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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116501
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】物流管理システム及び物流管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0833 20230101AFI20240821BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20240821BHJP
【FI】
G06Q10/0833
B65G61/00 500
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022162
(22)【出願日】2023-02-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-06-25
(71)【出願人】
【識別番号】592079804
【氏名又は名称】三菱商事プラスチック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100141025
【弁理士】
【氏名又は名称】阿久津 勝久
(72)【発明者】
【氏名】宮城 光
(72)【発明者】
【氏名】桑沢 克彦
(72)【発明者】
【氏名】片岡 直弥
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA16
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】物流過程において作業者の協力が得られる可能性が高くなることで、より適切に物流情報をトレース可能に伝達できるにことにある。
【解決手段】物流管理システム100は、商品を輸送する物流容器3の個別識別情報4を、物流サプライチェーンの複数の物流段階で管理する。物流管理システム100は、複数の物流段階のそれぞれに配置され、物流容器3から商品の個別識別情報を読み取る端末装置5と、端末装置5が読み取った個別識別情報を端末装置5から受信して、個別識別情報及び物流段階に応じた付加価値情報を生成する物流管理装置1とを備える。物流管理装置1は、個別識別情報を物流管理装置1に送信した端末装置5及び/又は任意の端末装置に対して、付加価値情報を送信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を輸送するための物流容器の個別識別情報を、物流サプライチェーンの複数の物流段階で管理する物流管理システムであって、
前記複数の物流段階のそれぞれに配置され、前記物流容器から前記個別識別情報を読み取る端末装置と、
前記端末装置が読み取った前記個別識別情報を前記端末装置から受信して、前記個別識別情報及び前記物流段階に応じた付加価値情報を生成する物流管理装置とを備え、
前記物流管理装置は、前記個別識別情報を前記物流管理装置に送信した前記端末装置及び/又は任意の端末装置に対して、前記付加価値情報を送信する、物流管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の物流管理システムにおいて、
前記個別識別情報は、無線通信技術(例えば、RFID、ビーコン、LPWA、Wi-Fi、又はBluetooth(登録商標))を用いて読み取られるか、光学的情報媒体(例えば、バーコード、二次元コード、又はカラーコード)を用いて読み取られる、物流管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の物流管理システムにおいて、
前記端末装置及び/又は前記任意の端末装置は、スマートフォン、タブレット端末装置、専用端末装置、又はパーソナルコンピュータである、物流管理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の物流管理システムにおいて、
前記物流管理装置は、外部装置から受信した外部情報を前記個別識別情報と紐付けて前記付加価値情報を生成する、物流管理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の物流管理システムにおいて、
前記外部情報は、気象、マーケット、交通、人口動態の変化、生活習慣の変化、流行の変化、世論の変化、国内外経済・景気動向、株価、為替、金利、法律・条令の制定並びに改廃、政治動向、石油価格、及び最新の技術革新の少なくともいずれか1つの情報である、物流管理システム。
【請求項6】
請求項1に記載の物流管理システムにおいて、
前記物流管理装置は、前記付加価値情報として、前記物流容器の入出庫、当該物流容器での輸送対象となった商品の売上、入出荷日時、需要予測、市場価格推移、売れ筋、廃棄ロス情報、評価コメント、消費者嗜好、輸送コスト、及びプロセス改善ポイントの少なくともいずれかに関する情報を、前記外部装置又は前記端末装置から取得する、物流管理システム。
【請求項7】
請求項1に記載の物流管理システムにおいて、
前記端末装置は、前記物流サプライチェーンにおける、生産者、卸売市場、仲卸、小売店メーカー、物流会社、卸売業者、及びこれらの倉庫の、少なくともいずれか1つに位置する端末装置である、物流管理システム。
【請求項8】
請求項1に記載の物流管理システムにおいて、
前記端末装置は、読み取った前記個別識別情報を前記物流管理装置に送信する際、前記個別識別情報を前記端末装置の位置情報と共に送信する、物流管理システム。
【請求項9】
請求項8に記載の物流管理システムにおいて、
前記物流管理装置が、前記端末装置から受信した前記個別識別情報及び前記位置情報に基づき、前記物流容器の位置を追跡するための追跡情報を生成する、物流管理システム。
【請求項10】
商品を輸送するための物流容器の個別識別情報を、物流サプライチェーンの複数の物流段階で管理する物流管理方法であって、
前記複数の物流段階のそれぞれに配置される端末装置が、前記物流容器から前記個別識別情報を読み取るステップと、
物流管理装置が、前記端末装置が読み取った前記個別識別情報を前記端末装置から受信して、前記個別識別情報及び前記物流段階に応じた付加価値情報を生成するステップと、
前記物流管理装置が、前記個別識別情報を前記物流管理装置に送信した前記端末装置及び/又は任意の端末装置に対して、前記付加価値情報を送信するステップとを備える、物流管理方法。
【請求項11】
請求項10に記載の物流管理方法において、
前記端末装置が、無線通信技術(例えば、RFID、ビーコン、LPWA、Wi-Fi、又はBluetooth(登録商標))を用いて前記個別識別情報を読み取るステップ、又は光学的情報媒体(例えば、バーコード、二次元コード、又はカラーコード)を用いて前記個別識別情報を読み取るステップを備える、物流管理方法。
【請求項12】
請求項15に記載の物流管理方法において、
前記端末装置及び/又は前記任意の端末装置は、スマートフォン、タブレット端末装置、専用端末装置、又はパーソナルコンピュータである、物流管理方法。
【請求項13】
請求項10に記載の物流管理方法において、
前記物流管理装置が、外部装置から受信した外部情報を前記個別識別情報と紐付けて前記付加価値情報を生成するステップを備える、物流管理方法。
【請求項14】
請求項13に記載の物流管理方法において、
前記外部情報は、気象、マーケット、交通、人口動態の変化、生活習慣の変化、流行の変化、世論の変化、国内外経済・景気動向、株価、為替、金利、法律・条令の制定並びに改廃、政治動向、石油価格、及び最新の技術革新の少なくともいずれかの情報である、物流管理方法。
【請求項15】
請求項10に記載の物流管理方法において、
前記物流管理装置が、前記付加価値情報として、前記物流容器の入出庫、当該物流容器での輸送対象となった商品の売上、入出荷日時、需要予測、市場価格推移、売れ筋、廃棄ロス情報、評価コメント、消費者嗜好、輸送コスト、及びプロセス改善ポイントの少なくともいずれかに関する情報を前記外部装置又は前記端末装置から取得するステップを備える、物流管理方法。
【請求項16】
請求項10に記載の物流管理方法において、
前記端末装置は、前記物流サプライチェーンにおける、生産者、卸売市場、仲卸、小売店メーカー、物流会社、卸売業者、及びこれらの倉庫の、少なくともいずれか1つに位置する端末装置である、物流管理方法。
【請求項17】
請求項10に記載の物流管理方法において、
前記端末装置が、読み取った前記個別識別情報を前記物流管理装置に送信する際、前記個別識別情報を前記端末装置の位置情報と共に送信するステップを備える、物流管理方法。
【請求項18】
請求項17に記載の物流管理方法において、
前記物流管理装置が、前記端末装置から受信した前記個別識別情報及び前記位置情報に基づき、前記物流容器の位置を追跡するための追跡情報を生成するステップを備える、物流管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物流管理システム及び物流管理方法に関し、より詳細には、各物流段階において付加価値情報を提供する物流管理システム及び物流管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、IT技術の進歩により、物流管理システムが幅広い範囲で利用されている。また、そうした状況下において、物流に関する環境負荷低減のニーズも高まっている。例えば、青果物の物流過程において、ゼロエミッション対策の一環として、商品を輸送するための物流容器(物流作業単位の包装)を、従来の段ボールから、リサイクル、又はリユース可能な折畳みコンテナやパレットに置換する動きがある。しかも、こうした折畳みコンテナやパレットは、レンタルでの利用形態も拡大していることから、より一層の環境負荷低減の観点で利用拡大が期待されている。
【0003】
