(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116523
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】学習支援システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/20 20120101AFI20240821BHJP
G09B 7/02 20060101ALI20240821BHJP
【FI】
G06Q50/20
G09B7/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022197
(22)【出願日】2023-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】709006024
【氏名又は名称】株式会社ベネッセコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】井上 泰介
(72)【発明者】
【氏名】梅山 晃広
(72)【発明者】
【氏名】小川 恭平
(72)【発明者】
【氏名】宮林 佑多
(72)【発明者】
【氏名】新垣 宏
(72)【発明者】
【氏名】村上 若葉
(72)【発明者】
【氏名】國吉 啓介
(72)【発明者】
【氏名】渡部 志帆
【テーマコード(参考)】
2C028
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
2C028BA01
2C028BB04
2C028BC01
2C028BD01
2C028DA04
5L049CC34
5L050CC34
(57)【要約】 (修正有)
【課題】複数の単元をまたいだ問題範囲に含まれる問題の中から学習時間分の問題を一人ひとりに合わせて抽出して配信することを可能とした学習支援システムを提供する。
【解決手段】サーバ装置と、複数の学習者用の端末装置と、先生用の端末装置とが、ネットワークを介して相互に通信可能に接続される学習支援システムにおいて、サーバ装置100は、問題を配信する学習者のグループと、学習者に配信する問題の問題範囲と、学習時間とを受け付ける配信受付部1332と、グループに属する各学習者に配信する問題を、問題範囲と学習時間と対象となる学習者の問題範囲に含まれる問題の解答履歴とに基づいて抽出する抽出部1334と、抽出した問題を各学習者の端末装置に配信する配信部1335と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
問題を配信する学習者のグループと、学習者に配信する問題の問題範囲と、学習時間とを受け付ける受付部と、
前記グループに属する各学習者に配信する問題を、前記問題範囲と前記学習時間と対象となる学習者の前記問題範囲に含まれる問題の解答履歴とに基づいて抽出する抽出部と、
前記抽出した問題を各学習者の端末装置に配信する配信部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
問題の予測正答率を取得する取得部をさらに備え、
前記抽出部は、前記問題範囲と前記学習時間と各問題の前記予測正答率とに基づいて各学習者に配信する問題を抽出する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部は、対象となる学習者の前記問題範囲に含まれる問題の解答履歴に基づいて、前記対象となる学習者について、正答以外の問題の予測正答率を取得する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得部は、前記問題範囲に含まれる問題及び前記対象となる学習者の対応する解答履歴を予測モデルに入力することで、入力された問題のうち正答以外の問題の予測正答率を取得する、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記各学習者の端末装置から解答に関する情報を受信して保存する受信部と、
前記解答に関する情報に基づいて、配信した問題の実施状況を出力する出力部と
をさらに備える、請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
問題を配信する学習者のグループと、学習者に配信する問題の問題範囲と、学習時間とを受け付けることと、
前記グループに属する各学習者に配信する問題を、前記問題範囲と前記学習時間とに基づいて抽出することと、
前記抽出した問題を各学習者の端末装置に配信することと
を含む方法。
【請求項7】
1又は複数のコンピュータに、
問題を配信する学習者のグループと、学習者に配信する問題の問題範囲と、学習時間とを受け付ける処理と、
前記グループに属する各学習者に配信する問題を、前記問題範囲と前記学習時間とに基づいて抽出する処理と、
前記抽出した問題を各学習者の端末装置に配信する処理と
を実行させるプログラム。
【請求項8】
サーバ装置と通信可能に接続される端末装置であって、
問題を配信する学習者のグループと、学習者に配信する問題の問題範囲と、学習時間とを設定する画面を生成して表示する表示制御部と、
前記学習者のグループと、前記問題範囲と、前記学習時間とを前記サーバ装置に送信する送信部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記問題範囲を設定する画面で選択された問題範囲に基づいて算出された想定取組時間を表示し、
前記送信部が前記学習者のグループと、前記問題範囲と、前記学習時間とを前記サーバ装置に送信することで、前記サーバ装置に、前記グループに属する各学習者に配信する問題を、前記問題範囲と前記学習時間と前記問題範囲に含まれる問題の各学習者の解答履歴とに基づいて抽出させ、前記抽出した問題を各学習者の端末装置に配信させる、端末装置。
【請求項9】
サーバ装置と通信可能に接続される端末装置において、
問題を配信する学習者のグループと、学習者に配信する問題の問題範囲と、学習時間とを設定する画面を生成して表示することと、
前記問題範囲を設定する画面で選択された問題範囲に基づいて算出された想定取組時間を表示することと、
前記学習者のグループと、前記問題範囲と、前記学習時間とを前記サーバ装置に送信することと、
を含み、
前記学習者のグループと、前記問題範囲と、前記学習時間とを前記サーバ装置に送信することで、前記サーバ装置に、前記グループに属する各学習者に配信する問題を、前記問題範囲と前記学習時間と前記問題範囲に含まれる問題の各学習者の解答履歴とに基づいて抽出させ、前記抽出した問題を各学習者の端末装置に配信させる、方法。
【請求項10】
サーバ装置と通信可能に接続されるコンピュータに、
問題を配信する学習者のグループと、学習者に配信する問題の問題範囲と、学習時間とを設定する画面を生成して表示する処理と、
前記問題範囲を設定する画面で選択された問題範囲に基づいて算出された想定取組時間を表示する処理と、
前記学習者のグループと、前記問題範囲と、前記学習時間とを前記サーバ装置に送信する処理と、
を実行させるプログラムであって、
前記学習者のグループと、前記問題範囲と、前記学習時間とを前記サーバ装置に送信することで、前記サーバ装置に、前記グループに属する各学習者に配信する問題を、前記問題範囲と前記学習時間と前記問題範囲に含まれる問題の各学習者の解答履歴とに基づいて抽出させ、前記抽出した問題を各学習者の端末装置に配信させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学習支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、学習者の学習を支援するシステムの開発が行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、問題または課題を学習者に提供し、当該学習者が当該問題を回答し、当該学習者へ回答結果を通知することにより学力の向上を図る学習システムにおいて、学習者から返却または回収された回答データを、統計処理、分類処理もしくは数値変換処理の少なくとも一つの処理を行い、得られた処理データを学習者に対し次回以降に提供される問題の内容に利用または反映させることにより、学習者の学習効率の向上を図る、学習システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、複数の単元をまたいだ問題範囲に含まれる問題の中から学習時間分の問題を一人ひとりに合わせて抽出して配信することが困難であった。
