(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011656
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】電動送風機及びこれを備えた電気掃除機
(51)【国際特許分類】
F04D 29/62 20060101AFI20240118BHJP
A47L 9/00 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
F04D29/62 C
A47L9/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113851
(22)【出願日】2022-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 賢宏
(72)【発明者】
【氏名】山上 将太
(72)【発明者】
【氏名】本多 武史
(72)【発明者】
【氏名】坂上 誠二
【テーマコード(参考)】
3B006
3H130
【Fターム(参考)】
3B006FA02
3H130AA13
3H130AB06
3H130AB26
3H130AB50
3H130AC21
3H130BA73A
3H130CA05
3H130CA06
3H130CA21
3H130CA27
3H130EA01A
3H130EA04A
3H130EB01A
3H130ED02A
(57)【要約】
【課題】ファンケーシングとハウジングの固定位置を安定させる。
【解決手段】本発明は、電動機部250によって回転駆動される羽根車211と、電動機部250の外周を覆う羽根車側ハウジング212と、羽根車側ハウジング212と接続されるファンケーシング230とを備える。羽根車側ハウジング212には第1突起部220を備える。ファンケーシング230には、羽根車側ハウジング212と接続される側から羽根車211側に向かって切欠かれ、ファンケーシング230の周方向に伸びるように切欠かれたL字状の切欠き部234が形成される。切欠き部234の羽根車側ハウジング212と接続される側から第1突起部220を挿入した後、ファンケーシング230を周方向に回動させ第1突起部220を切欠き部234の周方向に伸びた位置に移動させファンケーシング230と羽根車側ハウジング212を接続する。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータハウジング内にステータとロータを備えた電動機部と、前記電動機部によって回転駆動される羽根車と、前記電動機部の外周を覆うと共にディフューザ翼を備えたハウジングと、前記ハウジングと接続されると共に前記羽根車を覆うファンケーシングとを備えた電動送風機において、
前記ハウジングの外周には、径方向外側に向かって突出した第1突起部が備えられ、
前記ファンケーシングには、前記ハウジングと接続される側から前記羽根車側に向かって切欠かれ、前記ファンケーシングの周方向に伸びるように切欠かれたL字状の切欠き部が形成され、
前記切欠き部の前記ハウジングと接続される側から前記第1突起部を挿入した後、前記ファンケーシングを周方向に回動させ前記第1突起部を前記切欠き部の周方向に伸びた位置に移動させ前記ファンケーシングと前記ハウジングを接続することを特徴とする電動送風機。
【請求項2】
請求項1において、
前記ハウジングには、内側円環部と、前記内側円環部の外周側に配置された外側円環部とを備え、前記ディフューザ翼は前記内側円環部と前記外側円環部との間に配置され、
前記ファンケーシングの内周側には、前記外側円環部の羽根車側端部と当接する当接部を備えたことを特徴とする電動送風機。
【請求項3】
請求項1において、
前記ハウジングの外周には、径方向外側に向かって突出すると共に前記第1突起部の周方向延長線上及び軸方向延長線上からずれた位置に配置された第2突起部を備え、
前記ファンケーシングには、前記ファンケーシングを周方向に回動させた際、前記第2突起部と当接し、前記ファンケーシングの周方向の回動を規制する回動を規制する周方向固定部を備えたことを特徴とする電動送風機。
【請求項4】
請求項3において、
前記第2突起部には、周方向において前記第1突起部側から反第1突出部側に向かうに従い、径方向外側に向かって突出する突出量が増加するように傾斜した第1傾斜部を備えたことを特徴とする電動送風機。
【請求項5】
請求項4において、
前記周方向固定部の内周面には、周方向において前記反第1突出部側から前記第1突起部側に向かうに従い、径方向内側に向かって突出する突出量が増加するように傾斜した第2傾斜部を備えたことを特徴とする電動送風機。
【請求項6】
ダストケース及び電動送風機を備えた掃除機本体と、前記掃除機本体に接続されるアタッチメントを備えた電気掃除機において、
前記電動送風機は、請求項1乃至5の何れか1項であることを特徴とする電気掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動送風機及びこれを備えた電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
電気掃除機には吸引力を発生させる電動送風機が内蔵されている。電気掃除機に内蔵された電動送風機として、例えば特許文献1に記載の技術がある。
【0003】
