(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116284
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】シーシャカートリッジ
(51)【国際特許分類】
A24F 1/30 20060101AFI20240820BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20240820BHJP
【FI】
A24F1/30
A24F40/42
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024093456
(22)【出願日】2024-06-10
(62)【分割の表示】P 2020559527の分割
【原出願日】2019-05-02
(31)【優先権主張番号】18170471.9
(32)【優先日】2018-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】フェルナンド フェリックス
(72)【発明者】
【氏名】ゴンザレス フローレス アナ イザベル
(72)【発明者】
【氏名】サーデ ラトルレ エヴァ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】望ましいレベルのエアロゾル質量を生成する、加熱非燃焼式シーシャ装置で使用するためのカートリッジが提供される。
【解決手段】シーシャカートリッジは、くぼみを画定する本体210を備える。エアロゾル形成基体300はくぼみ内に配置される。カートリッジ200はまた、加熱可能な表面積を備える。くぼみの容積に対するカートリッジの加熱可能な表面積の比は、約1cm
-1~約4cm
-1の範囲内である。くぼみの最大内側幅は4cmでありうる。くぼみの高さは3cm以上でありうる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シーシャカートリッジであって、
くぼみを画定する本体と、
前記くぼみ内に配置されたエアロゾル形成基体と、
前記くぼみ内の加熱可能な表面積と、を備え、
前記くぼみの容積に対する前記加熱可能な表面積の比が、約1cm-1~約4cm-1の範囲内である、シーシャカートリッジ。
【請求項2】
前記くぼみの前記容積に対する前記加熱可能な表面積の前記比が、約1.2cm-1~約3cm-1である、請求項1に記載のシーシャカートリッジ。
【請求項3】
前記加熱可能な表面積が約25cm2~約100cm2である、請求項1または2のいずれかに記載のシーシャカートリッジ。
【請求項4】
前記加熱可能な表面積が約25cm2~約55cm2である、請求項1~3のいずれか一項に記載のシーシャカートリッジ。
【請求項5】
前記本体が約10cm以下の長さを有する、請求項1~4のいずれかに記載のシーシャカートリッジ。
【請求項6】
前記本体が約3.5cm~約7cmの長さを有する、請求項1~5のいずれかに記載のシーシャカートリッジ。
【請求項7】
前記本体が約1cm以上の内径を有する、請求項1~6のいずれかに記載のシーシャカートリッジ。
【請求項8】
前記本体が約1.5cm~約4cmの内径を有する、請求項1~6のいずれかに記載のシーシャカートリッジ。
【請求項9】
前記くぼみの前記容積が、約10cm3~約50cm3である、請求項1~8のいずれかに記載のシーシャカートリッジ。
【請求項10】
前記くぼみ内の基体の前記容積が20cm3~約25cm3である、請求項1~9のいずれかに記載のシーシャカートリッジ。
【請求項11】
前記エアロゾル形成基体が糖蜜を含む、請求項1~10のいずれかに記載のシーシャカートリッジ。
【請求項12】
前記糖蜜の質量が約3g~約25gである、請求項11に記載のシーシャカートリッジ。
【請求項13】
前記加熱可能な表面積が前記くぼみの表面積である、請求項1~12のいずれかに記載のシーシャカートリッジ。
【請求項14】
シーシャカートリッジであって、
4cmの最大内側幅を有するくぼみを画定する本体と、
前記くぼみ内に配置されたエアロゾル形成基体と、を備える、シーシャカートリッジ。
【請求項15】
前記くぼみが3cm以上の高さを有する、請求項14に記載のシーシャカートリッジ。
【請求項16】
前記高さが前記幅よりも大きい、請求項15に記載のシーシャカートリッジ。
【請求項17】
前記くぼみが加熱可能な表面積を画定し、前記くぼみの容積に対する前記加熱可能な表面積の比が約1cm-1~約4cm-1の範囲内である、請求項15または請求項16に記載のシーシャカートリッジ。
【請求項18】
前記くぼみがくぼみ表面積を画定し、前記くぼみの容積に対する前記くぼみ表面積の比が約1cm-1~約4cm-1の範囲内である、請求項17に記載のシーシャカートリッジ。
【請求項19】
前記本体が円錐台形状を有する、請求項1~18のいずれかに記載のシーシャカートリッジ。
【請求項20】
前記本体が、上部、底部および前記上部と前記底部との間に延びる側壁を含み、前記側壁が前記本体の長軸方向軸から約4.5°の角度でずれる、請求項19に記載のシーシャカートリッジ。
【請求項21】
前記本体が、上部、底部、前記上部と前記底部との間に延びる側壁、および前記底部と前記側壁との間の傾斜した端を含む、請求項1~20のいずれかに記載のシーシャカートリッジ。
【請求項22】
前記傾斜した端が、前記底部に対して約15°~約20°の間の角度にある、請求項21に記載のシーシャカートリッジ。
【請求項23】
シーシャシステムであって、
請求項1~22のいずれかに記載のシーシャカートリッジと、
シーシャ装置であって、
前記カートリッジを受けるためのレセプタクル、
前記カートリッジが前記シーシャ装置の前記レセプタクル内に受けられたときに、前記エアロゾル発生基体を加熱するための発熱体、
液体充填レベルを有し、前記液体充填レベルの上方の上部空間を画定するベッセル、
前記レセプタクルから前記ベッセル内の前記液体充填レベルの下方にエアロゾルを搬送するためのエアロゾル導管、および、
前記上部空間と連通する出口を含む、シーシャ装置と、を備える、シーシャシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シーシャ装置およびシーシャ装置で使用するためのエアロゾル形成基体を含むカートリッジに関し、より具体的には、基体を燃焼することなくエアロゾル形成基体を加熱するシーシャ装置で使用するためのカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来的なシーシャ装置は、たばこを喫煙するために使用され、また消費者が吸い込む前にベイパーおよび煙が水盤を通過するように構成されている。シーシャ装置は、一つの出口を含んでもよく、または二人以上の消費者が同時に装置を使用することができるように二つ以上の出口を含んでもよい。多くの人にとって、シーシャ装置の使用は余暇活動および社会的経験であると考えられている。
【0003】
シーシャ装置に使用されるたばこは、例えば、生成されるベイパーおよび煙の量を増やすため、風味を変化させるため、またはその両方のために、その他の成分と混合されてもよい。典型的には、従来的なシーシャ装置では炭のペレットがたばこを加熱するため使用され、炭のペレットは、たばこまたはその他の成分を完全にまたは部分的に燃焼させることができる。加えて、炭のペレットは、シーシャのベイパーと混合して水盤を通過しうる、一酸化炭素などの有害な、または潜在的に有害な生成物を発生させうる。
【0004】
一部のシーシャ装置は、例えば炭燃焼の副産物を回避するために、またはたばこ燃焼の一貫性を向上させるために、電気熱源を使用してたばこを燃焼することが提案されてきた。たばこよりもむしろ、eリキッドを使用する他のシーシャ装置が提案されてきている。eリキッドを使用するシーシャ装置は、燃焼による副産物を出さないが、シーシャ消費者から、たばこに基づく体験を奪う。
【0005】
基体を燃焼させることなく、たばこなどのエアロゾル形成基体を加熱するために電気ヒーターを使用する様々なシーシャ装置が提案されてきている。こうしたシーシャ装置は、燃焼による副産物を有することなく、たばこに基づく体験を提供する。しかしながら、炭を電気ヒーターで代用することにより、基体から生成される総エアロゾル質量が減少しうる。
【0006】
炭作動式シーシャ装置は、熱伝達およびエアロゾル生成のために伝導および対流に依存する。伝導を通して、炭はエアロゾル形成基体を最大約200℃の温度に加熱し、この温度は体験全体を通してほぼ一定のままである。対流を通して、エアロゾル形成基体は最大約230℃まで加熱され、吸煙中の空気温度が最大約700℃に達しうる。
【0007】
例えば、抵抗ヒーターなどの電気ヒーターは、伝導を通した熱伝達と類似したレベルの熱伝達を提供しうる。しかしながら、電気ヒーターにより約700℃の空気温度に達することは、特にシーシャ装置が電池式である場合に問題を呈する。そのため、持続的な期間の間実質的なエアロゾル生成を生じさせるのに十分に基体が加熱されない場合があり、これは、炭を使用するシーシャ装置と比較して、総エアロゾル質量の生成の減少をもたらしうる。
【0008】
炭加熱式シーシャ装置で体験されるエアロゾル生成と類似したエアロゾル生成を提供するように電気ヒーターによって加熱されうるエアロゾル形成基体を含むシーシャカートリッジを提供することが望ましい。より具体的には、望ましいレベルのエアロゾル質量を生成する、加熱非燃焼式シーシャ装置で使用するためのカートリッジを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0009】
本発明の様々な態様は、くぼみを画定する本体を備えるシーシャカートリッジに関する。カートリッジは、くぼみ内に配置されたエアロゾル形成基体を備える。カートリッジは、加熱可能な表面積を備える。加熱可能な表面積は、本体によって画定されうる。くぼみの容積に対するカートリッジの加熱可能な表面積の比は、約1cm-1~約4cm-1の範囲内である。例えば、くぼみの容積に対する加熱可能な表面積の比は、約1.2cm-1~約1.6cm-1、または約1.3cm-1~約1.5cm-1など、約1cm-1~約2cm-1の範囲内でありうる。いくつかの実施形態では、加熱可能な表面積は、約25cm2~約55cm2など、約25cm2~約100cm2である。
【0010】
本発明の様々な態様は、くぼみを画定する本体を備えるシーシャカートリッジに関する。カートリッジは、くぼみ内に配置されたエアロゾル形成基体を備える。くぼみは、くぼみ表面積を含む。くぼみ表面積は、本体によって画定されうる。くぼみの容積に対するカートリッジのくぼみ表面積の比は、約1cm-1~約4cm-1の範囲内である。
【0011】
