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特開2024-116450車両管理装置、車両管理方法および車両管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116450
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】車両管理装置、車両管理方法および車両管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0834 20230101AFI20240821BHJP
【FI】
G06Q10/0834
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022069
(22)【出願日】2023-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000682
【氏名又は名称】弁理士法人ワンディ-IPパ-トナ-ズ
(72)【発明者】
【氏名】中島 正浩
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 一輝
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC42
(57)【要約】
【課題】車両の運行に関するより優れた計画を作成する。
【解決手段】車両管理装置は、車両の運行計画を作成する第1作成部と、前記第1作成部によって作成された前記運行計画に電気自動車を割り当て、前記運行計画に割り当てた前記電気自動車の充電計画を作成する第2作成部とを備え、前記第2作成部は、前記運行計画に、運行途中で充電せずに運行可能な前記電気自動車を優先的に割り当てる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運行計画を作成する第1作成部と、
前記第1作成部によって作成された前記運行計画に電気自動車を割り当て、前記運行計画に割り当てた前記電気自動車の充電計画を作成する第2作成部とを備え、
前記第2作成部は、前記運行計画に、運行途中で充電せずに運行可能な前記電気自動車を優先的に割り当てる、車両管理装置。
【請求項2】
前記第2作成部は、運行途中で充電せずに運行可能な前記電気自動車が存在しない場合、前記運行計画に内燃機関車を割り当てる、請求項1に記載の車両管理装置。
【請求項3】
前記第2作成部は、運行途中で充電せずに運行可能な前記電気自動車が存在せず、かつ運行途中で充電することにより運行可能な前記電気自動車である運行途中充電車が存在する場合、前記運行計画に前記運行途中充電車を割り当てる、請求項1に記載の車両管理装置。
【請求項4】
前記第2作成部は、前記運行途中充電車の前記充電計画として、前記運行途中充電車の搭乗者の休憩中、または前記搭乗者の荷積み中もしくは荷下ろし中において前記運行途中充電車を充電する前記充電計画を作成する、請求項3に記載の車両管理装置。
【請求項5】
前記第1作成部は、電池交換式の前記電気自動車および電池充電式の前記電気自動車を含む車両の前記運行計画を作成する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両管理装置。
【請求項6】
前記第1作成部は、電池交換式の前記電気自動車を含む車両の前記運行計画を作成し、
前記第1作成部は、予備の電池の充電状態および配置場所の少なくともいずれか一方に基づく前記運行計画を作成する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両管理装置。
【請求項7】
前記第1作成部は、作成した前記運行計画を、前記電気自動車の電池の寿命が延びる運行計画に修正する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両管理装置。
【請求項8】
前記第1作成部は、充電場所、充電方法、および充電設備のうちの少なくともいずれか1つに基づいて、前記運行計画を作成する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両管理装置。
【請求項9】
電気自動車を含む車両の、運行計画および充電計画を含む統合計画を複数作成する作成部と、
前記作成部によって作成された複数の前記統合計画の中から、前記統合計画における前記車両の搭乗者の人件費と、前記電気自動車の充電料金、前記電気自動車の充電時刻のシフトを考慮した拠点の電気料金、前記電気自動車の蓄電電力の売電価格、前記電気自動車の蓄電電力の放電を考慮した拠点の電気料金、および前記車両の運行による二酸化炭素排出量のうちの少なくともいずれか1つと、に基づいて、前記統合計画を選択する選択処理を行う選択部とを備える、車両管理装置。
【請求項10】
前記選択部は、前記選択処理において、運行途中で前記電気自動車の充電が必要な前記統合計画に対応する前記二酸化炭素排出量を補正し、補正後の前記二酸化炭素排出量に基づいて前記統合計画を選択する、請求項9に記載の車両管理装置。
【請求項11】
前記選択部は、前記選択処理において、前記統合計画に従う運行において必要な金額コストに所定の係数を乗じた第1コスト値と、前記統合計画に従う運行における前記二酸化炭素排出量に所定の係数を乗じた第2コスト値との合計値を前記統合計画ごとに算出し、前記合計値の比較結果に基づいて、前記統合計画を選択する、請求項9または請求項10に記載の車両管理装置。
【請求項12】
車両管理装置における車両管理方法であって、
車両の運行計画を作成するステップと、
作成した前記運行計画に電気自動車を割り当て、前記運行計画に割り当てた前記電気自動車の充電計画を作成するステップとを含み、
前記充電計画を作成するステップにおいては、前記運行計画に、運行途中で充電せずに運行可能な前記電気自動車を優先的に割り当てる、車両管理方法。
【請求項13】
車両管理装置における車両管理方法であって、
電気自動車を含む車両の、運行計画および充電計画を含む統合計画を複数作成するステップと、
作成した複数の前記統合計画の中から、前記統合計画における前記車両の搭乗者の人件費と、前記電気自動車の充電料金、前記電気自動車の充電時刻のシフトを考慮した拠点の電気料金、前記電気自動車の蓄電電力の売電価格、前記電気自動車の蓄電電力の放電を考慮した拠点の電気料金、および前記車両の運行による二酸化炭素排出量のうちの少なくともいずれか1つと、に基づいて、前記統合計画を選択する選択処理を行うステップとを含む、車両管理方法。
【請求項14】
車両管理装置において用いられる車両管理プログラムであって、
コンピュータを、
車両の運行計画を作成する第1作成部と、
前記第1作成部によって作成された前記運行計画に電気自動車を割り当て、前記運行計画に割り当てた前記電気自動車の充電計画を作成する第2作成部、
として機能させるためのプログラムであり、
前記第2作成部は、前記運行計画に、運行途中で充電せずに運行可能な前記電気自動車を優先的に割り当てる、車両管理プログラム。
【請求項15】
車両管理装置において用いられる車両管理プログラムであって、
コンピュータを、
電気自動車を含む車両の、運行計画および充電計画を含む統合計画を複数作成する作成部と、
前記作成部によって作成された複数の前記統合計画の中から、前記統合計画における前記車両の搭乗者の人件費と、前記電気自動車の充電料金、前記電気自動車の充電時刻のシフトを考慮した拠点の電気料金、前記電気自動車の蓄電電力の売電価格、前記電気自動車の蓄電電力の放電を考慮した拠点の電気料金、および前記車両の運行による二酸化炭素排出量のうちの少なくともいずれか1つと、に基づいて、前記統合計画を選択する選択処理を行う選択部、
として機能させるための、車両管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両管理装置、車両管理方法および車両管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気自動車の充電拠点等を考慮して、当該電気自動車の運行計画を作成する技術が提案されている。たとえば、特許文献1(特開2018-106745号公報)には、以下のような運行管理装置が開示されている。すなわち、運行管理装置では、運行計画立案手段は、複数の運行ダイヤに対して電動車両と非電動車両とを含む複数の車両を割り当てる。運行計画立案手段は、電動車両および非電動車両のうち、まず電動車両の割り当てを行い、次に非電動車両の割り当てを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-65796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術を超えて、車両の運行に関するより優れた計画を作成することが可能な技術が望まれる。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、車両の運行に関するより優れた計画を作成することが可能な車両管理装置、車両管理方法および車両管理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の車両管理装置は、車両の運行計画を作成する第1作成部と、前記第1作成部によって作成された前記運行計画に電気自動車を割り当て、前記運行計画に割り当てた前記電気自動車の充電計画を作成する第2作成部とを備え、前記第2作成部は、前記運行計画に、運行途中で充電せずに運行可能な前記電気自動車を優先的に割り当てる。
【0007】
