(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116651
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】液滴吐出装置
(51)【国際特許分類】
B05C 13/02 20060101AFI20240821BHJP
B05C 5/00 20060101ALI20240821BHJP
B05C 11/10 20060101ALI20240821BHJP
B05C 9/14 20060101ALI20240821BHJP
B65H 29/16 20060101ALI20240821BHJP
【FI】
B05C13/02
B05C5/00 101
B05C11/10
B05C9/14
B65H29/16 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022360
(22)【出願日】2023-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 拓
【テーマコード(参考)】
3F049
4F041
4F042
【Fターム(参考)】
3F049AA10
3F049BA03
3F049DB13
3F049DB18
3F049EA23
3F049LA06
3F049LB03
3F049LB05
4F041AA02
4F041AB01
4F041BA22
4F042AA02
4F042AB00
4F042BA08
4F042CB07
4F042DB17
4F042DF02
4F042DF16
4F042DF17
(57)【要約】
【課題】袋状の本体部と本体部の両側縁から側方に向かって伸びる紐部とを有する記録媒体に対して機能液を吐出する液滴吐出装置において、装置の大型化を低減する。
【解決手段】本開示による液滴吐出装置は、搬送機構と、吐出ヘッドとを有する。搬送機構は、印刷面を有する袋状の本体部と、本体部の両側縁から側方に向かって伸びる紐部とを有する記録媒体を搬送する。吐出ヘッドは、本体部の印刷面に対して機能液を吐出する。搬送機構は、第1搬送機構と、第2搬送機構とを有する。第1搬送機構は、記録媒体を水平に搬送する。第2搬送機構は、紐部を支持して記録媒体を吊り下げて搬送する。第2搬送機構により搬送される隣り合う記録媒体同士の間隔は、第1搬送機構により搬送される隣り合う記録媒体同士の間隔よりも狭い。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷面を有する袋状の本体部と、前記本体部の両側縁から側方に向かって伸びる紐部とを有する記録媒体を搬送する搬送機構と、
前記本体部の印刷面に対して機能液を吐出する吐出ヘッドと
を有し、
前記搬送機構は、
前記記録媒体を水平に搬送する第1搬送機構と、
前記紐部を支持して前記記録媒体を吊り下げて搬送する第2搬送機構と
を有し、
前記第2搬送機構により搬送される隣り合う前記記録媒体同士の間隔は、前記第1搬送機構により搬送される隣り合う前記記録媒体同士の間隔よりも狭い、液滴吐出装置。
【請求項2】
前記第2搬送機構は、前記記録媒体の搬送方向に沿って延在する一対のレール部を有し、
前記記録媒体は、前記紐部のうち前記本体部の一側方に伸びる部位が前記一対のレール部の一方に支持され、前記紐部のうち前記本体部の他側方に伸びる部位が前記一対のレール部の他方に支持され、前記一対のレール部の間に前記本体部が位置した状態で搬送される、請求項1に記載の液滴吐出装置。
【請求項3】
前記第2搬送機構による前記記録媒体の搬送速度は、前記第1搬送機構による前記記録媒体の搬送速度よりも遅い、請求項1に記載の液滴吐出装置。
【請求項4】
前記第2搬送機構は、前記第1搬送機構における前記記録媒体の搬送方向と同じ方向に前記記録媒体を搬送する往路部と、
前記往路部の下流に位置し、前記搬送方向と逆方向に前記記録媒体を搬送する復路部と
を有する、請求項1に記載の液滴吐出装置。
【請求項5】
前記搬送機構は、
前記第1搬送機構の上流に位置し、前記機能液が吐出される前の前記記録媒体が載置される搬入部と、
前記復路部の下流に位置し、前記機能液が吐出された後の前記記録媒体が載置される搬出部と
を有し、
前記搬送機構を側方から見た側面視において、前記吐出ヘッドの位置を基準として前記搬入部が位置する側の領域を第1領域とし、前記往路部が位置する側の領域を第2領域とした場合に、前記搬出部は、前記第2領域に位置する、請求項4に記載の液滴吐出装置。
【請求項6】
前記復路部は、前記第1搬送機構および前記往路部の下方に位置し、
前記搬出部は、前記搬入部の下方に位置する、請求項5に記載の液滴吐出装置。
【請求項7】
