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特開2024-116496画像検査装置、画像形成システム及び画像解析プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116496
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】画像検査装置、画像形成システム及び画像解析プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/88 20060101AFI20240821BHJP
   G01N 21/892 20060101ALI20240821BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20240821BHJP
【FI】
G01N21/88 J
G01N21/892 A
B41J2/01 209
B41J2/01 207
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022152
(22)【出願日】2023-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂谷 一臣
【テーマコード(参考)】
2C056
2G051
【Fターム(参考)】
2C056EA08
2C056EB27
2C056EB40
2C056EC69
2C056FA13
2C056FA14
2C056HA58
2G051AA34
2G051AB11
2G051EA08
2G051ED01
(57)【要約】
【課題】画像のスジ欠陥を検出する際の誤検出を防止した適切な検査が行えるようにする。
【解決手段】画像形成装置で印刷媒体に形成された画像を読み取って検査画像を生成する読取部と、検査画像を印刷媒体の搬送方向と直交する方向に所定画素数シフトしたシフト画像を生成し、検査画像とシフト画像との差分のシフト差分画像を生成し、シフト差分画像からスジ候補を検出するスジ検出処理部173と、スジ検出処理部173での検出に基づいて検査画像にスジの有無を判定する判定部174とを備える。ここで、スジ検出処理部173は、検出されたスジ候補の内で、画像の欠スジと異なる極性のスジを、スジ候補から除外する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置で印刷媒体に形成された画像を読み取って検査画像を生成する読取部と、
前記検査画像を前記印刷媒体の搬送方向と直交する方向に所定画素数シフトしたシフト画像を生成し、前記検査画像と前記シフト画像との差分のシフト差分画像を生成し、前記シフト差分画像からスジ候補を検出するスジ検出処理部と、
前記スジ検出処理部での検出に基づいて前記検査画像にスジの有無を判定する判定部と、を備え、
前記スジ検出処理部は、検出されたスジ候補の内で、画像の欠スジと異なる極性のスジを、前記スジ候補から除外する
画像検査装置。
【請求項2】
さらに前記スジ検出処理部は、前記シフト差分画像からシフト量の位置に生じる検査画像上の画像結果と逆極性の偽スジを除去する処理を行った上で、前記偽スジが除去されたスジ候補から、前記欠スジと異なる極性のスジを、前記スジ候補から除外する
請求項1に記載の画像検査装置。
【請求項3】
前記スジ検出処理部は、所定画素数をシフト量として第1の方向にシフトした第1のシフト画像と前記検査画像との差分の第1のシフト差分画像と、所定画素数をシフト量として前記第1の方向とは逆の第2の方向にシフトした第2のシフト画像と前記検査画像との差分の第2のシフト差分画像とを生成し、
前記判定部は、前記第1のシフト差分画像と前記第2のシフト差分画像から検出されたスジ候補から、前記検査画像にスジの有無を判定する
請求項1に記載の画像検査装置。
【請求項4】
前記スジ検出処理部は、偽スジの欠スジに対する強度が約半分になることを考慮して、画像の欠スジと異なる極性の偽スジを除去する
請求項3に記載の画像検査装置。
【請求項5】
前記所定画素数のシフト量は、前記読取部の読取解像度と検知したスジの幅を考慮して決定される
請求項1に記載の画像検査装置。
【請求項6】
前記検査画像とは別に、同一原稿のスキャン、もしくは、プリント用画像データから基準画像を生成し、生成した前記基準画像からエッジ領域を抽出し、抽出した前記エッジ領域を前記判定部は検査対象領域から除外する
請求項1に記載の画像検査装置。
【請求項7】
前記画像形成装置は、印刷媒体に画像を形成する際の前記搬送方向と直交する主走査方向にインクジェットヘッドが並んで配置されたラインヘッド形式のインクジェット画像形成装置である
請求項1に記載の画像検査装置。
【請求項8】