本開示の一態様は、このような特徴的な処理部を備える車両管理装置として実現され得るだけでなく、かかる特徴的な処理のステップをコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現され得る。また、本開示の一態様は、車両管理装置の一部または全部を実現する半導体集積回路として実現され得たり、車両管理装置を含むシステムとして実現され得る。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、車両の運行に関するより優れた計画を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本開示の第1の実施の形態に係る運行システムの構成を示す図である。
図2図2は、本開示の第1の実施の形態に係る車両管理装置の構成を示す図である。
図3図3は、本開示の第1の実施の形態に係る車両管理装置における処理部により作成される運行計画の一例を示す図である。
図4図4は、本開示の第1の実施の形態に係る車両管理装置における処理部により作成される充電計画の一例を示す図である。
図5図5は、本開示の第1の実施の形態に係る車両管理装置における処理部により作成される運行計画の他の例を示す図である。
図6図6は、本開示の第1の実施の形態に係る車両管理装置における処理部により作成される運行計画の他の例を示す図である。
図7図7は、本開示の第1の実施の形態に係る車両管理装置における処理部により作成される充電計画の他の例を示す図である。
図8図8は、本開示の第1の実施の形態に係る車両管理装置における処理部により作成される運行計画の他の例を示す図である。
図9図9は、本開示の第1の実施の形態に係る車両管理装置における処理部により作成される運行計画および充電計画の他の例を示す図である。
図10図10は、本開示の第1の実施の形態に係る車両管理装置における処理部による修正後の運行計画および充電計画の一例を示す図である。
図11図11は、本開示の第1の実施の形態に係る車両管理装置における処理部により作成される運行計画の他の例を示す図である。
図12図12は、本開示の第1の実施の形態に係る車両管理装置における処理部により作成される運行計画および充電計画の他の例を示す図である。
図13図13は、本開示の第1の実施の形態に係る車両管理装置における処理部による修正後の運行計画および充電計画の一例を示す図である。
図14図14は、本開示の第1の実施の形態に係る車両管理装置が運行計画および充電計画の作成を行う際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。
図15図15は、本開示の第1の実施の形態に係る車両管理装置が充電計画の作成を行う際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。
図16図16は、本開示の第1の実施の形態に係る車両管理装置が充電計画の作成を行う際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。
図17図17は、本開示の第2の実施の形態に係る運行システムの構成を示す図である。
図18図18は、本開示の第2の実施の形態に係る車両管理装置の構成を示す図である。
図19図19は、本開示の第2の実施の形態に係る車両管理装置における処理部により作成される運行計画の一例を示す図である。
図20図20は、本開示の第2の実施の形態に係る車両管理装置における処理部により作成される運行計画の他の例を示す図である。
図21図21は、本開示の第2の実施の形態に係る車両管理装置における処理部により作成される運行計画の一例を示す図である。
図22図22は、本開示の第2の実施の形態に係る車両管理装置が運行計画の作成および選択を行う際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
最初に、本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
【0011】
(1)本開示の実施の形態に係る車両管理装置は、車両の運行計画を作成する第1作成部と、前記第1作成部によって作成された前記運行計画に電気自動車を割り当て、前記運行計画に割り当てた前記電気自動車の充電計画を作成する第2作成部とを備え、前記第2作成部は、前記運行計画に、運行途中で充電せずに運行可能な前記電気自動車を優先的に割り当てる。
【0012】
このように、車両の運行計画を作成し、作成した運行計画に電気自動車を割り当て、運行計画に割り当てた電気自動車の充電計画を作成する構成により、たとえば電気自動車の充電計画を含む運行計画を作成する構成と比べて、より簡単に運行計画および充電計画を作成することができる。また、運行途中で充電せずに運行可能な電気自動車を優先的に運行計画に割り当てる構成により、運行途中で充電することにより生じるリスクが低減された、より効率的な運行計画および充電計画を作成することができる。したがって、車両の運行に関するより優れた計画を作成することができる。
【0013】
(2)上記(1)において、前記第2作成部は、運行途中で充電せずに運行可能な前記電気自動車が存在しない場合、前記運行計画に内燃機関車を割り当ててもよい。
【0014】
このような構成により、運行計画に運行途中で充電する必要がある電気自動車を割り当てる構成と比べて、運行途中で充電することにより生じるリスクを回避することができる。
【0015】
(3)上記(1)において、前記第2作成部は、運行途中で充電せずに運行可能な前記電気自動車が存在せず、かつ運行途中で充電することにより運行可能な前記電気自動車である運行途中充電車が存在する場合、前記運行計画に前記運行途中充電車を割り当ててもよい。
【0016】
このような構成により、運行計画に内燃機関車を割り当てる構成と比べて、二酸化炭素排出量を低減することができる。
【0017】
(4)上記(3)において、前記第2作成部は、前記運行途中充電車の前記充電計画として、前記運行途中充電車の搭乗者の休憩中、または前記搭乗者の荷積み中もしくは荷下ろし中において前記運行途中充電車を充電する前記充電計画を作成してもよい。
【0018】
このような構成により、運行計画に従って運行途中充電車が駐車している時間帯において、効率的に充電を行うことができる。
【0019】
(5)上記(1)から(4)のいずれかにおいて、前記第1作成部は、電池交換式の前記電気自動車および電池充電式の前記電気自動車を含む車両の前記運行計画を作成してもよい。
【0020】
このような構成により、電気自動車の種類ごとの走行可能距離および給電時間の相違を考慮して、より柔軟に運行計画を作成することができる。
【0021】
(6)上記(1)から(5)のいずれかにおいて、前記第1作成部は、電池交換式の前記電気自動車を含む車両の前記運行計画を作成してもよく、前記第1作成部は、予備の電池の充電状態および配置場所の少なくともいずれか一方に基づく前記運行計画を作成してもよい。
【0022】
このような構成により、予備の電池を用いることによる電気自動車の走行可能距離の回復を考慮して、より柔軟に運行計画を作成することができる。
【0023】
(7)上記(1)から(6)のいずれかにおいて、前記第1作成部は、作成した前記運行計画を、前記電気自動車の電池の寿命が延びる運行計画に修正してもよい。
【0024】
このような構成により、電池の交換に必要なコストの低減および環境配慮を行うことができる。
【0025】
(8)上記(1)から(7)のいずれかにおいて、前記第1作成部は、充電場所、充電方法、および充電設備のうちの少なくともいずれか1つに基づいて、前記運行計画を作成してもよい。
【0026】
このような構成により、電気自動車の充電の容易性等を考慮して、より柔軟に運行計画を作成することができる。
【0027】
(9)本開示の実施の形態に係る車両管理装置は、電気自動車を含む車両の、運行計画および充電計画を含む統合計画を複数作成する作成部と、前記作成部によって作成された複数の前記統合計画の中から、前記統合計画における前記車両の搭乗者の人件費と、前記電気自動車の充電料金、前記電気自動車の充電時刻のシフトを考慮した拠点の電気料金、前記電気自動車の蓄電電力の売電価格、前記電気自動車の蓄電電力の放電を考慮した拠点の電気料金、および前記車両の運行による二酸化炭素排出量のうちの少なくともいずれか1つと、に基づいて、前記統合計画を選択する選択処理を行う選択部とを備える。
【0028】
このように、車両の統合計画を複数作成し、作成した複数の統合計画の中から、人件費等に基づいて統合計画を選択する構成により、たとえば、複数の統合計画のうちのコストがより低い統合計画を選択することができる。したがって、車両の運行に関するより優れた計画を作成することができる。
【0029】
(10)上記(9)において、前記選択部は、前記選択処理において、運行途中で前記電気自動車の充電が必要な前記統合計画に対応する前記二酸化炭素排出量を補正し、補正後の前記二酸化炭素排出量に基づいて前記統合計画を選択してもよい。
【0030】
このような構成により、運行途中で電気自動車の充電が必要な統合計画が作成された場合、運行途中で充電を行うことができないリスクを考慮して、統合計画を選択することができる。
【0031】
(11)上記(9)または(10)において、前記選択部は、前記選択処理において、前記統合計画に従う運行において必要な金額コストに所定の係数を乗じた第1コスト値と、前記統合計画に従う運行における前記二酸化炭素排出量に所定の係数を乗じた第2コスト値との合計値を前記統合計画ごとに算出し、前記合計値の比較結果に基づいて、前記統合計画を選択してもよい。