本発明の様々な態様は、くぼみを画定する本体を備えるシーシャカートリッジに関する。カートリッジは、くぼみ内に配置されたエアロゾル形成基体を備える。くぼみは、横方向のくぼみ表面積を含むくぼみ表面積を含む。くぼみ表面積は、本体によって画定されうる。横方向のくぼみ表面積は、本体の円筒状または円錐台状の側壁など、本体の側壁によって画定されうる。くぼみの容積に対するカートリッジの横方向のくぼみ表面積の比は、約1cm-1~約4cm-1の範囲内である。
【0012】
本発明の様々な態様は、4cmの最大内側幅を有するくぼみを画定する本体を備えるシーシャカートリッジに関する。いくつかの実施形態では、シーシャカートリッジは、3.5cmの最大内側幅を有するくぼみを画定する本体を備える。いくつかの実施形態では、シーシャカートリッジは、3cmの最大内側幅を有するくぼみを画定する本体を備える。カートリッジは、くぼみ内に配置されたエアロゾル形成基体を備える。本体は、くぼみの少なくとも一部を画定する内表面を有する側壁を含む。カートリッジは、長軸方向軸、長軸方向軸に沿った高さ、および内側幅を有する。本開示の目的のために、カートリッジの内側幅は、くぼみの幾何学的中心を通して測定した時に、側壁の一方の側における側壁の内表面から側壁の対向する側における側壁の内表面まで、長軸方向軸と直交する軸に沿って決定される。長軸方向軸と直交する平面における側壁のセクションが円形である場合、幅は直径でありうる。最大幅は、容器の上部、またはその近くのセクションの幅であることが好ましい。
【0013】
本発明の様々な態様は、3cm以上の高さを有するくぼみを画定する本体を備えるシーシャカートリッジに関する。カートリッジは、くぼみ内に配置されたエアロゾル形成基体を備える。
【0014】
本発明の様々な態様は、3.5cm以上の高さを有するくぼみを画定する本体を備えるシーシャカートリッジに関する。カートリッジは、くぼみ内に配置されたエアロゾル形成基体を備える。
【0015】
本体は、3cm以上の高さおよび4cm以下の幅を有するくぼみを画定しうる。本体は、3cm以上の高さおよび4cm以下の幅を有するくぼみを画定してもよく、カートリッジは、約1cm-1~約4cm-1の範囲内の、くぼみの容積に対する加熱可能な表面積の比を有しうる。本体は、3cm以上の高さを有するくぼみを画定してもよく、カートリッジは、約1cm-1~約4cm-1の範囲内の、くぼみの容積に対する加熱可能な表面積の比を有しうる。本体は、4cm以下の幅を有するくぼみを画定してもよく、カートリッジは、約1cm-1~約4cm-1の範囲内の、くぼみの容積に対するカートリッジの加熱可能な表面積の比を有しうる。
【0016】
本体は、3.5cm以上の高さおよび4cm以下の幅を有するくぼみを画定しうる。本体は、3.5cm以上の高さおよび4cm以下の幅を有するくぼみを画定してもよく、カートリッジは、約1cm-1~約4cm-1の範囲内の、くぼみの容積に対する加熱可能な表面積の比を有しうる。本体は、3.5cm以上の高さを有するくぼみを画定してもよく、カートリッジは、約1cm-1~約4cm-1の範囲内の、くぼみの容積に対する加熱可能な表面積の比を有しうる。本体は、4cm以下の幅を有するくぼみを画定してもよく、カートリッジは、約1cm-1~約4cm-1の範囲内の、くぼみの容積に対するカートリッジの加熱可能な表面積の比を有しうる。
【0017】
本体は、3cm以上の高さおよび3.5cm以下の幅を有するくぼみを画定しうる。本体は、3cm以上の高さおよび3.5cm以下の幅を有するくぼみを画定してもよく、カートリッジは、約1cm-1~約4cm-1の範囲内の、くぼみの容積に対する加熱可能な表面積の比を有しうる。本体は、3cm以上の高さを有するくぼみを画定してもよく、カートリッジは、約1cm-1~約4cm-1の範囲内の、くぼみの容積に対する加熱可能な表面積の比を有しうる。本体は、3.5cm以下の幅を有するくぼみを画定してもよく、カートリッジは、約1cm-1~約4cm-1の範囲内の、くぼみの容積に対するカートリッジの加熱可能な表面積の比を有しうる。
【0018】
本体は、3.5cm以上の高さおよび3.5cm以下の幅を有するくぼみを画定しうる。本体は、3.5cm以上の高さおよび3.5cm以下の幅を有するくぼみを画定してもよく、カートリッジは、約1cm-1~約4cm-1の範囲内の、くぼみの容積に対する加熱可能な表面積の比を有しうる。本体は、3.5cm以上の高さを有するくぼみを画定してもよく、カートリッジは、約1cm-1~約4cm-1の範囲内の、くぼみの容積に対する加熱可能な表面積の比を有しうる。本体は、3.5cm以下の幅を有するくぼみを画定してもよく、カートリッジは、約1cm-1~約4cm-1の範囲内の、くぼみの容積に対するカートリッジの加熱可能な表面積の比を有しうる。
【0019】
本体は、3.5cm以上の高さおよび3cm以下の幅を有するくぼみを画定しうる。本体は、3.5cm以上の高さおよび3cm以下の幅を有するくぼみを画定してもよく、カートリッジは、約1cm-1~約4cm-1の範囲内の、くぼみの容積に対する加熱可能な表面積の比を有しうる。本体は、3.5cm以上の高さを有するくぼみを画定してもよく、カートリッジは、約1cm-1~約4cm-1の範囲内の、くぼみの容積に対する加熱可能な表面積の比を有しうる。本体は、3cm以下の幅を有するくぼみを画定してもよく、カートリッジは、約1cm-1~約4cm-1の範囲内の、くぼみの容積に対するカートリッジの加熱可能な表面積の比を有しうる。
【0020】
本体は、3cm以上の高さおよび3cm以下の幅を有するくぼみを画定しうる。本体は、3cm以上の高さおよび3cm以下の幅を有するくぼみを画定してもよく、カートリッジは、約1cm-1~約4cm-1の範囲内の、くぼみの容積に対する加熱可能な表面積の比を有しうる。本体は、3cm以上の高さを有するくぼみを画定してもよく、カートリッジは、約1cm-1~約4cm-1の範囲内の、くぼみの容積に対する加熱可能な表面積の比を有しうる。本体は、3cm以下の幅を有するくぼみを画定してもよく、カートリッジは、約1cm-1~約4cm-1の範囲内の、くぼみの容積に対するカートリッジの加熱可能な表面積の比を有しうる。
【0021】
いくつかの好ましい実施形態では、本体は、3.5cm以上の高さおよび3cm以下の幅を有するくぼみを画定してもよく、約1cm-1~約4cm-1の範囲内の、くぼみの容積に対するカートリッジの加熱可能な表面積の比を有しうる。
【0022】
約1cm-1以上の、くぼみの容積に対する、本体によって画定されるくぼみの表面積などの加熱可能な表面積の比は、従来的な炭作動式シーシャ装置に対して、伝導による熱伝達を増大させる。これにより、エアロゾルの生成が増大する。伝導による熱伝達の増大は、従来的な炭作動式シーシャ装置に対して、電気加熱式シーシャ装置における対流による熱伝達の不存在を克服、または少なくとも部分的に補償しうる。約1cm-1以上の、くぼみの容積に対する加熱可能な表面積の比は、初期吸煙中のエアロゾル生成の増大において特に有用でありうる。これは、エアロゾル形成基体の加熱を開始する時間と、ユーザーが最初の吸煙を行う準備が整う時間との間の時間を低減するのに役立つ。
【0023】
約4cm-1以下などの、くぼみの容積に対する、本体によって画定されるくぼみの表面積などの加熱可能な表面積の比は、基体の早期枯渇を防止する。いくつかの実施形態では、くぼみの容積に対するくぼみの本体の加熱可能な表面積の比は、約1.5cm-1~約3cm-1、または約2.5cm-1~約3cm-1など、約1.2cm-1~約3cm-1である。
【0024】
くぼみの容積比に対する加熱可能な表面積は、カートリッジの本体の長さ、内径、または形状などのカートリッジの一つ以上の寸法的制約を変更することによって容易に変化しうる。本明細書で使用される場合、カートリッジの「内径」は、セクションの幾何学的中心を通して測定した時のくぼみを横切る平均横方向断面距離を意味する。横方向断面が円形である場合、測定される横方向断面距離それぞれは、平均横方向断面距離と同じとなる。ただし、横方向断面は、円形以外の形状を含む任意の適切な形状を有しうる。カートリッジは、カートリッジの長さに沿って異なる内径を有してもよく、または内径は、カプセルの長さに沿って均一であってもよい。
【0025】
加熱可能な表面積は、くぼみの内側の一つ以上の熱橋を使用して加熱可能な表面積を増大させることによって容易に変化しうる。一つ以上の熱橋は、カートリッジのくぼみの内側に提供されてもよい。
【0026】
カートリッジは、シーシャ装置によって受けられるように構成された任意の適切な形状であってもよい。シーシャ装置は、伝導によってカートリッジ内のエアロゾル形成基体を加熱するように構成されることが好ましい。カートリッジは、シーシャ装置の発熱体との接触を可能にする、またはその間の距離を最小化する形状およびサイズであって、シーシャ装置のヒーターからカートリッジ内のエアロゾル発生基体への効率的な熱伝達を提供することが好ましい。
【0027】
カートリッジは、実質的に立方体形状、円筒形状、円錐台形状、または任意のその他の適切な形状を有してもよい。カートリッジは、略円筒形状または略円錐第形状を有することが好ましい。
【0028】
カートリッジが円錐台形状を有する場合、いくつかの実施形態では、カートリッジ本体の側壁は、長軸方向軸から約2°~約45°の角度で逸れ、約3°~約5°の角度でずれることが好ましい。いくつかの実施形態では、カートリッジ本体の側壁は、長軸方向軸から約4.5°の角度でずれる。
【0029】
カートリッジは、その中にエアロゾル形成基体が配置されるくぼみを画定する任意の適切な本体を備えうる。本体は、耐熱性ポリマーまたは金属などの一つ以上の耐熱性材料から形成されることが好ましい。本体は熱伝導性材料を含むことが好ましい。例えば、本体は、アルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、銀、その任意の合金、およびそれらの組み合わせのいずれかを含みうる。本体はアルミニウムを含むことが好ましい。
【0030】
本体は、上部、底部および側壁を含みうる。
【0031】
いくつかの実施形態では、底部は平坦な底部であってもよい。いくつかの実施形態では、底部は実質的に平面の底部であってもよい。いくつかの実施形態では、底部は、頂点または湾曲した端によってなど、単一の移行部で側壁へと移行しうる。
【0032】
いくつかの実施形態では、底部は完全には平面または平坦ではない。いくつかの実施形態では、底部は平坦な底部からある角度でずれる。角度は、約10°~約30°など、約5°~約40°であってもよく、18°など、約15°~約25°、または約15°~約20°であることが好ましい。いくつかの実施形態では、底部は、中間移行媒体によって平坦部分から逸れ、側壁と中間移行媒体との間の第一の移行部と、中間移行領域と底部との間の第二の移行部を提供する。いくつかの実施形態では、中間移行媒体は、底部の残りの部分に対してある角度にあってもよい。角度は、約10°~約30°など、約5°~約40°であってもよく、18°など、約15°~約25°、または約15°~約20°であることが好ましい。底部の残りの部分は実質的に平坦であってもよい。底部の残りの部分は、実質的に平面であってもよい。中間移行部は、底部領域の残りの部分および側壁の平面の両方と交差する平面に置かれてもよい。中間移行部分の平面および底部領域の残りの部分の角度は、約10°~約30°など、約5°~約40°であってもよく、18°など、約15°~約25°、または約15°~約20°であることが好ましい。中間移行部は、いくつかの実施形態では傾斜した端でありうる。
