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特開2024-116316電力管理および制御のためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116316
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】電力管理および制御のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   B60L 58/18 20190101AFI20240820BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20240820BHJP
   B60L 50/40 20190101ALI20240820BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
B60L58/18
B60L50/60
B60L50/40
H02J7/00 P
H02J7/00 302C
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024095048
(22)【出願日】2024-06-12
(62)【分割の表示】P 2020550757の分割
【原出願日】2019-03-22
(31)【優先権主張番号】62/646,861
(32)【優先日】2018-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515056990
【氏名又は名称】ティーエーイー テクノロジーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ミハイル スレプチェンコフ
(72)【発明者】
【氏名】ルーズベ ナデリ
(57)【要約】
【課題】好適な電力管理および制御のためのシステムおよび方法を提供すること。
【解決手段】改良されたバッテリ管理、モータ制御、エネルギー貯蔵、およびバッテリ充電を対象としたシステムおよび方法。本システムおよび方法は、車両の電動化を可能にし、回生制動、牽引、およびハンドリングを管理するための手段を用いて、バッテリ管理、充電、およびモータ制御の統合を可能にする、パラダイム変化プラットフォームを提供する。実施形態では、システムおよび方法は、基礎的構成単位として、ピアツーピア通信能力を伴うネットワーク化された低電圧コンバータ/コントローラ、組み込みウルトラキャパシタまたは他の二次エネルギー貯蔵要素、バッテリ管理システム、および個々のセルの直列に接続されたセットの統合された組み合わせを備える、カスケード型アーキテクチャを有する、統一モジュール式バッテリパックシステムを対象とする。
【選択図】図21
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バッテリシステムの電力管理および制御に関し、より具体的には、電気自動車および他の定常用途のための改良されたバッテリ管理、モータ制御、エネルギー貯蔵、およびバッテリ充電を促進する、システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
過去1世紀にわたって発展されたような今日の自動車技術は、とりわけ、モータ、機械的要素、および電子機器の相互作用によって特徴付けられる。これらは、車両性能および運転者体験に影響を及ぼす、主要な構成要素である。モータは、燃焼または電気タイプのものであり、通常、車につき1つのモータを見出すが、例外は、1つまたは2つの電気モータとの燃焼エンジンの組み合わせを特徴とする、ハイブリッドドライブトレインを伴う車、または2つのモータを装備した性能指向型電気自動車である。殆ど全ての場合、モータからの回転エネルギーが、クラッチ、変速装置、差動装置、ドライブシャフト、トルク管、結合器等の高度に精巧な機械的要素のセットを介して送達される。これらの部品は、トルク変換およびホイールへの配電を大いに制御し、車の性能を定義するための主要な要素である。それらはまた、道路ハンドリングにも影響を及ぼす。長年にわたって、個々の車製造業者は、これらの機械的部品を高度に最適化し、より良好な性能、より高い燃料効率、最終的には市場での差別化を提供してきた。制御側では、娯楽、ナビゲーション、およびヒューマンマシンインターフェース要素等の運転者快適性を別にして、典型的には、モータ、クラッチ/変速装置動作、および道路保持/ハンドリングを制御/最適化する、特殊電子ハードウェアおよび組み込みソフトウェアのいくつかのクラスタのみが存在する。
【0003】
今日の電気自動車または車両(EV)は、通常のガスタンク、燃料ポンプ/注入器、および燃焼エンジンのためのバッテリ、充電システム、および電気モータの明白な代用を伴う、燃焼車両の100年来の設計パラダイムの殆どを大部分採用してきた。制御電子機器は、構成要素の差異に適合されるが、上記に説明される機械的ドライブトレイン部品の殆どが、依然としてそこにあることを認識することが重要である(例えば、図1Aおよび1B参照)。これは、すなわち、現在のEVの全体的設計哲学が、従来のパラダイムをわずかしか超えていないということである。したがって、電動化の真の可能性は、実現されていない。
【0004】
EVは、とりわけ、バッテリ、充電器、およびモータ制御を含む、ドライブトレインに関連する種々の電気システムを備える。これらの電気システムの現在の能力および欠点の短い目録は、以下を含む。
【0005】
(従来のバッテリ設計)
現在、高電圧バッテリパックが、典型的には、低電圧バッテリモジュールの直列チェーンで編成される。各そのようなモジュールはさらに、個々のセルの直列に接続されたセットと、単純な組み込みバッテリ管理システムとから成り、充電状態および電圧等の基本的セル関連特性を調整する。より精巧な能力またはある形態のスマート相互接続性を伴う電子機器が、欠けている。結果として、任意の監視または制御機能が、別個のシステムによって取り扱われ、これは、車内の他の場所に存在するとしても、個々のセル健全性、充電状態、温度、および他の性能に影響を及ぼすメトリクスを監視する能力が欠けている。また、任意の形態で個々のセルあたりの電力の引き出しを調節する能力も存在していない。主要な結果のうちのいくつかは、(1)最も弱いセルが、バッテリパック全体の全体的性能を抑制すること、(2)任意のセルまたはモジュールの故障が、パック全体の交換の必要性につながること、(3)バッテリ信頼性および安全性が、著しく低減されること、(4)バッテリ寿命が、限定されること、(5)熱管理が、困難であること、(6)バッテリパックが、常に、最大能力を下回って動作すること、(7)回生制動由来の電力のバッテリパックの中への急突入が、バッテリ内に容易に貯蔵されることができず、ダンプ抵抗器を介した散逸を要求するであろうことである。
【0006】
(現在の充電器設計)
充電回路が、典型的には、別個の内蔵システムで実現される。それらは、AC信号またはDC信号の形態でEVの外側から来る電力を段階分けし、それをDCに変換し、それをバッテリパックに送給する。充電システムが、電圧および電流を監視し、典型的には、着実な一定の送給量を供給する。バッテリパックおよび典型的充電回路の設計を考慮すると、セル健全性、性能特性、温度等に基づいて、個々のバッテリモジュールに充電フローを合わせる能力は、ほとんどない。充電サイクルもまた、典型的には、充電システムおよびバッテリパックに、電荷伝達または達成可能な合計充電を最適化するであろうパルス充電または他の技法を可能にするための回路が欠けているため、長い。
【0007】
(現在のモータ制御設計)
従来の制御は、EVの電気システムのバス電圧へのバッテリパック電圧レベルを調節するためのDC-DC変換段階を含有する。モータが、ひいては、次いで、要求されるAC信号を電気モータに提供する、単純な2レベル多相コンバータによって駆動される。各モータは、従来的に、3相設計でモータを駆動する別個のコントローラによって制御される。デュアルモータEVが、2つのコントローラを要求するであろう一方で、4つのインホイールモータを使用するEVは、4つの個々のコントローラを要求するであろう。従来のコントローラ設計には、より多数の磁極片によって特徴付けられる、スイッチリラクタンスモータ(SRM)等の次世代モータを駆動する能力も欠けている。適合が、高相設計を要求し、システムをより複雑にし、最終的には、高いトルクリップルおよび音響雑音等の電気雑音および駆動性能に対処することをできなくさせるであろう。
【0008】
前述の限界に照らして、改良されたバッテリ管理、モータ制御、電力貯蔵、およびバッテリ充電を促進するシステムおよび方法が、上記に述べられる欠点に対処し、パラダイム変化プラットフォームを提供するために望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本開示の実施形態は、改良されたバッテリ管理、モータ制御、エネルギー貯蔵、およびバッテリ充電を促進する、システムおよび方法を対象とする。したがって、本明細書で提供されるシステムおよび方法は、車両の電動化の真の可能性の実現を可能にし、回生制動、牽引、およびハンドリングを管理するための手段を用いて、バッテリ管理、充電、およびモータ制御を知的に統合する、パラダイム変化プラットフォームを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の例示的実施形態は、好ましくは、基礎的構成単位として、ピアツーピア通信能力を伴うネットワーク化された低電圧コンバータ/コントローラ、組み込みウルトラキャパシタまたは他の二次エネルギー貯蔵要素、バッテリ管理システム、および個々のセルの直列に接続されたセットの統合された組み合わせを備える、カスケード型アーキテクチャを有する、統一モジュール式バッテリパックシステムを対象とする。そのような知的バッテリモジュールの相互接続されたアセンブリが、効果的に、スマート電気「ニューラルネットワーク」および(1)充電システム、(2)バッテリ管理モジュール、(3)DC-DCコンバータ、および(4)モータコントローラの代替品になる。
【0011】
本モジュール式スマートバッテリパックシステムは、従来のEVモータおよびドライブトレインと組み合わせ可能であるだけではなく、将来のEVでの使用のために開発されている新しいインホイールEVモータとも組み合わせ可能である。
【0012】