なお、上述の段ボールやコンテナ、パレット等の物流容器に対して、適切なタグや識別情報を付与、管理することで当該物流容器による物流過程をトレースする技術も進化しつつある。よって、物流事業全体がシステム化される潮流が存在する。
【0004】
特許文献1には、下流側事業者から上流側事業者への発注情報に基づいて出荷される物品に情報記録用タグを添付して、上流側事業者から下流側事業者へ出荷される物品に係る物流情報を伝達するようにした流通管理システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-87532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、物流過程をトレースする際、物流過程の各段階の作業者が情報の入力作業を行う必要が生じるが、各段階において、このような入力作業への作業者の協力が得られにくく、適切にトレースができない場合がある。
【0007】
かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、物流過程において作業者の協力が得られる可能性が高くなることで、より適切に物流情報をトレース可能に伝達が実現できることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の各態様は次の通りである。
[態様1]
商品を輸送するための物流容器の個別識別情報を、物流サプライチェーンの複数の物流段階で管理する物流管理システムであって、
前記複数の物流段階のそれぞれに配置され、前記物流容器から前記個別識別情報を読み取る端末装置と、
前記端末装置が読み取った前記個別識別情報を前記端末装置から受信して、前記個別識別情報及び前記物流段階に応じた付加価値情報を生成する物流管理装置とを備え、
前記物流管理装置は、前記個別識別情報を前記物流管理装置に送信した前記端末装置及び/又は任意の端末装置に対して、前記付加価値情報を送信する、物流管理システム。
【0009】
[態様2]
態様1に記載の物流管理システムにおいて、
前記個別識別情報は、無線通信技術(例えば、RFID、ビーコン、LPWA、Wi-Fi、又はBluetooth(登録商標))を用いて読み取られるか、光学的情報媒体(例えば、バーコード、二次元コード、又はカラーコード)を用いて読み取られる、物流管理システム。
[態様3]
態様1に記載の物流管理システムにおいて、
前記端末装置及び/又は前記任意の端末装置は、スマートフォン、タブレット端末装置、専用端末装置、又はパーソナルコンピュータである、物流管理システム。
[態様4]
態様1に記載の物流管理システムにおいて、
前記物流管理装置は、外部装置から受信した外部情報を前記個別識別情報と紐付けて前記付加価値情報を生成する、物流管理システム。
【0010】
[態様5]
態様4に記載の物流管理システムにおいて、
前記外部情報は、気象、マーケット、交通、人口動態の変化、生活習慣の変化、流行の変化、世論の変化、国内外経済・景気動向、株価、為替、金利、法律・条令の制定並びに改廃、政治動向、石油価格、及び最新の技術革新の少なくともいずれか1つの情報である、物流管理システム。
[態様6]
態様1に記載の物流管理システムにおいて、
前記物流管理装置は、前記付加価値情報として、前記物流容器の入出庫、当該物流容器での輸送対象となった商品の売上、入出荷日時、需要予測、市場価格推移、売れ筋、廃棄ロス情報、評価コメント、消費者嗜好、輸送コスト、及びプロセス改善ポイントの少なくともいずれかに関する情報を、前記外部装置又は前記端末装置から取得する、物流管理システム。
【0011】
[態様7]
態様1に記載の物流管理システムにおいて、
前記端末装置は、前記物流サプライチェーンにおける、生産者、卸売市場、仲卸、小売店、メーカー、物流会社、卸売業者、及びこれらの倉庫の、少なくともいずれか1つに位置する端末装置である、物流管理システム。
[態様8]
態様1に記載の物流管理システムにおいて、
前記端末装置は、読み取った前記個別識別情報を前記物流管理装置に送信する際、前記個別識別情報を前記端末装置の位置情報と共に送信する、物流管理システム。
[態様9]
態様8に記載の物流管理システムにおいて、
前記物流管理装置が、前記端末装置から受信した前記個別識別情報及び前記位置情報に基づき、前記物流容器の位置を追跡するための追跡情報を生成する、物流管理システム。
【0012】
[態様10]
商品を輸送するための物流容器の個別識別情報を、物流サプライチェーンの複数の物流段階で管理する物流管理方法であって、
前記複数の物流段階のそれぞれに配置される端末装置が、前記物流容器から前記個別識別情報を読み取るステップと、
物流管理装置が、前記端末装置が読み取った前記個別識別情報を前記端末装置から受信して、前記個別識別情報及び前記物流段階に応じた付加価値情報を生成するステップと、
前記物流管理装置が、前記個別識別情報を前記物流管理装置に送信した前記端末装置及び/又は任意の端末装置に対して、前記付加価値情報を送信するステップとを備える、物流管理方法。
【0013】
[態様11]
態様10に記載の物流管理方法において、
前記端末装置が、無線通信技術(例えば、RFID、ビーコン、LPWA、Wi-Fi、又はBluetooth(登録商標))を用いて前記個別識別情報を読み取るステップ、又は光学的情報媒体(例えば、バーコード、二次元コード、又はカラーコード)を用いて前記個別識別情報を読み取るステップを備える、物流管理方法。
[態様12]
態様15に記載の物流管理方法において、
前記端末装置又は前記任意の端末装置は、スマートフォン、タブレット端末装置、専用端末装置、又はパーソナルコンピュータである、物流管理方法。
[態様13]
態様10に記載の物流管理方法において、
前記物流管理装置が、外部装置から受信した外部情報を前記個別識別情報と紐付けて前記付加価値情報を生成するステップを備える、物流管理方法。
【0014】
[態様14]
態様13に記載の物流管理方法において、
前記外部情報は、気象、マーケット、交通、人口動態の変化、生活習慣の変化、流行の変化、世論の変化、国内外経済・景気動向、株価、為替、金利、法律・条令の制定並びに改廃、政治動向、石油価格、及び最新の技術革新の少なくともいずれかの1つの情報である、物流管理方法。
[態様15]
態様10に記載の物流管理方法において、
前記物流管理装置が、前記付加価値情報として、前記物流容器の入出庫、当該物流容器での輸送対象となった商品の売上、入出荷日時、需要予測、市場価格推移、売れ筋、廃棄ロス情報、評価コメント、消費者嗜好、輸送コスト、及びプロセス改善ポイントの少なくともいずれかに関する情報を前記外部装置又は前記端末装置から取得するステップを備える、物流管理方法。
【0015】
[態様16]
態様10に記載の物流管理方法において、
前記端末装置は、前記物流サプライチェーンにおける、生産者、卸売市場、仲卸、小売店メーカー、物流会社、卸売業者、及びこれらの倉庫の、少なくともいずれか1つに位置する端末装置である、物流管理方法。
[態様17]
態様10に記載の物流管理方法において、
前記端末装置が、読み取った前記個別識別情報を前記物流管理装置に送信する際、前記個別識別情報を前記端末装置の位置情報と共に送信するステップを備える、物流管理方法。
[態様18]
態様17に記載の物流管理方法において、
前記物流管理装置が、前記端末装置から受信した前記個別識別情報及び前記位置情報に基づき、前記物流容器の位置を追跡するための追跡情報を生成するステップを備える、物流管理方法。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る物流管理システム及び物流管理方法によれば、物流段階の端末装置に付加価値情報を提供することにより、物流過程において端末装置の作業者の協力が得らえる可能性が高く、より適切な物流情報をトレースすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る物流管理システムの概略構成を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る管理センターにおける装置構成例を示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係る個別識別情報を示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係る個別識別情報を取得した際に得る各種情報を示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係る加工した付加価値情報を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係る端末装置提供用に加工した情報を示す図である。
図7】本発明の一実施形態に係る端末装置の使用者登録(初期設定)の概念図である。
図8】本発明の一実施形態に係る物流管理方法のフロー図である。
図9】本発明の一実施形態に係るコンテナ情報の登録概念例を示す図である。
図10】本発明の一実施形態に係る物流管理方法のフロー図である。
図11】本発明の一実施形態に係る生産者情報の登録概念例を示す図である。
図12】本発明の一実施形態に係る物流管理方法のフロー図である。
図13】本発明の一実施形態に係る卸売市場情報の登録概念例を示す図である。
図14】本発明の一実施形態に係る物流管理方法のフロー図である。
図15】本発明の一実施形態に係る仲卸情報の登録概念例を示す図である。
図16】本発明の一実施形態に係る物流管理方法のフロー図である。
図17】本発明の一実施形態に係る小売店情報の登録概念例を示す図である。
図18】本発明の一実施形態に係る物流管理方法のフロー図である。
図19】本発明の一実施形態に係る付加価値情報の作成概念例を示す図である。
図20】本発明の一実施形態に係る物流管理方法のフロー図である。
図21】本発明の一実施形態に係る端末装置に付加価値情報の提供概念図である。
