(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116255
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】液体真菌胞子調製物用の新規担体流体
(51)【国際特許分類】
A01N 63/30 20200101AFI20240820BHJP
A01P 3/00 20060101ALI20240820BHJP
A01P 5/00 20060101ALI20240820BHJP
A01P 7/04 20060101ALI20240820BHJP
A01P 21/00 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
A01N63/30
A01P3/00
A01P5/00
A01P7/04
A01P21/00
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024092104
(22)【出願日】2024-06-06
(62)【分割の表示】P 2021502830の分割
【原出願日】2019-07-10
(31)【優先権主張番号】18184742.7
(32)【優先日】2018-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】313006625
【氏名又は名称】バイエル・アクチエンゲゼルシヤフト
(71)【出願人】
【識別番号】507203353
【氏名又は名称】バイエル・クロップサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ガエルツェン,オリバー
(72)【発明者】
【氏名】テミング,カイ
(72)【発明者】
【氏名】ホイマン,ローマン
(72)【発明者】
【氏名】エイベン,ウテ
(72)【発明者】
【氏名】ズィーマン,アンチュ
(72)【発明者】
【氏名】ヒルシャー,ウルリケ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】単純で、取り扱いが容易であり、濃縮製剤中で良好な物理的安定性、水混和性又は懸濁性を有する、真菌活性物質に基づく生物農薬製剤を提供する。
【解決手段】カルボン酸部分とアルコール部分からなる少なくとも1つのカルボン酸エステルおよび植物に有益な効果を発揮する真菌の真菌胞子を含む液体調製物であって、該カルボン酸エステルは植物油由来のカルボン酸トリグリセリドではなく、該少なくとも1つのカルボン酸エステルが、a)モノカルボン酸部分とモノアルコール部分、b)少なくとも1つのモノカルボン酸部分とポリアルコール部分、又はc)ポリカルボン酸部分と少なくとも1つのモノアルコール部分を含む、液体調製物である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルボン酸部分とアルコール部分からなる少なくとも1つのカルボン酸エステルおよび
植物に有益な効果を発揮する真菌の真菌胞子を含む液体調製物であって、該カルボン酸エ
ステルは植物油由来のカルボン酸トリグリセリドではなく、該少なくとも1つのカルボン
酸エステルが、
a) モノカルボン酸部分とモノアルコール部分
b) 少なくとも1つのモノカルボン酸部分とポリアルコール部分、または
c) ポリカルボン酸部分と少なくとも1つのモノアルコール部分
を含み、
該モノアルコール部分は分枝状、線状、環状、非環状もしくは部分的環状、飽和もしくは
部分的不飽和のC1-C24モノアルコール部分であり;
該モノカルボン酸部分は分枝状、線状、環状、非環状もしくは部分的環状、飽和もしくは
部分的不飽和のC2-C24モノカルボン酸部分であり、該C2-C24モノカルボン酸部分は少
なくとも1つのOH官能基を有していてもよく;
該ポリアルコール部分は分枝状、線状、環状、非環状もしくは部分的環状、飽和もしくは
部分的不飽和の2価、3価、4価、5価もしくは6価のC2-C20ポリアルコール部分で
あり;かつ
該ポリカルボン酸部分は分枝状、線状、環状、非環状もしくは部分的環状、飽和もしくは
部分的不飽和のC2-C20ポリカルボン酸部分である、前記液体調製物。
【請求項2】
a)、b)および/またはc)のいずれか1つが1つ以上の異なったモノアルコール部分、
ポリアルコール部分、モノカルボン酸部分またはポリカルボン酸部分からなるエステルの
混合物である、請求項1に記載の液体調製物。
【請求項3】
a)からc)のいずれか1つのカルボン酸エステルの混合物を含む、請求項1または2に
記載の液体調製物。
【請求項4】
前記モノアルコール部分が、分枝状、線状、飽和もしくは部分的不飽和のC1-C20モ
ノアルコール由来である、請求項1または3のいずれか一項に記載の液体調製物。
【請求項5】
前記少なくとも1つのモノアルコール部分が、メタノール、エタノール、1-プロパノ
ール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソブタノール、1-ペン
タノール、1-ヘキサノール、1-ヘプタノール、2-エチルヘキサン-1-オール、カ
プリルアルコール、ペラルゴンアルコール、イソノニルアルコール、カプリンアルコール
、ウンデカノール、ラウリルアルコール、トリデカノール、イソトリデカノール、ミリス
チルアルコール、ペンタデカノール、セチルアルコール、パルミトリルアルコール、ヘプ
タデカノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ノナデカノール、エイコサ
ノールおよびこれらの混合物から成る群から選択されるモノアルコール由来である、請求
項1乃至4のいずれか一項に記載の液体調製物。
【請求項6】
前記少なくとも1つのモノアルコール部分が、メタノール、エタノール、1-プロパノ
ール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソブタノール、1-ペン
タノール、1-ヘキサノール、1-ヘプタノール、2-エチルヘキサン-1-オール、カ
プリルアルコール、ペラルゴンアルコール、イソノニルアルコール、カプリンアルコール
、ラウリルアルコール、トリデカノール、イソトリデカノール、ミリスチルアルコール、
セチルアルコール、パルミトリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコー
ルおよびこれらの混合物から成る群から選択されるモノアルコール由来である、請求項1
乃至5のいずれか一項に記載の液体調製物。
【請求項7】
前記少なくとも1つのモノカルボン酸部分が、分枝状、線状、飽和もしくは部分的不飽
和のC2-C20カルボン酸由来である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の液体調製
物。
【請求項8】
前記少なくとも1つのモノカルボン酸部分が、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カ
プロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、リシノール酸お
よびこれらの混合物から成る群から選択されるモノカルボン酸由来である、請求項1乃至
7のいずれか一項に記載の液体調製物。
【請求項9】
前記少なくとの1つのポリアルコール部分が、グリコール、1,3-プロパンジオール
、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、シ
クロヘキサン-1,2-ジオール、イソソルビド、1,2-プロパンジオール、ネオペン
チルグリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールおよび
糖アルコールから成る群から選択されるポリアルコール由来である、請求項1乃至8のい
ずれか一項に記載の液体調製物。
【請求項10】
前記少なくとも1つのポリアルコールが、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグ
リコール、グリセロール、1,3-プロパンジオール、トリメチロールプロパンおよびソ
ルビタンから成る群から選択される、請求項9に記載の液体調製物。
【請求項11】
前記少なくとも1つのポリカルボン酸部分が、
a) 線状、飽和もしくは部分的不飽和のC2-C20ジカルボン酸
b) 環状C5-C6ジカルボン酸、および
c) クエン酸およびそのO-アシル化誘導体、例えばO-アセチルクエン酸
から成る群から選択されるポリカルボン酸由来である、請求項1乃至10のいずれか一項
に記載の液体調製物。
【請求項12】
前記少なくとも1つのポリカルボン酸部分が、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、
シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、2-ヒドロキシコハク酸、グル
タル酸、アジピン酸、ピメリン酸、O-アセチルクエン酸およびクエン酸から成る群から
選択されるカルボン酸由来である、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の液体調製物
。
【請求項13】
前記少なくとも1つのポリカルボン酸部分が、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、
グルタル酸、アジピン酸およびO-アセチルクエン酸から成る群から選択されるポリカル
ボン酸由来である、請求項12に記載の液体調製物。
【請求項14】
前記少なくとも1つのモノカルボン酸部分または少なくとも1つのポリカルボン酸部分
が、すくなくとも1つのOH官能基を有する、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の液
体調製物。
【請求項15】
b)に記載の少なくとも1つのカルボン酸エステルの少なくとも1つのポリアルコール
部分が、部分的にまたは完全にエステル化されている、請求項1乃至14のいずれか一項
に記載の液体調製物。
【請求項16】
a)に記載の少なくとも1つのカルボン酸エステルが、少なくとも1つの分枝状、線状、
飽和もしくは部分的不飽和のC2-20モノカルボン酸部分および少なくとも1つの分枝
状、線状、飽和もしくは不飽和のC1-C20モノアルコール部分から成る、請求項1乃至
14のいずれか一項に記載の液体調製物。
【請求項17】
a)に記載の少なくとも1つのカルボン酸エステルが13から28個の炭素原子を有する
、請求項1乃至14および16のいずれか一項に記載の液体調製物。
【請求項18】
前記モノカルボン酸部分が、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリ
ル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステ
アリン酸、オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、リシノール酸およびそれらの混合
物から成る群から選択されるモノカルボン酸由来である、請求項1、16または17に記
載の液体調製物。
【請求項19】
前記モノアルコール部分が、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパ
ノール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソブタノール、1-ペンタノール、1-ヘ
キサノール、1-ヘプタノール、2-エチルヘキサン-1-オール、カプリルアルコール
、ペラルゴンアルコール、イソノニルアルコール、カプリンアルコール、ラウリルアルコ
ール、トリデカノール、イソトリデカノール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール
、パルミトレイルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコールおよびそれら
の混合物から群から選択されるモノアルコール由来である、請求項18に記載の液体調製
物。
【請求項20】
前記モノカルボン酸部分が、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリ
ル酸およびカプリン酸からなる群より選択されるモノカルボン酸から成る群から選択され
るモノカルボン酸由来であり、前記モノアルコール部分が、ラウリルアルコール、トリデ
カノール、イソトリデカノール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルミトレ
イルアルコール、ステアリルアルコールおよびオレイルアルコールから成る群から選択さ
れるモノアルコール由来である、請求項18または19に記載の液体調製物。
【請求項21】
前記モノカルボン酸部分が、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸
、オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸およびリシノール酸から成る群から選択され
るモノカルボン酸由来であり、前記モノアルコール部分が、メタノール、エタノール、1
-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソブタノール
、1-ペンタノール、1-ヘキサノール、1-ヘプタノール、2-エチルヘキサン-1-
オール、カプリルアルコール、ペラルゴンアルコール、イソノニルアルコールおよびカプ
リンアルコールから成る群から選択されるモノアルコール由来である、請求項18または
19に記載の液体調製物。
【請求項22】
前記カルボン酸エステルが、ラウリン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸2-エチル
ヘキシル、オレイン酸2-エチルヘキシル、リシノール酸メチルエステルおよびプロピオ
ン酸ペンチルエステルから成る群から選択される、請求項1乃至22のいずれか一項に記
載の液体調製物。
【請求項23】
b)に記載の少なくとも1つのカルボン酸エステル中において、モノカルボン酸部分が
、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノ
ール酸、α-リノレン酸及びリシノール酸から成る群から選択されるモノカルボン酸由来
であり、ポリアルコール部分が、1,2-エタンジオール、1,3-プロパンジオール、
1-4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、シク
ロヘキサン-1,2-ジオール、イソソルビド、1,2-プロパンジオール、ネオペンチ
ルグリコール、グリセロール、ペンタエリトリトール、トリメチロールプロパン及び糖ア
ルコールから成る群から選択されるポリアルコール由来である、請求項1乃至12のいず
れか一項に記載の液体調製物。
【請求項24】
b)に記載の少なくとも1つのカルボン酸エステル中において、モノカルボン酸部分が
分枝状、線状、環状、非環状もしくは部分的環状、飽和もしくは部分的不飽和のC2-C6
モノカルボン酸部分であり、該C2-C6モノカルボン酸部分は少なくとも1つのOH官能基
を有していてもよく、好ましくはC2からC5モノカルボン酸部分である、請求項1乃至1
2および23のいずれか一項に記載の液体調製物。
【請求項25】
b)に記載の少なくとも1つのカルボン酸エステル中において、ポリアルコール部分が
、
環状もしくは部分的環状、飽和もしくは部分的不飽和のC2-C20-2価、C3-C20-
3価、C4-C20-4価、C5-C20-5価またはC6-C20-6価ポリアルコール部分
;または
下記式II
【化1】
[式中、nは0から4の整数であり、
R1およびR2は相互に独立して水素またはヒドロキシであり、
nが1であり、R1がOHである場合には、R2はC1-C9アルキルである。]
のポリアルコールである、請求項1乃至12、23および24のいずれか一項に記載の液
体調製物。
【請求項26】
前記環状もしくは部分的環状、飽和もしくは部分的不飽和のC2-C20-2価、C3-C2
0-3価、C4-C20-4価、C5-C20-5価またはC6-C20-6価ポリアルコール
部分が、糖アルコール由来である、請求項25に記載の液体調製物。
【請求項27】
前記糖アルコールが、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、エ
リトロール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、
ソルビトール、ガラクチトール、フシトール、イジトール、イノシトール、ボレミトール
、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、マルトトリオール、マルトテトライトール
、ポリグリシトールおよびソルビタンから成る群より選択される、請求項26に記載の液
体調製物。
【請求項28】
前記ポリアルコール部分が、1,2-エタンジオール、1,2-プロパンジオール、ネ
オペンチルグリコール、1,3-プロパンジオール、トリメチロールプロパンおよびソル
ビタンから成る群から選択されるポリアルコール由来である、請求項23乃至27のいず
れか一項に記載の液体調製物。
【請求項29】
前記ポリアルコールがグリセロールであり、前記モノカルボン酸が酢酸、プロピオン酸
、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸および/またはカプリン酸またはそれらの混合
物から成る群から選択される、請求項23に記載の液体調製物。
【請求項30】
前記カルボン酸エステルが、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリ
ル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステ
アリン酸、オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸およびリシノール酸でエステル化さ
れたジアセチルグリセロールから構成される、請求項23、25または27に記載の液体
調製物。
【請求項31】
前記カルボン酸エステルが、プロピレングリコールジカプリレート、プロピレングリコ
ールジカプレート、ネオペンチルグリコールジコケート、グリセロールトリアセテート、
トリメチロールプロパントリイソステアレート、トリメチロールプロパントリココアレー
ト、グリセロールトリカプリレート、グリセロールトリカプレート、C12-C18カル
ボン酸モノグリセリドジアセテート、トリメチロールプロパントリカプレート、トリメチ
ロールプロパントリカプレート、トリメチロールプロパントリオレエートおよびソルビタ
ントリオレエートから成る群から選択される、請求項1乃至3および23乃至28のいず
れか一項に記載の液体調製物。
【請求項32】
c)に記載の少なくとも1つのカルボン酸エステル中において、ポリカルボン酸部分が
、線状、飽和もしくは部分的不飽和のC2-C10ジカルボン酸、環状C5-C6ジカルボン
酸、クエン酸およびそのO-アセチル化誘導体に由来する、請求項1乃至6、11乃至1
4および19のいずれか一項に記載の液体調製物。
【請求項33】
前記モノアルコール部分が、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパ
ノール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソブタノール、ペンタン-1-オール、ペ
ンタン-2-オール、ペンタン-3-オール、2-メチルブタン-1-オール、2-メチ
ルブタン-2-オール、3-メチルブタン-1-オール、3-メチルブタン-2-オール
、2,2-ジメチルプロパン-1-オール、1-ヘキサノール、1-ヘプタノール、2-
エチルヘキサン-1-オール、カプリルアルコール、ペラルゴンアルコール、イソノニル
アルコール、カプリンアルコール、ラウリルアルコール、トリデカノール、イソトリデカ
ノール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルミトレイルアルコール、ステア
リルアルコールおよびオレイルアルコールから成る群から選択されるモノアルコール由来
である、請求項32に記載の液体調製物。
【請求項34】
前記モノアルコール部分が、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパ
ノール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソブタノール、ペンタン-1-オール、ペ
ンタン-2-オール、ペンタン-3-オール、2-メチルブタン-1-オール、2-メチ
ルブタン-2-オール、3-メチルブタン-1-オール、3-メチルブタン-2-オール
および2,2-ジメチルプロパン-1-オールから成る群から選択されるモノアルコール
由来である、請求項33に記載の液体調製物。
【請求項35】
前記ポリカルボン酸部分が、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、グルタル酸、アジ
