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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116344
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】腱固定プレート
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/84 20060101AFI20240820BHJP
   A61F 2/08 20060101ALI20240820BHJP
   A61F 2/28 20060101ALI20240820BHJP
   A61B 17/80 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
A61B17/84
A61F2/08
A61F2/28
A61B17/80
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024095943
(22)【出願日】2024-06-13
(62)【分割の表示】P 2022569591の分割
【原出願日】2021-05-11
(31)【優先権主張番号】102020113146.1
(32)【優先日】2020-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】522445147
【氏名又は名称】イノベディス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】フロス ルーカス
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルテ ステファン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】壊死性経過を最小化し、少ない経費で安定且つ容易に組織を骨に据え付けられる埋植物を提供する。
【解決手段】組織を骨に平面接続するための埋植物IMは、クランプ表面1を備えており、クランプ表面は、外側縁3及び内側縁4を備えており、外側縁は、少なくとも部分的に少なくとも1つの接続ウェブ5により、内側縁に少なくとも部分的に接続されており、且つ/又は、クランプ表面は、外側縁と、少なくとも1つの開口部7´と、を備え、開口部は、少なくともクランプ表面の外側縁の部分的領域に、少なくとも1つの接続ウェブにより接続されており、クランプ表面は、円形、楕円形、又は、多角形の周縁、特に、回転対称性及び/又は鏡映対称性の輪郭、を有し、クランプ表面は、開口部を有しており、開口部は、据付け手段2´を受容するために設計されており、据付け手段は、ピン10と、頭部と、頸部9と、を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織を骨に平面接続するための埋植物(IM)において、前記埋植物(IM)が、クランプ表面(1)を備えており、
前記クランプ表面(1)が、外側縁(3)及び内側縁(4)を備えており、
前記外側縁(3)が、少なくとも部分的に少なくとも1つの接続ウェブ(5)により、前記内側縁(4)に少なくとも部分的に接続されており、
且つ/又は、
前記クランプ表面(1)が、外側縁(3)と、前記クランプ表面(1)内に配置された少なくとも1つの開口部(14)と、を備えており、
前記開口部(14)が、少なくとも前記クランプ表面(1)の前記外側縁(3)の部分的領域に、少なくとも1つの接続ウェブ(5)により接続されている、埋植物(IM)であって、
前記クランプ表面(1)が、円形、楕円形、又は、多角形の周縁、特に、回転対称性及び/又は鏡映対称性の輪郭、を有しており、
前記クランプ表面(1)が、さらなる開口部(7´、7´´)を有しており、前記さらなる開口部(7´、7´´)が、据付け手段(2´)を受容するために設計されており、前記据付け手段(2´)が、ピンと、頭部と、頸部と、を備えていることを特徴とする、埋植物(IM)。
【請求項2】
前記クランプ表面(1)における前記さらなる開口部(7´)が、中心に置かれていることを特徴とする、請求項1に記載された埋植物(IM)。
【請求項3】
前記さらなる開口部(7´、7´´)が、形状嵌合により前記頭部(8)を受容するための空洞を有していることを特徴とする、先行する請求項のうちの少なくとも1つに記載された埋植物(IM)。
【請求項4】
前記頸部(9)及び前記頭部(8)が、前記さらなる開口部(7´、7´´)と共に、ジョイント、特に、ウォブルジョイントの態様でのジョイント、を形成していることを特徴とする、先行する請求項のうちの少なくとも1つに記載された埋植物(IM)。
【請求項5】
前記ジョイントが、前記ピンの長手方向軸(12)により画定された軸に対して、前記クランプ表面(1)が、0°から65°の間、特に0°から55°の間、好ましくは0°から45°の間、特に好ましくは0°から20°の間、だけ傾斜することを許容することを特徴とする、先行する請求項のうちの少なくとも1つに記載された埋植物(IM)。
【請求項6】
前記クランプ表面(1)における前記さらなる開口部(7´´)が、偏心していることを特徴とする、先行する請求項のうちの少なくとも1つに記載された埋植物(IM)。
【請求項7】
前記クランプ表面(1)が、少なくとも1つの突出部(15)を備えており、前記突出部(15)が、前記クランプ表面(1)に対してオフセットされており、前記突出部(15)が、少なくとも1つの開口部(16、19)を有しており、前記突出部における前記開口部(19)が、据付け手段(2´´)を受容するために設計されており、前記突出部におけるさらなる開口部(16)が、切抜き部として設計されていることを特徴とする、先行する請求項のうちの少なくとも1つに記載された埋植物(IM)。
【請求項8】
前記クランプ表面(1)が、少なくとも2つの反対側のスパイク(17´、17´´)を備えており、前記スパイク(17´、17´´)が、前記クランプ表面(1)の下側に形成されており、且つ/又は、前記スパイク(17´、17´´)が、好ましくは、返しを備えていることを特徴とする、先行する請求項のうちの少なくとも1つに記載された埋
