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特開2024-116421電池セル、その製造方法及び製造システム、電池並びに電力消費装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116421
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】電池セル、その製造方法及び製造システム、電池並びに電力消費装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/533 20210101AFI20240820BHJP
   H01M 50/559 20210101ALI20240820BHJP
   H01M 50/536 20210101ALI20240820BHJP
   H01M 50/627 20210101ALI20240820BHJP
   H01M 10/0587 20100101ALI20240820BHJP
   H01M 50/588 20210101ALI20240820BHJP
   H01M 50/586 20210101ALI20240820BHJP
   H01M 50/119 20210101ALI20240820BHJP
   H01M 50/159 20210101ALI20240820BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20240820BHJP
   H01M 50/593 20210101ALI20240820BHJP
   H01M 50/188 20210101ALI20240820BHJP
   H01M 50/516 20210101ALI20240820BHJP
   H01M 50/505 20210101ALI20240820BHJP
   H01M 50/107 20210101ALN20240820BHJP
   H01M 50/152 20210101ALN20240820BHJP
【FI】
H01M50/533
H01M50/559
H01M50/536
H01M50/627
H01M10/0587
H01M50/588
H01M50/586
H01M50/119
H01M50/159
H01M10/04 W
H01M50/593
H01M50/188
H01M50/516
H01M50/505
H01M50/107
H01M50/152
【審査請求】有
【請求項の数】40
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024102206
(22)【出願日】2024-06-25
(62)【分割の表示】P 2022567125の分割
【原出願日】2021-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】方 ▲クン▼
(72)【発明者】
【氏名】郭 志君
(72)【発明者】
【氏名】金 ▲海▼族
(57)【要約】
【課題】電池セル、製造方法、製造システム、電池、電力消費装置の提供。
【解決手段】電池セルは、第1のタブを含む電極組立体(第1のタブは電極組立体の中心軸線を囲んで設けられる)と、電極組立体を収容するハウジング(筒体と筒体に接続される蓋体を含み、筒体は電極組立体の外周を囲んで設けられ、蓋体に電極引出孔が設けられ、中心軸線は第1の方向に沿って延伸し、電極引出孔を経由し、第1のタブは蓋体と対向して設けられる第1の環状部を含み、第1の環状部の第1の方向への投影は電極引出孔の第1の方向への投影と重ならない)と、電極引出孔に取り付けられる電極端子と、少なくとも部分的に蓋体と第1の環状部の間に位置し、第1のタブと電極端子を電気的に接続するように、第1の環状部と電極端子を接続するための集電部材と、を含み、蓋体と筒体は一体的に形成された構造である。電池セルの電流通過能力を高める。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のタブを含む電極組立体であって、前記第1のタブは前記電極組立体の中心軸線を囲んで設けられる電極組立体と、
前記電極組立体を収容するためのハウジングであって、前記ハウジングは、筒体と前記筒体に接続される蓋体を含み、前記筒体は、前記電極組立体の外周を囲んで設けられ、前記蓋体に電極引出孔が設けられており、前記中心軸線は、第1の方向に沿って延伸するとともに、前記電極引出孔を経由し、前記第1のタブは、前記蓋体と対向して設けられる第1の環状部を含み、且つ、前記第1の環状部の前記第1の方向への投影は、前記電極引出孔の前記第1の方向への投影と重ならないハウジングと、
前記電極引出孔に取り付けられる電極端子と、
少なくとも部分的に前記蓋体と前記第1の環状部の間に位置し、前記第1のタブと前記電極端子を電気的に接続するように、前記第1の環状部と前記電極端子を接続するための集電部材と、を含み、
前記蓋体と前記筒体は、一体的に形成された構造である電池セル。
【請求項2】
前記中心軸線と前記電極引出孔の軸線とは重なり合う請求項1に記載の電池セル。
【請求項3】
前記第1の環状部は、前記集電部材に溶接されて第1の溶接部を形成する請求項1又は2に記載の電池セル。
【請求項4】
前記第1のタブの前記第1の方向に垂直な断面はリング状であり、
前記第1のタブの外半径はRとされ、前記第1の溶接部と前記中心軸線の第2の方向での最小ピッチはDとされ、両者は、0.2≦D/R≦0.8を満たし、前記第2の方向は前記第1のタブの径方向である請求項3に記載の電池セル。
【請求項5】
前記集電部材は、前記第1のタブに面する側に凸部を有し、前記凸部は、第1の環状部に溶接されて前記第1の溶接部を形成する請求項3~4の何れか一項に記載の電池セル。
【請求項6】
前記第1のタブは、第2の環状部を更に含み、前記第2の環状部は、前記第1の方向に沿って前記電極引出孔と対向して設けられ、前記第1の環状部は、前記第2の環状部の外側を囲み、
前記第2の環状部の少なくとも一部は、前記集電部材に当接する請求項1~5の何れか一項に記載の電池セル。
【請求項7】
前記電極端子は、第1の凹部を有する端子本体を含み、
前記端子本体において前記第1の凹部の底部に接続部が形成されており、前記接続部は、前記集電部材に溶接されて第2の溶接部を形成する請求項1~6の何れか一項に記載の電池セル。
【請求項8】
前記接続部には、前記接続部と前記集電部材を溶接する時に応力を解放するための応力解放構造が設けられている請求項7に記載の電池セル。
【請求項9】
前記接続部には、前記接続部の前記電極組立体から離れる側にある空間を前記ハウジングの内部空間に連通させるための第1の貫通孔が設けられている請求項7又は8に記載の電池セル。
【請求項10】
前記第1の貫通孔は、前記ハウジングの内部空間に電解液を注入するために用いられる請求項9に記載の電池セル。
【請求項11】
前記集電部材に第2の貫通孔が設けられており、前記第2の貫通孔は、電解液が前記第2の貫通孔を介して前記ハウジングの内部空間に流れ込むことができるように、前記第1の貫通孔と対向して設けられるように配置される請求項9又は10に記載の電池セル。
【請求項12】
前記第1の貫通孔の前記第1の方向への投影は、前記第2の貫通孔の前記第1の方向への投影内に位置する請求項11に記載の電池セル。
【請求項13】
前記電極組立体は巻取構造であり、前記電極組立体は、巻取中心に第3の貫通孔を有し、前記第3の貫通孔は、前記第1の方向に沿って前記電極組立体を貫通し、前記第3の貫通孔は、電解液が前記第3の貫通孔を介して前記電極組立体の内部に流れ込むことができるように、前記第1の方向に沿って前記第1の貫通孔及び前記第2の貫通孔と対向して設けられる請求項11又は12に記載の電池セル。
【請求項14】
前記第2の貫通孔の前記第1の方向への投影は、前記第3の貫通孔の前記第1の方向への投影内に位置する請求項13に記載の電池セル。
【請求項15】
前記接続部は凹溝を含み、前記凹溝の底壁に前記第2の溶接部が形成されており、前記凹溝は、前記第1の外面と前記凹溝の底壁の間にギャップを形成するように前記接続部の第1の外面から前記電極組立体に面する方向へ凹むように配置される請求項7~14の何れか一項に記載の電池セル。
【請求項16】
前記端子本体は、柱状部、第1の規制部及び第2の規制部を含み、前記柱状部は、少なくとも部分的に前記電極引出孔内に位置し、前記第1の凹部は前記柱状部に設けられ、前記第1の規制部と前記第2の規制部は、何れも前記柱状部の外側壁に接続されるとともにそれから突出し、前記第1の規制部と前記第2の規制部は、それぞれ前記蓋体の前記第1の方向における外側と内側に設けられ、且つ前記蓋体の一部を挟むために用いられる請求項7~15の何れか一項に記載の電池セル。
【請求項17】
前記電池セルは、第1の絶縁部材及び第2の絶縁部材を更に含み、前記第1の絶縁部材の少なくとも一部は前記第1の規制部と前記蓋体の間に設けられ、前記第2の絶縁部材の少なくとも一部は前記第2の規制部と前記蓋体の間に設けられ、
前記第1の絶縁部材及び前記第2の絶縁部材は、前記端子本体と前記蓋体を絶縁させるように隔離するために用いられる請求項16に記載の電池セル。
【請求項18】
前記第1の絶縁部材と前記第2の絶縁部材は、一体的に形成された構造であり、又は、
前記第1の絶縁部材と前記第2の絶縁部材は、別々に提供されるとともに互いに当接する請求項17に記載の電池セル。
【請求項19】
前記第1の絶縁部材と前記第2の絶縁部材のうちの一方は、前記電極引出孔をシールするために用いられる請求項17又は18に記載の電池セル。
【請求項20】
前記第1の規制部の外周に複数の突起構造が設けられており、前記複数の突起構造は、前記柱状部の周方向に間隔をおいて設けられる請求項16~19の何れか一項に記載の電池セル。
【請求項21】
前記第1の規制部は、前記端子本体の前記電極組立体から離れる端部から外へ折り曲げて形成されたフランジ構造である請求項20に記載の電池セル。
【請求項22】
前記第2の規制部は、前記端子本体の前記電極組立体に面する端部を押圧することで前記端子本体の前記電極組立体に面する端部が外へ延伸して形成された規制構造である請求項16~21の何れか一項に記載の電池セル。
【請求項23】
前記端子本体は、前記第1の方向に沿って対向して設けられた第2の外面と第2の内面を有し、前記第1の凹部は、前記電極組立体に面する方向に沿って前記第2の外面から前記接続部の第1の外面まで凹む請求項7~22の何れか一項に記載の電池セル。
【請求項24】
前記電極端子は、シールプレートを更に含み、前記シールプレートは、前記端子本体に接続されるとともに、前記第1の凹部の開口を閉塞する請求項23に記載の電池セル。
【請求項25】
前記第1の凹部の側壁に段付き面が設けられており、前記シールプレートの少なくとも一部は、前記第1の凹部に収容され、前記段付き面は、前記シールプレートを支持するために用いられる請求項24に記載の電池セル。
【請求項26】
前記シールプレートと前記接続部の間には、前記第2の溶接部を避けるためのギャップが設けられている請求項24又は25に記載の電池セル。
【請求項27】
前記接続部は、前記端子本体の前記電極組立体に面する一端に設けられ、前記接続部の第1の内面と前記第2の内面は、面一に設けられる請求項23~26の何れか一項に記載の電池セル。
【請求項28】
前記端子本体は、前記電極組立体から離れる方向に沿って前記第2の内面から前記接続部の第1の内面まで凹む第2の凹部を更に含む請求項23~26の何れか一項に記載の電池セル。
【請求項29】
前記集電部材は、端子接続部及び前記端子接続部の外側を囲むタブ接続部を含み、前記端子接続部は、前記端子接続部の頂部が前記接続部の第1の内面に当接するように、前記タブ接続部に対して突設されるとともに前記第2の凹部内に伸びる請求項28に記載の電池セル。
【請求項30】
前記端子本体は、前記第1の方向に沿って対向して設けられた第2の外面と第2の内面を有し、前記第1の凹部は、前記電極組立体から離れる方向に沿って前記第2の内面から前記接続部の第1の内面まで凹む請求項7~22の何れか一項に記載の電池セル。
【請求項31】
前記集電部材は、端子接続部及び前記端子接続部の外側を囲むタブ接続部を含み、前記端子接続部は、前記端子接続部の頂部が前記接続部の第1の内面に当接するように、前記タブ接続部に対して突設されるとともに前記第1の凹部内に伸びる請求項30に記載の電池セル。
【請求項32】
前記端子本体は、前記第1の方向に沿って対向して設けられた第2の外面と第2の内面を有し、前記第1の凹部は、前記電極組立体に面する方向に沿って前記第2の外面から前記接続部の第1の外面まで凹み、
前記電極端子は、シールプレートを更に含み、前記シールプレートは、前記端子本体に接続されるとともに、前記第1の凹部の開口を閉塞し、且つ電池の合流部品に溶接されて第3の溶接部を形成するために用いられる請求項7~29の何れか一項に記載の電池セル。
【請求項33】
前記シールプレートの少なくとも一部は、前記端子本体の第2の外面から突出する請求項32に記載の電池セル。
【請求項34】
前記シールプレートの少なくとも一部は、前記第1の凹部に収容され、前記第1の凹部の側壁に前記シールプレートを支持するための段付き面が設けられており、
前記シールプレートは、前記第1の凹部の側壁に溶接されて第4の溶接部を形成し、前記第4の溶接部は、前記第1の凹部の開口をシールするために用いられる請求項32又は33に記載の電池セル。
【請求項35】
前記第3の溶接部は、全体的に前記第4の溶接部により囲まれた領域内に位置する請求項34に記載の電池セル。
【請求項36】
前記電極組立体は、前記電極組立体の中心軸線を囲んで設けられる第2のタブを更に含み、
前記第1のタブと前記第2のタブは、それぞれ前記電極組立体の前記第1の方向における両端に設けられ、
前記筒体は、前記第2のタブと前記蓋体を電気的に接続するように、前記第2のタブと前記蓋体を接続するために用いられる請求項1~35の何れか一項に記載の電池セル。
【請求項37】