本明細書で提供される例示的実施形態では、各モジュール式スマートバッテリパックの電子機器は、ある例示的実施形態では、好ましくは、温度センサおよびネットワーキングインターフェース論理と組み合わせられる双方向マルチレベルヒステリシスコントローラである、マルチレベルコントローラに基づく。本設計は、利点の長いリスト、すなわち、(1)それらの年数、熱的条件、および性能特性に基づく、モジュールの個々の切替を通したバッテリ利用の改良、(2)慎重な電力消費または発電平衡を通したセル内の熱損失の低減、(3)より良好な個々の熱管理および高次電流高調波のフィルタリングを通したセル経年劣化の減速、(4)バッテリ健全性の粒度の細かい監視および点検の必要性の早期警告の能力、(5)個々のモジュール故障下でさえも駆動可能性を維持することが可能なフェイルセーフおよび冗長設計、(6)より低い成分電圧において動作し、電力損失およびコストを削減する新しい半導体技術の利用を通した、より高い効率およびより良好な経済性、(7)異なる車両特性に適合するためのトポロジおよび制御方法のソフトウェアベースの最適化、(8)回生制動からのエネルギーの完全に近い回復および組み込みウルトラキャパシタによる加速への速い応答、(9)知的コントローラ回路によって駆動される超高速パルス充電を含む、個々のセル負荷平衡および監視に起因する、統合型内蔵最適化充電、(10)回路トポロジの電磁石干渉および感受性の低減、(11)全体的システム性能、応答時間、熱管理、および集合的システム効率を向上させるためのモジュール間の適応ニューラルネットベースの協調、(12)インホイールモータと組み合わせられたときの機械的ドライブトレイン構成要素および関連付けられる損失の排除、(13)全体的ドライブトレイン磁気および電気損失の低減、(14)インホイールモータと併用されたときの電力密度の増加、(15)精緻化されたモータ制御および電気フィルタリングからの電気および機械雑音の低減に起因する、トルクリップルの低減および乗車者快適性の増加、(16)全ての現在および次世代モータ設計に適合し、そのために最適化される能力、(17)乗車者/貨物/付加的バッテリ(さらなる範囲)のためのさらなる余地を提供する、空間の低減、(18)より良好な性能、より高い車両効率、より遠い駆動範囲を提供する、重量の低減、(19)インホイールモータと組み合わせられときの優れたハンドリングおよびより良好な牽引、(20)小型乗用車から大型バスおよび商用トラックまでの使用のために適合可能な普遍的構成単位、(21)従来的な機械的構成要素設計を介する代わりに、車両特性のソフトウェアベースの差別化を提供する。
【0013】
例示的実施形態の他のシステム、方法、特徴、および利点が、以下の図および発明を実施する形態の検討に応じて、当業者に明白であろう、または明白となるであろう。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
電気自動車であって、
シャーシと、
前記シャーシに動作可能に結合される3つ以上のホイールと、
前記3つ以上のホイールに動作可能に結合される1つ以上の電気モータと、
前記1つ以上のモータに動作可能に結合される1つ以上の知的モジュール式バッテリパックと、
1つ以上のバッテリパックおよび前記1つ以上のモータに動作可能に結合される制御システムと
を備える、電気自動車。
(項目2)
前記シャーシは、ドライブトレインがない、項目1に記載の電気自動車。
(項目3)
前記1つ以上のモータは、インホイールモータである、項目1に記載の電気自動車。
(項目4)
前記1つ以上の知的モジュール式バッテリパックは、カスケード型アーキテクチャを有する、項目1に記載の電気自動車。
(項目5)
前記バッテリパックは、複数の相互接続された知的バッテリモジュールを備える、項目4に記載の電気自動車。
(項目6)
前記バッテリモジュールは、ピアツーピア通信能力を伴うネットワーク化された低電圧コンバータ/コントローラ、組み込みウルトラキャパシタ、バッテリ管理システム、および個々のセルの直列に接続されたセットの統合された組み合わせを備える、項目5に記載の電気自動車。
(項目7)
前記バッテリパックは、複数の相互接続された知的バッテリモジュールを備えるニューラルネットワークを備える、項目1に記載の電気自動車。
(項目8)
前記バッテリモジュールは、BMSを伴うバッテリ、スーパーキャパシタモジュール、および出力コンバータの統合された組み合わせを備える、項目5に記載の電気自動車。
(項目9)
前記スーパーキャパシタモジュールは、双方向DC-DCコンバータと、スーパーキャパシタバンクとを含む、項目8に記載の電気自動車。
(項目10)
前記出力コンバータは、四象限Hブリッジを備える、項目8に記載の電気自動車。
(項目11)
前記制御システムは、双方向マルチレベルコントローラを備える、項目1に記載の電気自動車。
(項目12)
前記双方向マルチレベルコントローラは、双方向マルチレベルヒステリシスコントローラである、項目11に記載の電気自動車。
(項目13)
前記双方向マルチレベルコントローラは、温度センサおよびネットワーキングインターフェース論理と組み合わせられる、項目11に記載の電気自動車。
(項目14)
前記制御システムは、モジュール年数、熱的条件、および性能特性に基づいて、モジュールの個々の切替を通してバッテリ利用の平衡を保つように構成される、項目11-13に記載の電気自動車。
(項目15)
前記バッテリパックは、整流器/充電器動作に切替可能である、項目1-14に記載の電気自動車。
(項目16)
複数の相互接続された知的バッテリモジュールを備えるカスケード型アーキテクチャを備える、知的モジュール式バッテリパック。
(項目17)
前記バッテリモジュールは、ピアツーピア通信能力を伴うネットワーク化された低電圧コンバータ/コントローラ、組み込みウルトラキャパシタ、バッテリ管理システム、および個々のセルの直列に接続されたセットの統合された組み合わせを備える、項目16に記載の知的モジュール式バッテリパック。
(項目18)
前記相互接続された知的バッテリモジュールは、ニューラルネットワークを備える、項目16に記載の知的モジュール式バッテリパック。
(項目19)
前記バッテリモジュールは、BMSを伴うバッテリ、スーパーキャパシタモジュール、および出力コンバータの統合された組み合わせを備える、項目16に記載の知的モジュール式バッテリパック。
(項目20)
前記スーパーキャパシタモジュールは、双方向DC-DCコンバータと、スーパーキャパシタバンクとを含む、項目19に記載の知的モジュール式バッテリパック。
(項目21)
前記出力コンバータは、四象限Hブリッジを備える、項目19に記載の知的モジュール式バッテリパック。
(項目22)
ピアツーピア通信能力を伴う統合型低電圧コンバータ/コントローラ、組み込みウルトラキャパシタ、バッテリ管理システム、および個々のセルの複数の直列に接続されたセットを備える、知的バッテリモジュール。
(項目23)
前記コンバータ/コントローラは、四象限Hブリッジを備える、項目22に記載の知的バッテリモジュール。
(項目24)
知的バッテリモジュールであって、
統合型BMSを伴うバッテリと、
前記バッテリに動作可能に結合されるスーパーキャパシタモジュールと、
前記バッテリおよび前記スーパーキャパシタモジュールに動作可能に結合される出力コンバータと
を備える、知的バッテリモジュール。
(項目25)
前記スーパーキャパシタモジュールは、双方向DC-DCコンバータと、スーパーキャパシタバンクとを含む、項目24に記載の知的バッテリモジュール。
(項目26)
前記出力コンバータは、四象限Hブリッジを備える、項目24に記載の知的バッテリモジュール。
【0014】
構造および動作を含む、例示的実施形態の詳細が、同様の参照番号が同様の部品を指す、付随する図の考察によって部分的に捉えられ得る。図内の構成要素は、必ずしも一定の縮尺ではなく、代わりに、本開示の原理を例証することが強調されている。また、全ての説明図は、相対的サイズ、形状、および他の詳細な属性が、文字通りまたは精密ではなく図式的に図示され得る、概念を伝えることを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、従来のバッテリ電気自動車のパワーエレクトロニクス回路および電気モータの簡略化された概略図を図示する。
【0016】
図2図2は、知的低電圧バッテリモジュールの直列接続を備える、知的モジュール式ACバッテリパックを含む、カスケード型アーキテクチャを伴う統一モジュール式システムを有する、本開示の実施形態による、バッテリ電気自動車のためのパワーエレクトロニクス回路および電気モータの概略図を図示する。
【0017】
図3A図3A-3Iは、図1に示されるバッテリ電気自動車のための従来の高電圧パワーエレクトロニクス回路の知的モジュール式表現として、本開示の実施形態によるパワーエレクトロニクス回路を示す、概略図を図示する。図3Aは、低電圧バッテリモジュールの直列チェーンを備える、高電圧バッテリパックを示す。
図3B図3A-3Iは、図1に示されるバッテリ電気自動車のための従来の高電圧パワーエレクトロニクス回路の知的モジュール式表現として、本開示の実施形態によるパワーエレクトロニクス回路を示す、概略図を図示する。図3Bは、低電圧バッテリセルの直列接続と、統合型バッテリ管理または制御システムとを備える、各バッテリモジュールを示す。
図3C図3A-3Iは、図1に示されるバッテリ電気自動車のための従来の高電圧パワーエレクトロニクス回路の知的モジュール式表現として、本開示の実施形態によるパワーエレクトロニクス回路を示す、概略図を図示する。図3Cは、直列に複数の低電圧DC/ACコンバータに分割された高電圧DC/ACコンバータを示す。
図3D図3A-3Iは、図1に示されるバッテリ電気自動車のための従来の高電圧パワーエレクトロニクス回路の知的モジュール式表現として、本開示の実施形態によるパワーエレクトロニクス回路を示す、概略図を図示する。図3Dは、個々のバッテリモジュール内に統合された個々の低電圧DC/ACコンバータを示す。
図3E図3A-3Iは、図1に示されるバッテリ電気自動車のための従来の高電圧パワーエレクトロニクス回路の知的モジュール式表現として、本開示の実施形態によるパワーエレクトロニクス回路を示す、概略図を図示する。図3Eは、制動力の突入を断続的に貯蔵するための個々のバッテリモジュール内に統合されたウルトラまたはスーパーキャパシタを示す。
図3F図3A-3Iは、図1に示されるバッテリ電気自動車のための従来の高電圧パワーエレクトロニクス回路の知的モジュール式表現として、本開示の実施形態によるパワーエレクトロニクス回路を示す、概略図を図示する。図3Fは、バッテリ管理または制御システム、低電圧コンバータ、およびウルトラキャパシタと統合された低電圧知的バッテリモジュールの直列接続を備える、高電圧知的モジュール式ACバッテリパックを示す。
図3G図3A-3Iは、図1に示されるバッテリ電気自動車のための従来の高電圧パワーエレクトロニクス回路の知的モジュール式表現として、本開示の実施形態によるパワーエレクトロニクス回路を示す、概略図を図示する。図3Gおよび3Hは、パワーエレクトロニクス回路から除去されたDC/DCコンバータを示す。
図3H図3A-3Iは、図1に示されるバッテリ電気自動車のための従来の高電圧パワーエレクトロニクス回路の知的モジュール式表現として、本開示の実施形態によるパワーエレクトロニクス回路を示す、概略図を図示する。図3Gおよび3Hは、パワーエレクトロニクス回路から除去されたDC/DCコンバータを示す。
