(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116499
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】端末装置、基地局装置、方法、集積回路
(51)【国際特許分類】
H04W 24/10 20090101AFI20240821BHJP
H04W 88/04 20090101ALI20240821BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20240821BHJP
H04B 17/318 20150101ALI20240821BHJP
【FI】
H04W24/10
H04W88/04
H04W92/18
H04B17/318
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022158
(22)【出願日】2023-02-16
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和4年度、国立研究開発法人情報通信研究機構、「革新的情報通信技術研究開発委託研究/日米豪国際連携を通じた超カバレッジBeyond 5G無線通信・映像符号化標準化技術の研究開発」、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100129115
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 進
(74)【代理人】
【識別番号】100131473
【弁理士】
【氏名又は名称】覚田 功二
(72)【発明者】
【氏名】坪井 秀和
(72)【発明者】
【氏名】三宅 太一
(72)【発明者】
【氏名】山田 昇平
(72)【発明者】
【氏名】河野 拓真
(72)【発明者】
【氏名】井上 恭輔
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE25
5K067HH22
(57)【要約】 (修正有)
【課題】サイドリンク通信において通信制御を効率的に行うことができる端末装置、基地局装置、方法及び集積回路を提供する。
【解決手段】通信システムにおいて、中継端末装置を介して基地局装置gNB102と通信をする端末装置UE122は、中継端末装置から取得した情報、中継端末装置から受信した参照信号の受信電力および測定用パラメータに含まれる閾値とに基づいて、一部または全部の測定対象の参照信号受信電力の測定を実行するか否かを判断する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中継端末装置、および中継端末装置を介して基地局装置と通信をする端末装置であって、
前記基地局装置によって設定される測定用パラメータを受信する受信部と、
前記測定用パラメータに基づいて、一つまたは複数の測定対象の参照信号受信電力を測定する測定部と、
前記測定部において測定された前記参照信号受信電力に基づいて測定報告メッセージを生成する処理部と、
前記測定報告メッセージを前記中継端末装置を介して前記基地局装置に送信する送信部と、を備え、
前記受信部は、さらに前記中継端末装置から第1の情報を受信し、
前記処理部は、
前記中継端末装置から受信した参照信号の受信電力、前記第1の情報、および前記測定用パラメータに含まれる閾値に基づいて、一部または全部の前記測定対象の参照信号受信電力の測定を実行するか否かを判断する
端末装置。
【請求項2】
前記処理部は、
前記中継端末装置から受信した参照信号の受信電力が、前記測定用パラメータに含まれる閾値を下回っていること、または前記第1の情報が前記中継端末装置から通知されていること、の何れか、または両方の条件を満たしていることに基づいて、一部または全部の前記測定対象の参照信号受信電力の測定を実行すると判断し、
前記中継端末装置から受信した参照信号受信電力が、前記測定用パラメータに含まれる閾値を上回ること、および前記第1の情報が前記中継端末装置から通知されていないことに基づいて、一部または全部の前記測定対象の参照信号受信電力の測定を実行しないと判断する
請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
中継端末装置、および中継端末装置を介して端末装置と通信をする基地局装置であって、
前記端末装置に対して設定する、サイドリンク通信における参照信号受信電力の第1の測定用パラメータを生成し、さらに、前記中継端末装置に対して設定する、前記中継端末装置が前記端末装置に第1の情報を通知するか否かを判断するために用いられる第2の測定用パラメータを生成する処理部と、
前記第1の測定用パラメータを前記中継端末装置を介して前記端末装置に送信し、前記第2の測定用パラメータを前記中継端末装置に送信する送信部と、を備え、
前記処理部は、
前記第1の測定用パラメータに閾値を含め、
前記端末装置に、前記中継端末装置から受信した参照信号の受信電力と、前記閾値と、前記第1の情報が前記中継端末装置から通知されているか否かに基づいて、一部または全部の測定対象の参照信号受信電力の測定を実行するか否かを判断させる
基地局装置。
【請求項4】
中継端末装置、および中継端末装置を介して基地局装置と通信をする端末装置に適用される方法であって、
前記基地局装置によって設定される測定用パラメータを受信するステップと、
前記中継端末装置から第1の情報を受信するステップと、
前記測定用パラメータに基づいて、一つまたは複数の測定対象の参照信号受信電力を測定するステップと、
前記測定された前記参照信号受信電力に基づいて測定報告メッセージを生成するステップと、
前記測定報告メッセージを前記中継端末装置を介して前記基地局装置に送信するステップと、を備え、
前記中継端末装置から受信した参照信号の受信電力、前記第1の情報、および前記測定用パラメータに含まれる閾値、に基づいて、一部または全部の前記測定対象の参照信号受信電力の測定を実行するか否かを判断する
方法。
【請求項5】
中継端末装置、および中継端末装置を介して基地局装置と通信をする端末装置に実装される集積回路であって、
前記基地局装置によって設定される測定用パラメータを受信する機能と、
前記中継端末装置から第1の情報を受信する機能と、
前記測定用パラメータに基づいて、一つまたは複数の測定対象の参照信号受信電力を測定する機能と、
前記測定された前記参照信号受信電力に基づいて測定報告メッセージを生成する機能と、
前記測定報告メッセージを前記中継端末装置を介して前記基地局装置に送信する機能と、を前記端末装置に発揮させ、
前記中継端末装置から受信した参照信号の受信電力、前記第1の情報、および前記測定用パラメータに含まれる閾値、に基づいて、一部または全部の前記測定対象の参照信号受信電力の測定を実行するか否かを判断する
集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置、基地局装置、方法、集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
セルラ移動通信システムの標準化プロジェクトである、第3世代パートナーシッププロジェクト(3rd Generation Partnership Project:3GPP[登録商標])において、無線アクセス、コア網、サービス等を含む、セルラ移動通信システムの技術検討および規格策定が行われている。
【0003】
例えば、E-UTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)は、3GPPにおいて、第3.9世代および第4世代向けセルラ移動通信システム向け無線アクセス技術(Radio Access Technology:RAT)として、技術検討および規格策定が開始された。現在も3GPPにおいて、E-UTRAの拡張技術の技術検討および規格策定が行われている。なお、E-UTRAは、Long Term Evolution(LTE:登録商標)とも称し、拡張技術をLTE-Advanced(LTE-A)、LTE-Advanced Pro(LTE-A Pro)と称することもある。
【0004】
また、NR(New Radio、またはNR Radio access)は、3GPPにおいて、第5世代(5th Generation:5G)向けセルラ移動通信システム向け無線アクセス技術(Radio Access Technology:RAT)として、技術検討および規格策定が開始された。現在も3GPPにおいて、NRの拡張技術の技術検討および規格策定が行われている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】3GPP TS 38.331 v17.0.0," NR; Radio Resource Control (RRC) protocol specification" pp70-116,pp218-223,pp316-1107
【非特許文献2】3GPP TS 38.321 v17.0.0, "NR; Medium Access Control (MAC) protocol specification" pp17-104
【非特許文献3】3GPP TS 38.213 v17.2.0, "NR; Physical layer procedures for control" pp14-20
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
3GPPにおいて、NRの拡張技術として、コアネットワークを介さずに、直接端末装置と端末装置が通信を行うサイドリンク(SL: sidelink)という技術が検討され、また、リレー端末装置がサイドリンクによる通信を提供することで、端末装置がリレー端末装置を介して基地局装置と通信を行う、UE-to-Networkリレー(U2N Relay)という技術、および、U2N Relayにおけるサービス継続性の強化の検討が開始されている。
【0007】
本発明の一態様は、上記した事情に鑑みてなされたもので、通信制御を効率的に行うことができる端末装置、基地局装置、方法、集積回路を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の一態様は、以下のような手段を講じた。
【0009】
(1)本発明の第1の態様は、中継端末装置、および中継端末装置を介して基地局装置と通信をする端末装置であって、前記基地局装置によって設定される測定用パラメータを受信する受信部と、前記測定用パラメータに基づいて、一つまたは複数の測定対象の参照信号受信電力を測定する測定部と、前記測定部において測定された前記参照信号受信電力に基づいて測定報告メッセージを生成する処理部と、前記測定報告メッセージを前記中継端末装置を介して前記基地局装置に送信する送信部と、を備え、前記受信部は、さらに前記中継端末装置から第1の情報を受信し、前記処理部は、前記中継端末装置から受信した参照信号の受信電力、前記第1の情報、および前記測定用パラメータに含まれる閾値、に基づいて、一部または全部の前記測定対象の参照信号受信電力の測定を実行するか否かを判断する。
【0010】
(2)本発明の第2の態様は、中継端末装置、および中継端末装置を介して端末装置と通信をする基地局装置であって、前記端末装置に対して設定する、サイドリンク通信における参照信号受信電力の第1の測定用パラメータを生成し、さらに、前記中継端末装置に対して設定する、前記中継端末装置が前記端末装置に第1の情報を通知するか否かを判断するために用いられる第2の測定用パラメータを生成する処理部と、前記第1の測定用パラメータを前記中継端末装置を介して前記端末装置に送信し、前記第2の測定用パラメータを前記中継端末装置に送信する送信部と、を備え、前記処理部は、前記第1の測定用パラメータに閾値を含め、前記端末装置に、前記中継端末装置から受信した参照信号の受信電力と、前記閾値と、前記第1の情報が前記中継端末装置から通知されているか否かに基づいて、一部または全部の測定対象の参照信号受信電力の測定を実行するか否かを判断させる。
【0011】
(3)本発明の第3の態様は、中継端末装置、および中継端末装置を介して基地局装置と通信をする端末装置に適用される方法であって、前記基地局装置によって設定される測定用パラメータを受信するステップと、前記中継端末装置から第1の情報を受信するステップと、前記測定用パラメータに基づいて、一つまたは複数の測定対象の参照信号受信電力を測定するステップと、前記測定された前記参照信号受信電力に基づいて測定報告メッセージを生成するステップと、前記測定報告メッセージを前記中継端末装置を介して前記基地局装置に送信するステップと、を備え、前記中継端末装置から受信した参照信号の受信電力、前記第1の情報、および前記測定用パラメータに含まれる閾値、に基づいて、一部または全部の前記測定対象の参照信号受信電力の測定を実行するか否かを判断する。
【0012】
(4)本発明の第4の態様は、中継端末装置、および中継端末装置を介して基地局装置と通信をする端末装置に実装される集積回路であって、前記基地局装置によって設定される測定用パラメータを受信する機能と、前記中継端末装置から第1の情報を受信する機能と、前記測定用パラメータに基づいて、一つまたは複数の測定対象の参照信号受信電力を測定する機能と、前記測定された前記参照信号受信電力に基づいて測定報告メッセージを生成する機能と、前記測定報告メッセージを前記中継端末装置を介して前記基地局装置に送信する機能と、を前記端末装置に発揮させ、前記中継端末装置から受信した参照信号の受信電力、前記第1の情報、および前記測定用パラメータに含まれる閾値、に基づいて、一部または全部の前記測定対象の参照信号受信電力の測定を実行するか否かを判断する。
【0013】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一態様によれば、効率的な通信制御処理を実現する端末装置、基地局装置、方法、および集積回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図2】本実施形態に係るNRサイドリンク通信におけるプロトコル構成の一例の図。
【
図3】本実施形態に係るNRサイドリンク通信におけるプロトコル構成の一例の図。
【
図4】本実施形態に係るディスカバリー手順におけるプロトコル構成の一例の図。
【
図5】本実施形態に係る端末装置の構成を示すブロック図。
【
図8】本実施形態に係る基地局装置の構成を示すブロック図。
【
図9】本実施形態に係るL2 U2Nリレーの制御プレーンのプロトコル構成の一例の図。
【
図10】本実施形態に係るL2 U2Nリレーのユーザプレーンのプロトコル構成の一例の図。
【
図11】本実施形態に係るNRにおけるプロトコル構成の一例の図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
なお、本実施形態では、無線アクセス技術がNRである場合の各ノードやエンティティの名称、および各ノードやエンティティにおける処理等について説明するが、本実施形態は他の無線アクセス技術に適用されてもよい。本実施形態における各ノードやエンティティの名称は、別の名称であってよい。
【0018】
図1は本実施形態に係る通信システムの概略図である。なお
図1を用いて説明する各ノード、無線アクセス技術、コア網、インタフェース等の機能は、本実施形態に密接に関わる一部の機能であり、他の機能を持ってよい。
【0019】
E-UTRAは無線アクセス技術であってよい。またE-UTRAは、UE122とng-eNB100との間のエアインタフェース(air interface)であってよい。UE122とng-eNB100との間のエアインタフェース112をUuインタフェースと呼んでよい。ng-eNB(ng E-UTRAN Node B)100は、E-UTRANの基地局装置であってよい。ng-eNB100は、後述のE-UTRAプロトコルを持ってよい。E-UTRAプロトコルは、後述のE-UTRAユーザプレーン(User Plane:UP)プロトコル、および後述のE-UTRA制御プレーン(Control Plane:CP)プロトコルから構成されてもよい。ng-eNB100は、UE122に対し、E-UTRAユーザプレーンプロトコル、およびE-UTRA制御プレーンプロトコルを終端してよい。eNBで構成される無線アクセスネットワークをE-UTRANと呼んでもよい。
【0020】
NRは無線アクセス技術であってよい。またNRは、UE122とgNB102との間のエアインタフェース(air interface)であってよい。UE122とgNB102との間のエアインタフェース112をUuインタフェースと呼んでよい。gNB(g Node B)102は、NRの基地局装置であってよい。gNB102は、後述のNRプロトコルを持ってよい。NRプロトコルは、後述のNRユーザプレーン(User Plane:UP)プロトコル、および後述のNR制御プレーン(Control Plane:CP)プロトコルから構成されてよい。gNB102は、UE122に対し、NRユーザプレーンプロトコル、およびNR制御プレーンプロトコルを終端してよい。
【0021】
なお、ng-eNB100とgNB102との間のインタフェース110をXnインタフェースと呼んでよい。また、ng-eNB及びgNBは、NGインタフェースと呼ばれるインタフェースを介して5GCと接続してよい(不図示)。5GCはコア網であってよい。一つまたは複数の基地局装置が5GCに対してNGインタフェースを介して接続してよい。
【0022】
Uuインタフェースのみを介して基地局装置に接続できる状態をInside NG-RAN Coverageまたは、In-Coverage(IC)と呼んでもよい。また、Uuインタフェースのみを介して基地局装置に接続できない状態をOutside NG-RAN Coverageまたは、Out-of-Coverage(OoC)と呼んでもよい。UE122とUE122との間のエアインタフェース114をPC5インタフェースと呼んでよい。PC5インタフェースを介して行われるUE122間の通信をサイドリンク(sidelink:SL)通信と呼んでよい。また、サイドリンク通信を行うことができる端末装置を、サイドリンク通信可能な端末装置と称してよい。
