(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116645
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】装身具
(51)【国際特許分類】
A44C 5/00 20060101AFI20240821BHJP
A44C 5/04 20060101ALI20240821BHJP
【FI】
A44C5/00 501D
A44C5/00 502B
A44C5/04 J
A44C5/04 G
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022350
(22)【出願日】2023-02-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】503175966
【氏名又は名称】株式会社クロスフォー
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 晃一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 幸夫
(57)【要約】
【課題】伸縮する線状体と装飾体とによってリング状に形成される構造を持つとともに組み立てが容易な装身具を提供する。
【解決手段】装身具1は、伸縮可能な線状体11と、線状体11の一方の端部と他方の端部との間に介在する装飾体13とを備える。線状体11は、複数の第1中空部材51と、複数の第2中空部材53と、線状の弾性部材61とを有し、第1中空部材51と第2中空部材53とが交互に並んで連結された中空部材列が形成される。弾性部材61は、この中空部材列における各第2中空部材53の各第2開口部531に挿通される。弾性部材61の両端には、弾性部材61が第2中空部材53を通過することを阻止する抜け止め部70が設けられる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮可能なリング状のアクセサリであって、
伸縮可能な線状体と、
前記線状体の一方の端部と他方の端部との間に介在する装飾体と、
を備え、
前記線状体は、
それぞれ2つの第1開口部を持つ複数の第1中空部材と、
それぞれ2つの第2開口部を持つ複数の第2中空部材と、
線状の弾性部材と、
を有し、
前記第1中空部材と前記第2中空部材とが交互に並んで連結された中空部材列が形成され、
各前記第2中空部材は、前記中空部材列において両側に隣接する2つの前記第1中空部材の前記第1開口部にスライド可能に挿通されており、当該隣接する2つの前記第1中空部材の内部に2つの前記第2開口部が位置し、
前記第2開口部が形成された前記第2中空部材の端部は、前記第1開口部に比べて大径であり、
前記中空部材列における各前記第2中空部材の各前記第2開口部に前記弾性部材が挿通され、
前記弾性部材の両端に、前記弾性部材が前記第2中空部材を通過することを阻止する抜け止め部が設けられた
装身具。
【請求項2】
前記弾性部材の両端に設けられた2つの前記抜け止め部の少なくとも一方は、前記弾性部材が拡径された部分である、
請求項1に記載の装身具。
【請求項3】
前記弾性部材の一端に設けられた一方の前記抜け止め部は、前記弾性部材が拡径された部分であり、
前記弾性部材の他端に設けられた他方の前記抜け止め部は、前記弾性部材に固定された部材である、
請求項2に記載の装身具。
【請求項4】
前記第2開口部から前記第2中空部材の内部に通じる通路は、前記第2開口部から当該内部へ向かうにつれて縮径しており、
前記抜け止め部は、縮径した前記通路を形成する前記第2中空部材の内面に接触する、
請求項2に記載の装身具。
【請求項5】
前記弾性部材はコイルバネであり、
前記弾性部材の両端に設けられた2つの前記抜け止め部の少なくとも一方は、前記コイルバネのコイル径が拡径された部分である、
請求項2に記載の装身具。
【請求項6】
前記弾性部材の両端に設けられた2つの前記抜け止め部の少なくとも一方は、
前記弾性部材の末端に近づくにつれて径が大きくなる拡径部分と、
前記弾性部材の当該末端に近づくにつれて径が小さくなる縮径部分と
を含み、
前記拡径部分と前記縮径部分とは、それぞれの径が最大となる場所で連続しており、
前記弾性部材の前記拡径部分が前記第2中空部材の前記第2開口部が形成された部分に接触する、
請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の装身具。
【請求項7】
前記弾性部材は金属製のコイルバネであり、
前記弾性部材の一端に設けられた前記抜け止め部は、前記コイルバネの末端に溶接された部材である、
請求項6に記載の装身具。
【請求項8】
前記弾性部材は、前記中空部材列に外力が加えられていないとき、前記中空部材列における前記第2中空部材同士の間隔を狭めるように作用する弾性力を生じる、
