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特開2024-116265電気垂直離着陸航空機のための制御割り当てのためのシステムおよび方法
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  • 特開-電気垂直離着陸航空機のための制御割り当てのためのシステムおよび方法 図1A
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116265
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】電気垂直離着陸航空機のための制御割り当てのためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   B64D 27/34 20240101AFI20240820BHJP
   B64C 29/00 20060101ALI20240820BHJP
   B64D 27/31 20240101ALI20240820BHJP
【FI】
B64D27/34
B64C29/00 A
B64D27/31
【審査請求】有
【請求項の数】29
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024092378
(22)【出願日】2024-06-06
(62)【分割の表示】P 2023544754の分割
【原出願日】2022-01-24
(31)【優先権主張番号】17/157,580
(32)【優先日】2021-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】522452916
【氏名又は名称】アーチャー アヴィエイション インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ARCHER AVIATION, INC.
【住所又は居所原語表記】190 W. Tasman Drive, San Jose, California 95134, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バウワー, ジェフリー, シー.
(72)【発明者】
【氏名】シュエ, ナンシ
(72)【発明者】
【氏名】チェン, アラン
(72)【発明者】
【氏名】ゴールドマン, ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】デペンブッシュ, ネイサン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電気VTOL航空機の電気推進ユニットによって生成されるノイズを最小化するための技術を提供する。
【解決手段】複数の電気推進ユニットを含む複数のアクチュエータを備える電気航空機を制御する方法は、電気航空機のためのフォースおよびモーメントコマンドを受信することと、電気推進ユニットによって生成されるノイズを最小化するためのノイズ最小化項を含む最適化問題を解くことによって、所望のフォースおよびモーメントコマンドに基づいて複数のアクチュエータのための制御コマンドを決定することと、電気航空機のためのフォースおよびモーメントコマンドを満たすように、決定された制御コマンドに従って複数のアクチュエータを制御することと、を含む。
【選択図】図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電気推進ユニットを含む複数のアクチュエータを備える電気航空機を制御する方法であって、前記方法は、
前記電気航空機のためのフォースおよびモーメントコマンドを受信することと、
前記電気推進ユニットによって生成されるノイズを最小化するためのノイズ最小化項を含む最適化問題を解くことによって、所望の前記フォースおよびモーメントコマンドに基づいて前記複数のアクチュエータのための制御コマンドを決定することと、
前記電気航空機のための前記フォースおよびモーメントコマンドを満たすように、決定された前記制御コマンドに従って前記複数のアクチュエータを制御することと、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、決定された前記制御コマンドに従って前記複数のアクチュエータを制御することは、複数の電気推進ユニットの周波数をより広い周波数帯域にわたって拡散させるために、前記複数の電気推進ユニットのうち少なくとも第1電気推進ユニットを、前記複数の電気推進ユニットのうち少なくとも第2電気推進ユニットとは異なる速度で動作させることを含む、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、前記航空機の胴体により近い電気推進ユニットは、前記胴体におけるノイズを低減するために、前記胴体からより遠い電気推進ユニットよりも低い速度で動作する、方法。
【請求項4】
請求項2または3に記載の方法であって、複数の電気推進ユニットは、直進飛行中に異なる速度で動作する、方法。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかに記載の方法であって、前記複数の電気推進ユニットのうち少なくとも一部は、チルト可能であり、決定された前記制御コマンドに従って前記複数のアクチュエータを制御することは、前記電気推進ユニットをチルトさせることと、エッジワイズ飛行の時間を最小化するために、前記航空機の姿勢を調整することと、のうち少なくとも1つを含む、方法。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れかに記載の方法であって、決定された前記制御コマンドに従って前記複数のアクチュエータを制御することは、少なくとも1つの電気推進ユニットの速度を最小化するために、前記少なくとも1つの電気推進ユニットのブレードのピッチを設定することを含む、方法。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れかに記載の方法であって、前記電気航空機は、垂直離着陸航空機である、方法。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れかに記載の方法であって、前記電気航空機は、有人である、方法。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れかに記載の方法であって、前記電気航空機は、前記航空機の胴体の両側に複数の電気推進ユニットを備える、方法。
【請求項10】
複数の電気推進ユニットを含む複数のアクチュエータを備える電気航空機を制御するためのシステムであって、前記システムは、1つ以上のプロセッサと、メモリと、前記1つ以上のプロセッサによる実行のために前記メモリに記憶された1つ以上のプログラムであって、
前記電気航空機のための所望のフォースおよびモーメントコマンドを受信することと、
前記電気推進ユニットによって生成されるノイズを最小化するためのノイズ最小化項を含む最適化問題を解くことによって、前記所望のフォースおよびモーメントコマンドに基づいて前記複数のアクチュエータのための制御コマンドを決定することと、
前記電気航空機の前記所望のフォースおよびモーメントコマンドを満たすように、決定された前記制御コマンドに従って前記複数のアクチュエータを制御することと、
のためのプログラムと、を含む、システム。
【請求項11】
請求項10に記載のシステムであって、決定された前記制御コマンドに従って前記複数のアクチュエータを制御することは、複数の電気推進ユニットの周波数をより広い周波数帯域にわたって拡散させるために、前記複数の電気推進ユニットのうち少なくとも第1電気推進ユニットを、前記複数の電気推進ユニットのうち少なくとも第2電気推進ユニットとは異なる速度で動作させることを含む、システム。
【請求項12】
請求項11に記載のシステムであって、前記航空機の胴体により近い電気推進ユニットは、前記胴体におけるノイズを低減するために、前記胴体からより遠い電気推進ユニットよりも低い速度で動作する、システム。
【請求項13】
請求項11または12に記載のシステムであって、複数の電気推進ユニットは、直進飛行中に異なる速度で動作する、システム。
【請求項14】
請求項11乃至13の何れかに記載のシステムであって、前記複数の電気推進ユニットのうち少なくとも一部は、チルト可能であり、決定された前記制御コマンドに従って前記複数のアクチュエータを制御することは、前記電気推進ユニットをチルトさせることと、エッジワイズ飛行の時間を最小化するために、前記航空機の姿勢を調整することと、のうち少なくとも1つを含む、システム。
【請求項15】
請求項11乃至14の何れかに記載のシステムであって、決定された前記制御コマンドに従って前記複数のアクチュエータを制御することは、少なくとも1つの電気推進ユニットの速度を最小化するために、前記少なくとも1つの電気推進ユニットのブレードのピッチを設定することを含む、システム。
【請求項16】
請求項11乃至15の何れかに記載のシステムであって、前記電気航空機は、垂直離着陸航空機である、システム。
【請求項17】
請求項11乃至16の何れかに記載のシステムであって、前記電気航空機は、有人である、システム。
【請求項18】
請求項11乃至17の何れかに記載のシステムであって、前記電気航空機は、前記航空機の胴体の両側に複数の電気推進ユニットを備える、システム。
【請求項19】
複数の電気推進ユニットと、前記複数の電気推進ユニットに電力を供給する複数のバッテリパックと、を含む複数のアクチュエータを備える電気航空機を制御する方法であって、前記方法は、
前記電気航空機のための所望のフォースおよびモーメントコマンドを受信することと、
前記複数のバッテリパックのエネルギ状態をモニタすることであって、前記複数のバッテリパックのうち少なくとも第1バッテリパックは、前記複数のバッテリパックのうち少なくとも第2バッテリパックから電気的に分離されていることと、
前記複数のバッテリパックのモニタされた前記エネルギ状態に従って、前記電気推進ユニットのエネルギ取り出しをバランスさせるためのエネルギバランス項を含む最適化問題を解くことによって、前記所望のフォースおよびモーメントコマンドに基づいて前記複数のアクチュエータのための制御コマンドを決定することと、
前記電気航空機の前記所望のフォースおよびモーメントコマンドを満たすように、決定された前記制御コマンドに従って前記複数のアクチュエータを制御することと、