【0023】
なお、以下の説明において、ng-eNB100および/またはgNB102を単に基地局装置とも称し、UE122を単に端末装置またはUEとも称する。また、PC5インタフェースを単にPC5とも称し、Uuインタフェースを単にUuとも称する。
【0024】
サイドリンクとは、PC5を介して端末装置間で直接通信を行う技術であり、PC5上のサイドリンク送受信はNG-RANカバレッジの内側、及びNG-RANカバレッジの外側で行われる。
【0025】
NR SL通信は3つの送信モードがあり、ソースレイヤ2識別子(Source Layer-2(L2) ID)及び宛先レイヤ2識別子(Destination Layer-2(L2) ID)のペアで、いずれかの送信モードでSL通信が行われる。ソースレイヤ2識別子、及び宛先レイヤ2識別子はそれぞれソースL2ID、宛先L2IDとも称されてもよい。3つの送信モードは、「ユニキャスト送信(Unicast transmission)」、「グループキャスト送信(Groupcast transmission)」、及び「ブロードキャスト送信(Broadcast transmission)」である。なお、送信モードは、キャストタイプ、等と呼称されてもよい。
【0026】
ユニキャスト送信は、(1)ペアとなるUEとの間に一つのPC5-RRC接続(connection)をサポート、(2)サイドリンクでUE間の制御情報及びユーザトラフィックの送受信、(3)サイドリンクHARQフィードバックのサポート、(4)サイドリンクでの送信電力制御、(5)RLC AMのサポート、(6)PC5-RRC接続のための無線リンク失敗の検出、で特徴付けられる。
【0027】
また、グループキャスト送信は、(1)サイドリンクのグループに属するUE間でユーザトラフィックの送受信、(2)サイドリンクHARQフィードバックのサポート、で特徴付けられる。
【0028】
また、ブロードキャスト送信は、(1)サイドリンクのUE間でユーザトラフィックの送受信、で特徴付けられる。
【0029】
図2及び
図3は本実施形態に係るNRサイドリンク通信におけるプロトコル構成(protocol architecture)の一例の図である。なお
図2および/または
図3を用いて説明する各プロトコルの機能は、本実施形態に密接に関わる一部の機能であり、他の機能を持っていてよい。なお、本実施形態において、サイドリンク(sidelink:SL)とは端末装置と端末装置の間のリンクであってよい。
【0030】
図2(A)はPC5インタフェース上に構成される、RRCを用いたSCCHのための制御プレーン(Control Plane:CP)のプロトコルスタックの図である。
図2(A)に示す通り、RRCを用いたSCCHのための制御プレーンプロトコルスタックは、無線物理層(無線物理レイヤ)であるPHY(Physical layer)200、媒体アクセス制御層(媒体アクセス制御レイヤ)であるMAC(Medium Access Control)202、無線リンク制御層(無線リンク制御レイヤ)であるRLC(Radio Link Control)204、およびパケットデータ収束プロトコル層(パケットデータ収束プロトコルレイヤ)であるPDCP(Packet Data Convergence Protocol)206、および無線リソース制御層(無線リソース制御レイヤ)であるRRC(Radio Resource Control)208から構成されてよい。また、
図2(B)はPC5インタフェース上に構成される、PC5-Sを用いたSCCHのための制御プレーンのプロトコルスタックの図である。
図2(B)に示す通り、PC5-Sを用いたSCCHのための制御プレーンプロトコルスタックは、無線物理層(無線物理レイヤ)であるPHY(Physical layer)200、媒体アクセス制御層(媒体アクセス制御レイヤ)であるMAC(Medium Access Control)202、無線リンク制御層(無線リンク制御レイヤ)であるRLC(Radio Link Control)204、およびパケットデータ収束プロトコル層(パケットデータ収束プロトコルレイヤ)であるPDCP(Packet Data Convergence Protocol)206、およびPC5シグナリング層(PC5シグナリングレイヤ)であるPC5-S(PC5 Signalling)210から構成されてよい。
【0031】
図3(A)はPC5インタフェース上に構成される、SBCCHのための制御プレーンのプロトコルスタックの図である。
図3(A)に示す通り、SBCCHのための制御プレーンプロトコルスタックは、無線物理層(無線物理レイヤ)であるPHY(Physical layer)200、媒体アクセス制御層(媒体アクセス制御レイヤ)であるMAC(Medium Access Control)202、無線リンク制御層(無線リンク制御レイヤ)であるRLC(Radio Link Control)204、および無線リソース制御層(無線リソース制御レイヤ)であるRRC(Radio Resource Control)208から構成されてよい。また、
図3(B)はPC5インタフェース上に構成される、STCHのためのユーザプレーン(User Plane:UP)のプロトコルスタックの図である。
図3(B)に示す通り、STCHのための制御プレーンプロトコルスタックは、無線物理層(無線物理レイヤ)であるPHY(Physical layer)200、媒体アクセス制御層(媒体アクセス制御レイヤ)であるMAC(Medium Access Control)202、無線リンク制御層(無線リンク制御レイヤ)であるRLC(Radio Link Control)204、パケットデータ収束プロトコル層(パケットデータ収束プロトコルレイヤ)であるPDCP(Packet Data Convergence Protocol)206、およびサービスデータ適応プロトコル層(サービスデータ適応プロトコルレイヤ)であるSDAP(Service Data Adaptation Protocol)310から構成されてよい。
【0032】
なおAS(Access Stratum)層とは、PHY200、MAC202、RLC204、PDCP206、SDAP310、およびRRC208の一部または全てを含む層であってよい。また、PC5-S210、および後述するDiscovery400はAS層より上位の層であってよい。
【0033】
なお本実施形態において、PHY(PHY層)、MAC(MAC層)、RLC(RLC層)、PDCP(PDCP層)、SDAP(SDAP層)、RRC(RRC層)、PC5-S(PC5-S層)と言う用語を用いる場合がある。この場合、PHY(PHY層)、MAC(MAC層)、RLC(RLC層)、PDCP(PDCP層)、SDAP(SDAP層)、RRC(RRC層)、PC5-S(PC5-S層)は其々NRサイドリンクプロトコルのPHY(PHY層)、MAC(MAC層)、RLC(RLC層)、PDCP(PDCP層)、SDAP(SDAP層)、RRC(RRC層)、PC5-S(PC5-S層)であってよい。なお、E-UTRAの技術を用いてサイドリンク通信を行う場合、SDAP層はなくてもよい。なお、サイドリンク用のプロトコルであることを明にするために、例えばRLCは、サイドリンクRLC等と表現されてよく、他のプロトコルに関しても、「サイドリンク」や、「SL」、「PC5」を頭に付することでサイドリンク用のプロトコルであることを表現してもよい。
【0034】
また本実施形態において、以下E-UTRAのプロトコルとNRのプロトコルを区別する場合、PHY、MAC、RLC、PDCP、およびRRCを、それぞれE-UTRA用PHYまたはLTE用PHY、E-UTRA用MACまたはLTE用MAC、E-UTRA用RLCまたはLTE用RLC、E-UTRA用PDCPまたはLTE用PDCP、およびE-UTRA用RRCまたはLTE用RRCと呼ぶこともある。またPHY、MAC、RLC、PDCP、およびRRCを、それぞれE-UTRA PHYまたはLTE PHY、E-UTRA MACまたはLTE MAC、E-UTRA RLCまたはLTE RLC、E-UTRA PDCPまたはLTE PDCP、およびE-UTRA RRCまたはLTE RRCなどと記述する場合もある。また、E-UTRAのプロトコル、サイドリンク用のプロトコルとNRのプロトコルを区別する場合、PHY、MAC、RLC、PDCP、RRCを、それぞれNR用PHY、NR用MAC、NR用RLC、NR用RLC、およびNR用RRCと呼ぶこともある。またPHY、MAC、RLC、PDCP、およびRRCを、それぞれNR PHY、NR MAC、NR RLC、NR PDCP、NR RRCなどと記述する場合もある。
【0035】
E-UTRA、NR、および/またはサイドリンクのAS層におけるエンティティ(entity)について説明する。物理層の機能の一部または全てを持つエンティティのことをPHYエンティティと呼んでよい。MAC層の機能の一部または全てを持つエンティティのことをMACエンティティと呼んでよい。RLC層の機能の一部または全てを持つエンティティのことをRLCエンティティと呼んでよい。PDCP層の機能の一部または全てを持つエンティティのことをPDCPエンティティと呼んでよい。SDAP層の機能の一部または全てを持つエンティティのことをSDAPエンティティと呼んでよい。RRC層の機能の一部または全てを持つエンティティのことをRRCエンティティと呼んでよい。PHYエンティティ、MACエンティティ、RLCエンティティ、PDCPエンティティ、SDAPエンティティ、RRCエンティティを、其々PHY、MAC、RLC、PDCP、SDAP、RRCと言い換えてよい。また、AS層における各エンティティは、E-UTRA、NR、および/またはサイドリンクで共通のエンティティであってもよいし、独立したエンティティであってもよい。
【0036】
なお、MAC、RLC、PDCP、SDAPから下位層に提供されるデータ、および/またはMAC、RLC、PDCP、SDAPに下位層から提供されるデータのことを、それぞれMAC PDU(Protocol Data Unit)、RLC PDU、PDCP PDU、SDAP PDUと呼んでよい。また、MAC、RLC、PDCP、SDAPに上位層から提供されるデータ、および/またはMAC、RLC、PDCP、SDAPから上位層に提供するデータのことを、それぞれMAC SDU(Service Data Unit)、RLC SDU、PDCP SDU、SDAP SDUと呼んでよい。また、セグメントされたRLC SDUのことをRLC SDUセグメントと呼んでよい。
【0037】
ここで、基地局装置と端末装置は、Uuインタフェース上で、上位層(上位レイヤ:higher layer)において信号をやり取り(送受信)する。higher layerは、upper layerと称してもよく、互いに換言されてよい。例えば、基地局装置と端末装置は、無線リソース制御(RRC: Radio Resource Control)層において、RRCメッセージ(RRC message、RRC signallingとも称される)を送受信してもよい。また、基地局装置と端末装置は、MAC(Medium Access Control)層において、MACコントロールエレメント(MAC Control Element:MAC CE)を送受信してもよい。また、端末装置のRRC層は、基地局装置から報知されるシステム情報を取得する。ここで、RRCメッセージ、システム情報、および/または、MACコントロールエレメントは、上位層の信号(上位レイヤ信号:higher layer signaling)または上位層のパラメータ(上位レイヤパラメータ:higher layer parameter)とも称される。端末装置が受信した上位レイヤ信号に含まれるパラメータのそれぞれが上位レイヤパラメータと称されてもよい。例えば、PHY層の処理において上位層とは、PHY層から見た上位層を意味するため、MAC層、RRC層、RLC層、PDCP層、NAS(Non Access Stratum)層などの一つまたは複数を意味してよい。例えば、MAC層の処理において上位層とは、RRC層、RLC層、PDCP層、NAS層などの一つまたは複数を意味してよい。
【0038】
また、端末装置同士においても、PC5インタフェース上で、上位層(上位レイヤ:higher layer)において信号をやり取り(送受信)する。端末装置同士は、無線リソース制御(RRC: Radio Resource Control)層において、RRCメッセージ(RRC message、RRC signallingとも称される)を送受信してもよい。また、端末装置同士は、MAC(Medium Access Control)層において、MACコントロールエレメント(MAC Control Element:MAC CE)を送受信してもよい。ここで、RRCメッセージ、および/または、MACコントロールエレメントは、上位層の信号(上位レイヤ信号:higher layer signaling)または上位層のパラメータ(上位レイヤパラメータ:higher layer parameter)とも称される。端末装置が受信した上位レイヤ信号に含まれるパラメータのそれぞれが上位レイヤパラメータと称されてもよい。例えば、PHY層の処理において上位層とは、PHY層から見た上位層を意味するため、MAC層、RRC層、RLC層、PDCP層、PC5-S層、Discovery層などの一つまたは複数を意味してよい。例えば、MAC層の処理において上位層とは、RRC層、RLC層、PDCP層、PC5-S層、Discovery層などの一つまたは複数を意味してよい。
【0039】
以下、「Aは、上位層で与えられる(提供される)」や「Aは、上位層によって与えられる(提供される)」の意味は、端末装置の上位層(主にRRC層やMAC層など)が、基地局装置または他の端末装置からAを受信し、その受信したAが端末装置の上位層から端末装置の物理層に与えられる(提供される)ことを意味してもよい。例えば、端末装置において「上位レイヤパラメータを提供される」とは、基地局装置または他の端末装置から上位レイヤ信号を受信し、受信した上位レイヤ信号に含まれる上位レイヤパラメータが端末装置の上位層から端末装置の物理層に提供されることを意味してもよい。端末装置に上位レイヤパラメータが設定されることは端末装置に対して上位レイヤパラメータが与えられる(提供される)ことを意味してもよい。例えば、端末装置に上位レイヤパラメータが設定されることは、端末装置が基地局装置または他の端末装置から上位レイヤ信号を受信し、受信した上位レイヤパラメータを上位層で設定することを意味してもよい。ただし、端末装置に上位レイヤパラメータが設定されることには、端末装置の上位層に予め与えられているデフォルトパラメータが設定されることを含んでもよい。端末装置から基地局装置または他の端末装置にRRCメッセージを送信することを説明する際に、端末装置のRRCエンティティから下位層(下位レイヤ:lower layer)にメッセージを提出(submit)するという表現を使用する場合がある。端末装置において、RRCエンティティから「下位層にメッセージを提出する」とは、PDCP層にメッセージを提出することを意味してもよい。端末装置において、RRC層から「下位層にメッセージを提出(submit)する」とは、RRCのメッセージは、SRB (SRB0, SRB1, SRB2, SRB3など)を使って送信されるため、それぞれのSRBに対応したPDCPエンティティに提出することを意味してもよい。端末装置のRRCエンティティが下位層から通知(indication)を受ける際、その下位層は、PHY層、MAC層、RLC層、PDCP層、などの一つまたは複数を意味してもよい。
【0040】
PHYの機能の一例について説明する。端末装置のPHYは他の端末装置のPHYと、サイドリンク(sidelink:SL)物理チャネル(Physical Channel)を介して伝送されたデータを送受信する機能を有してよい。PHYは上位のMACと、トランスポートチャネル(Transport Channel)で接続されてよい。PHYはトランスポートチャネルを介してMACにデータを受け渡してよい。またPHYはトランスポートチャネルを介してMACからデータを提供されてよい。PHYにおいて、様々な制御情報を識別するために、RNTI(Radio Network Temporary Identifier)が用いられてよい。
【0041】
ここで、物理チャネルについて説明する。端末装置と他の端末装置との無線通信に用いられる物理チャネルには、以下の物理チャネルが含まれてよい。
【0042】
PSBCH(物理サイドリンク報知チャネル:Physical Sidelink Broadcast CHannel)
PSCCH(物理サイドリンク制御チャネル:Physical Sidelink Control CHannel)
PSSCH(物理サイドリンク共用チャネル:Physical Sidelink Shared CHannel)
PSFCH(物理サイドリンクフィードバックチャネル:Physical Sidelink Feedback CHannel)
【0043】
PSBCHは、端末装置が必要とするシステム情報を報知するために用いられてよい。
【0044】
PSCCHは、PSSCHに関するリソースや他の送信パラメータを示すために用いられてよい。
【0045】
PSSCHは、他の端末装置に対してデータ、およびHARQ/CSIフィードバックに関する制御情報を送信するために用いられてよい。
【0046】
PSFCHは、他の端末装置に対してHARQフィードバックを運搬するために用いられてよい。
【0047】