欠スジと異なる極性のスジを、前記スジ候補から除外する処理の有効又は無効を操作指示で切替えるようにした
請求項1に記載の画像検査装置。
【請求項9】
印刷媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部により印刷媒体に形成された画像を光学的に読み取って検査画像を生成する読取部と、
前記読取部で得られた前記検査画像について、前記印刷媒体の搬送方向とは直交する方向に所定の画素数をシフト量としてシフトしたシフト画像を生成し、前記検査画像と前記シフト画像とを差分したシフト差分画像を生成して、前記シフト差分画像からスジ候補を検出するスジ検出処理部と、
前記スジ検出処理部で検出されたスジ候補から、前記検査画像にスジの有無を判定する判定部と、を備え、
前記スジ検出処理部は、検出されたスジ候補の内で、前記印刷媒体に形成されたスジに対応した欠スジと異なる極性のスジを、前記スジ候補から除外する
画像形成システム。
【請求項10】
コンピュータに実装して、画像解析処理を行う画像解析プログラムであり、
画像形成装置により印刷媒体に形成された画像を光学的に読み取って得られた検査画像について、前記印刷媒体の搬送方向とは直交する方向に所定の画素数をシフト量としてシフトしたシフト画像を生成し、前記検査画像と前記シフト画像とを差分したシフト差分画像を生成して、前記シフト差分画像からスジ候補を検出すると共に、検出されたスジ候補の内で、前記印刷媒体に形成されたスジに対応した欠スジと異なる極性のスジを、前記スジ候補から除外するスジ検出処理と、
前記スジ検出処理で検出されたスジ候補から、前記検査画像にスジの有無を判定する判定処理と、を前記コンピュータに実行させる
画像解析プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像検査装置、画像形成システム及び画像解析プログラムに関し、形成された画像のスジ欠陥を検出して不良を判定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置にて、紙やフィルム等の印刷媒体に印刷を行う際には、印刷媒体に印刷された画像を画像読取部で読取り、読取った画像データを基準となるデータと比較して、正しく印刷できたか否かを検査している。
【0003】
このような検査の一つとして、画像に生じるスジ状の画像不良の有無を検査する必要がある。例えば、印刷媒体の搬送方向と直交する主走査方向にインクジェットヘッドが並んで配置されたラインヘッド形式のインクジェット画像形成装置の場合、複数配置されたインクジェットヘッドの内のいずれかでインクの吐出不良が生じたとき、該当するインクジェットヘッドに対応した箇所に、印刷媒体の搬送方向に伸びたスジが生じる。印刷媒体が白色であるとき、インクの吐出不良で生じるスジは、印刷媒体の色である白スジになる。
【0004】
特許文献1には、白スジなどのスジの発生を検知して検査を行う技術が記載されている。すなわち、特許文献1には、出力対象画像と読取画像との第1差分画像に対して、所定の画素数離れた画素と差分を取った第2差分画像を生成し、第2差分画像に対して、画素値が第1の閾値よりも大きい画素の第1の画素数と、画素値が第1の閾値よりも小さい画素の第2の画素数を算出して、画素列毎の第1の画素数と第2の画素数との比率に基づいてスジを判断する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-173000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されるように、差分画像を生成させることで、読取画像に対応した印刷画像に生じしたスジが検出できるので、スジ欠陥を検知することができる。
しかしながら、出力対象画像と読取画像の画素が所定の画素数離れている場合に両者の差分を取ると、差分画像に読取画像に生成された本来除去したいスジの他に、偽のスジ成分が発生してしまうという問題が起こり得る。偽のスジ成分が発生する原理は、後述する実施の形態例で説明するが、このような場合には、偽スジ成分があることにより、画像欠陥検査時の誤検出を完全に防止することはできなかった。
【0007】
本発明は、画像のスジ欠陥を検出する際の誤検出を防止することができる画像検査装置、画像形成システム及び画像解析プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像検査装置は、画像形成装置で印刷媒体に形成された画像を読み取って検査画像を生成する読取部と、検査画像を印刷媒体の搬送方向と直交する方向に所定画素数シフトしたシフト画像を生成し、検査画像とシフト画像との差分のシフト差分画像を生成し、シフト差分画像からスジ候補を検出するスジ検出処理部と、スジ検出処理部での検出に基づいて検査画像にスジの有無を判定する判定部と、を備え、スジ検出処理部は、検出されたスジ候補の内で、画像の欠スジと異なる極性のスジを、スジ候補から除外する。
