(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116655
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】バッテリユニット、機器ユニットおよび電気機器
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20240821BHJP
【FI】
H02J7/00 302A
H02J7/00 B
H02J7/00 X
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022367
(22)【出願日】2023-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】行田 稔
(72)【発明者】
【氏名】小島 將弘
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA03
5G503BA04
5G503BB02
5G503CA01
5G503CA11
5G503CB11
5G503CC02
5G503DA04
5G503DA07
5G503DB01
5G503EA05
5G503EA06
5G503FA06
5G503GD03
5G503GD06
(57)【要約】
【課題】機器ユニットの状況に応じて、バッテリ制御ユニットが省電力動作モードに切り替わることができる技術を提供する。
【解決手段】バッテリユニットは、機器ユニットに接続される。バッテリユニットは、バッテリセルと、通常動作モードと、通常動作モードよりも消費電力が少ない省電力動作モードで動作可能であるバッテリ制御ユニットと、を備えている。バッテリ制御ユニットは、通常動作モードにおいて、バッテリ制御ユニットを省電力動作モードに切り替える省電力動作モード移行信号が機器ユニットからバッテリユニットに入力されると、省電力動作モードに切り替わる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器ユニットに接続されるバッテリユニットであって、
バッテリセルと、
通常動作モードと、前記通常動作モードよりも消費電力が少ない省電力動作モードで動作可能であるバッテリ制御ユニットと、を備えており、
前記バッテリ制御ユニットは、前記通常動作モードにおいて、前記バッテリ制御ユニットを前記省電力動作モードに切り替える省電力動作モード移行信号が前記機器ユニットから前記バッテリユニットに入力されると、前記省電力動作モードに切り替わる、バッテリユニット。
【請求項2】
前記バッテリ制御ユニットは、前記省電力動作モードにおいて、前記バッテリ制御ユニットを前記通常動作モードに切り替える通常動作モード移行信号が前記機器ユニットから前記バッテリユニットに入力されると、前記通常動作モードに切り替わる、請求項1に記載のバッテリユニット。
【請求項3】
前記機器ユニットと電気的に接続可能な第1入力ポートをさらに備えており、
前記通常動作モード移行信号は、前記第1入力ポートを介して入力され、
前記省電力動作モード移行信号は、前記第1入力ポートを介して入力される、請求項2に記載のバッテリユニット。
【請求項4】
前記通常動作モード移行信号は、第1電圧値で示される信号であり、
前記省電力動作モード移行信号は、前記第1電圧値と異なる第2電圧値で示される信号である、請求項2または3に記載のバッテリユニット。
【請求項5】
前記バッテリ制御ユニットは、現在のモードを示す信号を、前記バッテリユニットから前記機器ユニットに出力する、請求項2から4のいずれか一項に記載のバッテリユニット。
【請求項6】
バッテリセルを備えるバッテリユニットに接続される機器ユニットであって、
前記バッテリユニットは、通常動作モードと、前記通常動作モードよりも消費電力が少ない省電力動作モードで動作可能であり、
前記機器ユニットは、機器制御ユニットを備えており、
前記機器制御ユニットは、前記バッテリユニットを前記通常動作モードから前記省電力動作モードに切り替える省電力動作モード移行信号を前記バッテリユニットに出力する、機器ユニット。
【請求項7】
前記機器制御ユニットは、前記バッテリユニットを前記省電力動作モードから前記通常動作モードに切り替える通常動作モード移行信号を前記バッテリユニットに出力する、請求項6に記載の機器ユニット。
【請求項8】
前記機器ユニットの動作スケジュールを記憶するメモリをさらに備えており、
前記機器制御ユニットは、現在時刻が前記機器ユニットの動作時間帯に含まれているときに、前記通常動作モード移行信号を前記バッテリユニットに出力する、請求項7に記載の機器ユニット。
【請求項9】
前記機器ユニットが盗難されたことを検出する検出器をさらに備えており、
前記機器制御ユニットは、前記検出器が前記機器ユニットが盗難されたことを検出したときに、前記通常動作モード移行信号を前記バッテリユニットに出力する、請求項7または8に記載の機器ユニット。
【請求項10】
前記機器制御ユニットは、前記バッテリセルの電圧値が第3電圧値以下であるときに、前記省電力動作モード移行信号を前記バッテリユニットに出力する、請求項6から9のいずれか一項に記載の機器ユニット。
【請求項11】
ユーザからの操作を受け入れる操作部をさらに備えており、
前記機器制御ユニットは、前記操作部が操作されてから第1期間経過しており、前記機器ユニットの動作が停止しているときに、前記省電力動作モード移行信号を前記バッテリユニットに出力する、請求項6から10のいずれか一項に記載の機器ユニット。
【請求項12】
前記機器制御ユニットは、前記バッテリセルの残電力が満充電を示す満充電電力となったときに、前記省電力動作モード移行信号を前記バッテリユニットに出力する、請求項6から11のいずれか一項に記載の機器ユニット。
【請求項13】
前記機器ユニットは、自律移動ロボットである、請求項6から12のいずれか一項に記載の機器ユニット。
【請求項14】
機器ユニットと、バッテリユニットと、を備える電気機器であって、
前記機器ユニットは、前記バッテリユニットに接続され、
前記バッテリユニットは、
バッテリセルと、
通常動作モードと、前記通常動作モードよりも消費電力が少ない省電力動作モードで動作可能であるバッテリ制御ユニットと、を備えており、
前記バッテリ制御ユニットは、前記通常動作モードにおいて、前記バッテリ制御ユニットを前記省電力動作モードに切り替える省電力動作モード移行信号が前記機器ユニットから前記バッテリユニットに入力されると、前記省電力動作モードに切り替わる、電気機器。
【請求項15】
前記バッテリ制御ユニットは、前記省電力動作モードにおいて、前記バッテリ制御ユニットを前記通常動作モードに切り替える通常動作モード移行信号が前記機器ユニットから前記バッテリユニットに入力されると、前記通常動作モードに切り替わる、請求項14に記載の電気機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、バッテリユニット、機器ユニットおよび電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電気機器が開示されている。電気機器は、機器ユニットと、機器ユニットに接続されるバッテリユニットと、を備えている。バッテリユニットは、バッテリセルと、通常動作モードおよび通常動作モードよりも消費電力が少ない省電力動作モードで動作可能であるバッテリ制御ユニットと、バッテリセルからの放電を検出する放電検出用コンパレータと、を備えている。バッテリ制御ユニットは、放電検出用コンパレータによる検出結果に基づいて、省電力動作モードに切り替わるかどうかを判断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の電気機器では、機器ユニットがバッテリユニットからの電力供給を必要とする場合に、バッテリ制御ユニットが省電力動作モードに切り替わることがある。本明細書では、機器ユニットの状況に応じて、バッテリ制御ユニットが省電力動作モードに切り替わることができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書は、バッテリユニットを開示する。バッテリユニットは、機器ユニットに接続される。バッテリユニットは、バッテリセルと、通常動作モードと、通常動作モードよりも消費電力が少ない省電力動作モードで動作可能であるバッテリ制御ユニットと、を備えている。バッテリ制御ユニットは、通常動作モードにおいて、バッテリ制御ユニットを省電力動作モードに切り替える省電力動作モード移行信号が機器ユニットからバッテリユニットに入力されると、省電力動作モードに切り替わる。
