(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116633
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】定着装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/20 20060101AFI20240821BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20240821BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20240821BHJP
【FI】
G03G15/20 505
G03G15/00 680
G03G21/16 185
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022334
(22)【出願日】2023-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】畠山 真一
【テーマコード(参考)】
2H033
2H171
【Fターム(参考)】
2H033AA23
2H033BA02
2H033BA04
2H033BA11
2H033BA12
2H033BA26
2H033BB12
2H033BB18
2H033BB22
2H033BB26
2H033BB30
2H033BB33
2H033BB34
2H033BB38
2H033BE00
2H171FA03
2H171FA05
2H171FA19
2H171FA28
2H171GA09
2H171GA15
2H171GA40
2H171JA12
2H171JA40
2H171JA51
2H171JA59
2H171KA05
2H171KA13
2H171KA22
2H171KA23
2H171KA27
2H171KA28
2H171MA02
2H171MA20
2H171PA07
2H171PA14
2H171QC36
2H171WA11
2H171WA13
2H171WA17
2H171WA23
(57)【要約】
【課題】コネクタに接続されるハーネスが不規則に動くのを抑制することを目的とする。
【解決手段】定着装置1は、筐体4と、加熱部と、加圧部と、コネクタCと、ハーネスH1~H3と、ハーネスホルダ6を備える。加熱部は、シートを加熱する。加熱部は、第1方向に長い。加圧部は、加熱部との間にニップ部を形成する。コネクタCは、加熱部に電力を供給する。コネクタCは、第1方向と交差する装着方向から加熱部に装着される。ハーネスH1~H3は、コネクタCに接続される。ハーネスホルダ6は、筐体4との間でハーネスH1~H3を保持する。ハーネスホルダ6は、コネクタCに対して装着方向の上流側の位置で筐体4に固定される。ハーネスホルダ6は、コネクタCが加熱部に装着された状態から装着方向の上流側に移動する場合にコネクタCと接触することでコネクタCの移動を抑制する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
シートを加熱する加熱部であって、第1方向に長い加熱部と、
前記加熱部との間にニップ部を形成する加圧部と、
前記加熱部に電力を供給するコネクタであって、前記第1方向と交差する装着方向から前記加熱部に装着されるコネクタと、
前記コネクタに接続されるハーネスと、
前記筐体との間で前記ハーネスを保持するハーネスホルダであって、前記コネクタに対して前記装着方向の上流側の位置で前記筐体に固定され、前記コネクタが前記加熱部に装着された状態から前記装着方向の上流側に移動する場合に前記コネクタと接触することで前記コネクタの移動を抑制するハーネスホルダと、を備えることを特徴とする定着装置。
【請求項2】
前記ハーネスは、前記ハーネスホルダの第1端部と第2端部の間に位置し、
前記ハーネスホルダの前記第1端部と前記第2端部は、前記筐体に連結されることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
【請求項3】
前記ハーネスホルダの前記第1端部と前記第2端部は、前記第1方向および前記装着方向と交差する第2方向で異なる位置に位置することを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
【請求項4】
前記ハーネスホルダは、
前記第1端部に、ネジの頭部と接触する座面と、前記ネジのネジ部が通る孔と、を有し、