植物(IM)。
【請求項9】
前記ピン(10)が、ねじ山を備えていることを特徴とする、先行する請求項のうちの少なくとも1つに記載された埋植物(IM)。
【請求項10】
前記ピン(10)が、スリーブの形で、特に、打込みスリーブの態様で、構成されていること、及び/又は、前記ピン(10)が、返しを備えていること、を特徴とする、先行する請求項のうちの少なくとも1つに記載された埋植物(IM)。
【請求項11】
前記クランプ表面(1)が、複数の固定手段(6´、6´´、6´´´、6´´´´)を備えており、前記固定手段(6´、6´´、6´´´、6´´´´)が、前記クランプ表面(1)の下側に、特に、前記クランプ表面(1)に対して垂直に、形成されていることを特徴とする、先行する請求項のうちの少なくとも1つに記載された埋植物(IM)。
【請求項12】
前記固定手段(6´、6´´、6´´´、6´´´´)が、前記クランプ表面(1)上に、同じ材料で一体的に形成されていること、及び/又は、前記固定手段(6´、6´´、6´´´、6´´´´)が、円錐形状であること、及び/又は、前記固定手段(6´、6´´、6´´´、6´´´´)が、面密度が高いこと、を特徴とする、先行する請求項のうちの少なくとも1つに記載された埋植物(IM)。
【請求項13】
前記固定手段(6´、6´´、6´´´、6´´´´)が、2ミリメートルよりも大きな長さで、好ましくは、2ミリメートルから6ミリメートルの間の長さで、形成されていること、及び/又は、前記固定手段(6´、6´´、6´´´、6´´´´)の前記長さが、前記クランプ表面(1)の前記外側縁に向けて増大していること、を特徴とする、先行する請求項のうちの少なくとも1つに記載された埋植物(IM)。
【請求項14】
少なくとも2つの据付け手段(2´、2´´)が、互いにほぼ平行に配置されていること、及び/又は、異なる長さを有していること、及び/又は、前記クランプ表面(1)が平面を形成しており、少なくとも1つの据付け手段(2´、2´´)が、前記平面に対してほぼ垂直に配置されており、且つ/又は、少なくとも1つの据付け手段(2´、2´´)が、前記平面に対してほぼ平行に配置されていること、を特徴とする、先行する請求項のうちの少なくとも1つに記載された埋植物(IM)。
【請求項15】
前記クランプ表面(1)が、器具係合表面、及び/又は、器具係合開口部(18)を備えており、前記器具係合表面には固定手段が存在していない、ことを特徴とする、先行する請求項のうちの少なくとも1つに記載された埋植物(IM)。
【請求項16】
前記少なくとも1つの突出部(15)が、前記クランプ表面(1)の横方向範囲にほぼ沿って配置されていること、及び/又は、前記少なくとも1つの突出部(15)及び前記クランプ表面(1)が、一体のものとして形成されていること、を特徴とする、先行する請求項のうちの少なくとも1つに記載された埋植物(IM)。
【請求項17】
前記クランプ表面(1)が、少なくとも部分的に丸められた周縁を有していること、及び/又は、少なくとも部分的に湾曲していること、を特徴とする、先行する請求項のうちの少なくとも1つに記載された埋植物(IM)。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルによる、組織を骨に平面接続するための埋植物に関する。
【0002】
断裂した組織、例えば腱組織、を固定及び再建するための医療的介入は、習慣的処置であるとともに、様々な理由を有し得る。この点に関し、例えば、断裂した腱を再建するために、この断裂した腱組織を、骨上に結合するための埋植物(インプラント)によって当該骨に固定することが、先行技術から公知である。中でも、壊死性経過を予防するために、ここでは、腱組織を経由する充分な血流の存在が確保されなければならない。
【0003】
このタイプの埋植物は、例えば、EP 3 184 078 B1から公知である。ここで、断裂した腱組織は、貫通孔を有するクランプ表面、及び、それに接続された少なくとも3つの据付け手段、により、骨に永久的に固定される。この埋植物は、特殊器具により、固定する目的で保持され、据付け手段は、例えばインパクト器具により、骨内に打ち込まれる。それにより、組織は、平面の様態で、骨に接続されるとともに骨上に押圧される。
【0004】
このことの短所は特に、確実な保持のために、埋植物の、その据付け手段を用いた骨内への打込みを、極めて高精度で行わなければならないという点である。埋植物が据え付けられる、位置、角度、及び、向きを、慎重に選択しなければならず、このことは、このような外科的介入が、より多くの時間を必要とすること、したがって、コスト増大を必然的に伴うこと、を意味する。
【0005】
さらに、埋植物の骨内への打込みが不正確であれば、埋植物の安定性に影響を及ぼす恐れがあり、骨から組織を離脱させる恐れがある。その結果、別の介入が必要となり、このことは、患者にさらなるストレスを与える。
【0006】
また、埋植物がかなりのサイズを有していることを理由に、埋植物の、外科的処置による最小侵襲性の導入は、往々にして不可能である。
【0007】
したがって、本発明の目的は、壊死性経過を最小化すると同時に、時間及びコストの点で、より少ない経費で安定的に且つより容易に実施することが可能な外科的介入の中で、組織を骨に据え付けられるようにすることである。
【0008】
本発明によると、この目的は、特許請求項1のプリアンブルと併せて、特許請求項1の特徴部分により達成される。従属請求項は、有利且つ得策な発展を特定する。
【0009】
この目的を達成するために、組織を骨に平面接続するための埋植物が提案されており、クランプ表面は、外側縁及び内側縁を備えており、外側縁は、少なくとも部分的に少なくとも1つの接続ウェブにより、内側縁に少なくとも部分的に接続されており、且つ/又は、クランプ表面は、外側縁と、クランプ表面内に配置された少なくとも1つの開口部と、を備えており、この開口部は、少なくともクランプ表面の外側縁の部分的領域に、少なくとも1つの接続ウェブにより接続されている。
【0010】
