(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011654
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】出力方法、出力装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240118BHJP
F16T 1/48 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
G06Q50/10
F16T1/48 Z
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113849
(22)【出願日】2022-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】000137889
【氏名又は名称】株式会社ミヤワキ
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100118049
【弁理士】
【氏名又は名称】西谷 浩治
(72)【発明者】
【氏名】吉川 成雄
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】イベントにおける複数の蒸気トラップの診断結果に関する一定の品質の報告書を迅速に作成する出力方法、出力装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】複数の蒸気トラップの診断結果に関する報告書を出力する出力装置における出力方法は、複数の蒸気トラップを診断したイベントを示す情報の入力を受け付け、前記イベントにおける前記複数の蒸気トラップの診断結果を示す結果情報を取得し、前記結果情報に基づいて、前記イベントにおける前記複数の蒸気トラップの診断結果に関する統計量を算出し、報告書の定型フォームに前記統計量を挿入することによって、前記イベントにおける前記複数の蒸気トラップの診断結果に関する前記報告書を作成し、出力する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の蒸気トラップの診断結果に関する報告書を出力する出力装置における出力方法であって、
前記複数の蒸気トラップを診断したイベントを示す情報の入力を受け付け、
前記イベントにおける前記複数の蒸気トラップの診断結果を示す結果情報を取得し、
前記結果情報に基づいて、前記イベントにおける前記複数の蒸気トラップの診断結果に関する統計量を算出し、
前記報告書の定型フォームに前記統計量を挿入することによって、前記イベントにおける前記複数の蒸気トラップの診断結果に関する前記報告書を作成し、
作成した前記報告書を出力する、
出力方法。
【請求項2】
前記イベントを示す情報は、前記複数の蒸気トラップが設置されている場所を示す情報及び前記複数の蒸気トラップの診断を行った時期を示す情報を含む、
請求項1に記載の出力方法。
【請求項3】
前記複数の蒸気トラップの診断結果は、
作業者が携帯する診断装置による蒸気トラップの診断結果と、蒸気トラップに常設された測定装置による当該蒸気トラップの測定結果に基づく、前記測定装置とは異なる装置による当該蒸気トラップの診断結果と、のうち、少なくとも一方を含む、
請求項1又は2に記載の出力方法。
【請求項4】
前記結果情報は、
一以上のグループのうち各蒸気トラップが属するグループの識別情報と、
各蒸気トラップが正常状態、不良状態又は休止状態であることを示す情報と、
各蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量を示す情報と、を含み、
前記統計量は、
各グループに属する前記正常状態の蒸気トラップの数と各グループに属する前記不良状態の蒸気トラップの数との和である稼働数と、
各グループに属する前記不良状態の蒸気トラップの数である不良数と、
各グループに対応する前記稼働数に対する、各グループに対応する前記不良数の比率である不良率と、
各グループに属する前記蒸気トラップにおける前記蒸気の漏洩量の総和と、を含み、
前記定型フォームは、
各グループの識別情報の挿入部と各グループに対応する前記統計量の挿入部とを対応付ける表を含む、
請求項1に記載の出力方法。
【請求項5】
前記結果情報は、
各蒸気トラップが正常状態、不良状態又は休止状態であることを示す情報、を含み、
前記統計量は、
前記正常状態、前記不良状態又は前記休止状態と診断された蒸気トラップの数である診断数と、
前記正常状態の蒸気トラップの数と前記不良状態の蒸気トラップの数との和である稼働数と、
前記正常状態の蒸気トラップの数である正常数と、
前記不良状態の蒸気トラップの数である不良数と、
前記休止状態の蒸気トラップの数である休止数と、
前記診断数に対する前記稼働数の比率である稼働率と、
前記稼働数に対する前記不良数の比率である不良率と、を含み、
前記定型フォームは、
前記統計量の挿入部と、
前記診断数の挿入部と前記稼働数及び前記休止数のそれぞれの挿入部との関係を示す第1画像と、
前記稼働数の挿入部と前記正常数及び前記不良数のそれぞれの挿入部との関係を示す第2画像と、
前記稼働数及び前記休止数の挿入部を含む領域と前記稼働率の挿入部との関係を示す第3画像と、
前記正常数及び前記不良数の挿入部を含む領域と前記不良率の挿入部との関係を示す第4画像と、を含む、
請求項1に記載の出力方法。
【請求項6】
更に、前記複数の蒸気トラップを管理する顧客が前記イベントが行われた時に管理していた蒸気トラップの数である第1管理台数と、前記イベントが行われた時よりも過去の所定時期に前記顧客が管理していた蒸気トラップの数である第2管理台数と、を示す情報を取得し、
更に、前記第2管理台数に対する前記第1管理台数の増減数を算出し、
前記結果情報は、更に、
各蒸気トラップが未診断状態、撤去状態又は診断の対象から除外された診断除外状態であることを示す情報を含み、
前記統計量は、更に、
前記未診断状態の蒸気トラップの数である未診断数と、
前記撤去状態の蒸気トラップの数である撤去数と、
前記診断除外状態の蒸気トラップの数である診断除外数と、を含み、
前記定型フォームは、更に、
前記第1管理台数、前記第2管理台数及び前記増減数の挿入部と、
前記第1管理台数の挿入部と前記診断数、前記未診断数、前記撤去数及び前記診断除外数のそれぞれの挿入部との関係を示す第5画像と、
前記第1管理台数の挿入部及び前記第2管理台数の挿入部を含む領域と前記増減数の挿入部との関係を示す第6画像と、を含む、
請求項4に記載の出力方法。
【請求項7】
前記結果情報は、
各蒸気トラップが蒸気漏れの状態、閉塞状態、排出不良状態又はその他の状態であることを示す情報と、
前記蒸気漏れの状態の蒸気トラップにおける蒸気の漏れ度合及び漏洩量を示す情報と、を含み、
前記統計量は、
前記蒸気漏れの状態の蒸気トラップの数である漏れ数と、
前記閉塞状態の蒸気トラップの数である閉塞数と、
前記排出不良状態の蒸気トラップの数である排出不良数と、
前記その他の状態の蒸気トラップの数であるその他数と、
前記蒸気漏れの状態の蒸気トラップのうち、前記蒸気の漏れ度合が所定度合以上である第1蒸気トラップの数である第1漏洩台数と、
前記蒸気漏れの状態の蒸気トラップのうち、前記蒸気の漏れ度合が前記所定度合未満である第2蒸気トラップの数である第2漏洩台数と、
前記第1蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量の総和である第1漏洩量と、
前記第2蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量の総和である第2漏洩量と、
前記第1漏洩量と前記第2漏洩量との和である総漏洩量と、
前記総漏洩量の蒸気が漏洩した場合に損失する金額である損失金額と、を含み、
前記定型フォームは、
前記統計量の挿入部と、
前記漏れ数の挿入部と前記第1漏洩台数及び前記第2漏洩台数のそれぞれの挿入部との関係を示す第7画像と、
前記第1漏洩台数の挿入部と前記第1漏洩量の挿入部との関係を示す第8画像と、
前記第2漏洩台数の挿入部と前記第2漏洩量の挿入部との関係を示す第9画像と、
前記第1漏洩量及び前記第2漏洩量のそれぞれの挿入部と前記総漏洩量の挿入部との関係を示す第10画像と、
前記総漏洩量の挿入部と前記損失金額の挿入部との関係を示す第11画像と、を含む、
請求項1に記載の出力方法。
【請求項8】
前記結果情報は、
各蒸気トラップが正常状態又は不良状態であることを示す情報と、
各蒸気トラップが蒸気漏れの状態であることを示す情報と、
前記蒸気漏れの状態の蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量を示す情報と、を含み、
前記統計量は、
前記イベントと同じ場所で前記イベントよりも過去に行われた一以上の過去イベント及び前記イベントのそれぞれにおける、前記正常状態の蒸気トラップの数と前記不良状態の蒸気トラップの数との和に対する前記不良状態の蒸気トラップの数の比率である不良率と、
前記一以上の過去イベント及び前記イベントのそれぞれにおける、前記蒸気漏れの状態の蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量の総和である総漏洩量と、
前記イベントと同じ場所で前記イベントの直前に行われた直前イベントにおける前記総漏洩量に対する前記イベントにおける前記総漏洩量の増減量と、を含み、
前記定型フォームは、
前記統計量の挿入部と、
前記一以上の過去イベント及び前記イベントのそれぞれにおける前記総漏洩量の時間的推移を示す第1グラフと、
前記一以上の過去イベント及び前記イベントのそれぞれにおける前記不良率の時間的推移を示す第2グラフと、を含む、
請求項1に記載の出力方法。
【請求項9】
前記結果情報は、
各蒸気トラップが蒸気漏れの状態又は閉塞状態であることを示す情報と、
前記蒸気漏れの状態の蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量を示す情報と、を含み、
前記統計量は、
前記イベントと同じ場所で前記イベントよりも過去に行われた一以上の過去イベント及び前記イベントのそれぞれにおける、前記蒸気漏れの状態の蒸気トラップの数である漏れ台数と、
前記一以上の過去イベント及び前記イベントのそれぞれにおける、前記閉塞状態の蒸気トラップの数である閉塞台数と、
前記一以上の過去イベント及び前記イベントのそれぞれにおける、前記蒸気漏れの状態の蒸気トラップにおける前記蒸気の漏洩量の総和である総漏洩量を前記漏れ台数で除算した結果である平均漏洩量と、
前記イベントと同じ場所で前記イベントの直前に行われた直前イベントにおける前記総漏洩量に対する前記イベントにおける前記総漏洩量の増減量と、を含み、
前記定型フォームは、
前記統計量の挿入部と、
前記一以上の過去イベント及び前記イベントのそれぞれにおける前記漏れ台数の時間的推移を示す第3グラフと、
前記一以上の過去イベント及び前記イベントのそれぞれにおける前記閉塞台数の時間的推移を示す第4グラフと、
前記一以上の過去イベント及び前記イベントのそれぞれにおける前記平均漏洩量の時間的推移を示す第5グラフと、を含む、
請求項1に記載の出力方法。
【請求項10】
前記結果情報は、
各蒸気トラップが蒸気漏れの状態であることを示す情報と、
前記蒸気漏れの状態の蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量を示す情報と、を含み、
前記統計量は、
前記イベントと同じ場所で前記イベントよりも過去に行われた一以上の過去イベント及び前記イベントのそれぞれにおける、前記蒸気漏れの状態の蒸気トラップにおける前記蒸気の漏洩量の総和である総漏洩量と、
前記一以上の過去イベントのうち、前記総漏洩量が最大値の基準イベントの後に実行された各イベントにおける前記総漏洩量を前記最大値から減算した結果である蒸気削減量と、を含み、
前記定型フォームは、
前記統計量の挿入部と、
前記一以上の過去イベント及び前記イベントのそれぞれにおける前記総漏洩量の時間的推移を示す第6グラフと、
前記基準イベントの後に実行された各イベントにおける前記蒸気削減量の時間的推移を示す第7グラフと、を含む、
請求項1に記載の出力方法。
【請求項11】
複数の蒸気トラップの診断結果に関する報告書を出力する出力装置であって、
前記複数の蒸気トラップを診断したイベントを示す情報の入力を受け付ける受付部と
前記イベントにおける前記複数の蒸気トラップの診断結果を示す結果情報を取得する取得部と、
前記結果情報に基づいて、前記イベントにおける前記複数の蒸気トラップの診断結果に関する統計量を算出する算出部と、
前記報告書の定型フォームに前記統計量を挿入することによって、前記イベントにおける前記複数の蒸気トラップの診断結果に関する前記報告書を作成する作成部と、
前記作成部が作成した前記報告書を出力する出力部と、
を備える出力装置。
【請求項12】
複数の蒸気トラップの診断結果に関する報告書を出力する出力装置のプログラムであって、
前記出力装置に、
前記複数の蒸気トラップを診断したイベントを示す情報の入力を受け付け、
前記イベントにおける前記複数の蒸気トラップの診断結果を示す結果情報を取得し、
前記結果情報に基づいて、前記イベントにおける前記複数の蒸気トラップの診断結果に関する統計量を算出し、
前記報告書の定型フォームに前記統計量を挿入することによって、前記イベントにおける前記複数の蒸気トラップの診断結果に関する前記報告書を作成し、
作成した前記報告書を出力する、
処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の蒸気トラップの診断結果に関する報告書を作成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
蒸気配管系を備えたプラントにおいては、配管系の適所に設置した蒸気トラップによって、熱交換又は放熱等により生じた復水(ドレン)を配管系の外部に排出している。経年劣化又は作動不良等によって蒸気トラップの性能が損なわれると、配管系内の蒸気が蒸気トラップを介して外部に漏出し、無駄な蒸気損失を招く。このため、一年に一回等の定期的に、複数の担当者に特許文献1等に開示のような計測診断装置(以降、診断器)を持参させ、1日で約1000機の蒸気トラップの診断を分担して行っている。
【0003】
しかし、担当者の手作業による蒸気トラップの診断には多大な時間を要する。このため、各蒸気トラップに測定装置を常設して、診断に必要な測定データをサーバ装置に送信するようにし、サーバ装置において各蒸気トラップを診断するシステムを採用するプラントも存在する。
【0004】
複数の蒸気トラップの診断が終了した後には、当該複数の蒸気トラップの診断結果に関する報告書を作成する作業が行われる。具体的には、作業者は、各担当者が使用した診断器又はサーバ装置から、報告書を作成する対象のイベント(診断機会)における複数の蒸気トラップの診断結果を取得して一つのファイルに集約し、当該診断結果に関する種々の統計量を算出する。また、作業者は、過去のイベントにおける診断結果及び統計量をサーバ装置から取得し、取得した診断結果及び統計量を用いて統計量の時間的推移を算出する。そして、作業者は、種々の統計量を示す表及び統計量の時間的推移を示すグラフ等が掲載された報告書を作成し、当該報告書をプラントを管理する顧客に提示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の報告書の作成方法は、報告書の作成が手作業で行われるため、多大な作業工数を要し、また、診断結果の集約ミス及び統計量の計算ミス等の人為的なミスの確認及び修正の作業に時間を要するという問題があった。また、作成者のスキルに応じて報告書の内容にバラツキが生じ、一定の品質の報告書を顧客に提示できないという問題があった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みて成されたものであり、イベントにおける複数の蒸気トラップの診断結果に関する一定の品質の報告書を迅速に作成することができる出力方法、出力装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る出力方法は、複数の蒸気トラップの診断結果に関する報告書を出力する出力装置における出力方法であって、前記複数の蒸気トラップを診断したイベントを示す情報の入力を受け付け、前記イベントにおける前記複数の蒸気トラップの診断結果を示す結果情報を取得し、前記結果情報に基づいて、前記イベントにおける前記複数の蒸気トラップの診断結果に関する統計量を算出し、前記報告書の定型フォームに前記統計量を挿入することによって、前記イベントにおける前記複数の蒸気トラップの診断結果に関する前記報告書を作成し、作成した前記報告書を出力する。
【0009】
本構成によれば、作業者は、イベントを示す情報を入力するだけで、当該イベントにおける複数の蒸気トラップの診断結果を集約する作業、当該診断結果に関する統計量を算出する作業及びこれらの作業における人為的なミスの確認及び修正の作業を行わずに、当該イベントにおける複数の蒸気トラップの診断結果に関する報告書を迅速に作成することができる。また、本構成によれば、前記統計量を報告書の定型フォームに挿入することによって定型の報告書が作成されるので、作業者のスキルによらない一定の品質の報告書を作成することができる。
【0010】
上記の出力方法において、前記イベントを示す情報は、前記複数の蒸気トラップが設置されている場所を示す情報及び前記複数の蒸気トラップの診断を行った時期を示す情報を含んでもよい。
【0011】
本構成によれば、前記イベントを示す情報が示す時期における、前記イベントを示す情報が示す場所に設置されている複数の蒸気トラップの診断結果に関する報告書が作成される。このため、本構成は、複数の蒸気トラップが設置されている場所及び当該複数の蒸気トラップの診断を行った時期の組み合わせ毎に、当該複数の蒸気トラップの診断結果に関する一定の品質の報告書を迅速に作成することができる。
【0012】
上記の出力方法において、前記複数の蒸気トラップの診断結果は、作業者が携帯する診断装置による蒸気トラップの診断結果と、蒸気トラップに常設された測定装置による当該蒸気トラップの測定結果に基づく、前記測定装置とは異なる装置による当該蒸気トラップの診断結果と、のうち、少なくとも一方を含んでもよい。
【0013】
本構成によれば、前記診断装置によって複数の蒸気トラップを診断したイベント、前記測定装置及び前記異なる装置によって複数の蒸気トラップを診断したイベント、及び、前記診断装置による蒸気トラップの診断と前記測定装置及び前記異なる装置による蒸気トラップの診断とが混在するイベントのそれぞれにおける複数の蒸気トラップの診断結果に関する報告書を作成することができる。
【0014】
上記の出力方法において、前記結果情報は、一以上のグループのうち各蒸気トラップが属するグループの識別情報と、各蒸気トラップが正常状態、不良状態又は休止状態であることを示す情報と、各蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量を示す情報と、を含み、前記統計量は、各グループに属する前記正常状態の蒸気トラップの数と各グループに属する前記不良状態の蒸気トラップの数との和である稼働数と、各グループに属する前記不良状態の蒸気トラップの数である不良数と、各グループに対応する前記稼働数に対する、各グループに対応する前記不良数の比率である不良率と、各グループに属する前記蒸気トラップにおける前記蒸気の漏洩量の総和と、を含み、前記定型フォームは、各グループの識別情報の挿入部と各グループに対応する前記統計量の挿入部とを対応付ける表を含んでもよい。
【0015】
本構成によれば、蒸気トラップが属する各グループの識別情報と各グループに対応する統計量とを対応付ける表を含んだ報告書が作成される。このため、当該表によって、各グループに属する蒸気トラップの診断結果に関する統計量を容易に比較することができる。
【0016】
