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特開2024-116494サイネージシステム、サイネージ表示方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116494
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】サイネージシステム、サイネージ表示方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0241 20230101AFI20240821BHJP
【FI】
G06Q30/0241
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022148
(22)【出願日】2023-02-16
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年3月1日から同年同月4日「リテールテックJAPAN2022」 令和4年6月15日から同年同月17日「デジタルサイネージジャパン2022」 令和4年6月22日から同年同月24日「ものづくりAI/IoT展」 令和4年7月20日から同年同月22日「INDUSTRY-FRONTIER2022生産システム見える化展」 令和4年10月12日から同年同月14日「病院EXPO」 令和4年10月26日から同年同月28日「Japan IT Week 秋」 令和4年10月26日から同年同月27日「ウチダシステムズフェア2022-ヨクスル-in大阪」 令和4年11月10日から同年同月11日「ビジネスEXPO」 令和4年11月16日「令和4年度 ほっかいどう受発注拡大商談会」 令和5年1月18日から同年同月20日「Japan IT Week 関西」
(71)【出願人】
【識別番号】503223533
【氏名又は名称】株式会社テクノフェイス
(74)【代理人】
【識別番号】100134706
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 俊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100151161
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 彩
(72)【発明者】
【氏名】平田 智司
(72)【発明者】
【氏名】中原 大祐
(72)【発明者】
【氏名】小林 隆行
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB08
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】組織等の特定の視聴ユーザに、視聴すべきコンテンツが迅速に視聴されるサイネージシステム、サイネージ表示方法、及びサイネージ表示プログラムを提供する。
【解決手段】サイネージシステム10は、階層記憶部31、コンテンツセット記憶部32、ユーザ記憶部33、履歴記憶部36、セット取得部53、タッチパネルディスプレイ51、コンテンツ表示制御部61、リスト生成部43、リスト表示制御部62、選択コンテンツ表示制御部63、履歴更新部54、コンテンツセット生成部42を備える。履歴更新部54は既読報告の取得に応答して視聴ユーザの選択コンテンツについての未既読状態を更新する。コンテンツセット生成部42は、視聴ユーザに関連付けられた送信先の管理単位よりも下位の管理単位の送信先が選択され、新規コンテンツの登録が要求された場合に、新規コンテンツを加えた新たなコンテンツセットを生成する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツの送信先を複数の管理単位に階層的に分類し、この分類した前記管理単位の階層構造を示す階層情報を記憶する階層記憶部と、
前記送信先と表示順序が設定された複数のコンテンツから構成されるコンテンツセットとを関連付けたコンテンツセット情報を記憶するコンテンツセット記憶部と、
前記送信先と前記コンテンツの視聴ユーザとを関連付けたユーザ情報を記憶するユーザ記憶部と、
前記視聴ユーザと、前記視聴ユーザ毎の各コンテンツの未既読状態とを関連付けた履歴情報を記憶する履歴記憶部と、
任意の前記送信先が選択されてコンテンツ表示が要求された際に、選択された前記送信先に関連付けられた前記コンテンツセットを取得するセット取得部と、
前記コンテンツを表示するとともに、入力操作がなされるタッチパネルディスプレイと、
取得したコンテンツセットを構成する前記複数のコンテンツを前記タッチプレイディスプレイに順次表示させるコンテンツ表示制御部と、
前記コンテンツセットを構成している前記複数のコンテンツの表示中に、このコンテンツセットの送信先に関連付けられている任意の前記視聴ユーザが選択されてコンテンツリスト表示が要求された場合に、選択された前記視聴ユーザに関連づけられている各コンテンツの前記未既読状態を前記履歴情報に基づいて特定し、少なくとも未読状態のコンテンツを含むコンテンツリストを生成するリスト生成部と、
生成された前記コンテンツリストをコンテンツリスト表示の要求操作がされた前記タッチパネルディスプレイに表示させるリスト表示制御部と、
前記コンテンツリストから未読状態と示された前記コンテンツが選択されてコンテンツ表示が要求された際に、選択された選択コンテンツを、要求操作された前記タッチパネルディスプレイに表示させる選択コンテンツ表示制御部と、
前記選択コンテンツについての既読報告の取得に応答して、前記履歴情報に基づいて前記視聴ユーザの中から前記選択された視聴ユーザを特定し、特定した前記視聴ユーザに関連付けられた前記コンテンツの中から前記選択コンテンツを特定して、特定した選択コンテンツについての未既読状態について未読を既読に更新する履歴更新部と、
任意の前記視聴ユーザにより、この視聴ユーザに関連付けられた前記送信先が分類された前記管理単位よりも下位の前記管理単位の前記送信先が選択され、かつ、新たに生成された新規コンテンツの登録が要求された場合に、選択された前記送信先を前記コンテンツセット情報に基づいて特定し、既に記憶されている前記複数のコンテンツに前記新規コンテンツを加えた新たなコンテンツセットを生成して前記コンテンツセット記憶部に記憶させるコンテンツセット生成部と
を備えるサイネージシステム。
【請求項2】
前記コンテンツ表示制御部は、
前記コンテンツリスト表示の要求をする操作ボタンと、前記既読報告をする操作ボタンとを前記コンテンツに加えて前記タッチパネルディスプレイに表示し、
前記既読報告をする前記操作ボタンに対する操作に応答して、前記ユーザ情報に基づいて、取得したコンテンツセットに関連付けられている前記視聴ユーザのユーザリストを前記タッチパネルディスプレイに表示し、
前記履歴更新部は、さらに、
前記ユーザリストの表示中に前記ユーザリストに示される前記視聴ユーザの中から一の前記視聴ユーザの選択指示を取得した場合に、取得した前記選択指示を前記選択された視聴ユーザからの選択コンテンツの前記既読報告として取得する請求項1に記載のサイネージシステム。
【請求項3】
前記リスト表示制御部は、前記コンテンツリストに示される各コンテンツの表示領域内に各コンテンツの選択と表示要求をする操作領域を設定して、前記タッチパネルディスプレイに前記コンテンツリストを表示させ、
前記選択コンテンツ表示制御部は、選択コンテンツを前記タッチパネルディスプレイに表示させるとともに前記履歴更新部に前記既読報告を送る請求項1または2に記載のサイネージシステム。
【請求項4】
前記コンテンツを生成するための複数のテンプレートを記憶する第1テンプレート記憶部と、
任意の前記テンプレートへの入力操作に応答して前記新規コンテンツを生成するコンテンツ生成部と
をさらに備える請求項1または2に記載のサイネージシステム。
【請求項5】
既に記憶されている前記コンテンツに優先して表示させる優先コンテンツのテンプレートを記憶する第2テンプレート記憶部
をさらに備え、
前記コンテンツ生成部は、任意の前記視聴ユーザにより優先コンテンツの生成を要求された場合に、前記テンプレートへの入力操作に応答して前記優先コンテンツを生成し、
前記コンテンツセット生成部は、前記優先コンテンツを前記新規コンテンツとして、前記優先コンテンツの表示頻度を既に記憶されている前記コンテンツの表示頻度よりも高くなるように設定した新たなコンテンツセットを生成し、前記コンテンツセット記憶部に記憶させ、
前記セット取得部は、さらに、前記優先コンテンツを含む前記新たなコンテンツセットが生成された場合に、前記コンテンツセット情報に基づいて新たなコンテンツセットを取得する請求項4に記載のサイネージシステム。
