(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116435
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】トリガー部材、トリガー部材を備えたソフトクローズ装置及び引戸
(51)【国際特許分類】
E05F 5/02 20060101AFI20240821BHJP
E05F 5/00 20170101ALI20240821BHJP
E06B 3/46 20060101ALI20240821BHJP
E05D 15/06 20060101ALI20240821BHJP
【FI】
E05F5/02 A
E05F5/00 A
E06B3/46
E05D15/06 125Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022048
(22)【出願日】2023-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】000169329
【氏名又は名称】アトムリビンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081271
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 芳春
(72)【発明者】
【氏名】岡本 光司
【テーマコード(参考)】
2E014
2E034
【Fターム(参考)】
2E014AA01
2E014FA05
2E014FB05
2E034CA01
2E034EA05
(57)【要約】
【課題】レールを鴨居から取り出すことなく、ロングトリガー部材をレールに取り付け/取り外しすることができるトリガー部材、トリガー部材を備えたソフトクローズ装置及び引戸を提供する。
【解決手段】軸垂直方向断面が略四角形状を有する中空部材の下面において軸方向に沿って開口したレールに設けられかつこのレールの内側上部において上面に平行して対向する1対の溝に装着可能なトリガー部材は、1対の溝間の開口部の幅以下の幅を有する短冊状板材からなる本体部と、本体部の先端側に折り曲げ加工により形成され、レールに取り付けられた際に下方向に突出する突起部と、突起部より先端側に形成され、開口部の幅より大きい寸法を有する幅広部と、本体部の後端側にネジでレールの開口端部に固定するための穴とを備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸垂直方向断面が略四角形状を有する中空部材の下面において軸方向に沿って開口したレールに設けられかつ該レールの内側上部において上面に平行して対向する1対の溝に装着可能なトリガー部材であって、
前記1対の溝間の開口部の幅以下の幅を有する短冊状板材からなる本体部と、
前記本体部の先端側に折り曲げ加工により形成され、前記レールに取り付けられた際に下方向に突出する突起部と、
前記突起部より先端側に形成され、前記開口部の幅より大きい寸法を有する幅広部と、
前記本体部の後端側にネジで前記レールの開口端部に固定するための穴とを備えていることを特徴とするトリガー部材。
【請求項2】
構造物の開口部の上枠に固着され、軸垂直方向断面が略四角形状を有する中空部材の下面において軸方向に沿って開口しており、内側上部において上面に平行して対向する1対の溝を有するレールと、
前記レールに取り付けられた際に下方向に突出する突起部と、両側端が前記1対の溝に装着可能な幅広部とを有するトリガー部材と、
前記引戸の上端に設けられ、前記レールに沿って走行する際に前記トリガー部材に当接して動作し移動速度を低減させ、所定の距離を走行した後に停止するように構成されたソフトクローズユニットとを備え、
前記トリガー部材は、前記1対の溝間の開口部の幅以下の幅を有する短冊状板材からなる本体部と、前記本体部の先端側に折り曲げ加工により形成された突起部と、前記突起部より先端側に形成され、前記開口部の幅より大きい寸法を有する幅広部と、前記本体部の後端側にネジで前記レールの開口端部に固定するための穴とを有し、
前記レールには、上面から前記1対の溝間の開口部までに前記幅広部より大きい寸法を有する貫通穴が設けられていることを特徴とするソフトクローズ装置。
【請求項3】