図3I図3A-3Iは、図1に示されるバッテリ電気自動車のための従来の高電圧パワーエレクトロニクス回路の知的モジュール式表現として、本開示の実施形態によるパワーエレクトロニクス回路を示す、概略図を図示する。図3Iは、パワーエレクトロニクス回路から除去されたAC/DCコンバータ/充電器を示す。
【0018】
図4図4は、本開示の実施形態による、バッテリ管理および制御システム、低電圧コンバータ、およびウルトラキャパシタと統合されたバッテリを備える、知的バッテリモジュールの概念表現の斜視図を図示する。
【0019】
図5図5は、バッテリモジュール制御システム(またはローカル電子制御ユニット(ECU))およびマスタ制御システム(またはマスタECU)に結合された、本開示の実施形態による、知的バッテリモジュールの概略図を図示する。
【0020】
図6図6は、3相モータおよび単または3相グリッドまたは電源に結合するための充電結合部に結合された、本開示の実施形態による、複数の知的モジュール式ACバッテリパックの概略図を図示する。
【0021】
図7図7Aおよび7Bは、1つの知的バッテリモジュール(図7A)および各相で直列に接続された6つの知的バッテリモジュールを伴う知的モジュール式ACバッテリパックの1つの位相(図7B)に関する出力電圧の典型的波形のグラフを図示する。
【0022】
図8図8A、8B、8C、および8Dは、位相偏移キャリア技法の原理を示す、グラフを図示する。
【0023】
図9図9は、9レベル四象限ヒステリシスコントローラの電圧レベルセレクタの機能図の概略図を図示する。
【0024】
図10図10A、10B、および10Cは、9レベル四象限ヒステリシスコントローラの動作を示す、グラフを図示する。図10Aは、IREALとIREFとの間の差異として、電流制御誤差IERRORを図示する。図10Bは、モータ位相内の基準電流IREFおよび実際の電流IREALを図示する。図10Cは、コンバータ出力電圧VOUTを図示する。
【0025】
図11図11は、充電状態(SOC)平衡およびゼロ状態回転を伴う9レベル四象限ヒステリシス電流コントローラの機能図を図示する。
【0026】
図12図12は、知的バッテリモジュール回転コントローラの機能図を図示する。
【0027】
図13図13は、di/dt推定器の機能図を図示する。
【0028】
図14A図14Aおよび14Bは、-0VDC回転(図14A)および+0VDC回転(図14B)ブロックの機能図を図示する。
図14B図14Aおよび14Bは、-0VDC回転(図14A)および+0VDC回転(図14B)ブロックの機能図を図示する。
【0029】
図15A図15Aおよび15Bは、+1VDC回転(図15A)および-1VDC回転(図15B)ブロックの機能図を図示する。
図15B図15Aおよび15Bは、+1VDC回転(図15A)および-1VDC回転(図15B)ブロックの機能図を図示する。
【0030】
図16図16A、16B、16C、および16Dは、0VDC回転発生器(図16A)、1VDC回転発生器(図16B)、2VDC回転発生器(図16C)、および3VDC回転発生器(図16D)の機能図を図示する。
【0031】
図17図17は、充電状態(SOC)平衡のためのマスタECUへの全ての知的モジュールの集中接続の概略図を図示する。
【0032】
図18図18は、知的バッテリモジュール内の構造電力フロー管理のフロー図を図示する。
【0033】
図19図19は、知的バッテリモジュールのトポロジおよびノード1内の電流を示す、回路図を図示する。
【0034】
図20図20は、スーパーキャパシタモジュールがアクティブフィルタとして動作するときの知的バッテリモジュール内の電流のグラフを図示する。
【0035】
図21図21は、単相負荷に接続された単相知的バッテリパックを図示する。
【0036】
図22図22は、スイッチドリラクタンスモータに接続された3相知的バッテリパックを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0037】
類似構造または機能の要素が、概して、図の全体を通して例証的目的のために同様の参照番号によって表されることに留意されたい。また、図は、好ましい実施形態の説明を促進することのみを意図していることに留意されたい。
【0038】
以下の実施形態は、当業者が本開示の種々の実施形態を作製および使用することを可能にするように、詳細に説明される。他の実施形態が、本開示に基づいて明白となり、システム、プロセス、または変更が、本実施形態の範囲から逸脱することなく行われ得ることを理解されたい。
【0039】
本開示の実施形態は、改良されたバッテリ管理、モータ制御、エネルギー貯蔵、およびバッテリ充電を促進する、システムおよび方法を対象とする。したがって、本明細書で提供されるシステムおよび方法は、車両の電動化の真の可能性の実現を可能にし、回生制動、牽引、およびハンドリングを管理するための手段を用いて、バッテリ管理、充電、およびモータ制御を知的に統合する、パラダイム変化プラットフォームを提供する。
【0040】
本開示の例示的実施形態は、好ましくは、基礎的構成単位として、ピアツーピア通信能力を伴うネットワーク化された低電圧コンバータ/コントローラ、組み込みウルトラキャパシタ、バッテリ管理システム、および個々のセルの直列に接続されたセットの統合された組み合わせを備える、カスケード型アーキテクチャを有する、統一モジュール式バッテリパックシステムを対象とする。そのような知的バッテリモジュールの相互接続されたアセンブリが、効果的に、スマート電気「ニューラルネットワーク」および(1)充電システム、(2)バッテリ管理モジュール、(3)DC-DCコンバータ、および(4)モータコントローラの代替品になる。
【0041】
本モジュール式スマートバッテリパックシステムは、従来のEVモータおよびドライブトレインと組み合わせ可能であるだけではなく、将来のEVでの使用のために開発されている新しいインホイールEVモータとも組み合わせ可能である。
【0042】
本明細書で提供される例示的実施形態では、電子機器は、温度センサおよびネットワーキングインターフェース論理と組み合わせられる、双方向マルチレベルコントローラに基づく。ある例示的実施形態では、双方向コントローラは、双方向マルチレベルヒステリシスコントローラである。
【0043】
図を詳細に参照すると、従来のパワーエレクトロニクス回路10および電気モータ70の簡略化された概略図が、図1に示される。図1に示されるように、パワーエレクトロニクス回路10は、典型的には、AC-DCコンバータを備える、充電器20と、充電器20に電気的に結合される、高電圧バッテリパック30と、高電圧バッテリパック30に電気的に結合される、DC-DCコンバータ40と、DC-DCコンバータ40に電気的に結合される、DC-ACコンバータ50と、DC-ACコンバータ50に電気的に結合される、電気モータ60とを含む。
【0044】
従来の高電圧バッテリパック30は、典型的には、低電圧バッテリモジュール32の直列チェーンで編成される(例えば、図3Aおよび3B参照)。各そのようなモジュール32はさらに、個々の低電圧セル34の直列に接続されたセットと、単純な組み込みバッテリ管理システム36とから成り、充電状態および電圧等の基本的セル関連特性を調整する(例えば、図3B参照)。より精巧な能力またはある形態のスマート相互接続性を伴う電子機器が、欠けている。結果として、任意の形態で個々のセル34あたりの電力の引き出しを調節する能力も存在していない。主要な結果のうちのいくつかは、(1)最も弱いセルが、バッテリパック全体の全体的性能を抑制すること、(2)任意のセルまたはモジュールの故障が、パック全体の交換の必要性につながること、(3)バッテリ信頼性および安全性が、著しく低減されること、(4)バッテリ寿命が、限定されること、(5)熱管理が、困難であること、(6)パックが、常に、最大能力を下回って動作すること、(7)回生制動由来の電力の急突入が、バッテリ内に容易に貯蔵されることができないことである。
【0045】
充電器20によって表されるもの等の従来の充電回路またはシステムが、通常、別個の内蔵システムで実現される。そのような充電システムは、EVの外側から来る電力(ACまたはDC信号)を段階分けし、それをDCに変換し、それをバッテリパック30に送給する。充電システムは、電圧および電流を監視し、典型的には、着実な一定の送給量を供給する。バッテリおよび典型的充電回路の設計を考慮すると、セル健全性、性能特性、温度等に基づいて、バッテリパック30の個々のバッテリモジュール32に充電フローを調整する能力は、ほとんどない。充電サイクルもまた、典型的には、充電システムおよびバッテリパック30および個々のモジュール32に、電荷伝達または達成可能な合計充電を最適化するであろうパルス充電または他の技法を可能にするための回路が欠けているため、長い。
【0046】
従来の制御は、EVの電気システムのバス電圧へのバッテリパック30の電圧レベルを調節するためのDC-DC変換段階(例えば、DC-DCコンバータ40参照)を含有する。モータ60等のモータが、ひいては、次いで、要求されるAC信号を電気モータ60に提供する、単純な2レベル多相コンバータ(例えば、DC-ACコンバータ50参照)によって駆動される。各モータは、従来的に、3相設計でモータを駆動する別個のコントローラによって制御される。デュアルモータEVが、2つのコントローラを要求するであろう一方で、4つのインホイールモータを使用するEVは、4つの個々のコントローラを要求するであろう。従来のコントローラ設計には、より多数の磁極片によって特徴付けられる、例えば、スイッチリラクタンスモータ(SRM)等の次世代モータを駆動する能力も欠けている。適合が、高相設計を要求し、システムをより複雑にし、最終的には、高いトルクリップルおよび音響雑音等の電気雑音および駆動性能に対処することをできなくさせるであろう。
【0047】
従来のEVの複雑なパワーエレクトロニクス回路10と対照的に、図2に図示されるような本明細書で提供される例示的実施形態は、充電システム20、バッテリ管理モジュール、DC-DCコンバータ40、およびモータコントローラ50を、スマート電気「ニューラルネットワーク」を効果的に提供する、知的またはスマートバッテリモジュール132の相互接続されたアセンブリを備える、知的またはスマートモジュール式ACバッテリパック130と置換する。
【0048】