【0033】
本体は一つ以上の部品を含みうる。例えば、側壁および底部は、ねじ係合または締まり嵌めなど、任意の適切な方法で互いに係合するように構成された単一の部品または二つの部品であってもよい。上部および側壁は、ねじ係合または締まり嵌めなど、任意の適切な方法で互いに係合するように構成された単一の部品または二つの部品であってもよい。
【0034】
本体は、その中にエアロゾル形成基体が配置されうるくぼみを画定する。くぼみを画定する本体の部分は、加熱可能な表面積を有する。本明細書で使用される場合、「加熱可能な表面積」とは、それを通して、表面の領域以外の場所に適用された熱が表面の領域に伝達されうる面積を意味する。例えば、くぼみを画定する本体の一部分の加熱可能な表面積は、それを通して熱がくぼみの外側から本体を通ってくぼみを画定する本体の表面に伝達されうる表面積である。例えば、くぼみを画定する本体の一部分の加熱可能な表面積は、それを通して熱が、本体の外表面積などのくぼみの外側から、本体を通ってくぼみを画定する本体の表面に伝達されうるくぼみの内部の表面積である。例えば、熱は、本体の外表面積に適用され、この熱が、本体によって画定されるくぼみの表面積である加熱可能な表面積に伝達されて、くぼみへと伝達されうる。加熱可能な表面積は、横方向の加熱可能な表面積であってもよい。加熱可能な表面積は、半径方向の加熱可能な表面積であってもよい。加熱可能な表面積は、少なくとも約100W.m-1.K-1の熱伝導率を有することが好ましい。加熱可能な表面積は、少なくとも約200W.m-1.K-1など、少なくとも約150W.m-1.K-1の熱伝導率を有することがより好ましい。
【0035】
くぼみに対する加熱可能な表面積の比が約1cm-1~約4cm-1の範囲内である場合、加熱可能な表面積は任意の適切な総表面積を有しうる。いくつかの実施形態では、くぼみの容積に対する加熱可能な表面積の比は、約1.2cm-1~約3cm-1の範囲内である。くぼみの容積に対する加熱可能な表面積の比は、約2.5cm-1~約3cm-1など、約1.5cm-1~約3cm-1の範囲内であることが好ましい。いくつかの好ましい実施形態では、くぼみの容積に対する加熱可能な表面積の比は、約1.2cm-1~約1.6cm-1、または約1.3cm-1~約1.5cm-1など、約1cm-1~約2cm-1の範囲内である。
【0036】
容積に対する加熱可能な表面積のこうした比を達成するために、本体は長くて狭い、または短くて幅広くてもよい。カートリッジは、くぼみ内の加熱可能な表面積を増やすために、くぼみ内に一つ以上の要素または特徴を含みうる。例えば、側壁は、くぼみ内に延びる一つ以上のフィンを含みうる。カートリッジは、くぼみ内に熱橋を含みうる。熱橋は、くぼみ内に配置されたエアロゾル形成基体が対向する主表面上の熱橋と接触しうるように、くぼみ内に位置付けられることが好ましい。いくつかの実施形態では、熱橋は、本体と同じ材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、熱橋は、本体の材料とは異なる材料を含んでもよい。熱橋は、本体の別の部分と熱的接続していてもよい。例えば、熱橋は、上部、底部、および側壁のうちの一つ以上と熱的接触していてもよい。いくつかの実施形態では、熱橋は、側壁の一方の部分から側壁の他方の部分に延びる。いくつかの実施形態では、熱橋が側壁と接触しない場合がある。熱橋がくぼみ内に提供される場合、熱橋はカートリッジの加熱可能な表面積の一部を形成する。いくつかの実施形態では、複数の熱橋が提供されてもよい。
【0037】
熱橋は、任意の適切な形状を有しうる。例えば、熱橋は円筒を形成してもよい。円筒はくぼみ内にあってもよい。円筒は、本体の側壁となど、くぼみと同心であってもよい。熱橋は、本体の上部または底部と熱的接触していてもよい。熱橋は、側壁から円筒状の熱橋まで延びる、または上部、底部および側壁のうちの一つ以上と接触しうる一つ以上の追加的な熱橋を含みうる。
【0038】
いくつかの実施例では、熱橋は実質的に長方形であり、側壁の一方の部分から側壁の他方の部分に延びる。いくつかの実施例では、熱橋は、S字型断面を含み、側壁の一方の部分から側壁の他方の部分に延びる。熱橋は、熱橋が接触する、側壁、底部、または上部など、少なくとも本体の一部分ほど高い熱伝導率を有することが好ましい。熱橋は、熱橋が接触している本体の一部分よりも大きな伝導率を有することが好ましい。熱橋は、くぼみを複数の区画に分割しうる。区画は、エアロゾル形成基体が各区画の少なくとも一部分を容易に占めて、熱橋の対向する主表面とエアロゾル形成基体との間の接触を可能にすることを可能にするのに十分に大きな寸法であることが好ましい。
【0039】
いくつかの実施形態では、加熱可能な表面積は、約25cm2~約100cm2など、約20cm2~約105cm2の総表面積を有する。いくつかの実施形態では、加熱可能な表面積は、約70cm2~約100cm2など、約30cm2~約100cm2の総表面積を有する。
【0040】
本体は、長さおよび内径、および形状など、任意の適切な寸法を有しうる。当然のことながら、長さは、本体の高さを指しうる。いくつかの実施形態では、本体は約6.5cm以下など、約10cm以下の長さを有する。本体の長さは、約2.5cmよりも大きいことが好ましい。いくつかの好ましい実施形態では、本体は約3.5cm~約7cmの長さを有する。
【0041】
本体は、約1.5cm以上、約1.75cm以上、または約2cm以上など、約1cm以上の内径を有しうる。本体は約5cm以下の内径を有することが好ましい。いくつかの好ましい実施形態では、本体は約1.5cm~約4cmの範囲内の内径を有する。
【0042】
本体は約15cm以下の長さを有し、約1cm以上の内径を有することが好ましい。本体は、約10cm以下の長さおよび約1.75cm以上の内径を有することがより好ましい。本体は、約3.5cm~約7cmの範囲内の長さを有し、約1.5cm~約4cmの範囲の内径を有することがさらにより好ましい。本体は円筒状または円錐台状であることが好ましい。本体が円錐台形状を有する場合、本体は、約3cm~約5cmの長さを有し、約2.7cmなど、約2.5cm~約3cmの最大内径を有し、約1.8cm~約2.3cmなど、約1.5cm~約2.5cmの最大内径を有することが好ましい。
【0043】
いくつかの実施形態では、本体は、約15cm以下の長さを有し、約1cm以上の内径を有し、約30cm2~約100cm2、好ましくは約70cm2~約100cm2の加熱可能な表面積をくぼみの内側に有する。いくつかの実施形態では、本体は、約10cm以下の長さを有し、約1.75cm以上の内径を有し、約30cm2~約100cm2、例えば約70cm2~約100cm2の加熱可能な表面積をくぼみの内側に有する。いくつかの実施形態では、本体は、3.5cm~約7cmの範囲内の長さを有し、約1.5cm~約4cmの範囲内の内径を有し、約30cm2~約100cm2、好ましくは約70cm2~約100cm2の加熱可能な表面積をくぼみの内側に有する。いくつかの実施形態では、本体は円筒状または円錐台状である。本体が円錐台形状を有する場合、本体は、約3cm~約5cmの長さを有し、約2.7cmなど、約2.5cm~約3cmの最大内径を有し、約1.8cm~約2.3cmなど、約1.5cm~約2.5cmの最小内径を有することが好ましい。
【0044】
本体は、4cmの最大内側幅を有するくぼみを画定しうる。例えば、本体は、約2cm~約4cmの最大内側幅を有するくぼみを画定しうる。本体は、約2.7cm~約3.3cmまたは約2.9cm~約3.1cmなど、約2.5cm~約3.5cmの最大内側幅を有するくぼみを画定することが好ましい。
【0045】
本体は、高さ3cm以上の高さを有するくぼみを画定しうる。例えば、本体は、約3cm~約5cmの高さを有するくぼみを画定しうる。本体は、約3.6cm~約3.9cm、または約3.8cm~約3.9cmなど、約3.5cm~約4.5cmの高さを有するくぼみを画定することが好ましい。くぼみの高さは、くぼみの最大内側幅よりも大きいことが好ましい。
【0046】
本体は、4cmの最大内側幅および3cm以上の高さを有するくぼみを画定することが好ましい。くぼみの高さは、くぼみの最大内側幅よりも大きいことが好ましい。例えば、本体は、約2cm~約4cmの最大内側幅および約3cm~約5cmの高さを有するくぼみを画定しうる。本体は、約2.5cm~約3.5cmの最大内側幅および約3.5cm~約4.5cmの高さを有するくぼみを画定することが好ましい。本体は、約2.7cm~約3.3cmの最大内側幅および約3.7cm~約3.9cmの高さを有するくぼみを画定することがより好ましい。本体は、約2.9cm~約3.1cmの最大内側幅および約3.8cm~約3.9cmの高さを有するくぼみを画定することがさらにより好ましい。
【0047】
本体は、4cmの最大内側幅を有するくぼみを画定し、カートリッジは、約1cm-1~約2cm-1の範囲内の、くぼみの容積に対する加熱可能な表面積の比を有することが好ましい。本体は、2cm~約4cmの最大内側幅を有するくぼみを画定し、カートリッジは、約1cm-1~約2cm-1の範囲内の、くぼみの容積に対する加熱可能な表面積の比を有することがより好ましい。本体は、2.5cm~約3.5cmの最大内側幅を有するくぼみを画定し、カートリッジは、約1.2cm-1~約1.6cm-1の範囲内の、くぼみの容積に対する加熱可能な表面積の比を有することがさらにより好ましい。本体は、2.7cm~約3.3cmの最大内側幅を有するくぼみを画定し、カートリッジは、約1.2cm-1~約1.6cm-1の範囲内の、くぼみの容積に対する加熱可能な表面積の比を有することがさらにより好ましい。本体は、約2.9cm~約3.1cmの最大内側幅を有するくぼみを画定し、カートリッジは、約1.3cm-1~約1.5cm-1の範囲内の、くぼみの容積に対する加熱可能な表面積の比を有することがより好ましい。
【0048】
本体は、3cm以上の高さを有するくぼみを画定し、カートリッジは、約1cm-1~約2cm-1の範囲内の、くぼみの容積に対する加熱可能な表面積の比を有することが好ましい。本体は、約3cm~約5cmの高さを有するくぼみを画定し、カートリッジは、約1cm-1~約2cm-1の範囲内の、くぼみの容積に対する加熱可能な表面積の比を有することがより好ましい。本体は、約3.5cm~約4.5cmの高さを有するくぼみを画定し、カートリッジは、約1.2cm-1~約1.6cm-1の範囲内の、くぼみの容積に対する加熱可能な表面積の比を有することがさらにより好ましい。本体は、約3.7cm~約3.9cmの高さを有するくぼみを画定し、カートリッジは、約1.2cm-1~約1.6cm-1の範囲内の、くぼみの容積に対する加熱可能な表面積の比を有することがさらにより好ましい。本体は、約3.8cm~約3.9cmの高さを有するくぼみを画定し、カートリッジは、約1.3cm-1~約1.5cm-1の範囲内の、くぼみの容積に対する加熱可能な表面積の比を有することがより好ましい。