【0006】
そこで、本発明は、複数の単元をまたいだ問題範囲に含まれる問題の中から学習時間分の問題を一人ひとりに合わせて抽出して配信することを可能とした学習支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、問題を配信する学習者のグループと、学習者に配信する問題の問題範囲と、学習時間とを受け付ける受付部と、グループに属する各学習者に配信する問題を、問題範囲と学習時間と対象となる学習者の問題範囲に含まれる問題の解答履歴とに基づいて抽出する抽出部と、抽出した問題を各学習者の端末装置に配信する配信部とを備える。
【0008】
この態様によれば、情報処理装置は、問題範囲と学習時間と当該問題範囲に含まれる問題の各学習者の解答履歴とに基づいて、配信先に属する各学習者に配信する問題を抽出する抽出部を備えることで、複数の単元をまたいだ問題範囲に含まれる問題の中から学習時間分の問題を一人ひとりに合わせて抽出し、学習者の端末装置に配信することができる。
【0009】
上記情報処理装置において、問題の予測正答率を取得する取得部をさらに備え、抽出部は、問題範囲と学習時間と各問題の予測正答率とに基づいて各学習者に配信する問題を抽出してもよい。この態様によれば、情報処理装置は、各問題の予測正答率に基づいて各学習者に配信する問題を抽出することができるので、例えば、端末装置の学習者の学習意欲に合わせて問題を抽出することができる。
【0010】
上記情報処理装置において、取得部は、対象となる学習者の問題範囲に含まれる問題の解答履歴に基づいて、対象となる学習者について、正答以外の問題の予測正答率を取得してもよい。この態様によれば、情報処理装置は、対象となる学習者の問題範囲に含まれる問題の解答履歴に基づいて、学習者ごとに正答以外の問題の予測正答率を取得することで、例えば正答以外の問題のうち、対象となる学習者の予測正答率が高い問題を優先して配信することができ、端末装置の学習者の学習意欲を損なわずに学習を進めさせることができる。
【0011】
上記情報処理装置において、取得部は、問題範囲に含まれる問題及び対象となる学習者の対応する解答履歴を予測モデルに入力することで、入力された問題のうち正答以外の問題の予測正答率を取得してもよい。この態様によれば、情報処理装置は、取得部が、問題範囲に含まれる問題及び対象となる学習者の対応する解答履歴を予測モデルに入力し、入力された問題のうち正答以外の問題の予測正答率を取得することで、問題範囲に含まれる問題の解答履歴に基づいて高精度な予測正答率を取得することができる。
【0012】
上記情報処理装置において、各学習者の端末装置から解答に関する情報を受信して保存する受信部と、解答に関する情報に基づいて、配信した問題の実施状況を出力する出力部とをさらに備えてもよい。この態様によれば、情報処理装置は、解答に関する情報に基づいて、配信した問題の実施状況を出力する出力部を備えることで、学習者の学習指導をサポートする情報や次回の課題配信のための有益な情報を提供することができる。
【0013】
本開示の他の態様に係る方法は、問題を配信する学習者のグループと、学習者に配信する問題の問題範囲と、学習時間とを受け付けることと、グループに属する各学習者に配信する問題を、問題範囲と学習時間とに基づいて抽出することと、抽出した問題を各学習者の端末装置に配信することとを含む。
【0014】
本開示の他の態様に係るプログラムは、1又は複数のコンピュータに、問題を配信する学習者のグループと、学習者に配信する問題の問題範囲と、学習時間とを受け付ける処理と、グループに属する各学習者に配信する問題を、問題範囲と学習時間とに基づいて抽出する処理と、抽出した問題を各学習者の端末装置に配信する処理とを実行させる。
【0015】
本開示の他の態様に係る、サーバ装置と通信可能に接続される端末装置は、問題を配信する学習者のグループと、学習者に配信する問題の問題範囲と、学習時間とを設定する画面を生成して表示する表示制御部と、学習者のグループと、問題範囲と、学習時間とをサーバ装置に送信する送信部と、を備え、表示制御部は、問題範囲を設定する画面で選択された問題範囲に基づいて算出された想定取組時間を表示し、送信部が学習者のグループと、問題範囲と、学習時間とをサーバ装置に送信することで、サーバ装置に、グループに属する各学習者に配信する問題を、問題範囲と学習時間と問題範囲に含まれる問題の各学習者の解答履歴とに基づいて抽出させ、抽出した問題を各学習者の端末装置に配信させる。
【0016】
この態様によれば、端末装置は、問題を配信する学習者のグループと、学習者に配信する問題の問題範囲と、学習時間とを設定する画面を生成して表示する表示制御部と、これらの設定をサーバ装置に送信する送信部とを備えることで、学習者ごとに煩雑な処理を行う必要なく、サーバ装置に、複数の単元をまたいだ問題範囲に含まれる問題の中から一人ひとりに合わせて抽出された学習時間分の問題を配信させることができる。
【0017】
本開示の他の態様に係る方法は、サーバ装置と通信可能に接続される端末装置において、問題を配信する学習者のグループと、学習者に配信する問題の問題範囲と、学習時間とを設定する画面を生成して表示することと、問題範囲を設定する画面で選択された問題範囲に基づいて算出された想定取組時間を表示することと、学習者のグループと、問題範囲と、学習時間とをサーバ装置に送信することと、を含み、学習者のグループと、問題範囲と、学習時間とをサーバ装置に送信することで、サーバ装置に、グループに属する各学習者に配信する問題を、問題範囲と学習時間と問題範囲に含まれる問題の各学習者の解答履歴とに基づいて抽出させ、抽出した問題を各学習者の端末装置に配信させる。
【0018】
本開示の他の態様に係るプログラムは、サーバ装置と通信可能に接続されるコンピュータに、問題を配信する学習者のグループと、学習者に配信する問題の問題範囲と、学習時間とを設定する画面を生成して表示する処理と、問題範囲を設定する画面で選択された問題範囲に基づいて算出された想定取組時間を表示する処理と、学習者のグループと、問題範囲と、学習時間とをサーバ装置に送信する処理と、を実行させ、学習者のグループと、問題範囲と、学習時間とをサーバ装置に送信することで、サーバ装置に、グループに属する各学習者に配信する問題を、問題範囲と学習時間と問題範囲に含まれる問題の各学習者の解答履歴とに基づいて抽出させ、抽出した問題を各学習者の端末装置に配信させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、複数の単元をまたいだ問題範囲に含まれる問題の中から学習時間分の問題を一人ひとりに合わせて抽出して配信することを可能とした学習支援システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態に係る学習支援システムの概略構成図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るサーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る端末装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るサーバ装置を機能的な観点から示す概略構成図である。
【
図5】サーバ記憶部に記憶される先生DBの一例を示す図である。
【
図6】サーバ記憶部に記憶される学習者DBの一例を示す図である。
【
図7】サーバ記憶部に記憶される単元DBの一例を示す図である。
【
図8】サーバ記憶部に記憶される問題DBの一例を示す図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る学習者用端末装置を機能的な観点から示す概略構成図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る先生用端末装置を機能的な観点から示す概略構成図である。
【
図15】詳細な実施状況確認画面の一例を示す図である。
【
図16】本発明の一実施形態に係る学習支援処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。さらに、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。
【0022】