【0009】
また本発明の画像形成システムは、印刷媒体に画像を形成する画像形成部と、画像形成部で印刷媒体に形成された画像を読み取って検査画像を生成する読取部と、検査画像を印刷媒体の搬送方向と直交する方向に所定画素数シフトしたシフト画像を生成し、検査画像とシフト画像との差分のシフト差分画像を生成し、シフト差分画像からスジ候補を検出するスジ検出処理部と、スジ検出処理部での検出に基づいて検査画像にスジの有無を判定する判定部と、をスジ検出処理部は、検出されたスジ候補の内で、画像の欠スジと異なる極性のスジを、スジ候補から除外する。
【0010】
また本発明の画像解析プログラムは、コンピュータに実装して、画像解析処理を行う画像解析プログラムであり、画像形成装置により印刷媒体に形成された画像を光学的に読み取って得られた検査画像について、印刷媒体の搬送方向とは直交する方向に所定の画素数をシフト量としてシフトしたシフト画像を生成し、検査画像とシフト画像とを差分したシフト差分画像を生成して、シフト差分画像からスジ候補を検出すると共に、検出されたスジ候補の内で、印刷媒体に形成されたスジに対応した欠スジと異なる極性のスジを、スジ候補から除外するスジ検出処理と、スジ検出処理で検出されたスジ候補から、検査画像にスジの有無を判定する判定処理と、をコンピュータに実行させる画像解析プログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、検査画像と所定画素数シフトしたシフト画像の差分画像(シフト差分画像)からスジ候補を検出する際に、印刷媒体に形成されたスジに対応した欠スジと異なる極性のスジを、スジ候補から除外することにより、偽スジ成分を欠陥と誤検知することがないので、誤検知のない良好な画像欠陥検査が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施の形態例による画像検査部が組み込まれた画像形成システムの例を示す構成図である。
図2】本発明の一実施の形態例による画像検査部が組み込まれた画像形成システムの内部構成の例を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施の形態例による検査画像とシフト画像とシフト差分画像の例を示す図である。
図4】本発明の一実施の形態例による3値化画像の例を示す図である。
図5】本発明の一実施の形態例によるスジ判定処理の例(例1)を示すフローチャートである。
図6】本発明の一実施の形態例によるスジ判定処理の例(例2)を示すフローチャートである。
図7】本発明の一実施の形態例によるスジ判定処理の例(例2)を示すフローチャートである。
図8】本発明の他の実施の形態例による検査画像とシフト画像とシフト差分画像の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施の形態例(以下、「本例」と称する)を、図1図7を参照して順に説明する。
【0014】
[全体構成]
図1は本例の画像検査部が組み込まれた画像形成システム100の全体構成を示す。
画像形成システム100は、制御部101と、プリント画像データ生成部110と、給紙部120と、プリント部140と、排紙部160と、検査処理部170とを備える。
制御部101は、画像形成システム100での印刷媒体への画像形成動作全体を制御する。
給紙部120は、画像形成システム100でプリントする印刷媒体としての用紙の給紙を行う。給紙部120から搬送経路131に搬送された用紙は、メインシリンダ132に巻き付けられる。
【0015】
メインシリンダ132の周囲には、複数色のインクジェットヘッド141K,141C,141M,141YとUV照射部142と読取部151とが配置されている。各インクジェットヘッド141K,141C,141M,141Yは、黒、シアン、マゼンタ、黄のインクを用紙に吐出して、用紙上に画像を形成する。
ここで用紙に形成する画像は、プリント画像データ生成部110から供給されるプリント画像データに基づいた画像である。それぞれのインクジェットヘッド141K,141C,141M,141Yは、印刷媒体の搬送方向(メインシリンダ132の円周方向)と直交する主走査方向(メインシリンダ132の幅方向)に、各画素のインクジェットヘッドが並んで配置され、主走査方向の各画素を形成する画像形成を同時に行うラインヘッド形式である。
【0016】
そして、各インクジェットヘッド141K,141C,141M,141Yで用紙に形成された画像は、用紙の搬送に伴ってUV照射部142を通過する。そして、このUV照射部142で紫外線(UV)が照射され、用紙上の画像の硬化・定着処理が行われる。