【0006】
上記の構成によれば、機器ユニットが出力する省電力動作モード移行信号に基づいて、バッテリ制御ユニットは、省電力動作モードに切り替わる。これにより、機器ユニットの状況に応じて、バッテリ制御ユニットは省電力動作モードに切り替わることができる。
【0007】
本明細書は、機器ユニットを開示する。機器ユニットは、バッテリセルを備えるバッテリユニットに接続される。バッテリユニットは、通常動作モードと、通常動作モードよりも消費電力が少ない省電力動作モードで動作可能である。機器ユニットは、機器制御ユニットを備えている。機器制御ユニットは、バッテリユニットを通常動作モードから省電力動作モードに切り替える省電力動作モード移行信号をバッテリユニットに出力する。
【0008】
上記の構成によれば、機器ユニットの状況に応じて、機器制御ユニットは、省電力動作モード移行信号をバッテリユニットに出力する。これにより、機器ユニットの状況に応じて、バッテリ制御ユニットを省電力動作モードに切り替えることができる。
【0009】
本明細書は、電気機器を開示する。電気機器は、機器ユニットと、バッテリユニットと、を備える。機器ユニットは、バッテリユニットに接続される。バッテリユニットは、バッテリセルと、通常動作モードと、通常動作モードよりも消費電力が少ない省電力動作モードで動作可能であるバッテリ制御ユニットと、を備えている。バッテリ制御ユニットは、通常動作モードにおいて、バッテリ制御ユニットを省電力動作モードに切り替える省電力動作モード移行信号が機器ユニットからバッテリユニットに入力されると、省電力動作モードに切り替わる。
【0010】
上記の構成によれば、バッテリユニットの上記の効果と同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施例の電気機器システム1の側面図である。
【
図2】実施例の電気機器システム1の後面図である。
【
図3】実施例の機器ユニット8の電気回路図である。
【
図4】実施例の電気機器システム1の電気回路図である。
【
図5】実施例のバッテリユニット6と機器ユニット8の電気回路図である。
【
図6】実施例のスリープモード移行処理において、メイン制御ユニット100が実行する処理を示すフローチャートである。
【
図7】実施例のスリープモード移行処理において、バッテリ制御ユニット152が実行する処理を示すフローチャートである。
【
図8】実施例の通常動作モード移行処理において、メイン制御ユニット100が実行する処理を示すフローチャートである。
【
図9】実施例の通常動作モード移行処理において、バッテリ制御ユニット152が実行する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の代表的かつ非限定的な具体例について、図面を参照して以下に詳細に説明する。この詳細な説明は、本発明の好ましい例を実施するための詳細を当業者に示すことを単純に意図しており、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、開示された追加的な特徴ならびに発明は、さらに改善されたバッテリユニット、機器ユニットおよび電気機器、その製造方法および使用方法を提供するために、他の特徴や発明とは別に、又は共に用いることができる。
【0013】
また、以下の詳細な説明で開示される特徴や工程の組み合わせは、最も広い意味において本発明を実施する際に必須のものではなく、特に本発明の代表的な具体例を説明するためにのみ記載されるものである。さらに、以下の代表的な具体例の様々な特徴、ならびに、特許請求の範囲に記載されるものの様々な特徴は、本発明の追加的かつ有用な実施形態を提供するにあたって、ここに記載される具体例のとおりに、あるいは列挙された順番のとおりに組合せなければならないものではない。
【0014】
本明細書及び/又は特許請求の範囲に記載された全ての特徴は、実施例及び/又は特許請求の範囲に記載された特徴の構成とは別に、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、個別に、かつ互いに独立して開示されることを意図するものである。さらに、全ての数値範囲及びグループ又は集団に関する記載は、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、それらの中間の構成を開示する意図を持ってなされている。
【0015】
バッテリユニットは、機器ユニットに接続される。バッテリユニットは、バッテリセルと、通常動作モードと、通常動作モードよりも消費電力が少ない省電力動作モードで動作可能であるバッテリ制御ユニットと、を備えている。バッテリ制御ユニットは、通常動作モードにおいて、バッテリ制御ユニットを省電力動作モードに切り替える省電力動作モード移行信号が機器ユニットからバッテリユニットに入力されると、省電力動作モードに切り替わる。
【0016】
1つまたはそれ以上の実施形態において、バッテリ制御ユニットは、省電力動作モードにおいて、バッテリ制御ユニットを通常動作モードに切り替える通常動作モード移行信号が機器ユニットからバッテリユニットに入力されると、通常動作モードに切り替わってもよい。
【0017】
上記の構成によれば、機器ユニットが出力する通常動作モード移行信号に基づいて、バッテリ制御ユニットは、通常動作モードに切り替わる。これにより、機器ユニットの状況に応じて、バッテリ制御ユニットは通常動作モードに切り替わることができる。
【0018】
1つまたはそれ以上の実施形態において、バッテリユニットは、機器ユニットと電気的に接続可能な第1入力ポートをさらに備えていてもよい。通常動作モード移行信号は、第1入力ポートを介して入力されてもよい。省電力動作モード移行信号は、第1入力ポートを介して入力されてもよい。
【0019】
上記の構成によれば、1個のポートにより、通常動作モード移行信号と省電力動作モード移行信号をバッテリユニットに入力することができる。
【0020】
1つまたはそれ以上の実施形態において、通常動作モード移行信号は、第1電圧値で示される信号であってもよい。省電力動作モード移行信号は、第1電圧値と異なる第2電圧値で示される信号であってもよい。
【0021】
上記の構成によれば、簡素な構成により、バッテリ制御ユニットは、通常動作モードまたは省電力動作モードに切り替わることができる。
【0022】
1つまたはそれ以上の実施形態において、バッテリ制御ユニットは、現在のモードを示す信号を、バッテリユニットから機器ユニットに出力してもよい。
【0023】
上記の構成によれば、バッテリ制御ユニットの現在の状態を機器ユニットに検出させることができる。
【0024】
機器ユニットは、バッテリセルを備えるバッテリユニットに接続される。バッテリユニットは、通常動作モードと、通常動作モードよりも消費電力が少ない省電力動作モードで動作可能である。機器ユニットは、機器制御ユニットを備えている。機器制御ユニットは、バッテリユニットを通常動作モードから省電力動作モードに切り替える省電力動作モード移行信号をバッテリユニットに出力する。
【0025】
1つまたはそれ以上の実施形態において、機器制御ユニットは、バッテリユニットを省電力動作モードから通常動作モードに切り替える通常動作モード移行信号をバッテリユニットに出力してもよい。
【0026】
上記の構成によれば、機器ユニットの状況に応じて、機器制御ユニットは、通常動作モード移行信号をバッテリユニットに出力する。これにより、機器ユニットの状況に応じて、バッテリ制御ユニットを通常動作モードに切り替えることができる。
【0027】
1つまたはそれ以上の実施形態において、機器ユニットは、機器ユニットの動作スケジュールを記憶するメモリをさらに備えていてもよい。機器制御ユニットは、現在時刻が機器ユニットの動作時間帯に含まれているときに、通常動作モード移行信号をバッテリユニットに出力してもよい。
【0028】
上記の構成によれば、機器ユニットの動作時間帯に、バッテリ制御ユニットを通常動作モードに切り替えることができる。
【0029】