特許文献1では、第一軸流ディフューザ翼を備えた羽根車側ハウジングと、第一軸流ディフューザ翼の下流側に配置されると共に、第二軸流ディフューザ翼を備えた反羽根車側ハウジングと、羽根車側ハウジングの上流側に配置されると共に、羽根車を覆うファンケーシングを備えている。羽根車を駆動する電動機は、羽根車側ハウジングと反羽根車側ハウジングとによって覆われている。
【0004】
羽根車は電動機の回転軸に挿入され、ねじ固定される。ファンケーシングは羽根車側ハウジングの嵌合部に挿入され、接着剤で接着される。その後、ファンケーシングと一体となった電動機組品は、反羽根車側ハウジングの爪部に組立され、ハウジング嵌合部に接着剤を流すことで接着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ファンケーシングの内周面と羽根車の外周部との間には隙間が形成されており、電動送風機の吸込み性能を向上させるためは、この隙間をできる限り小さくすることが好ましい。
【0007】
特許文献1に記載の技術においては、羽根車の外周部とファンケーシングが当接する位置で、ファンケーシングをハウジング(羽根車側ハウジング)の嵌合部に挿入し、嵌合部に接着剤を流して接着固定している。そのため、羽根車の外周部とファンケーシングの当接具合、或いは寸法精度のばらつきによっては、ファンケーシングとハウジングが傾いて接着するなど羽根車の外周部がファンケーシングの内周面に接触し、羽根車がロックしてしまう可能性があった。
【0008】
本発明の目的は、上記課題を解決し、ファンケーシングとハウジングの固定位置を安定させ、羽根車の回転不良を抑制する電動送風機及びこれを備えた電気掃除機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、モータハウジング内にステータとロータを備えた電動機部と、前記電動機部によって回転駆動される羽根車と、前記電動機部の外周を覆うと共にディフューザ翼を備えたハウジングと、前記ハウジングと接続されると共に前記羽根車を覆うファンケーシングとを備えた電動送風機において、前記ハウジングの外周には、径方向外側に向かって突出した第1突起部が備えられ、前記ファンケーシングには、前記ハウジングと接続される側から前記羽根車側に向かって切欠かれ、前記ファンケーシングの周方向に伸びるように切欠かれたL字状の切欠き部が形成され、前記切欠き部の前記ハウジングと接続される側から前記第1突起部を挿入した後、前記ファンケーシングを周方向に回動させ前記第1突起部を前記切欠き部の周方向に伸びた位置に移動させ前記ファンケーシングと前記ハウジングを接続することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ファンケーシングとハウジングの固定位置を安定させ、羽根車の回転不良を抑制する電動送風機及びこれを備えた電気掃除機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施例に係る電気掃除機100を充電台に収納した状態を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施例に係る電気掃除機100の分解図である。
【
図4】本発明の実施例に係る電気掃除機100の外観斜視図である。
【
図5】本発明の実施例に係る電動送風機200を回転軸方向に沿って切断した断面図である。
【
図6】本発明の実施例に係る羽根車側ハウジング212の右半分の一部を断面した側面図である。
【
図7】本発明の実施例に係る反羽根車側ハウジング213の一部を断面した斜視図である。
【
図8】本発明の実施例に係るファンケーシング230を軸方向に沿って切断した断面図である。
【
図9】本発明の実施例に係る電動送風機200の分解斜視図である。
【
図10】羽根車側ハウジングと反羽根車側ハウジングを組み立てた組立体と、羽根車と電動機を組み立てた組立体と、ファンケーシングとの分解斜視図である。
【
図11】羽根車側ハウジングと反羽根車側ハウジングを組み立てた組立体と、羽根車と電動機とファンケーシングを組み立てた組立体との分解斜視図である。
【
図12】本発明の実施例に係る電動送風機200の外観斜視図である。
【
図13】
図12のXIV部を羽根車側ハウジング212側から見た拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。なお、同一の要素については、全ての図において、原則として同一の符号を付している。また、同一の機能を有する部分については、説明を省略する。なお、以下に説明する構成はあくまで実施例に過ぎず、本発明に係る実施様態が、以下の具体的様態に限定されることを意図する趣旨ではない。
【0013】
以下、本発明の実施例について、図面を参照し説明する。
図1は、本発明の実施例に係る電気掃除機100を充電台に収納した状態を示す斜視図である。
図1(a)では、電気掃除機100をスティック状態で充電台に収納している。
【0014】
電気掃除機100は、ハンディ状態、スティック状態など各種の使用状態に変更して掃除を行うことができるものである。電気掃除機100が収納される充電台70aは、電気掃除機100をスティック状態で収納するものであり、ベース部材71と3つのスタンド部材72とホルダ部材73を備えて構成されている。ホルダ部材73には電気掃除機100に装着されている蓄電池3を充電するためのACアダプタの出力プラグが取り付けられるようになっており、電気掃除機100を充電台70aにセットすると出力プラグが電気掃除機100の入力ジャックに接続され充電できるようになっている。