さらに、UV照射部142を通過した用紙は、用紙の搬送に伴って読取部151を通過する。読取部151は、光学的な読取りを行うラインセンサで構成され、主走査方向の各画素の状態を読取る。読取部151で読み取られたスキャン画像データは、スキャン画像取得部150(図2)を介して検査処理部170に供給され、スジ検出などの画像不良の有無が検査される。
読取部151を通過した用紙は、メインシリンダ132から搬送経路133を介して排紙部160に排紙される。
【0017】
なお、図1では画像形成システム100として各部が一体に組み込まれた装置として構成したが、プリント画像データ生成部110(画像生成装置)と、検査処理部170(画像検査装置)とは別装置として構成してもよい。
【0018】
[画像形成システムの各部の処理構成]
図2は、画像形成システム100が行う処理を示すブロック図である。
画像形成システム100の制御部101などの情報処理部は、情報処理装置であるコンピュータで構成される。
すなわち、図2の下側に示すように、画像形成システム100は、データ転送可能に接続されるCPU(Central Processing Unit)100a、メモリ100b、インターフェース(I/F)100c、操作部100d、表示部100eを備える。そして、メモリ100bに格納されたプログラムをCPU100aが実行することにより、以下に説明する各処理部の機能が実現される。
インターフェース100cは、画像データの入力や出力などのデータの入出力処理を行う。操作部100dは、操作者によるプリント指示などの入力処理を行う。表示部100eは、プリント状況や検査結果などの表示を行う。
【0019】
以下、このようなコンピュータで実行される処理部について図2を参照して説明する。
ここで説明する処理部は、制御部101、プリント画像データ生成部110、プリント部140、スキャン画像取得部150、及び検査処理部170とから構成され、図2では、特に検査処理部170におけるスジ検出処理に関連した構成を示している。
【0020】
制御部101は、ジョブ制御部102、パージ処理部103、及びスジ補正処理部104を備える。
ジョブ制御部102は、プリント部140における、プリント画像データ生成部110で生成されたプリント画像データによるプリントの実行を制御する。
パージ処理部103は、検査処理部170でプリント画像に不良が検出された用紙を、排紙部160の別のトレイに分ける等のパージ処理を実行する。
【0021】
スジ補正処理部104は、検査処理部170で用紙の特定箇所にスジの発生が検出され、そのスジが発生した画素を形成した箇所のヘッドが不良と判断した場合に、隣接したヘッドのインク吐出を制御してスジを目立たなくする補正処理を実行する。
【0022】
プリント画像データ生成部110は、RIP(Raster Image Processer)データ処理部111と、色補正部112とを備える。
RIPデータ処理部111は、プリント画像データであるRIPデータを生成する。
色補正部112は、プリント画像データの色補正処理を行う。
【0023】
画像形成部であるプリント部140は、インクジェットヘッド制御部140aとUVランプ制御部142aとを備える。
インクジェットヘッド制御部140aは、各色のインクジェットヘッド141K,141C,141M,141Yでのインクの吐出を、プリント画像データ生成部110から供給されるプリント画像データに基づいて制御する。
UVランプ制御部142aは、UV照射部142が備えるUVランプによる紫外線の照射を制御する。
【0024】
スキャン画像取得部150は、基準画像取得部150aと検査画像取得部150bとを備える。
基準画像取得部150aは、1つのプリント作業で決められた枚数のプリントを行う際に、事前に1枚プリントして読取部151で読取った画像から、基準画像データを取得する。
検査画像取得部150bは、プリント作業が開始されてから読取部151で読取った画像を検査画像データとして取得する。
【0025】
画像検査部である検査処理部170は、前処理部171、位置合わせ部172、スジ検出処理部173、及び判定部174を備える。
前処理部171は、スキャン画像取得部150で得られた検査画像データを取得し、フィルタ処理などの前処理を実行する。
位置合わせ部172は、検査画像データについて、基準画像との位置合わせ処理を行う。ここで得られる基準画像は、スキャン画像取得部150の基準画像取得部150aで取得される画像である。
【0026】
スジ検出処理部173は、検査画像データを主走査方向に所定画素数だけシフトさせたシフト画像データを得、検査画像データとシフト画像データとの差分のシフト差分画像データを生成する。そして、スジ検出処理部173は、そのシフト差分画像データからスジ候補を検出する。