図22】本発明の一実施形態に係る物流管理方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、本発明の物流管理システム及び方法を、青果物の物流管理システム及び方法に適用した本実施形態を説明するが、本発明は、青果物の物流管理システム及び方法に限定されず、他の食品や食品以外の商品にも適用可能である。本発明において物流容器とは、物資を供給者から需要者へ時間的・空間的に移動する過程で使われる容器又は支持台を意味する。代表的な物流容器としては、例えばコンテナやパレット、フレコンバッグ、カゴ台車などを挙げることができる。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係る物流管理システム100の概略構成を示す図である。この物流管理システム100を構成する管理センター1は、様々な施設に設置される実装形態を想定できるが、専用施設やデポ2の施設に設置、運用する形態も想定可能である。管理センター1は、実際の建屋施設の他、当該施設にて本発明の物流管理装置として必要な機能を実装するサーバ装置、各種データを格納、保持するストレージから構成される。以後、説明の便宜上、管理センター1を物流管理装置1と読み替えて記載を行う。物流管理システム100が前提とする物流サプライチェーンは、例えば、図1に示すように、生産者12から、卸売市場13、仲卸14(省略される場合有り)、小売店15、消費者16の間の各物流段階から構成される。
【0020】
上述のデポ2は、プラスチックコンテナ3の保管、入出庫、棚卸、及び在庫管理などを行う既存の施設であるが、本発明のデポ2では端末装置5が配置され、プラスチックコンテナ3に付帯する個別識別情報4の読取り可能な環境となっている。
【0021】
また、本実施形態における物流管理システム100は、一例として青果物の物流管理システムを想定する。この場合、物流管理システム100は、個別識別情報4等を管理する管理センター1(管理装置)と、物流容器たるプラスチックコンテナ3などの入出庫や保管を行うデポ2(の管理システム)と、青果物を収納するプラスチックコンテナ3等の物流容器に付帯し個別識別情報4を保持する媒体と、当該個別識別情報4を読取って適宜な付加価値情報を提供する端末装置5と、上述の端末装置5らとネットワーク1との間での個別識別情報4等の送受信処理を担う通信手段6を含んでいる。
【0022】
上述の構成のうち物流容器たるプラスチックコンテナ3(以下、プラスチックコンテナ3と称する)は、管理対象となる物流サプライチェーンにおいて複数存在することを前提とする。具体的には数百から数千、或いは数万といった規模で存在するものとし、その数量規模に制約は無いものとする。こうしたプラスチックコンテナ3は、折畳みコンテナないしパレット等を想定する。折畳みコンテナないしパレット等は、好ましくは物流管理システムの運営会社からレンタルされたものである。
【0023】
なお、上述のプラスチックコンテナ3のそれぞれには、当該プラスチックコンテナ3を一意に特定する個別識別情報4が付与されている。この場合の付与形態としては、例えば、一次元ないし二次元のコードが印字等された適宜な媒体(紙やプラスチック、布、金属、シール、或いはプラスチックコンテナ3の表面そのものなど)であって、当該媒体を介して個別識別情報がプラスチックコンテナ3に配置されている形態を想定できる。或いは、そうした個別識別情報4をデータとして保持して、適宜に外部から参照可能なRFID(Radio Frequency Identification)タグがプラスチックコンテナ3に固定されている形態も想定できる。
【0024】
個別識別情報は、無線通信技術(例えば、RFID、ビーコン、LPWA(Low Power Wide Area)、Wi-Fi、又はBluetooth(登録商標))を用いて、物流容器に設けられた情報格納装置から端末装置5に送信されてもよい。または、個別識別情報は、物流容器に設けられた光学的情報媒体などの媒体(例えば、バーコード、二次元コード、又はカラーコード)を用いて、端末装置5により読み取られてもよい。
【0025】
いずれにしても端末装置5は、プラスチックコンテナ3に固定されている媒体(RFIDなどを含む)に対する読み取り動作(例えば、二次元コードなどに対する読み取り動作や、所定の通信プロトコルに基づいたRFIDタグなどに対する読み取り動作)を、予め備える読取り機能を使用して実行し、その媒体が保持する個別識別情報を抽出する。
【0026】
個別識別情報4を読み取り付加価値情報を受信する端末装置5、及び/又は付加価値情報を受信する任意の端末装置は、物流管理システム100専用に構成された専用端末装置である他、スマートフォンなどの携帯電話、タブレット端末装置、ウエアラブル端末装置、パーソナルコンピュータなどであってもよい。端末装置5及び/又は任意の端末装置は、物流サプライチェーンにおける、生産者、卸売市場、仲卸、及び小売店、メーカー、物流会社、卸売業者、これらの倉庫の、少なくともいずれか1つに位置する。またそれらいずれかの機器単独でも、或いは機器の組み合わせであってもよい。なお、専用端末装置は、1つ又は複数のカメラ、物流容器の接近を検出する1つ又は複数のセンサーを備え、各物流過程の所定箇所に設置されている。商品を載せたパレット等の物流容器が移動する際、センサーが所定箇所の通過を認識し、カメラは、物流容器の通過に応じて自動的に物流容器から撮影可能な商品の画像を撮影する。専用端末装置は、撮影された画像から個別識別情報を認識し、これを物流管理装置に送信することができる。さらに、専用端末装置は、撮影された画像を物流管理装置に送信する。物流管理装置は、撮影された画像から物流容器に積載された輸送商品情報(輸送される商品の種類及び/又は数量)を、所定の商品認識アルゴリズムを用いて認識することができる。この輸送商品情報を付加価値情報として用いることができる。この物流容器情報を商品受渡し作業や商品の検品作業の省力化、及び/又は、省人化に用いることができる。
【0027】
端末装置5はプラスチックコンテナ3の媒体から読み取った個別識別情報4を、無線や有線などの適宜な通信手段6で管理センターたる物流管理装置1に送信可能である。通信手段6は、端末装置5による個別識別情報4の読取り場所付近に設置、運営されている、例えば、無線または無線のLAN(Local Area Network)サービスの運用機器や、公衆回線網の中継機器などを想定できる。
【0028】
一方、管理センターにおける物流管理装置1では、全てのプラスチックコンテナ3の個別識別情報4を認識しており、端末装置5からリアルタイムないし一定時間ごとに配信される個別識別情報4に応じて、当該プラスチックコンテナ3の位置や移動経路の追跡などの各種管理業務を遂行可能である。
【0029】
図2に、本実施形態にて想定した物流管理装置1の構成例を示す。物流管理装置1は、例えば、サーバ装置にて構成されており、主記憶部51、補助記憶部52、演算部53、及び通信部54を含むものとする。
【0030】
このうち主記憶部51は、揮発性メモリで構成された記憶手段であって、必要な機能を実装するためのプログラム55が実装され、演算部53での実行に供する装置である。
【0031】
また、補助記憶部52は、上述のプログラム55の実行に際して必要となる各種データを保持するため、ハードディスクドライブやSSD(Solid State Drive)といった不揮発性メモリで構成された記憶手段である。
【0032】
この補助記憶部52は、個別識別情報4、当該個別識別情報4を取得した際に得る各種情報40、個別識別情報4や各種情報40を加工して得た付加価値情報41、当該付加価値情報41などを端末装置5への提供用に加工した情報42、が格納される。
【0033】
なお、この補助記憶部52の機能や実体は、ハードウェアとしての物流管理装置1に具備されている形態の他、ネットワーク7上に存在するストレージサービスにて実装するとしてもよい。こうした補助記憶部52の概念をストレージ50と称するものとする。
【0034】
また、演算部53は、プログラム55を主記憶部51に呼び出して実行し、補助記憶部52で保持する各種情報を用いつつ必要な機能を実装するCPU(Central Processing Unit)で構成されている。
【0035】
また、通信部54は、ネットワーク7にアクセスして、端末装置5や外部システム8、クラウドサービス9らとデータ通信可能に接続するユニットであって、ネットワークインターフェイスカードなどを想定する。
【0036】
上述したように、物流管理装置1や端末装置5は、ネットワーク7を介して、外部システム8やクラウドサービス9と接続可能である。ここで、外部システム8やクラウドサービス9は、物流管理装置1や端末装置5では取り扱っていない外部情報を必要に応じて配信する構成である。外部情報は、例えば、気象、マーケット、交通、人口動態の変化、生活習慣の変化、流行の変化、世論の変化、国内外経済・景気動向、株価、為替、金利、法律・条令の制定並びに改廃、政治動向、石油価格、及び最新の技術革新の少なくともいずれか1つの情報である。
【0037】
なお、物流管理装置1は、こうした外部システム8やクラウドサービス9から情報取得を行う場合、一般的なAPI(Application Programming Interface:アプリケーションプログラミングインターフェース)連携10の処理を行うものとする。勿論、こうした情報取得手法は一例であり、その他の手法も適宜採用可能である。
【0038】
管理センターにおける物流管理装置1は、端末装置5から受信した個別識別情報4やこの個別識別情報4と共に取得する各種情報40に基づき、それらを加工又は分析した付加価値情報41の生成、保管を行うものとする。また、物流管理装置1は、上述の情報を元に、端末装置5への提供用に加工した情報42を生成し、保管を行うものとする。物流管理装置1は、付加価値情報41及び/又は情報42を端末装置5及び/又は任意の端末装置に配信するものとする。
【0039】
個別識別情報4の情報項目例を図3に、個別識別情報4を取得した際に得る各種情報40の情報項目例を図4に、付加価値情報41の情報項目例を図5に、端末装置提供用に加工した情報42の情報項目例を図6に示す。
【0040】
