(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116548
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】ガーメントケース
(51)【国際特許分類】
A47G 25/54 20060101AFI20240821BHJP
A45C 7/00 20060101ALI20240821BHJP
B65D 85/18 20060101ALI20240821BHJP
【FI】
A47G25/54
A45C7/00 G
B65D85/18 A
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022233
(22)【出願日】2023-02-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-06-18
(71)【出願人】
【識別番号】591168507
【氏名又は名称】株式会社 大丸松坂屋百貨店
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100133916
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 興
(72)【発明者】
【氏名】田端 竜也
(72)【発明者】
【氏名】高橋 諒大
【テーマコード(参考)】
3B045
3E068
3K099
【Fターム(参考)】
3B045AA51
3B045DA02
3B045EA02
3B045FA01
3B045GA01
3B045GB01
3B045GC01
3E068AA14
3E068AB03
3E068AC09
3E068BB01
3E068CE10
3E068CE20
3E068DD14
3E068DD20
3E068DD40
3E068DE10
3E068DE20
3E068EE02
3E068EE13
3K099AA01
3K099BA04
3K099CA35
3K099CB33
3K099DA18
(57)【要約】
【課題】衣類に折皺がつくことを防止することが可能なガーメントケースを提供する。
【解決手段】ガーメントケース1は、長手方向D1に延びるように展開された展開状態と、衣類を収容可能に折り畳まれた折り畳み状態と、の間で状態変化が可能な本体2と、本体2における折り畳み状態での折り曲げ部分23を含む範囲に取り付けられ、展開状態と折り畳み状態との間の本体2の状態変化に応じて変形可能な保護板3と、を備える。保護板3は、本体2の折り畳み状態に対応して湾曲した湾曲形状において弾発力を発する材質により構成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類を収容可能なガーメントケースであって、
長手方向に延びるように展開された展開状態と、前記衣類を収容可能に折り畳まれた折り畳み状態と、の間で状態変化が可能な本体と、
前記本体における前記折り畳み状態での折り曲げ部分を含む範囲に取り付けられ、前記展開状態と前記折り畳み状態との間の前記本体の状態変化に応じて変形可能な保護板と、を備え、
前記保護板は、前記本体の前記折り畳み状態に対応して湾曲した湾曲形状において弾発力を発する材質により構成されている、ガーメントケース。
【請求項2】
前記本体は、
前記長手方向に延びるシート状に形成され、前記折り畳み状態において外側に位置する第1本体シートと、
前記長手方向に延びるシート状に形成され、前記折り畳み状態において前記第1本体シートに対して内側に位置する第2本体シートと、を有し、
前記保護板は、前記第1本体シートと前記第2本体シートとの間において、前記第1本体シート及び前記第2本体シートの少なくともいずれか一方に取り付けられている、請求項1に記載のガーメントケース。
【請求項3】
前記第1本体シートの外面に取り付けられ、前記長手方向に延びるとともに、前記長手方向に直交する幅方向に所定の間隔をあけて配置される一対の帯状部を、更に備え、
前記保護板は、前記幅方向の一端部及び他端部の各々が前記第1本体シートに対して縫い付けられることにより、前記第1本体シートの内面に取り付けられ、