ピン酸およびO-アセチルクエン酸から成る群から選択されるポリカルボン酸由来である
、請求項32乃至34のいずれか一項に記載の液体調製物。
【請求項36】
前記カルボン酸エステルが、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニルエステ
ル、アジピン酸ジ-n-ブチル、アジピン酸ジイソプロピルおよびO-アセチルクエン酸
トリブチルエステルから成る群から選択される、請求項32乃至35のいずれか一項に記
載の液体調製物。
【請求項37】
前記真菌胞子が、植物保護における生物農薬または植物健康促進剤として有効な真菌種
由来である、請求項1乃至36のいずれか一項に記載の液体調製物。
【請求項38】
前記真菌種が昆虫病原性真菌である、請求項37に記載の液体調製物。
【請求項39】
前記真菌種が殺線虫活性真菌である、請求項37または38に記載の液体調製物。
【請求項40】
前記真菌種が、イサリア・フモソロセア(Isaria fumosorosea)、ペニシリウム・ビラ
イ(Penicillium bilaii)、 メタリジウム・アニソプリエ(Metarhiziu anisopliae)、
プルプレオシリウム・リラシヌム(Purpureocillium lilacinum)、コニオチリウム・ミ
ニタンス(Coniothyrium minitans)、ボーベリア・バシアナ(Beauveria bassiana)お
よびクロノスタキス・ロゼア(Clonostachys rosea)から成る群から選択される、請求項
37乃至39のいずれか一項に記載の液体調製物。
【請求項41】
界面活性剤、レオロジー改質剤、消泡剤、酸化防止剤および染料からなる群から選択さ
れる少なくとも1つの物質をさらに含む、請求項1乃至40のいずれか一項に記載の液体
調製物。
【請求項42】
請求項1乃至41のいずれか一項に記載の液体調製物を含む液体組成物。
【請求項43】
植物内または植物上の植物病原性真菌、昆虫および/または線虫を制御するため、植物
の成長を増強するため、または、植物の収穫または根の健康を増進するための方法であっ
て、有効量の請求項1乃至41のいずれか一項に記載の液体調製物または請求項42に記
載の液体組成物を前記植物または植物が生育中または生育予定の場所に適用することを含
む、前記方法。
【請求項44】
植物保護剤としての、または、植物の活力および/または植物の健康を促進するための
、請求項1乃至41のいずれか一項に記載の液体調製物または請求項42に記載の液体組
成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
生物農薬(BCA)は、植物防疫の分野でますます重要となり、様々な菌類や昆虫との闘
い、あるいは植物の健康改善のために重要となっている。生物農薬として使用可能なウイ
ルスもあるが、この分野では主に細菌や真菌に基づくBCAが使用されている。真菌に基
づく最も顕著な形態の生物農薬は、分生子または芽胞胞子と呼ばれる無性胞子であるが、
(微小)菌核、子嚢胞子、担子胞子、クラミド胞子または菌糸断片のような他の真菌繁殖
体も有望な薬剤である可能性がある。
【0002】
桿菌胞子のような細菌に基づく多くの胞子とは異なり、多くの真菌胞子はそれほど頑強で
はなく、市販製品のニーズに合う形で真菌胞子を提供すること、特にある温度での許容可
能な保存安定性を提供することは困難であることが証明されている。
【0003】
それにもかかわらず、生物農薬に適切な製剤を提供することは、生物農薬の性質、温度安
定性及び有効期間並びに適用における製剤の効果のような、最終製剤の有効性に寄与する
多くの要因のため、依然として課題を提起する。
【0004】
適当な製剤は、均一で安定な活性成分と不活性成分の混合物であり、最終製品をより単純
化し、より安全で、標的に適用するのにより効果的である。
【0005】
生物農薬に通常用いられる製剤としては、WP(粉末状に微粉化され、典型的には水中に
分散した後に懸濁粒子として適用される固体製剤)、WG(崩壊後に適用される顆粒およ
び水中に分散される製剤)が挙げられる。WG製品の顆粒は、0.2~4mmの範囲で明
確な粒子を有している。水分散性顆粒は、凝集、噴霧乾燥、または押出技術によって形成
することができる。WP製剤はかなり容易に製造されるが、それらは粉末状である。また
、現場での施用は容易ではない。WG製剤は、使用者にとって取り扱いが容易であり、一
般にWP製剤よりも粉末含量が低い。
【0006】
液体調製物の例は、使用前に水で希釈することを通常意図した流体中の固体活性成分の水
ベースの懸濁液であるSCである。別の液体調製物タイプは、ECであり、水に添加され
るとエマルジョンを形成する水不溶性有機溶媒中の界面活性剤などの界面活性剤と組み合
わせた活性成分の溶液である。
【0007】
膨大な数の処方物が、生物農薬の実験的および商業的処方において利用されている(より
詳細な記述および一覧については、Schislerら、Phytopathology
、Vol 94、No.11、2004を参照されたい)。一般的に、処方剤は、処方バ
イオマスの化学的、物理的、生理学的または栄養学的特性を改善する担体(充填剤、増量
剤)または処方剤のいずれかとしてグループ化することができる。
【0008】
安定性、特に室温またはそれ以上の温度でのより長い時間にわたる真菌活性物質に基づく
BCAの保存安定性は、真菌分生子の繊細な性質のために特別な課題である。多くの生き
ている生物と同様に、休眠状態の菌類の分生子は、たとえば水、空気(酸素)、温度、照
射などの環境の影響に敏感である。いくつかの因子は発芽を誘発するかもしれないが、他
の因子は胞子の生存性に有害な影響を及ぼすかもしれない。水を排除するために、白色鉱
物(パラフィン)油または植物油のような油は、液体の菌類胞子製剤を調製するために典
型的に使用される。これらの油の多くは、真菌生物にとってある程度の有効期間を提供す
る。植物油は天然由来であり、グリセリンおよびC12-C18飽和および不飽和脂肪酸
から構成される本質的に混合されたカルボン酸トリグリセリドであり、それらはまた、種
々の量の天然ワックスを含有する。植物油組成は多様であり、植物品種、環境因子(例え
ば土壌、栄養素)および天候などの多くの因子に依存しているが、それはほんの少数を指
すにすぎない。したがって、一定の品質および組成を、数年間および/または広い地域に
わたって達成することは困難である。植物油の工業的使用におけるもう一つの制限因子は
、そのような油は全て酸敗しやすくなることである。すなわち、空気、光、湿気に曝露さ
れるか、または細菌の作用によって、不快な臭い、制御不能な高分子残基の形成および自
己触媒的に分解をさらに促進する遊離脂肪酸の放出をもたらす。したがって、光、酸素、
高温および望ましくない微生物汚染の排除のような予防措置が必要であり、植物油ベース
組成物の安定性を保証するために、抗酸化剤、ラジカルスカベンジャーまたは殺生物剤の
使用のような対策が適用されなければならない。
【0009】
生物農薬の処方例は、Torresら、2003,J Appl Microbiol,
94(2), pp: 330-9に記載されている。しかし、生物農薬、例えば、真菌
胞子の生存率を4℃で4ヶ月間70%以上保存する製剤は、野外での日常的な使用には適
していないことは明らかである。むしろ、生物農薬の製剤は、冷蔵が不可能な条件下でも
十分な有効期間を有することが望ましい。
【0010】
Kimら、2010(J.S. Kim、Y.H. Je、J. Y. Roh、Jou
rnal of Industrial Microbiology & Biotec
hnology 2010, vol 37(4号)、pp、419ff)は、真菌イサ
リア・フモソロセア(Isaria fumosorosea)の分生子が、油(ダイズ
、トウモロコシ、コットンシード、パラフィン油、オレイン酸メチル)中に分散させた場
合、50℃での2および8時間の熱処理中に、水中での分散と比較して改善された安定性
を示すことを開示している。
【0011】
Mbarga et al.、 2014(Biological Control 2
014, vol. 77, pp.15ff)は、異なる乳化剤を含む大豆油に配合さ
れたトリコデルマ アスペレラム(Trichoderma asperellum)が
、水中の分生子の分散と比較して有効期間の改善を示すことを見出した。
【0012】
例えば、エトキシル化トリシロキサン類(例えば、Break-Thru S240)の
ような他の液体は、適切な代替物であり、例えばP. Lilacinum (バイオア
クト(登録商標)、WO2016/050726参照)と共に安定した調製物を提供する
が、このようなトリシロキサン類およびそれらを含む製品の製造には高い費用がかかる。
【0013】
EP 1 886 570 A2は、あるエステルと界面活性剤を含む微生物芽胞の農薬
学的に活性な製剤を記載している。安定性の絶対値は良好な生存率を示唆しているが、相
対的な生存率を比較することによって示されるように、全体的な安定性は特に高くはない
(40℃で8週間保存した後の胞子の生存率は、5,86%程度の低いレベルまで低下す
る。)(表1、製剤4)。WO 2009/126473 A1には、細菌及びある種の
非水性水混和性及び/又は水不混和性添加物を含む水ベースの製剤が記載されている。W
O 2016/189329 A1では、脂肪酸および脂肪酸誘導体と特定の菌種との併
用について記載されている。Begonya Vicedoら. (Archives
of Microbiology, vol. 184, No. 5, p. 316
f)は、Boytritis spによって引き起こされる病気を制御するための、部分
エステル化された炭酸ジアシド(すなわち、アジピン酸モノエチレスター、またはAAM
E)を記述している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】WO2016/050726
【特許文献2】EP 1 886 570 A2
【特許文献3】WO 2009/126473 A1
【特許文献4】WO 2016/189329 A1
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】Schislerら、Phytopathology、Vol 94、No.11、2004
【非特許文献2】Torresら、2003,J Appl Microbiol,94(2), pp: 330-9
【非特許文献3】Kimら、2010(J.S. Kim、Y.H. Je、J. Y. Roh、Journal of Industrial Microbiology & Biotechnology 2010, vol 37(4号)、pp、419ff)
【非特許文献4】Mbarga et al.、 2014(Biological Control 2014, vol. 77, pp.15ff)
【非特許文献5】Begonya Vicedoら. (Archives of Microbiology, vol. 184, No. 5, p. 316f)
【発明の概要】
【0016】
上述の欠点により、真菌活性物質に基づく生物農薬のための単純で、取り扱いが容易な製
剤処方が依然として必要とされている。他の特性の中でも、このような製剤は、理想的に
は、濃縮製剤中で良好な物理的安定性を提供し、特に高温(20℃以上)では、経時的に
適切な有効期間を示し、良好な水混和性または懸濁性を提供しなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上述のように、油または有機ケイ素以外の有機流体を使用して、真菌胞子ベースのBCA
の安定な農薬調製物を提供することができるという先行例は非常に少ない。驚くべきこと
に、高温(30℃以上で5週間)での保存後、多数の液体カルボン酸エステルが良好ない
し優れた胞子生存率を提供することがわかった。
【0018】
したがって、第1の局面において、本発明は、式I
【化1】
【0019】
[式中、カルボン酸エステルは植物油に含まれるカルボン酸トリグリセリドではない]に
示すカルボン酸部分とアルコール部分からなる少なくとも1つのカルボン酸エステル;お
よび菌類の胞子を含む液体調製物に関する。菌類は植物に有益な効果を発揮する菌類であ
る。
【0020】
本発明に関連して、カルボン酸エステルは、天然源から単離されるか、または、式Iのカ
ルボン酸部分およびカルボン酸部分の基礎となるそれぞれのカルボン酸およびアルコール
のエステル化に限定されるものではない当該技術分野で公知の方法によって製造されるか
のいずれかである。むしろ、用語「カルボン酸部分」および「アルコール部分」の使用は
、本発明によるカルボン酸エステルの構造を明らかにし、明確にするのに役立つ。両方の
部分を合わせると、H2Oの正式な脱離のもとにエステル基を作り出す。したがって、カ
ルボン酸部分もカルボン酸のX-(C=O)-ラジカルと定義することができ、アルコー
ル部分はアルコールのY-O-ラジカルと定義することができる。このような定義は、本
発明に関連して「由来」とも呼ばれる。好ましくは、カルボン酸部分の基礎になるカルボ
ン酸は、以下においてさらに定義されるモノカルボン酸またはポリ酸であり、アルコール
部分の基礎になるアルコールは、以下においてさらに定義されるモノアルコールまたはポ
リアルコールである。
【0021】
本発明で使用されるカルボン酸エステルは、植物油に見られるカルボン酸トリグリセリド
ではない。このようなカルボン酸トリグリセリドは、脂肪酸に結合したグリセロールを含
み、用語「脂肪酸」は、12~18個の炭素原子を有する直鎖カルボン酸に関する。この
ような植物油は、例えば、トウモロコシ油、ひまわり油、大豆油、菜種油、ピーナッツ油
、綿実油、米糠油、ベニバナ油、オリーブ油、アマニシ油およびヒマシ油のような室温で
液体であるものからなることが好ましい。当業者はどのカルボン酸トリグリセリドが植物
油に含まれているかを知っている。植物油の定義はhttps://en.wikipe
dia.org/wiki/Vegetable_oilに記載され(2018年7月2
0日現在)、また、そのようなカルボン酸トリグリセリドの概要はhttp://www
.dgfett.de/material/fszus.phpで確認できる(2018
年7月20日現在)。
【0022】
上記の除外に加えて、1つの実施形態において、本発明において使用されるカルボン酸エ
ステル、特にa)記載されるカルボン酸エステルは、C14-C18カルボン酸部分およ
びメタノールに基づくアルコール部分から構成されるカルボン酸エステルではない。別の
実施形態では、a)に記載されるカルボン酸エステルは、C14-C18カルボン酸部分
とエタノールに基づくアルコール部分からなるカルボン酸エステルではない。特定の実施
態様において、a)に記載されるカルボン酸エステルは、C14-C18カルボン酸部分
からなるカルボン酸エステルではなく、メタノールまたはエタノールに基づくアルコール
部分である。このようなカルボン酸エステルは、メチル化またはエチル化種子油とも呼ば
れ、いくつかの実施形態においては、本発明の範囲内には明確に含まれない。
【0023】
本発明の範囲内の真菌胞子は、分生子(conidia)あるいは分芽胞子(blast
ospores)と呼ばれる無性胞子(asexual spores)を含むが、子嚢
胞子(ascospores)、担子胞子(basidiospores)、クラミジア
胞子(chlamydospores)などの他の真菌繁殖体も含む。(微小)菌核は、
厳密な意味では胞子ではないが、本発明による液剤に加えてもよい。好ましくは、真菌胞
子は、以下に記載されるように植物にとって有益な真菌の胞子である。
【0024】
真菌胞子は分生子であることが好ましい。
【0025】
1つの実施形態において、前記少なくとも1つのカルボン酸エステルは、以下のものから
構成されているか、またはそれらを含むか、またはそれらから得ることができる。
【0026】
a) モノカルボン酸部分とモノアルコール部分
b) 少なくとも1つのモノカルボン酸部分およびポリアルコール部分および/または
c) ポリカルボン酸部分および少なくとも1つのモノアルコール部分。
【0027】
[ここで、前記モノアルコール部分が分枝状、線状、環状、非環状または部分的環状、飽
和または部分的不飽和のC1-C24モノアルコール部分であり;
前記モノカルボン酸部分が分枝状、線状、環状、非環状または部分的環状、飽和または部
分的不飽和のC2-C24モノカルボン酸部分であり、任意に少なくとも1つのOH官能
基を有し;
前記ポリアルコール部分が、分枝状、線状、環状又は部分環状、飽和又は部分不飽和のジ
-、トリ-、テトラ-、ペンタ-及び/又は六価のC2-C20ポリアルコール部分であ
り;
前記少なくとも1つのカルボン酸部分が、任意に少なくとも1つのOH官能基を有する、
分枝状、線状、環状、非環状又は部分環状、飽和又は部分不飽和のC2-C20カルボン
酸部分である。]
本発明に関連して、用語「ポリカルボン酸(carboxylic polyacid)
」は、2つ以上のカルボキシル基を有するカルボン酸を含む。したがって、本発明の範囲
内には、ジカルボン酸、トリカルボン酸およびテトラカルボン酸がある。
【0028】
液体調製物は、a)~c)、例えば、a)およびb)、a)およびc)またはb)および
c)のいずれかによるカルボン酸エステルの混合物を含み得る。また、a)、b)および
c)の3種類すべての混合物を使用してもよい。
【0029】
a)およびb)のいずれか1つの混合物は、1:100~100:1の範囲、好ましくは
1:50~50:1の範囲、より好ましくは1:25~25:1の範囲、例えば1:20
、1:15、1:10、1:5、1:2、1:1、2:1、5:1、10:1、15:1
または20:1の範囲の比率で存在することができる。さらに別の好ましい実施形態は、
1:20~1:1の範囲の比、または1:1~20:1の範囲の比で、a)およびb)の
いずれか1つの混合物を含む。
【0030】
a)およびc)のいずれか1つの混合物は、1:100~100:1の範囲、好ましくは
1:50~50:1の範囲、より好ましくは1:25~25:1の範囲、例えば1:20
、1:15、1:10、1:5、1:2、1:1、2:1、5:1、10:1、15:1
または20:1の範囲の比率で存在することができる。さらに別の好ましい実施形態は、
1:20~1:1の範囲の比で、または1:1~20:1の範囲の比で、a)およびc)
のいずれかの混合物を含む。
【0031】
b)およびc)のいずれか1つの混合物は、1:100~100:1の範囲、好ましくは
1:50~50:1の範囲、より好ましくは1:25~25:1の範囲、例えば1:20
、1:15、1:10、1:5、1:2、1:1、2:1、5:1、10:1、15:1
または20:1の範囲の比率で存在することができる。さらに別の好ましい実施形態は、
1:20~1:1の範囲の比、または1:1~20:1の範囲の比で、b)およびc)の
いずれか1つの混合物を含む。
【0032】
a)およびb)およびc)のいずれか1つの混合物は、1:1:100~100:100
:1、1:100:1~100:1:100、100:1:1~1:100:100のい
ずれかの範囲、好ましくは1:1:50~50:50:1、1:1:50~50:1、1
:1:50~50:50:1のいずれかの範囲、より好ましくは1:1:25~25:2
5:1、1:25:1~25:1:25、25:1:1~1:25:1の混合物の範囲、
例えば1:20:1、1:15:1、1:10:1、1:5:1、1:1:1、20:1
:1、15:1:1、10:1:1、5:1:1、1:1:20、1:1:15、1:1
:10、1:1:5、5:20:1、5:15:1、5:10:1、1:20:5、1:
15:5、1:10:5、20:1:5、15:1:5、10:1:5、20:5:1、
15:5:1、1:5:20、1:5:15、1:5:10、5:1:20、5:1:1
5または5:1:10の範囲の比率で存在することができる。さらに別の好ましい実施形
態は、1:20:1~1:1:1の範囲の比、または20:1:1~1:1:1の範囲の
比、または1:1:20~1:1:1の範囲の比で、a)およびb)およびc)のいずれ
かの混合物を含む。
【0033】
1つの実施形態において、a)、b)および/またはc)のいずれか1つは、複数の異な
るモノアルコール、ポリアルコール、モノカルボン酸またはポリカルボン酸部分からなる
エステルの混合物である。例えば、a)による混合物は、1つ以上の異なるモノカルボン
酸および/またはモノアルコール部分を含み得、b)による混合物は、1つ以上の異なる
モノカルボン酸および/またはポリアルコール部分を含み得、および/またはc)による
混合物は、異なるカルボン酸および/またはモノアルコール部分以上を含むことができる
。
【0034】
特定の実施形態では、液体調製物は、上記のような異なるモノアルコール、ポリアルコー
ル、モノカルボン酸またはポリカルボン酸部分の混合物と、a)~c)の異なるサブグル
ープの混合物の両方を含むことができる。
【0035】
好ましい実施態様において、前記モノアルコール部分は、分枝状、線状、飽和または部分
的不飽和のC1-C20モノアルコールに由来する。例示的および好ましいモノアルコー
ルは、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール
