(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116433
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20240821BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20240821BHJP
G03G 15/20 20060101ALI20240821BHJP
【FI】
G03G21/00 512
G03G21/00 530
G03G21/16 104
G03G15/20 505
G03G15/20 555
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022046
(22)【出願日】2023-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】中川 卓
【テーマコード(参考)】
2H033
2H171
2H270
【Fターム(参考)】
2H033AA42
2H033BA29
2H033BA30
2H033CA07
2H033CA20
2H033CA32
2H033CA53
2H171FA06
2H171FA19
2H171GA11
2H171GA23
2H171HA31
2H171JA12
2H171JA49
2H171NA03
2H171NA04
2H171NA05
2H171QA04
2H171QA08
2H171QA24
2H171QB02
2H171QB15
2H171QB32
2H171QC36
2H171QC38
2H171SA11
2H171SA14
2H171SA22
2H171SA31
2H270LA25
2H270MA33
2H270MC44
2H270MG11
2H270MH16
2H270NB22
2H270QB13
2H270RB01
2H270RC04
2H270RC16
2H270SA09
2H270SB20
2H270SB23
2H270SC08
2H270ZC03
2H270ZC04
(57)【要約】
【課題】所望のタイミングにおいて定着装置を取り外すことができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】本開示の一態様に係る画像形成装置は、記録媒体にトナー像を熱定着する定着装置を着脱可能な装置本体と、前記装置本体を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記定着装置を前記装置本体から取り外し可能に冷却するタイミングとして、所定のタイミングを設定する設定部を有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体にトナー像を熱定着する定着装置を着脱可能な装置本体と、
前記装置本体を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記定着装置を前記装置本体から取り外し可能に冷却するタイミングとして、所定のタイミングを設定する設定部を有する、画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記所定のタイミングにおいて前記定着装置の温度が規定温度を上回ると判定された場合、前記定着装置を冷却する冷却処理を実行する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記所定のタイミングにおいて実行中の印刷ジョブがある場合、前記印刷ジョブを中断して、前記冷却処理を実行する、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記冷却処理を実行するタイミングを、印刷ジョブが完了したタイミング、または印刷ジョブを完了してから新たな印刷ジョブを受け付けることなく規定時間経過したタイミングに設定可能である、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記タイミングに至るまでの所定期間内において、前記定着装置の温度を印刷ジョブの待機時に設定される第1温度よりも低い第2温度にするプレ冷却処理を実行可能である、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記所定期間内において印刷ジョブがある場合、前記印刷ジョブの完了後に前記プレ冷却処理を実行する、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記設定部は、前記所定期間内において印刷ジョブがある場合、前記プレ冷却処理を実行するタイミングを、前記印刷ジョブの完了したタイミング、または前記印刷ジョブを完了してから新たな印刷ジョブを受け付けることなく規定時間経過したタイミングに設定可能である、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記所定期間内において前記印刷ジョブの実行を制限する、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記所定のタイミングとは、電源投入時、ユーザが指定した日時、現在のタイミング、及び印刷ジョブの完了後の少なくとも1つを含む、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、装置本体に対して着脱可能な定着装置と、定着装置を冷却する冷却ファンと、を備え、定着装置を取り外す際に、冷却ファンによって定着装置を冷却する画像形成装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の画像形成装置では、定着装置を冷却するためには、ユーザが装置本体において操作部を介して冷却指示を出さなければならず、ユーザが装置本体の近傍にいる必要があるため、所望のタイミングにおいて定着装置を冷却することが出来ず、利便性が低下する場合があった。また、冷却指示を出してから定着装置が取り外し可能となるまでに一定以上の時間を要するため、定着装置を取り外したいタイミングで取り外すことができないという状況をユーザに強いることになっている。
【0005】
そこで、本開示の一態様は、所望のタイミングにおいて定着装置を取り外すことができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る画像形成装置は、記録媒体にトナー像を熱定着する定着装置を着脱可能な装置本体と、前記装置本体を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記定着装置を前記装置本体から取り外し可能に冷却するタイミングとして、所定のタイミングを設定する設定部を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】定着装置の交換タイミングの選択画面の一例である。
【
図5】交換タイミングが電源投入時に設定されたときの確認画面の一例である。
【
図6A】交換タイミングを指定日時に設定する設定画面の一例である。
【
図6B】交換タイミングが指定日時に設定された場合におけるプレ冷却処理を実行するタイミングを選択する選択画面の一例である。
【
図6C】プレ冷却処理を実行するタイミングが、印刷ジョブを完了した直後のタイミングに設定されたときの確認画面の一例である。
【
図6D】プレ冷却処理を実行するタイミングが、印刷ジョブを完了してから新たな印刷ジョブを受け付けることなく規定時間経過したタイミングに設定されたときの確認画面の一例である。
【
図7】交換タイミングが現在のタイミングに設定されたときの確認画面の一例である。
【
図8A】交換タイミングが印刷ジョブの完了後に設定されたときの選択画面の一例である。
【
図8B】交換タイミングが印刷ジョブを完了した直後のタイミングに設定されたときの確認画面の一例である。
【
図8C】交換タイミングが印刷ジョブを完了してから新たな印刷ジョブを受け付けることなく規定時間経過したタイミングに設定されたときの確認画面の一例である。
【
図9】冷却開始遅延時間及びプレ冷却処理の開始時間の設定画面の一例である。
【