MACの機能の一例について説明する。MACは、MAC副層(サブレイヤ)と呼ばれてもよい。MACは、多様な論理チャネル(ロジカルチャネル:Logical Channel)を、対応するトランスポートチャネルに対してマッピングを行う機能を持ってよい。論理チャネルは、論理チャネル識別子(Logical Channel Identity、またはLogical Channel ID)によって識別されてよい。MACは上位のRLCと、論理チャネル(ロジカルチャネル)で接続されてよい。論理チャネルは、伝送される情報の種類によって、制御情報を伝送する制御チャネルと、ユーザ情報を伝送するトラフィックチャネルに分けられてよい。MACは、一つまたは複数の異なる論理チャネルに所属するMAC SDUを多重化(multiplexing)して、PHYに提供する機能を持ってよい。またMACは、PHYから提供されたMAC PDUを逆多重化(demultiplexing)し、各MAC SDUが所属する論理チャネルを介して上位レイヤに提供する機能を持ってよい。またMACは、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)を通して誤り訂正を行う機能を持ってよい。またMACは、スケジューリング情報(scheduling information)をレポートする機能を持ってよい。MACは、動的スケジューリングを用いて、端末装置間の優先処理を行う機能を持ってよい。またMACは、一つの端末装置内の論理チャネル間の優先処理を行う機能を持ってよい。MACは、一つの端末装置内でオーバーラップしたリソースの優先処理を行う機能を持ってよい。E-UTRA MACはMultimedia Broadcast Multicast Services(MBMS)を識別する機能を持ってよい。またNR MACは、マルチキャスト/ブロードキャストサービス(Multicast Broadcast Service:MBS)を識別する機能を持ってよい。MACは、トランスポートフォーマットを選択する機能を持ってよい。MACは、間欠受信(DRX:Discontinuous Reception)および/または間欠送信(DTX:Discontinuous Transmission)を行う機能、ランダムアクセス(Random Access:RA)手順を実行する機能、送信可能電力の情報を通知する、パワーヘッドルームレポート(Power Headroom Report:PHR)機能、送信バッファのデータ量情報を通知する、バッファステイタスレポート(Buffer Status Report:BSR)機能、などを持ってよい。NR MACは帯域適応(Bandwidth Adaptation:BA)機能を持ってよい。またE-UTRA MACで用いられるMAC PDUフォーマットとNR MACで用いられるMAC PDUフォーマットは異なってよい。またMAC PDUには、MACにおいて制御を行うための要素である、MAC制御要素(MACコントロールエレメント:MAC CE)が含まれてよい。
【0048】
また、MAC副層はPC5インタフェース上において、サイドリンク送信を行う無線リソースを選択する無線リソース選択(radio resource selection)、サイドリンク通信で受信したパケットのフィルタリング、上りリンクとサイドリンク間での優先処理、サイドリンクチャネル状況情報(Sidelink Channel State Information: Sidelink CSI)の報告、等のサービス及び機能を追加で提供してよい。
【0049】
E-UTRAおよび/またはNRで用いられる、サイドリンク(sidelink:SL)用論理チャネルと、サイドリンク用論理チャネルとトランスポートチャネルのマッピングについて説明する。
【0050】
SBCCH(Sidelink Broadcast Control Channel)は、サイドリンクシステム情報を一つの端末装置から一つまたは複数の端末装置に報知するためのサイドリンク用論理チャネルであってよい。また、SBCCHは、サイドリンクトランスポートチャネルである、SL-BCHにマッピングされてよい。
【0051】
SCCH(Sidelink Control Channel)は、PC5-RRCメッセージやPC5-Sメッセージなどの制御情報を一つの端末装置から一つまたは複数の端末装置に送信するためのサイドリンク用論理チャネルであってよい。また、SCCHは、サイドリンクトランスポートチャネルである、SL-SCHにマッピングされてよい。
【0052】
STCH(Sidelink Traffic Control Channel)は、ユーザ情報を一つの端末装置から一つまたは複数の端末装置に送信するためのサイドリンク用論理チャネルであってよい。また、STCHは、サイドリンクトランスポートチャネルである、SL-SCHにマッピングされてよい。
【0053】
RLCの機能の一例について説明する。RLCは、RLC副層(サブレイヤ)と呼ばれてもよい。E-UTRA RLCは、上位レイヤのPDCPから提供されたデータを、分割(Segmentation)および/または結合(Concatenation)し、下位層(下位レイヤ)に提供する機能を持ってよい。E-UTRA RLCは、下位レイヤから提供されたデータに対し、再組立て(reassembly)およびリオーダリング(re-ordering)を行い、上位レイヤに提供する機能を持ってよい。NR RLCは、上位レイヤのPDCPから提供されたデータに、PDCPで付加されたシーケンス番号とは独立したシーケンス番号を付加する機能を持ってよい。またNR RLCは、PDCPから提供されたデータを分割(Segmentation)し、下位レイヤに提供する機能を持ってよい。またNR RLCは、下位レイヤから提供されたデータに対し、再組立て(reassembly)を行い、上位レイヤに提供する機能を持ってよい。またRLCは、データの再送機能および/または再送要求機能(Automatic Repeat reQuest:ARQ)を持ってよい。またRLCは、ARQによりエラー訂正を行う機能を持ってよい。ARQを行うために、RLCの受信側から送信側に送られる、再送が必要なデータを示す制御情報を、ステータスレポートと言ってよい。またRLCの送信側から受信側に送られる、ステータスレポート送信指示のことをポール(poll)と言ってよい。またRLCは、データ重複の検出を行う機能を持ってよい。またRLCはデータ破棄の機能を持ってよい。RLCには、トランスパレントモード(TM:Transparent Mode)、非応答モード(UM:Unacknowledged Mode)、応答モード(AM:Acknowledged Mode)の3つのモードがあってよい。TMでは上位層から受信したデータの分割は行わず、RLCヘッダの付加は行わなくてよい。TM RLCエンティティは単方向(uni-directional)のエンティティであって、送信(transmitting)TM RLCエンティティとして、または受信(receiving)TM RLCエンティティとして設定されてよい。UMでは上位層から受信したデータの分割および/または結合、RLCヘッダの付加等は行うが、データの再送制御は行わなくてよい。UM RLCエンティティは単方向のエンティティであってもよいし双方向(bi-directional)のエンティティであってもよい。UM RLCエンティティが単方向のエンティティである場合、UM RLCエンティティは送信UM RLCエンティティとして、または受信UM RLCエンティティとして設定されてよい。UM RLCエンティティが双方向のエンティティである場合、UM RRCエンティティは送信(transmitting)サイドおよび受信(receiving)サイドから構成されるUM RLCエンティティとして設定されてよい。AMでは上位層から受信したデータの分割および/または結合、RLCヘッダの付加、データの再送制御等を行ってよい。AM RLCエンティティは双方向のエンティティであって、送信(transmitting)サイドおよび受信(receiving)サイドから構成されるAM RLCとして設定されてよい。なお、TMで下位層に提供するデータ、および/または下位層から提供されるデータのことをTMD PDUと呼んでよい。またUMで下位層に提供するデータ、および/または下位層から提供されるデータのことをUMD PDUと呼んでよい。またAMで下位層に提供するデータ、または下位層から提供されるデータのことをAMD PDUと呼んでよい。E-UTRA RLCで用いられるRLC PDUフォーマットとNR RLCで用いられるRLC PDUフォーマットは異なってよい。またRLC PDUには、データ用RLC PDUと制御用RLC PDUがあってよい。データ用RLC PDUを、RLC DATA PDU(RLC Data PDU、RLCデータPDU)と呼んでよい。また制御用RLC PDUを、RLC CONTROL PDU(RLC Control PDU、RLCコントロールPDU、RLC制御PDU)と呼んでよい。
【0054】
なお、サイドリンクにおいて、TMはSBCCHのために使用されてよく、グループキャスト送信とブロードキャスト送信においてはUMのみが使用され、ユニキャスト送信ではUM及びAMが使用可能である。また、サイドリンクにおいて、グループキャスト送信とブロードキャスト送信におけるUMは、単方向送信のみをサポートする。
【0055】
PDCPの機能の一例について説明する。PDCPは、PDCP副層(サブレイヤ)と呼ばれてよい。PDCPは、シーケンス番号のメンテナンスを行う機能を持ってよい。またPDCPは、IPパケット(IP Packet)や、イーサネットフレーム等のユーザデータを無線区間で効率的に伝送するための、ヘッダ圧縮・解凍機能を持ってもよい。IPパケットのヘッダ圧縮・解凍に用いられるプロトコルをROHC(Robust Header Compression)プロトコルと呼んでよい。またイーサネットフレームヘッダ圧縮・解凍に用いられるプロトコルをEHC(Ethernet(登録商標) Header Compression)プロトコルと呼んでよい。また、PDCPは、データの暗号化・復号化の機能を持ってもよい。また、PDCPは、データの完全性保護・完全性検証の機能を持ってもよい。またPDCPは、リオーダリング(re-ordering)の機能を持ってよい。またPDCPは、PDCP SDUの再送機能を持ってよい。またPDCPは、破棄タイマー(discard timer)を用いたデータ破棄を行う機能を持ってよい。またPDCPは、複製(Duplication)機能を持ってよい。またPDCPは、重複受信したデータを破棄する機能を持ってよい。PDCPエンティティは双方向のエンティティであって、送信(transmitting)PDCPエンティティ、および受信(receiving)PDCPエンティティから構成されてよい。またE-UTRA PDCPで用いられるPDCP PDUフォーマットとNR PDCPで用いられるPDCP PDUフォーマットは異なってよい。またPDCP PDUには、データ用PDCP PDUと制御用PDCP PDUがあってよい。データ用PDCP PDUを、PDCP DATA PDU(PDCP Data PDU、PDCPデータPDU)と呼んでよい。また制御用PDCP PDUを、PDCP CONTROL PDU(PDCP Control PDU、PDCPコントロールPDU、PDCP制御PDU)と呼んでよい。
【0056】
なお、サイドリンクにおいては、PDCPの機能とサービスに関して以下の制限が存在する。
(1)アウトオブオーダー(Out-of-order)配送はユニキャスト送信のみでサポートされてよい。
(2)PC5インタフェース上での複製(Duplication)はサポートされない。
【0057】
SDAPの機能の一例について説明する。SDAPは、サービスデータ適応プロトコル層(サービスデータ適応プロトコルレイヤ)である。サイドリンクにおいて、SDAPは、端末装置から他の端末装置に送られるサイドリンクのQoSフローとサイドリンクデータ無線ベアラ(DRB)との対応付け(マッピング:mapping)を行う機能を持ってよい。またSDAPはマッピングルール情報を格納する機能を持ってよい。またSDAPはQoSフロー識別子(QoS Flow ID:QFI)のマーキングを行う機能を持ってよい。なお、SDAP PDUには、データ用SDAP PDUと制御用SDAP PDUがあってよい。データ用SDAP PDUをSDAP DATA PDU(SDAP Data PDU、SDAPデータPDU)と呼んでよい。また制御用SDAP PDUをSDAP CONTROL PDU(SDAP Control PDU、SDAPコントロールPDU、SDAP制御PDU)と呼んでよい。なおサイドリンクにおいて端末装置のSDAPエンティティは、宛先(destination)に関連付けられるユニキャスト送信、グループキャスト送信、およびブロードキャスト送信のうち何れかに対して宛先ごとに一つ存在してよい。また、PC5インタフェース上ではリフレクティブQoSはサポートされない。
【0058】
RRCの機能の一例について説明する。RRCは、PC5インタフェース上において、ピアUE間のPC5-RRCメッセージの転送、2UE間のPC5-RRC接続のメンテナンス及び解放、PC5-RRC接続のためのサイドリンク無線リンク失敗の検出、のようなサービス及び機能をサポートしてよい。PC5-RRC接続は、ソースL2IDと宛先L2IDのペアに対応する2UE間の論理接続であって、対応するPC5ユニキャストリンクが確立された後で確立されると見なされる。また、PC5-RRC接続とPC5ユニキャストリンクは1対1(one-to-one)の対応がある。またUEは、ソースL2IDと宛先L2IDの異なる複数のペア(different pairs)のために一つまたは複数のUEに対して複数のPC5-RRC接続を持ってよい。個別のPC5-RRC手順とメッセージは、UEが、UE能力(capability)とサイドリンク設定(configuration)をピアUEに転送するために使用されてよい。また、両方のピアUEは個別の双方向手順を用いて互いに自身のUE能力及びサイドリンク設定を交換してよい。サイドリンク送信に興味がない場合、PC5-RRC接続に対してサイドリンク無線リンク失敗が検出された場合、およびレイヤ2リンク解放手順が完了した場合、UEはPC5-RRC接続を解放する。
【0059】
サイドリンク送信を行うUEは、PSCCHと、PSSCHを関連付けて送信してよい。なお、サイドリンク送信は、サイドリンク用の物理チャネル(PSBCH、PSSCH、PSCCHなど)を介して信号および、またはデータ(メッセージ)を送信することであってもよいし、サイドリンク受信はサイドリンク用の物理チャネルを介して信号および、またはデータ(メッセージ)を受信することであってもよい。また、サイドリンク送信及びサイドリンク受信を用いた通信をサイドリンク通信と称してもよい。UEは、前記信号に基づいて前記データ(メッセージ)を認識してもよい。各PSSCH送信は、あるPSCCH(a PSCCH)送信に関連付けられてよい。PSCCH送信は、PSSCH送信に関連付けられた第1のSCI(1st stage of the SCI)を運搬(carry)し、第2のSCI(2nd stage of the SCI)は前記PSSCH(the PSSCH)のリソース内で運搬されてよい。なお、PSCCH送信は第1のSCIを含んでよく、PSSCH送信は第2のSCIを含んでよい。また、PSCCH送信及びPSSCH送信はサイドリンク送信と称されてよいし、SCIはサイドリンク制御情報(Sidelink Control Information)であってよい。第1のSCIは、SCIフォーマット1-A(SCI format 1-A)と呼ばれる形式で情報を含んでよく、前記PSSCH及び前記PSSCH上の第2のSCIのスケジューリングのために使用されてよい。SCIフォーマット1-Aは、データの優先度、前記PSSCHが送信される周波数リソース及び時間リソース、リソース予約期間、DMRSの配置パターン、第2のSCIの形式、ベータオフセットの指示値、DMRSポートの数、変調及びコーディングのスキームを示す情報、等の情報が含まれてよく、その他の情報が含まれてもよい。また、PSSCH上で運搬されるSCIは第2のSCIであってよく、第2のSCIはサイドリンクスケジュ―リング情報及び、またはUE間調整(inter-UE coordination)関連の情報を輸送(transport)してよい。第2のSCIはSCIフォーマット2-A、SCIフォーマット2-B、またはSCIフォーマット2-C等と呼称される形式で情報を含んでよい。SCIフォーマット2-A、SCIフォーマット2-B、及びSCIフォーマット2-Cは、HARQプロセス関連情報、新しいデータかどうかを示す情報、リダンダンシーバージョン、ソースUEを識別するソースID、宛先UEを識別する宛先ID、HARQフィードバックが可能か否かを示す情報等の情報を含んでよい。また、SCIフォーマット2-Aは、追加でキャストタイプを示す情報、チャネル状態情報(CSI: Channel State Information)を要求するか否かを示す情報を含んでよい。また、SCIフォーマット2-Bは、追加でゾーンを示す識別子、通信範囲に関する要求情報を含んでよい。また、SCIフォーマット2-Cは、追加でチャネル状態情報を要求するか否かを示す情報、UE間調整情報を提供するか要求するかを示す情報を含んでよい。SCIフォーマット2-CにUE間調整情報を提供する情報が含まれている場合、SCIフォーマット2-Cは、追加でリソースの組み合わせを示す情報、最初のリソース位置を示す情報、参照スロットの位置情報、リソースセットのタイプを示す情報、最低(lowest)サブチャネルインデックス、等の情報を含んでよい。SCIフォーマット2-CにUE間調整情報を要求する情報が含まれている場合、SCIフォーマット2-Cは、追加で優先度、サブチャネル数、リソース予約間隔、リソース選択期間(resource selection window)の位置、リソースセットのタイプを示す情報、等の情報を含んでよい。なお、各SCIフォーマットは、上述した情報以外の情報を含んでもよい。
【0060】