前記一対の帯状部は、前記第1本体シートに対する前記保護板の縫い目を覆うように、前記第1本体シートの前記外面に取り付けられている、請求項2に記載のガーメントケース。
【請求項4】
前記第1本体シートにおける前記長手方向の一端部から外方に延出するように、前記一対の帯状部に接続された第1手提げ部と、
前記第1本体シートにおける前記長手方向の前記一端部とは反対の他端部から外方に延出するように、前記一対の帯状部に接続された第2手提げ部と、を更に備え、
前記一対の帯状部、前記第1手提げ部、及び前記第2手提げ部は、環状の帯部材によって一体に形成されている、請求項3に記載のガーメントケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類を収容可能なガーメントケースに関する。
【背景技術】
【0002】
ジャケットやワンピースなどの衣類を収容可能なガーメントケースが知られている。ガーメントケースは、衣類を収容した状態で保管する場面、衣類を収容した状態で持ち運ぶ場面、あるいは、衣類を収容した状態で配送する場面などで用いられる。この種のガーメントケースが例えば特許文献1に開示されている。
【0003】
ガーメントケースは、長手方向に延びるように展開された展開状態と、長手方向の中央で折り畳まれた折り畳み状態との間で、状態変化が可能である。ガーメントケースが展開状態とされることにより、伸長された形態の衣類をガーメントケースにセットすることができる。衣類のセットされたガーメントケースが折り畳み状態とされることにより、コンパクトな形態でガーメントケースに衣類を収容することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
折り畳み状態のガーメントケースに内包された状態で衣類を配送する場合、例えば、折り畳み状態のガーメントケースの上に重い荷物等が重なって配置されると、ガーメントケースに内包された衣類に折皺がついてしまう虞がある。
【0006】
本発明の目的は、衣類に折皺がつくことを防止することが可能なガーメントケースを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の局面に係るガーメントケースは、衣類を収容可能なガーメントケースである。このガーメントケースは、長手方向に延びるように展開された展開状態と、前記衣類を収容可能に折り畳まれた折り畳み状態と、の間で状態変化が可能な本体と、前記本体における前記折り畳み状態での折り曲げ部分を含む範囲に取り付けられ、前記展開状態と前記折り畳み状態との間の前記本体の状態変化に応じて変形可能な保護板と、を備える。前記保護板は、前記本体の前記折り畳み状態に対応して湾曲した湾曲形状において弾発力を発する材質により構成されている。
【0008】
このガーメントケースによれば、本体が展開状態とされることにより、伸長された形態の衣類を本体に対して容易にセットすることができる。また、衣類のセットされた本体が折り畳み状態とされることにより、コンパクトな形態で本体に衣類を収容することができる。しかも、本体における折り畳み状態での折り曲げ部分を含む範囲には、展開状態と折り畳み状態との間の本体の状態変化に応じて変形可能な保護板が取り付けられている。この保護板は、本体の折り畳み状態に対応して湾曲した湾曲形状において弾発力を発する材質により構成されている。このため、本体が折り畳み状態のガーメントケースに内包された状態で衣類を配送する場合、例えば、折り畳み状態のガーメントケースの上に重い荷物等が重なって配置されたとしても、ガーメントケースに内包された衣類を保護板の弾発力によって保護し、衣類に折皺がつくことを防止することができる。
【0009】
上記のガーメントケースにおいて、前記本体は、前記長手方向に延びるシート状に形成され、前記折り畳み状態において外側に位置する第1本体シートと、前記長手方向に延びるシート状に形成され、前記折り畳み状態において前記第1本体シートに対して内側に位置する第2本体シートと、を有してもよい。この場合、前記保護板は、前記第1本体シートと前記第2本体シートとの間において、前記第1本体シート及び前記第2本体シートの少なくともいずれか一方に取り付けられている。
【0010】