【0049】
本体は、4cmの最大内側幅および3cm以上の高さを有するくぼみを画定し、カートリッジは、約1cm-1~約2cm-1の範囲内の、くぼみの容積に対する加熱可能な表面積の比を有することが好ましい。本体は、約2cm~約4cmの最大内側幅および3cm~5cmの高さを有するくぼみを画定し、カートリッジは、約1cm-1~約2cm-1の範囲内の、くぼみの容積に対する加熱可能な表面積の比を有することがより好ましい。本体は、約2.5cm~約3.5cmの最大内側幅および約3.5cm~約4.5cmの高さを有するくぼみを画定し、カートリッジは、約1.2cm-1~約1.6cm-1の範囲内の、くぼみの容積に対する加熱可能な表面積の比を有することがさらにより好ましい。本体は、約2.7cm~約3.3cmの最大内側幅、約3.7cm~約3.9cmの高さを有するくぼみを画定し、カートリッジは、約1.2cm-1~約1.6cm-1の範囲内の、くぼみの容積に対する加熱可能な表面積の比を有することがさらにより好ましい。本体は、約2.9cm~約3.1cmの最大内側幅および約3.8cm~約3.9cmの高さを有するくぼみを画定し、カートリッジは、約1.3cm-1~約1.5cm-1の範囲内の、くぼみの容積に対する加熱可能な表面積の比を有することがより好ましい。
【0050】
くぼみは、任意の適切な容積を有しうる。くぼみは、約15cm3~約40cm3、または約15cm3~約30cm3など、約10cm3~約50cm3の容積を有することが好ましい。いくつかの好ましい実施形態では、くぼみは、約15cm3~約25cm3、または約18cm3~約22cm3の容積を有する。
【0051】
本体は円筒形状または円錐台形状を有し、円筒状のくぼみまたは円錐台状のくぼみをそれぞれ画定することが好ましい。いくつかのこうした実施形態では、側壁がカートリッジの長軸方向軸からずれる角度は、約3°~約8°など、約2°~約10°であることが好ましい。より好ましくは、側壁が長軸方向軸からずれる角度は、約4°~約5°など、約3°~約6°であることが好ましい。こうした角度を有するこうした円錐台状のカートリッジは有利なことに、カートリッジが加熱式エアロゾル形成基体である場合に、くぼみ内に配置されたエアロゾル形成基体への改善された熱伝達を提供しうる。こうした角度を有するこうした円錐台状のカートリッジは有利なことに、カートリッジがエアロゾル形成基体である場合に、くぼみ内に配置されたエアロゾル形成基体のより効率的な加熱を提供しうる。こうした角度を有するこうした円錐台状のカートリッジは有利なことに、より簡単に製造されうる。こうした角度を有するこうした円錐台状のカートリッジは有利なことに、深絞り技術を使用してより簡単に製造されうる。こうした角度を有するこうした円錐台状のカートリッジは有利なことに、シーシャエアロゾル発生装置などのエアロゾル発生装置の加熱チャンバーの中により簡単に挿入されるか、または加熱チャンバーからより簡単に取り外されうる。
【0052】
いくつかの実施形態では、カートリッジは上部にフランジを備える。フランジは、フランジを把持することによって使用後にカートリッジをレセプタクルから容易に取り外しうるように、シーシャ装置のレセプタクルのショルダー部の上に置かれるように配置されうる。フランジはまた、カートリッジがレセプタクル内に過度に挿入されることを防止するのに役立ちうる。
【0053】
エアロゾル形成基体は、くぼみの任意の適切な容積を占めうる。カートリッジ内のエアロゾル形成基体の容積は、カートリッジ内に配置されたエアロゾル形成基体の質量を変更することによって変化しうる。カートリッジ内のエアロゾル形成基体の容積は、カートリッジ内に配置された基体の組成を変更することによって変化しうる。カートリッジ内のエアロゾル形成基体の容積は、カートリッジ内に配置されたエアロゾル形成基体の形状または形態を変更することによって変化しうる。くぼみ内のエアロゾル形成基体の容積に対する加熱可能な表面積の比は、約1.2cm-1~約3cm-1、約1cm-1~約2cm-1、約1.2cm-1~約1.6cm-1、または約1.3cm-1~約1.5cm-1など、約1cm-1~約4cm-1の範囲内であることが好ましい。いくつかの実施形態では、くぼみ内の基体の容積は約10cm3~約50cm3であり、約20cm3~約25cm3など、約20cm3~約40cm3であることが好ましい。
【0054】
任意の適切なエアロゾル形成基体は、カートリッジの本体によって画定されるくぼみ内に提供されうる。エアロゾル形成基体は、エアロゾルを形成しうる揮発性化合物を放出する能力を有する基体であることが好ましい。揮発性化合物はエアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。エアロゾル形成基体は固体でも液体でもよく、固体および液体の両方の成分を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、固体を含むことが好ましい。
【0055】
エアロゾル形成基体はニコチンを含んでもよい。ニコチン含有エアロゾル形成基体はニコチン塩マトリクスを含みうる。エアロゾル形成基体は植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体はたばこを含むことが好ましく、たばこ含有材料は加熱に応じてエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有することが好ましい。エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料を含んでもよい。均質化したたばこ材料は、粒子状のたばこを凝集することによって形成されてもよい。エアロゾル形成基体は別の方法として、または追加的に、非たばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル発生基体は均質化した植物由来材料を含んでもよい。
【0056】
エアロゾル形成基体は例えば、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎の破片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこ、膨化たばこのうちの一つ以上を含む、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片またはシートのうち一つ以上を含みうる。
【0057】
エアロゾル形成基体は少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、使用時に、密度が高く安定したエアロゾルの形成を容易にし、そしてシーシャ装置の使用温度で実質的に熱劣化耐性のある任意の好適な公知の化合物または化合物の混合物であってもよい。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。特に好ましいエアロゾル形成体は多価アルコールまたはその混合物(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールなど)であり、グリセリンが最も好ましい。エアロゾル形成基体は、その他の添加物および成分(風味剤など)を含んでもよい。エアロゾル形成基体はニコチンおよび少なくとも一つのエアロゾル形成体を含むことが好ましい。特に好ましい実施形態において、エアロゾル形成体はグリセリンである。
【0058】
エアロゾル形成基体は、任意の適切な量のエアロゾル形成体を含みうる。例えば、エアロゾル形成体含有量は、乾燥重量基準で5%以上であってもよく、乾燥質量基準で30重量%より高いことが好ましい。エアロゾル形成体の含有量は、乾燥質量基準で約95%未満であってもよい。エアロゾル形成体の含有量は最大約55%であることが好ましい。
【0059】
エアロゾル形成基体は、熱的に安定な担体上に提供されてもよく、またはその中に包埋されてもよい。担体は、第一の主表面、第二の主外表面、または第一の主表面および第二の主表面の両方の上に基体が堆積された薄層を備えてもよい。担体は、例えば紙、または紙様の材料、不織布炭素繊維マット、低質量の目の粗いメッシュ金属スクリーン、または穿孔された金属箔またはその他の任意の熱的に安定した高分子マトリクスで形成されてもよい。別の方法として、担体は、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片またはシートなどの形態を取ってもよい。担体は、たばこ成分が組み込まれた不織布繊維または繊維束としうる。不織布繊維または繊維の束は、例えば炭素繊維、天然セルロース繊維、またはセルロース誘導体繊維を含みうる。
【0060】
いくつかの実施例では、エアロゾル形成基体は、任意の適切な量の一つ以上の糖を含む。エアロゾル形成基体は、スクロースを粉砕することによって得られたグルコースとフルクトースの混合物である転化糖を含むことが好ましい。エアロゾル形成基体は、約1重量%~約40重量%の糖(転化糖など)を含むことが好ましい。一部の実施例では、一つ以上の糖は、コーンスターチまたはマルトデキストリンなどの適切な担体と混合されうる。
【0061】
いくつかの実施例では、エアロゾル形成基体は一つ以上の感覚促進剤を含む。適切な感覚促進剤は風味剤および冷却剤などの感覚剤を含む。適切な風味剤には、天然または合成のメントール、ハッカ、スペアミント、コーヒー、お茶、スパイス(シナモン、クローブおよびショウガなど)、ココア、バニラ、果実風味、チョコレート、ユーカリ、ゼラニウム、オイゲノール、リュウゼツラン、ビャクシン、アネトール、リナロオールおよびそれらの任意の組み合わせを含む。
【0062】
一部の実施例では、エアロゾル形成基体は懸濁液の形態である。例えば、エアロゾル発生基体は糖蜜を含みうる。本明細書で使用される場合、「糖蜜」とは、約20%以上の糖を含むエアロゾル形成基体組成物を意味する。例えば、糖蜜は、少なくとも約35重量%の糖など、少なくとも約25重量%の糖を含みうる。典型的には、糖蜜は、約50重量%未満の糖など、約60重量%未満の糖を含む。
【0063】
従来的なシーシャ装置で使用するためのエアロゾル形成基体は、不均質であって塊およびくぼみを含みうる、糖蜜の形態にある。こうしたくぼみは、熱伝導を特に非効率的なものにする、基体と加熱表面との間の直接的な熱接触を防止する。結果として、電子加熱式シーシャ装置は、例えば、eリキッドまたは乾燥石を使用することによる従来的な糖蜜から逸脱する傾向がある。本出願に記載するカートリッジのくぼみの容積に対する加熱される表面積の比により、より従来的なエアロゾル形成基体糖蜜を使用して、電気加熱を使用する間の典型的な決まったやり方やシーシャ体験を保持しうる。