を含む、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、前記第1バッテリパックは、前記第2バッテリパックよりも低い残存エネルギを有し、前記第1バッテリパックによって電力を供給される第1電気推進ユニットは、前記第2バッテリパックによって電力を供給される第2電気推進ユニットよりも低い電力で動作する、方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法であって、前記第1バッテリパックおよび前記第2バッテリパックは、同じエネルギ容量を有する、方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法であって、前記第1電気推進ユニットおよび前記第2電気推進ユニットは、同じ電力定格を有する、方法。
【請求項23】
請求項19乃至22の何れかに記載の方法であって、前記エネルギバランス項は、前記複数の電気推進ユニットのための好ましい動作状態のセットを含み、より低い残存エネルギを有するバッテリパックによって電力を供給される電気推進ユニットのための好ましい動作状態は、より高い残存エネルギを有するバッテリパックによって電力を供給される電気推進ユニットのための好ましい動作状態よりも低い、方法。
【請求項24】
請求項19乃至23の何れかに記載の方法であって、前記エネルギバランス項は、好ましい動作状態から逸脱するためのペナルティのセットを含み、より低いエネルギのバッテリパックに接続された電気推進ユニットに関するペナルティは、より高いエネルギのバッテリパックに接続された電気推進ユニットに関するペナルティよりも高い、方法。
【請求項25】
請求項19乃至24の何れかに記載の方法であって、前記最適化問題は、前記電気推進ユニットによって生成されるノイズを最小化するためのノイズ最小化項を含む、方法。
【請求項26】
請求項19乃至25の何れかに記載の方法であって、前記電気航空機は、垂直離着陸航空機である、方法。
【請求項27】
請求項19乃至26の何れかに記載の方法であって、前記電気航空機は、有人である、方法。
【請求項28】
請求項19乃至27の何れかに記載の方法であって、前記電気航空機は、前記航空機の胴体の両側に複数の電気推進ユニットを備える、方法。
【請求項29】
複数の電気推進ユニットを含む複数のアクチュエータを備える電気航空機を制御するためのシステムであって、前記システムは、1つ以上のプロセッサと、メモリと、前記1つ以上のプロセッサによる実行のために前記メモリに記憶された1つ以上のプログラムであって、
前記電気航空機のための所望のフォースおよびモーメントコマンドを受信することと、
前記複数のバッテリパックのエネルギ状態をモニタすることであって、前記複数のバッテリパックのうち少なくとも第1バッテリパックは、前記複数のバッテリパックのうち少なくとも第2バッテリパックから電気的に分離されていることと、
前記複数のバッテリパックのモニタされた前記エネルギ状態に従って、前記電気推進ユニットのエネルギ取り出しをバランスさせるためのエネルギバランス項を含む最適化問題を解くことによって、前記所望のフォースおよびモーメントコマンドに基づいて前記複数のアクチュエータのための制御コマンドを決定することと、
前記電気航空機の前記所望のフォースおよびモーメントコマンドを満たすように、決定された前記制御コマンドに従って前記複数のアクチュエータを制御することと、
のためのプログラムと、を含む、システム。
【請求項30】
請求項29に記載のシステムであって、前記第1バッテリパックは、前記第2バッテリパックよりも低い残存エネルギを有し、前記第1バッテリパックによって電力を供給される第1電気推進ユニットは、前記第2バッテリパックによって電力を供給される第2電気推進ユニットよりも低い電力で動作する、システム。
【請求項31】
請求項30に記載のシステムであって、前記第1バッテリパックおよび前記第2バッテリパックは、同じエネルギ容量を有する、システム。
【請求項32】
請求項31に記載のシステムであって、前記第1電気推進ユニットおよび前記第2電気推進ユニットは、同じ電力定格を有する、システム。
【請求項33】
請求項29乃至32の何れかに記載のシステムであって、前記エネルギバランス項は、前記複数の電気推進ユニットのための好ましい動作状態のセットを含み、より低い残存エネルギを有するバッテリパックによって電力を供給される電気推進ユニットのための好ましい動作状態は、より高い残存エネルギを有するバッテリパックによって電力を供給される電気推進ユニットのための好ましい動作状態よりも低い、システム。
【請求項34】
請求項29乃至33の何れかに記載のシステムであって、前記エネルギバランス項は、好ましい動作状態から逸脱するためのペナルティのセットを含み、より低いエネルギのバッテリパックに接続された電気推進ユニットに関するペナルティは、より高いエネルギのバッテリパックに接続された電気推進ユニットに関するペナルティよりも高い、システム。
【請求項35】
請求項29乃至34の何れかに記載のシステムであって、前記最適化問題は、前記電気推進ユニットによって生成されるノイズを最小化するためのノイズ最小化項を含む、システム。
【請求項36】
請求項29乃至35の何れかに記載のシステムであって、前記電気航空機は、垂直離着陸航空機である、システム。
【請求項37】
請求項29乃至36の何れかに記載のシステムであって、前記電気航空機は、有人である、システム。
【請求項38】
請求項29乃至37の何れかに記載のシステムであって、前記電気航空機は、前記航空機の胴体の両側に複数の電気推進ユニットを備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる2021年1月25日に出願された米国出願第17/157,580号の優先権および利益を主張する。
【0002】
本開示は、一般に、航空機の制御に関し、特に、電気垂直離着陸航空機の制御に関する。
【背景技術】
【0003】
垂直離着陸(VTOL)航空機は、垂直に離着陸し、ホバリングでき、旅行者を彼らの目的地まで直接運ぶ能力を提供する航空機である。ヘリコプタは、それらのロータを通じて完全に揚力を生成するVTOL航空機である。いくつかのVTOL航空機は、翼と、前進飛行中に必要とされる揚力を翼が提供することを可能にする推進システムと、を有する。いくつかの有翼VTOL航空機は、離着陸中に使用するための垂直推力と、巡航中に使用するための前進推力と、のために別々の推進システムを使用する。他の有翼VTOL航空機は、垂直推力位置と前進推力位置との間でチルトするチルト可能な推進システムを使用する。電気VTOL航空機は、垂直飛行および前進飛行のための推力を提供するために、電気推進ユニットを使用する。多くの電気VTOL航空機は、垂直揚力のための上方向から前進飛行のための前方向へなど、推進ユニットの推力ベクトルを変化させることができる可動電気推進ユニットを含む。多くの電気VTOL航空機は、動きの自由度よりも多くのアクチュエータの自由度があるという点で、過剰作動である。制御割り当ては、過剰作動システムにおける複数のアクチュエータの中で制御エフォートを分配する問題である。電気VTOL航空機は、多くの場合、従来の航空機よりも多くの推進ユニットおよび他のアクチュエータを含み、推進ユニットおよび他のアクチュエータは、複数の制御軸に強く影響する。したがって、電気VTOL航空機は、従来の航空機よりも大きな制御割り当て問題をもたらしうる。
【発明の概要】
【0004】
いくつかの実施形態によると、電気VTOL航空機における制御割り当てのためのシステムおよび方法は、航空機のアクチュエータを制御する際のロータの音響を考慮することを含む。様々な実施形態によると、制御割り当ては、主な目的としてフォースおよびモーメントコマンドを満たすことと、副次的な目的としてロータの音響を調整することと、を含む最適化目的関数を解くことを含む。いくつかの実施形態において、ロータの音響がエッジワイズ飛行を最小化すること、ロータのセットにわたってロータ速度を変化させること、および/または、プロペラ先端速度を最小化することによって調整される。
【0005】
いくつかの実施形態によると、電気VTOL航空機における制御割り当てのためのシステムおよび方法は、航空機のアクチュエータを制御する際のバッテリパックの充電量を考慮することを含む。いくつかの実施形態において、電気VTOL航空機は、互いに電気的に分離された複数のバッテリパックを含み、1つ以上の電気推進ユニットに電力を供給する。制御割り当ては、主な目的としてフォースおよびモーメントコマンドを満たすことと、副次的な目的としてバッテリパックのエネルギ使用量をバランスさせることと、を含む最適化目的関数を解くことを含みうる。いくつかの実施形態において、より大きな充電量を有するバッテリパックによって駆動される電気推進ユニットが優先的に利用される。
【0006】
様々な実施形態によると、複数の電気推進ユニットを含む複数のアクチュエータを備える電気航空機を制御する方法は、電気航空機のためのフォースおよびモーメントコマンドを受信することと、電気推進ユニットによって生成されるノイズを最小化するためのノイズ最小化項を含む最適化問題を解くことによって、所望のフォースおよびモーメントコマンドに基づいて複数のアクチュエータのための制御コマンドを決定することと、電気航空機のためのフォースおよびモーメントコマンドを満たすように、決定された制御コマンドに従って複数のアクチュエータを制御することと、を含む。
【0007】
これらの実施形態の何れかにおいて、決定された制御コマンドに従って複数のアクチュエータを制御することは、複数の電気推進ユニットの周波数をより広い周波数帯域にわたって拡散させるために、複数の電気推進ユニットのうち少なくとも第1電気推進ユニットを、複数の電気推進ユニットのうち少なくとも第2電気推進ユニットとは異なる速度で動作させることを含みうる。
【0008】
これらの実施形態の何れかにおいて、航空機の胴体により近い電気推進ユニットは、胴体におけるノイズを低減するために、胴体からより遠い電気推進ユニットよりも低い速度で動作しうる。
【0009】
これらの実施形態の何れかにおいて、電気推進ユニットは、直進飛行中に異なる速度で動作しうる。
【0010】
これらの実施形態の何れかにおいて、複数の電気推進ユニットの少なくとも一部は、チルト可能であってもよく、決定された制御コマンドに従って複数のアクチュエータを制御することは、電気推進ユニットをチルトさせることと、エッジワイズ飛行の時間を最小化するために、航空機の姿勢を調整することと、のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0011】