本発明によると、ここでは、クランプ表面が、円形、楕円形、又は、多角形の周縁、特に、回転対称性及び/又は鏡映対称性の輪郭、を有していることが規定されており、このクランプ表面は、さらなる開口部を有しており、さらなる開口部は、据付け手段を受容す
るために設計されており、据付け手段は、ピンと、頭部と、頸部と、を備えている。
【0011】
これにより、例えば別個の隅角領域において、接触圧力に生じる不均一な条件を伴わずに埋植物を据え付けるために、当該埋植物の、最大限の支持表面又はクランプ表面及び対称性、を利用可能にすることができる。加えて、埋植物のこの形状形成により、この埋植物を、最小侵襲性の器具により取り扱うことができるとともに、対応するデバイスを介して導入し、位置決めすることができるため、最小侵襲性の外科手術の領分において使用する可能性がもたらされる。
【0012】
据付け手段は、クランプ表面及び骨との相互作用において、最適に適合させることができる。加えて、据付け手段は、特殊器具、例えば、ねじ回し又はインパクトアダプタにより、骨内に打ち込まれることが可能である。
【0013】
また、埋植物は、連続的な接触圧力をかけることが可能であり、この接触圧力を、結合の期間全体にわたって維持することが可能である。この範囲において、より迅速な結合を可能にすることができる。
【0014】
その結果、手術的介入に必要とされる、費やす時間を有意に低減することができ、治癒の経過を短縮することができる。したがって、有利にも、フォローアップ治療をかなり容易にすることができるため、外科的介入後の治療の持続期間、及び、治療コストをも、低減することができる。それにより、埋植物の導入後、若しくは、組織と骨との接続後、において生じ得る治療を低減することができ、又は、当該治療の必要性を完全になくすことさえもできる。
【0015】
さらに、クランプ表面におけるさらなる開口部が、中心に置かれていることが規定されている。
【0016】
これにより、埋植物の、所望の箇所への最適なアライメント及び位置付けが可能になり、それに関連する介入を容易化する。したがって、埋植物を例えば異なる向きで骨に据え付けることが可能になり、そのことは、外科医にとって、費やす時間がより少なくなること、及び、融通性がより大きくなることを意味するが、それは、介入中に最適なアライメントをより迅速に見出すことができるためである。
【0017】
加えて、当該さらなる開口部が、形状嵌合により頭部を受容するための空洞を有していることが規定されている。
【0018】
これにより、クランプ表面の、骨への据付けを、均一且つより迅速に行うことが可能になる。それにより、据付け手段の頭部を、形状嵌合によって埋植物に接続することが可能になり、据付け手段と埋植物との間の、画定された保持及び画定されたアライメントをも、この目的のためのさらなる手段を必要とせずに、可能にすることができる。
【0019】
さらに、頸部及び頭部が、当該開口部と共に、ジョイント、特に、ウォブルジョイント(揺動ジョイント)の態様でのジョイント、を形成していることが規定されている。
【0020】
これにより、クランプ表面が、据付け手段に関して異なる位置角度を取り得ることが可能になる。したがって、クランプ表面は、融通性を有して据付け手段に接続され、骨への圧接が容易化される。
【0021】
このことは、骨に対してクランプ表面を傾斜させることによって行われ、これにより、埋植物の導入方向と、組織の固定と、において、より大きな融通性が許容される。
【0022】
また、それにより、骨の非平坦性及び解剖学的差異を打ち消すことができるとともに、クランプ表面の最適な支持を可能とする。その結果、埋植物についての据付け点の選択において、より大きな融通性がもたらされ、当該据付け点を、可能な限り最良の態様で選択することができる。
【0023】
加えて、ジョイントが、ピンの長手方向軸により画定された軸に対して、クランプ表面を、0°から65°の間、特に0°から55°の間、好ましくは0°から45°の間、特に好ましくは0°から20°の間、だけ傾斜させることを許容していることが規定されている。
【0024】
その結果、ピンの長手方向軸に対するクランプ表面の傾斜が制限され、立体角が生じ、この立体角においては、腱のクランプ表面が、第1に、最適な保持をもたらすとともに、第2に、導入及び据付けに必要とされる融通性を有している。
【0025】
加えて、クランプ表面におけるさらなる開口部が、偏心していることが規定されている。
【0026】
これにより、外科医が、据付け手段と、固定されるべき腱と、に対するクランプ表面の位置を選択する可能性がもたらされ、このことは、埋植物の導入に好適な部位を探す際に、融通性の増大を可能とすることができる。
【0027】
さらに、クランプ表面が、少なくとも1つの突出部を備えていることが規定されており、突出部は、クランプ表面に対してオフセットされており、突出部は、少なくとも1つの開口部を有しており、突出部における開口部は、据付け手段を受容するために設計されており、突出部におけるさらなる開口部は、切抜き部として設計されている。
【0028】
その結果、埋植物を据え付けるためのさらなる可能性を得ることができる。また、外科的介入中における埋植物の導入を、簡素化することができる。例えば、突出部における開口部内に配置されるとともに、組織と骨とを互いに接続する、さらなる据付け手段を使用することができる。埋植物の、組織への据付け、及び、追加的に骨への据付け、を可能にすることもできる。さらに、切抜き部は、腱への血流と酸素の供給とを促進することができ、よって、治癒の経過を促進することができる。
【0029】
さらに、クランプ表面が、少なくとも2つの反対側のスパイクを備えていることが規定されており、これらのスパイクは、クランプ表面の下側に形成されており、且つ/又は、これらのスパイクは、好ましくは、返しを備えている。
【0030】
スパイクは、さらなる据付けの可能性、例えば、埋植物を事前に据え付ける可能性、をもたらすことができる。加えて、スパイクは、据付け手段が過度に深く打ち込まれることと、結果的に生じる、クランプ表面の過大な接触圧力と、を防止するために設計することができる。それにより、スパイクは、埋植物のより迅速且つ確実な様態での導入を許容する。