図10】所定期間内における印刷ジョブの実行に関する設定画面の一例である。
【
図11】交換タイミングが電源投入時に設定された場合の冷却制御に関するフローチャートである。
【
図12】交換タイミングが指定日時に設定された場合の冷却制御に関するフローチャートである。
【
図13】交換タイミングが現在のタイミングに設定された場合の冷却制御に関するフローチャートである。
【
図14】交換タイミングが印刷ジョブの完了後に設定された場合の冷却制御に関するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、図面については、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0009】
以下、
図1を参照して、本開示の一態様に係る画像形成装置1について説明する。
図1は、画像形成装置1を示す概略断面図である。画像形成装置1は、例えば、複写機能、プリンタ機能、スキャナ機能よびファクシミリ機能などを有する複合機である。
【0010】
画像形成装置1は、印刷装置10と、画像読取装置20と、原稿搬送装置30と、操作パネル40(
図3参照)と、スピーカ50(
図3参照)と、を有する。画像形成装置1は、画像読取装置20によって読み取られた画像データを外部に送信し、また、読み取られた原稿の画像データまたは外部から受信した画像データを単色または多色にて原稿に画像形成する。
【0011】
印刷装置10は、給紙部110と、搬送ローラ対120と、レジストローラ対130と、画像形成部140と、排出ローラ対150と、排出トレイ160と、を備える。印刷装置10の内部には、給紙部110から給紙された用紙を、搬送ローラ対120、レジストローラ対130、画像形成部140、及び排出ローラ対150を経由させて、排出トレイ160に送るための搬送経路R1が形成されている。
【0012】
給紙部110は、画像形成部140の下部に配置されたカセット111と、用紙が積載される給紙トレイ112と、給紙トレイ112の一端の上側に設けられたピックアップローラ113と、ピックアップローラ113よりも用紙の搬送方向の下流側に配置された給紙ローラ114と、給紙ローラ114に圧接された分離ローラ115と、を備える。
【0013】
給紙部110では、ピックアップローラ113により給紙トレイ112から用紙を繰り出して給紙ローラ114へと導き、用紙を給紙ローラ114と分離ローラ115との間に通して1枚ずつに分離し、搬送ローラ対120によって用紙を搬送経路R1に搬送する。
【0014】
レジストローラ対130は、トナー像形成のタイミングに合わせて用紙を送りだす。レジストローラ対130は、用紙を一旦停止させて、用紙先端を揃えた後、後述の中間転写ベルト146aと転写ローラ147との間のニップ域でのトナー像の転写タイミングに合わせて、用紙を搬送する。
【0015】
画像形成部140は、感光体ドラム141と、帯電器142と、露光ユニット143と、現像ユニット144と、クリーナユニット145と、中間転写ベルトユニット146と、転写ローラ147と、定着装置60等を備える。
【0016】
なお、画像形成部140において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色のカラー画像に応じたものである。このため、感光体ドラム141、帯電器142、現像ユニット144、クリーナユニット145のそれぞれは、各色に応じた4種類の潜像を形成するように4個ずつ設けられ、これらによって4つの画像形成ステーションが構成される。トナーカートリッジは、各画像形成ステーションに対応するトナーを供給できるように4個設けられる。
【0017】
感光体ドラム141は、導電性を有する円筒状の基体の表面に感光層が形成された静電潜像担持体である。帯電器142は、感光体ドラム141の表面を所定の電位に帯電させる。露光ユニット143は、レーザ出射部および反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニットである。露光ユニット143は、帯電された感光体ドラム141の表面を露光することによって、画像データに応じた静電潜像を感光体ドラム141の表面に形成する。現像ユニット144は、感光体ドラム141の表面に形成された静電潜像を、4色のトナーによって顕像化する。クリーナユニット145は、現像および画像転写後における感光体ドラム141の表面に残留したトナーを除去して回収する。
【0018】
中間転写ベルトユニット146は、中間転写ベルト146a、駆動ローラ146b、従動ローラ146cおよび4つの中間転写ローラ146d等を備える。中間転写ベルトユニット146は、感光体ドラム141の上方に配置される。中間転写ベルト146aは、各感光体ドラム141に接触するように設けられ、各中間転写ローラ146dを用いて、対応する感光体ドラム141に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト146aに順次重ねて転写することによって、中間転写ベルト146a上にトナー像が形成される。
【0019】
転写ローラ147は、搬送経路R1において、駆動ローラ146bの近傍に配置される。転写ローラ147と中間転写ベルト146aとの間のニップ域に用紙が通過することによって、中間転写ベルト146a上に形成されたトナー像が用紙に転写される。
【0020】
定着装置60は、用紙に対してトナー像を熱定着する。定着装置60は、印刷装置10(装置本体)に対して着脱可能に設けられる。定着装置60は、搬送経路R1において、転写ローラ147の上方、言い換えれば、用紙の搬送方向の下流側に配置される。定着装置60を用紙が通過することによって、用紙に対してトナー像が熱定着される。トナー像が定着された用紙は、排出ローラ対150によって排出トレイ160に搬送される。定着装置60の具体的な構成については後述する。
【0021】
また、用紙の表面だけでなく、裏面に画像形成を行う場合は、用紙を排出ローラ対150から反転経路R2へと逆方向に搬送する。反転経路R2では、反転ローラ対170を通じて用紙の表裏を反転させ、用紙をレジストローラ対130へ再度導く。その後、表面と同様にして裏面に画像形成を行われた用紙は、排出トレイ160に搬送される。
【0022】
画像読取装置20は、用紙上に形成された画像を読み取り、画像データを生成する。画像読取装置20の上面左側には、透明板状の送り読み込み用コンタクトガラス21が設けられる。画像読取装置20の上面かつ、送り読み込み用コンタクトガラス21の右側には、透明板状の載置読取用コンタクトガラス22が設けられる。画像読取装置20の上方には、ヒンジ等を介して原稿搬送装置30が開閉自在に取り付けられる。原稿搬送装置30がヒンジ等を介して開かれると、画像読取装置20の上面が開放され、載置読取用コンタクトガラス22上に原稿を手置きで置くことができる。画像読取装置20の上面よりも前側には、操作パネル40(
図3参照)が設けられる。操作パネル40は、表示操作部の一例であり、表示パネル、タッチパネル、ハードキー等を含む。操作パネル40の近傍には、スピーカ50(
図3参照)が設けられる。スピーカ50は、音出力部の一例である。
【0023】
画像読取装置20は、光源、複数のミラー、結像レンズおよびラインセンサ等をさらに備える。画像読取装置20は、用紙表面を光源によって露光し、用紙表面から反射した反射光を複数のミラーによって結像レンズに導く。そして、結像レンズによって反射光をラインセンサの受光素子に結像させる。ラインセンサでは、受光素子に結像した反射光の輝度や色度が検出され、用紙表面の画像に基づく画像データが生成される。ラインセンサとしては、CCDやCIS等が用いられる。
【0024】
原稿搬送装置30は、給紙トレイ31と、給紙ユニット32と、搬送ローラ対33と、排出ローラ対34と、排出トレイ35と、を備える。原稿搬送装置30の内部には、給紙ユニット32から給紙された用紙を、搬送ローラ対33、画像読取装置20、及び排出ローラ対34を経由させて、排出トレイ35に送るための搬送経路R3が形成されている。
【0025】