ここで、スジ検出処理部173は、検出されたスジ候補の内で、画像の欠スジと異なる極性のスジを、スジ候補から除外する処理を行う。この極性のスジをスジ候補から除外する処理の詳細については後述する。
判定部174は、スジ検出処理部173で検出したスジ候補から、検査画像にスジの有無を判定する。
【0027】
[スジ検出処理と黒スジ除去の詳細]
次に、スジ検出処理部173でのスジ検出処理の詳細を、図3及び図4を参照して説明する。
まず、スジ検出と偽スジが発生する原理を、図3により説明する。
図3に示す検査画像11、シフト画像12、及びシフト差分画像13は、画像の主走査方向の値(明るさ:輝度値)の変化を示す。本来、これらの検査画像11、シフト画像12、及びシフト差分画像13は、値が均一な状態が続く箇所となるはずであるが、図3に示すように、検査画像11の値が変化する箇所が不良な箇所になる。すなわち、図3に示す検査画像11の特性は、特定画素の箇所11aでインクが吐出されず、その画素の輝度値が高くなって、白スジとなっていることを示している。
【0028】
なお、画像の輝度値が一定であっても、各画像11,12,13にはノイズが含まれるため、信号の値は多少変化するが、図3ではノイズ成分は無視して、白スジ以外の箇所は均一な値であるとする。
また、インクの吐出不良により発生する白スジは、例えば単色のインクだけを吐出させる場合には、そのインクがないために用紙(白色)の地色である白いスジになるが、実際には他のインクの色などの影響で必ずしも白いスジになるとは限らない。但し、以下の説明では、このようなインクの吐出不良によって用紙上に形成される欠スジ(周囲よりも明るくなるスジ)を白スジと称する。また、後述する黒スジについても、インクの色によって黒以外の色のスジとなる場合もあるが、本明細書では、画像の欠スジと異なる極性のスジ(周囲よりも濃くなるスジ)を、黒スジと称する。
【0029】
スジ検出処理部173で得られるシフト画像12は、図3に示す検査画像11を、主走査方向に所定量だけ一方にシフトさせた画像である。ここで、シフト画像12のシフト量は、例えば数画素のシフト分とする。
このシフト量は、読取部151における読取り解像度に基づいて設定するのが好ましい。このシフト量は、一般的には読取部151で読取ることができる最低のピッチが、用紙に形成する画素ピッチよりも広いため、2画素~3画素程度のシフト量とするのが好ましい。しかし、読取部151が各インクジェットヘッド141K,141C,141M,141Yで用紙上に形成する画素を1画素単位で正確に読み取れる精度を有する場合には、シフト量が1画素分のシフトでも構わない。
シフト画像12には、シフト量に対応して、検査画像の白スジの箇所11aよりもずれた箇所12a(ここでは箇所11aよりも前の箇所)に、白スジが現れる。
【0030】
さらに、スジ検出処理部173は、検査画像11とシフト画像12との差分のシフト差分画像13を得る。シフト差分画像13には、検査画像11に含まれる白スジ(箇所11a)に対応した箇所13bの不良と、シフト画像12に含まれる白スジ(箇所12a)に対応した箇所13aの不良とが現れる。
【0031】
但し、シフト差分画像13は、両画像11,12の差分であるため、検査画像11に対応したスジ成分の箇所13bとシフト画像12に対応したスジ成分の箇所13aとでは、スジ成分の極性が異なる。つまり、シフト差分画像13では、検査画像11に対応したスジ成分の箇所13bでは、いわゆる白スジとして輝度が高くなる変化があるのに対して、シフト画像12に対応したスジ成分の箇所13aでは、周辺よりも輝度が低くなる黒スジに相当する変化が現れる。
【0032】
ここで、本例のスジ検出処理部173は、シフト差分画像13に含まれる、白スジに相当する極性の変化箇所13bはスジ候補として残し、周辺よりも輝度が低くなる黒スジに相当する極性の変化箇所13aはスジ候補から除外している。
そして、判定部174では、スジ検出処理部173で得られたスジ候補から、検査画像に白スジがあるか否かの画像不良の有無を判定する。ここで判定するのに使用するスジ候補は、上述した黒スジに相当する極性の変化した箇所を除いたものである。
判定部174は、例えば主走査方向の同じ画素位置に、連続して白スジが発生しているとき、白スジありと判定して、該当する箇所のインクジェットヘッドのインクの吐出不良と判断する。なお、インクの吐出不良は、ノズルのインク詰まりや気泡によって発生すると考えられる。
【0033】
検査処理部170でスジ(白スジ)ありと判断した検査画像11を読取った用紙は、プリント不良として、制御部101のパージ処理部103に送られる。すると、パージ処理部103は、このプリント不良とされた用紙を、排紙部160の通常とは異なる排紙トレイに排出する。また、スジ補正処理部104は、以後のプリント時に、吐出不良の画素を形成させたインクジェットヘッドに隣接したインクジェットヘッドで、吐出不良を補うインク吐出を行う補正処理を行う。あるいは、スジ補正処理部104は、プリント動作を一時的に停止させて、インクジェットヘッドのクリーニング処理を行ってもよい。
