(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116261
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】通信方法、ネットワークノード、ユーザ装置、プロセッサ、プログラム、及び移動通信システム
(51)【国際特許分類】
H04W 76/40 20180101AFI20240820BHJP
H04W 72/231 20230101ALI20240820BHJP
H04W 72/232 20230101ALI20240820BHJP
H04W 4/06 20090101ALI20240820BHJP
H04W 72/30 20230101ALI20240820BHJP
【FI】
H04W76/40
H04W72/231
H04W72/232
H04W4/06
H04W72/30
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024092297
(22)【出願日】2024-06-06
(62)【分割の表示】P 2023554595の分割
【原出願日】2022-10-12
(31)【優先権主張番号】63/262,459
(32)【優先日】2021-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】藤代 真人
(72)【発明者】
【氏名】チャン ヘンリー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】改善されたマルチキャストブロードキャストサービスを実現可能とする通信方法及びユーザ装置を提供する。
【解決手段】マルチキャスト・ブロードキャストサービス(MBS)を提供する移動通信システムにおいて、ユーザ装置UE100が実行する通信方法は、MBS無線ベアラ(MRB)と対応付けられたマルチキャストトラフィックチャネル(MTCH)を設定するための設定情報を基地局gNB200から受信するステップと、前記設定情報に基づいて、前記MTCHが伝送するセッションの種別がマルチキャストセッション及びブロードキャストセッションのいずれであるかを特定するステップと、を有する。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチキャスト・ブロードキャストサービス(MBS)を提供する移動通信システムでネットワークノードが実行する通信方法であって、
MBS無線ベアラ(MRB)用トラフィックチャネル(MTCH)を設定するための設定情報をユーザ装置に送信するステップを有し、
前記送信するステップは、
前記MTCHが伝送するセッションの種別がマルチキャストセッションである場合、専用RRCシグナリングを用いて前記設定情報を送信するステップと、
前記MTCHが伝送するセッションの種別がブロードキャストセッションである場合、ブロードキャストシグナリングを用いて前記設定情報を送信するステップと、を含む
通信方法。
【請求項2】
マルチキャスト・ブロードキャストサービス(MBS)を提供する移動通信システムで用いるネットワークノードであって、
MBS無線ベアラ(MRB)用トラフィックチャネル(MTCH)を設定するための設定情報をユーザ装置に送信する送信部を備え、
前記送信部は、前記MTCHが伝送するセッションの種別がマルチキャストセッションである場合、専用RRCシグナリングを用いて前記設定情報を送信し、
前記送信部は、前記MTCHが伝送するセッションの種別がブロードキャストセッションである場合、ブロードキャストシグナリングを用いて前記設定情報を送信する
ネットワークノード。
【請求項3】
マルチキャスト・ブロードキャストサービス(MBS)を提供する移動通信システムでユーザ装置が実行する通信方法であって、
MBS無線ベアラ(MRB)用トラフィックチャネル(MTCH)を設定するための設定情報をネットワークノードから受信するステップを有し、
前記受信するステップは、
前記MTCHが伝送するセッションの種別がマルチキャストセッションである場合、専用RRCシグナリングで前記設定情報を受信するステップと、
前記MTCHが伝送するセッションの種別がブロードキャストセッションである場合、ブロードキャストシグナリングで前記設定情報を受信するステップと、を含む
通信方法。
【請求項4】
マルチキャスト・ブロードキャストサービス(MBS)を提供する移動通信システムで用いるユーザ装置であって、
MBS無線ベアラ(MRB)用トラフィックチャネル(MTCH)を設定するための設定情報をネットワークノードから受信する受信部を備え、
前記受信部は、前記MTCHが伝送するセッションの種別がマルチキャストセッションである場合、専用RRCシグナリングで前記設定情報を受信し、
前記受信部は、前記MTCHが伝送するセッションの種別がブロードキャストセッションである場合、ブロードキャストシグナリングで前記設定情報を受信する
ユーザ装置。
【請求項5】
ユーザ装置に用いられ、請求項3に記載の通信方法を実行する
プロセッサ。
【請求項6】
請求項3に記載の通信方法をユーザ装置に実行させる
プログラム。
【請求項7】
請求項4に記載のユーザ装置と、ネットワークノードとを備える
移動通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移動通信システムで用いる通信方法及びユーザ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)(登録商標。以下同じ)規格において、第5世代(5G)の無線アクセス技術であるNR(New Radio)の技術仕様が規定されている。NRは、第4世代(4G)の無線アクセス技術であるLTE(Long Term Evolution)に比べて、高速・大容量かつ高信頼・低遅延といった特徴を有する。3GPPにおいて、5G/NRのマルチキャストブロードキャストサービス(MBS)の技術仕様を策定する議論が行われている(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】3GPP寄書:RP-201038、“WID revision: NR Multicast and Broadcast Services”
【発明の概要】
【0004】
第1の態様に係る通信方法は、マルチキャスト・ブロードキャストサービス(MBS)を提供する移動通信システムでユーザ装置が実行する方法である。前記通信方法は、MBS無線ベアラ(MRB)と対応付けられたマルチキャストトラフィックチャネル(MTCH)を設定するための設定情報を基地局から受信することと、前記設定情報に基づいて、前記MTCHが伝送するセッションの種別がマルチキャストセッション及びブロードキャストセッションのいずれであるかを特定することと、を有する。
【0005】
第2の態様に係るユーザ装置は、マルチキャスト・ブロードキャストサービス(MBS)を提供する移動通信システムにおけるユーザ装置である。前記ユーザ装置は、プロセッサを備える。前記プロセッサは、MBS無線ベアラ(MRB)と対応付けられたマルチキャストトラフィックチャネル(MTCH)を設定するための設定情報を基地局から受信する処理と、前記設定情報に基づいて、前記MTCHが伝送するセッションの種別がマルチキャストセッション及びブロードキャストセッションのいずれであるかを特定する処理と、を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】実施形態に係る移動通信システムの構成を示す図である。
【
図2】実施形態に係るUE(ユーザ装置)の構成を示す図である。
【
図3】実施形態に係るgNB(基地局)の構成を示す図である。
【
図4】データを取り扱うユーザプレーンの無線インターフェイスのプロトコルスタックの構成を示す図である。
【
図5】シグナリング(制御信号)を取り扱う制御プレーンの無線インターフェイスのプロトコルスタックの構成を示す図である。