給紙トレイ31は、複数枚の原稿を積層して載置可能なトレイである。給紙トレイ31は、昇降機構(図示せず)によって昇降可能である。排出トレイ35は、複数枚の原稿を積層して載置可能なトレイである。給紙ユニット32は、給紙トレイ31上の用紙を搬送経路R3に向けて搬送する。搬送ローラ対33は、搬送経路R3上の用紙を画像読取装置20に向けて搬送する。排出ローラ対34は、搬送経路R3上の用紙を排出トレイ35に向けて搬送する。
【0026】
図2を用いて、定着装置60の具体的な構成について説明する。
図2は、定着装置60の断面図である。
【0027】
定着装置60は、主として、定着ベルト(加熱回転体)61および加圧ローラ(加圧回転体)62を備える。定着装置60は、定着ベルト61及び加圧ローラ62で形成されるニップ域Nに、図に示す矢印の方向に用紙が搬送される。
【0028】
定着ベルト61内には、定着パッド63と、定着パッド63の上に設けられたパッド伝熱板64と、パッド伝熱板64と定着ベルト61との間に設けられた摺動シート(摺動部材)65と、熱源となるヒータランプ66などが設けられている。
【0029】
定着装置60は、各種の構成部品を収容する筐体60aを有する。筐体60a内には、定着ベルト61、加圧ローラ62、定着ベルト61の周面温度を検出する温度センサ67(
図1参照)などが設けられる。温度センサ67は、例えば、サーミスタである。定着ベルト61は、ヒータランプ66によって所定の定着温度(たとえば170℃)となるように加熱される。また、加圧ローラ62は、定着パッド63との間で定着ベルト61を押圧するように設けられる。この加圧ローラ62と定着ベルト61との間のニップ域Nを用紙が通過することによって、用紙に転写されたトナー像が溶融、混合及び圧接されて、用紙に対してトナー像が熱定着される。
【0030】
印刷装置10内の定着装置60近傍には、定着装置60を冷却するファン70(
図3参照)が設けられる。ファン70は、定着装置60の周辺の空気を吸い込んで、印刷装置10(装置本体)の外部に排出している。
【0031】
なお、ファン70は、印刷装置10の定着装置60近傍に設けられることが好ましいが、これに限らず、印刷装置10の内部空気を循環させること定着装置60を冷却することができればよく、印刷装置10の内部の適宜の箇所に設けられていればよい。
【0032】
図3を用いて、画像形成装置1のハードウェア構成について説明する。
図3は、画像形成装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0033】
画像形成装置1は、制御部200、記憶部210、通信部220、定着装置60及びファン70を含む印刷装置10、画像読取装置20、原稿搬送装置30、操作パネル40、スピーカ50等を含む。
【0034】
制御部200は、画像形成装置1を制御する。制御部200は、記憶部210に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより、各種機能を実現している。制御部200は、例えば、1つまたは複数のCPU(Central Processing Unit)等により構成されている。
【0035】
記憶部210は、画像形成装置1の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶する。記憶部210は、例えば、半導体メモリであるSSD(Solid State Drive)や、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置により構成される。
【0036】
通信部220は、例えば、コンピュータ等の外部端末との間で各種データの無線通信を制御する。なお、通信部220は、無線通信を制御するものに限らず、有線通信を制御するものであってもよい。
【0037】
制御部200は、記憶部210、通信部220、定着装置60及びファン70を含む印刷装置10、画像読取装置20、原稿搬送装置30、操作パネル40、スピーカ50等と接続される。
【0038】
制御部200は、印刷装置10を制御することで、画像読取装置20によって読み取られた画像データ、もしくは通信部220を通じて受信した画像データを単色又は多色にて原稿に画像形成することができる。また、制御部200は、画像読取装置20及び原稿搬送装置30を制御することで、原稿の画像データを読み取ることができる。
【0039】
制御部200は、設定部201と、判定部202と、冷却処理部203と、報知処理部204と、を含む。
【0040】
設定部201は、操作パネル40により受け付けられた操作入力に従って、定着装置60を取り外し可能に冷却するタイミングとして、所定のタイミング(以下、交換タイミングとも称する)を設定可能である。交換タイミングにおいて、定着装置60の温度が取り外し可能な温度まで低下している場合、定着装置60をそのまま取り外すことができる。また、交換タイミングにおいて、定着装置60の温度が取り外す可能な温度まで低下していない場合、定着装置60を冷却して定着装置60の温度を取り外し可能な温度まで低下させることで、定着装置60を取り外すことができる。なお、設定部201は、通信部220を介して受け付けられた入力情報に従って、定着装置60の交換タイミングを設定してもよい。
【0041】
設定部201は、交換タイミングとして、例えば、電源投入時、ユーザが指定した日時、現在のタイミング、印刷ジョブの完了タイミング等を設定可能である。
【0042】
判定部202は、設定部201において設定された交換タイミングにおいて、温度センサ67の検知結果が、所定の閾値以下であるか否かを判定する判定処理を実行する。所定の閾値とは、印刷装置10から定着装置60から取り外す際に、定着装置60においてユーザが触れ得る箇所(例えば、定着装置60の外装部分である筐体60a)の温度が、火傷等の悪影響をおよぼさない程度の温度(規定温度とも称する)となる、または推定される閾値である。本実施形態では、温度センサ67は、定着ベルト61の周面温度を検知しているものであるから、温度センサ67の検知結果は、定着装置60の筐体60aの温度よりも高くなる。そのため、温度センサ67の検知結果から定着装置60の筐体60aの温度を推定し、当該推定した温度が、火傷等の悪影響をおよぼさない程度の温度(規定温度)となるように、所定の閾値を定めればよい。
【0043】
冷却処理部203は、判定部202において、温度センサ67の検知結果が、所定の閾値を上回ると判定された場合、定着装置60の冷却処理を行う。定着装置60の冷却処理とは、定着装置60を構成するヒータランプ66の駆動を少なくとも停止させることを指す。本実施形態では、冷却処理部203は、定着装置60の冷却処理として、ヒータランプ66の駆動を停止させ、かつファン70を駆動させる。
【0044】
報知処理部204は、判定部202において、温度センサ67の検知結果が、所定の閾値以下であると判定された場合、操作パネル40を制御することで、定着装置60が交換可能であることを示すメッセージ、および定着装置60の冷却が完了したことを示すメッセージの少なくとも一方を表示する。なお、報知処理部204は、定着装置60を交換可能であることや定着装置60の冷却が完了したことをユーザに報知できればよく、例えば、メッセージの表示に限らず、交換可能であることを示すランプを点滅させたり、スピーカ50を制御することで、定着装置60を交換可能であることを示すメッセージを音出力させたりしてもよい。
【0045】
以上のように、交換タイミングを、例えば、定着装置60の温度が低いと予想される電源投入時や指定日時等に設定することができるため、定着装置60を取り外すための待ち時間(定着装置60の冷却処理を実行する時間)をゼロ、又は短縮することができる。ゆえに、ユーザが所望するタイミングにおいて、定着装置60の円滑な取り外し(交換)を実現できる。
【0046】
また、制御部200は、交換タイミングに至るまでの所定期間内において、印刷ジョブの実行を制限可能である。例えば、制御部200は、所定期間内において、全ての印刷ジョブの実行を禁止してもよいし、一部の印刷ジョブのみを実行し、その他の印刷ジョブの実行を禁止してもよい。これにより、交換タイミングよりも前において、印刷ジョブの実行による定着装置60の温度上昇を防止できるため、交換タイミングにおいて定着装置60の温度を低下させることができる。ゆえに、交換タイミングにおいて、定着装置60を取り外すための待ち時間(冷却処理を実行する時間)をゼロ、もしくは短縮することができるため、定着装置60の円滑な取り外し(交換)を実現できる。