上記の出力方法において、前記結果情報は、各蒸気トラップが正常状態、不良状態又は休止状態であることを示す情報、を含み、前記統計量は、前記正常状態、前記不良状態又は前記休止状態と診断された蒸気トラップの数である診断数と、前記正常状態の蒸気トラップの数と前記不良状態の蒸気トラップの数との和である稼働数と、前記正常状態の蒸気トラップの数である正常数と、前記不良状態の蒸気トラップの数である不良数と、前記休止状態の蒸気トラップの数である休止数と、前記診断数に対する前記稼働数の比率である稼働率と、前記稼働数に対する前記不良数の比率である不良率と、を含み、前記定型フォームは、前記統計量の挿入部と、前記診断数の挿入部と前記稼働数及び前記休止数のそれぞれの挿入部との関係を示す第1画像と、前記稼働数の挿入部と前記正常数及び前記不良数のそれぞれの挿入部との関係を示す第2画像と、前記稼働数及び前記休止数の挿入部を含む領域と前記稼働率の挿入部との関係を示す第3画像と、前記正常数及び前記不良数の挿入部を含む領域と前記不良率の挿入部との関係を示す第4画像と、を含んでもよい。
【0017】
この構成によれば、前記統計量と、前記第1画像と、前記第2画像と、前記第3画像と、前記第4画像と、を含んだ報告書が作成される。このため、前記診断数、前記稼働数及び前記休止数と前記第1画像とによって、前記診断数の蒸気トラップのうち、前記休止数の蒸気トラップが休止状態であること及び前記稼働数の蒸気トラップが正常状態又は不良状態で稼働していることを容易に把握することができる。更に、前記稼働数、前記正常数及び前記不良数と前記第2画像とによって、前記稼働数の蒸気トラップのうち、前記正常数の蒸気トラップが正常状態であること及び前記不良数の蒸気トラップが不良状態であることを容易に把握することができる。
【0018】
また、前記稼働数、前記休止数及び前記稼働率と前記第3画像とによって、前記稼働率が前記稼働数及び前記休止数に基づき算出されたことを容易に把握することができる。また、前記正常数、前記不良数及び前記不良率と前記第4画像とによって、前記不良率が前記正常数及び前記不良率に基づき算出されたことを容易に把握することができる。
【0019】
上記の出力方法において、更に、前記複数の蒸気トラップを管理する顧客が前記イベントが行われた時に管理していた蒸気トラップの数である第1管理台数と、前記イベントが行われた時よりも過去の所定時期に前記顧客が管理していた蒸気トラップの数である第2管理台数と、を示す情報を取得し、更に、前記第2管理台数に対する前記第1管理台数の増減数を算出し、前記結果情報は、更に、各蒸気トラップが未診断状態、撤去状態又は診断の対象から除外された診断除外状態であることを示す情報を含み、前記統計量は、更に、前記未診断状態の蒸気トラップの数である未診断数と、前記撤去状態の蒸気トラップの数である撤去数と、前記診断除外状態の蒸気トラップの数である診断除外数と、を含み、前記定型フォームは、更に、前記第1管理台数、前記第2管理台数及び前記増減数の挿入部と、前記第1管理台数の挿入部と前記診断数、前記未診断数、前記撤去数及び前記診断除外数のそれぞれの挿入部との関係を示す第5画像と、前記第1管理台数の挿入部及び前記第2管理台数の挿入部を含む領域と前記増減数の挿入部との関係を示す第6画像と、を含んでもよい。
【0020】
この構成によれば、前記第1管理台数、前記第2管理台数及び前記増減数と、前記第5画像と、前記第6画像と、を更に含んだ報告書が作成される。このため、前記第1管理台数、前記診断数、前記未診断数、前記撤去数及び前記診断除外数と前記第5画像とによって、前記第1管理台数の蒸気トラップのうち、前記診断数の蒸気トラップが正常状態、不良状態又は休止状態であり、前記未診断数の蒸気トラップが未診断状態であり、前記撤去数の蒸気トラップが撤去状態であり、前記診断除外数の蒸気トラップが診断除外状態であることを容易に把握することができる。また、前記第1管理台数及び前記第2管理台数と前記増減数と前記第6画像とによって、前記増減数が前記第1管理台数及び前記第2管理台数に基づき算出されたことを容易に把握することができる。
【0021】
上記の出力方法において、前記結果情報は、各蒸気トラップが蒸気漏れの状態、閉塞状態、排出不良状態又はその他の状態であることを示す情報と、前記蒸気漏れの状態の蒸気トラップにおける蒸気の漏れ度合及び漏洩量を示す情報と、を含み、前記統計量は、前記蒸気漏れの状態の蒸気トラップの数である漏れ数と、前記閉塞状態の蒸気トラップの数である閉塞数と、前記排出不良状態の蒸気トラップの数である排出不良数と、前記その他の状態の蒸気トラップの数であるその他数と、前記蒸気漏れの状態の蒸気トラップのうち、前記蒸気の漏れ度合が所定度合以上である第1蒸気トラップの数である第1漏洩台数と、前記蒸気漏れの状態の蒸気トラップのうち、前記蒸気の漏れ度合が前記所定度合未満である第2蒸気トラップの数である第2漏洩台数と、前記第1蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量の総和である第1漏洩量と、前記第2蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量の総和である第2漏洩量と、前記第1漏洩量と前記第2漏洩量との和である総漏洩量と、前記総漏洩量の蒸気が漏洩した場合に損失する金額である損失金額と、を含み、前記定型フォームは、前記統計量の挿入部と、前記漏れ数の挿入部と前記第1漏洩台数及び前記第2漏洩台数のそれぞれの挿入部との関係を示す第7画像と、前記第1漏洩台数の挿入部と前記第1漏洩量の挿入部との関係を示す第8画像と、前記第2漏洩台数の挿入部と前記第2漏洩量の挿入部との関係を示す第9画像と、前記第1漏洩量及び前記第2漏洩量のそれぞれの挿入部と前記総漏洩量の挿入部との関係を示す第10画像と、前記総漏洩量の挿入部と前記損失金額の挿入部との関係を示す第11画像と、を含んでもよい。
【0022】
この構成によれば、前記統計量と、前記漏れ数と前記第1漏洩台数及び前記第2漏洩台数のそれぞれとの関係を示す第7画像と、前記第1漏洩台数と前記第1漏洩量との関係を示す第8画像と、前記第2漏洩台数と前記第2漏洩量との関係を示す第9画像と、前記第1漏洩量及び前記第2漏洩量のそれぞれと前記総漏洩量との関係を示す第10画像と、前記総漏洩量と前記損失金額との関係を示す第11画像と、を含んだ報告書が作成される。
【0023】
このため、前記漏れ数、前記第1漏洩台数及び前記第2漏洩台数と前記第7画像とによって、前記漏れ数の蒸気漏れの状態の蒸気トラップのうち、前記第1漏洩台数の蒸気トラップにおける蒸気の漏れ度合が前記所定度合以上であり、前記第2漏洩台数の蒸気トラップにおける蒸気の漏れ度合が前記所定度合未満であることを、容易に把握することができる。
【0024】
また、前記第1漏洩台数及び前記第1漏洩量と前記第8画像とによって、前記第1漏洩台数の蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量の総和が前記第1漏洩量であることを容易に把握することができる。同様に、前記第2漏洩台数及び前記第2漏洩量と前記第9画像とによって、前記第2漏洩台数の蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量の総和が前記第2漏洩量であることを容易に把握することができる。
【0025】
また、前記第1漏洩量、前記第2漏洩量及び前記総漏洩量と前記第10画像とによって、前記総漏洩量が前記第1漏洩量及び前記第2漏洩量に基づき算出されたことを容易に把握することができる。また、前記総漏洩量及び前記損失金額と前記第11画像とによって、前記損失金額が前記総漏洩量を用いて算出されたことを容易に把握することができる。
【0026】
上記の出力方法において、前記結果情報は、各蒸気トラップが正常状態又は不良状態であることを示す情報と、各蒸気トラップが蒸気漏れの状態であることを示す情報と、前記蒸気漏れの状態の蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量を示す情報と、を含み、前記統計量は、前記イベントと同じ場所で前記イベントよりも過去に行われた一以上の過去イベント及び前記イベントのそれぞれにおける、前記正常状態の蒸気トラップの数と前記不良状態の蒸気トラップの数との和に対する前記不良状態の蒸気トラップの数の比率である不良率と、前記一以上の過去イベント及び前記イベントのそれぞれにおける、前記蒸気漏れの状態の蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量の総和である総漏洩量と、前記イベントと同じ場所で前記イベントの直前に行われた直前イベントにおける前記総漏洩量に対する前記イベントにおける前記総漏洩量の増減量と、を含み、前記定型フォームは、前記統計量の挿入部と、前記一以上の過去イベント及び前記イベントのそれぞれにおける前記総漏洩量の時間的推移を示す第1グラフと、前記一以上の過去イベント及び前記イベントのそれぞれにおける前記不良率の時間的推移を示す第2グラフと、を含んでもよい。
【0027】
この構成によれば、前記統計量と、前記第1グラフと、前記第2グラフと、を含んだ報告書が作成される。このため、前記第1グラフによって、前記一以上の過去イベント及び前記イベントのそれぞれにおける前記総漏洩量の時間的推移を容易に把握することができる。また、前記第2グラフによって、前記一以上の過去イベント及び前記イベントのそれぞれにおける前記不良率の時間的推移を容易に把握することができる。
【0028】
上記の出力方法において、前記結果情報は、各蒸気トラップが蒸気漏れの状態又は閉塞状態であることを示す情報と、前記蒸気漏れの状態の蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量を示す情報と、を含み、前記統計量は、前記イベントと同じ場所で前記イベントよりも過去に行われた一以上の過去イベント及び前記イベントのそれぞれにおける、前記蒸気漏れの状態の蒸気トラップの数である漏れ台数と、前記一以上の過去イベント及び前記イベントのそれぞれにおける、前記閉塞状態の蒸気トラップの数である閉塞台数と、前記一以上の過去イベント及び前記イベントのそれぞれにおける、前記蒸気漏れの状態の蒸気トラップにおける前記蒸気の漏洩量の総和である総漏洩量を前記漏れ台数で除算した結果である平均漏洩量と、前記イベントと同じ場所で前記イベントの直前に行われた直前イベントにおける前記総漏洩量に対する前記イベントにおける前記総漏洩量の増減量と、を含み、前記定型フォームは、前記統計量の挿入部と、前記一以上の過去イベント及び前記イベントのそれぞれにおける前記漏れ台数の時間的推移を示す第3グラフと、前記一以上の過去イベント及び前記イベントのそれぞれにおける前記閉塞台数の時間的推移を示す第4グラフと、前記一以上の過去イベント及び前記イベントのそれぞれにおける前記平均漏洩量の時間的推移を示す第5グラフと、を含んでもよい。
【0029】
この構成によれば、前記統計量と、前記第3グラフと、前記第4グラフと、前記第5グラフと、を含んだ報告書が作成される。このため、前記第3グラフによって、前記一以上の過去イベント及び前記イベントのそれぞれにおける前記漏れ台数の時間的推移を容易に把握することができる。前記第4グラフによって、前記一以上の過去イベント及び前記イベントのそれぞれにおける前記閉塞台数の時間的推移を容易に把握することができる。前記第5グラフによって、前記一以上の過去イベント及び前記イベントのそれぞれにおける前記平均漏洩量の時間的推移を容易に把握することができる。
【0030】
上記の出力方法において、前記結果情報は、各蒸気トラップが蒸気漏れの状態であることを示す情報と、前記蒸気漏れの状態の蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量を示す情報と、を含み、前記統計量は、前記イベントと同じ場所で前記イベントよりも過去に行われた一以上の過去イベント及び前記イベントのそれぞれにおける、前記蒸気漏れの状態の蒸気トラップにおける前記蒸気の漏洩量の総和である総漏洩量と、前記一以上の過去イベントのうち、前記総漏洩量が最大値の基準イベントの後に実行された各イベントにおける前記総漏洩量を前記最大値から減算した結果である蒸気削減量と、を含み、前記定型フォームは、前記統計量の挿入部と、前記一以上の過去イベント及び前記イベントのそれぞれにおける前記総漏洩量の時間的推移を示す第6グラフと、前記基準イベントの後に実行された各イベントにおける前記蒸気削減量の時間的推移を示す第7グラフと、を含んでもよい。
【0031】
この構成によれば、前記統計量と、前記第6グラフと、前記第7グラフと、を含んだ報告書が作成される。このため、前記第6グラフによって、前記一以上の過去イベント及び前記イベントのそれぞれにおける前記総漏洩量の時間的推移を容易に把握することができる。前記第7グラフによって、前記基準イベントの後に実行された各イベントにおける前記蒸気削減量の時間的推移を容易に把握することができる。
【0032】
本発明の別の一態様に係る出力装置は、複数の蒸気トラップの診断結果に関する報告書を出力する出力装置であって、前記複数の蒸気トラップを診断したイベントを示す情報の入力を受け付ける受付部と前記イベントにおける前記複数の蒸気トラップの診断結果を示す結果情報を取得する取得部と、前記結果情報に基づいて、前記イベントにおける前記複数の蒸気トラップの診断結果に関する統計量を算出する算出部と、前記報告書の定型フォームに前記統計量を挿入することによって、前記イベントにおける前記複数の蒸気トラップの診断結果に関する前記報告書を作成する作成部と、前記作成部が作成した前記報告書を出力する出力部と、を備える。
【0033】
本構成によれば、上記出力方法と同様の作用効果が得られる。
【0034】
本発明の別の一態様に係るプログラムは、複数の蒸気トラップの診断結果に関する報告書を出力する出力装置のプログラムであって、前記出力装置に、前記複数の蒸気トラップを診断したイベントを示す情報の入力を受け付け、前記イベントにおける前記複数の蒸気トラップの診断結果を示す結果情報を取得し、前記結果情報に基づいて、前記イベントにおける前記複数の蒸気トラップの診断結果に関する統計量を算出し、前記報告書の定型フォームに前記統計量を挿入することによって、前記イベントにおける前記複数の蒸気トラップの診断結果に関する前記報告書を作成し、作成した前記報告書を出力する、処理を実行させる。
【0035】
本構成によれば、上記出力方法と同様の作用効果が得られる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、イベントにおける複数の蒸気トラップの診断結果に関する一定の品質の報告書を迅速に作成することができる出力方法、出力装置及びプログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】蒸気トラップ管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】診断装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】測定装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】サーバ装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】蒸気トラップ管理システムにおける診断作業時の処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図7】蒸気トラップ管理システムにおける診断処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図8】蒸気トラップ管理システムにおける報告書作成処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図9】イベント情報の入力画面の一例を示す図である。
【
図10】複数の蒸気トラップの診断結果の集計結果を示す報告書の一例を示す図である。
【
図11】複数の蒸気トラップの稼働状況を示す報告書の一例を示す図である。
【
図12】不良状態と診断された複数の蒸気トラップの不良の内容に関する報告書の一例を示す図である。
【
図13】蒸気の総漏洩量及び蒸気トラップの不良率の時間的推移を示す報告書の一例を示す図である。
【
図14】1台当りの蒸気の漏洩量、蒸気漏れ状態及び閉塞状態の時間的推移を示す報告書の一例を示す図である。
【
図15】漏れ蒸気の削減量の時間的推移を示す報告書の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。尚、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一又は相応する要素を示すものとする。
【0039】
<システムの構成>
図1は、蒸気トラップ管理システム100の構成を示すブロック図である。蒸気トラップ管理システム100は、診断装置1と、ノートパソコン又はタブレット端末等の情報処理装置2と、測定装置3と、クラウドサーバ等のサーバ装置4(出力装置)とを備えている。
【0040】
診断装置1と情報処理装置2とは、Bluetooth(登録商標)等の任意の通信方式によって相互に通信可能である。また、情報処理装置2とサーバ装置4とは、公衆回線網等の任意の通信ネットワーク9を介して、IP等の任意の通信方式によって相互に通信可能である。
【0041】
蒸気配管系を備えたプラントにおいては、配管系内に生じた復水(ドレン)を配管系の外部に排出するために、配管系の適所に複数の蒸気トラップが設置されている。経年劣化又は作動不良等によって蒸気トラップの性能が損なわれると、配管系内の蒸気が蒸気トラップを介して外部に漏出し、無駄な蒸気損失を招くこととなる。このため、一年に一回等の定期的に、当該複数の蒸気トラップを診断する作業(以降、診断作業)が行われる。尚、当該診断作業は、定期的に限らず、不定期に行われても良い。
【0042】
診断作業は、複数の作業者によって分担して行われる。各作業者は、診断装置1を携帯してプラント内を移動することにより、担当の一以上の蒸気トラップを診断装置1によって順次診断する。
【0043】
プラント内へのノートパソコン等の情報処理装置2の持ち込みが許可されている場合、作業者は、診断装置1とともに情報処理装置2を携帯して、各蒸気トラップを順に診断することもできる。この場合、診断装置1は、情報処理装置2及び通信ネットワーク9を介してサーバ装置4に、各蒸気トラップの診断結果をリアルタイムで送信することができる。
【0044】
一方、プラント内へのノートパソコン等の持ち込みが禁止されている場合、作業者は、営業車又は現場事務所等の待機場所に情報処理装置2を保管し、診断装置1のみを携帯して、担当の複数の蒸気トラップを診断装置1によって順次診断する。この場合、各蒸気トラップの診断結果は、診断装置1内に保存される。作業者が待機場所に戻った後、診断装置1は、情報処理装置2及び通信ネットワーク9を介してサーバ装置4に、診断装置1内に保存した担当の複数の蒸気トラップの診断結果を送信する。
【0045】
大規模なプラントでは数千個から数万個の蒸気トラップが設置されている場合がある。この場合、作業者による診断装置1を用いた手作業での各蒸気トラップの診断には多大な時間が必要になる。このため、通信ネットワーク9を介してサーバ装置4と相互に通信可能な測定装置3を、各蒸気トラップに常設しているプラントも存在する。
【0046】
測定装置3は、例えば、月1回等の定期的に、各蒸気トラップの診断に必要なデータを測定し、測定したデータ(以降、測定データ)をサーバ装置4に送信する。この場合、サーバ装置4が、受信した測定データに基づいて各蒸気トラップの診断を行う。
【0047】
また、サーバ装置4へのアクセス権を有する任意の情報処理装置(図略)は、通信ネットワーク9を介してサーバ装置4にアクセス可能である。これにより、当該情報処理装置において、サーバ装置4が管理している種々の情報を閲覧等することが可能となっている。
【0048】
以下、診断装置1、情報処理装置2、測定装置3及びサーバ装置4の構成について詳述する。
【0049】
<診断装置1の構成>
図2は、診断装置1の構成の一例を示す図である。診断装置1は、測定部12、操作部13、表示部14、記憶部15、通信部16、IF部17(インターフェイス部)及び制御部11を有している。
【0050】