次に、PSSCHを受信するUEの手順について説明する。UEは、PSCCH上のSCIフォーマット1-Aを検出すると、検出されたSCIフォーマット2-AまたはSCIフォーマット2-B、および上位レイヤによって設定された、関連付けられたPSSCHリソースの設定に従ってPSSCHをデコード出来る。なお、UEは、各PSCCHリソース候補において、1つより多くのPSCCHをデコードする必要はない。また、UEは、SCIフォーマット1-Aで示される変調及びコーディングのスキームをサポートしていない場合、対応するSCIフォーマット2-A及びSCIフォーマット2-B、及びSCIフォーマット1-Aに関連付けられたPSSCHをデコードする必要はない。
【0061】
またUEは、上位(RRC)レイヤで、センシング操作中のL1 RSRP測定のために使用されるDMRSが、PSCCHのDMRSかPSSCHのDMRSかを示すパラメータに、PSSCHが設定されていた場合、受信したSCIフォーマット1-Aに関連するPSSCHのためのDMRSリソース要素より、PSSCH RSRPを測定し、PSCCHが設定されていた場合、受信したSCIフォーマット1-Aに関連するPSCCHのためのDMRSリソース要素より、PSCCH RSRPを測定してよい。
【0062】
サイドリンク通信が可能な端末装置はディスカバリーを行ってよい。ディスカバリーには、Model A及びModel Bが存在してよい。
図4にディスカバリー手順におけるプロトコルスタックを記載する。Mode Aは単一のディスカバリープロトコルメッセージを使用し、Model Bは2つのディスカバリープロトコルメッセージを使用してよい。Model Aにおける単一のディスカバリープロトコルメッセージはアナウンス(Announcement)メッセージであってよく、Model Bにおけるディスカバリープロトコルメッセージは勧誘(Solicitation)メッセージと応答(Response)メッセージであってよい。なお、アナウンスメッセージ、勧誘メッセージおよび応答メッセージを総称してディスカバリーメッセージと称してもよく、ディスカバリー手順で使用されるその他の名称のメッセージをディスカバリーメッセージと称してもよい。以下に、ProSe Direct DiscoveryにおけるModel A及びModel Bの手順の概略を示す。
【0063】
Model Aにおいて、アナウンスメッセージを送信するUEを、アナウンスUE(Announcing UE)と称してもよく、アナウンスメッセージを監視するUEを、監視UE(Monitoring UE)と称してもよい。アナウンスメッセージには、ディスカバリーメッセージのタイプ、ProSe Application CodeかProSe Restricted Code、セキュリティ保護要素(security protection element)などの情報が含まれてよく、追加でメタデータ情報が含まれてもよい。アナウンスメッセージは宛先L2ID(Destination Layer-2 ID)とソースL2ID(Source Layer-2 ID)を用いて送信され、監視UEはアナウンスメッセージを受信するために宛先L2IDを決定する。なお、宛先L2IDは宛先UEのレイヤ2(Layer-2)識別子であってよく、ソースL2IDはソースUEのレイヤ2識別子であってよい。宛先UEは、単に宛先と呼称されてもよい。
【0064】
Model Bにおいて、勧誘メッセージを送信するUEを発見者(discoverer)UEと称してもよく、勧誘メッセージを受信するUE、及び、または応答メッセージを発見者UEに送信するUEを、被発見者(discoveree)UEと称してよい。勧誘メッセージには、ディスカバリーメッセージのタイプ、ProSe Query Code、セキュリティ保護要素といった情報が含まれてよい。勧誘メッセージは宛先L2IDとソースL2IDを用いて送信され、被発見者UEは勧誘メッセージを受信するために宛先L2IDを決定する。また、勧誘メッセージに対して応答する被発見者UEは、応答メッセージを送信する。応答メッセージには、ディスカバリーメッセージのタイプ、ProSe Response Code、セキュリティ保護要素(security protection element)がといった情報が含まれてよく、追加でメタデータ情報が含まれてもよい。応答メッセージはソースL2IDを用いて送信され、宛先L2IDは受信した勧誘メッセージのソースL2IDにセットされる。
【0065】
ディスカバリーには、他のUEと直接通信を行うために他のUEを発見するProSe Direct Discovery以外のタイプが存在してもよく、サイドリンクを用いた、グループ内の通信を行うために一つまたは複数のUEを発見するGroup member Discovery、リレーUEを経由してネットワークに接続するために候補リレーUEを発見する5G ProSe UE-to-Network Relay Discovery等が存在してもよい。なお、上述したディスカバリーはProSeと呼ばれるアプリケーションによって提供されるディスカバリーの例だが、上述したタイプ以外にも、サイドリンク通信を行うアプリケーションまたはサービスに応じて異なるタイプのディスカバリーが存在してよい。また、ディスカバリーのタイプに応じてディスカバリープロトコルメッセージに含まれる情報が異なってもよいし、追加の情報を送信するために追加のメッセージが送信されてもよい。
【0066】
図4は、本実施形態に係るディスカバリープロトコルを含むプロトコル構成の一例の図である。
図4に示す通り、ディスカバリープロトコルを含む、ディスカバリープレーンのプロトコルスタックは、無線物理層(無線物理レイヤ)であるPHY(Physical layer)200、媒体アクセス制御層(媒体アクセス制御レイヤ)であるMAC(Medium Access Control)202、無線リンク制御層(無線リンク制御レイヤ)であるRLC(Radio Link Control)204、パケットデータ収束プロトコル層(パケットデータ収束プロトコルレイヤ)であるPDCP(Packet Data Convergence Protocol)206、およびディスカバリープロトコル層(ディスカバリープロトコルレイヤ)であるDiscovery400から構成されてよい。Discovery400はディスカバリーに関する手順を処理するために使用されるプロトコルであってよい。また、ディスカバリーを行うUE間のインタフェースを、PC5-Dと称してよい。
【0067】
ディスカバリーに関する手順で使用されるメッセージ(ディスカバリーメッセージ)を送信するためのリソースプール(resource pool)は複数設定されてもよく、また、ディスカバリー専用に一つまたは複数のリソースプールが設定されてもよい。UEは、ディスカバリー専用のリソースプールが設定されている場合、ディスカバリーメッセージを送信するためのリソースプールにディスカバリー専用のリソースプールを使用し、ディスカバリー専用のリソースプールが設定されていない場合、ディスカバリーメッセージを送信するためのリソースプールに、サイドリンク通信用のリソースプールを使用してもよい。なお、サイドリンク通信用のリソースプールと、ディスカバリー専用のリソースプールは同時に複数設定されてもよい。各リソースプールは、UE専用シグナリングで設定されてもよいし、事前に設定されてもよい。
【0068】
ユニキャストの各PC5-RRC接続において、サイドリンク用シグナリング無線ベアラ(SRB)が設定されてよい。PC5-Sセキュリティが確立される以前にPC5-Sメッセージを送信するために使用されるサイドリンク用SRBを、SL-SRB0と称してよい。また、PC5-Sセキュリティを確立するためのPC5-Sメッセージを送信するために使用されるサイドリンク用SRBを、SL-SRB1と称してよい。また、PC5-Sセキュリティが確立された後で、保護された(protected)PC5-Sメッセージを送信するために使用されるサイドリンク用SRBを、SL-SRB2と称してよい。また、PC5-Sセキュリティが確立された後で、保護されたPC5-RRCシグナリングを送信するために使用されるサイドリンク用SRBを、SL-SRB3と称してよい。また、NRにおけるディスカバリーメッセージを送信するため及び、または受信するために使用されるサイドリンク用SRBを、SL-SRB4と称してよい。なお、PC5-RRCシグナリングは、PC5上で送受信される、UE間のRRCシグナリングであってよい。なお、PC5-RRCシグナリングは、PC5-RRCメッセージなどと称されてよい。
【0069】
ここで、UE-to-Network(U2N)リレーについて説明する。U2Nリレーは、リモート端末装置(Remote UE)に対してネットワークへの接続性を提供する機能であって良い。U2Nリレーを用いてネットワークに接続するリモート端末装置は、U2N Remote UEと称されてもよい。また、U2N Remote UEに対してネットワークへの接続性を提供する端末装置は、U2Nリレー端末装置(Relay UE)、又は単にリレー端末装置(Relay UE)と称されてよい。U2N Relay UEは、基地局装置との通信にUuインタフェースを使用してよいし、U2N Remote UEとの通信にPC5インタフェースを使用してもよい。また、U2Nリレーにはレイヤ2(L2)U2Nリレー及びレイヤ3(L3)U2Nリレー等の種類があってよい。L2 U2Nリレーにおけるリモート端末装置を、特にL2 U2N Remote UEと称してよいし、L2 U2Nリレーにおけるリレー端末装置を、特にL2 U2N Relay UEと称してよい。また、L2 U2Nリレーにおいて、サイドリンクリレー適応プロトコル(SRAP: Sidelink Relay Adaptation Protocol)層が存在してよい。
【0070】
図9は、本実施形態に係るSRAP層(SRAP900)を含む、L2 U2Nリレーの制御プレーン(C-plane)のプロトコル構成の一例の図である。また、
図10は、本実施形態に係るSRAP層を含む、L2 U2Nリレーのユーザプレーン(U-plane)のプロトコル構成の一例の図である。
図9及び
図10に示す通り、SRAP層はRemote UEとRelay UEの間で関連付けられてよく、また、Relay UEとgNB102間で関連付けられてよい。なお、
図9及び
図10に示すgNB102は、ng-eNB100であってもよい。また、Remote UEまたはRelay UEは、UE122であってよい。また、Relay UEはUE122と同じ構成であってもよい。
【0071】
ここで、SRAP層について説明する。SRAP層はSRAP副層、あるいは単にSRAPと呼ばれてもよい。SRAP副層はPC5インタフェース及びUuインタフェースの両方の制御プレーン及びユーザプレーンのためのRLC副層の上位に存在してよい。PC5上のSRAP副層はベアラマッピングの目的で使用されてよい。L2 U2N Relay UEにおいて、SRAP副層はUuインタフェース上に一つのSRAPエンティティを含み、PC5インタフェース上に分離されて配置された(separate collocated)SRAPエンティティを含んでよい。L2 U2N Remote UEにおいて、SRAP副層はPC5インタフェース上に一つのみSRAPエンティティを含んでよい。PC5インタフェースを介してRemote UEとRelay UE間で関連付けられたSRAPエンティティを、特にPC5-SRAPと称してよいし、Uuを介してRelay UEとgNB間で関連付けられたSRAPエンティティを、特にUu-SRAPと称してよい。各SRAPエンティティは送信部と受信部を持ってよい。PC5インタフェース上において、L2 U2N Remote UEのSRAPエンティティの送信部は、L2 U2N Relay UEのSRAPエンティティの受信部と関連付けられてよく、L2 U2N Remote UEのSRAPエンティティの受信部は、L2 U2N Relay UEのSRAPエンティティの送信部と関連付けられてよい。また、Uuインタフェース上において、L2 U2N Relay UEのSRAPエンティティの送信部は、gNB102のSRAPエンティティの受信部と関連付けられてよく、L2 U2N Relay UEのSRAPエンティティの受信部は、gNB102のSRAPエンティティの送信部と関連付けられてよい。
【0072】
また、SRAPエンティティは、データを転送する機能、データパケットに付加するSRAPヘッダのUE IDフィールド及びベアラIDフィールドを決定する機能、出口リンクを決定する機能、出口RLCチャネルを決定する機能を持ってよい。
【0073】
また、
図9及び
図10において、Remote UEとRelay UEの間にPC5 Relay RLCチャネルが設定されてよく、Relay UEとgNB102の間にUu Relay RLCチャネルが設定されてよい。
【0074】
次に、基地局装置と端末装置との間で用いられるプロトコル構成について説明する。リレー端末装置と基地局装置との間のUuインタフェースで行われる通信及び、リレー端末装置を介して、リモート端末装置と基地局装置の間で行われる通信において、基地局装置と端末装置との間で用いられるプロトコルが使用されてよい。なお、リレー端末装置を介して、リモート端末装置と基地局装置の間で行われる通信においては一部のプロトコルがリモート端末装置と基地局装置の間で関連付けられなくてもよい。
【0075】
図11は本実施形態に係るNRプロトコル構成の一例の図である。
図11を用いて説明する各プロトコルの機能は、本実施形態に密接に関わる一部の機能であり、他の機能を持っていてよい。なお、本実施形態において、上りリンク(uplink:UL)とは端末装置から基地局装置へのリンクであってよい。また本実施形態において、下りリンク(downlink:DL)とは基地局装置から端末装置へのリンクであってよい。
【0076】
図11(A)はNR制御プレーン(CP)プロトコルスタックの図である。
図11(A)に示す通り、NR CPプロトコルは、UE122とgNB102の間のプロトコルであってよい。即ちNR CPプロトコルは、ネットワーク側ではgNB102で終端するプロトコルであってよい。
図11(A)に示す通り、NR制御プレーンプロトコルスタックは、無線物理層(無線物理レイヤ)であるPHY(Physical layer)1100、媒体アクセス制御層(媒体アクセス制御レイヤ)であるMAC(Medium Access Control)1102、無線リンク制御層(無線リンク制御レイヤ)であるRLC1104、パケットデータ収束プロトコル層(パケットデータ収束プロトコルレイヤ)である、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)1106、および無線リソース制御層(無線リソース制御レイヤ)であるRRC(Radio Resource Control)1108から構成されてよい。また、
図11(B)はNRユーザプレーン(UP)プロトコルスタックの図である。
図11(B)に示す通り、NR UPプロトコルは、UE122とgNB102の間のプロトコルであってよい。即ちNR UPプロトコルは、ネットワーク側ではgNB102で終端するプロトコルであってよい。
図11(B)に示す通り、NRユーザプレーンプロトコルスタックは、無線物理層であるPHY1100、媒体アクセス制御層であるMAC1102、無線リンク制御層であるRLC1104、パケットデータ収束プロトコル層である、PDCP1106、およびサービスデータ適応プロトコル層(サービスデータ適応プロトコルレイヤ)であるSDAP(Service Data Adaptation Protocol)1110であるから構成されてよい。
【0077】
なおAS(Access Stratum)層とは、UE122とgNB102との間で終端する層であってよい。即ちAS層とは、PHY1100、MAC1102、RLC1104、PDCP1106、およびRRC1108の一部または全てを含む層であってよい。また、gNB102は、ng-eNB100であってもよい。また、NRプロトコルのみを示したが、E-UTRAプロトコルを使用してもよい。E-UTRAプロトコルにおいて、SDAP1110は存在しなくてよく、E-UTRAプロトコルは、NRプロトコルとは一部異なる機能を持ってよい。
【0078】
PHYの機能の一例について説明する。端末装置のPHYは基地局装置のPHYから、下りリンク(Downlink:DL)物理チャネル(Physical Channel)を介して伝送されたデータを受信する機能を有してよい。端末装置のPHYは基地局装置のPHYに対し、上りリンク(Uplink:UL)物理チャネルを介してデータを送信する機能を有してよい。PHYは上位のMACと、トランスポートチャネル(Transport Channel)で接続されてよい。PHYはトランスポートチャネルを介してMACにデータを受け渡してよい。またPHYはトランスポートチャネルを介してMACからデータを提供されてよい。PHYにおいて、様々な制御情報を識別するために、RNTI(Radio Network Temporary Identifier)が用いられてよい。
【0079】
ここで、物理チャネルについて説明する。端末装置と基地局装置との無線通信に用いられる物理チャネルには、以下の物理チャネルが含まれてよい。
【0080】
PBCH(物理報知チャネル:Physical Broadcast CHannel)
PDCCH(物理下りリンク制御チャネル:Physical Downlink Control CHannel)
PDSCH(物理下りリンク共用チャネル:Physical Downlink Shared CHannel)
PUCCH(物理上りリンク制御チャネル:Physical Uplink Control CHannel)
PUSCH(物理上りリンク共用チャネル:Physical Uplink Shared CHannel)
PRACH(物理ランダムアクセスチャネル:Physical Random Access CHannel)