【0015】
ベース部材71は、載置面71aと、延出部71bと、を有する。載置面71aは、略矩形状の板形状の部分である。延出部71bは、略円錐台形状の部分である。延出部71bは、載置面71aに対して、略垂直となるように設けられる。延出部71bの中心軸は、載置面71aの左右方向略中央、かつ前後方向の略3/4程度のところに、位置するように設けられる。
【0016】
また、
図1(b)では、電気掃除機100をハンディ状態で充電台に収納している。本状態における充電台70bは、電気掃除機100をハンディ状態で収納するものであり、充電台70aとは異なりスタンド部材72を2個省いてスタンド部材72を1個とベース部材71とホルダ部材73を備えて構成されている。なお、使用者はスタンド部材72を3個省いてコンパクトに収納することも可能であり、1個省いて取り出しやすい高さに調整して使用することも可能である。スタンド部材72とホルダ部材73から構成されている充電台の柱は、ダストケース2の軸上に形成しているため、充電台に電気掃除機100を置き、充電する際に安定して電気掃除機100を保持することができる。
【0017】
図2は、本発明の実施例に係る電気掃除機100の分解図である。
図2に示すように、電気掃除機100は、掃除機本体1、ダストケース2(集塵装置)、蓄電池3(蓄電装置)、気密保持部材90を備えて構成されている。
【0018】
掃除機本体1は、本体部10、モータケース部11、ハンドル部12を備えて構成されている。
【0019】
本体部10は、延長管300(
図1参照)や標準吸口400(
図1参照)などが接続される接続口10a(吸引口)が形成されている。この接続口10aは、本体部10、モータケース部11、ハンドル部12などと同様の樹脂で成形されている。接続口10aは、略円形の開口を有し、前方を向いて形成されている。また、接続口10aには、付属品としての、隙間・ブラシ切替ノズル110、延長管300、標準吸口400、小型吸口600、ほうき型吸口700などのアタッチメントを接続することができるようになっている。
【0020】
本体部10には、ダストケース2が着脱可能に取り付けられると共に、接続口10aから吸い込まれた塵挨を含む空気をダストケース2に送り込む導入管14(
図3参照)を備えている。
【0021】
モータケース部11には、電動送風機200(
図5参照)と本体基板(図示せず)が内包されている。モータケース部11の前面には、ダストケース2で集塵された後の清浄な空気が吸い込まれる円形の吸込口11aが形成されている。また、モータケース部11の前面には、吸込口11aより下部に、充電台70a,70bと接続される本体端子部17が設けられている。
【0022】
ハンドル部12は、本体部10の後側に設けられ、略円弧状に形成されている。ハンドル部12は、略円弧状にすることで、使用者が使用する状態に合わせて、使い易いハンドル部12の位置を握って使用することができる。
【0023】
また、ハンドル部12には、蓄電池3をロックするためのロック部材13が設けられている。このロック部材13は、ボタン型に形成されたものであり、揺動可能に支持されている。ハンドル部12の上面には、操作ボタン12aが設けられている。操作ボタン12aは、例えば、「強」、「標準」、「切」の3つのボタンで構成されている。
【0024】
さらに、ハンドル部12の前端上部には、延長管300(
図1参照)などの付属品を取り外す際に操作される解除ボタン18が設けられている。この解除ボタン18を押下操作することで、本体部10と付属品とのロックが解除されて、本体部10から付属品の取り外しが可能となる。
【0025】
本体部10の前端には、気密保持部材90が取り付けられている。この気密保持部材90は、略円形の筒体91を有している。この筒体91は、先端側に軟質の毛を束にして植毛したブラシ部90sを有している。ブラシ部90sは間隔を開けて複数箇所にわたり植毛されており、ナイロン製樹脂など弾性変形可能(撓み変形可能)な材料で構成されている。このような気密保持部材90を掃除機本体1の接続口10aに取り付けることで、掃除対象面のごみを掃くことができ、また床面に気密保持部材90の先端を押し付けることで、吸引力を向上させることができる。また、接続部91bは硬質のもので形成することで、気密保持部材90を本体部10に脱落することなく安定した状態で取り付けることができる。
【0026】
なお、本実施例では、ブラシ部90sがナイロン製の毛などのブラシで形成されている場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、先端側に軟質樹脂で環状に形成されてもよい。すなわち、筒体91は、弾性部91aと接続部91bの異種の2部材を一体に成形されることで構成する。なお、弾性部91aは、エラストマなど弾性変形可能(撓み変形可能)な材料で構成されている。このようにすることで床面に気密保持部材90のブラシ部90sの全体を密着させることができ、密着しない場合に比べて吸引力を向上させることができる。
【0027】
筒体91の略全体は接続部91bと同様の材料で形成し、筒体91の先端に静電植毛された短毛を環状に備えるようにしてもよい。このような静電植毛を備えたものであっても、エラストマと同様に、気密保持部材90の先端を床面に密着させることが可能になり、吸引力を向上できる。
【0028】
本体部10の接続口10aの上側面には、横方向に細長い嵌合溝10bが形成されている。接続部91bの基端には、前記嵌合溝10bと凹凸嵌合して係止される突起部(不図示)が形成されている。