【0047】
なお、制御部200は、所定期間内において印刷ジョブの実行を制限する場合、例えば、Scant to URLや、FAXの送信ジョブ等の画像読取ジョブの実行は制限されないため、利便性の低下を抑制できる。また、制御部200は、所定期間内において印刷ジョブの実行を制限する場合、所定期間内において印刷ジョブの実行を制限している旨を示す情報を操作パネル40やスピーカ50を用いて出力してもよい。これにより、画像形成装置1を利用するユーザに、印刷ジョブの実行を制限している旨を示す情報を報知することができる。
【0048】
なお、制御部200は、交換タイミングに至るまでの所定期間内において、印刷ジョブの実行を制限しているが、これに限らず、例えば、印刷ジョブの受付を制限してもよい。具体的には、操作パネル40からの印刷ジョブの受付及び通信部220を介した印刷ジョブの受付を制限してもよい。この場合であっても、印刷ジョブの実行が制限されるため、定着装置60の円滑な取り外し(交換)を実現できる。
【0049】
また、冷却処理部203は、設定部201において設定された交換タイミングに至るまでの所定期間内において、定着装置60の温度を、印刷ジョブの待機時に設定される第1温度よりも低い第2温度にするプレ冷却処理を実行可能である。具体的には、冷却処理部203は、ヒータランプ66の駆動を制御することで、定着装置60の温度を第2温度に調整している。
【0050】
これにより、交換タイミングよりも前において、定着装置60の温度を予め低下させることができる。ゆえに、交換タイミングにおいて、定着装置60を取り外すための待ち時間(冷却処理を実行する時間)を短縮することができるため、定着装置60の円滑な取り外し(交換)を実現できる。
【0051】
また、設定部201は、設定部201において設定された交換タイミングに至るまでの所定期間内において、印刷ジョブがある場合、プレ冷却処理を実行するタイミングを、印刷ジョブの完了直後、又は印刷ジョブが完了してから新たな印刷ジョブを受け付けることなく規定時間経過した後のいずれかのタイミングに設定可能である。
【0052】
これにより、プレ冷却処理を実行するタイミングを、印刷ジョブの完了直後のタイミングに設定することで、後続の印刷ジョブが受け付けられている場合であっても、プレ冷却処理の実行を後続の印刷ジョブの実行よりも優先することができる。また、プレ冷却処理を実行するタイミングを、印刷ジョブが完了してから新たな印刷ジョブを受け付けることなく規定時間経過したタイミングに設定することで、後続の印刷ジョブが受け付けられている場合に、後続の印刷ジョブの実行をプレ冷却処理の実行よりも優先することができる。
【0053】
図4を用いて、定着装置60の交換タイミングの選択画面について説明する。
図4は、操作パネル40に表示される交換タイミングの選択画面を示す。
【0054】
図4に示すように、選択画面には、複数の交換タイミングが表示される。具体的には、「定着装置の交換タイミング設定」との文字が表示されるとともに、「電源ON」に対応するボタンAと、「指定日時」に対応するボタンBと、「即実行」に対応するボタンCと、「ジョブ完了後」に対応するボタンDと、が表示される。ユーザが、所望のボタンをタッチすることにより、設定部201は、当該ボタンに対応する交換タイミングの設定を行う。
【0055】
図4に示す「電源ON」に対応するボタンAがタッチされた場合、
図4に示す選択画面から
図5に示す確認画面に移行する。
図5は、交換タイミングが「電源ON」時に設定されたときの確認画面の一例である。
図5に示すように、確認画面には、「定着装置の交換タイミング設定」との文字が表示されるとともに、「電源ON」が選択されたことを示す情報(例えば、文字色と背景色との反転表示)が表示され、左下に「解除」に対応するボタンA1が表示され、右下に「完了」に対応するボタンA2が表示される。ユーザが「解除」に対応するボタンA1をタッチすると、
図4に示す選択画面に戻り、「完了」に対応するボタンA2をタッチすると、設定部201は、定着装置60の交換タイミングを電源ON(投入)時に設定して、交換タイミングの設定は完了となる。
【0056】
図4に示す「指定日時」に対応するボタンBがタッチされた場合、
図4に示す選択画面から
図6Aに示す設定画面に移行する。
図6Aは、交換タイミングを指定日時に設定する設定画面の一例である。
図6Aに示すように、設定画面には、「定着装置の交換タイミング設定」との文字が表示されるとともに、「指定日時」が選択されたことを示す情報(例えば、文字色と背景色との反転表示)が表示され、「日時を設定してください」との文字とともに、年月日、時刻を入力するためのボックスB1が表示される。また、左下に「解除」に対応するボタンB2が表示され、右下に「次へ」に対応するボタンB3が表示される。ユーザが「解除」に対応するボタンB2をタッチすると、
図4に示す選択画面に戻り、ユーザがボックスB1に年月日、時刻を入力し、かつ「次へ」に対応するボタンB3をタッチすると、
図6Bに示す選択画面に移行する。
【0057】
図6Bは、交換タイミングが指定日時に設定された場合におけるプレ冷却処理を実行するタイミングを選択する選択画面の一例である。本実施形態では、プレ冷却処理を実行するタイミングとして、ユーザが入力した指定日時に至るまでの所定期間内において印刷ジョブがある場合に、印刷ジョブを完了した直後のタイミング、または印刷ジョブを完了してから新たな印刷ジョブを受け付けることなく規定時間経過したタイミングを選択可能である。なお、ユーザが入力した指定日時に至るまでの所定期間内において印刷ジョブがない場合には、プレ冷却処理を実行するものとする。
【0058】
図6Bに示すように、選択画面には、「定着装置の交換タイミング設定」との文字が表示されるとともに、「指定日時」が選択されたことを示す情報(例えば、文字色と背景色との反転表示)が表示され、
図6Aにおいて入力された指定日時が表示される。また選択画面には、「ジョブがある場合の動作を設定してください」との文字が表示されるとともに、「完了後即実行」に対応するボタンB4と、「ジョブ無し規定時間経過後」に対応するボタンB5と、が表示される。
図6Bに示す「完了後即実行」とは、印刷ジョブを完了した直後のタイミングに、プレ冷却処理を実行することを指す。また、
図6Bに示す「ジョブ無し規定時間経過後」とは、印刷ジョブを完了してから新たな印刷ジョブを受け付けることなく規定時間経過したタイミングに、プレ冷却処理を実行することを指す。また、左下に「解除」に対応するボタンB2が表示され、中央下に「戻る」に対応するボタンB6が表示される。ユーザが「解除」に対応するボタンB2をタッチすると、
図4に示す選択画面に戻り、ユーザが「戻る」に対応するボタンB6をタッチすると、
図6Aに示す設定画面に戻り、ユーザが「完了後即実行」に対応するボタンB4をタッチすると、
図6Cに示す確認画面に移行し、ユーザが「ジョブ無し規定時間経過後」に対応するボタンB5をタッチすると、
図6Dに示す確認画面に移行する。
【0059】
図6Cは、「完了後即実行」設定時の確認画面の一例である。
図6Cに示すように、「定着装置の交換タイミング設定」との文字が表示されるとともに、「指定日時」が選択されたことを示す情報(例えば、文字色と背景色との反転表示)が表示され、
図6Aにおいて入力された指定日時に関する情報が表示される。また、確認画面には、「完了後即実行」が選択されたことを示す情報(例えば、文字色と背景色との反転表示)が表示される。また、確認画面には、左下に「解除」に対応するボタンB2が表示され、右下に「完了」に対応するボタンB7が表示される。ユーザが「解除」に対応するボタンB2をタッチすると、
図4に示す選択画面に戻り、「完了」に対応するボタンB7をタッチすると、設定部201は、定着装置60の交換タイミングをユーザが入力した「指定日時」に設定し、プレ冷却処理を実行するタイミングを「完了後即実行」に設定して、交換タイミングの設定は完了となる。
【0060】
図6Dは、「ジョブ無し規定時間経過後」設定時の確認画面の一例である。