これらの実施形態の何れかにおいて、決定された制御コマンドに従って複数のアクチュエータを制御することは、少なくとも1つの電気推進ユニットの速度を最小化するために、少なくとも1つの電気推進ユニットのブレードのピッチを設定することを含みうる。
【0012】
これらの実施形態の何れかにおいて、電気航空機は、垂直離着陸航空機でありうる。
【0013】
これらの実施形態の何れかにおいて、電気航空機は、有人でありうる。
【0014】
これらの実施形態の何れかにおいて、電気航空機は、航空機の胴体の両側に複数の電気推進ユニットを含みうる。
【0015】
様々な実施形態によると、複数の電気推進ユニットを含む複数のアクチュエータを含む電気航空機を制御するためのシステムは、1つ以上のプロセッサと、メモリと、1つ以上のプロセッサによる実行のためにメモリに記憶された1つ以上のプログラムであって、電気航空機のための所望のフォースおよびモーメントコマンドを受信することと、電気推進ユニットによって生成されるノイズを最小化するためのノイズ最小化項を含む最適化問題を解くことによって、所望のフォースおよびモーメントコマンドに基づいて複数のアクチュエータのための制御コマンドを決定することと、電気航空機の所望のフォースおよびモーメントコマンドを満たすように、決定された制御コマンドに従って複数のアクチュエータを制御することと、のためのプログラムと、を含む。
【0016】
様々な実施形態によると、複数の電気推進ユニットと、複数の電気推進ユニットに電力を供給する複数のバッテリパックと、を含む複数のアクチュエータを含む電気航空機を制御する方法は、電気航空機のための所望のフォースおよびモーメントコマンドを受信することと、複数のバッテリパックのエネルギ状態をモニタすることであって、複数のバッテリパックのうち少なくとも第1バッテリパックは、複数のバッテリパックのうち少なくとも第2バッテリパックから電気的に分離されていることと、複数のバッテリパックのモニタされたエネルギ状態に従って、電気推進ユニットのエネルギ取り出しをバランスさせるためのエネルギバランス項を含む最適化問題を解くことによって、所望のフォースおよびモーメントコマンドに基づいて複数のアクチュエータのための制御コマンドを決定することと、電気航空機の所望のフォースおよびモーメントコマンドを満たすように、決定された制御コマンドに従って複数のアクチュエータを制御することと、を含む。
【0017】
これらの実施形態の何れかにおいて、第1バッテリパックは、第2バッテリパックよりも低い残存エネルギを有しうり、第1バッテリパックによって電力を供給される第1電気推進ユニットは、第2バッテリパックによって電力を供給される第2電気推進ユニットよりも低い電力で動作しうる。
【0018】
これらの実施形態の何れかにおいて、第1バッテリパックおよび第2バッテリパックは、同じエネルギ容量を有しうる。
【0019】
これらの実施形態の何れかにおいて、第1電気推進ユニットおよび第2電気推進ユニットは、同じ電力定格を有しうる。
【0020】
これらの実施形態の何れかにおいて、エネルギバランス項は、複数の電気推進ユニットのための好ましい動作状態のセットを含みうり、より低い残存エネルギを有するバッテリパックによって電力を供給される電気推進ユニットのための好ましい動作状態は、より高い残存エネルギを有するバッテリパックによって電力を供給される電気推進ユニットのための好ましい動作状態よりも低くてもよい。
【0021】
これらの実施形態の何れかにおいて、エネルギバランス項は、好ましい動作状態から逸脱するためのペナルティのセットを含んでもよく、より低いエネルギのバッテリパックに接続された電気推進ユニットに関するペナルティは、より高いエネルギのバッテリパックに接続された電気推進ユニットに関するペナルティよりも高くてもよい。
【0022】
これらの実施形態の何れかにおいて、最適化問題は、電気推進ユニットによって生成されるノイズを最小化するためのノイズ最小化項を含みうる。
【0023】
これらの実施形態の何れかにおいて、電気航空機は、垂直離着陸航空機でありうる。
【0024】
これらの実施形態の何れかにおいて、電気航空機は、有人でありうる。
【0025】
これらの実施形態の何れかにおいて、電気航空機は、航空機の胴体の両側に複数の電気推進ユニットを含みうる。
【0026】
様々な実施形態によると、複数の電気推進ユニットを含む複数のアクチュエータを含む電気航空機を制御するためのシステムは、1つ以上のプロセッサと、メモリと、1つ以上のプロセッサによる実行のためにメモリに記憶された1つ以上のプログラムであって、電気航空機のための所望のフォースおよびモーメントコマンドを受信することと、複数のバッテリパックのエネルギ状態をモニタすることであって、複数のバッテリパックのうち少なくとも第1バッテリパックは、複数のバッテリパックのうち少なくとも第2バッテリパックから電気的に分離されていることと、複数のバッテリパックのモニタされたエネルギ状態に従って、電気推進ユニットのエネルギ取り出しをバランスさせるためのエネルギバランス項を含む最適化問題を解くことによって、所望のフォースおよびモーメントコマンドに基づいて複数のアクチュエータのための制御コマンドを決定することと、電気航空機の所望のフォースおよびモーメントコマンドを満たすように、決定された制御コマンドに従って複数のアクチュエータを制御することと、のためのプログラムと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明は、添付の図面を参照して、単に例として説明される。
【0028】
図1A図1Aは、様々な実施形態による前進飛行構成におけるVTOL航空機を示す。
【0029】
図1B図1Bは、様々な実施形態による離着陸構成におけるVTOL航空機を示す。
【0030】
図2A】、
図2B図2Aおよび図2Bは、様々な実施形態による航空機の電気推進ユニットに電力を供給するための電力分配アーキテクチャを示す。
【0031】
図3図3は、いくつかの実施形態による電気航空機のための制御割り当てのための方法のブロック図である。
【0032】
図4図4は、様々な実施形態による電気航空機のアクチュエータを制御するための制御システムの機能ブロック図である。
【0033】
図5図5は、様々な実施形態による周波数分割を伴う多段階最適化を含む、制御割り当てのためのシステムの機能ブロック図である。
【0034】
図6図6は、様々な実施形態によるコンピューティングシステム700の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
様々な実施形態によると、電気VTOL航空機の制御割り当てのためのシステムおよび方法は、航空機のアクチュエータの制御エフォートを分配する際のロータの音響および/またはバッテリパックエネルギのバランスを考慮することを含む。様々な実施形態によると、制御割り当ては、主な目的としてフォースおよびモーメントコマンドを満たすこと、副次的な目的としてロータの音響を調整すること、および/または、バッテリパックのエネルギをバランスさせることを含む最適化目的関数を解くことを含む。
【0036】
様々な実施形態によると、電気VTOL航空機は、航空機の胴体の各側面に複数の電気推進ユニットを含む。電気推進ユニットは、ロータ駆動プロペラを含み、航空機によって生成される音響ノイズは、ロータを異なる速度で動作させて、結合された周波数をより大きな周波数帯域にわたって拡散させることによって低減することができ、これは、任意の単一周波数の振幅を低減し、知覚されるノイズをより低くすることができる。いくつかの実施形態において、ロータの音響は、必要とされる推力を提供しながら、プロペラの先端速度を最小化することによって調整することができる。これは、必要とされる推力に対して最低の先端速度を達成するロータ速度およびプロペラピッチを決定することによって行うことができる。いくつかの実施形態において、電気推進ユニットの少なくとも一部は、チルト可能であり、ロータの音響は、エッジワイズ飛行の時間を最小化するために、推力偏向および飛行軌道を利用することによって調整されうる。いくつかの実施形態において、ロータの音響は、推力分布をバランスさせて、任意の1つのロータに対する過度の要求を最小化することによって調整することができる。
【0037】
様々な実施形態によると、電気VTOL航空機は、複数の電気推進ユニットの異なる部分に電気を供給するために互いに電気的に分離された複数のバッテリパックを含む。いくつかの実施形態において、制御割り当ては、他のバッテリパックと比較してより低い充電量を有するバッテリパックに接続される電気推進ユニットの使用を最小化することによって達成されうる、バッテリパックのエネルギバランシングを含む。様々な実施形態によると、より低い充電量のバッテリパックに接続された電気推進ユニットの使用を最小化することは、制御割り当て最適化目的関数における電気推進ユニットの好ましい状態を低減すること、および/または、好ましい状態からの逸脱に対するペナルティを増大させることによって達成することができる。
【0038】
本開示および実施形態の以下の説明では、実例として、実施されうる特定の実施形態が示されている添付の図面を参照する。本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態および例が実施され、変更が行われうることが理解されよう。
【0039】
さらに、以下の説明で使用される単数形「a」、「an」および「the」は文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形も含むことが意図されることも理解されよう。「および/または」という用語は、本書で使用される場合、関連する列挙された項目のうち1つ以上の任意のおよびすべての可能な組合せを指し、包含することも理解されよう。本書で使用される際に、「includes」、「including」、「comprises」および/または「comprising」という用語は、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネントおよび/またはユニットの存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネント、ユニットおよび/またはそれらのグループの存在または追加を排除しないことも理解されよう。