【0064】
任意の適切な量の糖蜜がくぼみ内に配置されてもよい。いくつかの好ましい実施形態では、約3g~約25gの糖蜜がくぼみ内に配置される。約7g~約13gの糖蜜がくぼみ内に配置されることが好ましい。約10gの糖蜜がくぼみ内に配置されることがより好ましい。
【0065】
いくつかの実施形態では、本体は約15cm以下の長さを有し、約1cm以上の内径を有し、約70cm2~100cm2など、約30cm2~約100cm2の加熱可能な表面積をくぼみ内に有し、くぼみの容積は約10cm3~約50cm3、例えば約25cm3~約40cm3である。いくつかの実施形態では、本体は約10cm以下の長さを有し、約1.75cm以上の内径を有し、約70cm2~100cm2など、約30cm2~約100cm2の加熱可能な表面積をくぼみ内に有し、くぼみの容積は約25cm3~約40cm3など、約10cm3~約50cm3である。いくつかの実施形態では、本体は約3.5cm~約7cmの範囲内の長さを有し、約1.5cm~約4cmの範囲内の内径を有し、約70cm2~100cm2など、約30cm2~約100cm2の加熱可能な表面積をくぼみ内に有し、くぼみの容積は約10cm3~約50cm3、好ましくは約25cm3~約40cm3である。本体は円筒状または円錐台状であることが好ましい。
【0066】
いくつかの実施形態では、本体は約15cm以下の長さを有し、約1cm以上の内径を有し、約70cm2~100cm2など、約30cm2~約100cm2の加熱可能な表面積をくぼみ内に有し、くぼみ内のエアロゾル形成基体は、約1g~約13gなど、約3g~約25gの質量を有する糖蜜である。いくつかの実施形態では、本体は約10cm以下の長さを有し、約1.75cm以上の内径を有し、約70cm2~100cm2など、約30cm2~約100cm2の加熱可能な表面積をくぼみ内に有し、くぼみ内のエアロゾル形成基体は、約1g~約13gなど、約3g~約25gの質量を有する糖蜜である。いくつかの実施形態では、本体は約3.5cm~約7cmの範囲内の長さを有し、約1.5cm~約4cmの範囲内の内径を有し、約70cm2~100cm2など、約30cm2~約100cm2の加熱可能な表面積をくぼみ内に有し、くぼみ内のエアロゾル形成基体は、約7g~約13gなど、約3g~約25gの質量を有する糖蜜である。本体は円筒状または円錐台状であることが好ましい。
【0067】
いくつかの実施形態では、本体は約15cm以下の長さを有し、約1cm以上の内径を有し、約70cm2~100cm2など、約30cm2~約100cm2の加熱可能な表面積をくぼみ内に有し、くぼみの容積は、約25cm3~約40cm3など、約10cm3~約50cm3であり、くぼみ内のエアロゾル形成基体は、約7g~約13gなど、約3g~約25gの質量を有する糖蜜である。いくつかの実施形態では、本体は約10cm以下の長さを有し、約1.75cm以上の内径を有し、約70cm2~100cm2など、約30cm2~約100cm2の加熱可能な表面積をくぼみ内に有し、くぼみの容積は、約25cm3~約40cm3など、約10cm3~約50cm3であり、くぼみ内のエアロゾル形成基体は、約7g~約13gなど、約3g~約25gの質量を有する糖蜜である。いくつかの実施形態では、本体は約3.5cm~約6.7cmの範囲内の長さを有し、約1.5cm~約4cmの範囲内の内径を有し、約70cm2~100cm2など、約30cm2~約100cm2の加熱可能な表面積をくぼみ内に有し、くぼみの容積は、約25cm3~約40cm3など、約10cm3~約50cm3であり、くぼみ内のエアロゾル形成基体は、約7g~約13gなど、約3g~約25gの質量を有する糖蜜である。本体は円筒状または円錐台状であることが好ましい。
【0068】
カートリッジは、約10分~約60分、好ましくは約20分~約50分、より好ましくは約30分~約40分持続するシーシャ体験のために十分な量のエアロゾルを提供するエアロゾル形成基体の量を含むことが好ましい。
【0069】
いくつかの実施形態では、カートリッジは、カートリッジがシーシャ装置で使用された時に、空気がエアロゾル形成基体を通して流れることを可能にする一つ以上の入口および一つ以上の出口を含む。いくつかの実施形態では、カートリッジの上部は、カートリッジの一つ以上の入口を形成する一つ以上の開口部を画定しうる。いくつかの実施形態では、カートリッジの底部は、カートリッジの一つ以上の出口を形成する一つ以上の開口部を画定しうる。一つ以上の入口および出口は、カートリッジを通した適切な引き出し抵抗(RTD)を提供するサイズおよび形状であることが好ましい。いくつかの実施例では、カートリッジを通した、入口から出口へのRTDは、約10mm H2O~約50mm H2O、好ましくは約20mm H2O~約40mm H2Oとしうる。標本のRTDは、体積流量が出力端で17.5ミリリットル/秒である安定した条件下での空気の流れによって横断された時の、標本の二つの端部間の静的圧力差を意味する。標本のRTDは、ISO規格6565:2002に記載された方法を使用して、すべての換気を遮断した状態で測定できる。
【0070】
カートリッジは、一つ以上の入口を覆う第一の取り外し可能なシール、および一つ以上の出口を覆う第二の取り外し可能なシールを含みうる。第一および第二のシールは、カートリッジの内容物の漏れを防止し、貯蔵寿命を延ばすために、空気が入口および出口を通って流れることを防止するのに十分であることが好ましい。シールは、ステッカー、箔等の剥がすことができるラベルを含みうる。ラベル、ステッカー、または箔は、接着剤、捲縮、溶接、またはその他の方法で容器に接合されるなど、任意の適切な方法でカートリッジに貼り付けられうる。シールは、ラベル、ステッカー、または箔をカートリッジから剥がす、または取り除くために把持されうるタブを含みうる。
【0071】
いくつかの実施形態では、カートリッジは、一つ以上の入口および一つ以上の出口を含まない。
【0072】
本発明によるシーシャカートリッジは、任意の適切なシーシャ装置で使用されうる。シーシャ装置は、カートリッジ内のエアロゾル発生基体を十分に加熱して、エアロゾル形成基体からエアロゾルを形成するが、エアロゾル形成基体は燃焼しないように構成されることが好ましい。例えば、シーシャ装置は、エアロゾル形成基体を約150℃~約300℃、より好ましくは約180℃~約250℃、または約200℃~約230℃の範囲内の温度に加熱するように構成されうる。
【0073】
シーシャ装置は、カートリッジを加熱するよう構成されることが好ましい。シーシャ装置は、カートリッジを受けるためのレセプタクルを備えてもよい。シーシャ装置は、カートリッジがレセプタクル内に受けられた時に、カートリッジの本体に接触する、またはこれに近接するように構成された発熱体を備える。発熱体は、レセプタクルの少なくとも一部を形成しうる。発熱体は、レセプタクルの表面の少なくとも一部分を形成しうる。シーシャカートリッジは、伝導によって発熱体からくぼみ内のエアロゾル形成基体へと伝達するように構成されうる。いくつかの実施形態では、発熱体は電気発熱体を含む。いくつかの実施形態では、発熱体は抵抗加熱構成要素を含む。例えば、発熱体は、一つ以上の抵抗性ワイヤーまたはその他の抵抗性要素を備えてもよい。抵抗ワイヤは、熱伝導性材料と接触し、生成された熱をより広い領域にわたって分配し得る。特に適切な導電性材料には、アルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、銀、およびその組み合わせが含まれる。本開示の目的で、抵抗ワイヤが熱伝導性材料と接触する場合、抵抗ワイヤと熱伝導性材料の両方は発熱体の一部である。発熱体は、レセプタクルの表面の少なくとも一部分を形成しうる。
【0074】
シーシャ装置は、発熱体に動作可能に結合されて、発熱体の加熱を制御し、およびそれ故にカートリッジ内のエアロゾル形成基体が加熱される温度を制御する制御電子機器を備えうる。制御電子機器は任意の適切な形態で提供されてもよく、また例えばコントローラー、またはメモリおよびコントローラーを含み得る。コントローラーは、「特定用途向け集積回路(ASIC)」状態マシン、デジタル信号プロセッサー、ゲートアレイ、マイクロプロセッサー、または等価のディスクリート論理回路もしくは集積論理回路のうちの一つ以上を含んでもよい。制御電子機器は、回路の一つ以上の構成要素に制御電子機器の機能または態様を実行させる命令を含むメモリを含み得る。本開示における制御電子機器に帰属する機能は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェアのうちの一つ以上として具現化され得る。
【0075】
電子回路はマイクロプロセッサ備えてもよく、これはプログラム可能マイクロプロセッサであってもよい。電子回路は電力供給を調節するように構成されてもよい。電力は、電流パルスの形態で発熱体に供給されてもよい。
【0076】
いくつかの実施例では、制御電子機器は、発熱体の電気抵抗を監視し、発熱体の電気抵抗に応じて発熱体への動力供給源を制御するように構成されうる。このように、制御電子回路は抵抗要素の温度を調節しうる。
【0077】
シーシャ装置は、発熱体の温度を制御するために制御電子機器に動作可能に結合された温度センサー(熱電対など)を備えてもよい。温度センサーは任意の適切な位置に位置付けられうる。例えば、温度センサーは、加熱されるエアロゾル形成基体の温度を監視するために、レセプタクル内に受けられたときにカートリッジの中へと挿入されるように構成されてもよい。加えて、または別の方法として、温度センサーは発熱体と接触してもよい。加えて、または別の方法として、温度センサーは、シーシャ装置またはその一部分のエアロゾル出口の温度を検出するように位置付けられてもよい。センサーは、感知された温度に関する信号を制御電子回路に送信してもよく、これは発熱体の加熱を調整して、センサーでの適切な温度を達成しうる。
【0078】
制御電子回路は電源に動作可能に連結されてもよい。シーシャ装置は任意の好適な電源を備えてもよい。例えば、シーシャ装置の電源は、電池または電池の組であってもよい。電源の電池は、再充電可能、取り外し可能かつ交換可能であってもよく、または再充電可能かつ取り外し可能かつ交換可能であってもよい。任意の適切な電池が使用され得る。例えば、産業用耐久型電気工具に使用されものなど、市販の耐久型または標準電池である。別の方法として、電源は、スーパーコンデンサまたはハイパーコンデンサを含む任意のタイプの電源であってもよい。代替的に、組立品は、外部電源に接続されてもよく、電気的におよび電子的にこうした目的のために設計されていてもよい。使用される電源のタイプに関わらず、エアロゾルが再充電または外部電源への接続を必要とする前に、エアロゾルがカートリッジ内のエアロゾル形成基体から枯渇するまで、少なくとも一つのシーシャセッションの間に組立品の通常の機能に十分なエネルギーを提供することが好ましい。電源は、再充電または外部電源への接続を必要とする前に、少なくとも約70分の装置の連続動作の間、組立品の通常の機能に十分なエネルギーを提供することが好ましい。