測定部12は、温度センサ121及び振動センサ122を含む。温度センサ121は、熱電対、増幅回路、及びAD変換回路等を用いて構成されている。作業者が診断装置1の探針(図略)を、測定対象の蒸気トラップ(以降、対象蒸気トラップ)に押し当てることにより、温度センサ121は、対象蒸気トラップの温度を測定し、その測定結果を示す温度データを出力する。振動センサ122は、圧電素子、増幅回路、及びAD変換回路等を用いて構成されている。作業者が上記探針を対象蒸気トラップに押し当てることにより、振動センサ122は、対象蒸気トラップの振動を測定し、その測定結果を示す振動データを出力する。
【0051】
操作部13は、作業者が各種の情報を入力するための操作スイッチ等によって構成されている。表示部14は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等を用いて構成されている。但し、タッチパネル式ディスプレイを使用することにより、操作部13と表示部14とを一体として構成してもよい。
【0052】
記憶部15は、フラッシュメモリ等の書き換え可能な半導体メモリ等を用いて構成されている。通信部16は、Bluetooth(登録商標)等の任意の通信方式に対応した通信回路を用いて構成され、情報処理装置2等の外部装置と通信を行う。
【0053】
IF部17は、SDカード又はUSBメモリ等のフラッシュメモリ7が着脱自在に接続される入出力端子等によって構成されている。IF部17は、自身にフラッシュメモリ7が接続された状態で、当該フラッシュメモリ7と制御部11との間で情報を入出力する。
【0054】
具体的には、IF部17は、制御部11による制御の下、フラッシュメモリ7に記憶されている情報を読み出し、当該読み出した情報を制御部11に入力する。また、IF部17は、制御部11による制御の下、制御部11から出力された情報を、フラッシュメモリ7に記憶する。
【0055】
制御部11は、CPU等を用いて構成されている。制御部11は、当該CPUが所定のプログラムを実行することによって実現される機能として、取得部111、診断部112及び出力部113を有している。
【0056】
取得部111は、IF部17を介してフラッシュメモリ7から、複数の蒸気トラップのそれぞれの診断に必要な情報が記述された管理台帳52(
図5)を取得し、取得した管理台帳52を記憶部15に記憶する。
【0057】
また、取得部111は、作業者が診断装置1とともに情報処理装置2を携帯している場合、通信部16を介して情報処理装置2から管理台帳52を取得し、取得した管理台帳52を記憶部15に記憶する。
【0058】
管理台帳52には、診断作業で診断する複数の蒸気トラップのそれぞれについて、診断順に、各蒸気トラップの識別情報、位置情報、属性情報、条件情報及び特性情報が記述されている。
【0059】
識別情報は、診断対象の各蒸気トラップを識別する情報である。例えば、識別情報には、各蒸気トラップがプラントで管理する対象の蒸気トラップとして登録された順番を示すトラップナンバーが採用される。例えば、ある蒸気トラップが、プラントで管理する対象の蒸気トラップとして3番目に登録されたとする。この場合、当該蒸気トラップのトラップナンバー「3」が、当該蒸気トラップの識別情報として採用される。
【0060】
位置情報は、各蒸気トラップが設置されている位置を示す情報である。例えば、位置情報には、各蒸気トラップが設置されているプラントの識別情報及びプラントに設置された配管系を複数のグループに分類したときの、各蒸気トラップが設置された配管を含むグループの識別情報が含まれる。また、位置情報には、プラントを複数のエリアに区画したときの、各蒸気トラップが設置された場所を含むエリアの識別情報が含まれる。また、位置情報には、各エリアを複数行かつ複数列に並ぶ複数のグリッドに分割したときの、各蒸気トラップが設置されているグリッドの行番号及び列番号を示す情報が含まれる。
【0061】
属性情報は、各蒸気トラップの属性を示す情報である。例えば、属性情報には、各蒸気トラップの製造メーカ名、機種名、弁の開閉方式を特定する情報(以降、型式)及び復水の最大排出量を特定する情報(以降、モデル)が含まれる。
【0062】
条件情報は、各蒸気トラップの動作条件を示す情報である。例えば、条件情報には、各蒸気トラップの使用圧力及び設定温度が含まれる。
【0063】
特性情報は、各蒸気トラップの特性を示す情報である。例えば、特性情報には、各蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量と振動値との関係を示す情報(以降、振動特性)及び各蒸気トラップにおける蒸気の漏れ度合を判別するために用いる振動閾値等が含まれる。また、特性情報には、各蒸気トラップの状態を判別するために用いる温度閾値等が含まれる。
【0064】
管理台帳52には、更に、診断作業を行う時期を示す情報(以降、時期情報)が含まれる。時期情報は、例えば、診断作業を行うときの年月日によって表される。ただし、時期情報は、診断作業を行うときの年月日に限らず、更に、午前、午後又は時刻を用いて表されてもよい。
【0065】
診断部112は、記憶部15に記憶された管理台帳52と、測定部12から入力された対象蒸気トラップの温度データ及び振動データと、に基づいて、対象蒸気トラップの診断を行う。
【0066】
例えば、診断部112は、管理台帳52に含まれている対象蒸気トラップの温度閾値と対象蒸気トラップの温度データとを比較し、管理台帳52に含まれている対象蒸気トラップの振動閾値と対象蒸気トラップの振動データとを比較する。
【0067】
診断部112は、これらの比較の結果に基づいて、対象蒸気トラップが正常状態であるか不良状態であるかを診断する。また、対象蒸気トラップが不良状態の場合、診断部112は、上記比較の結果に基づいて不良の内容を判別する。例えば、不良の内容は、蒸気漏れ、閉塞、排出不良又はその他等である。対象蒸気トラップが蒸気漏れの状態の場合、診断部112は、上記比較の結果に基づいて、対象蒸気トラップの蒸気の漏れ度合を段階的に判別する。例えば、蒸気の漏れ度合は、吹放し、大、中又は小等である。
【0068】
また、診断部112は、対象蒸気トラップの特性情報に含まれる振動特性及び振動データに基づいて、対象蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量を算出する。
【0069】
診断部112は、対象蒸気トラップの診断を終了すると、対象蒸気トラップの診断を行った時期を示す情報(以降、診断時期情報)と対象蒸気トラップの診断結果を示す情報(以降、診断結果情報)とを、記憶部15に記憶されている管理台帳52に追記する。これにより、診断部112は、対象蒸気トラップの診断を終了する度に、記憶部15に記憶されている管理台帳52を更新する。
【0070】
尚、対象蒸気トラップが診断装置1の探針を押し当てることができない位置に設置されていた又は作業者が診断作業の予定時間内に対象蒸気トラップを診断できなかったこと等が原因で、対象蒸気トラップの診断を行えない場合がある。この場合、作業者は、操作部13を用いて、対象蒸気トラップが未診断状態であることを示す情報を入力する。この場合、診断部112は、対象蒸気トラップが未診断状態であることを示す情報を、対象蒸気トラップの診断結果情報として管理台帳52に追記する。
【0071】
また、対象蒸気トラップが撤去され、管理台帳52に含まれる対象蒸気トラップの位置情報が示す位置に設置されていない場合がある。この場合、作業者は、操作部13を用いて、対象蒸気トラップが撤去状態であることを示す情報を入力する。この場合、診断部112は、対象蒸気トラップが撤去状態であることを示す情報を、対象蒸気トラップの診断結果情報として管理台帳52に追記する。
【0072】
また、対象蒸気トラップが設置されている配管が利用されていない又は診断作業時に顧客から対象蒸気トラップの診断を行わないように指示される場合がある。この場合、作業者は、操作部13を用いて、対象蒸気トラップが診断除外状態であることを示す情報を入力する。この場合、診断部112は、対象蒸気トラップが診断除外状態であることを示す情報を、対象蒸気トラップの診断結果情報として管理台帳52に追記する。
【0073】
出力部113は、作業者による操作部13の操作に応じて、記憶部15に記憶されている更新後の管理台帳52(結果情報)を出力する。具体的には、作業者がフラッシュメモリ7をIF部17に接続した場合、出力部113は、記憶部15に記憶されている更新後の管理台帳52をIF部17を介して当該フラッシュメモリ7に記憶する。作業者が診断装置1とともに情報処理装置2を携帯している場合、出力部113は、更新後の管理台帳52を通信部16を用いて当該情報処理装置2に送信する。
【0074】
<情報処理装置2の構成>
図3は、情報処理装置2の構成の一例を示す図である。情報処理装置2は、操作部23、表示部24、記憶部25、通信部26、IF部27及び制御部21を有している。
【0075】
操作部23は、作業者が各種の情報を入力するためのキーボード又はマウス等によって構成されている。表示部24は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等を用いて構成されている。但し、タッチパネル式ディスプレイを使用することにより、操作部23と表示部24とを一体として構成してもよい。
【0076】
記憶部25は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はフラッシュメモリ等の書き換え可能な任意の記憶装置を用いて構成されている。
【0077】
通信部26は、Bluetooth(登録商標)等の任意の通信方式に対応した通信回路を用いて構成されており、診断装置1の通信部16と相互に通信可能である。また、通信部26は、IP等の任意の通信方式に対応した通信回路を用いて構成されており、通信ネットワーク9を介して、サーバ装置4の通信部46と相互に通信可能である。
【0078】
IF部27は、SDカード又はUSBメモリ等のフラッシュメモリ7が着脱自在に接続される入出力端子等によって構成されている。IF部27は、自身にフラッシュメモリ7が接続された状態で、当該フラッシュメモリ7と制御部21との間で情報を入出力する。
【0079】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)等を用いて構成されている。制御部21は、当該CPUが所定のプログラムを実行することによって実現される機能として、作成部211、取得部212及び出力部213を有している。
【0080】
作成部211は、作業者による操作部23の操作に応じて、診断作業における診断対象の複数の蒸気トラップのそれぞれの診断に必要な情報が記述された管理台帳52を作成する。具体的には、作成部211は、作業者による操作部23の操作に応じて、通信部26を用いて、当該複数の蒸気トラップを管理しているプラントの最新の機器情報51(
図5)をサーバ装置4から取得し、当該機器情報51に基づいて管理台帳52を作成する。
【0081】
プラントの機器情報51とは、当該プラントで管理されている複数の蒸気トラップに関する情報である。プラントの機器情報51には、当該プラントが管理する複数の蒸気トラップのそれぞれの識別情報、位置情報、属性情報、条件情報及び特性情報と、当該機器情報51がサーバ装置4に記憶された時期を示す情報(以降、登録時期情報)と、が含まれる。プラントの最新の機器情報51とは、登録時期情報が示す時期が最も現在に近い当該プラントの機器情報51を示す。
【0082】
作成部211は、サーバ装置4から取得したプラントの最新の機器情報51から、作業者の操作により指示された、診断対象の一以上の蒸気トラップの識別情報、位置情報、属性情報、条件情報及び特性情報を抽出する。以降、蒸気トラップの識別情報、位置情報、属性情報、条件情報及び特性情報を総称する場合、蒸気トラップの管理情報と記載する。
【0083】
作成部211は、抽出した各蒸気トラップの管理情報を、作業者の操作により指示された各蒸気トラップの診断順に並べて記述した管理台帳52を作成する。尚、管理台帳52における各蒸気トラップの管理情報の並び順は、診断順に限らず、例えば、各蒸気トラップの識別情報の降順又は昇順等であっても良い。
【0084】
IF部27にフラッシュメモリ7が接続された場合、作成部211は、作成した管理台帳52をIF部27を介してフラッシュメモリ7に記憶する。この場合、作業者は、当該フラッシュメモリ7を診断装置1のIF部17に接続する。診断装置1では、取得部111が、当該フラッシュメモリ7に記憶されている管理台帳52をIF部17を介して取得する。これにより、診断装置1において、当該管理台帳52と、測定部12が出力した測定データと、に基づいて、複数の蒸気トラップの診断が行えるようになる。
【0085】
また、作業者が診断装置1と情報処理装置2とを携帯している場合、作成部211は、作成した管理台帳52を、通信部26を介して当該診断装置1に送信する。この場合、当該診断装置1では、取得部111が、通信部16が情報処理装置2から受信した管理台帳52を、通信部16から取得する。これにより、診断装置1において、当該管理台帳52と、測定部12が出力した測定データと、に基づいて、複数の蒸気トラップの診断が行えるようになる。
【0086】
また、作成部211は、作成した管理台帳52を通信部26を用いてサーバ装置4に送信する。これにより、サーバ装置4において、情報処理装置2から受信した管理台帳52に、一以上の診断装置1のそれぞれから受信した複数の蒸気トラップの診断結果情報を追記することが可能となる。その結果、サーバ装置4において、診断作業における複数の蒸気トラップの診断結果を一元管理することが可能となる。
【0087】
取得部212は、通信部26が診断装置1から受信した情報を、通信部26から取得する。例えば、通信部26が、診断時期情報及び診断結果情報が追記された更新後の管理台帳52を診断装置1から受信した場合、取得部212は、当該更新後の管理台帳52を通信部26から取得する。
【0088】
また、取得部212は、IF部27にフラッシュメモリ7が接続された状態で、IF部27を介して当該フラッシュメモリ7に記憶されている情報を取得する。例えば、診断装置1において診断時期情報及び診断結果情報が追記された更新後の管理台帳52がフラッシュメモリ7に記憶された後、当該フラッシュメモリ7がIF部27に接続されたとする。この場合、取得部212は、当該フラッシュメモリ7から当該管理台帳52を取得する。
【0089】
出力部213は、種々の情報を通信部26を用いてサーバ装置4に送信する。例えば、出力部213は、取得部212が取得した更新後の管理台帳52を通信部26を用いてサーバ装置4に送信する。
【0090】
<測定装置3の構成>
図4は、測定装置3の構成の一例を示す図である。測定装置3は、測定部32、通信部36及び制御部31を備えている。
【0091】
測定部32は、温度センサ321及び振動センサ322を含む。温度センサ321は、熱電対、増幅回路、及びAD変換回路等を用いて構成されている。温度センサ321は、対象蒸気トラップの入口部(一次側)等に設置されている。温度センサ321は、制御部31からの指示に応じて、対象蒸気トラップの温度を測定し、その測定結果を示す温度データを制御部31に出力する。振動センサ322は、圧電素子、増幅回路、及びAD変換回路等を用いて構成されている。振動センサ322は、対象蒸気トラップの排出部(二次側)等に設置されている。振動センサ322は、制御部31からの指示に応じて、対象蒸気トラップの振動を測定し、その測定結果を示す振動データを出力する。
【0092】
通信部36は、IP等の任意の通信方式に対応した通信回路を用いて構成されており、通信ネットワーク9を介して、サーバ装置4の通信部46と相互に通信可能である。尚、プラントに、通信ネットワーク9を介してサーバ装置4の通信部46と相互に通信可能な中継通信装置を設けてもよい。これに合わせて、通信部36が、Bluetooth(登録商標)等の任意の通信方式に対応した通信回路を用いて構成され、当該中継通信装置と相互に通信可能に構成されてもよい。これにより、通信部36が、当該中継通信装置と通信ネットワーク9とを介して、サーバ装置4の通信部46と相互に通信可能に構成されてもよい。
【0093】
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)及びメモリ等を備えたマイクロコンピュータを用いて構成されている。
【0094】
制御部31は、月一回等の定期的に、対象蒸気トラップの温度及び振動を測定部32に測定させる測定処理を実行する。制御部31は、測定処理によって測定部32から入力された温度データ及び振動データを、対象蒸気トラップの測定結果を示す測定データとし、対象蒸気トラップが設置されているプラントの識別情報、対象蒸気トラップの識別情報及び現在日時を示す情報(以降、測定日時情報)とともに、通信部36を用いてサーバ装置4へ送信する。尚、制御部31が、温度データ及び振動データのうちの何れか一方のみを測定データとして、サーバ装置4へ送信するようにしてもよい。
【0095】
<サーバ装置4の構成>
図5は、サーバ装置4の構成の一例を示す図である。サーバ装置4は、通信部46、記憶部45及び制御部41を有している。
【0096】
通信部46は、IP等の任意の通信方式に対応した通信回路を用いて構成されており、通信ネットワーク9を介して情報処理装置2等の外部装置と通信を行う。
【0097】
記憶部45は、HDD、SSD、又はフラッシュメモリ等の書き換え可能な任意の記憶装置を用いて構成されている。記憶部45には、一以上のプラントのそれぞれの識別情報と対応付けて、各プラントの機器情報51が記憶されている。機器情報51の内容が更新された場合、更新の時期を示す登録時期情報を含んだ更新後の内容の機器情報51が、記憶部45に新たに記憶される。
【0098】
記憶部45には、一以上の診断作業のそれぞれに対応する管理台帳52が記憶される。診断作業に対応する管理台帳52とは、当該診断作業における診断対象の複数の蒸気トラップのそれぞれの診断に必要な情報を含む管理台帳52である。
【0099】
記憶部45の記憶領域の一部は、管理テーブル53として利用される。管理テーブル53は、測定装置3が設置されている蒸気トラップの診断に関する情報を管理するためのテーブルである。管理テーブル53には、測定装置3が設置されている蒸気トラップを管理するプラントの識別情報と、当該蒸気トラップの識別情報と、当該蒸気トラップの測定結果を示す測定データと、当該蒸気トラップの診断を行った時期を示す診断時期情報と、当該蒸気トラップの診断結果を示す診断結果情報と、が対応付けて記憶される。
【0100】
記憶部45には、複数の蒸気トラップの診断結果に関する報告書の定型フォーム54が記憶されている。報告書の定型フォーム54の詳細については後述する。
【0101】
制御部41は、CPU等を用いて構成されている。制御部41は、当該CPUが所定のプログラムを実行することによって実現される機能として、管理部411、診断部412、受付部413、取得部414、算出部415、作成部416及び出力部417を有している。
【0102】
管理部411は、各診断作業に対応する管理台帳52を管理する。
【0103】
具体的には、管理部411は、通信部46が受信した管理台帳52を通信部46から取得する。管理部411は、取得した管理台帳52(以降、取得台帳)に診断時期情報及び診断結果情報が含まれていない場合、当該取得台帳を、新たな診断作業に対応する管理台帳52として記憶部45に記憶する。
【0104】
一方、取得台帳に一以上の蒸気トラップの診断時期情報及び診断結果情報が含まれている場合、管理部411は、当該一以上の蒸気トラップの診断時期情報及び診断結果情報を、記憶部45に記憶されている、取得台帳と同じ診断作業に対応する管理台帳52に追記する。これにより、管理部411は、記憶部45に記憶されている、取得台帳と同じ診断作業に対応する管理台帳52を更新する。
【0105】
具体的には、管理部411は、記憶部45に記憶されている一以上の診断作業に対応する管理台帳52のうち、取得台帳と同じ時期情報を含み、且つ、取得台帳に含まれる診断時期情報及び診断結果情報に対応する一以上の蒸気トラップと同じ位置情報を含む管理台帳52を、取得台帳と同じ診断作業に対応する管理台帳52として特定する。管理部411は、特定した管理台帳52に、取得台帳に含まれる一以上の蒸気トラップの診断時期情報及び診断結果情報を追記する。これにより、同時期に互いに異なる複数のプラントで行われた複数の診断作業のそれぞれにおける蒸気トラップの診断時期情報及び診断結果情報が、他の診断作業に対応する管理台帳52に追記されることを回避することができる。