【
図6】実施形態に係るMBSトラフィック配信の概要を示す図である。
【
図8】実施形態に係るUEのMBS受信に関する内部処理の一例を示す図である。
【
図9】実施形態に係るUEのMBS受信に関する内部処理の他の例を示す図である。
【
図10】第1実施形態に係るデータ不活性モニタリングに関するUEの動作を示す図である。
【
図11】第1実施形態に係る移動通信システムの動作を示す図である。
【
図12】第2実施形態に係る移動通信システムの動作を示す図である。
【
図13】第2実施形態に係るRRCSystemInfoRequestメッセージの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図面を参照しながら、実施形態に係る移動通信システムについて説明する。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0008】
5G/NRのマルチキャストブロードキャストサービスは、4G/LTEのマルチキャストブロードキャストサービスよりも改善されたサービスを提供することが望まれる。
【0009】
そこで、本開示は、改善されたマルチキャストブロードキャストサービスを実現可能とする通信方法及びユーザ装置を提供することを目的とする。
【0010】
[第1実施形態]
【0011】
(移動通信システムの構成)
図1は、第1実施形態に係る移動通信システムの構成を示す図である。移動通信システム1は、3GPP規格の第5世代システム(5GS:5th Generation System)に準拠する。以下において、5GSを例に挙げて説明するが、移動通信システムにはLTE(Long Term Evolution)システムが少なくとも部分的に適用されてもよいし、第6世代(6G)システムが少なくとも部分的に適用されてもよい。
【0012】
移動通信システム1は、ユーザ装置(UE:User Equipment)100と、5Gの無線アクセスネットワーク(NG-RAN:Next Generation Radio Access Network)10と、5Gのコアネットワーク(5GC:5G Core Network)20とを有する。以下において、NG-RAN10を単にRAN10と呼ぶことがある。また、5GC20を単にコアネットワーク(CN)20と呼ぶことがある。
【0013】
UE100は、移動可能な無線通信装置である。UE100は、ユーザにより利用される装置であればどのような装置であっても構わないが、例えば、UE100は、携帯電話端末(スマートフォンを含む)やタブレット端末、ノートPC、通信モジュール(通信カード又はチップセットを含む)、センサ若しくはセンサに設けられる装置、車両若しくは車両に設けられる装置(Vehicle UE)、飛行体若しくは飛行体に設けられる装置(Aerial UE)である。
【0014】
NG-RAN10は、基地局(5Gシステムにおいて「gNB」と呼ばれる)200を含む。gNB200は、基地局間インターフェイスであるXnインターフェイスを介して相互に接続される。gNB200は、1又は複数のセルを管理する。gNB200は、自セルとの接続を確立したUE100との無線通信を行う。gNB200は、無線リソース管理(RRM)機能、ユーザデータ(以下、単に「データ」という)のルーティング機能、モビリティ制御・スケジューリングのための測定制御機能等を有する。「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として用いられる。「セル」は、UE100との無線通信を行う機能又はリソースを示す用語としても用いられる。1つのセルは1つのキャリア周波数(以下、単に「周波数」と呼ぶ)に属する。
【0015】
なお、gNBがLTEのコアネットワークであるEPC(Evolved Packet Core)に接続することもできる。LTEの基地局が5GCに接続することもできる。LTEの基地局とgNBとが基地局間インターフェイスを介して接続されることもできる。
【0016】
5GC20は、AMF(Access and Mobility Management Function)及びUPF(User Plane Function)300を含む。AMFは、UE100に対する各種モビリティ制御等を行う。AMFは、NAS(Non-Access Stratum)シグナリングを用いてUE100と通信することにより、UE100のモビリティを管理する。UPFは、データの転送制御を行う。AMF及びUPFは、基地局-コアネットワーク間インターフェイスであるNGインターフェイスを介してgNB200と接続される。
【0017】
図2は、第1実施形態に係るUE100(ユーザ装置)の構成を示す図である。UE100は、受信部110、送信部120、及び制御部130を備える。受信部110及び送信部120は、gNB200との無線通信を行う無線通信部を構成する。
【0018】
受信部110は、制御部130の制御下で各種の受信を行う。受信部110は、アンテナ及び受信機を含む。受信機は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換して制御部130に出力する。
【0019】
送信部120は、制御部130の制御下で各種の送信を行う。送信部120は、アンテナ及び送信機を含む。送信機は、制御部130が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナから送信する。
【0020】
制御部130は、UE100における各種の制御及び処理を行う。このような処理は、後述の各レイヤの処理を含む。制御部130は、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に用いられる情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンドプロセッサと、CPU(Central Processing Unit)とを含んでもよい。ベースバンドプロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行う。CPUは、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行う。
【0021】
図3は、第1実施形態に係るgNB200(基地局)の構成を示す図である。gNB200は、送信部210、受信部220、制御部230、及びバックホール通信部240を備える。送信部210及び受信部220は、UE100との無線通信を行う無線通信部を構成する。バックホール通信部240は、CN20との通信を行うネットワーク通信部を構成する。
【0022】
送信部210は、制御部230の制御下で各種の送信を行う。送信部210は、アンテナ及び送信機を含む。送信機は、制御部230が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナから送信する。
【0023】
受信部220は、制御部230の制御下で各種の受信を行う。受信部220は、アンテナ及び受信機を含む。受信機は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換して制御部230に出力する。
【0024】
制御部230は、gNB200における各種の制御及び処理を行う。このような処理は、後述の各レイヤの処理を含む。制御部230は、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に用いられる情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンドプロセッサと、CPUとを含んでもよい。ベースバンドプロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行う。CPUは、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行う。