【0032】
このような構成により、金額コストおよび二酸化炭素排出量を正規化し、金額コストおよび二酸化炭素排出量の両方を総合的に考慮して、統合計画を選択することができる。
【0033】
(12)本開示の実施の形態に係る車両管理方法は、車両管理装置における車両管理方法であって、車両の運行計画を作成するステップと、作成した前記運行計画に電気自動車を割り当て、前記運行計画に割り当てた前記電気自動車の充電計画を作成するステップとを含み、前記充電計画を作成するステップにおいては、前記運行計画に、運行途中で充電せずに運行可能な前記電気自動車を優先的に割り当てる。
【0034】
このように、車両の運行計画を作成し、作成した運行計画に電気自動車を割り当て、運行計画に割り当てた電気自動車の充電計画を作成する方法により、たとえば電気自動車の充電計画を含む運行計画を作成する方法と比べて、より簡単に運行計画および充電計画を作成することができる。また、運行途中で充電せずに運行可能な電気自動車を優先的に運行計画に割り当てる方法により、運行途中で充電することにより生じるリスクが低減された、より効率的な運行計画および充電計画を作成することができる。したがって、車両の運行に関するより優れた計画を作成することができる。
【0035】
(13)本開示の実施の形態に係る車両管理方法は、車両管理装置における車両管理方法であって、電気自動車を含む車両の、運行計画および充電計画を含む統合計画を複数作成するステップと、作成した複数の前記統合計画の中から、前記統合計画における前記車両の搭乗者の人件費と、前記電気自動車の充電料金、前記電気自動車の充電時刻のシフトを考慮した拠点の電気料金、前記電気自動車の蓄電電力の売電価格、前記電気自動車の蓄電電力の放電を考慮した拠点の電気料金、および前記車両の運行による二酸化炭素排出量のうちの少なくともいずれか1つと、に基づいて、前記統合計画を選択する選択処理を行うステップとを含む。
【0036】
このように、車両の統合計画を複数作成し、作成した複数の統合計画の中から、人件費等に基づいて統合計画を選択する方法により、たとえば、複数の統合計画のうちのコストがより低い統合計画を選択することができる。したがって、車両の運行に関するより優れた計画を作成することができる。
【0037】
(14)本開示の実施の形態に係る車両管理プログラムは、車両管理装置において用いられる車両管理プログラムであって、コンピュータを、車両の運行計画を作成する第1作成部と、前記第1作成部によって作成された前記運行計画に電気自動車を割り当て、前記運行計画に割り当てた前記電気自動車の充電計画を作成する第2作成部、として機能させるためのプログラムであり、前記第2作成部は、前記運行計画に、運行途中で充電せずに運行可能な前記電気自動車を優先的に割り当てる、プログラムである。
【0038】
このように、車両の運行計画を作成し、作成した運行計画に電気自動車を割り当て、運行計画に割り当てた電気自動車の充電計画を作成する構成により、たとえば電気自動車の充電計画を含む運行計画を作成する構成と比べて、より簡単に運行計画および充電計画を作成することができる。また、運行途中で充電せずに運行可能な電気自動車を優先的に運行計画に割り当てる構成により、運行途中で充電することにより生じるリスクが低減された、より効率的な運行計画および充電計画を作成することができる。したがって、車両の運行に関するより優れた計画を作成することができる。
【0039】
(15)本開示の実施の形態に係る車両管理プログラムは、車両管理装置において用いられる車両管理プログラムであって、コンピュータを、電気自動車を含む車両の、運行計画および充電計画を含む統合計画を複数作成する作成部と、前記作成部によって作成された複数の前記統合計画の中から、前記統合計画における前記車両の搭乗者の人件費と、前記電気自動車の充電料金、前記電気自動車の充電時刻のシフトを考慮した拠点の電気料金、前記電気自動車の蓄電電力の売電価格、前記電気自動車の蓄電電力の放電を考慮した拠点の電気料金、および前記車両の運行による二酸化炭素排出量のうちの少なくともいずれか1つと、に基づいて、前記統合計画を選択する選択処理を行う選択部、として機能させるためのプログラムである。
【0040】
このように、車両の統合計画を複数作成し、作成した複数の統合計画の中から、人件費等に基づいて統合計画を選択する構成により、たとえば、複数の統合計画のうちのコストがより低い統合計画を選択することができる。したがって、車両の運行に関するより優れた計画を作成することができる。
【0041】
以下、本開示の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0042】
<第1の実施の形態>
[構成および基本動作]
図1は、本開示の第1の実施の形態に係る運行システムの構成を示す図である。図1を参照して、運行システム301は、車両管理装置101と、電気自動車(EV:Electric Vehicle)201である電気自動車201A,201B,201Cと、ガソリン自動車202とを備える。電気自動車201A,201B,201Cは、たとえば電池充電式の電気自動車201である。ガソリン自動車202は、内燃機関(ICE:Internal Combustion Engine)により走行する内燃機関車の一例である。車両管理装置101は、車両拠点111に設けられる。電気自動車201およびガソリン自動車202は、非稼働時において車両拠点111に駐車される。なお、運行システム301は、1つ、2つまたは4つ以上の電気自動車201を備える構成であってもよいし、2つ以上のガソリン自動車202を備える構成であってもよいし、ガソリン自動車202を備えない構成であってもよい。また、運行システム301は、ガソリン自動車202の代わりに、またはガソリン自動車202に加えて、ディーゼル自動車等の他の内燃機関車を備える構成であってもよい。
【0043】
たとえば、電気自動車201およびガソリン自動車202は、配送先121への貨物の配送に用いられる配送車両である。なお、電気自動車201およびガソリン自動車202は、バスおよびタクシー等の、旅客の運送に用いられる車両であってもよい。
【0044】
車両管理装置101は、電気自動車201およびガソリン自動車202の運行計画PA、および電気自動車201の充電計画PBを作成する。一例として、車両管理装置101は、1日ごとに、翌日の運行計画PAおよび充電計画PBを作成し、作成した運行計画PAおよび充電計画PBを含む統合計画を運行システム301の管理者に通知する。運行システム301の管理者は、車両管理装置101により作成された統合計画に従って、電気自動車201およびガソリン自動車202の運行、ならびに電気自動車201の充電を管理する。
【0045】
図2は、本開示の第1の実施の形態に係る車両管理装置の構成を示す図である。図2を参照して、車両管理装置101は、取得部11と、処理部12と、記憶部13とを備える。処理部12は、第1作成部の一例であり、かつ第2作成部の一例である。取得部11および処理部12の一部または全部は、たとえば、1または複数のプロセッサを含む処理回路(Circuitry)により実現される。記憶部13は、たとえば上記処理回路に含まれる不揮発性メモリである。
【0046】
記憶部13は、地図情報および充電場所情報を記憶している。充電場所情報は、電気自動車201の充電を行うことが可能な充電場所、当該充電場所における充電方法、および当該充電場所の充電設備を示す。
【0047】
取得部11は、運行計画PAおよび充電計画PBの作成に用いられる基本情報を取得する。たとえば、取得部11は、基本情報として、EV情報と、ICE情報と、貨物情報と、配送先情報とを取得する。より詳細には、取得部11は、1日ごとに、車両拠点111における図示しない配送管理装置から基本情報を取得し、取得した基本情報を記憶部13に保存する。
【0048】
EV情報は、翌日の配送に用いることができる電気自動車201の台数と、当該電気自動車201のバッテリ残量と、当該バッテリ残量に対応する走行可能距離と、当該電気自動車201を満充電するために要する給電時間と、当該電気自動車201の稼働可能時間帯と、当該電気自動車201の最大積載量と、当該電気自動車201の荷台の容積とを示す。ICE情報は、翌日の配送に用いることができるガソリン自動車202の台数と、当該ガソリン自動車202の稼働可能時間帯と、当該ガソリン自動車202の最大積載量と、当該ガソリン自動車202の荷台の容積とを示す。貨物情報は、翌日に配送する貨物の重量および体積と、当該貨物の配送先121と、当該貨物の配送指定時間とを示す。配送先情報は、翌日に配送する貨物の配送先121の住所と、当該配送先121の利用可能時間帯とを示す。
【0049】
処理部12は、車両の運行計画PAを作成する。たとえば、処理部12は、電気自動車201およびガソリン自動車202を含む配送車両の運行計画PAを作成する。より詳細には、処理部12は、取得部11により記憶部13に基本情報が保存されると、記憶部13における貨物情報、配送先情報および地図情報に基づいて、配送車両の1日の走行経路を示す運行コースCおよび当該配送車両の1日のタイムスケジュールTを含む運行計画PAを作成する。
【0050】
図3は、本開示の第1の実施の形態に係る車両管理装置における処理部により作成される運行計画の一例を示す図である。図3は、運行計画PAにおける運行コースCおよびタイムスケジュールTを示している。
【0051】
図3を参照して、たとえば、処理部12は、時刻ta1に車両拠点111を出発し、配送先121である配送先121A,121Bへ貨物を配送し、時刻ta2に車両拠点111に戻る運行計画PAを作成する。