【0106】
管理部411は、更に管理テーブル53を管理する。
【0107】
具体的には、管理部411は、通信部46が測定装置3から測定データ、プラントの識別情報、対象蒸気トラップの識別情報及び測定日時情報を受信すると、当該測定データ、プラントの識別情報、対象蒸気トラップの識別情報及び測定日時情報を、通信部46から取得する。管理部411は、記憶部45に記憶されている、取得したプラントの識別情報に対応する機器情報51のうち、登録時期情報が示す時期が最新の機器情報51から、取得した対象蒸気トラップの識別情報を含む蒸気トラップの管理情報を抽出する。
【0108】
管理部411は、通信部46から取得した測定日時情報を診断時期情報とし、上記の抽出した管理情報と、通信部46から取得した測定データと、当該診断時期情報と、を対応付けて管理テーブル53に記憶する。
【0109】
診断部412は、管理テーブル53に記憶されている測定データ及び当該測定データに対応する蒸気トラップの管理情報に基づいて、当該測定データに対応する蒸気トラップの診断を行う。つまり、サーバ装置4は、本発明の測定装置とは異なる装置の一例を示している。測定データに対応する蒸気トラップとは、当該測定データをサーバ装置4に送信した測定装置3の測定対象の蒸気トラップである。
【0110】
具体的には、診断部412は、管理テーブル53において、診断に用いる対象の測定データ(以降、対象測定データ)に対応付けられている蒸気トラップの管理情報から、当該蒸気トラップの特性情報を取得する。診断部412は、当該特性情報に含まれる温度閾値と対象測定データに含まれる温度データとを比較し、また、当該特性情報に含まれる振動閾値と対象測定データに含まれる振動データとを比較する。診断部412は、これらの比較の結果に基づいて、対象測定データに対応する蒸気トラップが正常状態であるか不良状態であるかを診断する。
【0111】
対象測定データに対応する蒸気トラップが不良状態の場合、診断部412は、更に、上記比較の結果に基づいて、当該蒸気トラップの不良の内容を判別する。対象測定データに対応する蒸気トラップが蒸気漏れの状態である場合、診断部412は、更に、上記比較の結果に基づいて、当該蒸気トラップにおける蒸気の漏れ度合を段階的に判別する。
【0112】
また、診断部412は、取得した特性情報に含まれる振動特性と対象測定データに含まれる振動データとに基づいて、対象測定データに対応する蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量を算出する。
【0113】
診断部412は、対象測定データに対応する蒸気トラップの診断を終了すると、当該対象測定データに対応する蒸気トラップの診断結果を示す診断結果情報を、当該対象測定データと対応付けて管理テーブル53に記憶する。
【0114】
受付部413は、報告書を作成する対象のイベントを示す情報(以降、イベント情報)の入力を受け付ける。イベントとは、複数の蒸気トラップを診断した機会を示す。具体的には、受付部413は、通信部46が情報処理装置2等の外部装置からイベント情報を受信した場合に、当該イベント情報の入力を受け付ける。
【0115】
イベント情報は、イベントで診断した複数の蒸気トラップが設置されている場所を示す情報(以降、イベント場所情報)と、当該複数の蒸気トラップの診断を行った時期を示す情報(以降、イベント時期情報)と、を含む。
【0116】
具体的には、イベント場所情報は、イベントで診断された複数の蒸気トラップが設置されているプラントの識別情報を含む。イベント場所情報は、更に、当該複数の蒸気トラップが設置された配管を含むグループの識別情報、及び、当該複数の蒸気トラップが設置された場所を含むエリアの識別情報のうち、少なくとも一以上の情報を含んでもよい。
【0117】
イベント時期情報は、例えば、イベントが行われたときの年月日によって表される。ただし、イベント時期情報は、イベントが行われたときの年月日に限らず、更に、午前、午後又は時刻を用いて表されてもよい。
【0118】
取得部414は、イベントにおける複数の蒸気トラップの診断結果を示す情報(以降、イベントに対応する結果情報)を取得する。イベントにおける複数の蒸気トラップの診断結果には、診断装置1による蒸気トラップの診断結果と、測定装置3による対象蒸気トラップの測定結果に基づく、サーバ装置4の診断部412による当該蒸気トラップの診断結果と、のうち、少なくとも一方が含まれる。
【0119】
具体的には、取得部414は、受付部413が受け付けたイベント情報に含まれるイベント場所情報及びイベント時期情報を参照する。取得部414は、記憶部45から、イベント場所情報が示す場所に該当する位置を示す位置情報を含み、且つ、イベント時期情報が示す時期に該当する時期を示す診断時期情報を含む管理台帳52を、イベントに対応する結果情報として取得する。つまり、当該イベントに対応する結果情報は、当該イベントにおける診断装置1による蒸気トラップの診断結果を示す。
【0120】
尚、イベント場所情報に、プラントの識別情報だけが含まれていたとする。この場合、イベント場所情報が示す場所に該当する位置は、当該プラントの識別情報によって識別されるプラントの全領域である。
【0121】
イベント場所情報に、プラントの識別情報及びグループの識別情報が含まれていたとする。この場合、イベント場所情報が示す場所に該当する位置は、当該プラントの識別情報によって識別されるプラントにおける、当該グループの識別情報によって特定されるグループに属する配管が存在する位置である。
【0122】
イベント場所情報に、プラントの識別情報及びエリアの識別情報が含まれていたとする。この場合、イベント場所情報が示す場所に該当する位置は、当該プラントの識別情報によって識別されるプラントにおける、当該エリアの識別情報によって特定されるエリアである。
【0123】
イベント場所情報に、プラントの識別情報、グループの識別情報及びエリアの識別情報が含まれていたとする。この場合、イベント場所情報が示す場所に該当する位置は、当該プラントの識別情報によって識別されるプラントにおける、当該エリアの識別情報によって特定されるエリアにおいて、当該グループの識別情報によって特定されるグループに属する配管が存在する位置である。
【0124】
イベント時期情報が年月日で表されていたとする。この場合、イベント時期情報が示す時期に該当する時期を示す診断時期情報は、イベント時期情報が示す年月日と一致する年月日を含む診断時期情報である。
【0125】
イベント時期情報及び診断時期情報が年月日及び時刻で表されていたとする。この場合、イベント時期情報が示す時期に該当する時期を示す診断時期情報は、当該イベント時期情報が示す年月日と一致する年月日における、当該イベント時期情報が示す時刻から所定時間以内の時刻を示す診断時期情報である。当該所定時間は、例えば、イベントを開始してから終了するまでに要すると考えられる時間よりも長い時間(例えば6時間)である。
【0126】
更に、取得部414は、記憶部45に記憶されている管理テーブル53から、イベントに対応する結果情報を取得する。
【0127】
具体的には、取得部414は、管理テーブル53において、イベント場所情報が示す場所に該当する位置を示す位置情報を含む蒸気トラップの管理情報に対応付けられ、且つ、イベント時期情報が示す時期に該当する時期を示す診断時期情報に対応付けられている診断結果情報を、イベントに対応する結果情報として取得する。更に、取得部414は、管理テーブル53において、当該診断結果情報に対応付けられている蒸気トラップの管理情報及び診断時期情報もイベントに対応する結果情報として取得する。つまり、当該イベントに対応する結果情報は、当該イベントにおける測定装置3による蒸気トラップの測定結果に基づく、サーバ装置4による当該蒸気トラップの診断結果を示す。
【0128】
算出部415は、取得部414が取得した、イベントに対応する結果情報に基づいて、当該イベントにおける複数の蒸気トラップの診断結果に関する統計量を算出する。当該統計量の詳細については後述する。
【0129】
作成部416は、記憶部45に記憶されている報告書の定型フォーム54に、算出部415が算出した、イベントにおける複数の蒸気トラップの診断結果に関する統計量を挿入することによって、当該イベントにおける複数の蒸気トラップの診断結果に関する報告書を作成する。作成部416の処理内容については後述する。
【0130】
出力部417は、通信部46を用いて、イベント情報を送信した外部装置に対し、作成部416が作成した報告書を示すデータ(以降、報告書データ)を返信(出力)する。尚、出力部417が、返信する報告書データを記憶部45に記憶(出力)するようにしてもよい。これにより、サーバ装置4にアクセス可能な情報処理装置2等の情報処理装置において、サーバ装置4の記憶部45に記憶されている報告書データを取得できるようにしてもよい。
【0131】
<診断作業の流れ>
次に、診断装置1を用いて複数の蒸気トラップの診断作業を行う場合に、蒸気トラップ管理システム100において行われる処理の流れについて説明する。
図6は、蒸気トラップ管理システム100における診断作業時の処理の流れを示すシーケンス図である。情報処理装置2において、作成部211は、作業者による操作部23の操作に応じて、診断作業の対象となる複数の蒸気トラップに関する管理台帳52を作成する(ステップS1)。
【0132】
通信部26は、ステップS1で作成された管理台帳52をサーバ装置4に送信する(ステップS2)。サーバ装置4において、通信部46は、通信部26から送信された管理台帳52を受信する。管理部411は、通信部46から当該管理台帳52を取得し、当該管理台帳52を記憶部45に記憶する(ステップS3)。
【0133】
また、作成部211は、作業者による操作部23の操作に応じて、ステップS1で作成された管理台帳52をIF部27を介してフラッシュメモリ7に記憶する。作業者は、当該管理台帳52が記憶されたフラッシュメモリ7を、診断装置1のIF部17に接続する(ステップS4)。
【0134】
診断装置1において、IF部17にフラッシュメモリ7が接続されると、取得部111は、IF部17を介して当該フラッシュメモリ7から管理台帳52を取得する。又は、取得部111は、IF部17にフラッシュメモリ7が接続された状態で、作業者によって操作部13が操作されたことに応じて、IF部17を介して当該フラッシュメモリ7から管理台帳52を取得する。取得部111は、当該取得した管理台帳52を記憶部15に記憶する(ステップS5)。
【0135】
尚、作業者が診断装置1と情報処理装置2とを携帯している場合、ステップS4において、通信部26が、ステップS1で作成された管理台帳52を、当該診断装置1に送信するようにしてもよい。そして、当該診断装置1において、通信部16が通信部26から送信された管理台帳52を受信すると、ステップS5において、取得部111が、通信部16から当該管理台帳52を取得し、当該取得した管理台帳52を記憶部15に記憶するようにしてもよい。
【0136】
作業者は、診断装置1(及び許可されている場合には情報処理装置2)を携帯してプラント内を移動することにより、診断装置1によって各蒸気トラップを順に診断する(ステップS6)。その際、作業者による操作部13の操作により、制御部11は、事前準備で記憶部15に記憶した管理台帳52を表示部14に表示する。これにより、作業者は、複数の蒸気トラップの診断順と、各蒸気トラップの管理情報(識別情報、位置情報、属性情報及び特性情報)と、を認識することができる。
【0137】
尚、作業者が診断装置1と情報処理装置2とを携帯している場合、管理台帳52を情報処理装置2の表示部24に表示させても良い。通常は表示部14よりも表示部24のほうが大きい画面を有するため、管理台帳52を表示部24に表示することにより、作業者による視認性が向上する。
【0138】
作業者は、表示された管理台帳52から認識できる診断順及び位置情報に従って、診断対象の蒸気トラップが設置されている場所に移動する。作業者は、操作部13の操作によって、管理台帳52に含まれている複数の蒸気トラップの中から今回の診断対象である一の蒸気トラップを選択する。これにより、選択された蒸気トラップの識別情報が、操作部13から制御部11に入力される。
【0139】
次に、作業者は、診断装置1の探針(図略)を、今回の診断対象である対象蒸気トラップに押し当てる。これにより、測定部12から制御部11に対象蒸気トラップの測定データ(温度データ及び振動データ)が入力される。診断部112は、管理台帳52から、操作部13から入力された蒸気トラップの識別情報を含む管理情報を取得し、当該管理情報に含まれる特性情報及び測定部12から入力された測定データに基づいて、対象蒸気トラップを診断する。診断部112は、診断の結果を示す診断結果情報を表示部14に表示する。
【0140】
診断部112は、対象蒸気トラップの診断時期を示す診断時期情報と対象蒸気トラップの診断結果を示す診断結果情報とを、記憶部15に記憶されている管理台帳52に追記することで、当該管理台帳52を更新する(ステップS7)。
【0141】
作業者は、担当する一以上の蒸気トラップの診断作業を終了すると、IF部17にフラッシュメモリ7を接続する。IF部17にフラッシュメモリ7が接続されると、出力部113は、記憶部15に記憶されている更新後の管理台帳52を、IF部17を介してフラッシュメモリ7に記憶する。又は、出力部113は、IF部17にフラッシュメモリ7が接続された状態で、作業者によって操作部13が操作されたことに応じて、記憶部15に記憶されている更新後の管理台帳52を、IF部17を介してフラッシュメモリ7に記憶する。作業者は、当該更新後の管理台帳52が記憶されたフラッシュメモリ7を、情報処理装置2のIF部27に接続する(ステップS8)。
【0142】
情報処理装置2において、取得部212は、IF部27にフラッシュメモリ7が接続されると、IF部27を介して当該フラッシュメモリ7から更新後の管理台帳52を取得する。又は、取得部212は、IF部27にフラッシュメモリ7が接続された状態で、作業者によって操作部23が操作されたことに応じて、IF部27を介して当該フラッシュメモリ7から更新後の管理台帳52を取得する(ステップS9)。
【0143】
尚、作業者が診断装置1と情報処理装置2とを携帯している場合には、ステップS8において、通信部16が、記憶部15に記憶されている更新後の管理台帳52を、情報処理装置2に送信するようにしてもよい。この場合、ステップS9では、取得部212が、通信部26が受信した更新後の管理台帳52を取得するようにしてもよい。
【0144】
次に、出力部213は、取得部212が取得した更新後の管理台帳52を通信部26を用いてサーバ装置4に送信する(ステップS10)。
【0145】
サーバ装置4では、通信部46が情報処理装置2から更新後の管理台帳52を受信すると、管理部411は、通信部46が受信した更新後の管理台帳52を通信部46から取得する。管理部411は、取得した管理台帳52によって、記憶部45に記憶されている、当該取得した管理台帳52と同じ診断作業に対応する管理台帳52を更新する(ステップS11)。
【0146】
尚、ステップS10において、出力部213が、更新後の管理台帳52をサーバ装置4に送信することに替えて、更新後の管理台帳52に含まれる時期情報と、ステップS7で管理台帳52に追記された各蒸気トラップの診断時期情報及び診断結果情報と、当該診断時期情報及び診断結果情報に対応する蒸気トラップの位置情報とを、サーバ装置4に送信するようにしてもよい。
【0147】
これに応じて、サーバ装置4では、ステップS11において、管理部411が、通信部46が受信した、時期情報、各蒸気トラップの位置情報、診断時期情報及び診断結果情報を通信部46から取得するようにしてもよい。これに合わせて、管理部411が、取得した診断時期情報及び診断結果情報を、記憶部45に記憶されている、取得した時期情報と同じ時期情報を含み、且つ、取得した位置情報と同じ位置情報を含む管理台帳52に追記するようにしてもよい。
【0148】
<診断処理の流れ>
次に、蒸気トラップ管理システム100において行われる診断処理の流れについて説明する。診断処理とは、複数の測定装置3による複数の蒸気トラップの測定結果を示す測定データに基づいて、当該複数の蒸気トラップの診断を行う処理である。
図7は、蒸気トラップ管理システム100における診断処理の流れを示すシーケンス図である。
【0149】
複数の測定装置3の制御部31は、それぞれ、定期的に測定処理を実行する(ステップS21)。各測定装置3の制御部31は、測定処理による対象蒸気トラップの温度及び振動の測定結果を示す測定データ、対象蒸気トラップが設置されているプラントの識別情報、対象蒸気トラップの識別情報及び現在日時を示す測定日時情報を、通信部36を用いてサーバ装置4へ送信する(ステップS22)。
【0150】
サーバ装置4において、管理部411は、通信部46が測定装置3から受信した測定データ、プラントの識別情報、対象蒸気トラップの識別情報及び測定日時情報を通信部46から取得する(ステップS23)。
【0151】
管理部411は、記憶部45に記憶されている、ステップS23で取得したプラントの識別情報に対応するプラントの機器情報51のうち、登録時期情報がステップS23で取得した測定日時情報が示す日時よりも過去の当該日時に最も近い時期を示すプラントの機器情報51を参照する。管理部411は、当該参照した機器情報51から、ステップS23で取得した対象蒸気トラップの識別情報を含む蒸気トラップの管理情報を抽出する(ステップS24)。
【0152】
管理部411は、ステップS23で取得した測定日時情報を診断時期情報とし、ステップS24で抽出した管理情報と、ステップS23で取得した測定データと、当該診断時期情報と、を対応付けて管理テーブル53に記憶する(ステップS25)。
【0153】
診断部412は、管理テーブル53に記憶されている測定データ及び当該測定データに対応する蒸気トラップの管理情報に基づいて、当該測定データに対応する蒸気トラップの診断を行う(ステップS26)。尚、ステップS26は、ステップS25の終了直後に行われてもよいし、ステップS25の終了後、所定時間が経過した時点で行われてもよい。
【0154】
診断部412は、ステップS26における、測定データに対応する蒸気トラップの診断結果を示す診断結果情報を、当該測定データと対応付けて管理テーブル53に記憶する(ステップS27)。
【0155】
<報告書作成処理の流れ>
次に、蒸気トラップ管理システム100において行われる報告書作成処理の流れについて説明する。報告書作成処理とは、作業者が入力したイベント情報が示すイベントにおいて診断された複数の蒸気トラップの診断結果に関する報告書を作成する処理である。
図8は、蒸気トラップ管理システム100における報告書作成処理の流れを示すシーケンス図である。
【0156】
情報処理装置2において、作業者による操作部23の操作により、報告書を作成する対象のイベントを示すイベント情報が入力されると(ステップS31)、制御部21は、通信部26を用いて、サーバ装置4に当該イベント情報を送信する(ステップS32)。
【0157】
受付部413は、通信部46が情報処理装置2からイベント情報を受信した場合に、当該イベント情報の入力を受け付ける(ステップS33)。
【0158】
取得部414は、ステップS33で受け付けられたイベント情報が示すイベントに対応する結果情報を取得する(ステップS34)。
【0159】
算出部415は、ステップS34で取得された、イベントに対応する結果情報に基づいて、当該イベントにおける複数の蒸気トラップの診断結果に関する統計量を算出する(ステップS35)。
【0160】
作成部416は、記憶部45に記憶されている報告書の定型フォーム54に、ステップS35で算出された統計量を挿入することによって、ステップS33で受け付けられたイベント情報が示すイベントにおける複数の蒸気トラップの診断結果に関する報告書を作成する(ステップS36)。