請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の装身具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレスレットなどの装身具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ブレスレットは、例えば、手首の周りにリング状に巻かれる金属製の線状体を有する。一般的なブレスレットは、線状体の両端に連結用の留め具が設けられており、ブレスレットを着脱する際には、両端の留め具を繋げたり外したりする必要がある。これに対して、特許文献1には、留め具を必要としないリング状のアクセサリが開示される。このアクセサリは、複数の第1部材と複数の第2部材とを有し、第1部材と第2部材とが交互に配置されている。第1部材と第2部材の内部がそれぞれ中空になっており、その内部にコイルスプリングなどの近接部材が連通されている。近接部材は、アクセサリの長さを縮める方向に作用する。近接部材の両端が連結部材によって連結されることにより、長さを伸縮させることが可能なリング状のアクセサリが得られる。このアクセサリは、長さを伸縮させることによって手首などに着脱できるため、留め具を用いる一般的なブレスレットに比べて着脱を容易に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1に記載されるリング状のアクセサリでは、近接部材を構成するコイルスプリングの両端が連結部材(丸環)によって直接連結されている。連結部材(丸環)は、リング状に連なった中空の第1部材および第2部材により形成される管の中で固定されておらず、管の中を移動可能となっている。このアクセサリの構造では、リングの途中に宝石などの装飾体を挿入することが想定されていないため、デザインのバリエーションが乏しいという問題がある。
【0005】
上述したアクセサリにおいてリングの途中に装飾体を挿入する場合、特許文献1に記載されるようにコイルスプリング(近接部材)の両端を連結部材によって直接連結することができない。仮に、コイルスプリング(近接部材)の両端をそれぞれ装飾体に取り付けるものとすると、このアクセサリを組み立てる場合には、複数の第1部材と複数の第2部材とが交互に繋がれて形成される管の中にコイルスプリングを挿通させた状態で、この管の両端からコイルスプリングの両端を引き出し、コイルスプリングの両端を引っ張って伸ばしながら、コイルスプリングの両端を装飾体に取り付ける作業が必要となる。そのため、組立作業が面倒になるという問題がある。また、コイルスプリングの両端を装飾体に直接取り付けるようにした場合、コイルスプリングの端部が視認され易くなるため、この端部を隠すための細工が必要になり、美観が損なわれるという問題もある。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、伸縮する線状体と装飾体とによってリング状に形成される構造を持つとともに組み立てが容易な装身具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、伸縮可能なリング状のアクセサリであって、伸縮可能な線状体と、前記線状体の一方の端部と他方の端部との間に介在する装飾体とを備え、前記線状体は、それぞれ2つの第1開口部を持つ複数の第1中空部材と、それぞれ2つの第2開口部を持つ複数の第2中空部材と、線状の弾性部材とを有し、前記第1中空部材と前記第2中空部材とが交互に並んで連結された中空部材列が形成され、各前記第2中空部材は、前記中空部材列において両側に隣接する2つの前記第1中空部材の前記第1開口部にスライド可能に挿通されており、当該隣接する2つの前記第1中空部材の内部に2つの前記第2開口部が位置し、前記第2開口部が形成された前記第2中空部材の端部は、前記第1開口部に比べて大径であり、前記中空部材列における各前記第2中空部材の各前記第2開口部に前記弾性部材が挿通され、前記弾性部材の両端に、前記弾性部材が前記第2中空部材を通過することを阻止する抜け止め部が設けられた、装身具である。
【0008】
このような構成によれば、前記中空部材列の内部へ線状の前記弾性部材を挿通させた状態において、前記弾性部材の両端に設けられた前記抜き止め部により、前記弾性部材が前記中空部材列から抜け出ないように保持される。これにより、前記線状体を組み立てる工程と、前記線状体の両端に前記装飾体を取り付ける工程とを独立に進めることが可能になる。すなわち、前記装飾体が準備されていない場合でも、前記線状体を単体で組み立てることが可能になる。従って、前記線状体を組み立てる工程と、前記線状体に前記装飾体を取り付ける工程とを同時に行わなければならない場合に比べて組立作業が簡易になる。また、前記弾性部材と前記抜き止め部を前記第1中空部材および前記第2中空部材の内部に位置させることが可能になり、これらを外部から見え難くすることができる。
【0009】
好適には、前記弾性部材の両端に設けられた2つの前記抜け止め部の少なくとも一方は、前記弾性部材が拡径された部分である。これにより、前記弾性部材に対して前記抜き止め部を取り付けて固定する作業を省略することが可能になる。
【0010】
好適には、前記弾性部材の一端に設けられた一方の前記抜け止め部は、前記弾性部材が拡径された部分であり、前記弾性部材の他端に設けられた他方の前記抜け止め部は、前記弾性部材に固定された部材である。これにより、前記他方の前記抜け止め部が取り付けられていない状態で前記弾性部材を前記中空部材列の内部に挿通させることができる。前記中空部材列の内部に前記弾性部材を挿通させた後、前記他方の前記抜け止め部を前記弾性部材の端部に固定することにより、前記弾性部材が前記中空部材列の内部に保持された状態となり、前記線状体が組み立てられる。