この態様では、保護板は、本体における第1本体シートと第2本体シートとの間に取り付けられる。この場合、保護板は、外方に露出されることなく第1本体シートと第2本体シートとの間に内包される。これにより、ガーメントケースに衣類が収容された状態において、保護板と衣類との接触を回避できるので、例えば、保護板との接触による衣類の損傷等が生じるのを防止することができる。また、保護板が外方に露出している場合と比較して、ガーメントケースの見栄えを良くすることができる。
【0011】
上記のガーメントケースは、前記第1本体シートの外面に取り付けられ、前記長手方向に延びるとともに、前記長手方向に直交する幅方向に所定の間隔をあけて配置される一対の帯状部を、更に備えてもよい。そして、前記保護板は、前記幅方向の一端部及び他端部の各々が前記第1本体シートに対して縫い付けられることにより、前記第1本体シートの内面に取り付けられる。前記一対の帯状部は、前記第1本体シートに対する前記保護板の縫い目を覆うように、前記第1本体シートの前記外面に取り付けられている。
【0012】
この態様では、保護板は、本体の折り畳み状態において外側に位置する第1本体シートに対して縫い付けられることにより、第1本体シートの内面に取り付けられる。この場合、第1本体シートの外面には、第1本体シートに対する保護板の縫い付けに応じた縫い目が現れる。例えば、ガーメントケースの配送中、或いは、ガーメントケースの持ち運び中などで、第1本体シートの外面に現れた縫い目に何らかの外部物体等が接触すると、その縫い目が解けるなどして保護板が第1本体シートから外れる虞がある。この場合、ガーメントケースに内包された衣類を保護するという保護板の機能が損なわれる虞がある。そこで、第1本体シートの外面には、第1本体シートに対する保護板の縫い付けに応じた縫い目を覆うように、一対の帯状部が取り付けられる。これにより、第1本体シートの外面に現れた縫い目に外部物体等が接触することを、一対の帯状部によって防止することができる。また、第1本体シートの外面に現れた縫い目を一対の帯状部によって覆うことにより、縫い目が外方に露出している場合と比較して、ガーメントケースの見栄えを良くすることができる。
【0013】
上記のガーメントケースは、前記第1本体シートにおける前記長手方向の一端部から外方に延出するように、前記一対の帯状部に接続された第1手提げ部と、前記第1本体シートにおける前記長手方向の前記一端部とは反対の他端部から外方に延出するように、前記一対の帯状部に接続された第2手提げ部と、を更に備えてもよい。そして、前記一対の帯状部、前記第1手提げ部、及び前記第2手提げ部は、環状の帯部材によって一体に形成されている。
【0014】
この態様では、第1手提げ部及び第2手提げ部を把持することにより、本体が折り畳み状態のガーメントケースを簡単に持ち運びすることができる。また、一対の帯状部、第1手提げ部、及び第2手提げ部が一体に形成された環状の帯部材は、ガーメントケースを簡単に持ち運びするための機能と、第1本体シートに対する保護板の縫い付けに応じた縫い目を覆うための機能と、の2つの機能を併せ持つ部材となる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明によれば、衣類に折皺がつくことを防止することが可能なガーメントケースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態に係るガーメントケースを示す図であって、(A)が折り畳み状態のガーメントケースの正面図であり、(B)が(A)のB-B線に沿った断面図である。
【
図2】展開状態のガーメントケースの外面側の正面図である。
【
図3】展開状態のガーメントケースの内面側の正面図である。
【
図4】ガーメントケースにおける本体に対する保護板の取り付け方法を説明するための図である。
【
図5】ガーメントケースの使用方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態に係るガーメントケースについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
図1~