<学習支援システム1の概略構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る学習支援システム1の概略構成図(システム構成図)である。同図に示すように、サーバ装置100と、複数の学習者用の端末装置200と、先生用の端末装置300とが、ネットワークNを介して相互に通信可能に接続されることにより、学習支援システム1が構成される。
【0023】
サーバ装置100は、ネットワークNに接続されたサーバ用コンピュータであり、そのサーバ用コンピュータにおいて所定のサーバ用プログラムが動作することにより、サーバ機能を実現するように構成されている。本実施形態において、先生用の端末装置300を介して学習者に配信する問題の問題範囲と学習時間とを設定することで、サーバ装置100は、複数の単元をまたいだ問題範囲に含まれる問題の中から学習時間分の問題を一人ひとりに合わせて抽出して、各端末装置200に配信することができる。
【0024】
ここで、問題範囲とは、1又は複数の単元により指定される問題の範囲であり、単元とは、問題が属する学習の区分である。例えば、算数の単元には、「整数と小数」、「直方体や立方体の体積」、「比例」、「小数のかけ算」等が含まれる。
【0025】
端末装置200は、ネットワークNに接続され、サーバ装置100にアクセス可能なコンピュータであり、そのコンピュータにおいて所定の学習者端末用プログラムが動作することにより、その機能を実現するように構成されている。端末装置200は、サーバ装置100からネットワークNを介して問題を受信し、端末用プログラムを動作させることによりその問題を再生することができる。上述したように、サーバ装置100から配信される問題は、端末装置200ごとに異なる。
【0026】
本実施形態の一例として、端末装置200は、貸与や購入によりユーザにより所有され、ユーザが問題演習を行うために使用すること等が想定されている。ユーザは、本実施形態においては小学生であるが、これに限られるものではなく、その他の学生であってもよい。本実施形態では、小学生である学習者が端末装置200を用いて、先生の指示に応じて配信される問題の学習を行う。
【0027】
端末装置300は、ネットワークNに接続され、サーバ装置100にアクセス可能なコンピュータであり、そのコンピュータにおいて所定の先生端末用プログラムが動作することにより、その機能を実現するように構成されている。端末装置300は、ネットワークNを介してサーバ装置100に接続し、先生端末用プログラムを動作させることにより、学習者に配信する問題の問題範囲と学習時間とを設定することができる。端末装置300で問題範囲と学習時間とを設定するだけで、各端末装置200の学習者に合わせた異なる問題を各端末装置200に配信することができる。
【0028】
本実施形態の一例として、端末装置300は、貸与や購入によりユーザにより所有され、ユーザが端末装置200のユーザの学習指導を行うために使用すること等が想定されている。ユーザは、本実施形態においては小学校の先生であるが、これに限られるものではなく、その他の先生であってもよい。本実施形態では、小学校の先生が端末装置300を用いて、各端末装置200のユーザである小学生のために問題配信の設定を行う。なお、
図1では単一の端末装置300のみが示されているが、学習支援システム1は複数の端末装置300を備えてもよい。
【0029】
本実施形態において、端末装置200及び端末装置300は、好適にはタブレットコンピュータ(以下「タブレット端末」ともいう。)が想定される。そこで、以下においては、理解を容易にするべく、端末装置200及び端末装置300がタブレット端末である実施形態を例にとって説明する。
【0030】
しかしながら、本発明において、端末装置200及び端末装置300はタブレット端末に限られるものではなく、PC(パーソナルコンピュータ。ノートパソコンを含む。)や、家庭用ゲーム機器(携帯型ゲーム機を含む)、携帯電話機(いわゆるフィーチャーフォン)、スマートフォン(多機能携帯電話機)、携帯情報端末(Personal Digital Assistant;PDA)、携帯音楽プレイヤ、電子書籍リーダ、その他のコンピュータ機器を採用してもよい。
【0031】
ネットワークNは、例えばインターネットや家庭内に構築するLAN(local area network)等を含む情報処理に係る通信回線又は通信網であり、その具体的な構成は、サーバ装置100と端末装置200と端末装置300との間でデータの送受信が可能なように構成されていれば特に制限されず、有線であるか無線であるかも問わない。
【0032】
また、ネットワークNは、複数種の通信回線や通信網及び種々のネットワーク機器を含んで構成され得る。例えば、ネットワークNは、端末装置200又は端末装置300に無線接続される基地局や無線LANのアクセスポイント(WiFiルータ等)、基地局に接続された移動体通信網、アクセスポイントからルータやモデムを介して接続された電話回線、ケーブルテレビ回線又は光通信回線等の公衆回線、サーバ装置100に接続されたインターネット、移動体通信網や公衆回線とインターネットを接続するゲートウェイ装置を含む。
【0033】
<サーバ装置100のハードウェア構成>
図2は、本発明の一実施形態に係るサーバ装置100のハードウェア構成の一例を示す図(システムブロック図)である。同図に示すように、サーバ装置100は、CPUやMPUといった演算処理部(プロセッサ)101、記憶装置としてのROM102及びRAM103、入力部105及び外部メモリ106が接続された外部インターフェース104、ディスプレイモニタ111が接続された画像処理部107、ディスク又はメモリデバイス等が収容又は接続されるスロットドライブ108、スピーカ装置112が接続された音声処理部109、並びに、ネットワークインターフェース110を備える。
【0034】
各部は、例えば、内部バス、外部バス、及び拡張バスを含むシステムバスといった伝送路120を介して互いに接続されて構成される。なお、入力部105、外部メモリ106、ディスプレイモニタ111、スピーカ装置112等の入出力を担うデバイス装置は、必要に応じて適宜省略してもよいし、それらを備える場合であっても、それらは伝送路120に常時接続されていなくてもよい。
【0035】
演算処理部101は、サーバ装置100全体の動作を制御し、上述した他の構成要素との間で制御信号及び情報信号(データ)の送受信を行うとともに、学習支援の実行に必要な各種の演算処理を行う。そのため、演算処理部101は、いわゆるレジスタ等の高速アクセス可能な記憶領域に対して、数値演算ユニット等を用いた加減乗除等の算術演算、論理和、論理積、論理否定等の論理演算、ビット和、ビット積、ビット反転、ビットシフト、ビット回転等のビット演算等、更に必要に応じて、飽和演算、三角関数演算、ベクトル演算等を行うことが可能なように構成されている。
【0036】
ROM102には、一般に、電源投入後、最初に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記録されている。このIPLが実行されることにより、スロットドライブ108に収容又は接続されるディスクやメモリデバイスに記録されたサーバ用プログラムや学習支援プログラムが、演算処理部101によって一旦RAM103に読み出され、そのプログラムが演算処理部101によって実行される。さらに、ROM102には、サーバ装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムやその他の各種データが記録されている。
【0037】
RAM103は、サーバ用プログラム、学習支援プログラム、及び、各種データを一時的に記憶するためのものである。上述したように、読み出されたサーバ用プログラムや学習支援プログラム、その他、問題や複数の端末装置200や端末装置300との間の通信に必要なデータ等がRAM103に保持される。学習支援プログラムは、外部の記録媒体に記録されて、外部の記録媒体からRAM103にインストールされてもよい。
【0038】
さらに、演算処理部101は、RAM103に変数領域を設定し、その変数領域に格納された値に対しても数値演算ユニットを用いた直接演算を行ったり、或いは、RAM103に格納された値をレジスタに一旦複製又は移設格納してそのレジスタに対しても直接演算を行ったり、さらには、それらの演算結果をRAM103に書き戻したりといった処理を行う。
【0039】
外部インターフェース104を介して接続された入力部105は、サーバ装置100を用いて問題を提供する事業者側のユーザが行う各種の操作入力を受け付けるものであり、入力部105としては、キーボード、タッチパッド、タッチパネルの他、例えば、音声入力装置を採用することができ、種々の操作入力、決定操作、取消操作、メニュー表示等の指示入力を行うことが可能であれば、デバイスの種類は特に制限されない。