【0161】
出力部417は、通信部46を用いて、ステップS33で受け付けられたイベント情報を送信した情報処理装置2に対して、ステップS36で作成された報告書を示す報告書データを返信する(ステップS37)。
【0162】
情報処理装置2では、通信部26がサーバ装置4から報告書データを受信すると、制御部21は、当該報告書データが示す報告書を表示部14に表示する(ステップS38)。
【0163】
<イベント情報の入力画面>
次に、報告書作成処理において情報処理装置2の表示部14に表示されるイベント情報の入力画面の一例について説明する。
図9は、イベント情報の入力画面W1の一例を示す図である。報告書作成処理のステップS31(
図8)において、制御部21は、例えば
図9に示すイベント情報の入力画面W1を表示部14に表示する。作業者は、当該入力画面W1の操作により、報告書の作成対象となるイベントを示すイベント情報を入力する。
【0164】
入力画面W1には、診断場所入力領域A11、診断時期入力領域A12、出力ボタンB11及び閉じるボタンB12が設けられている。
【0165】
診断場所入力領域A11には、イベントで診断された複数の蒸気トラップが設置されている場所を示すイベント場所情報を入力するための画面部品が表示される。
【0166】
図9は、一以上のプラントの識別情報の中から一のプラントの識別情報をイベント場所情報として選択入力するためのリストボックスが診断場所入力領域A11に表示され、一のプラントの識別情報「プラントA」が選択入力された例を示している。この場合、制御部21は、通信部26を介して、サーバ装置4から、記憶部45に記憶されている一以上のプラントの機器情報51に対応付けられている一以上のプラントの識別情報を、上記のリストボックスにおける選択候補として取得する。
【0167】
尚、診断場所入力領域A11に表示される画面部品は、上記のリストボックスに限らず、テキストボックス等の他の画面部品であってもよい。また、診断場所入力領域A11には、イベントで診断された複数の蒸気トラップが設置された配管を含むグループの識別情報をイベント場所情報として入力するための画面部品、及び当該複数の蒸気トラップが設置された場所を含むエリアの識別情報をイベント場所情報として入力するための画面部品のうち、少なくとも一以上の画面部品が表示されてもよい。
【0168】
診断時期入力領域A12には、イベントにおいて複数の蒸気トラップが診断された時期を示すイベント時期情報を入力するための画面部品が表示される。
【0169】
図9は、一以上の年月日を示す情報の中から一の年月日をイベント時期情報として選択入力するためのリストボックスが診断時期入力領域A12に表示され、一の年月日「2022年6月30日」が選択入力された例を示している。尚、診断時期入力領域A12に表示される画面部品は、上記のリストボックスに限らず、カレンダー画面を用いて年月日を選択入力する画面部品等の他の画面部品であってもよい。
【0170】
出力ボタンB11は、イベント情報をサーバ装置4に送信するためのボタンである。診断場所入力領域A11にイベント場所情報が入力され、診断時期入力領域A12においてイベント時期情報が入力された後、出力ボタンB11が押下されると、制御部21は、ステップS32(
図8)を実行する。ステップS32において、制御部21は、診断場所入力領域A11において入力されたイベント場所情報と診断時期入力領域A12において入力されたイベント時期情報とを含むイベント情報をサーバ装置4に送信する。
【0171】
閉じるボタンB12は、入力画面W1を閉じるためのボタンである。閉じるボタンB12が押下されると、制御部21は、表示部14に表示されている入力画面W1を非表示にする。
【0172】
以下では、報告書作成処理において作成される報告書の具体例について説明する。本説明において、ステップS36(
図8)における作成部416の処理内容及びステップS35(
図8)で算出される統計量の詳細について説明する。
【0173】
<集計結果の報告書>
まず、ステップS33(
図8)で受け付けられたイベント情報が示すイベント(以降、対象イベント)における複数の蒸気トラップの診断結果の集計結果を示す報告書R2について説明する。
図10は、複数の蒸気トラップの診断結果の集計結果を示す報告書R2の一例を示す図である。ステップS36(
図8)において、作成部416は、ステップS35(
図8)で算出部415が算出した統計量を、報告書R2の定型フォーム54(
図5)である集計結果フォームF2に挿入することによって、報告書R2を作成する。
【0174】
集計結果フォームF2には、タイトル領域T2及び表領域A2が設けられている。
【0175】
タイトル領域T2は、報告書R2のタイトルの挿入部である。
【0176】
作成部416は、ステップS36(
図8)において、ステップS33(
図8)で受け付けられたイベント情報に基づいて、報告書R2のタイトルを作成し、当該報告書R2のタイトルをタイトル領域T2に挿入する。
【0177】
例えば、
図10は、作成部416が、ステップS33(
図8)で受け付けられたイベント情報に含まれるイベント時期情報「2022年6月30日」に基づいて、報告書R2のタイトル「2022年 定期診断 集計結果」を作成し、当該報告書R2のタイトル「2022年 定期診断 集計結果」を、タイトル領域T2に挿入した例を示している。
【0178】
表領域A2は、対象イベントにおける複数の蒸気トラップの診断結果に関する複数の統計量の関係を示す表の挿入部である。表領域A2には、6列の挿入欄F21~F26が設けられている。
【0179】
作成部416は、ステップS36(
図8)において、対象イベントにおける複数の蒸気トラップの診断結果に関する4個の統計量V210、V220、V230、V240を、挿入欄F23、F24、F25、F26に挿入する。
【0180】
例えば、
図10は、作成部416が、統計量V210「985」、統計量V220「327」、統計量V230「33.2%」及び統計量V240「339」を、挿入欄F23、F24、F25、F26に挿入した例を示している。
【0181】
統計量V210は、対象イベントで診断された複数の蒸気トラップに含まれる正常状態の蒸気トラップの数と、当該複数の蒸気トラップに含まれる不良状態の蒸気トラップの数との和(以降、合計稼働数)である。統計量V220は、当該複数の蒸気トラップに含まれる不良状態の蒸気トラップの数(以降、合計不良数)である。統計量V230は、当該複数の蒸気トラップに対応する合計稼働数(統計量V210)に対する当該複数の蒸気トラップに対応する合計不良数(統計量V220)の比率(=V220/V210、以降、総合不良率)である。統計量V240は、当該複数の蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量の総和である。
【0182】
算出部415は、ステップS35(
図8)において、ステップS34(
図8)で取得された対象イベントに対応する結果情報に含まれる、各蒸気トラップが正常状態、不良状態又は休止状態であることを示す情報と、各蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量を示す情報と、を参照して、4個の統計量V210、V220、V230、V240を算出する。
【0183】
更に、作成部416は、ステップS36(
図8)において、対象イベントで診断された各蒸気トラップが属するグループの識別情報D21と、各グループに対応する4個の統計量V21~V24と、を対応付ける表を、表領域A2に挿入する。グループに対応する統計量とは、対象イベントで診断された蒸気トラップのうち、当該グループに属する蒸気トラップの診断結果に関する統計量である。
【0184】
具体的には、作成部416は、対象イベントで診断された各蒸気トラップが属するグループの識別情報D21を挿入欄F21に挿入し、各グループに対応する4個の統計量V21~V24を挿入欄F23~F26に挿入する。
【0185】
例えば、
図10は、作成部416が、蒸気トラップが属するグループの識別情報D21「低圧係」を挿入欄F21に挿入し、当該グループの識別情報D21「低圧係」によって識別されるグループに対応する4個の統計量V21「497」、V22「319」、V23「64.2%」、V24「170」を、挿入欄F23~F26に挿入した例を示している。
【0186】
統計量V21は、各グループに属する正常状態の蒸気トラップの数と各グループに属する不良状態の蒸気トラップの数との和(以降、第1稼働数)である。統計量V22は、各グループに属する不良状態の蒸気トラップの数(以降、第1不良数)である。統計量V23は、各グループに対応する第1稼働数(統計量V21)に対する各グループに対応する第1不良数(統計量V22)の比率(=V22/V21、以降、第1不良率)である。統計量V24は、各グループに属する蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量の総和(以降、第1総和)である。
【0187】
算出部415は、ステップS35(
図8)において、ステップS34(
図8)で取得された対象イベントに対応する結果情報に含まれる、各蒸気トラップが属するグループの識別情報D21と、各蒸気トラップが正常状態、不良状態又は休止状態であることを示す情報と、各蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量を示す情報と、を参照して、各グループに対応する4個の統計量V21~V24を算出する。
【0188】
尚、作成部416は、ステップS36(
図8)において、ステップS34(
図8)で取得されたイベントに対応する結果情報に含まれる各蒸気トラップの属性情報を参照して、各蒸気トラップが属するグループの識別情報D21を、挿入欄F21に挿入する。
【0189】
更に、作成部416は、ステップS36(
図8)において、対象イベントで診断された各蒸気トラップが属するグループ毎に、各グループに属する各蒸気トラップが設置された場所を含むエリアの識別情報D22と、各エリアに対応する4個の統計量V25~V28と、を対応付ける表を作成し、当該表を表領域A2に挿入する。エリアに対応する統計量とは、対象イベントで診断された各グループに属する蒸気トラップのうち、当該エリアに設置された蒸気トラップの診断結果に関する統計量である。
【0190】
具体的には、作成部416は、挿入欄F1にグループの識別情報D21が挿入されている行に連続するようにして、当該グループの識別情報D21によって識別されるグループに属する各蒸気トラップが設置された場所を含むエリアの識別情報D22を挿入欄F22に挿入し、各エリアに対応する4個の統計量V25~V28を挿入欄F23~F26に挿入する。
【0191】
例えば、
図10は、作成部416が、挿入欄F1にグループの識別情報D21「低圧係」が挿入されている行に連続するようにして、当該グループの識別情報D21「低圧係」によって識別されるグループに属する各蒸気トラップが設置された場所を含むエリアの識別情報D22「AA」~「AE」を、挿入欄F22に挿入した例を示している。また、
図10は、作成部416が、エリアの識別情報「AD」によって識別されるエリアに対応する4個の統計量V25「53」、V26「5」、V27「9.4%」、V28「50」を、挿入欄F23~F26に挿入した例を示している。
【0192】
統計量V25は、各エリアに設置された正常状態の蒸気トラップの数と、各エリアに設置された不良状態の蒸気トラップの数との和(以降、第2稼働数)である。統計量V26は、各エリアに設置された不良状態の蒸気トラップの数(以降、第2不良数)である。統計量V27は、各エリアに対応する第2稼働数(統計量V25)に対する、各エリアに対応する第2不良数(統計量V26)の比率(=V26/V25、以降、第2不良率)である。統計量V28は、各グループに属する、各エリアに設置された蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量の総和(以降、第2総和)である。
【0193】
算出部415は、ステップS35(
図8)において、ステップS34(
図8)で取得された対象イベントに対応する結果情報に含まれる、各蒸気トラップが属するグループの識別情報D21と、各蒸気トラップが設定された場所を含むエリアの識別情報D22と、各蒸気トラップが正常状態、不良状態又は休止状態であることを示す情報と、各蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量を示す情報と、を参照して、各エリアに対応する4個の統計量V25~V28を算出する。
【0194】
尚、作成部416は、ステップS36(
図8)において、ステップS34(
図8)で取得されたイベントに対応する結果情報に含まれる各蒸気トラップの属性情報を参照して、各グループに属する各蒸気トラップが設置された場所を含むエリアの識別情報D22を、挿入欄F22に挿入する。
【0195】
集計結果フォームF2は、
図10に示す例に限らず、例えば、表領域A2に挿入欄F22を設けないようにしてもよい。これに合わせて、作成部416が各エリアに対応する4個の統計量V25~V28を挿入しないようにし、当該集計結果フォームF2を用いて作成される報告書R2の内容を簡素化してもよい。
【0196】
<稼働状況の報告書>
次に、対象イベントにおいて診断した複数の蒸気トラップの稼働状況を示す報告書R3について説明する。
図11は、複数の蒸気トラップの稼働状況を示す報告書R3の一例を示す図である。ステップS36(
図8)において、作成部416は、ステップS35(
図8)で算出部415が算出した統計量を、報告書R3の定型フォーム54(
図5)である稼働状況フォームF3に挿入することによって、報告書R3を作成する。
【0197】
稼働状況フォームF3には、タイトル領域T3、管理状況領域A311~A315、診断状況領域A321~A324、稼働状況領域A331~A333及び状態領域A341~A343が設けられている。
【0198】
タイトル領域T3は、報告書R3のタイトルの挿入部である。
【0199】
作成部416は、ステップS36(
図8)において、ステップS33(
図8)で受け付けられたイベント情報に基づいて、報告書R3のタイトルを作成し、当該報告書R3のタイトルをタイトル領域T3に挿入する。
【0200】
例えば、
図11は、作成部416が、ステップS33(
図8)で受け付けられたイベント情報に含まれるイベント時期情報「2022年6月30日」に基づいて、報告書R3のタイトル「2022年 定期診断 稼働状況」を作成し、当該報告書R3のタイトル「2022年 定期診断 稼働状況」を、タイトル領域T3に挿入した例を示している。
【0201】
管理状況領域A311~A315は、対象イベントで診断した複数の蒸気トラップを管理する顧客が対象イベントが行われた時に管理していた蒸気トラップに関する情報の挿入部である。
【0202】
管理状況領域A311は、対象イベントが行われた時に前記顧客が管理していた蒸気トラップの数(以降、第1管理台数D311)の挿入部である。管理状況領域A312は、対象イベントが行われた時よりも過去の所定時期(例えば、1年前)に前記顧客が管理していた蒸気トラップの数(以降、第2管理台数D312)の挿入部である。管理状況領域A313は、第1管理台数D311が第2管理台数D312よりも増加した場合における当該増加した蒸気トラップの数(以降、増加台数D313)の挿入部である。管理状況領域A314は、第1管理台数D311が第2管理台数D312よりも減少した場合における当該減少した蒸気トラップの数(以降、減少台数D314)の挿入部である。管理状況領域A315は、第2管理台数D312に対する第1管理台数D311の増減量(以降、増減数D315)の挿入部である。
【0203】
作成部416は、ステップS36(
図8)において、ステップS33(
図8)で受け付けられたイベント情報に含まれるイベント場所情報を参照し、当該イベント場所情報に含まれているプラントの識別情報を抽出する。作成部416は、ステップS34(
図8)で取得された結果情報に含まれている診断時期情報のうち、最も過去の時期を示す診断時期情報を抽出する。
【0204】
作成部416は、記憶部45に記憶されている、抽出したプラントの識別情報によって識別されるプラントの機器情報51のうち、登録時期情報が、抽出した診断時期情報が示す時期よりも過去の当該時期に最も近い時期を示す機器情報51を、対象イベントが行われた時の当該プラントの機器情報51として参照する。作成部416は、参照したプラントの機器情報51から把握される、当該プラントで管理されている蒸気トラップの台数を第1管理台数D311として取得する。
【0205】
作成部416は、記憶部45に記憶されている、抽出したプラントの識別情報によって識別されるプラントの機器情報51のうち、登録時期情報が、抽出した診断時期情報が示す時期よりも過去の所定時期(例えば、1年前)よりも過去の時期を示し、且つ、当該所定時期に最も近い時期を示す機器情報51を、対象イベントが行われた時よりも過去の所定時期における当該プラントの機器情報51として参照する。作成部416は、参照したプラントの機器情報51から把握される、当該プラントで管理されている蒸気トラップの台数を第2管理台数D312として取得する。
【0206】
作成部416は、第1管理台数D311を管理状況領域A311に挿入する。また、作成部416は、第2管理台数D312を管理状況領域A312に挿入する。
【0207】
作成部416は、管理状況領域A313に増加台数D313の初期値「0」を挿入する。その後、作成部416は、第1管理台数D311が第2管理台数D312よりも多い場合、第1管理台数D311から第2管理台数D312を減算した結果を増加台数D313とし、当該増加台数D313を、管理状況領域A313に挿入する。
【0208】
作成部416は、管理状況領域A314に減少台数D314の初期値「0」を挿入する。その後、作成部416は、第1管理台数D311が第2管理台数D312以下である場合、第2管理台数D312から第1管理台数D311を減算した結果を減少台数D314とし、当該減少台数D314を、管理状況領域A314に挿入する。
【0209】
作成部416は、第1管理台数D311から第2管理台数D312を減算した結果を増減数D315とし、当該増減数D315を管理状況領域A315に挿入する。
【0210】
例えば、
図11は、作成部416が、第1管理台数D311「2100」、第2管理台数D312「2000」、増加台数D313「100」、減少台数D314「0」、増減数D315「+100」を、管理状況領域A311~A315に挿入した例を示している。
【0211】
稼働状況フォームF3には、更に、第1管理台数D311の挿入部である管理状況領域A311及び第2管理台数D312の挿入部である管理状況領域A312を含む領域から、増減数D315の挿入部である管理状況領域A315へ向かう矢印画像C31(第6画像)が設けられている。このため、第1管理台数D311、第2管理台数D312及び増減数D315と矢印画像C31とによって、増減数D315が第1管理台数D311及び第2管理台数D312に基づき算出されたことを容易に把握することができる。
【0212】
尚、矢印画像C31に替えて、管理状況領域A311及び管理状況領域A312を含む領域と管理状況領域A315との関係を示す他の画像を、稼働状況フォームF3に設けるようにしてもよい。例えば、当該他の画像は、管理状況領域A311及び管理状況領域A312を含む領域と管理状況領域A315とを接続する線画像であってもよい。
【0213】
診断状況領域A321~A324は、対象イベントで診断された複数の蒸気トラップの診断状況に関する4個の統計量V321~V324の挿入部である。
【0214】
作成部416は、ステップS36(
図8)において、対象イベントで診断された複数の蒸気トラップの診断状況に関する4個の統計量V321~V324を、診断状況領域A321~A324に挿入する。
【0215】
例えば、
図11は、作成部416が、統計量V321「1500」、統計量V322「100」、統計量V323「30」及び統計量V324「470」を、診断状況領域A321~A324に挿入した例を示している。
【0216】
