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特開2024-116547サーバ、コンピュータプログラム及び端末
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116547
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】サーバ、コンピュータプログラム及び端末
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/2668 20110101AFI20240821BHJP
   H04N 21/235 20110101ALI20240821BHJP
   H04N 21/435 20110101ALI20240821BHJP
   H04N 21/6543 20110101ALI20240821BHJP
   H04N 21/258 20110101ALI20240821BHJP
   G06Q 30/0235 20230101ALI20240821BHJP
【FI】
H04N21/2668
H04N21/235
H04N21/435
H04N21/6543
H04N21/258
G06Q30/0235
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022229
(22)【出願日】2023-02-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-19
(71)【出願人】
【識別番号】517287224
【氏名又は名称】17LIVE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100199277
【弁理士】
【氏名又は名称】西守 有人
(72)【発明者】
【氏名】フォング カホ
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼宙耕
(72)【発明者】
【氏名】林芸安
【テーマコード(参考)】
5C164
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5C164FA06
5C164SA25S
5C164SB08P
5C164SC05P
5C164SC11P
5C164SD12S
5C164TA08S
5C164TC02P
5C164UB10P
5C164UC21S
5C164YA10
5L030BB07
5L049BB07
(57)【要約】

【課題】ライブ配信のアーカイブ機能に柔軟性を持たせる。
【解決手段】サーバは、過去のライブ配信の動画データを保持する保持手段と、過去のライブ配信に対する視聴要求が受け付けられると、当該ライブ配信内で行われたインタラクションのうち所定の基準を充たすインタラクションの出力が制限されるように、視聴要求に対する提供データを生成する生成手段と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
過去のライブ配信の動画データを保持する保持手段と、
過去のライブ配信に対する視聴要求が受け付けられると、当該ライブ配信内で行われたインタラクションのうち所定の基準を充たすインタラクションの出力が制限されるように、視聴要求に対する提供データを生成する生成手段と、を備えるサーバ。
【請求項2】
インタラクションはライブ配信内で参加者が使用するギフトを含み、
前記生成手段は、ギフトのタイプが所定のタイプである場合に当該ギフトの出力が制限されるように提供データを生成する請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
インタラクションはライブ配信内で参加者が使用するギフトを含み、
ギフトには使用可能期限が設定され、
前記生成手段は、前記視聴要求の受け付け時にギフトの使用可能期限が過ぎていると、当該ギフトの出力が制限されるように提供データを生成する請求項1に記載のサーバ。
【請求項4】
インタラクションはライブ配信内で表示されるコメントを含み、
前記生成手段は、ギフトの出力が制限される場合に当該ギフトの使用に対応するコメントを当該ギフトが同定されないように変更する請求項2または3に記載のサーバ。
【請求項5】
前記生成手段は、過去のライブ配信に対する視聴要求が受け付けられると、同じ過去のライブ配信に対する別の視聴要求に関連付けて使用されたギフトまたは入力されたコメントもしくはその両方の出力が制限されるように提供データを生成する請求項4に記載のサーバ。
【請求項6】
過去のライブ配信内で使用されたギフトの情報を保持するギフト履歴保持手段と、
ギフトの使用可能期限を保持するギフト保持手段と、をさらに備え、
前記生成手段は、前記ギフト履歴保持手段を参照することで、前記視聴要求に係る過去のライブ配信内で使用されたギフトを特定し、
前記生成手段は、前記ギフト保持手段を参照することで、特定されたギフトの使用可能期限が過ぎているか否かを判定する請求項3に記載のサーバ。
【請求項7】
過去のライブ配信に対する視聴要求をサーバにネットワークを介して送信する機能と、
前記視聴要求に対応する過去のライブ配信の動画データを再生する際、当該ライブ配信内で当時の参加者が使用したギフトに対応するエフェクトを出力するか否かを判定する機能と、を端末に実現させるためのコンピュータプログラム。
【請求項8】
前記判定する機能は、ギフトの使用可能期限を保持する保持手段を参照する機能を含む請求項7に記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
前記判定する機能は、ギフトの使用可能期限が過ぎている場合に当該ギフトに対応するエフェクトを出力しないと判定し、
前記コンピュータプログラムはさらに、
使用可能期限が過ぎているギフトの使用に対応するコメントを当該ギフトが同定されないように変更する機能を前記端末に実現させる請求項8に記載のコンピュータプログラム。
【請求項10】
過去のライブ配信に対する視聴要求をサーバにネットワークを介して送信する手段と、
前記視聴要求に対応する過去のライブ配信の動画データを再生する際、当該ライブ配信内で当時の参加者が使用したギフトに対応するエフェクトを出力するか否かを判定する手段と、を備える端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サーバ、コンピュータプログラム及び端末に関する。
【背景技術】
【0002】
IT技術の発展と共に情報のやりとりの様も移り変わってきた。昭和の時代には新聞やテレビなどの一方通行の情報伝達が主であった。平成になると、ケータイやパソコンが普及し、インターネットの通信速度も大きく改善されたので、チャットサービスなどの即時双方向通信サービスが台頭し、また記憶コストの低減に伴ってオンデマンド型の動画配信サービスが受け入れられていった。そして、現在、令和の時代となり、スマートフォンの高機能化や5Gに代表されるネットワークの速度のさらなる向上を受けて、動画によるリアルタイムのコミュニケーションを実現するサービス、特にライブ配信(Live Streaming)サービスが急速に認知度を高めている。ライブ配信サービスは、離れた場所にいても皆が同じ楽しい時間を共有できるサービスとして、若者を中心に利用者が拡大している。
【0003】
ライブ配信を録画し保存することで、リアルタイムで視聴できなかったユーザもそのライブ配信を楽しめるようにするアーカイブ機能が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-130081号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
アーカイブ機能によれば、ユーザは好きな時に過去のライブ配信を視聴することができるので便利である。しかしながら、アーカイブの視聴時とその元となったライブ配信の配信時とには時間的な隔たりがあるので、環境や条件が変化することがある。特許文献1に記載されるような従来のアーカイブ機能ではこの環境や条件の変化に対応できない。
【0006】
本開示はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ライブ配信のアーカイブ機能に柔軟性を持たせることができる技術の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様は、サーバに関する。このサーバは、過去のライブ配信の動画データを保持する保持手段と、過去のライブ配信に対する視聴要求が受け付けられると、当該ライブ配信内で行われたインタラクションのうち所定の基準を充たすインタラクションの出力が制限されるように、視聴要求に対する提供データを生成する生成手段と、を備える。
【0008】
本発明の別の態様は、コンピュータプログラムである。このコンピュータプログラムは、過去のライブ配信に対する視聴要求をサーバにネットワークを介して送信する機能と、視聴要求に対応する過去のライブ配信の動画データを再生する際、当該ライブ配信内で当時の参加者が使用したギフトに対応するエフェクトを出力するか否かを判定する機能と、を端末に実現させる。
【0009】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を装置、方法、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ライブ配信のアーカイブ機能に柔軟性を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態に係るライブ配信システムの構成を示す模式図である。
