(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116595
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】支柱材の取付け装置
(51)【国際特許分類】
E04G 21/32 20060101AFI20240821BHJP
E04F 11/18 20060101ALI20240821BHJP
【FI】
E04G21/32 C
E04F11/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022289
(22)【出願日】2023-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】000143558
【氏名又は名称】株式会社国元商会
(71)【出願人】
【識別番号】315019894
【氏名又は名称】株式会社杉孝グループホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100154014
【弁理士】
【氏名又は名称】正木 裕士
(74)【代理人】
【識別番号】100154520
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 祐子
(72)【発明者】
【氏名】栗山 誠司
(72)【発明者】
【氏名】鈴野 佑季
【テーマコード(参考)】
2E301
【Fターム(参考)】
2E301FF05
2E301LL01
2E301LL13
(57)【要約】
【課題】安全手摺等の支柱材を支持する手段として活用できる取付け装置を提供する。
【解決手段】本発明装置は、構造体9に固着立設された支持用管体10と、この支持用管体に差し込まれて打設コンクリート層12より上方に突出する支柱材支持パイプ1を備え、安全手摺等の支柱材11が前記支柱材支持パイプ内に差し込まれて保持される支柱材の取付け装置において、支柱材支持パイプ1は、中間高さから下端までの部分が下端側ほど小径となる先細り状部分1aに形成されると共に、この先細り状部分の内側には下端側ほど内径が漸減する内径漸減部分4が設けられ、更にこの内径漸減部分の下端には、支柱材11の下端を受け止める内側への張出し部5が設けられ、前記先細り状部分1aの下端から上向きに延びる切込みスリット6が周方向に複数本形成されて、差し込まれた支柱材によって先細り状部分1aが各スリットの広がりを伴って拡径されるように構成されている。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造体に固着立設されてその全長が打設コンクリート層内に埋められる支持用管体と、この支持用管体に差し込まれて打設コンクリート層より上方に突出する支柱材支持パイプを備え、安全手摺等の支柱材が前記支柱材支持パイプ内に差し込まれて保持される安全手摺等の支柱材の取付け装置において、
前記支持用管体は、上端から下端まで直径の等しい直管であり、前記支柱材支持パイプは、前記支持用管体内に差し込まれて下端が支持用管体の底に当接する先細り状部分を備え、この先細り状部分を前記支持用管体内の底まで差し込んだとき、この先細り状部分の外周面が前記支持用管体の上端内周面に圧接するように構成され、前記支柱材支持パイプの先細り状部分には、下端側ほど内径が小さくなる内径漸減部分が設けられると共に、この内径漸減部分の下端部には、支柱材支持パイプ内に差し込まれた支柱材の下端を受け止める内側への張出し部が設けられ、更に前記内径漸減部分には、その下端から上向きに延びる切込みスリットが周方向に複数本形成されて、前記内径漸減部分に差し込まれた支柱材によって当該内径漸減部分が各スリットの広がりを伴って拡径されるように構成され、支柱材支持パイプに前記支柱材を前記張出し部で受け止められる深さまで差し込んだとき、当該支柱材によって拡径された支柱材支持パイプの下端部が前記支持用管体の下端部内面に当接するように構成されている、支柱材支持管。
【請求項2】