1つまたはそれ以上の実施形態において、機器ユニットは、機器ユニットが盗難されたことを検出する検出器をさらに備えていてもよい。機器制御ユニットは、検出器が機器ユニットが盗難されたことを検出したときに、通常動作モード移行信号をバッテリユニットに出力してもよい。
【0030】
例えば、機器ユニットが盗難されたときに、バッテリ制御ユニットが省電力動作モードであると、機器ユニットには、十分な電力が供給されず、機器ユニットの盗難を防ぐための処理が実行されない。上記の構成によれば、機器ユニットが盗難されたとき、バッテリ制御ユニットは、通常動作モードに切り替わる。十分な電力が機器ユニットに供給されることにより、機器ユニットの盗難を防ぐための処理を機器ユニットに実行させることができる。
【0031】
1つまたはそれ以上の実施形態において、機器制御ユニットは、バッテリセルの電圧値が第3電圧値以下であるときに、省電力動作モード移行信号をバッテリユニットに出力してもよい。
【0032】
上記の構成によれば、バッテリセルの電圧値が第3電圧値以下であるとき、バッテリ制御ユニットが通常動作モードである構成と比較して、バッテリセルの消費電力を下げることができる。これにより、機器ユニットの動作時間を長くすることができる。
【0033】
1つまたはそれ以上の実施形態において、機器ユニットは、ユーザからの操作を受け入れる操作部をさらに備えていてもよい。機器制御ユニットは、操作部が操作されてから第1期間経過しており、機器ユニットの動作が停止しているときに、省電力動作モード移行信号をバッテリユニットに出力してもよい。
【0034】
操作部が操作されてから第1期間経過しており、機器ユニットの動作が停止しているとき、その後も機器ユニットが動作しないことが多い。機器ユニットが動作していない状況で、バッテリ制御ユニットが通常動作モードにあると、次に機器ユニットが動作するまでの間に、バッテリセルの残電力が低下してしまう。上記の構成によれば、操作部が操作されてから第1期間経過しており、機器ユニットの動作が停止しているとき、バッテリセルの残電力の低下を抑制することができる。
【0035】
1つまたはそれ以上の実施形態において、機器制御ユニットは、バッテリセルの残電力が満充電を示す満充電電力となったときに、省電力動作モード移行信号をバッテリユニットに出力してもよい。
【0036】
バッテリセルの充電が完了しても、バッテリセルが外部電源に電気的に接続された状態に維持されることがある。上記の構成によれば、バッテリセルの充電の完了後も、バッテリセルが外部電源に電気的に接続されているとき、バッテリ制御ユニットが通常動作モードである構成と比較して、バッテリセルの残電力の低下を抑制することができる。
【0037】
1つまたはそれ以上の実施形態において、機器ユニットは、自律移動ロボットであってもよい。
【0038】
自律移動ロボットは、ユーザに直接操作されることなく、自律して移動して作業する。このため、バッテリ制御ユニットが、機器ユニットの状況に関係なく、省電力動作モードに切り替わると、自律移動ロボットは、動作する必要がある状況で停止してしまうことがある。上記の構成によれば、自律移動ロボットの状況に応じてバッテリ制御ユニットが省電力動作モードに切り替わるため、自律移動ロボットが動作する必要がある状況で停止してしまうことを抑制することができる。
【0039】
電気機器は、機器ユニットと、バッテリユニットと、を備える。機器ユニットは、バッテリユニットに接続される。バッテリユニットは、バッテリセルと、通常動作モードと、通常動作モードよりも消費電力が少ない省電力動作モードで動作可能であるバッテリ制御ユニットと、を備えている。バッテリ制御ユニットは、通常動作モードにおいて、バッテリ制御ユニットを省電力動作モードに切り替える省電力動作モード移行信号が機器ユニットからバッテリユニットに入力されると、省電力動作モードに切り替わる。
【0040】
1つまたはそれ以上の実施形態において、バッテリ制御ユニットは、省電力動作モードにおいて、バッテリ制御ユニットを通常動作モードに切り替える通常動作モード移行信号が機器ユニットからバッテリユニットに入力されると、通常動作モードに切り替わってもよい。
【0041】
上記の構成によれば、機器ユニットが出力する通常動作モード移行信号に基づいて、バッテリ制御ユニットは、通常動作モードに切り替わる。これにより、機器ユニットの状況に応じて、バッテリ制御ユニットは通常動作モードに切り替わることができる。
【0042】
(実施例)
図1に示すように、電気機器システム1は、電気機器2と、充電スタンド4と、を備えている。電気機器2は、芝が生える地面Gに設置した状態で使用される。電気機器2は、自律移動しながら芝を刈る。電気機器2は、バッテリユニット6と、機器ユニット8と、を備えている。以下では、地面Gに直交する方向を上下方向と呼び、上下方向に直交する方向を前後方向と呼び、上下方向と前後方向に直交する方向を左右方向と呼ぶ。
【0043】
バッテリユニット6は、機器ユニット8の内部に収容されている。バッテリユニット6は、内蔵式のバッテリである。変形例では、バッテリユニット6は、機器ユニット8に着脱可能な着脱式のバッテリであってもよい。バッテリユニット6は、充放電可能である。
【0044】
機器ユニット8は、例えば、自律移動ロボットである。機器ユニット8は、予め定められた領域内を、例えば、境界ワイヤにより囲まれた領域内を移動するように構成されている。機器ユニット8は、バッテリユニット6から供給される電力により動作する。また、機器ユニット8は、充電スタンド4に連結可能である。バッテリユニット6は、機器ユニット8が充電スタンド4に連結されているとき、充電スタンド4から供給される電力により充電可能である。
図2に示すように、機器ユニット8は、ハウジング10と、電動作業ユニット12と、持ち上げセンサ14(
図1参照)と、操作ユニット16と、表示器18と、報知器20と、メインスイッチ22と、停止スイッチ24と、を備えている。
【0045】
図1に示すように、電動作業ユニット12は、ハウジング10に取り付けられている。電動作業ユニット12は、芝刈ユニット26と、車輪ユニット27と、を備えている。芝刈ユニット26は、刈刃モータ28と、刈刃30と、昇降モータ32と、を備えている。刈刃モータ28は、例えば、ブラシレスモータである。刈刃モータ28は、刈刃30を、バッテリユニット6から供給される電力により、略上下方向に延びる回転軸周りで回転させる。刈刃30は、略円板形状を有する回転刃である。刈刃30は、刈刃モータ28の駆動に伴って回転することにより、地面G上の芝を刈る。昇降モータ32は、刈刃モータ28と刈刃30を上下方向に移動させる。昇降モータ32は、例えば、ブラシレスモータである。昇降モータ32は、バッテリユニット6から供給される電力により、刈刃モータ28と刈刃30を地面Gに近づく方向に、および地面Gから離れる方向に移動させる。
【0046】
図2に示すように、車輪ユニット27は、左車輪モータ36と、右車輪モータ38と、左駆動輪40と、右駆動輪42と、左補助輪44と、右補助輪46と、を備えている。左車輪モータ36と右車輪モータ38は、例えば、ブラシレスモータである。左車輪モータ36と右車輪モータ38は、それぞれ、左駆動輪40と右駆動輪42を、バッテリユニット6から供給される電力により、左右方向に延びる回転軸周りで回転させる。左駆動輪40と右駆動輪42は、それぞれ、ハウジング10の後部に配置されている。本実施例では、左駆動輪40の回転方向および回転速度と、右駆動輪42の回転方向および回転速度は、互いに独立して制御されるように構成されている。左補助輪44は、左キャスタ48を介してハウジング10の前部に回転可能に取り付けられている。右補助輪46は、右キャスタ50を介してハウジング10の前部に回転可能に取り付けられている。
【0047】
図1に示すように、持ち上げセンサ14は、ハウジング10の下部に固定されている。持ち上げセンサ14は、例えば、地面Gに向かってレーザを投光してから地面Gにより反射されたレーザを受光するまでの時間を検出することにより、機器ユニット8が地面Gから持ち上げられたか否かを検出する。なお、持ち上げセンサ14は、加速度センサにより上下方向の加速度を検出することにより、機器ユニット8が地面Gから持ち上げられたか否かを検出してもよい。また、持ち上げセンサ14は、ジャイロセンサにより角速度を検出することにより、機器ユニット8が地面Gから持ち上げられたか否かを検出してもよい。
【0048】