【0040】
本明細書で用いられる場合、「プロップロータ」という用語は、プロペラのピッチを変化させることによって、垂直リフトおよび前方推進のための推力を提供できる可変ピッチプロペラを指す。
【0041】
本明細書で用いられる場合、用語「バッテリパック」は、電気的に接続されたバッテリ(すなわち、バッテリセル)の任意の組合せを意味し、直列、並列、または、直列および並列の組合せで配された複数のバッテリを含むことができる。
【0042】
図1Aおよび図1Bは、様々な実施形態による巡航構成および垂直離着陸構成のVTOL航空機100をそれぞれ示す。様々な実施形態によるVTOL航空機の例示的な実施形態は、「Vertical Take-Off and Landing Aircraft」と題され、2020年5月19日に出願された米国出願第16/878,380号に記載されており、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0043】
航空機100は、胴体102と、胴体102に取り付けられた翼104と、胴体102の後部に取り付けられた1つ以上のリアスタビライザ106と、を含む。航空機100は、複数のロータ112および複数のプロップロータ114(本明細書においてまとめてEPUと呼ぶ)を含む。EPU(112、114)は、一般に、複数のブレードを駆動する電気モータと、モータを制御/駆動するためのモータコントローラと、を含む。いくつかの実施形態において、1つ以上のEPUのブレードのピッチが、飛行中に制御されうる。いくつかの実施形態において、EPUは、独立してファンを共に駆動することができ、複数の別個のモータコントローラによって制御することができる複数の部分モータを含むことができる。
【0044】
ロータ112は、翼104に取り付けられ、垂直離着陸のための揚力を提供するように構成される。プロップロータ114は、翼104に取り付けられ、図1Bに示される、垂直離着陸およびホバリングに必要な揚力の一部を提供するリフト構成と、図1Aに示される、水平飛行のために航空機100に前進推力を提供する推進構成と、の間でチルト可能である。本明細書で用いられる場合、プロップロータリフト構成は、プロップロータ推力が航空機に主に揚力を提供している任意のプロップロータの方向を指し、プロップロータ推進構成は、プロップロータ推力が航空機に主に前方推力を提供している任意のプロップロータの方向を指す。
【0045】
様々な実施形態によれば、ロータ112は、揚力のみを提供するように構成され、すべての推進力は、プロップロータによって提供される。したがって、ロータ112は固定位置にあってもよい。離着陸中に、プロップロータ114は、追加の揚力を提供するために、それらの推力が下方に向けられるリフト構成になるようにチルトされる。いくつかの実施形態において、ロータ112は、推力偏向のためにチルト可能である。
【0046】
前進飛行のために、プロップロータ114は、それらのリフト構成からそれらの推進構成にチルトする。換言すると、プロップロータ114のチルトは、垂直離着陸中に揚力を提供するためにプロップロータ推力が上方に向けられるチルト位置の範囲から、航空機100に前方推力を提供するためにプロップロータ推力が前方に向けられるチルト位置の範囲まで変化する。プロップロータは、航空機100の前方向に垂直な軸118の周りをチルトする。航空機100が完全に前進飛行である場合に、揚力は翼104によって完全に提供されてもよく、ロータ112は停止されてもよい。ロータ112のブレード120は、航空機の巡航のために低抗力位置にロックされてもよい。いくつかの実施形態において、ロータ112はそれぞれ、図1Aに示されるように、一方のブレードが他方のブレードの真っすぐ前方にある最小抗力位置で巡航するようにロックされた2つのブレード120を有する。いくつかの実施形態において、ロータ112は、2つよりも多くのブレードを有する。いくつかの実施形態において、プロップロータ114は、ロータ112よりも多くのブレード116を含む。例えば、図1Aおよび図1Bに示されるように、ロータ112は、それぞれ2つのブレードを含んでもよく、プロップロータ114は、それぞれ5つのブレードを含んでもよい。様々な実施形態によれば、プロップロータ114は、2つから5つのブレードを有することができる。
【0047】
様々な実施形態によれば、航空機は、胴体102の各側面に1つの翼104(または航空機全体にわたって延在する単一の翼)のみを含み、ロータ112の少なくとも一部は、翼104の後方に位置し、プロップロータ114の少なくとも一部分は、翼104の前方に位置する。いくつかの実施形態において、ロータ112のすべてが翼104の後方に位置し、プロップロータのすべてが翼104の前方に位置する。いくつかの実施形態によれば、すべてのロータ112およびプロップロータ114が翼に取り付けられ、すなわち、胴体に取り付けられたロータまたはプロップロータはない。様々な実施形態によれば、ロータ112はすべて翼104の後方に位置し、プロップロータ114はすべて翼104の前方に位置する。いくつかの実施形態によれば、すべてのロータ112およびプロップロータ114は、翼端109の内側に配される。
【0048】
様々な実施形態によれば、ロータ112およびプロップロータ114は、ブーム122によって翼104に取り付けられる。ブーム122は、翼104の下に取り付けられても、翼の頂部に取り付けられてもよく、および/または、翼プロファイルに一体化されてもよい。様々な実施形態によれば、1つのロータ112および1つのプロップロータ114が、各ブーム122に取り付けられる。ロータ112は、ブーム122の後端に取り付けられてもよく、プロップロータ114はブーム122の前端に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態において、ロータ112は、ブーム122上の固定位置に取り付けられる。いくつかの実施形態において、プロップロータ114は、ヒンジ124を介してブーム122の前端に取り付けられる。プロップロータ114は、その推進構成にある場合にプロップロータ114がブーム122の本体に整列するようにブーム122に取り付けられ、前進飛行のための抗力を最小化するブーム122のフロントエンドの連続的な延長を形成できる。
【0049】
様々な実施形態によると、航空機100は、航空機100の各側面に複数の翼、航空機100の各側面に1つの翼のみ、または、航空機100にわたって延在する単一の翼を含みうる。いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの翼104は、胴体102の上側に取り付けられた高翼である。いくつかの実施形態によると、翼は、1つ以上の操縦翼面アクチュエータ(図示せず)を介して配されるフラップおよび/またはエルロンなどの操縦翼面150を含む。いくつかの実施形態によれば、翼は、前進飛行中の抗力を低減するために、湾曲した翼端109を有することができる。いくつかの実施形態によると、リアスタビライザ106は、1つ以上のラダー、1つ以上のエレベータ、および/または、1つ以上の操縦翼面アクチュエータ(図示せず)を介して配される1つ以上の複合ラダー-エレベータなどの操縦翼面152を含む。翼は、任意の適切な設計を有してもよい。いくつかの実施形態において、翼は、例えば図1Aの実施形態に示されるように、テーパ付きの前縁123を有する。いくつかの実施形態において、翼は、テーパ付きの後縁を有する。
【0050】
図2Aは、様々な実施形態による、航空機100のEPU(112、114)に電力を供給するための電力分配アーキテクチャを示す。図1A図2Aは、翼104に取り付けられた12個のEPU(図2Aにおいて1~12の番号を付されている)を示しているが、様々な実施形態による航空機は、4、6、8、10、14、18、20、または、それ以上を含む任意の適切な数のEPUを有することができる。EPUは、複数のバッテリパック200によって電力を供給される。図2Aに示される実施形態において、1~6の番号を付された6つのバッテリパック200がある。各バッテリパック200は、EPUの一部のみに電力を供給する。示される実施形態において、各バッテリパック200は、2つのEPUに電力を供給する。図2Aに示される実施形態によるバッテリパックおよびEPUのグループ分けが、図2Bに列挙される。バッテリパック1は、EPU1、12に電力を供給し、バッテリパック2は、EPU2、11に電力を供給する、などである。各バッテリパック200は、専用の分配バス、例えば、バス202、204、を介してEPUのそれぞれの部分に接続される。したがって、1つのバッテリパック1の分配バス202は、バッテリパック2の分配バス204に電気的に接続されない。
【0051】
バッテリパック200は、互いに電気的に分離されているため、1つのバッテリパックまたはその電力分配における電気的故障は、他のEPUおよびバッテリパックの動作に影響を及ぼさない。故障したバッテリパックまたは電力分配によって電力を供給されたEPUのみが影響を受ける。したがって、航空機の電力の供給に単一の故障点は存在しない。さらに、バッテリパックおよび電力分配回路は、互いに分離されているので、1つのバッテリパックから別のバッテリパックに電流が流れることを防止するためのダイオードの必要がない。これは、並列のバッテリパックを有するシステムと比較して、著しい重量節約および効率の増加をもたらしうる。
【0052】
様々な実施形態によると、所定のバッテリパックによって電力を供給される特定のEPUは、バッテリパックが故障した場合にEPUへの電気の損失によって引き起こされる不安定化効果を低減するように選択されうる。様々な実施形態によると、バッテリパックによって駆動されるEPUへの電力の損失によって引き起こされうるロールモーメント、ピッチモーメントまたはヨーモーメントを低減するために、EPUの集合体の1つ以上の対称軸の両側に配されたEPUは、同じバッテリパックによって電力を供給される。例えば、航空機の長手方向軸280の両側の同じ相対位置にあるEPUは、第1バッテリパックによって駆動されてもよく、その結果、バッテリパックのうち1つが故障した場合、残りのEPUによって提供される推力が長手方向軸の周りで均一のままであるため、最小のロールモーメントが生じる。同様に、いくつかの実施形態において、EPUのセットが一対の翼の前縁の少なくとも部分的に前方に配され、EPUが一対の翼の後縁の少なくとも部分的に後方に配される場合、セットは、(図2Aに示されるように)電池パックが故障した場合に最小のロールモーメントおよびピッチモーメントが生じるように、翼の両側および長手方向軸280の両側のEPUが同じ電池パックによって電力を供給されうる。