図3A-3Iを参照すると、一連の概略図が、本開示の例示的実施形態による、知的バッテリモジュール132の相互接続されたアセンブリを備える、図2に示されるような知的またはスマートバッテリパック130への図1に示される従来のEVのための複雑な高電圧パワーエレクトロニクス回路10の簡略化を図示する。図3Aに示されるように、高電圧バッテリパック30は、それぞれ、図3Bに示されるように、低電圧バッテリセル34の直列接続と、統合型バッテリ管理および制御システム36とを備える、低電圧バッテリモジュール32の直列チェーンを備える。高電圧DC/ACコンバータ50は、図3Cに示されるように直列に接続された、複数の低電圧DC/ACコンバータ52に分割されることができる。個々の低電圧DC/ACコンバータ52はそれぞれ、図3Dに示されるように、スマートまたは知的バッテリモジュール132を形成するように、個々のバッテリモジュール内に統合されることができる。制動力の突入を断続的に貯蔵するために、図3Eは、個々の知的バッテリモジュール132内に統合されたウルトラキャパシタ38を示す(例えば、図4も参照)。図3Fに描写されるように、高電圧知的バッテリパック130が、知的バッテリモジュール132の相互接続されたアセンブリを備える。図3Gおよび3Hに示されるように、高電圧知的バッテリパック130は、DC/DCコンバータ40の必要性を効果的に排除する。図3Hおよび3Iに示されるように、効果的に知的モジュール式ACバッテリパック130である、高電圧知的バッテリパック130は、AC/DCコンバータ/充電器20の必要性を効果的に排除する。
【0049】
(知的バッテリモジュールアーキテクチャ)
図4および5は、それぞれ、スーパーキャパシタ(またはウルトラキャプ)を使用する回生制動/加速能力を伴う知的バッテリモジュール132の斜視図および略図を示す。これは、3つの主要な構成要素、すなわち、BMS36を伴うバッテリ32と、スーパーキャパシタバンクCSCおよび結合インダクタLCを伴う、MOSFETトランジスタ(MOSFET)S1およびS2に基づく双方向DC-DCコンバータを伴うスーパーキャパシタモジュール38と、4つのMOSFET S3-S6を伴う四象限Hブリッジトポロジに基づく出力コンバータ52とを有する。図5に示されるように、知的バッテリモジュール132は、バッテリモジュール制御システム200(またはローカル電子制御ユニット(ECU))およびマスタ制御システム210(またはマスタECU)に結合される。
【0050】
(動作のACiバッテリパック原理)
図6は、モータ60に接続され、各位相で直列に接続されたN個の知的バッテリモジュールを備える、3相ACiバッテリパック(130A、130B、130C)のトポロジを描写する。図5および6内の各知的バッテリモジュールは、4つのスイッチS、S、S、およびSの異なる組み合わせによって、(バッテリの)DC電圧VDCをAC出力に接続することによって、3つの異なる電圧出力、すなわち、+Vdc、0、および-Vdcを生成することができる。+Vdcを取得するために、スイッチSおよびSが、オンにされる一方で、-Vdcは、スイッチSおよびSをオンにすることによって取得されることができる。SおよびSまたはSおよびSをオンにすることによって、出力電圧は、0となる。異なる出力コンバータレベルのそれぞれのAC出力は、合成された電圧波形が、インバータ出力の総和であるように、直列に接続される。ACiバッテリパック内の出力位相電圧レベルの数mは、m=2s+1によって定義され、sは、知的バッテリモジュールの数である。各位相で直列に接続された6つの知的バッテリモジュールを伴うパルス幅変調(PWM)で変調された13レベルACiバッテリパックに関する例示的相電圧波形が、図7Bに提示され、知的バッテリモジュール132のうちの1つの出力電圧が、図7Aに示される。
【0051】
ACiバッテリパックはまた、知的バッテリモジュール132のバッテリのための整流器/充電器としての役割を果たすこともできる一方で、車両は、図6に示されるように、AC供給部に接続される。
【0052】
各知的バッテリモジュール132内の出力コンバータ152のスイッチS÷Sのための切替信号S÷S図5および6参照)は、採用された制御ハードウェアの柔軟性および要求に応じて、異なる方法で生成され得る。1つのアプローチは、空間ベクトル変調または正弦PWMを使用し、知的バッテリモジュール132の位相毎に基準電圧を生成することである。知的バッテリモジュールの出力コンバータ毎の切替信号が、次いで、位相偏移キャリア技法を使用して生成され得る。本技法は、セルが、連続的に回転され、電力が、それらの間で等しく分配されることを確実にする。
【0053】
(ACiバッテリパック内の出力電圧の変調-マルチレベルPWM変調)
位相偏移技法の原理は、増分的に偏移された2レベル波形を使用して、マルチレベル出力PWMを生成することである。したがって、NレベルPWM波形が、N-1個の2レベルPWM波形の総和によって生成される。これらの2レベル波形は、基準波形を360°/(N-1)だけ増分的に偏移される三角形キャリアと比較することによって、生成される。9レベル実施例が、図8Aに示される。キャリアは、360°/(9-1)=45°だけ増分的に偏移され、基準波形と比較される。結果として生じた2レベルPWM波形が、図8Cに示される。これらの2レベル波形は、各知的バッテリモジュール内の出力コンバータ(Hブリッジ)MOSFETのためのゲート信号として使用され得る。4つのHブリッジを備える、我々の9レベル実施例に関して、0°信号が、Sに使用され、180°信号が、第1のモジュールのSに使用され、45°信号が、Sに使用され、225°信号が、第2のモジュールのSに使用される等となる。全てのHブリッジでは、Sのための信号は、Sを補完し、Sのための信号は、各区間の貫通を回避するように、ある不感時間とともにSを補完することに留意されたい。
【0054】
変調を実装するために使用されるハードウェアのリソースおよび限界に応じて、代替物は、最初の(N-1)/2個のキャリアとともに負の基準信号を生成することである。9レベル実施例が、図8Bに示される。この場合、0°~135°PWM信号が、Vrefを対応するキャリアと比較することによって生成され、180°~315°PWM信号が、-Vrefを0°~135°のキャリアと比較することによって生成される。しかしながら、後者の場合の比較の論理は、逆転されなければならない。
【0055】
状態機械デコーダ等の他の技法もまた、Hブリッジのためのゲート信号を生成するために使用されてもよい。
【0056】
(ACiバッテリパック内の出力電圧の変調-マルチレベルヒステリシス制御)
各知的バッテリモジュール内の出力コンバータのスイッチのための切替信号S÷S図5および6参照)を生成することへの別のアプローチは、マルチレベルヒステリシス制御技法である。本制御方法は、任意のタイプのモータと併用されることができ、特にスイッチドリラクタンスモータ(SRM)駆動のために非常に効率的である。
【0057】
マルチレベルヒステリシス制御は、3相ACiバッテリパックの3つの位相のうちの1つだけに関して、ここで説明される。PMSMモータの場合、3つのコントローラが、付加的循環電流低減ブロック(ここでは説明されていない)とともに使用される必要がある。SRMモータに関して、コントローラの数は、3を上回り得、循環電流低減ブロックの必要性がない。
【0058】
各位相で直列に接続された4つの知的バッテリモジュール132を備える、9レベルACiバッテリパック(図6参照)に関して、対応する出力電圧レベルを伴う出力コンバータのスイッチに関する全ての可能性として考えられる切替状態が、表1に提示される。奇数切替要素(MOSFET S およびS 、N=1、2、3、4は、知的バッテリモジュールの数である)に関する切替状態のみが、本表に提示される。実際、フィルタリングキャパシタC の短絡を回避するために、出力Hブリッジコンバータのハーフブリッジ内の1つだけのスイッチが、任意の瞬時においてオン(伝導モード)であり得る。したがって、偶数切替要素(MOSFET S およびS 、N=1、2、3、4は、知的バッテリモジュールの数である)のための制御信号は、同一のハーフブリッジの奇数切替要素の状態を逆転することによって、容易に取得されることができる。例えば、S =1およびS =0である場合には、S =0およびS =1である。
【表1-1】

【表1-2】
【0059】
ゼロ出力電圧0VDCが、全てのセルが同時にゼロ状態において動作する場合に確実にされることができる。これは、両方の上側スイッチまたは両方の下側スイッチのいずれかをオンに切り替えることによって、バッテリを迂回することによって取得されることができる。例えば、知的バッテリモジュール1に関して、S =1、S =1、S =0、S =0、またはS =0、S =0、S =1、S =1である。
【0060】
電圧レベル-3VDCおよび+3VDCが両方とも、4つの種々の組み合わせ、すなわち、±3VDC1、±3VDC2、±3VDC3、±3VDC4を使用して、取得されることができ、最後の指数は、ゼロ状態において動作し、出力ゼロ電圧を提供する、知的バッテリモジュールの数に対応する。ひいては、各ゼロ状態が、切替の2つの上記に述べられる組み合わせを使用して、コード化されることができる。したがって、±3VDC出力電圧レベルを設定することの8つの可能性として考えられる組み合わせが存在する。
【0061】
同様に、電圧レベル-2VDCおよび+2VDCが両方とも、ゼロ状態電圧において動作する2つの知的バッテリモジュールに応じて、5つの異なる組み合わせ、すなわち、±2VDC12、±2VDC13、±2VDC14、±2VDC23、±2VDC24によって設定されることができる。ゼロ状態を提供することの二重の可能性を考慮して、±2VDCに関する可能性として考えられる組み合わせの総数は、10に等しい。
【0062】
電圧レベル-1VDCおよび+1VDCが両方とも、4つの種々の組み合わせ、すなわち、±1VDC1、±1VDC2、±1VDC3、±1VDC4を使用して、取得されることができる。最後の指数は、±1VDCレベルにおいて動作する知的バッテリモジュールの数に対応する。再度、各ゼロ状態が、二重に取得される。したがって、±3VDCレベルに関するように、±1VDC出力電圧レベルを提供することの8つの可能性として考えられる組み合わせが存在する。
【0063】
最終的に、最大電圧レベル-4VDCおよび+4VDCが、同相の全ての知的バッテリモジュールが同時に動作しているときに、コンバータの位相の出力において提供されることができる。したがって、これらの場合毎に切替状態の1つだけの利用可能な組み合わせが存在する。
ヒステリシス制御における電圧レベルの選択
【0064】
前述で、9レベルACiバッテリパックの全電圧レベルが、4つの知的バッテリモジュール142の出力コンバータの異なる切替の組み合わせによって取得され得る方法が解説された。しかし、マルチレベルヒステリシスコントローラにとって最も有意なタスクは、電流フィードバック(モータ位相)信号IREALに基づく、コンバータ動作の任意の瞬間における適切な出力電圧レベルの識別である。
【0065】