図2に示すように、操作ユニット16と、表示器18と、報知器20と、メインスイッチ22と、停止スイッチ24は、ハウジング10の後上部に配置されている。操作ユニット16は、例えば、複数のキーまたはボタンであってもよい。操作ユニット16は、ユーザからの操作を受け入れる。表示器18は、例えば、ディスプレイである。表示器18は、様々な情報を表示する。変形例では、操作ユニット16と表示器18は、タッチパネルとして一体化されていてもよい。報知器20は、例えば、音を発するブザーである。変形例では、報知器20は、光を発するライトであってもよい。報知器20は、例えば、持ち上げセンサ14が機器ユニット8が地面Gから持ち上げられたことを検出すると、音を発する。
【0049】
メインスイッチ22は、ユーザにより押し込み操作が可能である。メインスイッチ22は、押し込み操作が行われる度に、オン状態とオフ状態との間を切り替わるように構成されている。メインスイッチ22がオン状態であるとき、バッテリユニット6から機器ユニット8に電力が供給可能となる。一方、メインスイッチ22がオフ状態であるとき、バッテリユニット6から機器ユニット8に電力が供給不可能となる。
【0050】
停止スイッチ24は、ユーザにより押し込み操作が可能である。停止スイッチ24は、押し込み操作が行われる度に、オン状態とオフ状態との間を切り替わるように構成されている。停止スイッチ24がオフ状態であるとき、機器ユニット8は通常通りに動作可能である。停止スイッチ24がオフ状態からオン状態に切り替わると、機器ユニット8の動作が停止する。
【0051】
図3に示すように、機器ユニット8は、メイン制御ユニット100と、モータ制御ユニット102と、昇降モータドライバ104と、左車輪モータドライバ106と、右車輪モータドライバ108と、刈刃モータドライバ110と、電源回路112と、メモリ114と、電圧検出回路116と、メインスイッチ状態検出回路118と、表示器制御ユニット120と、通信ドライバ122と、第1機器端子124と、第2機器端子126と、第3機器端子128と、第4機器端子130と、移行信号出力ポート132と、モード状態信号入力ポート134と、スイッチ状態信号入力ポート136と、温度信号入力ポート138と、残量信号入力ポート140と、を備えている。
【0052】
メイン制御ユニット100は、例えば、CPU、ROM、RAM等を備えるマイコンから構成される。メイン制御ユニット100は、電気機器2の動作を制御するための様々な処理を実行する。例えば、メイン制御ユニット100は、持ち上げセンサ14による検出結果と、停止スイッチ24の操作を監視している。メイン制御ユニット100は、持ち上げセンサ14の検出結果に基づいて、機器ユニット8が地面Gから持ち上げられたと判断すると、報知器20を動作させる。また、メイン制御ユニット100は、停止スイッチ24がオン状態に切り替わったと判断すると、機器ユニット8を停止させる。
【0053】
また、メイン制御ユニット100は、通常動作モードと、スリープモードと、シャットダウンモードと、スタンバイモードの4つのモードを備えており、状況に応じて、所望のモードに切り替わる。メイン制御ユニット100は、メインスイッチ22がオン状態であるとき、通常動作モードまたはスリープモードに切り替わる。例えば、メイン制御ユニット100が通常動作モードであるとき、メイン制御ユニット100は、電気機器2が自律移動や芝刈等の動作を実行するための処理を実行する。メイン制御ユニット100がスリープモードであるとき、メイン制御ユニット100は、電気機器2が自律移動や芝刈等の動作を実行するための処理を実行しない。メイン制御ユニット100は、スリープモードであるときに、起動シークエンスが入力されると(例えば、ユーザにより操作ユニット16が操作されると)、スリープモードから通常動作モードに切り替わる。メイン制御ユニット100がスリープモードであるときの消費電力は、メイン制御ユニット100が通常動作モードであるときの消費電力よりも少ない。メイン制御ユニット100は、メインスイッチ22がオフ状態であり、かつ、電気機器2が充電スタンド4に連結されていないときに、シャットダウンモードに切り替わる。メイン制御ユニット100がシャットダウンモードであるときの消費電力は、メイン制御ユニット100がスリープモードであるときの消費電力よりも少ない。メイン制御ユニット100は、メインスイッチ22がオフ状態であり、かつ、電気機器2が充電スタンド4に連結されているときに、スタンバイモードに切り替わる。メイン制御ユニット100がスタンバイモードであるときの消費電力は、メイン制御ユニット100がスリープモードであるときの消費電力よりも多く、メイン制御ユニット100が通常動作モードであるときの消費電力よりも少ない。
【0054】
モータ制御ユニット102は、例えば、CPU、ROM、RAM等を備えるマイコンから構成される。モータ制御ユニット102は、メイン制御ユニット100と通信可能である。モータ制御ユニット102は、昇降モータドライバ104と、左車輪モータドライバ106と、右車輪モータドライバ108と、刈刃モータドライバ110を制御する。
【0055】
昇降モータドライバ104は、昇降モータ32に接続されるインバータ回路(図示省略)を制御することにより、昇降モータ32の動作を制御する。
【0056】
左車輪モータドライバ106は、左車輪モータ36に接続されるインバータ回路(図示省略)を制御することにより、左駆動輪40の回転を制御する。
【0057】
右車輪モータドライバ108は、右車輪モータ38に接続されるインバータ回路(図示省略)を制御することにより、右駆動輪42の回転を制御する。
【0058】
刈刃モータドライバ110は、刈刃モータ28に接続されるインバータ回路(図示省略)を制御することにより、刈刃モータ28の回転を制御する。
【0059】
電源回路112は、バッテリユニット6から供給される電力を所定の電圧に調整して、メイン制御ユニット100やモータ制御ユニット102等に電力を供給する。
【0060】
メモリ114は、メイン制御ユニット100により実行される処理で必要となる様々な情報を記憶する。メモリ114は、例えば、電気機器2の動作スケジュールを記憶する。
【0061】
電圧検出回路116は、第3機器端子128の電圧値、即ち、バッテリユニット6から放電される放電電力の電圧値を検出する。電圧検出回路116は、検出された電圧値をメイン制御ユニット100に出力する。
【0062】
メインスイッチ状態検出回路118は、メインスイッチ22がオン状態とオフ状態のどちらであるかを検出する。メインスイッチ22がオン状態であるときに、第2機器端子126と第1機器経路142との間は導通されており、メインスイッチ22がオフ状態であるときに、第2機器端子126と第1機器経路142との間は遮断されている。メインスイッチ状態検出回路118は、メインスイッチ22の状態を示す信号をメイン制御ユニット100に出力する。
【0063】
表示器制御ユニット120は、メイン制御ユニット100と通信可能である。表示器制御ユニット120は、操作ユニット16の操作に関する信号を受信する。また、表示器制御ユニット120は、表示器18の動作を制御する。
【0064】
通信ドライバ122は、メイン制御ユニット100と通信可能である。通信ドライバ122は、機器ユニット8が充電スタンド4に連結されているとき、充電スタンド4と通信可能である。
【0065】
第1機器端子124は、第1機器経路142を介して電源回路112に電気的に接続されている。第1機器端子124は、機器ユニット8がバッテリユニット6に接続されているときに、バッテリユニット6に電気的に接続される。
【0066】
第2機器端子126は、第2機器経路144を介して第1機器経路142に電気的に接続されている。第2機器経路144上には、メインスイッチ22が配置されている。第2機器端子126は、機器ユニット8がバッテリユニット6に接続されているときに、バッテリユニット6に電気的に接続される。
【0067】
第3機器端子128は、刈刃モータ28と、昇降モータ32と、左車輪モータ36と、右車輪モータ38のそれぞれに電気的に接続されている。第3機器端子128は、機器ユニット8がバッテリユニット6に接続されているときに、バッテリユニット6に電気的に接続される。第3機器端子128には、刈刃モータ28と、昇降モータ32と、左車輪モータ36と、右車輪モータ38を駆動させる放電電力が、バッテリユニット6から供給される。
【0068】