【0025】
バックホール通信部240は、基地局間インターフェイスであるXnインターフェイスを介して隣接基地局と接続される。バックホール通信部240は、基地局-コアネットワーク間インターフェイスであるNGインターフェイスを介してAMF/UPF300と接続される。なお、gNB200は、CU(Central Unit)とDU(Distributed Unit)とで構成され(すなわち、機能分割され)、両ユニット間がフロントホールインターフェイスであるF1インターフェイスで接続されてもよい。
【0026】
図4は、データを取り扱うユーザプレーンの無線インターフェイスのプロトコルスタックの構成を示す図である。
【0027】
ユーザプレーンの無線インターフェイスプロトコルは、物理(PHY)レイヤと、MAC(Medium Access Control)レイヤと、RLC(Radio Link Control)レイヤと、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤと、SDAP(Service Data Adaptation Protocol)レイヤとを有する。
【0028】
PHYレイヤは、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。UE100のPHYレイヤとgNB200のPHYレイヤとの間では、物理チャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。なお、UE100のPHYレイヤは、gNB200から物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)上で送信される下りリンク制御情報(DCI)を受信する。具体的には、UE100は、無線ネットワーク一時識別子(RNTI)を用いてPDCCHのブラインド復号を行い、復号に成功したDCIを自UE宛てのDCIとして取得する。gNB200から送信されるDCIには、RNTIによってスクランブルされたCRCパリティビットが付加されている。
【0029】
MACレイヤは、データの優先制御、ハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理、及びランダムアクセスプロシージャ等を行う。UE100のMACレイヤとgNB200のMACレイヤとの間では、トランスポートチャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。gNB200のMACレイヤはスケジューラを含む。スケジューラは、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式(MCS))及びUE100への割当リソースブロックを決定する。
【0030】
RLCレイヤは、MACレイヤ及びPHYレイヤの機能を利用してデータを受信側のRLCレイヤに伝送する。UE100のRLCレイヤとgNB200のRLCレイヤとの間では、論理チャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。
【0031】
PDCPレイヤは、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化等を行う。
【0032】
SDAPレイヤは、コアネットワークがQoS制御を行う単位であるIPフローとAS(Access Stratum)がQoS制御を行う単位である無線ベアラとのマッピングを行う。なお、RANがEPCに接続される場合は、SDAPが無くてもよい。
【0033】
図5は、シグナリング(制御信号)を取り扱う制御プレーンの無線インターフェイスのプロトコルスタックの構成を示す図である。
【0034】
制御プレーンの無線インターフェイスのプロトコルスタックは、
図4に示したSDAPレイヤに代えて、RRC(Radio Resource Control)レイヤ及びNAS(Non-Access Stratum)レイヤを有する。
【0035】
UE100のRRCレイヤとgNB200のRRCレイヤとの間では、各種設定のためのRRCシグナリングが伝送される。RRCレイヤは、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCとgNB200のRRCとの間にコネクション(RRCコネクション)がある場合、UE100はRRCコネクティッド状態にある。UE100のRRCとgNB200のRRCとの間にコネクション(RRCコネクション)がない場合、UE100はRRCアイドル状態にある。UE100のRRCとgNB200のRRCとの間のコネクションがサスペンドされている場合、UE100はRRCインアクティブ状態にある。
【0036】
RRCレイヤの上位に位置するNASレイヤは、セッション管理及びモビリティ管理等を行う。UE100のNASレイヤとAMF300AのNASレイヤとの間では、NASシグナリングが伝送される。なお、UE100は、無線インターフェイスのプロトコル以外にアプリケーションレイヤ等を有する。また、NASレイヤよりも下位のレイヤをASレイヤと呼ぶ。
【0037】
(MBSの概要)
第1実施形態に係るMBSの概要について説明する。MBSは、NG-RAN10からUE100に対してブロードキャスト又はマルチキャスト、すなわち、1対多(PTM:Point To Multipoint)でのデータ送信を可能とするサービスである。MBSのユースケース(サービス種別)としては、公安通信、ミッションクリティカル通信、V2X(Vehicle to Everything)通信、IPv4又はIPv6マルチキャスト配信、IPTV、グループ通信、及びソフトウェア配信等が想定される。
【0038】
ブロードキャストサービスは、高信頼性のQoSを必要としないアプリケーションのために、特定のサービスエリア内のすべてのUE100に対してサービスを提供する。ブロードキャストサービスに用いるMBSセッションをブロードキャストセッションと呼ぶ。
【0039】
マルチキャストサービスは、すべてのUE100に対してではなく、マルチキャストサービス(マルチキャストセッション)に参加しているUE100のグループに対してサービスを提供する。マルチキャストサービスに用いるMBSセッションをマルチキャストセッションと呼ぶ。マルチキャストサービスによれば、ブロードキャストサービスに比べて、無線効率の高い方法でUE100のグループに対して同じコンテンツを提供できる。
【0040】
図6は、第1実施形態に係るMBSトラフィック配信の概要を示す図である。
【0041】
MBSトラフィック(MBSデータ)は、単一のデータソース(アプリケーションサービスプロバイダ)から複数のUEに配信される。5Gコアネットワークである5G CN(5GC)20は、アプリケーションサービスプロバイダからMBSデータを受信し、MBSデータのコピーの作成(Replication)を行って配信する。
【0042】
5GC20の観点からは、5GC共有MBSトラフィック配信(5GC Shared MBS Traffic delivery)及び5GC個別MBSトラフィック配信(5GC Individual MBS Traffic delivery)の2つのマルチキャスト配信方法が可能である。
【0043】
5GC個別MBSトラフィック配信方法では、5GC20は、MBSデータパケットの単一コピーを受信し、UE100ごとのPDUセッションを介してそれらのMBSデータパケットの個別のコピーを個別のUE100に配信する。したがって、UE100ごとに1つのPDUセッションをマルチキャストセッションと関連付ける必要がある。
【0044】
5GC共有MBSトラフィック配信方法では、5GC20は、MBSデータパケットの単一コピーを受信し、それらのMBSパケットの単一コピーをRANノード(すなわち、gNB200)に配信する。gNB200は、MBSトンネル接続を介してMBSデータパケットを受信し、それらを1つ又は複数のUE100に配信する。
