(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116567
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】自動巻取システム、自動巻取構造及び車両用電気制御装置
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20240821BHJP
B60L 53/18 20190101ALI20240821BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
H02J7/00 P
B60L53/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022256
(22)【出願日】2023-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001977
【氏名又は名称】弁理士法人クスノキ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 裕之
(72)【発明者】
【氏名】小島 大輔
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA03
5G503FA06
5H125AA01
5H125AC24
5H125FF13
(57)【要約】
【課題】不意に自動巻取機能が働いた場合であっても、ケーブルまたはコネクタが暴れることを抑制できるようにすること。
【解決手段】車両の充電部又は放電部へ接続可能なコネクタ21を端部に有したケーブル2を自動で巻き取り可能なリール部11を備えた自動巻取装置1と、自動巻取装置に巻かれるケーブルと、を備えた自動巻取システムRuであって、ケーブルに、リール部の巻き取りが所定の量以上行われないようにするために用いられるストッパ部3と、コネクタが車両の充電部又は放電部に接続された状態において、ケーブルの移動範囲を規制するために、コネクタが接続された位置とは異なる位置で車両に接続可能な若しくは車両の周囲に設置される物に接続可能な固定部4と、を備えた構成とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の充電部又は放電部へ接続可能なコネクタを端部に有したケーブルを自動で巻き取り可能なリール部を備えた自動巻取装置と、自動巻取装置に巻かれるケーブルと、を備えた自動巻取システムであって、
ケーブルに、
リール部の巻き取りが所定の量以上行われないようにするために用いられるストッパ部と、
コネクタが車両の充電部又は放電部に接続された状態において、ケーブルの移動範囲を規制するために、コネクタが接続された位置とは異なる位置で車両に接続可能な若しくは車両の周囲に設置される物に接続可能な固定部と、
を備えた自動巻取システム。
【請求項2】
固定部を操作することで、ケーブルを、自動巻取装置に巻き取られた状態から引き出すことが可能であり、
固定部に、車両又は車両の周囲に設置される物に接続するために用いることが可能な固定箇所を間隔をあけて複数備えた請求項2に記載の自動巻取システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の自動巻取システムの自動巻取装置の下端を、地面から2.0m以上の高さに位置するように自動巻取装置を設置し、
自動巻取装置に巻き取られた状態のケーブルを、下方に引き出すことが可能な構成とする自動巻取構造。
【請求項4】
車両の充電又は放電の制御に利用可能な車両用電気制御装置を備え、
車両用電気制御装置は自動巻取装置よりも下方に位置するように設置された請求項3に記載の自動巻取構造。
【請求項5】
車両の充電又は放電の制御に利用可能な車両用電気制御装置であって、
車両の充電部又は放電部へ接続可能なコネクタを端部に有するケーブルと、
ケーブルを自動で巻き取り可能なリール部と、
を備え、
ケーブルに、
リール部の巻き取りが所定の量以上行われないようにするために用いられるストッパ部と、
コネクタが車両の充電部又は放電部に接続された状態において、ケーブルの移動範囲を規制するために、コネクタが接続された位置とは異なる位置で車両に接続可能な若しくは車両の周囲に設置される物に接続可能な固定部と、