【0031】
さらに、ピンが、ねじ山を備えていることが規定されている。
【0032】
この手段により、据付け手段の、確実で、且つ、必要に応じて再度解除が可能な、保持を許容することができる。
【0033】
加えて、ピンが、スリーブの形で、特に、打込みスリーブの態様で、構成されているこ
と、及び/又は、ピンが、返しを備えていること、が規定されている。
【0034】
この手段により、据付け手段の骨内への導入を、好適な器具、例えば、高硬度インパクト器具、により可能とすることができる。
【0035】
さらに、クランプ表面が、複数の固定手段を備えていることが規定されており、固定手段は、クランプ表面の下側に、特に、クランプ表面に対して垂直に、形成されている。
【0036】
固定手段は、腱に対し、骨上へのさらなる保持をもたらす。腱は、クランプ表面と骨との間に保持されている。上述の、円形、楕円形、又は、多角形、特に回転対称性の、形状形成が、埋植物の向きについてより多くの可能性をもたらすという事実により、固定手段は、可能な限り最良の態様で常に腱に係合していることが可能でなければならない。
【0037】
固定手段の鉛直の構成により、埋植物の使用中には融通性を、腱の固定中には安定性を、保証することが可能になる。固定手段は、組織、例えば腱、の滑りを防止するとともに、クランプ表面のわずかな接触圧力で、腱の、確実且つ安定的な保持をもたらす。それにより、より迅速な結合を可能とし、壊死性経過を回避することが可能である。
【0038】
加えて、固定手段が、クランプ表面上において、同じ材料で一体的に形成されていること、及び/又は、固定手段が、円錐形状であること、及び/又は、固定手段が、面密度が高いこと、が規定されている。
【0039】
このことにより、固定手段とクランプ表面との間の、安定的な接続が保証され、このことは、腱の、骨上における確実な保持を支援する。加えて、それにより、埋植物の簡単な製作が許容され、このことは、製作についての、したがって、外科的介入についての、コストに対する支出を改善する。
【0040】
少なくともクランプ表面及び固定手段が、プラスチック、特に生体適合性プラスチック、から製造されることが規定され得る。第1に、このような材料は、組織と骨とを互いに接続するために、充分な安定性を有している。第2に、このタイプの材料は、人体にたやすく適合可能である。
【0041】
円錐形状は、固定手段の、腱内への迅速な貫入を許容する。この手段により、腱を、埋植物によって、より容易に保持することができ、手術的介入中の、埋植物の導入を迅速化できる。これにより、時間及びコストの点で経費の低減が可能になる。
【0042】
固定手段の面密度が高いという事実により、クランプ表面の下側には、相互に間隔を空けて配置された固定手段が均一に設けられており、そうすることにより腱への可能な限り良好な表面接着を保証する。これにより、固定されるべき組織、例えば腱、との関係で、埋植物の係合表面の増大が保証される。クランプ表面の下側全体にわたって数が多いことにより、埋植物の固定作用が増大するとともに、接触圧力の低減を可能とする。加えて、それにより、組織、例えば腱、の滑りが防止される。
【0043】
さらに、固定手段が、2ミリメートルよりも大きな長さを有して、好ましくは、2ミリメートルから6ミリメートルの間の長さを有して、形成されていること、及び/又は、固定手段の長さが、クランプ表面の外側縁に向けて増大していること、が規定されている。
【0044】
これらの長さは、組織、例えば腱、特に、ヒトの肩の領域における腱、を固定するのに特に有利である。組織に貫入され、その後、骨上で支持される固定手段が或る特定の長さを有することにより、埋植物に掛かる過大な接触圧力が防止されるとともに、組織が骨上
に、特に確実に且つ安定的に固定されることが保証される。
【0045】
クランプ表面の外側縁におけるより長い固定手段は、据付け手段を中心配置することによる接触圧力の差異を打ち消すことを可能とする。これにより、腱の固定における特性の改善が保証される。
【0046】
それにより、骨の、個々の解剖学的状況及び非平坦性についても考慮に入れることが可能になる。その結果、埋植物の導入、又は、組織と骨との接続、の簡素化及び迅速化が可能になる。また、組織及び骨の保持の安定性の増大を達成することができる。さらに、それにより、クランプ表面の領域全体にわたる、組織の、より均一な押圧を、達成することができる。
【0047】
加えて、少なくとも2つの据付け手段が、互いにほぼ平行に配置されていること、及び/又は、異なる長さを有していること、並びに/或いは、クランプ表面が、平面を形成していること、が規定されており、少なくとも1つの据付け手段は、平面に対してほぼ垂直に配置されており、且つ/又は、少なくとも1つの据付け手段は、平面に対してほぼ平行に配置されている。
【0048】
据付け手段の異なる設計及び配置により、個々の解剖学的状況を考慮に入れることができる。このことは結果的に、手術的介入に費やす時間を低減することができる。さらに、このことは結果的に、埋植物の保持の改善、及び、それに関連する、組織と骨との間の確実な接続、をもたらすことができる。
【0049】
さらに、クランプ表面が、器具係合表面、及び/又は、器具係合開口部を備えており、当該係合表面には固定手段が存在していない、ことが規定されている。
【0050】
埋植物を骨に据え付けるために、当該埋植物を安定的に把持することは、省時間且つ安全な外科的介入を可能とする。位置及び向きは、好ましくは形状嵌合による係合により、特に最小侵襲性の外科手術の分野からの、例えば、特殊器具、例えば、内側の器具フィードスルーを有する鉗子ホルダを用いて、精密に選択することができる。
【0051】
上記の係合表面上において固定手段が不在であることは、器具のより簡単な形成、及び、埋植物のより確実な保持が可能となるため有利である。それにより、手術的介入中における埋植物の導入を、簡素化及び迅速化できる。
【0052】
加えて、少なくとも1つの突出部が、クランプ表面の横方向範囲にほぼ沿って配置されていること、並びに/或いは、少なくとも1つの突出部及びクランプ表面が、ワンピース(一体のもの)として形成されていること、が規定されている。