電圧レベルセレクタ300のブロック図が、図9に提示される。電圧レベルセレクタは、2つの総和ブロックSum1 301およびSum2 307と、5つのヒステリシスブロック302、303、304、305、および306と、電圧レベル決定のための1つのルックアップテーブルとを備える。実際のフィードバック電流信号IREALが、基準電流IREFから減算され、それらの差異としての電流誤差信号IERRORが、5つ全てのヒステリシスブロックの入力となる。これらのブロックはそれぞれ、表2に提示されるような高(HB)および低(LB)境界閾値の異なる設定を有し、ΔIは、最大許容電流誤差の事前設定値である。IERRORが、ヒステリシスブロックの対応する高境界(HB)に到達するとき、その出力値は、「1」に設定され、IERRORがその低境界(LB)を横断するまで本レベルに留まる。これは、ヒステリシスブロックの出力において「0」を設定し、出力は、IERRORが再びHBに到達するまで本レベルで維持される。したがって、5つのヒステリシスブロックの低および高境界が、(表2に示されるような)-ΔI~+ΔIの間の範囲内で分配される場合には、Sum2の出力は、IERROR値に応じて、1から6まで変動するであろう。図9に提示されるルックアップテーブル308が、ヒステリシスブロックの合計状態値(Sum2の出力)に基づき、実際の(または基準)電流導関数di/dtの符号を考慮して、要求される出力電圧レベルの決定に使用される。下記に議論されるように、di/dtの符号が、Sum2が6の値に到達する瞬時に正として決定されることができ、Sum2が1に等しくなるときに、負の1に変更されるであろう。
【表2】
【0066】
(9レベル四象限ヒステリシス制御における電圧レベル間の切替)
9レベルACiバッテリパック動作の1つの位相に関する9レベル四象限ヒステリシス制御技法における電圧レベル間の切替の主要な原理の詳細な説明が、下記に提示される。
【0067】
図10Bでは、モータ位相内の基準電流IREF(赤色トレース)および実際の電流IREAL(青色トレース)が、IREF-ΔIとIREF+ΔIとの間に等しく分配され、相互からΔI/5だけ分離される(緑色トレース)、5つの正(HB1÷HB5)および5つの負(LB1÷LB5)のヒステリシス境界(表2および図10Aも参照)とともに提示される。IREALとIREFとの間の差異としての電流制御誤差IERROR、およびコンバータ出力電圧VOUTが、それぞれ、図10(a)および10(c)に提示される。
【0068】
(23.06ミリ秒からの)考慮された時間窓内のVOUTの初期ステータスが、+4VDC(VDC=80Vである)において制御システムによって前もって設定された。本電圧レベルにおいて、電流IREALは、上昇しており、IERRORが、点A(図10(a)のレベル-ΔI/5)において第1のヒステリシス境界LB1に達するとき、第1のヒステリシスブロックの出力状態は、「1」から「0」に変更され、故に、Sum2ブロックの出力における総和は、「6」から「5」まで1だけ低減される(図9)。そして、di/dt>0に関する図9のテーブルによると、電圧VOUTは、+3VDCになる。
【0069】
考慮された時間窓の開始から時間t1(図10C)まで、電流IREFは、正のdi/dt値を有し、ヒステリシスコントローラは、図10Cのルックアップテーブルの第2列に提示される電圧レベルとともに動作するものとする(di/dt>0)。t1から開始して、電流IREFのdi/dt符号は、負であるが、ヒステリシスコントローラは、IERRORが第5のヒステリシス境界LB5およびSum2=1に達する時間t2まで、正のdi/dtに関して動作したままである。本事象は、ヒステリシスコントローラの動作をdi/dt<0に関するテーブルの第1列に切り替えるであろう。換言すると、di/dtの符号は、Sum2が「1」の値に到達する瞬間(t2)に負として決定されることができる(Sum2が「6」に等しくなるときに、正に変更されるであろう)。本論理は、本書の次の節に説明されるように提示されるであろう、di/dt推定器ブロックで実装される。
【0070】
OUTが、その最大負レベル-4VDCにある間に、電流IREALは、降下しており(図10(b))、図10(a)の第1のヒステリシス境界HB1に対応する点Fに達するとき、第1のヒステリシスブロックの出力状態は、「0」から「1」に変更され、故に、Sum2の出力における総和は、「1」から「2」まで1だけ増加される(図9)。そして、di/dt<0に関する図9のルックアップテーブルによると、電圧VOUTは、-3VDCになる。点Gにおいて、IREALおよびIERRORがHB2に到達するとき、Sum2は、再びインクリメントされ、VOUTは、-2VDCになる。
【0071】
本明細書で提供されるヒステリシス制御方法では、最大電流誤差ΔIは、基準電流IREFのdi/dt値が符号を変化させる時点のみに生じる。これらの臨界点を超えて、本方法は、負荷の所与のパラメータにおいて可能な限り速くΔI/5における電流誤差IERRORを最小限にするような方法で稼働する。
【0072】
(全体的方法の説明)
充電状態平衡およびゼロ状態回転を伴う9レベル四象限ヒステリシス電流コントローラ500の一般化された機能図が、図11に提示される。これは、以前に説明されたように機能する、切替段階セレクタ300を含む。図9のSum2の出力信号は、図11では「レベル」と名付けられる。本信号は、知的バッテリモジュールの出力コンバータの適切な出力電圧レベルを選択するために本方法でさらに使用される、9レベルヒステリシスコントローラの一般的レベルに関する数値(1から6まで)を表す。
【0073】
図9のルックアップテーブルによると、di/dt符号の知識が、適切な出力電圧レベルを選定するために要求される。以前に述べられたように、di/dt符号は、「レベル」が「1」の値に到達する瞬間に負として決定されることができ、「レベル」が「6」に等しくなるときに、正に変更されるであろう。本論理は、図13に示されるdi/dt推定器ブロックで実装される。推定器ブロックは、2つのデジタルコンパレータ(Comp1およびComp2)と、RSフリップフロップ要素とを備える。両方のコンパレータは、「レベル」信号が「6」(Comp1)および「1」(Comp2)に等しい瞬間に、「偽」から「真」への遷移パルスを提供する。これらの立ち上がりエッジは、それに応じてその出力状態を変化させ、di/dt>0であるときに、その非反転出力Qにおいて「真」信号、di/dt<0であるときに「偽」信号を提供する、RSフリップフロップによって検出される。
【0074】
以前に述べられ、表1に提示されたように、全ての知的バッテリモジュールが最大正または負出力電圧を提供することに関与するときに、±4VDCを除く、9レベルACiバッテリパックの電圧レベル毎に利用可能な多くの切替状態が存在する。したがって、ヒステリシス「レベル」およびdi/dtの符号が既知のパラメータであることを考慮して、モータの電流を制御して解決されなければならない、以下の主要なタスクが存在する。
1)各知的バッテリモジュールの充電状態(SOC)に基づいて、要求される出力電圧レベルおよび出力電流の調整を提供するように、ある時間周期にわたって繰り返し切り替えられる必要がある、知的バッテリモジュールの識別。本識別方法論は、ACiバッテリパックの動作の間に充電状態の平衡を確実にする必要がある。これが提供されるとき、バッテリ内に貯蔵される、またはモータから、またはそこに伝達されるエネルギーは、全ての知的バッテリモジュールの間で等しく分配される。これは、各セルが、それらの動作体制に基づく半導体スイッチの具体的温度プロファイルのために設計される必要がある、ACiバッテリパックの正しい動作の必要な条件である。本タスクは、本明細書で提供される方法におけるSOC平衡ブロック(図11参照)によって実施され、本ブロックの主要構成要素としての知的バッテリモジュール回転コントローラ600の機能図が、図12に提示される。
2)SOC平衡ブロックによって識別される知的バッテリモジュールに関して、ゼロ切替状態の回転。本回転は、動作中の具体的モジュール内のスイッチの間のエネルギーの分布を提供する。表1に示されるように、知的バッテリモジュールの出力においてゼロ電圧を提供するための切替の2つの可能性として考えられる組み合わせが存在する。回転方法論は、使用されるスイッチを交代させ、セルの1つおきの正または負の動作レベルとともにゼロ電圧を提供する。実際、本書の次の節に示されるであろうように、本回転は、知的バッテリモジュールおよびACiバッテリパック全体の出力電圧周波数と比較して、スイッチのスイッチング周波数を2倍低減させる。図16A、16B、16C、および16Dに提示される、0VDCから3VDCまでの出力電圧の異なるレベルに関して、本明細書で提供される方法では、4つの回転発生器ブロック1001、1002、1003、および1004が存在する。
【0075】
図16A、16B、16C、および16Dの4つの回転発生器はそれぞれ、4つのデジタルコンパレータと、1つの反転要素と、4つの論理要素ANDと、2つのSRフリップフロップラッチ1およびラッチ2と、2による2つの分周器とを備える。全ての回転発生器ブロックの構造および動作原理は、同一であり、差異は、デジタルコンパレータの事前設定値のみにある。0VDC回転発生器では、di/dt推定器出力からの「di/dt」信号が、「真」であるとき、コンパレータComp1は、「レベル」信号が出力電圧レベルの+1VDCに対応する「3」に等しいときに、SRフリップフロップラッチ1出力を「真」に設定するであろう。正のdi/dtにおける別のコンパレータComp2は、「レベル」信号が出力電圧レベルの+0VDCに対応する「2」に等しいときに、ラッチ2をリセットするであろう。換言すると、ラッチ1の出力における高レベルのパルス列が、9レベルコンバータの出力における+1VDC電圧に対応するであろう一方で、そのゼロレベルは、+0VDC電圧レベルを示すであろう(+0は、0VDCレベルが+VDCレベルの後および/または前に続いていることを示す)。最終的に、回路は、分周器ブロックを含み、論理要素ANDは、+1VDC出力電圧レベルにおいて起こり、+0VDCから+1VDCまでの第2の遷移が起こるまで本「真」信号を維持する、高レベルのラッチ1出力を伴って、出力信号Rot+0VDCを「真」に設定することを意図している。そのような出力信号Rot+0VDCは、+1VDC電圧レベルを提供する動作中に知的バッテリモジュールに関する2つの可能性として考えられるゼロ状態切替の組み合わせを交代させるために使用される。同一の動作論理が、-1VDC電圧レベルを提供する動作中に知的バッテリモジュールに関する2つのゼロ状態切替の組み合わせを交代させるように、同一の0VDC回転発生器によって生成される、Rot-0VDC信号の背後にある。
【0076】