を備えた車両用電気制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動巻取システム、自動巻取構造及び車両用電気制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、ケーブルを自動で巻き取る機能を備えた車両用充電装置が知られている。ケーブルを自動で巻き取る仕組みとして、モータを駆動させ巻き取るものや、ケーブルを引き出す時に巻締まったぜんまいばねが戻ろうとする力で巻き取るものなどがある。それらは所定の操作により、ケーブルの巻き取りを開始する。具体的な所定の操作は、モータの場合には、スイッチを押すことなどであり、ぜんまいばねの場合には、引き出されたケーブルをさらに引き出すことなどである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【0004】
ところで、誤ってスイッチを押したり、引き出されたケーブルに引っ掛かってしまうなど、車両への充電中、若しくは車両からの放電中において、車両用電気制御装置の利用者が意図しない状況でそれら所定の操作が行われてしまう場合がある。意図しない状況で所定の操作が行われ、ケーブルの自動巻き取りが開始された場合、引き出されたケーブルが暴れたり、車両に接続されるコネクタの嵌合が解除され、コネクタが暴れるなど、ケーブルやコネクタによって、車両や、車両用充電装置付近の人や物が、傷付いたり怪我をするおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本件の発明者は、この点について鋭意検討することにより、解決を試みた。本発明が解決しようとする課題は、不意に自動巻取機能が働いた場合であっても、ケーブルまたはコネクタが暴れることを抑制できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、車両の充電部又は放電部へ接続可能なコネクタを端部に有したケーブルを自動で巻き取り可能なリール部を備えた自動巻取装置と、自動巻取装置に巻かれるケーブルと、を備えた自動巻取システムであって、ケーブルに、リール部の巻き取りが所定の量以上行われないようにするために用いられるストッパ部と、コネクタが車両の充電部又は放電部に接続された状態において、ケーブルの移動範囲を規制するために、コネクタが接続された位置とは異なる位置で車両に接続可能な若しくは車両の周囲に設置される物に接続可能な固定部と、を備えた自動巻取システムとする。
【0007】
また、固定部を操作することで、ケーブルを、自動巻取装置に巻き取られた状態から引き出すことが可能であり、固定部に、車両又は車両の周囲に設置される物に接続するために用いることが可能な固定箇所を間隔をあけて複数備えた構成とすることが好ましい。
【0008】
また、自動巻取システムの自動巻取装置の下端を、地面から2.0m以上の高さに位置するように自動巻取装置を設置し、自動巻取装置に巻き取られた状態のケーブルを、下方に引き出すことが可能な構成とする自動巻取構造とすることが好ましい。
【0009】
また、車両の充電又は放電の制御に利用可能な車両用電気制御装置を備え、車両用電気制御装置は自動巻取装置よりも下方に位置するように設置された構成とすることが好ましい。
【0010】
また、車両の充電又は放電の制御に利用可能な車両用電気制御装置であって、車両の充電部又は放電部へ接続可能なコネクタを端部に有するケーブルと、ケーブルを自動で巻き取り可能なリール部と、を備え、ケーブルに、リール部の巻き取りが所定の量以上行われないようにするために用いられるストッパ部と、コネクタが車両の充電部又は放電部に接続された状態において、ケーブルの移動範囲を規制するために、コネクタが接続された位置とは異なる位置で車両に接続可能な若しくは車両の周囲に設置される物に接続可能な固定部と、を備えた車両用電気制御装置とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、不意に自動巻取機能が働いた場合であっても、ケーブルまたはコネクタが暴れることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態における自動巻取システムの斜視図である。
【
図2】
図1に示す自動巻取システムと車両用電気制御装置の関係例を示す斜視図である。
【
図3】
図2に示す自動巻取システムと車両用電気制御装置と車両の位置関係の例を示す斜視図である。ただし、ケーブルは巻き上げられた状態である。
【
図4】
図3に示す状態からケーブルが引っ張り出され、コネクタ21と固定部が車両に接続された例を示す斜視図である。
【
図5】
図4に示す状態における車両の充放電部周りの拡大図である。
【
図6】固定部を輪留めに接続した例を示す斜視図である。
【
図7】
図6に示す状態における車両の充放電部周りの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に発明を実施するための形態を示す。