前記第2搬送機構によって搬送される前記記録媒体の印刷面を乾燥させる乾燥装置をさらに備える、請求項1に記載の液滴吐出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液滴吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、搬送される記録媒体に対して機能液の液滴をインクジェット方式で吐出する液滴吐出装置が知られている(特許文献1および2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-112111号公報
【特許文献2】国際公開第2016/143181号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、袋状の本体部と本体部の両側縁から側方に向かって伸びる紐部とを有する記録媒体に対して機能液を吐出する液滴吐出装置において、装置の大型化を低減する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様による液滴吐出装置は、搬送機構と、吐出ヘッドとを有する。搬送機構は、印刷面を有する袋状の本体部と、本体部の両側縁から側方に向かって伸びる紐部とを有する記録媒体を搬送する。吐出ヘッドは、本体部の印刷面に対して機能液を吐出する。搬送機構は、第1搬送機構と、第2搬送機構とを有する。第1搬送機構は、記録媒体を水平に搬送する。第2搬送機構は、紐部を支持して記録媒体を吊り下げて搬送する。第2搬送機構により搬送される隣り合う記録媒体同士の間隔は、第1搬送機構により搬送される隣り合う記録媒体同士の間隔よりも狭い。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、袋状の本体部と本体部の両側縁から側方に向かって伸びる紐部とを有する記録媒体に対して機能液を吐出する液滴吐出装置において、装置の大型化を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る液滴吐出装置の構成を示す模式的な側面図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る液滴吐出装置の構成を示す模式的な平面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る記録媒体の構成を示す模式図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る記録媒体の構成を示す模式図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る第2搬送機構の拡大図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る第2搬送機構の拡大図である。
【
図7】
図7は、第2実施形態に係る液滴吐出装置の構成を示す模式的な側面図である。
【
図8】
図8は、第2実施形態に係る液滴吐出装置の構成を示す模式的な平面図である。
【
図9】
図9は、第3実施形態に係る液滴吐出装置の構成を示す模式的な平面図である。
【
図10】
図10は、第3実施形態に係る液滴吐出装置の構成を示す模式的な側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本開示による液滴吐出装置を実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示が限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0009】
また、以下に示す実施形態では、「一定」、「直交」、「垂直」あるいは「平行」といった表現が用いられる場合があるが、これらの表現は、厳密に「一定」、「直交」、「垂直」あるいは「平行」であることを要しない。すなわち、上記した各表現は、例えば製造精度、設置精度などのずれを許容するものとする。
【0010】
また、以下参照する各図面では、説明を分かりやすくするために、互いに直交するX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする直交座標系を示す場合がある。また、鉛直軸を回転中心とする回転方向をθ方向と呼ぶ場合がある。
【0011】
従来、搬送される記録媒体に対して機能液の液滴をインクジェット方式で吐出する液滴吐出装置が知られている。記録媒体に吐出された機能液が乾燥するにはある程度の時間を要するが、記録媒体の搬送距離を長くすることで乾燥時間を稼ごうとすると、搬送路が長くなることで装置のフットプリントが増大するおそれがある。
【0012】