図6Dに示すように、「定着装置の交換タイミング設定」との文字が表示されるとともに、「指定日時」が選択されたことを示す情報(例えば、文字色と背景色との反転表示)が表示され、
図6Aにおいて入力された指定日時に関する情報が表示される。また、確認画面には、「ジョブ無し規定時間経過後」が選択されたことを示す情報(例えば、文字色と背景色との反転表示)が表示される。また、確認画面には、冷却開始遅延時間を入力するためのボックスB8が表示される。冷却開始遅延時間とは、印刷ジョブを完了してから新たな印刷ジョブを受け付けることなく経過させる時間である。本実施形態では、例えば、冷却開始遅延時間は、60秒に設定される。また、確認画面には、左下に「解除」に対応するボタンB2が表示され、右下に「完了」に対応するボタンB7が表示される。ユーザが「解除」に対応するボタンB2をタッチすると、
図4に示す選択画面に戻り、ボックスB8に、冷却開始遅延時間を入力し、かつ「完了」に対応するボタンB7をタッチすると、設定部201は、定着装置60の交換タイミングをユーザが入力した「指定日時」に設定し、プレ冷却処理を実行するタイミングを「ジョブ無し規定時間経過後」に設定して、交換タイミングの設定は完了となる。
【0061】
図4に示す「即実行」に対応するボタンCがタッチされた場合、
図4に示す選択画面から
図7に示す確認画面に移行する。
図7は、交換タイミングが「即実行」に設定されたときの確認画面の一例である。
図7に示すように、確認画面には、「定着装置の交換タイミング設定」との文字が表示されるとともに、「即実行」が選択されたことを示す情報(例えば、文字色と背景色との反転表示)が表示され、右下に「完了」に対応するボタンC1が表示される。ユーザが「完了」に対応するボタンC1をタッチすると、設定部201は、定着装置60の交換タイミングを現在のタイミングに設定して、交換タイミングの設定は完了となる。
【0062】
図4に示す「ジョブ完了後」に対応するボタンDがタッチされた場合、
図4に示す選択画面から
図8Aに示す選択画面に移行する。
図8Aは、交換タイミングが印刷ジョブの完了後に設定されたときの選択画面の一例である。本実施形態では、交換タイミングとして、印刷ジョブを完了した直後のタイミング、または印刷ジョブを完了してから新たな印刷ジョブを受け付けることなく規定時間経過したタイミングを選択可能である。
【0063】
図8Aに示すように、選択画面には、「定着装置の交換タイミング設定」との文字が表示されるとともに、「ジョブ完了後」が選択されたことを示す情報(例えば、文字色と背景色との反転表示)が表示される。また、選択画面には、「ジョブがある場合の動作を設定してください」との文字が表示されるとともに、「完了後即実行」に対応するボタンD1と、「ジョブ無し規定時間経過後」に対応するボタンD2と、が表示される。
図8Aに示す「完了後即実行」とは、印刷ジョブを完了した直後のタイミングにおいて、定着装置60の温度が規定温度を上回る場合であれば、冷却処理を実行することを指す。また、
図8Aに示す「ジョブ無し規定時間経過後」とは、印刷ジョブを完了してから新たな印刷ジョブを受け付けることなく規定時間経過したタイミングにおいて、定着装置60の温度が規定温度を上回る場合であれば、冷却処理を実行することを指す。また、選択画面には、左下に「解除」に対応するボタンD3が表示される。ユーザが「解除」に対応するボタンD3をタッチすると、
図4に示す選択画面に戻り、ユーザが「完了後即実行」に対応するボタンD1をタッチすると、
図8Bに示す確認画面に移行し、ユーザが「ジョブ無し規定時間経過後」に対応するボタンD2をタッチすると、
図8Cに示す確認画面に移行する。
【0064】
図8Bは、「完了後即実行」設定時の確認画面の一例である。
図8Bに示すように、「定着装置の交換タイミング設定」との文字が表示される。また、確認画面には、「ジョブ完了後」が選択されたことを示す情報(例えば、文字色と背景色との反転表示)が表示され、「完了後即実行」が選択されたことを示す情報(例えば、文字色と背景色との反転表示)が表示される。また、確認画面には、左下に「解除」に対応するボタンD3が表示され、右下に「完了」に対応するボタンD4が表示される。ユーザが「解除」に対応するボタンD3をタッチすると、
図4に示す選択画面に戻り、「完了」に対応するボタンD4をタッチすると、設定部201は、交換タイミングを「ジョブ完了後」で、かつ「完了後即実行」に設定して、交換タイミングの設定は完了となる。
【0065】
図8Cは、「ジョブ無し規定時間経過後」設定時の確認画面の一例である。
図8Cに示すように、「定着装置の交換タイミング設定」との文字が表示される。また、確認画面には、「ジョブ完了後」が選択されたことを示す情報(例えば、文字色と背景色との反転表示)が表示され、「ジョブ無し規定時間経過後」が選択されたことを示す情報(例えば、文字色と背景色との反転表示)が表示される。また、確認画面には、冷却開始遅延時間を入力するためのボックスD5が表示される。冷却開始遅延時間とは、上述の通り、印刷ジョブを完了してから新たな印刷ジョブを受け付けることなく経過させる時間である。また、確認画面には、左下に「解除」に対応するボタンD3が表示され、右下に「完了」に対応するボタンD4が表示される。ユーザが「解除」に対応するボタンD3をタッチすると、
図4に示す選択画面に戻り、ボックスD5に冷却開始遅延時間を入力した後、「完了」に対応するボタンD4をタッチすると、設定部201は、定着装置60の交換タイミングを「ジョブ完了後」で、かつ「ジョブ無し規定時間経過後」に設定して、交換タイミングの設定は完了となる。
【0066】
図9を用いて、定着装置60の冷却時間に関する設定について説明する。冷却時間に関する設定として、例えば、冷却処理及びプレ冷却処理では、冷却開始遅延時間を設定可能であり、プレ冷却処理では、開始時間を設定可能である。
図9は、冷却開始遅延時間及びプレ冷却処理の開始時間の設定画面の一例である。
【0067】
冷却開始遅延時間とは、上述の通り、プレ冷却処理(または冷却処理)を実行するための条件として設定される時間であり、印刷ジョブを完了してから新たな印刷ジョブを受け付けることなく経過させる時間を指す。本実施形態では、例えば、60秒に設定される。
【0068】
プレ冷却処理の開始時間とは、プレ冷却処理の実行が許可される時間であり、定着装置60の交換タイミングに至るまでの所定期間を指す。本実施形態では、プレ冷却処理の開始時間は、例えば、交換タイミングよりも300秒前に設定される。
【0069】
図9に示すように、設定画面には、「定着装置の冷却時間設定」との文字が表示され、「交換タイミングが設定されているときの印刷ジョブ無し検知から冷却処理開始までの時間設定」との文字とともに、「冷却開始遅延時間」を入力するためのボックスE1と、「交換タイミングが指定日時に設定されているときのプレ冷却処理の開始時間設定」との文字とともに、「プレ冷却開始時間」を入力するためのボックスE2とが、表示される。ユーザがボックスE1に「冷却開始遅延時間」を入力し、ボックスE2に「プレ冷却開始時間」を入力し、完了ボタン(図示せず)等をタッチすることにより、冷却時間に関する設定が完了となる。
【0070】
図10を用いて、所定期間内における印刷ジョブの実行に関する設定について説明する。
図10は、所定期間内における印刷ジョブの実行に関する設定画面の一例である。
【0071】
図10に示すように、設定画面には、「所定期間内における印刷ジョブの実行に関する設定」との文字が表示され、「印刷ジョブの実行を許可」に対応するボタンF1と、「印刷ジョブの実行を禁止」に対応するボタンF2と、が表示される。ユーザが「印刷ジョブの実行を許可」に対応するボタンF1をタッチすることにより、所定期間内において印刷ジョブが実行される旨の設定が行われ、上記設定は完了となる。同様に、ユーザが「印刷ジョブの実行を禁止」に対応するボタンF2をタッチすることにより、所定期間内において印刷ジョブの実行が行われない旨の設定が行われ、上記設定は完了となる。
【0072】
図11を用いて、交換タイミングが電源ON(投入)時に設定された場合における定着装置60の冷却制御に係るフローチャートについて説明する。
図11は、交換タイミングが電源ON(投入)時に設定された場合における定着装置60の冷却制御を示すフローチャートの一例である。