前記第2のタブは負極タブであり、前記ハウジングの基体材質は鋼である請求項36に記載の電池セル。
【請求項38】
前記筒体は、前記蓋体から離れる一端に開口を有し、前記電池セルは、前記開口を閉塞するための蓋板を更に含む請求項1~37の何れか一項に記載の電池セル。
【請求項39】
複数の請求項1~38の何れか一項に記載の電池セルと、少なくとも2つの前記電池セルを電気的に接続するための合流部品と、を含む電池。
【請求項40】
電気エネルギーを提供するための請求項39に記載の電池を含む電力消費装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電池技術分野に関し、より具体的には、電池セル、その製造方法及び製造システム、電池並びに電力消費装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電池セルは、携帯電話、ノートパソコン、電気自転車、電気自動車、電気飛行機、電気推進船、電気玩具車、電気玩具船、電気玩具飛行機や電動工具などの電子機器に広く適用されている。電池セルは、ニッケルカドミウム電池セル、ニッケル水素電池セル、リチウムイオン電池セル及び二次アルカリ亜鉛マンガン電池セルなどを含んでもよい。
【0003】
電池技術の発展において、如何に電池セルの電流通過能力を改善するかは、電池技術において早急に解決すべき技術課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、電池セルの電流通過能力を改善可能な電池セル、その製造方法及び製造システム、電池並びに電力消費装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様において、本願の実施例は、電池セルを提供し、前記電池セルは、
第1のタブを含む電極組立体であって、第1のタブは電極組立体の中心軸線を囲んで設けられる電極組立体と、
電極組立体を収容するためのハウジングであって、ハウジングは、筒体と筒体に接続される蓋体を含み、筒体は、電極組立体の外周を囲んで設けられ、蓋体に電極引出孔が設けられており、中心軸線は、第1の方向に沿って延伸するとともに、電極引出孔を経由し、第1のタブは、蓋体と対向して設けられる第1の環状部を含み、且つ、第1の環状部の第1の方向への投影は、電極引出孔の第1の方向への投影と重ならないハウジングと、
電極引出孔に取り付けられる電極端子と、
少なくとも部分的に蓋体と第1の環状部の間に位置し、第1のタブと電極端子を電気的に接続するように、第1の環状部と電極端子を接続するための集電部材と、を含む。
【0006】
上記形態において、集電部材を設けて電極端子と第1のタブの第1の環状部を接続することで、電極組立体における電流が第1の環状部と集電部材を介して電極端子に流れることができ、導電経路が短縮され、電池セルの電流通過能力と充電効率が高められる。
【0007】
幾つかの実施例において、中心軸線と電極引出孔の軸線とは重なり合う。電極引出孔は大体蓋体の中央部に開設され、それに応じて、電極端子も蓋体の中央部に取り付けられる。複数の電池セルをセットとして実装する時、電極端子の位置決め精度に対する要求を低下させ、実装プロセスを簡略化することができる。
【0008】
幾つかの実施例において、第1の環状部は、集電部材に溶接されて第1の溶接部を形成する。第1の溶接部によって、集電部材と第1の環状部の間の接触抵抗を減少し、電流通過能力を高めることができる。
【0009】
幾つかの実施例において、第1のタブの第1の方向に垂直な断面はリング状である。第1のタブの外半径はRとされ、第1の溶接部と中心軸線の第2の方向での最小ピッチはDとされ、両者は、0.2≦D/R≦0.8を満たし、第2の方向は第1のタブの径方向である。
【0010】
上記形態において、DとRの値を0.2≦D/R≦0.8とすることにより、第1のタブの異なる位置にある部分と電極端子の間の電流経路の差を減少し、電極組立体の第1のシートの電流密度の均一性を高め、内部抵抗を低下させ、電流通過能力を高めることができる。
【0011】
幾つかの実施例において、第1の溶接部は環状であり、且つ中心軸線を囲んで設けられる。環状の第1の溶接部は、大きい電流通過面積を有し、第1のシートの電流密度の均一性を高め、内部抵抗を低下させ、電流通過能力を高めることができる。
【0012】
幾つかの実施例において、第1の溶接部は複数であり、複数の第1の溶接部は、第1の環状部の周方向に間隔をおいて分布する。複数の第1の溶接部によって、電流通過面積を大きくし、第1のシートの電流密度の均一性を高め、内部抵抗を低下させ、電流通過能力を高めることができる。
【0013】
幾つかの実施例において、集電部材は、第1のタブに面する側に凸部を有し、凸部は、第1の環状部に溶接されて第1の溶接部を形成する。凸部は第1の環状部に一層好適に貼合し、溶接不良のリスクを低下させることができる。
【0014】
幾つかの実施例において、第1のタブは、第2の環状部を更に含み、第2の環状部は、第1の方向に沿って電極引出孔と対向して設けられ、第1の環状部は、第2の環状部の外側を囲む。第2の環状部の少なくとも一部は、集電部材に当接する。
【0015】
上記形態において、第2の環状部を設けることで、電流通過能力を高めることができる。第2の環状部は、径方向に第1の環状部を支持することで、第1の環状部と集電部材を溶接する時、第1の環状部が押し潰されて変形してしまうリスクを低下させ、第1の環状部と集電部材の溶接の安定性を高めることもできる。
【0016】
幾つかの実施例において、電極端子は、第1の凹部を有する端子本体を含む。端子本体において第1の凹部の底部に接続部が形成されており、接続部は、集電部材に溶接されて第2の溶接部を形成する。
【0017】
上記形態において、第1の凹部を設けることで接続部の厚さを減少し、このように接続部と集電部材の溶接に必要な溶接パワーを減少し、発熱を減少し、他の部材が焼損されるリスクを低下させることができる。
【0018】
幾つかの実施例において、接続部には、接続部と集電部材を溶接する時に応力を解放するための応力解放構造が設けられている。本実施例において、応力解放構造を設けることで、応力を解放し、接続部の溶接中における変形や割れのリスクを減少し、接続部と集電部材の間の接続強度を保証する。
【0019】
幾つかの実施例において、接続部には、接続部の電極組立体から離れる側にある空間をハウジングの内部空間に連通させるための第1の貫通孔が設けられている。接続部と集電部材を溶接する時、第1の貫通孔によって、溶接応力を解放する役割を果たし、接続部の破裂のリスクを低下させることができる。第1の貫通孔は、更に注液やガス抽出などの工程に用いられてもよい。
【0020】
幾つかの実施例において、第1の貫通孔は、ハウジングの内部空間に電解液を注入するために用いられる。
【0021】
幾つかの実施例において、集電部材に第2の貫通孔が設けられており、第2の貫通孔は、電解液が第2の貫通孔を介してハウジングの内部空間に流れ込むことができるように、第1の貫通孔と対向して設けられるように配置される。
【0022】
上記形態において、集電部材に第1の貫通孔と対向する第2の貫通孔を設けることで、集電部材の注液工程における電解液に対する遮断を軽減し、電解液がスムーズにハウジング内に流れ込むことができるようにし、電極組立体の浸潤効率を高めることができる。
【0023】
幾つかの実施例において、第1の貫通孔の第1の方向への投影は、第2の貫通孔の第1の方向への投影内に位置する。本実施例において、集電部材が第1の方向で第1の貫通孔を遮蔽することを回避することができ、電解液がスムーズにハウジング内に流れ込むことができるようになる。
【0024】
幾つかの実施例において、電極組立体は巻取構造であり、電極組立体は、巻取中心に第3の貫通孔を有し、第3の貫通孔は、第1の方向に沿って電極組立体を貫通し、第3の貫通孔は、電解液が第3の貫通孔を介して電極組立体の内部に流れ込むことができるように、第1の方向に沿って第1の貫通孔及び第2の貫通孔と対向して設けられる。電解液は、第1の貫通孔及び第2の貫通孔を経由して第3の貫通孔に流れ込むことができ、第3の貫通孔に流れ込んだ電解液は、内部から電極組立体を浸潤することができ、電極組立体の浸潤効率が高められる。
【0025】
幾つかの実施例において、第2の貫通孔の第1の方向への投影は、第3の貫通孔の第1の方向への投影内に位置する。本実施例は、第1のタブの第2の貫通孔に対する遮蔽を軽減することができ、電解液がスムーズに第3の貫通孔内に流れ込むことができる。
【0026】
幾つかの実施例において、接続部は凹溝を含み、凹溝の底壁に第2の溶接部が形成されており、凹溝は、第1の外面と凹溝の底壁の間にギャップを形成するように、接続部の第1の外面から電極組立体に面する方向へ凹むように配置される。
【0027】
電池セルの生産中に、外部機器は、接続部に合わせることができる。第2の溶接部の表面が凸凹であり、外部機器が第2の溶接部に圧着されると、外部機器は第2の溶接部により押し潰されやすい。本実施例において、凹溝を設けることで、第1の外面と凹溝の底壁の間にギャップを形成し、このように、第1の外面は、外部機器と第2の溶接部を離間し、外部機器が押し潰されるリスクを低下させるように、外部機器を支持するために用いることができる。
【0028】
幾つかの実施例において、端子本体は、柱状部、第1の規制部及び第2の規制部を含み、柱状部は、少なくとも部分的に電極引出孔内に位置し、第1の凹部は柱状部に設けられ、第1の規制部と第2の規制部は、何れも柱状部の外側壁に接続されるとともにそれから突出し、第1の規制部と第2の規制部は、それぞれ蓋体の第1の方向における外側と内側に設けられ、且つ蓋体の一部を挟むために用いられる。第1の規制部と第2の規制部は、端子本体を蓋体に固定するように、両側から蓋体の一部を挟む。
【0029】
幾つかの実施例において、電池セルは、第1の絶縁部材及び第2の絶縁部材を更に含み、第1の絶縁部材の少なくとも一部は第1の規制部と蓋体の間に設けられ、第2の絶縁部材の少なくとも一部は第2の規制部と蓋体の間に設けられる。第1の絶縁部材及び第2の絶縁部材は、端子本体と蓋体を絶縁させるように隔離するために用いられる。
【0030】
幾つかの実施例において、第1の絶縁部材と第2の絶縁部材は、一体的に形成された構造であり、又は、第1の絶縁部材と第2の絶縁部材は、別々に提供されるとともに互いに当接する。
【0031】
幾つかの実施例において、第1の絶縁部材と第2の絶縁部材のうちの一方は、電極引出孔をシールするために用いられる。
【0032】
幾つかの実施例において、第1の規制部の外周に複数の突起構造が設けられており、複数の突起構造は、柱状部の周方向に間隔をおいて設けられる。隣接する突起構造の間は凹溝構造であり、本実施例において、凹溝構造と突起構造を設けることで、第1の規制部の折り曲げの難しさを低下させ、第1の規制部への応力の集中を減少する。
【0033】
幾つかの実施例において、第1の規制部は、端子本体の電極組立体から離れる端部から外へ折り曲げて形成されたフランジ構造である。
【0034】
幾つかの実施例において、第2の規制部は、端子本体の電極組立体に面する端部を押圧することで端子本体の電極組立体に面する端部が外へ延伸して形成された規制構造である。
【0035】
幾つかの実施例において、端子本体は、第1の方向に沿って対向して設けられた第2の外面と第2の内面を有し、第1の凹部は、電極組立体に面する方向に沿って第2の外面から接続部の第1の外面まで凹む。
【0036】
幾つかの実施例において、電極端子は、シールプレートを更に含み、シールプレートは、端子本体に接続されるとともに、第1の凹部の開口を閉塞する。シールプレートは、外側から接続部を保護し、第1の凹部に入る外部異物を減少し、接続部が外部異物に損傷されるリスクを低下させ、電池セルのシール性能を高めることができる。
【0037】
幾つかの実施例において、第1の凹部の側壁に段付き面が設けられており、シールプレートの少なくとも一部は、第1の凹部に収容され、段付き面は、シールプレートを支持するために用いられる。
【0038】
シールプレートを実装する時、段付き面は、シールプレートを支持してシールプレートを位置決めすることができ、実装プロセスが簡略化される。シールプレートの少なくとも一部は、第1の凹部に収容され、このように電極端子の全体的寸法を減少し、電極端子に占められる空間を減少し、エネルギー密度を高めることできる。
【0039】
幾つかの実施例において、シールプレートと接続部の間には、第2の溶接部を避けるためのギャップが設けられている。本実施例において、シールプレートと接続部の間にギャップを設けることで、シールプレートが第2の溶接部を避けるようにし、シールプレートと第2の溶接部の直接接触を回避し、シールプレートの実装中におけるがたつきを減少し、シール効果を保証する。
【0040】
幾つかの実施例において、接続部は、端子本体の電極組立体に面する一端に設けられ、接続部の第1の内面と第2の内面は、面一に設けられる。
【0041】
幾つかの実施例において、端子本体は、電極組立体から離れる方向に沿って第2の内面から接続部の第1の内面まで凹む第2の凹部を更に含む。
【0042】
本願の実施例において、第1の凹部と第2の凹部を同時に設けることで接続部の厚さを減少し、このように第1の凹部の深さに対する要求を低下させ、成形プロセスを簡略化することができる。第2の凹部を設けることで、電池セルの内部空間を大きくし、エネルギー密度を高めることもできる。
【0043】
幾つかの実施例において、集電部材は、端子接続部及び端子接続部の外側を囲むタブ接続部を含み、端子接続部は、端子接続部の頂部が接続部の第1の内面に当接するように、タブ接続部に対して突設されるとともに第2の凹部内に伸びる。
【0044】
幾つかの実施例において、端子本体は、第1の方向に沿って対向して設けられた第2の外面と第2の内面を有し、第1の凹部は、電極組立体から離れる方向に沿って第2の内面から接続部の第1の内面まで凹む。
【0045】