このうち、個別識別情報4は、図3に示すように、個体情報、追跡情報、使用者情報、青果物情報、及び物流情報といった情報項目に対して、それらの値が情報構成として紐付いた形の情報となっている。
【0041】
「個体情報」に紐付く値としては、例えば、プラスチックコンテナ3の個体情報の発行年度や年度内の発行順番号などを想定できる。また、「追跡情報」に紐付く値としては、例えば、プラスチックコンテナ3の現在地、(当該現在地を観測した)日時、出庫情報、使用可否状態、及び回収状況などが想定できる。
【0042】
また、「使用者情報」に紐付く値としては、例えば、所有者名、当該所有者の住所、生産物種類、使用歴、販売先管理情報(生産者、卸売市場、仲卸、小売店、メーカー、物流会社、卸売業者など)ほかといったものが想定できる。また、「青果物情報」に紐付く値としては、例えば、当該青果物の品名、ブランド名、収穫時期、発送重量、発送日時、販売額、卸売市場の価格、仲卸の価格、小売店の価格、及び返品情報といったものが想定できる。また、「物流情報」としては、当該プラスチックコンテナ3による青果物を輸送する車両の車両番号、ドライバー情報、経路、及び温度管理情報といったものが想定できる。
【0043】
また、各種情報40は、図4にて示すように、青果物取引情報、追跡情報、拠点毎の出荷情報、及び輸送情報といった情報項目に対して、それらの値が情報構成として紐付いた形の情報となっている。なお、各種情報40は、各物流段階の端末装置5から送信される位置情報や、物流管理装置1に登録された各物流段階の引渡場所(デポ、生産者、卸売市場、仲卸、小売店メーカー、物流会社、卸売業者など)の所在地情報等に基づき、物流管理装置1が生成することができる。
【0044】
「青果物取引情報」に紐付く値としては、例えば、検品情報、自動受渡情報、返品情報、廃棄情報、青果物トレース情報などといったものが想定できる。また、「追跡情報」に紐付く値としては、例えば、当該青果物の現在地、(当該現在地を観測した)日時、使用可否状態、回収状況、その他といったものが想定できる。
【0045】
また、「拠点毎の出荷情報」に紐付く値としては、例えば、歩留情報、詰め替え情報、キズ・痛み・鮮度情報、欠品情報、梱包出荷などの作業時間、分荷(出合化)情報、押し付け情報、詰め替え情報ほかといったものが想定できる。また、「輸送情報」に紐付く値としては、例えば、コールドチェーン物流情報といったものが想定できる。
【0046】
また、付加価値情報41は、図5にて示すように、市場情報、品質向上情報、コスト削減情報、店舗情報、消費者情報、及び物流輸送情報といった情報項目に対して、それらの値が情報構成として紐付いた形の情報となっている。
【0047】
「市場情報」に紐付く値としては、例えば、需要予測、入荷予測、市場価格推移、最安値情報などといったものが想定できる。また、「品質向上情報」に紐付く値としては、例えば、廃棄率、生産者から消費者に届くまでの時間情報、及びサプライチェーンのプロセス改善情報などといったものが想定できる。
【0048】
「コスト削減情報」に紐付く値としては、例えば、物流滞留削減情報、輸送コスト削減情報、廃棄物コスト情報、作業効率情報などといったものが想定できる。また、「店舗情報」に紐付く値としては、例えば、店舗商品情報、販売価格情報、売れ筋情報、店舗からの要望情報などといったものが想定できる。
【0049】
「消費者情報」に紐付く値としては、例えば、購入情報、消費者の評価コメント情報、購入日時、ブランド効果情報、リピート情報、購入履歴情報などといったものが想定できる。また、「物流輸送情報」に紐付く値としては、例えば、輸送時間、輸送ルート最適化情報、無積載ロス情報などといったものが想定できる。
【0050】
また、情報42は、図6にて示すように、価格情報、消費傾向情報、取引情報、店舗情報、及び消費者情報といった情報項目に対して、それらの値が情報構成として紐付いた形の情報となっている。
【0051】
「価格情報」に紐付く値としては、例えば、ダイナミックプライス情報、価格トレンド情報などといったものが想定できる。また、「消費傾向情報」に紐付く値としては、例えば、消費者嗜好情報、売れ筋情報といったものが想定できる。また、「取引情報」に紐付く値としては、例えば、返品情報、廃棄情報、検品情報などといったものが想定できる。
【0052】
「店舗情報」に紐付く値としては、例えば、店舗商品情報、販売価格情報、売れ筋情報、店舗からの要望情報などといったものが想定できる。また、「消費者情報」に紐付く値としては、例えば、購入情報、消費者の評価コメント情報、購入日時、ブランド効果情報、リピート情報、購入履歴情報などといったものが想定できる。
【0053】
ここで、図1図6を踏まえ、物流管理システム100における情報の流れについて説明する。ここでは一例として、プラスチックコンテナ3(レンタル事業にて貸与される形態を想定)での青果物輸送に対応する物流管理システムの例で説明する。
【0054】
この場合、デポ2から出庫されたプラスチックコンテナ3は、図3に示す個別識別情報4のうち所定の各値(当該デポ2の作業者等が操作する端末装置5にて入力されるもの)がコード化された二次元コードが印字された状態、ないし当該印字がなされた媒体が貼付された状態で生産者12の元に届けられる。
【0055】
一方、上述のデポ2で端末装置5にて入力された個別識別情報4は、端末装置5からネットワーク7を経由して管理センターの物流管理装置1にアップロードされ、当該プラスチックコンテナ3と紐付いた形で、補助記憶部52に格納される。
【0056】
他方、上述のプラスチックコンテナ3を受領した生産者12は、プラスチックコンテナ3に付与された二次元コードに対する読み取り動作を端末装置5(生産者のもの)で実施して、個別識別情報4を取得し、これを端末装置画面上で表示させる。
【0057】
この時、端末装置5は、個別識別情報4に関する入力画面を表示させ、例えば、使用者情報(図3で定義したもの)の入力を生産者から受け付けるものとする。受け付けた使用者情報は、通信手段6及びネットワーク7を介して、生産者の端末装置5から管理センターの物流管理装置1に送信され、補助記憶部52に格納される。
【0058】
生産者12は、青果物をプラスチックコンテナ3に詰め込み出荷する。その際、生産者12は、図3に示す青果物情報を端末装置5から入力する。ここで入力された情報は、端末装置5から管理センターの物流管理装置1に送信され、その補助記憶部52に格納される。
【0059】
上述の青果物が梱包されたプラスチックコンテナ3は、輸送車11に積み込まれて輸送される。この輸送車11のドライバーは、図3に示す物流情報を端末装置5で入力する。その情報は端末装置5から管理センターの物流管理装置1に送信され、その補助記憶部52に格納される。
【0060】
プラスチックコンテナ3は、輸送車11により卸売市場13に搬入、すなわち入荷されることとなる。卸売市場13に入荷したプラスチックコンテナ3に関しては、上述の二次元コードの読み取り動作が、端末装置5を操作する卸売市場の作業者により実行される。この卸売市場13における、端末装置5での読み取り動作で得られる情報、すなわち個別識別情報4や卸売市場13の作業者により入力される情報が、管理センターにおける物流管理装置1に送信される。
【0061】
この場合、上述の作業者は、その端末装置5を操作し、図4に示す青果物取引情報、拠点毎の出荷情報などを入力することとなる。ここで入力された情報は、個別識別情報4とともに管理センターの物流管理装置1に送信され、その補助記憶部52に格納される。
【0062】
続いて、卸売市場13から出荷され、輸送車11で配送されたプラスチックコンテナ3は、仲卸14に入荷される。この時、仲卸14の作業者は、その端末装置5を操作して二次元コードの読み取り動作を実行する。
【0063】
上述の読み取り動作を受けた端末装置5は、仲卸14に入荷したプラスチックコンテナ3に付帯する媒体等から、図3に示す個別識別情報4を取得する。また、端末装置5は、上述の作業者による入力操作で、図4に示す各種情報40の「拠点毎の出荷情報」などを取得することとなる。ここで得た情報は、端末装置5から管理センターの物流管理装置1に送信され、その補助記憶部52に格納される。
【0064】
上述の卸売14から出荷されたプラスチックコンテナ3は、輸送車11により小売店15に輸送される。小売店15の作業者は、その端末装置5を操作し、入荷してきたプラスチックコンテナ3の二次元コード読取り動作を実行して、図3に示す個別識別情報4を取得する。この端末装置5は、図4に示す各種情報40における「拠点毎の出荷情報」などの入力を小売店15の作業者から受け付けて取得する。
【0065】
端末装置5は、上述のように取得した情報を、管理センターの物流管理装置1に送信する。物流管理装置1は、この情報を受信して補助記憶部52に格納する。
【0066】
上述の作業者は、当該小売店15で販売された青果物に関して、図3に示す青果物情報、図4に示す青果物取引情報及び拠点毎の出荷情報、及び図5に示す店舗情報及び消費者情報などを、端末装置5にて入力する。なお、店舗情報や消費者情報は、消費者16の購買情報から取得するとしてもよい。
【0067】
小売店15の作業者により入力された情報は、端末装置5から管理センターの物流管理装置1に送信される。物流管理装置1は、当該情報を受信して補助記憶部52に格納する。なお、小売店15で空になったプラスチックコンテナ3は、輸送車11でデポ2に向けて輸送され、当該デポ2で回収される。この場合、輸送車11のドライバーは、図3に示す物流情報、図4の輸送情報などを端末装置5から入力する。この端末装置5は、ドライバーにより入力された情報を、管理センターの物流管理装置1に送信する。物流管理装置1は当該情報を受信して補助記憶部52に格納する。
【0068】
なお、管理センターの物流管理装置1は、図3から図6に示す各情報のうち不足する情報を、必要に応じて外部システム8とネットワーク7を介して接続し、取得するとしてもよい。例えば、レンタル事業の経営情報や計画変更などは、外部システム8から授受することもできる。
【0069】