マルチレベルヒステリシスコントローラのための本明細書で提供される知的バッテリモジュール回転コントローラ600およびSOC平衡ブロックが、さらに解説される。知的バッテリモジュール回転コントローラの詳細な機能図が、図12に提示される。本ブロックの入力は、1つの位相内の4つ全ての知的バッテリモジュールのバッテリ管理システム(BMS)からの測定された充電状態SOC1、SOC2、SOC3、およびSOC4である。出力信号は、以下のように分配される、すなわち、SOCmin<SOCrot4<SOCrot3<SOCmaxである、最大充電状態SOCmax、最小充電状態SOCmin、次いで、SOCrot3およびSOCrot4を伴う、知的バッテリモジュールの数(1から4まで)である。始めに、SOC1およびSOC2が、相互と比較され、それらの差異ΔSOC12が、ヒステリシスブロックHyst1の正または負の閾値よりも高い、または低い場合には、本ブロックの出力は、それぞれ、「1」または「0」に設定され、そうでなければ、出力においてその前もって設定された値を維持する。本閾値は、フィードバック信号内のあるレベルの雑音を無視することに役立ち、知的バッテリモジュールの回転が起こるべき頻度を調整する。Hyst1出力信号に基づいて、スイッチ1は、より高いSOCを伴う知的バッテリモジュールの数(1または2)を選定し、スイッチ5は、その対応するSOC値をSum3にパスし、これは、それを、同一の比較技法を経るSOC3およびSOC4の最低充電状態と比較する。したがって、知的バッテリモジュール回転コントローラの出力において、知的バッテリモジュール番号が、SOCmin<SOCrot4<SOCrot3<SOCmaxとして、それらのSOCに従って分配される。回転ブロックに進む前に、信号SOCmaxおよびSOCminは、基準電流IREFの符号を考慮して、SOC平衡ブロック(図11参照)内でSOCrot1およびSOCrot2に再び割り当てられる。電流IREFが、知的バッテリモジュールからモータまでのエネルギー伝達に対応する正である場合には、最大SOCを伴う知的バッテリモジュールが、(同時ではないが)全ての正出力電圧レベルの回転に関与する。これは、正出力電圧および正負荷電流において、知的バッテリモジュールからモータまで、エネルギーが伝達されるための1つの方法のみが存在するため、最大SOCを伴う本知的バッテリモジュールのより速い放電を引き起こすであろう。同時に、正出力電流(またはIREF)において、最小SOCを伴う知的バッテリモジュールは、負出力電圧レベルのみを提供することに関与し、可能な限り早くそのバッテリの電圧を充電する必要がある。それは、正負荷電流であるが、出力コンバータの負出力電圧において、モータからバッテリまでのエネルギー伝達のための1つだけの方向が存在するためである。
【0077】
0VDC回転および1VDC回転ブロックが、それぞれ、図14A、14B、15A、および15Bに提示される。最初に、+0VDC回転を説明する。本ブロックは、知的バッテリモジュール平衡ブロックSOCrot1からの1つの制御信号、および0VDC回転発生器からの1つの信号Rot+0VDCを受信し、+0VDC出力電圧のための9レベルACiバッテリパックの切替要素のための制御信号を提供し、+0は、0VDCレベルが+VDCレベルの後および/または前に続いていることを意味する。マルチプレクサスイッチ1は、+VDC出力レベルを提供する際に同時に動作している知的バッテリモジュールを示す、入力信号SOCrot1に基づいて、切替信号の4つの異なる組み合わせのうちの1つを選定する。これは、ゼロ切替状態の回転が、(SOCrot1番号を伴って)本具体的知的バッテリモジュールのために実施される必要があることを意味する。入力信号Rot+0VDCは、同一の知的バッテリモジュールに関する2つの可能性として考えられるゼロ状態[11]と[00]との間の切替のシーケンスを制御する。
【0078】
ブロック+1VDC回転は、より複雑な構造を有する。1VDC回転発生器ブロックから生じる制御信号Rot+1VDCの他に、これは、SOC平衡ブロックから2つの制御信号SOCrot1およびSOCrot3を受信する。第1の信号SOC1rotは、その番号が本信号によって規定される、知的バッテリモジュールの出力における正電圧を設定するために、マルチプレクサスイッチ1によって使用される。これは、その知的バッテリモジュールに関する切替の組み合わせ[10]を提供することによって行われることができる。全ての他の3つの知的バッテリモジュールは、ゼロ切替状態を提供する必要がある。コンバータの出力において、電圧が、+0VDC~+1VDCの間で変化している場合には、信号Rot+1VDCは、常に、「真」であり、他の3つのセルに関してゼロ切替状態の回転が存在しない。出力電圧が、+1VDC~+2VDCの間で変動している場合には、ゼロ状態の回転が、+2VDCレベルの生成に関与する1つだけの具体的知的バッテリモジュールのために実施される必要がある。入力信号Rot+1VDCは、その知的バッテリモジュールに関する2つの可能性として考えられるゼロ状態[11]と[00]との間の切替のシーケンスを制御する。
【0079】
同一の動作原理が、SOCrot1の代わりに入力信号SOCrot2およびRot+1VDCの代わりにRot-1VDCの差異のみを伴って、-0VDC回転および-1VDC回転に関して有効である。+2DCおよび-2VDCレベルの両方において動作するセルの数を示す、SOCrot3信号は、正の回転ブロックに関して同一のままである。
【0080】
ブロック+2VDC回転および+3VDC回転は、4つの入力信号を伴う複雑な構造を有し、それらのうちの3つ、すなわち、SOCrot1、SOCrot2、およびSOCrot3は、SOC平衡ブロックから生じており、1つの信号が、2VDC回転発生器からであるか、または3VDC回転発生器が、具体的知的バッテリモジュールに関するゼロ切替状態間の変化のシーケンスを制御することを意図しているかのいずれかである。
【0081】
マルチレベルヒステリシス制御に関する詳細な議論が、2017年6月12日に出願された米国仮出願第62/518331号、および2017年6月16日に出願された米国仮出願第62/521227号で提供され、その出願は、完全に記載された場合のように、参照することによって組み込まれる。
【0082】
(ローカルおよびマスタECU機能)
知的バッテリモジュール132動作(図5参照)を管理する、パワーエレクトロニクスコンバータおよびローカルECU200が、充電状態(SOC)推定器を利用することを通して稼働し、バッテリの初期SOCを測定する。マスタ制御システム(ECU)210が、図17に描写されるように(図5も参照)、全ての知的バッテリモジュールの本初期SOCデータを受信し、それらを分類する。
【0083】
マルチレベルヒステリシスコントローラのためのSOC平衡技法が、上記に説明された。マルチレベルPWMに関して、本平衡方法論は、以下の通りであり、すなわち、全てのバッテリが放電前に平衡を保たれていると仮定し、ACiバッテリパックが完全に充電されるときに、最も強いバッテリが、最高初期SOCを伴うものであり、最も弱いバッテリが、最低初期SOCを伴うものである。
【0084】
本データに応じて、マスタECU210は、そのバッテリ容量に基づいて、各個々の知的バッテリモジュールの適切な動作のために必要である、対応する切替信号アレイを算出する。換言すると、モジュールの充電状態の平衡を保つために、各モジュールのSOCは、以下のように計算され得る、合計SOCと比較されるべきである。
【化1】

式中、SOCおよびQは、i番目の知的バッテリモジュールのバッテリの個々のSOCおよび容量であり、差異は、PIコントローラとともに、各モジュールの変調指数(M)を制御するために使用されてもよい。モジュールが充電しているとき、この場合、より高いSOCを伴うモジュールが、他のモジュールと比較して少ないエネルギーを受容することが予期されるため、SOC差の影響の方向が逆転されなければならないことに留意されたい。
【0085】
知的バッテリモジュール132のローカル制御システムは、本情報を入手し、したがって、本システムの個々のDC電流(IDC1、IDC2…IDCN)およびDCバス電圧(バッテリ電圧VB1、VB2…VBN)を決定する知的バッテリモジュール毎に異なる切替信号アレイS1…Nが存在している。このように、電力管理が、動作し、内蔵パワーエレクトロニクスユニットが、各知的バッテリモジュールの出力電力を自律的に管理する。全てのバッテリのSOCが、特定の時間において収束するように、最も強いバッテリが、最も高い電流を搬送し、最も弱いバッテリが、最も少ない電流を搬送する。
【0086】
(スーパーキャパシタモジュール)
知的バッテリモジュール132(図5)のスーパーキャパシタモジュール38は、主要バッテリ32および出力コンバータ52と並列に接続される。加速の間に、キャパシタ電圧は、完全充電(50Vdc)からその公称電圧の約3分の1(17Vdc)まで放電することを可能にされ、それが11kWの有用なエネルギーを送達することを可能にする。本エネルギー量は、30個の知的バッテリモジュールがACiバッテリパック内に設置される場合、1つの知的バッテリモジュールから5秒の間に2.2kWの電力および合計66kWを取り込むことを可能にし、これは、バッテリ寿命への損害がない良好な加速のために十分な電力および時間である。減速(回生制動)の間に、エネルギーは、類似する方法で回収され、スーパーキャパシタを再び充電する。
【0087】
車両が、加速するとき、バッテリは、モータが必要とする電流の量を送達する。本電流が、バッテリに関する電流限界を超える場合には、スーパーキャパシタが、差異を提供する。回生制動動作は、類似する。この場合、モータは、回収されたエネルギーをバッテリの中に送達する発電機として稼働するが、注入される電流が、限界を超える場合には、DC-DCコンバータが、過剰分をスーパーキャパシタの中に注入する。
【0088】
DC-DCコンバータは、2つの方法、すなわち、スーパーキャパシタを放電する加速に使用されるブースト動作、およびスーパーキャパシタを放電する減速(回生制動)に使用されるバック動作で、稼働する。ブースト動作(加速)の間に、MOSFET Sは、要求されるエネルギー量をキャパシタからバッテリパックに伝達するように、制御されたデューティサイクルDにおいてオンおよびオフに切り替えられる。Sがオンであるとき、エネルギーが、スーパーキャパシタから取り込まれ、インダクタL内に貯蔵される。Sがオフに切り替えられるとき、Lに貯蔵されたエネルギーは、Cの中に、Sを通して、次いで、モータおよび/またはバッテリの中に伝達される。バック動作の間に、コンバータは、エネルギーをバッテリからスーパーキャパシタに導入する。その動作は、S上の制御された動作を用いて遂行される。Sがオンに切り替えられるとき、エネルギーは、バッテリからスーパーキャパシタまで進み、Lは、本エネルギーの一部を貯蔵する。Sがオフに切り替えられるとき、Lに貯蔵された残留エネルギーは、Sのダイオードを通してスーパーキャパシタの内側で伝達される。
【0089】
一次エネルギー源としてのバッテリは、最高エネルギー含有量を伴うものであり、したがって、モータによって必要とされる平均電力を供給するべきである。スーパーキャパシタは、二次エネルギー源であり、瞬時負荷電力ピークを提供/吸収することによってバッテリを支援する。
【0090】