【0029】
また、本体部10には、接続口10aの上部に、発光素子10c(
図2参照)が設けられている。この発光素子10cは、前方つまり被清掃面(床面など)に向けて発光するように構成されている。
【0030】
気密保持部材90が掃除機本体1に取り付けられている場合には、気密保持部材90の上側に発光素子10cが位置する。換言すると、発光素子10cは、気密保持部材90よりも外側に位置するように気密保持部材90の外径が設定されている。
【0031】
蓄電池3は、電動送風機200(
図5参照)などに電力を供給するものであり、リチウムイオン、ニッケル水素などの二次電池で構成されている。また、蓄電池3は、合成樹脂製の略円筒状のケース3aを有し、ケース3aを前後方向にスライドさせることで本体部10に対して着脱できる。
【0032】
ケース3aの上面には、本体部10と接続される端子部3bが設けられている。また、ケース3aの上面には、端子部3bの前方に、本体部10にスライド可能に支持されるスライド溝3cが形成されている。また、ケース3aの上面には、端子部3bの後方に、本体部10にスライド可能に支持されるスライドレール3d,3dが左右側方に突出して形成されている。
【0033】
また、ケース3aの前面には、左右方向(幅方向)の一方(左側)に、蓄電池3を冷却するための冷却用の空気が導入される導入孔3eが形成されている。この導入孔3eは、上下方向に細長く形成されている。
【0034】
また、ケース3aの前面には、左右方向(幅方向)の他方(右側)に、蓄電池3を冷却した後の空気が排出される排出孔3fが形成されている。この排出孔3fは、前記した導入孔3eと左右対称の形状を有するように形成されている。
【0035】
また、ケース3aの背面には、ロック部材13が嵌合して本体部10にロックされるロック凹部3gが形成されている。
【0036】
図3は、
図2のIII方向矢視図である。
図3に示すように、ダストケース2は、サイクロン方式のものであり、導入管14から吸込んだ塵埃を含む空気を、塵埃と空気とに分離し、塵埃を集める機能を有する。また、ダストケース2は、モータケース部11の前方に軸方向を前後方向にして配置され、略円柱形状の収容部2aを有している。収容部2aは前面に収容部開口を有している。また、ダストケース2の上面(側面)には、導入管14と繋がる略矩形状の流入口2b(
図2参照)が形成されている。この流入口2bに流入した塵挨を含む空気は、旋回流となり、塵埃に遠心力が働き、ダストケース2内で塵挨と空気とに分離された後、塵埃が分離された空気がダストケース2の後部(背面)から排出される。
【0037】
また、ダストケース2の前面には、ダストケース2内に溜まった塵埃を廃棄する際に開閉する蓋2cがヒンジ部2dを介して収容部2aに対して回動可能に支持されており、蓋2cを閉じることにより、収容部開口を塞いでいる。また、蓋2cの上部には、蓋2cのロックを解除するための蓋ロック機構2eが設けられている。
【0038】
モータケース部11の下部には、排気口16が設けられている。この排気口16は、図示していないが、前後方向に沿って複数のスリット16aを有し、複数のスリット16aが上下方向に並んで形成されている。排気口16は、左右の両側に設けられている。そしてこの排気口16の左右いずれか片側を覆うようにカバー部材16bが設けられている。なお、ダストケース2と、モータ及び蓄電池3は掃除機本体の長手方向の一直線上、もしくは同軸上に配置されており、カバー部材16bはこのモータケース部11やダストケース2の軸を回動中心としてスライドし、左右いずれかの排気口16を選択可能に開放させることができる。なお、カバー部材16bの外殻面はモータケース部11と略同一面で形成されている。
【0039】
図4は、本発明の実施例に係る電気掃除機100の外観斜視図である。
図4に示すように、電気掃除機100は、ダストケース2が本体部10の下方かつモータケース部11の前方に取り付けられる。この場合、ダストケース2を掃除機本体1に装着すると、蓋ロック機構2eが掃除機本体1側に位置する。これは、蓋ロック機構2eを反対側(外側)に設けた場合、掃除中に蓋ロック機構2eが解除される恐れがあるが、蓋ロック機構2eが掃除機本体1側に位置するようにすることで、誤動作を防止することができるからである。例えば、スティック状態でソファやベッドの下を掃除するときなど、掃除機本体1を床面に対して水平に近づける場合がある。このとき、蓋ロック機構2eを表側に設けた場合、床面と接触して蓋ロック機構2eが解除される可能性がある。蓋ロック機構2eとヒンジ部2dの位置はこの限りでなく、掃除機本体1に対し左右に設けても構わない。
【0040】
また、ダストケース2には、お手入れブラシ2s(
図2、
図3参照)が着脱自在に設けられている。このお手入れブラシ2sは、ダストケース2が掃除機本体1に装着されたときに外部から見え難い位置に配置されている。このため、運転中に外れ難く、また、お手入れブラシ2sを電気掃除機100とは別の場所に保管しておく必要もない。
【0041】
次に、電動送風機200の構成について
図5乃至
図14を用いて説明する。
図5は、本発明の実施例に係る電動送風機200を回転軸方向に沿って切断した断面図である。
図6は、本発明の実施例に係る羽根車側ハウジング212の右半分の一部を断面した側面図である。
図7は、本発明の実施例に係る反羽根車側ハウジング213の一部を断面した斜視図である。