第4機器端子130は、グランド146に電気的に接続されている。また、第4機器端子130は、刈刃モータ28と、昇降モータ32と、左車輪モータ36と、右車輪モータ38のそれぞれに電気的に接続されている。第4機器端子130は、機器ユニット8がバッテリユニット6に接続されているときに、バッテリユニット6に電気的に接続される。
【0069】
移行信号出力ポート132と、モード状態信号入力ポート134と、スイッチ状態信号入力ポート136と、温度信号入力ポート138と、残量信号入力ポート140は、メイン制御ユニット100に電気的に接続されている。メイン制御ユニット100は、バッテリユニット6を通常動作モードに切り替える通常動作モード移行信号と、バッテリユニット6を通常動作モードよりも消費電力が少ないスリープモードに切り替えるスリープモード移行信号を、移行信号出力ポート132からバッテリユニット6に出力する。
【0070】
モード状態信号入力ポート134には、バッテリユニット6から、バッテリユニット6の現在のモードを示す信号が入力される。スイッチ状態信号入力ポート136には、バッテリユニット6から、後述する第1充電スイッチング素子192と第2充電スイッチング素子196の状態を示す信号が入力される。温度信号入力ポート138には、バッテリユニット6から、バッテリユニット6の温度を示す信号が入力される。残量信号入力ポート140には、バッテリユニット6から、バッテリユニット6の残電力を示す信号が入力される。モード状態信号入力ポート134と、スイッチ状態信号入力ポート136と、温度信号入力ポート138と、残量信号入力ポート140のそれぞれに入力される信号については、後で詳しく説明する。
【0071】
図4に示すように、バッテリユニット6は、複数(本実施例では10個)のバッテリセル150と、バッテリ制御ユニット152と、フューズ154と、第1バッテリ端子156と、第2バッテリ端子158と、第3バッテリ端子160と、第4バッテリ端子162と、第5バッテリ端子164と、電流センサ166(
図5参照)と、放電スイッチ168と、第1充電スイッチ170と、第2充電スイッチ172と、移行信号入力ポート174と、モード状態信号出力ポート176と、スイッチ状態信号出力ポート178と、温度信号出力ポート180と、残量信号出力ポート182と、を備えている。
【0072】
バッテリセル150は、充放電可能な二次バッテリであり、例えば、リチウムイオンバッテリセルである。1個のバッテリセル150の定格電圧値は、例えば、3.6Vである。本実施例では、直列に接続された5個のバッテリセル150と、直列に接続された他の5個のバッテリセル150が並列に接続されている。バッテリユニット6の定格電圧値は、例えば、18Vである。
【0073】
バッテリ制御ユニット152は、例えば、CPU、ROM、RAM等を備えるマイコンから構成される。バッテリ制御ユニット152は、例えば、バッテリセル150の充放電を制御する。また、バッテリ制御ユニット152は、バッテリセル150からの電力により動作する。さらに、バッテリ制御ユニット152は、バッテリセル150の電圧値を検出する電圧センサ(図示省略)やバッテリセル150の温度を検出する温度センサ(図示省略)と電気的に接続されている。
【0074】
バッテリ制御ユニット152は、通常動作モードと、スリープモードと、シャットダウンモードと、スタンバイモードの4つのモードを備えており、状況に応じて、所望のモードに切り替わる。バッテリ制御ユニット152は、メインスイッチ22がオン状態であるとき、通常動作モードまたはスリープモードに切り替わる。例えば、バッテリ制御ユニット152は、通常動作モードであるとき、バッテリセル150の電力を機器ユニット8に供給したり、バッテリセル150を充電したりするための処理を実行する。バッテリ制御ユニット152は、スリープモードであるとき、バッテリセル150の電力を機器ユニット8に供給したり、バッテリセル150を充電したりするための処理を実行しない。バッテリ制御ユニット152は、スリープモードであるときに、起動シークエンスが入力されると(例えば、移行信号入力ポート174に通常動作モード移行信号が入力されると)、スリープモードから通常動作モードに切り替わる。バッテリ制御ユニット152がスリープモードであるときの消費電力は、バッテリ制御ユニット152が通常動作モードであるときの消費電力よりも少ない。バッテリ制御ユニット152は、メインスイッチ22がオフ状態であり、かつ、電気機器2が充電スタンド4に連結されていないとき、シャットダウンモードに切り替わる。バッテリ制御ユニット152がシャットダウンモードであるときの消費電力は、バッテリ制御ユニット152がスリープモードであるときの消費電力よりも少ない。バッテリ制御ユニット152は、メインスイッチ22がオフ状態であり、かつ、電気機器2が充電スタンド4に連結されているとき、スタンバイモードに切り替わる。バッテリ制御ユニット152がスタンバイモードであるときの消費電力は、バッテリ制御ユニット152がスリープモードであるときの消費電力よりも多く、バッテリ制御ユニット152が通常動作モードであるときの消費電力よりも少ない。
【0075】
図5に示すように、フューズ154は、バッテリセル150の正極に電気的に接続されている。フューズ154は、所定の電流値の電流が流れたとき、またはバッテリ制御ユニット152の制御により、溶断する。例えば、バッテリ制御ユニット152は、バッテリセル150の電圧値が所定のしきい値以下となったときに、フューズ154を溶断してバッテリセル150の充放電を不可能とする。
【0076】
第1バッテリ端子156は、フューズ154に電気的に接続されている。第1バッテリ端子156は、バッテリユニット6が機器ユニット8に電気的に接続されているとき、第1機器端子124に電気的に接続される。
【0077】
第2バッテリ端子158は、バッテリユニット6が機器ユニット8に電気的に接続されているとき、第2機器端子126に電気的に接続される。この場合、第2バッテリ端子158は、メインスイッチ22を介して第1バッテリ端子156に電気的に接続される。
【0078】
第3バッテリ端子160は、放電経路184を介して、第2バッテリ端子158に電気的に接続されている。第3バッテリ端子160は、バッテリユニット6が機器ユニット8に電気的に接続されているとき、第3機器端子128に電気的に接続される。バッテリセル150の電力は、フューズ154、第1バッテリ端子156、メインスイッチ22、第2バッテリ端子158、放電経路184、第3バッテリ端子160を介して、機器ユニット8の刈刃モータ28と、昇降モータ32と、左車輪モータ36と、右車輪モータ38に供給される。
【0079】
また、第2バッテリ端子158は、放電経路184上の接続点185を介してバッテリ制御ユニット152にも電気的に接続されており、バッテリ制御ユニット152は、接続点185を介して第2バッテリ端子158の電圧値を検出することにより、メインスイッチ22がオン状態とオフ状態の何れであるかを検出する。接続点185は、第2バッテリ端子158と放電スイッチ168との間に配置されている。バッテリ制御ユニット152は、メインスイッチ22がオン状態からオフ状態に切り替わったことを検出すると、通常動作モードまたはスリープモードから、スタンバイモードまたはシャットダウンモードに切り替わる。また、バッテリ制御ユニット152は、メインスイッチ22がオフ状態からオン状態に切り替わったことを検出すると、スタンバイモードまたはシャットダウンモードから、通常動作モードまたはスリープモードに切り替わる。
【0080】
第4バッテリ端子162は、バッテリセル150の負極に電気的に接続されている。第4バッテリ端子162は、バッテリユニット6が機器ユニット8に電気的に接続されているとき、第4機器端子130に電気的に接続される。また、第4バッテリ端子162は、機器ユニット8が充電スタンド4に連結されているとき、充電スタンド4に電気的に接続される。
【0081】
第5バッテリ端子164は、充電経路186を介して、放電経路184に電気的に接続されている。充電経路186は、接続点187で放電経路184に接続されている。接続点187は、接続点185と第3バッテリ端子160との間に配置されている。第5バッテリ端子164は、電気機器2が充電スタンド4に連結されているとき、機器ユニット8内に配置される接続経路202と充電端子204(