【0011】
好適には、前記第2開口部から前記第2中空部材の内部に通じる通路は、前記第2開口部から当該内部へ向かうにつれて縮径しており、前記抜け止め部は、縮径した前記通路を形成する前記第2中空部材の内面に接触する。これにより、前記抜け止め部が前記第2中空部材の前記内部の方向に引っ張られて前記通路の前記内面に強く押し当てられた場合に、前記抜け止め部と前記通路の前記内面とが面接触し易くなる。そのため、前記抜け止め部に対して局部的に強い力が加わる状態が生じ難くなり、前記抜け止め部の変形が抑制される。
【0012】
好適には、前記弾性部材はコイルバネであり、前記弾性部材の両端に設けられた2つの前記抜け止め部の少なくとも一方は、前記コイルバネのコイル径が拡径された部分である。これにより、前記コイルバネの前記コイル径を広げる比較的簡易な加工で前記抜け止め部を設けることが可能になる。
【0013】
好適には、前記弾性部材の両端に設けられた2つの前記抜け止め部の少なくとも一方は、前記弾性部材の末端に近づくにつれて径が大きくなる拡径部分と、前記弾性部材の当該末端に近づくにつれて径が小さくなる縮径部分とを含み、前記拡径部分と前記縮径部分とは、それぞれの径が最大となる場所で連続しており、前記弾性部材の前記拡径部分が前記第2中空部材の前記第2開口部が形成された部分に接触する。これにより、前記第2中空部材の前記第2開口部が形成された部分に接触する前記拡径部分に負荷がかかっても、前記縮径部分によって前記拡径部分の変形が抑制されやすくなる。
【0014】
好適には、前記弾性部材は金属製のコイルバネであり、前記弾性部材の一端に設けられた前記抜け止め部は、前記コイルバネの末端に溶接された部材である。これにより、前記コイルバネの末端に前記抜け止め部が溶接されていない状態で前記コイルバネを前記中空部材列の内部に挿通させることができる。前記中空部材列の内部に前記コイルバネを挿通させた後、前記コイルバネの末端に前記抜け止め部を溶接することにより、前記コイルバネが前記中空部材列の内部に保持された状態となり、前記線状体が組み立てられる。
【0015】
好適には、前記弾性部材は、前記中空部材列に外力が加えられていないとき、前記中空部材列における前記第2中空部材同士の間隔を狭めるように作用する弾性力を生じる。これにより、前記中空部材列に外力が加えられていないとき、前記中空部材列が最小となるように各前記第2中空部材の配置が定まり、これに応じて各前記第1中空部材の配置も定まり易くなる。そのため、各中空部材(前記第1中空部材、前記第2中空部材)の配置が定まらない場合に比べて美観が向上する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、伸縮する線状体と装飾体とによってリング状に形成される構造を持つとともに組み立てが容易な装身具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る装身具を例示する斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す線状体を伸ばした状態の部分拡大図である。
【
図5】
図5は、外力が加えられていない状態における線状体の部分断面図である。
【
図6】
図6は、外力が加えられた状態における線状体の部分断面図である。
【
図8】
図8は、第2抜け止め部を例示する部分断面図である。
【
図9】
図9は、抜け止め部の接続方法を例示する部分断面図である。
【
図10】
図10は、抜け止め部の接続方法を例示する部分断面図である。
【
図11】
図11は、弾性部材として用いられるコイルバネの一部を例示する図である。
【
図12】
図12は、コイルバネの一端に設けられた第1抜け止め部を例示する図である。
【
図13】
図13は、コイルバネの他端に設けられた第2抜け止め部を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、同一の部材には同一の符号を付し、一度説明した部材については適宜その説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る装身具を例示する斜視図である。
【0019】
本実施形態に係る装身具1は、ブレスレット、アンクレット、ネックレスなどのリング状のアクセサリであり、身体の特定の部位(手首等)に巻き付けて使用される。装身具1は、リングの長さを伸縮させることが可能であり、使用の際に留め具を用いてリングを開いたり閉じたりする必要がない。
【0020】
図1に示すように、装身具1は、伸縮可能な線状体11と、装飾体13とを有する。装飾体13は、線状体11の一方の端部と他方の端部との間に介在する。装身具1は、線状体11と装飾体13とによってリング状に形成される。なお、
図1の例において装身具1は1つの線状体11と1つの装飾体13を備えているが、本実施形態の他の例において、装身具1は複数の線状体11と複数の装飾体13を備えていてもよい。
【0021】
装飾体13は、装飾体本体21と、当該装飾体本体21を保持する保持具23とを有する。装飾体本体21は、例えば宝石等の装飾美を発揮するものであり、材料や形状は特に限定されない。
【0022】