図2図1のユーザ端末の機能および構成を示すブロック図である。
図3図1のサーバの機能および構成を示すブロック図である。
図4図3のストリームDBの一例を示すデータ構造図である。
図5図3のユーザDBの一例を示すデータ構造図である。
図6図3のギフトDBの一例を示すデータ構造図である。
図7図3のアーカイブDBの一例を示すデータ構造図である。
図8図3のギフト履歴DBの一例を示すデータ構造図である。
図9図3のコメント履歴DBの一例を示すデータ構造図である。
図10】インタラクションデータの一例を示すデータ構造図である。
図11】アーカイブの視聴を開始するときのライブ配信システムにおける一連の処理の流れを示すフローチャートである。
図12】アクティブユーザのユーザ端末のディスプレイに表示されるプロフィール画面の代表画面図である。
図13】アクティブユーザのユーザ端末のディスプレイに表示される非表示モードのアーカイブ表示画面の代表画面図である。
図14】アクティブユーザのユーザ端末のディスプレイに表示される表示モードのアーカイブ表示画面の代表画面図である。
図15】アクティブユーザのユーザ端末のディスプレイに表示される表示モードのアーカイブ表示画面の代表画面図である。
図16】本実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図17】変形例に係る、アーカイブ視聴要求の送信元のユーザ端末が保持する制限ギフトリストの一例を示すデータ構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理、信号には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面において説明上重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0013】
実施の形態に係るライブ配信システムは、リアルタイムでライブ配信をホストすると共に、当該ライブ配信を記録、保存する。ライブ配信プラットフォームのユーザが過去のライブ配信(以下、アーカイブと称することがある)の視聴をシステムに要求すると、システムはアーカイブの動画データとインタラクションデータとを併せてユーザのユーザ端末に提供する。インタラクションデータは、アーカイブの元となったライブ配信内で行われたインタラクション(ギフトやコメントなど)のデータである。システムは、ライブ配信内で行われたインタラクションのうち所定の制限基準を充たすインタラクションの出力が制限されるように、インタラクションデータを生成する。
【0014】
これにより、アーカイブ再生時のインタラクションの出力と、アーカイブの元となったライブ配信が行われた当時のインタラクションの出力と、を異ならせることが可能となる。例えば、ギフトのエフェクトに著作権等に係る契約上の制約や使用可能期限が存在する場合、そのような制約や使用可能期限を制限基準として設定することができる。アーカイブ再生時に制限基準を充たさないギフトのエフェクトは出力されない。また例えば、エフェクトのデータサイズおよび/または処理量がしきい値以上であることを制限基準として設定すれば、アーカイブ再生時に重たいエフェクトをスキップできるので、より快適な視聴体験を提供することができる。このように、本実施の形態によると、アーカイブ再生時にインタラクションを併せて出力することでアーカイブの再現性を高めることができると共に、インタラクションの出力可否を判定することでライブ配信時とアーカイブ再生時とでの状況の違いにもきめ細かに対応することができる。
【0015】
図1は、本開示の実施の形態に係るライブ配信システム1の構成を示す模式図である。ライブ配信システム1は、配信者(ライバー、ストリーマ(Streamer)ともいう)LVと視聴者(オーディエンスともいう)AU(AU1、AU2、…)とがリアルタイムでやりとりできる双方向型のライブ配信サービスを提供する。図1に示すように、ライブ配信システム1は、サーバ10と、配信者側のユーザ端末20と、視聴者側のユーザ端末30(30a、30b、…)と、を備える。ライブ配信を配信している配信者、ライブ配信を視聴している視聴者の他に、ライブ配信プラットフォームにログインしたが配信も視聴もしていないユーザもいる。このようなユーザをアクティブユーザという。配信者、視聴者およびアクティブユーザをユーザと総称することがある。サーバ10は、ネットワークNWに接続された一または複数の情報処理装置によって構成されてもよい。ユーザ端末20、30は例えばスマートフォンやタブレット型端末やラップトップPCやレコーダや携帯型ゲーム機やウェアラブル装置などの携帯端末であってもよいし、デスクトップPCなどの据え置き型の装置であってもよい。サーバ10、ユーザ端末20およびユーザ端末30は、有線または無線の各種ネットワークNWにより互いに通信可能に接続される。
【0016】
ライブ配信システム1には、配信者LVと、視聴者AUと、サーバ10を管理する管理者(不図示)と、が関与する。配信者LVは、自分の歌や、トーク、パフォーマンス、占い、ゲーム実況などのコンテンツを自身のユーザ端末20で録音・録画してそのままサーバ10にアップロードすることで、リアルタイムにコンテンツを発信する者である。管理者は、サーバ10においてコンテンツのライブ配信のためのプラットフォームを提供し、また、配信者LVと視聴者AUとのリアルタイムのやりとりを仲介または管理する。視聴者AUは、ユーザ端末30でプラットフォームにアクセスして所望のコンテンツを選択し、視聴する。このコンテンツのライブ配信中に視聴者AUがユーザ端末30を介してコメントをしたり応援したり占いを依頼したりするための操作を行い、当該コンテンツを提供する配信者LVがそのようなコメントや応援や依頼に反応し、当該反応が映像および/または音声で視聴者AUに伝わることで、双方向のコミュニケーションが成立する。
【0017】
本明細書において「ライブ配信」は、配信者LVのユーザ端末20で録音・録画されたコンテンツが実質的にリアルタイムで視聴者AUのユーザ端末30で再生され視聴可能となる状態を実現するデータの伝送態様を意味するものであってもよく、またはそのような伝送態様により実現される配信そのものを意味してもよい。ライブ配信は、HTTP Live StreamingやCommon Media Application FormatやWeb Real-Time CommunicationsやReal-Time Messaging ProtocolやMPEG DASHなどの既存のライブ配信技術を用いて実現されてもよい。ライブ配信は、配信者LVがコンテンツを録音・録画しているときに、視聴者AUが所定の遅延をもって当該コンテンツを視聴可能な伝送態様を含む。遅延の大きさについて、少なくとも、配信者LVと視聴者AUとのやりとりが成立する程度の大きさの遅延は許される。ただし、ライブ配信は、コンテンツを録音・録画したデータ全体をいったんサーバに保存し、その後の任意のタイミングでユーザからの求めに応じて当該データをサーバからユーザに提供するいわゆるオンデマンド型の配信とは区別される。過去のライブ配信すなわちアーカイブの提供は、オンデマンド型の配信に属する。
【0018】
本明細書において「動画データ」は、ユーザ端末20、30の撮像機能により生成される画像データ(ビデオデータともいう)と、ユーザ端末20、30の音声入力機能により生成される音声データ(オーディオデータともいう)と、を含むデータである。動画データは、ユーザ端末20、30で再生されることで、ユーザによるコンテンツの視聴を可能とする。本実施の形態では、動画データが配信者のユーザ端末で生成されてから視聴者のユーザ端末で再生されるまでの間に、圧縮や伸張や符号化や復号やトランスコーディングなどの、データの形式やサイズや仕様を変更する処理が行われることが想定されている。このような処理の前後で動画データが表す内容(例えば、動画像や音声)は実質的に変わらないので、本実施の形態ではそのような処理が行われた後の動画データはそのような処理が行われる前の動画データと同じであるとして説明する。すなわち、動画データが配信者のユーザ端末で生成されてからサーバ10を経由して視聴者のユーザ端末で再生される場合、配信者のユーザ端末で生成された動画データと、サーバ10を通過する動画データと、視聴者のユーザ端末で受信されて再生される動画データと、は全て同じ動画データである。
【0019】
図1の例では、配信者LVがトークをライブ配信している。配信者LVのユーザ端末20はトークを行っている配信者LVの像および音声を録画・録音することで動画データを生成し、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。併せてユーザ端末20は、録画された配信者LVの動画像VDをユーザ端末20のディスプレイに表示させることで、配信者LVによる配信内容の確認を可能とする。
【0020】
配信者LVのライブ配信の視聴をプラットフォームに要求した視聴者AU1、AU2のユーザ端末30a、30bはそれぞれ、ネットワークNWを介してライブ配信に係る動画データを受信し、受信した動画データを再生することでディスプレイに動画像VD1、VD2を表示させると共にスピーカーから音声を出力する。各ユーザ端末30a、30bで表示される動画像VD1、VD2は配信者LVのユーザ端末20が撮像した動画像VDと実質的に同一であり、各ユーザ端末30a、30bで出力される音声も配信者LVのユーザ端末20が録音した音声と実質的に同一である。