【0052】
処理部12は、作成した運行計画PAに電気自動車201を割り当て、当該運行計画PAに割り当てた電気自動車201の充電計画PBを作成する。処理部12は、運行計画PAに、運行途中で充電せずに運行可能な電気自動車201を優先的に割り当てる。
【0053】
より詳細には、処理部12は、運行計画PAにおける運行コースC、および記憶部13におけるEV情報が示す走行可能距離に基づいて、運行途中で充電せずに当該運行計画PAに従って運行可能な電気自動車201を特定する。処理部12は、当該運行計画PAに従って運行する車両として、特定した電気自動車201を割り当てる。
【0054】
そして、処理部12は、運行計画PAにおける運行コースCおよびタイムスケジュールTに基づいて、当該運行計画PAに割り当てた電気自動車201の充電を行う充電期間および充電場所を含む充電計画PBを作成する。たとえば、処理部12は、電気料金が比較的安い夜間の時間帯を充電期間とする充電計画PBを作成する。
【0055】
図4は、本開示の第1の実施の形態に係る車両管理装置における処理部により作成される充電計画の一例を示す図である。図4は、図3に示す運行計画PAに割り当てた電気自動車201Aの充電計画PBを示している。
【0056】
図4を参照して、たとえば、処理部12は、運行途中で充電せずに運行可能な電気自動車201として電気自動車201Aを運行計画PAに割り当てる。そして、処理部12は、車両拠点111において時刻tb1から時刻ta1までの充電期間に電気自動車201Aの充電を行い、かつ車両拠点111において時刻ta2から時刻tb2までの充電期間に電気自動車201Aの充電を行う充電計画PBを作成する。
【0057】
処理部12は、運行計画PAおよび充電計画PBを含む統合計画を作成し、作成した統合計画を表示または音声により運行システム301の管理者に通知する。
【0058】
(変形例1)
図5は、本開示の第1の実施の形態に係る車両管理装置における処理部により作成される運行計画の他の例を示す図である。図5は、運行計画PAである運行計画PA1,PA2,PA3の各々におけるタイムスケジュールTを示している。
【0059】
図5を参照して、たとえば、処理部12は、3つの運行計画PAを作成し、作成した運行計画PAに電気自動車201を割り当てる。
【0060】
より詳細には、処理部12は、運行途中で充電せずに運行計画PA1に従って運行可能な電気自動車201、運行途中で充電せずに運行計画PA2に従って運行可能な電気自動車201、および運行途中で充電せずに運行計画PA3に従って運行可能な電気自動車201を検索する。
【0061】
たとえば、処理部12は、運行途中で充電せずに運行計画PA1に従って運行可能な電気自動車201として電気自動車201Aを特定し、運行計画PA1に電気自動車201Aを割り当てる。また、たとえば、処理部12は、運行途中で充電せずに運行計画PA2に従って運行可能な電気自動車201として電気自動車201Bを特定し、運行計画PA2に電気自動車201Bを割り当てる。一方、記憶部13におけるEV情報が示す電気自動車201Cの走行可能距離は、運行計画PA3における走行距離よりも短いことから、運行途中で充電せずに運行計画PA3に従って運行可能な電気自動車201は存在しない。
【0062】
処理部12は、運行途中で充電せずに運行可能な電気自動車201が存在しない場合、運行計画PAにガソリン自動車202を割り当てる。より詳細には、処理部12は、運行途中で充電せずに運行計画PA3に従って運行可能な電気自動車201が存在せず、かつ運行システム301のユーザが電気自動車201の途中充電を許可しない場合、運行計画PA3にガソリン自動車202を割り当てる。
【0063】
処理部12は、運行計画PA1,PA2に基づいて、電気自動車201A,201Bの充電計画PBである充電計画PB1,PB2を作成する。また、処理部12は、運行計画PA3にガソリン自動車202を割り当てた旨を示すICE配車情報を作成する。
【0064】
処理部12は、運行計画PA1,PA2,PA3、充電計画PB1,PB2およびICE配車情報を含む統合計画を作成し、作成した統合計画を表示または音声により運行システム301の管理者に通知する。
【0065】
(変形例2)
図6は、本開示の第1の実施の形態に係る車両管理装置における処理部により作成される運行計画の他の例を示す図である。図6は、運行計画PAである運行計画PA4,PA5,PA6の各々におけるタイムスケジュールTを示している。
【0066】
図6を参照して、たとえば、処理部12は、運行計画PA4,PA5,PA6を作成する。
【0067】
運行計画PA4は、時刻tc1に車両拠点111を出発し、時刻tc2から時刻tc3までの休憩時間において配送車両の搭乗者が休憩し、時刻tc3以降に配送先121へ貨物を配送し、時刻tc4に車両拠点111に戻る運行計画PAである。
【0068】
また、運行計画PA5は、時刻td1に車両拠点111を出発し、時刻td2に配送先121に到着し、時刻td2から時刻td3までの作業時間において配送車両の搭乗者が荷積みおよび荷下ろし等の作業を行い、時刻td3に配送先121を出発し、時刻td4に車両拠点111に戻る運行計画PAである。
【0069】
また、運行計画PA6は、時刻te1に車両拠点111を出発し、時刻te1以降に配送先121へ貨物を配送し、時刻te2に車両拠点111に戻る運行計画PAである。
【0070】
図7は、本開示の第1の実施の形態に係る車両管理装置における処理部により作成される充電計画の他の例を示す図である。図7は、図6に示す運行計画PA4に割り当てられる電気自動車201Aの充電計画PB4と、図6に示す運行計画PA5に割り当てられる電気自動車201Bの充電計画PB5とを示している。
【0071】
図7を参照して、処理部12は、運行途中で充電せずに運行可能な電気自動車201が存在せず、かつ運行途中で充電することにより運行可能な電気自動車201が存在する場合、運行計画PAに当該電気自動車201を割り当てる。
【0072】
より詳細には、処理部12は、運行途中で充電せずに運行計画PA4,PA5,PA6に従って運行可能な電気自動車201が存在せず、運行システム301のユーザが電気自動車201の途中充電を許可している場合、運行計画PA4,PA5,PA6が示すタイムスケジュールTならびに記憶部13におけるEV情報が示す走行可能距離および給電時間に基づいて、運行計画PA4,PA5,PA6の運行途中で充電することにより運行計画PA4,PA5,PA6に従って運行可能な電気自動車201を検索する。
【0073】
たとえば、処理部12は、運行計画PA4の運行途中において充電可能な期間に充電することにより運行計画PA4に従って運行可能な電気自動車201として電気自動車201Aを特定し、運行計画PA4に電気自動車201Aを割り当てる。当該電気自動車201Aは、運行途中充電車の一例である。処理部12は、電気自動車201Aの充電計画PBとして、電気自動車201Aの搭乗者の休憩中において電気自動車201Aを充電する充電計画PB4を作成する。すなわち、処理部12は、時刻tc2から時刻tc3までの休憩時間において電気自動車201Aを充電する充電計画PB4を作成する。
【0074】
また、たとえば、処理部12は、運行計画PA5の運行途中において充電可能な期間に充電することにより運行計画PA5に従って運行可能な電気自動車201として電気自動車201Bを特定し、運行計画PA5に電気自動車201Bを割り当てる。当該電気自動車201Bは、運行途中充電車の一例である。処理部12は、電気自動車201Bの充電計画PBとして、電気自動車201Bの搭乗者の荷積み中または荷下ろし中において電気自動車201Bを充電する充電計画PB5を作成する。すなわち、処理部12は、時刻td2から時刻td3までの作業時間において電気自動車201Bを充電する充電計画PB5を作成する。
【0075】
一方、記憶部13におけるEV情報が示す電気自動車201Cの走行可能距離は、運行計画PA3における走行距離よりも短く、かつ運行計画PA6に従う運行途中において充電可能な期間が存在しないので、運行途中で充電することにより運行計画PA6に従って運行可能な電気自動車201は存在しない。この場合、処理部12は、運行計画PA6にガソリン自動車202を割り当てる。処理部12は、運行計画PA6にガソリン自動車202を割り当てた旨を示すICE配車情報を作成する。
【0076】
処理部12は、運行計画PA4,PA5、充電計画PB4,PB5およびICE配車情報を含む統合計画を作成し、作成した統合計画を表示または音声により運行システム301の管理者に通知する。
【0077】
(変形例3)
たとえば、運行システム301は、電池交換式の電気自動車201である電気自動車201Dをさらに含む。電気自動車201Dは、給電方式および航続距離が電気自動車201A,201B,201Cとは異なる電気自動車201である。
【0078】
処理部12は、電池交換式の電気自動車201Dをさらに含む配送車両の運行計画PAを作成する。たとえば、処理部12は、電気自動車201Dを含む配送車両の運行計画PAを作成する場合において、記憶部13におけるEV情報が示す各電気自動車201の走行可能距離および給電時間を考慮して運行計画PAを作成する。これにより、電気自動車201Dを含まない配送車両の運行計画PAを作成する場合と比べて、より少数の配送車両により貨物の配送を行ったり、ガソリン自動車202の稼働を抑えることにより二酸化炭素排出量を低減したりすることができるので、運行システム301全体の可用性および配送効率を向上させることができる。
【0079】