保持具23の両端には、第1被挿入部31と第2被挿入部33が設けられている。第1被挿入部31には、線状体11の一端が挿入されて固定され、第2被挿入部33には、線状体11の他端が挿入されて固定される。線状体11と保持具23は例えば金属であり、線状体11の一端が第1被挿入部31の内側に溶接されて固定され、線状体11の他端が第2被挿入部33の内側に溶接されて固定される。線状体11の端部を第1被挿入部31および第2被挿入部33の内側に溶接することで、結合部の耐性が強くなり、負荷が加わっても分離し難くなる。
【0023】
図2は、
図1に示す線状体11を伸ばした状態の部分拡大図である。
図2に示すように、線状体11は、複数の第1中空部材51と、複数の第2中空部材53と、線状の弾性部材61とを有する。線状体11において、第1中空部材51と第2中空部材53が交互に並んで連結された列(以下、「中空部材列」と記す場合がある。)が形成されている。中空部材列の内部に形成される管状の通路に線状の弾性部材61が挿通される。
【0024】
図3A~
図3Cは、第1中空部材51を例示する図である。
図3Aは正面図を示し、
図3Bは側面図を示す。
図3Cは、正面図の縦方向に沿って第1中空部材51を切断した断面を示す。
図3Aおよび
図3Cに示すように、第1中空部材51は2つの第1開口部511を有する。第1中空部材51の内部は中空になっており、この内部の空間を挟んで2つの第1開口部511が対向している。
図3Bの例において、第1中空部材51は、両側の端部51bが中央部51aに比べて縮径した略筒型の外形を有する。
【0025】
第1開口部511から第1中空部材51の内部に通じる通路512は、この内部から第1開口部511へ向かうにつれて縮径している。中空部材列を伸長させた場合(
図6)、縮径した通路512を形成する第1開口部511の内面513と第2中空部材53の後述する端部53bの外面とが接触する。
【0026】
図4A~
図4Cは、第2中空部材53を例示する図である。
図4Aは正面図を示し、
図4Bは側面図を示す。
図4Cは正面図の縦方向に沿って第2中空部材53を切断した断面を示す。
図4Aおよび
図4Cに示すように、第2中空部材53は2つの第2開口部531を有する。第2中空部材53の内部は中空になっており、この内部の空間を挟んで2つの第2開口部531が対向している。
図4Bの例において、第2中空部材53は、両側の端部53bが中央部53aに比べて拡径した略筒型の外形を有する。
【0027】
第2中空部材53の中央部53aの径R3(
図4B)は、第1中空部材51の第1開口部511の径R1(
図3C)より小さい。また、第2中空部材53の端部53bの径R4(
図4C)は、第2中空部材53の内部の径R2(
図3C)より小さい。そのため第2中空部材53は、第1開口部511に中央部53aが挿通された状態(
図5、
図6)でスライド可能となる。
【0028】
他方、第2開口部531が形成された第2中空部材53の端部53bは、第1中空部材51の第1開口部511に比べて大径である。すなわち、第2中空部材53の端部53bの径R4(
図4C)は、第1中空部材51の第1開口部511の径R1(
図3C)より大きい。そのため、第1中空部材51の第1開口部511に第2中空部材53の中央部53aが挿通された状態において、端部53bは第1開口部511を通過することができない。この状態で中空部材列を伸長させると(
図6)、第1開口部511の内面513と端部53bの外面とが接触し、端部53bが第1中空部材51の内部から抜け出ないように係止される。
【0029】
図4Bおよび
図4Cに示すように、第2開口部531が形成された第2中空部材53の端部53bは、第2中空部材53の中央部53aから第2開口部531に向かうにつれて拡径している。中空部材列を伸長させた場合(
図6)、拡径した端部53bの外面は、縮径した通路512を形成する第1中空部材51の内面513と面接触し易い。そのため、第2中空部材53の端部53bと第1中空部材51の内面513とが接触する場合において、局部的に強い接触圧が加わる状態が回避され易くなる。
【0030】
図5及び
図6は、線状体11の部分断面図である。
図5は外力が加えられていない状態を示し、
図6は外力により引っ張られた状態を示す。
線状体11の各第2中空部材53は、中空部材列において両側に隣接する2つの第1中空部材51の第1開口部511にスライド可能に挿通されており、当該隣接する2つの第1中空部材51の内部に2つの第2開口部531が位置する。すなわち、第2中空部材53は、隣接する2つの第1中空部材51の第1開口部511に中央部53aが挿通されており、当該隣接する2つの第1中空部材51の内部に両側の端部53bが収容されている。端部53bは第1開口部511より大径であるため、端部53bは第1開口部511を通過することができない。そのため、中空部材列を構成する各第2中空部材53は両側の第1中空部材51と連結されて外れない状態になっている。
【0031】
図5および
図6に示すように、中空部材列における各第2中空部材53の各第2開口部531には、線状の弾性部材61が挿通される。中空部材列の内部には、各第2中空部材53の各第2開口部531が第1中空部材51を介して中継されることによって管状の通路が形成されおり、この通路に線状の弾性部材61が挿通される。弾性部材61は、延在方向に伸縮可能であるとともに、可撓性を有している。弾性部材61は、例えば金属製のコイルバネでもよいし、ゴム、エラストマー、樹脂などの弾性体により形成された紐状の部材でもよい。