上記形態において、第1の凹部を端子本体の内側に設けることで、第2の外面の平坦性と面積を保証することができ、端子本体と外部の合流部品を接続しやすくなる。端子本体の内側に第1の凹部を設けることで、電池セルの内部空間を大きくし、エネルギー密度を高めることもできる。
【0046】
幾つかの実施例において、集電部材は、端子接続部及び端子接続部の外側を囲むタブ接続部を含み、端子接続部は、端子接続部の頂部が接続部の第1の内面に当接するように、タブ接続部に対して突設されるとともに第1の凹部内に伸びる。
【0047】
幾つかの実施例において、端子本体は、第1の方向に沿って対向して設けられた第2の外面と第2の内面を有し、第1の凹部は、電極組立体に面する方向に沿って第2の外面から接続部の第1の外面まで凹む。電極端子は、シールプレートを更に含み、シールプレートは、端子本体に接続されるとともに、第1の凹部の開口を閉塞し、且つ電池の合流部品に溶接されて第3の溶接部を形成するために用いられる。第3の溶接部により、シールプレートと合流部品の間の接触抵抗を減少し、電流通過能力を高めることができる。
【0048】
幾つかの実施例において、シールプレートの少なくとも一部は、端子本体の第2の外面から突出する。シールプレートの少なくとも一部が第2の外面から突出することで、第2の外面によってシールプレートと合流部品の貼合が干渉されることを回避し、合流部品とシールプレートの密接な貼合を保証する。
【0049】
幾つかの実施例において、シールプレートの少なくとも一部は、第1の凹部に収容され、第1の凹部の側壁にシールプレートを支持するための段付き面が設けられている。シールプレートは、第1の凹部の側壁に溶接されて第4の溶接部を形成し、第4の溶接部は、第1の凹部の開口をシールするために用いられる。
【0050】
上記形態において、第4の溶接部は、シールプレートの外周を一回り囲むことで、シールプレートと第1の凹部の側壁の間のギャップをシールし、電池セルのシール性能を高める。
【0051】
幾つかの実施例において、第3の溶接部は、全体的に第4の溶接部により囲まれた領域内に位置する。本実施例において、合流部品とシールプレートを溶接する時、第3の溶接部と第4の溶接部の交差を回避し、半田付け不良のリスクを低下させることができる。
【0052】
幾つかの実施例において、蓋体と筒体は、一体的に形成された構造である。このように蓋体と筒体の接続工程を省くことができる。
【0053】
幾つかの実施例において、電極組立体は、電極組立体の中心軸線を囲んで設けられる第2のタブを更に含む。第1のタブと第2のタブは、それぞれ電極組立体の第1の方向における両端に設けられる。筒体は、第2のタブと蓋体を電気的に接続するように、第2のタブと蓋体を接続するために用いられる。
【0054】
上記形態において、蓋体と電極端子は、異なる極性を有する。この場合、蓋体と電極端子のうちの一方は、電池セルの正出力電極とされてもよく、他方は電池セルの負出力電極とされてもよい。本実施例において、正出力電極と負出力電極を電池セルの同一の側に設けることで、複数の電池セルの間の接続プロセスを簡略化することができる。
【0055】
幾つかの実施例において、第2のタブは負極タブであり、ハウジングの基体材質は鋼である。ハウジングは負極タブに電気的に接続され、即ちハウジングは低電位状態にある。
鋼製のハウジングは、低電位状態で電解液に腐食されにくい。
【0056】
幾つかの実施例において、筒体は、蓋体から離れる一端に開口を有し、電池セルは、開口を閉塞するための蓋板を更に含む。
【0057】
第2の態様において、本願の実施例は、複数の第1の態様の何れか1つの実施例の電池セルと、少なくとも2つの電池セルを電気的に接続するための合流部品と、を含む電池を提供する。
【0058】
第3の態様において、本願の実施例は、電気エネルギーを提供するための第2の態様の電池を含む電力消費装置を提供する。
【0059】
第4の態様において、本願の実施例は、電池セルの製造方法を提供し、前記電池セルの製造方法は、
筒体と筒体に接続される蓋体を含むハウジングであって、筒体が蓋体から離れる一端に開口を有し、蓋体に電極引出孔が設けられているハウジングと、電極引出孔に取り付けられる端子本体と、を提供するステップと、
第1のタブを含む電極組立体であって、第1のタブが電極組立体の中心軸線を囲んで設けられるとともに第1の環状部を含む電極組立体を提供するステップと、
集電部材を提供し、且つ集電部材を第1の環状部に接続するステップと、
電極組立体と集電部材をハウジング内に取り付け、且つ、第1のタブと端子本体を電気的に接続するように、集電部材と端子本体を接続するステップと、
蓋板を提供し、筒体の開口を閉塞するように、蓋板を筒体に接続するステップと、を含み、
筒体は、電極組立体の外周を囲んで設けられ、中心軸線は、第1の方向に沿って延伸するとともに、電極引出孔を経由し、第1の環状部は、蓋体と対向して設けられ、且つ、第1の環状部の第1の方向への投影は、電極引出孔の第1の方向への投影と重ならず、集電部材の少なくとも一部は、蓋体と第1の環状部の間に位置する。
【0060】
幾つかの実施例において、端子本体に第1の凹部が設けられており、端子本体において第1の凹部の底部に接続部が形成されている。電極組立体と集電部材をハウジング内に取り付け、且つ、集電部材と端子本体を接続するステップは、電極組立体と集電部材をハウジング内に取り付け、且つ集電部材を接続部に押し付けることと、外部溶接機器により接続部の集電部材から離れる表面に作用することで、接続部と集電部材を溶接することと、を含む。
【0061】
上記形態において、第1の凹部を設けることで接続部の厚さを減少し、このように接続部と集電部材の溶接に必要な溶接パワーを減少し、発熱を減少し、他の部材が焼損されるリスクを低下させることができる。外側から溶接する時、ハウジングにより電極組立体を保護し、溶接によって生じた金属粒子が電極組立体に飛散しないように遮断し、短絡のリスクを低下させることができる。
【0062】
幾つかの実施例において、端子本体は、第1の方向に沿って対向して設けられた第2の外面と第2の内面を有し、第1の凹部は、電極組立体に面する方向に沿って第2の外面から接続部の第1の外面まで凹む。電池セルの製造方法は、シールプレートを提供し、第1の凹部の開口を閉塞するように、シールプレートの少なくとも一部を第1の凹部内に置くとともに、シールプレートと第1の凹部の側壁を溶接するステップを更に含む。
【0063】
上記形態において、シールプレートは、外側から接続部を保護し、第1の凹部に入る外部異物を減少し、接続部が外部異物に損傷されるリスクを低下させ、電池セルのシール性能を高めることができる。
【0064】
第5の態様において、本願の実施例は、電池セルの製造システムを提供し、前記電池セルの製造システムは、
筒体と筒体に接続される蓋体を含むハウジングであって、筒体が蓋体から離れる一端に開口を有し、蓋体に電極引出孔が設けられているハウジングと、電極引出孔に取り付けられる端子本体と、を提供するための第1の提供装置と、
第1のタブを含む電極組立体であって、第1のタブが電極組立体の中心軸線を囲んで設けられるとともに第1の環状部を含む電極組立体を提供するための第2の提供装置と、
集電部材を提供し、且つ集電部材を第1の環状部に接続するための第3の提供装置と、
電極組立体と集電部材をハウジング内に取り付け、且つ、第1のタブと端子本体を電気的に接続するように、集電部材と端子本体を接続するための組み立て装置と、
蓋板を提供し、筒体の開口を閉塞するように、蓋板を筒体に接続するための第4の提供装置と、を含み、
筒体は、電極組立体の外周を囲んで設けられ、中心軸線は、第1の方向に沿って延伸するとともに、電極引出孔を経由し、第1の環状部は、蓋体と対向して設けられ、且つ、第1の環状部の第1の方向への投影は、電極引出孔の第1の方向への投影と重ならず、集電部材の少なくとも一部は、蓋体と第1の環状部の間に位置する。
【0065】
第6の態様において、本願の実施例は、別の電池セルの製造方法を提供し、前記電池セルの製造方法は、
集電部材と端子本体を提供し、且つ集電部材と端子本体を接続するステップと、
第1のタブを含む電極組立体であって、第1のタブが電極組立体の中心軸線を囲んで設けられるとともに第1の環状部を含む電極組立体を提供するステップと、
第1のタブと端子本体を電気的に接続するように、集電部材を第1の環状部に接続するステップと、
筒体と筒体に接続される蓋体を含むハウジングであって、筒体が蓋体から離れる一端に開口を有し、蓋体に電極引出孔が設けられているハウジングを提供するステップと、
電極組立体と集電部材をハウジング内に取り付け、且つ端子本体を電極引出孔に取り付けるステップと、
蓋板を提供し、筒体の開口を閉塞するように、蓋板を筒体に接続するステップと、を含み、
筒体は、電極組立体の外周を囲んで設けられ、中心軸線は、第1の方向に沿って延伸するとともに、電極引出孔を経由し、第1の環状部は、蓋体と対向して設けられ、且つ、第1の環状部の第1の方向への投影は、電極引出孔の第1の方向への投影と重ならず、集電部材の少なくとも一部は、蓋体と第1の環状部の間に位置する。
【0066】
幾つかの実施例において、電極組立体と集電部材をハウジング内に取り付け、且つ端子本体を電極引出孔に取り付けるステップは、電極組立体と集電部材をハウジング内に取り付け、且つ端子本体の電極組立体から離れる端部が電極引出孔を経由して蓋体の外部まで延出するようにすることと、端子本体を蓋体に固定するように、端子本体の電極組立体から離れる端部を外へ折り曲げてフランジ構造を形成することと、を含む。本実施例は、端子本体と蓋体の実装プロセスを簡略化することができる。
【0067】
別の実施例において、電極組立体と集電部材をハウジング内に取り付け、且つ端子本体を電極引出孔に取り付けるステップは、電極組立体と集電部材をハウジング内に取り付け、且つ端子本体の電極組立体から離れる端部が電極引出孔を経由して蓋体の外部まで延出するようにすることと、端子本体の電極組立体から離れる端部を押圧することで端部を外へ延伸させて端子本体を蓋体に固定するための規制構造を形成することと、を含む。本実施例は、端子本体と蓋体の実装プロセスを簡略化することができる。
【0068】
第7の態様において、本願の実施例は、別の電池セルの製造システムを提供し、前記電池セルの製造システムは、
集電部材と端子本体を提供し、且つ集電部材と端子本体を接続するための第1の提供装置と、
第1のタブを含む電極組立体であって、第1のタブが電極組立体の中心軸線を囲んで設けられるとともに第1の環状部を含む電極組立体を提供するための第2の提供装置と、
第1のタブと端子本体を電気的に接続するように、集電部材を第1の環状部に接続するための第1の組み立て装置と、
筒体と筒体に接続される蓋体を含むハウジングであって、筒体が蓋体から離れる一端に開口を有し、蓋体に電極引出孔が設けられているハウジングを提供するための第3の提供装置と、
電極組立体と集電部材をハウジング内に取り付け、且つ端子本体を電極引出孔に取り付けるための第2の組み立て装置と、
蓋板を提供し、筒体の開口を閉塞するように、蓋板を筒体に接続するための第4の提供装置と、を含み、
筒体は、電極組立体の外周を囲んで設けられ、中心軸線は、第1の方向に沿って延伸するとともに、電極引出孔を経由し、第1の環状部は、蓋体と対向して設けられ、且つ、第1の環状部の第1の方向への投影は、電極引出孔の第1の方向への投影と重ならず、集電部材の少なくとも一部は、蓋体と第1の環状部の間に位置する。
【図面の簡単な説明】
【0069】
本願の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下では、本願の実施例で使用する必要がある図面を簡単に説明するが、明らかなことに、以下に説明する図面は、本願の幾つかの実施例に過ぎず、当業者にとっては、創造的な努力をすることなく、図面に基づいて他の図面を入手することができる。
図1】本願の幾つかの実施例により提供される車両の構造模式図である。
図2】本願の幾つかの実施例により提供される電池の分解模式図である。
図3図2に示される電池モジュールの構造模式図である。
図4】本願の幾つかの実施例により提供される電池セルの分解模式図である。
図5】本願の幾つかの実施例により提供される電池セルの断面模式図である。
図6図5に示される電池セルの局所拡大模式図である。
図7】本願の幾つかの実施例による電池セルの電極組立体と集電部材が溶接された後の構造模式図である。
図8】本願の別の実施例による電池セルの電極組立体と集電部材が溶接された後の構造模式図である。
図9図6に示される電池セルのボックスBの箇所における拡大模式図である。
図10】本願の幾つかの実施例により提供される電池セルの電極端子の分解模式図である。
図11】本願の幾つかの実施例により提供される電池セルの電極端子の上面模式図である。
図12】本願の別の実施例により提供される電池セルの局所断面模式図である。
図13】本願の更に別の実施例により提供される電池セルの局所断面模式図である。
図14】本願の幾つかの実施例により提供される電池セルと合流部品が接続された後の構造模式図である。
図15】本願の幾つかの実施例により提供される電池セルの製造方法のフローチャートである。
図16】本願の幾つかの実施例により提供される電池セルの製造システムの模式的ブロック図である。
図17】本願の別の実施例により提供される電池セルの製造方法のフローチャートである。
図18】本願の別の実施例により提供される電池セルの製造システムの模式的ブロック図である。
【0070】
図面部分において、図面は、実際の縮尺に応じて描かれたものではない。
【発明を実施するための形態】
【0071】
本願の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下、本願の実施例の図面を参照しながら、本願の実施例における技術的解決手段を明確に説明する。
説明される実施例は、本願の実施例の一部に過ぎず、すべての実施例ではないことが明らかである。本願における実施例に基づき、当業者が創造的な努力をしない前提で得られたすべての他の実施例は、何れも本願の保護範囲に属する。