図4に示されるガーメントケース1は、ジャケットやワンピースなどの衣類を収容可能な収容ケースである。ガーメントケース1は、衣類を収容することのみに限定されるものではなく、衣類以外のバッグやアクセサリー等を収容することもできる。ガーメントケース1は、衣類等を収容した状態で保管する場面、衣類等を収容した状態で持ち運ぶ場面、あるいは、衣類等を収容した状態で配送する場面などで用いられる。ガーメントケース1は、本体2と保護板3とを少なくとも備える。
【0019】
本体2は、ガーメントケース1の本体部分を構成する布製のシート体である。本体2は、平面視において矩形状の形状を有している。本体2は、長手方向D1に延びるように展開された展開状態(
図2,3の状態)と、長手方向D1の中央で折り畳まれた折り畳み状態(
図1の状態)との間で、状態変化が可能である。本体2は、展開状態において、伸長された形態の衣類のセットが可能である。すなわち、本体2が展開状態とされることにより、伸長された形態の衣類を本体2に対してセットすることができる。例えば、本体2が展開状態とされた状態では、ハンガーラックに吊り下げられて伸長された形態の衣類を本体2に対してセットすることができる。本体2は、折り畳み状態において、本体2にセットされた衣類を収容可能である。すなわち、衣類のセットされた本体2が折り畳み状態とされることにより、コンパクトな形態で本体2に衣類を収容することができる。例えば、本体2が折り畳み状態とされた状態では、ハンガーに掛けられたままで衣類を本体2に収容することができる。
【0020】
保護板3は、本体2における折り畳み状態での折り曲げ部分23を含む範囲に取り付けられた板体である。本体2の折り曲げ部分23は、本体2における長手方向D1の中央に位置している。本実施形態では、
図2に示されるように、保護板3は、本体2の長手方向D1のほぼ全体に亘って延びる矩形状の板体である。保護板3としては、例えば、一般的にベルポーレンと称される発泡ポリエチレン製の板体を用いることができる。保護板3は、展開状態と折り畳み状態との間の本体2の状態変化に応じて変形可能な可撓性を有している。本体2が折り畳み状態となって本体2に対して衣類が内包された状態では、保護板3は、衣類よりも外側の位置で本体2に沿って湾曲した湾曲形状となる。保護板3は、本体2の折り畳み状態に対応して湾曲した湾曲形状において弾発力を発する材質により構成されている。
【0021】
ガーメントケース1では、本体2をが展開状態とされることにより、伸長された形態の衣類を本体2に対して容易にセットすることができる。また、衣類のセットされた本体2が折り畳み状態とされることにより、コンパクトな形態で本体2に衣類を収容することができる。しかも、本体2における折り畳み状態での折り曲げ部分23を含む範囲には、展開状態と折り畳み状態との間の本体2の状態変化に応じて変形可能な保護板3が取り付けられている。この保護板3は、折り畳み状態の本体2に沿って湾曲した湾曲形状において弾発力を発する材質により構成されている。このため、本体2が折り畳み状態のガーメントケース1に内包された状態で衣類を配送する場合、例えば、折り畳み状態のガーメントケース1の上に重い荷物等が重なって配置されたとしても、ガーメントケース1に内包された衣類を保護板3の弾発力によって保護し、衣類に折皺がつくことを防止することができる。
【0022】
本実施形態では、本体2は、第1本体シート21と第2本体シート22とを有している。第1本体シート21は、長手方向D1に延びる矩形のシート状に形成され、本体2の折り畳み状態において外側に位置する布製のシートである。第2本体シート22は、長手方向D1に延びる矩形のシート状に形成され、第1本体シート21と同一の形状及び大きさを有する布製のシートである。第2本体シート22は、本体2の折り畳み状態において第1本体シート21に対して内側に位置する。本体2は、第1本体シート21と第2本体シート22とが重ね合わされた状態で、互いの周縁同士が縫い付けられることにより形成される。
【0023】
本体2が第1本体シート21と第2本体シート22とを有している場合、保護板3は、第1本体シート21と第2本体シート22との間において、第1本体シート21及び第2本体シート22の少なくともいずれか一方に取り付けられている。すなわち、保護板3は、第1本体シート21と第2本体シート22との間において、第1本体シート21に取り付けられるか、又は、第2本体シート22に取り付けられるか、或いは、第1本体シート21及び第2本体シート22の両方のシートに取り付けられる。この場合、保護板3は、外方に露出されることなく第1本体シート21と第2本体シート22との間に内包される。これにより、折り畳み状態の本体2に衣類が収容された状態において、保護板3と衣類との接触を回避できるので、例えば、保護板3との接触による衣類の損傷等が生じるのを防止することができる。また、保護板3が外方に露出している場合と比較して、ガーメントケース1の見栄えを良くすることができる。