【請求項6】
前記複数のコンテンツのうちの少なくともひとつは、表示画像の切替要求に応答して表示される切替画像を有し、
前記コンテンツ表示制御部は、前記切替画像を有する前記コンテンツに、前記切替画像への表示の前記切替要求をする操作ボタンを加えて前記タッチパネルディスプレイに表示させる請求項1または2に記載のサイネージシステム。
【請求項7】
コンテンツの送信先を複数の管理単位に階層的に分類し、この分類した前記管理単位の階層構造を示す階層情報を記憶する階層記憶ステップと、
前記送信先と表示順序が設定された複数のコンテンツから構成されるコンテンツセットとを関連付けたコンテンツセット情報を記憶するコンテンツセット記憶ステップと、
前記送信先と前記コンテンツの視聴ユーザとを関連付けたユーザ情報を記憶するユーザ記憶ステップと、
前記視聴ユーザと、前記視聴ユーザ毎の各コンテンツの未既読状態とを関連付けた履歴情報を記憶する履歴記憶ステップと、
任意の前記送信先が選択されてコンテンツ表示が要求された際に、選択された前記送信先に関連付けられた前記コンテンツセットを取得するセット取得ステップと、
取得したコンテンツセットを構成する前記複数のコンテンツをタッチプレイディスプレイに順次表示させるコンテンツ表示制御ステップと、
前記コンテンツセットを構成している前記複数のコンテンツの表示中に、このコンテンツセットの送信先に関連付けられている任意の前記視聴ユーザが選択されてコンテンツリスト表示が要求された場合に、選択された前記視聴ユーザに関連づけられている各コンテンツの前記未既読状態を前記履歴情報に基づいて特定し、少なくとも未読状態のコンテンツを含むコンテンツリストを生成するリスト生成ステップと、
生成された前記コンテンツリストをコンテンツリスト表示の要求操作がされた前記タッチパネルディスプレイに表示させるリスト表示制御ステップと、
前記コンテンツリストから未読状態と示された前記コンテンツが選択されてコンテンツ表示が要求された際に、選択された選択コンテンツを、要求操作された前記タッチパネルディスプレイに表示させる選択コンテンツ表示制御ステップと、
前記選択コンテンツについての既読報告の取得に応答して、前記履歴情報に基づいて前記視聴ユーザの中から前記選択された視聴ユーザを特定し、特定した前記視聴ユーザに関連付けられた前記コンテンツの中から前記選択コンテンツを特定して、その前記未既読状態について未読を既読に更新する履歴更新ステップと、
任意の前記視聴ユーザにより、この視聴ユーザに関連付けられた前記送信先が分類された前記管理単位よりも下位の前記管理単位の前記送信先が選択され、かつ、新たに生成された新規コンテンツの登録が要求された場合に、選択された前記送信先を前記コンテンツセット情報に基づいて特定し、既に記憶されている前記複数のコンテンツに前記新規コンテンツを加えた新たなコンテンツセットを生成するコンテンツセット生成ステップと
を有するサイネージ表示方法。
【請求項8】
コンピュータに、
コンテンツの送信先を複数の管理単位に階層的に分類し、この分類した前記管理単位の階層構造を示す階層情報を記憶する階層記憶ステップと、
前記送信先と表示順序が設定された複数のコンテンツから構成されるコンテンツセットとを関連付けたコンテンツセット情報を記憶するコンテンツセット記憶ステップと、
前記送信先と前記コンテンツの視聴ユーザとを関連付けたユーザ情報を記憶するユーザ記憶ステップと、
前記視聴ユーザと、前記視聴ユーザ毎の各コンテンツの未既読状態とを関連付けた履歴情報を記憶する履歴記憶ステップと、
任意の前記送信先が選択されてコンテンツ表示が要求された際に、選択された前記送信先に関連付けられた前記コンテンツセットを取得するセット取得ステップと、
取得したコンテンツセットを構成する前記複数のコンテンツをタッチプレイディスプレイに順次表示させるコンテンツ表示制御ステップと、
前記コンテンツセットを構成している前記複数のコンテンツの表示中に、このコンテンツセットの送信先に関連付けられている任意の前記視聴ユーザが選択されてコンテンツリスト表示が要求された場合に、選択された前記視聴ユーザに関連づけられている各コンテンツの前記未既読状態を前記履歴情報に基づいて特定し、少なくとも未読状態のコンテンツを含むコンテンツリストを生成するリスト生成ステップと、
生成された前記コンテンツリストをコンテンツリスト表示の要求操作がされた前記タッチパネルディスプレイに表示させるリスト表示制御ステップと、
前記コンテンツリストから未読状態と示された前記コンテンツが選択されてコンテンツ表示が要求された際に、選択された選択コンテンツを、要求操作された前記タッチパネルディスプレイに表示させる選択コンテンツ表示制御ステップと、
前記選択コンテンツについての既読報告の取得に応答して、前記履歴情報に基づいて前記視聴ユーザの中から前記選択された視聴ユーザを特定し、特定した前記視聴ユーザに関連付けられた前記コンテンツの中から前記選択コンテンツを特定して、その前記未既読状態について未読既読に更新する履歴更新ステップと、
任意の前記視聴ユーザにより、この視聴ユーザに関連付けられた前記送信先が分類された前記管理単位よりも下位の前記管理単位の前記送信先が選択され、かつ、新たに生成された新規コンテンツの登録が要求された場合に、選択された前記送信先を前記コンテンツセット情報に基づいて特定し、既に記憶されている前記複数のコンテンツに前記新規コンテンツを加えた新たなコンテンツセットを生成するコンテンツセット生成ステップと
を実行させるサイネージ表示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイネージシステム、サイネージ表示方法及びサイネージ表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のコンテンツをディスプレイに順次表示するサイネージシステムは、電子掲示板とも呼ばれ、広く用いられている。サイネージシステムは、不特定多数の視聴ユーザを対象とするものが多いが、特定の視聴ユーザを対象としたものもある。特定の視聴ユーザを対象としたものとしては、例えば在籍する学生を視聴ユーザとして学校の構内に設けられるもの、社員を視聴ユーザとして企業のオフィスの共用部分に設けられるものなどがある。こうした特定の組織等の内部の視聴ユーザを対象とする場合のコンテンツは、単なる広告の他に、連絡事項や案内事項を示すものが多い。
【0003】
そこで、例えば特許文献1には、不特定の人が行き来する学校内にデジタルサイネージを設置しても、学生それぞれに有意義な情報を適切に提供されるように、学生によって所持される携帯情報端末と、学生が活動する学校内に設置され、携帯情報端末と双方向通信可能なデジタルサイネージとを備える学内情報提供システムが記載されている。デジタルサイネージは、タッチセンサを備える表示手段と、双方向通信によって携帯情報端末を認証することでタッチセンサ操作を許容する第1の認証手段とを備える。携帯情報端末は、双方向通信によって当該携帯情報端末をデジタルサイネージの前記第1の認証手段に認証させる第2の認証手段を備える。第2の認証手段から第1の認証手段への認証情報の登録時に、少なくとも学生の学籍番号および学生の学内における電子メールアドレスを登録させる。
【0004】
また、コンテンツの数が多い場合などには、表示されているコンテンツが既に視聴したものか否かが視聴ユーザにとって判別しにくい。そこで、特許文献2には、サーバコンピュータにクライアントコンピュータを接続して電子掲示板システムを構成しサーバコンピュータの電子掲示板に関する情報の管理ファイルに、少なくとも掲示文書名と掲示文書識別符号と掲示文書を既に読んだユーザ名とを格納しておく電子掲示板文書の未読・既読管理システムにおいて、管理ファイルに格納した個々の掲示文書名に対応して、各ユーザ毎に掲示文書が未読であるか、既読であるかを判別するフラグを付す電子掲示板文書の未読・既読管理システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-126140号公報
【特許文献2】特開2000-239456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、コンテンツによっては、特定の者の中でもさらに一部の者だけに周知されればよいものもあり、それ以外の者にとってそのようなコンテンツは無駄な表示であるとともに視聴しなければならないコンテンツの迅速な視聴を阻害する。この点、特許文献1のデジタルサイネージ及び特許文献2のシステムをもってしても解決されない。
【0007】