たとえば、処理部12は、電気自動車201Dに用いられる予備の電池BTの充電状態、および予備の電池BTの配置場所に基づく運行計画PAを作成する。
【0080】
より詳細には、取得部11は、基本情報に加えて、予備の電池BTの充電状態、および予備の電池BTの配置場所を示す予備電池情報をさらに取得し、取得した予備電池情報を記憶部13に保存する。
【0081】
図8は、本開示の第1の実施の形態に係る車両管理装置における処理部により作成される運行計画の他の例を示す図である。図8は、運行計画PAである運行計画PA7における運行コースCを示している。運行計画PA7は、車両拠点111を出発し、配送先121である配送先121A,121B,121C,121D,121E,121F,121G,121Hへこの順に貨物を配送して車両拠点111に戻る運行計画PAである。
【0082】
図8を参照して、取得部11は、配送先121B,121D,121Gに予備の電池BTが配置されており、かつ各電池BTは満充電されていることを示す予備電池情報を取得する。処理部12は、貨物情報、配送先情報、地図情報、電気自動車201Dに関するEV情報、および予備電池情報に基づいて、運行計画PA7を作成する。
【0083】
たとえば、処理部12は、電気自動車201A,201B,201Cおよびガソリン自動車202を用いて貨物を配送する運行計画PAを作成する場合、配送先121A,121B,121Cへ貨物を配送する運行計画PAと、配送先121D,121E,121Fへ貨物を配送する運行計画PAと、配送先121G,121Hへ貨物を配送する運行計画PAとを作成し、作成した3つの運行計画PAに電気自動車201B,201Cおよびガソリン自動車202をそれぞれ割り当てる。これに対して、電池BTの充電状態および配置場所に基づいて、電気自動車201Dの運行計画PA7を作成する構成により、たとえば、ガソリン自動車202を用いることなく、1台の配送車両により貨物の配送を行うことができる。
【0084】
(変形例4)
図9は、本開示の第1の実施の形態に係る車両管理装置における処理部により作成される運行計画および充電計画の他の例を示す図である。図9は、運行計画PAである運行計画PA8,PA9,PA10におけるタイムスケジュールT、および充電計画PBである充電計画PB8,PB9,PB10を示している。
【0085】
図9を参照して、たとえば、処理部12は、運行計画PA8,PA9,PA10を作成し、運行計画PA8,PA9,PA10に電気自動車201D,201A,201Bをそれぞれ割り当てる。処理部12は、電気自動車201D,201A,201Bの充電計画PB8,PB9,PB10を作成する。
【0086】
処理部12は、作成した運行計画PA8,PA9,PA10を、電気自動車201の電池の寿命が延びる運行計画PAに修正する。
【0087】
図10は、本開示の第1の実施の形態に係る車両管理装置における処理部による修正後の運行計画および充電計画の一例を示す図である。図10は、運行計画PAである運行計画PA11,PA12,PA13,PA14におけるタイムスケジュールT、および充電計画PBである充電計画PB11,PB12,PB13,PB14を示している。
【0088】
図10を参照して、たとえば、処理部12は、電気自動車201の充電回数の合計がより少なくなるように、運行計画PA8,PA9,PA10を修正する。より詳細には、処理部12は、電気自動車201の充電回数の合計が4回である運行計画PA8,PA9,PA10および充電計画PB8,PB9,PB10を、電気自動車201の充電回数の合計が3回である運行計画PA11,PA12,PA13,PA14および充電計画PB11,PB12,PB13,PB14に修正する。
【0089】
処理部12は、運行計画PA11,PA12,PA13,PA14および充電計画PB11,PB12,PB13,PB14を含む統合計画を作成し、作成した統合計画を表示または音声により運行システム301の管理者に通知する。
【0090】
(変形例5)
取得部11は、基本情報に加えて、充電場所、充電方法、および充電設備を示す充電場所情報をさらに取得し、取得した充電場所情報を記憶部13に保存する。
【0091】
処理部12は、充電場所、充電方法、および充電設備に基づいて、運行計画PAを作成する。より詳細には、処理部12は、記憶部13における貨物情報、配送先情報および地図情報に加えて、充電場所情報にさらに基づいて、運行計画を作成する。
【0092】
図11は、本開示の第1の実施の形態に係る車両管理装置における処理部により作成される運行計画の他の例を示す図である。図11は、運行計画PAである運行計画PA15における運行コースCを示している。運行計画PA15は、車両拠点111を出発し、配送先121である配送先121A,121B,121C,121D,121E,121F,121G,121Hへこの順に貨物を配送して車両拠点111に戻る運行計画PAである。
【0093】
図11を参照して、取得部11は、車両拠点111に充電ステーション131である充電ステーション131Xが設置されており、かつ配送先121C,121E,121Fに充電ステーション131である充電ステーション131C,131E,131Fがそれぞれ設置されていることを示す充電場所情報を取得する。処理部12は、充電場所情報に基づいて、各充電ステーション131が急速充電可能であるか否か、各充電ステーション131が自社設備であるか否かを判断し、判断結果に応じて各充電ステーション131に優先順位を設定し、設定した優先順位に基づいて、電気自動車201の充電を行う充電ステーション131として充電ステーション131C,131Fを選択する。そして、処理部12は、充電ステーション131の選択結果に基づいて、運行計画PA15を作成する。また、処理部12は、運行計画PA15に基づいて、充電計画PBである充電計画PB15を作成する。
【0094】
処理部12は、運行計画PA15および充電計画PB15を含む統合計画を作成し、作成した統合計画を表示または音声により運行システム301の管理者に通知する。
【0095】
(変形例6)
図12は、本開示の第1の実施の形態に係る車両管理装置における処理部により作成される運行計画および充電計画の他の例を示す図である。図12は、運行計画PAである運行計画PA16におけるタイムスケジュールT、および充電計画PBである充電計画PB16を示している。
【0096】
図12を参照して、たとえば、処理部12は、運行計画PA16を作成し、運行計画PA16に電気自動車201を割り当てる。処理部12は、電気自動車201の充電計画PB16を作成する。
【0097】
運行計画PA16は、時刻tj1に車両拠点111を出発し、時刻tj2に配送先121に到着し、時刻tj2から時刻tj3までの作業時間において配送車両の搭乗者が荷積みおよび荷下ろし等の作業を行い、時刻tj3に配送先121を出発し、時刻tj4に車両拠点111に戻る運行計画PAである。また、充電計画PB16は、車両拠点111において時刻tj1まで60分間充電し、配送先121において時刻tj2から30分間充電し、車両拠点111において時刻tj4から30分間充電する充電計画PBである。
【0098】
取得部11は、基本情報に加えて、余剰電力が生じると予想される時間帯である余剰時間帯を示す余剰電力情報をさらに取得し、取得した余剰電力情報を記憶部13に保存する。より詳細には、たとえば太陽光発電では、日中の時間帯における発電量が電力消費量を上回ることにより、余剰電力が生じる場合がある。余剰電力は、利用されることなく破棄される。取得部11は、太陽光発電における余剰時間帯を示す余剰電力情報を取得する。
【0099】
処理部12は、余剰電力情報に基づいて、作成した運行計画PA16および充電計画PB16を修正する。
【0100】
図13は、本開示の第1の実施の形態に係る車両管理装置における処理部による修正後の運行計画および充電計画の一例を示す図である。図13は、運行計画PAである運行計画PA17におけるタイムスケジュールT、および充電計画PBである充電計画PB17を示している。
【0101】
図13を参照して、運行計画PA17は、運行計画PA16と比べて、時刻tj3よりも後の時刻tj3aに配送先121を出発し、時刻tj4よりも後の時刻tj4aに車両拠点111に戻る運行計画PAである。また、充電計画PB17は、充電計画PB16と比べて、配送先121において時刻tj2から60分間充電する代わりに、車両拠点111において充電を行わない充電計画PBである。
【0102】
たとえば、処理部12は、余剰電力情報に基づいて、運行計画PA16および充電計画PB16を、余剰時間帯における充電時間がより長く、かつ余剰時間帯以外の時間帯における充電時間がより短い運行計画PA17および充電計画PB17に修正する。より詳細には、処理部12は、余剰時間帯における充電時間が30分であり、かつ余剰時間帯以外の時間帯における充電時間が90分間である運行計画PA16および充電計画PB16を、余剰時間帯における充電時間が60分であり、かつ余剰時間帯以外の時間帯における充電時間が60分間である運行計画PA17および充電計画PB17に修正する。これにより、たとえば変形例2のように、余剰電力情報を用いることなく運行計画PAを作成し、作成した運行計画PAにおける停車時間に充電時間を合わせた充電計画PBを作成する構成と比べて、電力を有効に利用し、電力需要調整を行うことができる。また、電気自動車201の充電料金を下げることができる。
【0103】
処理部12は、運行計画PA17および充電計画PB17を含む統合計画を作成し、作成した統合計画を表示または音声により運行システム301の管理者に通知する。