、2-ブタノール、イソブタノール、1-ペンタノール、1-ヘキサノール、1-ヘプタ
ノール、2-エチルヘキサン-1-オール、カプリルアルコール、ペラルゴンアルコール
、イソノニルアルコール、カプリンアルコール、ウンデカノール、ラウリルアルコール、
トリデカノール、イソトリデカノール、ミリスチルアルコール、ペンタデカノール、セチ
ルアルコール、パルミトレイルアルコール、ヘプタデカノール、ステアリルアルコール、
オレイルアルコール、ノナデカノール、エイコサノール、および任意に前述のいずれかの
混合物からなる群から選択される。より好ましいモノアルコールは、メタノール、エタノ
ール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソブ
タノール、1-ペンタノール、1-ヘキサノール、1-ヘプタノール、2-エチルヘキサ
ン-1-オール、カプリルアルコール、ペラルゴンアルコール、イソノニルアルコール、
カプリルアルコール、ラウリルアルコール、トリデカノール、イソトリデカノール、ミリ
スチルアルコール、セチルアルコール、パルミトレイルアルコール、ステアリルアルコー
ル、オレイルアルコールおよび任意に上記のいずれかの混合物からなる群から選択される
。
【0036】
別の好ましい実施態様において、前記少なくとも1つのモノカルボン酸部分は、分枝状、
線状、飽和または部分的不飽和のC2-C20カルボン酸に由来する。例示的で好ましい
モノカルボン酸は、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプ
リン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、
オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、リシノール酸、および任意に前述のいずれか
の混合物を含む。
【0037】
好ましい実施態様において、少なくとも1つのポリアルコール部分は、HOCHOB(C
HOH)n CH2 OH (n=2、3または4)式によるグリコール、1、3-プロ
パンジオール、1-4-ブタンジオール、1、5-ペンタンジオール、1、6-ヘキサン
ジオール、シクロヘキサン-1、2-ジオール、イソソルビド、1、2-プロパンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリ
トールおよび糖アルコールからなる群より選択されるポリアルコール、ならびに任意にそ
れらの混合物に由来する。糖アルコールの例はエチレングリコール、グリセロール、グリ
セロール、エリスロール、スレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マ
ンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、フシトール、イジトール、イノシトール、
ボレミトール、イソマルト、マルトール、ラクチトール、マルトトリオール、マルトテト
ライトール、ポリグリシトールおよびソルビタンを含む。好ましい糖アルコールはソルビ
トールおよびソルビタンである。より好ましいポリアルコールは、1,2-プロパンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、グリセロール、1,3-プロパンジオール、トリメチロ
ールプロパンおよびソルビタン、ならびに任意にそれらの混合物である。さらに好ましい
ポリアルコールは、1,2-プロパンジオール、グリセロール、1,3-プロパンジオー
ルおよびソルビタン、ならびに任意にその混合物である。
【0038】
別の好ましい実施形態では、前記少なくとも1つのカルボン酸部分は、
(i) 線状、飽和または部分的不飽和のC2-C10ジカルボン酸
(ii) 環状C5-C6ジカルボン酸、および
(iii) クエン酸とそのO-アセチル化誘導体、例えばO-アセチルクエン酸
からなる群より選択されるポリカルボン酸に由来する。
【0039】
前記少なくとも1つのカルボン酸の非限定的な好ましい例は、1,2-シクロヘキサンジ
カルボン酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、2-ヒドロキシコ
ハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、O-アセチルクエン酸およびクエン酸を
含む。実施例から分かるように、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、O
-アセチルクエン酸およびグルタル酸が最も好ましく、そのうち1,2-シクロヘキサン
ジカルボン酸、アジピン酸およびO-アセチルクエン酸が本発明により成功裏に試験され
ている。
【0040】
本発明によるカルボン酸エステルに含まれる少なくとも1種のモノカルボン酸または少な
くとも1種のポリカルボン酸は、少なくとも1種のOH官能基を有していてもよい。
【0041】
b)による少なくとも1つのカルボン酸エステルの特定の実施形態に含まれるポリアルコ
ール部分を生じる少なくとも1つのポリアルコールは、部分的または完全にエステル化さ
れていてもよい。言い換えれば、ポリアルコールは、まで、その官能性OH基の1つまた
は(得られたポリアルコール部分に存在する全ての官能性OH基に至る)複数においてエ
ステル化され得る。従って、グリセロールのような3つの官能性OH基を含むポリアルコ
ール部分において、1つまたは2つまたは全ての3つのOH基は、b)によるモノカルボ
ン酸でエステル化されてカルボン酸エステルを形成し得、1,3-プロパンジオールのよ
うな2つの官能性OH基を含むポリアルコール部分において、1つまたは両方のOH基は
、モノカルボン酸でエステル化されて、b)によるカルボン酸エステルを形成し得る。
【0042】
a)によるカルボン酸エステルは、少なくとも1つの分枝状、線状、飽和または部分的不
飽和のC2-C20カルボン酸部分と、少なくとも1つの分枝状、線状、飽和または部分
的不飽和のC1-C20モノアルコール部分で構成されることが好ましい。
【0043】
好ましくは、a)によるカルボン酸エステル中の炭素原子の数は、13~28の範囲であ
る。
【0044】
好ましくは、a)に従うアルコール部分を形成するモノアルコールは、メタノール、エタ
ノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソ
ブタノール、1-ペンタノール、1-ヘキサノール、1-ヘプタノール、2-エチルヘキ
サン-1-オール、カプリルアルコール、ペラルゴンアルコール、イソノニルアルコール
、カプリンアルコール、ウンデカノール、ラウリルアルコール、トリデカノール、イソト
リデカノール、ミリスチルアルコール、ペンタデカノール、セチルアルコール、パルミト
レイルアルコール、ヘプタデカノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ノ
ナデカノール、エイコサノール、および任意に前述のいずれかの混合物からなる群から選
択される。
【0045】
a)によるカルボン酸エステルにおいて、前記モノカルボン酸部分は、好ましくは、酢酸
、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミ
リスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸
、α-リノレン酸、リシノール酸、および任意に前述のいずれかの混合物からなる群から
選択されるモノカルボン酸から誘導される。より好ましくは、特に上記のカルボン酸モノ
アルコールでは、対応するモノアルコール部分は、メタノール、エタノール、1-プロパ
ノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソブタノール、1-ペ
ンタノール、1-ヘキサノール、1-ヘプタノール、2-エチルヘキサン-1-オール、
カプリルアルコール、ペラルゴンアルコール、イソノニルアルコール、カプリンアルコー
ル、ラウリルアルコール、ラウリルアルコール、トリデカノール、イソトリデカノール、
ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルミトレイルアルコール、ステアリルアル
コール、オレイルアルコールおよび上記のいずれかの任意の混合物からなる群から選択さ
れるモノアルコールから誘導される。1つのより好ましい実施形態において、上記のメチ
ル化および/またはエチル化種子油は、本発明の範囲内に含まれない。
【0046】
特に好ましいカルボン酸エステルa)によれば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カ
プロン酸、カプリル酸およびカプリン酸からなる群より選択されるモノカルボン酸、なら
びに任意にラウリルアルコール、トリデカノール、イソトリデカノール、ミリスチルアル
コール、セチルアルコール、パルミトレイルアルコール、ステアリルアルコール、オレイ
ルアルコールおよびそれらの任意の混合物からなる群より選択されるモノアルコールに由
来するモノアルコール部分を含むモノカルボン酸部分を含む。
【0047】
a)による他の特に好ましいカルボン酸エステルは、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミ
チン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、リシノール酸および
任意にその混合物からなる群より選択されるモノカルボン酸、ならびにメタノール、エタ
ノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソ
ブタノール、1-ペンタノール、1-ヘキサノール、1-ヘプタノール、2-エチルヘキ
サン-1-オール、カプリルアルコール、ペラルゴンアルコール、イソノニルアルコール
および任意にその混合物からなる群より選択されるモノアルコールに由来するモノアルコ
ール部分を含む。1つのより好ましい実施形態において、上記のメチル化および/または
エチル化種子油は、本発明の範囲内に含まれない。
【0048】
実施例に示されるように、2-エチルヘキシルラウレート、2-エチルヘキシルパルミテ
ート、2-エチルヘキシルオレエート、リシノール酸メチルエステルおよびプロピオン酸
ペンチルエステルであるa)によるカルボン酸エステルは、本発明による安定化効果を発
揮することが示されており、したがって特に好ましい。
【0049】
b)による好ましいカルボン酸エステルは、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプリ
ン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステ
アリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、リシノール酸
、および任意にその混合物からなる群から選択されるモノカルボン酸、ならびに1,2-
エタンジオール、1,3-プロパンジオール、1-4-ブタンジオール、1,5-ペンタ
ンジオール、1,6-ヘキサンジオール、シクロヘキサン-1,2-ジオール、イソソル
ビド、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセロール、ペンタエリ
トリトール、トリメチロールプロパン、糖アルコールおよび任意にその混合物から選択さ
れる群から誘導されるポリアルコール部分を含む。
【0050】
より好ましい実施形態では、b)による前記少なくとも1つのカルボン酸エステルにおい
て、前記モノカルボン酸部分は、分岐状、線状、環状、非環状または部分環状、飽和また
は部分不飽和のC2~C6モノカルボン酸から誘導され、任意に少なくとも1つのOH官
能基、好ましくはC2~C5モノカルボン酸部分を担持する。この好ましい実施形態では
、対応するポリアルコール部分は、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール
、グリセロール、1,3-プロパンジオール、トリメチロールプロパンおよびソルビタン
ならびに任意にそれらの混合物から誘導されることがさらにより好ましい。さらに好まし
いポリアルコールは、1,2-プロパンジオール、グリセロール、1,3-プロパンジオ
ールおよびソルビタン、ならびに任意にその混合物である。
【0051】
代替のより好ましい実施形態では、b)による前記少なくとも1つのカルボン酸エステル
において、前記モノカルボン酸部分は、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸
および任意にそれらの混合物からなる群から選択されるモノカルボン酸から誘導され、前
記ポリアルコール部分は、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール、トリメチロ
ールプロパンおよび任意にそれらの混合物からなる群から選択されるポリアルコールから
誘導される。
【0052】
上記実施態様に組み合わせてよい別のより好ましい実施態様において、b)による前記少
なくとも1つのカルボン酸エステルにおいて、前記ポリアルコール部分は、
環状または部分環状、飽和または部分不飽和のC2-C20-2価、C3-C20-3価
、C4-C20-4価、C-5-C20-5価またはC6-C20-6価ポリアルコール
部分;または次式II
【化2】
【0053】
[ここで、nは0と4の間の整数であり、
R1とR2は互いに独立して水素またはヒドロキシであり、
n=1およびR1=OHであればR2はC-C9アルキルである。]のポリアルコールで
ある。
【0054】
あるいは、b)によるより好ましいカルボン酸エステルは、酢酸、プロピオン酸、酪酸、
吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、リシ
ノール酸および任意に混合物からなる群より選択されるモノカルボン酸、ならびに1,2
-エタンジオール、1,3-プロパンジオール、1-4-ブタンジオール、1,5-ペン
タンジオール、1,6-ヘキサンジオール、シクロヘキサン-1,2-ジオール、イソソ
ルビド、1,2-プロパンジオール、グリセロール、リシコールおよび任意にその混合物
からなる群より選択されるポリアルコール部分を含む。
【0055】
好ましくは、b)によるカルボン酸エステル中の炭素原子の数は9~60個の範囲であり
、より好ましくは9~40の範囲である。
【0056】
b)によるカルボン酸エステルの1つの特に好ましい実施態様において、前記ポリアルコ
ール部分は、環状または部分的環状の、飽和または部分的不飽和のC2-C20-2価、
C3-C20-3価、C4-C20-4価、C-5-C20-5価またはC6-C20-
6価ポリアルコールに由来する。ここで、前記環状または部分的環状アルコール部分は、
エチレングリコール、グリセロール、エリトロール、スレイトール、アラビトール、キシ
リトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、フシトール、イ
ノシトール、イノシトール、ボレミトール、イソマルト、ラクチトール、マルトトリトー
ル、マルトテトライトール、ポリグリシトールおよびソルビタンを含む、上述のような糖
アルコールに由来することがさらに好ましい。
【0057】
b)によるカルボン酸エステルに含まれる特に好ましいポリアルコール部分は、1,2-
エタンジオール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3-プロパ
ンジオランドソルビタンおよび任意にその混合物に由来する。例えば、ポリアルコールと
してのグリセロール、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸およ
びカプリン酸、ならびに任意にそれらの混合物が、カルボン酸部分を形成するモノカルボ
ン酸として特に好ましい。ポリアルコールとしてのジアセチルグリセロールについては、
カルボン酸部分を形成するカルボン酸として、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプ
ロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリ
ン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸およびリシノール酸
ならびに任意にそれらの混合物が特に好ましい。b)による特に好ましいカルボン酸エス
テルの別のセットは、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパンおよびペンタエ
リスリトールポリアルコール部分、ならびにモノカルボン酸部分としての酢酸から誘導さ
れる。
【0058】
b)によるカルボン酸エステルに関する全ての実施形態に関連して、ポリアルコール部分
がネオペンチルグリコールに由来する場合、モノカルボン酸部分はカプリル酸に由来せず
、および/またはポリアルコール部分がペンタエリスロールに由来する場合、モノカルボ
ン酸部分は2-エチルヘキサン酸に由来せず、および/またはポリアルコール部分がトリ
メチルプロパンに由来する場合、モノカルボン酸部分はn-オクタデカン酸に由来しない
ことが一般に好ましい。
【0059】
より好ましくは、b)によるカルボン酸エステルに関連して、ポリアルコール部分がネオ
ペンチルグリコール、トリメチルプロパンまたはペンタエリスロールから誘導されること
を条件として、カルボン酸部分は7~18個の炭素原子を有するモノカルボン酸から誘導
されない。
【0060】
実施例に示すように、プロピレングリコールジカプリレート、プロピレングリコールジコ
ールプラレート、ネオペンチルグリコールジコールジコート、グリセロールトリアセテー
ト、トリメチロールプロパントリイソステアレート、トリメチロールプロパントリオコー
ト、グリセロールトリカプレート、グリセロールトリカプレート、C12-C18カルボ
ン酸モノグリセリドジアセテート(脂肪酸群を形成するC12-C18カルボン酸)、ト
リメチロールプロパントリカプリレート、トリメチロールプロパントリカプレート、トリ
メチロールプロパントリオレートおよびソルビタントリオレートのカルボン酸エステルは
、本発明に従って安定化効果を発揮することが示されており、したがって特に好ましい。
【0061】
c)のカルボン酸エステルに関して、前記カルボン酸部分は、好ましくは、線状、飽和ま
たは部分的不飽和のC2-C10ジカルボン酸、環状C5-C6ジカルボン酸およびO-
アセチルクエン酸、ならびに任意にそれらの混合物に由来する。より好ましくは、前記カ
ルボン酸部分は、線状で飽和したC3-C8ジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジカ
ルボン酸およびO-アセチルクエン酸、ならびに任意にそれらの混合物からなる群より選
択されるポリカルボン酸に由来する。さらに好ましくは、前記カルボン酸部分は、1,2
-シクロヘキサンジカルボン酸、グルタル酸、アジピン酸およびO-アセチルクエン酸、
ならびに任意にそれらの混合物からなる群から選択されるポリカルボン酸に由来する。別
のより好ましい実施形態では、前記カルボン酸部分は、1,2-シクロヘキサンジカルボ
ン酸、グルタル酸およびO-アセチルクエン酸、ならびに任意にそれらの混合物からなる
群から選択されるポリカルボン酸に由来する。
【0062】
好ましくは、c)によるカルボン酸エステル中の炭素原子の数は、10~40の範囲であ
り、10~30の間でより好まれ、10~20の間でさらに好ましい。
【0063】
c)によるカルボン酸エステル中のカルボン酸部分を特徴付ける上記実施形態の代わりに
、またはそれに加えて、c)によるカルボン酸エステル中のモノアルコール部分は、メタ
ノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタ
ノール、イソブタノール、ペンタン-1-オール、ペンタン-2-オール、ペンタン-3
-オール、2-メチルブタン-1-オール、2-メチルブタン-2-オール、3-メチル
ブタン-1-オール、3-メチルブタン-2-オール、2,2-ジメチルプロパン-1-
オール、1-ヘキサノール、1-ヘプタノール、2-エチルヘキサン-1-オール、カプ
リルアルコール、ペラルゴンアルコール、イソノニルアルコール、カプリルアルコール、
ラウリルアルコール、トリデカノール、イソトリデカノール、ミリスチルアルコール、セ
チルアルコール、パルミトレイルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコー
ルおよび任意にその混合物からなる群より選択されるモノアルコールに由来する。
【0064】
c)によるカルボン酸エステルの好ましい一実施形態において、前記カルボン酸部分は線
状C3-C8ジカルボン酸に由来し、モノアルコール部分はC1-C5モノアルコールに
由来する。
【0065】
c)によるカルボン酸エステルの別の好ましい実施態様において、前記カルボン酸部分は
環状ジカルボン酸およびトリカルボン酸に由来し、モノアルコール部分はC1-C24モ
ノアルコールに由来する。