そこで、記録媒体を積極的に乾燥させる技術として、たとえば、特許文献1には、記録媒体を寝かせた状態で搬送する搬送路の一部の区間に、近赤外線を放射する近赤外線源と中赤外線を放射する中赤外線源とを備える乾燥装置が開示されている。
【0013】
また、たとえば特許文献2には、媒体を起立させた姿勢で一枚ずつ支持可能な複数の媒体支持機構を備える媒体搬送装置が開示されている。この媒体搬送装置によれば、記録媒体を寝かせた状態で搬送する場合と比較して、記録媒体を省スペースで支持することができるため、装置を小型化することができる。
【0014】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は赤外線源を必要とし、特許文献2に記載の技術は記録媒体を支持するための支持機構を記録媒体毎に必要とすることから、多大なコストがかかるおそれがある。
【0015】
ところで、液滴吐出装置では、袋状の本体部とこの本体部の両側縁から側方に向かって伸びる紐部とを有する記録媒体への印字が行われる場合がある。本開示は、かかる記録媒体に対して機能液を吐出する液滴吐出装置の大型化を比較的簡易な構成で低減する技術を提供する。なお、このような記録媒体としては、たとえば紙製の米袋等が挙げられる。
【0016】
(第1実施形態)
第1実施形態に係る液滴吐出装置100について
図1および
図2を参照し説明する。
図1は、第1実施形態に係る液滴吐出装置100の構成を示す模式的な側面図である。
図2は、第1実施形態に係る液滴吐出装置100の構成を示す模式的な平面図である。
図3および
図4は、第1実施形態に係る記録媒体7の構成を示す模式図である。
【0017】
図1および
図2に示す液滴吐出装置100は、記録媒体7を搬送方向に搬送しながら、インクジェット方式で記録媒体7に描画を行う。
【0018】
図3および
図4に示すように、液滴吐出装置100が印刷対象とする記録媒体7は、袋状の本体部71と、紐部72とを有する。本体部71は、紙製の袋であり、開口部71aと、印刷面71bと、印刷面71bの反対の面71cとを有する。本体部71は、扁平状に折り畳むことが可能である。
【0019】
紐部72は、短冊状の紙製の紐であり、たとえば紙製糸を複数本並列に並べ、それらを接着剤を用いて両面から押圧して形成される。紐部72は、本体部71の印刷面71bまたは印刷面71bの反対の面71cに接着剤によって固定される。具体的には、紐部72は、開口部71aの近傍に、開口部71aと平行に接着される。紐部72の両端は、本体部71の両側縁から側方に向かって伸びる。具体的には、紐部72の一端は、扁平に折り畳まれた本体部71の一方側の縁から側方に向かって伸び、紐部72の他端は、本体部71の他方側の縁から側方に向かって伸びる。なお、紐部72の内部には針金が入っていてもよい。
【0020】
液滴吐出装置100は、本体部71が扁平状に折り畳まれた記録媒体7の印刷面71bに対して印刷(印字、描画)を行う。なお、ここでいう印刷面71bとは、本体部71における吐出ヘッドから機能液が吐出されて印刷(印字、描画)がなされる面であって、
図1に示す液滴吐出装置100において記録媒体7の搬送時にはZ軸正方向を向く面のことを意味している。なお、このことは本体部71における印刷面71bとは反対の面71cに印刷されるのを排除するものではない。すなわち、本例の印刷面71bと反対の面71cとが逆になって記録媒体7が搬送される場合には、本例で印刷面71bの反対の面71cであったものが印刷面71bとなる。つまり、記録媒体7の紐部72が固定されていない面と固定された面のどちらも印刷面71bとなり得てよく、2度搬送されてそれぞれの面に印刷されてもよい。
【0021】
図1および
図2に戻り、液滴吐出装置100は、搬送機構1と、塗布部2と、制御装置4とを有する。搬送機構1は、記録媒体7を搬送する。
【0022】
搬送機構1は、搬入部10と、第1搬送機構20と、第2搬送機構30と、搬出部40とを有する。搬入部10は、第1搬送機構20の上流に位置する。搬入部10には、機能液が吐出される前の記録媒体7が載置される。
【0023】
第1搬送機構20は、記録媒体7を水平に搬送する。第1搬送機構20は、たとえば、ベルトコンベヤであってもよい。この場合、第1搬送機構20は、たとえば、循環して搬送される無端帯状のベルトと、ベルトに回転方向の駆動力を伝達する駆動ローラと、駆動ローラとともにベルトが巻かれた状態で、ベルトを保持する従動ローラとを備える。なお、ベルトの表面は粘着層が形成されていてもよい。
【0024】
第2搬送機構30は、記録媒体7の紐部72を支持することによって記録媒体7の本体部71を吊り下げた状態で搬送する。第2搬送機構30の構成については
図5および