そこで、本発明は、組織等の特定の視聴ユーザに、視聴すべきコンテンツが迅速に視聴されるサイネージシステム、サイネージ表示方法、及びサイネージ表示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のサイネージシステムは、階層記憶部と、コンテンツセット記憶部と、ユーザ記憶部と、履歴記憶部と、セット取得部と、タッチパネルディスプレイと、コンテンツ表示制御部と、リスト生成部と、リスト表示制御部と、選択コンテンツ表示制御部と、履歴更新部と、セット生成部とを備える。階層記憶部は、コンテンツの送信先を複数の管理単位に階層的に分類し、この分類した管理単位の階層構造を示す階層情報を記憶する。コンテンツセット記憶部は、送信先と表示順序が設定された複数のコンテンツから構成されるコンテンツセットとを関連付けたコンテンツセット情報を記憶する。ユーザ記憶部は、送信先とコンテンツの視聴ユーザとを関連付けたユーザ情報を記憶する。履歴記憶部は、視聴ユーザと、視聴ユーザ毎の各コンテンツの未既読状態とを関連付けた履歴情報を記憶する。セット取得部は、任意の送信先が選択されてコンテンツ表示が要求された際に、選択された送信先に関連付けられたコンテンツセットを取得する。タッチパネルディスプレイは、コンテンツを表示するとともに、入力操作がなされる。コンテンツ表示制御部は、取得したコンテンツセットを構成する複数のコンテンツをタッチプレイディスプレイに順次表示させる。リスト生成部は、コンテンツセットを構成している複数のコンテンツの表示中に、このコンテンツセットの送信先に関連付けられている任意の視聴ユーザが選択されてコンテンツリスト表示が要求された場合に、選択された視聴ユーザに関連づけられている各コンテンツの未既読状態を上記履歴情報に基づいて特定し、少なくとも未読状態のコンテンツを含むコンテンツリストを生成する。リスト表示制御部は、生成されたコンテンツリストをコンテンツリスト表示の要求操作がされたタッチパネルディスプレイに表示させる。選択コンテンツ表示制御部は、コンテンツリストから未読状態と示されたコンテンツが選択されてコンテンツ表示が要求された際に、選択された選択コンテンツを、要求操作されたタッチパネルディスプレイに表示させる。履歴更新部は、選択コンテンツについての既読報告の取得に応答して、履歴情報に基づいて視聴ユーザの中から選択された視聴ユーザを特定し、特定した視聴ユーザに関連付けられたコンテンツの中から選択コンテンツを特定して、特定した選択コンテンツについての未既読状態について未読を既読に更新する。セット生成部は、任意の視聴ユーザにより、この視聴ユーザに関連付けられた送信先が分類された管理単位よりも下位の管理単位の送信先が選択され、かつ、新たに生成された新規コンテンツの登録が要求された場合に、選択された送信先をコンテンツセット情報に基づいて特定し、既に記憶されている複数のコンテンツに新規コンテンツを加えた新たなコンテンツセットを生成してコンテンツセット記憶部に記憶させる。
【0009】
コンテンツ表示制御部は、コンテンツリスト表示の要求をする操作ボタンと、既読報告をする操作ボタンとをコンテンツに加えてタッチパネルディスプレイに表示し、既読報告をする操作ボタンに対する操作に応答して、ユーザ情報に基づいて、取得したコンテンツセットに関連付けられている視聴ユーザのユーザリストをタッチパネルディスプレイに表示することが好ましい。この場合、履歴更新部は、さらに、ユーザリストの表示中にユーザリストに示される視聴ユーザの中から一の視聴ユーザの選択指示を取得した場合に、取得した選択指示を選択された視聴ユーザからの選択コンテンツの既読報告として取得する。
【0010】
リスト表示制御部は、コンテンツリストに示される各コンテンツの表示領域内に各コンテンツの選択と表示要求をする操作領域を設定して、タッチパネルディスプレイにコンテンツリストを表示させ、選択コンテンツ表示制御部は、選択コンテンツをタッチパネルディスプレイに表示させるとともに履歴更新部に既読報告を送ることが好ましい。
【0011】
サイネージシステムは、さらに、第1テンプレート記憶部と、コンテンツ生成部とを備えることが好ましい。第1テンプレート記憶部は、コンテンツを生成するための複数のテンプレートを記憶する。コンテンツ生成部は、任意の上記テンプレートへの入力操作に応答して前記新規コンテンツを生成する。
【0012】
サイネージシステムは、既に記憶されているコンテンツに優先して表示させる優先コンテンツのテンプレートを記憶する第2テンプレート記憶部をさらに備えることが好ましい。この場合、コンテンツ生成部は、任意の視聴ユーザにより優先コンテンツの生成を要求された場合に、上記の優先コンテンツのテンプレートへの入力操作に応答して優先コンテンツを生成し、コンテンツセット生成部は、優先コンテンツを新規コンテンツとして優先コンテンツの表示頻度を既に記憶されているコンテンツの表示頻度よりも高くなるように設定した新たなコンテンツセットを生成し、コンテンツセット記憶部に記憶させる。セット取得部は、さらに、優先コンテンツを含む新たなコンテンツセットが生成された場合に、前記コンテンツセット情報に基づいて新たなコンテンツセットを取得する。
【0013】
複数のコンテンツのうちの少なくともひとつは、表示画像の切替要求に応答して表示される切替画像を有してもよい。コンテンツ表示制御部は、切替画像を有するコンテンツに、切替画像への表示の切替要求をする操作ボタンを加えてタッチパネルディスプレイに表示させる。
【0014】
本発明のサイネージ表示方法は、階層記憶ステップと、コンテンツセット記憶ステップと、ユーザ記憶ステップと、履歴記憶ステップと、セット取得ステップと、コンテンツ表示制御ステップと、リスト生成ステップと、リスト表示制御ステップと、選択コンテンツ表示制御ステップと、履歴更新ステップと、コンテンツセット生成ステップとを有する。階層記憶ステップは、コンテンツの送信先を複数の管理単位に階層的に分類し、この分類した管理単位の階層構造を示す階層情報を記憶する。コンテンツセット記憶ステップは、送信先と表示順序が設定された複数のコンテンツから構成されるコンテンツセットとを関連付けたコンテンツセット情報を記憶する。ユーザ記憶ステップは、送信先とコンテンツの視聴ユーザとを関連付けたユーザ情報を記憶する。履歴記憶ステップは、視聴ユーザと、視聴ユーザ毎の各コンテンツの未既読状態とを関連付けた履歴情報を記憶する。セット取得ステップは、任意の送信先が選択されてコンテンツ表示が要求された際に、選択された送信先に関連付けられたコンテンツセットを取得する。コンテンツ表示制御ステップは、取得したコンテンツセットを構成する複数のコンテンツをタッチプレイディスプレイに順次表示させる。リスト生成ステップは、コンテンツセットを構成している複数のコンテンツの表示中に、このコンテンツセットの送信先に関連付けられている任意の視聴ユーザが選択されてコンテンツリスト表示が要求された場合に、選択された視聴ユーザに関連づけられている各コンテンツの未既読状態を上記履歴情報に基づいて特定し、少なくとも未読状態のコンテンツを含むコンテンツリストを生成する。リスト表示制御ステップは、生成されたコンテンツリストをコンテンツリスト表示の要求操作がされたタッチパネルディスプレイに表示させる。選択コンテンツ表示制御ステップは、表示された上記コンテンツリストから未読状態と示されたコンテンツが選択されてコンテンツ表示が要求された際に、選択された選択コンテンツを、要求操作されたタッチパネルディスプレイに表示させる。履歴更新ステップは、選択コンテンツについての既読報告の取得に応答して、上記履歴情報に基づいて視聴ユーザの中から選択された視聴ユーザを特定し、特定した視聴ユーザに関連付けられたコンテンツの中から選択コンテンツを特定して、その未既読状態について未読を既読に更新する。コンテンツセット生成ステップは、任意の視聴ユーザにより、この視聴ユーザに関連付けられた送信先が分類された管理単位よりも下位の管理単位の送信先が選択され、かつ、新たに生成された新規コンテンツの登録が要求された場合に、選択された送信先をコンテンツセット情報に基づいて特定し、既に記憶されている複数のコンテンツに新規コンテンツを加えた新たなコンテンツセットを生成する。
【0015】
本発明のサイネージ表示プログラムは、上記の各ステップをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、組織等の特定の視聴ユーザに、視聴すべきコンテンツが迅速に視聴される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態であるサイネージシステムの説明図である。
図2】送信先を複数の階層単位に分類した管理単位の階層構造を示す階層情報の一例の説明図である。