前記第2端部に、前記筐体に引っ掛かる第1係合部を有することを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
【請求項5】
前記ハーネスホルダは、前記第1端部に、前記筐体に引っ掛かる第2係合部をさらに有することを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
【請求項6】
前記装着方向は、シートの搬送方向と平行であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
【請求項7】
前記装着方向における前記コネクタと前記ハーネスホルダの間隔は、前記コネクタの前記装着方向の寸法よりも小さいことを特徴とする請求項6に記載の定着装置。
【請求項8】
前記加熱部は、前記コネクタから電力が供給される給電端子を備え、
前記装着方向における前記コネクタと前記ハーネスホルダの間隔は、前記給電端子の前記装着方向の寸法よりも小さいことを特徴とする請求項7に記載の定着装置。
【請求項9】
前記加熱部は、前記第1方向および前記装着方向と交差する第2方向に移動可能であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
【請求項10】
前記加熱部は、
無端状のベルトと、
前記ベルトの内側に位置する板状のヒータと、を備え、
前記加圧部は、前記ヒータとの間で前記ベルトを挟む加圧ローラであることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の定着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートにトナー像を熱定着させる定着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、定着装置として、フレームと、ヒータと、コネクタと、ガイド部材とを備えたものが知られている(特許文献1参照)。フレームは、ヒータを移動可能に支持している。コネクタは、ヒータの端部に装着される。コネクタには、ハーネスが接続されている。
【0003】
ガイド部材は、ハーネスをガイドするU形状の溝を有する。溝は、ヒータの移動方向の一方に開口している。
【0004】
コネクタは、ヒータの短手方向において、ヒータに着脱可能となっている。ガイド部材は、コネクタが短手方向に移動してヒータから外れるのを抑制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術では、ハーネスが単にガイド部材の溝に入っているだけであるので、ヒータが移動する際に、ハーネスが、溝から外れて不規則に動いて周囲の他の部品に触れて動作の邪魔になる可能性がある。
【0007】
そこで、本発明は、コネクタに接続されるハーネスが不規則に動いて周囲の他の部品に触れて動作の邪魔になるのを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明に係る定着装置は、筐体と、加熱部と、加圧部と、コネクタと、ハーネスと、ハーネスホルダと、を備える。
加熱部は、シートを加熱する。加熱部は、第1方向に長い。
加圧部は、加熱部との間にニップ部を形成する。
コネクタは、加熱部に電力を供給する。コネクタは、第1方向と交差する装着方向から加熱部に装着される。
ハーネスは、コネクタに接続される。
ハーネスホルダは、筐体との間でハーネスを保持する。
ハーネスホルダは、コネクタに対して装着方向の上流側の位置で筐体に固定される。ハーネスホルダは、コネクタが加熱部に装着された状態から装着方向の上流側に移動する場合にコネクタと接触することでコネクタの移動を抑制する。
【0009】
ハーネスホルダが筐体との間でハーネスを保持する構成とすることで、ハーネスが不規則に動いて周囲の他の部品に触れて動作の邪魔になるのを抑制できる。また、ハーネスホルダがコネクタに対して装着方向の上流側の位置で筐体に固定されることで、加熱部からコネクタが外れるのをハーネスホルダで抑制できる。
【0010】
また、加熱部は、第1方向および装着方向と交差する第2方向に移動可能であってもよい。
【0011】
加熱部が移動する方向を、ハーネスホルダとコネクタの並ぶ方向である装着方向と交差する第2方向にすることで、加熱部が第2方向に移動しても、コネクタがハーネスホルダと干渉しない。
【0012】
また、ハーネスは、ハーネスホルダの第1端部と第2端部の間に位置していてもよい。ハーネスホルダの第1端部と第2端部は、筐体に連結される。
【0013】