【0079】
一実施例では、シーシャ装置は、カートリッジレセプタクル、発熱体、エアロゾル出口、および外気吸込み口を含むエアロゾル発生要素を含む。カートリッジレセプタクルは、エアロゾル形成基体を含むカートリッジを受けるように構成される。カートリッジは、上記で説明されたようなものでありうる。発熱体は、レセプタクルの表面の少なくとも一部を画定しうる。
【0080】
シーシャ装置は、レセプタクルと流体接続する新鮮空気吸込み口チャネルを備える。使用時に、外気は、外気空気吸込み口チャネルを通してレセプタクルに流れ、レセプタクル内に配置されたカートリッジを通して流れる。カートリッジを通して流れる外気は、カートリッジ内のエアロゾル形成基体から生成されるエアロゾルに混入する。エアロゾルに混入したた外気は、エアロゾルへと流れる。
【0081】
外気吸込み口チャネルは、シーシャ装置の外側からの外気がチャネルを通して流れ、一つ以上の開口部を通してカートリッジレセプタクル内に流れうるように、カートリッジレセプタクルを通した一つ以上の開口部を備えうる。チャネルが二つ以上の開口部を備える場合、チャネルは、チャネルを通して各開口部へと流れる空気を方向付けるためのマニホールドを備えてもよい。シーシャ装置は、二つ以上の外気吸込み口チャネルを備えることが好ましい。
【0082】
上述の通り、カートリッジは、使用時にカートリッジのチャンバーを通って空気が流れることを可能にする、ハウジング内に形成された一つ以上の入口を含む。レセプタクルが一つ以上の入口開口部を含む場合、カートリッジの入口の少なくとも一部は、レセプタクルの上部の開口部と整列しうる。カートリッジは、カートリッジがレセプタクル内に挿入された時に、レセプタクルの相補的な整列機構と嵌合して、カートリッジの入口をレセプタクルの開口部と整列させるように構成された整列機構を含みうる。
【0083】
カートリッジに入る空気は、エアロゾル形成基体を横切って流れ、エアロゾルを混入し、エアロゾル出口を経由してカートリッジと容器を出る。エアロゾル出口から、エアロゾルを運ぶ空気が、シーシャ装置のベッセルに入る。
【0084】
シーシャ装置は、液体を収容するように構成された内部容積を画定し、かつ液体充填レベルの上方の上部空間に出口を画定する任意の好適なベッセルを備えてもよい。ベッセルは、ベッセル内に収容された内容物を消費者が観察することを可能にする光学的に透明または不透明なハウジングを備えてもよい。ベッセルは、液体充填ラインなどの液体充填境界を備えてもよい。ベッセルハウジングは任意の好適な材料で形成されてもよい。例えば、ベッセルハウジングは、ガラスまたは好適な剛直なプラスチック材料を備えてもよい。容器は、消費者がベッセルを充填、空にする、または洗浄することを可能にするように、エアロゾル発生要素を含むシーシャ組立品の一部分から取り外し可能であることが好ましい。
【0085】
ベッセルは、消費者によって液体充填レベルまで充填されてもよい。液体は水を備えることが好ましく、これには一つ以上の着色剤もしくは風味剤、または着色剤および風味剤が随意に注入されてもよい。例えば、水には、植物または薬草の浸出液のうちの一方または両方が注入されてもよい。
【0086】
受け部のエアロゾル出口を出る空気中に混入されたエアロゾルは、容器内に位置付けられた導管を通って移動しうる。ベッセルを通って流れるエアロゾルが、導管の開口部を通った後、液体を通り、ベッセルの上部空間内に入り、上部空間出口を抜け出て、消費者に送達されるように、導管はシーシャ組立品のエアロゾル発生要素のエアロゾル出口に結合されてもよく、またベッセルの液体充填レベルの下方に開口部を有してもよい。
【0087】
上部空間出口は、エアロゾルを消費者に送達するためのマウスピースを備えるホースに連結されてもよい。マウスピースは、ユーザーによって、またはシーシャ装置の制御電子回路に動作可能に連結された吸煙センサーによって起動可能なスイッチを備えてもよい。スイッチまたは吸煙センサーは、制御電子回路に無線で連結されていることが好ましい。スイッチまたは吸煙センサーの起動は、エネルギーを発熱体に常に供給するのではなく、制御電子回路に発熱体を起動させる。その結果、スイッチまたは吸煙センサーの使用は、こうした要素を採用していない装置と比較してエネルギーを節約する機能し、一定の加熱ではなく要求に応じた加熱を提供する場合がある。
【0088】
例示の目的で、本明細書に記述されるシーシャ装置を使用する一つの方法が、時系列で以下に提供される。ベッセルは、シーシャ装置の他の構成要素から取り外され、水で充填されてもよい。天然の果実飲料、植物成分、および薬草の浸出液のうちの一つ以上が、風味付けのために水に添加されてもよい。添加される液体の量は、導管の一部分を覆うべきであるが、ベッセル上に随意に存在する場合がある充填レベルマークを越えてはならない。次いで、ベッセルは、シーシャ装置へと再度組み付けられる。エアロゾル発生要素の一部分は、カートリッジが受け部内に挿入されることを可能にするように取り外されてもよく、または開かれてもよい。その後、エアロゾル発生要素は再組み立てされるかまたは閉じられる。その後、装置はオンにされてもよい。装置をオンにすることで、エアロゾル形成基体をエアロゾル形成基体の蒸発温度以上であるが、エアロゾル形成基体の燃焼温度未満の温度まで加熱するための、発熱体の加熱プロファイルが開始しうる。ユーザーは、望む通りにマウスピースで吸煙してもよい。ユーザーは、エアロゾルが見えなくなる、まではエアロゾルが送達されるまで、装置を使い続けることができる。いくつかの実施形態では、カートリッジの使用可能なエアロゾル発生基体が枯渇した時に、装置は自動的に停止する。いくつかの実施形態では、消費者は、例えば、カートリッジ内のエアロゾル形成基体が枯渇した、またはほとんど枯渇したという合図を装置から受けた後、装置を未使用のカートリッジで再充填してもよい。未使用のカートリッジが充填されると、装置を継続して使用することができる。シーシャ装置は、例えば装置のスイッチをオフにすることによって、消費者によっていつでもオフにできることが好ましい。
【0089】
シーシャ装置は、任意の好適な空気管理を有する場合がある。一実施例では、ユーザーからの吸煙行動により吸込み効果を発生させて装置内側に低圧を引き起こし、これによって外気を装置の空気吸込み口を通して新鮮空気吸込み口チャネル内、およびレセプタクル内に流す。空気は次に、カートリッジを通ってレセプタクル内に流れて、エアロゾル形成基体から生成されたエアロゾルを運びうる。混入されたエアロゾルを含む空気は次に、受け部のエアロゾル出口を出て、導管を通って容器内の液体に流れる。その後、エアロゾルは、泡になって液体から出て、そして液体のレベルの上方のベッセル内の上部空間へと入り、そしてホースおよびマウスピースを通して消費者へと送達するために、上部空間出口を出る。外部の空気の流れ、およびシーシャ装置内側のエアロゾルの流れは、ユーザーからの吸煙動作によって駆動される場合がある。
【0090】
本開示に記載の一つ以上の態様を描写する図面をこれから参照する。しかし、当然のことながら図面に描写されていないその他の態様も、本開示の範囲および趣旨に収まる。図内で使用されている類似の番号は、類似の構成要素を指す。しかし当然のことながら、所与の図内で一つの構成要素を指すために一つの番号を使用することは、別の図内で同一の番号が付けられた構成要素を制限することを意図するものではない。加えて、異なる図内で構成要素を指すための異なる番号の使用は、異なる番号の付いた構成要素を他の番号の付いた構成要素と同一または類似のものとすることはできないと示すことを意図するものではない。図面は例示の目的で提示されていて、制限の目的で提示されていない。図面に提示された概略図は、必ずしも縮尺通りではない。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【
図1】
図1は、エアロゾル形成基体を有さないカートリッジの概略断面図である。
【
図2】
図2は、エアロゾル形成基体を有するカートリッジの概略断面図である。
【
図3】
図3は、カートリッジの上部のトップダウン平面図である。
【
図4】
図4は、カートリッジの底部のボトムアップ平面図である。
【
図6】
図6は、上部が取り除かれてくぼみ内に配置された熱橋を示す、カートリッジの概略トップダウン平面図である。
【
図7】
図7は、上部が取り除かれてくぼみ内に配置された熱橋を示す、カートリッジの概略トップダウン平面図である。
【
図8】
図8は、カートリッジの断面の概略図である。
【
図9】
図9は、カートリッジの断面の概略図である。
【
図11B】
図11Bは、その上部が取り除かれた、カートリッジのトップダウン画像である。
図11Aの熱橋は、カートリッジのくぼみ内に配置される。
【
図11C】
図11Cは、
図11Aに示される熱橋などの熱橋の一部分を収容するための側壁スリットを有するカートリッジの側面画像である。
【
図12】
図12は、その上部が取り除かれてくぼみ内に配置された熱橋を明らかにする、カートリッジのトップダウン画像である。
【
図13】
図13は、様々なカートリッジ設計を使用して発生した、吸煙当たりの総エアロゾル質量を示すグラフである。
【
図14】
図14は、熱橋を有する、または熱橋を有さない、様々な寸法を有するカートリッジによって取得可能な加熱可能な表面積(S
H)のグラフである。
【
図15】
図15は、様々なカートリッジ設計に対する絶対的および相対的な蒸発した糖蜜のプロットである。
【
図16】
図16は、様々なカートリッジ設計に対して生成された総エアロゾル質量のプロットである。
【
図17】
図17は、異なる量の糖蜜を含むカートリッジに対する絶対的および相対的な蒸発した糖蜜のプロットである。
【
図18】
図18は、異なる量の糖蜜を含むカートリッジに対して生成された総エアロゾル質量のプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0092】
図1~2を参照すると、カートリッジ200は、エアロゾル形成基体300がその中に配置されうるくぼみ218を画定する本体210を有する。本体210は、上部215、底部213、および側壁212を含む。本体210は、一つ以上の部品から形成されうる。例えば、上部215または底部213は、側壁212から取り外し可能に取り付けられて、エアロゾル形成基体300がくぼみ218内に配置されることを可能にしうる。カートリッジ200は、本明細書で内径として言及される長さ(l)および幅(w)を有する。カートリッジ200は、くぼみ215の内側に加熱可能な表面積(S
H)を有し、これは、本体の外部に適用された熱を、例えばシーシャ装置の発熱体によってくぼみ218内のエアロゾル形成基体300に伝達することができる表面積である。くぼみ218は、くぼみ218の容積に対する本体210の加熱可能な表面積(S