2つの源とモータとの間の電力フロー管理の冗長構造が、図18に表される。これは、各源の電気特性(端子電圧および電流)と負荷の電気特性との間の完全な分断を可能にするため、他の電力制御方法の間で利点を有する。電力フローコントローラ1が、知的バッテリモジュールのローカルECUから基準バッテリ電力フローPBATT,REFの信号を受信する。本信号は、モータ電力PiBATTERY要件および個々の知的バッテリモジュールのバッテリのSOCに基づいて、マスタECU内に位置する主要電力管理コントローラによって決定される。電力フローコントローラ1は、最大許容バッテリ充電/放電電流を推定し、実際の許容バッテリ電力フローPBATTを計算する。本信号は、PiBATTERYと比較され、それらの差異が、信号PSC,REFとして電力フローコントローラ2に印加される。本コントローラは、スーパーキャパシタ電圧VSCに基づいてISCM電流を計算し、スーパーキャパシタモジュールのバック/ブーストコンバータのための切替信号SおよびSを決定し、その基本的動作原理は、上記に説明される。したがって、PiBATTERYフローが、出力コンバータによって提供され、PBATTが、最大バッテリ電流および実際のSOCに基づいて推定され、PiBATTERYとPSCとの間の差異として確実にされ、最後のものは、スーパーキャパシタモジュールのコンバータによって管理される。
【0091】
スーパーキャパシタモジュールによって果たされる別の重要な機能は、単相システムの固有の脈動電力性質の結果として、出力コンバータのDC電流IDCに出現する、二次電流高調波のアクティブフィルタリングである。V(t)OUTおよびI(t)OUTを、知的バッテリモジュールの出力電圧および電流と見なすと、以下となる。
【化2】

知的バッテリモジュールの瞬時入出力電力平衡は、以下を生じる。
【化3】
【0092】
第1の定数項は、バッテリを充電/放電するために使用される平均電力を指す。
しかしながら、第2の発振項は、平均バッテリSOCに寄与しない。本成分は、統一性の変調指数におけるグリッド電流振幅の最大2倍に到達し得る、著しいピーク間値を有する。二次電流成分は、いくつかの不利点、例えば、結果として生じる電流RMS値およびバッテリ挙動の周期的変化に関連する内側バッテリ抵抗損失の増加を呈する。
【0093】
アクティブフィルタリング事例に関する主要な波形が、図20Aおよび20Bに示される。スーパーキャパシタは、バッテリ電流I内の二次高調波の排除を目指す、アクティブフィルタとして作用する。補償が開始する前に(瞬間t1の前に)、バッテリIの電流は、DC成分(I=130A)と、振幅I2AC=60Aを伴う二次成分とを含む。瞬間t1から開始して、スーパーキャパシタモジュールは、スーパーキャパシタ電流ISCを生成し始め、電流Iの二次高調波をスーパーキャパシタに再指向する(図20B参照)。本電流ISCは、IDC電流の二次高調波のものに等しい主要高調波の振幅を有する(図19参照)が、図20Aに示されるように、バッテリI内の結果として生じる電流が、DC成分のみ、またはいくつかの有意に低減されたACリップルを伴って大部分はDC成分のいずれかを含むような方法で、ほぼ反対の位相角を伴う。
【0094】
高いRPMにおいて、二次電流高調波が、フィルタリングキャパシタCによって有意に抑制され、スーパーキャパシタモジュールの動作が、要求されない。
【0095】
図21は、RL負荷として提示される、単相負荷に接続される単相9レベル四象限知的バッテリパックを示す。本システムは、住居または商用ビルのエネルギー貯蔵および中断可能電力供給システムに使用されることができる。
【0096】
図22は、3相スイッチドリラクタンスモータ(SRM)に接続される、3つの9レベル2象限単相知的バッテリパックを備える、3相知的バッテリパックを示す。マルチレベルヒステリシス電流コントローラおよび知的バッテリパックの使用は、SRMの効率および全体的性能を改良すること、およびトルクリップルおよび音響雑音の有意な低減を可能にする。
【0097】
前述の説明では、多数の具体的詳細が、本実施形態の徹底的な理解を提供するように挙げられる。しかしながら、本実施形態は、これらの具体的詳細を伴わずに実践され得ることが明白であろう。明確性を増加させるために、いくつかの周知の回路、システム構成、およびプロセスステップが、詳細に説明されない場合がある。他の事例では、構造およびデバイスが、本発明を曖昧にすることを回避するために、ブロック図形態で示される。
【0098】
本開示の実施形態を示す図面は、半図式的であり、一定の縮尺ではなく、特に、寸法のうちのいくつかは、提示を明確にするためのものであり、図面内で誇張されて示される。
【0099】
前述の説明内の「一実施形態」、「実施形態」、または「ある実施形態」の言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書内の種々の場所での語句「一実施形態では」の表出は、必ずしも全て同一の実施形態を指しているわけではない。
【0100】
発明を実施するための形態のいくつかの部分は、コンピュータメモリ内のデータビットへの動作のアルゴリズムおよびシンボル的表現の観点から提示される。これらのアルゴリズム的説明および表現は、データ処理分野の当業者によって、その研究内容を他の当業者に最も効果的に伝えるために使用される方法である。アルゴリズムが、ここでは、概して、所望の結果につながるステップの自己一致シーケンスであると見なされる。ステップは、物理的数量の物理的操作を要求するものである。必ずしもではないが、通常、これらの数量は、貯蔵される、伝達される、組み合わせられる、比較される、または別様に操作されることが可能な電気または磁気信号の形態をとる。これは、これらの信号をビット、値、要素、シンボル、文字、項、数字、または同等物として参照するために、主に一般的な使用の理由により、時として便宜的であることが証明されている。
【0101】
しかしながら、これらおよび類似用語は全て、適切な物理的数量と関連付けられるものであり、単に、これらの数量に適用される便宜的な標識にすぎないことを念頭に置かれたい。以下の開示から明白であるように別様に具体的に記述されない限り、本開示の全体を通して、「処理する」、「算出する」、「計算する」、「決定する」、「表示する」、または同等物等の用語は、コンピュータシステムのレジスタおよびメモリ内の物理的(電子)数量として表されるデータを操作し、コンピュータシステムのメモリまたはレジスタ、または他のそのような情報記憶、伝送、またはディスプレイデバイス内の物理的数量として同様に表される他のデータに変換する、コンピュータシステムまたは類似電子コンピューティングデバイスのアクションおよびプロセスを指すことを理解されたい。
【0102】
本実施形態はまた、本明細書の動作を実施するための装置にも関する。本装置は、要求される目的のために特別に構築されてもよい、またはそれは、コンピュータ内に記憶されたコンピュータプログラムによって選択的にアクティブ化または再構成される汎用コンピュータであってもよい。本実施形態は、完全にハードウェア実施形態、完全にソフトウェア実施形態、またはハードウェアおよびソフトウェア要素の両方を含む実施形態の形態をとってもよい。一実施形態では、本実施形態は、限定ではないが、ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード、またはプロセッサによる実行のための命令を記憶するための別の方法を含む、コンピュータ可読記憶媒体上に記憶された命令またはデータを備える、ソフトウェアで実装される。
【0103】
さらに、本実施形態は、コンピュータまたは任意の命令実行システムによる、またはそれと組み合わせた使用のためのプログラムコードを提供する、コンピュータ使用可能またはコンピュータ可読記憶媒体からアクセス可能なコンピュータプログラム製品の形態をとってもよい。本説明の目的のために、コンピュータ使用可能またはコンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスによる、またはそれと組み合わせた使用のためのプログラムを含有、記憶、または輸送し得る、任意の装置である。コンピュータ可読記憶媒体は、電子、磁気、光学、電磁、赤外線、または半導体システム(または装置またはデバイス)、または伝搬媒体であり得る。有形コンピュータ可読記憶媒体の実施例は、限定ではないが、半導体またはソリッドステートメモリ、磁気テープ、リムーバブルコンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、剛性磁気ディスク、光ディスク、EPROM、EEPROM、磁気カードまたは光学カード、または電子命令を記憶するために好適であり、それぞれ、コンピュータシステムバスに結合される、任意のタイプのコンピュータ可読記憶媒体を含む。光ディスクの実施例は、コンパクトディスク読取専用メモリ(CD-ROM)、読取/書込用コンパクトディスク(CD-R/W)、およびデジタルビデオディスク(DVD)を含む。
【0104】
本明細書に開示される実施形態が、メモリ、記憶装置、および/またはコンピュータ可読媒体を含む、またはそれと関連して動作する限りにおいて、そのメモリ、記憶装置、および/またはコンピュータ可読媒体は、非一過性である。故に、メモリ、記憶装置、および/またはコンピュータ可読媒体が、1つ以上の請求項によって網羅される限りにおいて、そのメモリ、記憶装置、および/またはコンピュータ可読媒体は、非一過性にすぎない。本明細書で使用されるような用語「非一過性」および「有形」は、伝搬電磁信号を除外する、メモリ、記憶装置、および/またはコンピュータ可読媒体を説明することを意図しているが、記憶の持続性の観点から、または別様に、メモリ、記憶装置、および/またはコンピュータ可読媒体のタイプを限定することを意図していない。例えば、「非一過性」および/または「有形」メモリ、記憶装置、および/またはコンピュータ可読媒体は、ランダムアクセス媒体(例えば、RAM、SRAM、DRAM、FRAM(登録商標)等)、読取専用媒体(例えば、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、フラッシュ等)、およびそれらの組み合わせ(例えば、ハイブリッドRAMおよびROM、NVRAM等)、およびそれらの以降に開発される変異型等の揮発性および不揮発性媒体を包含する。
【0105】
プログラムコードを記憶および/または実行するために好適なデータ処理システムは、システムバスを通してメモリ要素に直接または間接的に結合される、少なくとも1つのプロセッサを含む。メモリ要素は、プログラムコードの実際の実行の間に採用されるローカルメモリと、大容量記憶装置と、コードが実行の間に大容量記憶装置から読み出されなければならない回数を削減するために少なくともいくつかのプログラムコードの一時的記憶を提供する、キャッシュメモリとを含んでもよい。いくつかの実施形態では、入出力(I/O)デバイス(キーボード、ディスプレイ、ポインティングデバイス、またはデータを受信するように、またはデータを提示するように構成される他のデバイス等)が、直接、または介在I/Oコントローラを通してのいずれかで、システムに結合される。