筐体に連結されたハーネスホルダの第1端部と第2端部の間にハーネスが位置するので、ハーネスがハーネスホルダの第1端部側または第2端部側から外れるのを抑制できる。
【0014】
また、ハーネスホルダの第1端部と第2端部は、第2方向で異なる位置に位置してもよい。
【0015】
また、ハーネスホルダは、第1端部に、座面と、孔と、を有していてもよい。
座面は、ネジの頭部と接触する。孔は、ネジのネジ部が通る孔である。
ハーネスホルダは、第2端部に、第1係合部を有する。
第1係合部は、筐体に引っ掛かる。
【0016】
また、ハーネスホルダは、第1端部に、筐体に引っ掛かる第2係合部をさらに有していてもよい。
【0017】
ハーネスホルダが第1係合部および第2係合部を有する構成とすることで、筐体にハーネスホルダを仮止めすることができるので、ネジでハーネスホルダを固定する前の状態において、ハーネスのコシによってハーネスホルダが筐体から外れるのを抑制できる。
【0018】
また、装着方向は、シートの搬送方向と平行であってもよい。
【0019】
また、装着方向におけるコネクタとハーネスホルダの間隔は、コネクタの装着方向の寸法よりも小さくてもよい。
【0020】
また、加熱部は、給電端子を備えていてもよい。
給電端子は、コネクタから電力が供給される端子である。
装着方向におけるコネクタとハーネスホルダの間隔は、給電端子の装着方向の寸法よりも小さい。
【0021】
また、加熱部は、ベルトと、ヒータと、を備えていてもよい。この場合、加圧部は、加圧ローラである。
ベルトは、無端状である。
ヒータは、ベルトの内側に位置する。ヒータは、板状である。
加圧ローラは、ヒータとの間でベルトを挟む。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、コネクタに接続されるハーネスが不規則に動いて周囲の他の部品に触れて動作の邪魔になるを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】実施形態に係る定着装置の断面図(a)と、ヒータ周りの部分を拡大して示す図(b)である。
【
図2】ヒータ、コネクタ、電力供給部およびサーモスタットの関係を示す図(a)と、ヒータ等を長手方向に切った断面図(b)である。
【
図4】コネクタ周りの構造を分解して示す斜視図である。
【
図5】定着装置をコネクタ側から見た側面図(a)と、コネクタとハーネスホルダの関係を示す拡大図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1(a)に示すように、定着装置1は、シートSにトナー像を定着させる装置である。定着装置1は、プリンタなどの画像形成装置の本体筐体に取り付けられる。定着装置1は、加熱部の一例としての加熱ユニット2と、加圧部の一例としての加圧ローラ3と、筐体4と、ガイド5とを備える。筐体4およびガイド5は、例えば樹脂からなる。
【0025】
なお、以下の説明において、方向を説明する場合、
図1に示す第1方向、第2方向および第3方向を用いて説明する。本実施形態において、第1方向は、加圧ローラ3の軸方向に沿った方向である。第1方向は、シートの幅方向に沿った方向でもある。
【0026】
第2方向は、第1方向に直交する方向である。第2方向は、加熱ユニット2と加圧ローラ3でシートSを挟む方向である。第3方向は、第1方向および第2方向に直交する方向である。第3方向は、加熱ユニット2と加圧ローラ3の間のニップ部におけるシートSの搬送方向でもある。また、図面における各方向を示す矢印は、各方向における一方側を指すこととする。また、一方側の端部を「一端部」とも称し、他方側の端部を「他端部」とも称する。
【0027】
加熱ユニット2は、第1方向に長い。詳しくは、加熱ユニット2の第1方向の寸法は、第2方向の寸法および第3方向の寸法よりも大きい。加熱ユニット2は、ヒータ10と、ホルダ20と、熱伝導部材30と、ステイSTと、ベルトBLとを有する。
【0028】
ヒータ10は、ベルトBLを介してシートSを加熱する。ヒータ10は、第1方向に長い板状である。
【0029】
図1(b)に示すように、ヒータ10は、基板11と、基板11に支持された抵抗発熱体12と、カバー13とを有する。基板11は、酸化アルミニウムを材料とするセラミックの細長い長方形の板からなる。ヒータ10は、いわゆるセラミックヒータである。抵抗発熱体12は、基板11の一方の面に、印刷により形成されている。カバー13は、抵抗発熱体12を覆っている。カバー13は、例えば、ガラスからなる。
【0030】