統計量V321は、正常状態、不良状態又は休止状態と診断された蒸気トラップの数(以降、診断数)である。統計量V322は、未診断状態の蒸気トラップの数(以降、未診断数)である。統計量V323は、撤去状態の蒸気トラップの数(以降、撤去数)である。統計量V324は、診断除外状態の蒸気トラップの数(以降、診断除外数)である。
【0217】
算出部415は、ステップS35(
図8)において、ステップS34(
図8)で取得された対象イベントに対応する結果情報に含まれる、各蒸気トラップが正常状態、不良状態又は休止状態であることを示す情報と、各蒸気トラップが未診断状態、撤去状態又は診断除外状態であることを示す情報と、を参照して、4個の統計量V321~V324を算出する。
【0218】
稼働状況フォームF3には、更に、第1管理台数D311の挿入部である管理状況領域A311と、統計量V321(診断数)、統計量V322(未診断数)、統計量V323(撤去数)及び統計量V324(診断除外数)のそれぞれの挿入部である診断状況領域A321~A324と、を接続する線画像B31(第5画像)が設けられている。
【0219】
このため、第1管理台数D311、統計量V321(診断数)、統計量V322(未診断数)、統計量V323(撤去数)及び統計量V324(診断除外数)と線画像B31とによって、第1管理台数D311の蒸気トラップのうち、統計量V321が示す数の蒸気トラップが正常状態、不良状態又は休止状態であり、統計量V322が示す数の蒸気トラップが未診断状態であり、統計量V323が示す数の蒸気トラップが撤去状態であり、統計量V324が示す数の蒸気トラップが診断除外状態であることを容易に把握することができる。
【0220】
尚、線画像B31に替えて、管理状況領域A311と、診断状況領域A321~A324のそれぞれと、の関係を示す他の画像を、稼働状況フォームF3に設けるようにしてもよい。例えば、当該他の画像は、管理状況領域A311から、診断状況領域A321~A324のそれぞれへと向かう矢印画像であってもよい。
【0221】
稼働状況領域A331~A333は、対象イベントで正常状態、不良状態又は休止状態と診断された蒸気トラップの稼働状況に関する3個の統計量V331~V333の挿入部である。
【0222】
作成部416は、ステップS36(
図8)において、対象イベントで正常状態、不良状態又は休止状態と診断された蒸気トラップの稼働状況に関する3個の統計量V331~V333を、稼働状況領域A331~A333に挿入する。
【0223】
例えば、
図11は、作成部416が、統計量V331「1200」、統計量V332「300」、及び統計量V333「80.0%」を、稼働状況領域A331~A333に挿入した例を示している。
【0224】
統計量V331は、正常状態の蒸気トラップの数と不良状態の蒸気トラップの数との和(以降、稼働数)である。統計量V332は、休止状態の蒸気トラップの数(以降、休止数)である。統計量V333は、診断数に対する稼働数の比率(=V331/V321、以降、稼働率)である。
【0225】
算出部415は、ステップS35(
図8)において、ステップS34(
図8)で取得された対象イベントに対応する結果情報に含まれる、各蒸気トラップが正常状態、不良状態又は休止状態であることを示す情報と、各蒸気トラップが未診断状態、撤去状態又は診断除外状態であることを示す情報と、を参照して、3個の統計量V331~V333を算出する。
【0226】
稼働状況フォームF3には、更に、統計量V321(診断数)の挿入部である診断状況領域A321と、統計量V331(稼働数)及び統計量V332(休止数)のそれぞれの挿入部である稼働状況領域A331~A332と、を接続する線画像B32(第1画像)が設けられている。
【0227】
このため、統計量V321(診断数)、統計量V331(稼働数)及び統計量V332(休止数)と線画像B32とによって、統計量V321が示す数の蒸気トラップのうち、統計量V332が示す数の蒸気トラップが休止状態であること及び統計量V331が示す数の蒸気トラップが正常状態又は不良状態で稼働していることを容易に把握することができる。
【0228】
尚、線画像B32に替えて、診断状況領域A321と、稼働状況領域A331~A332のそれぞれと、の関係を示す他の画像を、稼働状況フォームF3に設けるようにしてもよい。例えば、当該他の画像は、診断状況領域A321から、稼働状況領域A331~A332のそれぞれへと向かう矢印画像であってもよい。
【0229】
稼働状況フォームF3には、更に、統計量V331(稼働数)及び統計量V332(休止数)の挿入部である稼働状況領域A331~A332を含む領域から統計量V333(稼働率)の挿入部である稼働状況領域A333へ向かう矢印画像C32(第3画像)が設けられている。
【0230】
このため、統計量V331(稼働数)、統計量V332(休止数)及び統計量V333(稼働率)と矢印画像C32とによって、統計量V333(稼働率)が統計量V331(稼働数)及び統計量V332(休止数)に基づき算出されたことを容易に把握することができる。
【0231】
尚、矢印画像C32に替えて、稼働状況領域A331~A332を含む領域と稼働状況領域A333との関係を示す他の画像を、稼働状況フォームF3に設けるようにしてもよい。例えば、当該他の画像は、稼働状況領域A331~A332を含む領域と稼働状況領域A333とを接続する線画像であってもよい。
【0232】
状態領域A341~A343は、対象イベントで正常状態又は不良状態と診断された蒸気トラップの状態に関する3個の統計量V341~V343の挿入部である。
【0233】
作成部416は、ステップS36(
図8)において、対象イベントで正常状態又は不良状態と診断された蒸気トラップの状態に関する3個の統計量V341~V343を、状態領域A341~A343に挿入する。
【0234】
例えば、
図11は、作成部416が、統計量V341「1140」、統計量V342「60」、及び統計量V343「5.0%」を、状態領域A341~A343に挿入した例を示している。
【0235】
統計量V341は、正常状態の蒸気トラップの数(以降、正常数)である。統計量V342は、不良状態の蒸気トラップの数(以降、不良数)である。統計量V343は、統計量V331(稼働数)に対する統計量V342(不良数)の比率(=V342/V331、以降、不良率)である。
【0236】
算出部415は、ステップS35(
図8)において、ステップS34(
図8)で取得された対象イベントに対応する結果情報に含まれる、各蒸気トラップが正常状態又は不良状態であることを示す情報を参照して、3個の統計量V341~V343を算出する。
【0237】
稼働状況フォームF3には、更に、統計量V331(稼働数)の挿入部である稼働状況領域A331と、統計量V341(正常数)及び統計量V342(不良数)のそれぞれの挿入部である状態領域A341~A342と、を接続する線画像B33(第2画像)が設けられている。
【0238】
このため、統計量V331(稼働数)、統計量V341(正常数)及び統計量V342(不良数)と線画像B33とによって、統計量V331が示す数の蒸気トラップのうち、統計量V341が示す数の蒸気トラップが正常状態であること及び統計量V342が示す数の蒸気トラップが不良状態であることを容易に把握することができる。
【0239】
尚、線画像B33に替えて、稼働状況領域A331と、状態領域A341~A342のそれぞれと、の関係を示す他の画像を、稼働状況フォームF3に設けるようにしてもよい。例えば、当該他の画像は、稼働状況領域A331から、状態領域A341~A342のそれぞれへと向かう矢印画像であってもよい。
【0240】
稼働状況フォームF3には、更に、統計量V341(正常数)及び統計量V342(不良数)の挿入部である状態領域A341~A342を含む領域から統計量V343(不良率)の挿入部である状態領域A343へ向かう矢印画像C33(第4画像)が設けられている。
【0241】
このため、統計量V341(正常数)、統計量V342(不良数)及び統計量V343(不良率)と、矢印画像C33とによって、統計量V343(不良率)が統計量V341(正常数)及び統計量V342(不良数)に基づき算出されたことを容易に把握することができる。
【0242】
尚、矢印画像C33に替えて、状態領域A341~A342を含む領域と状態領域A343との関係を示す他の画像を、稼働状況フォームF3に設けるようにしてもよい。例えば、当該他の画像は、状態領域A341~A342を含む領域と状態領域A343とを接続する線画像であってもよい。
【0243】
また、稼働状況フォームF3は、
図11に示す例に限らず、例えば、管理状況領域A312~A315を設けないようにしてもよい。これに合わせて、作成部416が第2管理台数D312、増加台数D313、減少台数D314及び増減数D315を挿入しないようにし、当該稼働状況フォームF3を用いて作成される報告書R3の内容を簡素化してもよい。
【0244】
<不良内訳の報告書>
次に、対象イベントにおいて不良状態と診断された複数の蒸気トラップの不良の内容に関する報告書R4について説明する。
図12は、不良状態と診断された複数の蒸気トラップの不良の内容に関する報告書R4の一例を示す図である。ステップS36(
図8)において、作成部416は、ステップS35(
図8)で算出部415が算出した統計量を、報告書R4の定型フォーム54(
図5)である不良内訳フォームF4に挿入することによって、報告書R4を作成する。
【0245】
不良内訳フォームF4には、タイトル領域T4、不良内訳領域A411~A414、漏れ度合領域A421~A424、漏洩量領域A431~A434及びサマリ領域A441~A442が設けられている。
【0246】
タイトル領域T4は、報告書R4のタイトルの挿入部である。
【0247】
作成部416は、ステップS36(
図8)において、ステップS33(
図8)で受け付けられたイベント情報に基づいて、報告書R4のタイトルを作成し、当該報告書R4のタイトルをタイトル領域T4に挿入する。
【0248】
例えば、
図12は、作成部416が、ステップS33(
図8)で受け付けられたイベント情報に含まれるイベント時期情報「2022年6月30日」に基づいて、報告書R4のタイトル「2022年 定期診断 不良内訳」を作成し、当該報告書R4のタイトル「2022年 定期診断 不良内訳」を、タイトル領域T4に挿入した例を示している。
【0249】
不良内訳領域A411~A414は、対象イベントで不良状態と診断された複数の蒸気トラップの不良の内容に関する4個の統計量V411~V414の挿入部である。
【0250】
作成部416は、ステップS36(
図8)において、対象イベントで不良状態と診断された複数の蒸気トラップの不良の内容に関する4個の統計量V411~V414を、不良内訳領域A411~A414に挿入する。
【0251】
例えば、
図12は、作成部416が、統計量V411「40」、統計量V412「15」、統計量V413「3」及び統計量V414「2」を、不良内訳領域A411~A414に挿入した例を示している。
【0252】
統計量V411は、蒸気漏れの状態の蒸気トラップの数(以降、漏れ数)である。統計量V412は、閉塞状態の蒸気トラップの数(以降、閉塞数)である。統計量V413は、排出不良状態の蒸気トラップの数(以降、排出不良数)である。統計量V414は、その他の状態の蒸気トラップの数(以降、その他数)である。
【0253】
算出部415は、ステップS35(
図8)において、ステップS34(
図8)で取得された対象イベントに対応する結果情報に含まれる、各蒸気トラップが蒸気漏れの状態、閉塞状態、排出不良状態又はその他の状態であることを示す情報を参照して、4個の統計量V411~V414を算出する。
【0254】
漏れ度合領域A421~A424は、対象イベントで蒸気漏れの状態と診断された蒸気トラップにおける蒸気の漏れ度合に関する4個の統計量V421~V424の挿入部である。
【0255】
作成部416は、ステップS36(
図8)において、対象イベントで蒸気漏れの状態と診断された蒸気トラップの漏れ度合に関する4個の統計量V421~V424を、漏れ度合領域A421~A424に挿入する。
【0256】
例えば、
図12は、作成部416が、統計量V421「3」、統計量V422「2」、統計量V423「10」及び統計量V424「25」を、漏れ度合領域A421~A424に挿入した例を示している。
【0257】
統計量V421は、蒸気漏れの状態の蒸気トラップのうち、蒸気の漏れ度合が所定の第1度合(所定度合)以上である蒸気トラップ(以降、第1蒸気トラップ)の数(以降、第1漏洩台数)である。統計量V422は、蒸気漏れの状態の蒸気トラップのうち、蒸気の漏れ度合が第1度合よりも小さい第2度合以上であって第1度合未満である蒸気トラップ(以降、第2蒸気トラップ)の数(以降、第2漏洩台数)である。統計量V423は、蒸気漏れの状態の蒸気トラップのうち、蒸気の漏れ度合が第2度合よりも小さい第3度合以上であって第2度合未満である蒸気トラップ(以降、第3蒸気トラップ)の数(以降、第3漏洩台数)である。統計量V424は、蒸気漏れの状態の蒸気トラップのうち、蒸気の漏れ度合が第3度合未満である蒸気トラップ(以降、第4蒸気トラップ)の数(以降、第4漏洩台数)である。
【0258】
算出部415は、ステップS35(
図8)において、ステップS34(
図8)で取得された対象イベントに対応する結果情報に含まれる、蒸気漏れの状態の蒸気トラップにおける蒸気の漏れ度合を示す情報を参照して、4個の統計量V421~V424を算出する。
【0259】
不良内訳フォームF4には、更に、統計量V411(漏れ数)の挿入部である不良内訳領域A411と、統計量V421(第1漏洩台数)、統計量V422(第2漏洩台数)、統計量V423(第3漏洩台数)及び統計量V424(第4漏洩台数)のそれぞれの挿入部である漏れ度合領域A421~A424とを接続する線画像B41(第7画像)が設けられている。
【0260】
このため、統計量V411(漏れ数)と統計量V421(第1漏洩台数)~V424(第4漏洩台数)と線画像B41(第7画像)とによって、統計量V411が示す数の蒸気漏れの状態の蒸気トラップに、第1蒸気トラップ、第2蒸気トラップ、第3蒸気トラップ及び第4蒸気トラップのそれぞれが何台含まれているのかを容易に把握することができる。
【0261】
尚、線画像B41に替えて、不良内訳領域A411と、漏れ度合領域A421~A424のそれぞれと、の関係を示す他の画像を、不良内訳フォームF4に設けるようにしてもよい。例えば、当該他の画像は、不良内訳領域A411から、漏れ度合領域A421~A424のそれぞれへと向かう矢印画像であってもよい。
【0262】
漏洩量領域A431~A434は、対象イベントで蒸気の漏れ状態と診断された蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量に関する4個の統計量V431~V434の挿入部である。
【0263】
作成部416は、ステップS36(
図8)において、対象イベントで蒸気の漏れ状態、と診断された蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量に関する4個の統計量V431~V434を、漏洩量領域A431~A434に挿入する。
【0264】
例えば、
図12は、作成部416が、統計量V431「195」、統計量V432「55」、及び統計量V433「210」及び統計量V434「219」を、漏洩量領域A431~A434に挿入した例を示している。
【0265】
統計量V431は、第1蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量の総和である(以降、第1漏洩量)である。統計量V432は、第2蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量の総和である(以降、第2漏洩量)である。統計量V433は、第3蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量の総和である(以降、第3漏洩量)である。統計量V434は、第4蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量の総和である(以降、第4漏洩量)である。
【0266】
算出部415は、ステップS35(
図8)において、ステップS34(
図8)で取得された対象イベントに対応する結果情報に含まれる、蒸気漏れの状態の蒸気トラップにおける蒸気の漏れ度合を示す情報及び蒸気の漏洩量を参照して、4個の統計量V431~V434を算出する。
【0267】
不良内訳フォームF4には、更に、統計量V421(第1漏洩台数)の挿入部である漏れ度合領域A421と統計量V431(第1漏洩量)の挿入部である漏洩量領域A431とを接続する線画像B421(第8画像)が設けられている。
【0268】
このため、統計量V421(第1漏洩台数)及び統計量V431(第1漏洩量)と線画像B421とによって、統計量V421が示す数の蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量の総和が、統計量V431が示す蒸気の漏洩量であることを容易に把握することができる。
【0269】
同様に、不良内訳フォームF4には、更に、統計量V422(第2漏洩台数)の挿入部である漏れ度合領域A422と統計量V432(第2漏洩量)の挿入部である漏洩量領域A432とを接続する線画像B422(第9画像)が設けられている。不良内訳フォームF4には、更に、統計量V423(第3漏洩台数)の挿入部である漏れ度合領域A423と統計量V433(第3漏洩量)の挿入部である漏洩量領域A433とを接続する線画像B423が設けられている。不良内訳フォームF4には、更に、統計量V424(第4漏洩台数)の挿入部である漏れ度合領域A424と統計量V434(第4漏洩量)の挿入部である漏洩量領域A434とを接続する線画像B424が設けられている。
【0270】
このため、統計量V422~V424(第2漏洩台数~第4漏洩台数)及び統計量V432~V434(第2漏洩量~第4漏洩量)と線画像B422~B424とによって、統計量V422~V424のそれぞれが示す数の蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量の総和が、統計量V432~V434のそれぞれが示す蒸気の漏洩量であることを容易に把握することができる。
【0271】
尚、線画像B421に替えて、漏れ度合領域A421と、漏洩量領域A431と、の関係を示す他の画像を、不良内訳フォームF4に設けるようにしてもよい。例えば、当該他の画像は、漏れ度合領域A421から、漏洩量領域A431へと向かう矢印画像であってもよい。
【0272】
同様に、線画像B422に替えて、漏れ度合領域A422と漏洩量領域A432との関係を示す他の画像を不良内訳フォームF4に設けるようにしてもよい。線画像B423に替えて、漏れ度合領域A423と漏洩量領域A433との関係を示す他の画像を不良内訳フォームF4に設けるようにしてもよい。線画像B424に替えて、漏れ度合領域A421と漏洩量領域A431との関係を示す他の画像を不良内訳フォームF4に設けるようにしてもよい。
【0273】
サマリ領域A441~A442は、対象イベントで蒸気漏れの状態と診断された蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量の総和に関する2個の統計量V441~V442の挿入部である。
【0274】
作成部416は、ステップS36(
図8)において、対象イベントで蒸気漏れの状態と診断された蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量の総和に関する2個の統計量V441~V442を、サマリ領域A441~A442に挿入する。
【0275】
例えば、
図12は、作成部416が、統計量V441「679Ton/年」及び統計量V442「2038000円/年」を、サマリ領域A441~A442に挿入した例を示している。
【0276】
統計量V441は、統計量V431(第1漏洩量)と統計量V432(第2漏洩量)と統計量V433(第3漏洩量)と統計量V434(第4漏洩量)との和(以下、総漏洩量)である。統計量V442は、総漏洩量の蒸気が漏洩した場合に損失する金額(以下、損失金額)である。