【0034】
図4は、スジ検出処理部173で行われる、黒スジなどの本来のスジ以外を除去する処理のより詳細な例を示す。
スジ検出処理部173は、検査画像とシフト画像との差分のシフト差分画像として、明部画像を2値化すると共に、暗部画像を2値化する。すなわち、図4に示すように、輝度が一定値以上の明部画像21について、閾値以上の箇所と、閾値未満の箇所に2値化し、閾値以上の箇所21a,21bを得る。ここでの明部画像21は、図3に示す検査画像11に相当する。
同様に、輝度が一定値未満の暗部画像22について、閾値以上の箇所と、閾値未満の箇所に2値化し、閾値未満の箇所22a,22bを得る。ここでの暗部画像22は、図3に示すシフト画像12に相当する。
【0035】
この明部画像21と暗部画像22とを合成したものが、シフト差分画像に相当する3値化画像23になる。3値化画像23は、注目画素における、閾値範囲外の差分の有無と、差分の符号を表しており、スジがある場合には、解析方向である搬送方向Aに対して、連続的に明部又は暗部が出ている。
図4に示す3値化画像23では、明部画像21に生じた閾値以上の箇所21a,21b(いわゆる白スジ)と、暗部画像22に生じた閾値未満の箇所22a,22b(いわゆる黒スジ)が発生している。3値化画像23では、明部画像21に生じた閾値以上の箇所21a,21bは輝度値が正の値になり、暗部画像22に生じた閾値未満の箇所22a,22bは輝度値が負の値になっている。
【0036】
ここで、インクジェット方式のプリンタの場合、画像不良は基本的にインクの吐出不良がほとんどであり、大部分が白スジである。したがって、黒スジが発生する可能性はほとんどなく、スジ検出処理部173では、シフト差分画像に相当する3値化画像23に含まれる黒スジの箇所22a,22b(つまり輝度値が負の値のもの)は、検査画像にない黒スジとして除去される。この3値化画像23に含まれる黒スジは、検査画像に生じたインクの欠落箇所である白スジとは逆極性で、周辺より濃いスジである。
【0037】
なお、スジ検出処理部173では、黒スジを除去する前に、偽スジを除去する処理を行うのが好ましい。すなわち、シフト画像は、検査画像に対して、予め決められた画素数だけ主走査方向(搬送方向と直交する方向)にシフトさせている。このため、スジ検出処理部173は、検査画像の特定位置の注目画素に大きな輝度変化があるとき、特定位置からシフト量だけシフトしたシフト画像の位置に、検査画像の注目画素より絶対値の大きな画素が存在する場合には、注目画素に偽スジが発生しているとして、その偽スジ成分を除去する処理を行う。
【0038】
スジ検出処理部173は、この偽スジ成分を除去する処理を行った場合、さらに上述した黒スジ成分の除去を行う。本例の処理において検知される黒スジ成分は、偽スジ除去時の偽スジの取り残しであり、この取り残した黒スジを除去することで、より完全に偽スジ成分を除去することができる。但し、偽スジを省略して、黒スジ除去のみを行ってもよい。
【0039】
[画像検査処理の流れ]
次に、図5図6及び図7のフローチャートを参照して、本例の画像形成システム100における画像検査処理について説明する。
図5図6及び図7のフローチャートは、それぞれ検査画像の取得からスジの有無の判定までの検査処理の流れの3つの例を示し、本例の特徴の一つである黒スジ除去を行う点は同じであるが、処理の詳細が相違する。
【0040】
まず、図5のフローチャートに基づいて、例1の画像検査処理を説明する。
最初に、スキャン画像取得部150の検査画像取得部150bは、読取部151でプリント直後の用紙から読み取られたスキャン画像データを取得し、検査画像を得る(ステップS11)。
検査画像は、検査処理部170に送られ、スジ検出処理部173は、検査画像を数画素分シフトさせたシフト画像を取得する(ステップS12)。なお、スジ検出処理部173は、前処理部171及び位置合わせ部172において、検査画像の処理が行われた後、シフト画像を取得する処理を行う。
【0041】
次に、スジ検出処理部173は、ステップS11で得た検査画像とステップS12で得たシフト画像との差分画像を生成する(ステップS13)。そして、スジ検出処理部173は、差分画像の3値化処理を行う(ステップS14)。ここでの差分画像の3値化処理は、図4で説明した処理である。その後、スジ検出処理部173は、3値化した差分画像からスジ成分に相当する特徴量の抽出処理を行い、スジ候補を得る(ステップS15)。スジ候補は、用紙の搬送方向に連続して表れるスジ状の異常とみなせる箇所の候補である。
【0042】