図4参照)を介して、充電スタンド4に電気的に接続される。充電スタンド4からの充電電力は、第5バッテリ端子164、充電経路186、第2バッテリ端子158、メインスイッチ22、第1バッテリ端子156、フューズ154を介して、バッテリセル150に供給される。また、第5バッテリ端子164は、バッテリ制御ユニット152にも電気的に接続されている。第5バッテリ端子164の電圧値、即ち、バッテリユニット6を充電する充電電力の電圧値が、バッテリ制御ユニット152に検出される。
【0082】
電流センサ166は、第4バッテリ端子162とバッテリセル150の負極との間に配置されている。電流センサ166は、バッテリセル150が充放電する電流値を検出する。例えば、バッテリセル150が放電しているとき、電流センサ166により検出される電流値は、負の値を示し、バッテリセル150が充電されているとき、電流センサ166により検出される電流値は、正の値を示す。電流センサ166で検出された電流値は、バッテリ制御ユニット152に出力される。
【0083】
放電スイッチ168は、放電経路184上で、接続点187と第3バッテリ端子160との間に配置されている。放電スイッチ168は、放電スイッチング素子188と、放電ダイオード190と、を備えている。放電スイッチング素子188は、電界効果トランジスタ、例えば、MOSFETである。放電スイッチング素子188は、バッテリ制御ユニット152により導通と非導通の間で切り替えられる。例えば、バッテリセル150の電力を機器ユニット8の刈刃モータ28と、昇降モータ32と、左車輪モータ36と、右車輪モータ38に供給するときには、バッテリ制御ユニット152は、放電スイッチング素子188を導通に切り替える。また、バッテリセル150の電圧値が所定値以下であるときには、バッテリ制御ユニット152は、放電スイッチング素子188を非導通に切り替える。なお、バッテリセル150の電圧値が所定値を超えるとき(例えば、バッテリセル150の充電時)には、放電スイッチング素子188は、導通されている。放電スイッチング素子188の導通時でも、充電電力は、刈刃モータ28と、昇降モータ32と、左車輪モータ36と、右車輪モータ38に供給されない。放電ダイオード190は、放電スイッチング素子188と並列に接続されている。放電ダイオード190は、電流が第3バッテリ端子160から接続点187に向かって流れることを許容し、電流が接続点187から第3バッテリ端子160に向かって流れることを禁止する。
【0084】
第1充電スイッチ170は、充電経路186に配置されている。第1充電スイッチ170は、第1充電スイッチング素子192と、第1充電ダイオード194と、を備えている。第1充電スイッチング素子192は、電界効果トランジスタ、例えば、MOSFETである。第1充電スイッチング素子192は、バッテリ制御ユニット152により導通と非導通との間で切り替えられる。例えば、バッテリセル150を充電するときには、バッテリ制御ユニット152は、第1充電スイッチング素子192を導通に切り替える。バッテリセル150の充電が完了したときには、バッテリ制御ユニット152は、第1充電スイッチング素子192を非導通に切り替える。このため、バッテリセル150の電力を機器ユニット8の刈刃モータ28と、昇降モータ32と、左車輪モータ36と、右車輪モータ38に供給するときには、第1充電スイッチング素子192は、非導通となっている。また、バッテリセル150の充電中に充電スタンド4(
図1参照)と機器ユニット8(
図1参照)の連結が解除されたときには、バッテリ制御ユニット152は、第1充電スイッチング素子192を非導通に切り替える。これにより、バッテリセル150の電力が接続経路202(
図4参照)を介して、充電端子204(
図4参照)に供給されることを抑制することができる。第1充電ダイオード194は、第1充電スイッチング素子192と並列に接続されている。第1充電ダイオード194は、電流が接続点187から第5バッテリ端子164に向かって流れることを許容し、電流が第5バッテリ端子164から接続点187に向かって流れることを禁止する。
【0085】
第2充電スイッチ172は、充電経路186上で、第1充電スイッチ170と第5バッテリ端子164との間に配置されている。第2充電スイッチ172は、第2充電スイッチング素子196と、第2充電ダイオード198と、を備えている。第2充電スイッチング素子196は、電界効果トランジスタ、例えば、MOSFETである。第2充電スイッチング素子196は、バッテリ制御ユニット152により導通と非導通との間で切り替えられる。例えば、バッテリセル150を充電するときには、バッテリ制御ユニット152は、第2充電スイッチング素子196を導通に切り替える。バッテリセル150の充電が完了したときには、バッテリ制御ユニット152は、第2充電スイッチング素子196を非導通に切り替える。このため、バッテリセル150の電力を機器ユニット8の刈刃モータ28と、昇降モータ32と、左車輪モータ36と、右車輪モータ38に供給するときには、第2充電スイッチング素子196は、非導通となっている。また、バッテリセル150の充電中に充電スタンド4(
図1参照)と機器ユニット8(
図1参照)の連結が解除されたときには、バッテリ制御ユニット152は、第2充電スイッチング素子196を非導通に切り替える。これにより、バッテリセル150の電力が接続経路202(
図4参照)を介して、充電端子204(
図4参照)に供給されることを抑制することができる。第2充電ダイオード198は、第2充電スイッチング素子196と並列に接続されている。第2充電ダイオード198は、電流が第5バッテリ端子164から接続点187に向かって流れることを許容し、電流が接続点187から第5バッテリ端子164に向かって流れることを禁止する。第1充電スイッチ170と第2充電スイッチ172によって、いわゆるバックトゥバックMOSFETが構成されており、これによって、バッテリセル150から充電スタンド4への電流の逆流(すなわちバッテリセル150から充電スタンド4への放電)が抑制されている。
【0086】
移行信号入力ポート174と、モード状態信号出力ポート176と、スイッチ状態信号出力ポート178と、温度信号出力ポート180と、残量信号出力ポート182は、バッテリ制御ユニット152に電気的に接続されている。バッテリユニット6が機器ユニット8に電気的に接続されているとき、移行信号入力ポート174は、移行信号出力ポート132に電気的に接続され、モード状態信号出力ポート176は、モード状態信号入力ポート134に電気的に接続され、スイッチ状態信号出力ポート178は、スイッチ状態信号入力ポート136に電気的に接続され、温度信号出力ポート180は、温度信号入力ポート138に電気的に接続され、残量信号出力ポート182は、残量信号入力ポート140に電気的に接続される。
【0087】
移行信号入力ポート174には、通常動作モード移行信号またはスリープモード移行信号が、メイン制御ユニット100の移行信号出力ポート132から入力される。通常動作モード移行信号とスリープモード移行信号は、Lo電位と、HiZ電位と、Hi電位のうちから選択される。また、通常動作モード移行信号の電位は、スリープモード移行信号の電位と異なる。バッテリ制御ユニット152は、移行信号入力ポート174から入力される信号に基づいて、通常動作モードまたはスリープモードに切り替わる。
【0088】
モード状態信号出力ポート176には、バッテリ制御ユニット152が、通常動作モード連絡信号とスリープモード連絡信号を出力する。通常動作モード連絡信号は、バッテリ制御ユニット152が通常動作モードで動作していることを示す信号であり、スリープモード連絡信号は、バッテリ制御ユニット152がスリープモードで動作していることを示す信号である。また、通常動作モード連絡信号とスリープモード連絡信号は、Lo電位と、HiZ電位と、Hi電位のうちから選択される。通常動作モード連絡信号の電位は、スリープモード連絡信号の電位と異なる。バッテリ制御ユニット152は、動作モードが通常動作モードまたはスリープモードに切り替わったときに、通常動作モード連絡信号またはスリープモード連絡信号を、モード状態信号出力ポート176からモード状態信号入力ポート134に出力する。メイン制御ユニット100は、モード状態信号入力ポート134に入力される信号に基づいて、バッテリ制御ユニット152が通常動作モードまたはスリープモードであることを検出する。
【0089】