【0040】
RAM103や、外部インターフェース104を介して着脱自在に接続された外部メモリ106には、サーバ装置100の作動状況、各端末装置200のアクセス状況、各端末装置200における問題の実施状況等を示すデータ等が書き換え可能に記憶される。
【0041】
画像処理部107は、スロットドライブ108から読み出された各種データを、演算処理部101により、又は、画像処理部107自体により加工処理した後、その処理後の画像情報をフレームメモリ等に記録する。このフレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され、画像処理部107に接続されるディスプレイモニタ111へ出力される。これにより、各種の画像表示が可能となる。また、学習支援に関する画像情報は、演算処理部101との協働処理等によって、画像処理部107及び/又は演算処理部101から各端末装置200や端末装置300へ送出される。
【0042】
また、音声処理部109は、スロットドライブ108から読み出された各種データを音声信号に変換し、音声処理部109に接続されたスピーカ装置112から出力する。また、学習支援に関する音声情報は、演算処理部101との協働処理等によって、音声処理部109及び/又は演算処理部101から各端末装置200へ送出される。
【0043】
また、ネットワークインターフェース110は、サーバ装置100をネットワークNへ接続するためのものであり、例えば、LANの構築に使用される諸規格に準拠するもの、アナログモデム、ISDNモデム、ADSLモデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネット等に接続するためのケーブルモデム等、及び、これらを、伝送路120を介して演算処理部101と接続するための通信インターフェース回路とから構成される。
【0044】
なお、サーバ装置100は、単一のコンピュータより構成されるものであっても、ネットワーク上に分散した複数のコンピュータより構成される、いわゆるクラウドコンピューティングの形態のものであってもよい。また、単一のコンピュータが複数のサーバ機能を備えるようなものでもよい。
【0045】
<端末装置200のハードウェア構成>
図3は、本発明の一実施形態に係る端末装置200のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3に示す端末装置200は、タッチパネル14、スピーカ16、マイクロフォン18、ハードボタン20、ハードキー22、移動体通信用アンテナ30、移動体通信部32、無線LAN通信用アンテナ34、無線LAN通信部36、記憶部38、主制御部40、カメラ26、及び音声出力端子24を含む外部インターフェース42等を備える。
【0046】
タッチパネル14は、表示装置および入力装置の両方の機能を備え、表示機能を担うディスプレイ(表示画面)14Aと、入力機能を担うタッチセンサ14Bとで構成される。ディスプレイ14Aは、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の一般的な表示デバイスにより構成される。タッチセンサ14Bは、ディスプレイ14Aその上面に配置された接触操作を検知するための素子およびその上に積層された透明な操作面を備えて構成される。タッチセンサ14Bの接触検知方式としては、静電容量式、抵抗膜式(感圧式)、電磁誘導式等既知の方式のうちの任意の方式を採用することができる。
【0047】
タッチパネル14は、主制御部40による記憶部38に記憶されているプログラム50の実行により生成される画像を表示する。入力装置としてのタッチパネル14は、操作面に対して接触する接触物(ユーザの指やタッチペン等を含む。以下、「指」である場合を代表例として説明する)の動作を検知することで、操作入力を受け付け、その接触位置の情報を主制御部40に与える。指の動作は、接触点の位置または領域を示す座標情報として検知され、座標情報は、例えば、タッチパネル14の短辺方向および長辺方向の二軸上の座標値として表される。
【0048】
端末装置200は、移動体通信用アンテナ30や無線LAN通信用アンテナ34を通じてネットワークNに接続され、サーバ装置100との間でデータ通信をすることが可能である。
【0049】
実施形態に係るプログラム50は、端末装置200にインストールされたものであってもよいし、オンライン上で(サーバ装置100に限らない)サーバから学習支援機能等が提供されるものであってもよい。プログラム50が実行されることで、サーバ装置100から配信された問題を再生することが可能なアプリケーションが動作する。
【0050】
<端末装置300のハードウェア構成>
端末装置300のハードウェア構成は端末装置200のハードウェア構成と同様であるためここでは説明を省略する。
【0051】
<サーバ装置100の機能構成>
図4は、本発明の一実施形態に係るサーバ装置100を機能的な観点から示す概略構成図(機能構成図)である。サーバ装置100は、端末装置300からの要求に応じて、端末装置200の学習者の学習を支援するためのものであり、そのための機能として、少なくともサーバ通信部131、サーバ記憶部132、及びサーバ処理部133を備える。
【0052】
サーバ通信部131は、サーバ装置100とネットワークNとの間で通信を行うものであり、端末装置200や端末装置300等から受信したデータを、サーバ処理部133に供給するとともに、サーバ処理部133から供給されたデータを、端末装置200や端末装置300へ送信する機能を有する。サーバ通信部131は、具体的には、少なくとも上述した
図2に示すネットワークインターフェース110から構成される。
【0053】
サーバ記憶部132は、各種プログラムや各種データを記憶するためのものであり、具体的には、上述した、
図2に示すROM102、RAM103、外部メモリ106、及びスロットドライブ108の少なくとも何れか1つから構成され得る。ここで、サーバ記憶部132に記憶されるプログラムは、後述する処理手順を実行する学習支援アプリケーションのプログラムである。また、サーバ記憶部132には、かかる学習支援に関するデータや表示データや各種演算結果のデータ等も記録される。
【0054】
例えば、サーバ記憶部132には、先生DB1321、学習者DB1322、単元DB1323、問題DB1324、配信履歴DB1325、解答履歴DB1326及び予測モデル1327が記憶される。
【0055】
図5は、サーバ記憶部132に記憶される先生DBの一例を示す図である。
図5に示す先生DB1321は、先生ID、先生名、担任クラスIDを少なくとも含む。
【0056】
図6は、サーバ記憶部132に記憶される学習者DBの一例を示す図である。
図6に示す学習者DB1322は、クラスID、クラス名、学習者ID、学習者名を少なくとも含む。
【0057】
図7は、サーバ記憶部132に記憶される単元DBの一例を示す図である。
図7に示す単元DB1323は、単元ID、単元名、問題ID、取組時間、正答率を少なくとも含む。問題IDには、単元に属する1又は複数の問題を示す情報が含まれる。取組時間とは、単元内の問題実施に要する時間を示す情報である。例えば、本実施形態では、取組時間には、単元内の1つの問題を実施するために要する最短取組時間と単元内のすべての問題を実施するために要する最長取組時間が保存される。単元の正答率とは、単元に含まれる問題の正答率を平均したものである。なお、単元に含まれる問題に対する解答データが所定数以下である場合には、所定の正答率を初期値として設定し、その後、解答データが所定数を超えた後で実際の正答率を保存するようにしてもよい。本実施形態では、サーバ記憶部132は、例えば、国語、算数、社会、理科等の教科毎に単元DB1323を保持するが、これに限られるものではなく、他の任意の単位で単元DBを保持してもよい。
【0058】
図8は、サーバ記憶部132に記憶される問題DBの一例を示す図である。
図8に示す問題DB1324は、問題ID、問題、答え、取組時間、正答率を少なくとも含む。取組時間とは、問題実施に要する時間を示す情報であり、本実施形態では、対象の問題を実施するために要する取組時間が保存される。問題の正答率とは、問題に正答している学習者の割合を示す情報である。なお、問題に対する解答データが所定数以下である場合には、所定の正答率を初期値として設定し、その後、解答データが所定数を超えた後で実際の正答率を保存するようにしてもよい。