【0066】
c)によるカルボン酸エステルに係る全ての実施形態において、当該ポリカルボン酸部分
がアジピン酸に由来する場合、当該モノアルコール部分は、イソデシルアルコールまたは
2-ヘプチルンシルアルコールに由来しないことが特に好ましい。他の特に好ましい実施
形態では、c)によるカルボン酸エステルは、6~18個の炭素原子を有するアジピン酸
およびモノアルコール部分に由来しない。
【0067】
c)によるカルボン酸エステルを特徴付ける上記実施形態の代わりに、または加えて、線
状カルボン酸部分と組み合わせたモノアルコール部分は、メタノール、エタノール、1-
プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノールおよびイソブタノー
ルからなる群から選択される。
【0068】
c)によるカルボン酸エステルを特徴付ける別の代替として、または上記実施形態に加え
て、環状C5-C6ジカルボン酸およびO-アセチルクエン酸と組み合わせたモノアルコ
ール部分、またはそれらの混合物は、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-
プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソブタノール、1-ヘキサノール、
1-ヘプタノール、2-エチルヘキサン-1-オール、カプリルアルコール、ペラルゴン
アルコール、イソノニルアルコール、カプリンアルコール、ラウリルアルコール、トリデ
カノール、イソトリデカノール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルミトレ
イルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、および任意にこれらの混
合物からなる群から選択される。
【0069】
実施例に示すように、1、2-シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニルエステル、アジ
ピン酸ジ-n-ブチル、アジピン酸ジイソプロピルおよびO-アセチルクエン酸トリブチ
ルエステルであるカルボン酸エステルが、本発明に従って安定化効果を発揮することが示
されており、したがって特に好ましい。
【0070】
本出願の実施例に示されるように、本明細書に記載されるようなカルボン酸エステルを含
む流体は、本発明による安定化効果を有するが、他の構造的に類似する流体は、この効果
を示さないことが見出された。出願人は、いかなる科学理論によっても束縛されることを
望まないが、低分子量のカルボン酸エステルおよび高溶媒力を提供するカルボン酸エステ
ルのような流体の特定の構造モチーフは、安定化効果を提供するのに適さないと考えられ
る。したがって、炭素原子数12未満、特に炭素原子数9未満、さらに炭素原子数6未満
のa)によるカルボン酸エステル、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ペンタン酸また
はヘキサン酸からなる群から選択されるカルボン酸と、メタノール、エタノール、1-プ
ロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソブタノール、1
-ペンタノール、および1-ヘキサノールからなる群から選択されるモノアルコールとの
組合せから誘導されるカルボン酸エステルは、本発明によるものとはみなされない。本発
明に従わない低分子量のカルボン酸エステルの非限定的な例は、酢酸メチル、酢酸エチル
、酢酸1-プロピル、酢酸2-プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン
酸エチル、プロピオン酸プロピル、酪酸メチル、酪酸エチルおよびペンタン酸メチルであ
る。対照的に、クレームで定義されているカルボン酸エステルは、真菌胞子に対して安定
化効果を有する。
【0071】
本発明の過程において、驚くべきことに、本明細書中に定義されるような特定の液体が、
真菌胞子の貯蔵安定性を増加させるのに適していることが見出された。言い換えれば、本
発明による液剤中に存在する真菌胞子は、異なる製剤中または純粋な形態で存在する真菌
胞子と比較して、所定時間後の発芽率が改善された。
【0072】
本発明に関連して、「改良された発芽率」とは、休眠真菌構造または器官、好ましくは真
菌胞子の発芽率を指し、該発芽率は、本発明の手順に従って処理されないが、その他につ
いては等しく処理された休眠真菌構造または器官、例えば、胞子(「対照胞子」)の発芽
率よりも少なくとも10%高く、好ましくは、前記胞子の生産後少なくとも2週間までに
少なくとも20%、より好ましくは少なくとも30%または少なくとも40%、最も好ま
しくは少なくとも50%高い。言い換えれば、「改良された発芽率」とは、前記胞子の生
産後少なくとも2週間までに、対照胞子の発芽率の少なくとも110%、好ましくは少な
くとも120%、より好ましくは少なくとも130%または少なくとも140%、最も好
ましくは少なくとも150%またはそれ以上の発芽率を意味する。好ましくは、前記改良
された発芽率は、製造後少なくとも3か月、より好ましくは少なくとも4か月、最も好ま
しくは少なくとも6か月、例えば少なくとも8か月、少なくとも10か月または12か月
以上までは依然として明らかであるか、または増加する場合さえある。したがって、本発
明に従って処理された胞子の発芽率は、前記胞子の製造後3か月に、対照胞子の発芽率の
少なくとも200%であることが好ましい。別の好ましい実施形態では、前記胞子の製造
から6ヵ月後に、発芽率は少なくとも300%または少なくとも400%であり、対照胞
子の発芽率の少なくとも500%が好ましい。この関係における発芽率は、ある時間を経
ても胞子がまだ発芽できることを意味する。%発芽率とは、一定の時間を経て発芽できる
胞子の割合を意味する。発芽率を測定する方法は、当該技術分野において周知である。例
えば、胞子を寒天培地の表面に広げ、適当な生育温度でインキュベートした後、発芽管を
発達させる胞子の割合を顕微鏡で測定する(Oliveira et al., 201
5. A protocol for determination of conid
ial viability of the fungal entomopathog
ens Beauveria bassiana and Metarhizium a
nisopliae from commercial product. Journ
al of Microbiological Methods 119; pp: 4
4-52、およびその中の参考文献)。
【0073】
特定の実施態様において、本発明は、以下を含む液体調製物を提供する:
0.1~40%、好ましくは2.5~30%、最も好ましくは5~25%、例えば10~
20%の真菌胞子、
99.9%まで、好ましくは70~97.5%、最も好ましくは75~95%、例えば8
0~90%の上で定義した少なくとも1つのカルボン酸エステル、
0~20%、好ましくは0~15%、最も好ましくは0.1~10%の界面活性剤(例え
ば、分散剤乳化剤)、
0~10%、好ましくは0~7%、より好ましくは0.5~5%のレオロジー改質剤、例
えば、ヒュームドシリカ、アタプルギト、
それぞれ0~5%、好ましくは0~3%、最も好ましくは0.1~0.5%の消泡剤、抗
酸化剤、色素。
【0074】
特に、適切な量の水で希釈した後に野外に適用することができる水混和性製剤をもたらす
ために、液体調製物は界面活性剤をさらに含むことが好ましい。
【0075】
BCAは休眠状態で生きている生物である。したがって、低濃度の水を含む、または本質
的に水を含まない製剤は、BCAのための好ましい製剤種類である。一方、ある種のBC
Aは、より高い水分含量で配合されることもある。水が存在する場合、そのような水は主
に乾燥した胞子粉末中の残留遊離水または他の調合剤中の微量の水から生じる。したがっ
て、これらの事実により0~8%の水分濃度が可能であり、その範囲は「基本的に水がな
い」という定義の範囲内にあると考えられる。好ましくは、水濃度は0~6%の範囲であ
り、より好ましくは2~4%の間など0~4%の間である。したがって、例示的な水濃度
は、2%、3%、4%、5%および6%を含む。
【0076】
本発明による液体調製物において、前記少なくとも1つのカルボン酸エステルは、より少
ない量で存在し得ると考えられるが、少なくとも50wt%の量で存在することが好まし
い。一般に、前記少なくとも1つのカルボン酸エステルは、最大99.9%の濃度で存在
してもよく、好ましくは70~97.5wt%の範囲で存在し、より好ましくは75~9
5%の間で存在し、最も好ましくは80~90wt%の間で存在する。
【0077】
本発明による液剤は、水混和性が好ましい。用語「水混和性」は、前記液体が、1:20
0の比、好ましくは1:100の比、より好ましくは1:50の比で組み合わせれば、均
一な混合物を生じることを示す。水混和性を達成するために、液体調製物は、好ましくは
、上記の界面活性剤をさらに含む。
【0078】
いずれの真菌種も、本発明に適用することができる。しかしながら、前記真菌胞子は、植
物保護における生物農薬として、または植物健康増進剤として有効な真菌種のように、植
物に有益な効果を有する真菌種由来であることが好ましい。より好ましくは、前記真菌は
糸状菌である。
【0079】
当業者がよく知っているように、糸状菌は、主として卵形または楕円形の酵母細胞の単細
胞増殖とは対照的に、ほとんどの条件下で多細胞性、糸状型で増殖する傾向があるため、
酵母と区別される。
【0080】
前記少なくとも1つの糸状菌は、植物保護または植物成長促進効果のような植物にプラス
の効果を発揮する任意の真菌であり得る。したがって、前記真菌は、昆虫病原性真菌、線
虫捕食性真菌、植物成長促進真菌、細菌または真菌植物病原体などの植物病原体に対して
活性な真菌、または除草作用を有する真菌であってよい。
【0081】
NRRLは、特許手続きの目的での微生物の寄託の国際的承認にブダペスト条約に基づく
微生物株の寄託を目的とした国際寄託機関であるAgricultural Resea
rch Service Culture Collectionの略称であり、住所は
National Center for Agricultural Utiliza
tion Research, Agricultural Research ser
vice, U.S. Department of Agriculture, 18
15 North University Street, Peroira, Ill
inois 61604 USAである。
【0082】
ATCCは、特許手続きを目的とした微生物の寄託の国際的承認にブダペスト条約に基づ
く微生物株の寄託を目的とした国際寄託機関であるAmerican Type Cul
ture Collectionの略称であり、住所は、ATCC Patent De
pository, 10801 University Blvd., Manass
as, VA 10110 USAである。
【0083】
選択的除草活性を有する菌類はわずかしか知られておらず、例えば、F2.1 ホマ・マ
クロストマ(Phoma macrostroma)、特に菌株94-44B; F2.
2 スクレロチニア・ミノル(Sclerotinia minor)、特に菌株IMI
344141、(例: Agrium Advanced TechnologiesのSarritor);F2.3 コレ
トトリクム・グロエオスポリオイデス(Colletotrichum gloeosp
orioides)、特にATCC 20358株(例: Agricultural Research Initi
ativesのCollego (LockDownとしても知られる)); F2.4 スタ
グノスポラ・アトリプリシス(Stagonospora atriplicis);ま
たはF2.5 フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)
(このものの異なった種は異なった植物種に対して活性を有する、例:雑草ストライガ・
ヘルモンシカ(Striga hermonthica) (Fusarium oxy
sproum formae specialis strigae)である。
【0084】
植物成長/植物健康支持、促進又は刺激菌類の例示的種は、E2.1 タラロマイセス・
フラバス(Talaromyces flavus)、特にV117b株; E2.2
トリコデルマ・アトロビリデ(Trichoderma atroviride)、特にC
NCM I-1237株(例:Agrauxine(仏)のEsquive(登録商標)
WP)、国際出願PCT/IT2008/000196に記載されているSC1株、菌株
番号V08/002387、菌株番号NMI No.V08/002388、菌株番号
NMI No.V08/002389、菌株番号 No.NMI No. V08/00
2390株、LC52株(例:Agrimm Technologies Limite
d社のSentinel)、kd株(例:Agrimm Technologies Limit
ed社のT-Gro)、および/またはLUI32株(例:Agrimm Techno
logies Limited社のTenet); E2.3 トリコデルマ・ハルジアナム
(Trichoderma harzianum)、特にITEM 908株またはT-22株(
例:Koppert社のTrianum-P)、E2.4 ミロテシウム・ベルカリア(Myro
thecium verrucaria)、特にAARC-0255株(例:Valent Bi
osciences社のDiTera(商標)):E2.5 ペニシリウム・ビライ(P
enicillium bilai)、特にATCC 22348株(例:Accele
ron BioAg社のJumpStart(登録商標))、および/またはATCC2
0851株;E2.6 ピシウム・オリガンドラム(Pythium oligandr
um)、特にDV74株またはM1株(ATCC 38472;例 Bioprepra
ty社、CZのPolyversum);E2.7 リゾポゴン・アミロポゴン(Rhizopogo
n amylopogon) (例:Helena Chemical社のMyco-S
olに含まれる);E2.8 リゾポゴン・フルビグレバ(Rhizopogon fu
lvigleba) (例:Helena Chemical社のMyco-Solに含
まれる); E2.9 トリコデルマ・ハルジアナム(Trichoderma har
zianum)、特にTSTh20株、KD株、Plant Health Productsの製品Eco-T
、ZA株または1295-22株;E2.10 トリコデルマ・コニンギイ(Trich
oderma koningii);E2.11 グロムス・アグレカツム(Glomu
s aggregatum);E2.12 グロムス・クラルム(Glomus cla
rum);E2.13 グロムス・デセルチコラ(Glomus deserticol
a);E2.14 グロムス エツニカツム(Glomus etunicatum);
E2.15 グロムス・イントララディセス(Glomus intraradices
);E2.16 グロムス・モノスポルム(Glomus monosporum);E
2.17 グルムス・モセアエ(Glomus mosseae);E2.18 ラカリ
ア・ビコロル(Laccaria bicolor);E2.19 リゾポゴン・ルテオ
ルス(Rhizopogon luteolus); ;E2.20 リゾポゴン・チン
クトリウス(Rhizopogon tinctorus);E2.21 リゾポゴン・
ビロスルス(Rhizopogon villosulus)、E2.22 タマネギモ
ドキ(Scleroderma cepa)、E2.23 チチアワタケ(Suillus granul
atus);E2.24 アシグロニオイイグチ(Suillus punctatap
ies);E2.25 トリコデルマ・ビレンス(Trichoderma virens)、
特にGL-21株;E2.26 バーティシリウム・アルボ・アトラム(Vertici
llium albo-atrum) (以前のV. dahliae)、特にWCS8
50株(CBS 276.92; 例えば、Tree Care Innovation
sのDutch Trig);E2.27 トリコデルマ・ビリデ(Trichoder
ma viride)、例えばB35株(Pietr et al., 1993, Z
esz. Nauk. A R w Szczecinie 161: 125―137
)およびE2.28 プルプレオシリウム・リラシナム(Purpureocilliu
m lilacinum) (以前はPaecilomyces lilacinusと
して知られていた)251株(AGAL 89/030550;例えば、Bayer C
ropScience Biologics GmbHのBioAct)である。
【0085】
より好ましい態様において、植物の健康および/または成長に有益な効果を有する真菌株
は、タラロマウセス・フラバス(Talaromyces flavus)、VII7b
株; トリコデルマ・ハルジアナム(Trichoderma harzianum)K
D株またはPlant Health Productsの製品Eco-T; ミロテシウム・ベルカリア(M
yrothecium verrucaria)AARC-255株; ペニシリウム・
ビライ(Penicillium bilaii)ATCC 22348株; ピシウム
・オリガンドラム(Pythium oligandrum)DV74株またはM1(A
TCC 38472); トリコデルマ・ビリデ(Trichoderma virid
e)B35株; トリコデルマ・アトロビリデ(Trichoderma atrovi
ride)CNCM I-1237株、およびプルプレオシルリウム・リラシヌム(Pu
rpureocillium lilacinum) (以前はPaecilomyce
s lilacinusとして知られていた)251株(AGAL 89/030550
)から選択される。
【0086】
さらに好ましい実施形態では、植物の健康および/または成長に有益な効果を有する真菌
株は、ペニシリウム・ビライ(Penicillium bilaii)ATCC 22
348株、トリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)、例えばB
35株、トリコデルマ・アトロビリデ(Trichoderma atroviride
)CNCM I-1237株およびプルプレオシリウム・リラシナム(Purpureo
cillium lilacinum) (以前はPaecilomyces lila
cinusとして知られていた)251(AGAL 89/030550)株から選択さ
れる。
【0087】
殺菌的に活性な真菌は、例えば、A2.2 Aureobasidium pullul
ans、特にDSM14940株の胞胚胞子; A2.3 オーレオバシヂウム・プルラ
ンス(Aureobasidium pullulans)、特にDSM 14941株
の胞胚胞子またはDSM14940株およびDSM 14941株の胞胚胞子の混合物;
A2.9 スクレロデルマ・シトリナム(Scleroderma citrinum
)である。
【0088】
真菌病原体に対して活性な真菌は、例えば、B2.1 コニオチリウム・ミニタンス(C
oniothyrium minitans)、特にCON/M/91-8株(受託番号
DSM-9660;例えば、Bayer CropScience Biologics
GmbHからのContans(登録商標)); B2.2 メチニコビア・フルクチ
コラ(Metschnikowia fructicola)、特にNRL Y-307
52株; B2.3 ミクロスファエロプシス・オクラセア(Microsphaero
psis ochrace)、特に株P130A (ATCC寄託物74412); B
2.4 ムスコドールアルブス(Muscodor albus)、特に株QST 20
799(受託番号NRL30547); B2.5 リコデルマ・ハルジアナム・リファ
イ(Trichoderma harzianum rifai)、特にKRL-AG2
株(T-22株、/ATCC 208479、例えば、PLANTSHIELD T-2
2G、Rootshield(登録商標)、およびBioWorks, USからのTr
ichodex(登録商標)としても知られる); B2.6 アルスロボトリス・ダク
チロイド(Arthrobotrys dactyloides);B2.7 アルスロ
ボトリス・オリゴスポラ(Arthrobotrys oligospora); B2
.8 アルスロボトリス・ スペルバ(Arthrobotrys superba);
B2.9 アスペルギルス・フラバス(Aspergillus flavus)、特
にNRL 21882株(例えば、SyngentaからのAfla-Guard(登録
商標))またはAF36株(例えば、Arizona Cotton Research
and Protection Council, USからのAF36); B2.