熱伝導部材30は、ヒータ10の長手方向に熱を伝導して、ヒータ10の温度を、長手方向に均一化するための部材である。熱伝導部材30は、板状部材であり、ヒータ10とホルダ20との間に位置する。加熱ユニット2が加圧ローラ3との間でシートSを挟むときには、熱伝導部材30は、ヒータ10とホルダ20により挟まれる。熱伝導部材30は、例えばアルミニウムからなる。
【0031】
図1(a)に示すように、ホルダ20は、ヒータ10を支持するとともに、ベルトBLを案内する機能を有する。ホルダ20は、例えば、樹脂からなる。
【0032】
ステイSTは、ホルダ20を支持する。ステイSTは、例えば金属からなる。
【0033】
ベルトBLは、無端状である。ヒータ10は、ベルトBLの内側に位置する。ベルトBLは、ホルダ20に案内されながら、ヒータ10の周りを回転する。ベルトBLは、外周面と内周面を有する。外周面は、加圧ローラ3または加熱対象となるシートと接触する。内周面は、ヒータ10と接触する。
ベルトBLは、回転することで加圧ローラ3と共にシートSを搬送する。
【0034】
図1(b)に示すように、加圧ローラ3は、回転可能なローラである。加圧ローラ3は、第2方向において、シートSをベルトBLとの間で挟む。加圧ローラ3は、ベルトBLとの間にニップ部NPを形成する。加圧ローラ3は、ヒータ10との間でベルトBLを挟む。加圧ローラ3は、ベルトBLとの間でシートSを搬送する。
【0035】
加圧ローラ3は、シャフト3Aと、弾性層3Bと、表層3Cとを有する。
シャフト3Aは、円柱形状を有する。シャフト3Aは、例えば金属からなる。
【0036】
弾性層3Bは、円筒形状を有する。弾性層3Bは、例えばシリコンゴムからなる。弾性層3Bは、シャフト3Aを被覆している。弾性層3Bは、表面に表層3Cを有する。
【0037】
表層3Cは、例えばフッ素樹脂からなる。表層3Cは、弾性層3Bの表面に被覆されている。
【0038】
筐体4は、加圧ローラ3を回転可能に支持する。筐体4は、加熱ユニット2を第2方向に移動可能に支持する。
【0039】
図2(a)に示すように、本実施形態では、ヒータ10は、2本の抵抗発熱体12を備える。2本の抵抗発熱体12は、それぞれ、ヒータ10の長手方向に長く、長手方向に直交する短手方向に互いに離れて平行に配置されている。各抵抗発熱体12の一端12Aには、それぞれ導線19Aが接続され、導線19Aの各端部には、抵抗発熱体12に電力を供給するための給電端子18が設けられている。
【0040】
給電端子18は、導線19Aを介して抵抗発熱体12と導通している。給電端子18は、基板11の長手方向の一端部11Eに位置する。
図2(c)に示すように、定着装置1は、ヒータ10に電気を供給するコネクタCをさらに備えている。給電端子18には、コネクタCが接続されている。給電端子18には、コネクタCから電気が供給される。なお、
図2(c)においては、便宜上、抵抗発熱体12、カバー13およびベルトBLの図示は省略する。
【0041】
また、各抵抗発熱体12の他端12Bは、導線19Bにより互いに接続されている。なお、抵抗発熱体12の本数は、特に限定されない。また、長手方向の中央部の発熱量を長手方向の端部の発熱量より大きくした抵抗発熱体と、長手方向の端部の発熱量を長手方向の中央部の発熱量より大きくした抵抗発熱体とを設けて、各抵抗発熱体を個別に制御することで、長手方向の発熱分布を調整できるようにしてもよい。
【0042】
図2(a)に示すように、定着装置1は、電力供給部Eと、サーモスタットTと、ハーネスH1~H3とをさらに備える。
電力供給部Eは、ヒータ12に電力を供給する。電力供給部Eは、画像形成装置の本体筐体に設けられる。
【0043】
サーモスタットTは、自身の温度が閾値を超えると回路を切るスイッチである。サーモスタットTは、電力供給部Eとヒータ12の間に直列に接続され、ヒータ12により熱せられる位置に設けられている。何らかの原因でヒータ12がある閾値よりも高い温度になった場合はサーモスタットTが作動してヒータ12と電力供給部Eの間で回路を切る。これによりヒータ12の温度が閾値を超えて上昇することを防ぐ。
【0044】
ハーネスH1,H2は、コネクタCに接続されるハーネスである。ハーネスH1は、コネクタCと、電力供給部Eとに接続される。ハーネスH2は、コネクタCから筐体4内に延びて、サーモスタットTに接続される。
【0045】
ハーネスH3は、サーモスタットTと、電力供給部Eとに接続される。詳しくは、ハーネスH3は、筐体4内のサーモスタットTから筐体4のコネクタC側の側面44に引き出され、電力供給部Eに接続される。
【0046】
図3および
図4に示すように、ホルダ20は、装着部21を有している。装着部21は、コネクタCが装着される部位である。装着部21は、中空の矩形の箱状となっている。