図8は、本発明の実施例に係るファンケーシング230を軸方向に沿って切断した断面図である。
図9は、本発明の実施例に係る電動送風機200の分解斜視図である。
図10は、羽根車側ハウジングと反羽根車側ハウジングを組み立てた組立体と、羽根車と電動機を組み立てた組立体と、ファンケーシングとの分解斜視図である。
図11は、羽根車側ハウジングと反羽根車側ハウジングを組み立てた組立体と、羽根車と電動機とファンケーシングを組み立てた組立体との分解斜視図である。
図12は、本発明の実施例に係る電動送風機200の外観斜視図である。
図13は、
図12のXIV部を羽根車側ハウジング212側から見た拡大斜視図である。
図14は、
図12のXIV部の拡大図である。
【0042】
図5には代表的な空気の流れを左側のみに実線矢印α1および点線矢印α2で示している。
【0043】
電動送風機200は、
図1に示す電気掃除機100に、羽根車211の側が下部の標準吸口400に向いて収容されている。
【0044】
電動送風機200は、送風機部210の半径方向内側に電動機部250が構成されている。
【0045】
送風機部210は、吸引空気流の上流から、回転翼である羽根車211、羽根車側の第一軸流ディフューザ翼212a(羽根車側ディフューザ翼)、第二軸流ディフューザ翼213a(反羽根車側ディフューザ翼)を備えている。ディフューザ翼(第一軸流ディフューザ翼212a,第二軸流ディフューザ翼213a)は、電動機部250の外周を覆うハウジング(羽根車側ハウジング212,反羽根車側ハウジング213)に備えられている。第二軸流ディフューザ翼213aの下流には、排気口214が設けられている。
【0046】
羽根車211は、電動機部250によって回転駆動されると共に外周をファンケーシング230によって覆われている。ファンケーシング230の構成については後述する。
【0047】
図6及び
図9に示すように、羽根車側ハウジング212は、内側円環部212bと、内側円環部212bの径方向外側(外周側)に配置された外側円環部212cを備え、内側円環部212bと外側円環部212cとの間に第一軸流ディフューザ翼212aが配置されている。第一軸流ディフューザ翼212aは、軸方向に対して傾斜して複数配置されている。
【0048】
図7及び
図9に示すように、反羽根車側ハウジング213は、内側円環部213bと、内側円環部213bの径方向外側(外周側)に配置された外側円環部213cを備え、内側円環部213bと外側円環部213cとの間に第二軸流ディフューザ翼213aが配置されている。第二軸流ディフューザ翼213aは、上流側が軸方向に対して傾斜し、下流側が軸方向に沿うように複数配置されている。
【0049】
図5及び
図9に示すように、第一軸流ディフューザ翼212aを持つ羽根車側ハウジング212は、羽根車側モータハウジング251にねじ270を用いて固定されている。
【0050】
反羽根車側(羽根車211から遠い側)に配置される第二軸流ディフューザ翼213aを持つ反羽根車側ハウジング213は、羽根車側ハウジング212の下流側に(排気口214側)に配置されている。
【0051】
電動機部250は、羽根車側ハウジング212と反羽根車側ハウジング213の径方向内側に位置している。羽根車側ハウジング212は羽根車側モータハウジング251を覆うように位置し、反羽根車側ハウジング213は、反羽根車側モータハウジング252を覆うように位置している。モータハウジング(羽根車側モータハウジング251、反羽根車側ハウジング213)内にはステータとロータが備えられている。
【0052】
図5及び
図9に示すように、羽根車側モータハウジング251は反羽根車側モータハウジング252と同一形状であり、外周部に径方向に向かって開口した複数の開口部251a,252aを備えている。なお、反羽根車側モータハウジング252は軸方向に開口部252bを備えている。また、各モータハウジングの外周部の半径方向を向いた開口部251a,252aは周方向に6個の開口が配置されている。また、羽根車側モータハウジング251の開口部251aと反羽根車側モータハウジング252の開口部252aはステータコア253に軸方向に重ならないように設置されている。また、各モータハウジングの開口部251a,252aは、コイルの軸方向端部と軸方向に重なるように配置されている。なお、モータハウジングの半径方向の開口は周方向に均一に配置されており、開口部の個数と第二軸流ディフューザ翼213aの翼枚数は3の最大公約数を持つ。すなわち、周方向に3か所で同一の流れ場を開口部252aに導入することができ、周方向の温度分布の低減を可能する。なお、最大公約数は1より上で、3以上または、開口部の個数と同一となるのが望ましい。
【0053】
羽根車側モータハウジング251は、電動機部250の軸方向であって羽根車211の側の軸受280を保持している。反羽根車側モータハウジング252は、電動機部250の軸方向であって反羽根車側の軸受281を保持している。
【0054】
第2の流路216は、反羽根車側モータハウジング252の径方向の開口部252aと、電動機内部と羽根車側モータハウジング251の開口部251a、および羽根車側モータハウジング251の外周部と羽根車側ハウジング212の内側円環部212bとの間を通る。
【0055】
電動送風機200の側部には、羽根車211と第一軸流ディフューザ翼212a、第二軸流ディフューザ翼213aを通る第1の流路215が設けられている。第1の流路215は、標準吸口400(