【0021】
配信者LVのユーザ端末20における録音・録画と、視聴者AU1、AU2のユーザ端末30a、30bにおける動画データの再生と、は実質的に同時に行われる。配信者LVのトークの内容についてひとりの視聴者AU1がコメントをユーザ端末30aに入力すると、サーバ10は当該コメントをリアルタイムで配信者LVのユーザ端末20に表示させると共に各視聴者AU1、AU2のユーザ端末30a、30bにも表示させる。当該コメントを読んだ配信者LVがその内容に被せたトークを展開すると、そのトークの動画像と音声が各視聴者AU1、AU2のユーザ端末30a、30bで出力され、これにより配信者LVと視聴者AU1との会話が成立したと認識される。このように、ライブ配信システム1では、一方通行でない双方向のコミュニケーションを可能とするライブ配信が実現される。
【0022】
図2は、図1のユーザ端末20の機能および構成を示すブロック図である。ユーザ端末30はユーザ端末20と同様の機能および構成を有する。図2および以後のブロック図に示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組み合せによっていろいろなかたちで実現できることは、本明細書に触れた当業者には理解されるところである。
【0023】
配信者LVおよび視聴者AUは、ダウンロードサイトからネットワークNWを介して、本実施の形態に係るライブ配信アプリケーションプログラム(以下、ライブ配信アプリという)をユーザ端末20、30にダウンロードし、インストールする。あるいはまた、ライブ配信アプリはユーザ端末20、30にプリインストールされていてもよい。ライブ配信アプリがユーザ端末20、30により実行されることにより、ユーザ端末20、30はネットワークNWを介してサーバ10と通信し、各種機能を実現する。以下、ユーザ端末20、30(のCPUなどのプロセッサ)がライブ配信アプリを実行することにより実現する機能をユーザ端末20、30の機能として説明する。それらの機能は実際はライブ配信アプリがユーザ端末20、30に実現させる機能である。なお、他の実施の形態では、これらの機能は、サーバ10からユーザ端末20、30のウェブブラウザにネットワークNWを介して送信され、そのウェブブラウザによって実行される、HTML(HyperText Markup Language)などのプログラミング言語により記述されたコンピュータプログラムにより実現されてもよい。
【0024】
ユーザ端末20は、ユーザの像および音声を記録した動画データを生成してサーバ10に提供する配信部100と、サーバ10から動画データを取得して再生する視聴部200と、アクティブユーザによる要求を処理する配信外処理部400と、ギフトのエフェクトのデータを保持するエフェクトDB500と、を備える。エフェクトは、静止画像、動画像、アニメーション、音声等である。ユーザは、配信を行う場合は配信部100を、視聴を行う場合は視聴部200を、視たいライブ配信を探したり配信者のプロフィールを視たりアーカイブを視たりする場合は配信外処理部400を、それぞれ起動する。配信部100がアクティブとなっているユーザ端末は配信者側、つまり動画データの生成側のユーザ端末であり、視聴部200がアクティブとなっているユーザ端末は視聴者側、つまり動画データの再生側のユーザ端末であり、配信外処理部400がアクティブとなっているユーザ端末はアクティブユーザのユーザ端末である。
【0025】
配信部100は、撮像制御部102と、音声制御部104と、動画送信部106と、配信側UI制御部108と、配信側通信部110と、を含む。撮像制御部102は図2では不図示のカメラと接続され、カメラによる撮像を制御する。撮像制御部102はカメラから画像データを取得する。音声制御部104は図2では不図示のマイクロフォンと接続され、マイクロフォンによる音声入力を制御する。音声制御部104は、マイクロフォンから音声データを取得する。動画送信部106は、撮像制御部102により取得された画像データおよび音声制御部104により取得された音声データを含む動画データを、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。動画送信部106による動画データの送信はリアルタイムで行われる。すなわち、撮像制御部102および音声制御部104による動画データの生成と、生成された動画データの動画送信部106による送信と、は実質的に同時に行われる。
【0026】
配信側UI制御部108は、配信者向けのUIを制御する。配信側UI制御部108は、図2では不図示のディスプレイと接続され、動画送信部106による送信対象となっている動画データを再生することにより動画像をディスプレイに表示させる。配信側UI制御部108は、図2では不図示のタッチパネルやキーボードやディスプレイなどの入力手段と接続され、それら入力手段を介して配信者による入力を取得する。配信側UI制御部108は、動画像に所定のフレーム画像を重畳させる。フレーム画像は、配信者から入力を受け付けるための様々なユーザインタフェースオブジェクト(以下、単にオブジェクトという)と、視聴者により入力されたコメントと、サーバ10から取得した情報と、を含む。配信側UI制御部108は例えば配信者によるオブジェクトに対するタップ入力を受け付ける。
【0027】
配信側通信部110は、ライブ配信中のサーバ10との間の通信を制御する。配信側通信部110は、配信側UI制御部108が取得した配信者による入力の内容を、サーバ10にネットワークNWを介して送信する。配信側通信部110は、ライブ配信に関連付けられた各種の情報をサーバ10からネットワークNWを介して受信する。
【0028】
視聴部200は、視聴側UI制御部202と、視聴側通信部204と、を含む。視聴側通信部204は、ライブ配信中のサーバ10との間の通信を制御する。視聴側通信部204は、ネットワークNWを介してサーバ10から、配信者と視聴者とが参加するライブ配信に係る動画データを受信する。
【0029】
視聴側UI制御部202は、視聴者向けのUIを制御する。視聴側UI制御部202は、図2では不図示のディスプレイおよびスピーカと接続され、受信された動画データを再生することにより動画像をディスプレイに表示させると共に音声をスピーカから出力させる。ディスプレイに画像が出力されると共にスピーカから音声が出力されることを、合わせて「動画データが再生」されていると言うことができる。視聴側UI制御部202は、図2では不図示のタッチパネルやキーボードやディスプレイなどの入力手段と接続され、それら入力手段を介して視聴者による入力を取得する。視聴側UI制御部202は、サーバ10から取得された動画データの画像に所定のフレーム画像を重畳させる。フレーム画像は、視聴者から入力を受け付けるための様々なオブジェクトと、視聴者により入力されたコメントと、サーバ10から取得した情報と、を含む。視聴側通信部204は、視聴側UI制御部202が取得した視聴者による入力の内容を、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。
【0030】
配信外処理部400は、配信外UI制御部402と、配信外通信部404と、を含む。配信外UI制御部402は、アクティブユーザ向けのUIを制御する。例えば、配信外UI制御部402は、現在参加可能なライブ配信のリストを表示してアクティブユーザによるライブ配信の選択を受け付けるライブ配信選択画面を生成し、ディスプレイに表示させる。配信外UI制御部402は、任意のユーザのプロフィール画面を生成し、ディスプレイに表示させる。配信外UI制御部402は、プロフィール画面において、現在視聴可能なアーカイブのリストを表示してアクティブユーザによるアーカイブの選択を受け付ける。
【0031】
配信外通信部404は、ライブ配信外のサーバ10との間の通信を制御する。配信外通信部404は、ネットワークNWを介してサーバ10から、ライブ配信選択画面を生成するための情報や、プロフィール画面を生成するための情報や、アーカイブのデータを受信する。配信外通信部404は、アクティブユーザによる入力の内容を、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。
【0032】
配信外通信部404は、選択されたアーカイブの視聴要求を生成し、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。配信外通信部404は、視聴要求に対応するアーカイブの動画データおよびインタラクションデータを受信する。配信外UI制御部402は、受信した動画データを再生することでアーカイブの動画像をディスプレイに表示させ、音声をスピーカーに出力させる。併せて配信外UI制御部402は、インタラクションデータで指定されるインタラクション、すなわちギフトのエフェクトおよびコメントをディスプレイに表示させる。詳細は後述する。
【0033】
図3は、図1のサーバ10の機能および構成を示すブロック図である。サーバ10は、配信情報提供部302と、中継部304と、ギフト処理部308と、支払い処理部310と、アーカイブ視聴要求受付部322と、インタラクションデータ生成部324と、アーカイブ提供部326と、アーカイブ生成部334と、ストリームDB314と、ユーザDB318と、ギフトDB320と、アーカイブDB328と、ギフト履歴DB330と、コメント履歴DB332と、を備える。