【0053】
このことは、埋植物を、例えば骨に据え付ける可能性を高める。このことは、組織と骨との間の接続が、埋植物の導入後における荷重の増大に耐えることを可能にし得る。したがって、埋植物による組織及び骨の接続後における治療が、不必要になり得る。
【0054】
さらに、クランプ表面が、少なくとも部分的に丸められた周縁を有していること、及び/又は、少なくとも部分的に湾曲していること、が規定されている。
【0055】
よって、個々の解剖学的状況を考慮に入れることが可能である。これにより、埋植物の導入、又は、組織と骨との接続、の簡素化及び迅速化が可能になる。また、組織と骨との、安定的な保持を達成することができる。また、これにより、クランプ表面の表面領域全体における、組織のより均一な押圧が達成される。湾曲した形状を有するクランプ表面は
、埋植物の、骨に対する簡単なモデリングを許容するという利点を有する。
【0056】
本発明の文脈において、固定手段は、スパイク又は小さな歯として設計することも可能である。
【0057】
さらに、本発明の文脈において、据付け手段は、ねじ、釘、又は、骨アンカーとして設計及び理解されることも可能である。この種の据付け手段は、高い費用対効果で製作することができ、骨と埋植物との間の、安定的な接続を可能にする。
【0058】
加えて、本発明の文脈において、打込みスリーブは、円錐形の先端を有するスリーブを意味するものとして理解することができ、円錐形の先端は、固定される物体、例えば骨、内へのスリーブの貫入を簡素化する。
【0059】
本発明のさらなる詳細については、概略的に例示された例示的な実施形態を参照することにより、図面において記載している。
【図面の簡単な説明】
【0060】
図面において:
【0061】
図1】据付け手段としてのねじを有している、本発明による埋植物の斜視図を示している。
図2】ねじの視認可能な頭部と共に、本発明による埋植物の上面図を示している。
図3】突出部及び2つの据付け手段を有している、本発明による埋植物の斜視図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0062】
図1は、本発明による、組織を骨に平面接続するための埋植物IMの斜視図を示している。これは、クランプ表面1を備えており、クランプ表面1により、組織、例えば腱組織、が、骨上に結合されるために固定及び保持される。クランプ表面1は、外側縁3及び内側縁4を備えており、外側縁3は、接続ウェブ5により、内側縁4に接続されている。クランプ表面1内にはさらに開口部14が配置され、開口部14は、接続ウェブ5と、クランプ表面1の外側縁3と、により囲まれている。開口部14は、治癒の経過を得るために、腱組織への充分な血流を許容する。それと同時に、それによって壊死性経過を予防することができるが、その理由は、クランプ表面1が、腱上に平面態様で載置されており、接触圧力のピークが回避されているためである。
【0063】
クランプ表面1は、平面を形成しており、図1に示される例示的な実施形態では、円形の周縁を有して形成されている。特に、クランプ表面1は、本発明によると、楕円形、多角形、回転対称性、及び/又は、鏡映対称性、の輪郭を有して形成されることも可能である。このような形状により、クランプ表面1は、大きな表面領域にわたって腱を支持することが可能になり、接触圧力は、均一に分散させることが可能になる。
【0064】
クランプ表面1は、中心に置かれている開口部7´を有している。開口部7´は、据付け手段2´を受容するために設計されている。埋植物IMは、据付け手段2´により、安定的且つ確実に、骨に据え付けることができる。
【0065】
この例示的な実施形態において、据付け手段2´は、ねじ山の形のピン10と、頭部8(図2に例示)と、頸部9と、を備えているねじ11として設計されている。ねじ11は、回転運動により、骨内への貫入深さを決定することが可能であるという利点を供する。これにより、固定されるべき組織、例えば腱、に対するクランプ表面の接触圧力を最適に
調節する可能性がもたらされる。第1に、さらに、埋植物IMの、過度に深い据付けは、過大な接触圧力を招く恐れがあるが、反転によって正すことができ、第2に、埋植物IMの後の取外しが、ねじ11により可能になる。ねじ11はさらに、だぼにより骨内に固着することができ、このことは結果的に、骨内における保持の改善を生じることができる。
【0066】
頸部9及び頭部8(図2に例示)は、中心に置かれている開口部7´と共に、ウォブルジョイント(揺動ジョイント)の態様でのジョイントを形成しており、その結果、クランプ表面1の位置は、埋植物IMの据付け中において、ピンの長手方向軸12に対して傾斜させることができる。このことは、組織の最適な支持及び固定を許容し、埋植物IMを、融通性を有して、解剖学的状況に適合させることができる。
【0067】
6´、6´´、6´´´、6´´´´により例示される固定手段も示されており、これらの固定手段は、組織、例えば腱組織、の固定を可能にするものであるが、組織、例えば腱組織、の骨への接続又は締結を簡素化するとともに、組織と骨との接続を強化する。固定手段6´、6´´、6´´´、6´´´´は、クランプ表面1の下側に形成されている。その結果、組織をクランプ表面1と骨との間に保持することができる。
【0068】
固定手段6´、6´´、6´´´、6´´´´は、クランプ表面1に対して垂直に形成されており、その結果、埋植物IMは、組織、例えば腱、に対し、安定的且つ確実な保持をもたらすことができる。固定手段1は円錐形状であり、その結果、固定されるべき組織内へ簡単な態様で貫入し、したがって、埋植物IMの、簡素化された取付けが可能になる。
【0069】
固定手段6´、6´´、6´´´、6´´´´は、クランプ表面1上に、同じ材料で一体的に形成されており、したがって、固定手段6´、6´´、6´´´、6´´´´とクランプ表面1との間に安定的な接続が存在しており、埋植物IMを、簡単に且つ迅速に製作することができる。
【0070】