【0073】
S11では、制御部200は、電源ON(投入)時の交換要求があるか否かを判定している。すなわち、制御部200は、設定部201において交換タイミングが電源ON(投入)時に設定されているか否かを判定している。S11において電源ON(投入)時の交換要求があると判定された場合、すなわち、S11においてYesの場合、S12に進む。S11において電源ON(投入)時の交換要求がないと判定された場合、すなわち、S11においてNoの場合、S15に進む。
【0074】
S12では、定着装置60の温度が、規定温度以下であるか否かを判定している。すなわち、制御部200は、判定部202において温度センサ67の検知結果が所定の閾値以下であるか否かを判定している。S12において定着装置60の温度が、規定温度以下であると判定された場合、すなわち、S12においてYesの場合、S13に進む。S12において定着装置60の温度が、規定温度以下でないと判定された場合、すなわち、S12においてNoの場合、S14に進む。
【0075】
S13では、報知処理部204によって操作パネル40を制御することで、定着装置60の取り外し(交換)が可能である、もしくは、定着装置60の冷却が完了した旨を示すメッセージを表示して、終了となる。
【0076】
S14では、冷却処理部203によって定着装置60の冷却処理を実行して、S12に戻る。すなわち、S14において、定着装置60の温度が、規定温度以下となるまで、定着装置60の冷却処理を実行する。
【0077】
S15では、設定部201による交換タイミングの設定が行われていないことから、通常処理を行って終了となる。
【0078】
以上のように、交換タイミングを電源ON(投入)時に設定することで、電源OFFの期間が長い場合は、定着装置60の温度が高温となりにくい状況であるため、定着装置60を取り外すための待ち時間(定着装置60の冷却処理を実行する時間)をゼロ、又は短縮することができる。ゆえに、定着装置60を迅速かつ、安全に取り外すことができる。また、電源OFFの期間が短い場合であっても、冷却処理を実行可能とすることで、定着装置60の温度を下げることができるため、定着装置60を安全に取り外すことができる。
【0079】
図12を用いて、交換タイミングがユーザが指定した日時に設定された場合における定着装置60の冷却制御に係るフローチャートについて説明する。
図12は、交換タイミングが指定日時に設定された場合における定着装置60の冷却制御を示すフローチャートの一例である。
図12に示す例では、所定期間内における印刷ジョブの実行が許可されているものとする。
【0080】
S21では、制御部200は、指定日時の交換要求があるか否かを判定している。すなわち、制御部200は、設定部201において交換タイミングがユーザの入力した指定日時に設定されているか否かを判定している。S21において指定日時の交換要求があると判定された場合、すなわち、S21においてYesの場合、S22に進む。S21において指定日時の交換要求がないと判定された場合、すなわち、S21においてNoの場合、S36に進む。
【0081】
S22では、制御部200は、指定日時に至るまでの所定期間内であるか否かを判定している。ここでの所定期間内であるとは、例えば、
図9に示す設定画面にて設定された「プレ冷却開始時間」に達していることを指す。S22において、指定日時に至るまでの所定期間内であると判定された場合、すなわち、S22においてYesの場合、S23に進む。S22において、指定日時に至るまでの所定期間内ではないと判定された場合、すなわち、S22においてNoの場合、S36に進む。
【0082】
S23では、制御部200は、印刷ジョブがないか否かを判定している。S23において、印刷ジョブがないと判定された場合、すなわち、S23においてYesの場合、S24に進む。S23において、印刷ジョブがあると判定された場合、すなわち、S23においてNoの場合、S26に進む。
【0083】
S24では、制御部200は、定着装置60の温度を印刷ジョブの待機時に設定される第1温度よりも低い第2温度にするプレ冷却処理を実行して、S25に進む。
【0084】
S25では、制御部200は、指定日時に達したか否かを判定している。S25において、指定日時に達したと判定された場合、すなわち、S25においてYesの場合、S33に進む。S25において、指定日時に達していないと判定された場合、すなわち、S25においてNoの場合、S23に戻る。
【0085】
S26では、制御部200によるプレ冷却処理を実行中の場合、プレ冷却処理を解除して、S27に進む。
【0086】
S27では、制御部200が、印刷ジョブが完了したか否かを判定している。S27において、印刷ジョブが完了したと判定された場合、すなわち、S27においてYesの場合、S28に進む。S27において、印刷ジョブが完了していないと判定された場合、すなわち、S27においてNoの場合、S27に戻る。
【0087】
S28では、設定部201において、プレ冷却処理を実行するタイミングが、「完了後即実行」、すなわち、印刷ジョブを完了した直後のタイミングに設定されたか否かを判定している。印刷ジョブを完了した直後のタイミングに設定されるとは、例えば、
図6Cに示す確認画面において、「完了」に対応するボタンB7をタッチした状態である。また、印刷ジョブを完了した直後のタイミングに設定されていないとは、プレ冷却処理を実行するタイミングが、「ジョブ無し規定時間経過後」、すなわち、印刷ジョブを完了してから新たな印刷ジョブを受け付けることなく規定時間経過したタイミングに設定されていることを指し、例えば、
図6Dに示す確認画面において、「完了」に対応するボタンB7をタッチした状態である。S28において、プレ冷却処理を実行するタイミングが、印刷ジョブを完了した直後のタイミングに設定されたと判定された場合、すなわち、S28においてYesの場合、S24に進む。S28において、プレ冷却処理を実行するタイミングが、印刷ジョブを完了した直後のタイミングに設定されていないと判定された場合、すなわち、S28においてNoの場合、S29に進む。
【0088】
S29では、制御部200が、印刷ジョブがないか否かを判定している。S29において、印刷ジョブがないと判定された場合、すなわち、S29においてYesの場合、S30に進む。S29において、印刷ジョブがあると判定された場合、すなわち、S29においてNoの場合、S27に戻る。
【0089】
S30では、印刷ジョブを完了してからの経過時間を計測して、S31に進む。
【0090】
S31では、印刷ジョブを完了してからの経過時間が規定時間(冷却開始遅延時間)に達したか否かを判定している。S31において、経過時間が規定時間(冷却開始遅延時間)に達したと判定された場合、すなわち、S31においてYesの場合、S24に進む。S31において、経過時間が規定時間(冷却開始遅延時間)に達していないと判定された場合、すなわち、S30においてNoの場合、S32に進む。
【0091】
S32では、印刷ジョブがあるか否かを判定している。S32において、印刷ジョブがあると判定された場合、すなわち、S32においてYesの場合、S27に戻る。S32において、印刷ジョブがないと判定された場合、すなわち、S32においてNoの場合、S31に戻る。
【0092】
S33では、定着装置60の温度が、規定温度以下であるか否かを判定している。すなわち、制御部200は、判定部202において温度センサ67の検知結果が所定の閾値以下であるか否かを判定している。S33において定着装置60の温度が、規定温度以下であると判定された場合、すなわち、S33においてYesの場合、S34に進む。S33において定着装置60の温度が、規定温度以下でないと判定された場合、すなわち、S33においてNoの場合、S35に進む。
【0093】
S34では、報知処理部204によって操作パネル40を制御することで、定着装置60の取り外し(交換)が可能である、もしくは、定着装置60の冷却が完了した旨を示すメッセージを表示して、終了となる。
【0094】
S35では、冷却処理部203によって定着装置60の冷却処理を実行して、S33に戻る。すなわち、S35では、定着装置60の温度が、規定温度以下となるまで、定着装置60の冷却処理を実行する。