前記幅広部は、前記本体部に一体に形成され円形部であり、該円形部の直径が前記本体部の幅より大きくかつ前記貫通穴の直径より小さい寸法に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のソフトクローズ装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のソフトクローズ装置を備えたことを特徴とする引戸。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物の開口部の上枠に固着したレールに沿って開閉可能な引戸に搭載したソフトクローズ機構に用いられるトリガー部材、このトリガー部材を備えたソフトクローズ装置及び引戸に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の出入り口の上枠に設けたレールに沿って開閉する引戸には、引戸本体が戸枠や戸当たりに衝突することによる衝撃や騒音を緩和するためのソフトクローズ機構を備えたものがある。このような引戸用のソフトクローズ機構では、引戸本体の上端にトリガーカムを有するソフトクローズ機構部が設けられ、レール側の所定位置にトリガー部材が設けられている。開閉時に、引戸がトリガー部材に当接することによってソフトクローズ機構が動作することにより、引戸は、その移動速度が低減され、所定の距離を走行した後に停止する。
【0003】
このようなソフトクローズ機能を搭載した引戸を設置する場合、まず、トリガー部材をレールの所定位置に予め開けられた取り付け穴にネジで取り付け、その後、レールを上枠に固定することが行われる(例えば、特許文献1)。
【0004】
特許文献1に記載のようなソフトクローズ機構を搭載した引戸において、トリガー部材がレールの開口端から奥まっている外側からアクセスし難い位置に設置せざるを得ない場合、戸袋が完成した後でトリガー部材を交換する必要が生じたとき、その交換作業は非常に困難であった。
【0005】
このような問題を解決するために、短冊状の板材から形成され、先端部にソフトクローズ装置の制動部と係合する突起部が設けられ、後端がレールの開口端部に固定することができる受け部材構造(ロングトリガー部材)及び受け部材構造を含む引戸が提案されている(例えば、特許文献2)。
【0006】
この特許文献2に開示されている受け部材構造を含む引戸において、ロングトリガー部材(受け部材)をレールに取り付ける際、
図9(A)に示すように、レール端部の断面からレールの内側上部にある挿設溝にロングトリガー部材を挿入する。その後、
図9(B)に示すように、後端をネジでレールの開口端部に固定する。これにより、レールに対するロングトリガー部材の取り付けが容易になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2017-115419号公報
【特許文献2】特許第6441128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した特許文献2に記載の受け部材構造及び引戸の場合、ロングトリガー部材をレールに挿入/抜き出しするには、引戸の有効開口側上レール(分割レールの一部)を鴨居から取り出し、レール端部の断面から挿入/抜き出しすることが必要であるため、ロングトリガー部材の取り付け/取り外しが不便であるという問題点があった。
【0009】
従って、本発明は従来技術の上述した課題を解消するものであり、その目的は、レールを鴨居から取り出すことなく、ロングトリガー部材をレールに取り付け/取り外しすることができるトリガー部材、トリガー部材を備えたソフトクローズ装置及び引戸を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、軸垂直方向断面が略四角形状を有する中空部材の下面において軸方向(長手方向)に沿って開口したレールに設けられかつこのレールの内側上部において上面に平行して対向する1対の溝に装着可能なトリガー部材は、1対の溝間の開口部の幅以下の幅を有する短冊状板材からなる本体部と、本体部の先端側に折り曲げ加工により形成され、レールに取り付けられた際に下方向に突出する突起部と、突起部より先端側に形成され、開口部の幅より大きい寸法を有する幅広部と、本体部の後端側にネジでレールの開口端部に固定するための穴とを備えている。
【0011】
本発明のトリガー部材において、本体部は、1対の溝間の開口部の幅以下の幅を有する短冊状板材からなり、本体部の先端側にレールに取り付けられた際に下方向に突出する突起部が形成され、この突起部より先端側に開口部の幅より大きい寸法を有する幅広部が形成され、また、本体部の後端側にネジでレールの開口端部に固定するための穴が設けられている。これにより、予めレールの上面から1対の溝間の開口部までに幅広部より大きい寸法を有する貫通穴が設けられる場合、トリガー部材をレールに取り付ける際、レールを鴨居から取り出すことなく、レールの下面開口からトリガー部材(ロングトリガー部材)をレールに取り付け/取り外しすることが可能となる。