前記支柱材支持パイプの上端部には、半径方向に貫通する工具差込み孔が設けられている、請求項1に記載の支柱材支持管。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築中の構造体に仮設される安全手摺等の支柱材を支持するための取付け装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
安全手摺等の支柱材は、建築中の構造体、例えば水平に架設されているH型鋼などの鉄骨の上面に固着立設された支持用管体に差し込んで支持させる場合、前記支持用管体に対して支柱材をがたつき無く同心状に位置決めするために、支持用管体と支柱材との間の隙間を埋めるための支柱材支持パイプが併用される。特許文献1に示される取付け装置では、前記支持用管体の下端部に、支柱材の下端部が丁度内嵌できるように絞り加工された小径が形成されており、支柱材に外嵌する支柱材支持パイプを支持用管体の大径上端部に内嵌させることによって、支柱材の下端部と中間高さとの2箇所を支持用管体に同心状に位置決めする構成となっている。又、特許文献2に示される取付け装置では、前記支持用管体は上端から下端まで直径の等しい直管となっているが、この支持用管体の内径より細い外径の支柱材が支持用管体の底まで挿入された状態で、当該支持用管体の上端部とこの内側に位置する支柱材との間に、支柱材支持パイプの切込みスリットを備えた先細り状部分を圧入して、支柱材を支持用管体に同心状に位置決め保持するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8-100536号公報
【特許文献2】特開平9-013690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1及び2の何れに記載された取付け装置においても、コンクリート打設の前の降雨によって支持用管体内に雨水が溜まると、一般的に鋼管によって構成されている安全手摺等の支柱材が雨水の溜まった支持用管体内に差し込まれた状態になるため、当該支柱材の下端部が発錆し、強度低下などの原因となる。この問題点を解消するために、支持用管体の周壁下端に水抜き穴を開けておくことが考えられるが、特許文献1及び2の何れに記載された取付け装置においても、支持用管体の下端まで支柱材が露出状態で入り込んでいて、当該支持用管体と支柱材との間に差し込まれて支柱材を支持用管体と同心状に保持する支柱材支持パイプは、支柱材の下端から上方に離れて位置しているので、コンクリート打設時には、コンクリート又はそのモルタル成分が前記水抜き穴から支持用管体内に侵入し、支持用管体内の支柱材の下端部に接した状態で硬化することになる。この結果、工事終了後に行われる支持用管体からの支柱材の抜き取りが円滑且つ容易に行えない不都合が生じていた。更に、特許文献1に記載された取付け装置では、支持用管体として小径の下半部と大径の上半部から成る特殊形状の管体を準備しなければならないためコスト高になり、特許文献2に記載された取付け装置では、支柱材の下端から上方に離れた中間高さ部分が、支持用管体と支柱材との間に差し込まれた支柱材支持パイプによって支持用管体に対して同心状に位置決めされる構成であるため、支持用管体に対する支柱材の位置決め効果が弱く、支柱材に働く外力によって容易に支柱材が揺れ動く恐れがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記のような従来の問題点を解消することのできる支柱材の取付け装置を提案するものであって、本発明に係る支柱材の取付け装置は、後述する実施例との関係を理解し易くするために、当該実施例の説明において使用した参照符号を括弧付きで付して示すと、構造体(9)に固着立設されてその全長が打設コンクリート層内に埋められる支持用管体(10)と、この支持用管体(10)に差し込まれて打設コンクリート層(12)より上方に突出する支柱材支持パイプ(1)を備え、安全手摺等の支柱材(11)が前記支柱材支持パイプ(1)内に差し込まれて保持される安全手摺等の支柱材の取付け装置において、前記支持用管体(10)は、上端から下端まで直径の等しい直管であり、前記支柱材支持パイプ(1)は、前記支持用管体(10)内に差し込まれて