【0095】
S36では、設定部201による交換タイミングの設定が行われていないことから、通常処理を行って終了となる。
【0096】
以上のように、交換タイミングをユーザが指定した日時に設定することで、所望のタイミングにおいて定着装置60を取り外すことができる。また、ユーザが指定した日時に至るまでの所定期間内にプレ冷却処理を実行することで、交換タイミングよりも前において、定着装置60の温度を予め低下させることができる。ゆえに、定着装置60を取り外すための待ち時間(冷却処理を実行する時間)をゼロ、または短縮することができるため、定着装置60の円滑な取り外し(交換)を実現できる。
【0097】
また、プレ冷却処理を実行するタイミングを、印刷ジョブを完了した直後のタイミング、もしくは、印刷ジョブが完了してから新たな印刷ジョブを受け付けることなく規定時間経過したタイミングに設定可能としている。これにより、定着装置60のプレ冷却処理を優先したい場合は、プレ冷却処理を実行するタイミングを、印刷ジョブを完了した直後のタイミングに設定することで、可能な限り迅速に定着装置60を冷却させる動作を行うことができる。また、印刷ジョブの処理を優先したい場合、プレ冷却処理を実行するタイミングを印刷ジョブが完了してから新たな印刷ジョブを受け付けることなく規定時間経過したタイミングに設定することで、定着装置60の冷却よりも後続の印刷ジョブの処理を優先させることができる。
【0098】
なお、
図12に示す例では、所定期間内における印刷ジョブの実行が許可されているが、これに限らず、所定期間内における印刷ジョブの実行が禁止されてもよい。所定期間内における印刷ジョブの実行が禁止される場合、
図12に示すS23における印刷ジョブの有無に関わらず、S24に移行してプレ冷却処理を実行した後、S25に移行するため、定着装置60の温度を効果的に低下させることができる。
【0099】
図13を用いて、交換タイミングが現在のタイミングに設定された場合における定着装置60の冷却制御に係るフローチャートについて説明する。
図13は、交換タイミングが現在のタイミングに設定された場合における定着装置60の冷却制御を示すフローチャートの一例である。ここでの現在のタイミングに設定されるとは、「即実行」のタイミングに設定されたことを指し、
図7に示す確認画面において、「完了」に対応するボタンC1をタッチした状態である。
【0100】
S41では、制御部200は、印刷ジョブがないか否かを判定している。S41において、印刷ジョブがないと判定された場合、すなわち、S41においてYesの場合、S44に進む。S41において、印刷ジョブがあると判定された場合、すなわち、S41においてNoの場合、S42に進む。
【0101】
S42では、印刷ジョブの中断処理を実行して、S43に進む。S42では、現在実行中の印刷ジョブだけでなく、後続の印刷ジョブについても、印刷ジョブの実行を中断するものとする。
【0102】
S43では、制御部200が、印刷ジョブの中断処理が完了したか否かを判定している。S43において、印刷ジョブの中段処理が完了したと判定された場合、すなわち、S43においてYesの場合、S44に進む。S43において、印刷ジョブの中断処理が完了していないと判定された場合、すなわち、S43においてNoの場合、S43に戻る。
【0103】
S44では、定着装置60の温度が、規定温度以下であるか否かを判定している。すなわち、制御部200は、判定部202において温度センサ67の検知結果が所定の閾値以下であるか否かを判定している。S44において定着装置60の温度が、規定温度以下であると判定された場合、すなわち、S44においてYesの場合、S45に進む。S44において定着装置60の温度が、規定温度以下でないと判定された場合、すなわち、S44においてNoの場合、S46に進む。
【0104】
S45では、報知処理部204によって操作パネル40を制御することで、定着装置60の取り外し(交換)が可能である、もしくは、定着装置60の冷却が完了した旨を示すメッセージを表示して、終了となる。
【0105】
S46では、冷却処理部203によって定着装置60の冷却処理を実行して、S44に戻る。すなわち、S46では、定着装置60の温度が、規定温度以下となるまで、定着装置60の冷却処理を実行する。
【0106】
以上のように、交換タイミングを現在のタイミングに設定することで、所望のタイミングにおいて定着装置60を取り外すことができる。また、印刷ジョブがある場合は、印刷ジョブを中断して、定着装置60を冷却することで、印刷ジョブの処理よりも優先して、定着装置60を冷却することで、定着装置60の円滑な取り外し(交換)を実現できる。
【0107】
図14を用いて、交換タイミングが印刷ジョブの完了後に設定された場合における定着装置60の冷却制御に係るフローチャートについて説明する。
図14は、交換タイミングが印刷ジョブの完了後に設定された場合における定着装置60の冷却制御を示すフローチャートの一例である。
【0108】
S51では、制御部200は、印刷ジョブ完了後の交換要求があるか否かを判定している。すなわち、制御部200は、設定部201において交換タイミングが印刷ジョブの完了後に設定されているか否かを判定している。S51において印刷ジョブ完了後の交換要求があると判定された場合、すなわち、S51においてYesの場合、S52に進む。S51において印刷ジョブ完了後の交換要求がないと判定された場合、すなわち、S51においてNoの場合、S62に進む。
【0109】
S52では、制御部200が、印刷ジョブがないか否かを判定している。S52において、印刷ジョブがないと判定された場合、すなわち、S52においてYesの場合、S59に進む。S52において、印刷ジョブがあると判定された場合、すなわち、S52においてNoの場合、S53に進む。
【0110】
S53では、制御部200が、印刷ジョブを完了したか否かを判定している。S53において、印刷ジョブを完了したと判定された場合、すなわち、S53においてYesの場合、S54に進む。S53において、印刷ジョブを完了していないと判定された場合、すなわち、S53においてNoの場合、S53に戻る。
【0111】
S54では、設定部201において、交換タイミングが、「完了後即実行」、すなわち、印刷ジョブを完了した直後のタイミングに設定されたか否かを判定している。印刷ジョブを完了した直後のタイミングに設定されるとは、例えば、
図8Bに示す確認画面において、「完了」に対応するボタンD4をタッチした状態である。また、印刷ジョブを完了した直後のタイミングに設定されていないとは、交換タイミングが、「ジョブ無し規定時間経過後」、すなわち、印刷ジョブを完了してから新たな印刷ジョブを受け付けることなく規定時間経過したタイミングに設定されていることを指し、例えば、
図8Cに示す確認画面において、「完了」に対応するボタンD4をタッチして設定した状態である。S54において、交換タイミングが、印刷ジョブを完了した直後のタイミングであると判定された場合、すなわち、S54においてYesの場合、S59に進む。S54において、交換タイミングが、印刷ジョブを完了した直後のタイミングでないと判定された場合、すなわち、S54においてNoの場合、S55に進む。
【0112】
S55では、制御部200が、印刷ジョブがないか否かを判定している。S55において、印刷ジョブがないと判定された場合、すなわち、S55においてYesの場合、S56に進む。S55において、印刷ジョブがあると判定された場合、すなわち、S56においてNoの場合、S53に戻る。
【0113】
S56では、印刷ジョブを完了してからの経過時間を計測して、S57に進む。
【0114】
S57では、印刷ジョブを完了してからの経過時間が規定時間(冷却開始遅延時間)に達したか否かを判定している。S57において、経過時間が規定時間(冷却開始遅延時間)に達したと判定された場合、すなわち、S57においてYesの場合、S59に進む。S57において、経過時間が規定時間(冷却開始遅延時間)に達していないと判定された場合、すなわち、S57においてNoの場合、S58に進む。
【0115】