図6を参照して後述する。
【0025】
搬出部40は、第2搬送機構30の復路部33(
図7参照)の下流に位置する。搬出部40には、機能液が吐出された後の記録媒体7が載置される。
【0026】
第1実施形態に係る液滴吐出装置100において、第2搬送機構30により搬送される隣り合う記録媒体7同士の間隔W2は、第1搬送機構20により搬送される隣り合う記録媒体7同士の間隔W1よりも狭い。記録媒体7同士の間隔が短い第2搬送機構30は、記録媒体7同士の間隔が広い第1搬送機構20と比較して一定量の記録媒体7をより少ない面積で搬送(保持)することができる。そのため、装置全体を小型化することができる。
【0027】
第2搬送機構30により搬送される隣り合う記録媒体7同士の間隔W2を、第1搬送機構20により搬送される隣り合う記録媒体7同士の間隔W1よりも狭くするために、様々な構成が考えられる。具体的には、たとえば、第2搬送機構30による記録媒体7の搬送速度を、第1搬送機構20による記録媒体7の搬送速度よりも遅くすることで、上述のように、間隔W2を間隔W1よりも狭くすることができる。その他の例については、第3実施形態で後述する。また、第2搬送機構30による記録媒体7の搬送速度を、第1搬送機構20による記録媒体7の搬送速度よりも遅くすることにより、第2搬送機構30を通過する時間を長くすることができる。それにより、塗布された機能液を乾燥させる時間を確保することができる。
【0028】
塗布部2は、第1搬送機構20の上方に位置する。塗布部2は、第1搬送機構20によって搬送方向に沿って搬送される記録媒体7に対して機能液を塗布する。機能液は、たとえばインクである。具体的には、塗布部2は、記録媒体7の本体部71の印刷面71bに機能液を吐出することによって、機能液を記録媒体7に塗布する。塗布部2は、機能液を吐出する複数の吐出ヘッドを有し、各吐出ヘッドから機能液を記録媒体7に吐出する。
【0029】
制御装置4は、たとえばコンピュータであり、制御部41と記憶部42とを備える。記憶部42には、液滴吐出装置100において実行される各種の処理を制御するプログラムが格納される。制御部41は、記憶部42に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって液滴吐出装置100の動作を制御する。
【0030】
なお、かかるプログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、記憶媒体から制御装置4の記憶部42にインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体としては、たとえばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。
【0031】
上記のように構成された液滴吐出装置100では、まず、記録媒体7は、図示しない機構により一枚ずつ搬入部10から第1搬送機構20に搬入され、記録媒体7の印刷面71bと反対の面71cがベルトと対向するように載置される。その後、記録媒体7は、第1搬送機構20によって第1搬送機構20の下流に位置する第2搬送機構30に向かって水平に搬送される。記録媒体7が第1搬送機構20によって搬送されている間に、塗布部2は、記録媒体7の印刷面71bに対して機能液を塗布する。
【0032】
つづいて、記録媒体7は、第2搬送機構30によって吊り下げられた状態で搬出部40に向かって搬送される。その後、記録媒体7は、搬出部40から取り出されて、回収される。
【0033】
つづいて、
図5および
図6を参照して第2搬送機構30の構成について説明する。
図5、
図6は、第1実施形態に係る第2搬送機構30の拡大図である。
図5および上述の
図2に示すように第2搬送機構30は、一対の(2つの)レール部31a,31bを有する。
【0034】
一対のレール部31a,31bは、左右方向(Y軸方向)に並べられ、かつ、記録媒体7の搬送方向(X軸方向)に沿って延在する。
図5に示すように、一対のレール部31a,31bは、左右方向(Y軸方向)において、記録媒体7の本体部71を挟むように配置される。具体的には、一対のレール部31a,31bのうち一方のレール部31aは、記録媒体7の本体部71のY軸正方向側に配置される。一対のレール部31a,31bのうち他方のレール部31bは、記録媒体7の本体部71のY軸負方向側に配置される。
【0035】
一対のレール部31a,31bは、短冊状である紐部72の下側の長辺を支持する。具体的には、記録媒体7は、紐部72のうち本体部71の一側方(Y軸正方向)に伸びる部位72aが一対のレール部31a,31bのうち一方のレール部31aに支持される。同様に、紐部72のうち本体部71の他側方(Y軸負方向)に伸びる部位72bが一対のレール部31a,31bのうち他方のレール部31bに支持される。より具体的には、記録媒体7は、紐部72の付け根、言い換えれば、紐部72と本体部71との接着部分の端部が一対のレール部31a,31bに支持される。