【0053】
様々な実施形態によると、各バッテリパック200は、少なくとも1つのプロップロータ114の少なくとも一部と、少なくとも1つのロータ112の少なくとも一部と、に電力を供給する。図2Aの実施形態において、反対の位置にあるロータおよびプロップロータは、同じバッテリパック200によって駆動される。したがって、航空機の胴体102の左側の最も外側のプロップロータ114(図2AのEPU1)は、胴体102の右側の最も外側のロータ112(EPU12)と同じバッテリパック(図2Aのバッテリパック1)によって電力を供給される。同様に、他の対の最も外側のEPU(図2AのEPU6およびEPU7)は、同じバッテリパック(バッテリパック6)によって電力を供給される。グループ化は、正確に反対の位置にあるEPUに限定される必要はない。例えば、EPU1は、EPU12の代わりにEPU11とグループ化されてもよい。
【0054】
所定のバッテリパックによって電力を供給されるEPUの個数は、2よりも多くてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、バッテリパックあたりのEPUの数は、3、4、5、6、または、EPUの層数の任意の他の適切な部分であってもよい。様々な実施形態によると、各グループ内に異なる数のEPUがあってもよい。例えば、1つのグループは2つのEPU(バッテリパックによって駆動される2つのEPU)を有することができ、別のグループは、4つのEPU(異なるバッテリパックによって駆動される4つのEPU)を有することができる。バッテリパックの数は2個から可能である。様々な実施形態において、バッテリパックの数は、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、または、それ以上である。
【0055】
図3は、いくつかの実施形態による電気航空機のための制御割り当てのための方法300のブロック図である。方法300は、図1Aの航空機100などの電気航空機の制御割り当てに使用することができる。方法300は、航空機のための複数のアクチュエータのためのコマンドを決定する。複数のアクチュエータは、航空機の複数の電気推進ユニットの各々に関連付けられた1つ以上のアクチュエータを含むことができ、航空機の1つ以上の操縦翼面アクチュエータを含むことができる。以下でさらに説明するように、方法300は、ロータの音響ノイズおよび/またはバッテリパックエネルギバランスを最適化するために、航空機の過剰作動を利用する制御割り当てを含むことができる。いくつかの実施形態によると、方法300は、航空機の所望のフォースおよびモーメントを満たしながら音響ノイズを低減するために、電気推進ユニットの数および構成に起因して利用可能な余分な自由度を利用する。いくつかの実施形態によると、航空機は、電気推進ユニットに独立して電力を供給する複数のバッテリパックを含み、方法300は、バッテリパックのエネルギのバランスをとるために余分な自由度を利用する。
【0056】
ステップ302において、電気航空機のためのフォースおよびモーメントコマンドが受信され、これは、パイロット入力からフォースおよびモーメントコマンドを生成しうる、飛行制御システムなどの航空機の上流コンピューティングモジュールからフォースおよびモーメントコマンドを受信することを含みうる。フォースおよびモーメントコマンドは、航空機の様々なアクチュエータのうち1つ以上の動作を介して航空機に印加される所望のフォースおよびモーメントでありうる。
【0057】
本明細書で用いられる場合、「アクチュエータ」は、航空機を制御する自由度を提供する航空機の任意のサブシステムである。例えば、各EPUのロータはアクチュエータであり、その自由度は、ブレードの回転速度である。1つ以上のEPUは、推力偏向を提供するロータ傾斜システム、および/または、プロペラブレードのピッチを調整するためのプロペラブレードピッチシステムなどの他のアクチュエータを含むことができる。したがって、例えば、図1Aおよび図1Bの航空機100は、プロップロータ114ごとに最大3つのアクチュエータ(ロータ速度、ブレードピッチおよびロータチルト)と、ロータ112ごとに最大2つのアクチュエータ(ロータ速度、ブレードピッチ)とを含むことができ、示されるEPU構成において、EPUに最大30のアクチュエータ(ロータブレードピッチが調整可能でない実施形態において24のアクチュエータ)を提供する。他のアクチュエータは、図1Aの操縦翼面150などの翼の操縦翼面アクチュエータ、および/または、図1Aおよび1Bの操縦翼面152などの航空機の尾翼を含むことができる。いくつかの実施形態において、10個の制御翼面アクチュエータがあり、方法300による制御割り当てに利用可能なアクチュエータの総数は34である。
【0058】
ステップ304において、航空機のアクチュエータの少なくとも一部のための制御コマンドは、ステップ302からのフォースおよびモーメントコマンドを満たすとともに、航空機のEPUによって生成される音響を低減すること、および/または、電気推進ユニットに電力を供給する複数のバッテリパックのエネルギ使用量のバランスをとることを含むことができる1つ以上の副次的な目的を達成しようとするコスト関数を最小化することを含む最適化問題を解くことによって決定される。制御コマンドは、例えば、ロータ速度、プロペラブレードピッチ、および/または、(例えば、プロップロータのための)ロータチルトを含むことができる、航空機のEPUのアクチュエータのための制御コマンドを含む。
【0059】
いくつかの実施形態によると、1つ以上の第2の目的は、図3の任意選択のブロック306によって示されるように、航空機の電気推進ユニットによって生成されるノイズを調整することを含む。様々な実施形態によると、ノイズの低減は、1つ以上のEPUのプロペラの先端速度を低減することによって達成することができる。いくつかの実施形態によると、EPUのプロペラの先端速度は、プロペラピッチを調整することによって必要とされる推力を提供しながら低減することができる。いくつかの実施形態において、ノイズの低減は、任意の1つのEPUにおける負荷ピークを低減するために、EPUにわたって負荷を分配することによって達成されうる。
【0060】
いくつかの実施形態において、ノイズの低減は、EPUによって生成される音響周波数がより広い周波数帯域にわたって拡散されるように、異なる速度でEPUを動作させることによって達成されてもよく、それは人間の耳によって、よりノイズの少ないものとして知覚されうる。いくつかの実施形態において、胴体により近いEPUが、胴体およびその乗客により近いところで発生するノイズの量を低減するために、胴体から遠いEPUよりも低い速度で動作する。いくつかの実施形態において、周波数の拡散が、航空機の中央線を横切ってミラーリングされ、その結果、航空機の両側の同じ位置にあるEPUは、直進飛行中など、推力バランスを維持するために同じ速度で動作される。例えば、図1Aの例の航空機100の両側の2つの最も内側のプロップロータ114は、すべてのプロップロータのうち最も低い速度で動作してもよく、一方、航空機100の両側の2つの最も外側のプロップロータ114は、ヨー軸周りのバランスされた推力を維持しながら、すべてのプロップロータのうち最も高い速度で動作してもよい。
【0061】
いくつかの実施形態において、EPUの少なくとも一部は、チルト可能であり、ロータノイズの音響は、エッジワイズ飛行の時間を最小化するために推力偏向を利用することによって調整することができる。ステップ304におけるコスト関数は、フォースおよびモーメントコマンドがそれを可能にするとき、コスト関数の最小化がフォースおよびモーメントコマンドを満たすために厳密に必要とされるよりも迅速に、チルト可能EPUをそれらの純粋な垂直の推力位置から離れるように移動させる傾向があるように、1つ以上の傾斜可能EPUをそれらの純粋な垂直の推力位置において動作させることに比較的高いコストを割り当てることができる。いくつかの実施形態によると、音響ノイズを低減するために使用される推力偏向は、制御翼面の作動を介した姿勢調整によって対抗することができる。
【0062】
いくつかの実施形態によると、1つ以上の副次的な目的は、方法300の任意選択のブロック308によって示されるように、航空機の複数のバッテリパックのエネルギ状態に基づいて電気推進ユニットのエネルギ消費をバランスすることを含む。いくつかの実施形態において、航空機は、異なるEPUに独立して電力を供給し、かつ、互いに電気的に分離されうる複数のバッテリパックを含む。バッテリパックのエネルギ状態は、ステップ304の制御割り当てを介して、より低いエネルギのバッテリパックによって電力を供給されるEPUが、より高いエネルギのバッテリパックによって電力を供給されるEPUよりも使用量が少なくなるように、モニタされ、EPUを制御してもよい。例えば、図2Aおよび図2Bに示される実施形態に関して、バッテリパック1は、飛行中のある時点でバッテリパック2よりも相対的に少ない充電量を有してもよく、バッテリパックのエネルギのバランスをとるために、様々な実施形態によると、バッテリパック1によって電力を供給されるEPUのうち1つ以上は、相対的に低い電力状態で動作されてもよく、バッテリパック2に接続される1つ以上のEPUは、バッテリパック1に接続される1つ以上のEPUからの損失推力の少なくとも一部を補うために、相対的に高い電力状態で動作されてもよい。
【0063】
いくつかの実施形態において、比較的少ない充電量は、バッテリパックが同じエネルギ容量を有し、一方が他方よりも少ない残存充電量を有する場合など、全体的に少ない充電量を意味することができる。いくつかの実施形態において、それぞれのバッテリパックの容量に比べて、充電量が比較的少なくなる可能性がある。例えば、図2Aおよび図2Bのバッテリパック2は、バッテリパック1よりも容量が低くてもよいが、バッテリパック1よりも相対的に高い充電量(例えば、バッテリパック2については90%、バッテリパック1については80%)を有することができる。
【0064】