S58では、印刷ジョブがあるか否かを判定している。S58において、印刷ジョブがあると判定された場合、すなわち、S58においてYesの場合、S53に戻る。S58において、印刷ジョブがないと判定された場合、すなわち、S58においてNoの場合、S57に戻る。
【0116】
S59では、定着装置60の温度が、規定温度以下であるか否かを判定している。すなわち、制御部200は、判定部202において温度センサ67の検知結果が所定の閾値以下であるか否かを判定している。S59において定着装置60の温度が、規定温度以下であると判定された場合、すなわち、S59においてYesの場合、S60に進む。S59において定着装置60の温度が、規定温度以下でないと判定された場合、すなわち、S59においてNoの場合、S61に進む。
【0117】
S60では、報知処理部204によって操作パネル40を制御することで、定着装置60の取り外し(交換)が可能である、もしくは、定着装置60の冷却が完了した旨を示すメッセージを表示して、終了となる。
【0118】
S61では、冷却処理部203によって定着装置60の冷却処理を実行して、S59に戻る。すなわち、S61では、定着装置60の温度が、規定温度以下となるまで、定着装置60の冷却処理を実行する。
【0119】
S62では、設定部201による交換タイミングの設定が行われていないことから、通常処理を行って終了となる。
【0120】
以上のように、交換タイミングを印刷ジョブの完了後に設定することで、例えば、現在実行中の印刷ジョブがある状態であっても、印刷ジョブを完了してから定着装置60を冷却することができるため、印刷ジョブの完了を画像形成装置1の前で待つ必要がなく、定着装置60の冷却処理を円滑に進めることができる。
【0121】
また、交換タイミングを、印刷ジョブを完了した直後のタイミング、もしくは、印刷ジョブが完了してから新たな印刷ジョブを受け付けることなく規定時間経過したタイミングに設定可能としている。これにより、定着装置60の取り外し(交換)を優先したい場合は、交換タイミングを、印刷ジョブを完了した直後のタイミングに設定することで、可能な限り迅速に定着装置60を交換させることができる。また、印刷ジョブの処理を優先したい場合、交換タイミングを印刷ジョブが完了してから新たな印刷ジョブを受け付けることなく規定時間経過したタイミングに設定することで、定着装置60の取り外し(交換)よりも後続の印刷ジョブの処理を優先させることができる。
【0122】
以上の構成において、例えば、用紙がなくなったり、装置本体の適宜の部品(ドア)等が開いた状態になったり、マシントラブル等によって設定された交換タイミングに到達しない場合や、交換タイミングになっても冷却処理を実行できない場合が想定される。そのため、初期設定として、交換タイミングが予め電源ON(投入)時となるように記憶部210に記憶されていてもよい。交換タイミングが、電源ON(投入)時に設定されていれば、上述のような問題が生じにくく、交換タイミングを逃すことを低減できるため、着実に定着装置60の取り外し(交換)を行うことができる。また、交換タイミングの設定は、上述の冷却処理が行われる度にリセットされるものとする。
【0123】
以上の構成において、画像形成装置1は、記録媒体(用紙)にトナー像を熱定着する定着装置60を着脱可能な装置本体(印刷装置10)と、装置本体(印刷装置10)を制御する制御部200と、を備える。制御部200は、定着装置60を装置本体(印刷装置10)から取り外し可能に冷却するタイミング(交換タイミング)として、所定のタイミングを設定する設定部201を有する。これにより、交換タイミングとして、例えば、定着装置60の温度が低いと予想される電源投入時や指定日時等に設定することができるため、定着装置60を取り外すための待ち時間(定着装置60の冷却処理を実行する時間)をゼロ、又は短縮することができる。ゆえに、ユーザが所望するタイミングにおいて、定着装置60の円滑な取り外し(交換)を実現できる。
【0124】
また、制御部200は、所定のタイミング(交換タイミング)において定着装置60の温度が規定温度を上回ると判定された場合、定着装置60を冷却する冷却処理を実行する。これにより、定着装置60の温度を低下させることができるため、安全に定着装置60の交換を行うことができる。
【0125】
また、制御部200は、所定のタイミング(交換タイミング)において実行中の印刷ジョブがある場合、印刷ジョブを中断して、冷却処理を実行する。これにより、印刷ジョブの処理よりも優先して定着装置60を冷却することができる。
【0126】
また、制御部200は、冷却処理を実行するタイミングを、印刷ジョブが完了したタイミング、または印刷ジョブを完了してから新たな印刷ジョブを受け付けることなく規定時間経過したタイミングに設定可能である。これにより、定着装置60の冷却処理を優先したい場合は、冷却処理を実行するタイミングを印刷ジョブの完了直後のタイミングに設定することで、可能な限り迅速に定着装置60を冷却させる動作を行うことができる。また、印刷ジョブの処理を優先したい場合、冷却処理を実行するタイミングを印刷ジョブが完了してから新たな印刷ジョブを受け付けることなく規定時間経過したタイミングに設定することで、定着装置60の冷却よりも後続の印刷ジョブの処理を優先させることができる。
【0127】
また、制御部200は、所定のタイミング(交換タイミング)に至るまでの所定期間内において、定着装置60の温度を印刷ジョブの待機時に設定される第1温度よりも低い第2温度にするプレ冷却処理を実行可能である。
【0128】
また、制御部200は、所定期間内において印刷ジョブがある場合、印刷ジョブの完了後にプレ冷却処理を実行する。これにより、交換タイミングよりも前において、定着装置60の温度を予め低下させることができる。ゆえに、交換タイミングにおいて、定着装置60を取り外すための待ち時間(冷却処理を実行する時間)を短縮することができるため、定着装置60の円滑な取り外し(交換)を実現できる。
【0129】
また、設定部201は、所定期間内において印刷ジョブがある場合、プレ冷却処理を実行するタイミングを、印刷ジョブの完了したタイミング、または印刷ジョブを完了してから新たな印刷ジョブを受け付けることなく規定時間経過したタイミングに設定可能である。これにより、定着装置60のプレ冷却処理を優先したい場合は、プレ冷却処理を実行するタイミングを、印刷ジョブを完了した直後のタイミングに設定することで、可能な限り迅速に定着装置60を冷却させる動作を行うことができる。また、印刷ジョブの処理を優先したい場合、プレ冷却処理を実行するタイミングを、印刷ジョブが完了してから新たな印刷ジョブを受け付けることなく規定時間経過したタイミングに設定することで、定着装置60の冷却よりも後続の印刷ジョブの処理を優先させることができる。
【0130】
また、制御部200は、所定期間内において印刷ジョブの実行を制限する。これにより、交換タイミングよりも前において、印刷ジョブの実行による定着装置60の温度上昇を防止できるため、交換タイミングにおいて定着装置60の温度を低下させることができる。ゆえに、交換タイミングにおいて、定着装置60を取り外すための待ち時間(冷却処理を実行する時間)をゼロ、もしくは短縮することができるため、定着装置60の円滑な取り外し(交換)を実現できる。
【0131】
また、所定のタイミングとは、電源投入時、ユーザが指定した日時、現在のタイミング、及び印刷ジョブの完了後の少なくとも1つを含む。
【0132】
また、プログラムは、コンピュータを画像形成装置1の制御部200として、動作させる。
【0133】
また、上記の画像形成装置1は、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
【0134】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0135】
なお、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態で示した構成と実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。
【符号の説明】
【0136】
1 画像形成装置、10 印刷装置、60 定着装置、200 制御部、201 設定部、202 判定部、203 冷却処理部、204 報知処理部