図3】階層構造に示される送信先の具体的な構成と、視聴ユーザとの関連付けの説明図である。
図4】本発明を実施したサイネージシステムの概略を示す説明図である。
図5】コンテンツセット記憶部に記憶されるコンテンツセット情報の説明図である。
図6】ユーザ記憶部に記憶されるユーザ情報の説明図である。
図7】履歴記憶部に記憶される履歴情報の説明図である。
図8】コンテンツ管理画像の一例を示す説明図である。
図9】案内画像の一例を示す説明図である。
図10】案内画像の一例を示す説明図である。
図11】入力操作画像の一例を示す説明図である。
図12】確認画像の一例を示す説明図である。
図13】設定画像の一例を示す説明図である。
図14】コンテンツリスト表示画像の一例を示す説明図である。
図15】コンテンツリスト表示画像の一例を示す説明図である。
図16】コンテンツ表示画像の一例を示す説明図である。
図17】第2テンプレート表示画像の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1に示すサイネージシステム10は、本発明の一実施形態であり、複数のコンテンツ(ロール)を順次表示して視聴ユーザに視聴させるためのいわゆる電子掲示板である。個々のコンテンツは静止画となっている。サイネージシステム10は、一定の構成員で構成される組織内で使用され、すなわち、視聴ユーザは組織の構成員である。組織は、病院などの医療機関、企業、学校、スーパーマーケットや百貨店などの店舗、工場、倉庫、配送センターなどであり、組織内において部分的な枠組みで組織された小組織とのいずれでもよい。例えば、内科、外科、救急センターなどを有する病院の組織全体と、そのうち例えば救急センターという小組織との少なくともいずれかで用いられる。同様に、衣料品、日用品、食料品の各部門を有するスーパーマーケットの組織全体と、それらのうち例えば食料品部門という小組織との少なくともいずれかで用いることができる。
【0019】
サイネージシステム10は、コンテンツの作成等がなされる管理端末11と、コンテンツの表示等がなされるディスプレイ装置12A、12B、12C、・・・と、サーバ13とを備え、これらは通信ネットワーク16を介して接続し、通信することができるようになっている。通信ネットワーク16には、サーバ13以外の他のサーバ(図示無し)が接続していてもよい。
【0020】
管理端末11は、視聴ユーザの管理、コンテンツの管理等を行うためのものである。サイネージシステム10は、組織の構成員である視聴ユーザが増減可能であり、視聴ユーザの管理とは、例えば、視聴ユーザの登録及び削除、視聴ユーザの分類(グルーピング)などである。コンテンツの管理とは、例えば、コンテンツの作成、削除、コンテンツの表示時間及び表示順序などの送信(配信)条件の設定等である。管理端末11は、組織の構成員のうち、視聴ユーザの管理、コンテンツの管理の少なくともいずれかひとつの管理権限を有する構成員(以下、管理者)が使用する。
【0021】
管理端末11は、パーソナルコンピュータである。しかし管理端末11はパーソナルコンピュータに限られず、タブレット端末、スマートフォンなど公知のものを用いることができる。管理端末11は少なくともひとつであればよく、複数でもよい。例えば管理者を複数とする場合には、管理端末11を複数とするなど、管理端末11の数は任意である。
【0022】
ディスプレイ装置12A,12B,12C,・・・は、コンテンツ等の表示と、視聴ユーザによる各種の入力操作とを行うためのものである。以下の説明において、ディスプレイ装置12A,12B,12C,・・・を区別しない場合には、ディスプレイ装置12と記載する。ディスプレイ装置12は、表示部及び入力部であるタッチパネルディスプレイを備えるコンピュータである。視聴ユーザは、このディスプレイ装置12により、表示されているコンテンツの視聴、及び、コンテンツを視聴したことを示す既読報告の入力操作(既読報告操作)や特定のコンテンツを表示させるためのコンテンツの選択操作等の各種操作を行う。
【0023】
ディスプレイ装置12A,12B,12C,・・・は、後述の送信先の管理単位に対応付けられる。すなわち、任意の一の管理単位にディスプレイ装置12Aが、他の任意の一の管理単位にディスプレイ装置12Bが、さらに他の任意の一の管理単位にディスプレイ装置12Cが、対応付けられる。これにより、各管理単位に関連付けられた視聴ユーザは、管理単位に対応付けられた一のディスプレイ装置12を視聴することで、自身が視聴すべきものとして設定されたコンテンツが視聴可能となっている。
【0024】
サーバ13は、管理端末11及びディスプレイ装置12に、ブラウザ上で動作するプログラムを送り、これにより管理端末11及びディスプレイ装置12はブラウザ上で動作する。したがって、管理端末11では前述のコンテンツの作成等が、ディスプレイ装置12では前述のコンテンツの表示等が、それぞれブラウザ上でなされる。
【0025】
サーバ13は、コンピュータで構成されており、管理端末11及びディスプレイ装置12での入力操作に応じた各種処理を行う。例えば、管理端末11でのログイン操作に応答して上記管理のための画像を管理端末11に送信する。そして、管理端末11での入力操作によってコンテンツが作成された場合には、作成されたコンテンツを含む複数のコンテンツから、表示の順序及び個々の表示時間が設定されたコンテンツセットを生成して記憶する。そして、サーバ13は、ディスプレイ装置12でのログイン操作に応答して送信すべきコンテンツセットを特定し、ログイン操作がなされたディスプレイ装置12に送信する。これにより、ディスプレイ装置12には、コンテンツセットを構成している複数のコンテンツが順次表示される。
【0026】
コンテンツの送信先は、複数の管理単位に階層的に分類されている。この分類された管理単位の階層構造について、病院を例にして説明する。図2に示すように、この例では、管理単位「部長」が最上位であり、管理単位「部長」の下位には、管理単位「センター長・医長」,「課長」がある。「センター長・医長」の下位には、管理単位「グループ長」,「内科長」,・・・があり、「課長」の下位には管理単位「庶務課メンバ」,・・・がある。「グループ長」の下位には管理単位「第1グループメンバ」,「第2グループメンバ」,・・・が、「内科長」の下位には管理単位「第1内科メンバ」,・・・がそれぞれあり、管理単位を階層的に分類、本例では以上の通りツリー状の階層構造に分類している。送信先を管理単位に分類することで、コンテンツは管理単位毎に管理される。分類された個々の送信先は、ディスプレイ装置12でのログインに用いるログイン情報と関連付けて設定される。これにより、ディスプレイ装置12でログインされると、そのログイン情報に基づいた送信先のコンテンツが、ログインしたディスプレイ装置12に表示される。
【0027】
コンテンツの視聴ユーザは分類された送信先のいずれかに関連付けられ、これにより、コンテンツは視聴されるべき視聴ユーザにのみ視聴される。したがって、視聴ユーザは、上記のようにして表示されている一のディスプレイ装置12を視聴することにより、当該視聴ユーザが視聴すべきコンテンツとして設定されたコンテンツのみを視聴することができる。
【0028】
例えば、この例では、図3に示すように、送信先の管理単位「部長」U1に、視聴ユーザ「診療部長 上田」,「事務部長 田岡」,・・・が関連付けられており、これらの視聴ユーザは、管理単位「部長」U1に分類された送信先のコンテンツが表示されるディスプレイ装置12を視聴することで、これらの各視聴ユーザを対象として送信されたコンテンツを視聴することができる。また、管理単位「センター長・医長」U2aに、視聴ユーザ「救急センター長 鈴木」,「内科医長 太田」,・・・が、管理単位「課長」U2bに、視聴ユーザ「庶務課長 尾上」,・・・がそれぞれ関連付けられている。管理単位「グループ長」U3aに、救急センターの第1グループのグループ長である視聴ユーザ「第1グループ長 佐藤」,第2グループのグループ長である視聴ユーザ「第2グループ長 田中」,・・・が、「内科長」U3bに、視聴ユーザ「第1内科長 吉田」,・・・が、「庶務課メンバ」U3cに、庶務課の構成員(メンバ)である視聴ユーザ「下田」,「品川」,「山中」,・・・がそれぞれ関連付けられている。また、管理単位「第1グループメンバ」U4aには、第1グループの構成員である視聴ユーザ「金村」,「矢沢」,「加藤」,・・・が、管理単位「第2グループメンバ」U4bには、第2グループの構成員である視聴ユーザ「須藤」,「渡辺」,「木村」,・・・が、管理単位「第1内科メンバ」U4cには、第1内科の構成員である視聴ユーザ「吉岡」,「村田」,「田上」,・・・がそれぞれ関連付けられている。これらの各視聴ユーザも同様に、関連付けられた管理単位に分類された送信先のコンテンツが表示されるディスプレイ装置12を視聴することで、これらの各視聴ユーザを対象として送信されたコンテンツを視聴することができる。