管理センターの物流管理装置1は、クラウドサービス9とAPI連携10で接続し、必要な情報を授受できる。例えば、天気予報、AIを活用した需要予測、価格トレンド情報、消費者嗜好情報、売れ筋情報、購入履歴情報などを取得することができる。
【0070】
物流管理装置1は、こうして取得した情報を所定の分析アルゴリズムにて分析し、その結果をサプライチェーンの各物流段階でステークホルダー(の端末装置)に提供することができる。その情報の例を、図6の端末装置提供用に加工した情報42に示す。なお、本実施形態の管理センターにおける物流管理装置1を構成する計算機は、クラウド上で構築したものでも、オンプレミスであってもよい。
【0071】
また、通信手段6は無線でも有線であってもよい。無線の場合、5Gや将来的には6Gなどを利用してもよい。また、VPN(Virtual Private Network:仮想プライベートネットワーク)の利用で情報の秘匿性を高めることも可能である。このように通信の秘匿性を高める措置を採用するなどし、情報セキュリティ機能をシステム全体で構築、運用することで、適切に情報を保護し利活用可能となる。
【0072】
また、プラスチックコンテナ3の購入者(作業者)や各種情報を入力する作業者の端末装置に、入力状況に応じてポイントを付与することで、確実な情報入力動作を促すとしてもよい。こうしたポイントの付与は、例えば、当該ポイント数に応じた電子マネー等の還元に結びつくものであって、プラスチックコンテナ3の購入時にポイントを利用したり、上述の作業者がその他の付加価値提供サービスなどを受けたりする際のサービス利用代金の支払いに利用できるものである。ひいては、ポイント付与により、購入者や上述の各作業者の情報入力率を高めることが期待できる。なお、物流管理装置1は、端末装置5及び/又は任意の端末装置に対して付加価値情報を送信する際に、付加価値情報と共にポイントの付与(ポイント情報の送信)をすることができる。
【0073】
図3から図6にそれぞれ示す各情報は、管理センターの物流管理装置1において(個別識別情報4をキーに)互いに紐付けすることにより種々の情報を生成し、さらに、クラウドサービスの情報などと組み合わせることで、より有益な情報への加工とその利用を図ることも可能である。
【0074】
ここまでで説明したように、デポ2を基点として、サプライチェーンのルート内おいて、プラスチックコンテナ3(とその輸送物たる青果物)を各段階で追跡管理することが可能となる。これにより、従来であれば、プラスチックコンテナ3の総数管理(コンテナを共通の入れ物として全体数量のみを管理)に留まっていた管理方式から、個品管理(コンテナなどを1個ずつ個別に管理)の方式に、機能アップを図ることが可能となる。ひいては、プラスチックコンテナ3の追跡管理の分解能を一段と高めることができる。
【0075】
プラスチックコンテナ3などの個品管理ができることで、個々の破損状況などだけでなく、紛失なども個別に追跡可能となることで、紛失場所の特定も容易となる。よって、効率の良い保守点検、交換、所在不明のプラスチックコンテナ3などの捜索を実現し、旧来であれば必要とされていた作業時間等を大幅に低減可能となる。ひいては、物流全体のトータルコスト低減や業務効率向上が期待できる。
【0076】
また、プラスチックコンテナ3と当該プラスチックコンテナ3に積み込まれる青果物の各情報を結び付けることで、青果物を各段階で追跡することも可能となる。そのため、生産者12、卸売市場13、仲卸14、小売店15など関係者の間で、図3に示す青果物情報、図4に示す青果物取引情報、拠点毎の出荷情報、図5に示す品質向上情報、店舗情報、消費者情報、物流輸送情報などについて情報共有を図ることで、青果物の本質的な品質向上や消費者16の購買意欲を高める青果物の提供に貢献することが可能となる。
【0077】
次に、図7から図18の各図を用いて、各流通段階の端末装置5における各種登録や当該端末装置5への付加価値情報提供までの各処理について順次説明する。先ず、図7で、端末装置5の使用者登録について示す。つまり、入出力端末装置を本システムで使用するための初期設定である。
【0078】
図7の中央にある管理センターの物流管理装置1が中央処理システムである。また、図8に初期設定フローの例を示す。この場合、端末装置5は、それが使用されるデポ2、輸送車11、生産者12、卸売市場13、仲卸14、及び小売店15のそれぞれで、使用者毎に、初期設定として当該使用者のIDとPW(パスワード)の登録申請を、管理センターにおける物流管理装置1に対して行うものとする(S1)。
【0079】
その申請主体となる者は、デポ2における作業者、輸送車11のドライバー(作業者)、青果物の生産者(作業者)12、卸売市場13の作業者、仲卸14の作業者、及び小売店15の作業者となる。
【0080】
一方、管理センターの物流管理装置1は、夫々の端末装置5から受信した登録申請内容を予め定めた規定ルール等に照合してチェックし(S2)、問題が無ければ使用許可の回答を端末装置5に応答し(S3)、処理を終了する。
【0081】
なお、物流管理装置1は、上述の処理で得た、各端末装置5の認証情報(ID,PW)を自身の補助記憶部52に格納しておき、以後、当該端末装置5からのアクセス要求があった際の認証処理に認証用情報として使用するものとする。以降、各端末装置5と物流管理装置1とは、システム的に接続され、互いに情報授受が可能となる。
【0082】
次に、図9及び図10に基づき、コンテナ情報の登録処理の説明をする。デポ2の端末装置5(認証情報が登録され、使用許可されたもの)は、プラスチックコンテナ3の二次元コードを読取り、ここで読み取った物流情報(個別識別情報4とコンテナ個体情報、追跡情報、出庫情報など)を端末の位置情報と共に、物流管理装置1に送信する(S5)。物流管理装置1は、送信されてきた物流情報及び位置情報を、図3に記載の個別識別情報4と紐付けて格納する(S6)。これにより個品管理を開始できる。
【0083】
なお、物流管理装置1は、デポ2の端末装置5から受信した情報(図3に記載のコンテナ個体情報と追跡情報)を上述のように格納した後、デポ2の端末装置5に対して登録完了情報を送信する(S7)。
【0084】
この場合、デポ2の端末装置5は、管理センターの物流管理装置1から受信した登録完了情報を受信して、一連の登録処理を完了する(S8)。こうして登録が完了したプラスチックコンテナ3は、当該デポ2の担当により、輸送車11のドライバーに引き渡されることになる。
【0085】
上述のドライバーは、自分の端末装置5によって、プラスチックコンテナ3の個別識別情報4の読取り動作を実行する。端末装置5は、図3に記載の物流情報の入力をドライバーから受け付けて、これを端末の位置情報と共に、管理センターの物流管理装置1に送信する(S9)。
【0086】
管理センターの物流管理装置1は、端末装置5から受信した物流情報及び位置情報を、当該プラスチックコンテナ3の個別識別情報4などと紐付けて補助記憶部52に格納し、当該ドライバーの端末装置5に登録完了情報及び付加価値情報を送信する(S10)。ドライバーの端末装置5が管理センターの物流管理装置1からの登録完了情報及び付加価値情報を受信し、一連の登録が終了する(S11)。S10及びS11の付加価値情報は、デポの作業者に対して有益な情報、例えば、プラスチックコンテナ3がデポから出て戻ってくるまでの平均輸送時間、輸送ルート最適化情報等の情報とすることができる。このような情報は、物流管理装置1が物流容器等の流通をトレースした情報に基づき生成される。
【0087】
続いて、図11及び図12に生産者情報の登録概念及びフロー例を示す。この場合、輸送車11のドライバーは、プラスチックコンテナ3を生産者に引渡し、生産者12は端末装置5を使用した二次元コードに対する読み取り動作を、受領したコンテナに対して実行する。
【0088】
これを受けた端末装置5は、二次元コードからプラスチックコンテナ3の個別識別情報4を読み取ることになる(S15)。また端末装置5は、生産者に対して所定の入力画面を表示して、使用者情報、積載した青果物情報、端末装置5の位置情報などの入力を受け付け、これを個別識別情報4と紐付けて管理センターの物流管理装置1に送信する(S16)。
【0089】
一方、管理センターの物流管理装置1は、上述の端末装置5から受信した青果物情報及び位置情報などを所定ルールに照合してチェックし問題が無ければ、これらの情報を情報受信日時と共に、補助記憶部52に格納し登録完了情報及び付加価値情報を生産者の端末装置5に送信する(S17)。
【0090】
他方、上述の生産者の端末装置5は、管理センターの物流管理装置1からの登録完了情報及び付加価値情報を受信する(S18)。この時、生産者は青果物をプラスチックコンテナ3に積載し、その状態のプラスチックコンテナ3を輸送車11のドライバーに引き渡す。これにて生産者の登録作業は完了する。S17及びS18の付加価値情報は、生産者に対して有益な情報、例えば、青果物の価格トレンド情報、売れ筋情報等の情報とすることができる。このような情報は、物流管理装置1が外部システム8等から収集した情報に基づき生成される。
【0091】
青果物が積載されたプラスチックコンテナ3を受領した輸送車11のドライバーは、自分の端末装置5により、当該プラスチックコンテナ3の個別識別情報の読取り動作を実行する。端末装置5は、この読み取り動作で得た情報に基づいて、図3に示す物流情報を更新し、この物流情報を端末装置5の位置情報と共に、管理センターの物流管理装置1に送信する(S19)。
【0092】
管理センターの物流管理装置1は、上述した生産者の端末装置5から受信した物流情報及び位置情報をチェックし、問題無ければ当該物流情報及び位置情報を補助記憶部52に格納する(S20)。また、物流管理装置1は、ドライバーに登録完了情報及び付加価値情報を送信する(S21)。一方、ドライバーの端末装置5が、管理センターの物流管理装置1からの登録完了情報及び付加価値情報を受信して一連の登録作業を完了する(S22)。
【0093】