図1乃至
図4に示されていることから理解されるように、実施形態の自動巻取システムRuは、車両91の充電部又は放電部へ接続可能なコネクタ21を端部に有したケーブル2を自動で巻き取り可能なリール部11を備えた自動巻取装置1と、自動巻取装置1に巻かれるケーブル2と、を備えている。この自動巻取システムRuは、ケーブル2に、リール部11の巻き取りが所定の量以上行われないようにするために用いられるストッパ部3と、コネクタ21が車両91の充電部又は放電部に接続された状態において、ケーブル2の移動範囲を規制するために、コネクタ21が接続された位置とは異なる位置で車両91に接続可能な若しくは車両91の周囲に設置される物に接続可能な固定部4と、を備えている。このため、不意に自動巻取機能が働いた場合であっても、ケーブル2またはコネクタ21が暴れることを抑制できる。
【0014】
図1から
図4に示す自動巻取システムRuは、車両用電気制御装置5と車両91との間における電気のやり取りをする際に利用される。車両用電気制御装置5は、車両91への充電若しくは車両91からの放電に用いることが可能な電気機器若しくは、それらを制御することが可能な電子機器を備えた筐体51を備えている。この筐体51に収められた電気機器には、自動巻取装置1に向けて延びるケーブル2の一方の端部が接続されている。
【0015】
ケーブル2は、車両用電気制御装置5から供給される電気を車両91に充電する際、又は、車両用電気制御装置5に向けて車両91の電気を放電する際に電気を流す電線と、充電又は放電を制御するために車両用電気制御装置5と車両91との間で制御信号のやり取りを行う信号線と、を備えている。
【0016】
このケーブル2を巻き取ることが可能な自動巻取装置1は、ケーブル2を巻き取る際に利用するリール部11を備えている。リール部11がケーブル2を自動で巻き取る仕組みとしては、モータを駆動させて巻き取るものであってもよいし、ケーブル2を引き出す時に巻締まったぜんまいばねが戻ろうとする力で巻き取るものであってもよいし、その他の構成であってもよい。
【0017】
それらは所定の操作により、ケーブル2の巻き取りを開始する。所定の操作とは、モータの場合には、スイッチを押すことなどであればよく、ぜんまいばねの場合には、引き出されたケーブル2をさらに引き出すことなどであればよい。
【0018】
このような所定の操作がなされると、自動巻取装置1から延びたケーブル2が、コネクタ21を含めた所定の長さを残して、リール部11に巻き取られる。実施形態の自動巻取システムRuでは、ケーブル2の径よりも大きく、ケーブル2に設けたストッパ部3よりも小さい間隔を有する挿通部12、つまり、ケーブル2は挿通するが、ストッパ部3は挿通しない挿通部12を設けることで、所定の長さを残してケーブル2を巻き取ることができるように構成している。ただし、所定の長さを残すための構成はこのようなものに限る必要性はない。
【0019】
車両91の充電部又は放電部にコネクタ21を接続する場合、リール部11に巻き取られたケーブル2を引き出す。ケーブル2を引き出してコネクタ21を車両91の充電部又は放電部に対して接続することで、車両91への充電若しくは車両91からの放電をすることができる。その状態において、自動巻取装置1の巻き取りが開始した場合には、ケーブル2が巻き取られる方向にコネクタ21が引っ張られ充電部又は放電部から外れる方向に力がかかりうる。このとき、ケーブル2が暴れるように動く。コネクタ21が外れた場合には、コネクタ21が暴れるように動く場合もある。
【0020】
このような状況を防ぐために、車両91若しくは車両91の周辺に設置される物にケーブル2を固定する固定部4をケーブル2に備えるようにする。固定部4は、例えばケーブル2に取り付けられたロープなどの紐状の物体であってもよいし、ロープなどを結んで固定する部分であってもよい。例えば固定部4に環状の部分となる環状部を備えるようにしてもよい。より詳しい例としては、ロープなどの紐状の物体に環状部を設け、カラビナ92などのパーツを介して、車両91や車両91の周辺に設置された物に対して固定できるようにするものであってもよい。
【0021】
また、固定部4には複数の固定箇所41を備えるようにしてもよい(
図5参照)。例えば、固定部4に複数の環状部を設けるようにしてもよい。そうすることで、車両91や車両91の周辺に設置された物に対して接続する固定箇所41を選択することが可能となる。また、複数の固定箇所41を利用して固定部4を車両91などに接続することによって、より強固に固定部4を車両91などに接続することが可能となる。
【0022】