【0104】
なお、処理部12は、上述した変形例1,2,3,4,5,6の一部または全部を行わない構成であってもよい。
【0105】
[動作の流れ]
図14は、本開示の第1の実施の形態に係る車両管理装置が運行計画および充電計画の作成を行う際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。
【0106】
図14を参照して、まず、車両管理装置101は、運行計画PAおよび充電計画PBの作成に用いられる基本情報を取得する(ステップS11)。
【0107】
次に、車両管理装置101は、記憶部13における基本情報および地図情報に基づいて、運行コースCおよびタイムスケジュールTを含む運行計画PAを作成する(ステップS12)。
【0108】
次に、車両管理装置101は、運行途中で充電せずに運行可能な電気自動車201を優先的に運行計画PAに割り当て、運行計画PAに割り当てた電気自動車201の充電計画PBを作成する(ステップS13)。
【0109】
次に、車両管理装置101は、運行計画PAおよび充電計画PBを含む統合計画を作成し、作成した統合計画を表示または音声により運行システム301の管理者に通知する(ステップS14)。
【0110】
なお、第1の実施の形態の変形例3に係る車両管理装置101では、ステップS12において、予備電池情報にさらに基づいて、運行計画PAを作成する。また、第1の実施の形態の変形例4に係る車両管理装置101では、さらに、ステップS12,S13において作成した運行計画PAおよび充電計画PBを、電気自動車201の充電回数の合計がより少なくなるように修正し、ステップS14において、修正後の運行計画PAおよび充電計画PBを含む統合計画を通知する。また、第1の実施の形態の変形例5に係る車両管理装置101では、ステップS12において、充電場所情報にさらに基づいて、運行計画PAを作成する。
【0111】
図15は、本開示の第1の実施の形態に係る車両管理装置が充電計画の作成を行う際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。図15は、上述した変形例1に対応する、図14におけるステップS13の詳細を示している。
【0112】
図15を参照して、まず、車両管理装置101は、運行途中で充電せずに、ステップS12において作成した運行計画PAに従って運行可能な電気自動車201を検索する(ステップS21)。
【0113】
次に、車両管理装置101は、運行途中で充電せずに当該運行計画PAに従って運行可能な電気自動車201が存在する場合(ステップS22でYES)、当該運行計画PAに当該電気自動車201を割り当てる(ステップS23)。
【0114】
次に、車両管理装置101は、すべての運行計画PAについて、運行途中で充電せずに運行可能な電気自動車201を検索し終えるまで(ステップS24でNO)、ステップS21からステップS24の処理を繰り返し、すべての運行計画PAについて、運行途中で充電せずに運行可能な電気自動車201を検索し終えると(ステップS24でYES)、電気自動車201が割り当てられなかった運行計画PAにガソリン自動車202を割り当てる(ステップS25)。
【0115】
次に、車両管理装置101は、運行計画PAに割り当てた電気自動車201の充電計画PBを作成する(ステップS26)。
【0116】
図16は、本開示の第1の実施の形態に係る車両管理装置が充電計画の作成を行う際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。図16は、上述した変形例2に対応する、図14におけるステップS13の詳細を示している。
【0117】
図16を参照して、まず、車両管理装置101は、運行途中で充電せずに、ステップS12において作成した運行計画PAに従って運行可能な電気自動車201を検索する(ステップS31)。
【0118】
次に、車両管理装置101は、運行途中で充電せずに当該運行計画PAに従って運行可能な電気自動車201が存在する場合(ステップS32でYES)、当該運行計画PAに当該電気自動車201を割り当てる(ステップS33)。
【0119】
一方、車両管理装置101は、運行途中で充電せずに当該運行計画PAに従って運行可能な電気自動車201が存在しない場合であり、かつ運行システム301のユーザが途中充電を許可している場合(ステップS32でNOかつステップS34でYES)、当該運行計画PAの運行途中で充電することにより当該運行計画PAに従って運行可能な電気自動車201を検索する(ステップS35)。
【0120】
次に、車両管理装置101は、当該運行計画PAの運行途中において充電可能な期間に充電することにより当該運行計画PAに従って運行可能な電気自動車201が存在する場合(ステップS36でYES)、当該運行計画PAに当該電気自動車201を割り当てる(ステップS33)。
【0121】
次に、車両管理装置101は、すべての運行計画PAについて、運行途中で充電せずに運行可能な電気自動車201を検索し終えるまで(ステップS37でNO)、ステップS31からステップS36の処理を繰り返し、すべての運行計画PAについて、運行途中で充電せずに運行可能な電気自動車201を検索し終えると(ステップS37でYES)、電気自動車201が割り当てられなかった運行計画PAにガソリン自動車202を割り当てる(ステップS38)。
【0122】
次に、車両管理装置101は、運行計画PAに割り当てた電気自動車201の充電計画PBを作成する(ステップS39)。
【0123】
なお、本開示の第1の実施の形態の変形例3に係る車両管理装置101では、処理部12は、電気自動車201Dに用いられる予備の電池BTの充電状態、および予備の電池BTの配置場所に基づく運行計画PAを作成する構成であるとしたが、これに限定するものではない。処理部12は、電池BTの充電状態および電池BTの配置場所のいずれか一方に基づいて運行計画PAを作成する構成であってもよい。
【0124】
また、本開示の第1の実施の形態の変形例5に係る車両管理装置101では、処理部12は、充電場所、充電方法、および充電設備に基づいて、運行計画PAを作成する構成であるとしたが、これに限定するものではない。処理部12は、充電場所、充電方法、および充電設備のうちのいずれか1つまたは2つに基づいて、運行計画PAを作成する構成であってもよい。
【0125】
次に、本開示の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0126】
<第2の実施の形態>
[構成および基本動作]
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る車両管理装置101と比べて、複数の統合計画の中からコストが最小となる統合計画を選択する車両管理装置102に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る車両管理装置101と同様である。
【0127】
図17は、本開示の第2の実施の形態に係る運行システムの構成を示す図である。図17を参照して、運行システム302は、第1の実施の形態に係る運行システム301と比べて、車両管理装置102の代わりに車両管理装置102を備える。
【0128】
図18は、本開示の第2の実施の形態に係る車両管理装置の構成を示す図である。図18を参照して、車両管理装置102は、車両管理装置101と比べて、取得部11の代わりに取得部21を備え、処理部12の代わりに処理部22を備え、記憶部13の代わりに記憶部23を備える。処理部22は、作成部の一例であり、かつ選択部の一例である。取得部21および処理部22の一部または全部は、たとえば、1または複数のプロセッサを含む処理回路(Circuitry)により実現される。記憶部23は、たとえば上記処理回路に含まれる不揮発性メモリである。
【0129】
記憶部23は、記憶部13と比べて、地図情報および充電場所情報に加えて、EV排出量情報およびICE排出量情報をさらに記憶している。EV排出量情報は、電気自動車201の単位走行時間当たりに消費される電力を生成する際に排出される二酸化炭素の量を示す。ICE排出量情報は、ガソリン自動車202の単位走行時間当たりに排出される二酸化炭素の量を示す。
【0130】
取得部21は、取得部11と比べて、基本情報に加えて、従業員情報、電力価格情報および消費電力情報をさらに取得する。従業員情報は、翌日に作業可能な従業員の作業可能時間と、当該従業員の単位時間当たりの人件費とを示す。電力価格情報は、車両拠点111における電気の基本料金と、翌日の時間帯ごとの電気料金と、翌日の時間帯ごとの売電価格とを示す。消費電力情報は、過去の車両拠点111の消費電力に基づいて算出される、車両拠点111における消費電力の24時間の時間変化の傾向を示す。
【0131】
処理部22は、電気自動車201を含む車両の統合計画PCを複数作成する。より詳細には、処理部22は、取得部21により記憶部23に基本情報が保存されると、記憶部23における基本情報に基づいて、運行計画PAおよび充電計画PBを含む統合計画PCを複数作成する。
【0132】
処理部22は、作成した複数の統合計画PCの中から、統合計画PCにおける配送車両の搭乗者の人件費と、電気自動車201の充電料金、電気自動車201の充電時刻のシフトを考慮した車両拠点111の電気料金、電気自動車201の蓄電電力の売電価格、電気自動車201の蓄電電力の放電を考慮した車両拠点111の電気料金、および配送車両の運行による二酸化炭素排出量のうちの少なくともいずれか1つと、に基づいて、統合計画PCを選択する選択処理を行う。
【0133】
