来ポリエチレンを含有する親環境複合繊維スパンボンド不織布であって、
前記第1成分の融点は、150~170℃で、溶融流れ指数は、25~60g/10分であり、
前記第2成分の融点は、120~130℃で、溶融流れ指数は、16~24g/10分であり、
前記第1成分及び前記第2成分間の溶融流れ指数差が20g/10分以下であり、
前記第1成分及び前記第2成分は、70:30ないし50:50の重量比を有し、
前記複合繊維は前記第1成分及び前記第2成分のサイドバイサイド紡糸によって製造され、
前記複合繊維スパンボンド不織布は、0.6ないし0.8mm厚を有し、且つ
前記複合繊維スパンボンド不織布は、HOM(Handle-o-meter)の測定結果2.5ないし4.5gfである、親環境複合繊維スパンボンド不織布。
【請求項2】
前記第2成分は、単独で紡糸して焼却する時に二酸化炭素が1,350kgCOeq/ton以下に排出する、請求項1に記載の不織布。
【請求項3】
前記複合繊維スパンボンド不織布は、焼却時二酸化炭素が4,000kgCOeq/ton以下に排出する、請求項2に記載の不織布。
【請求項4】
前記複合繊維スパンボンド不織布は、エンボスロールを利用した熱接着により不織布として製造される、請求項1に記載の不織布。
【請求項5】
前記第1成分及び前記第2成分をそれぞれ別の押し出し機で溶融させて、それぞれのポリマーをサイドバイサイド紡糸が可能なノズルで紡糸し、紡糸されたフィラメントに冷却空気を付与して固体化して形成される、請求項1に記載の不織布。
【請求項6】
ポリプロピレンを含む第1成分及び植物由来ポリエチレンを含む第2成分をそれぞれ別の押し出し機で溶融させて、それぞれのポリマーをサイドバイサイド紡糸が可能なノズルで紡糸し、紡糸されたフィラメントに冷却空気を付与して固体化させた後、固体化されたフィラメントを延伸過程を介して延伸した後、延伸フィラメントを連続的に駆動される多孔性スクリーンベルトに集積して不織布ウェブを形成し、集積された不織布ウェブを熱接着で結合して不織布ウェブの形態安定性を付与して形成される、植物由来ポリエチレンを含有する親環境複合繊維スパンボンド不織布であって、
前記第1成分の融点は、150~170℃で、溶融流れ指数は、25~60g/10分であり、
前記第2成分の融点は、120~130℃で、溶融流れ指数は、16~24g/10分であり、
前記第1成分及び前記第2成分間の溶融流れ指数差が20g/10分以下であり、
前記第1成分及び前記第2成分は、70:30ないし50:50の重量比を有し、
前記複合繊維スパンボンド不織布は、0.6ないし0.8mm厚を有し、且つ
前記複合繊維スパンボンド不織布は、HOM(Handle-o-meter)の測定結果2.5ないし4.5gfである、親環境複合繊維スパンボンド不織布。
【請求項7】
ポリプロピレンを含む第1成分及び植物由来ポリエチレンを含む第2成分をそれぞれ別の押し出し機で溶融させて、それぞれのポリマーをサイドバイサイド紡糸が可能なノズルで紡糸するステップと、
紡糸されたフィラメントに冷却空気を付与して固体化させた後、固体化されたフィラメントを延伸過程を介して延伸した後、延伸フィラメントを連続的に駆動される多孔性スクリーンベルトに集積して不織布ウェブを形成するステップと、
前記集積された不織布ウェブを熱接着で結合して、不織布ウェブの形態安定性を付与するステップと
を含む、植物由来ポリエチレンを含有する親環境複合繊維スパンボンド不織布の製造方法であって、
前記第1成分の融点は、150~170℃で、溶融流れ指数は、25~60g/10分であり、
前記第2成分の融点は、120~130℃で、溶融流れ指数は、16~24g/10分であり、
前記第1成分及び前記第2成分間の溶融流れ指数差が20g/10分以下であり、
前記第1成分及び前記第2成分は、70:30ないし50:50の重量比を有し、
前記複合繊維スパンボンド不織布は、0.6ないし0.8mm厚を有し、且つ
前記複合繊維スパンボンド不織布は、HOM(Handle-o-meter)の測定結果2.5ないし4.5gfである、親環境複合繊維スパンボンド不織布の製造方法。
【外国語明細書】