スイッチ状態信号出力ポート178には、バッテリ制御ユニット152が、スイッチ導通信号とスイッチ非導通信号を出力する。スイッチ導通信号は、第1充電スイッチング素子192と第2充電スイッチング素子196の両方が導通されていることを示す信号であり、スイッチ非導通信号は、第1充電スイッチング素子192と第2充電スイッチング素子196の両方が導通されていないことを示す信号である。また、スイッチ導通信号とスイッチ非導通信号は、Lo電位と、HiZ電位と、Hi電位のうちから選択される。スイッチ導通信号の電位は、スイッチ非導通信号の電位と異なる。バッテリ制御ユニット152は、第1充電スイッチング素子192と第2充電スイッチング素子196の両方を導通または非導通に切り替えたときに、例えば、バッテリセル150の充電開始時や充電完了時に、スイッチ導通信号またはスイッチ非導通信号を、スイッチ状態信号出力ポート178からスイッチ状態信号入力ポート136に出力する。メイン制御ユニット100は、スイッチ状態信号入力ポート136に入力される信号に基づいて、第1充電スイッチング素子192と第2充電スイッチング素子196が導通されているか否かを検出する。
【0090】
温度信号出力ポート180には、バッテリ制御ユニット152が、バッテリセル充電可能信号とバッテリセル充電不可能信号を出力する。バッテリセル充電可能信号は、バッテリセル150の温度が充電可能な温度範囲にあることを示す信号であり、バッテリセル充電不可能信号は、バッテリセル150の温度が充電可能な温度範囲外にあることを示す信号である。バッテリセル150の充電可能な温度範囲は、例えば、0℃以上60℃以下である。また、バッテリセル充電可能信号とバッテリセル充電不可能信号は、Lo電位と、HiZ電位と、Hi電位のうちから選択される。バッテリセル充電可能信号の電位は、バッテリセル充電不可能信号の電位と異なる。バッテリ制御ユニット152は、バッテリセル150への充電開始前とバッテリセル150の充電中に、バッテリセル充電可能信号またはバッテリセル充電不可能信号を、温度信号出力ポート180から温度信号入力ポート138に出力する。メイン制御ユニット100は、温度信号入力ポート138に入力される信号に基づいて、バッテリセル150の温度が充電可能な温度範囲にあるか否かを検出する。
【0091】
残量信号出力ポート182には、バッテリ制御ユニット152が、満充電信号と非満充電信号を出力する。満充電信号は、バッテリセル150の残電力が満充電を示す満充電電力以上であることを示す信号であり、非満充電信号は、バッテリセル150の残電力が満充電電力未満であることを示す信号である。また、満充電信号と非満充電信号は、Lo電位と、HiZ電位と、Hi電位のうちから選択される。満充電信号の電位は、非満充電信号の電位と異なる。バッテリ制御ユニット152は、満充電フラグを格納しており、バッテリセル150の残電力が満充電電力以上となったときに満充電フラグをオンに切り替え、満充電信号を残量信号出力ポート182から残量信号入力ポート140に出力する。また、バッテリ制御ユニット152は、バッテリセル150の残電力が満充電電力未満となったときに満充電フラグをオフに切り替え、非満充電信号を残量信号出力ポート182から残量信号入力ポート140に出力する。メイン制御ユニット100は、残量信号入力ポート140から入力される信号に基づいて、バッテリセル150の残電力が満充電電力以上か否かを検出する。
【0092】
図4に示すように、充電スタンド4は、スタンド制御ユニット220と、通信ドライバ222と、連結スイッチ224と、アダプタ226と、電源回路228と、コンバータ230と、第1スタンド端子232と、第2スタンド端子234と、電圧検出回路236と、を備えている。
【0093】
スタンド制御ユニット220は、例えば、CPU、ROM、RAM等を備えるマイコンから構成される。スタンド制御ユニット220は、電源回路228やコンバータ230を制御するなど、バッテリセル150を充電するための処理を実行する。
【0094】
通信ドライバ222は、機器ユニット8が充電スタンド4に連結されているとき、通信ドライバ122と通信可能である。通信ドライバ222は、例えば、機器ユニット8が充電スタンド4に連結されていることを示す信号や、バッテリセル150が充電中であることを示す信号を通信ドライバ122に出力する。
【0095】
連結スイッチ224は、スタンド制御ユニット220に電気的に接続されている。連結スイッチ224は、機器ユニット8が充電スタンド4に連結されているか否かを検出する。例えば、連結スイッチ224は、連結スイッチ224が機器ユニット8により押し込まれているときに、機器ユニット8が充電スタンド4に連結されていることを検出する。連結スイッチ224による検出信号は、スタンド制御ユニット220に入力される。
【0096】
アダプタ226は、外部電源240に接続可能である。外部電源240の電力は、アダプタ226を介して充電スタンド4に供給される。アダプタ226は、例えば、ACアダプタである。アダプタ226は、外部電源240から供給される交流電力を直流電力に変換する。外部電源240からの電力は、例えば、バッテリセル150を充電する充電電力として使用される。
【0097】
電源回路228は、アダプタ226により変換された直流電力を所定の電圧に調整して、スタンド制御ユニット220や通信ドライバ222等に供給する。
【0098】
コンバータ230は、例えば、DCDCコンバータである。コンバータ230は、アダプタ226により変換された直流電力を所定の電圧に調整する。コンバータ230は、機器ユニット8が充電スタンド4に連結されているとき、バッテリセル150を充電する充電電力をバッテリユニット6に供給する。
【0099】
第1スタンド端子232と第2スタンド端子234は、コンバータ230に電気的に接続されている。機器ユニット8が充電スタンド4に連結されているとき、第1スタンド端子232は、接続経路202と充電端子204を介して第5バッテリ端子164に電気的に接続され、第2スタンド端子234は、接続経路250を介して、第4機器端子130に電気的に接続される。第1スタンド端子232には、充電電力が、コンバータ230から供給される。
【0100】
電圧検出回路236は、第1スタンド端子232の電圧値、即ち、第5バッテリ端子164の電圧値を検出する。電圧検出回路236で検出された電圧値は、スタンド制御ユニット220に入力される。
【0101】
次に、放電電力がバッテリユニット6から機器ユニット8に供給される放電処理と、充電電力が充電スタンド4からバッテリユニット6に供給される充電処理を説明する。放電処理は、メインスイッチ22がオン状態であり、メイン制御ユニット100が通常動作モードであり、バッテリ制御ユニット152が通常動作モードであるときに実行される。例えば、ユーザが芝刈を実行するための操作を操作ユニット16に行ったとき、放電スイッチング素子188(
図5参照)が導通されているため、バッテリセル150の電力が、第1バッテリ端子156、メインスイッチ22、第2バッテリ端子158、放電経路184、第3バッテリ端子160を介して、機器ユニット8の刈刃モータ28と、昇降モータ32と、左車輪モータ36と、右車輪モータ38に供給される。この結果、電気機器2は、自律移動しながら、刈刃30の回転により地面G(
図1参照)に生える芝を刈ることができる。また、放電処理が実行されているとき、移行信号出力ポート132から出力される信号は、通常動作モード移行信号であり、モード状態信号出力ポート176から出力される信号は、通常動作モード連絡信号であり、スイッチ状態信号出力ポート178から出力される信号は、スイッチ非導通信号である。さらに、温度信号出力ポート180から出力される信号は、バッテリセル150の温度に応じて、バッテリセル充電可能信号またはバッテリセル充電不可能信号に切り替わり、残量信号出力ポート182から出力される信号は、バッテリセル150の残電力に応じて、満充電信号または非満充電信号に切り替わる。
【0102】