【0024】
本実施形態では、
図4に示されるように、保護板3は、長手方向D1に直交する幅方向D2の一端部及び他端部の各々が第1本体シート21に対して縫い付けられることにより、第1本体シート21の第2本体シート22に対向する内面211に取り付けられる。第1本体シート21の内面211に保護板3が縫い付けられた後に、その保護板3を覆うように第1本体シート21に対して第2本体シート22が縫い付けられる。これにより、第1本体シート21と第2本体シート22との間に保護板3が内包された本体2を形成することができる。
【0025】
第1本体シート21に対して保護板3が縫い付けられた場合、第1本体シート21の内面211とは反対の外面212には、第1本体シート21に対する保護板3の縫い付けに応じた縫い目31が現れる。例えば、ガーメントケース1の配送中、或いは、ガーメントケース1の持ち運び中などで、第1本体シート21の外面212に現れた縫い目31に何らかの外部物体等が接触すると、その縫い目31が解けるなどして保護板3が第1本体シート21から外れる虞がある。この場合、ガーメントケース1に内包された衣類を保護するという保護板3の機能が損なわれる虞がある。
【0026】
そこで、ガーメントケース1は、第1本体シート21の外面212に取り付けられた一対の帯状部41を備えている。一対の帯状部41は、細長い帯状の形状を有している。一対の帯状部41は、第1本体シート21の外面212において、長手方向D1に延びるとともに幅方向D2に所定の間隔をあけて配置されるように、第1本体シート21の外面212に取り付けられる。第1本体シート21の外面212上における一対の帯状部41の間隔は、保護板3の幅方向D2の寸法に応じて設定される。一対の帯状部41は、第1本体シート21に対する保護板3の縫い付けに応じた縫い目31を覆うように、第1本体シート21の外面212に取り付けられる。一対の帯状部41は、例えば、第1本体シート21に対する保護板3の縫い目31を覆うように縫い付けられることにより、第1本体シート21の外面212に取り付けられる。これにより、第1本体シート21の外面212に現れた縫い目31に外部物体等が接触することを、一対の帯状部41によって防止することができる。また、第1本体シート21の外面212に現れた縫い目31を一対の帯状部41によって覆うことにより、縫い目31が外方に露出している場合と比較して、ガーメントケース1の見栄えを良くすることができる。
【0027】
また、ガーメントケース1は、一対の帯状部41に接続された第1手提げ部42と第2手提げ部43とを備えている。第1手提げ部42及び第2手提げ部43は、衣類を収容した状態でガーメントケース1を持ち運ぶ場面を想定し、ガーメントケース1の使用者によって把持される部分である。第1手提げ部42は、第1本体シート21における長手方向D1の一方向D11側の一端部である長手一端部21Aから外方に延出するように、第1本体シート21の外面212に取り付けられた一対の帯状部41に接続される。第2手提げ部43は、第1本体シート21における長手方向D1の一方向D11とは反対の他方向D12側の他端部である長手他端部21Bから外方に延出するように、第1本体シート21の外面212に取り付けられた一対の帯状部41に接続される。
【0028】
本体2が折り畳み状態となると、第1手提げ部42と第2手提げ部43とが互いに近い位置に配置される。使用者は、第1手提げ部42及び第2手提げ部43を把持することにより、本体2が折り畳み状態のガーメントケース1を簡単に持ち運びすることができる。
【0029】