【0045】
RAN(5G RAN)10の観点からは、5GC共有MBSトラフィック配信方法における無線を介したMBSデータの送信には、PTP(Point-to-Point)及びPTM(Point-to-Multipoint)の2つの配信方法が可能である。PTPはユニキャストを意味し、PTMはマルチキャスト及びブロードキャストを意味する。
【0046】
PTP配信方法では、gNB200は、MBSデータパケットの個別のコピーを無線で個々のUE100に配信する。他方、PTM配信方法では、gNB200は、MBSデータパケットの単一コピーを無線でUE100のグループに配信する。gNB200は、1つのUE100に対するMBSデータの配信方法としてPTM及びPTPのどちらを用いるかを動的に決定できる。
【0047】
PTP配信方法及びPTM配信方法は主としてユーザプレーンに関するものである。MBSデータ配信の制御モードとしては、第1配信モード及び第2配信モードの2つの配信モードがある。
【0048】
図7は、第1実施形態に係る配信モードを示す図である。
【0049】
第1配信モード(Delivery mode 1:DM1)は、RRCコネクティッド状態のUE100が利用できる配信モードであって、高QoS要件のための配信モードである。第1配信モードは、MBSセッションのうちマルチキャストセッションに用いられる。但し、第1配信モードがブロードキャストセッションに用いられてもよい。第1配信モードは、RRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態のUE100も利用可能であってもよい。
【0050】
第1配信モードにおけるMBS受信の設定は、UE固有(UE-dedicated)シグナリングにより行われる。例えば、第1配信モードにおけるMBS受信の設定は、gNB200からUE100にユニキャストで送信されるRRCメッセージであるRRC Reconfigurationメッセージ(又はRRC Releaseメッセージ)により行われる。
【0051】
MBS受信の設定は、MBSデータを伝送するMBSトラフィックチャネルの設定に関するMBSトラフィックチャネル設定情報(以下、「MTCH設定情報」と呼ぶ)を含む。MTCH設定情報は、MBSセッションに関するMBSセッション情報(後述のMBSセッション識別子を含む)と、このMBSセッションに対応するMBSトラフィックチャネルのスケジューリング情報とを含む。MBSトラフィックチャネルのスケジューリング情報は、MBSトラフィックチャネルの間欠受信(DRX)設定を含んでもよい。間欠受信設定は、オン期間(On Duration:受信期間)を定義するタイマ値(On Duration Timer)、オン期間を延長するタイマ値(Inactivity Timer)、スケジューリング間隔もしくはDRXサイクル(Scheduling Period、DRX Cycle)、スケジューリングもしくはDRXサイクルの開始サブフレームのオフセット値(Start Offset、DRX Cycle Offest)、オン期間タイマの開始遅延スロット値(Slot Offset)、再送時までの最大時間を定義するタイマ値(Retransmission Timer)、HARQ再送のDL割り当てまでの最小間隔を定義するタイマ値(HARQ RTT Timer)のいずれか一つ以上のパラメータを含んでもよい。
【0052】
なお、MBSトラフィックチャネルは論理チャネルの一種であって、MTCHと呼ばれることがある。MBSトラフィックチャネルは、トランスポートチャネルの一種である下りリンク共有チャネル(DL-SCH)にマッピングされる。
【0053】
第2配信モード(Delivery mode 2:DM2)は、RRCコネクティッド状態のUE100だけではなく、RRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態のUE100が利用できる配信モードであって、低QoS要件のための配信モードである。第2配信モードは、MBSセッションのうちブロードキャストセッションに用いられる。但し、第2配信モードは、マルチキャストセッションにも適用可能であってもよい。
【0054】
第2配信モードにおけるMBS受信の設定は、ブロードキャストシグナリングにより行われる。例えば、第2配信モードにおけるMBS受信の設定は、gNB200からUE100にブロードキャストで送信される論理チャネル、例えば、ブロードキャスト制御チャネル(BCCH)及び/又はマルチキャスト制御チャネル(MCCH)により行われる。UE100は、例えば、技術仕様で予め規定された専用のRNTIを用いてBCCH及びMCCHを受信できる。BCCH受信用のRNTIがSI-RNTIであって、MCCH受信用のRNTIがMCCH-RNTIであってもよい。
【0055】
第2配信モードにおいて、UE100は、次の3つの手順でMBSデータを受信してもよい。第1に、UE100は、gNB200からBCCH上で伝送されるSIB(MBS SIB)によりMCCH設定情報を受信する。第2に、UE100は、MCCH設定情報に基づいてgNB200からMCCHを受信する。MCCHは、MTCH設定情報を伝送する。第3に、UE100は、MTCH設定情報に基づいて、MTCH(MBSデータ)を受信する。以下において、MTCH設定情報及び/又はMCCH設定情報をMBS受信設定と呼ぶことがある。
【0056】
第1配信モード及び第2配信モードにおいて、UE100は、gNB200から割り当てられるグループRNTI(G-RNTI)を用いてMTCHを受信してもよい。G-RNTIは、MTCH受信用RNTIに相当する。G-RNTIは、MBS受信設定(MTCH設定情報)に含まれていてもよい。
【0057】
なお、ネットワークは、MBSセッションごとに異なるMBSサービスを提供できる。MBSセッションは、TMGI(Temporary Mobile Group Identity)、ソーススペシフィックIPマルチキャストアドレス(アプリケーション機能やアプリケーションサーバ等のソースユニキャストIPアドレスと、宛先アドレスを示すIPマルチキャストアドレスとから成る)、セッション識別子、及びG-RNTIのうち少なくとも1つにより識別される。TMGI、ソーススペシフィックIPマルチキャストアドレス、及びセッション識別子の少なくとも1つをMBSセッション識別子と呼ぶ。TMGI、ソーススペシフィックIPマルチキャストアドレス、セッション識別子、及びG-RNTIを総括してMBSセッション情報と呼ぶ。
【0058】
図8は、第1実施形態に係るUE100のMBS受信に関する内部処理の一例を示す図である。
図9は、第1実施形態に係るUE100のMBS受信に関する内部処理の他の例を示す図である。
【0059】
1つのMBS無線ベアラ(MRB)は、マルチキャストセッション又はブロードキャストセッションを伝送する1つの無線ベアラである。すなわち、MRBにマルチキャストセッションが対応付けられる場合と、MRBにブロードキャストセッションが対応付けられる場合とがある。
【0060】
MRB及び対応する論理チャネル(例えば、MTCH)は、RRCシグナリングによってgNB200からUE100に設定される。MRBの設定手順は、データ無線ベアラ(DRB)の設定手順と分離されていてもよい。RRCシグナリングでは、1つのMRBを、「PTMのみ(PTM only)」、「PTPのみ(PTP only)」、又は「PTM及びPTPの両方(both PTM and PTP)」で設定できる。このようなMRBの種別はRRCシグナリングにより変更できる。
【0061】