【0277】
算出部415は、ステップS35(
図8)において、ステップS34(
図8)で取得された対象イベントに対応する結果情報に含まれる、蒸気漏れの状態の蒸気トラップにおける蒸気の漏れ度合を示す情報及び蒸気の漏洩量を参照して、統計量V441(総漏洩量)を算出する。また、算出部415は、ステップS34(
図8)で取得された対象イベントに対応する結果情報に含まれる蒸気漏れの状態の蒸気トラップの条件情報を用いた所定の計算式によって、統計量V442を算出する。
【0278】
不良内訳フォームF4には、更に、統計量V431(第1漏洩量)~統計量V434(第4漏洩量)のそれぞれの挿入部である漏洩量領域A431~A434と、統計量V441(総漏洩量)の挿入部であるサマリ領域A441とを接続する線画像B43(第10画像)が設けられている。
【0279】
このため、統計量V431(第1漏洩量)~統計量V434(第4漏洩量)及び統計量V441(総漏洩量)と線画像B43とによって、統計量V441(総漏洩量)が統計量V431(第1漏洩量)~統計量V434(第4漏洩量)に基づき算出されたことを容易に把握することができる。
【0280】
尚、線画像B43に替えて、漏洩量領域A431~A434のそれぞれと、サマリ領域A441と、の関係を示す他の画像を、不良内訳フォームF4に設けるようにしてもよい。例えば、当該他の画像は、漏洩量領域A431~A434のそれぞれから、サマリ領域A441へと向かう矢印画像であってもよい。
【0281】
不良内訳フォームF4には、更に、統計量V441(総漏洩量)の挿入部であるサマリ領域A441から統計量V442(損失金額)の挿入部であるサマリ領域A442へ向かう矢印画像C41(第11画像)が設けられている。
【0282】
このため、統計量V441(総漏洩量)及び統計量V442(損失金額)と矢印画像C41によって、統計量V442(損失金額)が統計量V441(総漏洩量)を用いて算出されたことを容易に把握することができる。
【0283】
尚、矢印画像C41に替えて、サマリ領域A441とサマリ領域A442との関係を示す他の画像を、不良内訳フォームF4に設けるようにしてもよい。例えば、当該他の画像は、サマリ領域A441とサマリ領域A442とを接続する線画像であってもよい。
【0284】
尚、上記の実施形態では、第1度合、第2度合及び第3度合を用いて、蒸気漏れの状態の蒸気トラップにおける蒸気の漏洩度合を4段階に判別し、当該判別結果に応じて報告書R4(
図12)を作成する例について説明した。
【0285】
しかし、上記の実施形態と同様にして、基準となる一個の蒸気の漏洩度合(例えば、第1度合)を用いて、蒸気漏れの状態の蒸気トラップにおける蒸気の漏洩度合を二段階(例えば、大、小)に判別し、当該判別結果に応じた報告書R4と同様の報告書を作成するようにしてもよい。
【0286】
又は、基準となる二個の蒸気の漏洩度合(例えば、第1度合と第2度合)を用いて、蒸気漏れの状態の蒸気トラップにおける蒸気の漏洩度合を三段階(例えば、大、中、小)に判別し、当該判別結果に応じた報告書R4と同様の報告書を作成するようにしてもよい。又は、基準となる四個以上の蒸気の漏洩度合を用いて、蒸気漏れの状態の蒸気トラップにおける蒸気の漏洩度合を五段階以上に判別し、当該判別結果に応じた報告書R4と同様の報告書を作成するようにしてもよい。
【0287】
<蒸気漏洩量及び不良率の時間的推移を示す報告書>
次に、蒸気の総漏洩量及び蒸気トラップの不良率の時間的推移を示す報告書R5について説明する。
図13は、蒸気の総漏洩量及び蒸気トラップの不良率の時間的推移を示す報告書R5の一例を示す図である。ステップS36(
図8)において、作成部416は、ステップS35(
図8)で算出部415が算出した統計量を、報告書R5の定型フォーム54(
図5)である漏洩量推移フォームF5に挿入することによって、報告書R5を作成する。
【0288】
漏洩量推移フォームF5には、タイトル領域T5、グラフ領域A51、現在状況領域A52及び前回比領域A53が設けられている。
【0289】
タイトル領域T5には、報告書R5のタイトル「蒸気漏洩量・不良率推移」が記載されている。
【0290】
グラフ領域A51は、対象イベントと同じ場所で対象イベントよりも過去に行われた一以上のイベント(以降、過去イベント)及び対象イベントのそれぞれにおける複数の蒸気トラップの診断結果に関する2個の統計量V511、V512の時間的推移を示すグラフの挿入部である。
【0291】
グラフ領域A51の横軸は、一以上の過去イベント及び対象イベントが行われた時期を示す。グラフ領域A51の縦軸は、一以上の過去イベント及び対象イベントのそれぞれにおける複数の蒸気トラップの診断結果に関する2個の統計量V511、V512を示す。
【0292】
作成部416は、ステップS36(
図8)において、一以上の過去イベント及び対象イベントのそれぞれにおける複数の蒸気トラップの診断結果に関する統計量V511の時間的推移を示すグラフ(第1グラフ)と、一以上の過去イベント及び対象イベントのそれぞれにおける複数の蒸気トラップの診断結果に関する統計量V512の時間的推移を示すグラフ(第2グラフ)と、を作成する。作成部416は、作成した2個のグラフをグラフ領域A51に挿入する。
【0293】
例えば、
図13は、作成部416が、2022年に行われた対象イベントと同じ場所で、2017年から2021年まで毎年1回行われた5個の過去イベント及び対象イベントのそれぞれにおける複数の蒸気トラップの診断結果に関する統計量V511の時間的推移「1750 Ton/年、700 Ton/年、685 Ton/年、682 Ton/年、680 Ton/年、679 Ton/年」を示すヒストグラムを、グラフ領域A51に挿入した例を示している。尚、統計量V511の時間的推移を示すグラフは、ヒストグラムに限らず、例えば、折れ線グラフであってもよい。
【0294】
また、
図13は、作成部416が、前記5個の過去イベント及び対象イベントのそれぞれにおける複数の蒸気トラップの診断結果に関する統計量V512の時間的推移「12.1%、8.7%、5.5%、4.0%、3.8%、4.2%」を示す折れ線グラフを、グラフ領域A51に挿入した例を示している。尚、統計量V512の時間的推移を示すグラフは、折れ線グラフに限らず、例えば、ヒストグラムであってもよい。
【0295】
統計量V511は、蒸気漏れの状態の蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量の総和(以降、総漏洩量)である。統計量V512は、正常状態の蒸気トラップの数と不良状態の蒸気トラップの数との和に対する不良状態の蒸気トラップの数の比率(以降、不良率)である。
【0296】
算出部415は、ステップS35(
図8)において、ステップS34(
図8)で取得された対象イベントに対応する結果情報に含まれる、各蒸気トラップが正常状態又は不良状態であることを示す情報と、各蒸気トラップが蒸気漏れの状態であることを示す情報と、蒸気漏れの状態の蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量を示す情報と、を参照して、対象イベントにおける統計量V511(総漏洩量)及び統計量V512(不良率)を算出する。
【0297】
また、算出部415は、ステップS35(
図8)において、一以上の過去イベントに対応する結果情報を取得する。
【0298】
具体的には、算出部415は、ステップS33(
図8)で受け付けられたイベント情報に含まれるイベント場所情報及びイベント時期情報を参照する。算出部415は、記憶部45から、イベント場所情報が示す場所に該当する位置を示す位置情報を含み、且つ、イベント時期情報が示す時期に該当する時期よりも過去の時期を示す診断時期情報を含む管理台帳52を、診断時期情報が示す時期がイベント時期情報が示す時期に近いものから順に、所定数(例えば9)以下の数だけ取得する。算出部415は、取得した所定数以下の管理台帳52のそれぞれを、各過去イベントに対応する結果情報として取得する。
【0299】
更に、算出部415は、各過去イベントに対応する結果情報として取得した管理台帳52を参照する。算出部415は、管理テーブル53において、イベント場所情報が示す場所に該当する位置を示す位置情報を含む蒸気トラップの管理情報に対応付けられ、且つ、参照した管理台帳52に含まれる時期情報が示す時期から所定時間以内の時期を示す診断時期情報に対応付けられている診断結果情報と、当該診断結果情報に対応付けられている蒸気トラップの管理情報及び診断時期情報と、を、参照した管理台帳52と同じ過去イベントに対応する結果情報として取得する。
【0300】
尚、記憶部45に、イベント場所情報が示す場所に該当する位置を示す位置情報を含み、且つ、イベント時期情報が示す時期に該当する時期よりも過去の時期を示す診断時期情報を含む管理台帳52が記憶されていなかったとする。この場合、算出部415は、管理テーブル53において、イベント場所情報が示す場所に該当する位置を示す位置情報を含む蒸気トラップの管理情報に対応付けられ、且つ、イベント時期情報が示す時期に該当する時期よりも過去の時期を示す診断時期情報に対応付けられている診断結果情報と、当該診断結果情報に対応付けられている蒸気トラップの管理情報及び診断時期情報と、の組み合わせを、診断時期情報が示す時期がイベント時期情報が示す時期に近いものから順に、所定数(例えば9)以下の数だけ取得する。算出部415は、取得した所定数以下の前記組み合わせのそれぞれを、各過去イベントに対応する結果情報として取得する。
【0301】
算出部415は、一以上の過去イベントのそれぞれに対応する結果情報に含まれる、各蒸気トラップが正常状態又は不良状態であることを示す情報と、各蒸気トラップが蒸気漏れの状態であることを示す情報と、蒸気漏れの状態の蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量を示す情報と、を参照して、各過去イベントにおける統計量V511(総漏洩量)及び統計量V512(不良率)を算出する。
【0302】
現在状況領域A52は、対象イベントが行われた時期を示す情報D52と、対象イベントで診断された蒸気漏れの状態の蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量の総和を示す統計量V52(総漏洩量)と、の挿入部である。
【0303】
作成部416は、ステップS36(
図8)において、ステップS33(
図8)で受け付けられたイベント情報に含まれるイベント時期情報に基づいて、対象イベントが行われた時期を示す情報D52を作成し、当該情報D52を現在状況領域A52に挿入する。また、作成部416は、ステップS36(
図8)において、ステップS35(
図8)で算出された統計量V52(総漏洩量)を現在状況領域A52に挿入する。
【0304】
例えば、
図13は、作成部416が、ステップS33(
図8)で受け付けられたイベント情報に含まれるイベント時期情報「2022年6月30日」に基づいて、対象イベントが行われた時期を示す情報D52「2022年」を作成し、当該情報D52と統計量V52「679 Ton/年」とを、現在状況領域A52に挿入した例を示している。
【0305】
算出部415は、ステップS35(
図8)において算出した、上記の対象イベントにおける統計量V511(総漏洩量)を、統計量V52(総漏洩量)として算出する。
【0306】
前回比領域A53は、対象イベントと同じ場所で対象イベントの直前に行われたイベント(以降、直前イベント)における総漏洩量に対する対象イベントにおける総漏洩量の増減量(以降、前回比漏洩量)を示す統計量V53の挿入部である。
【0307】
作成部416は、ステップS36(
図8)において、ステップS35(
図8)で算出された統計量V53(前回比漏洩量)を前回比領域A53に挿入する。
【0308】
例えば、
図13は、作成部416が、ステップS35(
図8)で算出された統計量V53「-1 Ton/年」を、前回比領域A53に挿入した例を示している。
【0309】
算出部415は、ステップS35(
図8)において算出した対象イベントにおける統計量V511(総漏洩量)から、ステップS35(
図8)において算出した直前イベントにおける統計量V511(総漏洩量)を減算した結果を、統計量V53(前回比漏洩量)として算出する。
【0310】
このように、報告書R5によれば、グラフ領域A51に表示されるグラフによって、一以上の過去イベント及び対象イベントのそれぞれにおける前記総漏洩量及び前記不良率の時間的推移を容易に把握することができる。
【0311】
<1台当りの蒸気の漏洩量、蒸気漏れ状態及び閉塞状態の時間的推移を示す報告書>
次に、1台当りの蒸気の漏洩量、蒸気漏れ状態及び閉塞状態の時間的推移を示す報告書R6について説明する。
図14は、1台当りの蒸気の漏洩量、蒸気漏れ状態及び閉塞状態の時間的推移を示す報告書R6の一例を示す図である。ステップS36(
図8)において、作成部416は、ステップS35(
図8)で算出部415が算出した統計量を、報告書R6の定型フォーム54(
図5)である漏洩閉塞推移フォームF6に挿入することによって、報告書R6を作成する。
【0312】
漏洩閉塞推移フォームF6には、タイトル領域T6、グラフ領域A61、現在状況領域A62及び前回比領域A63が設けられている。
【0313】
タイトル領域T6には、報告書R6のタイトル「「1台当りの漏れ量」と「漏れ・閉塞不良」の推移」が記載されている。
【0314】
グラフ領域A61は、一以上の過去イベント及び対象イベントのそれぞれにおける複数の蒸気トラップの診断結果に関する3個の統計量V611、V612、V613の時間的推移を示すグラフの挿入部である。
【0315】
グラフ領域A61の横軸は、一以上の過去イベント及び対象イベントが行われた時期を示す。グラフ領域A61の縦軸は、一以上の過去イベント及び対象イベントのそれぞれにおける複数の蒸気トラップの診断結果に関する3個の統計量V611、V612、V613を示す。
【0316】
作成部416は、ステップS36(
図8)において、一以上の過去イベント及び対象イベントのそれぞれにおける、複数の蒸気トラップの診断結果に関する3個の統計量V611~V613のそれぞれの時間的推移を示すグラフをグラフ領域A61に挿入する。
【0317】
例えば、
図14は、作成部416が、2022年に行われた対象イベントと同じ場所で、2017年から2021年まで毎年1回行われた5個の過去イベント及び対象イベントのそれぞれにおける複数の蒸気トラップの診断結果に関する統計量V611の時間的推移「200、150、50、80、50、40」を示すヒストグラム(第3グラフ)を、グラフ領域A61に挿入した例を示している。尚、統計量V611の時間的推移を示すグラフは、ヒストグラムに限らず、例えば、折れ線グラフであってもよい。
【0318】
また、
図14は、作成部416が、2022年に行われた対象イベントと同じ場所で、2017年から2021年まで毎年1回行われた5個の過去イベント及び対象イベントのそれぞれにおける複数の蒸気トラップの診断結果に関する統計量V612の時間的推移「30、20、10、30、30、15」を示すヒストグラム(第4グラフ)を、グラフ領域A61に挿入した例を示している。尚、統計量V612の時間的推移を示すグラフは、ヒストグラムに限らず、例えば、折れ線グラフであってもよい。
【0319】
また、
図14は、作成部416が、前記5個の過去イベント及び対象イベントのそれぞれにおける複数の蒸気トラップの診断結果に関する統計量V613の時間的推移「8.0、4.5、4.6、3.8、3.0、4.0」を示す折れ線グラフ(第5グラフ)を、グラフ領域A61に挿入した例を示している。尚、統計量V613の時間的推移を示すグラフは、折れ線グラフに限らず、例えば、ヒストグラムであってもよい。
【0320】
統計量V611は、蒸気漏れの状態の蒸気トラップの数(以降、漏れ台数)である。統計量V612は、閉塞状態の蒸気トラップの数(以降、閉塞台数)である。統計量V613は、蒸気漏れの状態の蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量の総和である総漏洩量を前記漏れ台数で除算した結果(以降、平均漏洩量)である。
【0321】
算出部415は、ステップS35(
図8)において、ステップS34(
図8)で取得された対象イベントに対応する結果情報に含まれる、各蒸気トラップが蒸気漏れの状態又は閉塞状態であることを示す情報と、蒸気漏れの状態の蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量を示す情報と、を参照して、対象イベントにおける統計量V611(漏れ台数)、統計量V612(閉塞台数)及び統計量V613(平均漏洩量)を算出する。
【0322】
また、算出部415は、ステップS35(
図8)において、報告書R5の説明で記載したのと同様の方法で、一以上の過去イベントのそれぞれに対応する結果情報を取得する。算出部415は、当該結果情報に含まれる、各蒸気トラップが蒸気漏れの状態又は閉塞状態であることを示す情報と、蒸気漏れの状態の蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量を示す情報と、を参照して、各過去イベントにおける統計量V611(漏れ台数)、統計量V612(閉塞台数)及び統計量V613(平均漏洩量)を算出する。
【0323】
現在状況領域A62は、対象イベントが行われた時期を示す情報D62と、対象イベントで診断された蒸気漏れの状態の蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量の総和を、当該蒸気トラップの数で除算した結果を示す統計量V62(平均漏洩量)と、の挿入部である。
【0324】
作成部416は、ステップS36(
図8)において、ステップS33(
図8)で受け付けられたイベント情報に含まれるイベント時期情報に基づいて、対象イベントが行われた時期を示す情報D62を作成し、当該情報D62を現在状況領域A62に挿入する。また、作成部416は、ステップS36(
図8)において、ステップS35(
図8)で算出された統計量V62(平均漏洩量)を現在状況領域A62に挿入する。
【0325】
例えば、
図14は、作成部416が、ステップS33(
図8)で受け付けられたイベント情報に含まれるイベント時期情報「2022年6月30日」に基づいて、対象イベントが行われた時期を示す情報D62「2022年」を作成し、当該情報D62と統計量V62「4.0 kg/h」とを、現在状況領域A62に挿入した例を示している。
【0326】
算出部415は、ステップS35(
図8)において算出した、上記の対象イベントにおける統計量V613(平均漏洩量)を、統計量V62(平均漏洩量)として算出する。
【0327】
前回比領域A63は、直前イベントにおける平均漏洩量に対する対象イベントにおける平均漏洩量の増減量(以降、前回比平均漏洩量)を示す統計量V63の挿入部である。
【0328】
作成部416は、ステップS36(
図8)において、ステップS35(
図8)で算出された統計量V63(前回比平均漏洩量)を前回比領域A63に挿入する。
【0329】
例えば、
図14は、作成部416が、ステップS35(
図8)で算出された統計量V63「+0.2 kg/h」を、前回比領域A63に挿入した例を示している。
【0330】
算出部415は、ステップS35(
図8)において算出した対象イベントにおける統計量V613(平均漏洩量)から、ステップS35(
図8)において算出した直前イベントにおける統計量V613(平均漏洩量)を減算した結果を、統計量V63(前回比平均漏洩量)として算出する。
【0331】
このように、報告書R6によれば、グラフ領域A61に表示されるグラフによって、一以上の過去イベント及び対象イベントのそれぞれにおける前記漏れ台数、前記閉塞台数及び前記平均漏洩量のそれぞれの時間的推移を容易に把握することができる。
【0332】
<漏れ蒸気の削減量の時間的推移を示す報告書>
次に、漏れ蒸気の削減量の時間的推移を示す報告書R7について説明する。