図1参照)から吸引した空気が流れる流路である。
【0056】
第1の流路215と第2の流路216は反羽根車側ハウジング213の内側円環部213bの軸方向端部213dで合流する。なお、軸方向端部213dは第二軸流ディフューザ翼213aの軸方向寸法の略半分の位置にある。軸方向端部213dで第1の流路215と第2の流路216を合流させることで、第二軸流ディフューザ翼213aの主流による、ベンチュリ効果で第2の流路216内の流れを生じさせ、反羽根車側モータハウジング252の開口部252aおよび軸方向の開口部252bから冷却風を電動機内部に取り込んでいる。これにより、電動機部250の冷却性能向上を図ることができる。但し、反羽根車側モータハウジング252の開口部252aに関しては必ずしも加工部を設けることは問わずとも、電動機内部の冷却は可能である。
【0057】
なお、軸方向端部213dは第二軸流ディフューザ翼213aの軸方向寸法の略半分以降であればよく、また翼の後縁まで延びていてもよく、ベンチュリ効果による冷却風を生じさせるためには、軸方向において開口部252aより羽根車側に位置することが望ましい。
【0058】
第2の流路216は、第1の流路215より径方向内側に位置している。また、反羽根車側モータハウジング252には、軸方向の開口部252bと半径方向の開口部252aが形成されている。これら開口部を大きくとることで、ベンチェリ効果で生じる風量を多くすることができ、第2の流路216を通る際に電動機内部をより効率よく冷却できる。
【0059】
また、反羽根車側モータハウジング252の開口部252aは反羽根車側ハウジング213の内側円環部213bより径方向内側に位置することで、第2の流路216の流路面積を確保しやすくなり、電動機内部のより効率よく冷却できる。
【0060】
なお、開口部252bからは、電動機の巻線の一部が出て、駆動用回路(図示せず)に電気的に接続される。ここで、モータハウジング(羽根車側モータハウジング251,反羽根車側モータハウジング252)の開口部の構成は四角の穴でも、丸穴、他の形状の穴でもよい。
【0061】
本実施例の羽根車211は熱可塑性樹脂製のハブ板211aにより、金属製のスリーブ283が覆われている。羽根車211は、回転軸255の端部に螺刻された雌ねじに、固定ナット284が螺着されて固定されている。本実施例の羽根車211は、斜流型羽根車を示すが、遠心型、軸流羽根車でもよい。
【0062】
次に、電動機部250の構成を説明する。
図5及び
図9に示すように、電動機部250は、ロータコア254(ロータ)と、その外周部に配置されるステータコア253(ステータ)とを備えている。
【0063】
ロータコア254は、2つのモータハウジング内に収納され、回転軸255に固定されている。
【0064】
ステータコア253には、コイル(巻線)256が巻かれている。コイル256は、電動送風機200に備わる駆動用回路(図示せず)に電気的に接続されている。なお、コイル256は銅線を用いるが、アルミ線やアルミ線の被覆材の周りに銅材を用いた複合材の線材を用いるようにしても良い。
【0065】
ロータコア254は希土類系のボンド磁石を有してなる。希土類系のボンド磁石は、希土類系磁性粉末と有機バインダーとを混合して作られる。希土類系のボンド磁石としては、例えば、サマリウム鉄窒素磁石や、ネオジム磁石等を用いることができる。ロータコア254は回転軸255に一体成形されるか、または、固定されている。なお、電動送風機200の運転回転速度は50,000~200,000cycle/minである。
【0066】
本実施例では、ロータコア254に永久磁石を用いているが、これに限定されず、無整流子電動機の一種であるリラクタンスモータなどを使用してもよい。
【0067】
羽根車211とロータコア254との間には軸受280を備えている。また、羽根車211と反対側には軸受281を備えている。回転軸255は一方側に配置された軸受280と他方側に配置された軸受281とにより回転可能に支持されている。
【0068】
羽根車211に近い側の羽根車側モータハウジング251は、軸受280を支持し、羽根車211から遠い側の反羽根車側モータハウジング252は、軸受281を支持している。モータハウジングは金属製であり、材料にアルミニウム合金を用いることで、熱伝導による冷却性向上と軽量化が可能となる。なお、モータハウジングは金属製ではなく、樹脂製でもよく、樹脂製の場合は、軸受とモータハウジングの間に金属製の支持体を設けることで、軸受の冷却を促進することができる。また、モータハウジングはアルミニウム合金材でも、鋼材でもよい。
【0069】
軸受280,281のロータコア254側には軸受の軸方向の位置決めを行うスペーサー285が設置されている(
図5)。
【0070】
羽根車211に近い側である羽根車側モータハウジング251と羽根車211から遠い側の反羽根車側モータハウジング252は、同一形状であり、ステータコア253を軸方向に挟み込むように設置し、ステータコア253の外周部とモータハウジングの内壁を軸方向に重ね、接着若しくは圧入で組み立てられている。ステータコア253は2つのモータハウジングに接し、ステータコア253の略中央位置にモータハウジングから露出した露出部253aを備えている。このようなステータコア253とモータハウジング構造にすることで、ステータコア253の発熱を羽根車側モータハウジング251、反羽根車側モータハウジング252の熱伝導、および露出部253aでの強制冷却により冷却を行うことができ、高い発熱密度で低損失な冷却が可能となる。なお、モータハウジングの周方向に設けた複数の開口部251a,252aの周方向位置は、同一周方向位置でも、異なる周方向位置でもよい。同一構造のモータハウジングを用いることで、低コスト化と冷却性の向上を両立させている。