【0059】
配信履歴DB1325は、配信履歴ID、配信先クラスID、配信先学習者ID、配信日時、配信者ID、提出期限、問題範囲を少なくとも含む。配信履歴IDには、配信した課題を一意に識別するための情報が保存される。また、本実施形態では、配信先クラスID、配信先学習者IDの少なくとも一方に配信先の情報が保存される。配信先クラスIDには、1又は複数のクラスIDが保存される。配信先学習者IDには、1又は複数の学習者IDが保存される。
【0060】
解答履歴DB1326は、配信履歴ID、学習者ID、実施日時、解答時間、問題ID、解答、正誤を少なくとも含む。配信履歴IDには、配信履歴DB1325の配信履歴IDが保存され、配信履歴ID、学習者ID、実施日時及び解答時間に関連付けて、各学習者に配信された複数の問題について解答及び正誤が保存される。本実施形態では、実施日時には、学習者が問題を開始した日時が保存される。解答時間は、学習者が問題を開始した日時からすべての問題を解答し終えるまでに経過した時間が保存される。
【0061】
予測モデル1327には、正答率予測に用いるモデルが保存されている。本実施形態では、予測モデル1327には、問題ID及び問題IDに対応する解答履歴を入力データとして受け取り、入力された問題IDのうち正答以外の問題について問題IDと予測正答率とを出力する予測モデルが保存されている。
【0062】
図4に戻り、サーバ処理部133は、
図2に示す演算処理部101から構成されており、演算処理部101による制御指令に基づいて後述の各機能モジュールによる処理が実行される。すなわち、演算処理部101が、本実施形態におけるサーバ処理部133として機能する。本実施形態における学習支援を例にして更に説明すれば、機能モジュールとして、画面送信部1331、配信受付部1332、正答率取得部1333、抽出部1334、配信部1335、配信管理部1336及び解答受信部1337を備える。機能モジュールは、演算処理部101のプロセッサで実行される上記各種プログラムにより実現され、或いは、ファームウェアとして演算処理部101に実装されていてもよい。
【0063】
画面送信部1331は、端末装置300のユーザからの入力等に応答して、対応する画面情報を作成して端末装置300に送信する。具体的には、例えば、配信先を設定するための配信先設定画面情報、問題範囲を設定するための問題範囲設定画面情報、その他課題配信に関する情報を設定するための課題配信受付画面情報等を、画面送信部1331は、端末装置300に送信する。
【0064】
配信受付部1332は、端末装置300から、課題配信に関する情報を受け付ける。本実施形態では、課題配信に関する情報には、問題を配信する学習者のグループと、学習者に配信する問題の問題範囲と、学習時間と、配信日時と、提出期限と配信者とが含まれる。問題を配信する学習者のグループには、1又は複数のクラスIDが含まれていてもよいし、複数の学習者IDが含まれていてもよい。学習者に配信する問題の問題範囲には、1又は複数の単元IDが設定される。学習時間は、3分~30分の間の任意の時間が設定される。配信日時には、今すぐであることを示す情報が含まれていてもよいし、所定の日時が含まれていてもよい。配信者には、端末装置300のユーザである先生IDが含まれている。なお、本実施形態では、学習時間として3分~30分の間の任意の時間が設定される例について説明するが、学習時間の一例であり、学習時間には他の任意の時間を設定してもよい。
【0065】
正答率取得部1333は、学習者ごとに、対象となる学習者の解答履歴に基づいて各問題の予測正答率を取得する。本実施形態では、正答率取得部1333は、配信受付部1332が受け付けた課題配信に関する情報に基づいて、問題範囲に設定された単元IDに属する問題ID及び対象となる学習者の対応する解答履歴を予測モデル1327に記憶された予測モデルに入力することで、入力された問題IDのうち正答以外の問題について問題IDと予測正答率とを取得する。本実施形態では、問題範囲に複数の単元IDが含まれる場合、正答率取得部1333は、各単元IDについて予測モデル1327を使用して、単元IDごとに正答以外の問題IDと予測正答率とを取得する。問題範囲のすべての単元について正答以外の問題IDと予測正答率とを取得すると、正答率取得部1333は、学習者IDと取得した情報とを抽出部1334に渡す。
【0066】
なお、本実施形態では、正答率取得部1333は、学習者ごとに、対象となる学習者の解答履歴に基づいて各問題の予測正答率を取得する例について説明するが、別の実施形態では、正答率取得部1333は、正答以外の問題について問題IDと学習者のグループの平均正答率を取得し、平均正答率を予測正答率として抽出部1334に渡すようにしてもよい。すなわち、「予測正答率」とは、問題について予測される任意の正答率であり、正答率取得部1333は、対象となる問題の任意の母集団の解答データの平均正答率や当初想定される所定の予測正答率等、任意の予測正答率を取得してもよい。
【0067】
抽出部1334は、各学習者に配信する問題を抽出する。本実施形態では、抽出部1334は、正答率取得部1333が取得した正答以外の問題の問題IDと予測正答率とを予測正答率が高い順にソートし、設定された学習時間に収まるように上から順に抽出する。本実施形態では、問題範囲に複数の単元IDが含まれる場合も、抽出部1334は、正答率取得部1333が取得した複数の単元の正答以外の問題の問題IDと予測正答率とを予測正答率が高い順にソートし、設定された学習時間に収まるように上から順に抽出する。問題の抽出が終わると、抽出部1334は、学習者IDと抽出した問題IDを配信部1335に渡す。
【0068】
なお、本実施形態では、抽出部1334が正答以外の問題を抽出する例について説明するが、別の実施形態では、抽出部1334は、正答以外の問題に加えて正答の問題を抽出するようにしてもよい。その場合、抽出部1334は、正答率取得部1333が取得した正答以外の問題の問題IDと予測正答率とを予測正答率が高い順にソートした後、続いて正答の問題を学習者のグループの平均正答率や対象となる学習者の取り組み回数に基づいてソートし、設定された学習時間に収まるように上から順に抽出してもよい。例えば、抽出部1334は、正答の問題について、学習者のグループの平均正答率が低い問題や、対象となる学習者の取り組み回数が少ない問題を優先して抽出してもよい。
【0069】
配信部1335は、各学習者に抽出された問題を配信する。本実施形態では、配信部1335は、抽出部1334が抽出した問題IDに基づいて問題DB1324から問題を取得して、所定の学習者の端末装置200に配信履歴IDと共に配信する。なお、本実施形態では、配信部1335は、問題DB1324から取得した問題や答えを含む問題情報を端末装置200に配信する例について説明するが、別の実施形態では、問題DB1324と同等のデータが端末装置200に保存されており、配信部1335は、問題や答えの情報を含めることなく、問題を特定可能な問題IDを含む問題情報を端末装置200に送信してもよい。
【0070】
配信管理部1336は、受け付けた課題配信に関する情報を管理する。本実施形態では、配信管理部1336は、配信受付部1332が受け付けた課題配信に関する情報を配信履歴DB1325に登録する。また、配信管理部1336は、配信日時になると、正答率取得部1333に、正答以外の問題の予測正答率を取得させる。また、配信管理部1336は、配信部1335が各学習者に配信した情報を解答履歴DB1326に登録する。解答履歴レコードの登録時は、実施日時、解答時間、各問題の解答及び正誤はブランクである。
【0071】
解答受信部1337は、端末装置200から、解答に関する情報を受信して解答履歴DB1326を更新する。本実施形態では、解答に関する情報には、配信履歴ID、学習者ID、問題ID、解答、正誤等が含まれている。なお、本実施形態では、端末装置200を介して学習者が解答を入力すると、端末装置200に保存された問題の答えに基づいて正誤が判定され、解答と正誤とが端末装置200から送信されるものとするが、別の実施形態では、解答のみが端末装置200から送信され、サーバ装置100において正誤が判定されるようにしてもよい。
【0072】
<端末装置200の機能構成>
図9は、本発明の一実施形態に係る端末装置200を機能的な観点から示す概略構成図(機能構成図)である。本実施形態において、端末装置200は、例えばタブレット端末であり、