【0029】
ツリー状の階層構造において相対的に上位の階層の管理単位に関連付けられた視聴ユーザには、相対的に下位の管理単位の送信先に関する管理権限が設定され、下位の管理単位の送信先に対するコンテンツの作成、削除、下位の管理単位に関連付けられた視聴ユーザの登録、削除等を行うことができる。相対的に上位の階層の管理単位に関連付けられた視聴ユーザの数が複数である場合には、少なくともひとりの視聴ユーザに上記管理権限が与えられればよい。すなわち、ツリー状の階層構造において第n(nは自然数)階層の管理単位に関連付けられた視聴ユーザのうち少なくともひとりに、当該階層の下位の階層、すなわち、第(n+1)、第(n+2)、・・・の階層の管理単位の送信先に関する管理権限が与えられる。なお、送信先の管理単位の階層構造と、視聴ユーザである構成員の組織上の階層構造とは対応させる必要はなく、適宜決定すればよい。例えば、この例の救急センターの第1グループの「第1グループ長 佐藤」は、他の構成員である「金村」,「矢沢」,「加藤」,・・・と組織上は同階層に属するが、他の構成員「金村」,「矢沢」,「加藤」,・・・が関連付けられた管理単位U4aよりも上位の管理単位U3aに関連付けている。これにより、視聴ユーザ「第1グループ長 佐藤」は、管理単位U4aに対して管理権限が与えられる。また、この例では、「庶務課長 尾上」は、組織上、救急センターの第1グループの構成員及び内科の「内科医長 太田」を除く他の構成員と上下関係を有せず、かつ、ツリー状の階層構造においては管理単位U3a,U3b,U4a~U4cよりも上位の管理単位にはない。しかし、階層構造は、ツリー状に限定されず、相対的に上位の階層と下位の階層とからなる階層構造でもよい。例えば「庶務課長 尾上」が管理単位U3a,U3b,U4a~U4cよりも上位の管理単位に関連付けられることにより、これら下位の管理単位U3a,U3b,U4a~U4cに対して管理権限が設定されてもよい。
【0030】
このように、視聴ユーザは送信先の管理単位に関連付けられ、かつ、コンテンツは管理単位毎に管理されるので、各視聴ユーザは、自身を対象として送信されたコンテンツのみを特定のディスプレイ装置12において視聴することができる。このように、一のディスプレイ装置12において順次表示される複数のコンテンツは、当該ディスプレイ装置を視聴する視聴ユーザを対象として送信されたもののみとなっており、無駄なコンテンツが表示されることがない。このため、視聴ユーザに、視聴すべきコンテンツが迅速に視聴される。また、送信先が複数の管理単位に階層的に分類されているから、各管理者は、自身が管理すべき範囲に応じた階層の視聴ユーザのみを対象として迅速かつ的確にコンテンツを管理することができる。コンテンツの追加や削除等の管理が迅速かつ的確に行われるので、目的とする視聴ユーザに、視聴すべきコンテンツが迅速に視聴される。なお、管理権限は、送信先の管理単位の階層に関連付けられた視聴ユーザに加えて、いずれの管理単位にも関連付けられていない特定の者にも与えてよい。
【0031】
図4を参照しながら、サイネージシステム10の構成例を、以下説明する。この例では、ディスプレイ装置12Aを、管理単位U4aに分類された送信先のコンテンツが表示されるものとして、また、管理単位U3aに分類された送信先に関連付けられた視聴ユーザ「第1グループ長 佐藤」が管理端末11を用いるものとして説明する。サーバ13は、階層記憶部31、コンテンツセット記憶部32、ユーザ記憶部33、履歴記憶部36、第1テンプレート記憶部37、第2テンプレート記憶部38、コンテンツ生成部41、コンテンツセット生成部42、リスト生成部43などを備える。階層記憶部31、コンテンツセット記憶部32、ユーザ記憶部33、履歴記憶部36、第1テンプレート記憶部37、第2テンプレート記憶部38などは、データベースDBを構成している。
【0032】
階層記憶部31は、前述の階層構造を示す階層情報を記憶し、本例ではツリー状の階層構造を記憶する。コンテンツセット記憶部32は、送信先と表示順序が設定された複数のコンテンツから構成されるコンテンツセットとを関連付けたコンテンツセット情報を記憶する。ユーザ記憶部33は、送信先と、コンテンツの視聴ユーザとを関連付けたユーザ情報を記憶する。履歴記憶部36は、視聴ユーザと、視聴ユーザ毎の各コンテンツの未既読状態とを関連付けた履歴情報を記憶する。
【0033】
第1テンプレート記憶部37は、管理端末11でコンテンツを作成する際に利用可能なひな形である第1テンプレートを複数記憶する。第2テンプレート記憶部38は、第2テンプレートを記憶する。第2テンプレートは、第1テンプレートと同様に、管理端末11でコンテンツを作成する際に利用可能なひな形であるが、既に記憶されているコンテンツに優先して表示させる優先コンテンツのひな形である。
【0034】
コンテンツ生成部41は、管理端末11での入力操作に応答して新たなコンテンツである新規コンテンツを生成する。なお、既に生成されているコンテンツの内容を変更する場合は、変更後のコンテンツが新規コンテンツとして生成されるよう構成してもよいし、または、変更前のコンテンツを変更後のコンテンツに変更(上書き)するように構成してもよい。管理端末11での入力操作は、複数の第1テンプレートのうちの任意のひとつに対する入力操作と、第2テンプレートに対する入力操作と、各種ソフトウエア(例えば、文書作成ソフトウエア、プレゼンテーションソフトウエア、イメージデータ作成ソフトウエア)を用いて作成されたファイルの入力操作との少なくともいずれかであることが好ましく、本例でもそのようにしている。コンテンツは、視聴ユーザによる表示画像の切替要求に応答して表示される切替画像を有していてもよい。第2テンプレートに対する入力操作がなされた場合には、生成済みの他のコンテンツに優先して表示させる優先コンテンツとして生成する。
【0035】
コンテンツセット生成部42は、任意の視聴ユーザにより、当該視聴ユーザに関連付けられた送信先が分類された管理単位よりも下位の管理単位の送信先が選択され、かつ、コンテンツ生成部41で新たに生成された新規コンテンツの登録の要求を取得した場合に、選択された送信先をコンテンツセット記憶部32において特定し、既に記憶されている複数のコンテンツにコンテンツ生成部41が生成した新規コンテンツを加えた新たなコンテンツセットを生成してコンテンツセット記憶部32に記憶させる。コンテンツに送信条件として送信終了のタイミングが設定されている場合において、送信終了のタイミングは、例えば送信期間の日時、視聴ユーザの後述の既読率などである。既読率は本例では100%として設定することができる。送信終了のタイミングを過ぎた場合には、コンテンツセット生成部42は設定された送信期間を過ぎた時点で、当該コンテンツを削除した新たなコンテンツセットを生成して、コンテンツセット記憶部32のコンテンツセット情報の中から送信期間を過ぎたコンテンツを含むコンテンツセットを削除して、新たに生成したコンテンツセットを記憶させるとともにディスプレイ装置12のセット取得部53に新たなコンテンツセットの生成を通知する。
【0036】
コンテンツセット生成部42は、登録の要求を取得した場合の新規コンテンツが優先コンテンツであるときには、当該優先コンテンツを新規コンテンツとして、新たなコンテンツセットを生成して、コンテンツセット記憶部32に記憶するとともに、セット取得部53に優先コンテンツを含む新たなコンテンツセットが生成されたことを通知する。この際の新たなコンテンツセットは、優先コンテンツの表示頻度を既に記憶されているコンテンツの表示頻度よりも高くなるように設定される。
【0037】
リスト生成部43は、コンテンツセットを構成している複数のコンテンツの表示中に、表示されているディスプレイ装置12Aから、コンテンツセットの送信先に関連付けられている任意の視聴ユーザが選択されてコンテンツリスト表示が要求された場合に、選択された視聴ユーザに関連づけられている各コンテンツの未既読状態を履歴情報に基づいて特定し、少なくとも未読状態のコンテンツを含むコンテンツリストを生成する。当該コンテンツリストは、既読状態のコンテンツを含んでもよい。既読状態のコンテンツを含む場合には、コンテンツ毎に未既読状態が示されたコンテンツリストを表示することが好ましい。なお、上記の任意の視聴ユーザの選択は、視聴ユーザのリスト表示画像でのタッチ操作でもよいし、予め各視聴ユーザに対応付けて登録されたQRコード(登録商標)をタッチパネルディスプレイのカメラにかざすことで行ってもよい。