【0032】
弾性部材61は、中空部材列に外力が加えられていないとき、中空部材列における第2中空部材53同士の間隔を狭めるように作用する弾性力を生じる。後述するように、弾性部材61の両端には抜け止め部70が設けられており、弾性部材61の長さが縮む方向に弾性力が作用しても、抜け止め部70が設けられた弾性部材61の両端は第2中空部材53を通過しない。中空部材列に外力が加えられていない状態でも弾性部材61の長さが縮むように弾性力が働いていると、各第2中空部材53に弾性力が作用し、第2中空部材53同士の間隔が最小となるように各第2中空部材53の配置が定まり、これに応じて各第1中空部材51の配置も定まり易くなる。すなわち、中空部材列に外力が加わらない状態で手首等に装着させているとき、第1中空部材51の配置が定まり易くなる。そのため、各中空部材(第1中空部材51、第2中空部材53)の配置が定まらない場合に比べて美観を向上させることができる。
【0033】
なお、中空部材列に外力が加えられていないとき、中空部材列の両端において第2中空部材53の端部53bの外面と第1中空部材51の内面513とがそれぞれ当接するように、第2中空部材53の長さが第1中空部材51に比べて短く形成されていてもよい。これにより、中空部材列に外力が加えられていない状態で各第1中空部材51にも弾性部材61の弾性力が作用するため、第1中空部材51の配置がより定まり易くなり、美観を更に向上させることができる。
【0034】
一方、弾性部材61の弾性力に抗して線状体11の長さを伸ばすように中空部材列へ外力が加えられると、中空部材列の各第1中空部材51の間隔が広がるとともに、各第1中空部材51の内部において第2中空部材53の端部53bが第1中空部材51の内面513に近づく。
図6に示すように、第2中空部材53の両側の端部53bが第1中空部材51の内面513に当接すると、中空部材列の長さはそれ以上伸びない状態となる。従って、弾性部材61の伸縮範囲は、中空部材列の伸縮可能な範囲に制限される。
【0035】
装身具1において、線状体11に外力を加えると、第1中空部材51と第2中空部材53との相対的な位置は変化するが、第1中空部材51と第2中空部材53とは連結して外れない構造になっている。
【0036】
このように、装身具1は、全体として緩やかな可撓性を有し、付け外しの際に線状体11の形状が変化する。線状体11は、装着時に比べて例えば1.4~1.8倍程度の長さに伸ばすことができる。このため、線状体11は、掌等を通す際には伸長させることが可能であり、手首付近等に装着させた状態では元の長さに復帰させることが可能である。
【0037】
装身具1を手首に装着する場合、ユーザは、装身具1のリングの径が広がるように線状体11に力を加えて長さを伸ばしながら、リングの中に掌を通す。リングに掌を通した後、ユーザが線状体11へ加えていた力を解除すると、線状体11が元の長さに戻り、リングが元の径に戻る。これより、リングの径が掌より小さくなり、装身具1が手首から外れない状態になる。
【0038】
装身具1が手首に装着されて線状体11に外力が加えられていない場合、例えば
図1に示すように、中空部材列において隣り合う第1中空部材51同士が接触若しくは近接した状態になり、第2中空部材53は外側から見え難くなる。すなわち、装身具1を身に着けた状態において、線状体11は第1中空部材51のみをリング状につなげたような外観となる。主として外観に表れる第1中空部材51には、例えば装飾性の高い貴金属(金、銀、プラチナなど)を用いてもよい。また、外観に表れ難い第2中空部材53には、例えば、耐久性や強度などの機能性に優れた材料(ステンレスなど)を用いてもよい。
【0039】
図7Aおよび
図8は、弾性部材61の両端に設けられた抜け止め部70を例示する部分断面図であり、線状体11の端部付近の断面を示す。
図7Aおよび
図8に示すように、弾性部材61の両端には、それぞれ抜け止め部70が設けられる。抜け止め部70は、弾性部材61が第2中空部材53を通過することを阻止する。抜け止め部70の径は、第2中空部材53の内部で2つの第2開口部531をつなぐ通路の径R5(
図4C)よりも大きいため、抜け止め部70は第2中空部材53を通過することができない。
【0040】
本実施形態では、中空部材列の内部へ線状の弾性部材61を挿通させた状態において、弾性部材61の両端に設けられた抜け止め部70により、弾性部材61が中空部材列から抜け出ないように保持される。これにより、線状体11を組み立てる工程と、線状体11の両端に装飾体13を取り付ける工程とを独立に進めることが可能になる。すなわち、装飾体13が準備されていない場合でも、線状体11を単体で組み立てることが可能になる。従って、例えば線状体に挿通された弾性部材を装飾体へ直接取り付ける場合のように、線状体を組み立てる工程と、線状体に装飾体を取り付ける工程とを同時に行わなければならない場合に比べて、組立作業を簡易化することができる。また、中空部材列の端部において、弾性部材61と抜け止め部70とを第1中空部材51および第2中空部材53の内部に位置させることが可能になるため、これらを外部から見え難くして見栄えを良くすることができる。