【0071】
第一軸流ディフューザ翼212aと第二軸流ディフューザ翼213aの周方向位置について説明する。羽根車側ハウジング212の外周部には、周方向3箇所に径方向外側に向かって突出した第1突起部220、第2突起部224、第3突起部221が備えられている。
【0072】
第2突起部224は、第1突起部220の周方向延長線上及び軸方向延長線上からずれた位置に配置されている。第3突起部221は、第1突起部220の周方向延長線上からずれた位置であって、軸方向延長線上で重なる位置に配置されている。
【0073】
羽根車211から遠い側である反羽根車側ハウジング213(外側円環部213c)の外周部には、周方向3箇所に爪部222が形成されている。爪部222には、第3突起部221が挿入される挿入開口222aが形成されている。また、反羽根車側ハウジング213(外側円環部213c)の内側には、周方向に伸びると共に羽根車側ハウジング212の外側円環部212cの端部と当接し、羽根車側ハウジング212を載置する載置部223が形成されている。
【0074】
第一軸流ディフューザ翼212aの翼枚数と、反羽根車側ハウジング213の端部の爪部222及び羽根車側ハウジング212の第3突起部221の個数とは、翼枚数と第3突起部221が3の最大公約数で構成されている。こうして、第一軸流ディフューザ翼212a及び第二軸流ディフューザ翼213aの周方向位置が所定の周方向位置になるようにし、量産性の向上を図っている。なお、翼枚数と第3突起部221の最大公約数は1より上であればよいが、突起個数で構成されると、各ディフューザ翼の周方向位置が決まり、組立時の量産性が最もよい。
【0075】
次にファンケーシング230の構成について説明する。ファンケーシング230は羽根車211が回転することによって空気を吸い込む吸込部231と、吸込部231から下流側に向かって流路が拡大するように形成された傾斜部232と、傾斜部232の端部から軸方向に向かって伸びた外壁部233を備えている。
【0076】
外壁部233には、一部が羽根車側ハウジング212と接続する側に突出すると共に、羽根車側ハウジング212と接続する側から羽根車側に向かって切欠かれると共に、ファンケーシング230の周方向に伸びるように切欠かれたL字状の切欠き部234が形成されている。切欠き部234は、外壁部233の周方向の3箇所に形成されている。また、切欠き部234の羽根車側ハウジング側(下側)には、周方向に伸びた軸方向固定部236を備えている。
【0077】
さらに、ファンケーシング230には、外壁部233の径方向内側(内周側)の位置に、周方向に沿って伸びた当接部235が形成されている。当接部235はファンケーシング230と羽根車側ハウジング212とを組み合わせた際に羽根車側ハウジング212の外側円環部212cの羽根車側端部と当接する。
【0078】
次に電動送風機200の組立方法について説明する。
【0079】
図9に示すように羽根車側ハウジング212は、別体で組立てられた電動機の羽根車側モータハウジング251を覆うように配置され、ねじ270を用いて羽根車側モータハウジング251に固定される。
【0080】
次に羽根車211を回転軸255に固定する。羽根車211は電動機の回転軸255に挿入され、端部に固定ナット284を取付け、回転軸255に固定される(
図10)。
【0081】
次に、ファンケーシング230の外壁部233の内周側に、羽根車側ハウジング212の外側円環部212cを挿入させて、羽根車側ハウジング212とファンケーシング230を接続する。
【0082】
羽根車側ハウジング212とファンケーシング230を接続するにあたっては、ファンケーシング230の切欠き部234と、羽根車側ハウジング212の外周部に形成した第1突起部220の位置を合わせ、切欠き部234の羽根車側ハウジング212側に切欠かれた部分から第1突起部220を挿入する。切欠き部234に第1突起部220を挿入すると、ファンケーシング230の当接部235は、羽根車側ハウジング212の一部を構成する外側円環部212cの羽根車側端部と当接し、軸方向の移動が規制される。その後、ファンケーシング230を羽根車側ハウジング212に対して回動させ(
図11の左方向、
図13の矢印方向)、第1突起部220と軸方向固定部236が軸方向において重なるように位置させる。また、第1突起部220を切欠き部234の端部に当接させる。これにより、ファンケーシング230の軸方向及び周方向の一方の移動が規制され、ファンケーシング230と羽根車側ハウジング212が接続される。
【0083】
次にファンケーシング230が外れる方向に回動するのを抑制する手段について
図13及び
図14を用いて説明する。
【0084】
羽根車側ハウジング212の外周部には、第1突起部220に加え、周方向3箇所に第2突起部224が備えられている。
【0085】
第2突起部224には、ファンケーシング230を回動させて固定する際、回動方向に向かって徐々に高くなる(径方向外側に向かって徐々に突出する)第1傾斜部224aを備えている。換言すると、第2突起部224には、周方向において第1突起部220側から反第1突出部側に向かうに従い、径方向外側に向かって突出する突出量が増加するように傾斜した第1傾斜部224aを備えている。
