(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116436
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】有孔スクリーン構築用金属板製有孔パネル
(51)【国際特許分類】
E04F 13/12 20060101AFI20240821BHJP
【FI】
E04F13/12 C
E04F13/12 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022050
(22)【出願日】2023-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】513209165
【氏名又は名称】ETERNIT株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067758
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 綾雄
(72)【発明者】
【氏名】藤田 秀雄
(72)【発明者】
【氏名】輿石 美穂
(72)【発明者】
【氏名】岩下 正明
(72)【発明者】
【氏名】ロビン イッセイ デ ベラ
【テーマコード(参考)】
2E110
【Fターム(参考)】
2E110AA57
2E110AB03
2E110AB04
2E110AB22
2E110BA12
2E110BB22
2E110BB24
2E110BC12
2E110CA09
2E110DA09
2E110EA00
2E110GA33W
2E110GB01W
(57)【要約】
【課題】
デザイン性や機能性に優れた商品価値の高い有孔スクリーン構築用の有効パネルを提供する。
【解決手段】
所定の長さの横幅と所定の長さの縦幅を有する金属板から成り、該金属板の本体を取付具を介して建造物に単体の状態又は、複数並列結合状態で取り付ける。金属板の本体に任意の形状の孔の輪郭図形を設定し、該輪郭図形は、所定の長さの基準辺を有する。この基準辺を残して他の辺を切断し、他の辺で囲まれた部分を基準辺を基準として本体の平坦面に対して所定角度屈折させる。これにより、本体に孔を形成し、他の辺で囲まれた部分を本体の平坦面から突出する突片とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の長さの横幅と所定の長さの縦幅を有する金属板から成り、該金属板の本体を取付具を介して建造物に単体の状態又は、複数並列結合状態で取り付け、建造物に有孔スクリーンを構築するための有孔パネルであって、前記金属板の本体に任意の形状の孔の輪郭図形を設定し、該輪郭図形は、所定の長さの基準辺を有し、該基準辺を残して他の辺を切断し、該他の辺で囲まれた部分を前記基準辺を基準として前記本体の平坦面に対して所定角度屈折させ、前記本体に孔を形成し、前記他の辺で囲まれた部分を前記本体の平坦面から突出する突片としたことを特徴とする有孔スクリーン構築用金属板製有孔パネル。
【請求項2】
前記突片を前記本体の裏側に突出させたことを特徴とする請求項1に記載の有孔スクリーン構築用金属板製有孔パネル。
【請求項3】
前記突片を、前記基準辺を基準として前記本体の平坦面に対して90度又はその近似値に屈折したことを特徴とする請求項1に記載の有孔スクリーン構築用金属板製有孔パネル。
【請求項4】
前記突片を、中間部で更に所定角度屈折させたことを特徴とする請求項1に記載の有孔スクリーン構築用金属板製有孔パネル。
【請求項5】
前記突片を先の尖った防犯効果のある形状としたことを特徴とする請求項1に記載の有孔スクリーン構築用金属板製有孔パネル。
【請求項6】
前記本体に、帯状に対向して帯状の間隔エリアqを構成する一対の基準辺о,pと、一方の基準辺оに接続する第1の輪郭辺rと、他方の基準辺pに接続する第2の輪郭辺sとを設定し、前記第1の輪郭辺rを切断し前記一方の基準辺оを基準として前記本体の平坦面に対して所定角度屈折させて本体に孔40と第1の突片36を形成し、前記第2の輪郭辺sを切断し前記他方の基準辺pを基準として前記本体の平坦面に対して所定角度屈折させて本体に孔42と第2の突片38を形成し、前記帯状の間隔エリアqの一方側に孔40と第1の突片36を形成し、帯状間隔エリアqの他方側に孔42と第2の突片38を形成したことを特徴とする請求項1に記載の有孔スクリーン構築用金属板製有孔パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建造物の外壁、内壁、天井等に外装用、内装用、化粧用、遮蔽用等として設置される有孔スクリーンを構築するための金属板製有孔パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
建造物の外壁、内壁、天井等に外装用、内装用、化粧用、遮蔽用等として設置される有孔スクリーンを構築するための金属板製有孔パネルが従来知られている(例えば特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-082014号公報