図9に示すように、少なくとも端末通信部202、表示部204、操作部206、端末記憶部208及び学習者アプリ制御部210を備える。
【0073】
端末通信部202は、例えば移動体通信部32や無線LAN通信部36により実現され得る。そして、端末通信部202は、学習者アプリ制御部210から供給されたデータをサーバ装置100に送信するとともに、サーバ装置100から受信したデータを学習者アプリ制御部210に供給する。
【0074】
表示部204は、例えばタッチパネル14や主制御部40等により実現され、問題や解答、その他の学習支援アプリケーションに関する画面を表示する。
【0075】
操作部206は、例えばタッチパネル14やハードボタン20、ハードキー22等により実現され、ユーザ操作を入力する。
【0076】
端末記憶部208は、各種プログラムや各種データを記憶するためのものであり、具体的には、上述した、
図3に示す記憶部38から構成され得る。端末記憶部208に記憶されるプログラムは、後述する処理手順を実行する学習支援アプリケーションのプログラムである。また、端末記憶部208には、かかる学習支援に関するデータや表示データや各種演算結果のデータ等も記録される。
【0077】
例えば、端末記憶部208には、学習者の識別データ2081及び問題情報2082が記憶される。識別データ3081は、学習者ID、ログインID、パスワードを少なくとも含む。
【0078】
問題情報2082は、配信履歴ID、問題ID、問題、答えを少なくとも含む。1回の配信課題に複数の問題が含まれる場合には、所定の配信履歴IDに関連付けて、複数の問題ID、各問題IDに対応する問題、各問題IDに対応する答えが保存される。
【0079】
学習者アプリ制御部210は、例えば主制御部40等により実現され得る。学習者アプリ制御部210は、プログラム50が実行されることで、学習支援アプリケーション、例えば、問題を実行する各機能を実現する。学習者アプリ制御部210は、受付部2101、認証部2102、問題受信部2103、表示制御部2104、問題実行部2105及び解答送信部2106を備える。
【0080】
受付部2101は、タッチパネル14等により入力されたユーザ操作に対応する情報を受け付ける。受付部2101は、受け付けたユーザ操作に対応する情報を適宜各部に出力する。受付部2101は、例えば、後述するように、操作部206を用いて入力された、学習者のログイン情報等を受け付け、受け付けた情報を各部に出力する。
【0081】
認証部2102は、受付部2101から取得したログイン情報を用いて学習者の認証を行う。例えば、ログイン情報にはログインID及びパスワードが含まれ、認証部2102は、識別データ2081を用いて認証処理を行う。なお、認証処理は、サーバ装置100や、サーバ装置100とは別の認証サーバ等が行ってもよい。また、認証方法について、入力されたパスワードによる認証や、指紋認証、虹彩認証、声紋認証等のいずれの認証手段が用いられてもよい。このとき、認証に用いられる情報は、例えば操作部206から入力される。
【0082】
問題受信部2103は、サーバ装置100から問題情報を受信して、端末記憶部208の問題情報2082に記憶する。
【0083】
表示制御部2104は、受付部2101から取得した学習者の入力等に応じて、端末記憶部208に記憶された各種情報に基づく画面を生成し、表示部204に表示する。例えば、本実施形態では、表示制御部2104は、操作部206を介して学習者から課題表示指示を受信することに応答して、問題情報2082に基づいて課題一覧画面を生成して、表示部304に表示する。
【0084】
問題実行部2105は、問題情報2082に基づいて問題を実行する。本実施形態では、問題実行部2105は、配信履歴IDを含む課題開始指示を受信して、配信履歴IDで特定される問題を順に実行する。なお、本実施形態では、問題情報2082には各問題の答えが含まれ、問題実行部2105が、当該答え及び受付部2101から取得した学習者の入力に基づいて問題の採点を行うが、採点処理は、サーバ装置100や、サーバ装置100とは別のサーバ等が行ってもよい。
【0085】
解答送信部2106は、学習者の解答情報をサーバ装置100に送信する。本実施形態では、解答送信部2106は、配信履歴ID、学習者ID、問題ID、解答、正誤を含む1問分の解答情報をサーバ装置100に送信する。
【0086】
<端末装置300の機能構成>
図10は、本発明の一実施形態に係る端末装置300を機能的な観点から示す概略構成図(機能構成図)である。本実施形態において、端末装置300は、例えばタブレット端末であり、
図10に示すように、少なくとも端末通信部302、表示部304、操作部306、端末記憶部308及び先生アプリ制御部310を備える。
【0087】
端末通信部302は、例えば移動体通信部32や無線LAN通信部36により実現され得る。そして、端末通信部302は、先生アプリ制御部310から供給されたデータをサーバ装置100に送信するとともに、サーバ装置100から受信したデータを先生アプリ制御部310に供給する。
【0088】
表示部304は、例えばタッチパネル14や主制御部40等により実現され、問題や解答、その他の学習支援アプリケーションに関する画面を表示する。
【0089】
操作部306は、例えばタッチパネル14やハードボタン20、ハードキー22等により実現され、ユーザ操作を入力する。
【0090】
端末記憶部308は、各種プログラムや各種データを記憶するためのものであり、具体的には、上述した、
図3に示す記憶部38から構成され得る。端末記憶部308に記憶されるプログラムは、後述する処理手順を実行する学習支援アプリケーションのプログラムである。また、端末記憶部308には、かかる学習支援に関するデータや表示データや各種演算結果のデータ等も記録される。
【0091】
例えば、端末記憶部308には、先生の識別データ2081が記憶される。識別データ3081は、先生ID、ログインID、パスワードを少なくとも含む。
【0092】
先生アプリ制御部310は、例えば主制御部40等により実現され得る。先生アプリ制御部310は、プログラム50が実行されることで、学習支援アプリケーション、例えば、課題を設定する各機能を実現する。先生アプリ制御部310は、受付部3101、認証部3102、画面要求部3103、表示制御部3104及び設定送信部3105を備える。
【0093】
受付部3101は、タッチパネル14等により入力されたユーザ操作に対応する情報を受け付ける。受付部3101は、受け付けたユーザ操作に対応する情報を適宜各部に出力する。受付部3101は、例えば、後述するように、操作部306を用いて入力された、学習者のログイン情報等を受け付け、受け付けた情報を各部に出力する。
【0094】
認証部3102は、受付部3101から取得したログイン情報を用いて学習者の認証を行う。例えば、ログイン情報にはログインID及びパスワードが含まれ、認証部3102は、識別データ3081を用いて認証処理を行う。なお、認証処理は、サーバ装置100や、サーバ装置100とは別の認証サーバ等が行ってもよい。また、認証方法について、入力されたパスワードによる認証や、指紋認証、虹彩認証、声紋認証等のいずれの認証手段が用いられてもよい。このとき、認証に用いられる情報は、例えば操作部306から入力される。
【0095】
画面要求部3103は、受付部3101から取得した指示情報をサーバ装置100に送信する。例えば、画面要求部3103は、配信先設定画面を要求するための配信先設定要求、問題範囲設定画面を要求するための問題範囲設定要求、課題配信受付画面を要求するための課題配信設定要求をサーバ装置100に送信する。
【0096】
表示制御部3104は、受付部3101から取得した学習者の入力やサーバ装置100から受信した画面情報等に応じて、端末記憶部308に記憶された各種情報に基づく画面を生成し、表示部304に表示する。例えば、本実施形態では、表示制御部3104は、サーバ装置100から配信先設定画面情報を受信することに応答して、配信先設定画面を生成して、表示部304に表示する。
【0097】