【0012】
また、本発明によれば、ソフトクローズ装置は、構造物の開口部の上枠に固着され、軸垂直方向断面が略四角形状を有する中空部材の下面において軸方向に沿って開口しており、内側上部において上面に平行して対向する1対の溝を有するレールと、レールに取り付けられた際に下方向に突出する突起部と、1対の溝に装着可能な幅広部とを有するトリガー部材と、引戸の上端に設けられ、レールに沿って走行する際にトリガー部材に当接して動作し移動速度を低減させ、所定の距離を走行した後に停止するように構成されたソフトクローズユニットとを備え、トリガー部材は、1対の溝間の開口部の幅以下の幅を有する短冊状板材からなる本体部と、本体部の先端側に折り曲げ加工により形成された突起部と、突起部より先端側に形成され、開口部の幅より大きい寸法を有する幅広部と、本体部の後端側にネジでレールの開口端部に固定するための穴とを有し、レールには、上面から1対の溝間の開口部までに幅広部より大きい寸法を有する貫通穴が設けられている。
【0013】
本発明のソフトクローズ装置において、トリガー部材は、1対の溝間の開口部の幅以下の幅を有する短冊状板材からなる本体部と、本体部の先端側に折り曲げ加工により形成された突起部と、突起部より先端側に形成され、開口部の幅より大きい寸法を有する幅広部と、本体部の後端側にネジでレールの開口端部に固定するための穴とを有し、レールには、上面から1対の溝間の開口部までに幅広部より大きい寸法を有する貫通穴が設けられている。これにより、トリガー部材をレールに取り付ける際、レールを鴨居から取り出すことなく、レールの下面開口からトリガー部材(ロングトリガー部材)をレールに取り付け/取り外しすることができる。
【0014】
幅広部は、本体部に一体に形成され円形部であり、この円形部の直径が本体部の幅より大きくかつ貫通穴の直径より小さい寸法に形成されていることも好ましい。
【0015】
さらに、本発明によれば、上述したソフトクローズ装置を備えたソフトクローズ機能付き引戸が提供される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ソフトクローズ装置及び引戸において、トリガー部材は、1対の溝間の開口部の幅以下の幅を有する短冊状板材からなる本体部と、本体部の先端側に折り曲げ加工により形成された突起部と、突起部より先端側に形成され、開口部の幅より大きい寸法を有する幅広部と、本体部の後端側にネジでレールの開口端部に固定するための穴とを有し、レールには上面から1対の溝間の開口部までに幅広部より大きい寸法を有する貫通穴が設けられていることで、トリガー部材をレールに取り付け/取り外しの際、レールを鴨居から取り出すことなく、レールの下面開口からトリガー部材(ロングトリガー部材)をレールに取り付け/取り外しすることができる。即ち、本発明のトリガー部材は、構造物の開口部の上枠に固着したレールに後付けで取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係るトリガー部材を備えたソフトクローズ装置及び引戸の構成を概略的に示す分解斜視図である。
【
図2】
図1のレールの開口端部及び貫通穴を示す部分拡大斜視図である。
【
図3】
図1のトリガー部材の構成を概略的に示す斜視図である。
【
図4】
図1のトリガー部材の取り付け手順(その1)を示す斜視図である。
【
図5】トリガー部材装着時、トリガー部材がレールに入れた状態を示す下から見た図である。
【
図6】
図5における幅広部とレールの貫通穴の位置関係を概略的に示す部分拡大斜視図である。
【
図7】トリガー部材を溝に沿ってスライドさせた状態を概略的に示す部分拡大斜視図である。
【
図8】
図1のトリガー部材の取り付け手順(その2)を示す斜視図である。
【
図9】従来のトリガー部材の取り付け手順を示す斜視図であり、(A)トリガー部材を挿入する状態、(B)後端をネジで固定する状態である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係るトリガー部材、トリガー部材を備えたソフトクローズ装置及び引戸の実施形態を、図を参照して説明する。
【0019】
図1は本発明の一実施形態に係るトリガー部材120を備えたソフトクローズ装置100及び引戸100Aの全体を分解して示している。