【特許文献2】特開2023-009314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のこの種の有孔パネルは、パネル本体に孔を穿設しているが、孔の周囲には、何ら立体物を形成していない。そのため、パネル本体の外観的特徴は、孔の形状、個数、配列が主となり、極めてシンプルな印象を与えるものとなっており、表面のデザイン性、立体感が乏しいものとなっている。
本発明の主たる目的は、パネル本体の孔の周囲を立体的な形状とすることでデザイン性や機能性に優れた商品価値の高い有孔パネルを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明は、所定の長さの横幅と所定の長さの縦幅を有する金属板から成り、該金属板の本体を取付具を介して建造物に単体の状態又は、複数並列結合状態で取り付け、建造物に有孔スクリーンを構築するための有孔パネルであって、前記金属板の本体に任意の形状の孔の輪郭図形を設定し、該輪郭図形は、所定の長さの基準辺を有し、該基準辺を残して他の辺を切断し、該他の辺で囲まれた部分を前記基準辺を基準として前記本体の平坦面に対して所定角度屈折させ、前記本体に孔を形成し、前記他の辺で囲まれた部分を前記本体の平坦面から突出する突片としたことを特徴とする。
また本発明は、前記突片を前記本体の裏側に突出させたことを特徴とする。
また本発明は、前記突片を、前記基準辺を基準として前記本体の平坦面に対して90度又はその近似値に屈折したことを特徴とする。
また本発明は、前記突片を、中間部で更に所定角度屈折させたことを特徴とする。 また本発明は、前記突片を先の尖った防犯効果のある形状としたことを特徴とする。
また本発明は、前記本体に、帯状に対向して帯状の間隔エリアqを構成する一対の基準辺о,pと、一方の基準辺оに接続する第1の輪郭辺rと、他方の基準辺pに接続する第2の輪郭辺sとを設定し、前記第1の輪郭辺rを切断し前記一方の基準辺оを基準として前記本体の平坦面に対して所定角度屈折させて本体に孔40と第1の突片36を形成し、前記第2の輪郭辺sを切断し前記他方の基準辺pを基準として前記本体の平坦面に対して所定角度屈折させて本体に孔42と第2の突片38を形成し、前記帯状の間隔エリアqの一方側に孔40と第1の突片36を形成し、帯状間隔エリアqの他方側に孔42と第2の突片38を形成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、上述の如く構成したので、デザイン性や機能性に優れた商品価値の高い有孔スクリーン構築用の有孔パネルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図5】有孔スクリーンの他の実施形態を示す外観図である。
【
図6】有孔パネルの他の実施形態を示す外観図である。
【
図7】有孔パネルの他の実施形態を示す側面図である。
【
図8】有孔スクリーンの他の実施形態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に本発明の構成を添付した図面を参照して詳細に説明する。
図1は、建造物の外壁用の化粧板やエントランスロビーの化粧用天井などの有孔スクリーン2を構成するための、光と風を透過することのできる有孔パネル4の外観図を示している。有孔スクリーン2は、
図1に示すように単体の1枚の金属性有孔パネル4から構成され、あるいは複数の有孔パネル4を
図2に示すように横方向に並列状に接合して構成される。
【0009】
図2は、外壁化粧用の有孔スクリーン2として用いられる有孔スクリーンを示している。有孔スクリーン2を構成する有孔パネル4は、建造物の外壁等に取り付けたL型鋼などの下地材6に、固定具8を介して取り付けられる。有孔パネル4は、
図1に示すように金属板製の長尺状のパネル本体4aから成り、該パネル本体4aは、孔10が形成されるメインエリア4bと、該メインエリア4bの両側の側部4c,4cとから構成される。パネル本体4aのメインエリア4bは、
図1に示すように帯状の範囲に平坦面が形成された形状や、その他帯状の範囲にわん曲面が形成された形状、あるいはL字状に角度を有して屈折した形状等、種々の形状のものが存する。
尚、本発明は、有孔パネル4のメインエリア4bの平坦形状に特に限定されるものではない。
【0010】
次に、パネル本体4aのメインエリア4bに孔10と、突片12を形成する工法について説明する。
図1は、メインエリア4bの表面に四角い形状の孔10を形成し、四角い形状の突片12を突出させた構成を示している。まず、メインエリア4bの表面に
図14Aに示す下辺aと両左右側辺b,cと上辺dからなる四角形の図形Dを設定する。
次に上辺dを残して左右側辺b,cと下辺aを切断加工機や金属加工具を用いて切断する。
【0011】