【0047】
ヒータ10の長手方向の一端部は、装着部21内に位置する。コネクタCは、コネクタCは、ヒータ10の長手方向の一端部に対して第3方向に着脱可能となっている。詳しくは、コネクタCは、ヒータ10に対して第3方向の一方側から装着される。以下、第3方向の一方側から他方側に向かう方向を、「装着方向」ともいう。装着方向は、シートSの搬送方向と平行である。
【0048】
図4に示すように、定着装置1は、ハーネスホルダ6をさらに備えている。
【0049】
ハーネスホルダ6は、筐体4との間でハーネスH1~H3を保持する部品であり、筐体4とは別部品である。ハーネスホルダ6は、コネクタCに対して第3方向の一方側に配置される。つまり、ハーネスホルダ6は、コネクタCに対して装着方向の上流側の位置で筐体4に固定される。ハーネスホルダ6は、コネクタCがヒータ10に装着された状態から装着方向の上流側に移動する場合にコネクタCと接触することでコネクタCの移動を抑制する。
【0050】
図6に示すように、ハーネスホルダ6は、筐体4に取り付けられると、筐体4とともに後述する略矩形の枠Fを構成する。ハーネスホルダ6を筐体4に取り付けるときに枠F内にハーネスH1~H3を通して取り付けることにより枠F内にハーネスH1~H3を保持する。枠F内にハーネスH1~H3を保持することで、ハーネスH1~H3が枠Fの外にはみ出し周囲のほかの部品に触れて動作の邪魔になることを防ぐ。
【0051】
図5(b)に示すように、装着方向におけるコネクタCとハーネスホルダ6の間隔L1は、コネクタCの装着方向の寸法L2よりも小さい。なお、装着方向におけるコネクタとハーネスホルダの間隔L1は、
図2に示す給電端子18の装着方向の寸法L3よりも小さくてもよい。
【0052】
図4に示すように、ハーネスホルダ6は、第1端部61と、連結部62と、第2端部63とを有する。第1端部61と第2端部63は、第2方向で異なる位置に位置する。連結部62は、第1端部61と第2端部63の間に位置する。連結部62は、第1端部61と第2端部63を連結する。
【0053】
第1端部61は、座面61Aと、孔61Bと、第2係合部61Cとを有している。
座面61Aは、
図5(a)に示すネジ7の頭部71と接触する。ここで、ネジ7は、ハーネスホルダ6を筐体4に固定するためのネジである。ネジ7は、
図6に示すネジ部72を有する。ネジ部72は、ネジ山を有する。ネジ部72は、頭部71から延びる。
【0054】
図4に示すように、孔61Bは、ネジ7のネジ部72が通る孔である。
第2係合部61Cは、筐体4の後述する突起42に引っ掛かる部位である。第2係合部61Cは、筐体4の後述するボス41の外周面に沿うように湾曲している。第2係合部61Cは、第2方向に貫通する貫通孔61Dを有する。
【0055】
第2端部63は、第1係合部63Aを有する。第1係合部63Aは、筐体4の後述する被係合部43に引っ掛かるフック状の部位である。
【0056】
筐体4は、ボス41と、突起42と、被係合部43とを有する。
ボス41は、ネジ7が取り付けられるボスである。ボス41は、円筒状である。ボス41は、筐体4の側面44から第1方向の一方側に突出する。
【0057】
突起42は、ボス41の外周面から第2方向の他方側に突出する。ハーネスホルダ6が筐体4に取り付けられた状態において、突起42は、第2係合部61Cの貫通孔61Dに入る。詳しくは、突起42は、貫通孔61Dに嵌まる。
【0058】
これにより、ハーネスホルダ6の第1端部61は、筐体4に連結される。ハーネスホルダ6の第1端部61は、ボス41の外周面によって第2方向の一方側への移動が止められ、突起42によって第1方向および第3方向への移動が止められる。
【0059】
被係合部43は、ボス41から第2方向の一方側に離れている。被係合部43は、筐体4の側面44から第1方向の一方側に突出する。被係合部43は、第2方向に貫通する貫通孔43Aを有する。ハーネスホルダ6が筐体4に取り付けられた状態において、第1係合部63Aは、貫通孔43Aに入って、被係合部43の先端に引っ掛かる。
【0060】
これにより、ハーネスホルダ6の第2端部63は、筐体4に連結される。ハーネスホルダ6の第2端部63は、第2方向の他方側への移動が止められるとともに、第1方向および第3方向への移動が止められる。
【0061】
図6に示すように、ネジ7の頭部71は、ボス41の先端との間で、ハーネスホルダ6の第1端部61を挟む。ハーネスホルダ6が筐体4に取り付けられた状態において、ハーネスホルダ6の連結部62は、筐体4の側面44から離れている。