H)の比の比が約1cm
-1~約4cm
-1の範囲となるような容積を有する。エアロゾル形成基体300は、くぼみ218内の容積を占める。くぼみ218内のエアロゾル形成基体300の容積に対する、くぼみ218内の本体210の加熱可能な表面積(S
H)の比は、約1cm
-1~約4cm
-1の範囲内であることが好ましい。こうした比は、エアロゾル形成基体300を早期に枯渇させることなく、エアロゾル形成基体300が望ましい量のエアロゾル質量を生成することを可能にする。
【0093】
ここで
図3~4を参照すると、本体の上部215および底部213は、複数の開口部217、216を有して、カートリッジが使用されているときに空気がカートリッジを通って流れることを可能にしうる。上部215および底部213の開口部216、217は、整列されうる。開口部217、216は、カートリッジが使用前に格納されたときにブロックされうる。例えば、開口部216、217は、剥離可能なライナー(図示せず)によってブロックされうる。
【0094】
図5は、カートリッジ200の概略斜視図である。側壁212は円錐台形状を画定する。底部213は、複数の開口部を画定して、空気がカートリッジ200を通って流れることを可能にする。上部は、側壁212から延びるフランジ219を含む。フランジ219は、フランジを把持することによって使用後にカートリッジ200をレセプタクルから容易に取り外しうるように、シーシャ装置のレセプタクルのショルダー部の上に置かれるように配置されうる。
【0095】
図6は、カートリッジ200のくぼみ218の内部の概略トップダウン図である。くぼみ218にかかり、側壁212に接触する二つのアーム221、223を有する熱橋が示されている。アーム221、223はまた、底部213に接触しうる。熱橋は、熱橋を含まない同一の寸法のカートリッジに対して、くぼみ218における加熱可能な表面積(S
H)が増大している。
【0096】
図7は、カートリッジ200のくぼみ218の内部の概略トップダウン図である。円筒状の熱橋220は、くぼみ218内に配置される。熱橋220は、カートリッジ200の底部213に接触する。熱橋220は、熱橋を含まない同一の寸法のカートリッジに対して、くぼみ218における加熱可能な表面積(S
H)が増大している。
【0097】
図8~9は、カートリッジ200の概略断面図である。カートリッジ200は、その中にエアロゾル発生基体(図示せず)が配置されうるくぼみ218を一緒に画定する、側壁212、上部215および底部213を有する。
図8のカートリッジ200は、わずかに丸みのある端を有する概して平坦な底部213を含み、
図9のカートリッジ200は、概して円錐台状の底部213を含む。それ以外は、
図8~9のカートリッジ200は実質的に同一である。
【0098】
カートリッジ200は、上部215にフランジ219を有する。フランジ219は、フランジを把持することによって使用後にカートリッジ200をレセプタクルから容易に取り外しうるように、シーシャ装置のレセプタクルのショルダー部の上に置かれるように配置されうる。フランジはまた、カートリッジ200がレセプタクル内に過度に挿入されることを防止するのに役立ちうる。
【0099】
くぼみ218は、最大内側幅(Wt)および高さ(h)を有する。円錐台形状のカートリッジ200の場合、最大内側幅(Wt)はカートリッジ200の上部に実質的にありうる。
図8に示す実施例における最大内側幅(Wt)は、約2.98cmであってもよく、高さ(h)は約3.63cmであってもよい。くぼみ218の底部は幅(Wb)を有する。くぼみの底部の幅(Wb)は、約2.43cmでありうる。
【0100】
図9の容器200の底部213は略円錐台状である。
図9で分かるように、幅Wbは一般に、側壁212の角度が平面を変化させる位置で測定される。
図9の実施例など、いくつかの実施形態では、底部部分213の側壁は、平坦な底部からある角度でずれる。角度は約18°でありうる。より小さい底部部分の幅(Wc)は、約0.84cmでありうる。Wcは、くぼみの幅が最小である長軸方向の位置で測定されうる。
図9の実施例では、最大内側幅(Wt)は約2.98cmであってもよく、高さ(h)は約3.83cmであってもよく、底部幅(Wb)は約2.43cmであってもよく、より小さい底部部分の幅(Wc)は約0.84cmであってもよい。
【0101】
図8~9のカートリッジ200の本体は略円錐台状である。側壁212は、長軸方向軸から角度βでずれる。角度βは約4.5°でありうる。
【0102】
図8のカートリッジ200は、側壁212、上部215、および底部213によって画定される約41.5cm
2の内表面積を有する。側壁212によって画定されるくぼみ218の内表面積は、約29.6cm
2である。くぼみ218によって画定される容積は、約20.6cm
3である。くぼみ218によって画定される容積に対する、側壁212によって画定されるくぼみ218の内表面積の比は、約1.4cm
-1である。くぼみ218によって画定される容積に対する、側壁212、上部215、および底部213によって画定されるくぼみ218の内表面積の比は、約2cm
-1である。
【0103】
図9のカートリッジ200は、側壁212、上部215、および底部213によって画定される約42cm
2の内表面積を有する。側壁212のみによって画定されるくぼみ218の内表面積は、約29.9cm
2である。くぼみ218によって画定される容積は約21.4cm
3である。くぼみ218によって画定される容積に対する、側壁212によって画定されるくぼみ218の内表面積の比は、約1.4cm
-1である。くぼみ218によって画定される容積に対する、側壁212、上部215、および底部213によって画定されるくぼみ218の内表面積の比は、約2cm
-1である。
【0104】
図10は、シーシャ装置100の一実施例の概略断面図である。装置100は、液体19を収容するように構成される内部容積を画定し、また液体19に対する充填レベルの上にある上部空間出口15を画定するベッセル17を含む。液体19は水を備えることが好ましく、この水には一つ以上の着色剤、一つ以上風味剤、または一つ以上着色剤および一つ以上風味剤が随意に注入されてもよい。例えば、水には、植物の浸出液または薬草の浸出液のうちの一方または両方が注入されてもよい。
【0105】
装置100はまた、エアロゾル発生要素130も含む。エアロゾル発生要素130は、エアロゾル発生基体を含むカートリッジ200を受けるように構成されたレセプタクル140を含む。エアロゾル発生要素130はまた、容器140の少なくとも一つの表面を形成する発熱体160も含む。図示した実施形態では、発熱体160は、容器140の上面および側面を画定する。エアロゾル発生要素130はまた、外気を装置100の中へと引き出す外気吸込み口チャネル170も含む。外気吸込み口チャネル170の一部分は、空気が容器140に入る前に空気を加熱するために発熱体160によって形成される。次いで、予熱された空気はカートリッジ150(またはカートリッジではない基体)に入り、これもまた発熱体160によって加熱されて、エアロゾル発生基体によって発生したエアロゾルを搬送する。空気はエアロゾル発生要素130の出口を出て、導管190に入る。
【0106】
導管190は、空気およびエアロゾルをベッセル17内の液体19のレベルの下方に搬送する。空気およびエアロゾルは、泡になって液体19を通して、ベッセル17の上部空間の出口15を出てもよい。エアロゾルをユーザーの口へと搬送するために、ホース20を上部空間出口15に取り付けてもよい。マウスピース25がホース20に取り付けられてもよく、またはホース20の一部を形成してもよい。
【0107】
使用時における装置の空気流路は、
図10に太い矢印で図示されている。
【0108】
マウスピース25は起動要素27を含んでもよい。起動要素27は、スイッチ、ボタンもしくはこれに類するものであってもよく、または吸煙センサーもしくはこれに類するものであってもよい。起動要素27は、装置100の任意のその他の好適な場所に定置されてもよい。起動要素27は制御電子回路30と無線通信して、例えば、電源35に発熱体160を給電させることによって、装置100を使用状態にするか、または制御電子回路に発熱体160を起動させてもよい。
【0109】
制御電子回路30および電源35は、
図10に図示するエアロゾル発生要素130の底部部分以外のエアロゾル発生要素130の任意の好適な位置に配置されてもよい。
【0110】
図11~18について、以下の実施例で説明する。
図11Aは、カートリッジで使用される熱橋の一実施形態の画像である。
図11Bは、その上部が取り除かれた、カートリッジの一実施形態のトップダウン画像である。
図11Aの熱橋は、
図11Bのカートリッジのくぼみ内に配置される。
図11Cは、
図11Aに示される熱橋などの熱橋の一部分を収容するための側壁スリットを有するカートリッジの一実施形態の側面画像である。
図11Dは、
図11Aの熱橋が挿入される、
図11Cに示すカートリッジの側面画像である。
図12は、その上部が取り除かれてくぼみ内に配置された熱橋を明らかにする、カートリッジの一実施形態のトップダウン画像である。
図13は、様々なカートリッジ設計を使用して発生した、吸煙当たりの総エアロゾル質量を示すグラフである。
図14は、熱橋を有する、または熱橋を有さない、様々な寸法を有するカートリッジによって取得可能な加熱可能な表面積(S
H)のグラフである。
図15は、様々なカートリッジ設計に対する絶対的および相対的な蒸発した糖蜜のプロットである。
図16は、様々なカートリッジ設計に対して生成された総エアロゾル質量のプロットである。
図17は、異なる量の糖蜜を含むカートリッジに対する絶対的および相対的な蒸発した糖蜜のプロットである。
図18は、異なる量の糖蜜を含むカートリッジに対して生成された総エアロゾル質量のプロットである。
【0111】
上述の特定の実施形態は本発明を例示することが意図される。しかしながら、他の実施形態は、特許請求の範囲に定義されるように本発明の範囲から逸脱することなく作製されてもよく、上述の特定の実施形態は制限的であるように意図されていないことが理解されるべきである。
【0112】
本明細書で使用される単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」は、複数形の対象を有する実施形態を包含するが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0113】
本明細書で使用される「または」は概して、「および/または」を含む意味で使用されるが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。「および/または」という用語は、列挙された要素の一つもしくはすべて、または列挙された要素のうちの任意の二つ以上の組み合わせを意味する。
【0114】