本実施形態では、一対の帯状部41、第1手提げ部42、及び第2手提げ部43は、環状帯部材4によって一体に形成されている。すなわち、環状帯部材4は、一対の帯状部41、第1手提げ部42、及び第2手提げ部43の各々が一体に形成された環状の帯部材である。環状帯部材4は、ガーメントケース1を簡単に持ち運びするための機能と、第1本体シート21に対する保護板3の縫い付けに応じた縫い目31を覆うための機能と、の2つの機能を併せ持つ部材となる。環状帯部材4は、例えば、第1帯部材4Aと第2帯部材4Bとを含む複数の帯部材が繋ぎ目4Cを介して繋ぎ合わされたものであってもよい。
【0030】
また、
図3に示されるように、ガーメントケース1は、第1本体シート21の内面211に取り付けられたファスナー213を備えている。ファスナー213は、第1本体シート21の内面211の周縁の全体に亘って取り付けられる。すなわち、ファスナー213は、第1本体シート21の内面211において、第1本体シート21における幅方向D2の一方向D21側の一端部である幅一端部21C、第1本体シート21における幅方向D2の一方向D21とは反対の他方向D22側の他端部である幅他端部21D、並びに、長手一端部21A及び長手他端部21Bの各端部に取り付けられている。ファスナー213を開くことによって、本体2を展開状態にすることができる。一方、ファスナー213を閉じることによって、本体2の折り畳み状態を保持することができる。
【0031】
また、
図3に示されるように、ガーメントケース1は、第1本体シート21の内面211に取り付けられた被覆シート5、及びハンガー保持ベルト6を備えている。
【0032】
ハンガー保持ベルト6は、第1本体シート21の内面211において、第1本体シート21の長手一端部21Aに取り付けられる紐状の部材である。ハンガー保持ベルト6は、ハンガーに掛けられた状態の衣類を本体2が収容する場合に、ハンガーを保持するための部材である。ハンガー保持ベルト6には、スナップボタン7が取り付けられている。ハンガー保持ベルト6をハンガーに巻き付けた状態でスナップボタン7を留めることにより、本体2に対してハンガーを固定することができる。
【0033】
被覆シート5は、本体2に収容された衣類を被覆するための布製のシートである。被覆シート5は、第1本体シート21における長手一端部21A、幅一端部21C及び幅他端部21Dから内側に突出するように設けられたマチ部を有するとともに、そのマチ部を介して第1本体シート21の内面211における各端部に対して取り付けられた第1シート部材51、第2シート部材52及び第3シート部材53を有している。なお、第1シート部材51、第2シート部材52及び第3シート部材53は、マチ部を介さずに直接的に、第1本体シート21の内面211における各端部に取り付けられてもよい。
【0034】
第1シート部材51、第2シート部材52及び第3シート部材53は、矩形状の布製のシートである。第1シート部材51と第2シート部材52とは、同一の形状及び大きさに形成されている。第1シート部材51及び第2シート部材52は、第1本体シート21の長手方向D1の寸法よりも長い長手寸法を有するとともに、第1本体シート21の幅方向D2の寸法よりも短い幅寸法を有している。第1シート部材51及び第2シート部材52の各々の幅寸法を足し合わせた合計寸法は、第1本体シート21の幅方向D2の寸法よりも長い。第3シート部材53は、第1本体シート21の幅方向D2の寸法と略同一の幅寸法を有している。
【0035】
第1シート部材51は、その一部が第1本体シート21における長手他端部21Bから外方に延出するように、第1本体シート21の内面211における長手一端部21A及び幅一端部21Cに対して取り付けられる。第1シート部材51は、第1本体シート21の長手一端部21A及び幅一端部21Cに対して取り付けられた状態で、幅方向D2に沿った開閉が可能であるとともに、第1本体シート21の長手他端部21Bから外方に延出した延出部分の長手一端部21A側への折り返しが可能である。また、第1シート部材51における幅方向D2の他方向D22側の端部には、補強布54を介してスナップボタン7が取り付けられている。
【0036】
第2シート部材52は、その一部が第1本体シート21における長手他端部21Bから外方に延出するように、第1本体シート21の内面211における長手一端部21A及び幅他端部21Dに対して取り付けられる。第2シート部材52は、第1本体シート21の長手一端部21A及び幅他端部21Dに対して取り付けられた状態で、幅方向D2に沿った開閉が可能であるとともに、第1本体シート21の長手他端部21Bから外方に延出した延出部分の長手一端部21A側への折り返しが可能である。また、第2シート部材52における幅方向D2の一方向D21側の端部には、補強布54を介してスナップボタン7が取り付けられている。