【0062】
ハーネスホルダ6が筐体4に取り付けられた状態において、ハーネスH1~H3は、ハーネスホルダ6の第1端部61と第2端部63の間に位置する。ハーネスホルダ6が筐体4に取り付けられた状態において、ハーネスH1~H3は、筐体4の側面44と連結部62の間に位置する。つまり、ハーネスH1~H3は、筐体4の側面44と、ボス41と、ハーネスホルダ6の第1端部61、連結部62および第2端部63と、被係合部43とで構成される略矩形の枠F内に配置される。これにより、ハーネスH1~H3は、枠F内に入ることで、第1方向および第2方向への移動が抑制されている。
【0063】
ここで、ハーネスH2は、コネクタCから枠F内を通って筐体4の外に向けて延びた後、折り曲げられ、再び枠F内を通って筐体4内に延びている。そのため、ハーネスH2のうち2つの部分が枠F内に入っている。
【0064】
次に、ハーネスホルダ6の筐体4への取付方法について説明する。
図4および
図6に示すように、作業者は、ハーネスH1~H3を、筐体4のボス41と被係合部43の間に配置する。作業者は、ハーネスホルダ6の第1係合部63Aを被係合部43に引っ掛けつつ、ハーネスホルダ6の第2係合部61Cをボス41の外周面上の突起42に引っ掛ける。これにより、ハーネスホルダ6は、筐体4に仮止めされ、筐体4に対する各方向への移動が抑制される。
【0065】
そのため、ハーネスホルダ6の仮止め後に、作業者がハーネスホルダ6から手を離した際に、ハーネスH1~H3のコシによってハーネスH1~H3が第1方向の一方側に移動しようとしても、ハーネスH1~H3の移動をハーネスホルダ6で止めることができる。さらに、ハーネスH1~H3のコシによってハーネスホルダ6が第1方向の一方側に押されても、ハーネスホルダ6が仮止めされていることにより、ハーネスホルダ6が筐体から外れるのを抑制できる。
【0066】
ハーネスホルダ6の仮止め後、作業者は、ネジ7のネジ部72を、ハーネスホルダ6の孔61Bに通し、ボス41の内周面に捩じ込むことで、ハーネスホルダ6を筐体4に固定する。
【0067】
以上、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
ハーネスホルダ6が筐体4との間でハーネスH1~H3を保持する構成とすることで、ハーネスH1~H3が不規則に動いて周囲の他の部品に触れて動作の邪魔になるのを抑制できる。また、ハーネスホルダ6がコネクタCに対して装着方向の上流側の位置で筐体4に固定されることで、加熱ユニット2からコネクタCが外れるのをハーネスホルダ6で抑制できる。
【0068】
加熱ユニット2が移動する方向を、ハーネスホルダ6とコネクタCの並ぶ方向である装着方向と交差する第2方向にすることで、加熱ユニット2が第2方向に移動しても、コネクタCがハーネスホルダ6と干渉しない。
【0069】
筐体4に連結されたハーネスホルダ6の第1端部61と第2端部63の間にハーネスH1~H3が位置するので、ハーネスH1~H3がハーネスホルダ6の第1端部61側または第2端部63側から外れるのを抑制できる。
【0070】
ハーネスホルダ6が第1係合部63Aおよび第2係合部61Cを有する構成とすることで、筐体4にハーネスホルダ6を仮止めすることができるので、ネジ7でハーネスホルダ6を固定する前の状態において、ハーネスH1~H3のコシによってハーネスホルダ6が筐体4から外れるのを抑制できる。
【0071】
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。
コネクタの装着方向は、第1方向と直交しなくてもよく、第1方向と交差する方向であればよい。第2方向は、第1方向および装着方向と直交しなくてもよく、第1方向および装着方向と交差する方向であればよい。
【0072】
ハーネスホルダは、第2係合部を有していなくてもよい。
【0073】
装着方向は、シートの搬送方向と平行でなくてもよい。
【0074】
加熱部は、加熱ユニット2に限らず、例えば、加熱ローラであってもよいし、ベルトと、ベルトの内周面に接触するニップ板と、ベルトおよびニップ板を加熱する熱源とを備える構成などであってもよい。
【0075】
加圧部は、加圧ローラに限らず、例えば、ベルトと、ベルトの内側に配置されるゴムパッドとを備える構成などであってもよい。
【0076】
前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0077】
1 定着装置
2 加熱ユニット
3 加圧ローラ
6 ハーネスホルダ
C コネクタ
H1~H3 ハーネス
NP ニップ部
S シート