【0038】
ディスプレイ装置12Aは、タッチパネルディスプレイ51、セット取得部53と、履歴更新部54、表示制御部55などから構成される。表示制御部55は、コンテンツ表示制御部61、リスト表示制御部62、選択コンテンツ表示制御部63として機能する。ディスプレイ装置12B、12C、・・・もディスプレイ装置12Aと同じ構成を有するので説明は略す。タッチパネルディスプレイ51は、コンテンツを表示する表示部であるとともに、視聴ユーザによる入力操作をするための入力部である。
【0039】
セット取得部53は、任意の送信先が選択されてコンテンツ表示がディスプレイ装置12Aから要求された際に、選択された送信先に関連付けられたコンテンツセットをコンテンツセット記憶部32から取得する。この例では、ディスプレイ装置12Aにおいて上記のようにログイン操作がなされた場合に、セット取得部53は、このログイン操作を、送信先が選択されたコンテンツ表示の要求操作とし、ログイン情報の取得に応答してコンテンツセット記憶部32から当該送信先に関連付けられたコンテンツセットを取得する。セット取得部53は、また、ディスプレイ装置12Aでのコンテンツの表示中に、コンテンツセット生成部42から、新たなコンテンツセットの生成の通知を取得した場合には、コンテンツセット記憶部32から新たなコンテンツセットを取得する。
【0040】
表示制御部55は、ディスプレイ装置12Aにおける他の各部、及び、サーバ13からの各種情報の取得に応答して、タッチパネルディスプレイ51に表示させる画像を生成してタッチパネルディスプレイ51に表示させる。コンテンツ表示制御部61は、セット取得部53のコンテンツセットの取得に応答して、取得したコンテンツセットを構成する複数のコンテンツをタッチプレイディスプレイに順次表示させる。
【0041】
コンテンツ表示制御部61は、コンテンツリスト表示の要求をする操作ボタンと、既読報告をする操作ボタンとを、コンテンツに加えてディスプレイ装置12Aに表示することが好ましく、本例でもそのようにしている。コンテンツ表示制御部61は、既読報告をする操作ボタンに対する操作に応答して、ユーザ記憶部33のユーザ情報に基づいて、取得したコンテンツセットに関連付けられている視聴ユーザのユーザリストをディスプレイ装置12Aのタッチパネルディスプレイ51に表示することが好ましい。
【0042】
コンテンツ表示制御部61は、前述の切替画像を有するコンテンツが少なくともひとつ含まれているコンテンツセットの当該コンテンツに、切替画像への表示の切替要求をする操作ボタンを加えてタッチパネルディスプレイ51に表示させることが好ましく、本例でもそのようにしている。
【0043】
リスト表示制御部62は、リスト生成部43により生成されたコンテンツリストを、コンテンツリスト表示の要求操作がされたディスプレイ装置12Aのタッチパネルディスプレイ51に表示させる。
【0044】
リスト表示制御部62は、コンテンツリストに示される各コンテンツの表示領域内に各コンテンツの選択と表示要求をする操作領域を設定して、タッチパネルディスプレイにコンテンツリストを表示させることが好ましく、本例でもそのようにしている。
【0045】
選択コンテンツ表示制御部63は、コンテンツリストから未読状態と示されたコンテンツが選択されてコンテンツ表示が要求された際に、選択された選択コンテンツを、要求操作されたディスプレイ装置12Aのタッチパネルディスプレイ51に表示させる。
【0046】
選択コンテンツ表示制御部63は、リスト表示制御部62がコンテンツリストに示される各コンテンツの表示領域内に各コンテンツの選択と表示要求をする操作領域を設定して、タッチパネルディスプレイにコンテンツリストを表示させる場合には、選択コンテンツをディスプレイ装置12Aのタッチパネルディスプレイ51に表示させるとともに、履歴更新部54に既読報告を送る。
【0047】
履歴更新部54は、選択コンテンツについての既読報告の取得に応答して、履歴記憶部36の視聴ユーザの中から選択された視聴ユーザを特定し、特定した視聴ユーザに関連付けられたコンテンツの中から選択コンテンツを特定して、その未既読状態について未読を既読に更新する。
【0048】
履歴更新部54は、さらに、コンテンツ表示制御部61がコンテンツリスト表示の要求をする操作ボタンと、既読報告をする操作ボタンとをタッチパネルディスプレイ51に表示した場合において、ユーザリストの表示中にユーザリストに示される視聴ユーザの中から一の視聴ユーザの選択指示を取得した場合には、取得した選択指示を当該視聴ユーザからの選択コンテンツの既読報告として取得する。
【0049】
管理端末11は、入力部71と表示部72と処理制御部73とを備える。入力部71は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネルディスプレイなどである。表示部72は、視聴ユーザの管理、コンテンツの管理を行うための表示画像を表示する。タッチパネルディスプレイを入力部71及び表示部72として用いてもよい。処理制御部73は、入力部71及びサーバ13からの各種情報の取得に応答して各処理を行う。処理には表示部72へ表示画像を表示させる表示制御処理もある。
【0050】
上記サイネージシステム10は、管理端末11、サーバ13、ディスプレイ装置12のそれぞれに、サイネージ表示プログラムを実行させることにより構成することができる。サイネージ表示プログラムが実行させるステップは、階層記憶ステップと、コンテンツセット記憶ステップと、ユーザ記憶ステップと、履歴記憶ステップと、セット取得ステップと、コンテンツ表示制御ステップと、リスト生成ステップと、リスト表示制御ステップと、選択コンテンツ表示制御ステップと、履歴更新ステップと、コンテンツセット生成ステップである。
【0051】
階層記憶ステップは、コンテンツの送信先を複数の管理単位に階層的に分類し、この分類した管理単位の階層構造を示す階層情報を記憶する。コンテンツセット記憶ステップは、送信先と表示順序が設定された複数のコンテンツから構成されるコンテンツセットとを関連付けたコンテンツセット情報を記憶する。ユーザ記憶ステップは、送信先とコンテンツの視聴ユーザとを関連付けたユーザ情報を記憶する。履歴記憶ステップは、視聴ユーザと、視聴ユーザ毎の各コンテンツの未既読状態とを関連付けた履歴情報を記憶する。
【0052】
セット取得ステップは、任意の送信先が選択されてコンテンツ表示が要求された際に、選択された送信先に関連付けられたコンテンツセットを取得する。コンテンツ表示制御ステップは、取得したコンテンツセットを構成する複数のコンテンツをタッチプレイディスプレイに順次表示させる。
【0053】
リスト生成ステップは、コンテンツセットを構成している複数のコンテンツの表示中に、このコンテンツセットの送信先に関連付けられている任意の視聴ユーザが選択されてコンテンツリスト表示が要求された場合に、選択された視聴ユーザに関連づけられている各コンテンツの未既読状態を上記履歴情報に基づいて特定し、少なくとも未読状態のコンテンツを含むコンテンツリストを生成する。リスト表示制御ステップは、生成されたコンテンツリストをコンテンツリスト表示の要求操作がされたタッチパネルディスプレイに表示させる。
【0054】
選択コンテンツ表示制御ステップは、表示された上記コンテンツリストから未読状態と示されたコンテンツが選択されてコンテンツ表示が要求された際に、選択された選択コンテンツを、要求操作されたタッチパネルディスプレイに表示させる。履歴更新ステップは、選択コンテンツについての既読報告の取得に応答して、上記履歴情報に基づいて視聴ユーザの中から選択された視聴ユーザを特定し、特定した視聴ユーザに関連付けられたコンテンツの中から選択コンテンツを特定して、その未既読状態について未読を既読に更新する。
【0055】
コンテンツセット生成ステップは、任意の視聴ユーザにより、この視聴ユーザに関連付けられた送信先が分類された管理単位よりも下位の管理単位の送信先が選択され、かつ、新たに生成された新規コンテンツの登録が要求された場合に、選択された送信先をコンテンツセット情報に基づいて特定し、既に記憶されている複数のコンテンツに新規コンテンツを加えた新たなコンテンツセットを生成する。
【0056】
上記構成の作用を説明する。管理端末11では、視聴ユーザ及びコンテンツの管理が行われる。コンテンツを管理する場合には、当該管理の画像の表示要求に応答してサーバ13から、例えば図8に示すようなコンテンツ管理画像G1が送信され、管理端末11の表示部72に表示される。この例では、送信先に応じた送信を意味する「配信」ボタンB1、コンテンツの作成及び送信条件を設定する「コンテンツ」ボタンB2、優先コンテンツを作成するために第2テンプレートを要求する「緊急」ボタンB3などが表示される。図8に示す例では、「配信」ボタンB1をタッチした場合には、既に送信されているコンテンツの「件名」、「配信期間」、「既読率」が表示される。既読率は、送信先とされている管理単位に関連付けられた視聴ユーザのうち既読報告がなされた視聴ユーザの割合である。