下端が支持用管体(10)の底に当接する先細り状部分(4)を備え、この先細り状部分(4)を前記支持用管体(10)内の底まで差し込んだとき、この先細り状部分(4)の外周面が前記支持用管体(10)の上端内周面に圧接するように構成され、前記支柱材支持パイプ(1)の先細り状部分(4)には、下端側ほど内径が小さくなる内径漸減部分(1a)が設けられると共に、この内径漸減部分(1a)の下端部には、支柱材支持パイプ(1)内に差し込まれた支柱材(11)の下端を受け止める内側への張出し部(5)が設けられ、更に前記内径漸減部分(1a)には、その下端から上向きに延びる切込みスリット(6)が周方向に複数本形成されて、前記内径漸減部分(1a)に差し込まれた支柱材(11)によって当該内径漸減部分(1a)が各スリット(6)の広がりを伴って拡径されるように構成され、支柱材支持パイプ(1)に前記支柱材(11)を前記張出し部(5)で受け止められる深さまで差し込んだとき、当該支柱材(11)によって拡径された支柱材支持パイプ(1)の下端部が前記支持用管体(10)の下端部内面に当接する構成となっている。
【発明の効果】
【0006】
上記本発明の構成によれば、特許文献1に記載の構成と比較して、支持用管体は直管から構成できるので安価に実施することができる。前記支柱材支持パイプは、支柱材を支持するものであるから、前記内径漸減部分より上方には、支柱材をがたつき無く支持できる領域、即ち、支柱材を通すことができる最小内径の領域を有するものである。従って、支持用管体に差し込まれた支柱材支持パイプに支柱材を差し込めば、当該支柱材の下端部で押し広げられた支柱材支持パイプの内径漸減部分の下端部と、支持用管体の上端内側に位置する支柱材支持パイプの中間高さ部分との上下2箇所で、支持用管体に対して支柱材を同心状に位置決めすることになり、しかもこの上下2箇所は、当該支持用管体の全長と余り変わりないほどの距離を隔てているので、特許文献2に記載の構成と比較して、支持用管体に差し込まれた支柱材は、支持用管体と同心状の姿勢に確実且つ強力に保持されることになる。更に、前記支持用管体の周壁下端に仮に水抜き穴が設けられていても、この支持用パイプ内に差し込まれた支柱材の下端を受け止める前記張出し部を、前記水抜き穴よりも高いレベルで支柱材を受け止めることができるように位置させておきさえすれば、打設されたコンクリート又はそのモルタル成分が前記水抜き穴を通じて支持用管体内に入り込んでも、そのコンクリート又はそのモルタル成分が前記水抜き穴より高い位置にある前記支柱材に接触した状態で硬化するという不都合を回避できる。
【0007】
尚、支柱材支持パイプの支持用管体から上方に突出している部分には、打設されたコンクリートが接触して硬化しているだけではなく、支持用管体の下端の水抜き穴から支持用管体内に入り込んだコンクリート又はそのモルタル成分が支柱材支持パイプの下端部に接触した状態で硬化していることもあり得る。従って、安全手摺等の支柱材を抜き取った後、硬化コンクリート層から上方に突出している支柱材支持パイプの上端部を利用して当該支柱材支持パイプをねじ回して硬化コンクリート層から離脱させる作業が困難になる場合もある。このような場合に、前記支柱材支持パイプ(1)の上端部に半径方向に貫通する工具差込み孔(7)が設けられておれば、この工具差込み孔に差し込んだシノなどの適当な工具を利用して、支柱材支持パイプを比較的容易にねじ回すことができるようになり、支柱材支持パイプの下端部に接触して硬化しているコンクリート又はモルタルからこの支柱材支持パイプを確実に離脱させて容易に引き抜くことができる。尚、前記工具差込み孔は、支柱材支持パイプの上端部の直径方向両側に互いに同心状に貫通させて設けるのが効果的である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】使用状態の本発明装置を説明する縦断正面図である。
【
図2】
図2Aは、支柱材支持パイプの正面図であり、
図2Bは支柱材支持パイプの縦断正面図である。
【
図3】
図3は、支柱材支持パイプの拡大平面図である。
【
図4】
図4は、支柱材支持パイプの拡大底面図である。
【
図6】