【0072】
別途定義されていない限り、本願において使用される全ての技術と科学用語は、当業者に一般に理解される意味と同じである。本願の明細書において使用される用語は、具体的な実施例を説明するためのものに過ぎず、本願を制限することを意図するものではない。
本願の明細書、特許請求の範囲及び上記図面の説明における「含む」、「有する」という用語及びそれらの任意の変形は、非排他的な「含む」をカバーすることを意図するものである。本願の明細書、特許請求の範囲や上記図面における「第1」、「第2」などの用語は、異なる対象を区別するためのものであり、特定の順序又は主副関係を説明するためのものではない。
【0073】
本願において「実施例」と言及する場合、実施例に合わせて説明される特定の特徴、構造又は特性が本願の少なくとも1つの実施例に含まれてもよいことを意味する。明細書における各箇所に記載されているこの語句は、必ずしも全てが同じ実施例を指すとは限らず、他の実施例と相互排他的に独立した又は代替的な実施例でもない。
【0074】
本願の記述において、特に明記・限定されていない限り、「取り付ける」、「繋がる」、「接続」、「結び付ける」という用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよく、着脱可能な接続、又は一体的な接続であってもよく、直接接続であってもよく、中間媒体を介する間接接続であってもよく、2つの素子の内部の連通であってもよいことを説明しておく。当業者であれば、具体的な状況に応じて、上記用語の本願における具体的な意味を理解することができる。
【0075】
本願における「及び/又は」という用語は、関連対象の関連関係を記述するものに過ぎず、3つの関係が存在してもよいことを表し、例えば、A及び/又はBは、単独のA、AとBとの組み合わせ、単独のBという3つのケースを表すことができる。また、本願における「/」という文字は、一般的には前後の関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0076】
本願の実施例において、同一の符号は同一の構成要素を表し、また、簡潔のために、異なる実施例において、同一の構成要素に対する詳細な説明を省略する。図面に示される本願の実施例における各部材の厚さ、長さや幅などの寸法、及び集積装置の全体的な厚さ、長さや幅などの寸法は、例示的なものに過ぎず、本願に対して何らかの限定を加えるものではないことを理解されたい。
【0077】
本願における「複数」とは、2つ以上(2つを含む)を意味する。
【0078】
本願において、電池セルは、リチウムイオン二次電池セル、リチウムイオン一次電池セル、リチウム硫黄電池セル、ナトリウムリチウムイオン電池セル、ナトリウムイオン電池セル又はマグネシウムイオン電池セルなどを含んでもよいが、本願の実施例では、それを限定しない。
【0079】
本願の実施例において言及された電池は、より高い電圧と容量を提供するために1つ又は複数の電池セルを含む単一の物理的モジュールを指す。例えば、本願において言及された電池は、電池モジュール又は電池パックなどを含んでもよい。電池は、一般的に、1つ又は複数の電池セルをパッケージングするための筐体を含む。筐体は、液体又はその他の異物が電池セルの充電又は放電に影響を与えることを回避することができる。
【0080】
電池セルは、電極組立体及び電解質を含み、電極組立体は、正極シート、負極シート及びセパレータを含む。電池セルは、主に金属イオンが正極シートと負極シートとの間で移動することにより動作する。正極シートは、正極集電体及び正極活物質層を含み、正極活物質層は、正極集電体の表面にコーティングされている。正極集電体は、正極集電部及び正極タブを含み、正極集電部には正極活物質層がコーティングされており、正極タブには正極活物質層がコーティングされていない。リチウムイオン電池を例として、正極集電体の材料はアルミニウムであってもよく、正極活物質層は正極活物質を含み、正極活物質は、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元リチウム又はマンガン酸リチウムなどであってもよい。負極シートは、負極集電体及び負極活物質層を含み、負極活物質層は、負極集電体の表面にコーティングされている。負極集電体は、負極集電部及び負極タブを含み、負極集電部には負極活物質層がコーティングされており、負極タブには負極活物質層がコーティングされていない。負極集電体の材料は銅であってもよく、負極活物質層は負極活物質を含み、負極活物質は、炭素又はシリコンなどであってもよい。セパレータの材質は、PP(polypropylene、ポリプロピレン)又はPE(polyethylene、ポリエチレン)などであってもよい。
【0081】
電池セルは、電極組立体を収容するためのハウジングを更に含み、ハウジングには、電極端子を取り付けるための電極引出孔が設けられており、電極端子は、電極組立体に電気的に接続されて、電極組立体の充放電を実現するために用いられる。
【0082】
電極組立体のシートは、電気発生部及び電気発生部に接続されるタブを含み、正極シートを例として、電気発生部は、正極集電部及び正極集電部にコーティングされている活物質層を含む。電極組立体は、一般的にタブを介して電流を入出力するが、巻取型の電極組立体において、タブと電気発生部は何れも多重巻き構造であり、内から外へ巻き数の増加につれて、電気発生部とタブの各巻きの周長も徐々に大きくなり、それに応じて、各巻きの内部抵抗も徐々に大きくなる。
【0083】
ハウジングは、タブと対向して設けられる蓋体を含み、電極引出孔は蓋体に開設される。電極引出孔は、通常、蓋体の中央部に開設され、それに応じて、電極端子も蓋体の中央部に取り付けられる。
【0084】
発明者は、電極引出孔の位置に制限されて、電極端子が、電極端子とタブの電気的接続を実現するように、タブの内側領域のみに接続することができ、タブの外側領域に接続することができないため、電気発生部の外側領域と電極端子の間の導電経路が長く、内部抵抗が大きく、電池セルの電流通過能力と充電効率に影響を与えることに留意した。
【0085】
これに鑑み、本願の実施例は、集電部材を設けることで電極端子とタブを接続し、且つ集電部材をタブの電極引出孔よりも外の部分に接続し、タブと電極端子の間の導電経路を短縮し、内部抵抗を低下させ、電流通過能力を高める技術的解決手段を提供する。
【0086】
本願の実施例に記載の技術的解決手段は、電池及び電池を使用した電力消費装置に適用される。
【0087】
電力消費装置は、車両、携帯電話、携帯型機器、ノートパソコン、船、宇宙航空機、電気玩具や電動工具などであってもよい。車両は、ガソリン自動車、ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、二次電池式電気自動車、ハイブリッド電気自動車や航続距離延長型電気自動車などであってもよい。宇宙航空機は、飛行機、ロケット、スペースシャトルや宇宙船などを含む。電気玩具は、ゲーム機、電気自動車玩具、電気推進船玩具や電気飛行機玩具などの固定型又は移動型の電気玩具を含む。電動工具は、電動ドリル、電動グラインダ、電動レンチ、電動ドライバ、電動ハンマー、電動インパクトドリル、コンクリート振動機や電動カンナなどの金属切削電動工具、研磨電動工具、実装電動工具と鉄道用電動工具を含む。本願の実施例において、上記電力消費装置について特に制限しない。
【0088】
以下の実施例において、説明しやすくするために、電力消費装置が車両である場合を例として説明する。
【0089】
図1は、本願の幾つかの実施例により提供される車両の構造模式図である。図1に示すように、車両1の内部に電池2が設けられており、電池2は、車両1の底部又は前部又は後部に設けられてもよい。電池2は、車両1に給電するために用いることができ、例えば、電池2は、車両1の動作電源とすることができる。
【0090】
車両1は、コントローラ3とモータ4を更に含んでもよく、コントローラ3は、電池2がモータ4に給電するように制御するために用いられ、例えば、車両1の始動、ナビゲーションと走行時の作動電力のニーズに応えるために用いられる。
【0091】
本願の幾つかの実施例において、電池2は、車両1の動作電源として用いることができるだけでなく、車両1の駆動電源として、ガソリン又は天然ガスの代わりに、又はその一部の代わりに車両1に駆動動力を提供することもできる。
【0092】
図2は、本願の幾つかの実施例により提供される電池の分解模式図である。図2に示すように、電池2は、筐体5と筐体5内に収容される電池セル(図2には図示せず)を含む。
【0093】
筐体5は、電池セルを収容するために用いられ、筐体5は、様々な構造であってもよい。幾つかの実施例において、筐体5は、第1の筐体部51と第2の筐体部52を含んでもよく、第1の筐体部51と第2の筐体部52は互いに覆われ、第1の筐体部51と第2の筐体部52は、共同して電池セルを収容するための収容空間53を画定する。第2の筐体部52は、一端に開口する中空構造であってもよく、第1の筐体部51は、板状構造であり、第1の筐体部51は、収容空間53を有する筐体5を形成するように、第2の筐体部52の開口側に覆われる。第1の筐体部51と第2の筐体部52も、何れも一側に開口する中空構造であってもよく、第1の筐体部51の開口側は、収容空間53を有する筐体5を形成するように、第2の筐体部52の開口側に覆われる。勿論、第1の筐体部51と第2の筐体部52は、円柱体や直方体などの様々な形状であってもよい。
【0094】
第1の筐体部51と第2の筐体部52が接続された後のシール性を高めるために、第1の筐体部51と第2の筐体部52の間にシーラントやシールリングなどのシール部材を設けてもよい。
【0095】
第1の筐体部51が第2の筐体部52の頂部に覆われると仮定すれば、第1の筐体部51は上側筐体蓋と呼ばれてもよく、第2の筐体部52は下側筐体と呼ばれてもよい。
【0096】
電池2において、電池セルは、1つであってもよく、複数であってもよい。電池セルが複数であれば、複数の電池セルの間は、直列接続又は並列接続又は直並列接続であってもよく、直並列接続は、複数の電池セルに直列接続も並列接続も含まれることを意味する。
複数の電池セルの間を、直接、直列接続又は並列接続又は直並列接続してから、複数の電池セルで構成された全体を筐体5内に収容してもよい。勿論、複数の電池セルをまず直列接続又は並列接続又は直並列接続して電池モジュール6とし、更に複数の電池モジュール6を直列接続又は並列接続又は直並列接続して1つの全体として形成するとともに、筐体5内に収容してもよい。
【0097】
図3は、図2に示される電池モジュールの構造模式図である。
【0098】
幾つかの実施例において、図3に示すように、電池セル7は複数であり、複数の電池セル7は、まず直列接続又は並列接続又は直並列接続されて電池モジュール6となる。複数の電池モジュール6は、更に直列接続又は並列接続又は直並列接続されて1つの全体として形成するとともに、筐体内に収容される。
【0099】
電池モジュール6における複数の電池セル7の間は、合流部品8を介して電気的接続を実現することができ、これによって電池モジュール6における複数の電池セル7の並列接続又は直列接続又は直並列接続を実現する。合流部品は1つ又は複数であってもよく、各合流部品8は、少なくとも2つの電池セルを電気的に接続するめに用いられる。
【0100】
図4は、本願の幾つかの実施例により提供される電池セルの分解模式図である。図5は、本願の幾つかの実施例により提供される電池セルの断面模式図である。図6は、図5に示される電池セルの局所拡大模式図である。
【0101】
図4図6に示すように、本願の実施例は、電池セル7を提供し、電池セル7は、第1のタブ11を含む電極組立体10であって、第1のタブ11は電極組立体10の中心軸線Aを囲んで設けられる電極組立体10と、電極組立体10を収容するためのハウジング20であって、ハウジング20は、筒体21と筒体21に接続される蓋体22を含み、筒体21は、電極組立体10の外周を囲んで設けられ、蓋体22に電極引出孔221が設けられており、中心軸線Aは、第1の方向Xに沿って延伸するとともに、電極引出孔221を経由し、第1のタブ11は、蓋体22と対向して設けられる第1の環状部112を含み、且つ、第1の環状部112の第1の方向Xへの投影は、電極引出孔221の第1の方向Xへの投影と重ならないハウジング20と、電極引出孔221に取り付けられる電極端子30と、少なくとも部分的に蓋体22と第1の環状部112の間に位置し、第1のタブ11と電極端子30を電気的に接続するように、第1の環状部112と電極端子30を接続するための集電部材40と、を含む。
【0102】
電極組立体10は、第1のシート、第2のシート及びセパレータを含み、セパレータは、第1のシートと第2のシートを離間するために用いられる。第1のシートと第2のシートの極性は逆であり、換言すれば、第1のシートと第2のシートのうちの一方は、正極シートであり、第1のシートと第2のシートのうちの他方は、負極シートである。
【0103】
第1のシート、第2のシート及びセパレータは、何れも帯状構造であり、第1のシート、第2のシート及びセパレータは、中心軸線Aの周りに一体に巻き取られて巻取構造を形成する。巻取構造は、円柱状構造、扁平状構造又は他の形状の構造であってもよい。
【0104】
電極組立体10の外形から見れば、電極組立体10は、本体部12、第1のタブ11と第2のタブ13を含み、第1のタブ11と第2のタブ13は、本体部12から突出する。
第1のタブ11は、第1のシートの活物質層がコーティングされていない部分であり、第2のタブ13は、第2のシートの活物質層がコーティングされていない部分である。
【0105】
第1のタブ11と第2のタブ13は、本体部12の同一の側から延出してもよく、それぞれ反対する両側から延出してもよい。例示的に、第1のタブ11と第2のタブ13は、それぞれ本体部12の第1の方向Xにおける両側に設けられ、換言すれば、第1のタブ11と第2のタブ13は、それぞれ電極組立体10の第1の方向Xにおける両端に設けられる。第1のタブ11は、電極組立体10の蓋体22に面する一端に位置し、第2のタブ13は、電極組立体10の蓋体22から離れる一端に位置する。