固定手段6´、6´´、6´´´、6´´´´は、クランプ表面1の下側において面密度が高いことにより、組織にとって、改善された均一な保持を生じることができる。固定手段6´、6´´、6´´´、6´´´´の長さは、2ミリメートルよりも大きいように、好ましくは2ミリメートルから6ミリメートルの長さであるように、設計されており、それにより、組織、例えばヒトの肩の腱、を最適に保持することができる。
【0071】
図2は、外側縁3及び内側縁4を有している埋植物IMの、図1に示された実施形態変形例の上面図を示している。クランプ表面1の円形の周縁により、最小侵襲性の外科的介入のための使用が許容される。図2のこの上面図において、据付け手段の頭部8は、埋植物IMの開口部7(視認不能)を隠している。
【0072】
据付け手段2´は、ここでは、ねじ11として設計されており、好適な特殊器具を使用して骨内にねじ込むことができる。それにより、埋植物の、迅速且つ簡単な導入が可能になる。それと同時に、ねじ11をねじ込むことにより、固定されるべき組織に対するクランプ表面1の接触圧力を、柔軟に変更及び調節することができる。クランプ表面1は、図1にも示されている接続ウェブ5及び開口部14により、貫通孔を有するものとなっており、その結果、クランプ表面1により固定される組織、例えば腱組織が、充分な血流を有し、壊死性経過が予防される。
【0073】
外科的介入中においては、接続ウェブ5を介して、好適な保持器具又は把持器具が、埋植物IMを保持すること、及び、最適に誘導すること、が可能である。その結果、埋植物を、骨内の特定の部位に導入するとともに据え付けることができる。
【0074】
図3は、埋植物の下側からの斜視図において、突出部15を有している埋植物IMの実施形態変形体を示している。組織を骨に平面接続するための埋植物IMは、クランプ表面1を備えており、クランプ表面1は、外側縁3及び内側縁4を備えている。外側縁3は、接続ウェブ5により、内側縁4に接続されており、クランプ表面1は、クランプ表面1内に配置された開口部14、7´´を備えており、開口部7´´は、外側縁3の部分的領域に、接続ウェブ5により接続されている。
【0075】
クランプ表面1は、楕円形の輪郭を有しており、さらなる開口部7´´は、据付け手段2´を受容するためにクランプ表面1において偏心して形成されている。この手段により、腱及び据付け手段2´に対する埋植物IMの最適な位置を選択することができる。据付け手段2´は、ピン10と、頭部8(この図では視認不能)と、頸部9と、を備えている。
【0076】
クランプ表面1は、クランプ表面1に対してオフセットされている突出部15を備えており、突出部15は、開口部16、19を有しており、この突出部における開口部19は、据付け手段2´´を受容するために設計されており、この突出部におけるさらなる開口部16は、切抜き部として設計されている。突出部15は、クランプ表面1の横方向範囲に沿って配置されており、クランプ表面1とワンピース(一体のもの)として形成されている。クランプ表面1の、偏心して配置された開口部7´´と、据付け手段2´と、の相互作用において、埋植物IMの、骨に対する、簡単且つ迅速な固定が可能になる。この突出部におけるさらなる開口部16は、切抜き部として設計されており、組織に対し、突出部15のごく小さな接触表面のみを許容し、組織は突出部15により部分的に被覆され、それにより、さらなる開口部16は、酸素の供給又は血流を改善することに対し、プラスに働くことができる。突出部15がオフセットされているという事実により、クランプ表面1により保持されるべき腱に対する、クランプ表面1の、過度に大きな接触圧力と、結果的に生じる壊死性の影響と、を防止することができる。
【0077】
図3には、同じく、クランプ表面が、その下側に形成されているとともに互いに反対側の2つのスパイク17´、17´´を備えており、スパイク17´、17´´が、それら自体に、返しを備えていること、が例示されている。据付け手段2´、2´´のピン10は、スリーブの形で、打込みスリーブの態様で、構成されており、同じく返しを備えている。このタイプの形状形成により、据付け手段2´´の、骨内への簡単な打込みと、当該据付け手段の、不本意な離脱に抗った据付けと、が可能になる。
【0078】
さらに、図3には、クランプ表面が、複数の固定手段6´、6´´、6´´´、6´´´´を備えていることが例示されており、これらの複数の固定手段は、クランプ表面1の下側に、クランプ表面1に対して垂直に、同じ材料で一体的に形成されており、円錐形状であるとともに、面密度が高い。
【0079】
さらに、クランプ表面1の据付け手段と、突出部の据付け手段2´´と、が互いに平行に配置されているとともに異なる長さを有していること、及び、クランプ表面1が、平面を形成していること、を認めることができ、クランプ表面の据付け手段2´は、当該平面に対して垂直に配置されている。
【符号の説明】
【0080】
参照符号のリスト:
IM…埋植物、1…クランプ表面、2´…据付け手段(クランプ表面)、2´´…据付け手段(突出部)、3…縁(外側)、4…縁(内側)、5…接続ウェブ、6´から6´´´´…固定手段、7´…開口部(中心)、7´´…開口部(偏心)、8…頭部、9…頸部、
10…ピン、11…ねじ、12…ピンの長手方向軸、14…開口部、15…突出部、16…開口部(さらなる、突出部)、17´、17´´…スパイク、18…器具係合開口部、19…開口部(突出部)。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2024-07-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルによる、組織を骨に平面接続するための埋植物に関する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明によると、ここでは、クランプ表面が、円形、楕円形、又は、多角形の周縁、特に、回転対称性及び/又は鏡映対称性の輪郭、を有していることが規定されており、このクランプ表面は、さらなる開口部を有しており、さらなる開口部は、据付け手段を受容するために設計されており、据付け手段は、ピンと、頭部と、頸部と、を備えており、突出部(15)は、関節ジョイントを備えている