【0037】
第3シート部材53は、第1本体シート21の内面211における長手他端部21Bに対して取り付けられるとともに、第1シート部材51及び第2シート部材52の各々の前記延出部分にマチ部を介して接続される。第3シート部材53は、第1本体シート21の長手他端部21Bに対して取り付けられた状態で、第1本体シート21の長手他端部21Bから外方への延出が可能であるとともに、長手一端部21A側への折り返しが可能である。
【0038】
被覆シート5においては、展開状態の本体2に対して伸長された形態の衣類がセットされている状況では、第1シート部材51及び第2シート部材52は、閉じた状態でスナップボタン7が留められることにより衣類を上側から覆い、第3シート部材53は、衣類を下側から覆う。本体2が折り畳み状態とされるときには、第1シート部材51、第2シート部材52及び第3シート部材53は、衣類を覆った状態で、第1本体シート21の長手一端部21A側へ折り返される。これにより、被覆シート5とともに衣類が展開状態の本体2の範囲内に収められる。展開状態の本体2の範囲内に衣類が収められた後に、本体2が折り畳み状態とされる。これにより、被覆シート5により衣類を覆った状態で、折り畳み状態の本体2に収容することができる。
【0039】
次に、ガーメントケース1の使用方法について、
図5を参照しながら説明する。まず、使用者は、本体2を展開状態にするとともに、被覆シート5を引き延ばした状態にする。この状態で、使用者は、展開状態の本体2に対して、ハンガーHに掛けられた状態で伸長された形態の衣類Cをセットする。その後、使用者は、第1シート部材51及び第2シート部材52を閉じてスナップボタン7を留めることにより衣類Cを覆う。
【0040】
次に使用者は、展開状態の本体2の範囲内に収まるように、衣類Cを覆った状態の第1シート部材51、第2シート部材52及び第3シート部材53を折り返す。
【0041】
そして、使用者は、本体2を折り畳み状態にした後に、ファスナー213を閉じる。これにより、衣類Cを内包した本体2の折り畳み状態が保持される。使用者は、本体2が折り畳み状態とされたガーメントケース1を、第1手提げ部42及び第2手提げ部43を把持することにより持ち運ぶことができる。
【符号の説明】
【0042】
1 ガーメントケース
2 本体
21 第1本体シート
211 内面
212 外面
22 第2本体シート
23 折り曲げ部分
3 保護板
31 縫い目
4 環状帯部材
41 一対の帯状部
42 第1手提げ部
43 第2手提げ部
【手続補正書】
【提出日】2024-02-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類を収容可能なガーメントケースであって、
長手方向に延びるように展開された展開状態と、前記衣類を収容可能に折り畳まれた折り畳み状態と、の間で状態変化が可能な本体と、
前記本体における前記折り畳み状態での折り曲げ部分を含む範囲に取り付けられ、前記展開状態と前記折り畳み状態との間の前記本体の状態変化に応じて変形可能な保護板と、を備え、
前記本体は、
前記長手方向に延びるシート状に形成され、前記折り畳み状態において外側に位置する第1本体シートと、
前記長手方向に延びるシート状に形成され、前記折り畳み状態において前記第1本体シートに対して内側に位置する第2本体シートと、を有し、
前記第1本体シートの外面に取り付けられ、前記長手方向に延びるとともに、前記長手方向に直交する幅方向に所定の間隔をあけて配置される一対の帯状部を、更に備え、
前記保護板は、前記本体の前記折り畳み状態に対応して湾曲した湾曲形状において弾発力を発する材質により構成されており、
前記第1本体シートと前記第2本体シートとの間において、前記保護板の前記幅方向の一端部及び他端部の各々が前記長手方向の全体に亘って、前記第1本体シートに対して前記長手方向に延びる一連の縫い目によりそれぞれ縫い付けられることで、前記第1本体シートの内面に前記保護板が取り付けられ、