図8において、MRB#1にはマルチキャストセッション及び専用トラフィックチャネル(DTCH)が対応付けられ、MRB#2にはマルチキャストセッション及びMTCH#1が対応付けられ、MRB#3にはブロードキャストセッション及びMTCH#2が対応付けられる一例を示している。すなわち、MRB#1はPTPのみ(PTP only)のMRBであり、MRB#2はPTMのみ(PTM only)のMRBであり、MRB#3はPTMのみ(PTM only)のMRBである。なお、DTCHは、セルRNTI(C-RNTI)を用いてスケジューリングされる。MTCHは、G-RNTIを用いてスケジューリングされる。
【0062】
UE100のPHYレイヤは、物理チャネルの1つであるPDSCH上で受信したユーザデータ(受信データ)を処理し、トランスポートチャネルの1つである下りリンク共有チャネル(DL-SCH)に流す。UE100のMACレイヤ(MACエンティティ)は、DL-SCH上で受信したデータを処理し、受信データに含まれるヘッダ(MACヘッダ)に含まれる論理チャネル識別子(LCID)に基づいて、当該受信データを対応する論理チャネル(対応するRLCエンティティ)に流す。
【0063】
図9において、マルチキャストセッションと対応付けられるMRBに、DTCH及びMTCHが対応付けられる一例を示している。具体的には、1つのMRBが2つのレグに分割(スプリット)され、一方のレグがDTCHと対応付けられ、他方のレグがMTCHと対応付けられている。当該2つのレグは、PDCPレイヤ(PDCPエンティティ)において結合される。すなわち、当該MRBは、PTM及びPTPの両方(both PTM and PTP)のMRBである。このようなMRBは、スプリットMRBと呼ばれることがある。
【0064】
(データ不活性モニタリング)
第1実施形態に係るデータ不活性モニタリング(Data Inactivity Monitoring)について説明する。RRCコネクティッド状態にあるUE100は、gNB200からデータ不活性タイマ(dataInactivityTimer)が設定された場合、データ不活性モニタリングを行う。データ不活性モニタリングは、gNB200との通信が一定期間にわたって行われないことに応じて、UE100のRRCコネクションを解放するための処理である。UE100は、gNB200との通信を行うたびにデータ不活性タイマをスタート又はリスタートする。UE100は、データ不活性タイマが満了すると、RRCコネクションを自発的に解放する(すなわち、RRCアイドル状態に自発的に遷移する)。
【0065】
図10は、第1実施形態に係るデータ不活性モニタリングに関するUE100の動作を示す図である。
【0066】
ステップS11において、UE100のRRCエンティティは、データ不活性タイマ(dataInactivityTimer)をMACエンティティに設定する。
【0067】
ステップS12において、UE100のMACエンティティは、MAC SDUを送受信したか否かを判定する。例えば、UE100のMACエンティティは、DTCH、専用制御チャネル(DCCH)、又は共通制御チャネル(CCCH)についてMAC SDUを受信したか否かを判定する。また、UE100のMACエンティティは、DTCH又はDCCHについてMAC SDUを送信したか否かを判定する。
【0068】
第1実施形態では、ステップS12において、UE100のMACエンティティは、MTCHについても、MAC SDUを受信したか否かの判定を行う。但し、UE100のMACエンティティは、マルチキャストセッションを伝送するMTCHにのみデータ不活性モニタリングを適用し、ブロードキャストセッションを伝送するMTCHにはデータ不活性モニタリングを適用しない。すなわち、ステップS12において、UE100のMACエンティティは、マルチキャストセッションと対応付けられたMTCHについてMAC SDUを受信したか否かを判定するが、ブロードキャストセッションと対応付けられたMTCHについてはMAC SDUを受信したか否かを判定しない。
【0069】
ステップS12でYESである場合、ステップS13において、UE100のMACエンティティは、データ不活性タイマ(dataInactivityTimer)をスタート又はリスタートする。その後、ステップS12に処理を戻す。
【0070】
ステップS12でNOである場合、ステップS14において、UE100のMACエンティティは、データ不活性タイマ(dataInactivityTimer)が満了したか否かを判定する。データ不活性モニタリングの適用対象の論理チャネルについてMAC SDUを送信又は受信しない期間がデータ不活性タイマのタイマ値分だけ継続した場合、データ不活性タイマが満了する。
【0071】
データ不活性タイマが満了した場合(ステップS14:YES)、ステップS15において、UE100のMACエンティティは、データ不活性タイマの満了をRRCエンティティに通知する。
【0072】
ステップS16において、UE100のRRCエンティティは、データ不活性タイマが満了したことに応じて、RRCコネクションの解放処理を行う。その結果、UE100は、RRCアイドル状態に遷移する。
【0073】
(移動通信システムの動作)
第1実施形態に係る移動通信システム1の動作について説明する。
【0074】
上述のように、UE100のMACエンティティは、マルチキャストセッションを伝送するMTCH(MRB)にのみデータ不活性モニタリングを適用し、ブロードキャストセッションを伝送するMTCH(MRB)にはデータ不活性モニタリングを適用しない。そのため、MTCH(MRB)が設定されたUE100は、当該MTCH(MRB)が伝送するセッションの種別がマルチキャストセッション及びブロードキャストセッションのいずれであるかをUE100が特定できる必要がある。
【0075】
第1実施形態において、設定されたMTCH(MRB)が伝送するセッションの種別がマルチキャストセッション及びブロードキャストセッションのいずれであるかをUE100が特定するための動作について説明する。以下において、マルチキャストセッションを伝送するMTCH(若しくはMRB)をマルチキャスト用MTCH(若しくはマルチキャスト用MRB)と呼ぶ。また、ブロードキャストセッションを伝送するMTCH(若しくはMRB)をブロードキャスト用MTCH(若しくはブロードキャスト用MRB)と呼ぶ。
【0076】
第1実施形態において、UE100は、MBS無線ベアラ(MRB)と対応付けられたマルチキャストトラフィックチャネル(MTCH)を設定するための設定情報(MTCH設定情報)をgNB200から受信する。UE100は、当該MTCH設定情報、又は当該MTCH上で伝送されるMBSデータに基づいて、当該MRB又は当該MTCHが伝送するセッションの種別がマルチキャストセッション及びブロードキャストセッションのいずれであるかを特定する。これにより、設定されたMTCH(MRB)がマルチキャスト用MTCH(マルチキャスト用MRB)であるか又はブロードキャスト用MTCH(ブロードキャスト用MRB)であるかを適切に特定可能になる。
【0077】
なお、設定されたMTCH(MRB)がマルチキャスト用MTCH(マルチキャスト用MRB)であるか又はブロードキャスト用MTCH(ブロードキャスト用MRB)であるかを特定することは、設定されたMTCH(MRB)に対してデータ不活性モニタリングを適用するか否かを特定することを意味してもよい。具体的には、設定されたMTCH(MRB)がマルチキャスト用MTCH(マルチキャスト用MRB)であると特定することは、設定されたMTCH(MRB)に対してデータ不活性モニタリングを適用すると特定することを意味してもよい。また、設定されたMTCH(MRB)がブロードキャスト用MTCH(ブロードキャスト用MRB)であると特定することは、設定されたMTCH(MRB)に対してデータ不活性モニタリングを適用しないと特定することを意味してもよい。
【0078】
UE100は、MTCH(MRB)を設定するMTCH設定情報に含まれる情報、当該MTCH設定情報を伝送するメッセージの種別、及び当該MTCH設定情報を伝送するチャネルの種別のうち、少なくとも1つに基づいて、当該MTCH(MRB)が伝送するセッションの種別がマルチキャストセッション及びブロードキャストセッションのいずれであるかを特定してもよい。