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
これにより、例えば別個の隅角領域において、接触圧力に生じる不均一な条件を伴わずに埋植物を据え付けるために、当該埋植物の、最大限の支持表面又はクランプ表面及び対称性、を利用可能にすることができる。加えて、埋植物のこの形状形成により、この埋植物を、最小侵襲性の器具により取り扱うことができるとともに、対応するデバイスを介して導入し、位置決めすることができるため、最小侵襲性の外科手術の領分において使用する可能性がもたらされる。さらに、これには、腱又は腱組織に対する、てこの効果を防止するという利点がある。これは、腱への取付けのみを確保し、腱を破壊することはなく、それによって、腱の血管の直径の急変を防止することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0055】
よって、個々の解剖学的状況を考慮に入れることが可能である。これにより、埋植物の導入、又は、組織と骨との接続、の簡素化及び迅速化が可能になる。また、組織と骨との、安定的な保持を達成することができる。また、これにより、クランプ表面の表面領域全体における、組織のより均一な押圧が達成される。湾曲した形状を有するクランプ表面は、埋植物の、骨に対する簡単なモデリングを許容するという利点を有する。
加えて、突出部、特に、関節ジョイントが、放射状部分を有している。
このことの利点は、関節ジョイント形成の簡単な方法を提供することである。
さらに、放射状部分が、突出部の中心に位置すること、特に、据付け手段(2´、2´´)の間、特に、クランプ表面の据付け手段(2´)と、突出部の据付け手段(2´´)の間の中心に置かれていることが規定されている。
このことの利点は、埋植物または関節ジョイントに作用する力が最適に分散され得ることであり、治癒の経過に有益となり得る。
加えて、腱埋植物(IM)が非剛体であり、特に、柔軟な材料特性を示していることが規定されている。
これには、腱に作用する力を最適に分散させるという利点もあり、治癒の経過に有益となり得る。さらに、埋植物は、埋植物が配置される領域の湾曲に従うことが可能になる。例として、突出部の部分が据付け手段に用いられる場合、この突出部の部分は放射状部分でわずかに曲げられることができ、そして、腱又は組織、又は、その下の骨格の湾曲に従うことができる。
さらに、腱埋植物(IM)が、プラスチック又はプラスチック化合物で構成されていることが規定されている。
このことの利点は、埋植物を費用効率良く製造することができることであるが、さらに重要なことには、埋植物によって腱にもたらされる力が均一化されることができ、それによって、可能な限り最良の治癒の経過につながり得ることである。
加えて、腱埋植物(IM)の広がりが、1cm未満であることが規定されている。
これにより、埋植物が、最先端のものとして知られる他の埋植物とは対照的に、最小侵襲性の手術での使用において好適であることと、大き過ぎないこととが有利に保証される。これによって、外科手術において、例えば、チューブを介して差し込まれる際に、埋植物がわずかに弾性変形し得る可能性がもたらされる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0080】
参照符号のリスト:
IM…埋植物、1…クランプ表面、2´…据付け手段(クランプ表面)、2´´…据付け手段(突出部)、3…縁(外側)、4…縁(内側)、5…接続ウェブ、6´から6´´´´…固定手段、7´…開口部(中心)、7´´…開口部(偏心)、8…頭部、9…頸部、10…ピン、11…ねじ、12…ピンの長手方向軸、14…開口部、15…突出部、16…開口部(さらなる、突出部)、17´、17´´…スパイク、18…器具係合開口部、19…開口部(突出部)、20…関節ジョイント、21…放射状部分、22…埋植物の広がり
【手続補正6】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織を骨に平面接続するための埋植物(IM)において、前記埋植物(IM)が、クランプ表面(1)を備えており、
前記クランプ表面(1)が、外側縁(3)及び内側縁(4)を備えており、
前記外側縁(3)が、少なくとも部分的に少なくとも1つの接続ウェブ(5)により、前記内側縁(4)に少なくとも部分的に接続されており、
且つ/又は、
前記クランプ表面(1)が、外側縁(3)と、前記クランプ表面(1)内に配置された少なくとも1つの開口部(14)と、を備えており、
前記開口部(14)が、少なくとも前記クランプ表面(1)の前記外側縁(3)の部分的領域に、少なくとも1つの接続ウェブ(5)により接続されている、埋植物(IM)であって、
前記クランプ表面(1)が、円形、楕円形、又は、多角形の周縁、特に、回転対称性及び/又は鏡映対称性の輪郭、を有しており、
前記クランプ表面(1)が、さらなる開口部(7´、7´´)を有しており、前記さらなる開口部(7´、7´´)が、据付け手段(2´)を受容するために設計されており、前記据付け手段(2´)が、ピンと、頭部と、頸部と、を備えており、
前記クランプ表面(1)が、少なくとも1つの突出部(15)を備えており、
前記突出部(15)が、前記クランプ表面(1)に対してオフセットされており、
前記突出部(15)が、少なくとも1つの開口部(16、19)を有しており、前記突出部における前記開口部(19)が、据付け手段(2´´)を受容するために設計されており、
前記突出部(15)は、関節ジョイント(20)を備えていることを特徴とする、埋植物(IM)。
【請求項2】
前記クランプ表面(1)における前記さらなる開口部(7´)が、中心に置かれていることを特徴とする、請求項1に記載された埋植物(IM)。
【請求項3】
前記さらなる開口部(7´、7´´)が、形状嵌合により前記頭部(8)を受容するための空洞を有していることを特徴とする、請求項1または2に記載された埋植物(IM)。
【請求項4】
前記頸部(9)及び前記頭部(8)が、前記さらなる開口部(7´、7´´)と共に、ジョイント、特に、揺動ジョイントの態様でのジョイント、を形成していることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載された埋植物(IM)。