この固定箇所41は、固定部4に間隔をあけて複数設けられることが好ましい。より具体的には、固定部4を操作することで、ケーブル2を、自動巻取装置1に巻き取られた状態から引き出すことが可能であり、固定部4に、車両91又は車両91の周囲に設置される物に接続するために用いることが可能な固定箇所41を間隔をあけて複数備えた構成とするのが好ましい。このようにすれば、固定部4と、固定部4の接続先と、の関係を考慮して固定箇所41を選択することができる。
【0023】
ところで、自動巻取装置1は、車両91の近くに設置することが好ましい。しかし、自動巻取装置1を車両91の近くに設置すると車両91に接触するおそれがあるため、自動巻取装置1の下端が地面より2.0m以上の高さとなるようにするのが好ましい。この高さにすれば、自動巻取装置1が乗用車に衝突することはほとんどない。
【0024】
このようなことを可能とするため、自動巻取システムRuの自動巻取装置1の下端を、地面から2.0m以上の高さに位置するように自動巻取装置1を設置し、自動巻取装置1に巻き取られた状態のケーブル2を、下方に引き出すことが可能な構成とする自動巻取構造Rcとするのが好ましい。
【0025】
より好ましくは、自動巻取装置1の下端が地面より3.8mを超える高さとなるようにする。自動巻取装置1がトラックに衝突することも概ね回避できる。より安全側となるように4.1mを超える高さとなるようにするのが好ましいが、4.3mを超える高さとなるのが更に好ましい。
【0026】
一方、車両91の充電又は放電の制御に利用可能な車両用電気制御装置5は、車両91の充電又は放電を開始する際に利用者が操作することも想定されるため、利用者が操作できる高さに設置されるのが好ましい。したがって、車両91の充電又は放電の制御に利用可能な車両用電気制御装置5を備え、車両用電気制御装置5は自動巻取装置1よりも下方に位置するように設置された自動巻取構造Rcとするのが好ましい。
【0027】
なお、自動巻取装置1を車両91よりも上方に配置していても、上方に設置された自動巻取装置1に巻き取られたケーブル2に巻き取られなかった所定の長さのケーブル2は、下方に垂れ下がった状態となる。この垂れ下がった状態のケーブル2の端部には、コネクタ21が設けられているが、自動巻取装置1が車両91や人に接触しうる範囲に設置する場合、コネクタ21に人や車両91などが接触し、傷付いたり、怪我をしたりする場合がある。
【0028】
このため、ケーブル2を巻き上げた場合におけるコネクタ21の下端が地面より2.0mを超える高さとなるようにするのが好ましい。ケーブル2を巻き上げた場合におけるコネクタ21の下端が3.8mを超える高さとなるようにするのが更に好ましい。この高さにすれば、コネクタ21がトラックに衝突することも概ね回避できる。より安全側となるように4.1mを超える高さとなるようにするのが好ましいが、4.3mを超える高さとなるのが更に好ましい。
【0029】
ただし、自動巻取装置1の設置高さを高くした場合には、ケーブル2やコネクタ21に触れず、ケーブル2が引き出しにくくなるおそれがある。このようなことを回避するために、ケーブル2を引き出すための引出部をケーブル2に設けるようにすることが好ましい。この引出部は、万が一、人や車両91に接触しても傷付いたり、怪我したりすることが生じにくい部材で形成するのが好ましい。例えば、柔らかい素材でできていたり、撓むなどの変形ができる構成としているのが好ましい。
【0030】
高めの位置に設置された自動巻取装置1にケーブル2が巻き上げられた状態において、ケーブル2と引出部が垂れ下がる構成となる場合、ケーブル2の端部に位置するコネクタ21よりも、引出部の端部の方が下方に位置するような構成とする。この引出部はストッパ部3に取り付けてもよいし、その他の部分に取り付けられていてもよい。
【0031】
実施形態では、引出部と固定部4を同一の部材で構成している。つまり、ケーブル2の収納状態においては、固定部4が引出部として機能し、ケーブル2を引き出した後、車両91若しくは車両91の周辺に設置された物に固定部4を用いて固定できる構成としている。
【0032】
引出部と固定部4を別の部材で構成する場合、上方に設置された自動巻取装置1にケーブル2が巻き上げられた状態において、引出部の下端は、コネクタ21の下端及び固定部4の下端よりも下方に位置するようにする。
【0033】
ここで、固定部4を固定するまでの流れの例を説明する。まず、引出部を利用して、ケーブル2やコネクタ21を下方まで引き出す。この際、通常、ケーブル2またはコネクタ21を利用者が持つことができる位置まで引き出す。更には、コネクタ21が充電部又は放電部まで届くように、更に、ケーブル2を引き出す。そして、コネクタ21を充電部又は放電部に接続する。また、固定部4と車両91若しくは車両91の周辺に設置された物を連結する。