いくつかの実施形態において、より低いエネルギのバッテリパックに接続された1つ以上のEPUが、より高いエネルギのバッテリパックに接続された1つ以上のEPUよりも低い電力で動作する。例えば、図2Aおよび図2Bを参照すると、バッテリパック1に接続された少なくとも1つのEPUおよびバッテリパック2に接続された少なくとも1つのEPUは、同じ電力定格を有していてもよく、バッテリパック1に接続されたEPUは、バッテリパック2に接続されたEPUよりも低い電力で動作してもよい。いくつかの実施形態において、より低いエネルギのバッテリパックに接続された1つ以上のEPUが、所定の航空機の動作状態についての公称電力に対してより低い電力で動作され、これは、所定の航空機の動作状態についての公称電力に対してより高い電力で動作される、より高いエネルギのバッテリパックに接続された1つ以上のEPUよりも低い電力であってもよいし、そうでなくてもよい。例えば、より低いエネルギのバッテリパックに接続されたEPUは、より高いエネルギのバッテリパックに接続されたEPUよりも高い定格電力を有していてもよく、より低いエネルギのバッテリパックに接続されたEPUは、より高いエネルギのバッテリパックに接続されたEPUの比較的高い電力よりもさらに高い比較的低い電力で動作してもよい。
【0065】
ステップ310において、航空機のアクチュエータの少なくとも一部が、ステップ304において決定された制御コマンドに従って、電気航空機の所望のフォースおよびモーメントコマンドを満たすように動作される。例えば、複数の電気推進ユニットに関連付けられた様々なアクチュエータは、決定された制御コマンドに従って動作される。ステップ304の最適化において求められる、EPUの音響ノイズ、バッテリパックのエネルギバランス、または、その両方を調整することを含むことができ副次的な目的に応じて、ステップ310は、航空機の所望のフォースおよびモーメントだけでなく、航空機の比較的低い音響ノイズおよび/またはバッテリパックのエネルギバランスの度合いも達成することができる。
【0066】
図4は、様々な実施形態による、航空機100などの電気VTOL航空機のアクチュエータを制御するための制御システム400の機能ブロック図である。システム400は、様々な入力406に基づいてアクチュエータコマンド404を生成する制御割り当てモジュール402を含む。以下でさらに説明するように、制御割り当てモジュール402は、指令された航空機のフォースおよびモーメントを満たすなどの1つ以上の主な目的と、音響ノイズの最小化および/またはバッテリパックの使用の最小化を含むことができる1つ以上の副次的な目的と、を含む目的関数を最小化することによって、アクチュエータコマンド404を決定する。制御システム400は、本明細書に記載の機能を実施するために記憶媒体に記憶されたソフトウェアコードを実行するマイクロプロセッサベースのコントローラによって実施されうる。制御システム400はまた、ハードウェア、または、ハードウェアおよびソフトウェアの組合せで実装されうる。制御システム400は、航空機の飛行制御システムの一部として実装されてもよい。制御システムの従来の機能の多くは、説明を容易にするために図4に示されていないことを理解されたい。
【0067】
制御割り当てモジュール402への入力406は、フォースおよびモーメントコマンド408、アクチュエータ状態410、安全運行範囲保護限界412、スケジューリングパラメータ414、空力パラメータ416、バッテリ状態418、および、オプティマイザパラメータ420のうち1つ以上を含むことができる。フォースおよびモーメントコマンド408は、x、yおよびzフォースコマンド、x、yおよびzモーメントコマンドを含みうる、最大6つのフォースおよびモーメントコマンドを含む。当技術分野で知られているように、フォースおよびモーメントコマンドは、オペレータコマンド(または自動操縦コマンド、または、操縦されていない航空機のための自律コントローラからのコマンド)および航空機の状態(例えば、速度、加速度、高度、姿勢)から導出することができる。フォースおよびモーメントコマンド408は、上流コントローラ(図示せず)によって生成され、制御割り当てモジュール402に提供される。
【0068】
アクチュエータ状態410は、移動限界、速度限界、応答時間限界などのアクチュエータハードウェア限界を含み、アクチュエータコマンドを満たす所定のアクチュエータの能力を制限しうるアクチュエータの性能の劣化を示しうるアクチュエータ健全性インジケータを含むことができる。アクチュエータ状態410は、個々のアクチュエータコマンドのための境界(例えば、最小値/最大値)を決定するために使用されうる。バッテリ状態418は、航空機のバッテリパックの残存エネルギであり、様々な実施形態によると、制御割り当てがバッテリパックのエネルギ状態のバランスをとることを含むときにモニタされうる。
【0069】
安全運行範囲保護限界412は、飛行安全運行範囲外での動作を防止するコマンド限界を含むことができ、これは、当技術分野で知られているように、速度および加速度ベースの限界を含む、航空機の動作限界を定義する。
【0070】
スケジューリングパラメータ414は、割り当て問題を定義するために使用される速度関連パラメータである。空力パラメータ416は、空力および音響モデリングから導出されるパラメータであり、アクチュエータヤコビ行列およびアクチュエータ状態に基づくことができる。空力パラメータ416は、スケジューリングパラメータ414の関数としてもよい。オプティマイザパラメータ420は、以下でさらに説明するように、最適化問題を定義するために使用されるパラメータである。オプティマイザパラメータ420は、フォースおよびモーメント軸の相対的な優先順位付けを定義する軸重みを含むことができる。オプティマイザパラメータ420はまた、制御割り当て問題における異なるアクチュエータの相対的重要性を定義する個々のアクチュエータ重みを含むことができる。いくつかの実施形態において、オプティマイザパラメータ420は、スケジューリングパラメータ414の関数である。
【0071】
制御割り当てモジュール402は、限界計算モジュール430、パラメータ補間モジュール432、および、最適化モジュール434を含むことができる。限界計算モジュール430は、アクチュエータ状態410および安全運航範囲保護限界412に基づいて、個々のアクチュエータコマンドの限界を計算する。通常動作において、所定のアクチュエータのための最小指令限界は、最小ハードウェアベース限界および最小飛行安全運航範囲限界の最大値を含み、所定のアクチュエータのための最大指令限界は、最大ハードウェアベース限界および最大飛行安全運航範囲限界の最小値を含む。アクチュエータの故障の場合、故障したアクチュエータのためのコマンド限界は、故障モード(例えば、応答しない操縦翼面アクチュエータの位置、または、故障したロータを0RPMに)に対応する。
【0072】
パラメータ補間モジュール432は,上述のように、航空機の速度に基づいて、スケジューリングパラメータとともに変化するパラメータを決定するように構成することができる。所定のパラメータ(例えば、空気力学的パラメータまたはオプティマイザパラメータ)の値は、以下のように、航空機の現在の速度に関連するスケジューリングパラメータに基づいて、パラメータについてのルックアップテーブルから決定することができる。
out=F(xtable,v)
ここで、
out:条件vでのxの出力
table:xのためのルックアップデータ
v:スケジューリングパラメータ
【0073】
いくつかの実施形態において、パラメータ補間モジュール432は、バッテリパックのエネルギバランシングなど、1つ以上の副次的な目的に関連する1つ以上のパラメータを決定することができる。例えば、バッテリパックのエネルギバランシングに使用されるパラメータは、以下のように、バッテリ状態418およびスケジューリングパラメータに基づくパラメータについてのルックアップテーブルから決定することができる。
out=F(xtable,v,Ebatt
ここで、
out:条件vでのxの出力
table:xのためのルックアップデータ
v:スケジューリングパラメータ
batt:バッテリの残存エネルギ
【0074】
最適化モジュール434は、主な目的440と副次的な目的442との和を最小化する非線形最適化アルゴリズムを実行する。主な目的440は、フォースおよびモーメントコマンド408を満たすことを求め、飽和の場合、軸によるコマンドを優先しうる。副次的な目的442は、フォースおよびモーメント解空間が複数のアクチュエータコマンドの組み合わせを含む場合に、他の動作目標を満たすことを求める。副次的な目的442は、以下でさらに説明するように、ロータ音響を調整し、および/または、エネルギ使用のバランスをとるための項を含むことができる。副次的な目的442に含めることができる他の動作目標は、特定のアクチュエータに優先順位を付け、1つ以上の好ましいアクチュエータ状態からの逸脱を最小化することを含むことができる。
【0075】
最適化モジュール434は、主な目的440および副次的な目的442を含む目的関数を最小化する。以下は、目的関数の一例である。
【数1】
(式1)
【0076】
様々な実施形態において、最適化モジュール434は、式1の目的関数を最小化するアクチュエータコマンドuのセットを見つける。
min≦u≦max
【0077】
式1において、最初の関数
が、主な目的440に対応する。Wは、特定のフォースおよびモーメント軸を優先するための重みを含み、オプティマイザパラメータ420に基づいて補間モジュール432によって決定される。Bは、空力パラメータに基づいて補間モジュール432によって決定されるアクチュエータヤコビ行列である。FMreqは、フォースおよびモーメントのコマンドである。
【0078】
式1において2番目の関数
が、副次的な目的442に対応し、ヤコビ行列Bのヌル空間を含む。εは、アクチュエータの相対的な優先順位付けのための重みを含み、オプティマイザパラメータ420に基づいて補間モジュール432によって決定される。uは、アクチュエータの好ましい動作状態を含み、空力パラメータ416に基づいて補間モジュール432によって決定される。
【0079】
式1における副次的な目的の関数は、アクチュエータの好ましい動作状態からの逸脱を最小化するlノルムである。制御エフォートを最小化するためのlノルムや、最大指令を最小化するためのlノルムなど、他の最小化関数を使用することができる。
【0080】