【0081】
PBCHは、端末装置が必要とするシステム情報を報知するために用いられてよい。
【0082】
また、NRにおいて、PBCHは、同期信号のブロック(Synchronization Signal Block:SSB)の周期内の時間インデックス(SSB-Index)を報知するために用いられてよい。
【0083】
PDCCHは、下りリンクの無線通信(基地局装置から端末装置への無線通信)において、下りリンク制御情報(Downlink Control Information:DCI)を送信する(または運ぶ)ために用いられてよい。ここで、下りリンク制御情報の送信に対して、一つまたは複数のDCI(DCIフォーマットと称してもよい)が定義されてよい。すなわち、下りリンク制御情報に対するフィールドがDCIとして定義され、情報ビットへマップされてよい。PDCCHは、PDCCH候補(candidate)において送信されてよい。端末装置は、サービングセルにおいてPDCCH候補のセットをモニタしてよい。PDCCH候補のセットをモニタするとは、あるDCIフォーマットに応じてPDCCHのデコードを試みることを意味してよい。また、端末装置は、サーチスペース設定によって設定された、一つまたは複数の設定された制御リソースセット(CORESET: Control Resource Set)内の設定されたモニタ機会(monitoring occasions)において、PDCCH候補をモニタしてよい。DCIフォーマットは、サービングセルにおけるPUSCHのスケジューリングのために用いられてもよい。PUSCHは、ユーザデータの送信や、後述するRRCメッセージの送信などのために使われてよい。
【0084】
上位層(RRC層)によって提供される設定(configuration)によって明示的にリンクされた二つのサーチスペースセットを用いることによって、PDCCH繰り返し(PDCCH repetition)がオペレートされてよい。またリンクされた二つのサーチスペースセットは、対応するCORESET(corresponding CORESET)に関連付けられてよい。PDCCH繰り返しのために、リンクされた二つのサーチスペースセットは、同じ数のPDCCH候補とともに端末装置に設定されてよい。リンクされた二つのサーチスペースセットに存在する二つのPDCCH候補は同じ候補インデックスによってリンクされてよい。PDCCH繰り返しが端末装置にスケジュールされるとき、スロット内繰り返し(inter-slot repetition)が許可されてよく、各繰り返しは、同じ数の制御チャネル要素(Control Channel Elements:CCEs)と符号化ビット(coded bits)、および同じDCIペイロードを持ってよい。
【0085】
PUCCHは、上りリンクの無線通信(端末装置から基地局装置への無線通信)において、上りリンク制御情報(Uplink Control Information:UCI)を送信するために用いられてよい。ここで、上りリンク制御情報には、下りリンクのチャネルの状態を示すために用いられるチャネル状態情報(CSI:Channel State Information)が含まれてもよい。また、上りリンク制御情報には、UL-SCH(UL-SCH:Uplink Shared CHannel)リソースを要求するために用いられるスケジューリング要求(SR:Scheduling Request)が含まれてもよい。また、上りリンク制御情報には、HARQ-ACK(Hybrid Automatic Repeat reQuest ACKnowledgement)が含まれてもよい。
【0086】
PDSCHは、MAC層からの下りリンクデータ(DL-SCH:Downlink Shared CHannel)の送信に用いられてよい。またPDSCHは、下りリンクの場合にはシステム情報(SI:System Information)やランダムアクセス応答(RAR:Random Access Response)などの送信に用いられてよい。
【0087】
PUSCHは、MAC層からの上りリンクデータ(UL-SCH:Uplink Shared CHannel)または上りリンクデータと共にHARQ-ACKおよび/またはCSIを送信するために用いられてもよい。またPUSCHは、CSIのみ、または、HARQ-ACKおよびCSIのみを送信するために用いられてもよい。すなわちPUSCHは、UCIのみを送信するために用いられてもよい。また、PDSCHまたはPUSCHは、RRCメッセージ、および後述するMAC CEを送信するために用いられてもよい。ここで、PDSCHにおいて、基地局装置から送信されるRRCメッセージは、セル内における複数の端末装置に対して共通のシグナリングであってもよい。また、基地局装置から送信されるRRCメッセージは、ある端末装置に対して専用のシグナリング(dedicated signaling)であってもよい。すなわち、端末装置固有(UE specific)の情報は、ある端末装置に対して専用のシグナリングを用いて送信されてもよい。また、PUSCHは、上りリンクにおいてUEの能力(UE Capability)の送信に用いられてもよい。
【0088】
PRACHは、ランダムアクセスプリアンブルを送信するために用いられてもよい。PRACHは、初期コネクション確立(initial connection establishment)プロシージャ、ハンドオーバプロシージャ、コネクション再確立(connection re-establishment)プロシージャ、上りリンク送信に対する同期(タイミング調整)、およびUL-SCHリソースの要求を示すために用いられてもよい。
【0089】
E-UTRAおよび/またはNRで用いられる、上りリンク(UL:Uplink)、および/または下りリンク(DL:Downlink)用論理チャネルについて説明する。
【0090】
BCCH(Broadcast Control Channel)は、システム情報(SI:System Information)等の、制御情報を報知(broadcast)するための下りリンク論理チャネルであってよい。
【0091】
PCCH(Paging Control Channel)は、ページング(Paging)メッセージを運ぶための下りリンク論理チャネルであってよい。
【0092】
CCCH(Common Control Channel)は、端末装置と基地局装置との間で制御情報を送信するための論理チャネルであってよい。CCCHは、端末装置が、RRC接続を有しない場合に用いられてよい。またCCCHは基地局装置と複数の端末装置との間で使われてよい。
【0093】
DCCH(Dedicated Control Channel)は、端末装置と基地局装置との間で、1対1(point-to-point)の双方向(bi-directional)で、専用制御情報を送信するための論理チャネルであってよい。専用制御情報とは、各端末装置専用の制御情報であってよい。DCCHは、端末装置が、RRC接続を有する場合に用いられてよい。
【0094】
DTCH(Dedicated Traffic Channel)は、端末装置と基地局装置との間で、1対1(point-to-point)で、ユーザデータを送信するための論理チャネルであってよい。DTCHは専用ユーザデータを送信するための論理チャネルであってよい。専用ユーザデータとは、各端末装置専用のユーザデータであってよい。DTCHは上りリンク、下りリンク両方に存在してよい。
【0095】
E-UTRAおよび/またはNRにおける上りリンクの、論理チャネルとトランスポートチャネルのマッピングについて説明する。
【0096】
CCCHは、上りリンクトランスポートチャネルである、UL-SCH(Uplink Shared Channel)にマップされてよい。
【0097】
DCCHは、上りリンクトランスポートチャネルである、UL-SCH(Uplink Shared Channel)にマップされてよい。
【0098】
DTCHは、上りリンクトランスポートチャネルである、UL-SCH(Uplink Shared Channel)にマップされてよい。
【0099】
E-UTRAおよび/またはNRにおける下りリンクの、論理チャネルとトランスポートチャネルのマッピングについて説明する。
【0100】
BCCHは、下りリンクトランスポートチャネルであるBCH(Broadcast Channel)、および/またはDL-SCH(Downlink Shared Channel)にマップされてよい。
【0101】
PCCHは、下りリンクトランスポートチャネルであるPCH(Paging Channel)にマップされてよい。
【0102】
CCCHは、下りリンクトランスポートチャネルであるDL-SCH(Downlink Shared Channel)にマップされてよい。
【0103】
DCCHは、下りリンクトランスポートチャネルであるDL-SCH(Downlink Shared Channel)にマップされてよい。
【0104】
DTCHは、下りリンクトランスポートチャネルであるDL-SCH(Downlink Shared Channel)にマップされてよい。
【0105】
SDAPの機能の一例について説明する。SDAPは、サービスデータ適応プロトコル層(サービスデータ適応プロトコルレイヤ)である。SDAPは、5GCから基地局装置を介して端末装置に送られるダウンリンクのQoSフローとデータ無線ベアラ(DRB)との対応付け(マッピング:mapping)、および/または端末装置から基地局装置を介して5GCに送られるアップリンクのQoSフローと、DRBとのマッピングを行う機能を持ってよい。またSDAPはマッピングルール情報を格納する機能を持ってよい。またSDAPはQoSフロー識別子(QoS Flow ID:QFI)のマーキングを行う機能を持ってよい。なお、SDAP PDUには、データ用SDAP PDUと制御用SDAP PDUがあってよい。データ用SDAP PDUをSDAP DATA PDU(SDAP Data PDU、SDAPデータPDU)と呼んでよい。また制御用SDAP PDUをSDAP CONTROL PDU(SDAP Control PDU、SDAPコントロールPDU、SDAP制御PDU)と呼んでよい。なお端末装置のSDAPエンティティは、PDUセッションに対して一つ存在してよい。
【0106】
RRCの機能の一例について説明する。RRCは、報知(ブロードキャスト:broadcast)機能を持ってよい。RRCは、5GCからの呼び出し(ページング:Paging)機能を持ってよい。RRCは、gNB102またはng-eNB100からの呼び出し(ページング:Paging)機能を持ってよい。またRRCは、RRC接続管理機能を持ってよい。またRRCは、無線ベアラ制御機能を持ってよい。またRRCは、セルグループ制御機能を持ってよい。またRRCは、モビリティ(mobility)制御機能を持ってよい。またRRCは端末装置測定レポーティングおよび端末装置測定レポーティング制御機能を持ってよい。またRRCは、QoS管理機能を持ってよい。またRRCは、無線リンク失敗の検出および復旧の機能を持ってよい。RRCは、RRCメッセージを用いて、報知、ページング、RRC接続管理、無線ベアラ制御、セルグループ制御、モビリティ制御、端末装置測定レポーティングおよび端末装置測定レポーティング制御、QoS管理、無線リンク失敗の検出および復旧等を行ってよい。なお、E-UTRA RRCで用いられるRRCメッセージやパラメータは、NR RRCで用いられるRRCメッセージやパラメータと異なってよい。
【0107】
RRCメッセージは、論理チャネルのBCCHを用いて送られてよいし、論理チャネルのPCCHを用いて送られてよいし、論理チャネルのCCCHを用いて送られてよいし、論理チャネルのDCCHを用いて送られてよい。また、DCCHを用いて送られるRRCメッセージのことを、専用RRCシグナリング(Dedicated RRC signaling)、またはRRCシグナリングと称する。
【0108】
BCCHを用いて送られるRRCメッセージには、例えばマスター情報ブロック(Master Information Block:MIB)が含まれてよいし、各タイプのシステム情報ブロック(System Information Block:SIB)が含まれてよいし、他のRRCメッセージが含まれてよい。PCCHを用いて送られるRRCメッセージには、例えばページングメッセージが含まれてよいし、他のRRCメッセージが含まれてよい。
【0109】
CCCHを用いてアップリンク(UL)方向に送られるRRCメッセージには、例えばRRCセットアップ要求メッセージ(RRC Setup Request)、RRC再開要求メッセージ(RRC Resume Request)、RRC再確立要求メッセージ(RRC Reestablishment Request)、RRCシステム情報要求メッセージ(RRC System Info Request)などが含まれてよい。また例えばRRC接続要求メッセージ(RRC Connection Request)、RRCコネクション再開要求メッセージ(RRC Connection Resume Request)、RRC接続再確立要求メッセージ(RRC Connection Reestablishment Request)などが含まれてよい。また他のRRCメッセージが含まれてよい。
【0110】
CCCHを用いてダウンリンク(DL)方向に送られるRRCメッセージには、例えばRRC接続拒絶メッセージ(RRC Connection Reject)、RRC接続セットアップメッセージ(RRC Connection Setup)、RRCコネクション再確立メッセージ(RRC Connection Reestablishment)、RRCコネクション再確立拒絶メッセージ(RRC Connection Reestablishment Reject)などが含まれてよい。また例えばRRC拒絶メッセージ(RRC Reject)、RRCセットアップメッセージ(RRC Setup)などが含まれてよい。また他のRRCメッセージが含まれてよい。
【0111】
DCCHを用いてアップリンク(UL)方向に送られるRRCシグナリングには、例えば測定報告メッセージ(Measurement Report)、RRC接続再設定完了メッセージ(RRC Connection Reconfiguration Complete)、RRC接続セットアップ完了メッセージ(RRC Connection Setup Complete)、RRC接続再確立完了メッセージ(RRC Connection Reestablishment Complete)、セキュリティモード完了メッセージ(Security Mode Complete)、UE能力情報メッセージ(UE Capability Information)などが含まれてよい。また例えば測定報告メッセージ(Measurement Report)、RRC再設定完了メッセージ(RRC Reconfiguration Complete)、RRCセットアップ完了メッセージ(RRC Setup Complete)、RRC再確立完了メッセージ(RRC Reestablishment Complete)、RRC再開完了メッセージ(RRC Resume Complete)、セキュリティモード完了メッセージ(Security Mode Complete)、UE能力情報メッセージ(UE Capability Information)などが含まれてよい。また他のRRCシグナリングが含まれてよい。
【0112】
DCCHを用いてダウンリンク(DL)方向に送られるRRCシグナリングには、例えばRRC接続再設定メッセージ(RRC Connection Reconfiguration)、RRC接続解放メッセージ(RRC Connection Release)、セキュリティモードコマンドメッセージ(Security Mode Command)、UE能力照会メッセージ(UE Capability Enquiry)などが含まれてよい。また例えばRRC再設定メッセージ(RRC Reconfiguration)、RRC再開メッセージ(RRC Resume)、RRC解放メッセージ(RRC Release)、RRC再確立メッセージ(RRC Reestablishment)、セキュリティモードコマンドメッセージ(Security Mode Command)、UE能力照会メッセージ(UE Capability Enquiry)などが含まれてよい。また他のRRCシグナリングが含まれてよい。
【0113】
前述のPHY、MAC、RLC、PDCP、SDAP、RRCの機能は一例であり、各機能の一部あるいは全てが実装されなくてもよい。また、各層の機能の一部あるいは全部が他層に含まれてもよい。
【0114】