10 グリオクラディウム・ロゼウム(Gliocladium rosea)(Clo
nostachys rosea Plusとしても知られている)、特にXue (E
fficacy of Clonostachys rosea strain ACM
941 and fungicide seed treatments for th
e root tot complex of field pea, Can Jou
r Plant Sci 83(3): 519-524)に開示されているAdjuv
ants Plusからの321U株、IK726株(Jensen DF, et al. Development o
f a biocontrol agent for plant disease control with special emphasis on the near
commercial fungal antagonist Clonostach
ys rosea strain ‘IK726’; Australas Plant
Pathol. 2007;36:95-101)、88-710株(WO2007/
1070000)、CR7株(WO2015/035504)またはWO2017109
802に開示されているCRrO株、CRM株およびCRr2株; B2.11 フレビ
オプシス・ギガンテア(Phlebiopsis (またはPhlebiaまたはPen
iophora) gigantea)、特にVRA 1835株(ATCC 9030
4)、VRA 1984株(DSM16201)、VRA 1985株(DSM1620
2)、VRA 1986株(DSM16203)、FOC PG B20/5株(IMI
390096)、FOC PG SP log6株(IMI390097)、FOC P
G SP PG log5株(IMI390098)、FOC PG BU3(IMI3
90099)株、FOC PG BU4(IMI390100)株、FOC PG 41
0.3(IMI390101)株、FOC PG 97/1062/116/1.1(I
MI390102)株、FOC PG B22/SP1287/3.1(IMI3901
03)株、FOC PG SH1(IMI390104)株および/またはFOC PG
B22/SP1190/3.2(IMI390105)株 (Phlebiopsis
製品は、例えば、Verdera and FINのRotstop(登録商標)、e-nema、DEのPG-
Agromaster(登録商標)、PG-Fungler (登録商標)、PG-IBL(登録商標
)、PG-Poszwald(登録商標)およびRotex(登録商標)); B2.1
2 oligandrum、特にDV74またはM1株(ATCC 38472;例えば
、Biopre
praty, CZのPolyversum);B2.13 Scleroderma citrinum;
B2.14 タラロマイセス・フラバス(Talaromyces flavus)、
特にV117b株; B2.15 トリコデルマ・アスペレラム(Trichoderm
a asperellum)、特に、Isagro由来のICC 012株、または、SK
T-1株(例えばKumiai Chemical IndustryのECO-HOPE(登録商標)など)、T3
4株(例えば、Biobest Group NV由来のASPERELLO(登録商標
)およびBiocontrol Technologies S.L., ESのT34 B
IOCONTROL(登録商標)); B2.16 トリコデルマ・アトロビリデ(Tricho
derma atroviride)、特にCNCM I-1237株(例えば、Agr
auxine FR由来のEsquive(登録商標))、国際公開 PCT/IT200
8/000196に記載されているSC1株、77B株(Andermatt Bioc
ontrol由来のT77株)、菌株番号NMI No. V08/002387株、N
MI No. V08/002388株、NMI No. V08/002389株、N
MI No. V08/002390株、LC52株(例えば、Agrimm Technologies Limite
d のSentine)、LUI32株(Agrimm Technologies Limit
edのTenet)、ATCC 20476株(IMI 206040)、T11株(IMI
352941/ CECT20498)、SKT-1株(FERM P-16510株)
、SKT-2株(FERM P-16511株)、SKT-3株(FERM P-170
21株);B2.17 トリコデルマ・ハルマツム(Trichoderma harmatum);B2.1
8 トリコデルマ・ハルジアナム(Trichoderma harzianum)、特
にKD株、T-22株(例えば、KoppertのTrianum-P株)、TH35株(例えば
、MycontrolのRoot-Pro)、DB103株(例えば、Daguta Biola
b社によるT-Gro 7456);B2.19 Trichoderma viren
s (Glioclad
ium virensとしても知られる)、特にGL-21株(例えば、米国サーティス
社によるSoilGard); B2.20 Trichoderma viride、
特にTV1株(例えば、KoppertによるTrianum-P)、B35株(Pi
etrら、Zesz. Nauk. Szczecinie 161: 125-137
); B2.19 トリコデルマ・ビレンス(Trichoderma virens)
(Gliocladium virensとしても知られる),特にstrain G
L-21株 (例えばCertis, USのSoilGrand); B2.20 ト
リコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)、特にTV1株(例えば
、KoppertのTrianum-P)、B35株 (Pietr et al.,
1993, Zesz. Nauk. A R w Szczecinie 161:
125-137); B2.21 アンペロミセス・キスカリス(Ampelomyce
s quisqualis)、特にAQ 10株(例えば、CBC Europe、イタリアのA
Q10(登録商標)); B2.22 Arkansas真菌18、ARF; B2.2
3 オーレオバシヂウム・プルランス(Aureobasidium pullulan
s)、特にDSM 14941株の胞胚胞子、DSM 14941株の胞胚胞子またはD
SM 14941株とDSM 14941株の胞胚胞子の混合物(例えば、bio-fe
rm、CHによるBotector(登録商標));B2.24 ケトミウム・クプラム
(Chaetomium cupreum)(例えば、AgriLifeによるBIOK
UPRUM TM); B2.25 ケトミウム グロボスム(Chaetomium
globosum) (例えばRivaleによるRivadiom);B2.26 ク
ラドスポリウム・クラドスポリオイデス(Cladosporium cladospo
rioides)、特にH39株(Stichting Dienst Landbou
wkundig Onderzoekによる); B2.27 ダクチラリア・カンジダ
(Dactylaria candida); B2.28 ジロホスホラ・アロペクリ
(Dilophosphora alopecuri) (例えば、Twist菌);
B2.29 フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、
特にFo47株(例えば、 Natural Plant ProtectionのFu
saclean); B2.30 グリオクラジウム・カテヌラタム(Glioclad
ium catenulatum) (同義語: Clonostachys rose
a f. catenulate)、特にJ1446株(LallemandのPres
top (登録商標)); B2.31 レカニシリウム・レカニ(Lecanicil
lium lecanii)(以前はVerticillium lecaniiとして
知られていた)、特にKV01株(例えば、Koppert/ArystaのVertalec(
登録商標)); B2.32 ペニシリン・バーミクラツム(Penicillium
vermiculatum);B2.33 トリコデルマ・ガムシイ(Trichode
rma gamsii) (以前はT. viride)、特にICC080株(IMI
CC 392151 CABI、例えばAGROBIOSOL DE MEXICO,
S.A. DE C.V.のBioDerma);B2.34 トリコデルマ・ポリスポラム(
Trichoderma polysporum)、特に、IMI206039株(例えば
、BINAB Bio-Innovation AB社(スウェーデン)によるBina
b TF WP);B2.35 トリコデルマ・ストロマチクム(Trichoderm
a stromaticum) (Ceplat、ブラジルのTricovab); B2.36 ツカ
ムレラ・パウロメタボラ(Tsukamurella paurometabola)、
特にC-924株(例:HeberNem(登録商標)); B2.37 ウロクラジウ
ム・オウデマンシイ(Ulocladium oudemansi)、特にHRU3株(
例えば、Botry-Zen社、NZのBotry-Zen(登録商標)) . B2.38 バーティシリウ
ム・アルボ・アトラム(Verticillium albo-atrum) (以前の
V. dahliae)、特にWCS850株(CBS 276.92;例えば、Tre
e Care InnovationsによるDutch Tree); B2.39
ムスコドル・ ロセウス(Muscodor roseus)、特にA3-5株(受託番
号:NRRL 30548); B2.40 バーティシリウム・クラミドスポリウム(
Verticillium chlamydosporium);B2.41 トリコデ
ルマ・アスペレラム(Trichoderma asperellum)株ICC 01
2とトリコデルマ・ガムシイ(Trichoderma gamsii)株ICC 08
0の混合物(例えば、バイエル・クロプサイエンスLPからのBIO-TAM(商標)と
して知られる製品)、B2.42 シンプリシリウム・ラノソニベウム(Simplic
illium lanosoniveum)およびB2.43 トリコデルマ・フェルテ
ィレ(Trichoderma fertile)(例えば、BASFからの製品Tri
choPlus)である。
【0089】
好ましい実施態様において、殺菌活性を有する生物農薬は、コニオチリウム・ミニタンス
、特に株CON/M/91-8(寄託番号 DSM-9660)、アスペルギルス・フラ
バスNRRL 21882株(Syngenta社からAF36として入手可能)および
AF36株(Arizona Cotton Research and Protec
tion Council, USからAF36として市販);グリオクラディウム・ロ
ゼウム 321U株、ACM941株、IK726株、88-710株(WO2007/
107000)、CR7株(WO2015/035504);グリオクラジウム・カテヌ
ラタム J1446株;フレビオプシス(またはPhlebia or Penioph
ora)・ギガンテア 特にVRA 1835株(ATCC 90304)、VRA 1
984株(DSM16201)、VRA 1985(DSM16202)、VRA 19
86株(DSM16203)、FOC PG B20/5(IMI390096)、FO
C PG SP log 6(IMI390097)、FOC PG SP log 5
(IMI390098)、FOC PG BU3(IMI390099)、FOC PG
BU4(IMI390100)、FOC PG 410.3(IMI39010)、F
OC PG 97/1062/116/1.1(IMI390102)、 FOC PG
B22/SP1287/3.1(IMI390103)、FOC PG SH1(IM
I390104)、FOC PG B22/SP1190/3.2(IMI390105
)(Rotstop(登録商標)としてVerdera and FINから市販、PG
-Agromaster(登録商標)、PG-Fungler(登録商標)、PG-IB
L(登録商標)、PG-Poszwald(登録商標)、Rotex(登録商標)として
e-nema社、DEから市販);ピシウム・オリガンドラム、DV74またはM1種(
ATCC 38472)(PolyversumとしてBioprepratzy、CZ
から市販);タラロマイセス・フラバス、VII7b株;アンペロミセス・キスカリス、
特にAQ 10(登録商標)としてCBC Europe、イタリアから市販)、グリオ
クラジウム・カテヌラタム (同義語: Clonostachys rosea f.
catenulate)J1446株;クラドスポリウム・クラドスポリオイデス、例
えば、H39株(Stichting Dienst Landbouwkundig
Onderzoek)、Trichoderma virens (Gliocladi
um virensとしても知られる)、特にGL-21株(例えば、Certis社製
、米国)、トリコデルマ・アトロビリデCNCM I-1237株、77B株、LU13
2株または受入番号 CBS 122089を有するSC1株;トリコデルマ・ハルジア
ナムT-22株(例えば、Andermatt BiocontrolまたはKoppe
rtからのTrianum-P)、トリコデルマ・アスペレラム(Trichoderm
a asperellum)の受託番号FERM P-16510を有するSKT-1株
、またはT34株;トリコデルマ・ビリデB35株およびトリコデルマ・アスペレロイデ
ス(Trichoderma asperelloides) JM41R株(受託番号
NRRL B-50759)から選択される。
【0090】
より好ましい実施形態では、殺真菌活性を有する真菌種は、特にコニオチリウム・ミニタ
ンス株、特にCON/M/91-8(Accession No. DSM-9660)
(De:ProphytaからのContans(登録商標)として市販)、グリオクラ
ディウム・ロゼウム321U株、ACM941株、IK726株;グリオクラジウム・カ
テヌラタム、特にJ1446株;およびトリコデルマ・ビレンス(Gliocladiu
m virensとしても知られている)、特にGL-21株から選択される。前記真菌
種は、コニオチリウム・ミニタンス、特に、CON/M/91-8株(寄託番号DSM-
9660)(Prophyta、DEのContans(登録商標)として市販)、グリ
オクラディウム・ロゼウム321U株、ACM941株、IK726株;グリオクラジウ
ム・カテヌラタム、特にJ1446株およびトリコデルマ・ビレンス(Glioclad
ium virensとしても知られている)、特にGL-21株である。真菌種は、好
ましくは、コニオチリウム・ミニタンスCON/M/91-8株(受託番号DSM-96
60)、グリオクラジウム・カテヌラタムJ1448株、トリコデルマ・アトロビリデC
NCM I-1237株またはトリコデルマ・アトロビリデB35株であってもよい。
【0091】
殺真菌活性のある真菌の中では、トリコデルマ属、特にトリコデルマ・ビリデおよびトリ
コデルマ・アトロビリデが特に好ましい。それらは、トリコデルマ・アトロビリデCNC
M I-1237株;受託番号CBS 122089、WO 2009/116106お
よびU.S. Patent No. 8,431,120(Bi-PA由来)を有する
トリコデルマ・アトロビリデSC1株; トリコデルマ・アトロビリデ77B株; トリコ
デルマ・アトロビリデLU132株; トリコデルマ・ビリデB35株を含む。特に好ま
しいのは、トリコデルマ・アトロビリデCNCM I-1237株およびトリコデルマ・
ビリデB35株である。
【0092】
前記真菌種は昆虫病原性真菌でありえる。
【0093】
昆虫に対して活性な真菌(昆虫病原性真菌)には、C2.1ムスコドル・アルブス(Musco
dor albus)、特にQST 20799株(寄託番号NRRL 30547); C2.2
ムスコドル・ ロセウス(Muscodor roseus)、特にA3-5株(寄託番号NRRL 30
548);C2.3ボーベリア・バシアナ(Beauveria bassiana) 特にATCC 7404
0株(例えば、Intrachem Bio ItaliaのNaturalis(登録商標);GHA株(寄託番号ATCC7425
0;例えばLaverlam International CorporationのBotaniGuard Es and Mycotrol-O(登録
商標));ATP02株(寄託番号DSM 24665);PPRI 5339株(例え
ばBASFのBroadBand(登録商標));PPRI 7315株、R444株(例えば、A
ndermatt BiocontrolのBb-Protec)、IL197、IL1
2、IL236、IL10、IL131、IL116株(Jaronski, 2007
. Use of Entomopathogenic Fungi in Biolo
gical Pest Management, 2007: ISBN: 978-8
1-192-6を参照)、Bv025株(Garcia et al. 2006. M
anejo Integrado de Plagas y Agroecologia
(Costa Rica) No.77を参照));BaGPK株;ICPE 279株
;CG716株(例えば、NovozymesのBoveMax(登録商標)); C2.4
ヒルステラ・トンプソニ(Hirsutella thompsonii)(例えば、
Agro Bio-tech Research Centre, INのMycohi
tおよびABTEC); C2.6 レカニシリウム・レカニイ(Lecanicilliu
m lecanii)(以前はVerticillium lecaniiとして知られ
ていた)、特にKV01株の分生子(例えば、Koppert/ArystaのMyco
tal(登録商標)およびVertalec(登録商標))、DAOM198499株ま
たはDAOM216596株; C2.9 レカニシリウム・ムスカ
リウム(Lecanicillium muscarium)(以前はVerticil
lium lecanii株)、特にVE 6/ CABI(=IMI) 268317
/ CBS102071/ ARSEF5128株(例えば、KopperのMycotal);C2.10
メタリジウム・アニソプリアエ・アクリダム変種(Metarhizium anisopliae var acridu
m)、例えば、 Becker underwood, USのGreenGuard ま
たはIMI 330189単離体(ARSEF7486; 例えば、Biologica
l Control ProductsによるGreen Muscle); C2.1
1 メタリジウム・ブルンネウム(Metarhizium brunneum)、例えば、Cb 15株(例
えばBIO CAREのATTRACAP(登録商標)) C2.12 メタリジウム・アニソプ
リエ(Metarhizium anisopliae)、例えば、ESALQ 103
7株(例えば、Metarril(登録商標) SP Organic由来)、E-9株
(例えば、Metarril(登録商標) SP Organic由来)、M20607
7株、C4-B株(NRRL 30905)、ESC1株、15013-1株(NRRL
67073)、3213-1株(NRRL 67074)、C20091株、C200
92株、F52株(DSM3884/ ATCC 90448;例えば、Bayer C
ropScience社によるBIO 1020およびNovozymesのMet52)またはICIPE7
8株;メタリジウム・ロベルトシ(Metarhizium robertsii) 23013-3(NRR 6
7075); C2.13 ノムラエ・リレイ(Nomuraea rileyi);ペキロマイセス・フモソロ
セウス(Paecilomyces fumosoroseus)(新Isaria fumosorosea)、特にApopka 97株(Ce
rtis, USA からPreFeRalとして市販)、Fe9901(Natural industries, USAからNoFlyとし
て市販)、ARSEF 3581、ARSEF 3302、ARSEF 2679(ARS Collection of Entomopathogenic
Fungal Cultures, Ithaca, USA)、IfB01 (China Center for Type Culture Collection
CCTCC M2012400)、ESALQ1296、ESALQ1364、ESALQ1409 (ESALQ: サンパウロ大学 (Piraci
caba, SP, ブラジル))、CG1228 (EMBRAPA Genetic Resources and Biotechnology (Brasi
lia, DF、ブラジル))、KCH J2 (Dymarska et al., 2017; PLoS one 12(10)): e0184885)
、HIB-19、HIB-23、HIB-29、HIB-30 (Gandarilla-Pacheco et al., 2018; Rev Argent Mi
crobiol 50: 81-89)、CHE-CNRCB 304, EH-511/3 (Flores-Villegas et al., 2016; Paras
ites & Vectors 2016 9:176 doi: 10.1186/s13071-016-1453-1)、CHE-CNRCB 303、CHE-CN
RCB 305、CHE-CNRCB 307 (Gallou et al., 2016; fungal biology 120 (2016) 414-423)
、EH-506/3、EH-503/3、EH-520/3、PFCAM、MBP、PSMB1 (National Center for Biololgic
al Control, Mexico; Castellanos-Moguel et al., 2013; Revista Mexicana De Micolog
ia 38: 23-33, 2013)、RCEF3304 (Meng et al., 2015; Genet Mol Biol. 2015 Jul-Sep;
38(3): 381-389)、PF01-N10 (CCTCC No. M207088)、CCM 8367 (Czech Collection of Mic
roorganisms, Brno)、SFP-198 (Kim et al., 2010; Wiley Online: DOI 10.1002/ps.2020
)、K3 (Yanagawa et al., 2015; J Chem Ecol. 2015; 41(12): 118-1126), CLO 55 (Ansa
ri Ali et al., 2011; PLoS One. 2011; 6(1): e16108. DOI: 10.1371/journal.pone.001
6108), IfTS01, IfTS02, IfTS07 (Dong et al. 2016 / PLoS ONE 11(5): e0156087. doi:
10.1371/journal.pone.0156087)、P1 (Sun Agro Biotech Research Centre, India)、If-
02、If-2.3、If-03 (Farooq and Freed, 2016; DOI: 10.1016/j.bjm.2016.06.002)、Ifr
AsC (Meyer et al., 2008; J. Invertebr. Pathol. 99:96-102. 10.1016/j.jip.2008.03.