【0057】
コンテンツを作成する場合には「コンテンツ」ボタンB2がタッチされる。このタッチに応答して図9に示すようにコンテンツを作成するための案内画像G2が表示される。案内画像G2には、コンテンツを作成するための操作ボタンである「コンテンツ+」ボタンB4が表示される。この「コンテンツ+」ボタンB4のタッチに応答して、図10に示すように、テンプレートを作成するための案内画像G3が表示される。この例では、一を選択することができる複数の第1テンプレートをそれぞれ示す画像領域R1~R6と、他の各種ソフトウエアで作成済みのファイルを選択するための「登録」の画像領域R7とが表示される。
【0058】
例えば「テンプレート1」の画像領域R1がタッチされることにより第1テンプレートが選択されると、図11に示すように、コンテンツの入力操作画像G4が表示される。入力操作がなされると、図12に示すように、当該コンテンツを送信(配信)するか否かの確認画像G5が表示される。送信しないことを示すための「いいえ」ボタンB5がタッチされると、本例ではこの作成したコンテンツは送信されない。送信するための「はい」ボタンB6がタッチされると、図13に示すように、送信条件を設定する設定画像G6が表示される。設定画像G6には、作成したコンテンツをディスプレイ装置12Aにおいて表示する期間として「配信期間」、表示時間を示す「再生時間」、視聴ユーザの既読を管理するか否かを設定する「既読管理」の設定ボタン、視聴ユーザ「金村」、「矢沢」、「加藤」、・・・の一覧、当該コンテンツのディスプレイ装置12Aでの表示を終了する条件を設定する「配信終了条件」の入力欄が表示される。これらに対する入力操作により、コンテンツの新規作成及び新規コンテンツの送信条件の設定がなされる。
【0059】
以上のようにして、管理端末11が第1テンプレート記憶部37から第1テンプレートを取得して、第1テンプレートへの入力と登録の要求との入力操作が行われると、コンテンツ生成部41は新たなコンテンツである新規コンテンツを生成する。例えば、相対的に下位の階層の管理単位U4aに対する管理権限を有する「第1グループ長 佐藤」が、管理単位U4aに関連付けられている視聴ユーザ「金村」、「矢沢」、「加藤」、・・・を視聴の対象者とするコンテンツを第1テンプレートを用いて管理端末11での入力操作により作成した場合に、コンテンツ生成部41は、この入力操作に応答して当該コンテンツを新規コンテンツとして生成する。新規コンテンツをこの例ではC6とする。
【0060】
「第1グループ長 佐藤」により管理端末11で、下位の管理単位U4aを送信先として選択する選択操作と、新規コンテンツの登録要求の要求操作とが行われた場合には、コンテンツセット生成部42は、これらの入力操作に応答して、管理単位U4aである送信先「第1グループメンバ」をコンテンツセット記憶部32のコンテンツセット情報に基づいて特定する。そして、当該送信先に関連付けられているコンテンツセットCS4を構成して記憶されている複数のコンテンツC4、C5(図5(A)参照)に、コンテンツ生成部41が生成したコンテンツC6を新規コンテンツとして加え、新たなコンテンツセットを生成する。新たなコンテンツセットをCS10とするときに、コンテンツセット生成部42は、コンテンツセット記憶部32に記憶されているコンテンツセットCS4をコンテンツセットCS10に書き換えて記憶させる(図5(B)参照)。
【0061】
セット取得部53は、タッチパネルディスプレイ51で管理単位「第1グループメンバ」のログイン操作がなされた場合に、管理単位「第1グループメンバ」のログイン情報に対応する送信先のコンテンツセットをコンテンツセット記憶部32から取得する。例えば、タッチパネルディスプレイ51でのログイン操作のタイミングがコンテンツセットCS10の生成後である場合には、セット取得部53は、「第1グループメンバ」に関連付けられているコンテンツセットCS10を取得する。
【0062】
取得されたコンテンツセットCS10を構成する複数のコンテンツが図5(B)に示すようにC4、C5、C6の3つであり、この表示順序であるコンテンツセット情報となっている場合には、コンテンツセットの取得に応答して、コンテンツ表示制御部61は、タッチパネルディスプレイ51に、コンテンツC4、C5、C6をこの表示順序にした表示単位を繰り返して表示させる。ディスプレイ装置12Aには送信先「第1グループメンバ」に関連付けられたコンテンツC4、C5、C6のみが繰り返して表示されるから、送信先「第1グループメンバ」の視聴ユーザ「金村」、「矢沢」、「加藤」、・・・に、ディスプレイ装置12Aを視聴させることで、視聴すべきコンテンツC4、C5、C6のみがこれら視聴ユーザに無駄なく効率的に視聴される。
【0063】
図14に示すように、コンテンツ表示制御部61は、コンテンツを表示するコンテンツ表示画像G7に、コンテンツリスト表示の要求をする操作ボタンB7、既読報告をする操作ボタンB8などを、コンテンツに例えば重畳してタッチパネルディスプレイ51に表示する。この例では、現在表示中のコンテンツを一時停止させるよう構成しており、一時停止するための操作ボタンB9も表示している。コンテンツの表示領域と、操作ボタンB7~B9とは、それぞれの表示領域に分けて表示させてもよい。このように操作ボタンB7、B8を設けることにより、コンテンツリストの表示要求及び既読報告は、タッチパネルディスプレイ51において操作ボタンB7、B8へのタッチという1アクションでなされるので、視聴ユーザにとっての未読のコンテンツの確認が迅速になされる。
【0064】
ディスプレイ装置12Aで一のコンテンツセットCS10のコンテンツが順次表示されている状態で、このディスプレイ装置12Aの視聴ユーザの中から一を選択する選択操作がなされ、コンテンツリストの表示を要求する要求操作がディスプレイ装置12Aでなされた場合、これら操作に応答してリスト生成部43は、履歴記憶部36において、選択された上記の一の視聴ユーザに関連づけられている各コンテンツの未既読状態を、履歴情報に基づいて特定する。
【0065】
例えば、コンテンツセットCS10のコンテンツが表示されている状態のディスプレイ装置12Aのタッチパネルディスプレイ51で、コンテンツセットCS10の送信先である「第1グループメンバ」に関連付けられている視聴ユーザ「金村」が選択され、コンテンツリストの表示が要求される操作がなされたとする。この例では操作ボタンB7のタッチ操作が当該操作に相当する。リスト生成部43は、この操作に応答し、履歴記憶部36の履歴情報に基づいて、視聴ユーザ「金村」に関連付けられているコンテンツセットのコンテンツ「C4」、「C5」、「C6」のうち、例えば図7に示すように未読状態のものがある場合には、未既読状態が「未読」であるコンテンツ「C5」、「C6」を含むコンテンツリストを生成する。
【0066】
生成されたコンテンツリストは、リスト表示制御部62によりタッチパネルディスプレイ51に表示される。リスト表示制御部62は、例えば、図15に示すように、コンテンツリストを示すコンテンツリスト表示画像G8を生成して表示させる。コンテンツリスト表示画像G8は、視聴ユーザ「金村」が未読であるコンテンツの一覧を表示するための「新着のみ」ボタンB10のタッチにより、未読とされているコンテンツC5を示す画像部G8aとコンテンツC6を示す画像部G8bとを有する。
【0067】
コンテンツリストから未読状態と示されたコンテンツを選択して表示を要求する要求操作がされた場合には、選択コンテンツ表示制御部63は、この要求操作に応答して、選択された選択コンテンツを、要求操作されたディスプレイ装置12Aのタッチパネルディスプレイ51に表示させる。画像部G8bがタッチされると、選択コンテンツ表示制御部63は、このタッチ操作に応答して、画像部G8bに示されるコンテンツC6を表示する。視聴ユーザは、未読のコンテンツを迅速に確認及び把握し、未読のコンテンツの一を選択することで視聴することができるから、当該コンテンツは当該視聴ユーザに迅速に視聴される。このコンテンツC6の表示画像には、前述の既読報告をする操作ボタンB8(図14参照)を表示してもよく、本例でもそのようにしている。この操作ボタンB8のタッチが、選択コンテンツの既読報告操作となる。
【0068】