【0079】
UE100は、自身がRRCコネクティッド状態にあり、特定されたセッションの種別がマルチキャストセッションである場合、設定されたMTCHに対してデータ不活性モニタリングを適用する。ここで、当該MTCHをデータ不活性モニタリングの対象とするか否かの判定は、UE100のRRCエンティティにより行われてもよい。RRCエンティティは、当該判定の結果を示す情報をMACエンティティに通知してもよい。上述のように、データ不活性モニタリングはMACエンティティにより行われる。そのため、RRCエンティティは、セッションの種別(すなわち、データ不活性モニタリングの適用の要否)をMTCH(MRB)ごとに特定し、その結果をMACエンティティに通知する。これにより、MACエンティティは、データ不活性モニタリングの適用の要否をMTCHごとに適切に把握できる。
【0080】
図11は、第1実施形態に係る移動通信システム1の動作を示す図である。
【0081】
ステップS101において、gNB200は、MTCH設定情報を含むRRC再設定(Reconfiguration)メッセージ又はMCCHをUE100に送信する。UE100は、MTCH設定情報を受信する。なお、UE100がRRCコネクティッド状態にあるものとするが、UE100は、RRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態にあってもよい。
【0082】
ステップS102において、UE100のRRCエンティティは、ステップS101で受信したMTCH設定情報、又は当該MTCH上で伝送されるMBSデータに基づいて、設定されたMTCH(MRB)が伝送するセッションの種別がマルチキャストセッション及びブロードキャストセッションのいずれであるかを特定する。UE100は、ステップS101で受信したMTCH設定情報、又は当該MTCH上で伝送されるMBSデータに基づいて、設定されたMTCH(MRB)に対してデータ不活性モニタリングを適用するか否かを特定してもよい。なお、UE100に複数のMTCHが設定される場合、UE100は、設定されるMTCHごとに当該特定を行う。UE100のRRCエンティティは、当該特定したセッション種別及び/又はデータ不活性モニタリング要否の情報を、下位レイヤ(例えばMACエンティティ)に通知してもよい。
【0083】
UE100のRRCエンティティは、このような特定を行う方法として、次の第1乃至第5特定方法のいずれかを用いてもよい。
【0084】
・第1特定方法
MTCH設定情報は、MTCHごとに、又はG-RNTIごとに、当該MTCHがマルチキャスト用MTCHであるか又はブロードキャスト用MTCHであるかを示す情報、又は当該MTCHにデータ不活性モニタリングを適用するか否かを示す情報を含む。UE100のRRCエンティティは、MTCH設定情報に含まれる情報に基づいて、当該MTCHが伝送するセッションの種別がマルチキャストセッション及びブロードキャストセッションのいずれであるか(すなわち、MTCH(MRB)に対してデータ不活性モニタリングを適用するか否か)を特定する。
【0085】
・第2特定方法
MTCH設定情報は、MTCHごとにMBSセッション識別子(例えばTMGI)を含む。UE100のNASレイヤは、UE100がマルチキャストセッション参加(session join)済みのMBSセッション識別子(TMGI)をASレイヤに通知する。UE100のASレイヤは、NASレイヤから通知されたMBSセッション識別子(TMGI)と、ステップS101で受信したMTCH設定情報に含まれるMBSセッション識別子(TMGI)とを比較し、NASレイヤから通知されたMBSセッション識別子(TMGI)と一致するMBSセッション識別子(TMGI)に対応するMTCH(MRB)をマルチキャスト用MTCH(マルチキャスト用MRB)として特定する。
【0086】
・第3特定方法
MTCH設定情報は、MTCHと対応付けられたHARQフィードバック設定を含む。UE100は、HARQフィードバックが設定されていないMTCHについてデータ不活性モニタリングを適用しないと特定し、HARQフィードバック(例えば、HARQフィードバック用のPUCCHリソース)が設定されていないMTCHについてデータ不活性モニタリングを適用すると特定する。なお、gNB200は、MBS受信のためのHARQフィードバックが設定されたUE100については、HARQフィードバックに基づいて、データ不活性モニタリングによりUE100がRRCアイドル状態に遷移したか否かを把握できる。
【0087】
・第4特定方法
MTCH設定情報は、gNB200からUE100に対してDL-DCCH上で送信するRRC Reconfigurationメッセージ中の第1情報要素(例えば、RadioBearerConfig又はmrb-ToAddModList)に含まれる。或いは、MTCH設定情報は、gNB200からUE100に対してMCCH上で送信する第2情報要素(例えば、MBSブロードキャストConfiguration)に含まれる。UE100は、MTCH設定情報がDL-DCCH、RRC Reconfigurationメッセージ、及び第1情報要素のいずれかにより伝送された場合、当該MTCH設定情報に対応するMTCHが伝送するセッションの種別がマルチキャストセッションである(すなわち、当該MTCHに対してデータ不活性モニタリングを適用する)と特定する。これに対し、UE100は、MTCH設定情報がMCCH及び第2情報要素のいずれかにより伝送された場合、当該MTCH設定情報に対応するMTCHが伝送するセッションの種別がブロードキャストセッションである(すなわち、当該MTCHに対してデータ不活性モニタリングを適用しない)と特定する。
【0088】
・第5特定方法
ステップS101で設定されたMTCHは、MBSデータをUE100に伝送する。ここで、MBSデータを構成するMAC PDUは、そのヘッダに、マルチキャスト/ブロードキャストを識別する情報を含んでもよい。UE100は、MAC PDUのヘッダに含まれる情報に基づいて、当該MTCHが伝送するセッションの種別がマルチキャストセッション及びブロードキャストセッションのいずれであるか(すなわち、当該MTCHに対してデータ不活性モニタリングを適用するか否か)を特定してもよい。
【0089】
UE100のMACエンティティは、ステップS102で特定されたセッション種別がマルチキャストセッションである場合(ステップS103:YES)、ステップS101で設定されたMTCHに対してデータ不活性モニタリングを適用する。これに対し、ステップS102で特定されたセッション種別がブロードキャストセッションである場合(ステップS103:NO)、ステップS101で設定されたMTCHに対してデータ不活性モニタリングを適用しない。
【0090】
なお、UE100は、上述の第1特定方法乃至第5特定方法のいずれかにより、設定されたMTCHに割り当てられた論理チャネルID(LCID)が属するLCID空間を特定してもよい。マルチキャストセッションのPTP及びユニキャストセッションのDTCH/DRBには共通のLCID空間が用いられるが、ブロードキャストセッションのPTM/MTCHは予約LCID(ユニキャストセッションのDTCH/DRBのLCID空間とは異なる)が用いられる。よって、UE100は、LCID空間によりマルチキャスト用/ブロードキャスト用(データ不活性モニタリング要否)の判断ができる。そのため、UE100は、特定されたLCID空間も考慮して、当該MTCHが伝送するセッションの種別がマルチキャストセッション及びブロードキャストセッションのいずれであるか(すなわち、当該MTCHに対してデータ不活性モニタリングを適用するか否か)を特定してもよい。
【0091】
[第2実施形態]