007)、PC-013 (DSMZ 26931)、P43A、PCC (Carrillo-Perez et al., 2012; DOI 10.1007/
s11274-012-1184-1), Pf04, Pf59, Pf109 (KimJun et al., 2013; Mycobiology 2013 Dec
; 41(4): 221-224)、FG340 (Han et al., 2014; DOI: 10.5941/MYCO.2014.42.4.385)、Pf
r1、Pfr8、Pfr9、Pfr10、Pfr11、Pfr12 (Angel-Sahagun et al., 2005; Journal of Inse
ct Science)、Ifr531 (Daniel and Wyss, 2009; DOI 10.1111/j.1439-0418.2009.01410.x
)、IF-1106 (Insect Ecology and Biocontrol Laboratory, Shanxi Agricultural Univer
sity), I9602, I7284 (Hussain et al. 2016, DOI:10.3390/ijms17091518), I03011 (Pa
tent US 4618578), CNRCB1 (Centro Nacional de Referencia de Control Biologico (CN
RCB), Colima, Mexico)、SCAU-IFCF01 (Nian et al., 2015; DOI: 10.1002/ps.3977), PF
01-N4 (Engineering Research Center of Biological Control, SCAU, Guangzhou, P. R.
China) Pfr-612 (Institute of Biotechnology (IB-FCB-UANL), Mexico)、Pf-Tim、Pf-T
iz、Pf-Hal、Pf-Tic (Chan-Cupul et al. 2013, DOI: 10.5897/AJMR12.493)、C2.15 Asch
ersonia aleyrodis; C2.16 ベアウベリア ブロングニアルチイ(Beauveria brongniartii)
、(例えば、Andermatt Biocontrol AGのBeaupro); C2.17 コニジオボラス・オブスクルス
(Conidiobolus obscurus); C2.18 エントモフトラ・ビルレンタ(Entomophthora virule
nta)(例えば、EcomicのVektor); C2.19 ラゲニジウム・ギガンテウム(Lagenidium gigant
eum); C2.20 メタリジウム・フラボビリデ(Metarhizium flavoviride); C2.21 ムコル
・ハエメリス(Mucor haemelis)(例えば、Indore Biotech Inputs & ResearchのBioAvard(
登録商標)); C2.22 パンドラ・デルファシス(Pandora delphacis); C2.23スポロトリク
ス・インセクトルム(Sporothrix insectorum (例えば、Biocerto, BRのSporothrix Es)お
よび C2.24 ゾーフトラ・ラジカンス(Zoophtora radicans)が含まれる。
【0094】
好ましい態様において、殺虫効果を有する真菌株は、C2.3 ボーベリア・バシアナA
TCC740株;GHA株(寄託番号:ATCC74250);ATP02株(寄託番号
:DSM24665);PPR5339株;PPRI7315株、株R444、IL19
7、IL12、IL236、IL10、IL131、IL116株;BaGPK株;IC
PE279株、CG716株;C2.6 レカニシリウム・レカニ(以前はVertic
illium lecaniiとして知られていた)、KV01株、DAOM21659
6株、C2.9 レカニシリウム・マスカリウム (Lecanicillium muscarium) (以前は
Verticillium lecanii)VE株/ CABI(=IMI)2683
17/ CBS102071/ ARSEF5128株、C2.10 メタリジウム・ア
ニソプリアエ・アクリダム変種 ARSEF324株または分離株IMI 330189
(ARSEF7486)、C2.11 メタリジウム・ブルンネウム Cb株、C2.1
2 メタリジウム・アニソプリエ ESALQ 1037株 E-9株、C4-B株(N
RRL 30905)、ESC1株、15013-1株(NRRL 67073)、32
13-1株(NRRL 67074), C20091株、C20092株、ICIPE
78株、Apopka 97株、ARSEF 3302株、ARSEF 2679株、
IfB01株(China Center for Type Culture Col
lection CCTCM2012400)、ESALQ1296株、ESALQ14
09株、CGJ2株、KCH-19株、HIB-23株、HIB-29株、CHE-CN
RCB 304株、EH-CNRCB 303株、CHE-CNB 307株、EH-5
06/3株、EH-520/3株、PFCAM株、MBP株、RCEF3304株 PF
01-N10(CCTCC No. M207088)、CCM 8367、IfTS0
2、IfTS02、P1、If-02、If-2.3、Ifr AsC、PC-013(
DSMZ 26931)、P43A、PCC、Pf04、Pf59、 Pf109, F
G340, Pfr1, Pfr8, Pfr9, Pfr10, Pfr11, Pf
r12, Ifr531, IF-1106, I9602, I7284, I030
11(特許US 4618578)、CNRCB1、SCAU-IFCF01、PF01
-N4、Pfr-612、Pf-Tim、Pf-Tiz、Pf-HalおよびPf-Ti
c.;およびC2.16 ベアウベリア ブロングニアルチイ、 (例えば、Ander
matt Biocontrol AG)から選択される。
【0095】
より好ましい実施態様において、殺虫効果を有する真菌株は、C2.3 ボーベリア・バ
シアナATCC74040株;GHA株 (寄託番号:ATCC74250);ATP0
2株(寄託番号:DSM 24665);PPRI 7315株および/またはR444
株; C2.6 レカニシリウム・レカニ(以前はVerticillium leca
niiとして知られていた)、KV01株の分生子 C2.9 レカニシリウム・マスカ
リウム(以前はVerticillium lecanii)、C2.VE/CABI(
=IMI)268317/ ARSEF5128、C2.10 メタリジウム・アニソプ
リアエ・アクリダム変種ARSEF324または分離株IMI 330189(ARSE
F7486)、C2.11 メタリジウム・ブルンネウム Cb15株、C2.12 メ
タリジウム・アニソプリエF52株(DSM3884/ ATCC 90448)、C2
.14 ペキロマイセス・フモソロセウス(新: Isaria fumosorose
a)Apopka 97株およびFe9901株、C2.16 ベアウベリア ブロング
ニアルチイ(例えばAndermatt Biocontrol AG製のBeaupro)か
ら選択される。
【0096】
前記真菌微生物はIsaria fumosorosea種の菌株であることがさらに好
ましい。イサリア・フモソロセアの好ましい株は、Apopka 97、Fe9901、
ARSEF 3302、IfB01(Type Culture Collection
CCTCM2012400)、ESALQ1296、ESALQ139、CG1228
、KCH J2、HIB-19、HIB-29、HIB-30、CHE-CNRCB 3
04、CHE-CNRCB 305、CHE-CNRCB 307、EH-506/3、
EH-520/3、PFCAM、MBP、RCEF3304、PF01-N10(CCT
CC No.If02、P07、IfTS02、IfTS55、K3、SFP-198、
SF8367)、CCM-03、Ifr AsC、PC-013(DSMZ 26931
)、P43A、PCC、Pf04、Pf109、FG340、Pfr1、Pfr8、Pf
r9、Pfr11、Pfr12、Ifr531、IF- 1106、I9602、I72
84、I03011(米国特許第 4618578)、CNRCB1、SCAU-IFC
F01、PF01-N4、Pfr-612、Pf-Tim、Pf-Tiz、Pf-Hal
、Pf-Ticからなる群から選択される。
【0097】
イサリア・フモソロセア株はApopka 97とFe9901から選択されることが最
も好ましい。特に好ましい株はAPOPKA97である。
【0098】
また、特に好ましいのはメタリジウム属の昆虫病原性真菌である。メタリジウム属はいく
つかの種からなり、そのいくつかは最近再分類されている(概要については、Bisch
offら、2009; Mycologia 101(4):512-530を参照)。
メタリジウム属のメンバーは、M. pingshaense、M. anisopli
ae、M. robertsii、M. brunneum (これら4種はMetar
hizium anisopliae複合体とも呼ばれる)、M. acridum、M
. majus、M. guizouense、M. Lepidiotae、M. G
lobosumおよびM. rileyi (このうち、M. anisopliae、
M. robertsii、M. brunneum、M. acridumおよびM.
rileyiはさらに好ましいが、M. brunneumのものが最も好ましい。
【0099】
特に好ましいのは、メタリジウム・アクリダム ARSEF324(BASFの製品Gr
eenGuard)または分離株IMI 330189(ARSEF7486;Biologic
al Control ProductsによるGreen Muscleなど); メタリジウム・ブルン
ネウム Cb 15株(BIOCARE由来のATTRACAP(登録商標)など)、ま
たはF52株(DSM3884/ ATCC 90448;Bayer CropSci
enceによるBIO 1020など)である。NovozymesによるMet52;
メタリジウム・アニソプリエ複合株ESALQ 1037またはESALQ E-9株
(いずれもMetarril(登録商標) WP Organic由来)、M20607
7株、C4-B株(NRRL 30905)、ESC1株、15013-1株(NRRL
67073)、3213-1株(NRRL 67074)、C20091株、C200
92株、またはICIPE 78株である。最も好ましいのは、F52(a.k.a.
Met52)分離株(これは主に甲虫の幼虫に感染し、当初はキンケクチブトゾウムシの
制御のために開発されたものである)およびイナゴの防除に商業的に使用されているAR
SEF324である。F52分離株に基づく市販製品は個々の分離株F52の継代培養で
あり、以下を含むいくつかの培養コレクションに代表される:Julis Kuhn-Inst
itute for Biological Control(以前はBBA)、Darmst
adt、ドイツ:[M.a.43として]; HRI、英国:[275-86(略称V27
5またはKVL 275)]; KVLデンマーク[KVL 99-112(Ma 27
5またはV 275)];バイエル、ドイツ[DSM 3884]; ATCC、米国[
ATCC 90448]; USDA、イタカ、米国[ARSEF 1095]。この分
離株に基づく顆粒状および乳化可能な濃縮製剤がいくつかの企業によって開発され、EU
および北米(米国およびカナダ)で登録されており、種苗観賞植物および柔らかい果物の
キンケクチブトウゾウムシ、他の甲虫類、温室観葉植物のミカンキイロアザミおよび芝の
アメリカコバネナガカメに対する使用が行われている。
【0100】
ボーベリア・バシアーナは大量生産され、コナジラミ、アザミウマ、アブラムシおよびゾ
ウムシを含む多種多様な昆虫害虫の管理に用いられる。Beauveria bassi
anaの好ましい株としては、ATCC 74040株;GHA株(寄託番号:ATCC
74250);ATP02株(寄託番号:DSM 24665);PPRI 5339株
;PPRI 7315株、IL197、IL12、IL236、IL10、IL131、
IL116、Bv025株;BaGPK株;ICPE 279株、CG 716株; E
SALQPL63株、ESALQ447株およびESALQ1432株、CG1229株
、IMI389521株、NPP111B005株、Bb-147株が挙げられる。ボー
ベリア・バシアーナ株には、ATCC 74040株およびGHA株(寄託番号:ATC
C74250)が含まれることが最も好ましい。請求項1~17のいずれか一項記載の液
体調製物では、前記真菌種が、殺線虫活性真菌である。
【0101】
殺線虫活性真菌種には、D2.1 ムスコドール・アルブス、特に株QST 20799
(寄託番号:NRRL 30547); D2.2 ムスコドル・ロセウス、特に株A3
-5(寄託番号:NRRL 30548); D2.3 プルプレオシリウム・リラシナ
ム(以前はPaecilomyces lilacinusとして知られていた)、特に
プルプレオシリウム・リラシナム251株(AGAL 89/030550;例えば、B
ayer CropScience Biologics GmbH)、580株(Lave
rlam社のBIOSTATOB(登録商標) WP (ATCC番号38740)、BIO-NEMATON
(登録商標) (T.Stanes and Company Ltd.)、製品MYSIS(登
録商標)(Varsha Bioscience and Technology India Pvt Ltd)中の株、製品BIOCONEMA(
登録商標)(Nico Orgo Maures, India)中の株、製品NEMAT(登録商標)(Ball
agro Agro Tecnologia Ltda, Brazil)中の株、製品
SPECTRUM PAE L(登録商標)(Promotora Tecnica I
ndustrial, S.A. DE C.V., Mexico)中の株;D2.4
トリコデルマ・コニンギイ;D2.5 ハルポスポリウム・アングイルラエ(Harpospo
rium anguillullae);D2.6 ヒルステラ・ミネソテンシス(Hirsutella minnesoten
sis);D2.7 モナクロスポリウム・シオノパグム(Monacrosporium cionopagum); D
2.8 モナクロスポリウム・シクロフィルム(Monacrosporium psychrophilum); D
2.9 ミロセシウム・ヴェルカリア(Myrothecium verrucaria)、特にAARC-25
5株(Valent Biosciences社のDiTeraTMなど); D2.1
0 ペシロミセス・バリオッティ(Paecilomyces variotii)、Q
-09株(Quimia社のNemaquim(登録商標)など); D2.11 スタ
ゴノスポラ・ファセオリ(Stagonospora phaseoli)(Syngenta社製など); D
2.12 トリコデルマ・リグノラム(trichoderma lignorum)、特にTL-601株(
Futureco Bioscience, ESのMycotricなど); D2.14 ヒ
ルステラ・トムプソニ(Hirsutella thompsonii); D2.15 モナクロスポリウム
・ドレクスレリ(Monacrosporium drechsleri); D2.16 モナクロスポリウム・
ゲフィロパグム(Monacrosporium gephyropagum); D2.17 モナクロスポリウム
・ゲフィロパグム(Monacrosporium gephyropagum); D2.18 Nematoctonus leio
sporus; D2.19 ネマトクトヌス・レイオスポルス(Nematoctonus leiosporus)
; D2.20 Paraglomus sp, 特にParaglomus brasilianum
; D2.21 ポコニア・クラミドスポリア(Pochonia Chlamydos
poria)(Vercillium chlamydosporiumとしても知られ
る)、特に変種カテヌラタ(var.Catenulata) (IMI SD 187;例えば、
The National Center of Animal and Plant
Health (CENSA)、CUのKlamiC); D2.22 スタゴノスポラ・ヘテ
ロデラエ(Stagonospora heteroderae); D2.23 メリ
スタクルム・アステロスペルマム(Meristacrum asterospermum)、およびD2.24
ダッディングトニア・フラグランス(Duddingtonia flagrans)が含まれる。
【0102】
より好ましい実施態様において、殺線虫効果を有する真菌株は、プルプレオシリウム・リ
ラシナム、特にP. lilacinum株251(AGAL 89/030550);
ハルポスポリウム・アングイルラエ; ヒルステラ・ミネソテンシス; モナクロスポ
リウム・シオノパグム; モナクロスポリウム・シクロフィルム; ミロセシウム・ヴェ
ルカリア、AARC-255株; ペシロミセス・バリオッティ; スタゴノスポラ・フ
ァセオリ(Syngentaから市販);およびダッディングトニア・フラグランスから
選択される。
【0103】
さらに好ましい実施態様において、殺線虫効果を有する真菌株は、プルプレオシリウム・