設定送信部3105は、各種画面を介して受付部3101から取得した課題配信に関する情報をサーバ装置100に送信する。前述したように、本実施形態では、課題配信に関する情報には、問題を配信する学習者のグループと、学習者に配信する問題の問題範囲と、学習時間と、配信日時と、提出期限と配信者とが含まれる。問題を配信する学習者のグループには、1又は複数のクラスIDが含まれていてもよいし、複数の学習者IDが含まれていてもよい。学習者に配信する問題の問題範囲には、1又は複数の単元IDが設定される。学習時間は、3分~30分の間の任意の時間が設定される。配信日時には、今すぐであることを示す情報が含まれていてもよいし、所定の日時が含まれていてもよい。配信者には、端末装置300のユーザである先生IDが含まれている。なお、本実施形態では、学習時間として3分~30分の間の任意の時間が設定される例について説明するが、学習時間の一例であり、学習時間には他の任意の時間を設定してもよい。
【0098】
<端末装置300の画面例>
次に、実施形態における学習支援サービスの画面例について説明する。
図11は、配信先設定画面の一例を示す図である。
図11(A)に示す例では、クラス単位で配信のタブが選択されており、領域1101に、配信先として選択可能なクラスが一覧で示されている。
図11(B)に示す例では、子ども単位で配信のタブが選択されており、領域1102に、クラス選択コントールが表示されている。先生がクラス選択コントロールを操作して任意のクラスを選択すると、領域1103に、選択されたクラスに属する学習者が配信先として選択可能な状態で一覧表示される。
【0099】
図12は、問題範囲設定画面の一例を示す図である。
図12に示す例では、領域1201に、問題範囲として選択可能な単元が一覧で示されている。単元の領域1202の配信選択コントロールを先生が選択すると、領域1203に表示された配信BOXに、選択済みの問題範囲として表示される。
【0100】
単元の領域1204のコントロールを先生が選択すると、単元に含まれる問題の詳細情報が表示される。また、領域1205のコントロールを先生が選択すると、単元ごとの正答率が表示される。領域1206には、選択済みの問題範囲から想定される取組時間が表示される。先生は、これらの情報を参照しながら配信する問題の問題範囲を決定することができる。
【0101】
図13は、課題配信受付画面の一例を示す図である。
図13に示す例では、領域1301に、取組時間選択コントロールが表示される。取組時間選択コントロールで選択可能な時間は、選択済みの問題範囲によって変動する。領域1302には、配信日時を設定可能なコントロールが表示される。
図13に示す例では、配信日時として、今すぐ、又は所定の日時を設定することができる。領域1303には、課題の提出期限を設定可能なコントロールが表示される。提出期限は、設定しなくてもよいし、所定の日時を設定してもよい。すべての設定が完了した後、先生は領域1304のコントロールを選択することで、設定した課題配信に関する情報をサーバ装置100に送信することができる。
【0102】
図14は、実施状況確認画面の一例を示す図である。
図14に示す例では、領域1401に、配信された課題の実施状況が実施済み、実施中、未実施の3つのグループに分かれて表示されている。
図14に示す例では、実施中のグループをマウスオーバーすることで、領域1402に、実施中の学習者の詳細が一覧で表示されている。なお、領域1403のコントロールを先生が選択することで、後述の
図15に示されるような、詳細な実施状況を表示させることができる。
【0103】
図15は、詳細な実施状況確認画面の一例を示す図である。
図15に示す例では、領域1501に、学習者ごとの解答履歴が表示されている。本実施形態では、実施済みの学習者について、無回答の問題の割合を示す無回答率も表示されている。先生は、取り組んだ問題の正答率によって学習者の理解度を確認することに加えて、無回答率によって学習者の取組姿勢を確認することができる。
【0104】
<動作>
次に、学習支援システム1の動作について説明する。
図16は、本発明の一実施形態に係るサーバ装置100と端末装置300との処理の一例を示すフローチャートである。
【0105】
学習支援システム1のユーザである先生が、端末装置300の操作部306を用いてログイン情報の入力を行うと、端末装置300の受付部3101は、ログイン情報を受け付ける(S1601)。ここでは、先生ID「teacher2」の先生2が操作部306を用いてログイン情報の入力を行ったものとする。受付部3101がログイン情報を受け付けると、端末装置300の認証部3102は、受付部3101から取得したログイン情報を用いて先生の認証を行う(S1602)。本実施形態では、ログイン情報にはログインID及びパスワードが含まれ、認証部3102は、識別データ3081を用いて認証処理を行うものとする。
【0106】
認証が成功すると、ログインした先生専用の学習支援画面が表示部304に表示される。その後、先生が操作部306を用いて配信先設定画面を要求するための配信先設定要求の入力を行うと、画面要求部3103は、受付部3101が受け付けた配信先設定要求をサーバ装置100に送信する(S1603)。
【0107】
サーバ装置100の画面送信部1331は、端末装置300から配信先設定要求を受信して(S1604)、配信先設定画面情報を生成する(S1605)。本実施形態では、画面送信部1331は、先生DB1321及び学習者DB1322を参照して、配信先設定画面情報を生成する。
【0108】
画面送信部1331から配信先設定画面情報が送信されると(S1606、S1607)、端末装置300の表示制御部3104は、配信先設定画面情報に基づいて配信先設定画面を生成して、表示部304に表示する(S1608)。ここでは、表示制御部3104は、
図11に示されるような配信先設定画面を生成して、表示部304に表示したものとする。
【0109】
その後、表示された配信先設定画面において先生が操作部306を用いて配信先の入力を行い、問題範囲設定画面を要求するための問題範囲設定要求の入力を行うと、画面要求部3103は、問題範囲設定要求をサーバ装置100に送信する(S1609)。
【0110】
画面送信部1331は、端末装置300から問題範囲設定要求を受信して(S1610)、問題範囲設定画面情報を生成する(S1611)。本実施形態では、画面送信部1331は、単元DB1323を参照して、問題範囲設定画面情報を生成する。
【0111】
画面送信部1331から問題範囲設定画面情報が送信されると(S1612、S1613)、端末装置300の表示制御部3104は、問題範囲設定画面情報に基づいて問題範囲設定画面を生成して、表示部304に表示する(S1614)。ここでは、表示制御部3104は、
図12に示されるような問題範囲設定画面を生成して、表示部304に表示したものとする。
【0112】
その後、表示された問題範囲設定画面において先生が操作部306を用いて問題範囲の入力を行い、課題配信受付画面を要求するための課題配信設定要求の入力を行うと、画面要求部3103は、課題配信設定要求をサーバ装置100に送信する(S1615)。
【0113】
画面送信部1331は、端末装置300から課題配信設定要求を受信して(S1616)、課題配信受付画面情報を生成する(S1617)。
【0114】
画面送信部1331から課題配信受付画面情報が送信されると(S1618、S1619)、端末装置300の表示制御部3104は、課題配信受付画面情報及び端末記憶部308に保存されたユーザの入力情報に基づいて課題配信受付画面を生成して、表示部304に表示する(S1620)。ここでは、表示制御部3104は、
図13に示されるような課題配信受付画面を生成して、表示部304に表示したものとする。
【0115】
その後、表示された課題配信受付画面において先生が操作部306を用いて取組時間、配信日時、提出期限の入力を行い、課題配信の設定を確定する入力を行うと、端末装置300の設定送信部3105は、課題配信に関する情報をサーバ装置100に送信する(S1621)。本実施形態では、課題配信に関する情報には、配信先設定画面で設定した配信先である問題を配信する学習者のグループと、問題範囲設定画面で設定した問題範囲と、課題配信受付画面で設定した取組時間である学習時間と、課題配信受付画面で設定した配信日時と、課題配信受付画面で設定した提出期限と、端末装置300のユーザである配信者の先生IDとが含まれ、設定送信部3105は、学習者のグループ「class4-1:4年1組、class4-3:4年3組」と、問題範囲「U31:単元1、U32:単元2、U33:単元3」と、学習時間「15分」と、配信日時「今すぐ」と、提出期限「設定しない」とを含む課題配信に関する情報をサーバ装置100に送信したものとする。
【0116】