【0034】
図4は、図3のストリームDB314の一例を示すデータ構造図である。ストリームDB314は現在行われているライブ配信の情報を保持する。ストリームDB314は、ライブ配信システム1が提供するライブ配信プラットフォームにおいてライブ配信を特定するストリームIDと、当該ライブ配信の配信者を特定するユーザIDである配信者IDと、当該ライブ配信の視聴者を特定するユーザIDである視聴者IDと、を対応付けて保持する。
【0035】
本実施の形態に係るライブ配信システム1が提供するライブ配信プラットフォームでは、ユーザがライブ配信を行う場合そのユーザは配信者となり、また同じユーザが他のユーザが配信するライブ配信を視聴する場合は視聴者となる。したがって、配信者・視聴者の別は固定的なものではなく、あるとき配信者IDとして登録されていたユーザIDが別のタイミングでは視聴者IDとして登録されることもある。
【0036】
図5は、図3のユーザDB318の一例を示すデータ構造図である。ユーザDB318は、ユーザに関する情報を保持する。ユーザDB318は、ユーザを特定するユーザIDと、当該ユーザが有しているポイントと、当該ユーザに付与された報酬と、を対応付けて保持する。
【0037】
ポイントは、ライブ配信プラットフォーム内で流通する電子的価値である。ユーザはクレジットカードや他の決済手段によりポイントを購入する。報酬はライブ配信プラットフォーム内で定義される電子的価値であり、配信者がライブ配信プラットフォームの管理者から受け取る金銭の額を決めるための指標である。ライブ配信プラットフォームでは、ライブ配信内やライブ配信外で視聴者が配信者にギフトを贈ると、視聴者のポイントが消費され、併せて配信者の報酬が相応分だけ増加する。
【0038】
図6は、図3のギフトDB320の一例を示すデータ構造図である。ギフトDB320は、ライブ配信において視聴者が使用可能なギフトに関する情報を保持する。ギフトは、以下の特徴を有する電子データである。
・ポイントや金銭を対価として購入可能、または無料で付与可能。
・視聴者が配信者に贈ることができるもの。配信者にギフトを贈ることを、ギフトを使用する、またはギフトを投げるともいう。
・ギフトの購入と使用とがセットで同時に発生するタイプのものもあれば、購入した後、視聴者が任意のタイミングで使用可能なタイプのものもある。
・視聴者が配信者にギフトを贈ると、その配信者に相応の報酬が付与される。
・ギフトが使用された場合、ギフトに関連付けられた効果が生じることがある。例えば、ギフトに対応するエフェクトがライブ配信ルーム画面に表れる。
【0039】
ギフトDB320は、ギフトを特定するギフトIDと、当該ギフトを配信者に贈った場合に当該配信者に付与される報酬である付与報酬と、当該ギフトを使用する際に支払うべき対価である対価ポイントと、当該ギフトの種別と、当該ギフトの使用可能期限と、を対応付けて保持する。視聴者は、ライブ配信の視聴中に、所望のギフトの対価ポイントを支払うことで配信者に当該ギフトを贈ることができる。この対価ポイントの支払いは適宜の電子的決済手段により行われてもよく、例えば対価ポイントを視聴者が管理者に支払うことで行われてもよい。あるいはまた、銀行振込やクレジットカードによる支払いが用いられてもよい。付与報酬と対価ポイントとの関係は管理者が任意に設定可能である。例えば、付与報酬=対価ポイントに設定してもよい。または付与報酬に1.2などの所定の係数を乗じて得られるポイントを対価ポイントに設定してもよいし、付与報酬に所定の手数料ポイントを加算して得られるポイントを対価ポイントに設定してもよい。
【0040】
ギフトの種別には「通常」と「制限」とがある。通常ギフトは使用に制限のないギフトである。制限ギフトは、契約等により使用可能期限が定められているギフトである。ライブ配信時においてもアーカイブの再生時においても、使用可能期限を過ぎた制限ギフトの使用は制限される。本実施の形態では、ライブ配信時と当該ライブ配信のアーカイブ再生時のいずれにおいてもギフトDB320を参照してギフトの期限を確認することで、そのような制限を実現する。図6の例では、2022年12月30日のライブ配信ではギフト「TE01」を使用することができるが、2023年1月10日に当該ライブ配信のアーカイブを再生する際にはギフト「TE01」のエフェクトは表示されない。ギフトの種別および使用可能期限は、ライブ配信プラットフォームの管理者により設定されてもよい。
【0041】
ギフトの制限の態様として、制限対象のギフトの使用を禁止する、制限対象のギフトのエフェクトの表示を禁止する、制限対象のギフトを使用可能ギフトのリストから除く、制限対象のギフトを使用できるユーザを限定する、制限対象のギフトのエフェクトを他のエフェクトで置き換える、制限対象のギフトのエフェクトにマスクを適用する、などがある。本実施の形態では、アーカイブの再生時に制限対象のギフトのエフェクトの表示が禁止される。言い換えると、制限対象のギフトのエフェクトは表示されなくなる。併せて制限対象のギフトに関するコメントから、当該ギフトの名称が除去される。
【0042】
図7は、図3のアーカイブDB328の一例を示すデータ構造図である。アーカイブDB328は、アーカイブのメタデータと当該アーカイブの動画データとを対応付けて保持する。アーカイブDB328は、アーカイブを特定するアーカイブIDと、当該アーカイブの元となったライブ配信の配信者の配信者IDと、当該アーカイブの元となったライブ配信のストリームIDと、当該アーカイブの元となったライブ配信の配信日時と、当該アーカイブの動画データと、を対応付けて保持する。
【0043】
図8は、図3のギフト履歴DB330の一例を示すデータ構造図である。ギフト履歴DB330は、ライブ配信内やライブ配信外で使用されたギフトの情報を保持する。ギフト履歴DB330は、どのライブ配信またはアーカイブにおいてどのギフトがいつ使用されたかを記録する。特にギフト履歴DB330は、過去のライブ配信内で使用されたギフトの情報を保持する。ギフト履歴DB330は、ギフトが使用されたライブ配信のストリームIDまたはギフトが使用されたアーカイブのアーカイブIDと、当該ギフトのギフトIDと、当該ギフトのエフェクトが配信者のユーザ端末において表示された時刻である表示時刻と、を対応付けて保持する。表示時刻は対応するライブ配信またはアーカイブの開始時刻を0とする。
【0044】
図9は、図3のコメント履歴DB332の一例を示すデータ構造図である。コメント履歴DB332は、ライブ配信内やライブ配信外で参加者(配信者や視聴者)によって入力されたコメントの情報を保持する。コメント履歴DB332は、コメントが入力されたライブ配信のストリームIDまたはコメントが入力されたアーカイブのアーカイブIDと、当該コメントの入力者のユーザIDである投稿者IDと、当該コメントと、当該コメントが配信者のユーザ端末において表示された時刻である表示時刻と、を対応付けて保持する。
【0045】
図3に戻り、配信情報提供部302は、ネットワークNWを介して、配信者のユーザ端末20からライブ配信を開始する旨の通知を受けると、当該ライブ配信を特定するストリームIDと、当該ライブ配信の配信者の配信者IDと、をストリームDB314に登録する。配信情報提供部302は、ネットワークNWを介して、アクティブユーザのユーザ端末の配信外通信部404からライブ配信に関する情報の提供要求を受けると、ストリームDB314を参照して現在視聴可能なライブ配信のリストを生成する。配信情報提供部302は、ネットワークNWを介して、生成されたリストを要求元のユーザ端末に送信する。要求元のユーザ端末の配信外UI制御部402は、受信したリストに基づいてライブ配信選択画面を生成し、ユーザ端末のディスプレイに表示させる。
【0046】
ユーザ端末の配信外UI制御部402は、ライブ配信選択画面におけるアクティブユーザによるライブ配信の選択を受け付けると、選択されたライブ配信のストリームIDを含む配信要求を生成し、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。配信情報提供部302は、受信した配信要求に含まれるストリームIDにより特定されるライブ配信の、要求元のユーザ端末への提供を開始する。配信情報提供部302は、当該ストリームIDに対応する視聴者IDに、要求元のユーザ端末のアクティブユーザのユーザIDが含まれるようにストリームDB314を更新する。これにより、アクティブユーザは選択されたライブ配信の視聴者となる。
【0047】
中継部304は、配信情報提供部302によって開始されたライブ配信において、配信者のユーザ端末20から視聴者のユーザ端末30への動画データの伝送を中継する。中継部304は、ライブ配信中すなわち動画データの再生中における視聴者によるユーザ入力を示す信号を視聴側通信部204から受信する。ユーザ入力を示す信号は、ユーザ端末30のディスプレイに表示されたオブジェクトの指定を示すオブジェクト指定信号であってもよく、当該オブジェクト指定信号は、視聴者の視聴者IDと、視聴者が視聴しているライブ配信を行っている配信者の配信者IDと、オブジェクトを特定するオブジェクトIDと、を含む。オブジェクトがギフトアイコンである場合、オブジェクトIDはギフトIDとなる。その場合のオブジェクト指定信号は、視聴者による配信者に対するギフトの使用を示すギフト使用信号となる。同様に、中継部304は、動画データの再生中における配信者によるユーザ入力を示す信号、例えばオブジェクト指定信号をユーザ端末20の配信部100の配信側通信部110から受信する。ユーザ端末におけるギフト使用信号の生成と送信は、例えば特許第7071718号公報に記載される技術を用いて実現されてもよい。