様々な実施形態によると、電気的に分離されたバッテリパックによって電力を供給される複数の電気推進ユニットのためのエネルギバランスは、バッテリ状態418に基づいて重みεおよびアクチュエータの好ましい動作状態uのうち少なくとも1つを調整することに基づいて、副次的な目的に含まれる。例えば、より低いエネルギのバッテリパックに関連付けられたアクチュエータの重みεは、より高いエネルギのバッテリパックに関連付けられたアクチュエータの重みよりも高い値(好ましい状態から逸脱するためのより高いペナルティ)を有しうる。追加または代替として、より低いエネルギのバッテリパックに関連するアクチュエータの好ましい動作状態uは、より低いエネルギのバッテリパックに関連するアクチュエータの好ましい動作状態uよりも低い値を有しうる。
【0081】
様々な実施形態によると、航空機の複数の電気推進ユニットの音響の調整は、客室内で受信される音響を最小化する好ましい動作状態u0を適用することによって、副次的な目的に含まれる。例えば、任意の所定の航空機の速度において、ロータおよび/またはプロップロータの好ましい動作速度は、[00039]に概説される方法に従って、ある範囲の周波数にわたって拡散され、乗客によって知覚されるノイズを低減する。
【0082】
最適化モジュール434は、限界計算モジュール430によって決定されるアクチュエータコマンドの限界uminとumaxとの間にuがあるという要求を要件として、式1の目的関数を最小化するアクチュエータコマンドuのセットを見つける。
【0083】
様々な実施形態によると、目的関数は、二次問題として目的関数を定式化し、二次問題を解くために二次プログラムソルバを使用することによって解くことができる。適切な二次プログラムソルバの例は、内点、アクティブセット、共役勾配、および、拡張ラグランジュソルバを含む。
【0084】
図5は、様々な実施形態による周波数分割を伴う多段階最適化を含む、制御割り当てのためのシステム500の機能ブロック図である。システム500の制御割り当ては、低周波数のフォースおよびモーメント指令に基づいて実行される第1制御割り当てステップと、高周波数のフォースおよびモーメント指令に基づいて実行される第2制御割り当てステップとを含む。システム500は、高周波数コマンドに応答できない低速アクチュエータに対して高周波数コマンドが生成されないことを保証することができる。図4のシステム400と同様に、システム500は、単一ステップ最適化と比較してより低い計算コストで、低減されたノイズおよび/またはバッテリパックのエネルギバランスなどの1つ以上の副次的な目的を達成しようとする制御割り当てを提供することができる。
【0085】
システム500において、複数の入力502が、フォースおよびコメントコマンドフィルタ508に提供される。複数の入力502は、フォースおよびモーメントコマンド504を含み、オプティマイザパラメータ506を含むことができる。フィルタ508は、フィルタリングされていないフォースおよびモーメントコマンド504から低周波数のフォースおよびモーメントコマンド510をフィルタリングする。フィルタ508は、スケジューリングパラメータに基づきうる所定のパラメータでありうるフィルタカットオフ周波数およびゲインに基づいて、低周波数のフォースおよびモーメントコマンドをフィルタリングすることができる。アクチュエータダイナミクスおよび/または電力消費が、フィルタ挙動を決定するために使用することができる。例えば、アクチュエータ応答時間が、比較的、遅いアクチュエータ、すなわち、比較的、長い応答時間を有するアクチュエータに対して、比較的、低周波数のアクチュエータコマンドが生成されるように、適切なフィルタカットオフ周波数を決定するために使用されうる。様々な実施形態によると、低速アクチュエータのグループは、電気推進ユニットのチルトを制御するためのアクチュエータと、ブレードピッチを制御するためのアクチュエータと、を含むことができ、一方、高速アクチュエータのグループは、ブレード速度を制御するための電気推進ユニットモータと、1つ以上の操縦翼面アクチュエータと、を含むことができる。様々な実施形態によると、アクチュエータ状態、安全運航範囲保護限界、および/または、スケジューリングパラメータは、低速アクチュエータコマンド514の限界を決定するために、低速作動割り当てモジュール512に直接、供給されうる。様々な実施形態によると、アクチュエータ状態、安全運航範囲保護限界、および/または、スケジューリングパラメータは、高速アクチュエータコマンド524の限界を決定するために、高速作動割り当てモジュール518に直接、供給されうる。補間された空力パラメータおよび/またはバッテリ状態などの他の入力も、モジュール512および518に直接、供給されて、それぞれのモジュールにおいて解かれる目的関数を形作ることができる。
【0086】
低周波数のフォースおよびモーメントコマンド510は、制御割り当てモジュール402に関して上述したように、目的関数を最小化することによってアクチュエータコマンドのセットを決定する、図4の最適化モジュール434と同様に構成することができる低速作動割り当てモジュール512に提供される。低速アクチュエータコマンド514のセットは、低速アクチュエータを制御するために低速作動割り当てモジュール512から出力される。
【0087】
低速作動割り当てモジュール512はまた、高速作動割り当てモジュール518に提供されうる、高速アクチュエータコマンドのセット516を出力しうる。高速作動割り当てモジュール518はまた、高周波数のフォースおよびモーメントコマンド520を提供する。高周波数のフォースおよびモーメントコマンド520は、低速作動割り当てモジュール512によって決定された低速作動コマンド514および高速作動コマンド516から低速作動割り当てモジュール512が達成されると判定したフォースおよびモーメント522を、フォースおよびモーメントコマンド504から減算することによって、高速作動割り当てモジュール518に提供されうる。
【0088】
高速作動割り当てモジュール518は、制御割り当てモジュール402に関して上述したように、低速作動割り当てモジュール512と同様に、目的関数を最小化することによって、アクチュエータコマンドのセットを決定する。高速作動割り当てモジュール518は、高速アクチュエータを制御するための高速アクチュエータコマンド524のみを出力する。したがって、低速アクチュエータは、低速作動割り当てモジュール512からの低速アクチュエータコマンド514に基づいて制御され、高速アクチュエータは、高速作動割り当てモジュール518からの高速アクチュエータコマンド524に基づいて制御される。
【0089】
様々な実施形態によると、フォースおよびモーメントコマンド504が、低速アクチュエータ単独で取り扱うことができるものよりも高い周波数であるときに、低速作動割り当てモジュール512は、低速アクチュエータのハードウェア限界に近いが超えない低速アクチュエータコマンド514を出力するものとする。次いで、フォースおよびモーメントコマンド504の満たされていない部分は、高速作動割り当てモジュール518を介して、高速アクチュエータによって、続いて、満たされうる。システム500の周波数分割を用いた多段階最適化は、単一ステップ最適化制御割り当てよりも計算集約的でありうるが、それは低速アクチュエータと高速アクチュエータとの両方の同時利用を可能にする。
【0090】
図6は、システム400の制御割り当てモジュール402、システム500の低速作動割り当てモジュール512、および/または、システム500の高速作動割り当てモジュール518など、図1のシステム400および/または図5のシステム500のコンポーネントの1つ以上のために使用されうる、いくつかの実施形態による、コンピューティングシステム600の例を示す。システム600は、任意で適切なタイプのプロセッサベースのシステムでありうる。システム600は、例えば、入力デバイス620、出力デバイス630、1つ以上のプロセッサ610、記憶装置640、および、通信デバイス660のうち1つ以上を含むことができる。
【0091】
入力デバイス620は、1つ以上のボタン、レバーおよび/またはスイッチ、1つ以上のタッチスクリーンなど、パイロットからのユーザ入力など、ユーザ入力を可能にする任意で適切なデバイスでありうる。出力デバイス630は、ディスプレイ、タッチスクリーン、触覚デバイス、仮想/拡張現実ディスプレイまたはスピーカなどの、出力を提供する任意で適切なデバイスでありうる、または、含みうる。
【0092】
記憶装置640は、RAM、キャッシュメモリ、ハードドライブ、リムーバブル記憶ディスクまたは他の非一時的コンピュータ可読媒体を含む、電気、磁気または光学メモリなど、記憶を提供する任意で適切なデバイスでありうる。通信装置660は、1つ以上の他のコンピューティングシステムまたはモジュールから信号を送信および受信することが可能な任意の適切なデバイスまたはデバイスの組合せを含みうる。コンピューティングシステム600のコンポーネントは、物理バスを介して、または、ワイヤレスでなど、任意で適切な方法で接続されうる。
【0093】
プロセッサ610は、中央処理装置(CPU)、グラフィック処理装置(GPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、および、特定用途向け集積回路(ASIC)の何れか、または、それらの任意の組合せを含む、任意で適切なプロセッサまたはプロセッサの組合せでありうる。記憶装置640に記憶されえ、1つ以上のプロセッサ610によって実行されうるソフトウェア650は、例えば、本開示の機能性または機能性の一部を具現化するプログラミング(例えば、上記のようなデバイスにおいて具現化されるよう)を含みうる。例えば、ソフトウェア650は、図3の方法300の1つ以上のステップなど、本明細書で説明される方法のステップの1つ以上を実行するための1つ以上のプロセッサ610による実行のための1つ以上のプログラムを含みうる。
【0094】
ソフトウェア650はまた、命令実行システム、装置またはデバイスからソフトウェアに関連付けられた命令をフェッチし、命令を実行することができる、上述したような命令実行システム、装置またはデバイスによって、または、命令実行システム、装置またはデバイスに関連して使用するための、任意の非一時的コンピュータ可読記憶媒体内に記憶および/または転送されうる。本開示の文脈において、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置またはデバイスによって、または、命令実行システム、装置またはデバイスに関連して使用するためのプログラムを含む、または、記憶することができる記憶装置640などの任意の媒体でありうる。
【0095】