【0106】
任意選択的に、第1のタブ11は、電極組立体10の中心軸線Aを囲んで多重に巻き取られ、換言すれば、第1のタブ11は、多重巻きのタブ層を含む。巻取が完了した後、第1のタブ11は、略円筒状であり、隣接する2巻きのタブ層の間に隙間が隔てられる。本願の実施例において、タブ層間の隙間を減少し、第1のタブ11と他の導電構造を接続しやすくするように、第1のタブ11を処理することができる。例えば、本願の実施例において、第1のタブ11の本体部12から離れる端部領域が収束されて集められるように、第1のタブ11にレベリング処理を行うことができる。レベリング処理により第1のタブ11の本体部12から離れる一端に緻密な端面を形成し、タブ層間の隙間を減少し、第1のタブ11と集電部材40を接続しやすくなる。代替的に、本願の実施例において、タブ層間の隙間を減少するように、隣接する2重のタブ層の間に導電材料を充填してもよい。
【0107】
任意選択的に、第2のタブ13は、電極組立体10の中心軸線Aを囲んで多重に巻き取られ、第2のタブ13は、多重巻きのタブ層を含む。例示的に、第2のタブ13のタブ層間の隙間を減少するように、第2のタブ13にもレベリング処理を行った。
【0108】
ハウジング20は、中空構造であり、その内部に電極組立体10を収容するための空間が形成される。ハウジング20の形状は、電極組立体10の具体的な形状に応じて決定可能である。例えば、電極組立体10が円柱体構造である場合、円柱体ハウジングを選択することができる。電極組立体10が直方体構造である場合、直方体ハウジングを選択することができる。任意選択的に、電極組立体10とハウジング20は、何れも円柱体である。それに応じて、筒体21は円筒であり、蓋体22は、円形の板状構造である。
【0109】
蓋体22と筒体21は、一体的に形成された構造であってもよく、即ち、ハウジング20は、一体成形された部材である。勿論、蓋体22と筒体21は、別々に提供された2つの部材で、溶接、カシメ、粘着などの手段で接続されてもよい。
【0110】
ハウジング20は、一側に開口する中空構造である。具体的には、筒体21は、蓋体22から離れる一端に開口211を有する。電池セル7は、蓋板50を更に含み、蓋板50は、筒体21の開口211を閉塞するように、筒体21の開口部に覆われる。蓋板50は様々な構造であってもよく、例えば、蓋板50は板状構造である。
【0111】
電極引出孔221は、蓋体22を貫通することで、電極組立体10における電気エネルギーをハウジング20の外部に引き出しやすくなる。例示的に、電極引出孔221は、第1の方向Xに沿って蓋体22を貫通する。
【0112】
中心軸線Aは、第1の方向Xに平行な仮想直線であり、電極引出孔221を経由する。
電極組立体10の中心軸線Aと電極引出孔221の軸線は、重なり合ってもよく、重なり合わなくてもよい。
【0113】
電極端子30は、電極引出孔221に合わせて、電極引出孔221を被覆するために用いられる。電極端子30は、電極引出孔221内に伸びてもよく、電極引出孔221内に伸びなくてもよい。電極端子30は、蓋体22に固定される。電極端子30は、全体的に蓋体22の外側に固定されてもよく、電極引出孔221を通過してハウジング20の内部に伸びてもよい。
【0114】
電極端子30は、合流部品に接続されて、電池セル7の間の電気的接続を実現するために用いられる。
【0115】
電極端子30は、蓋体22に絶縁的に設けられてもよく、蓋体22に電気的に接続されてもよく、本願の実施例において、これを制限せず、第1のタブ11と第2のタブ13の導通を回避できればよい。
【0116】
ハウジング20は、正に帯電してもよく、負に帯電してもよく、帯電しなくてもよい。
【0117】
第1のタブ11は、正極タブであってもよく、負極タブであってもよい。
【0118】
集電部材40は、溶接、当接又は粘着などの手段で第1のタブ11の第1の環状部112に接続され、溶接、当接、粘着、カシメなどの手段で電極端子30に接続されることで、第1のタブ11と電極端子30の間の電気的接続を実現することができる。
【0119】
第1の環状部112は、中心軸線Aを囲んで設けられた環状構造であり、電極引出孔221の第2の方向における外側に位置し、第2の方向は、第1のタブ11の径方向である。
【0120】
本実施例において、蓋体22は、実体部分を指し、第1の方向Xに沿って第1の環状部112と対向して設けられる。蓋体22は、第1の方向Xにおいて第1の環状部112を被覆する。
【0121】
第1のタブ11は、全体的に電極引出孔221の第2の方向における外側に位置してもよく、即ち、第1のタブ11は、第1の環状部112のみを含む。勿論、第1のタブ11の一部は、第1の方向Xに沿って電極引出孔221と対向して設けられてもよく、即ち、第1のタブ11の第1の方向Xへの投影は、電極引出孔221の第1の方向Xへの投影と部分的に重なる。
【0122】
集電部材40の少なくとも一部は、第1の方向Xにおいて第1の環状部112と重なり、集電部材40と第1の環状部112を接続しやすくなる。
【0123】
第1の環状部112は、電極引出孔221の第2の方向における外側に位置し、第1の環状部112における各巻きのタブ層の半径は、電極引出孔221の半径よりも大きい。
【0124】
本願の実施例の電池セル7において、集電部材40を設けることで電極端子30と第1のタブ11の第1の環状部112を接続し、このように電極組立体10における電流が第1の環状部112と集電部材40を通過して電極端子30に流れることができ、導電経路が短縮され、内部抵抗が低下し、電池セル7の電流通過能力と充電効率が高められる。
【0125】
第1のシートの電気発生部の外側領域は、第1の環状部112に対応し、外側部分の電流が第1の環状部112を通過して電極端子30に流れることができ、導電経路が短縮される。第1のシートの電気発生部の内側領域の周長が小さいため、内側領域と第1の環状部112の間の導電経路も比較的小さい。従って、本実施例において、導電経路を短縮し、内部抵抗を低下させることができる。
【0126】
幾つかの実施例において、中心軸線Aと電極引出孔221の軸線とは重なり合う。
【0127】
本実施例において、中心軸線Aと電極引出孔221の軸線が完全に重なり合うことを要求せず、両者の間には、プロセスに許容される偏差が存在してもよい。
【0128】
本実施例において、電極引出孔221は、大体蓋体22の中央部に開設され、それに応じて、電極端子30も、蓋体22の中央部に取り付けられる。複数の電池セル7をセットとして実装する時、電極端子30の位置決め精度に対する要求を低下させ、実装プロセスを簡略化することができる。
【0129】
例示的に、電極引出孔221の軸線と蓋体22の軸線とは重なり合い、蓋体22は、電極引出孔221の軸線を囲んで設けられた環状構造である。
【0130】
例示的に、電極端子30の軸線と電極引出孔221の軸線とは重なり合う。
【0131】
幾つかの実施例において、蓋体22と筒体21は、一体的に形成された構造である。このように蓋体22と筒体21の接続工程を省くことができる。ハウジング20は、引張プロセスにより成形可能である。
【0132】
幾つかの実施例において、電極組立体10は、第2のタブ13を更に含み、第2のタブ13は、電極組立体10の中心軸線Aを囲んで設けられる。第1のタブ11と第2のタブ13は、それぞれ電極組立体10の第1の方向Xにおける両端に設けられる。筒体21は、第2のタブ13と蓋体22を電気的に接続するように、第2のタブ13と蓋体22を接続するために用いられる。
【0133】
筒体21は、直接第2のタブ13に電気的に接続されてもよく、他の部材を介して第2のタブ13に電気的に接続されてもよい。例えば、第2のタブ13は、蓋板50を介して筒体21に電気的に接続される。
【0134】
蓋体22と電極端子30は、異なる極性を有する。この場合、蓋体22と電極端子30のうちの一方は、電池セル7の正出力電極とされてもよく、他方は電池セル7の負出力電極とされてもよい。本実施例において、正出力電極と負出力電極を電池セル7の同一の側に設け、このように複数の電池セル7の間の接続プロセスを簡略化することができる。
【0135】
本願の実施例の電極引出孔221は、ハウジング20の引張成形後に形成される。
【0136】
発明者は、筒体の開口端を内へ折り曲げてフランジ構造を形成し、フランジ構造により蓋板を押えて蓋板の固定を実現するように、筒体の開口端を圧延することを試みた。発明者は、電極端子を蓋板に取り付け、且つフランジ構造と電極端子を電池セルの2つの出力電極とした。しかしながら、フランジ構造は、寸法が大きいほど、成形後にカールやしわが発生するリスクが高くなる。フランジ構造にカールとしわが現れると、フランジ構造の表面が凸凹になり、フランジ構造と外部の合流部品を溶接する時、溶接不良の問題が引き起こされる。従って、フランジ構造の寸法が制限され、電池セルの電流通過能力の不足を招く。
【0137】
本実施例において、開孔プロセスにより蓋体22に電極端子30を取り付けるための電極引出孔221を形成し、正出力電極と負出力電極を電池セル7の筒体21の開口から離れる一端に設ける。蓋体22は、ハウジング20の成形中に形成され、電極引出孔221を開設した後にも平坦性を保証し、蓋体22と合流部品の接続強度を保証することができる。同時に、蓋体22の平坦性は、それ自体の寸法に制限されないため、蓋体22は、大きい寸法を有することで、電池セル7の電流通過能力を高めることができる。
【0138】
幾つかの実施例において、第2のタブ13は負極タブであり、ハウジング20の基体材質は鋼である。
【0139】
ハウジング20は負極タブに電気的に接続され、即ちハウジング20は低電位状態にある。鋼製のハウジング20は、低電位状態で電解液に腐食されにくい。
【0140】
幾つかの実施例において、第1の環状部112は、集電部材40に溶接されて第1の溶接部W1を形成する。
【0141】
電池セル7を実装する時、まず電極組立体10の第1のタブ11の第1の環状部112を集電部材40に溶接してから、電極組立体10と集電部材40をハウジング20内に入れることができる。具体的には、第1の環状部112と集電部材40を溶接する時、まず集電部材40を第1のタブ11のレベリング後の端面に押し付けてから、外部溶接機器は、集電部材40の第1のタブ11から離れる表面にレーザを照射し、レーザにより集電部材40と第1のタブ11の第1の環状部112を溶接することができる。
【0142】
第1の溶接部W1の形状は、直線状、C字状、環状、螺旋形、V字状又は他の形状であってもよいが、本実施例においてこれを制限しない。
【0143】
第1の溶接部W1は、1つであってもよく、複数であってもよい。
【0144】
第1の溶接部W1によって、集電部材40と第1の環状部112の間の接触抵抗を減少し、電流通過能力を高めることができる。
【0145】
幾つかの実施例において、第1のタブ11の第1の方向Xに垂直な断面はリング状である。第1のタブ11の外半径はRとされ、第1の溶接部W1と中心軸線Aの第2の方向での最小ピッチはDとされ、両者は、0.2≦D/R≦0.8を満たし、第2の方向は第1のタブ11の径方向である。
【0146】
第1のタブ11は、レベリング処理を経た後、略円柱体状を呈する。第1のタブ11の第1の方向Xに垂直な断面について、絶対的なリング状であることを要求せず、一定の偏差が存在することは許容される。
【0147】
第1の溶接部W1は、集電部材40と第1のタブ11の間で電流を伝達するために用いられ、その位置が第1のタブ11の各部分の導電経路に直接影響する。D/R<0.2の場合、第1の溶接部W1と最も外側のタブ層のピッチが大き過ぎるため、最も外側のタブ層と電極端子30の間の電流経路と、最も内側のタブ層と電極端子30の間の電流経路との間の差が大きく、電極組立体の第1のシートの電流密度が不均一になり、内部抵抗が大きくなる。D/R>0.8の場合、第1の溶接部W1と最も内側のタブ層のピッチが大き過ぎるため、最も外側のタブ層と電極端子30の間の電流経路と、最も内側のタブ層と電極端子30の間の電流経路との間の差が大きく、第1のシートの電流密度が不均一になり、内部抵抗が大きくなる。
【0148】
本願の実施例において、DとRの値を0.2≦D/R≦0.8とすることにより、第1のタブ11の異なる位置にある部分と電極端子30の間の電流経路の差を減少し、電極組立体10の第1のシートの電流密度の均一性を高め、内部抵抗を低下させ、電流通過能力を高めることができる。
【0149】
任意選択的に、0.3≦D/R≦0.7である。例示的に、D/Rの値は、0.3、0.4、0.5、0.6又は0.7である。
【0150】
幾つかの実施例において、第1のタブ11のタブ層の総巻き数はN1とされ、第1の溶接部W1に接続されるタブ層の総巻き数はN2とされ、両者は、0.3≦N2/N1≦0.7を満たす。
【0151】
第1の溶接部W1によりN2巻きのタブ層を接続することで、N2巻きのタブ層の間の電流が直接第1の溶接部W1を通過して集電部材40に流れることができ、他のタブ層を経由する必要がない。N2/N1≧0.3とすれば、電流通過能力を効果的に高め、第1のタブ11の異なる部分と電極端子30の間の電流経路の差を減少することができる。N2/N1>0.7の場合、電極組立体10の径方向において、第1の溶接部W1の集電部材40での寸法が大きいため、集電部材40と電極端子30の溶接に影響を与えることになる。
【0152】
任意選択的に、N2/N1の値は、0.3、0.4、0.5、0.6又は0.7であってもよい。
【0153】
図7は、本願の幾つかの実施例による電池セルの電極組立体と集電部材が溶接された後の構造模式図である。図8は、本願の別の実施例による電池セルの電極組立体と集電部材が溶接された後の構造模式図である。
【0154】
図7に示すように、幾つかの実施例において、第1の溶接部W1は環状であり、且つ中心軸線を囲んで設けられる。