選択コンテンツについての既読報告操作がディスプレイ装置12Aのタッチパネルディスプレイ51において行われた場合には、履歴更新部54はその既読報告の取得に応答して、履歴記憶部36の履歴情報に基づき、上記のコンテンツリストの生成に際して選択された視聴ユーザを特定する。そして、特定した視聴ユーザに関連付けられたコンテンツの中から選択コンテンツを特定して、その未既読状態について「未読」を「既読」に更新する。例えば視聴ユーザ「金村」について、選択コンテンツがコンテンツC6を選択コンテンツとする既読報告を取得した場合には、履歴更新部54はコンテンツC6の未既読状態を「未読」から「既読」へとして履歴記憶部36に記憶する。
【0069】
この例のコンテンツ表示制御部61は、図14に示すようなコンテンツの順次の表示中に、既読報告をする操作ボタンB8に対する操作がなされた場合には、この操作に応答して、ユーザ記憶部33のユーザ情報に基づいて、取得したコンテンツセットCS10に関連付けられている視聴ユーザ「金村」、「矢沢」、「加藤」、・・・の一覧をユーザリストの画像として生成する。そして、コンテンツ表示制御部61は、生成したユーザリストの画像を、図16に示すように、画像部G7aとしてコンテンツ表示画像G7に重畳して表示する。
【0070】
画像部G7aには、送信先「第1グループメンバ」の視聴ユーザを選択する操作ボタンB11が表示される。また、視聴ユーザの個々について、操作ボタンB8がタッチされたときに表示されていたコンテンツの未既読状態が判別可能な表示がなされる。例えば図16に示す本例では、当該コンテンツが既読である視聴ユーザには既読を示す「OK」の画像部が視聴ユーザを示す名前の画像部に重畳して表示され、未読である視聴ユーザには「OK」の画像部が表示されない。「OK」の画像部が表示されない視聴ユーザの名前の画像部は、タッチの操作が有効な画像部とされており、この画像部のタッチにより、当該視聴ユーザの既読報告がなされる。なお、タッチパネルディスプレイ51に前述のQRコード(登録商標)を撮影するカメラ(図示無し)が備えらえている場合には、当該QRコード(登録商標)が表示された例えば構成員証(社員証、スタッフ証など)を当該カメラに撮影させ、そのQRコード(登録商標)の認識をもって既読報告としてもよい。この既読報告は履歴更新部54に送られ、前述のように履歴記憶部36における未既読状態が更新される。
【0071】
コンテンツ表示制御部61は、切替画像を有するコンテンツを表示させる場合には、当該コンテンツに、切替画像への切替要求をする操作ボタン(図示無し)を加えてタッチパネルディスプレイ51に表示させる。これにより、視聴ユーザの例えば時間的余裕の有無に応じて、当該コンテンツに優先して他の未読のコンテンツを視聴させることができるとともに、切替画像を有する当該コンテンツの確実な視聴が他のタイミングなどにおいて促される。
【0072】
この例の管理端末11は、一の管理単位における視聴ユーザの既読率を表示することができるよう構成されている。具体的には、管理端末11は、処理制御部73により所定のタイミングで履歴記憶部36の履歴情報を取得し、コンテンツ毎に前述の既読率を求め、コンテンツ管理画像G1(図8参照)の「既読率」に表示させる。
【0073】
優先コンテンツが作成される場合は以下である。管理端末11において、前述の「緊急」ボタンB3(図8参照)がタッチされた場合には、この入力操作に応答して、サーバ13の第2テンプレート記憶部38に記憶されている第2テンプレートが管理端末11の処理制御部73に取得され、図17に一例を示すように、第2テンプレートを表示する第2テンプレート表示画像G9が表示部72に表示される。第2テンプレートは、テキストデータの入力操作及びプルダウン表示からの選択操作のみが有効とされている。この例では、予定される救急車の到着を示す「救急車到着情報」の第2テンプレートとなっている。第2テンプレート表示画像G9は、予定の到着時間を入力する「到着時間」の入力領域、担当医師の名前を入力する「担当医師」の入力領域、搬送されてくる患者の症状を入力する「症状」の入力領域、この第2テンプレートを用いて送信される優先コンテンツの「配信終了時間」の入力領域が設定されている。このように第2テンプレートへの入力操作は、テキストデータ及び選択という簡便な操作のみとしているので、優先コンテンツは迅速に作成される。その結果、優先コンテンツは、視聴ユーザにより迅速に視聴される。なお、優先コンテンツの送信条件(配信終了の条件を含む)は、当該優先コンテンツの管理者が設定する。
【0074】
以上のようにして、管理端末11により第2テンプレートへの入力と登録の要求(一例として図17におけるは「配信」ボタンのタッチ操作)との入力操作を行うと、コンテンツ生成部41は当該入力操作に応答して、優先コンテンツを生成する。例えば、相対的に下位の階層の管理単位U4aに対する管理権限を有する「第1グループ長 佐藤」が、管理単位U4aに関連付けられている視聴ユーザ「金村」、「矢沢」、「加藤」、・・・を視聴の対象者とする優先コンテンツを第2テンプレートを用いて管理端末11での入力操作により作成した場合、コンテンツ生成部41は、この入力操作に応答して優先コンテンツを生成する。優先コンテンツをこの例ではCP1とする。
【0075】
「第1グループ長 佐藤」により管理端末11で、下位の管理単位U4aを送信先として選択する入力操作と、優先コンテンツの登録要求の入力操作とが行われた場合には、コンテンツセット生成部42は、これらの入力操作に応答して、管理単位U4aである送信先「第1グループメンバ」をコンテンツセット記憶部32のコンテンツセット情報に基づいて特定する。そして、当該送信先に関連付けられているコンテンツセットCS4を構成している複数のコンテンツC4、C5(図5(A)参照)に、コンテンツ生成部41が生成した優先コンテンツCP1を新規コンテンツとして加えるとともに、優先コンテンツCP1の表示頻度を既に記憶されているコンテンツC4、C5の各表示頻度よりも高くなるように設定した新たなコンテンツセットCSP1を生成する(図5(C)参照)。例えば、コンテンツセットCS4においてコンテンツC4、C5が、この表示順序に設定されている場合(図5(A)参照)において、C4、C5、C4、C5、C4、・・・の各間に優先コンテンツの表示順序を設定する。これによりC4、CP1、CP5、CP1の表示順序のコンテンツセットCSP1(図5(C)参照)が生成される。優先コンテンツCP1の表示頻度は、既に記憶されているコンテンツC4、C5の各表示頻度よりも高くなるように設定すればよいから、コンテンツC4、C5の各表示頻度を0(ゼロ)として優先コンテンツCP1のみを表示する設定でもよい。優先コンテンツの表示頻度は、管理者が設定してもよいし、プログラムで予め設定してもよい。
【0076】
コンテンツセット生成部42は、コンテンツセット記憶部32に記憶されているコンテンツセットCS4をコンテンツセットCSP1に書き換えて記憶させるとともに、優先コンテンツCP1を含むコンテンツセットCSP1が生成されたことを、ディスプレイ装置12Aのセット取得部53に通知する。セット取得部53はこの通知の取得に応答して、サーバ13のコンテンツセット記憶部32から、コンテンツセットCSP1を取得する。この取得に応答して、コンテンツ表示制御部61は、取得されたコンテンツセットCSP1を構成するコンテンツC4、C5及び優先コンテンツCP1を、C4、CP1、C5、CP1の表示順序で、繰り返し表示させる。タッチパネルディスプレイ51では、コンテンツC4、C5及び優先コンテンツCP1が、C4、CP1、C5、CP1、C4、CP1、C5、・・・のように、優先コンテンツCP1がコンテンツC4、C5の2倍の表示頻度で表示される。これにより、優先コンテンツCP1は、他のコンテンツC4、C5と比べて、視聴される確率が高く(この例では2倍)になるので、管理単位U4aに関連付けられた視聴ユーザにより確実かつ迅速に視聴される。
【符号の説明】
【0077】
10 サイネージシステム
11 管理端末
12A,12B,12C,・・・ ディスプレイ装置
13 サーバ
16 通信ネットワーク
31 階層記憶部
32 コンテンツセット記憶部
33 ユーザ記憶部
36 履歴記憶部
37 第1テンプレート記憶部
38 第2テンプレート記憶部
41 コンテンツ生成部
42 コンテンツセット生成部
43 リスト生成部
51 タッチパネルディスプレイ
53 セット取得部
54 履歴更新部
55 表示制御部
61 コンテンツ表示制御部
62 リスト表示制御部
63 選択コンテンツ表示制御部
71 入力部
72 表示部
73 処理制御部
図1
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