第2実施形態について、上述の第1実施形態との相違点を主として説明する。
【0092】
第2実施形態は、上述の第2配信モード(Delivery mode 2)を想定した実施形態である。第2配信モードにおいて、gNB200は、オンデマンドで(すなわち、UE100からの要求に応じて)、MBS SIB及び/又はMCCHをUE100に提供し得る。具体的には、gNB200は、MBS SIB及び/又はMCCHを常時送信することに代えて、UE100から要求があったときに限りMBS SIB及び/又はMCCHを送信(ブロードキャスト)する。これにより、MBS SIB及び/又はMCCHを送信するための無線リソース及び消費電力を削減できる。
【0093】
ここで、MBS SIB及びMCCHの両方にオンデマンド送信が適用される場合、UE100は、MBS SIBの送信要求及びMCCHの送信要求を別々にgNB200に対して送信する必要があり得る。その場合、2回の送信要求を行うことにより、無線リソース消費及び消費電力が大きくなる。第2実施形態では、MBS SIBの送信及びMCCHの送信の両方を要求するための単一の送信要求という新たな仕組みを導入する。
【0094】
第2実施形態において、UE100は、第1に、MBS SIBの送信及びMCCHの送信の両方を要求するための単一の送信要求をgNB200に送信する。第2に、UE100は、当該単一の送信要求に応じてgNB200から送信されるMBS SIBを受信する。第3に、UE100は、単一の送信要求に応じてgNB200から送信されるMCCHをMBS SIBに基づいて受信する。これにより、MBS SIB及びMCCHの両方にオンデマンド送信が適用される場合であっても、UE100は、MBS SIBの送信要求及びMCCHの送信要求を別々にgNB200に対して送信する必要がなくなる。そのため、無線リソース消費及び消費電力を削減できる。
【0095】
当該単一の送信要求を送信したUE100は、MBS SIBを受信した後に、MCCHを受信するための動作を開始してもよい。UE100は、当該単一の送信要求を送信した後に、MBS SIBを受信するための動作(例えば、MBS SIBのモニタリング)を開始し、MCCHを受信するための動作(例えば、MCCHのモニタリング)を開始しない。そして、UE100は、MBS SIBを受信した後に、MCCHを受信するための動作を開始する。これにより、MCCH受信に伴う消費電力を削減できる。
【0096】
UE100は、MBS SIBの送信及びMCCHの送信の少なくとも一方を要求するか否かを判定してもよい。UE100は、MBS SIBの送信及びMCCHの送信の両方を要求すると判定されたことに応じて、MBS SIBの送信及びMCCHの送信の両方を要求するための単一の送信要求をgNB200に送信してもよい。これに対し、UE100は、MBS SIBの送信のみを要求すると判定されたことに応じて、MBS SIBの送信のみを要求する送信要求をgNB200に送信してもよい。UE100は、MCCHの送信のみを要求すると判定されたことに応じて、MCCHの送信のみを要求する送信要求をgNB200に送信してもよい。
【0097】
図12は、第2実施形態に係る移動通信システム1の動作を示す図である。
【0098】
ステップS201において、UE100は、MBS受信(具体的には、MTCH受信)に興味がある。
【0099】
ステップS202において、UE100は、gNB200がMBS SIB(及びMCCH)をブロードキャストしていないことを認識する。例えば、UE100は、gNB200からSIBタイプ1を受信し、MBS SIB(及びMCCH)をブロードキャストしていないことをSIBタイプ1中のSIスケジューリング情報が示す場合、gNB200がMBS SIB(及びMCCH)をブロードキャストしておらず、かつ、これらがオンデマンドで提供されると判断する。
【0100】
ステップS203において、UE100は、MBS SIBの送信及びMCCHの送信の両方を要求するための単一の送信要求をgNB200に送信する。当該単一の送信要求は、少なくともMBS SIBの送信を要求するために専用で準備された物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)リソースを用いて送信するランダムアクセスプリアンブルであってもよい。このような専用PRACHリソースは、時間・周波数リソースであってもよいし、プリアンブル系列であってもよい。或いは、当該単一の送信要求は、少なくともMBS SIBの送信を要求する情報要素を含むRRCメッセージ(RRCSystemInfoRequestメッセージ)であってもよい。
【0101】
ステップS204において、当該単一の送信要求を受信したgNB200は、MBS SIB及びMCCHの送信を開始する。gNB200は、当該単一の送信要求を受信した後、一定期間にわたってMBS SIB及びMCCHのそれぞれを周期的に送信してもよい。当該一定期間は、MBS SIB及びMCCHで同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0102】
一方、当該単一の送信要求を受信したUE100は、MBS SIBのモニタリングを開始する。例えば、UE100は、SIスケジューリング情報で示されるMBS SIBの受信機会において、システム情報RNTI(SI-RNTI)を用いてPDCCHの受信処理を行う。この時点では、UE100は、MCCHのモニタリングを開始しなくてもよい。
【0103】
ステップS205において、UE100は、gNB200から送信されるMBS SIBを受信する。UE100は、MBS SIBの受信に応じて、当該受信したMBS SIB中のMCCH設定情報に基づくMCCHモニタリングを開始する。例えば、UE100は、MCCH設定情報で示されるMCCHの受信機会において、MCCH-RNTIを用いてPDCCHの受信処理を行う。UE100は、ステップS203で送信要求を送信してから一定期間内にMCCHモニタリングを開始してもよい。UE100は、ステップS203で送信要求を送信してから一定期間内にMCCH取得を完了してもよい。当該一定期間は、gNB200からUE100に通知されてもよい。なお、ステップS205において、UE100は、MBS SIB受信後、即座にMCCH受信を開始してもよい。例えば、UE100は、MBS SIBを受信したスロット又は当該スロットの次のスロットでMCCH受信を開始してもよいし、MBS SIB中のMCCH設定情報で示される最初のMCCH受信機会又は当該MCCH受信機会よりも前にMCCH受信を開始してもよい。ここで、当該最初のMCCH受信機会とは、MBS SIB受信後の次のMCCH受信機会であってもよいし、MCCH変更期間境界(MCCH Modification Boundary)の後の最初のMCCH受信機会であってもよい。当該最初のMCCH受信機会は、UE100が受信するSSB(ビーム)における最初のMCCH受信機会であってもよい。
【0104】
ステップS206において、UE100は、gNB200から送信されるMCCHを受信する。UE100は、受信したMCCH中のMTCH設定情報に基づくMTCHモニタリングを開始する。例えば、UE100は、MTCH設定情報で示されるMTCHの受信機会において、G-RNTIを用いてPDCCHの受信処理を行う。
【0105】
ステップS207において、UE100は、gNB200から送信されるMTCHを受信する。
【0106】
なお、