【0155】
環状の第1の溶接部W1は、大きい電流通過面積を有し、第1のシートの電流密度の均一性を高め、内部抵抗を低下させ、電流通過能力を高めることができる。
【0156】
幾つかの実施例において、電極組立体10の径方向で、第1の溶接部W1の寸法(即ち、環状の第1の溶接部W1の環幅)と第1のタブ11の外半径の比は0.3~0.7である。
【0157】
図8に示すように、別の実施例において、第1の溶接部W1は複数であり、複数の第1の溶接部W1は、第1の環状部の周方向Yに間隔をおいて分布する。
【0158】
第1の溶接部W1は、電極組立体10の径方向に沿って延伸する直線状構造であってもよく、V字状機構であってもよいが、勿論、他の構造であってもよい。
【0159】
複数の第1の溶接部W1は、電流通過面積を大きくし、第1のシートの電流密度の均一性を高め、内部抵抗を低下させ、電流通過能力を高めることができる。
【0160】
図9は、図6に示される電池セルのボックスBの箇所における拡大模式図である。図10は、本願の幾つかの実施例により提供される電池セルの電極端子の分解模式図である。
【0161】
図6図9図10を参照し、幾つかの実施例において、集電部材40は、第1のタブ11に面する側に凸部41を有し、凸部41は、第1の環状部112に溶接されて第1の溶接部W1を形成する。
【0162】
集電部材40は、第1の方向Xに沿って対向して設けられた第3の内面42と第3の外面43を有し、第3の内面42は、第1のタブ11に面する。凸部41は、第3の内面42に対して第1のタブ11の第1の環状部112へ突出する。第3の内面42と第3の外面43は平面であってもよい。幾つかの例において、凸部41の他、集電部材40の他の部分は、略平板構造である。
【0163】
集電部材40と電極組立体10を実装する時、まず集電部材40の凸部41を第1の環状部112に押し付けてから、凸部41と第1の環状部112を溶接する。凸部41は第1の環状部112に一層好適に貼合し、溶接不良のリスクを低下させることができる。
【0164】
幾つかの実施例において、凸部41は、第1の環状部112を押圧して第1の環状部112に嵌め込むことができ、第3の内面42は、第1の環状部112の端面に押し付けられる。このように、一部の電流は、第3の内面42と第1の環状部112の端面の合わせ部により伝達することもでき、電流通過能力が高められる。
【0165】
幾つかの実施例において、集電部材40の凸部41に対応する位置に第3の凹部44が形成され、第3の凹部44は、第3の外面43に対して第1の環状部112に面する方向へ凹む。第3の凹部44の底面と凸部41の頂面の間に移行部が形成され、移行部は、第1の環状部112に溶接されて第1の溶接部W1を形成する。
【0166】
第3の凹部44を設けることで移行部の厚さを減少し、移行部と第1の環状部112の溶接に必要な溶接パワーを減少し、発熱を減少し、電極組立体10が焼損されるリスクを低下させることができる。
【0167】
第1の溶接部W1は、溶接されてなり、その表面が凸凹である。本実施例において、第3の凹部44を設けることで、第1の溶接部W1の表面が第3の外面43に対して凹むようにし、第1の溶接部W1が他の部材(例えば電極端子30)を避けることができるようになる。
【0168】
幾つかの実施例において、第3の凹部44内に固定片(図示せず)が設けられていてもよく、固定片は、第1の溶接部W1に残留される金属粒子を固定し、金属粒子が電極組立体10に落ちて短絡を引き起こすリスクを低下させるように、第1の溶接部W1を被覆するために用いられる。固定片は、絶縁パッチ、絶縁接着剤層又は他の構造であってもよい。
【0169】
第1のタブ11は、第2の環状部111を更に含み、第2の環状部111は、第1の方向Xに沿って電極引出孔221と対向して設けられ、第1の環状部112は、第2の環状部111の外側を囲む。第2の環状部111の少なくとも一部は、集電部材40に当接する。
【0170】
第2の環状部111が第1の方向Xに沿って電極引出孔221と対向して設けられることは、第2の環状部111の第1の方向Xへの投影が電極引出孔221の第1の方向Xへの投影内に位置し、且つ第2の環状部111の第1の方向Xへの投影の輪郭と電極引出孔221の第1の方向Xへの投影の輪郭とが重なり合うことを指す。例示的に、第2の環状部111は、中心軸線Aを囲んで設けられる。
【0171】
第1の環状部112は、第2の環状部111に接続され、且つ、第1の環状部112は、第2の環状部111の外側を囲む環状構造である。電極引出孔221の第1の方向Xへの第1のタブ11における投影の輪郭は、第2の環状部111と第1の環状部112の境界線の輪郭と重なり合うと考えられる。
【0172】
第2の環状部111の少なくとも一部は、集電部材40の第3の内面42に当接する。
一部の電流は、第2の環状部111と集電部材40の当接箇所を通過して集電部材40に伝達することができる。
【0173】
本実施例において、第2の環状部111を設けることで、電流通過能力を高めることができる。第2の環状部111は、径方向に第1の環状部112を支持することで、第1の環状部112と集電部材40を溶接する時、第1の環状部112が押し潰されて変形してしまうリスクを低下させ、第1の環状部112と集電部材40の溶接の安定性を高めることもできる。
【0174】
幾つかの実施例において、電極端子30は、第1の凹部31を有する端子本体34を含む。端子本体34において第1の凹部31の底部に接続部32が形成されており、接続部32は、集電部材40に溶接されて第2の溶接部W2を形成する。
【0175】
接続部32は、対向して設けられた第1の内面321と第1の外面322を有し、第1の内面321は、集電部材40に面する。任意選択的に、第1の内面321と第1の外面322は何れも平面である。
【0176】
第1の凹部31は、電極端子30の電極組立体10から離れる側から電極組立体10に面する方向へ凹んでもよく、電極端子30の電極組立体10に面する側から電極組立体10から離れる方向へ凹んでもよい。換言すれば、端子本体34は、第1の方向に沿って設けられた第2の外面344と第2の内面345を有し、第1の凹部31は、第2の外面344に形成されて凹んでもよく、第2の内面345に形成されてもよい。
【0177】
接続部32の第1の方向Xへの投影は、電極引出孔221の第1の方向Xへの投影内に位置する。第1の方向Xにおいて、集電部材40は、接続部32と第1のタブ11の間に位置する。集電部材40の一部と接続部32は、接続部32と集電部材40の溶接を実現するように、第1の方向Xにおいて重なる。
【0178】
電極組立体10と集電部材40が筒体21の開口を経由してハウジング20内に取り付けられ、集電部材40が接続部32に押し付けられた後、外部溶接機器は、接続部32の集電部材40から離れる側から接続部32と集電部材40を溶接して第2の溶接部W2を形成することができる。
【0179】
本実施例において、第1の凹部31を設けることで接続部32の厚さを減少し、このように接続部32と集電部材40の溶接に必要な溶接パワーを減少し、発熱を減少し、他の部材(例えば後述の第1の絶縁部材60)が焼損されるリスクを低下させることができる。
【0180】
幾つかの実施例において、接続部32の厚さは0.5mm~10mmである。
【0181】
幾つかの実施例において、接続部32の厚さ方向で、第2の溶接部W2は、第1の外面322から集電部材40まで延伸し、且つ、集電部材40のメルトスルーを回避するように、第2の溶接部W2と集電部材40の接続部32から離れる表面とは、所定の距離だけ隔てられる。
【0182】
幾つかの実施例において、接続部32には、接続部32と集電部材40を溶接する時に応力を解放するための応力解放構造が設けられている。
【0183】
溶接中に、接続部32は、溶接応力によって影響される。本願は、応力解放構造を設けることで応力を解放し、接続部32の溶接中における変形や割れのリスクを減少し、接続部32と集電部材40の間の接続強度を保証する。
【0184】
例示的に、応力解放構造は、孔、溝又は他の構造であってもよい。
【0185】
幾つかの実施例において、接続部32には、接続部32の電極組立体10から離れる側にある空間をハウジング20の内部空間に連通させるための第1の貫通孔323が設けられている。
【0186】
第1の貫通孔323は、接続部32の厚さ方向に接続部32を貫通する。第1の貫通孔323は、1つであってもよく、複数であってもよい。
【0187】
接続部32と集電部材40を溶接する時、第1の貫通孔323によって、溶接応力を解放する役割を果たし、接続部32の破裂のリスクを低下させることができる。
【0188】
電池セル7の成形中に、第1の貫通孔323は、複数の成形工程に用いることができ、例えば、第1の貫通孔323は、注液工程、化学形成工程又は他の工程に用いることができる。
【0189】
具体的には、第1の貫通孔323は、ハウジング20の内部空間に電解液を注入するために用いられる。注液する必要がある場合、注液機器の注液ヘッドは、接続部32に押し付けられ、注液ヘッドは、第1の貫通孔323を介してハウジング20内に電解液を注入する。
【0190】
電池セル7の化学形成工程において、ハウジング20内にガスが発生し、第1の貫通孔323は、外部負圧機器に連通して、ハウジング20内のガスを抽出するためにも用いることができる。
【0191】
幾つかの実施例において、第1の貫通孔323の軸線と電極引出孔221の軸線とは重なり合う。
【0192】
幾つかの実施例において、集電部材40に第2の貫通孔45が設けられており、第2の貫通孔45は、電解液が第2の貫通孔45を介してハウジング20の内部空間に流れ込むことができるように、第1の貫通孔323と対向して設けられるように配置される。
【0193】
第1の貫通孔323の第1の方向Xへの投影と第2の貫通孔45の第1の方向Xへの投影とは、少なくとも部分的に重なる。本実施例において、第2の貫通孔45の孔径について限定せず、第1の貫通孔323の孔径よりも大きいか、それに等しいか、又はそれよりも小さくてもよい。
【0194】
本実施例において、集電部材40に第1の貫通孔323と対向する第2の貫通孔45を設けることで、集電部材40の注液工程における電解液に対する遮断を軽減し、電解液がスムーズにハウジング20内に流れ込むことができるようにし、電極組立体10の浸潤効率を高めることができる。
【0195】
幾つかの実施例において、第1の貫通孔323の第1の方向Xへの投影は、第2の貫通孔45の第1の方向Xへの投影内に位置する。本実施例において、集電部材40が第1の方向Xで第1の貫通孔323を遮蔽することを回避することができ、電解液がスムーズにハウジング20内に流れ込むことができるようになる。
【0196】
第1の貫通孔323と第2の貫通孔45は、同軸に設けられ、第2の貫通孔45の孔径は、第1の貫通孔323の孔径以上であってもよい。
【0197】
幾つかの実施例において、電極組立体10は巻取構造であり、電極組立体10は、巻取中心に第3の貫通孔14を有し、第3の貫通孔14は、第1の方向Xに沿って電極組立体10を貫通し、第3の貫通孔14は、電解液が第3の貫通孔14を介して電極組立体10の内部に流れ込むことができるように、第1の方向Xに沿って第1の貫通孔323及び第2の貫通孔45と対向して設けられる。
【0198】
電極組立体10は、第1のシート、第2のシート及びセパレータを巻取工具に巻き取ることで製造され、巻取成形後に、巻取工具を電極組立体10から抽出する。巻取工具を抽出した後、電極組立体10の中央部に第3の貫通孔14を形成する。
【0199】
第3の貫通孔14の軸線と電極組立体10の中心軸線Aとは重なり合う。第3の貫通孔14は、第1の方向Xに沿って第1のタブ11、本体部12及び第2のタブ13を貫通する。第1のタブ11の第2の環状部111は、第3の貫通孔14の外側を囲む円環状構造であり、第1の環状部112は、第2の環状部111の外側を囲む円環状構造である。
【0200】
注液工程において、電解液は、第1の貫通孔323及び第2の貫通孔45を経由して第3の貫通孔14に流れ込むことができ、第3の貫通孔14に流れ込んだ電解液は、内部から電極組立体10を浸潤することができ、電極組立体10の浸潤効率が高められる。
【0201】
幾つかの実施例において、第2の貫通孔45の第1の方向Xへの投影は、第3の貫通孔14の第1の方向Xへの投影内に位置する。このように、第1のタブ11の第2の貫通孔45に対する遮蔽を軽減することができ、電解液がスムーズに第3の貫通孔14内に流れ込むことができる。
【0202】
幾つかの実施例において、第1の貫通孔323、第2の貫通孔45、第3の貫通孔14は、同軸に設けられる。第3の貫通孔14の孔径は、第2の貫通孔45の孔径以上であってもよい。
【0203】
幾つかの実施例において、接続部32は凹溝324を含み、凹溝324の底壁に第2の溶接部W2が形成されており、凹溝324は、第1の外面322と凹溝324の底壁の間にギャップを形成するように、接続部32の第1の外面322から電極組立体10の方向へ凹むように配置される。
【0204】
凹溝324は、第1の外面322に対して集電部材40に面する方向へ凹む。本実施例において、接続部32に凹溝324を開設することで、接続部32に段付き構造を形成する。
【0205】
凹溝324の底壁と第1の内面321の間の部分は、集電部材40に溶接されて第2の溶接部W2を形成するために用いられる。第1の貫通孔323は、凹溝324の底壁から第1の内面321まで延伸し、接続部32を貫通する。
【0206】
電池セルの生産中に、外部機器は、接続部32に合わせる必要がある。第2の溶接部W2の表面が凸凹であり、外部機器が第2の溶接部W2に圧着されると、外部機器は第2の溶接部W2により押し潰されやすい。本実施例において、凹溝324を設けることで、第1の外面322と凹溝324の底壁の間にギャップを形成し、このように、第1の外面322は、外部機器と第2の溶接部W2を離間し、外部機器が押し潰されるリスクを低下させるように、外部機器を支持するために用いることができる。