前記一対の帯状部は、前記第1本体シートに対する前記保護板の前記縫い目を覆うように、前記第1本体シートの前記外面に取り付けられている、ガーメントケース。
【請求項2】
前記第1本体シートの内面において前記長手方向の一端部に取り付けられ、ハンガーに掛けられた状態の前記衣類を前記本体が収容する場合に、前記ハンガーを保持するハンガー保持ベルトと、
前記本体に収容された前記衣類を被覆する被覆シートと、を更に備え、
前記被覆シートは、
前記第1本体シートの前記長手方向の寸法よりも長い長手寸法を有し、前記第1本体シートの内面において前記長手方向の一端部に取り付けられ、前記幅方向に沿った開閉が可能であるとともに、前記第1本体シートの前記長手方向の他端部から延出した延出部分の前記長手方向の一端部側への折り返しが可能な第1シート部材及び第2シート部材と、
前記第1本体シートの内面において前記長手方向の他端部に取り付けられるとともに、前記第1シート部材及び前記第2シート部材の各々の前記延出部分に接続される第3シート部材と、を含む、請求項1に記載のガーメントケース。
【請求項3】
前記第1本体シートにおける前記長手方向の一端部から外方に延出するように、前記一対の帯状部に接続された第1手提げ部と、
前記第1本体シートにおける前記長手方向の前記一端部とは反対の他端部から外方に延出するように、前記一対の帯状部に接続された第2手提げ部と、を更に備え、
前記一対の帯状部、前記第1手提げ部、及び前記第2手提げ部は、環状の帯部材によって一体に形成されている、請求項1に記載のガーメントケース。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明の一の局面に係るガーメントケースは、衣類を収容可能なガーメントケースである。このガーメントケースは、長手方向に延びるように展開された展開状態と、前記衣類を収容可能に折り畳まれた折り畳み状態と、の間で状態変化が可能な本体と、前記本体における前記折り畳み状態での折り曲げ部分を含む範囲に取り付けられ、前記展開状態と前記折り畳み状態との間の前記本体の状態変化に応じて変形可能な保護板と、を備える。前記本体は、前記長手方向に延びるシート状に形成され、前記折り畳み状態において外側に位置する第1本体シートと、前記長手方向に延びるシート状に形成され、前記折り畳み状態において前記第1本体シートに対して内側に位置する第2本体シートと、を有している。ガーメントケースは、前記第1本体シートの外面に取り付けられ、前記長手方向に延びるとともに、前記長手方向に直交する幅方向に所定の間隔をあけて配置される一対の帯状部を、更に備える。前記保護板は、前記本体の前記折り畳み状態に対応して湾曲した湾曲形状において弾発力を発する材質により構成されている。前記第1本体シートと前記第2本体シートとの間において、前記保護板の前記幅方向の一端部及び他端部の各々が前記長手方向の全体に亘って、前記第1本体シートに対して前記長手方向に延びる一連の縫い目によりそれぞれ縫い付けられることで、前記第1本体シートの内面に前記保護板が取り付けられる。前記一対の帯状部は、前記第1本体シートに対する前記保護板の前記縫い目を覆うように、前記第1本体シートの前記外面に取り付けられている。
また、上記のガーメントケースは、前記第1本体シートの内面において前記長手方向の一端部に取り付けられ、ハンガーに掛けられた状態の前記衣類を前記本体が収容する場合に、前記ハンガーを保持するハンガー保持ベルトと、前記本体に収容された前記衣類を被覆する被覆シートと、を更に備えてもよい。前記被覆シートは、前記第1本体シートの前記長手方向の寸法よりも長い長手寸法を有し、前記第1本体シートの内面において前記長手方向の一端部に取り付けられ、前記幅方向に沿った開閉が可能であるとともに、前記第1本体シートの前記長手方向の他端部から延出した延出部分の前記長手方向の一端部側への折り返しが可能な第1シート部材及び第2シート部材と、前記第1本体シートの内面において前記長手方向の他端部に取り付けられるとともに、前記第1シート部材及び前記第2シート部材の各々の前記延出部分に接続される第3シート部材と、を含む。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】削除
【補正の内容】