【0041】
更に、抜け止め部70は、第1中空部材51や第2中空部材53に固定されていないため、線状体11に捩じりなどの操作が加えられても中空部材列の中で弾性部材61が自由に動くことが可能であり、弾性部材61の伸縮動作の自由度が高まる。また、弾性部材61の形状変化があっても、第1中空部材51や第2中空部材53の相対的な位置の変化に対して弾性部材61の動作が制約を受けにくくなる。
【0042】
抜け止め部70の一例として、
図7Bには、弾性部材61の一端に設けられる第1抜け止め部71が示される。第1抜け止め部71は、弾性部材61が拡径された部分を有する。すなわち、第1抜け止め部71は弾性部材61と一体に設けられる。これにより、弾性部材61に対して抜け止め部を取り付けて固定する作業を省略することが可能になり、組み立てを容易にすることができる。
【0043】
第1抜け止め部71は、例えば
図7Bに示すように、弾性部材61の末端に近づくにつれて径が大きくなる拡径部分711と、弾性部材61の当該末端に近づくにつれて径が小さくなる縮径部分712とを有していてもよい。拡径部分711と縮径部分712とは、それぞれの径が最大となる場所で連続している。第1抜け止め部71の拡径部分711は、
図7Aに示すように、第2中空部材53の第2開口部531が形成された部分に接触する。これにより、第2開口部531が形成された部分に接触する拡径部分711に負荷がかかっても、縮径部分712によって拡径部分711の変形が抑制されやすくなる。
【0044】
更に
図7Aの例において、第1抜け止め部71は、縮径した通路532を形成する第2中空部材53の内面533に接触している。これにより、第1抜け止め部71が第2中空部材53の内部の方向に引っ張られて通路532の内面533に強く押し当てられた場合に、第1抜け止め部71と通路532の内面533とが面接触し易くなる。そのため、第1抜け止め部71に対して局部的に強い力が加わる状態が生じ難くなり、第1抜け止め部71の変形を抑制することができる。特に、縮径した通路532の内面533に対して第1抜け止め部71の拡径部分711が接触することにより、
図7Aに示すように、拡径部分711の傾斜した外面と傾斜した内面533とが広い範囲で面接触し易くなり、第1抜け止め部71に加わる力が分散され易くなるため、第1抜け止め部71の変形をより効果的に抑制することができる。
【0045】
また、抜け止め部70の他の一例として、
図8には、弾性部材61の他端に設けられる第2抜け止め部73が示される。第2抜け止め部73は、弾性部材61に固定された部材であり、弾性部材61とは別に構成された部材である。
図8の例において、第2抜け止め部73は、第2中空部材53内の通路の径R5(
図4C)よりも大きい球状の部材であり、弾性部材61の他端に接続される。
【0046】
第1抜け止め部71が弾性部材61と一体に設けられ、第2抜け止め部73が弾性部材61と別部材になっていることから、第2抜け止め部73が取り付けられていない状態で弾性部材61を中空部材列の内部に挿通させることができる。中空部材列の内部に弾性部材61を挿通させた後、第2抜け止め部73を弾性部材61の端部に固定することにより、弾性部材61が中空部材列の内部に保持された状態となる。従って、弾性部材61を中空部材列に挿通させて保持させる線状体11の組み立て作業を簡単に行うことができる。
【0047】
図7Aおよび
図8の例において、抜け止め部70と第2中空部材53との接触面は曲面になっている。抜け止め部70は、例えば第1抜け止め部71のように、第2中空部材53との接触面が凹曲面になっていてもよいし、第2抜け止め部73のように、第2中空部材53との接触面が凸曲面になっていてもよい。抜け止め部70が第2中空部材53と曲面で接触することにより、弾性部材61の伸縮状態や弾性部材61の形が変化しても、抜け止め部70を第2中空部材53に安定して接触させることができる。
【0048】
図9および
図10は、抜け止め部の接続方法を例示する部分断面図である。
図9および
図10には、弾性部材61とは別部材の第2抜け止め部73の接続方法の一例が示される。
弾性部材61とは別部材の第2抜け止め部73を用いる場合、先ず
図9に示すように、第2抜け止め部73を固定されていない状態の弾性部材61が中空部材列に挿通される。
【0049】
弾性部材61が中空部材列に挿通された後、弾性部材61の他端が治具(図示せず)によって引き出される。弾性部材61の他端が中空部材列の最も端の第1中空部材51から外側に引き出された状態で、
図10に示すように、弾性部材61の他端に第2抜け止め部73が固定される。第2抜け止め部73は、溶接によって固定されてもよいし、接着剤によって接着されてもよい。
【0050】
弾性部材61の他端に第2抜け止め部73が固定された後は、治具による弾性部材61の引き出しが解除される。これにより、弾性部材61が縮み、第2抜け止め部73が中空部材列の最も端の第1中空部材51内に引き込まれる。第1中空部材51内に引き込まれた第2抜け止め部73は、第1中空部材51内に位置する第2中空部材53の端部に当接して係合し、中空部材列から抜けることはない。
【0051】
図11から
図13は、弾性部材として用いられるコイルバネの例を示す図である。
図11には、コイルバネである弾性部材61の一部が示される。