【0207】
外部機器は、注液機器、ガス抽出機器、溶接機器又は電池セルに用いられる機器であってもよい。
【0208】
例えば、注液時に、注液ヘッドは第1の外面322に押し付けられ、第1の外面322は、注液ヘッドを支持し、注液ヘッドと合わせてシールを実現し、電解液が電池セル7の外部に漏れるリスクを低下させることができる。
【0209】
図11は、本願の幾つかの実施例により提供される電池セルの電極端子の上面模式図である。
【0210】
図9図11を合わせて参照し、幾つかの実施例において、端子本体34は、柱状部341、第1の規制部342及び第2の規制部343を含み、柱状部341は、少なくとも部分的に電極引出孔221内に位置し、第1の凹部31は柱状部341に設けられ、第1の規制部342と第2の規制部343は、何れも柱状部341の外側壁に接続されるとともにそれから突出し、第1の規制部342と第2の規制部343は、それぞれ蓋体22の第1の方向における外側と内側に設けられ、且つ蓋体22の一部を挟むために用いられる。
【0211】
第1の規制部342が蓋体22の第1の方向における外側に設けられることは、第1の規制部342が第1の方向において蓋体22の電極組立体から離れる側に設けられることを指す。第2の規制部343が蓋体22の第1の方向における内側に設けられることは、第2の規制部343が第1の方向において蓋体22の電極組立体に面する側に設けられることを指す。
【0212】
第1の方向において、第1の規制部342の少なくとも一部は、蓋体22と重なり、第2の規制部343の少なくとも一部は、蓋体22と重なる。柱状部341は、電極引出孔221を貫通して、それぞれ蓋体22の両側に位置する第1の規制部342と第2の規制部343に接続される。
【0213】
第1の規制部342と第2の規制部343は、端子本体34を蓋体22に固定するように、両側から蓋体22の一部を挟む。第1の規制部342と第2の規制部343は、蓋体22を直接挟んでもよく、他の部材を介して蓋体22を間接挟んでもよい。
【0214】
任意選択的に、柱状部341は円柱状である。第1の規制部342及び第2の規制部343は、何れも柱状部341を囲む環状構造である。
【0215】
幾つかの実施例において、電池セル7は、第1の絶縁部材60及び第2の絶縁部材70を更に含み、第1の絶縁部材60の少なくとも一部は第1の規制部342と蓋体22の間に設けられ、第2の絶縁部材70の少なくとも一部は第2の規制部343と蓋体22の間に設けられる。第1の絶縁部材60及び第2の絶縁部材70は、端子本体34と蓋体22を絶縁させるように隔離するために用いられる。
【0216】
第1の絶縁部材60及び第2の絶縁部材70は、何れも柱状部341を囲んで設けられた環状構造である。
【0217】
第1の絶縁部材60は、第1の規制部342と蓋体22を絶縁させるように隔離することができ、第2の絶縁部材70は、第2の規制部343と蓋体22を絶縁させるように隔離することができる。
【0218】
幾つかの実施例において、第1の絶縁部材60と第2の絶縁部材70のうちの一方は、柱状部341と蓋体22を離間する。例えば、第1の絶縁部材60の一部は、電極引出孔221内に延伸して、電極引出孔221の孔壁と柱状部341を離間する。
【0219】
幾つかの実施例において、第1の絶縁部材60と第2の絶縁部材70は、一体的に形成された構造である。代替的に、別の実施例において、第1の絶縁部材60と第2の絶縁部材70は、別々に提供されるとともに互いに当接する。
【0220】
幾つかの実施例において、第1の絶縁部材60と第2の絶縁部材70のうちの一方は、電極引出孔をシールするために用いられる。幾つかの例において、第1の規制部342と蓋体22は、第1の絶縁部材60を押圧し、第1の絶縁部材60は、圧縮されて外側から電極引出孔221をシールする。別の例において、第2の規制部343と蓋体22は、第2の絶縁部材70を押圧し、第2の絶縁部材70は、圧縮されて内側から電極引出孔221をシールする。
【0221】
幾つかの実施例において、電池セル7は、シールリング80を更に含み、シールリング80は、柱状部341に嵌設され、電極引出孔221をシールするために用いられる。任意選択的に、シールリング80の一部は、電極引出孔221内に延伸して、電極引出孔221の孔壁と柱状部341を離間する。
【0222】
幾つかの実施例において、第1の規制部342の外周に複数の突起構造342aが設けられており、複数の突起構造342aは、柱状部341の周方向に間隔をおいて設けられる。
【0223】
任意選択的に、複数の突起構造342aは、柱状部341の周方向に等間隔で設けられてもよい。
【0224】
第1の規制部342は、端子本体34の電極組立体から離れる端部から外へ折り曲げて形成されたフランジ構造である。
【0225】
端子本体34をハウジングに実装する前に、端子本体34の第1の規制部342は、略円筒構造であり、且つ柱状部341の上端に位置し、第1の規制部342の外側壁と柱状部341の外側壁は面一である。端子本体34をハウジングに実装する時に、第1の規制部342に電極引出孔221を貫通させた後、第1の規制部342を押圧することで、第1の規制部342を外へ折り曲げ、且つ端子本体34を蓋体22にカシメする。
【0226】
第1の規制部342を折り曲げる前に、第1の規制部342の上端には、間隔をおいて設けられる複数の凹溝構造342bが開設されている。第1の規制部342を折り曲げた後に、柱状部341の周方向に間隔をおいて設けられる複数の突起構造342aを形成し、隣接する突起構造342aの間は、凹溝構造342bとなる。本実施例において、凹溝構造342bと突起構造342aを設けることで、第1の規制部342の折り曲げの難しさを低下させ、第1の規制部342への応力の集中を減少する。
【0227】
幾つかの実施例において、第2の規制部343は、端子本体34の電極組立体に面する端部を押圧することで端子本体34の電極組立体に面する端部が外へ延伸して形成された規制構造である。蓋体22と端子本体34を実装する時、外部機器は、端子本体34の電極組立体に面する端部を押圧することができ、端子本体34の電極組立体に面する端部は、圧力の作用により外へ延伸し、突出した第2の規制部343を形成する。
【0228】
幾つかの実施例において、端子本体34は、第1の方向に沿って対向して設けられた第2の外面344と第2の内面345を有し、第1の凹部31は、電極組立体10に面する方向に沿って第2の外面344から接続部32の第1の外面322まで凹む。
【0229】
幾つかの実施例において、電極端子30は、シールプレート33を含み、シールプレート33は、端子本体34に接続されるとともに、第1の凹部31の開口を閉塞する。
【0230】
シールプレート33は、全体的に第1の凹部31の外側に位置してもよく、部分的に第1の凹部31内に収容されてもよく、シールプレート33が第1の凹部31の開口を閉塞できればよい。
【0231】
シールプレート33は、外側から接続部32を保護することができ、第1の凹部31に入る外部異物を減少し、外部異物によって接続部32が損傷されるリスクを低下させ、電池セル7のシール性能を高める。
【0232】
なお、シールプレート33は、第1の貫通孔323をシールする役割を果たすこともできる。電池セル7が成形した後、シールプレート33は、電解液が第1の貫通孔323と第1の凹部31を経由して漏れるリスクを低下させ、シール性能を高めることができる。
【0233】
幾つかの実施例において、第1の凹部31の側壁に段付き面311が設けられており、シールプレート33の少なくとも一部は、第1の凹部31に収容され、段付き面311は、シールプレート33を支持するために用いられる。
【0234】
第1の凹部31は、外側が大きく内側が小さい段付き式凹部である。
【0235】
シールプレート33を実装する時、段付き面311は、シールプレート33を支持してシールプレート33を位置決めすることができ、実装プロセスが簡略化される。シールプレート33の少なくとも一部は、第1の凹部31に収容され、このように電極端子30の第1の方向における全体的寸法を減少し、電極端子30に占められる空間を減少し、エネルギー密度を高めることができる。
【0236】
幾つかの実施例において、シールプレート33は、第1の凹部31の側壁に溶接されて、第1の凹部31の開口を閉塞する。
【0237】
幾つかの実施例において、シールプレート33と接続部32の間に第2の溶接部W2を避けるためのギャップが設けられている。
【0238】
第2の溶接部W2の表面は凸凹であり、シールプレート33が第2の溶接部W2に押し付けられた場合、シールプレート33が実装中にがたつき、シール効果に影響を与えることになる。本実施例において、シールプレート33と接続部32の間にギャップを設けることで、シールプレート33が第2の溶接部W2を避けるようにし、シールプレート33と第2の溶接部W2の直接接触を回避し、シールプレート33の実装中のがたつきを減少し、シール効果を保証する。
【0239】
幾つかの例において、第1の凹部31は段付き構造を有し、このように、シールプレート33は、シールプレート33と接続部32の間にギャップを形成するように、段付き面311に当接する。別の例において、接続部32を段付き構造として設けてもよく、このように、シールプレート33は、接続部32に当接することができ、接続部32にある凹溝324は、シールプレート33と接続部32の間のギャップを形成する。
【0240】
幾つかの実施例において、接続部32は、端子本体34の電極組立体10に面する一端に設けられ、接続部32の第1の内面321と第2の内面345は、面一に設けられる。
【0241】
第2の内面345は、端子本体34の電極組立体10に面する表面である。接続部32の第1の内面321は、第2の内面345の一部を構成する。このように、端子本体34は、平板構造を有する集電部材40と合わせることができる。本実施例において、集電部材40の第3の外面43を第2の内面345に貼合すれば、接続部32と集電部材40の貼合を実現することができ、接続部32と集電部材40の溶接を実現しやすくなる。
【0242】
図12は、本願の別の実施例により提供される電池セルの局所断面模式図である。
【0243】
図12に示すように、幾つかの実施例において、端子本体34は、第1の方向Xに沿って設けられた第2の外面344と第2の内面345を有し、第1の凹部31は、電極組立体10に面する方向に沿って第2の外面344から接続部32の第1の外面322まで凹む。端子本体34は、電極組立体から離れる方向に沿って第2の内面345から接続部32の第1の内面321まで凹む第2の凹部35を更に含む。
【0244】
本願の実施例において、第1の凹部31と第2の凹部35を同時に設けることで接続部32の厚さを減少し、このように第1の凹部31の深さに対する要求を低下させ、成形プロセスを簡略化することができる。第2の凹部35を設けることで、電池セル7の内部空間を大きくし、エネルギー密度を高めることもできる。
【0245】
幾つかの実施例において、集電部材40は、端子接続部46及び端子接続部46の外側を囲むタブ接続部47を含み、端子接続部46は、端子接続部46の頂部が接続部32の第1の内面321に当接するように、タブ接続部47に対して突設されるとともに第2の凹部35内に伸びる。
【0246】
タブ接続部47は、蓋体22と第1のタブ11の間に位置し、第1の環状部に溶接されて第1の溶接部W1を形成する。任意選択的に、タブ接続部47は、円環状の平板構造であってもよい。
【0247】
幾つかの実施例において、集電部材40の端子接続部46に対応する位置に第4の凹部48が設けられており、第4の凹部48は、タブ接続部47の第1のタブ11に面する表面に対して凹む。第4の凹部48は、端子接続部46に占められる空間を減少し、集電部材40の重量を減少することができる。例示的に、端子接続部46と第4の凹部48は、集電部材40を打抜くことで形成される。
【0248】
図13は、本願の更に別の実施例により提供される電池セルの局所断面模式図である。
【0249】
図13に示すように、幾つかの実施例において、端子本体34は、第1の方向Xに沿って設けられた第2の外面344と第2の内面345を有し、第1の凹部31は、電極組立体から離れる方向に沿って第2の内面345から接続部32の第1の内面321まで凹む。
【0250】
本実施例において、第1の凹部31を端子本体34の内側に設けることで、第2の外面344の平坦性と面積を保証することができ、端子本体34と外部の合流部品を接続しやすくなる。端子本体34の内側に第1の凹部31を設けることで、電池セル7の内部空間を大きくし、エネルギー密度を高めることもできる。
【0251】
幾つかの実施例において、集電部材40は、端子接続部46及び端子接続部46の外側を囲むタブ接続部47を含み、端子接続部46は、端子接続部46の頂部が接続部32の第1の内面321に当接するように、タブ接続部47に対して突設されるとともに第1の凹部31内に伸びる。
【0252】
タブ接続部47は、蓋体22と第1のタブ11の間に位置し、第1の環状部に溶接されて第1の溶接部W1を形成する。任意選択的に、タブ接続部47は、円環状の平板構造であってもよい。
【0253】
幾つかの実施例において、集電部材40の端子接続部46に対応する位置に第4の凹部48が設けられており、第4の凹部48は、タブ接続部47の第1のタブ11に面する表面に対して凹む。第4の凹部48は、端子接続部46に占められる空間を減少し、集電部材40の重量を減少することができる。例示的に、端子接続部46と第4の凹部48は、集電部材40を打抜くことで形成される。
【0254】
図14は、本願の幾つかの実施例により提供される電池セルと合流部品が接続された後の構造模式図である。
【0255】