続いて、図13及び図14に基づき、卸売市場情報の登録処理について説明する。この場合、輸送車11のドライバーは、青果物が積載されたプラスチックコンテナ3を卸売市場に引渡す。この時、卸売市場の作業者は、端末装置5を操作し、受領したプラスチックコンテナ3の二次元コード読取り動作を実行する。この端末装置5は、これにより、プラスチックコンテナ3に付与されている個別識別情報4を取得する(S25)。
【0094】
また、この場合の端末装置5は、図4の青果物取引情報、拠点情報などの入力を卸売市場13の作業者から受け付け、これを卸売市場13の端末装置5の位置情報と共に、管理センターの物流管理装置1に送信する(S26)。この場合、管理センターの物流管理装置1は、端末装置5から受信した上述の青果物取引情報及び位置情報などを所定のチェック用ルール等に照合してチェックし問題が無ければ、これらの情報を情報受信日時と共に、物流管理装置1は対象情報を補助記憶部52に格納し、また、登録完了情報及び付加価値情報を卸売市場の作業者の端末装置5に送信する(S27)。
【0095】
卸売市場の作業者の端末装置5は、管理センターの物流管理装置1からの登録完了情報及び付加価値情報を受信する(S28)。この時、卸売市場13は青果物を積載したプラスチックコンテナ3を、輸送車11のドライバーに引き渡す。S27及びS28の付加価値情報は、卸売市場の作業者に対して有益な情報、例えば、価格トレンド情報、店舗からの要望情報、売れ筋情報等の情報とすることができる。このような情報は、物流管理装置1が外部システム8等から収集した情報に基づき生成される。
【0096】
輸送車11のドライバーは、青果物を積載したプラスチックコンテナ3を受領し、自分の端末装置5による個別識別情報4の読取り動作を実行する。端末装置5は、当該プラスチックコンテナ3に付帯する二次元コードの読取りを行って個別識別情報4を取得する。また、端末装置5は、図4に示す物流情報の入力をドライバーから受け、取得した物流情報を更新して、この物流情報を端末装置5の位置情報と共に、物流管理装置1に送信する(S29)。
【0097】
管理センター1の物流管理装置1は、上述のドライバーの端末装置5から受信した物流情報及び位置情報を、予め定めたルールに沿ってチェックし、問題無ければ当該物流情報及び位置情報を補助記憶部52に格納し、ドライバーに登録完了情報及び付加価値情報を送信する(S30)。一方、当該ドライバーの端末装置5は、物流管理装置1から登録完了情報及び付加価値情報を受信し(S31)、一連の登録作業が完了する。S30及びS31の付加価値情報は、ドライバーに対して有益な情報、例えば、輸送時間、輸送ルート最適化情報、無積載ロス情報等とすることができる。このような情報は、物流管理装置1が外部システム8等から収集した情報に基づき生成される。
【0098】
続いて図15及び図16に基づき、仲卸情報の登録処理について説明する。この場合、輸送車11のドライバーは、青果物が積載されたプラスチックコンテナ3を仲卸14に引渡すものとする。この時、仲卸14の作業者は、受領したプラスチックコンテナ3に付帯する二次元コードに対し、端末装置5を用いた読み取り動作を実行する。その場合、当該端末装置5は、上述の二次元コードへの読み取り動作により、個別識別情報4を取得する(S35)。
【0099】
端末装置5は、図4の青果物取引情報、拠点情報などの入力を、仲卸14の作業者から受け付けて、これらの情報を仲卸14の端末装置5の位置情報と共に、物流管理装置1に送信する(S36)。物流管理装置1は、端末装置5から受信した青果物取引情報及び位置情報などを予め定めたチェックルールに従ってチェックし問題が無ければ、これらの情報を情報受信日時と共に、補助記憶部52に格納する(S37)。
【0100】
また、この時、物流管理装置1は登録完了情報及び付加価値情報を仲卸14の端末装置5に送信する。よって仲卸14の作業者の端末装置5は、物流管理装置1から送信されてきた登録完了情報及び付加価値情報を受信する(S38)。S37及びS38の付加価値情報は、仲卸の作業者に対して有益な情報、例えば、売れ筋情報、購入情報、店舗商品情報等の情報とすることができる。このような情報は、物流管理装置1が外部システム8等から収集した情報に基づき生成される。
【0101】
一方、仲卸14は、青果物を積載したプラスチックコンテナ3を、輸送車11のドライバーに引き渡す。輸送車11のドライバーは、仲卸14から引き渡されたプラスチックコンテナ3に対し、自分の端末装置5を操作して個別識別情報4を読取る。また、端末装置5は、図2に示す物流情報を更新し、この物流情報をドライバーの端末装置5の位置情報と共に、物流管理装置1に送信する(S39)。
【0102】
管理センターの物流管理装置1は、上述のドライバーが保有する端末装置5から受信した物流情報及び位置情報をチェックし、問題無ければ当該物流情報及び位置情報を補助記憶部52に格納し、ドライバーに登録完了情報及び付加価値情報を送信する(S40)。この時、上述のドライバーの端末装置5は、物流管理装置1から登録完了情報及び付加価値情報を受信し(S41)、一連の登録作業が完了する。S40及びS41の付加価値情報は、ドライバーに対して有益な情報、例えば、輸送時間、輸送ルート最適化情報、無積載ロス情報等とすることができる。このような情報は、物流管理装置1が外部システム8等から収集した情報に基づき生成される。
【0103】
続いて、図17及び図18に基づき、小売店情報の登録処理について説明する。この場合、輸送車11のドライバーは、青果物が積載されたプラスチックコンテナ3を、小売店15に引渡す。この時、小売店15の作業者は、受領したプラスチックコンテナ3の二次元コードに対する読み取り動作を実行する。
【0104】
小売店15の作業者の端末装置5は、上述の読み取り動作により、プラスチックコンテナ3に付帯する個別識別情報4を取得する(S45)。また、端末装置5は、図4の青果物取引情報、拠点情報などの入力を作業者から受け付けて、これら情報を小売店15の端末装置5の位置情報と共に、物流管理装置1に送信する(S46)。
【0105】
一方、物流管理装置1は、上述の端末装置5から受信した青果物取引情報及び位置情報などを所定ルールに沿ってチェックし問題が無ければ、これらの情報を情報受信日時と共に、補助記憶部52に格納し、登録完了情報及び付加価値情報を小売店15の端末装置5に送信する(S47)。他方、小売店15の作業者の端末装置5は、物流管理装置1からの登録完了情報及び付加価値情報を受信する(S48)。S47及びS48の付加価値情報は、仲卸の作業者に対して有益な情報、例えば、消費者の評価コメント情報、最安値情報、リピート情報等とすることができる。このような情報は、物流管理装置1が外部システム8等から収集した情報、及び物流管理装置1が入手した商品流通のトレース情報に基づき生成される。
【0106】
小売店15においては、空になったプラスチックコンテナ3を輸送車11のドライバーに引き渡す。空になったプラスチックコンテナ3を受領した輸送車11のドライバーは、自分の端末装置5を操作して、図3に示す物流情報を入力する。端末装置5は、この物流情報をドライバーの端末装置5の位置情報と共に、物流管理装置1に送信する(S49)。
【0107】
物流管理装置1は、ドライバーの端末装置5から受信した物流情報及び位置情報を所定ルールに沿ってチェックし、問題無ければ補助記憶部52に格納し、ドライバーの端末装置5に登録完了情報及び付加価値情報を送信する(S50)。ドライバーの端末装置5は、物流管理装置1からの登録完了情報を受信し(S51)、一連の登録作業が完了する。S50及びS51の付加価値情報は、ドライバーに対して有益な情報、例えば、輸送時間、輸送ルート最適化情報、無積載ロス情報等の情報とすることができる。このような情報は、物流管理装置1が外部システム8等から収集した情報に基づき生成される。
【0108】
続いて、図19及び図20に基づき、付加価値情報の生成について説明する。この場合、管理センターの物流管理装置1は、定期的、若しくは、イベントドリブンで、API連携10をしているクラウドサービス9から、ネットワーク7を経由して図5に記載の市場情報、消費者情報、店舗情報など、付加価値情報の生成に必要な情報を取得する(S55)。また、付加価値情報の生成に必要な情報は、物流管理装置1自体が各端末装置5から収集した物流情報を用いることができる。
【0109】
なお、物流管理装置1は、外部システム8(例:物流管理システムなど)から、ネットワーク経由により、図5に記載の物流輸送情報、品質向上情報など、付加価値情報の生成に必要な情報を取得するとしてもよい。
【0110】
物流管理装置1は、クラウドサービス9や外部システム8、および、各端末装置5から取得した情報を、各種の統計処理のアルゴリズム、特に重回帰分析やAIによる各種の判定モデルに適用して、例えば、各情報の間の相関関係の有無や強弱を特定し、市場情報、品質向上情報、コスト削減情報、物流輸送情報などの付加価値情報を定期的、若しくは、リアルタイムに生成する(S56)。
【0111】
さらに、物流管理装置1は、上述の付加価値情報を分析し、図5に示す加工した付加価値情報の項目を追加ないし削除し、必要な情報項目とコンテンツを最新の状態として補助記憶部52に格納する(S57)。
【0112】
続いて図21及び図22に基づき、端末装置5に対して付加価値情報の提供を行う処理について説明する。この場合、管理センターの物流管理装置1は、図19、20で取得、加工した付加価値情報41を、図6に示す各端末装置向けの情報42に加工しておき(S60)、物流情報を入力済みの各端末装置に対して、各端末装置5から、情報提供の要求及び/又は個別識別情報の送信があれば、各物流段階に適した付加価値情報41を提供する(S61)。
【0113】
上述の情報提供に必要な情報は、物流管理装置1の補助記憶部52において、図3の個別識別情報4、図4の個別識別情報を取得した際に得る各種情報40、図5の加工した付加価値情報41、図6の端末装置提供用に加工した情報42が最新の状態で保持し格納されている。
【0114】