【0034】
自動巻取装置1にケーブル2を巻き取らせる際の流れは、上記した例とは逆になるが、巻き取らせる際には、所定の操作が必要となる。
【0035】
次に、固定部4と車両91を連結する例と、固定部4と車両91の周辺に設置された物を連結する例を順に説明する。
図4及び
図5に図示している状態は、車両91の充電部及び放電部の双方に利用できる充放電部91aに隣接するフレーム91bに固定部4が連結される例である。車両91の充電部又は放電部の周囲にフレーム91bなど、固定部4を直接連結若しくは、カラビナ92などのパーツを介して連結することが可能な物がある場合は、それを用いて固定部4と車両91を連結すればよい。なお、フレーム91bの他、車両91のタイヤや、車体のフレーム91b以外の箇所、荷台などに固定部4を連結することも例示できるが、車両91のその他の箇所に固定部4を連結するようにしてもよい。
【0036】
車両91に対して固定部4を固定する箇所がない場合、固定部4と車両91の周辺に設置された物を連結するようにすればよい。例えば、車両91を固定しておくための輪留め93に対して、固定部4を直接連結したり、カラビナ92などのパーツを介して連結したりすればよい(
図6及び
図7参照)。
【0037】
固定部4が接続される車両91の周辺に設置された物は輪留め93に限る必要はない。例えば、電柱、照明柱、門など土地に接着させて設置される物であってもよい。この場合、車両91の周囲に設置された物が移動することがないものであるのが好ましい。ただし、輪留め93のように土地に長期間設置される物でない場合であっても、ケーブル2を巻き取る際の荷重で移動しない程度の重量物であれば構わない。
【0038】
また、車両91の周辺に設置された物が、ケーブル2を巻き取る際の荷重で移動し得るものであっても、移動しないための工夫をすれば、実用に耐えることができる場合がある。例えば、ケーブル2が巻き取られる方向に移動した際に、その移動を止める物(例えば、タイヤ)があるように構成すれば、実用に耐えることができる。
【0039】
固定部4に固定箇所41となる環状部が複数設けられている場合、車両91や車両91の周囲に設置された物から選択した複数の箇所が環状部と連結するようにしてもよい。例えば、車体のフレーム91bを環状部の一つと連結するとともに、別の環状部と輪留め93を連結することなどが考えられる。
【0040】
ところで、リール部11などは自動巻取装置1に備えるようにすることに限らない。リール部11を車両用電気制御装置5に備えるようにしてもよい。リール部11は車両用電気制御装置5の筐体51の内部に取り付けられていても外部に取り付けられていても構わない。
【0041】
この場合、車両91の充電又は放電の制御に利用可能な車両用電気制御装置5であって、車両91の充電部又は放電部へ接続可能なコネクタ21を端部に有するケーブル2と、ケーブル2を自動で巻き取り可能なリール部11と、を備え、ケーブル2に、リール部11の巻き取りが所定の量以上行われないようにするために用いられるストッパ部3と、コネクタ21が車両91の充電部又は放電部に接続された状態において、ケーブル2の移動範囲を規制するために、コネクタ21が接続された位置とは異なる位置で車両91に接続可能な若しくは車両91の周囲に設置される物に接続可能な固定部4と、を備えた車両用電気制御装置5とするのが好ましい。
【0042】
この車両用電気制御装置5は、車両用電気制御装置5の操作部が利用者の負担となりにくいように設置されることが好ましい。このため、車両用電気制御装置5の操作部が床面から60cm以上150cm以下の範囲に存在する構成とするのが好ましい。
【0043】
以上、実施形態を例に挙げて本発明について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、各種の態様とすることが可能である。例えば、ケーブルは車両用電気制御装置からコネクタまで一続きのものである必要はない。一端が車両用電気制御装置に接続され他端が自動巻取装置に接続されるケーブル(リール部に巻きまわされないケーブル)と、一端にコネクタを有し他端が自動巻取装置に接続されるケーブル(リール部に巻きまわされるケーブル)を別の部材とすることも可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 自動巻取装置
2 ケーブル
3 ストッパ部
4 固定部
5 車両用電気制御装置
11 リール部
21 コネクタ
41 固定箇所
91 車両
Ru 自動巻取システム
Rc 自動巻取構造