図2はレール110の端部及び貫通穴15の形状を示している。
図3はトリガー部材120の構成を示している。このトリガー部材120は、ロングトリガー部材である。
【0020】
図1から
図3に示すように、ソフトクローズ装置100は、構造物の開口部の上枠Fに固着されたレール110と、レール110に取り付けられたトリガー部材120と、ソフトクローズユニット130とを備えている。ソフトクローズ装置100は、構造物の開口部の上枠Fに固着したレール110に沿って開閉可能な上吊式のソフトクローズ機能付き引戸100Aに用いられている。引戸100Aにおいて、ソフトクローズ装置100は、レール110と戸板Dとの間に配置される。
【0021】
レール110は、
図1及び
図2に示すように、構造物の開口部の上枠に固着されるものであり、軸垂直方向断面が略四角形状を有する中空部材の下面において軸方向に沿って開口11を有し、かつ内側上部において上面12に平行し対向する1対の溝13を有する。上面12において、上面12から1対の溝13間の開口部14までに貫通穴15が設けられている。この貫通穴15の直径は、トリガー部材120の幅広部23より大きく形成されている。また、上面12において、レール110の端面に近い所定位置にトリガー部材120の本体部21をネジでレール及び上枠に固定するための取り付け穴16が設けられている。
【0022】
トリガー部材120は、
図1及び
図3に示すように、本体部21と、本体部21の先端側に形成された突起部22と、突起部22より先端側に形成された幅広部23と、本体部21の後端側に設けられた穴24とを備えている。穴24は皿ネジ用穴である。なお、トリガー部材120には、必要に応じてリカバリー爪25及び受入溝部26も設けられている。
【0023】
本体部21は、レール110の1対の溝13間の開口部14の幅Bと同じ幅、又は該開口部14の幅Bより小さい幅を有する短冊状板材からなる。即ち、本体部21の幅Aは開口部の幅B以下(A≦B)である。
【0024】
突起部22は、トリガー部材120がレール110に取り付けられた際に下方向に突出するように本体部21の先端側に折り曲げ加工により形成されている。
【0025】
幅広部23は、トリガー部材120の突起部22より先端側に形成され、レール110の1対の溝14間の開口部の幅Bより大きい寸法を有するものである。本実施形態において、幅広部23は、本体部21に一体に形成され円形部であり、この幅広部23の直径が本体部21の幅Aより大きくかつレール110の貫通穴15の直径より小さい寸法に形成されている。
【0026】
穴24は、本体部21の後端側に設けられ、本体部21をネジでレール20に固定するためのものである。本実施形態において、本体部21の後端をネジでレール20の開口端側に固定している。
【0027】
また、リカバリー爪25は、本体部21から下方に突設されたものであり、ソフトクローズ装置110におけるスライド部材の動きに不具合が生じたとき、スライド部材を係合することによってスライド部材の動きを元の状態に戻す役割を有している。リカバリー爪25の形状は、使用するソフトクローズ装置の仕様に応じて別のものであってもよいし、リカバリー爪15によって元の状態に戻すような機能が付与されていないソフトクローズ装置を用いる場合は、リカバリー爪25を省略することができる。
【0028】
受入溝部26は、トリガー部材120の先端部をレール110に固定するためのブロック部材(図示せず)の端部を受け入れる部分であり、トリガー部材120(本体部21)の先端部に形成されている。本実施形態では、受入溝部26は、短冊状の板材である本体部21の先端部を切り起こすことによって形成された互いに略平行な一対の壁部と、両壁部の間の底部とで、断面略「コ」字状に形成されている。
【0029】
ソフトクローズユニット130は、引戸の上端に設けられ、レール110に沿って走行する際にトリガー部材120に当接して動作し移動速度を低減させ、所定の距離を走行した後に停止するように構成されている。ソフトクローズユニット130は、水平方向の一端にガイド本体140に接続されている。ガイド本体140は、走行ローラを有するランナと、ランナの下方に設けられ、戸板Dに装着、固定される装着部とから構成されている。ソフトクローズユニット130及びガイド本体140のランナ部がレール110の内部に走行自在に装着される。
【0030】
以下、
図4から
図8を参照して、トリガー部材120の取り付け方法を説明する。