無線ベアラについて説明する。端末装置が基地局装置と通信する場合、端末装置と、基地局装置との間に無線ベアラ(RB:Radio Bearer)を確立する事により、無線接続を行ってよい。CPに用いられる無線ベアラは、シグナリング無線ベアラ(SRB:Signaling Radio Bearer)と呼ばれてよい。またUPに用いられる無線ベアラは、データ無線ベアラ(DRB:Data Radio Bearer)と呼ばれてよい。各無線ベアラには、無線ベアラ識別子(Identity:ID)が割り当てられてよい。SRB用無線ベアラ識別子は、SRB識別子(SRB Identity、またはSRB ID)と呼ばれてよい。DRB用無線ベアラ識別子は、DRB識別子(DRB Identity、またはDRB ID)と呼ばれてよい。E-UTRAのSRBにはSRB0からSRB2が定義されてよいし、これ以外のSRBが定義されてよい。NRのSRBにはSRB0からSRB3が定義されてよいし、これ以外のSRBが定義されてよい。SRB0は、論理チャネルのCCCHを用いて送信、および/または受信が行われる、RRCメッセージのためのSRBであってよい。SRB1は、RRCシグナリングのため、およびSRB2の確立前のNASシグナリングのためのSRBであってよい。SRB1を用いて送信、および/または受信が行われるRRCシグナリングには、ピギーバックされたNASシグナリングが含まれてよい。SRB1を用いて送信、および/または受信される全てのRRCシグナリングやNASシグナリングには、論理チャネルのDCCHが用いられてよい。SRB2は、NASシグナリングのため、および記録測定情報(logged measurement information)を含むRRCシグナリングのためのSRBであってよい。SRB2を用いて送信、および/または受信される全てのRRCシグナリングやNASシグナリングには、論理チャネルのDCCHが用いられてよい。また、SRB2はSRB1よりも低い優先度であってよい。SRB3は、端末装置に、EN-DC、NGEN-DC、NR-DCなどが設定されているときの特定のRRCシグナリングを送信、および/または受信するためのSRBであってよい。SRB3を用いて送信、および/または受信される全てのRRCシグナリングやNASシグナリングには、論理チャネルのDCCHが用いられてよい。また、その他の用途のために他のSRBが用意されてもよい。DRBは、ユーザデータのための無線ベアラであってよい。DRBを用いて送信、および/または受信が行われるRRCシグナリングには、論理チャネルのDTCHが用いられてもよい。
【0115】
端末装置における無線ベアラについて説明する。無線ベアラにはRLCベアラが含まれてよい。RLCベアラは一つまたは2つのRLCエンティティと論理チャネルで構成されてよい。RLCベアラにRLCエンティティが2つ存在する場合のRLCエンティティはTM RLCエンティティ、および/または単方向UMモードのRLCエンティティにおける、送信RLCエンティティおよび受信RLCエンティティであってよい。SRB0は一つのRLCベアラから構成されてよい。SRB0のRLCベアラはTMのRLCエンティティ、および論理チャネルから構成されてよい。SRB0は全ての状態(RRCアイドル状態、RRC接続状態、およびRRC不活性状態など)の端末装置において、常に確立されていてよい。SRB1は端末装置がRRCアイドル状態からRRC接続状態に遷移する際、基地局装置から受信するRRCシグナリングにより、端末装置に一つ確立および/または設定されてよい。SRB1は一つのPDCPエンティティ、および一つまたは複数のRLCベアラから構成されてよい。SRB1のRLCベアラはAMのRLCエンティティ、および論理チャネルから構成されてよい。SRB2はASセキュリティが活性化されたRRC接続状態の端末装置が基地局装置から受信するRRCシグナリングにより、端末装置に一つ確立および/または設定されてよい。SRB2は一つのPDCPエンティティ、および一つまたは複数のRLCベアラから構成されてよい。SRB2のRLCベアラはAMのRLCエンティティ、および論理チャネルから構成されてよい。なお、SRB1およびSRB2の基地局装置側のPDCPはマスターノードに置かれてよい。SRB3はEN-DC、またはNGEN-DC、またはNR-DCにおけるセカンダリノードが追加される際、またはセカンダリノードが変更される際に、ASセキュリティが活性化されたRRC接続状態の端末装置が基地局装置から受信するRRCシグナリングにより、端末装置に一つ確立および/または設定されてよい。SRB3は端末装置とセカンダリノードとの間のダイレクトSRBであってよい。SRB3は一つのPDCPエンティティ、および一つまたは複数のRLCベアラから構成されてよい。SRB3のRLCベアラはAMのRLCエンティティ、および論理チャネルから構成されてよい。SRB3の基地局装置側のPDCPはセカンダリノードに置かれてよい。DRBはASセキュリティが活性化されたRRC接続状態の端末装置が基地局装置から受信するRRCシグナリングにより、端末装置に一つまたは複数確立および/または設定されてよい。DRBは一つのPDCPエンティティ、および一つまたは複数のRLCベアラから構成されてよい。DRBのRLCベアラはAMまたはUMのRLCエンティティ、および論理チャネルから構成されてよい。
【0116】
E-UTRAで構成されるセルグループに確立および/または設定されるRLCベアラに対し、確立および/または設定されるRLCエンティティは、E-UTRA RLCであってよい。またNRで構成されるセルグループに確立および/または設定されるRLCベアラに対し、確立および/または設定されるRLCエンティティは、NR RLCであってよい。端末装置にEN-DCが設定される場合、MN終端MCGベアラに対し確立および/または設定されるPDCPエンティティは、E-UTRA PDCPまたはNR PDCPの何れかであってよい。また端末装置にEN-DCが設定される場合、その他のベアラタイプの無線ベアラ、即ちMN終端スプリットベアラ、MN終端SCGベアラ、SN終端MCGベアラ、SN終端スプリットベアラ、およびSN終端SCGベアラ、に対して確立および/または設定されるPDCPは、NR PDCPであってよい。また端末装置にNGEN-DC、またはNE-DC、またはNR-DCが設定される場合、全てのベアラタイプにおける無線ベアラに対して確立および/または設定されるPDCPエンティティは、NR PDCPであってよい。
【0117】
なおNRにおいて、端末装置に確立および/または設定されるDRBは一つのPDUセッションに紐づけられてよい。端末装置において一つのPDUセッションに対し、一つのSDAPエンティティが確立および/または設定されてよい。端末装置に確立および/または設定SDAPエンティティ、PDCPエンティティ、RLCエンティティ、および論理チャネルは、端末装置が基地局装置から受信するRRCシグナリングにより確立および/または設定されてよい。
【0118】
サイドリンクにおいて測定する参照信号受信電力(RSRP: Reference Signal Received Power)とは、例えば以下のRSRPであってよい。また、以下のRSRPをSL-RSRPと称してよい。
(a) PSBCH RSRP
(b) PSSCH RSRP
(c) PSCCH RSRP
【0119】
PSBCH-RSRP(PSBCH RSRP)は、PSBCHに関連付けられた複数の復調参照信号(Demodulation Reference Signal: DMRS)を伝送するリソースエレメント(resource elements)の電力寄与(power contributions)の、線形平均として定義されてよい。また、PSSCH-RSRP(PSSCH RSRP)は、PSSCHに関連付けられた複数のDMRSを伝送するアンテナポートの、リソースエレメントの電力寄与の、線形平均として定義されてよく、アンテナポートが複数ある場合、アンテナポート毎のRSRPの値が合計されてよい。PSCCH-RSRP(PSCCH RSRP)は、PSCCHに関連付けられた複数のDMRSを伝送するリソースエレメントの電力寄与の、線形平均として定義されてよい。なお、DMRSは、例えばPSBCH、PSSCHおよびPSCCHの信号を復調するために使用されてよい。また、他の端末装置とサイドリンク通信を行う端末装置は、他の端末装置から送信されたPSSCHやPSCCHを用いて、サイドリンク通信のRSRP(SL-RSRP)を測定してもよい。また、端末装置はディスカバリーメッセージに関連付けられたDMRSを伝送するリソースエレメントの電力寄与などを使用して、ディスカバリーメッセージのRSRP(SD-RSRP)を測定してもよい。
【0120】
また、サイドリンクにおける測定において、UE122は、SL-RSRPの他に、以下の量を測定してよい。
(a) Sidelink received signal strength indicator(SL RSSI)
(b) Sidelink channel Occupancy ratio(SL CR)
(c) Sidelink channel busy ratio(SL CBR)
【0121】
前記SL RSSIは、2 番目の OFDM シンボルから始まる、PSCCH および PSSCH 用に構成されたスロットの OFDM シンボル内の構成されたサブチャネルで観測される電力([W])の線形平均として定義されてよい。また、スロットnにおける前記SL CRは、スロット[n-a]からスロット[n-1]までの間にサイドリンク送信に使用したサブチャネル数とスロット[n]からスロット[n+b]までの間に割り当てられたサブチャネル数の和を、スロット[n-a]からスロット[n+b]迄に設定されたサブチャネル数の合計で割った値として定義されてよい。また、スロットnにおける前記SL CBRは、CBR測定ウィンドウ(スロット[n-a]からスロット[n-1])として設定された期間において、リソースプール内で前記SL RSSIが閾値を超えているサブチャネルの割合として定義されてよい。
【0122】
L2 U2N Remote UEは、候補L2 U2N Relay UEを発見し、前記候補L2 U2N Relay UEのRSRPの測定を行った後、一つまたは複数の候補L2 U2N Relay UEを基地局装置に報告してよい。なお、L2 U2N Remote UEは、一つまたは複数の候補L2 U2N Relay UEを基地局装置に報告する前に、測定した候補L2 U2N Relay UEのRSRPがL2 U2Nリレーの選択基準を満たすか否かを判断してよい。L2 U2N Remote UEは、前記選択基準を満たし、かつ上位レイヤの基準に合致する候補L2 U2N Relay UEのみを基地局装置に報告してよい。また、L2 U2N Remote UEは、一つまたは複数の候補L2 U2N Relay UEを基地局装置に報告する際、基地局装置への報告に、候補L2 U2N Relay UEの識別情報、前記候補L2 U2N Relay UEのサービングセルの識別情報、および測定結果を含めてよい。なお、前記測定結果には、前記候補L2 U2N Relay UEが送信したディスカバリーメッセージのRSRP(SD-RSRP)が使用されてよい。なお、識別情報は識別子(ID)であってよい。
【0123】
また、サービングL2 U2N Relay UEを持つL2 U2N Remote UEは、前記測定結果に前記サービングL2 U2N Relay UEとのサイドリンク通信で測定したRSRP(SL-RSRP)を使用してよい。なお、測定結果にSL-RSRPが使用できない場合、SD-RSRPを使用してよい。なお、前記サービングL2 U2N Relay UEは、L2 U2N Remote UEに基地局装置への接続性を提供しているL2 U2N Relay UEであってよい。
【0124】
次にサービングセル(Serving Cell)について説明する。キャリアアグリゲーション(CA)および/またはマルチコネクティビティ(MC)が設定されていないRRC接続状態の端末装置において、サービングセルは、1つのプライマリセル(Primary Cell:PCell)で構成されてよい。また、CAおよび/またはMCが設定されているRRC接続状態の端末装置において、複数のサービングセルは、1つ又は複数のスペシャルセル(Special Cell:SpCell)と、1つ又は複数のすべてのセカンダリセル(Secondary Cell:SCell)とで構成される複数のセルの集合(set of cell(s))を意味してよい。SpCellはPUCCH送信およびコンテンション基準ランダムアクセス(contention-based Random Access:CBRA)をサポートしてよい。PCellはRRCアイドル状態の端末装置がRRC接続状態に遷移する際の、RRC接続確立手順に用いられるセルであってよい。またPCellは、端末装置がRRC接続の再確立を行う、RRC接続再確立手順に用いられるセルであってよい。またPCellは、ハンドオーバの際のランダムアクセス手順に用いられるセルであってよい。PSCellは、MCのためのセカンダリノード追加の際に、ランダムアクセス手順に用いられるセルであってよい。PCellとPSCellは、SpCellであってよい。またSpCellは、上述の用途以外の用途に用いられるセルであってよい。
【0125】
測定について説明する。なお、以下の説明において基地局装置はネットワークと読み替えられてもよい。基地局装置は、測定を実行(perform)するようRRC接続状態の端末装置を設定してよい。基地局装置は、測定結果を報告するよう端末装置を設定してよい。測定設定(Measurement configuration)は、RRCシグナリング(例えばRRC再設定(RRCReconfiguration)メッセージやRRC再開(RRCResume)メッセージ)によって基地局装置から端末装置に提供されてよい。
【0126】
基地局装置は例えば以下のタイプの測定を実行するよう端末装置を設定してよい。
(a) NR測定
(b) E-UTRA周波数の無線アクセス技術間測定(Inter-RAT)測定
(c) UTRA-FDD周波数の無線アクセス技術間測定(Inter-RAT)測定
(d) L2 U2N Relay UEのNR Sidelink測定
【0127】
基地局装置は例えばSSBに基づいて、以下の測定情報を報告するよう端末装置を設定してよい。
(a) SSBごとの測定結果
(b) SSBに基づいたセルごとの測定結果
(c) SSBインデックス
【0128】
基地局装置は例えばCSI-RSに基づいて、以下の測定情報を報告するよう端末装置を設定してよい。
(a) CSI-RSリソースごとの測定結果
(b) CSI-RSに基づいたセルごとの測定結果
(c) CSI-RSリソース測定識別子
【0129】
基地局装置は例えばNR sidlinkおよび/またはV2X sidelinkのために以下のタイプの測定を実行するよう端末装置を設定してよい。
(a) CBR(Channel Busy Ratio)測定
【0130】
測定設定は、RRCシグナリングの情報要素(Information Element:IE)によって端末装置に通知されてよい。測定設定を示すIE(測定設定IE)には、測定対象(Measurement Objects)を示す一つまたは複数の測定対象IE、報告設定(Reporting configuration)を示す一つまたは複数の報告設定IE、測定対象と報告設定とを紐づけるために用いられる一つまたは複数の測定識別子(Measurement identities)、量設定(Quantity Configuration)を示す量設定IE、測定ギャップ設定(Measurement gap configuration)を示す測定ギャップ設定IE、サービングセル品質閾値設定(s-Measure configuration)、の一部あるいは全部が含まれてよい。
【0131】
<量設定(quantityConfig)>
量設定(quantityConfig)は、測定対象(Measurement objects)がNRおよび/またはE-UTRAの場合、第3層フィルタ係数(L3 filtering coefficient)を指定する。第3層フィルタ係数(L3 filtering coefficient)は、最新の測定結果と、過去のフィルタリング測定結果との比(割合)を規定(specify)する。フィルタリング結果は、端末装置でイベント評価に利用されてよい。
【0132】
<測定ギャップ設定(measGapConfig)>
測定ギャップ設定は、測定ギャップの長さや周期の情報が含まれる。測定ギャップ設定は端末装置ごと、あるいは既定の周波数範囲ごとに独立して設定されてもよい。
【0133】
<測定識別子(measId)>
測定識別子は、測定対象と、報告設定とを紐づける(または対応付ける、またはリンクさせる)ために利用される。具体的には、各測定対象を一意に識別するための測定対象識別子(measObjectId)と各報告設定を一意に識別するための報告設定識別子(reportConfigId)とをリンクさせる。測定識別子には、一つの測定対象識別子と一つの報告設定識別子が対応付けられる。測定設定は、測定識別子、測定対象、および/または報告設定を追加・修正・削除できるよう構成されてよい。
【0134】
<測定対象(Measurement objects)>
測定対象は、RAT、周波数、および/またはサブキャリア間隔ごとに規定されてよい。
【0135】
測定対象IEには、測定対象識別子と対応付けられた測定対象がNRである測定対象の情報を示す測定対象NR(measObjectNR) IE、測定対象がE-UTRAである測定対象の情報を示す測定対象EUTRA(measObjectEUTRA) IEが含まれてよい。また、測定対象には、測定対象がUTRAである測定対象の情報を示す測定対象UTRA(measObjectUTRA) IE、測定対象がGERANである測定対象の情報を示す測定対象GERAN(measObjectGERAN) IE、測定対象がCDMA2000である測定対象の情報を示す測定対象CDMA2000(measObjectCDMA2000) IE、測定対象がRelay UEである測定対象の情報を示す測定対象Relay(measObjectRelay) IE、の一部あるいは全部が含まれてよい。
【0136】
測定対象NR IEには、同期信号を含むブロック(SSB)の周波数情報(ssbFrequency)、SSBのサブキャリア間隔(ssbSubcarrierSpacing)、測定対象とするセルのリストに関する情報、測定から除外するブラックリストに関する情報、測定を行うホワイトリストに関する情報、の一部あるいは全部が含まれてよい。測定対象Relay IEには、Sidelink通信で使用される周波数の情報が含まれてよい。
【0137】
測定対象とするセルのリストに関する情報は、イベント評価、および測定報告の対象となるセルに関する情報を含む。測定対象とするセルのリストに関する情報としては、物理セル識別子(physical cell ID)や、セル固有オフセット(cellIndividualOffset、隣接セルに対して適用する測定オフセット値を示す)などが含まれてよい。また、測定対象Relay IEには、イベント評価、および測定報告の対象となるL2 U2N Relay UEに関する情報を含んでよい。