より詳細には、処理部22は、記憶部23における従業員情報、および統合計画PCにおける電気自動車201の搭乗者の労働時間に基づいて、統合計画PCにおける配送車両の搭乗者の人件費F1を算出する。
【0134】
また、処理部22は、記憶部23における電力価格情報、および統合計画PCにおける電気自動車201の充電時間に基づいて、電気自動車201の充電料金F2Aを算出する。
【0135】
また、処理部22は、記憶部23における電力価格情報および消費電力情報、ならびに統合計画PCにおける電気自動車201の充電時間に基づいて、電気自動車201の充電時刻のシフトを考慮した車両拠点111の電気料金の削減額F2Bを算出する。より詳細には、車両拠点111の電気の基本料金は、車両拠点111における消費電力のピーク値に基づいて決定されるので、車両拠点111における電気自動車201の充電時刻をシフトさせて消費電力のピークシフトを実施することにより、車両拠点111の電気の基本料金を削減することができる。処理部22は、ピークシフトによる車両拠点111の電気の基本料金の削減額を、削減額F2Bとして算出する。
【0136】
また、処理部22は、記憶部23における電力価格情報、および統合計画PCにおける電気自動車201の蓄電電力の売電時間に基づいて、電気自動車201の蓄電電力の売電価格F2Cを算出する。
【0137】
また、処理部22は、記憶部23における電力価格情報および消費電力情報、ならびに統合計画PCにおける電気自動車201の放電時間に基づいて、電気自動車201の蓄電電力の放電を考慮した車両拠点111の電気料金の削減額F2Dを算出する。より詳細には、電気自動車201の蓄電電力を車両拠点111における機器へ放電し、車両拠点111における消費電力のピークカットを実施することにより、車両拠点111の電気の基本料金を削減することができる。処理部22は、ピークカットによる車両拠点111の電気の基本料金の削減額を、削減額F2Dとして算出する。
【0138】
また、処理部22は、記憶部23におけるEV排出量情報、および統合計画PCにおける電気自動車201の走行時間に基づいて、電気自動車201の運行による二酸化炭素排出量F2Eを算出する。また、処理部22は、記憶部23におけるICE排出量情報、および統合計画PCにおけるガソリン自動車202の走行時間に基づいて、ガソリン自動車202の運行による二酸化炭素排出量F2Eを算出する。
【0139】
処理部22は、人件費F1と、充電料金F2A、削減額F2B、売電価格F2C、削減額F2Dおよび二酸化炭素排出量F2Eのうちの少なくともいずれか1つとを算出し、算出結果に基づいて、複数の統合計画PCの中から1つの統合計画PCを選択する。
【0140】
(選択処理の例1)
図19は、本開示の第2の実施の形態に係る車両管理装置における処理部により作成される運行計画の一例を示す図である。図19は、統合計画PCである統合計画PC1,PC2を示している。
【0141】
図19を参照して、たとえば、処理部22は、電気自動車201の統合計画PC1,PC2を作成する。
【0142】
統合計画PC1は、車両拠点111において電気自動車201に40キロワット充電し、時刻tf1に車両拠点111を出発し、時刻tf2に配送先121Aに到着し、時刻tf3に配送先121Aを出発し、時刻tf4に配送先121Bに到着し、時刻tf4から時刻tf5までの期間において電気自動車201のバッテリの蓄電電力を売電し、時刻tf5に配送先121Bを出発し、時刻tf6に配送先121Cに到着し、時刻tf7に配送先121Cを出発し、時刻tf8に車両拠点111に戻る統合計画PCである。
【0143】
また、統合計画PC2は、時刻tf3までは統合計画PC1と同じであり、時刻tf3に配送先121Aを出発してから時刻tg1に一旦車両拠点111に戻り、時刻tg1から時刻tg2までの期間において電気自動車201のバッテリの蓄電電力を車両拠点111における機器へ放電し、時刻tg2に車両拠点111を出発し、時刻tg3に配送先121Bに到着し、時刻tg4に配送先121Bを出発し、時刻tg5に配送先121Cに到着し、時刻tg6に配送先121Cを出発し、時刻tg7に車両拠点111に戻る統合計画PCである。
【0144】
処理部22は、統合計画PC1,PC2の中から、人件費F1、充電料金F2A、削減額F2B、売電価格F2Cおよび削減額F2Dの算出結果に基づいて、いずれか一方の統合計画PCを選択する。
【0145】
たとえば、処理部22は、統合計画PC1,PC2の充電料金F2Aを1000円であると算出し、統合計画PC1,PC2の削減額F2Bを1日当たり100円であると算出し、統合計画PC1,PC2の売電価格F2Cを140円であると算出し、統合計画PC2の削減額F2Dを1日当たり200円であると算出する。
【0146】
また、たとえば、処理部22は、統合計画PC1の人件費F1を20000円であると算出し、統合計画PC2の人件費F1を23000円であると算出する。ここで、統合計画PC2における電気自動車201の搭乗者の労働時間は、統合計画PC1における電気自動車201の搭乗者の労働時間よりも長いので、統合計画PC2の人件費F1は統合計画PC1の人件費F1よりも高い。
【0147】
処理部22は、統合計画PC1の金額コストを、人件費F1、充電料金F2A、削減額F2B、および売電価格F2Cに基づいて、20760円であると算出する。また、処理部22は、統合計画PC2の金額コストを、人件費F1、充電料金F2A、削減額F2B、売電価格F2Cおよび削減額F2Dに基づいて、23560円であると算出する。
【0148】
この場合、処理部22は、統合計画PC1,PC2のうちの、金額コストが最も低い統合計画PC1を選択し、選択した統合計画PC1を表示または音声により運行システム302の管理者に通知する。
【0149】
なお、処理部22は、充電料金F2A、削減額F2B、売電価格F2Cおよび削減額F2Dのうちの一部の算出を行わなくてもよい。また、処理部22は、3つ以上の統合計画PCを作成してもよい。この場合、処理部22は、2つ以上の統合計画PCを選択してもよい。
【0150】
(選択処理の例2)
たとえば、処理部22は、ガソリン自動車202の統合計画PCを少なくとも1つ作成する。
【0151】
図20は、本開示の第2の実施の形態に係る車両管理装置における処理部により作成される運行計画の他の例を示す図である。図20は、統合計画PCである統合計画PC3,PC4を示している。
【0152】
図20を参照して、たとえば、処理部22は、電気自動車201の統合計画PC3と、ガソリン自動車202の統合計画PC4とを作成する。
【0153】
統合計画PC3は、時刻th1に車両拠点111を出発し、時刻th2から時刻th3までの期間に充電ステーション131において電気自動車201に充電し、時刻th3に当該充電ステーション131を出発し、時刻th4に車両拠点111に戻る統合計画PCである。
【0154】
統合計画PC4は、時刻th1に車両拠点111を出発し、時刻th4に車両拠点111に戻る統合計画PCである。
【0155】
処理部22は、統合計画PC3,PC4の中から、人件費F1および二酸化炭素排出量F2Eの算出結果に基づいて、いずれか一方の統合計画PCを選択する。
【0156】
たとえば、処理部22は、統合計画PC3,PC4の人件費F1を20000円であると算出する。すなわち、処理部22は、統合計画PC3,PC4の金額コストを20000円であると算出する。
【0157】
また、たとえば、処理部22は、統合計画PC3における電気自動車201の運行による二酸化炭素排出量F2Eを合計150グラムであると算出し、統合計画PC4におけるガソリン自動車202の運行による二酸化炭素排出量F2Eを10000グラムであると算出する。
【0158】
処理部22は、選択処理において、運行途中で電気自動車201の充電が必要な統合計画PC3に対応する二酸化炭素排出量F2Eを補正し、補正後の二酸化炭素排出量F2Eに基づいて統合計画PCを選択する。
【0159】
より詳細には、統合計画PC3は、運行途中で電気自動車201の充電を行う統合計画PCである一方で、充電ステーション131に空きの充電スタンドが無い場合、および充電ステーション131が休業している場合等は充電を行うことができない。処理部22は、統合計画PC3の二酸化炭素排出量F2Eに、運行途中で充電を行うことができないリスクに応じて予め設定された所定値であるリスク係数Rfを乗じることにより、二酸化炭素排出量F2Eを補正する。たとえば、リスク係数Rfは、100である。処理部22は、統合計画PC3の二酸化炭素排出量F2Eに、リスク係数Rfである100を乗じることにより、上記リスクを考慮した統合計画PC3の二酸化炭素排出量F2Eを15000gであると算出する。
【0160】
この場合、処理部22は、統合計画PC3,PC4の金額コストが同額であるので、統合計画PC3,PC4のうちの、二酸化炭素排出量F2Eが最も小さい統合計画PC4を選択し、選択した統合計画PC4を表示または音声により運行システム302の管理者に通知する。
【0161】
なお、処理部22は、電気自動車201に充電する電力の生成元にさらに基づいて、電気自動車201の運行による二酸化炭素排出量F2Eを算出してもよい。より詳細には、処理部22は、太陽光発電等の再生可能エネルギー電力を電気自動車201に充電し、再生可能エネルギー電力を用いて電気自動車201を運行する場合、電気自動車201の運行による二酸化炭素排出量F2Eを、たとえばゼログラムであると算出する。
【0162】
(選択処理の例3)
図21は、本開示の第2の実施の形態に係る車両管理装置における処理部により作成される運行計画の一例を示す図である。図21は、図19と同じ統合計画PC1,PC2を示している。