【0048】
ギフト処理部308は、ギフト使用信号に含まれるギフトIDで特定されるギフトの付与報酬に応じて配信者の報酬を増加させるようにユーザDB318を更新する。ギフト処理部308は、ギフトDB320を参照し、受信したギフト使用信号に含まれるギフトIDに対応する付与報酬を特定する。ギフト処理部308は、ギフト使用信号に含まれる配信者IDに対応する報酬に、特定された付与報酬を加えるようユーザDB318を更新する。
【0049】
支払い処理部310は、ギフト使用信号の受信に応じて、視聴者によるギフトの対価の支払いを処理する。支払い処理部310は、ギフトDB320を参照し、ギフト使用信号に含まれるギフトIDで特定されるギフトの対価ポイントを特定する。支払い処理部310は、ギフト使用信号に含まれる視聴者IDで特定される視聴者のポイントから特定された対価ポイントを差し引くようユーザDB318を更新する。
【0050】
アーカイブ生成部334は、ライブ配信の動画データを取得してアーカイブDB328に登録することでアーカイブを生成する。アーカイブ生成部334は、配信者のユーザ端末20からライブ配信を開始する旨の通知を受けると、当該ユーザ端末20から提供される当該ライブ配信の動画データの記録を開始する。アーカイブ生成部334は、当該ライブ配信が終了すると、当該ライブ配信のメタデータ(アーカイブID、配信者ID、ストリームID、配信日時)とそれまで記録した動画データとを対応付けてアーカイブDB328に登録する。
【0051】
アーカイブ生成部334は、ライブ配信内やライブ配信外(例えば、アーカイブ視聴中)でギフトの使用が発生した場合、使用されたギフトの情報をギフト履歴DB330に登録する。アーカイブ生成部334は、ギフト使用信号が受信されると、ギフトが使用されたライブ配信のストリームIDまたはアーカイブのアーカイブIDと、ギフト使用信号に含まれるギフトIDと、ギフト使用信号を受信した時刻と、を対応付けてギフト履歴DB330に登録する。サーバ10は、ギフト使用信号を受信した時刻を、対応するギフトが表示される表示時刻と解釈する。
【0052】
アーカイブ生成部334は、ライブ配信内やライブ配信外(例えば、アーカイブ視聴中)で入力されたコメントの情報をコメント履歴DB332に登録する。ライブ配信の参加者のユーザ端末においてコメントが入力されると、ユーザ端末は当該ライブ配信のストリームIDと当該参加者のユーザIDと入力されたコメントとを含むコメント入力信号を生成し、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。アーカイブ生成部334は、コメント入力信号が受信されると、当該信号に含まれるストリームIDと、当該信号に含まれるユーザIDと、当該信号に含まれるコメントと、当該信号を受信した時刻と、を対応付けてコメント履歴DB332に登録する。コメント入力信号に含まれるユーザIDは投稿者IDとして登録される。サーバ10は、コメント入力信号を受信した時刻を、対応するコメントが表示される表示時刻と解釈する。アーカイブ視聴中に入力されたコメントも同様にコメント履歴DB332に登録される。
【0053】
アーカイブ視聴要求受付部322は、ネットワークNWを介してアクティブユーザのユーザ端末から、アーカイブに対する視聴要求であるアーカイブ視聴要求を受け付ける。アーカイブ視聴要求は、アクティブユーザが視聴を希望するアーカイブのアーカイブIDを含む。
【0054】
インタラクションデータ生成部324およびアーカイブ提供部326は合わせて、アーカイブ視聴要求受付部322によってアーカイブ視聴要求が受け付けられると、アーカイブ視聴要求に含まれるアーカイブIDで特定されるアーカイブの元となったライブ配信内で行われたインタラクションのうち制限基準を充たすインタラクションの出力が制限されるように、アーカイブ視聴要求に対する提供データを生成する。インタラクションは、ライブ配信内で参加者が使用するギフトと、ライブ配信内で表示されるコメントと、を含む。ギフトについて、インタラクションデータ生成部324およびアーカイブ提供部326は合わせて、ギフトのタイプが制限タイプであり、かつ、アーカイブ視聴要求の受け付け時にギフトの使用可能期限が過ぎている場合に当該ギフトの出力が制限されるように提供データを生成する。
【0055】
インタラクションデータ生成部324は、受け付けられたアーカイブ視聴要求に含まれるアーカイブIDで特定されるアーカイブに対応するインタラクションデータを生成する。図10は、インタラクションデータ340の一例を示すデータ構造図である。インタラクションデータ340は、対応するアーカイブの元となったライブ配信内で使用されたギフトの情報と、当該ライブ配信内で表示されたコメントの情報と、を含む。インタラクションデータ340は、インタラクション(ギフトまたはコメント)の表示時刻と、インタラクションがギフトであればそのギフトIDと、インタラクションがコメントであればそのコメントおよび投稿者IDと、を対応付けて保持する。インタラクションデータ340は表示時刻の昇順または降順にソートされていてもよい。
【0056】
インタラクションデータ生成部324は、アーカイブDB328を参照することで、受け付けられたアーカイブ視聴要求に含まれるアーカイブIDに対応するストリームIDを特定する。インタラクションデータ生成部324は、ギフト履歴DB330を参照することで、特定されたストリームIDに対応するギフトIDおよび表示時刻を特定する。インタラクションデータ生成部324は、特定されたギフトIDのそれぞれについて、ギフトDB320を参照することで、当該ギフトIDで特定されるギフトの種別を判定する。インタラクションデータ生成部324は、ギフトの種別が制限である場合、使用可能期限を過ぎているか否かを判定する。図6の例では、インタラクションデータ生成部324は、制限タイプのギフト「TE01」について、現在(すなわち、アーカイブ視聴要求を受け付けた時刻)が2022年12月25日であれば使用可能期限(2022年12月31日 11:59)を過ぎていないと判定し、現在が2023年1月1日であれば使用可能期限を過ぎていると判定する。インタラクションデータ生成部324は、ギフトの種別が通常である場合、またはギフトの種別が制限であって使用可能期限を過ぎていない場合、判定対象のギフトIDおよび表示時刻をインタラクションデータ340に登録する。
【0057】
インタラクションデータ生成部324は、ギフトの種別が制限であって使用可能期限を過ぎている場合、判定対象のギフトIDをインタラクションデータ340に登録しない。これにより、要求元のユーザ端末におけるアーカイブの再生時に、判定対象のギフトのエフェクトの出力が制限されることとなる。併せてインタラクションデータ生成部324は、判定対象のギフトの使用に対応するコメントを当該ギフトが同定されないように変更する。インタラクションデータ生成部324は、コメント履歴DB332を参照することで、特定されたストリームIDに対応するコメントを特定する。インタラクションデータ生成部324は、特定されたコメントのそれぞれについて、判定対象のギフトの名称が含まれているか否かを判定する。含まれている場合、インタラクションデータ生成部324は判定対象のギフトの名称を固定の文字列(例えば、「期限切れギフト」)で置き換える。
【0058】
インタラクションデータ生成部324は、コメント履歴DB332を参照することで、特定されたストリームIDに対応するコメントと投稿者IDと表示時刻とを特定する。インタラクションデータ生成部324は、特定されたコメントのそれぞれについて、投稿者IDが制限対象になっているか否かを判定する。インタラクションデータ生成部324は、制限対象になっていない場合、そのコメントが制限対象ワードを含むか否かを判定する。インタラクションデータ生成部324は、判定対象のコメントの投稿者IDが制限対象になっておらず、かつ、制限対象ワードを含まない場合、判定対象のコメントおよびそれに対応付けられた投稿者ID、表示時刻をインタラクションデータ340に登録する。インタラクションデータ生成部324は、コメントの投稿者IDが制限対象になっている場合、またはコメントが制限対象ワードを含む場合、判定対象のコメントをインタラクションデータ340に登録しない。これにより、要求元のユーザ端末におけるアーカイブの再生時に、判定対象のコメントの出力が制限されることとなる。
【0059】
インタラクションデータ生成部324は、ギフト履歴DB330およびコメント履歴DB332を参照することで、受け付けられたアーカイブ視聴要求に含まれるアーカイブIDに対応するギフトおよびコメントを特定する。インタラクションデータ生成部324は特定されたギフトおよび特定されたコメントについて上記と同様の判定処理および登録・不登録処理を行う。なお、設定によりアーカイブ視聴中に使用されたギフトや入力されたコメントを非表示とできる。この場合、上記のアーカイブIDに対応するギフトやコメントの特定は行われない。これにより、アーカイブ視聴要求が受け付けられたとき、同じアーカイブに対する別のアーカイブ視聴要求に関連付けて使用されたギフトまたは入力されたコメントもしくはその両方の出力が制限される。
【0060】