【0138】
<報告設定(Reporting configurations)>
報告設定IEには、報告設定識別子(reportConfigId)と対応付けられた、報告設定NR(reportConfigNR)IE、報告設定InterRAT(reportConfigInterRAT) IE、および/または報告設定NR-SL(reportConfigNR-SL) IEなどが含まれてよい。
【0139】
報告設定識別子は、測定に関する報告設定を識別するために使用する識別子である。測定に関する報告設定IEには、NRの測定のための情報、NR以外のRAT(UTRA、GERAN、CDMA2000、E-UTRA、の一部あるいは全部)の測定のための情報、およびNRのSidelinkの測定のための情報などが含まれてよい。NRに対する報告設定である報告設定NR(reportConfigNR)IEには、NRにおける測定の報告のために使用されるイベントのトリガ条件(triggering criteria)などが含まれてよい。報告設定NR-SL(reportConfigNR-SL) IEには、NRのSidelinkにおける測定の報告のために使用されるイベントのトリガ条件(triggering criteria)などが含まれてよい。
【0140】
また、報告設定NR IEには、イベント識別子(eventId)、トリガ量(triggerQuantity)、ヒステリシス(hysteresis)、トリガ時間(timeToTrigger)、報告量(reportQuantity)、最大報告セル数(maxReportCells)、報告間隔(reportInterval)、報告回数(reportAmount)、の一部あるいは全部が含まれてよい。
【0141】
また、報告設定NR-SL IEには、イベント識別子(eventId)、トリガ量(triggerQuantity)、報告量(reportQuantity)、報告間隔(reportInterval)、報告回数(reportAmount)、最大報告リレー数(maxReportRelays)、の一部あるいは全部が含まれてよい。
【0142】
次に、報告設定NR-SL IEについて説明する。イベント識別子は、イベントトリガ報告(event triggered reporting)に関する条件(criteria)を選択するために利用される。ここで、イベントトリガ報告(event triggered reporting)とは、イベントトリガ条件を満たした場合に、測定を報告する方法である。この他に、イベントトリガ条件を満たした場合に、一定間隔で、ある回数だけ測定を報告するというイベントトリガ定期報告(event triggered periodic reporting)もある。
【0143】
イベント識別子によって指定されたイベントトリガ条件を満たした場合、端末装置は、基地局装置に対して、測定報告(measurement report)を行う。トリガ量は、イベントトリガ条件を評価するために利用される量であってよい。トリガ量には、ディスカバリーメッセージの参照信号受信電力(SD-RSRP)、またはサイドリンク通信で測定したRSRP(SL-RSRP)が指定されてよい。すなわち、端末装置は、このトリガ量によって指定された量を利用して測定を行ってよい。また端末装置は、イベント識別子で指定されたイベントトリガ条件を満たしているか否かを判定してよい。報告量は、測定報告において報告する量を示してよい。最大報告リレー数(maxReportRelays)は、測定報告に含めるセルの最大数を示してよい。報告間隔は、定期報告(periodical reporting)またはイベントトリガ定期報告(event triggered periodic reporting)に対して利用され、報告間隔で示される間隔ごとに定期報告が端末装置によって実行されてよい。報告回数(reportAmount)は、必要に応じて、定期報告を行う回数であってよい。
【0144】
なお、イベントトリガ条件で利用する閾値パラメータやオフセットパラメータは、報告設定NR-SL IEにおいて、イベント識別子と一緒に、端末装置へ通知されてよい。
【0145】
<イベントトリガ条件について>
測定報告をするためのイベントトリガ条件が複数定義されており、それぞれ加入条件(entering condition)と離脱条件(leaving condition)があってよい。基地局装置から指定されたイベントに対する加入条件を満たした端末装置は、基地局装置に対して測定報告を送信してよい。また、基地局装置から指定されたイベントに対する離脱条件を満たした端末装置は、基地局装置から離脱条件を満たす場合に報告をトリガするように設定されていた場合(報告設定IEにreportOnLeaveが含まれる場合)に、基地局装置に対して測定報告を送信してよい。
【0146】
また、NR以外のRATに対する報告設定(Reporting configurations)のために、NR以外のRATにおける測定の報告に利用するイベントのトリガ条件(triggering criteria)が複数定義されてよい。例えば、隣接セル(他のRAT)の測定結果が、各パラメータの適用後、RAT毎に設定される閾値b1_Thresholdより良い場合、イベントB1が発生する。また、PCellの測定結果が、各パラメータの適用後、閾値b2_Threshold1より悪い且つ隣接セル(他のRAT)の測定結果が、各パラメータの適用後、RAT毎に設定される閾値b2_Threshold2より良い場合、イベントB2が発生してよい。これらのイベントに関する情報は、報告設定InterRAT(reportConfigInterRAT) IEに含まれてよい。
【0147】
なお、基地局装置は、サービングセル品質閾値(s-Measure)を通知する場合と通知しない場合があってよい。端末装置は、基地局装置によってサービングセル品質閾値(s-Measure)が設定され、さらにサービングセル(serving cell)であるPCellのレイヤ3フィルタリング後の品質(RSRP値)がサービングセル品質閾値(s-Measure)よりも低いときに、測定対象IEによって指示された周波数および/またはRATの隣接セルの測定、および/または候補L2 U2N Relay UEの測定を実行してもよい。また、基地局装置によってサービングセル品質閾値(s-Measure)が端末装置に設定されない場合、端末装置は、サービングセルの品質(RSRP値)によらず、測定対象IEによって指示された周波数および/またはRATの隣接セルの測定、および/または候補L2 U2N Relay UEの測定を実行する。
【0148】
<Measurement Resultについて>
端末装置は、イベントトリガ条件を満たした場合や、周期報告の最初の測定結果が利用可能(Available)になった場合や、周期報告のタイマーやタイマーT321が満了した場合などに測定報告のプロシージャを開始してもよい。測定報告のプロシージャ目的は、ネットワークに対して、端末装置から測定報告(Measurement report)メッセージを転送することである。測定報告メッセージには、測定結果(Measurement result)が含まれてよい。測定報告のプロシージャがトリガされたそれぞれの測定識別子に対して、測定結果が設定されてよい。
【0149】
測定結果には、測定識別子、サービングL2 U2N Relay UEの測定結果(sl-MeasResultServingRelay-r17)、および/または候補L2 U2N Relay UEの測定結果(sl-MeasResultsCandRelay-r17)、が含まれてよい。サービングL2 U2N Relay UEの測定結果、および候補L2 U2N Relay UEの測定結果には、セル識別子として、PLMN識別子が含まれてもよい。サービングL2 U2N Relay UEの測定結果には、サイドリンク通信のソースを識別するための識別子(例えばソースL2ID)が含まれてよい。候補L2 U2N Relay UEの測定結果には、サイドリンク通信の宛先を識別するための識別子(例えば宛先L2ID)が含まれてよい。
【0150】
測定報告のプロシージャでは、測定報告のプロシージャがトリガされたそれぞれの測定識別子に対して、上述の測定結果がセットされ、前記測定結果を含む測定報告のメッセージを下位レイヤに提出してよい。
【0151】
以上の説明をベースとして、様々な本実施形態を説明する。なお、以下の説明で省略される処理については上述の各処理が適用されてよい。
【0152】
図5は本実施形態における端末装置(UE122)の構成を示すブロック図である。なお、説明が煩雑になることを避けるために、
図5では、本実施形態と密接に関連する主な構成部のみを示す。
【0153】
図5に示すUE122は、他の端末装置より制御情報(SCI、MAC制御要素、RRCシグナリング等)、およびディスカバリーメッセージ、ユーザデータを含む情報などを受信する受信部503、および他の端末装置との通信における信号電力、および/または基地局装置(gNB102)の信号電力を測定する測定部504、および受信した制御情報などに含まれるパラメータに従って処理を行う処理部505、および他の端末装置に制御情報(SCI、MAC制御要素、RRCシグナリング等)、およびディスカバリーメッセージ、ユーザデータを含む情報などを送信する送信部501、を備える。また、受信部503は、基地局装置(gNB102)より制御情報(MAC制御要素、RRCシグナリング等)、およびユーザデータを含む情報などを受信してよい。また、送信部501は、基地局装置(gNB102) に制御情報(MAC制御要素、RRCシグナリング等)、およびユーザデータを含む情報などを送信してよい。また、処理部505には様々な層(例えば、物理層、MAC層、RLC層、PDCP層、SDAP層、RRC層、PC5-S層、Discovery層、およびアプリ層)の機能の一部または全部が含まれてよい。すなわち、処理部505には、物理層処理部(PHY処理部)、MAC層処理部(MAC処理部)、RLC層処理部(RLC処理部)、PDCP層処理部(PDCP処理部)、SDAP処理部(SDAP処理部)、RRC層処理部(RRC処理部)、PC5-S層処理部(PC5-S処理部)、Discovery層処理部(Discovery処理部)、およびアプリ層処理部の一部または全てが含まれてよい。
【0154】
図8は本実施形態における基地局装置(gNB102)の構成を示すブロック図である。なお、説明が煩雑になることを避けるために、
図8では、本実施形態と密接に関連する主な構成部のみを示す。
【0155】
図8に示す基地局装置は、UE122へ制御情報(DCI、MAC CE、RRCシグナリング等)を送信する送信部801、制御情報(DCI、MAC CE、RRCシグナリング等)を作成し、UE122に送信することにより、UE122の処理部505に処理を行わせる処理部805、およびUE122から制御情報(UCI、MAC CE、RRCシグナリング等)を受信する受信部803から成る。また、処理部805には様々な層(例えば、物理層、MAC層、RLC層、PDCP層、SDAP層、RRC層、およびNAS層)の機能の一部または全部が含まれてよい。すなわち、処理部805には、物理層処理部、MAC層処理部、RLC層処理部、PDCP層処理部、SDAP処理部、RRC層処理部、およびNAS層処理部の一部または全部が含まれてよい。
【0156】
【0157】
ステップS601:中継端末装置を介して基地局装置と通信を行うUE122は、基地局装置から送られた測定用パラメータを受信部503で受け取り、処理部505に送信する。その後ステップS602に処理を進める。処理部505は、参照信号受信電力の値はデータバス502を通して受け取ってもよいし、図示されない別の経路を通して受け取るような構成になっていてもよい。以降のステップの説明において、各構成要素間でのデータや指示の送受信が行われる場合は前述の処理を適用することとし、説明を省略する。なお、前記一部または全部の各部は、一つの部として構成されてもよい。すなわち、以降の説明において、データ、メッセージ、および/またはその他の情報はデータバスを経由した送受信を伴わずに共有されてもよい。
【0158】
ステップS602:処理部505は、受信部503から受け取った測定用パラメータの中に、サイドリンク品質閾値情報が含まれているかどうかの確認を行う。サイドリンク品質閾値設定とは、測定用パラメータに含まれるサービングセル品質閾値設定の中に含まれるパラメータであってもよく、また、独立したパラメータとして測定用パラメータに含まれてもよい。前記受信部503から受け取った測定用パラメータにサイドリンク品質閾値設定が含まれている場合、処理部505はUE122が現在サイドリンク通信を用いて接続している中継端末装置(サービング中継端末装置)から受信した参照信号の受信電力(RSRP)を測定するよう測定部504に指示してよい。測定部504は前記参照信号受信電力を測定してよい。測定部504は測定した前記参照信号受信電力の値を処理部505に通知してよい。処理部505は測定部504から受け取った参照信号受信電力の値と、サイドリンク品質閾値設定によって設定されている閾値と、を比較し、前記参照信号受信電力が閾値を下回っているか否かを判断する。前記受信電力が前記閾値を下回っていると処理部505が判断した場合、あるいはUE122が第1の状態である場合はステップS603に処理を進める。なお、前記受信電力が前記閾値を下回っていると処理部505が判断した場合、あるいはUE122が第1の状態である場合であっても、他の条件に基づきステップS603を処理しないようにしてもよい。
【0159】
また、前記判断は、参照信号受信電力の値に対して前記閾値が同じまたは上回っているかどうかの判断でもよいし、どの程度上回っているかの判断であってもよいし、閾値に対して参照信号受信電力の値がどの程度下回っているかの判断であってもよい。また、前記判断は、絶対的な値の比較に基づいた判断であってもよいし、値の相対的な比較に基づいた判断であってもよい。
【0160】
ステップS603:処理部505は測定部504に、前記測定用パラメータに含まれる測定対象の情報に基づいて、前記測定対象の情報の中に含まれる少なくとも1つまたは複数の端末装置との通信における参照信号受信電力を測定するよう指示する。前記指示に基づいて測定部504は参照信号受信電力を測定し、測定結果を処理部505に前記測定結果を通知する。
【0161】
図7を用いて前記ステップS603で測定部504から通知された測定対象の測定結果に基づく処理部505の処理の一例を示す。
【0162】
ステップS701:測定部504から通知された、一つまたは複数の測定対象の参照信号受信電力が、基地局に報告するための条件を満たしているか否かを判断する。前記判断は、一例として、サービング中継端末装置から受信した参照信号の受信電力(第1のRSRP)と、測定対象の参照信号受信電力(第2のRSRP)を用いた判断であってよい。例えば前記判断は、第1のRSRPと第2のRSRPのそれぞれが一定の閾値を上回っているか、または下回っているか、および/または閾値と同じ値であるかの組み合わせに基づくものであってもよい。また、例えば前記判断は、第1の受信電力と第2の受信電力を比較して相対的な尺度による電力の比較に基づくものであってもよい。また、それ以外の基準に基づいて前記判断がおこなわれてもよい。処理部505は基地局装置への報告の条件を満たしていると判断した場合、その判断に基づき測定報告を送信するよう送信部501に指示してよい。
【0163】
基地局装置は、測定を実行(perform)するようRRC接続状態の端末装置を設定してよい。基地局装置は、測定結果を報告するよう端末装置を設定してよい。測定設定(Measurement configuration)は、RRCシグナリング(例えばRRC再設定(RRCReconfiguration)メッセージやRRC再開(RRCResume)メッセージ)によって基地局装置から端末装置に提供されてよい。
基地局装置は、前記各ステップに含まれる測定処理を実行するようにRRC接続状態の端末装置を設定してよい。測定処理を実行するための測定用パラメータはRRCシグナリングによって基地局装置から端末装置122に通知され、この時、測定用パラメータには、サービングセル品質閾値設定と、サイドリンク品質閾値設定と、が含まれてよい。サービングセル品質閾値設定には、物理報知チャネル受信電力閾値情報、チャネル状態受信電力閾値情報、サイドリンク受信電力閾値情報の他、複数の通信形態の受信電力閾値情報のいずれか1つあるいは複数が含まれてよく、参照信号受信電力との比較には前記閾値情報のうち1つあるいは複数を用いて基地局装置への報告の要否を判断してよい。
【0164】
UE122の測定に関する処理の一例を説明する。
【0165】
UE122は基地局装置からRRCシグナリングによって測定設定(測定用パラメータ)を受信してよい。測定設定は基地局装置から直接通知されてもよく、中継端末装置を経由して通知されてもよいし、それ以外の経路を通じて通知されてもよい。前記測定設定は、RRC再設定メッセージ、および/またはRRC再開メッセージに含まれてよい。
【0166】
測定設定を示す測定設定IEには一つまたは複数の測定対象IE、および/または一つまたは複数の報告設定IEが含まれてよい。また測定設定IEには、一つまたは複数の測定識別子が含まれてよい。一つの測定識別子には、一つの測定対象と一つの報告設定とが紐づけられてよい。測定識別子に何れの測定対象と報告設定を紐づけるかを示す情報が測定設定IEに含まれてよい。
【0167】
報告設定には測定結果の報告をトリガするための条件(トリガ条件)が含まれてよい。前記トリガ条件には以下のイベントの一部または全部が含まれてよい。
(a)NRサイドリンク通信のCBR(Channel Busy Ratio)が閾値を上回った(イベントC1)
(b)NRサイドリンク通信のCBR(Channel Busy Ratio)が閾値を下回った(イベントC2)