【0086】
また、ファンケーシング230の外壁部233(外周)には、ファンケーシング230を周方向に回動させた際、第2突起部224と当接し、ファンケーシング230の周方向の回動を規制する周方向固定部237を備えている。
【0087】
周方向固定部237の内周面には、ファンケーシング230を回動させて固定する際、回動方向に向かって徐々に高くなる(径方向内側に向かって徐々に突出する)第2傾斜部237aを備えている。換言すると、周方向固定部237の内周面には、周方向において反第1突出部側から第1突起部220側に向かうに従い、径方向内側に向かって突出する突出量が増加するように傾斜した第2傾斜部237aを備えている。
【0088】
そして、ファンケーシング230の切欠き部234に第1突起部220を挿入し、ファンケーシング230を
図13に示す矢印の方向に回動させると、軸方向固定部236が第1突起部220と軸方向において重なる位置に移動すると共に、周方向固定部237が第2突起部224の第1傾斜部224aを乗り越え、周方向固定部237の端部と第2突起部224の端部が当接する(
図14)。周方向固定部237の端部と第2突起部224の端部が当接することにより、ファンケーシング230の周方向の移動が規制される。
【0089】
次に、ファンケーシング230と一体となった電動機組品を、反羽根車側ハウジング213に固定する。電動機組品を反羽根車側ハウジング213に固定するにあたっては、羽根車側ハウジング212の第3突起部221と、反羽根車側ハウジング213の爪部222の位置を合わせ、爪部222の挿入開口222aに第3突起部221を挿入する。爪部222の挿入開口222aに第3突起部221を挿入すると、羽根車側ハウジング212の外側円環部212cの端部と反羽根車側ハウジング213の載置部223が当接し、羽根車側ハウジング212と反羽根車側ハウジング213が接続される。
【0090】
本実施例によれば、ファンケーシング230に形成した切欠き部に羽根車側ハウジング212の第1突起部220を挿入し、ファンケーシング230と羽根車側ハウジング212を接続するようにしているので、ファンケーシング230と羽根車側ハウジング212の接続を容易に安定化することができる。
【0091】
また、本実施例によれば、ファンケーシング230の周方向の回動を規制する第2突起部224及び周方向固定部237を備えているので、ファンケーシング230と羽根車側ハウジング212の接続が解除されることを抑制できる。
【0092】
さらに、本実施例によれば、ファンケーシング230の外壁部233径方向内側の位置に、周方向に沿って延びた当接部235を形成し、この当接部235を羽根車側ハウジング212の外側円環部212cの羽根車側端部と当接するようにしているので、羽根車側ハウジング212とファンケーシング230の位置を安定化でき、羽根車211がロックし回転不良となることを抑制できる。
【0093】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成を置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0094】
1…掃除機本体、2…ダストケース、2a…収容部、2b…流入口、2c…蓋、2d…ヒンジ部、2e…蓋ロック機構、2s…手入れブラシ、3…蓄電池、3a…ケース、3b…端子部、3c…スライド溝、3d…スライドレール、3e…導入孔、3f…排出孔、3g…ロック凹部、10…本体部、10a…接続口、10b…嵌合溝、10c…発光素子、11…モータケース部、11a…吸込口、12…ハンドル部、12a…操作ボタン、13…ロック部材、14…導入管、16…排気口、16a…スリット、16b…カバー部材、17…本体端子部、18…解除ボタン、50…運転回転速度は、70a…充電台、70b…充電台、71…ベース部材、71a…載置面、71b…延出部、72…スタンド部材、73…ホルダ部材、90…気密保持部材、90s…ブラシ部、91…筒体、91a…弾性部、91b…接続部、100…電気掃除機、110…隙間・ブラシ切替ノズル、200…電動送風機、210…送風機部、211…羽根車、211a…ハブ板、212…羽根車側ハウジング、212a…第一軸流ディフューザ翼、212b…内側円環部、212c…外側円環部、213…反羽根車側ハウジング、213a…第二軸流ディフューザ翼、213b…内側円環部、213c…外側円環部、213d…軸方向端部、214…排気口、215…第1の流路、216…第2の流路、220…第1突起部、221…第3突起部、222…爪部、222a…挿入開口、223…載置部、224…第2突起部、224a…第1傾斜部、230…ファンケーシング、231…吸込部、232…傾斜部、233…外壁部、234…切欠き部、235…当接部、236…軸方向固定部、237…周方向固定部、237a…第2傾斜部、250…電動機部、251…羽根車側モータハウジング、251a…開口部、252…反羽根車側モータハウジング、252a…開口部、252b…開口部、253…ステータコア、253a…露出部、254…ロータコア、255…回転軸、256…コイル(巻線)、270…ねじ、280…軸受、281…軸受、283…スリーブ、284…固定ナット、285…スペーサー、300…延長管、400…標準吸口、600…小型吸口、700…ほうき型吸口。