次に、両辺b,cと下辺aで囲まれた部分を、上辺dを基準として、本体4aの表面に対して、90度表面から突出する方向に屈折し、突片12とする。この突片12の屈折により、メインエリア4bに孔10が開口する。尚、
図1では、両辺b,cと下辺aで囲まれた部分を本体4aの表面方向に突出して突片12としているが、裏面方向に突出させてもよい。
図1では、孔10の形状を四角形としたが、特に四角形に限定されるものではなく、半円形その他の図形形状を採用することができる。
【0012】
図1に示す孔16と、突片14を構成するときは、四角形の図形Dの上下辺d,a左側辺bを切断し、右側辺cは非切断線とする。
次に、上下辺d,aと左側辺bで囲まれた部分を、右側辺cを基準として、本体4aの表面突出方向に、表面に対して90度屈折し、突片14を形成する。この突片14の屈折により孔16が開口する。
【0013】
図1に示す孔19と、突片17を構成するときは、四角形の図形Dの上下辺d,aと右側辺cを切断し、左側辺bは非切断線とする。
次に、上下辺d,aと右側辺cで囲まれた部分を、左側辺bを基準として、本体4aの表面突出方向に、表面に対して90度屈折し、突片17を形成する。この突片17の屈折により孔19が開口する。
【0014】
図2は、有孔スクリーン2の裏面に照明ライト18を配置した実施形態を示し、これにより有孔スクリーン2の表面に様々な形の陰影をはっきりした形で創り出すことができる。
図5は、突片20,21,22の形を半円形にした実施形態を示している。突片20は横型を示し、突片21,22は縦型を示している。
図14B,Cに示すように、いずれの突片20,21,22も本体のメインエリア4bに設定した半円形の輪郭の図形Dのわん曲辺eと、直線状の辺fとで囲まれた部分を、辺fを基準として、本体4aの表面突出方向に、表面に対して90度屈折し、突片20,21,22と、孔24,26を形成している。尚、
図5中、突片21に隣接する孔は、図示省略されている。
【0015】
図6は、
図1に示す、突片12の中間部を更に下向きに90度屈折させた形状の突片28を形成した有孔スクリーン2を示している。このように、突片28の中間部を屈折させることで、突片28を複雑なデザイン性のある立体形状とすることができる。
図10は、先端に刺が形成された2種類の突片30,32を備えた有孔スクリーン2の実施形態を示している。
【0016】
まず、1種類の突片30について説明すると、有孔パネル本体4aのメインエリア4bに、
図14Eに示すように、三角図形Dを設定し、三角図形Dの2辺g,hを切断し、他の一辺iを非切断線とする。この2辺g,hに囲まれた部分を、他の一辺iを基準として、本体4aの表面突出方向に、表面に対して90度屈折し、突片基部jとする。この突片基部jに、辺iに平行な屈折ラインkを設定し、この屈折ラインkを基準として、突片基部jを90度下向きに屈折させ、先端に刺34を有する突片先端部とする。他の種類の突片32は、有孔パネル本体4aのメインエリア4bに三角図形D1を設定し、三角図形Dの2辺l,mを切断し、他の一辺nを非切断線とする。この2辺l,mに囲まれた部分を、他の一辺nを基準として、本体4aの表面突出方向に表面に対して90度屈折し、刺のある突片32を形成する。
【0017】
他の種類の突片33は、有孔パネル本体4aのメインエリア4bに三角図形D2を設定し、三角図形Dの2辺l,mを切断し、他の一辺nを非切断線とする。この2辺l,mに囲まれた部分を、他の一辺nを基準として、本体4aの表面突出方向に表面に対して90度屈折し、刺のある突片33を形成する。
【0018】
上記のように突片30,32,33を刺状先端を有する三角形などの形状にすることによって、有孔パネル本体4aを、防犯上に役立つ壁として使用することができる。突片は種々の形状とすることができ、
図15に示すように、帯状の間隔エリアqの左右に突片36,38を形成するようにしてもよい。パネル本体4aに帯状に対向する基準線о,pを設定し、基準線оの両端に接続する第1の穴形状線rと、基準線pの両端に接続する第2の穴形状線sを設定する。
【0019】
次に、第1と第2の穴形状線r,sを切断し、切断した部分を基準線о,pを基準として90度屈折させ、帯状の間隔エリアqの両側に互いに平行な突片36,38と孔40,42を形成する。突片36,38は、本体4aの表面又は裏面に突出させる。突片36,38は更に適所を屈折あるいは屈曲させた形状とし、デザイン性を高めるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0020】
2 有孔スクリーン
4 有孔パネル
4a 本体
4b メインエリア
4c 側部
6 下地材
8 固定具
10 孔
12 突片
14 突片
16 孔
17 突片
18 照明ライト
19 孔
20 突片
22 突片
24 孔
26 孔
28 突片
30 突片
32 突片
33 突片
34 刺
36 突片
38 突片
40 孔
42 孔
44 孔