本明細書で使用される「有する(have)」、「有している(having)」、「含む(include)」、「含んでいる(including)」、「備える(comprise)」、「備えている(comprising)」、またはこれに類するものは、制約のない意味で使用され、概して「含むが、これに限定されない」を意味する。当然のことながら、「から本質的に成る(consisting essentially of)」、「から成る(consisting of)」、およびこれに類するものは、「から成る(comprising)」およびこれに類するものに包摂される。
【0115】
「好ましい」および「好ましくは」という語は特定の状況下で、特定の利点をもたらす場合がある本発明の実施形態を指す。しかしながら、同一の状況下または他の状況下で、他の実施形態もまた好ましいものである場合がある。その上、一つ以上の好ましい実施形態の列挙は、その他の実施形態が有用ではないことを暗示するものではなく、また特許請求の範囲を含む本開示の範囲からその他の実施形態を除外することを意図するものではない。
【0116】
「上」、「下」、「左」、「右」、「上方」、「下方」およびその他の方向または向きなど、本明細書で言及される任意の方向は、本明細書において明確さおよび簡潔さのため記述されていて、実際の装置またはシステムを限定する意図はない。本明細書に記載の装置およびシステムは、多数の方向および向きで使用され得る。
【実施例0117】
実施例1:円筒状のカートリッジ
以下に示すのは、シーシャカートリッジ内に配置されたエアロゾル形成基体からのエアロゾルの生成に対する様々なカートリッジ設計の効果を示す非限定的な実施例である。各カートリッジは、約31.5cm3の計算された容積を有する10gの市販のたばこ糖蜜(Al-Fakher)を含む。
【0118】
三つのカートリッジ設計を試験した。各カートリッジは円筒状であり、アルミニウムからなる。カートリッジは55mmの長さおよび27mmの内径を有する。一つのカートリッジは熱橋を含んでおらず、約52cm
2の加熱可能な表面積(S
H)をくぼみ内に有する。別のカートリッジは、0.2mmの厚さのT字形状の銅プレート(
図11A~D)を含み、これはくぼみにかかって約69cm
2の総S
Hを提供している。別のカートリッジは、くぼみにかかって約90cm
2のS
Hを提供する、0.2mmの厚さのS字形状断面を有する銅プレート(
図12参照)をさらに含む。
【0119】
カートリッジを導管と連通させて配置した。3mmの出口オリフィスを有する高温エポキシ樹脂で作製された円錐台状のノズルを導管に組み込んだ。ノズルの出口オリフィスは、カートリッジ出口から約55mmにある。導管はベッセル内の液体レベルの下方に延びる。ベッセルの液体レベルの上方の上部空間と連通している出口を出るエアロゾルを収集した。
【0120】
カートリッジを、200℃の一定温度に設定されたワイヤーが巻かれた発熱体を使用して加熱した。
【0121】
発生したエアロゾルを、シーシャ体験の前後に重量が記録された合計10個のCambridgeパッドを使用して収集した。体験の総持続時間は105回の吸煙に対応する。望ましい吸煙の体験を達成するために、Pomac BV 社(Tolbert, Groninen,Netherlands)製の四つのプログラム可能なデュアルシリンジポンプ(PDSP)を同時に使用して、以下の吸煙レジームを作成した。
・吸煙体積:530mL
・吸煙持続時間:2600ms
・吸煙間の期間:17秒
【0122】
実験のセットアップは、10個のCambridgeパッドのうちの2個のみが所与の時点で発生したエアロゾルを収集するように配置された。21回の吸煙ごとに、逆止め弁を使用してエアロゾルが確実にCambridgeパッドの正しい対へと分配されるようにした。結果として、エアロゾルの生成を時間の関数として監視することが可能である。
【0123】
糖蜜の蒸発質量を、シーシャ体験の前後の糖蜜の重量を比較することによって判定した。
【0124】
さらに、総エアロゾル質量および蒸発質量を、類似の条件を使用する炭作動式シーシャに対して判定した。
【0125】
様々なカートリッジ設計からの結果を
図13および表1に示す。
図13では、最初の20回の吸煙後の吸煙当たりのTAMが示されている。
図13では、標識(1)の曲線は、炭作動式シーシャ装置からの結果を表し、標識(2)の曲線は、約52cm
2のS
Hを有するカートリッジを表し、標識(3)は、約69cm
2のS
Hを有するカートリッジを表し、標識(4)の曲線は、約90cm
2のS
Hを有するカートリッジを表す。
【0126】
【0127】
試験したカートリッジは、1.5cm-1(SH=52cm2のカートリッジに対する)~3cm-1(SH=90cm2に対する)の、エアロゾル形成基体(たばこ糖蜜)の容積に対するSHの比を有した。
【0128】
これらの実験に使用された炭作動式シーシャは、3.5gを消費し、25cm2のSHを有する。対流を通した熱伝達は電気シーシャではずっと少ないため、SH=52cm2に対して2.8gのみが消費された。結果として、電気加熱式シーシャに対して収集された総TAMは、このカートリッジに対する炭作動式シーシャの~約80%のみである(1700mg対1370mg)。特に、エアロゾル質量生成は、最初の21回の吸煙中は実質的に少なく、炭作動式シーシャで取得される12.7mg/吸煙に対して、SH=52cm2のカートリッジでは8.7mg/吸煙のTAMが収集された。ただし、SHを90cm2に増大させることで、電子シーシャで得られる結果が、炭作動式シーシャと類似の値となった。この場合、糖蜜の消費は3.9gに、収集されたTAMは1850mgに、第一の吸煙中に収集されるTAMは12.0mg/吸煙に増大した。
【0129】
エアロゾル形成基体の容積に対する望ましいS
Hの比を達成するための設計上の考慮を示すために、
図14を参照する。
図14では、下部トレースは、異なる直径の31.5cm
3の容積を有する円筒に対して計算されたS
Hを示す。対応する長さは上部x軸上に示されている。計算された結果は、熱橋を使用しない場合に、90cm
2のS
Hを達成するには、約18cmの長さを有するカートリッジが必要であることを示している。しかし、こうした長さは多くのシーシャ装置にとって実用的ではない。
【0130】
標識D/3のトレースは、下部トレースと同じ寸法を有するが、カートリッジの直径の1/3に等しい直径を有する円筒状の熱橋を有する、円筒に対して計算されたSHを示す。標識D/2のトレースは、下部トレースと同じ寸法を有するが、カートリッジの直径の1/2に等しい直径を有する円筒状の熱橋を有する、円筒に対して計算されたSHを示す。図示するように、熱橋はSHを急速に増大させてより望ましい寸法を有するカートリッジを提供する。例えば、カートリッジは、10cm未満の長さを有し、90cm2のSHを有しうる。
【0131】
実施例2:円錐台状のカートリッジ
【0132】
様々な性能の態様に対するカートリッジ形状の効果を試験した。様々な円錐台状の設計を有するカートリッジの性能を円筒状のカートリッジと比較した。
【0133】
カートリッジは円筒状であり、アルミニウムからなる。円筒状カートリッジは41.25mmの長さおよび27mm(C27)の内径を有する。円錐台状のカートリッジはそれぞれ、41.25mmの長さおよび27mmの上部内径を有する。円錐台状のカートリッジの下部内径は、22mm(LD22)、18mm(LD18)、および14mm(LD14)である。各カートリッジの上部および底部は19個の穴を含み、各穴は2mmの直径を有する。
【0134】
上記実施例1に示されるように、基体温度および各カートリッジから生成された総エアロゾル質量を試験した。
【0135】
一つの実験では、各カートリッジは10gの商業的に入手可能なたばこ糖蜜(Al-Fakher)を含み、カートリッジが加熱されるにつれて基体の温度を監視し、基体の温度が80℃に達する時間を判定した。結果を下の表2に示す。
【0136】
【0137】
80℃に達する時間は、最初の吸煙の時間に直接関連しうる。従って、円筒状のカートリッジ(C27)は、より急速な初期加熱を可能にし、第一の吸煙をより迅速に行うことを可能にしうる。しかしながら、円錐台状のカートリッジ(LD22、LD18、およびLD14)に関連付けられた長い時間は、従来的な炭ベースのシーシャ装置に関連付けられた第一の吸煙までの時間をより厳密に真似て、従ってこうした従来的な装置の一定の慣習的態様を維持しうる。
【0138】
別の実験では、10gの糖蜜を含むC27、LD22、およびLD18カートリッジが加熱され、総エアロゾル質量および蒸発した糖蜜の質量を測定した。C27カートリッジに対して、LD22カートリッジを試験前に追加的に30秒間加熱し、LD18カートリッジを、上記表2に示す結果に基づいて追加的に60秒間加熱した。
【0139】
蒸発した糖蜜の質量を
図15に示し、生成された総エアロゾル質量を
図16に示す。
図16に示すように、最大の総エアロゾル質量は、LD22カートリッジで観察された。
図15に示すように、蒸発した糖蜜の量は、カートリッジの直径が減少するのにつれて増大した。
【0140】
別の実験では、総エアロゾル質量および蒸発した糖蜜を、10gの糖蜜を含むC27カートリッジに対して、および10g、8g、および6gの糖蜜を含むLD22カートリッジに対して測定した。C27カートリッジに対して、LD22カートリッジを、上記表2に示す結果に基づいて試験前に追加的に30秒間加熱した。
【0141】
蒸発した糖蜜の質量を
図17に示し、生成された総エアロゾル質量を
図18に示す。
図18に示すように、総エアロゾル質量は、10gおよび8gの糖蜜を含むLD22カートリッジの間で類似しており、より少ない糖蜜を使用しうることを示唆している。さらに、6gの糖蜜を含むLD22カートリッジは、10gの糖蜜を含むC27カートリッジに対して、最初の60回の吸煙に対する総エアロゾル質量の増大を呈し、カートリッジの形状が、使用されうる総エアロゾル生成および糖蜜の量に対して実質的な効果を有しうることを示唆している。
【0142】
このように、シーシャ装置のためのカートリッジが記載されている。本発明の様々な改変および変形が、本発明の範囲および趣旨を逸脱することなく、当業者に明らかになるであろう。特定の好ましい実施形態に関連付けて本発明を説明してきたが、特許請求される本発明は、このような特定の実施形態に過度に限定されるべきではないことが理解されるべきである。実際に、機械技術、化学技術およびエアロゾル発生物品製造または関連分野の当業者にとって明らかである、本発明を実施するための記載された方法の様々な修正は、以下の特許請求の範囲内に収まるものであることが意図される。
前記本体が、上部、底部、前記上部と前記底部との間に延びる側壁、および前記底部と前記側壁との間の傾斜した端を含み、前記傾斜した端が、前記底部に対して約15°~約20°の間の角度にある、請求項1~13のいずれかに記載のシーシャカートリッジ。