図6は、構造体に固着立設された支持用管体と、この支持用管体内に差し込まれる支柱材支持パイプ、及び支柱材支持パイプ内に差し込まれる仮設安全手摺の支柱材を示す外観図である。
【
図7】
図7は、
図5に示す支持用管体に下半部が差し込まれた支柱材支持パイプに仮設安全手摺の支柱材を差し込む状況を説明する縦断正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の好適な実施例を図に基づいて説明すると、
図1に示す本発明装置の使用状態において、仮設安全手摺の支柱材11が支持される箇所には、例えばH型鋼などの構造体9の上面所定位置に支持用管体10が、溶接などにより下端が固着されて垂直向きに立設されている。支持用管体10には支柱材支持パイプ1の下半部が差し込まれ、この支柱材支持パイプ1に仮設安全手摺の支柱材11の下端部が差し込まれる。
【0010】
以下詳細に説明すると、支柱材支持パイプ1は、
図2~
図5に示すように、上端の外径が最大で下端の外径が最少になるように、下端側ほど外径が漸減する先細り形状のプラスチック製パイプであって、上端近くのA点から下端近くのB点までの、支柱材11をがたつき無く差し込める程度の内径一定の支柱材支持領域2、前記A点から上端までの内径が上広がりに変化する支柱材差込み用開口部3、前記B点から下端までの内径が下端側ほど小さく変化する内径漸減部分4、この内径漸減部分4の下端部に内側に張り出すように一体形成した環状張出し部5、下端から前記B点より少し上方の位置まで切り欠き形成した、周方向等間隔おきに配置された複数本の切欠きスリット6、及び前記支柱材差込み用開口部3の上端近くの直径方向2箇所に互いに同心状に形成した一対の工具差込み孔7を備えている。従って、B点からA点までの領域ではA点に近づくほど厚さが漸増し、A点から支柱材差込み用開口部3の上端までの領域ではA点から遠ざかるほど厚さが漸減する構造となっている。この支柱材支持パイプ1の外観は、外径が下端から上端まで、上端側ほど漸増するテーパー状のものであって、下端から切欠きスリット6の上端より少し上方の位置までの、支持用管体10の高さとほぼ等しい領域が、支持用管体10に差し込まれる先細り状部分1aとなっている。
【0011】
尚、環状張出し部5の上側には、環状張出し部5まで内径が一定の直管部8を形成しているが、この直管部8を省いて、内径が下端側ほど漸減する内径漸減部分4の傾斜内周面が環状張出し部5の上端段面5aに繋がるように構成しても良い。同様に、内径漸減部分4の外周面は、環状張出し部5の上端付近までは下端側ほど外径が漸減する先細り外周面であって、それより環状張出し部5の下端までの外径は変化しない円柱状としているが、環状張出し部5の外周面は、その上側から環状張出し部5の下端までの全体を、下端側ほど外径が漸減する先細り外周面に形成しても良い。
【0012】
前記支持用管体10は、支柱材支持パイプ1の切欠きスリット6の上端より少し上方位置での外径と等しいほどの内径を有する直管状のもので、その長さは、支柱材支持パイプ1の下端から切欠きスリット6の上端までの長さより少し長い程度に設定されており、下端周辺の適当箇所には、内部に雨水が滞留するのを防止するための水抜き穴10aが切り欠き形成されている。而して、支持用管体10に支柱材支持パイプ1の先細り状部分1aを差し込めば、
図7に示すように、支柱材支持パイプ1の下端(環状張出し部5の下端)が支持用管体10の底(構造体9の上面)に当接し、切欠きスリット6の上端より少し上側の位置で、支柱材支持パイプ1の外周面が支持用管体10の上端内周面に圧接する状態で、支柱材支持パイプ1が支持用管体10に保持される。
【0013】
上記のように支持用管体10に支柱材支持パイプ1をセットしたならば、仮設安全手摺の支柱材11を支柱材支持パイプ1に差し込む。この支柱材11は、支柱材支持パイプ1の支柱材支持領域2の内径と同じか又は僅かに小さい外径の鋼管から構成されている。支柱材支持パイプ1内に差し込まれる支柱材11の下端が支柱材支持パイプ1の内径漸減部分4の領域に入ると、支柱材11の差込み抵抗が大きくなるので、この抵抗に打ち勝つように支柱材11を支柱材支持パイプ1内に強く圧入させると、内径漸減部分4を切欠きスリット6の広がりを伴って押し開きながら下端の環状張出し部5の上端段面5aで支柱材11の下端が受け止められる位置まで支柱材11を支柱材支持パイプ1に差し込むことができる。この結果、