次に、スジ検出処理部173は、ステップS15で得たスジ候補の内で、偽スジを除去する(ステップS16)。偽スジは、スジ検出処理を行う過程で生じる印刷画像には存在しないスジである。ここでの偽スジ除去処理は、検査画像の特定位置の注目画素に大きな輝度変化がある場合に行われる処理である。すなわち、スジ検出処理部173は、シフト画像について、特定位置からシフト量だけシフトした位置で、検査画像の注目画素より絶対値の大きな画素が存在する場合に、注目画素は偽スジが発生しているとして、その偽スジ成分を除去する処理を行う。
【0043】
次に、スジ検出処理部173は、偽スジを除去したスジ候補から、黒スジの除去を行う(ステップS17)。黒スジは、図3で説明したように、検査画像に生成されたスジ(白スジ)とは極性が異なるスジであり、周辺よりも濃いスジである。
この黒スジを除去したスジ候補の情報は、判定部174に送られ、判定部174でスジ判定処理が行われる(ステップS18)。これにより、判定部174は、プリントした画像の読取画像のスジの有無を判定し、この判定結果によりプリント不良の有無を判定する。
【0044】
この例1の場合には、偽スジ除去で除去しきれない黒スジがスジ候補から除去され、判定部174は、誤検知のない適切なスジ判定を行うことができる。すなわち、本例のような各画素のインクジェットヘッドが並んで配置されたラインヘッド形式のインクジェット方式の画像形成装置の場合、画像に生じるスジは、インクが欠落するいわゆる白スジであることがほとんどである。したがって、スジ検出処理部173は、画像検査処理により白スジを誤検知することなく、適切に白スジの検知が可能になる。
【0045】
次に、図6のフローチャートに基づいて、例2の画像検査処理を説明する。
この図6のフローチャートでは、検査画像を得るステップS11から、偽スジを除去するステップS16までは、図5の例1と同じなので、説明は省略する。
スジ検出処理部173は、ステップS16でスジ候補から偽スジを除去した後、プリント作業者による操作で、黒スジ除去を行う設定がオン(ON)かオフ(OFF)かを判断する(ステップS21)。黒スジ除去を行う設定がオンとは、黒スジ除去が有効な設定が行われた場合であり、黒スジ除去を行う設定がオフとは、黒スジ除去を無効とした設定が行われた場合である。この黒スジ除去を行うオン・オフ(有効・無効)の設定は、例えば図1に示す操作部100dによりプリント作業者が行うものである。
【0046】
ステップS21で、黒スジ除去を行う設定がオンであるとき(ステップS21のON)、ステップS17に移り、スジ検出処理部173は、偽スジを除去したスジ候補から、黒スジの除去を行う。
そして、ステップS18で、黒スジを除去したスジ候補の情報から判定部174がスジ判定処理を行う。
【0047】
一方、ステップS21で、黒スジ除去を行う設定がオフであるとき(ステップS21のOFF)、スジ検出処理部173は、偽スジを除去したスジ候補から、黒スジを除去する処理を行わない。そして、判定部174は、ステップS18でスジ候補の情報に基づいてスジ判定処理を行う。
この図6のフローチャートに示す処理を行うことで、黒スジの除去は、プリント作業者による操作で選択的に行えるようになる。
【0048】
この例2の場合には、黒スジ除去を行う設定をオンにすることで、例1の場合と同様に、偽スジ除去で除去しきれない黒スジがスジ候補から除去され、誤検知のない適切なスジ判定を行うことが可能になる。
但し、黒スジが除去されると、プリント画像上に周囲より濃く印字される黒スジが発生した場合に、その黒スジが検知漏れになってしまう場合がある。本例のようなインクジェット方式の画像形成装置の場合、黒スジが発生することは稀であるが、厳重にスジ検出を行いたい場合には、スジ検出処理部173は、黒スジ除去を行う設定をオフとすることで、黒スジも検知できるようになる。
例えば、大量のプリントを行う場合に、スジ検出処理部173は、最初の何枚かを黒スジ除去を行う設定をオフとして検査を行い、その後のプリントでは、黒スジ除去を行う設定をオンとして検査を行うようにしてもよい。
【0049】
次に、図7のフローチャートに基づいて、例3の画像検査処理を説明する。
この図7のフローチャートでも、検査画像を得るステップS11から、特徴量を抽出するステップS15までは、図5の例1と同じなので説明は省略する。
そして、ステップS15で特徴量を抽出した後、スジ検出処理部173は、図5のステップS16の偽スジ除去の処理をせずにステップS17に移り、スジ候補から黒スジの除去を行う。
そして、判定部174は、ステップS18でスジ検出処理部173により黒スジが除去されたスジ候補の情報に基づいてスジ判定処理を行う。
つまり、図7のフローチャートに示す例3の画像検査処理では、図5のフローチャートのステップS16の偽スジ除去を行わず、スジ候補から黒スジ除去のみを行うようにした点で例1の処理と異なっている。
【0050】