以上、記載したことから、本発明によれば、プラスチックコンテナ3を青果物の輸送手段のみとしてではなく、青果物の積載有無に関わらず、各機会で適宜な情報を端末装置5から取得する起点として取り扱うことが可能となる。このようなプラスチックコンテナ3を利活用することで、青果物に係る情報の移動、循環の効率的な特定にも寄与することができる。また、輸送車11が物流情報として保有しているGPS情報やドライバーの入力情報、或いは外部システム8やクラウドサービス9が提供しうる経済指標や天候などの情報に基づいて、各種分析を実行することも可能である。こうした分析の結果を適宜に利活用することで、トータル物流の高効率化を図って、スマートロジスティックの高度化にも寄与できる。
【0115】
つまり、サプライチェーンで発生する情報を適宜繋げて有効活用することで、リードタイムを短縮して業務効率を改善し、ひいては在庫削減を促進することにもつながる。また、サプライチェーンのステークホルダーの経営効率を改善することが可能となる。
【0116】
プラスチックコンテナ3のリユースにより、青果物の物流サプライチェーン内の情報やクラウドサービス9などの情報を効率良く蓄積することが可能になる。またこうした情報の蓄積はビッグデータ構築を実現する。このビッグデータの分析によって、より有益で有益な情報を創出し、各端末装置5へ提供することが可能となる。物流管理装置1は、ここで端末装置5に提供する情報の質を常に最新にし、簡単には得られない情報をシステム内で共有することが可能となる。
【0117】
これらの有益な情報を活用することで、コンテナ3と青果物等の商品とを紐づけた情報を用いて、検品レス化、引渡し時の突合検査、受渡し自動化、サプライチェーン全体の効率化、輸送効率化、配送物の品質向上、消費者満足促進などを通じて、物流全体でDX(Digital Transformation)を推進し、新たなプロセス改革、イノベーションが可能となる。
【0118】
本実施形態に係る物流管理システムは、各物流段階の作業者に対して有益な付加価値情報を提供することにより、作業者に対して物流管理システムへ個別識別情報の入力を促進又は動機づけることができる。これによって、各物流段階でより確実に物流情報を収集できるため、個品管理、自動受渡し、生産効率の向上、輸送効率の向上、需要予測が可能となる。
【0119】
本実施形態に係る物流管理システムは、上述したように各物流段階で物流情報を確実に収集できるため、収集した物流情報に基づき、輸送情報の再現(シミュレーション)を行うこと、仮想の客モデルへの販売シミュレーションを、各端末装置5等に提供することができる。また、収集した物流情報に基づき、直販チャンネル(仮想ショッピング)を提供することもできる。
【0120】
本実施形態に係る物流管理システムは、検品レス又は検品簡易化を可能とする付加価値情報を提供することもできる。現状、検品の際、作業者は、商品名、発送者名、カット野菜などの加工業者名、商品数量(入数×箱数)、消費期限、等級、及び破損有無の外観確認といった検品作業を行っている。商品名、商品数量、加工業者名、及び消費期限については、ドライバーが持参した納品書、及びメーカー事前出荷情報を元に受け取り側の作業者が作成した資料を用いて、現場で受け取り側の作業者が現物確認を行っている。破損有無については、現場で受け取り側の作業者が商品外観を周囲から確認している。
【0121】
これに対して、本実施形態に係る物流管理システムは、このような各種検品作業を、次の処理により省略又は簡素化することができる。
【0122】
具体的には、商品名、商品数量、消費期限、及び等級情報については、物流容器に商品を積載し商品を出荷するタイミングで、物流容器の個別識別情報と、出荷される商品情報を紐付けて、物流管理装置に送信し登録する。これにより、出荷された後の各流通段階で、物流容器の個別識別情報に基づき、商品名、商品数量、及び消費期限情報を各端末装置側で確認することができるため、検品作業を簡素化することができる。なお、出荷又は加工される商品情報は、出荷元の生産者12又は加工業者などの各拠点が有する納品書作成用の元データを、出荷元又は加工業者の端末装置5から物流管理装置1に送信することにより、元データ(出荷又は加工される商品情報)と連携することができる。パレットなどの物流容器が複数種類の商品を積載する場合も、同様の処理を行うことにより、物流容器の個別識別情報と、出荷される複数の商品情報を紐付けできる。
【0123】
破損有無の外観確認については、商品の出荷側及び/又は入荷側の所定箇所、具体的には、バース付近(トラック荷積み・卸し場)に、1つ又は複数のカメラを備えた専用端末装置を設置する。このカメラを用いて、被写体となる物流容器に積載された商品の外観画像を撮影すると共に物流容器の個別識別情報を識別する。専用端末装置は、積載された商品の外観画像及び物流容器の個別識別情報を物流管理装置に送信する。物流管理装置は、専用端末装置から受信した外観画像と物流容器の個別識別情報とを紐づけて保存する。これによって、商品破損等の問題が発生した場合、事後的に外観画像を検証してどの物流段階で破損等が生じたかを確認することができる。事後確認が出来る状況を以て、入荷時点での外観チェックという検品作業を省略することができる。
【符号の説明】
【0124】
1 管理センター(物流管理装置)
2 デポ
3 プラスチックコンテナ
4 個別識別情報
5 端末装置
6 通信手段(無線・有線)
7 ネットワーク
8 外部システム
9 クラウドサービス
10 API連携
11 輸送車
12 生産者
13 卸売市場
14 仲卸
15 小売店
16 消費者
40 個別識別情報を取得した際に得る各種情報
41 加工した付加価値情報
42 端末装置提供用に加工した情報
50 ストレージ
51 主記憶部
52 補助記憶部
53 演算部
54 通信部
55 プログラム
100 物流管理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
【手続補正書】
【提出日】2023-08-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を輸送するための物流容器の個別識別情報を、物流サプライチェーンの複数の物流段階で管理する物流管理システムであって、
前記複数の物流段階のそれぞれに配置され、前記物流容器から前記個別識別情報を読み取る端末装置と、
前記端末装置が読み取った前記個別識別情報を前記端末装置から受信して、前記個別識別情報及び前記物流段階に応じた付加価値情報を生成する物流管理装置とを備え、
前記物流管理装置は、前記個別識別情報を前記物流管理装置に送信した前記端末装置及び/又は任意の端末装置に対して、前記端末装置及び/又は前記任意の端末装置の情報提供の要求及び/又は個別識別情報の送信に応じて前記付加価値情報を送信し、
前記物流管理装置が生成する前記付加価値情報は、前記物流段階の各々に適して加工又は分析された情報であり、前記物流段階の各々に対して有益な情報である、物流管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の物流管理システムにおいて、
前記個別識別情報は、無線通信技術(例えば、RFID、ビーコン、LPWA、Wi-Fi、又はBluetooth(登録商標))を用いて読み取られるか、光学的情報媒体(例えば、バーコード、二次元コード、又はカラーコード)を用いて読み取られる、物流管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の物流管理システムにおいて、
前記端末装置及び/又は前記任意の端末装置は、スマートフォン、タブレット端末装置、専用端末装置、又はパーソナルコンピュータである、物流管理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の物流管理システムにおいて、
前記物流管理装置は、外部装置から受信した外部情報を前記個別識別情報と紐付けて前記付加価値情報を生成する、物流管理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の物流管理システムにおいて、
前記外部情報は、気象、マーケット、交通、人口動態の変化、生活習慣の変化、流行の変化、世論の変化、国内外経済・景気動向、株価、為替、金利、法律・条令の制定並びに改廃、政治動向、石油価格、及び最新の技術革新の少なくともいずれか1つの情報である、物流管理システム。
【請求項6】
請求項1に記載の物流管理システムにおいて、
前記物流管理装置は、前記付加価値情報として、前記物流容器の入出庫、当該物流容器での輸送対象となった商品の売上、入出荷日時、需要予測、市場価格推移、売れ筋、廃棄ロス情報、評価コメント、消費者嗜好、輸送コスト、及びプロセス改善ポイントの少なくともいずれかに関する情報を、前記外部装置又は前記端末装置から取得する、物流管理システム。
【請求項7】
請求項1に記載の物流管理システムにおいて、
前記端末装置は、前記物流サプライチェーンにおける、生産者、卸売市場、仲卸、小売店メーカー、物流会社、卸売業者、及びこれらの倉庫の、少なくともいずれか1つに位置する端末装置である、物流管理システム。
【請求項8】
請求項1に記載の物流管理システムにおいて、
前記端末装置は、読み取った前記個別識別情報を前記物流管理装置に送信する際、前記個別識別情報を前記端末装置の位置情報と共に送信する、物流管理システム。
【請求項9】
請求項8に記載の物流管理システムにおいて、
前記物流管理装置が、前記端末装置から受信した前記個別識別情報及び前記位置情報に基づき、前記物流容器の位置を追跡するための追跡情報を生成する、物流管理システム。
【請求項10】
商品を輸送するための物流容器の個別識別情報を、物流サプライチェーンの複数の物流段階で管理する物流管理方法であって、
前記複数の物流段階のそれぞれに配置される端末装置が、前記物流容器から前記個別識別情報を読み取るステップと、
物流管理装置が、前記端末装置が読み取った前記個別識別情報を前記端末装置から受信して、前記個別識別情報及び前記物流段階に応じた付加価値情報を生成するステップと、