(c)サービング中継端末装置から受信した参照信号の受信電力が閾値より悪くなり、周辺の中継端末装置(候補L2 U2N Relay UE)の参照信号受信電力が閾値よりよくなった(イベントZ1)
(d)周辺の中継端末装置(候補L2 U2N Relay UE)から受信した参照信号の受信電力がオフセットを加えたサービング中継端末装置から受信した参照信号の受信電力よりよくなった(イベントZ2)
(e)SpCellの参照信号受信電力が閾値より悪くなり、周辺セルの参照信号受信電力が閾値よりよくなった(イベントA5)
(f)周辺セルの参照信号受信電力がオフセットを加えたSpCellの参照信号受信電力よりよくなった(イベントA3)
【0168】
前記トリガ条件の一部または全部は、既存の報告設定NR IE、および/または報告設定NR-SL IEに含まれてもよいし、それ以外の設定のIE(例えば報告設定NR-Relay IE)に含まれてもよい。
【0169】
測定設定には、UE122が測定対象の測定を実行するか否かを判断するために用いられる閾値の情報が含まれてよい。前記閾値には、SpCellから受信した参照信号の受信電力との比較に用いられる閾値(第1の閾値)と、サービング中継端末装置から受信した参照信号の受信電力との比較に用いられる閾値(第2の閾値)の少なくとも2種類があってよい。
【0170】
例えば、測定設定には第1の閾値を含むサービングセル品質閾値設定(s-Measure configuration)と、第2の閾値を含むサービング中継端末装置品質閾値設定(s-Measure-relay configuration)と、が含まれてもよい。また、例えば、測定設定には第1の閾値と第2の閾値とを含むサービングセル品質閾値設定が含まれてもよい。また、例えば、測定設定には第1の閾値と第2の閾値の何れかを選択式に含むサービングセル品質閾値設定が含まれてもよい。
【0171】
第1の閾値と第2の閾値の何れか、または両方がUE122に対して設定されなくてもよい。
【0172】
UE122は受信した前記測定設定に基づき測定対象の測定を実行してよい。
【0173】
例えば、第1の閾値と第2の閾値の何れかを選択式に含むサービングセル品質閾値設定が測定設定に含まれる場合の、UE122の測定の一例について説明する。
【0174】
UE122の処理部505は、設定された測定識別子ごとに以下の条件の何れか、あるいは以下の条件の組み合わせが満たされているかを判断してよい。
(a)サービングセル品質閾値設定が設定されていない
(b)サービングセル品質閾値設定によって第1の閾値が設定されており、SpCellのRSRPが第1の閾値を下回る
(c)サービングセル品質閾値設定によって第2の閾値が設定されており、サービング中継端末装置のRSRPが第2の閾値を下回る
(d)第1の条件を満たす
【0175】
UE122の処理部505は、設定された測定識別子ごとに上記の条件の何れか、あるいは上記の条件の組み合わせが満たされていると判断したことに少なくとも基づき、測定識別子に紐づけられた測定対象の測定を実行すると判断してよい。
【0176】
例えば、測定設定には第1の閾値を含むサービングセル品質閾値設定と、第2の閾値を含むサービング中継端末装置品質閾値設定と、が含まれる場合の、UE122の測定の一例について説明する。
【0177】
UE122の処理部505は、設定された測定識別子ごとに以下の条件の何れか、あるいは以下の条件の組み合わせが満たされているかを判断してよい。
(a)サービングセル品質閾値設定とサービング中継端末装置品質閾値設定の両方が設定されていない
(b)サービングセル品質閾値設定によって第1の閾値が設定されており、SpCellのRSRPが第1の閾値を下回る
(c)サービング中継端末装置品質閾値設定によって第2の閾値が設定されており、サービング中継端末装置のRSRPが第2の閾値を下回る
(d)第1の条件を満たす
【0178】
UE122の処理部505は、設定された測定識別子ごとに上記の条件の何れか、あるいは上記の条件の組み合わせが満たされていると判断したことに少なくとも基づき、測定識別子に紐づけられた測定対象の測定を実行すると判断してよい。
【0179】
第1の条件について説明する。第1の条件とは、下記の(A)から(D)の何れか、あるいは何れかの組み合わせであってよい。
(A)サービング中継端末装置においてサービング中継端末装置のサービングセルのRSRPが第3の閾値以下である(あるいは第3の閾値を下回っている)ことが、中継端末装置から通知されている
(B)サービング中継端末装置から、第1の閾値および/または第2の閾値を無視することを示す情報がサービング中継端末装置から通知されている
(C)既定の情報がサービング中継端末装置からUE122に通知されている
(D)第1のタイマーが停止している
【0180】
なお、「サービング中継端末装置においてサービング中継端末装置のサービングセルのRSRPが第3の閾値以下である(あるいは第3の閾値を下回っている)ことが、中継端末装置から通知されている」とは、UE122が、サービング中継端末装置においてサービング中継端末装置のサービングセルのRSRPが第3の閾値以下である(あるいは第3の閾値を下回っている)ことが、中継端末装置から通知されて以降、サービング中継端末装置においてサービング中継端末装置のサービングセルのRSRPが第3の閾値以下である(あるいは第3の閾値を下回っている)状況を脱したことが、中継端末装置から通知されていないことであってもよい。
【0181】
中継端末装置は、サービングセルのRSRPが第3の閾値以下となった(あるいは第3の閾値を下回った)か、およびサービングセルのRSRPが第3の閾値以下となった(あるいは第3の閾値を下回った)状況を脱したかを判断してよい。中継端末装置は、サービングセルのRSRPが第3の閾値以下となった(あるいは第3の閾値を下回った)と判断したことに基づいて、サービングセルのRSRPが第3の閾値以下である(あるいは第3の閾値を下回っている)ことをUE122に通知してよい。また、中継端末装置は、サービングセルのRSRPが第3の閾値以下となった(あるいは第3の閾値を下回った)状況を脱したと判断したことに基づいて、サービングセルのRSRPが第3の閾値以下である(あるいは第3の閾値を下回っている)状況を脱したことをUE122に通知してよい。前記第3の閾値は、基地局装置から中継端末装置に設定された閾値であってよい。また、前記第3の閾値は、基地局装置から中継端末装置に対する測定設定として通知された第1の閾値であってもよい。また、第3の閾値はそれ以外の値であってもよい。
【0182】
なお、「サービング中継端末装置から、第1の閾値および/または第2の閾値を無視することを示す情報が通知されている」とは、UE122が、サービング中継端末装置から、第1の閾値および/または第2の閾値を無視することを示す情報が通知されて以降、サービング中継端末装置から、第1の閾値および/または第2の閾値を無視しないことを示す情報が通知されていないことであってもよい。
【0183】
例えば、中継端末装置は、サービングセルのRSRPが第3の閾値以下となった(あるいは第3の閾値を下回った)か、およびサービングセルのRSRPが第3の閾値以下となった(あるいは第3の閾値を下回った)状況を脱したかを判断してよい。中継端末装置は、サービングセルのRSRPが第3の閾値以下となった(あるいは第3の閾値を下回った)と判断したことに基づいて、第1の閾値および/または第2の閾値を無視することを示す情報をUE122に通知してもよい。また、中継端末装置は、サービングセルのRSRPが第3の閾値以下となった(あるいは第3の閾値を下回った)状況を脱したと判断したことに基づいて、第1の閾値および/または第2の閾値を無視しないことを示す情報をUE122に通知してもよい。あるいは、中継端末装置は、その他の条件に基づき、第1の閾値および/または第2の閾値を無視することを示す情報、および/または第1の閾値および/または第2の閾値を無視しないことを示す情報をUE122に通知してもよい。
【0184】
なお、「既定の情報がサービング中継端末装置からUE122に通知されている」とは、サービング中継端末装置から既定の情報がUE122に通知されて以降、前記既定の情報を解放することを示す情報がサービング中継端末装置から通知されていないことであってもよい。
【0185】
なお、前記の各例において、第1の閾値および/または第2の閾値を用いた、測定を行うか否かの判断は、特定のイベントに紐づけられた測定識別子に対してのみ行われてもよい。例えば、測定を行うか否かの第2の閾値を用いた判断は、イベントZ2に対してのみ行われてもよい。すなわち、イベントZ2以外のイベントに紐づけられた測定識別子の測定を行うか否かの判断は、第2の閾値が設定されているか否かに関わらず行われてよい。また、他の例として例えば、測定を行うか否かの第2の閾値を用いた判断は、イベントZ1およびイベントZ2に対してのみ行われてもよい。すなわち、イベントZ1およびイベントZ2以外のイベントに紐づけられた測定識別子の測定を行うか否かの判断は、第2の閾値が設定されているか否かに関わらず行われてよい。また、第1の閾値および/または第2の閾値を用いた、測定を行うか否かを示す情報が、報告設定IEまたは測定対象IEに含まれてもよい。
【0186】
なお、前記第1のタイマーは、スタートしてから設定された時間で満了して停止するタイマーであってよい。第1のタイマーの時間は、測定設定に含まれてUE122に設定されてもよいし、サービング中継端末装置によって設定されてもよいし、既定の値が設定されてもよい。また、第1のタイマーは、測定が行われるとUE122によって判断されたことに基づいてスタート(または第1のタイマーが停止していない場合にはリスタート)するタイマーであってよい。また、前記第1のタイマーは、第1のタイマーが停止している状態で、測定が行われるとUE122によって判断されたことに基づいてスタートするタイマーであってよい。また、第1のタイマーは基地局装置から(例えばサービング中継端末装置を介して)測定設定が設定されるときに停止する(またはリセットされる)タイマーであってもよい。
【0187】
なお、第1の条件を満たすか否かを判断するために用いられる中継端末装置から通知される様々な情報はPC5-RRCシグナリングによってUE122に通知されてもよいし、その他のシグナリングによってUE122に通知されてもよい。
【0188】
なお、各実施形態は互いに組み合わされてよいし、各実施形態を組み合わせた実施の形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0189】
前記各実施形態において、SpCellの参照信号受信電力との比較に用いられる閾値(第1の閾値)には、SSBに基づくRSRPとの比較に用いられる閾値(ssb-RSRP)、CSI-RSに基づくRSRPとの比較に用いられる閾値(csi-RSRP)などがあってよい。
【0190】
前記各実施形態において、サービング中継端末装置から受信した参照信号の受信電力との比較に用いられる閾値(第2の閾値)には、ディスカバリーメッセージの参照信号に基づくRSRP(SD-RSRP)との比較に用いられる閾値(sd-RSRP)、サイドリンク通信で使用される参照信号に基づくRSRPとの比較に用いられる閾値(sl-RSRP)などがあってよい。
【0191】
基地局装置は、第1の閾値として、ssb-RSRPとcsi-RSRPの何れかを選択してUE122に通知してよい。基地局装置は、第2の閾値として、sd-RSRPとsl-RSRPの何れかを選択してUE122に通知してよい。あるいは、第2の閾値として、sd-RSRPとsl-RSRPの何れを使うかは仕様で定められてもよい。
【0192】
基地局装置は、ssb-RSRP、csi-RSRP、sd-RSRP、およびsl-RSRPの一部または全部の中から何れかを選択してUE122に通知してよい。この場合、UE122は、ssb-RSRPまたはcsi-RSRPが通知されたことに基づき第1の閾値が通知されたと判断してよい。また、UE122は、sd-RSRPまたはsl-RSRPが通知されたことに基づき第2の閾値が通知されたと判断してよい。この場合、UE122は、ssb-RSRPまたはcsi-RSRPが通知されたことに基づき第2の閾値が設定されていないと判断してよい。また、UE122は、sd-RSRPまたはsl-RSRPが通知されたことに基づき第1の閾値が設定されていないと判断してよい。
【0193】
また上記説明における各処理の例、又は各処理のフローの例において、ステップの一部または全ては実行されなくてもよい。また上記説明における各処理の例、又は各処理のフローの例において、ステップの順番は異なってもよい。また上記説明における各処理の例、又は各処理のフローの例において、各ステップ内の一部または全ての処理は実行されなくてもよい。また上記説明における各処理の例、又は各処理のフローの例において、各ステップ内の処理の順番は異なってもよい。また上記説明において「Aである事に基づいてBを行う」は、「Bを行う」と言い換えられてもよい。即ち「Bを行う」事は「Aである事」と独立して実行されてもよい。また上記説明において、「紐づける」、「対応付ける」、「関連付ける」等の表現は、互いに換言されてよい。
【0194】
なお、上記説明において、「AをBと言い換えてよい」は、AをBと言い換えることに加え、BをAと言い換える意味も含んでよい。また上記説明において、「CはDであってよい」と「CはEであってよい」とが記載されている場合には、「DはEであってよい」事を含んでもよい。また上記説明において、「FはGであってよい」と「GはHであってよい」とが記載されている場合には、「FはHであってよい」事を含んでもよい。
【0195】
また上記説明において、「A」という条件と、「B」という条件が、相反する条件の場合には、「B」という条件は、「A」という条件の「その他」の条件として表現されてもよい。
【0196】
本実施形態に関わる装置で動作するプログラムは、本実施形態の機能を実現するように、Central Processing Unit(CPU)等を制御してコンピュータを機能させるプログラムであってもよい。プログラムあるいはプログラムによって取り扱われる情報は、処理時に一時的にRandom Access Memory(RAM)などの揮発性メモリに読み込まれ、あるいはフラッシュメモリなどの不揮発性メモリやHard Disk Drive(HDD)に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
【0197】
なお、上述した実施形態における装置の一部、をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現されてもよい。ここでいう「コンピュータシステム」とは、装置に内蔵されたコンピュータシステムであって、オペレーティングシステムや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータが読み取り可能な記録媒体」とは、半導体記録媒体、光記録媒体、磁気記録媒体等のいずれであってもよい。
【0198】
さらに「コンピュータが読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュ-タシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュ-タシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0199】
また、上述した実施形態に用いた装置の各機能ブロック、または諸特徴は、電気回路、すなわち典型的には集積回路あるいは複数の集積回路で実装または実行され得る。本明細書で述べられた機能を実行するように設計された電気回路は、汎用用途プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品、またはこれらを組み合わせたものを含んでよい。汎用用途プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいし、代わりにプロセッサは従来型のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであってもよい。汎用用途プロセッサ、または前述した各回路は、デジタル回路で構成されていてもよいし、アナログ回路で構成されていてもよい。また、半導体技術の進歩により現在の集積回路に代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
【0200】
なお、本実施形態は上述の実施形態に限定されるものではない。実施形態では、装置の一例を記載したが、本実施形態は、これに限定されるものではなく、屋内外に設置される据え置き型、または非可動型の電子機器、たとえば、AV機器、キッチン機器、掃除・洗濯機器、空調機器、オフィス機器、自動販売機、その他生活機器などの端末装置もしくは通信装置に適用出来る。
【0201】
以上、この実施形態に関して、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この実施形態の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、本実施形態は、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本実施形態の技術的範囲に含まれる。また、上記実施形態に記載された要素であり、同様の効果を奏する要素同士を置換した構成も含まれる。
【符号の説明】
【0202】
100 ng-eNB
102 gNB
110、112、114 インタフェース
122 UE
200、1100 PHY
202、1102 MAC
204、1104 RLC
206、1106 PDCP
208、1108 RRC
210 PC5-S
310、1110 SDAP
400 Discovery
501、801 送信部
502 data bus
503、803 受信部
504 測定部
505、805 処理部
900 SRAP
1112 NAS