アーカイブ提供部326は、受け付けられたアーカイブ視聴要求に含まれるアーカイブIDで特定されるアーカイブの動画データをアーカイブDB328から取得する。アーカイブ提供部326は、取得された動画データとインタラクションデータ生成部324によって生成されたインタラクションデータ340とを合わせて提供データを生成する。アーカイブ提供部326は、ネットワークNWを介して要求元のユーザ端末に提供データを送信する。要求元のユーザ端末の配信外UI制御部402は、受信した提供データに含まれる動画データを再生する際、同じ提供データに含まれるインタラクションデータ340で指定された表示時刻に、指定されたギフトのエフェクトまたはコメントをディスプレイに表示させる。配信外UI制御部402は、ギフトIDに対応するギフトのエフェクトのデータをエフェクトDB500から取得する。
【0061】
以上の構成によるライブ配信システム1の動作を説明する。
図11は、アーカイブの視聴を開始するときのライブ配信システム1における一連の処理の流れを示すフローチャートである。サーバ10は、アクティブユーザのユーザ端末からネットワークNWを介してアーカイブ視聴要求を受信する(S202)。サーバ10は、受信されたアーカイブ視聴要求に含まれるアーカイブIDを抽出することで、要求されたアーカイブを特定する(S204)。サーバ10は、特定されたアーカイブで表示されるべきギフトおよびコメントを特定する(S206)。
【0062】
サーバ10は、ステップS206で特定されたギフトが全て処理されるまで以下の処理を繰り返す。サーバ10は、処理対象のギフトが制限ギフトか否かを判定する(S208)。制限ギフトである場合(S208のY)、サーバ10は、処理対象のギフトの使用可能期限が過ぎているか否かを判定する(S210)。使用可能期限を過ぎている場合(S210のY)、サーバ10は、処理対象の義夫とをインタラクションデータに含めない(S212)。サーバ10は、処理対象のギフトに対応するコメントを制限コメントに置き換える(S214)。制限コメントは、ギフトを特定可能な文言を含まないコメントである。ステップS208において制限ギフトでないと判定された場合(S208のN)またはステップS210において使用可能期限を過ぎていないと判定された場合(S210のN)、サーバ10は、処理対象のギフトをインタラクションデータに含める(S216)。
【0063】
サーバ10は、ステップS206で特定されたコメントが全て処理されるまで以下の処理を繰り返す。サーバ10は、処理対象のコメントを制限するか否かを判定する(S218)。サーバ10は処理対象のコメントの投稿者が制限対象となっている場合、または、処理対象のコメントが制限対象ワードを含む場合、処理対象のコメントを制限すると判定する。そうでなければサーバ10は処理対象のコメントを制限しないと判定する。制限すると判定された場合(S218のY)、サーバ10は処理対象のコメントをインタラクションデータに含めない(S220)。制限しないと判定された場合(S218のN)、サーバ10は処理対象のコメントをインタラクションデータに含める(S222)。
【0064】
サーバ10は、特定された全てのギフトおよびコメントが処理されると、ステップS204で特定されたアーカイブの動画データとインタラクションデータとを含む提供データを生成し、ネットワークNWを介して要求元のユーザ端末に送信する(S224)。
【0065】
図12は、アクティブユーザのユーザ端末のディスプレイに表示されるプロフィール画面660の代表画面図である。アクティブユーザはユーザ端末を操作して興味のある配信者を指定する。ユーザ端末の配信外通信部404はサーバ10と通信することで、指定された配信者のプロフィール情報およびアーカイブの情報を受信する。アーカイブの情報は、指定された配信者の配信者IDに対応するアーカイブIDを含む。サーバ10はアーカイブDB328を参照することでそのようなアーカイブIDを取得する。ユーザ端末の配信外UI制御部402は受信した情報に基づきプロフィール画面660を生成し、ディスプレイに表示させる。プロフィール画面660は、配信者のアイコン662と、当該配信者の属性などのプロフィール情報663と、当該配信者のアーカイブを表すサムネイル664と、を有する。
【0066】
ユーザ端末はプロフィール画面660においてアクティブユーザによるアーカイブの指定を受け付ける。アクティブユーザは所望のアーカイブのサムネイル664をタップする。配信外通信部404は、タップされたサムネイル664が表すアーカイブのアーカイブIDを含むアーカイブ視聴要求を生成し、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。配信外通信部404は、送信したアーカイブ視聴要求に対応する提供データをサーバ10からネットワークNWを介して受信する。配信外UI制御部402は、受信した提供データに基づきアーカイブ表示画面666を生成し、ディスプレイに表示させる。
【0067】
図13は、アクティブユーザのユーザ端末のディスプレイに表示される非表示モードのアーカイブ表示画面666の代表画面図である。アーカイブ表示画面666は、受信した提供データに含まれる動画データを再生することにより得られる配信者の過去の動画像668と、配信外ギフトオブジェクト670と、視聴終了ボタン672と、を有する。非表示モードではギフトのエフェクトもコメントも表示されない。
【0068】
図14は、アクティブユーザのユーザ端末のディスプレイに表示される表示モードのアーカイブ表示画面608の代表画面図である。図13の非表示モードのアーカイブ表示画面666と図14の表示モードのアーカイブ表示画面608とは、画面を横方向にスワイプすることで切り替わる。表示モードのアーカイブ表示画面608は、配信者の過去の動画像668と、配信外ギフトオブジェクト670と、視聴終了ボタン672と、コメント入力領域616と、コメント表示領域628と、エフェクト632と、を有する。アーカイブ表示画面608は、配信外UI制御部402が提供データに含まれる動画データを再生することにより得られる動画像668に、他のオブジェクト、すなわち配信外ギフトオブジェクト670、コメント入力領域616、コメント表示領域628、視聴終了ボタン630、エフェクト632、を重畳表示させることにより生成される。
【0069】
配信外ギフトオブジェクト670は、アーカイブの再生中に、当該アーカイブの元となったライブ配信の配信者に対する配信外ギフトの使用の指示を、アクティブユーザから受け付けるためのオブジェクトである。配信外ギフトオブジェクト670を通じて配信外ギフトが使用された場合、ギフト履歴DB330に対応するエントリが生成される。そのエントリは、配信外ギフトが使用されたアーカイブのアーカイブIDと、使用された配信外ギフトのギフトIDと、表示時刻と、を対応付けて保持する。
【0070】
コメント入力領域616は、アーカイブの再生中にコメントの入力を受け付けるための領域である。コメント入力領域616を通じてコメントが入力された場合、コメント履歴DB332に対応するエントリが生成される。そのエントリは、コメントが入力されたアーカイブのアーカイブIDと、コメントを入力したユーザのユーザID(投稿者ID)と、コメントと、表示時刻と、を対応付けて保持する。
【0071】
配信外UI制御部402は、提供データに含まれるインタラクションデータを読み込み、各インタラクションの表示時刻が到来するごとにそのインタラクションを出力する。図10のインタラクションデータ340の例では、配信外UI制御部402はアーカイブを再生開始してから1分25秒後に「こんにちは」というコメントをコメント表示領域628に表示させる。配信外UI制御部402は5分32秒後に「USR1がTT01を贈りました。」というコメント(図14のコメント634)をコメント表示領域628に表示させると共に、ギフト「TT01」のエフェクト(図14のエフェクト632)のデータをエフェクトDB500から読み出してアーカイブ表示画面608に表示させる。
【0072】
図15は、アクティブユーザのユーザ端末のディスプレイに表示される表示モードのアーカイブ表示画面608の代表画面図である。図10のインタラクションデータ340の例で、配信外UI制御部402は15分42秒後に「USR2が期限切れギフトを贈りました。」という制限コメント(図15のコメント650)をコメント表示領域628に表示させる。ギフトのエフェクトは表示されない。アーカイブの元となったライブ配信(図9の「ST22」)が行われていた当時、ライブ配信開始から15分42秒後にUSR2がギフト「TE01」を贈り、対応するエフェクトが配信者のユーザ端末および視聴者のユーザ端末に表示されていた。しかしながら、アーカイブを視聴している現在時点ではギフト「TE01」の使用可能期限が過ぎているので、サーバ10においてギフト「TE01」の情報がインタラクションデータ340に登録されず、対応するコメントもギフト「TE01」を特定できない制限コメント650に置換されている。その結果、表示モードのアーカイブ表示画面608において制限コメント650は表示されるがギフト「TE01」のエフェクトは表示されない。
【0073】
上述の実施の形態において、保持部の例は、ハードディスクや半導体メモリである。また、本明細書の記載に基づき、各部を、図示しないCPUや、インストールされたアプリケーションプログラムのモジュールや、システムプログラムのモジュールや、ハードディスクから読み出したデータの内容を一時的に記憶する半導体メモリなどにより実現できることは本明細書に触れた当業者には理解される。
【0074】