【0106】
ネットワークアダプタもまた、介在私設または公衆ネットワークを通して、他のデータ処理システムまたは遠隔プリンタまたは記憶デバイスへの結合を可能にするように、データ処理システムに結合されてもよい。モデム、ケーブルモデム、およびイーサネット(登録商標)カードは、現在利用可能なタイプのネットワークアダプタの実施例にすぎない。
【0107】
最後に、本明細書に提示される方法および表示は、本質的にいずれの特定のコンピュータまたは他の装置にも関連しない。種々の汎用システムが、本明細書の教示に従ってプログラムと併用されてもよい、または要求される方法ステップを実施するように、より特殊な装置を構築することが便宜的であることが証明され得る。種々のこれらのシステムのための要求される構造が、下記の説明から表出するであろう。種々のプログラミング言語が、本明細書に説明されるような本発明の教示を実装するために使用され得ることを理解されたい。
【0108】
図および発明を実施するための形態は、例証のみとして、ある実施形態を説明する。当業者は、前述の説明から、本明細書に図示される構造および方法の代替実施形態が、本明細書に説明される原理から逸脱することなく採用され得ることを認識するであろう。ここで、いくつかの実施形態が詳細に参照され、その実施例が、付随する図に図示される。実践可能であれば、類似または同様の参照番号が、類似または同様の機能性を示すために図で使用され得ることに留意されたい。
【0109】
本開示の実施形態は、知的バッテリパックまたは知的バッテリパックのシステムの構成単位として使用される、知的バッテリ(iBattery)モジュールのためのコンバータバッテリモジュールアーキテクチャを対象とする。実施形態では、iBatteryモジュールは、バッテリユニットと、スーパーキャパシタまたはウルトラキャパシタモジュールユニットと、出力コンバータユニットとを備える。実施形態では、iBatteryモジュールのローカル制御ユニットは、限定ではないが、iBatteryモジュールの温度、電圧、および電流センサ、および同等物からのものを含む信号、半導体スイッチへおよびそこからのトリガおよび障害信号、バッテリユニットの基本セルおよびスーパーキャパシタモジュールの電圧を受容、処理、および伝送するように構成される。実施形態では、ローカル制御システムは、複数のiBatteryモジュールを備える、知的交流バッテリパック(ACi-バッテリパック)のマスタ制御ユニットとの通信、およびそこへおよびそこからの対応する制御信号の伝送を実施する。
【0110】
本開示の実施形態は、各位相でともに相互接続される2つ以上のiBatteryモジュールを備える、知的交流バッテリパック(ACi-バッテリパック)を対象とする。実施形態では、任意の形状および周波数の出力電圧が、個々のiBatteryモジュールの出力電圧の重畳として、ACi-バッテリパックの出力において生成されることができる。
【0111】
本開示の実施形態は、ACi-バッテリパックを制御し、SOCおよびACi-バッテリパック内のiBattery間の平衡を提供するためのマルチレベル電流ヒステリシス制御の方法を対象とする。実施形態では、本方法は、ACi-バッテリパック内の全てのiBatteryモジュールの間で電力共有を可能にする。実施形態では、全てのiBatteryモジュールの間の電力共有は、動作の間の全ての時間においてiBatteryのバッテリモジュールのSOCを平衡状態で保つために使用されることができ、これは、各モジュールの全容量が、容量の可能性として考えられる差異にかかわらず利用されることを確実にする。
【0112】
本開示の実施形態は、モータ車両および定常エネルギー貯蔵システムに関する、本明細書に説明されるプロセス、方法論、およびシステムを対象とする。
【0113】
本開示の実施形態は、シャーシと、シャーシに動作可能に結合される、3つ以上のホイールと、3つ以上のホイールに動作可能に結合される、1つ以上の電気モータと、1つ以上のモータに動作可能に結合される、1つ以上の知的モジュール式バッテリパックと、1つ以上のバッテリパックおよび1つ以上のモータに動作可能に結合される、制御システムとを有する、電気自動車を対象とする。
【0114】
実施形態では、シャーシは、ドライブトレインがない。実施形態では、1つ以上のモータは、インホイールモータである。
【0115】
実施形態では、1つ以上の知的モジュール式バッテリパックは、カスケード型アーキテクチャを有する。
【0116】
実施形態では、バッテリパックは、複数の相互接続された知的バッテリモジュールを備える。
【0117】
実施形態では、バッテリモジュールは、ピアツーピア通信能力を伴うネットワーク化された低電圧コンバータ/コントローラ、組み込みウルトラキャパシタまたはスーパーキャパシタ、バッテリ管理システム、および個々のセルの直列に接続されたセットの統合された組み合わせを備える。
【0118】
実施形態では、バッテリパックは、複数の相互接続された知的バッテリモジュールを備える、ニューラルネットワークを備える。
【0119】
実施形態では、バッテリモジュールは、BMSを伴うバッテリ、スーパーキャパシタモジュール、および出力コンバータの統合された組み合わせを備える。
【0120】
実施形態では、スーパーキャパシタモジュールは、双方向DC-DCコンバータと、スーパーキャパシタバンクとを含む。
【0121】
実施形態では、出力コンバータは、四象限Hブリッジを備える。
【0122】
実施形態では、制御システムは、双方向マルチレベルコントローラを備える。
【0123】
実施形態では、双方向マルチレベルコントローラは、双方向マルチレベルヒステリシスコントローラである。
【0124】
実施形態では、双方向マルチレベルコントローラは、温度センサおよびネットワーキングインターフェース論理と組み合わせられる。
【0125】
実施形態では、制御システムは、モジュール年数、熱的条件、および性能特性に基づいて、モジュールの個々の切替を通してバッテリ利用の平衡を保つように構成される。
【0126】
実施形態では、バッテリパックは、整流器/充電器動作に切替可能である。
【0127】
本開示の実施形態は、複数の相互接続された知的バッテリモジュールを備える、カスケード型アーキテクチャを備える、知的モジュール式バッテリパックを対象とする。
【0128】
実施形態では、バッテリモジュールは、ピアツーピア通信能力を伴うネットワーク化された低電圧コンバータ/コントローラ、組み込みウルトラキャパシタ、バッテリ管理システム、および個々のセルの直列に接続されたセットの統合された組み合わせを備える。
【0129】
実施形態では、相互接続された知的バッテリモジュールは、ニューラルネットワークを備える。
【0130】
実施形態では、バッテリモジュールは、BMSを伴うバッテリ、スーパーキャパシタモジュール、および出力コンバータの統合された組み合わせを備える。
【0131】
実施形態では、スーパーキャパシタモジュールは、双方向DC-DCコンバータと、スーパーキャパシタバンクとを含む。
【0132】
実施形態では、出力コンバータは、四象限Hブリッジを備える。
【0133】
本開示の実施形態は、ピアツーピア通信能力を伴う統合型低電圧コンバータ/コントローラ、組み込みウルトラキャパシタ、バッテリ管理システム、および個々のセルの複数の直列に接続されたセットを備える、知的バッテリモジュールを対象とする。
【0134】
本開示の実施形態は、統合型BMSを伴うバッテリと、バッテリに動作可能に結合される、スーパーキャパシタモジュールと、バッテリおよびスーパーキャパシタモジュールに動作可能に結合される、出力コンバータとを備える、知的バッテリモジュールを対象とする。
【0135】
実施形態では、スーパーキャパシタモジュールは、双方向DC-DCコンバータと、スーパーキャパシタバンクとを含む。
【0136】
実施形態では、出力コンバータは、四象限Hブリッジを備える。
【0137】
本明細書で提供される任意の実施形態に関して説明される全ての特徴、要素、構成要素、機能、およびステップは、任意の他の実施形態からのものと自由に組み合わせ可能かつ代用可能であることを意図している。ある特徴、要素、構成要素、機能、またはステップが、1つだけの実施形態に関して説明される場合には、その特徴、要素、構成要素、機能、またはステップが、別様に明示的に記述されない限り、本明細書に説明される全ての他の実施形態と併用され得ることを理解されたい。本段落は、したがって、以下の説明が、特定の事例において、そのような組み合わせまたは代用が可能であることを明示的に記述しない場合でさえも、随時、異なる実施形態からの特徴、要素、構成要素、機能、およびステップを組み合わせる、または1つの実施形態からの特徴、要素、構成要素、機能、およびステップを別の実施形態のものと代用する、請求項の導入のための先行基礎および書面による支持としての役割を果たす。全ての可能性として考えられる組み合わせおよび代用の明示的記載は、特に、ありとあらゆるそのような組み合わせおよび代用の許容性が、本説明を熟読することに応じて当業者によって容易に認識されるであろうことを前提として、過度に負担となる。
【0138】
多くの事例では、実体が、他の実体に結合されるものとして本明細書に説明される。用語「結合される」および「接続される」、またはそれらの形態のうちのいずれかが、本明細書では同義的に使用され、両方の場合に、いずれの無視できない、例えば、寄生介在実体も伴わない、2つの実体の直接結合、および1つ以上の無視できない介在実体との2つの実体の間接結合にとって一般的であることを理解されたい。実体がともに直接結合されるものとして示される、またはいずれの介在実体の説明も伴わずにともに結合されるものとして説明される場合、文脈が別様に明確に決定付けない限り、それらの実体は、ともに間接的にも結合され得ることを理解されたい。
【0139】
実施形態は、種々の修正および代替形態の影響を受け得るが、その具体的実施例が、図面に示されており、詳細に本明細書に説明される。しかしながら、これらの実施形態は、開示される特定の形態に限定されるものではなく、反対に、これらの実施形態は、開示の精神内に該当する全ての修正、均等物、および代替物を網羅するものであることを理解されたい。さらに、実施形態の任意の特徴、機能、ステップ、または要素、およびその範囲内に該当しない特徴、機能、ステップ、または要素によって請求項の発明の範囲を定義する否定的限定が、請求項に記載される、または追加され得る。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15A
図15B
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
【外国語明細書】