図15は、漏れ蒸気の削減量の時間的推移を示す報告書R7の一例を示す図である。ステップS36(
図8)において、作成部416は、ステップS35(
図8)で算出部415が算出した統計量を、報告書R7の定型フォーム54(
図5)である削減量推移フォームF7に挿入することによって、報告書R7を作成する。
【0333】
削減量推移フォームF7には、タイトル領域T7、グラフ領域A71、累計領域A72が設けられている。
【0334】
タイトル領域T7には、報告書R7のタイトル「蒸気削減量の推移」が記載されている。
【0335】
グラフ領域A71は、一以上の過去イベント及び対象イベントのそれぞれにおける複数の蒸気トラップの診断結果に関する2個の統計量V711、V712の時間的推移を示すグラフの挿入部である。
【0336】
グラフ領域A71の横軸は、一以上の過去イベント及び対象イベントが行われた時期を示す。グラフ領域A71の縦軸は、一以上の過去イベント及び対象イベントのそれぞれにおける複数の蒸気トラップの診断結果に関する2個の統計量V711、V712を示す。
【0337】
作成部416は、ステップS36(
図8)において、一以上の過去イベント及び対象イベントのそれぞれにおける複数の蒸気トラップの診断結果に関する統計量V711の時間的推移を示すグラフと、前記一以上の過去イベントのうち統計量V711が最大値の過去イベント(以降、基準イベント)の後に実行された各過去イベント及び対象イベントのそれぞれにおける複数の蒸気トラップの診断結果に関する統計量V712の時間的推移を示すグラフと、を作成する。作成部416は、作成した2個のグラフをグラフ領域A71に挿入する。
【0338】
例えば、
図15は、作成部416が、2022年に行われた対象イベントと同じ場所で、2017年から2021年まで毎年1回行われた5個の過去イベント及び対象イベントのそれぞれにおける複数の蒸気トラップの診断結果に関する統計量V711の時間的推移「1750 Ton、2000 Ton、1500 Ton、700 Ton、680 Ton、679 Ton」を示すヒストグラム(第6グラフ)を、グラフ領域A71に挿入した例を示している。尚、統計量V711の時間的推移を示すグラフは、ヒストグラムに限らず、例えば、折れ線グラフであってもよい。
【0339】
また、
図15は、作成部416が、前記5個の過去イベントのうち統計量V711が最大値である2018年に行われた過去イベントを基準イベントとし、基準イベントの後に実行された各過去イベント及び対象イベントのそれぞれにおける複数の蒸気トラップの診断結果に関する統計量V712の時間的推移「500 Ton、1300 Ton、1320 Ton、1321 Ton」を示すヒストグラム(第7グラフ)を作成し、上記の統計量V711の時間的推移を示すグラフにおける、統計量V711の最大値「2000 Ton」を基準にして、当該ヒストグラムを上下反転してグラフ領域A71に挿入した例を示している。尚、統計量V712の時間的推移を示すグラフは、ヒストグラムに限らず、例えば、折れ線グラフであってもよい。
【0340】
統計量V711は、蒸気漏れの状態の蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量の総和(以降、総漏洩量)である。統計量V712は、一以上の過去イベントのうち、総漏洩量が最大値の基準イベントの後に実行された各イベントにおける総漏洩量を前記最大値から減算した結果(以降、蒸気削減量)である。
【0341】
算出部415は、ステップS35(
図8)において、ステップS34(
図8)で取得された対象イベントに対応する結果情報に含まれる、各蒸気トラップが蒸気漏れの状態であることを示す情報と、蒸気漏れの状態の蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量を示す情報と、を参照して、対象イベントにおける統計量V711(総漏洩量)を算出する。
【0342】
また、算出部415は、ステップS35(
図8)において、報告書R5の説明で記載したのと同様の方法で、一以上の過去イベントのそれぞれに対応する結果情報を取得する。算出部415は、ステップS35(
図8)において、一以上の過去イベントのそれぞれに対応する結果情報に含まれる、各蒸気トラップが蒸気漏れの状態であることを示す情報と、蒸気漏れの状態の蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量を示す情報と、を参照して、各過去イベントにおける統計量V711(総漏洩量)を算出する。
【0343】
また、算出部415は、ステップS35(
図8)において、一以上の過去イベント及び対象イベントのそれぞれにおける統計量V711(総漏洩量)を参照し、一以上の過去イベントの中から、統計量V711(総漏洩量)が最大値の基準イベントを特定する。算出部415は、ステップS35(
図8)において、基準イベントの後に実行された各イベントにおける統計量V711(総漏洩量)を前記最大値から減算した結果を、基準イベントの後に実行された各イベントにおける統計量V712(蒸気削減量)として算出する。
【0344】
累計領域A72は、一以上の過去イベント及び対象イベントが行われた時期を示す情報D72と、基準イベントの後に実行された各イベントにおける統計量V712(蒸気削減量)の総和を示す統計量V72(累積削減量)と、の挿入部である。
【0345】
作成部416は、ステップS36(
図8)において、ステップS35(
図8)で算出部415が取得した一以上の過去イベント及び対象イベントのそれぞれに対応する結果情報に基づいて、一以上の過去イベント及び対象イベントが行われた時期を示す情報D72を作成し、当該情報D72を累計領域A72に挿入する。また、作成部416は、ステップS36(
図8)において、ステップS35(
図8)で算出された統計量V72(累積削減量)を累計領域A72に挿入する。
【0346】
例えば、
図15は、作成部416が、ステップS35(
図8)で算出部415が取得した一以上の過去イベント及び対象イベントのそれぞれに対応する結果情報に含まれる診断時期情報を参照して、一以上の過去イベント及び対象イベントが行われた時期を示す情報D72「2017~2022年」を作成し、当該情報D72と、統計量V72「4441 Ton」とを、累計領域A72に挿入した例を示している。
【0347】
算出部415は、ステップS35(
図8)において算出した、上記の基準イベントの後に実行された各イベントにおける統計量V712(蒸気削減量)の総和を、統計量V72(累積削減量)として算出する。
【0348】
このように、報告書R7によれば、グラフ領域A71に表示されるグラフによって、一以上の過去イベント及び対象イベントのそれぞれにおける総漏洩量の時間的推移と、基準イベントの後に実行された各イベントにおける前記蒸気削減量の時間的推移と、を容易に把握することができる。
【0349】
尚、報告書作成処理では、上記6種類の報告書R2~R7のうち、少なくとも一種類の報告書が作成される。
【符号の説明】
【0350】
4 :サーバ装置(出力装置)
54 :定型フォーム
413 :受付部
414 :取得部
415 :算出部
416 :作成部
417 :出力部
B31 :線画像(第5画像)
B32 :線画像(第1画像)
B33 :線画像(第2画像)
B41 :線画像(第7画像)
B421 :線画像(第8画像)
B422 :線画像(第9画像)
B43 :線画像(第10画像)
C31 :矢印画像(第6画像)
C32 :矢印画像(第3画像)
C33 :矢印画像(第4画像)
C41 :矢印画像(第11画像)
D311 :第1管理台数
D312 :第2管理台数
D315 :増減数
R2~R7:報告書
【手続補正書】
【提出日】2023-11-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の蒸気トラップの診断結果に関する報告書を出力する出力装置における出力方法であって、
前記複数の蒸気トラップを診断したイベントを示す情報の入力を受け付け、
前記イベントを示す情報は、前記複数の蒸気トラップが設置されている場所を示す情報及び前記複数の蒸気トラップの診断を行った時期を示す情報を含み、
前記複数の蒸気トラップの診断を行った時期を示す情報は、前記複数の蒸気トラップの診断を行ったときの年月日と、前記複数の蒸気トラップの診断を行った時が午前であるか午後であるか又は前記複数の蒸気トラップの診断を行ったときの時刻と、を含み、
前記イベントにおける前記複数の蒸気トラップの診断結果を示す結果情報を取得し、
前記結果情報に基づいて、前記イベントにおける前記複数の蒸気トラップの診断結果に関する統計量を算出し、
前記報告書の定型フォームに前記統計量を挿入することによって、前記イベントにおける前記複数の蒸気トラップの診断結果に関する前記報告書を作成し、
作成した前記報告書を出力する、
出力方法。
【請求項2】
前記複数の蒸気トラップの診断結果は、
作業者が携帯する診断装置による蒸気トラップの診断結果と、蒸気トラップに常設された測定装置による当該蒸気トラップの測定結果に基づく、前記測定装置とは異なる装置による当該蒸気トラップの診断結果と、のうち、少なくとも一方を含む、
請求項1に記載の出力方法。
【請求項3】
前記結果情報は、
一以上のグループのうち各蒸気トラップが属するグループの識別情報と、
各蒸気トラップが正常状態、不良状態又は休止状態であることを示す情報と、
各蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量を示す情報と、を含み、
前記統計量は、
各グループに属する前記正常状態の蒸気トラップの数と各グループに属する前記不良状態の蒸気トラップの数との和である稼働数と、
各グループに属する前記不良状態の蒸気トラップの数である不良数と、
各グループに対応する前記稼働数に対する、各グループに対応する前記不良数の比率である不良率と、
各グループに属する前記蒸気トラップにおける前記蒸気の漏洩量の総和と、を含み、
前記定型フォームは、
各グループの識別情報の挿入部と各グループに対応する前記統計量の挿入部とを対応付ける表を含む、
請求項1に記載の出力方法。
【請求項4】
前記結果情報は、
各蒸気トラップが正常状態、不良状態又は休止状態であることを示す情報、を含み、
前記統計量は、
前記正常状態、前記不良状態又は前記休止状態と診断された蒸気トラップの数である診断数と、
前記正常状態の蒸気トラップの数と前記不良状態の蒸気トラップの数との和である稼働数と、
前記正常状態の蒸気トラップの数である正常数と、
前記不良状態の蒸気トラップの数である不良数と、
前記休止状態の蒸気トラップの数である休止数と、
前記診断数に対する前記稼働数の比率である稼働率と、
前記稼働数に対する前記不良数の比率である不良率と、を含み、
前記定型フォームは、
前記統計量の挿入部と、
前記診断数の挿入部と前記稼働数及び前記休止数のそれぞれの挿入部との関係を示す第1画像と、
前記稼働数の挿入部と前記正常数及び前記不良数のそれぞれの挿入部との関係を示す第2画像と、
前記稼働数及び前記休止数の挿入部を含む領域と前記稼働率の挿入部との関係を示す第3画像と、
前記正常数及び前記不良数の挿入部を含む領域と前記不良率の挿入部との関係を示す第4画像と、を含む、
請求項1に記載の出力方法。
【請求項5】
更に、前記複数の蒸気トラップを管理する顧客が前記イベントが行われた時に管理していた蒸気トラップの数である第1管理台数と、前記イベントが行われた時よりも過去の所定時期に前記顧客が管理していた蒸気トラップの数である第2管理台数と、を示す情報を取得し、
更に、前記第2管理台数に対する前記第1管理台数の増減数を算出し、
前記結果情報は、更に、
各蒸気トラップが未診断状態、撤去状態又は診断の対象から除外された診断除外状態であることを示す情報を含み、
前記統計量は、更に、
前記正常状態、前記不良状態又は前記休止状態と診断された蒸気トラップの数である診断数と、
前記未診断状態の蒸気トラップの数である未診断数と、
前記撤去状態の蒸気トラップの数である撤去数と、
前記診断除外状態の蒸気トラップの数である診断除外数と、を含み、
前記定型フォームは、更に、
前記第1管理台数、前記第2管理台数及び前記増減数の挿入部と、
前記第1管理台数の挿入部と前記診断数、前記未診断数、前記撤去数及び前記診断除外数のそれぞれの挿入部との関係を示す第5画像と、
前記第1管理台数の挿入部及び前記第2管理台数の挿入部を含む領域と前記増減数の挿入部との関係を示す第6画像と、を含む、
請求項3に記載の出力方法。
【請求項6】
前記結果情報は、
各蒸気トラップが蒸気漏れの状態、閉塞状態、排出不良状態又はその他の状態であることを示す情報と、
前記蒸気漏れの状態の蒸気トラップにおける蒸気の漏れ度合及び漏洩量を示す情報と、を含み、
前記統計量は、
前記蒸気漏れの状態の蒸気トラップの数である漏れ数と、
前記閉塞状態の蒸気トラップの数である閉塞数と、
前記排出不良状態の蒸気トラップの数である排出不良数と、
前記その他の状態の蒸気トラップの数であるその他数と、
前記蒸気漏れの状態の蒸気トラップのうち、前記蒸気の漏れ度合が所定度合以上である第1蒸気トラップの数である第1漏洩台数と、
前記蒸気漏れの状態の蒸気トラップのうち、前記蒸気の漏れ度合が前記所定度合未満である第2蒸気トラップの数である第2漏洩台数と、
前記第1蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量の総和である第1漏洩量と、
前記第2蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量の総和である第2漏洩量と、
前記第1漏洩量と前記第2漏洩量との和である総漏洩量と、
前記総漏洩量の蒸気が漏洩した場合に損失する金額である損失金額と、を含み、
前記定型フォームは、
前記統計量の挿入部と、
前記漏れ数の挿入部と前記第1漏洩台数及び前記第2漏洩台数のそれぞれの挿入部との関係を示す第7画像と、
前記第1漏洩台数の挿入部と前記第1漏洩量の挿入部との関係を示す第8画像と、
前記第2漏洩台数の挿入部と前記第2漏洩量の挿入部との関係を示す第9画像と、
前記第1漏洩量及び前記第2漏洩量のそれぞれの挿入部と前記総漏洩量の挿入部との関係を示す第10画像と、
前記総漏洩量の挿入部と前記損失金額の挿入部との関係を示す第11画像と、を含む、
請求項1に記載の出力方法。
【請求項7】
前記結果情報は、
各蒸気トラップが正常状態又は不良状態であることを示す情報と、
各蒸気トラップが蒸気漏れの状態であることを示す情報と、
前記蒸気漏れの状態の蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量を示す情報と、を含み、
前記統計量は、
前記イベントと同じ場所で前記イベントよりも過去に行われた一以上の過去イベント及び前記イベントのそれぞれにおける、前記正常状態の蒸気トラップの数と前記不良状態の蒸気トラップの数との和に対する前記不良状態の蒸気トラップの数の比率である不良率と、
前記一以上の過去イベント及び前記イベントのそれぞれにおける、前記蒸気漏れの状態の蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量の総和である総漏洩量と、
前記イベントと同じ場所で前記イベントの直前に行われた直前イベントにおける前記総漏洩量に対する前記イベントにおける前記総漏洩量の増減量と、を含み、
前記定型フォームは、
前記統計量の挿入部と、
前記一以上の過去イベント及び前記イベントのそれぞれにおける前記総漏洩量の時間的推移を示す第1グラフと、
前記一以上の過去イベント及び前記イベントのそれぞれにおける前記不良率の時間的推移を示す第2グラフと、を含む、
請求項1に記載の出力方法。
【請求項8】
前記結果情報は、
各蒸気トラップが蒸気漏れの状態又は閉塞状態であることを示す情報と、
前記蒸気漏れの状態の蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量を示す情報と、を含み、
前記統計量は、
前記イベントと同じ場所で前記イベントよりも過去に行われた一以上の過去イベント及び前記イベントのそれぞれにおける、前記蒸気漏れの状態の蒸気トラップの数である漏れ台数と、
前記一以上の過去イベント及び前記イベントのそれぞれにおける、前記閉塞状態の蒸気トラップの数である閉塞台数と、
前記一以上の過去イベント及び前記イベントのそれぞれにおける、前記蒸気漏れの状態の蒸気トラップにおける前記蒸気の漏洩量の総和である総漏洩量を前記漏れ台数で除算した結果である平均漏洩量と、
前記イベントと同じ場所で前記イベントの直前に行われた直前イベントにおける前記総漏洩量に対する前記イベントにおける前記総漏洩量の増減量と、を含み、
前記定型フォームは、
前記統計量の挿入部と、
前記一以上の過去イベント及び前記イベントのそれぞれにおける前記漏れ台数の時間的推移を示す第3グラフと、
前記一以上の過去イベント及び前記イベントのそれぞれにおける前記閉塞台数の時間的推移を示す第4グラフと、
前記一以上の過去イベント及び前記イベントのそれぞれにおける前記平均漏洩量の時間的推移を示す第5グラフと、を含む、
請求項1に記載の出力方法。
【請求項9】
前記結果情報は、
各蒸気トラップが蒸気漏れの状態であることを示す情報と、
前記蒸気漏れの状態の蒸気トラップにおける蒸気の漏洩量を示す情報と、を含み、
前記統計量は、
前記イベントと同じ場所で前記イベントよりも過去に行われた一以上の過去イベント及び前記イベントのそれぞれにおける、前記蒸気漏れの状態の蒸気トラップにおける前記蒸気の漏洩量の総和である総漏洩量と、
前記一以上の過去イベントのうち、前記総漏洩量が最大値の基準イベントの後に実行された各イベントにおける前記総漏洩量を前記最大値から減算した結果である蒸気削減量と、を含み、
前記定型フォームは、
前記統計量の挿入部と、
前記一以上の過去イベント及び前記イベントのそれぞれにおける前記総漏洩量の時間的推移を示す第6グラフと、
前記基準イベントの後に実行された各イベントにおける前記蒸気削減量の時間的推移を示す第7グラフと、を含む、
請求項1に記載の出力方法。
【請求項10】
複数の蒸気トラップの診断結果に関する報告書を出力する出力装置であって、
前記複数の蒸気トラップを診断したイベントを示す情報の入力を受け付ける受付部を備え、
前記イベントを示す情報は、前記複数の蒸気トラップが設置されている場所を示す情報及び前記複数の蒸気トラップの診断を行った時期を示す情報を含み、 前記複数の蒸気トラップの診断を行った時期を示す情報は、前記複数の蒸気トラップの診断を行ったときの年月日と、前記複数の蒸気トラップの診断を行った時が午前であるか午後であるか又は前記複数の蒸気トラップの診断を行ったときの時刻と、を含み、
前記イベントにおける前記複数の蒸気トラップの診断結果を示す結果情報を取得する取得部と、
前記結果情報に基づいて、前記イベントにおける前記複数の蒸気トラップの診断結果に関する統計量を算出する算出部と、
前記報告書の定型フォームに前記統計量を挿入することによって、前記イベントにおける前記複数の蒸気トラップの診断結果に関する前記報告書を作成する作成部と、
前記作成部が作成した前記報告書を出力する出力部と、
を更に備える出力装置。
【請求項11】
複数の蒸気トラップの診断結果に関する報告書を出力する出力装置のプログラムであって、
前記出力装置に、
前記複数の蒸気トラップを診断したイベントを示す情報の入力を受け付け、
前記イベントを示す情報は、前記複数の蒸気トラップが設置されている場所を示す情報及び前記複数の蒸気トラップの診断を行った時期を示す情報を含み、 前記複数の蒸気トラップの診断を行った時期を示す情報は、前記複数の蒸気トラップの診断を行ったときの年月日と、前記複数の蒸気トラップの診断を行った時が午前であるか午後であるか又は前記複数の蒸気トラップの診断を行ったときの時刻と、を含み、
前記イベントにおける前記複数の蒸気トラップの診断結果を示す結果情報を取得し、
前記結果情報に基づいて、前記イベントにおける前記複数の蒸気トラップの診断結果に関する統計量を算出し、
前記報告書の定型フォームに前記統計量を挿入することによって、前記イベントにおける前記複数の蒸気トラップの診断結果に関する前記報告書を作成し、
作成した前記報告書を出力する、
処理を実行させるプログラム。