【0036】
図5および
図6に示すように、一対のレール部31a,31bは、それぞれベルト部311を有していてもよい。ベルト部311には、たとえば、タイミングベルトが用いられてもよい。
図6に示すように、ベルト部311は凹凸形状を有している。第2搬送機構30による記録媒体7の搬送時において、記録媒体7の紐部72の一部、下側の長辺は、凹部に収容される。ベルト部311は、モータ等の駆動部を有しており、移動することが可能である。
【0037】
このように、第1実施形態に係る液滴吐出装置100は、複数の記録媒体7を一対の(2つの)レール部31a,31bで搬送することができる。したがって、第1実施形態に係る液滴吐出装置100によれば、比較的簡易な構成で記録媒体7を搬送することができる。
【0038】
(第2実施形態)
図7は、第2実施形態に係る液滴吐出装置100の構成を示す模式的な側面図である。
図8は、第2実施形態に係る液滴吐出装置100の構成を示す模式的な平面図である。なお、
図8は、理解を容易にするために、塗布部2および第2搬送機構30の復路部33に位置する記録媒体7を点線で示している。
【0039】
図7に示すように、第2搬送機構30は、往路部32と、復路部33とを有していてもよい。往路部32は、第1搬送機構20における記録媒体7の搬送方向と同じ方向(X軸正方向)に記録媒体7を搬送する。復路部33は、往路部32の下流に位置する。復路部33は、第1搬送機構20における記録媒体7の搬送方向と逆方向(X軸負方向)に記録媒体7を搬送する。往路部32により搬送される記録媒体7は、往路部32の下流部において、復路部33に受け渡され、復路部33により搬出部40まで搬送される。
【0040】
図7に示すように、往路部32は、復路部33に向かうにつれて、下方に湾曲していてもよい。一方、復路部33は、往路部32に向かうにつれて、上方に湾曲していてもよい。かかる構成によれば、往路部32から復路部33への記録媒体7の受け渡しを丁寧に行うことができる。そのため、受け渡し時において記録媒体7が受ける衝撃を低減することができる。
【0041】
図7に示すように、搬出部40は、搬入部10の近傍に位置していてもよい。具体的には、塗布部2(吐出ヘッド)の位置を基準として搬入部10が位置する側の領域(塗布部2よりもX軸負方向側の領域)を第1領域とし、往路部32が位置する側の領域(塗布部よりもX軸正方向側の領域)を第2領域とした場合、搬出部40は、第2領域に位置していてもよい。かかる構成とすることにより、記録媒体7の投入作業と回収作業とを近い場所で行うことができ、作業効率を向上することができる。
【0042】
図7に示すように、復路部33は、第1搬送機構20および往路部32の下方に位置する。搬出部40は、搬入部10の下方に位置する。かかる構成とすることにより、第1搬送機構20および第2搬送機構30の往路部32の下方のスペースを有効に活用することができる。また、復路部33が往路部32の左右方向(Y軸方向)に位置する場合と比較して、搬送方向に直交する方向(Y軸方向)における装置のフットプリントを低減することができる。
【0043】
なお、
図7および
図8の例に限らず、復路部33は往路部32の左右方向(Y軸負方向)に位置していてもよい。
【0044】
(第3実施形態)
図9は、第3実施形態に係る液滴吐出装置100の構成を示す模式的な平面図である。
図9に示すように、第2搬送機構30の往路部32は、滑り台の形状であってもよい。具体的には、側面視で、往路部32は、復路部33に向かうにつれて下方に傾斜していてもよい。この場合、第2搬送機構30の往路部32に搬入された記録媒体7は、往路部32の上面を滑ることで搬送方向の下流に移動する。その後、記録媒体7は、往路部32の最下流で落下し、復路部33によって受け止められて搬送方向(X軸負方向)に搬送される。
【0045】
図9に示すように、液滴吐出装置100は、第2搬送機構30によって搬送される記録媒体7の印刷面71bを乾燥させる乾燥装置3をさらに備えていてもよい。
【0046】
乾燥装置3は、たとえば第2搬送機構30の下方に位置しており、第2搬送機構30による記録媒体7の搬送方向に延在している。乾燥装置3は、たとえば記録媒体7に対して気体を吐出することによって、記録媒体7の印刷面71bを乾燥させてもよい。具体的には、乾燥装置3は、複数の記録媒体7に対して記録媒体7の搬送方向と直交する方向(ここではY軸方向)から気体を吐出する。言い換えれば、乾燥装置3は、記録媒体7の印刷面71bに沿って気体を吐出する。