図12において、MBS SIB及びMCCHの両方の送信を要求する単一の送信要求について説明したが、送信要求は、MBS SIB及びMCCHの一方の送信のみを要求するものであってもよい。すなわち、MBS SIB/MCCH送信要求は、「MBS SIB及びMCCHの両方」、「MBS SIBのみ」、及び「MCCHのみ」の3パターンの中からUE100が選択した1つの要求パターンを示すものであってもよい。なお、UE100は、「MCCHのみ」の送信要求をgNB200に送信する場合、当該送信要求を送信した後、即座にMCCH受信を開始してもよい。例えば、UE100は、MBS SIBを受信したスロット又は当該スロットの次のスロットでMCCH受信を開始してもよいし、当該送信要求を送信したスロット又は該当スロットの次のスロットでMCCH受信を開始してもよいし、MBS SIB中のMCCH設定情報で示される最初のMCCH受信機会又は当該最初のMCCH受信機会よりも前にMCCH受信を開始してもよい。ここで、当該最初のMCCH受信機会とは、MBS SIB受信後の次のMCCH受信機会であってもよいし、当該送信要求送信後の次のMCCH受信機会であってもよいし、MCCH変更期間境界の後の最初のMCCH受信機会であってもよい。当該最初のMCCH受信機会は、UE100が受信するSSB(ビーム)における最初のMCCH受信機会であってもよい。
【0107】
第1に、MBS SIB/MCCH送信要求をランダムアクセスプリアンブルにより構成する場合について説明する。
【0108】
例えば、gNB200は、「MBS SIB及びMCCHの両方」に対応する第1PRACHリソースセットと、「MBS SIBのみ」に対応する第2PRACHリソースセットと、「MCCHのみ」に対応する第3PRACHリソースセットとをSIB(例えば、SIBタイプ1)によりUE100に通知する。各PRACHリソースセットは、時間・周波数リソース及び/又はプリアンブル系列が互いに異なる。
【0109】
UE100は、gNB200からSIBで通知された内容に基づいて、MBS SIB及びMCCHのうち自身が送信を要求するものに対応するPRACHリソースセットを用いてランダムアクセスプリアンブル(MBS SIB/MCCH送信要求)を送信する。例えば、UE100は、「MBS SIB及びMCCHの両方」の送信を要求する場合、第1PRACHリソースセットの中から選択されたPRACHリソースを用いてランダムアクセスプリアンブルを送信する。UE100は、「MBS SIBのみ」の送信を要求する場合、第2PRACHリソースセットの中から選択されたPRACHリソースを用いてランダムアクセスプリアンブルを送信する。UE100は、「MCCHのみ」の送信を要求する場合、第3PRACHリソースセットの中から選択されたPRACHリソースを用いてランダムアクセスプリアンブルを送信する。
【0110】
第2に、MBS SIB/MCCH送信要求をRRCSystemInfoRequestメッセージにより構成する場合について説明する。その場合、UE100は、「MBS SIB及びMCCHの両方」、「MBS SIBのみ」、及び「MCCHのみ」の3パターンの中からUE100が選択した1つの要求パターンを示す情報要素を含むRRCSystemInfoRequestメッセージをgNB200に送信する。
【0111】
図13は、第2実施形態に係るRRCSystemInfoRequestメッセージの構成例を示す図である。
【0112】
RRCSystemInfoRequestメッセージは、送信を要求するSIBのタイプを示すリストである「requested-SI-List」と、MBS SIB及びMCCHの両方の送信を要求することを示す「requested-MBS-SIB-and-MCCH」と、MCCHの送信を要求することを示す「requested-MCCH」と、のうち少なくとも1つを含む。例えば、UE100は、「MBS SIB及びMCCHの両方」の送信を要求する場合、「requested-MBS-SIB-and-MCCH」を含むRRCSystemInfoRequestメッセージを送信する。UE100は、「MBS SIBのみ」の送信を要求する場合、MBS SIBを示す「requested-SI-List」を含むRRCSystemInfoRequestメッセージを送信する。UE100は、「MCCHのみ」の送信を要求する場合、「requested-MCCH」を含むRRCSystemInfoRequestメッセージを送信する。なお、「requested-MBS-SIB-and-MCCH」及び「requested-MCCH」のそれぞれは、1ビットのフラグとして構成されている。
【0113】
なお、gNB200の1つのセルが複数のMCCHを有する場合がある。各MCCHは、互いに異なるTMGIと対応付けられていてもよい。各MCCHは、互いに送信周期が異なっていてもよい。gNB200の1つのセルが複数のMCCHを有する場合、「requested-MCCH」は、複数ビットを有するリストとして構成されてもよい。その場合、各ビットは、MBS SIBで報知されているMCCHリストの順番(gNB200がブロードキャストしていない又はon-demandのMCCHのみを抽出した順番)と対応付けられていてもよい。
【0114】
[その他の実施形態]
上述の各動作フローは、別個独立に実施する場合に限らず、2以上の動作フローを組み合わせて実施可能である。例えば、1つの動作フローの一部のステップを他の動作フローに追加してもよいし、1つの動作フローの一部のステップを他の動作フローの一部のステップと置換してもよい。
【0115】
上述の実施形態及び実施例において、基地局がNR基地局(gNB)である一例について説明したが基地局がLTE基地局(eNB)又は6G基地局であってもよい。また、基地局は、IAB(Integrated Access and Backhaul)ノード等の中継ノードであってもよい。基地局は、IABノードのDUであってもよい。また、ユーザ装置は、IABノードのMT(Mobile Termination)であってもよい。
【0116】
UE100又はgNB200が行う各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。また、UE100又はgNB200が行う各処理を実行する回路を集積化し、UE100又はgNB200の少なくとも一部を半導体集積回路(チップセット、SoC)として構成してもよい。
【0117】
以上、図面を参照して実施形態について詳しく説明したが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【0118】
本開示で使用されている「に基づいて(based on)」、「に応じて(depending on)」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」、「のみに応じて」を意味しない。「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」及び「に少なくとも部分的に基づいて」の両方を意味する。同様に、「に応じて」という記載は、「のみに応じて」及び「に少なくとも部分的に応じて」の両方を意味する。また、「取得する(obtain/acquire)」は、記憶されている情報の中から情報を取得することを意味してもよく、他のノードから受信した情報の中から情報を取得することを意味してもよく、又は、情報を生成することにより当該情報を取得することを意味してもよい。「含む(include)」、「備える(comprise)」、及びそれらの変形の用語は、列挙する項目のみを含むことを意味せず、列挙する項目のみを含んでもよいし、列挙する項目に加えてさらなる項目を含んでもよいことを意味する。また、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。さらに、本開示で使用されている「第1」、「第2」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。本開示において、例えば、英語でのa,an,及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数のものを含むものとする。
【0119】
本願は、米国仮出願第63/262459号(2021年10月13日出願)の優先権を主張し、その内容の全てが本願明細書に組み込まれている。