設定送信部3105から課題配信に関する情報が送信されると、サーバ装置100の配信受付部1332が課題配信に関する情報を受け付け(S1622)、サーバ装置100の配信管理部1336は、受け付けた課題配信に関する情報を配信履歴DB1325に登録する(S1623)。配信管理部1336は、受け付けた課題配信の配信日時が今すぐか否か判定する(S1624)。配信日時が今すぐであると判定される場合(S1624:Yes)、配信管理部1336は、サーバ装置100の正答率取得部1333に、正答以外の問題の予測正答率を取得させる(S1625)。一方、配信日時が今すぐでないと判定される場合(S1624:No)、処理は終了する。
【0117】
S1625において、正答率取得部1333は、学習者ごとに、対象となる学習者の解答履歴に基づいて各問題の予測正答率を取得する。本実施形態では、正答率取得部1333は、配信受付部1332が受け付けた課題配信に関する情報に基づいて、問題範囲に設定された単元IDに属する問題ID及び対象となる学習者の対応する解答履歴を予測モデル1327に記憶された予測モデルに入力することで、入力された問題IDのうち正答以外の問題について問題IDと予測正答率とを取得する。ここでは、問題範囲に3つの単元IDが含まれるので、正答率取得部1333は、各単元IDについて予測モデル1327を使用して、単元IDごとに正答以外の問題IDと予測正答率とを取得する。問題範囲のすべての単元について正答以外の問題IDと予測正答率とを取得すると、正答率取得部1333は、学習者IDと取得した情報とを抽出部1334に渡す。
【0118】
続いて、サーバ装置100の抽出部1334は、各学習者に配信する問題を抽出する(S1626)。本実施形態では、抽出部1334は、正答率取得部1333が取得した正答以外の問題の問題IDと予測正答率とを予測正答率が高い順にソートし、設定された学習時間に収まるように上から順に抽出する。本実施形態では、問題範囲に複数の単元IDが含まれる場合も、抽出部1334は、正答率取得部1333が取得した複数の単元の正答以外の問題の問題IDと予測正答率とを予測正答率が高い順にソートし、設定された学習時間である15分に収まるように上から順に抽出する。問題の抽出が終わると、抽出部1334は、学習者IDと抽出した問題IDを配信部1335に渡す。
【0119】
次に、サーバ装置100の配信部1335は、各学習者に抽出された問題を配信する(S1627)。本実施形態では、配信部1335は、抽出部1334が抽出した問題IDに基づいて問題DB1324から問題及び答えを取得して、渡された学習者IDで特定される学習者の端末装置200に配信履歴IDと共に配信する。
【0120】
配信部1335による配信が完了すると、配信管理部1336は、配信部1335が各学習者に配信した情報を解答履歴DB1326に登録する(S1628)。配信管理部1336は、配信履歴ID及び学習者IDに関連付けて、対象の学習者に配信された複数の問題の問題IDを登録する。なお、解答履歴レコードの登録時は、実施日時、解答時間、各問題の解答及び正誤はブランクとする。S1625~S1628までの処理が1人の学習者に対して実行されることとなる。
【0121】
最後に、配信管理部1336は、すべての配信先についてS1625~S1628の処理を行ったか否か判定する(S1629)。すべての配信先について処理済みであると判定される場合(S1629:Yes)、処理は終了する。一方、未処理の配信先が存在すると判定される場合(S1629:No)、配信管理部1336は、処理をS1625に戻す。
【0122】
なお、
図16には図示しないが、配信管理部1336は、所定のタイミングで配信履歴DB1325を参照して、配信日時となった未処理のレコードが存在するか否かを判定する。配信日時となった未処理のレコードが存在する場合、対象の配信履歴IDについて、正答率取得部1333に、正答以外の問題の予測正答率を取得させる。その後は、
図16のS1625~S1629に沿って同様の処理が行われる。
【0123】
また、
図16には図示しないが、サーバ装置100の解答受信部1337は、端末装置200から解答に関する情報を受信すると、解答履歴DB1326を更新する。本実施形態では、解答に関する情報には、配信履歴ID、学習者ID、問題ID、解答、正誤等が含まれている。このように、解答履歴DB1326は随時更新されていくので、正答率取得部1333は、学習者の最新の解答履歴に基づいて、各問題の予測正答率を取得することができる。また、画面送信部1331は、端末装置300からの指示に応じて、最新の解答履歴DB1326に基づいて実施状況確認画面情報を生成して送信することができる。
【0124】
以上、本実施形態によれば、サーバ装置100は、問題範囲と学習時間と当該問題範囲に含まれる問題の各学習者の解答履歴とに基づいて、配信先に属する各学習者に配信する問題を抽出する抽出部1334を備えることで、複数の単元をまたいだ問題範囲に含まれる問題の中から学習時間分の問題を一人ひとりに合わせて抽出し、学習者の端末装置200に配信することができる。
【0125】
また、サーバ装置100は、対象となる学習者の問題範囲に含まれる問題の解答履歴に基づいて、学習者ごとに正答以外の問題の予測正答率を取得する正答率取得部1333を備えることで、正答以外の問題のうち、対象となる学習者の予測正答率が高い問題を優先して配信することができ、端末装置200の学習者の学習意欲を損なわずに学習を進めさせることができる。
【0126】
また、サーバ装置100は、正答率取得部1333が、問題範囲に設定された単元に属する問題及び対象となる学習者の対応する解答履歴を予測モデル1327に入力し、入力された問題のうち正答以外の問題の予測正答率を取得することで、単元に属する解答履歴に基づいて高精度な予測正答率を取得することができる。
【0127】
また、サーバ装置100は、解答履歴に基づいて、配信した問題の実施状況を確認することが可能な画面情報を送信する画面送信部1331を備えることで、学習者の学習指導をサポートする情報や次回の課題配信のための有益な情報を提供することができる。
【0128】
端末装置300は、問題を配信する学習者のグループと、学習者に配信する問題の問題範囲と、学習時間とを設定する画面を生成して表示する表示制御部3104と、これらの設定をサーバ装置100に送信する設定送信部3105とを備えることで、学習者ごとに煩雑な処理を行う必要なく、サーバ装置100に、複数の単元をまたいだ問題範囲に含まれる問題の中から一人ひとりに合わせて抽出された学習時間分の問題を配信させることができる。
【符号の説明】
【0129】
1…学習支援システム、101…演算処理部、102…ROM、103…RAM、104…外部インターフェース、105…入力部、106…外部メモリ、107…画像処理部、108…スロットドライブ、109…音声処理部、110…ネットワークインターフェース、111…ディスプレイモニタ、112…スピーカ装置、120…伝送路、131…サーバ通信部、132…サーバ記憶部、1321…先生DB、1322…学習者DB、1323…単元DB、1324…問題DB、1325…配信履歴DB、1326…解答履歴DB、1327…予測モデル、133…サーバ処理部、1331…画面送信部(出力部)、1332…配信受付部(受付部)、1333…正答率取得部(取得部)、1334…抽出部、1335…配信部、1336…配信管理部、1337…解答受信部(受信部)、200…端末装置、14…タッチパネル、14A…ディスプレイ、14B…タッチセンサ、16…スピーカ、18…マイクロフォン、20…ハードボタン、22…ハードキー、24…音声出力端子、26…カメラ、30…移動体通信用アンテナ、32…移動体通信部、34…無線LAN通信用アンテナ、36…無線LAN通信部、38…記憶部、40…主制御部、42…外部インターフェース、50…プログラム、202…端末通信部、204…表示部、206…操作部、208…端末記憶部、2081…識別データ、2082…問題情報、210…学習者アプリ制御部、2101…受付部、2102…認証部、2103…問題受信部、2104…表示制御部、2105…問題実行部、2106…解答送信部、300…端末装置、302…端末通信部、304…表示部、306…操作部、308…端末記憶部、3081…識別データ、310…先生アプリ制御部、3101…受付部、3102…認証部、3103…画面要求部、3104…表示制御部、3105…設定送信部(送信部)、1101~1103…領域、1201~1206…領域、1301~1304…領域、1401~1403…領域、1501…領域、N…ネットワーク