この例3の場合には、偽スジ除去を省略して、黒スジをスジ候補から除去するようにしたが、偽スジ成分は大部分が黒スジであり、この場合でも、判定部174は、例1と同様に誤検知のない適切なスジ判定を行うことができる。
【0051】
[変形例]
なお、検査画像から生成するシフト画像として、図3図4で説明したシフト画像とするのは一例であり、その他のシフト画像を生成してもよい。
例えば、スジ検出処理部173は、複数のシフト画像を生成させてもよい。
図8は、この場合の例を示す。
図8に示す検査画像31は、特定箇所31aで白スジに相当する輝度が高くなっている。
ここで、シフト画像32では、特定箇所31aよりも左方向(第1の方向)に所定画素シフトした箇所32aに白スジが現れ、また特定箇所31aよりも右方向(第2の方向)に所定画素シフトした箇所32aに白スジが現れる。これらのシフト画像32aと32bは、一つのシフト画像として合成される。
【0052】
そして、スジ検出処理部173は、検査画像31と2つのシフト画像を合成したシフト画像32との差分画像を得る。つまり、スジ検出処理部173は、第1の方向にシフトした第1のシフト画像(シフト画像32a)と検査画像31との差分の第1のシフト差分画像33aと、所定画素数をシフト量として第1の方向とは逆の第2の方向にシフトした第2のシフト画像(シフト画像32b)と検査画像31との差分の第2のシフト差分画像33bを生成する。
これにより、図8に示すように、2つのシフト差分画像を合成したシフト差分画像33が得られる。シフト差分画像33では、プリント画像に実際に存在するスジである白スジに相当する特定箇所33bで輝度が高くなると共に、その特定箇所33bの左側に黒スジに相当する箇所33aと特定箇所33bの右側に黒スジに相当する箇所33cで輝度が低くなる。
【0053】
スジ検出処理部173は、この2つのシフト差分画像を合成したシフト差分画像33に含まれるスジ候補から、黒スジに相当する箇所33a,33cの成分を除去して、スジの有無の判定を行うようにしてもよい。
この図8の例の場合、シフト差分画像33には、白スジの両端に逆極性で約1/2の強度の偽スジが検出されるため、スジ検出処理部173は、この約1/2の強度の偽スジを除去する処理を行う。つまり、スジ検出処理部173は、偽スジを除去する際に、偽スジの強度が欠スジの約半分になることを考慮して、偽スジ除去を行うことが好ましい。
【0054】
さらに、スジ検出処理部173は、偽スジ除去した後に得られたスジ候補の内で、輝度値が負の値のもの(白スジと極性が反転したもの)を除外する黒スジ除去を行うことで、上述した実施の形態例と同様の効果が得られる。
この図8の例のように2つのシフト画像を得る場合についても、検査処理は、図5に示す例1、図6に示す例2、図7に示す例3のいずれを適用してもよい。
【0055】
また、上述した実施の形態例では、画像形成装置として、主走査方向にインクジェットヘッドが並んで配置されたラインヘッド形式のインクジェット画像形成装置に適用したが、その他の方式の画像形成装置に適用してもよい。画像形成装置として、黒、シアン、マゼンタ、黄のインクを用紙に吐出する構成としたのも一例であり、例えば黒色のインク用のヘッドだけを備えたいわゆる白黒画像を形成する画像形成装置としてもよい。
さらに、図1に示す構成では、画像形成装置と画像検査装置が一体化された画像形成システムとしたが、別体の画像形成装置でプリントされた用紙を、画像検査装置で検査するようにしてもよい。
【0056】
また、画像検査装置として、既存の画像検査装置に、本例の画像検査処理を行うプログラムを実装させて、図5図7のフローチャートで説明した処理を行うように機能させてもよい。この場合のプログラムは、メモリカードや光ディスクなどの記録媒体に記録させて、画像検査装置に実装させることができる。
【符号の説明】
【0057】
100…画像形成システム、100a…CPU、100b…メモリ、100c…インターフェース、100d…操作部、100e…表示部、101…制御部、102…ジョブ制御部、103…パージ処理部、104…スジ補正処理部、110…プリント画像データ生成部、111…RIPデータ処理部、112…色補正部、120…給紙部、131…搬送経路、132…メインシリンダ、133…搬送経路、140…プリント部、140a…インクジェットヘッド制御部、141K,141C,141M,141Y…インクジェットヘッド、142…UV照射部、142a…UVランプ制御部、150…スキャン画像取得部、150a…基準画像取得部、150b…検査画像取得部、151…読取部、160…排紙部、170…検査処理部、171…前処理部、172…位置合わせ部、173…スジ検出処理部、174…判定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8