リラシナム、特にP. Lilacinum株251(AGAL 89/030550)
;およびダッディングトニア・フラグランスの胞子から選択される。最も好ましくは、殺
線虫効果を有する前記真菌株は、プルプレオシリウム・リラシナム種、特にP. lil
acinum株251由来である。
【0104】
芽胞を産生し、生物農薬および/または植物成長促進剤として作用する菌類微生物は、例
えばWO2005/012478またはWO1999/057239に開示されているよ
うな装置および方法を用いる、水中発酵または固体発酵により、適当な基質上で、当技術
分野で知られている方法に従って培養または発酵される。
【0105】
微小菌核のような特殊な菌類の繁殖体(例えば、JacksonとJaronski (
2009).Production of microsclerotia of the fungal entomopathogen Metarhiziu
m anisopliae and their potential for use as a biocontrol agent for soil-inhabiti
ng insects; Mycological Research 113, pp.842-850)は液体発酵技術によって生産され
得るが、本発明による休眠構造体または器官は固体発酵によって生産されることが好まし
い。固体状態の発酵技術は、当技術分野でよく知られている(概観については、Gowt
hamanら、2001. Appl Mycol Biotechnol (1)、3
05-352頁を参照のこと)。
【0106】
発酵後、真菌胞子を基質から分離することができる。真菌胞子が入った基質は、いずれか
の分離段階の前に、好ましくは乾燥させる。微生物または真菌胞子は、例えば凍結乾燥、
減圧乾燥又は分離後の噴霧乾燥乾で乾燥させてもよい。燥胞子を調製する方法は、当技術
分野で周知であり、流動床乾燥、噴霧乾燥、真空乾燥および凍結乾燥を含む。分生子は、
2段階で乾燥され得る:固相発酵によって産生された分生子については、まず、分生子で
覆われた培養基質を乾燥させてから、乾燥された培養基質から分生子を収穫し、それによ
って純粋な分生子粉末を得る。次に、分生子粉末を減圧乾燥または凍結乾燥を用いてさら
に乾燥した後、保存または調合する。
【0107】
本発明による液体調製物は、界面活性剤、レオロジー改質剤、消泡剤、酸化防止剤および
染料の群から選択される少なくとも1つの物質をさらに含み得る。
【0108】
非イオン性および/または陰イオン性界面活性剤は、農薬において慣習的に使用され得る
このタイプの全ての物質である。可能な非イオン性界面活性剤は、ポリエチレンオキシド
-ポリプロピレンオキシドブロックコポリマー、エトキシル化モノ-、ジアンド/または
トリグリセリド(エトキシル化ヒマシ油またはエトキシル化植物油を、例として挙げるこ
とができる)のグループから選択される。分岐または直鎖アルコールのポリエチレングリ
コールエーテル、脂肪酸または脂肪酸アルコールとエチレンオキシドおよび/またはプロ
ピレンオキシドとの反応生成物、さらに分岐または直鎖アルキルアリールエトキシレート
(ポリエチレンオキシド-ソルビタン脂肪酸エステルが例として挙げられる)。上記の例
のうち、選択されたクラスは、任意にリン酸化され、塩基で中和され得る。アニオン系界
面活性剤とは、農薬に慣例的に使用できるこのタイプの物質のことである。アルキルスル
ホン酸またはアルキルリン酸ならびにアルキルアリルスルホン酸またはアルキルアリルリ
ン酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属およびアンモニウム塩が好ましい。さらに好まし
いアニオン性界面活性剤または分散助剤の群は、アルカリ金属、アルカリ土類金属および
ポリスチレンスルホン酸のアンモニウム塩、ポリビニルスルホン酸の塩、アルキルナフタ
レンスルホン酸の塩、ナフタレンスルホン酸-ホルムアルデヒド縮合生成物の塩、ナフタ
レンスルホン酸、フェノールスルホン酸およびホルムアルデヒドの縮合生成物の塩、およ
びリグノスルホン酸の塩である。アニオン性界面活性剤または分散助剤のさらに好ましい
グループは、サルコシン酸塩またはタウレートのアルカリ金属、アルカリ土類金属および
アンモニウム塩である。本発明による液体調製物中の界面活性剤の適当な範囲は、0~2
0%、好ましくは0~15%、より好ましくは0.5~10%を含む。
【0109】
濃縮剤、凝結防止剤、粘度調整剤または構造化剤としても知られるレオロジー改質剤を、
例えば(不可逆的な)沈降を防止するために、本製剤に添加することができる。レオロジ
ー改質剤はミネラルに由来することが望ましい。これらのレオロジー改質剤は、製剤が安
静時または保存時に長期安定性をもたらす。適当な化合物は、疎水性および親水性のヒュ
ームドおよび沈殿シリカ粒子、ベントナイト、ヘクトライト、ラポナイト、アタパルガイ
ト、セピオライト、スメクタイト、または疎水性/有機親水性の改質ベントナイトを含む
ゲル化粘土からなる群から選択されるレオロジー改質剤である。本発明による液体調製物
中のレオロジー改質剤の適当な範囲は、0~10%、好ましくは0~7%、より好ましく
は0.5~5%を含む。
【0110】
他に規定されていない限り、本願の%はwt.-%を意味する。
【0111】
シリカまたは粘土増粘剤を与えられた流体中に分散させるためには、当技術分野で知られ
ているようにゲルを形成するために、高いせん断混合が望ましい。
【0112】
ヒュームド(発熱性)の親水性シリカまたは疎水性シリカの主要な世界的製造業者は、Ev
onic(商標名Aerosil(登録商標))、Cabot社(商標名Cab-O-Sil(登
録商標))、Wacker Chemie(HDK製品群)、Dow Corning、およびOCI (Kona
sil(登録商標))である。別のクラスの適切なレオロジー改質剤は沈降シリカであり
、主要な世界的生産者はEvonik(商標名Sipernat(登録商標)またはWessa
lon(登録商標))、Rhodia(Tixosil)およびPPGインダストリーズ(Hi
-Sil)である。
【0113】
レオロジー改質剤に適した別のクラスの例は粘土増粘剤である。粘土増粘剤は、一般的に
、広範囲の適用のための有効な増粘剤となり得る微粉化層ケイ酸塩である。それらは、典
型的には、それらの非疎水性または疎水性形態のいずれかで使用される。非水溶媒中で分
散性にするために、粘土表面は通常、第四アンモニウム塩で処理される。これらの修飾粘
土は有機修飾粘土増粘剤として知られている。任意に、少量の低分子量アルコールまたは
水を活性化剤として使用してもよい。このような粘土ベースのレオロジー改質剤のための
例としては、スメクタイト、ベントナイト、ヘクトライト、アタパルガイト、セイピオラ
イトまたはモンモリロナイト粘土が挙げられる。
【0114】
好ましいレオロジー改質剤(b)は、例えば、Bentone(登録商標)38およびS
D3のような有機変性ヘクタイトクレイである。Bentone(登録商標)34、SD
1およびSD2のような有機変性ベントナイトクレイ、Pangel(登録商標)B20
のような有機変性セピオライト、Aerosilic(登録商標)200のような有機変
性シリカ、Aerosil(登録商標) R972、R974およびR812Sのような
ハイドロフィリックシリカ、Attagel(登録商標)50のようなアタパルガイト、
レオロジー改質剤に適した別のクラスは、変性ハイドロジンキャストオイル(トリオキシ
ステアリン)またはThixcin(登録商標) RおよびThixatrol(登録商
標) STのようなキャスターオイル有機誘導体に基づく有機レオロジー改質剤である。
【0115】
【0116】
好ましい実施態様において、レオロジー改質剤の濃度は0~10%重量の範囲にあり、例
えば1~7または3~6%重量である。特に、レオロジー改質剤の濃度は、0、0.5、
1、1.5、2、2.5、3、4、5、6、7、8または9%重量とすることができ、本
質的には、担体液の物理的特性と生物学的制御剤の物理的特性に依存する。一般に、本発
明による製剤中のレオロジー改質剤の濃度はまた、生物学的制御剤に依存し得る。
【0117】
消泡剤は、水で希釈する際の泡立ちを防止するために、本製剤に添加してもよい。適切な
消泡剤は、例えば、パラフィン油、植物油、シリコーン油(例えば、Silcolaps
e 411、Silcolapse 454、SolvayからのSilcolapse
482;WackerからのSilfoom SC1132、Silfoam SC1
32;DowからのXiameter ACP-100)、または水性シリコーン油エマ
ルジョン(例えば、SAG30、SAG 1572/ Momentive、Silco
lapse 426R、Silcolapse 432/ Solvay; Silfa
r SE4/ Wacker;消泡剤8830/ Harcros Chemicals
)である。好ましい実施態様において、消泡剤の濃度は、0~0,5%重量、例えば0.
1~0.3%重量の範囲にある。特に、消泡剤の濃度は、0、0.1、0.2、0.3、
0.4もしくは0.5%重量、またはその間のいずれかの値であってもよい。
【0118】
酸化分解プロセスを防止または減速するために、本製剤に抗酸化剤を添加してもよい。適
切な抗酸化剤は、例えば、tert.-ブチルヒドロキシキノン(TBHQ)、ブチルヒ
ドロキシトルオール(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、パルミチン酸
アスコルビル、酢酸トコフェリル、ステアリン酸アスコルビルまたはカロチノイドの群(
例えば、β-カロチン)またはガラート(例えば、没食子酸エチル、没食子酸プロピル、
没食子酸オクチル、没食子酸ドデシル)である。好ましい実施態様において、抗酸化剤の
濃度は0~0,5%重量の範囲、例えば0.1~0.3%重量である。特に、抗酸化剤の
濃度は、0、0.1、0.2、0.3、0.4もしくは0.5%重量、またはその間のい
ずれかの値であってもよい。
【0119】
使用され得る染料としては、無機顔料、例えば、酸化鉄、酸化チタンおよびプルシアンブ
ルー、ならびに有機染料、例えば、アリザリン染料、アゾ染料および金属フタロシアニン
染料が挙げられる。
【0120】
異なる態様では、本発明は、本発明による液体調製物を含む液体組成物に関する。
【0121】
本発明はまた、植物体内または植物上の植物病原性真菌、昆虫および/または線虫を制御
するための方法、植物の成長を増強するための方法、または植物の収量または根の成長を
含む植物の健康を改善するための方法に関するものであって、当該方法は、植物または植
物が成長中もしくは成長予定の場所に上記の本発明による液剤または液剤組成物の有効量
を施用することを含む。
【0122】
用語「植物の健康」は、一般に、害虫または植物病原体の制御に結びつかない植物の様々
な種類の改良を含む。挙げられる有利な特性は、改善された収穫特性、例えば、出芽、作
物の収量、タンパク質含量、油含量、澱粉含量、より発達した根系、根の成長、改良され
た根系、根のサイズ維持、改善された根の有効性、ストレス耐性(例えば、干ばつ、熱、
塩、UV、水、寒さに対する)の改善、エチレンの減少(生産および/または受容の阻害
)、分げつ増加、草丈の増加、より大きな葉身、より弱い枯死基部の葉、より強い分げつ
枝、緑色、色素含有量、光合成活性、必要とされる投入量の減少(肥料または水など)、
より少ない種子、より少ない生産性の分げつ枝、より早い開花、より早い穀粒成熟、より
少ない植物対(倒伏)である。
【0123】
植物の健康改善とは、好ましくは、作物の収量、根系の発達(根の成長の改善)、根の大
きさの維持、根の有効性の改善、分げつの増加、草丈の増加、葉身が大きい、枯死基葉が
少ない、分げつ枝が強い、葉の色が緑色である、光合成活性が高い、分げつ枝が多い、植
物の活力が高い、植物林分が多いといった植物特性の改善を指す。
【0124】
本発明に関して、改良植物健康とは、特に好ましくは、作物収量、より発達した根系、改
良された根成長、改良された根サイズ維持、改良された根有効性、分げつ増加、および草
丈の増加から選択された改良された植物特性を指す。
【0125】
本明細書で定義されるような植物の健康に対する本発明による組成物の効果は、同じ環境
条件下で生育される植物を比較することによって決定することができ、ここでは、前記植
物の一部は本発明による液体調製物で処理され、前記植物の他の一部は本発明による液体
調製物で処理されない。あるいは、前記他の一部は、全く処理されないか、またはプラセ
ボ(すなわち、本発明に従った液体調製物を含まない施用、例えばあらゆる有効成分を含
まない施用(すなわち、本明細書に記載される生物学的制御剤を含まない)で処理される
。
【0126】
本発明による液体調製物は、種皮、土壌ドレンチ、および/または直接溝内および/また
は葉面スプレーの形態などの任意の所望の方法で適用し、出芽前、出芽後、またはその両
方のいずれかに適用することができる。言い換えれば、液体調製物は、種子、植物、また
は収穫された果物および野菜、または植物が成長している土壌、または植物が成長したい
土壌(植物の成長場所)に適用され得る。特別な適用方法には、例えば、浸漬、噴霧、噴
霧、潅注、蒸発、粉塵化、霧状化、散布、発泡、発泡、塗装、散布、散水(包帯)および
点滴潅注が含まれる。
【0127】
すべての植物および植物部分は、本発明に従って処理することができる。
【0128】
ここで、植物は、望ましくない野生植物又は作物植物(天然作物植物を含む)のような全
ての植物及び植物部分を意味するものと理解されるべきであり、本発明に従って処理する
ことができる植物は、以下の主な作物植物を含む:トウモロコシ、大豆、アルファルファ
、ヒマワリ、アブラナ属(例えば、カノーラ、ナタネ)、アブラナ科(例えば、野外)及
びアブラナ科(Arecaceae sp.)オイルパーム、ココナッツ、コメ、サトウ
キビ、オート麦、オオムギ、ミレット、ソルガム、トリティカル、アマ、ナッツ、ブドウ
、および様々な植物分類群からの野菜。バラ科の種(例:リンゴや洋ナシなどのポメ果実
、サクランボ、アーモンド、プラズやモモなどの石果物、イチゴ科の種、アブラナ科の種
子、アブラナ科の種子、トウガラシ科の種子、アブラナ科の種子、ベラ科の種子(例:バ
ナナ、植林地)、トウガラシ科の種子(例:コーヒー)レモン、オレンジ、グレープフル
ーツ、トマト、トウガラシ、トウガラシ、オーベルギン、タバコなどのヒルギ科、レタス
、アーティチョークス、チコリー ニンジン、オウム、セロリー、セレリアックなどのク
ンバー、カボチャ、スイカ、カラベア、タマネギなどのカンバー、アブラナ科(白キャベ
ツ、赤キャベツ、カリフラワー、ブルッセルスプラウト、パクチー、ダイコン、ワサビ、
クレス、チャイニーズキャベツなど)、マメ科(ピーナッツ、ピーナッツ、レンズマメ、
ソラマメなど)、センチュウ属(ソラマメなど)スイスチャード、飼料ビート、ホウレン
ソウ、トウヒ科(大麻など)、カンナバ科(オクラ、ココアなど)、ハナバチ科(ケシ科
)、アスパラギス科(アスパラガスなど)、有用植物 芝、芝、草、Stevia re
baudianaなどの庭や木材の観賞植物;そして、それぞれの場合、これらの植物の
遺伝子組み換え型。
【0129】
作物植物は、従来の育種及び最適化方法、あるいはバイオテクノロジー及び遺伝子工学の
方法又はこれらの方法の組合せによって得ることができる植物であって、トランスジェニ
ック植物、及び品種財産権によって保護することができる又はできない植物品種を含む。
植物は、種子、実生、若い(未熟な)植物から成熟植物までのすべての発育段階を意味す
るものと理解されるべきである。植物の部分は、地上及び地下の植物のすべての部分及び
器官を意味するものと理解すべきである。例えば、シュート、葉、花及び根、葉、針葉、
茎、花、子実体、果実及び種子、並びに塊茎、根及び根茎で与えられた例である。植物の
一部には、収穫された植物または収穫された植物部分、および、例えば、実生、塊茎、根
茎、挿し木および種子などの栄養および生殖の増殖材料も含まれる。
【0130】
液体調製物または液体調製物を含む組成物による植物および植物部分の処置は、化合物が
直接的に、または、例えば浸漬、噴霧、蒸発、霧状、散布、塗装、注射、および増殖物質
の場合、特に種子の場合には、1つまたは複数の被膜を塗布することによって、通常の処
理方法によって、周囲、環境または貯蔵空間に作用することを可能にすることによって行
われる。
【0131】
すでに述べたように、すべての植物とその部分を本発明に従って処理することが可能であ
る。好ましい実施形態では、野生植物種および植物栽培品種、または交雑またはプロトプ
ラスト融合などの従来の生物学的育種法によって得られたもの、およびその一部も処理さ
れる。さらに好ましい実施形態では、遺伝子工学的方法、必要に応じて従来の方法(遺伝
子組換え生物)と組み合わせた方法、によって得られたトランスジェニック植物および植
物栽培品種およびその一部を処理する。「部分」または「植物の部分」または「植物の部
分」という用語は、上記で説明されたとおりである。本発明は、それぞれの商業的に慣用
されている品種または使用されている品種の植物を処理するために特に好んで使用される
。植物品種は、新しい特性(「形質」)を有し、従来の育種、突然変異誘発または組換え
DNA技術によって得られた植物を意味すると理解されるべきである。それらは品種、品
種、生物型または遺伝子型であり得る。
【0132】
本発明に従って優先的に取り扱われるべきトランスジェニック植物又は植物栽培品種(遺
伝子工学によって得られるもの)は、これらの植物に特定の有利な有用特性(「形質」)