ソフトウェア650はまた、命令実行システム、装置またはデバイスからソフトウェアに関連付けられた命令をフェッチし、命令を実行することができる、上述したような命令実行システム、装置またはデバイスによって、または、命令実行システム、装置またはデバイスに関連して使用するために、任意の転送媒体内で伝播されうる。本開示の文脈において、転送媒体は、命令実行システム、装置またはデバイスによって、または、命令実行システム、装置またはデバイスに関連して使用するために、プログラムを通信、伝播、または、転送することができる任意の媒体でありうる。転送コンピュータ可読媒体は、電子、磁気、光学、電磁気、または、赤外線有線、または、無線伝播媒体を含みうるが、これらに限定されない。システム600は、任意で適切なオペレーティングシステムを実装することができ、任意の適切なプログラミング言語で書くことができる。
【0096】
前述の説明は、説明の目的で、特定の実施形態を参照して説明されている。しかし、上記の例示的な議論は、網羅的であること、または本発明を開示された正確な形態に限定することを意図するものではない。上記の教示を考慮して、多くの改良および変形が可能である。実施形態は、技術の原理およびそれらの実用的な用途を最も良く説明するために選択され、説明された。それによって、当業者は、企図される特定の使用に適しているように、様々な改良を伴う技術および様々な実施形態を最良に利用することが可能になる。
【0097】
本開示および実施例は、添付の図面を参照して十分に記載されているが、様々な変更および改良が当業者に明らかになることに留意されたい。そのような変更および改良は、特許請求の範囲によって規定される本開示および実施例の範囲内に含まれるものと理解されるべきである。最後に、本出願において言及される特許および刊行物の全開示は、参照により本書に組み込まれる。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-06-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電気推進ユニットと、前記複数の電気推進ユニットに電力を供給する複数のバッテリパックと、を含む複数のアクチュエータを備える電気航空機を制御する方法であって、前記方法は、
前記電気航空機のための所望のフォースおよびモーメントコマンドを受信することと、
前記複数のバッテリパックのエネルギ状態をモニタすることであって、前記複数のバッテリパックのうち少なくとも第1バッテリパックは、前記複数のバッテリパックのうち少なくとも第2バッテリパックから電気的に分離されていることと、
前記複数のバッテリパックのモニタされた前記エネルギ状態に従って、前記電気推進ユニットのエネルギ取り出しをバランスさせるためのエネルギバランス項を含む最適化問題を解くことによって、前記所望のフォースおよびモーメントコマンドに基づいて前記複数のアクチュエータのための制御コマンドを決定することと、
前記電気航空機の前記所望のフォースおよびモーメントコマンドを満たすように、決定された前記制御コマンドに従って前記複数のアクチュエータを制御することと、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項に記載の方法であって、前記第1バッテリパックは、前記第2バッテリパックよりも低い残存エネルギを有し、前記第1バッテリパックによって電力を供給される第1電気推進ユニットは、前記第2バッテリパックによって電力を供給される第2電気推進ユニットよりも低い電力で動作する、方法。
【請求項3】
請求項に記載の方法であって、前記第1バッテリパックおよび前記第2バッテリパックは、同じエネルギ容量を有する、方法。
【請求項4】
請求項に記載の方法であって、前記第1電気推進ユニットおよび前記第2電気推進ユニットは、同じ電力定格を有する、方法。
【請求項5】
請求項に記載の方法であって、前記エネルギバランス項は、前記複数の電気推進ユニットのための好ましい動作状態のセットを含み、より低い残存エネルギを有するバッテリパックによって電力を供給される電気推進ユニットのための好ましい動作状態は、より高い残存エネルギを有するバッテリパックによって電力を供給される電気推進ユニットのための好ましい動作状態よりも低い、方法。
【請求項6】
請求項に記載の方法であって、前記エネルギバランス項は、好ましい動作状態から逸脱するためのペナルティのセットを含み、より低いエネルギのバッテリパックに接続された電気推進ユニットに関するペナルティは、より高いエネルギのバッテリパックに接続された電気推進ユニットに関するペナルティよりも高い、方法。
【請求項7】
請求項に記載の方法であって、前記最適化問題は、前記電気推進ユニットによって生成されるノイズを最小化するためのノイズ最小化項を含む、方法。
【請求項8】
請求項乃至の何れか1項に記載の方法であって、前記電気航空機は、垂直離着陸航空機である、方法。
【請求項9】
請求項乃至の何れか1項に記載の方法であって、前記電気航空機は、有人である、方法。
【請求項10】
請求項1乃至7の何れか1項に記載の方法であって、前記電気推進ユニットの1つ以上は垂直リフトを提供するように構成され、前記電気推進ユニットの1つ以上は前進推力を提供するように構成される、方法。
【請求項11】
請求項1乃至7の何れか1項に記載の方法であって、前記電気推進ユニットのうち少なくとも1つは、垂直リフトを提供するためのリフト構成から前進推力を提供するための推進構成にチルトするように構成される、方法。
【請求項12】
請求項乃至の何れか1項に記載の方法であって、前記電気航空機は、前記電気航空機の胴体の両側に複数の電気推進ユニットを備える、方法。
【請求項13】
複数の電気推進ユニットを含む複数のアクチュエータを備える電気航空機を制御するためのシステムであって、前記システムは、
1つ以上のプロセッサと、
メモリと、
前記1つ以上のプロセッサによる実行のために前記メモリに記憶された1つ以上のプログラムであって、
前記電気航空機のための所望のフォースおよびモーメントコマンドを受信することと、
複数のバッテリパックのエネルギ状態をモニタすることであって、前記複数のバッテリパックのうち少なくとも第1バッテリパックは、前記複数のバッテリパックのうち少なくとも第2バッテリパックから電気的に分離されていることと、
前記複数のバッテリパックのモニタされた前記エネルギ状態に従って、前記電気推進ユニットのエネルギ取り出しをバランスさせるためのエネルギバランス項を含む最適化問題を解くことによって、前記所望のフォースおよびモーメントコマンドに基づいて前記複数のアクチュエータのための制御コマンドを決定することと、
前記電気航空機の前記所望のフォースおよびモーメントコマンドを満たすように、決定された前記制御コマンドに従って前記複数のアクチュエータを制御することと、
のためのプログラムと、を含む、システム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムであって、前記第1バッテリパックは、前記第2バッテリパックよりも低い残存エネルギを有し、前記第1バッテリパックによって電力を供給される第1電気推進ユニットは、前記第2バッテリパックによって電力を供給される第2電気推進ユニットよりも低い電力で動作する、システム。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムであって、前記第1バッテリパックおよび前記第2バッテリパックは、同じエネルギ容量を有する、システム。
【請求項16】
請求項15に記載のシステムであって、前記第1電気推進ユニットおよび前記第2電気推進ユニットは、同じ電力定格を有する、システム。
【請求項17】
請求項13に記載のシステムであって、前記エネルギバランス項は、前記複数の電気推進ユニットのための好ましい動作状態のセットを含み、より低い残存エネルギを有するバッテリパックによって電力を供給される電気推進ユニットのための好ましい動作状態は、より高い残存エネルギを有するバッテリパックによって電力を供給される電気推進ユニットのための好ましい動作状態よりも低い、システム。
【請求項18】
請求項13に記載のシステムであって、前記エネルギバランス項は、好ましい動作状態から逸脱するためのペナルティのセットを含み、より低いエネルギのバッテリパックに接続された電気推進ユニットに関するペナルティは、より高いエネルギのバッテリパックに接続された電気推進ユニットに関するペナルティよりも高い、システム。
【請求項19】
請求項13に記載のシステムであって、前記最適化問題は、前記電気推進ユニットによって生成されるノイズを最小化するためのノイズ最小化項を含む、システム。
【請求項20】
請求項13乃至19の何れか1項に記載のシステムであって、前記電気航空機は、垂直離着陸航空機である、システム。
【請求項21】
請求項13乃至19の何れか1項に記載のシステムであって、前記電気航空機は、有人である、システム。
【請求項22】
請求項13乃至19の何れか1項に記載のシステムであって、前記電気推進ユニットの1つ以上は垂直リフトを提供するように構成され、前記電気推進ユニットの1つ以上は前進推力を提供するように構成される、システム。
【請求項23】
請求項13乃至19の何れか1項に記載のシステムであって、前記電気推進ユニットのうち少なくとも1つは、垂直リフトを提供するためのリフト構成から前進推力を提供するための推進構成にチルトするように構成される、システム。
【請求項24】
請求項13乃至19の何れかに記載のシステムであって、前記電気航空機は、前記電気航空機の胴体の両側に複数の電気推進ユニットを備える、システム。
【請求項25】
電気航空機であって、
複数の電気推進ユニットを含む複数のアクチュエータと、
前記複数のアクチュエータを介して前記電気航空機を制御するための請求項13乃至19の何れか1項に記載のシステムと、
を備える、電気航空機。
【請求項26】
請求項25に記載の電気航空機であって、前記電気航空機は、垂直離着陸航空機である、または、有人である、電気航空機。
【請求項27】
請求項25に記載の電気航空機であって、前記電気推進ユニットの1つ以上は垂直リフトを提供するように構成され、前記電気推進ユニットの1つ以上は前進推力を提供するように構成される、電気航空機。
【請求項28】
請求項25に記載の電気航空機であって、前記電気推進ユニットのうち少なくとも1つは、垂直リフトを提供するためのリフト構成から前進推力を提供するための推進構成にチルトするように構成される、電気航空機。
【請求項29】
請求項25に記載の電気航空機であって、前記電気航空機は、前記電気航空機の胴体の両側に複数の電気推進ユニットを備える、電気航空機。
【外国語明細書】