図1に示すように、最大に拡径した先細り状部分1aの下端外周面が支持用管体10の下端の内周面に当接する状態になり、支柱材支持パイプ1の先細り状部分1aの上端外周面は支持用管体10の上端内周面に圧接しているので、支持用管体10の少なくとも上下両端内周面に支柱材支持パイプ1の外周面が当接して、支持用管体10と同心状の起立姿勢に保持され、延いては仮設安全手摺の支柱材11も、支持用管体10と同心状の起立姿勢に保持されたことになる。
【0014】
上記のように仮設安全手摺を支持し終わったならば、
図1に示すように、支柱材支持パイプ1の上端と支持用管体10の上端との間の中間レベルまでコンクリートを打設養生して打設コンクリート層12を構築すれば良い。このとき、コンクリート又はそのモルタル成分が支持用管体10の下端にある水抜き穴10aから支持用管体10内に入り込み、支柱材支持パイプ1の下端部に接触して硬化することも考えられるが、少なくとも仮設安全手摺の支柱材11は、環状張出し部5の上端段面5aの上に支持されているので、水抜き穴10aよりも環状張出し部5の上端段面5aを高い位置に設けておくことにより、仮設安全手摺の支柱材11にコンクリート又はそのモルタル成分が付着硬化する恐れは回避できる。
【0015】
工事が完了して仮設安全手摺を除去する状況になったならば、仮設安全手摺の支柱材11を支柱材支持パイプ1内から引き抜くだけで、支柱材11と共に仮設安全手摺を除去できる。この後、打設コンクリート層12内に埋まっている支柱材支持パイプ1を除去すれば良いが、この支柱材支持パイプ1には、打設コンクリート層12を構築するコンクリートが直接接して硬化しているので、当該支柱材支持パイプ1の抜き取りが容易でないことが予想される。このような場合には、打設コンクリート層12から上方に突出している支柱材支持パイプ1の上端部の工具差込み孔7にシノなどの適当な工具を差し入れ、この工具を利用して支柱材支持パイプ1に回転力を与えて打設コンクリート層12との離脱を促進させることができる。この後は、支柱材支持パイプ1を取り除いた跡の、支持用管体10の内部に連なる円柱状空間にモルタルを充填して塞いでおくことができる。
【0016】
尚、上記実施例では、上端段面5aで支柱材11の下端を受け止める張出し部5を環状に構成し、この環状張出し部5が、切欠きスリット6によって周方向に分割される構造としているが、切欠きスリット6間の適当箇所に突起状に張出し部5を設けることもできる。更に、以上に説明した本発明装置の使用方法とは異なる方法で使用することも可能である。例えば、仮設安全手摺の支柱材11に、その下端から支柱材支持パイプ1を、その下端の張出し部5の上端段面5aに支柱材11の下端が当接する状態まで差し込み、支柱材支持パイプ1の内径漸減部分4を支柱材11の周面に圧接させて、支柱材支持パイプ1を支柱材11の下端部に保持させておき、この状態で支持用管体10内に支柱材支持パイプ1を支柱材11と一体に差し込むこともできる。この場合、拡径されて外径が支持用管体10の内径にほぼ等しい状態になっている先細り状部分1aを支持用管体10内に差し込まなければならないので、先細り状部分1aの外周面の下端角を斜めにカットするなどして、支持用管体10内への差込みを容易にする工夫を加えることが考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本発明の支柱材の取付け装置は、建築中の構造体に仮設される安全手摺等の支柱材を支持する手段として活用できる。
【符号の説明】
【0018】
1 支柱材支持パイプ
1a 先細り状部分
2 支柱材支持領域
3 支柱材差込み用開口部
4 内径漸減部分
5 環状張出し部
5a 上端段面
6 切欠きスリット
7 工具差込み孔
8 直管部
9 H型鋼などの構造体
10 支持用管体
10a 水抜き穴
11 仮設手摺りの支柱材
12 打設コンクリート層