本実施の形態に係るライブ配信システム1によると、ライブ配信のアーカイブを提供する際、制限基準を充たすインタラクションを検出し、検出されたインタラクションの出力を制限することができる。これにより、よりきめ細かな対応が可能となる。例えば、ギフトのエフェクトに著作権等に係る契約に基づく使用可能期限が存在する場合、その使用可能期限を制限基準として設定することで、使用可能期限を過ぎた後のアーカイブ再生ではそのギフトのエフェクトを視聴不可とすることができる。あるいはまた、ライブ配信のイベント専用ギフトについて、イベント期間の終期を使用可能期限に設定することで、イベントが終わった後のアーカイブの視聴ではイベント専用ギフトを視聴不可とすることができる。
【0075】
また、本実施の形態に係るライブ配信システム1では、アーカイブ視聴時にギフトの出力が制限される場合、そのギフトに対応するコメントもギフトを特定できないように変更される。これにより、制限対象のギフトの秘匿性をより高めることができる。
【0076】
図16を参照して、本実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成について説明する。図16は、本実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。図示された情報処理装置900は、例えば、本実施の形態におけるサーバ10およびユーザ端末20、30のそれぞれを実現しうる。
【0077】
情報処理装置900は、CPU901、ROM(Read Only Memory)902、およびRAM(Random Access Memory)903を含む。また、情報処理装置900は、ホストバス907、ブリッジ909、外部バス911、インタフェース913、入力装置915、出力装置917、ストレージ装置919、ドライブ921、接続ポート925、通信装置929を含んでもよい。さらに、情報処理装置900は、カメラなどの撮像装置(不図示)を含む。また、情報処理装置900は、CPU901に代えて、またはこれとともに、DSP(Digital Signal Processor)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)と呼ばれるような処理回路を有してもよい。
【0078】
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、ROM902、RAM903、ストレージ装置919、またはリムーバブル記録媒体923に記録された各種プログラムに従って、情報処理装置900内の動作全般またはその一部を制御する。例えば、CPU901は、本実施の形態におけるサーバ10およびユーザ端末20、30のそれぞれに含まれる各機能部の動作全般を制御する。ROM902は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータなどを記憶する。RAM903は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータなどを一次記憶する。CPU901、ROM902、およびRAM903は、CPUバスなどの内部バスにより構成されるホストバス907により相互に接続されている。さらに、ホストバス907は、ブリッジ909を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス911に接続されている。
【0079】
入力装置915は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチおよびレバーなど、ユーザによって操作される装置であってもよいし、マイクロフォンなどの音センサ、加速度センサ、傾きセンサ、赤外線センサ、深度センサ、温度センサ、湿度センサなど物理量を電気信号に変換する装置であってもよい。入力装置915は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール装置であってもよいし、情報処理装置900の操作に対応した携帯電話などの外部接続機器927であってもよい。入力装置915は、ユーザが入力した情報または感知した物理量に基づいて入力信号を生成してCPU901に出力する入力制御回路を含む。ユーザは、この入力装置915を操作することによって、情報処理装置900に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりする。
【0080】
出力装置917は、取得した情報をユーザに対して視覚的または聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。出力装置917は、例えば、LCD、PDP、OELDなどのディスプレイ、スピーカおよびヘッドホンなどの音響出力装置、ならびにプリンタ装置などでありうる。出力装置917は、情報処理装置900の処理により得られた結果を、テキストまたは画像などの映像として出力したり、音響などの音として出力したりする。
【0081】
ストレージ装置919は、情報処理装置900の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置919は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などの磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイスなどにより構成される。このストレージ装置919は、CPU901が実行するプログラムや各種データ、および外部から取得した各種のデータなどを格納する。
【0082】
ドライブ921は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体923のためのリーダライタであり、情報処理装置900に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ921は、装着されているリムーバブル記録媒体923に記録されている情報を読み出して、RAM903に出力する。また、ドライブ921は、装着されているリムーバブル記録媒体923に記録を書き込む。
【0083】
接続ポート925は、機器を情報処理装置900に直接接続するためのポートである。接続ポート925は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポートなどでありうる。また、接続ポート925は、RS-232Cポート、光オーディオ端子、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)ポートなどであってもよい。接続ポート925に外部接続機器927を接続することで、情報処理装置900と外部接続機器927との間で各種のデータが交換されうる。
【0084】
通信装置929は、例えば、ネットワークNWに接続するための通信デバイスなどで構成された通信インタフェースである。通信装置929は、例えば、有線または無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、またはWUSB(Wireless USB)用の通信カードなどでありうる。また、通信装置929は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、または、各種通信用のモデムなどであってもよい。通信装置929は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、TCP/IPなどの所定のプロトコルを用いて信号などを送受信する。また、通信装置929に接続される通信ネットワークNWは、有線または無線によって接続されたネットワークであり、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信または衛星通信などである。なお、通信装置929は、通信部としての機能を実現する。
【0085】
カメラなどの撮像装置(不図示)は、例えばCCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子、および撮像素子への被写体像の結像を制御するためのレンズなどの各種の部材を用いて実空間を撮像し、撮像画像を生成する装置である。当該撮像装置は、静止画を撮像するものであってもよいし、または動画を撮像するものであってもよい。
【0086】
以上、実施の形態に係るライブ配信システム1の構成と動作について説明した。この実施の形態は例示であり、各構成要素や各処理の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解される。
【0087】
実施の形態では、サーバ10が制限対象のギフトのリスト(ギフトDB320)を有し、かつ、サーバ10がアーカイブ視聴要求に係るインタラクションの出力を制限するか否かを判定する場合を説明したが、これに限られない。例えば、アーカイブ視聴要求の送信元のユーザ端末が制限対象のギフトのリストを有し、かつ、当該ユーザ端末がアーカイブ視聴要求に係るインタラクションの出力を制限するか否かを判定してもよい。
【0088】