図4はトリガー部材120の取り付ける際の手順(その1)を示しており、
図5はトリガー部材120がレール110の上部に入れた状態を示しており、
図5において、レール110の下側から見た状態を示している。
図6は
図5の局部拡大斜視図である。
図7はトリガー部材120を溝13に沿ってスライドさせた状態を示している。
【0031】
トリガー部材120の取り付けは、まず、
図4に示すように、構造物の開口部の上枠Fに固着されたレール110の開口11からトリガー部材120を入れる。
図5及び
図6はトリガー部材120がレール110の上部まで入れた状態を示している。
図5及び
図6に示すように、トリガー部材120をレール110に入れるとき、トリガー部材120の幅広部23をレール110の貫通穴15に位置を合わせるようにすることで、レール110の1対の溝13間の開口部14の壁と干渉することなくレール110の1対の溝13の位置に到達することができる。次に、
図7に示すように、トリガー部材120の幅広部23をレール110の1対の溝13に沿ってスライドさせ、幅広部23が1対の溝13に挿入されるようになる。これにより、トリガー部材120の先端側がレール110に装着される。そして、
図8に示すように、ネジでトリガー部材120の本体部21の後端側を穴24及びレール110の取り付け穴16を介して上枠に固定する。これにより、レール120を鴨居から取り出すことなく、トリガー部材120の取り付けが簡単にできる。
【0032】
一方、ソフトクローズ装置100のメンテナスを行う際に、トリガー部材120をレール110から取り外す場合、上述した取り付け手順と逆に、まず、トリガー部材120の本体部21の後端の取り付けネジを取り外す。次に、トリガー部材120をレール110の1対の溝13に沿ってスライドさせ、幅広部23をレール110の貫通穴15に位置に移動させる。そして、トリガー部材120をレール110から取り出す。これにより、レール120を鴨居から取り出すことなく、トリガー部材120をレール110から簡単に取り出すことができる。
【0033】
以上詳細に説明したように、本実施形態のソフトクローズ装置100は、構造物の開口部の上枠Fに固着されたレール110と、レール110に取り付けられたトリガー部材120と、ソフトクローズユニット130とを備えている。トリガー部材120は、本体部21と、本体部21の先端側に形成された突起部22と、突起部22より先端側に形成された幅広部23と、本体部21の後端側に設けられた穴24とを備えている。さらに、レール110には、上面から1対の溝13間の開口部14までに幅広部23より大きい寸法を有する貫通穴15が設けられている。
【0034】
これにより、トリガー部材120をレール110に取り付ける際、レール110を鴨居から取り出すことなく、トリガー部材120をレール110に取り付け/取り外しすることができる。即ち、トリガー部材120をレール110の端部からではなくともレール110内の1対の溝13に入れられるようになる。そのため、取り外す際にもレールを取り外す必要はなくなるため、事前にレールを分割しておく必要もなくなる。本発明のトリガー部材120は、構造物の開口部の上枠Fに固着したレール110に後付けで取り付けることができる。
【0035】
なお、上述した実施形態のトリガー部材120においては、幅広部23が円形に形成された例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。レール110の貫通穴15の直径より小さい、かつ1対の溝13に挿設可能な他の形状にしても良い。
【0036】
また、上述した実施形態のソフトクローズ装置100及び引戸100Aにおいては、トリガー部材120の後端をレール110の端面に近い位置に固定される例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0037】
本発明は、上記の実施形態に限定されるものでなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨を逸脱しない範囲内での種々、設計変更した形態を技術的範囲に含むものである。
【符号の説明】
【0038】
11 開口
12 上面
13 溝
14 開口部
15 貫通穴
21 本体部
22 突起部
23 幅広部
24 穴
25 リカバリー爪
26 受入溝部
100 ソフトクローズ装置
100A 引戸
110 レール
120 トリガー部材
130 ソフトクローズユニット
140 ガイド本体
D 戸板
F 上枠