を付与する遺伝物質を受け取った全ての植物を含む。そのような特性の例は、良好な植物
成長、高温または低温に対する耐性の増加、渇水または水または土壌塩分レベルに対する
耐性の増加、開花成績の向上、より容易な収穫、加速された成熟、より高い収量、より高
い品質および/または収穫された製品のより高い栄養価、より良い貯蔵寿命および/また
は収穫された製品の処理可能性である。このような建物のさらなる、および特に強調され
た例は、例えば、植物において形成された毒素、特に、Bacillus thurin
giensis (例えば、CryIA(a)、CryIA(c)、CryIIA、Cr
yIIIB2、Cry9c Cry2Ab、Cry3BbおよびCryIFならびにそれ
らの組み合わせによって)に対する植物の耐性を増加させ、さらに、植物病原性真菌、細
菌および/またはウイルスに対する植物の耐性を、例えば、全身獲得耐性(SAR)、シ
ステミン、エリシターならびに耐性遺伝子ならびに対応して発現されたタンパク質および
毒素によって増加させ、さらに、ある種の除草活性化合物、例えば、イミダゾリノンに対
する植物の耐性を増加させた スルホニル尿素、グリホサート、ホスフィノトリシン(例
えば「PAT」)遺伝子問題の所望の形質を付与する遺伝子は、トランスジェニック植物
中に互いに組合せて存在してもよい。言及され得るトランスジェニック植物の例は、重要
な作物植物、例えば穀類(小麦、米、トリティケール、大麦、オート麦)、トウモロコシ
、ダイズ、ダイズ、ジャガイモ、サトウキビ、トマト、トマトおよびその他のタイプの植
物、ワタ、タバコ、タバコ、オイルシードレープおよび果実植物(果実リンゴ、洋ナシ、
柑橘類、果実およびブドウを含む)であり、特にトウモロコシ、大豆、小麦、コムギ、イ
ネ、ジャガイモ、ワタ、サトウキビ、タバコおよび油料ナタネに重点を置いている。特に
強調されている形質は、昆虫、クモ類、線虫類、ナメクジウオおよびカタツムリに対する
植物の抵抗性の増大である。
【0133】
さらに、本発明は、植物保護剤として、または植物の活力および/または植物の健康を促
進するための、本発明による液体調製物または液体組成物の使用に関する。
【0134】
以下の実施例は、本発明を非限定的な様式で例示する。
【表2】
【0135】
実施例I (プルプレオシリウム・リラシナム)
プルプレオシリウム・リラシナム純芽胞粉末3gを滅菌スプーンを用いて製剤容器(Ul
tra Turrax用分散ツール付きIKA Type DT-20混合容器)に移し
た。12mLの液体をそれぞれの製剤容器に加え、3000rpmで1分間、ウルトラタ
ーラックス管駆動制御を用いて分散させた;30秒後に方向を変更させた。この2.8m
Lを4本のサンプル瓶Wheatonガラスバイアル、I型)に入れ、ヘッドスペースをほとん
ど残さず移し、クリンプネックキャップ(Macherey - Nagel N 13
型)を用いて、密閉した状態を保った。その後、すべての検体ボトルを30℃に設定した
インキュベーターに移し、所定の時間保存した。
【0136】
一定の間隔で、保存場所から試料を回収し、胞子の生存性を分析した。このために、元の
試料を完全に均質化した。各サンプルの0,25gまたは250μLのアリコットを50
mLファルコンチューブに移した。2% Tween 80を含む滅菌水溶液を用いて試
験管を最大25g充填し、第1希釈段階(1:100希釈)を達成するためにボルテック
スで均質化した。この希釈をさらに希釈し、寒天上にスポットするために用いた。
【0137】
2% Tween 80では、すべてのサンプルが十分に混合したわけではなく、全く混
合したわけでもない。これらの試料について、別の分散/希釈法を適用し、最初に胞子か
ら油相を剥がした:試料0.25gまたは250μLを2mLのEppendorfチュ
ーブに秤量し、2% Tween 80を0,5mL加え、この混合物をEppendo
rf遠心機に移し、そこで10.000rpmで1分間遠心分離した。上澄み(=上部油
性相)はピペットを用いて廃棄した。その後、250μLのBreakthru S 2
40を添加し、胞子を十分に分散させた。各検体の250μLまたは0.25gを滅菌済
みのファルコン50mLチューブに移した。2% Tween 80を含む滅菌水溶液を
用いて試験管を最大25g充填し、第1希釈段階(1:100希釈)を達成するためにボ
ルテックスで均質化した。この希釈をさらに希釈し、寒天上にスポットするために用いた
。
【0138】
胞子発芽率の評価には、多重自動希釈法(ピペットロボット、96ウェルプレート)を用
いて、1:100希釈に基づき1:30000希釈液を調製する。その後、12×12c
mの寒天プレートを採取し、自動12チャンネルピペットを用いて各試料5μLを10回
スポットした。液体が寒天に浸るまで待って、寒天プレートをインキュベーターに移し、
25℃で17時間インキュベートする。プレートを開き、顕微鏡の下に置く。スポットご
とに無作為に1つの領域を選び、指定された圃場内にある発芽した胞子と発芽しなかった
胞子の数を記録する。サンプルあたり少なくとも200個の胞子を評価する必要がある。
必要であれば、1スポットあたり複数の照射野を計測する。
【0139】
【0140】
考察:試料の製造(1日目)直後の胞子生存率は、一般に、試験したすべての流体の大部
分について90%以上である。本発明による流体は、30℃での2か月または3か月間の
保存後、それぞれ約70%またはそれ以上の胞子生存率を示す。選択された流体は30℃
で7ヶ月間保存されており、保存後に約40%以上の芽胞生存率を示す(表I、エントリ
ー3,11,14,18,19)。BreakThru S240は、宿主真菌胞子に対
する優れた流体として以前に記載されている。比較のために、BreakThru S2
40(表I、エントリー19)は、所定の試験条件下で、保存2ケ月後に約77%、保存
7ケ月後に約7%の胞子生存率を提供する。自己乳化メチル化種子油の比較例となるタン
クミックス添加剤であるMero EC(登録商標)(表I、エントリー20)は、貯蔵
3ケ月後に、約5%の限界胞子生存率しか示さなかった。
【0141】
実施例II (イサリア・フモソロセア)
イサリア・フモソロセア純胞子粉末1,5 gを滅菌スプーンを用いて製剤容器(Ult
ra Turrax用分散ツール付きIKA Type DT-20混合容器)に移した
。それぞれの製剤容器に13,5 mLの液体を加え、3000rpmで1分間、ウルト
ラターラックス管駆動制御を用いて分散させた;30秒後に方向を変化させた。この2.
8mLを4本の検体瓶(Wheatガラスバイアル、I型)に入れ、ヘッドスペースをほとん
ど残さず移し、クリンプネックキャップ(Macherey - Nagel型N 13
)を用いて密閉した後、すべての検体瓶を30℃に設定した保育器に移し、一定時間保存
した。
【0142】
一定の間隔で、保存場所から試料を回収し、胞子の生存性を分析した。そのため、元のサ
ンプルを完全に均質化した。各サンプルの0,25gまたは250μLのアリコットを5
0mLファルコンチューブに移した。2% Tween 80を含む滅菌水溶液を用いて
試験管を最大25g充填し、第1希釈段階(1:100希釈)を達成するためにボルテッ
クスで均質化した。この希釈をさらに希釈し、寒天上にスポットするために用いた。
【0143】
2% Tween 80では、すべてのサンプルが十分に混合したわけではなく、全く混
合したわけでもない。これらの試料については、別の分散/希釈法を適用し、最初に胞子
から油相を剥がした:試料0.25gまたは250μLを2mLのEppendorfチ
ューブに秤量し、2% Tween 80を0,5mL加え、この混合物をEppend
orf遠心機に移し、そこで10.000rpmで1分間遠心分離した。上清(=上部油
性相)はピペットを用いて廃棄した。その後、250μLのBreakthru S 2
40を添加し、胞子を十分に分散させた。各検体250 μLまたは0.25gを滅菌済
みのファルコン50mLチューブに移した。2% Tween 80を含む滅菌水溶液を
用いて試験管を最大25g充填し、第1希釈段階(1:100希釈)を達成するためにボ
ルテックスで均質化した。この希釈をさらに希釈し、寒天上にスポットするために用いた
。
【0144】
胞子発芽率の評価には、多重自動希釈法(ピペットロボット、96ウェルプレート)を用
いて、1:100希釈に基づき1:15000希釈液を調製する。その後、12×12c
mの寒天プレートを採取し、自動12チャンネルピペットを用いて各試料5μLを10回
スポットする。液体が寒天に浸るまで待って、寒天プレートをインキュベーターに移し、
23℃で16時間インキュベートする。プレートを開き、顕微鏡の下に置く。スポットご
とに無作為に1つの領域を選び、指定された圃場内にある発芽した胞子と発芽しなかった
胞子の数を記録する。サンプルあたり少なくとも200個の胞子を評価する必要がある。
必要であれば、1スポットあたり複数の照射野を計測する。胞子の生存率の結果を表IIに
示す。
【表4】
【0145】
考察:
芽胞の製造(1日目)直後の芽胞の生存率は、一般に、試験したすべての流体に対して9
0%前後である。本発明による流体は、30℃で7ケ月保存後、約60%以上の胞子生存
率を示し(表II、エントリー2、3)、したがって比較例、即ちBreakThru
S240およびCatenex T 121(表2のエントリー1、4)の性能レベルと
等しい。
【0146】
例III (ボーベリア・バシアーナ)
ボーベリア・バシアーナ純胞子粉末の1,5 gを滅菌スプーンを用いて製剤容器(Ul
tra Turrax用分散ツール付きIKA Type DT-20混合容器)に移し
た。それぞれの製剤容器に13,5 mLの液体を加え、3000rpmで1分間、ウル
トラターラックス管駆動制御を用いて分散させた;30秒後に方向を変化させた。この2
.8mLを4本の検体瓶(Wheatガラスバイアル、I型)に入れ、ヘッドスペースをほと
んど残さず、クリンプネックキャップ(Macherey - Nagel型N 13)
を用いて密閉した後、すべての検体瓶を30℃に設定した保育器に移し、一定時間保存し
た。
【0147】
一定の間隔で、保存場所から試料を回収し、胞子の生存性を分析した。そのため、元のサ
ンプルを完全に均質化した。各サンプルの0,25gまたは250μLのアリコットを5
0mLファルコンチューブに移す。2% Tween 80を含む滅菌水溶液を用いて試
験管を最大25g充填し、第1希釈段階(1:100希釈)を達成するためにボルテック
スで均質化した。この希釈をさらに希釈し、寒天上にスポットするために用いた。
【0148】
2% Tween 80では、すべてのサンプルが十分に混合したわけではなく、全く混
合したわけでもない。これらの試料について、別の分散/希釈法を適用し、最初に油相を
胞子から剥がした:0.25gまたは250μLの試料を2mLのエッペンドルフ管に秤
量し、2%ツイーン80の0,5mLを加え、この混合物をエッペンドルフ遠心機に移し
、そこで10.000rpmで1分間遠心分離する。上澄み(=上部油性相)はピペット
を用いて廃棄する。その後、250μLのBreakthru S 240を加え、胞子
を十分に分散させた。各検体250 μL又は0.25gを滅菌済みのファルコン50m
L試験管に移した。2% Tween 80を含む滅菌水溶液を用いて試験管を最大25
g充填し、第1希釈段階(1:100希釈)を達成するためにボルテックスで均質化した
。この希釈液をさらに希釈し、寒天上にスポットする。
【0149】
胞子発芽率の評価には、多重自動希釈法(ピペットロボット、96ウェルプレート)を用
いて、1:100希釈に基づき1:15000希釈液を調製する。その後、12×12c
mの寒天プレートを採取し、自動12チャンネルピペットを用いて各試料5μLを10回
スポットする。液体が寒天に浸るまで待って、寒天プレートをインキュベーターに移し、
20℃で17時間インキュベートする。プレートを開き、顕微鏡の下に置く。スポットご
とに無作為に1つの領域を選び、指定された圃場内にある発芽した胞子と発芽しなかった
胞子の数を記録する。サンプルあたり少なくとも200個の胞子を評価する必要がある。
必要であれば、1スポットあたり複数の照射野を計測」する。胞子の生存率の結果を表I
IIに示す。
【表5】
【0150】
考察:サンプル(1日目)の製造直後の胞子の生存率は一般に高く、ほとんどの場合75
%以上であり、多くの場合、所定の試験条件下で90%以上に近いかまたはそれ以上であ
った。本発明による実施例の中には、30℃で5週間以上保存した後、約30%以上の胞
子の生存率を示す、選択された流体がある。多くの流体は50%以上の芽胞生存率を提供
し、場合によっては60%以上の芽胞生存率さえ提供する(表III、エントリー1、2
、4、6、11)。比較して、BreakThru S240は、保存1日目で約53%
、5週間後で約20%の芽胞生存率しか提供しない(表III、エントリー13)。
【0151】
例IV: ペニシリウム・ビライ
ペニシリウム・ビライ純胞子粉末1,5 gを滅菌スプーンを用いて製剤容器(Ultr
a Turrax用分散ツール付きIKA Type DT-20混合容器)に移した。
それぞれの製剤容器に13,5 mLの液体を加え、3000rpmで1分間、ウルトラ
ターラックス管駆動制御を用いて分散させた;30秒後に方向を変化させた。この2.8
mLを4本の検体瓶(Wheatガラスバイアル、I型)に入れ、ヘッドスペースをほとんど
残さず移し、クリンプネックキャップ(Macherey - Nagel型N 13)
を用いて密閉した後、すべての検体瓶を30℃に設定した保育器に移し、一定時間保存し
た。
【0152】
一定の間隔で、保存場所から試料を回収し、胞子の生存性を分析した。そのため、元のサ
ンプルを完全に均質化した。各サンプルの0,25gまたは250μLのアリコットを5
0mLファルコンチューブに移す。2% Tween 80を含む滅菌水溶液を用いて試
験管を最大25g充填し、第1希釈段階(1:100希釈)を達成するためにボルテック
スで均質化した。この希釈をさらに希釈し、寒天上にスポットするために用いた。
【0153】
2% Tween 80では、すべてのサンプルが十分に混合したわけではなく、全く混
合したわけでもない。これらの試料について、別の分散/希釈法を適用し、油相を最初に
胞子から剥がす:0.25gまたは250μLの試料を2mLのエッペンドルフ管に重量
を測定し、そして2%ツイーン80の0,5mLを加え、この混合物をエッペンドルフ遠
心機に移し、そこで10.000rpmで1分間遠心分離する。上澄み(=上部油性相)
はピペットを用いて廃棄する。その後、250μLのBreakthru S 240を
加え、胞子を十分に分散させる。各検体250 μL又は0.25gを滅菌済みのファル
コン50mL試験管に移す。2% Tween 80を含む滅菌水溶液を用いて試験管を
最大25g充填し、第1希釈段階(1:100希釈)を達成するためにボルテックスで均
質化した。この希釈液をさらに希釈し、寒天上にスポットする。
【0154】
胞子発芽率の評価には、多重自動希釈法(ピペットロボット、96ウェルプレート)を用
いて、1:100希釈に基づき、1:15000希釈液を調製する。その後、12×12
cmの寒天プレートを採取し、自動12チャンネルピペットを用いて各試料5μLを10
回スポットする。液体が寒天に浸るまで待って、寒天プレートをインキュベーターに移し
、20℃で17時間インキュベートする。プレートを開き、顕微鏡の下に置く。スポット
ごとに無作為に1つの領域を選び、指定された圃場内にある発芽した胞子と発芽しなかっ
た胞子の数を記録する。サンプルあたり少なくとも200個の胞子を評価する必要がある
。必要であれば、1スポットあたり複数の照射野を計測する。胞子の生存率の結果を表I
Vに示す。
【表6】
【0155】
考察:試料の製造(1日目)直後の胞子生存率は一般に高く、90%以上である。本発明
による実施例は、30℃で約3ヶ月間保存後、約42%以上の胞子生存率を示す。多くの
場合、流体は約70%以上の胞子生存率を示している(表IV、エントリー2、4-8、
10)。比較して、Break-Thru S240は、ここに与えられた条件下での保
存後の胞子の生存率のわずか20%を提供するにすぎない(表IVエントリー3)。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルボン酸部分とアルコール部分からなる少なくとも1つのカルボン酸エステルおよび植物に有益な効果を発揮する真菌の真菌胞子を含む液体調製物であって、該カルボン酸エステルは植物油由来のカルボン酸トリグリセリドではなく、該少なくとも1つのカルボン酸エステルが、
a) モノカルボン酸部分とモノアルコール部分
b) 少なくとも1つのモノカルボン酸部分とポリアルコール部分、または
c) ポリカルボン酸部分と少なくとも1つのモノアルコール部分
を含み、
該モノアルコール部分は分枝状、線状、環状、非環状もしくは部分的環状、飽和もしくは部分的不飽和のC1-C24モノアルコール部分であり;
該モノカルボン酸部分は分枝状、線状、環状、非環状もしくは部分的環状、飽和もしくは部分的不飽和のC2-C24モノカルボン酸部分であり、該C2-C24モノカルボン酸部分は少なくとも1つのOH官能基を有していてもよく;
該ポリアルコール部分は分枝状、線状、環状、非環状もしくは部分的環状、飽和もしくは部分的不飽和の2価、3価、4価、5価もしくは6価のC2-C20ポリアルコール部分であり;かつ
該ポリカルボン酸部分は分枝状、線状、環状、非環状もしくは部分的環状、飽和もしくは部分的不飽和のC2-C20ポリカルボン酸部分である、前記液体調製物。
【外国語明細書】