図17は、変形例に係る、アーカイブ視聴要求の送信元のユーザ端末が保持する制限ギフトリスト700の一例を示すデータ構造図である。制限ギフトリスト700は、ユーザ端末においてライブ配信アプリが起動されたときに、サーバ10からユーザ端末にネットワークNWを介して提供されてもよい。あるいはまた、制限ギフトリスト700は、アーカイブ視聴要求が発生したときに、サーバ10からユーザ端末にネットワークNWを介して提供されてもよい。制限ギフトリスト700は、制限対象のギフトのギフトIDと、当該ギフトの使用可能期限と、を対応付けて保持する。サーバ10は、ネットワークNWを介して周期的に制限ギフトリスト700を更新してもよい。
【0089】
本変形例では、ユーザ端末はアーカイブ視聴要求をサーバ10にネットワークNWを介して送信する。サーバ10はアーカイブ視聴要求を受け付けると、アーカイブDB328を参照することで、受け付けられたアーカイブ視聴要求に含まれるアーカイブIDに対応するストリームIDを特定する。サーバ10は、ギフト履歴DB330を参照することで、特定されたストリームIDに対応するギフトIDおよび表示時刻を特定する。サーバ10は、特定されたギフトIDおよび表示時刻をインタラクションデータに登録する。サーバ10は、受け付けられたアーカイブ視聴要求に含まれるアーカイブIDで特定されるアーカイブの動画データをアーカイブDB328から取得する。サーバ10は、取得された動画データとインタラクションデータとを合わせて提供データを生成する。サーバ10は、ネットワークNWを介して要求の送信元のユーザ端末に提供データを送信する。
【0090】
要求の送信元のユーザ端末は、提供データに含まれるアーカイブの動画データを再生する際、当該アーカイブの元となったライブ配信内で当時の参加者が使用したギフトに対応するエフェクトを出力するか否かを判定する。より具体的には、要求の送信元のユーザ端末は、提供データに含まれるインタラクションデータに含まれるギフトのそれぞれについて、表示時刻が到来すると、以下の判定処理を行う。ユーザ端末は、制限ギフトリスト700を参照し、表示時刻が到来したギフトのギフトIDが制限ギフトリスト700に存在するか否かを判定する。存在する場合、ユーザ端末は対応する使用可能期限が過ぎているか否かを判定する。使用可能期限が過ぎている場合、ユーザ端末は表示時刻が到来したギフトのエフェクトを表示しないと判定する。この場合、ユーザ端末は、使用可能期限が過ぎているギフトの使用に対応するコメントを制限コメントに置き換える。ギフトIDが制限ギフトリスト700に存在しない場合、または、存在しても使用可能期限を過ぎていない場合、ユーザ端末は表示時刻が到来したギフトのエフェクトを表示すると判定する。
【0091】
他の変形例では、サーバ10が制限対象のギフトのリスト(ギフトDB320)を有し、アーカイブ視聴要求の送信元のユーザ端末がアーカイブ視聴要求に係るインタラクションの出力を制限するか否かを判定してもよい。
【0092】
実施の形態では、処理対象のギフトのタイプを判定し、制限タイプであれば使用可能期限を確認する場合を説明したが、これに限られない。例えば、タイプを設けなくてもよい。この場合、インタラクションデータ生成部324はギフトDB320を参照し、処理対象のギフトに使用可能期限が設定されていればその使用可能期限が過ぎているか否かを判定する。あるいはまた、使用可能期限を設定すべきでないギフトについては使用可能期限をシステムの上限値に設定することができる。この場合、使用可能期限の設定の有無を確認する必要はない。
【0093】
あるいはまた、使用可能期限を設けなくてもよい。この場合、ギフトが制限タイプであればその出力が制限されることとなる。この場合、例えばリアルタイムのライブ配信でのみ視聴可能なギフト(アーカイブの視聴時には見ることのできないギフト)を設定することが可能となる。
【0094】
実施の形態では、アーカイブ視聴要求を受け付けると、要求されたアーカイブの元となったライブ配信で行われたインタラクションを全て抽出し、各インタラクションについて制限基準を充たすか否かを判定し、判定に基づきインタラクションデータを生成する場合を説明したが、これに限られない。例えば、アーカイブの提供中に周期的に(例えば10秒に1回、1分に1回等)次の期間のインタラクションを抽出し、抽出された各インタラクションが制限基準を充たすか判定してもよい。あるいはまた、アーカイブの提供中にインタラクションの表示時刻が到来するごとにそのインタラクションが制限基準を充たすか判定してもよい。
【0095】
実施の形態では、ギフトの出力が制限される場合、そのギフトに対応するコメントの内容を調整する場合を説明したが、これに限られず、対応するコメントを調整しなくてもよいし、対応するコメントを削除してもよい。
【0096】
実施の形態におけるギフトの対価ポイントから付与報酬への換算率は一例であって、これらは例えばライブ配信システムの管理者により適宜設定されてもよい。
【0097】
実施の形態に係る技術的思想を、配信者の画像の代わりに配信者の動きと同期した動きをするアバターを用いるバーチャルライブ配信や、ライブコマースに適用してもよい。
【0098】
本明細書において説明された処理手順、特にフロー図、フローチャートを用いて説明された処理手順においては、その処理手順を構成する工程(ステップ)の一部を省略すること、その処理手順を構成する工程として明示されていない工程を追加すること、及び/又は当該工程の順序を入れ替えることが可能であり、このような省略、追加、順序の変更がなされた処理手順も本開示の趣旨を逸脱しない限り本開示の範囲に含まれる。
【0099】
サーバ10により実現される機能の少なくとも一部は、サーバ10以外の装置、例えばユーザ端末20、30により実現されてもよい。ユーザ端末20、30により実現される機能の少なくとも一部は、ユーザ端末20、30以外の装置、例えば、サーバ10により実現されてもよい。例えば、視聴者のユーザ端末で行われる動画データの画像への所定のフレーム画像の重畳は、サーバ10で行われてもよいし、配信者のユーザ端末で行われてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2023-05-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
過去のライブ配信の動画データを保持する保持手段と、
過去のライブ配信に対する視聴要求が受け付けられると、当該ライブ配信内で行われたインタラクションのうち所定の基準を充たすインタラクションの出力が制限されるように、視聴要求に対する提供データを生成する生成手段と、を備え
インタラクションはライブ配信内で参加者が使用するギフトを含み、
前記生成手段は、ギフトのタイプが所定のタイプである場合に当該ギフトの出力が制限されるように提供データを生成するサーバ。
【請求項2】
過去のライブ配信の動画データを保持する保持手段と、
過去のライブ配信に対する視聴要求が受け付けられると、当該ライブ配信内で行われたインタラクションのうち所定の基準を充たすインタラクションの出力が制限されるように、視聴要求に対する提供データを生成する生成手段と、を備え、
インタラクションはライブ配信内で参加者が使用するギフトを含み、
ギフトには使用可能期限が設定され、
前記生成手段は、前記視聴要求の受け付け時にギフトの使用可能期限が過ぎていると、当該ギフトの出力が制限されるように提供データを生成するサーバ。
【請求項3】
インタラクションはライブ配信内で表示されるコメントを含み、
前記生成手段は、ギフトの出力が制限される場合に当該ギフトの使用に対応するコメントを当該ギフトが同定されないように変更する請求項またはに記載のサーバ。
【請求項4】
前記生成手段は、過去のライブ配信に対する視聴要求が受け付けられると、同じ過去のライブ配信に対する別の視聴要求に関連付けて使用されたギフトまたは入力されたコメントもしくはその両方の出力が制限されるように提供データを生成する請求項に記載のサーバ。
【請求項5】
過去のライブ配信内で使用されたギフトの情報を保持するギフト履歴保持手段と、
ギフトの使用可能期限を保持するギフト保持手段と、をさらに備え、
前記生成手段は、前記ギフト履歴保持手段を参照することで、前記視聴要求に係る過去のライブ配信内で使用されたギフトを特定し、
前記生成手段は、前記ギフト保持手段を参照することで、特定されたギフトの使用可能期限が過ぎているか否かを判定する請求項に記載のサーバ。
【請求項6】
過去のライブ配信に対する視聴要求をサーバにネットワークを介して送信する機能と、
前記視聴要求に対応する過去のライブ配信の動画データを再生する際、当該ライブ配信内で当時の参加者が使用したギフトに対応するエフェクトを出力するか否かを判定する機能と、を端末に実現させるためのコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記判定する機能は、ギフトの使用可能期限を保持する保持手段を参照する機能を含む請求項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
前記判定する機能は、ギフトの使用可能期限が過ぎている場合に当該ギフトに対応するエフェクトを出力しないと判定し、
前記コンピュータプログラムはさらに、
使用可能期限が過ぎているギフトの使用に対応するコメントを当該ギフトが同定されないように変更する機能を前記端末に実現させる請求項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
過去のライブ配信に対する視聴要求をサーバにネットワークを介して送信する手段と、
前記視聴要求に対応する過去のライブ配信の動画データを再生する際、当該ライブ配信内で当時の参加者が使用したギフトに対応するエフェクトを出力するか否かを判定する手段と、を備える端末。