【0163】
図21を参照して、たとえば、処理部22は、統合計画PC1における電気自動車201の運行による二酸化炭素排出量F2Eを合計230グラムであると算出し、統合計画PC2における電気自動車201の運行による二酸化炭素排出量F2Eを合計170グラムであると算出する。
【0164】
また、上述したように、処理部22は、統合計画PC1の金額コストを20760円であると算出し、統合計画PC2の金額コストを23560円であると算出する。
【0165】
処理部22は、選択処理において、統合計画PCに従う運行において必要な金額コストに所定の係数R1を乗じたコスト値C1と、統合計画PCに従う運行における二酸化炭素排出量F2Eに所定の係数R2を乗じたコスト値C2との合計値である総合コストCsumを統合計画PCごとに算出し、総合コストCsumの比較結果に基づいて、統合計画PCを選択する。コスト値C1は、第1コスト値の一例である。コスト値C2は、第2コスト値の一例である。たとえば、係数R1は「0.1」であり、係数R2は「1.2」である。
【0166】
より詳細には、処理部22は、統合計画PC1の金額コストである20760円に0.1を乗じることにより、統合計画PC1のコスト値C1を「2076」であると算出する。処理部22は、統合計画PC1の二酸化炭素排出量F2Eである230グラムに1.2を乗じることにより、統合計画PC1のコスト値C2を「276」であると算出する。そして、処理部22は、統合計画PC1の総合コストCsumを「2352」であると算出する。
【0167】
また、処理部22は、統合計画PC2の金額コストである23560円に0.1を乗じることにより、統合計画PC1のコスト値C1を「2356」であると算出する。処理部22は、統合計画PC2の二酸化炭素排出量F2Eである170グラムに1.2を乗じることにより、統合計画PC1のコスト値C2を「204」であると算出する。そして、処理部22は、統合計画PC2の総合コストCsumを「2560」であると算出する。
【0168】
この場合、処理部22は、統合計画PC1,PC2のうちの、総合コストCsumが最も低い統合計画PC1を選択し、選択した統合計画PC1を表示または音声により運行システム302の管理者に通知する。
【0169】
なお、処理部22は、複数の配送車両の統合計画PCを含む運行パターンPTNを複数作成してもよい。たとえば、処理部22は、電気自動車201A,201B,201Cの各々の統合計画PCを含む運行パターンPTN5と、電気自動車201A,201B,201Cの各々の統合計画PCを含む運行パターンPTN6と、電気自動車201A,201B,201Cの各々の統合計画PCを含む運行パターンPTN7とを作成する。
【0170】
この場合、処理部22は、運行パターンPTN5における電気自動車201A,201B,201Cの各々のコスト値C1,C2を合計することにより運行パターンPTN5の総合コストCsumを算出する。また、処理部22は、運行パターンPTN6における電気自動車201A,201B,201Cの各々のコスト値C1,C2を合計することにより運行パターンPTN6の総合コストCsumを算出する。また、処理部22は、運行パターンPTN7における電気自動車201A,201B,201Cの各々のコスト値C1,C2を合計することにより運行パターンPTN7の総合コストCsumを算出する。
【0171】
そして、処理部22は、運行パターンPTN5,PC6,PC7のうちの、総合コストCsumが最も低い運行パターンPTNを選択し、選択した運行パターンPTNを表示または音声により運行システム302の管理者に通知する。
【0172】
[動作の流れ]
図22は、本開示の第2の実施の形態に係る車両管理装置が運行計画の作成および選択を行う際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。
【0173】
図22を参照して、まず、車両管理装置102は、統合計画PCの作成に用いられる基本情報、従業員情報、電力価格情報および消費電力情報を取得する(ステップS41)。
【0174】
次に、車両管理装置102は、記憶部23における基本情報に基づいて、複数の統合計画PCを作成する(ステップS42)。
【0175】
次に、車両管理装置102は、作成した複数の統合計画PCの中から、人件費F1と、充電料金F2A、削減額F2B、売電価格F2C、削減額F2Dおよび二酸化炭素排出量F2Eのうちの少なくともいずれか1つと、に基づいて、いずれか1つの統合計画PCを選択する選択処理を行う(ステップS43)。
【0176】
次に、車両管理装置102は、選択した統合計画PCを表示または音声により運行システム301の管理者に通知する(ステップS44)。
【0177】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0178】
上述の実施形態の各処理(各機能)は、1または複数のプロセッサを含む処理回路(Circuitry)により実現される。上記処理回路は、上記1または複数のプロセッサに加え、1または複数のメモリ、各種アナログ回路、各種デジタル回路が組み合わされた集積回路等で構成されてもよい。上記1または複数のメモリは、上記各処理を上記1または複数のプロセッサに実行させるプログラム(命令)を格納する。上記1または複数のプロセッサは、上記1または複数のメモリから読み出した上記プログラムに従い上記各処理を実行してもよいし、予め上記各処理を実行するように設計された論理回路に従って上記各処理を実行してもよい。上記プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、およびASIC(Application Specific Integrated Circuit)等、コンピュータの制御に適合する種々のプロセッサであってよい。なお、物理的に分離した上記複数のプロセッサが互いに協働して上記各処理を実行してもよい。たとえば、物理的に分離した複数のコンピュータのそれぞれに搭載された上記プロセッサがLAN(Local Area Network)、WAN (Wide Area Network)、およびインターネット等のネットワークを介して互いに協働して上記各処理を実行してもよい。上記プログラムは、外部のサーバ装置等から上記ネットワークを介して上記メモリにインストールされても構わないし、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、および半導体メモリ等の記録媒体に格納された状態で流通し、上記記録媒体から上記メモリにインストールされても構わない。
【0179】
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
車両の運行計画を作成する第1作成部と、
前記第1作成部によって作成された前記運行計画に電気自動車を割り当て、前記運行計画に割り当てた前記電気自動車の充電計画を作成する第2作成部とを備え、
前記第2作成部は、前記運行計画に、運行途中で充電せずに運行可能な前記電気自動車を優先的に割り当て、
前記第2作成部は、電気料金に応じて決定された充電期間を示す前記充電計画を作成する、車両管理装置。
【0180】
[付記2]
処理回路を備え、
前記処理回路は、
車両の運行計画を作成し、
作成した前記運行計画に電気自動車を割り当て、前記運行計画に割り当てた前記電気自動車の充電計画を作成し、
前記運行計画に、運行途中で充電せずに運行可能な前記電気自動車を優先的に割り当てる、車両管理装置。
【0181】
[付記3]
電気自動車を含む車両の、運行計画および充電計画を含む統合計画を複数作成する作成部と、
前記作成部によって作成された複数の前記統合計画の中から、前記統合計画における前記車両の搭乗者の人件費と、前記電気自動車の充電料金、前記電気自動車の充電時刻のシフトを考慮した拠点の電気料金、前記電気自動車の蓄電電力の売電価格、前記電気自動車の蓄電電力の放電を考慮した拠点の電気料金、および前記車両の運行による二酸化炭素排出量のうちの少なくともいずれか1つと、に基づいて、前記統合計画を選択する選択処理を行う選択部とを備え、
前記選択部は、前記選択処理において、金額コストが最も低い前記統合計画を選択する、車両管理装置。
【0182】
[付記4]
処理回路を備え、
前記処理回路は、
電気自動車を含む車両の、運行計画および充電計画を含む統合計画を複数作成し、
作成した複数の前記統合計画の中から、前記統合計画における前記車両の搭乗者の人件費と、前記電気自動車の充電料金、前記電気自動車の充電時刻のシフトを考慮した拠点の電気料金、前記電気自動車の蓄電電力の売電価格、前記電気自動車の蓄電電力の放電を考慮した拠点の電気料金、および前記車両の運行による二酸化炭素排出量のうちの少なくともいずれか1つと、に基づいて、前記統合計画を選択する選択処理を行う、車両管理装置。
【符号の説明】
【0183】
11,21 取得部
12,22 処理部
13,23 記憶部
101,102 車両管理装置
111 車両拠点
121,121A,121B,121C,121D,121E,121F,121G,121H 配送先
131,131C,131E,131F,131X 充電ステーション
201,201A,201B,201C 電気自動車
202 ガソリン自動車
301,302 運行システム
C 運行コース
T タイムスケジュール
PA 運行計画
PB 充電計画
PC 統合計画
BT 電池
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22