図14に示すように、幾つかの実施例において、端子本体34は、第1の方向に沿って対向して設けられた第2の外面344と第2の内面345を有し、第1の凹部31は、電極組立体10に面する方向に沿って第2の外面344から接続部32の第1の外面322まで凹む。電極端子30は、シールプレート33を更に含み、シールプレート33は、端子本体34に接続されるとともに、第1の凹部31の開口を閉塞し、シールプレート33は、電池の合流部品8に溶接されて第3の溶接部W3を形成するために用いられる。
【0256】
電池では、電池セル7は、合流部品8を介して電気的に接続される。第3の溶接部W3により、シールプレート33と合流部品8の間の接触抵抗を減少し、電流通過能力を高めることができる。
【0257】
任意選択的に、電池では、合流部品8は、1つの電池セル7のシールプレート33と別の電池セルの蓋体を接続することで、この2つの電池セルを直列に接続する。
【0258】
幾つかの実施例において、シールプレート33の少なくとも一部は、端子本体34の第2の外面344から突出する。
【0259】
合流部品8とシールプレート33を溶接する必要がある時、まず合流部品8をシールプレート33の上面(即ち、シールプレート33の接続部から離れる外面)に貼合してから、合流部品8とシールプレート33を溶接する。
【0260】
シールプレート33の少なくとも一部が第2の外面344から突出することで、第2の外面344によってシールプレート33と合流部品8の貼合が干渉されることを回避し、合流部品8とシールプレート33の密接な貼合を保証する。
【0261】
幾つかの実施例において、シールプレート33の少なくとも一部は、第1の凹部31に収容され、第1の凹部31の側壁にシールプレート33を支持するための段付き面が設けられている。シールプレート33は、第1の凹部31の側壁に溶接されて第4の溶接部W4を形成し、第4の溶接部W4は、第1の凹部31の開口をシールするために用いられる。
【0262】
第4の溶接部W4は、シールプレート33の外周を一回り囲むことで、シールプレート33と第1の凹部31の側壁の間のギャップをシールし、電池セル7のシール性能を高める。
【0263】
幾つかの実施例において、接続部から離れる方向で、第4の溶接部W4は、シールプレート33の上面を超えず、このように第4の溶接部W4と合流部品8の干渉を回避することができる。
【0264】
幾つかの実施例において、第3の溶接部W3は、全体的に第4の溶接部W4により囲まれた領域内に位置する。
【0265】
第4の溶接部W4は、第3の溶接部W3の外側を囲み、且つ第3の溶接部W3と所定の距離だけ隔てられる。
【0266】
本実施例において、合流部品8とシールプレート33を溶接する時、第3の溶接部W3と第4の溶接部W4の交差を回避し、半田付け不良のリスクを低下させることができる。
【0267】
図15は、本願の幾つかの実施例により提供される電池セルの製造方法のフローチャートである。
【0268】
図15に示すように、本願の実施例の電池セルの製造方法は、以下のS110~S150を含む。
【0269】
S110において、筒体と筒体に接続される蓋体を含むハウジングであって、筒体が蓋体から離れる一端に開口を有し、蓋体に電極引出孔が設けられているハウジングと、電極引出孔に取り付けられる端子本体と、を提供する。
【0270】
S120において、第1のタブを含む電極組立体であって、第1のタブが電極組立体の中心軸線を囲んで設けられるとともに第1の環状部を含む電極組立体を提供する。
【0271】
S130において、集電部材を提供し、且つ集電部材を第1の環状部に接続する。
【0272】
S140において、電極組立体と集電部材をハウジング内に取り付け、且つ、第1のタブと端子本体を電気的に接続するように、集電部材と端子本体を接続する。
【0273】
S150において、蓋板を提供し、筒体の開口を閉塞するように、蓋板を筒体に接続する。
【0274】
筒体は、電極組立体の外周を囲んで設けられ、中心軸線は、第1の方向に沿って延伸するとともに、電極引出孔を経由し、第1の環状部は、蓋体と対向して設けられ、且つ、第1の環状部の第1の方向への投影は、電極引出孔の第1の方向への投影と重ならず、集電部材の少なくとも一部は、蓋体と第1の環状部の間に位置する。
【0275】
幾つかの実施例において、端子本体に第1の凹部が設けられており、端子本体において第1の凹部の底部に接続部が形成されている。
【0276】
ステップS140は、以下のS141~S142を含む。
【0277】
S141において、電極組立体と集電部材をハウジング内に取り付け、且つ集電部材を接続部に押し付ける。
【0278】
S142において、外部溶接機器により接続部の集電部材から離れる表面に作用することで、接続部と集電部材を溶接する。
【0279】
外部溶接機器により接続部と集電部材を溶接して第2の溶接部を形成する。本実施例において、第1の凹部を設けることで接続部の厚さを減少し、このように接続部と集電部材の溶接に必要な溶接パワーを減少し、発熱を減少し、他の部材が焼損されるリスクを低下させることができる。外側から溶接する時、ハウジングにより電極組立体を保護し、溶接によって生じた金属粒子が電極組立体に飛散しないように遮断し、短絡のリスクを低下させることができる。
【0280】
幾つかの実施例において、端子本体は、第1の方向に沿って対向して設けられた第2の外面と第2の内面を有し、第1の凹部は、電極組立体に面する方向に沿って第2の外面から接続部の第1の外面まで凹む。電池セルの製造方法は、ステップS160を更に含む。
ステップS160において、シールプレートを提供し、第1の凹部の開口を閉塞するように、シールプレートの少なくとも一部を第1の凹部内に置くとともに、シールプレートと第1の凹部の側壁を溶接する。
【0281】
シールプレートは、外側から接続部を保護し、第1の凹部に入る外部異物を減少し、接続部が外部異物に損傷されるリスクを低下させ、電池セルのシール性能を高めることができる。
【0282】
上記電池セルの製造方法により製造された電池セルに関連する構造は、上記各実施例により提供される電池セルを参照できることを説明しておく。
【0283】
上記電池セルの製造方法に基づいて電池セルを組み立てる時、必ず上記ステップに従って順次行わなくてもよく、つまり、実施例において言及された順序に従ってステップを実行してもよく、実施例において言及された順序と異なる順序でステップを実行するか、又は複数のステップを同時に実行してもよい。例えば、ステップS110、S120は、ランダムな順序で実行され、同時に行われてもよい。
【0284】
図16は、本願の幾つかの実施例により提供される電池セルの製造システムの模式的ブロック図である。
【0285】
図16に示すように、本願の実施例の電池セルの製造システム91は、
筒体と筒体に接続される蓋体を含むハウジングであって、筒体が蓋体から離れる一端に開口を有し、蓋体に電極引出孔が設けられているハウジングと、電極引出孔に取り付けられる端子本体と、を提供するための第1の提供装置911と、
第1のタブを含む電極組立体であって、第1のタブが電極組立体の中心軸線を囲んで設けられるとともに第1の環状部を含む電極組立体を提供するための第2の提供装置912と、
集電部材を提供し、且つ集電部材を第1の環状部に接続するための第3の提供装置913と、
電極組立体と集電部材をハウジング内に取り付け、且つ、第1のタブと端子本体を電気的に接続するように、集電部材と端子本体を接続するための組み立て装置914と、
蓋板を提供し、筒体の開口を閉塞するように、蓋板を筒体に接続するための第4の提供装置915と、を含み、
筒体は、電極組立体の外周を囲んで設けられ、中心軸線は、第1の方向に沿って延伸するとともに、電極引出孔を経由し、第1の環状部は、蓋体と対向して設けられ、且つ、第1の環状部の第1の方向への投影は、電極引出孔の第1の方向への投影と重ならず、集電部材の少なくとも一部は、蓋体と第1の環状部の間に位置する。
【0286】
上記製造システム91により製造された電池セルに関連する構造は、上記各実施例により提供される電池セルを参照できる。
【0287】
図17は、本願の別の実施例により提供される電池セルの製造方法のフローチャートである。
【0288】
図17に示すように、本願の実施例の電池セルの製造方法は、以下のS210~S260を含む。
【0289】
S210において、集電部材と端子本体を提供し、且つ集電部材と端子本体を接続する。
【0290】
S220において、第1のタブを含む電極組立体であって、第1のタブが電極組立体の中心軸線を囲んで設けられるとともに第1の環状部を含む電極組立体を提供する。
【0291】
S230において、第1のタブと端子本体を電気的に接続するように、集電部材を第1の環状部に接続する。
【0292】
S240において、筒体と筒体に接続される蓋体を含むハウジングであって、筒体が蓋体から離れる一端に開口を有し、蓋体に電極引出孔が設けられているハウジングを提供する。
【0293】
S250において、電極組立体と集電部材をハウジング内に取り付け、且つ端子本体を電極引出孔に取り付ける。
【0294】
S260において、蓋板を提供し、筒体の開口を閉塞するように、蓋板を筒体に接続する。
【0295】
筒体は、電極組立体の外周を囲んで設けられ、中心軸線は、第1の方向に沿って延伸するとともに、電極引出孔を経由し、第1の環状部は、蓋体と対向して設けられ、且つ、第1の環状部の第1の方向への投影は、電極引出孔の第1の方向への投影と重ならず、集電部材の少なくとも一部は、蓋体と第1の環状部の間に位置する。
【0296】
幾つかの実施例において、ステップS250は、S251~S252を含む。
【0297】
S251において、電極組立体と集電部材をハウジング内に取り付け、且つ端子本体の電極組立体から離れる端部が電極引出孔を経由して蓋体の外部まで延出するようにする。
【0298】
S252において、端子本体を電極引出孔に取り付けて蓋体に固定するように、端子本体の電極組立体から離れる端部を外へ折り曲げてフランジ構造を形成する。
【0299】
端子本体を外へ折り曲げて形成されたフランジ構造は、第1の規制部とされてよい。
【0300】
本実施例において、折り曲げプロセスにより端子本体の端部を折り曲げれば、端子本体を蓋板に固定することができ、端子本体と蓋体の実装プロセスが簡略化される。
【0301】
別の実施例において、ステップS250は、S253~S254を含む。
【0302】
S253において、電極組立体と集電部材をハウジング内に取り付け、且つ端子本体の電極組立体から離れる端部が電極引出孔を経由して蓋体の外部まで延出するようにする。
【0303】
S254において、端子本体の電極組立体から離れる端部を押圧することで端部を外へ延伸させて端子本体を蓋体に固定するための規制構造を形成する。
【0304】
押圧して形成された規制構造は、第1の規制部とされてよい。
【0305】
本実施例において、端子本体の端部を押圧すれば、端子本体を蓋板に固定することができ、端子本体と蓋体の実装プロセスが簡略化される。
【0306】
上記電池セルの製造方法により製造された電池セルに関連する構造は、上記各実施例により提供される電池セルを参照できることを説明しておく。
【0307】
上記電池セルの製造方法により製造された電池セルでは、第1の凹部とシールプレートは省略されてもよい。
【0308】
上記電池セルの製造方法に基づいて電池セルを組み立てる時、必ず上記ステップに従って順次行わなくてもよく、つまり、実施例において言及された順序に従ってステップを実行してもよく、実施例において言及された順序と異なる順序でステップを実行するか、又は複数のステップを同時に実行してもよい。例えば、ステップS210、S220は、ランダムな順序で実行され、同時に行われてもよい。
【0309】
図18は、本願の別の実施例により提供される電池セルの製造システムの模式的ブロック図である。
【0310】
図18に示すように、本願の実施例の電池セルの製造システム92は、
集電部材と端子本体を提供し、且つ集電部材と端子本体を接続するための第1の提供装置921と、
第1のタブを含む電極組立体であって、第1のタブが電極組立体の中心軸線を囲んで設けられるとともに第1の環状部を含む電極組立体を提供するための第2の提供装置922と、
第1のタブと端子本体を電気的に接続するように、集電部材を第1の環状部に接続するための第1の組み立て装置923と、
筒体と筒体に接続される蓋体を含むハウジングであって、筒体が蓋体から離れる一端に開口を有し、蓋体に電極引出孔が設けられているハウジングを提供するための第3の提供装置924と、
電極組立体と集電部材をハウジング内に取り付け、且つ端子本体を電極引出孔に取り付ける第2の組み立て装置925と、
蓋板を提供し、筒体の開口を閉塞するように、蓋板を筒体に接続する第4の提供装置926と、を含み、
筒体は、電極組立体の外周を囲んで設けられ、中心軸線は、第1の方向に沿って延伸するとともに、電極引出孔を経由し、第1の環状部は、蓋体と対向して設けられ、且つ、第1の環状部の第1の方向への投影は、電極引出孔の第1の方向への投影と重ならず、集電部材の少なくとも一部は、蓋体と第1の環状部の間に位置する。
【0311】
上記製造システム92により製造された電池セルに関連する構造は、上記各実施例により提供される電池セルを参照できる。
【0312】
衝突しない限り、本願に係る実施例及び実施例における特徴は、互いに組み合わせることができることを説明しておく。
【0313】
最後に説明すべきこととして、以上の各実施例は、本願の技術的解決手段を説明するためにのみ用いられ、それを限定するためのものではない。前述した各実施例を参照しながら本願について詳細に説明したが、当業者であれば理解できるように、依然として前述した各実施例に記載の技術的解決手段を修正し、又はその一部の技術的特徴に同等置換を行うことができ、これらの修正や置換によって、対応する技術的解決手段の実質が本願の各実施例の技術的解決手段の精神と範囲から逸脱することはない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
図11
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図18