前記物流管理装置が、前記個別識別情報を前記物流管理装置に送信した前記端末装置及び/又は任意の端末装置に対して、前記端末装置及び/又は前記任意の端末装置の情報提供の要求及び/又は個別識別情報の送信に応じて前記付加価値情報を送信し、
前記物流管理装置が生成する前記付加価値情報は、前記物流段階の各々に適して加工又は分析された情報であり、前記物流段階の各々に対して有益な情報である、物流管理方法。
【請求項11】
請求項10に記載の物流管理方法において、
前記端末装置が、無線通信技術(例えば、RFID、ビーコン、LPWA、Wi-Fi、又はBluetooth(登録商標))を用いて前記個別識別情報を読み取るステップ、又は光学的情報媒体(例えば、バーコード、二次元コード、又はカラーコード)を用いて前記個別識別情報を読み取るステップを備える、物流管理方法。
【請求項12】
請求項10に記載の物流管理方法において、
前記端末装置及び/又は前記任意の端末装置は、スマートフォン、タブレット端末装置、専用端末装置、又はパーソナルコンピュータである、物流管理方法。
【請求項13】
請求項10に記載の物流管理方法において、
前記物流管理装置が、外部装置から受信した外部情報を前記個別識別情報と紐付けて前記付加価値情報を生成するステップを備える、物流管理方法。
【請求項14】
請求項13に記載の物流管理方法において、
前記外部情報は、気象、マーケット、交通、人口動態の変化、生活習慣の変化、流行の変化、世論の変化、国内外経済・景気動向、株価、為替、金利、法律・条令の制定並びに改廃、政治動向、石油価格、及び最新の技術革新の少なくともいずれかの情報である、物流管理方法。
【請求項15】
請求項10に記載の物流管理方法において、
前記物流管理装置が、前記付加価値情報として、前記物流容器の入出庫、当該物流容器での輸送対象となった商品の売上、入出荷日時、需要予測、市場価格推移、売れ筋、廃棄ロス情報、評価コメント、消費者嗜好、輸送コスト、及びプロセス改善ポイントの少なくともいずれかに関する情報を前記外部装置又は前記端末装置から取得するステップを備える、物流管理方法。
【請求項16】
請求項10に記載の物流管理方法において、
前記端末装置は、前記物流サプライチェーンにおける、生産者、卸売市場、仲卸、小売店メーカー、物流会社、卸売業者、及びこれらの倉庫の、少なくともいずれか1つに位置する端末装置である、物流管理方法。
【請求項17】
請求項10に記載の物流管理方法において、
前記端末装置が、読み取った前記個別識別情報を前記物流管理装置に送信する際、前記個別識別情報を前記端末装置の位置情報と共に送信するステップを備える、物流管理方法。
【請求項18】
請求項17に記載の物流管理方法において、
前記物流管理装置が、前記端末装置から受信した前記個別識別情報及び前記位置情報に基づき、前記物流容器の位置を追跡するための追跡情報を生成するステップを備える、物流管理方法。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を輸送するための物流容器の個別識別情報を、物流サプライチェーンの複数の物流段階で管理する物流管理システムであって、
前記複数の物流段階のそれぞれに配置され、前記物流容器から前記個別識別情報を読み取る端末装置と、
前記端末装置が読み取った前記個別識別情報を前記端末装置から受信して、前記個別識別情報及び前記物流段階に応じた付加価値情報を生成する物流管理装置とを備え
前記物流管理装置は、前記個別識別情報を前記物流管理装置に送信した前記端末装置及び/又は任意の端末装置に対して、前記端末装置及び/又は前記任意の端末装置の情報提供の要求及び/又は個別識別情報の送信に応じて前記付加価値情報を端末装置提供用に加工した加工情報を送信し、
前記物流管理装置が生成する前記付加価値情報を端末装置提供用に加工した前記加工情報は、前記要求及び/又は個別識別情報の送信を行った前記端末装置及び/又は前記任意の端末装置に対応する前記物流段階の各々に適して加工れた情報であり、前記物流段階の各々の事業者に対して有益な情報である、物流管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の物流管理システムにおいて、
前記個別識別情報は、無線通信技術(例えば、RFID、ビーコン、LPWA、Wi-Fi、又はBluetooth(登録商標))を用いて読み取られるか、光学的情報媒体(例えば、バーコード、二次元コード、又はカラーコード)を用いて読み取られる、物流管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の物流管理システムにおいて、
前記端末装置及び/又は前記任意の端末装置は、スマートフォン、タブレット端末装置、専用端末装置、又はパーソナルコンピュータである、物流管理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の物流管理システムにおいて、
前記物流管理装置は、外部装置から受信した外部情報を前記個別識別情報と紐付けて前記付加価値情報を生成する、物流管理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の物流管理システムにおいて、
前記外部情報は、気象、マーケット、交通、人口動態の変化、生活習慣の変化、流行の改廃、政治動向、石油価格、及び最新の技術革新の少なくともいずれか1つの情報である、物流管理システム。
【請求項6】
請求項1に記載の物流管理システムにおいて、
前記物流管理装置は、前記付加価値情報として、前記物流容器の入出庫、当該物流容器での輸送対象となった商品の売上、入出荷日時、需要予測、市場価格推移、売れ筋、廃棄ロス情報、評価コメント、消費者嗜好、輸送コスト、及びプロセス改善ポイントの少なくともいずれかに関する情報を、前記外部装置又は前記端末装置から取得する、物流管理システム。
【請求項7】
請求項1に記載の物流管理システムにおいて、
前記端末装置は、前記物流サプライチェーンにおける、生産者、卸売市場、仲卸、小売店メーカー、物流会社、卸売業者、及びこれらの倉庫の、少なくともいずれか1つに位置する端末装置である、物流管理システム。
【請求項8】
請求項1に記載の物流管理システムにおいて、
前記端末装置は、読み取った前記個別識別情報を前記物流管理装置に送信する際、前記個別識別情報を前記端末装置の位置情報と共に送信する、物流管理システム。
【請求項9】
請求項8に記載の物流管理システムにおいて、
前記物流管理装置が、前記端末装置から受信した前記個別識別情報及び前記位置情報に基づき、前記物流容器の位置を追跡するための追跡情報を生成する、物流管理システム。
【請求項10】
商品を輸送するための物流容器の個別識別情報を、物流サプライチェーンの複数の物流段階で管理する物流管理方法であって、
前記複数の物流段階のそれぞれに配置される端末装置が、前記物流容器から前記個別識別情報を読み取るステップと、
物流管理装置が、前記端末装置が読み取った前記個別識別情報を前記端末装置から受信して、前記個別識別情報及び前記物流段階に応じた付加価値情報を生成するステップと、を備え、
前記物流管理装置が、前記個別識別情報を前記物流管理装置に送信した前記端末装置及び/又は任意の端末装置に対して、前記端末装置及び/又は前記任意の端末装置の情報提供の要求及び/又は個別識別情報の送信に応じて前記付加価値情報を端末装置提供用に加工した加工情報を送信し、
前記物流管理装置が生成する前記付加価値情報を端末装置提供用に加工した前記加工情報は、前記要求及び/又は個別識別情報の送信を行った前記端末装置及び/又は前記任意の端末装置に対応する前記物流段階の各々に適して加工れた情報であり、前記物流段階の各々の事業者に対して有益な情報である、物流管理方法。
【請求項11】
請求項10に記載の物流管理方法において、
前記端末装置が、無線通信技術(例えば、RFID、ビーコン、LPWA、Wi-Fi、又はBluetooth(登録商標))を用いて前記個別識別情報を読み取るステップ、又は光学的情報媒体(例えば、バーコード、二次元コード、又はカラーコード)を用いて前記個別識別情報を読み取るステップを備える、物流管理方法。
【請求項12】
請求項10に記載の物流管理方法において、
前記端末装置及び/又は前記任意の端末装置は、スマートフォン、タブレット端末装置、専用端末装置、又はパーソナルコンピュータである、物流管理方法。
【請求項13】
請求項10に記載の物流管理方法において、
前記物流管理装置が、外部装置から受信した外部情報を前記個別識別情報と紐付けて前記付加価値情報を生成するステップを備える、物流管理方法。
【請求項14】
請求項13に記載の物流管理方法において、
前記外部情報は、気象、マーケット、交通、人口動態の変化、生活習慣の変化、流行の変化、世論の変化、国内外経済・景気動向、株価、為替、金利、法律・条令の制定並びに改廃、政治動向、石油価格、及び最新の技術革新の少なくともいずれかの情報である、物流管理方法。
【請求項15】
請求項10に記載の物流管理方法において、
前記物流管理装置が、前記付加価値情報として、前記物流容器の入出庫、当該物流容器での輸送対象となった商品の売上、入出荷日時、需要予測、市場価格推移、売れ筋、廃棄ロス情報、評価コメント、消費者嗜好、輸送コスト、及びプロセス改善ポイントの少なくともいずれかに関する情報を前記外部装置又は前記端末装置から取得するステップを備える、物流管理方法。
【請求項16】
請求項10に記載の物流管理方法において、
前記端末装置は、前記物流サプライチェーンにおける、生産者、卸売市場、仲卸、小売店メーカー、物流会社、卸売業者、及びこれらの倉庫の、少なくともいずれか1つに位置する端末装置である、物流管理方法。
【請求項17】
請求項10に記載の物流管理方法において、
前記端末装置が、読み取った前記個別識別情報を前記物流管理装置に送信する際、前記個別識別情報を前記端末装置の位置情報と共に送信するステップを備える、物流管理方法。
【請求項18】
請求項17に記載の物流管理方法において、
前記物流管理装置が、前記端末装置から受信した前記個別識別情報及び前記位置情報に基づき、前記物流容器の位置を追跡するための追跡情報を生成するステップを備える、物流管理方法。