図12には、弾性部材(コイルバネ)61の一端に設けられた第1抜け止め部71が示される。
図13には、弾性部材(コイルバネ)61の他端に設けられた第2抜け止め部73が示される。
弾性部材61としてのコイルバネには、例えば金属材料(ステンレスなど)により形成されたものを用いることができる。
【0052】
弾性部材61としてコイルバネを用いる場合、弾性部材61の一端に設けられる第1抜け止め部71は、
図12に示すように、コイルバネのコイル径が拡径された部分である。これにより、コイルバネのコイル径を広げる比較的簡単な加工で第1抜け止め部71とコイルバネとを一体に構成することが可能になる。
【0053】
弾性部材(コイルバネ)61の第1抜け止め部71は、例えば
図12に示すように、弾性部材(コイルバネ)61の末端611に近づくにつれてコイル径が大きくなる拡径部分711と、末端611に近づくにつれてコイル径が小さくなる縮径部分712とを有する。拡径部分711と縮径部分712とは、それぞれのコイル径が最大となる場所で連続している。第2中空部材53の第2開口部531が形成された部分には、拡径部分711が当接する。弾性部材(コイルバネ)61が引っ張られて拡径部分711に力が加わっても、縮径部分712によって拡径部分711の変形が抑制されやすくなる。また、第2中空部材53における縮径した通路532の内面533に拡径部分711が当接することによって、第2中空部材53の内面533と拡径部分711とが広い範囲で面接触し易くなり、拡径部分711を含む第1抜け止め部71の変形を効果的に抑制できる。
【0054】
コイル径を漸増させて拡径部分711を構成する場合、拡径部分711の各コイルの最外位置を繋ぐ線を平滑化して構成される面が曲面になるようにしてもよい。これにより、弾性部材61の伸縮状態や弾性部材61の形が変化しても第1抜け止め部71を第2中空部材53に安定して接触させることができる。
【0055】
図13に示すように、弾性部材(コイルバネ)61の他端に設けられる第2抜け止め部73として球状部材を用いてもよい。弾性部材(コイルバネ)61が金属材料を用いて構成される場合、弾性部材61の金属材料と接合性の高い金属材料(例えば、弾性部材61と同じ金属材料)による球状部材を第2抜け止め部73として用いてもよい。球状部材から成る第2抜け止め部73は、弾性部材(コイルバネ)61の他端に例えば溶接によって接続される。
【0056】
以上説明したように、本実施形態によれば、弾性部材61の両端に抜け止め部70が設けられたことにより、弾性部材61が中空部材列から抜け出ないように保持されるため、線状体11を組み立てる工程と、線状体11の両端に装飾体13を取り付ける工程とを独立に進めることが可能になり、簡易な作業で線状体11を組み立てることができる。
【0057】
なお、上述した実施形態では、弾性部材61の他端に別部材である第2抜け止め部73を溶接などで固定する例を挙げたが、本実施形態はこの例に限定されない。本実施形態の他の例において、弾性部材61の他端に設ける抜け止め部70は、弾性部材61の一部を拡径させた第1抜け止め部71であってもよい。この場合、組み立て時には、弾性部材61の他端に第1抜け止め部71を設けていない状態の弾性部材61が準備され、中空部材列に挿通される。次いで、中空部材列における最も端の第1中空部材51から弾性部材61の他端が引き出され、当該他端の一部が拡径するように(例えばコイルバネの一部のコイル径が広がるように)弾性部材61が加工される。この加工により弾性部材61の拡径した部分が第1抜け止め部71となる。これにより、弾性部材61と一体的に(同一材料で)構成された第1抜け止め部71を弾性部材61の両端に設けることができる。弾性部材61がコイルバネの場合、コイル径を広げるだけの簡単な作業で第1抜け止め部71を設けることができるため、溶接などにより第2抜け止め部73を弾性部材61に固定する場合に比べて、線状体11の組み立て作業を簡易化できる。
【0058】
なお、上記に本実施形態およびその適用例を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。例えば、本実施形態では、線状体11と装飾体13とを備えた装身具1を示したが、線状体11のみでリング状の装身具1を構成してもよい。また、前述の実施形態またはその適用例に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、各実施形態の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0059】
1…装身具,11…線状体,13…装飾体,21…装飾体本体,23…保持具,31…第1被挿入部,33…第2被挿入部,51…第1中空部材,51a…中央部,51b…端部,511…第1開口部,512…通路,513…内面,53…第2中空部材,53a…中央部,53b…端部,531…第2開口部,532…通路,533…内面,61…弾性部材,70…抜け止め部,71…第1抜け止め部,73…第2抜け止め部,711…拡径部分,712…縮径部分
【手続補正書】
【提出日】2023-05-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮可能なリング状の装身具であって、
伸縮可能な線状体と、