【0047】
かかる構成とすることにより、乾燥装置3がない場合と比べて、記録媒体7の印刷面を早く乾燥させることができる。なお、乾燥装置3は、ヒーターを有していてもよい。この場合、乾燥装置3は、ヒーターによって加熱された気体を吐出することで、記録媒体7をより短時間で乾燥させることができる。
【0048】
図10は、第3実施形態に係る液滴吐出装置100の構成を示す模式的な側面図である。
図10に示すように、第2搬送機構30は、一対のレール部31a,31bが上下方向(Z軸方向)に蛇行していてもよい。かかる構成によれば、第1搬送機構20による記録媒体7の搬送速度と第2搬送機構30による記録媒体7の搬送速度が同じ場合でも、第2搬送機構30によって搬送される隣り合う記録媒体7同士の間隔W2は、第1搬送機構20によって搬送される隣り合う記録媒体7同士の間隔W1よりも狭くなる。そのため、装置の大型化を低減することができる。
【0049】
一実施形態において、(1)液滴吐出装置(一例として、液滴吐出装置100)は、搬送機構(一例として、搬送機構1)と、吐出ヘッドとを有する。搬送機構は、印刷面(一例として印刷面71b)を有する袋状の本体部(一例として、本体部71)と、本体部の両側縁から側方に向かって伸びる紐部(一例として、紐部72)とを有する記録媒体(一例として、記録媒体7)を搬送する。吐出ヘッドは、本体部の印刷面に対して機能液を吐出する。搬送機構は、第1搬送機構(一例として、第1搬送機構20)と、第2搬送機構(一例として、第2搬送機構30)とを有する。第1搬送機構は、記録媒体を水平に搬送する。第2搬送機構は、紐部を支持して記録媒体を吊り下げて搬送する。第2搬送機構により搬送される隣り合う記録媒体同士の間隔(一例として、間隔W2)は、第1搬送機構により搬送される隣り合う記録媒体同士の間隔(一例として、間隔W1)よりも狭い。
【0050】
(2)上記(1)の液滴吐出装置において、第2搬送機構は、記録媒体の搬送方向に沿って延在する一対のレール部(一例として、レール部31a,31b)を有し、記録媒体は、紐部のうち本体部の一側方に伸びる部位(一例として、部位72a)が一対のレール部の一方に支持され、紐部のうち本体部の他側方に伸びる部位(一例として、部位72b)が一対のレール部の他方に支持され、一対のレール部の間に本体部が位置した状態で搬送されてもよい。
【0051】
(3)上記(1)または(2)の液滴吐出装置において、第2搬送機構による記録媒体の搬送速度は、第1搬送機構による記録媒体の搬送速度よりも遅くてもよい。
【0052】
(4)上記(1)~(3)のいずれか1つの液滴吐出装置において、第2搬送機構は、第1搬送機構における記録媒体の搬送方向と同じ方向に記録媒体を搬送する往路部(一例として、往路部32)と、往路部の下流に位置し、搬送方向と逆方向に記録媒体を搬送する復路部(一例として、復路部33)とを有してもよい。
【0053】
(5)上記(4)の液滴吐出装置において、搬送機構は、第1搬送機構の上流に位置し、機能液が吐出される前の記録媒体が載置される搬入部(一例として、搬入部10)と、復路部の下流に位置し、機能液が吐出された後の記録媒体が載置される搬出部(一例として、搬出部40)とを有し、搬送機構を側方から見た側面視において、吐出ヘッドの位置を基準として搬入部が位置する側の領域を第1領域(一例として、領域A1)とし、往路部が位置する側の領域を第2領域(一例として、領域A2)とした場合に、搬出部は、第2領域に位置してもよい。
【0054】
(6)上記(4)または(5)の液滴吐出装置において、復路部は、第1搬送機構および往路部の下方に位置し、搬出部は、搬入部の下方に位置してもよい。
【0055】
(7)上記(1)~(6)のいずれか1つの液滴吐出装置は、第2搬送機構によって搬送される記録媒体の印刷面を乾燥させる乾燥装置(一例として、乾燥装置3)をさらに備えてもよい。
【0056】
今回開示された実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。実に、上記した実施形態は多様な形態で具現され得る。また、上記の実施形態は、添付の特許請求の範囲およびその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 搬送機構
2 塗布部
3 乾燥装置
7 記録媒体
10 搬入部
20 第1搬送機構
30 第2搬送機構
31a,31b レール部
32 往路部
33 復路部
40 搬出部
71 本体部
71a 開口部
71b 印刷面
72 紐部
72a 本体部の一側方に伸びる部位
72b 本体部の他側方に伸びる部位
100 液滴吐出装置