【請求項5】
前記ジョイントが、前記ピンの長手方向軸(12)により画定された軸に対して、前記クランプ表面(1)が、0°から65°の間、特に0°から55°の間、好ましくは0°から45°の間、特に好ましくは0°から20°の間、だけ傾斜することを許容することを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載された埋植物(IM)。
【請求項6】
前記クランプ表面(1)における前記さらなる開口部(7´´)が、偏心していることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載された埋植物(IM)。
【請求項7】
記突出部におけるさらなる開口部(16)が、切抜き部として設計されていることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載された埋植物(IM)。
【請求項8】
前記クランプ表面(1)が、少なくとも2つの反対側のスパイク(17´、17´´)を備えており、前記スパイク(17´、17´´)が、前記クランプ表面(1)の下側に形成されており、且つ/又は、前記スパイク(17´、17´´)が、好ましくは、返しを備えていることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載された埋植物(IM)。
【請求項9】
前記ピン(10)が、ねじ山を備えていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載された埋植物(IM)。
【請求項10】
前記ピン(10)が、スリーブの形で、特に、打込みスリーブの態様で、構成されていること、及び/又は、前記ピン(10)が、返しを備えていること、を特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載された埋植物(IM)。
【請求項11】
前記クランプ表面(1)が、複数の固定手段(6´、6´´、6´´´、6´´´´)を備えており、前記固定手段(6´、6´´、6´´´、6´´´´)が、前記クランプ表面(1)の下側に、特に、前記クランプ表面(1)に対して垂直に、形成されていることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載された埋植物(IM)。
【請求項12】
前記固定手段(6´、6´´、6´´´、6´´´´)が、前記クランプ表面(1)上に、同じ材料で一体的に形成されていること、及び/又は、前記固定手段(6´、6´´、6´´´、6´´´´)が、円錐形状であること、及び/又は、前記固定手段(6´、6´´、6´´´、6´´´´)が、面密度が高いこと、を特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載された埋植物(IM)。
【請求項13】
前記固定手段(6´、6´´、6´´´、6´´´´)が、2ミリメートルよりも大きな長さで、好ましくは、2ミリメートルから6ミリメートルの間の長さで、形成されていること、及び/又は、前記固定手段(6´、6´´、6´´´、6´´´´)の前記長さが、前記クランプ表面(1)の前記外側縁に向けて増大していること、を特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載された埋植物(IM)。
【請求項14】
少なくとも2つの据付け手段(2´、2´´)が、互いにほぼ平行に配置されていること、及び/又は、異なる長さを有していること、及び/又は、前記クランプ表面(1)が平面を形成しており、少なくとも1つの据付け手段(2´、2´´)が、前記平面に対してほぼ垂直に配置されており、且つ/又は、少なくとも1つの据付け手段(2´、2´´)が、前記平面に対してほぼ平行に配置されていること、を特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載された埋植物(IM)。
【請求項15】
前記クランプ表面(1)が、器具係合表面、及び/又は、器具係合開口部(18)を備えており、前記器具係合表面には固定手段が存在していない、ことを特徴とする、請求項1~14のいずれか一項に記載された埋植物(IM)。
【請求項16】
前記少なくとも1つの突出部(15)が、前記クランプ表面(1)の横方向範囲にほぼ沿って配置されていること、及び/又は、前記少なくとも1つの突出部(15)及び前記クランプ表面(1)が、一体のものとして形成されていること、を特徴とする、請求項1~15のいずれか一項に記載された埋植物(IM)。
【請求項17】
前記クランプ表面(1)が、少なくとも部分的に丸められた周縁を有していること、及び/又は、少なくとも部分的に湾曲していること、を特徴とする、請求項1~16のいずれか一項に記載された埋植物(IM)。
【請求項18】
前記突出部、特に、前記関節ジョイント(20)が、放射状部分(21)を有していることを特徴とする、請求項1~17のいずれか一項に記載された腱埋植物(IM)。
【請求項19】
前記関節ジョイント(20)、特に、前記放射状部分(21)が、前記突出部(15)の中心に位置すること、特に、前記据付け手段(2´、2´´)の間、特に、前記クランプ表面の前記据付け手段(2´)と、前記突出部の前記据付け手段(2´´)の間の中心に置かれていることを特徴とする、請求項1~18のいずれか一項に記載された腱埋植物(IM)。
【請求項20】
前記腱埋植物(IM)が、非剛体であることを特徴とする、請求項1~19のいずれか一項に記載された腱埋植物(IM)。
【請求項21】
前記腱埋植物(IM)が、プラスチック又はプラスチック化合物で構成されていることを特徴とする、請求項1~20のいずれか一項に記載された腱埋植物(IM)。
【請求項22】
前記腱埋植物(IM)の広がり(22)が、1cm未満であることを特徴とする、請求項1~21のいずれか一項に記載された腱埋植物(IM)。
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正の内容】
図3