前記線状体の一方の端部と他方の端部との間に介在する装飾体と、
を備え、
前記線状体は、
それぞれ2つの第1開口部を持つ複数の第1中空部材と、
それぞれ2つの第2開口部を持つ複数の第2中空部材と、
線状の弾性部材と、
を有し、
前記第1中空部材と前記第2中空部材とが交互に並んで連結された中空部材列が形成され、
各前記第2中空部材は、前記中空部材列において両側に隣接する2つの前記第1中空部材の前記第1開口部にスライド可能に挿通されており、当該隣接する2つの前記第1中空部材の内部に2つの前記第2開口部が位置し、
前記第2開口部が形成された前記第2中空部材の端部は、前記第1開口部に比べて大径であり、
前記中空部材列における各前記第2中空部材の各前記第2開口部に前記弾性部材が挿通され、
前記弾性部材の両端に、前記弾性部材が前記第2中空部材を通過することを阻止する抜け止め部が設けられ、
前記弾性部材の両端に設けられた2つの前記抜け止め部の少なくとも一方は、前記弾性部材が拡径された部分である、
装身具。
【請求項2】
前記弾性部材の一端に設けられた一方の前記抜け止め部は、前記弾性部材が拡径された部分であり、
前記弾性部材の他端に設けられた他方の前記抜け止め部は、前記弾性部材に固定された部材である、
請求項1に記載の装身具。
【請求項3】
前記第2開口部から前記第2中空部材の内部に通じる通路は、前記第2開口部から当該内部へ向かうにつれて縮径しており、
前記抜け止め部は、縮径した前記通路を形成する前記第2中空部材の内面に接触する、
請求項1に記載の装身具。
【請求項4】
前記弾性部材はコイルバネであり、
前記弾性部材の両端に設けられた2つの前記抜け止め部の少なくとも一方は、前記コイルバネのコイル径が拡径された部分である、
請求項1に記載の装身具。
【請求項5】
前記弾性部材の両端に設けられた2つの前記抜け止め部の少なくとも一方は、
前記弾性部材の末端に近づくにつれて径が大きくなる拡径部分と、
前記弾性部材の当該末端に近づくにつれて径が小さくなる縮径部分と
を含み、
前記拡径部分と前記縮径部分とは、それぞれの径が最大となる場所で連続しており、
前記弾性部材の前記拡径部分が前記第2中空部材の前記第2開口部が形成された部分に接触する、
請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の装身具。
【請求項6】
前記弾性部材は金属製のコイルバネであり、
前記弾性部材の一端に設けられた前記抜け止め部は、前記コイルバネの末端に溶接された部材である、
請求項5に記載の装身具。
【請求項7】
伸縮可能なリング状の装身具であって、
伸縮可能な線状体と、
前記線状体の一方の端部と他方の端部との間に介在する装飾体と、
を備え、
前記線状体は、
それぞれ2つの第1開口部を持つ複数の第1中空部材と、
それぞれ2つの第2開口部を持つ複数の第2中空部材と、
線状の弾性部材と、
を有し、
前記第1中空部材と前記第2中空部材とが交互に並んで連結された中空部材列が形成され、
各前記第2中空部材は、前記中空部材列において両側に隣接する2つの前記第1中空部材の前記第1開口部にスライド可能に挿通されており、当該隣接する2つの前記第1中空部材の内部に2つの前記第2開口部が位置し、
前記第2開口部が形成された前記第2中空部材の端部は、前記第1開口部に比べて大径であり、
前記中空部材列における各前記第2中空部材の各前記第2開口部に前記弾性部材が挿通され、
前記弾性部材の両端に、前記弾性部材が前記第2中空部材を通過することを阻止する抜け止め部が設けられ、
前記弾性部材の両端に設けられた2つの前記抜け止め部の少なくとも一方は、
前記弾性部材の末端に近づくにつれて径が大きくなる拡径部分と、
前記弾性部材の当該末端に近づくにつれて径が小さくなる縮径部分と
を含み、
前記拡径部分と前記縮径部分とは、それぞれの径が最大となる場所で連続しており、
前記弾性部材の前記拡径部分が前記第2中空部材の前記第2開口部が形成された部分に接触する、
装身具。
【請求項8】
前記弾性部材は、前記中空部材列に外力が加えられていないとき、前記中空部材列における前記第2中空部材同士の間隔を狭めるように作用する弾性力を生じる、
請求項1~請求項4、及び、請求項7のいずれか一項に記載の装身具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明の第1の態様は、伸縮可能なリング状の装身具であって、伸縮可能な線状体と、前記線状体の一方の端部と他方の端部との間に介在する装飾体とを備え、前記線状体は、それぞれ2つの第1開口部を持つ複数の第1中空部材と、それぞれ2つの第2開口部を持つ複数の第2中空部材と、線状の弾性部材とを有し、前記第1中空部材と前記第2中空部材とが交互に並んで連結された中空部材列が形成され、各前記第2中空部材は、前記中空部材列において両側に隣接する2つの前記第1中空部材の前記第1開口部にスライド可能に挿通されており、当該隣接する2つの前記第1中空部材の内部に2つの前記第2開口部が位置し、前記第2開口部が形成された前記第2中空部材の端部は、前記第1開口部に比べて大径であり、前記中空部材列における各前記第2中空部材の各前記第2開口部に前記弾性部材が挿通され、前記弾性部材の両端に、前記弾性部材が前記第2中空部材を通過することを阻止する抜け止め部が設けられた、装身具である。