充電処理は、メインスイッチ22がオン状態であり、メイン制御ユニット100が通常動作モードであり、バッテリ制御ユニット152が通常動作モードであり、機器ユニット8が充電スタンド4に連結されているときに実行される。まず、連結スイッチ224が充電スタンド4への機器ユニット8の連結を検出すると、スタンド制御ユニット220は、コンバータ230を制御する。これにより、充電電力がコンバータ230からバッテリユニット6に供給される。それと同時に、バッテリ制御ユニット152は、第5バッテリ端子164の電圧値の変化を検出する。次に、バッテリ制御ユニット152は、第1充電スイッチング素子192と第2充電スイッチング素子196を導通に切り替える。これにより、コンバータ230から供給される電力が、第5バッテリ端子164、充電経路186、第2バッテリ端子158、メインスイッチ22、第1バッテリ端子156を介して、バッテリセル150に供給される。この結果、バッテリセル150が充電される。バッテリセル150の充電が開始された時点では、移行信号出力ポート132から出力される信号は、通常動作モード移行信号であり、モード状態信号出力ポート176から出力される信号は、通常動作モード連絡信号であり、スイッチ状態信号出力ポート178から出力される信号は、スイッチ導通信号であり、温度信号出力ポート180から出力される信号は、バッテリセル充電可能信号であり、残量信号出力ポート182から出力される信号は、非満充電信号である。
【0103】
バッテリセル150の充電に伴い、バッテリセル150の残電力が満充電電力以上となったとき、バッテリ制御ユニット152は、満充電フラグをオンに切り替える。次に、バッテリ制御ユニット152は、第1充電スイッチング素子192と第2充電スイッチング素子196を非導通に切り替える。これにより、バッテリセル150の充電が終了する。さらに、バッテリ制御ユニット152は、スイッチ状態信号出力ポート178から出力される信号を、スイッチ導通信号からスイッチ非導通信号に切り替え、残量信号出力ポート182から出力される信号を、非満充電信号から満充電信号に切り替える。
【0104】
次に、バッテリ制御ユニット152を通常動作モードからスリープモードに切り替えるスリープモード移行処理(
図6および
図7参照)と、バッテリ制御ユニット152をスリープモードから通常動作モードに切り替える通常動作モード移行処理(
図8および
図9参照)を説明する。
【0105】
図6に示す処理は、スリープモード移行処理において、メイン制御ユニット100により実行される。S2において、メイン制御ユニット100は、バッテリセル150の充電中か否かを判断する。例えば、メイン制御ユニット100は、スイッチ状態信号入力ポート136から入力される信号がスイッチ導通信号であるか否かを判断する。メイン制御ユニット100は、スイッチ状態信号入力ポート136から入力される信号がスイッチ非導通信号であるときに、バッテリセル150が充電中でないと判断し(S2でNO)、S4に進む。
【0106】
S4では、メイン制御ユニット100は、機器ユニット8の盗難が検出されたか否かを判断する。例えば、メイン制御ユニット100は、持ち上げセンサ14による検出結果に基づいて、機器ユニット8が地面Gから持ち上げられたか否かを判断する。メイン制御ユニット100は、機器ユニット8が地面Gから持ち上げられていないときに、機器ユニット8の盗難が検出されていないと判断し(S4でNO)、S6に進む。一方、メイン制御ユニット100は、機器ユニット8が地面Gから持ち上げられているときに、機器ユニット8の盗難が検出されたと判断し(S4でYES)、S2に戻る。
【0107】
S6では、メイン制御ユニット100は、電圧検出回路116から第3機器端子128の電圧値を取得し、バッテリセル150の正極での電圧値が基準電圧値以下であるか否かを判断する。基準電圧値は、例えば、バッテリユニット6の定格容量の4%に対応する電圧値である。メイン制御ユニット100は、バッテリセル150の正極での電圧値が基準電圧値以下であると判断すると(S6でYES)、S8に進む。一方、メイン制御ユニット100は、バッテリセル150の正極での電圧値が基準電圧値よりも大きいと判断すると(S6でNO)、S12に進む。
【0108】
S8では、メイン制御ユニット100は、機器ユニット8が充電スタンド4に連結されていないか否かを判断する。例えば、メイン制御ユニット100は、機器ユニット8が充電スタンド4に連結されていることを示す連結信号が通信ドライバ122を介して充電スタンド4から入力されたか否かを判断する。メイン制御ユニット100は、連結信号が入力されていないときに、機器ユニット8が充電スタンド4に連結されていないと判断し(S8でYES)、S10に進む。一方、メイン制御ユニット100は、連結信号が入力されているときに、機器ユニット8が充電スタンド4に連結されていると判断し(S8でNO)、S12に進む。
【0109】
S10では、メイン制御ユニット100は、スリープモード移行信号を、移行信号出力ポート132から移行信号入力ポート174に出力する。
【0110】
S12では、メイン制御ユニット100は、操作ユニット16が操作されてから第1期間が経過し、かつ、停止スイッチ24が押されてから第1期間が経過したか否かを判断する。メイン制御ユニット100は、操作ユニット16が操作されてから第1期間が経過し、かつ、停止スイッチ24が操作されてから第1期間が経過したと判断すると(S12でYES)、S14に進む。一方、メイン制御ユニット100は、操作ユニット16が操作されてから第1期間が経過していない、および/または、停止スイッチ24が操作されてから第1期間が経過していないと判断すると(S12でNO)、S2に戻る。
【0111】
S14では、メイン制御ユニット100は、機器ユニット8のエラーを検出していないか否かを判断する。エラーは、例えば、刈刃モータ28等が正常に動作しないことである。メイン制御ユニット100は、機器ユニット8のエラーを検出していないと判断すると(S14でYES)、S16に進む。一方、メイン制御ユニット100は、機器ユニット8のエラーを検出していると判断すると(S14でNO)、S2に戻る。
【0112】
S16では、メイン制御ユニット100は、スタンバイモードであるか否かと、停止スイッチ24がオン状態であるか否かを判断する。メイン制御ユニット100は、スタンバイモードである、または、停止スイッチ24がオン状態であると判断すると(S16でYES)、S18に進む。一方、メイン制御ユニット100は、スタンバイモードではなく、かつ、停止スイッチ24がオン状態ではないと判断すると(S16でNO)、S2に戻る。
【0113】
S18では、メイン制御ユニット100は、メモリ114から電気機器2の動作スケジュールを取得し、現在時刻が動作時間帯に含まれていない否かを判断する。メイン制御ユニット100は、例えば、リアルタイムクロックから現在時刻を取得する。また、動作時間帯は、第1時刻から第2時刻までの所定の時間間隔を有しており、例えば、午前10時分から午前10時20分の期間である。メイン制御ユニット100は、現在時刻が動作時間帯に含まれていないと判断すると(S18でYES)、S20に進む。一方、メイン制御ユニット100は、現在時刻が動作時間帯に含まれていると判断すると(S18でNO)、S2に戻る。
【0114】
S20では、メイン制御ユニット100は、機器ユニット8が充電スタンド4に連結されていないか否かと、バッテリセル150が満充電されているか否かを判断する。メイン制御ユニット100は、例えば、残量信号入力ポート140から入力される信号が満充電信号であるか否かを判断する。メイン制御ユニット100は、機器ユニット8が充電スタンド4に連結されていない、または、バッテリセル150が満充電されていると判断すると(S20でYES)、S10に進む。一方、メイン制御ユニット100は、機器ユニット8が充電スタンド4に連結されており、かつ、バッテリセル150が満充電されていないと判断すると(S20でNO)、S2に戻る。
【0115】
図7に示す処理は、スリープモード移行処理において、バッテリ制御ユニット152により実行される。S30では、バッテリ制御ユニット152は、スリープモード移行信号が移行信号出力ポート132から移行信号入力ポート174に入力されたか否かを判断する。バッテリ制御ユニット152は、スリープモード移行信号が入力されたと判断すると(S30でYES)、S32に進む。
【0116】
S32では、バッテリ制御ユニット152は、電流センサ166から電流値を取得し、取得した電流値が第1電流値以上であるか否かを判断する。第1電流値は、負の値である。取得した電流値が第1電流値以上であることは、電流が流れていないことを示す。バッテリ制御ユニット152は、取得した電流値が第1電流値以上であると判断すると(S32でYES)、S34に進む。一方、バッテリ制御ユニット152は、取得した電流値が第1電流値未満であると判断すると(S32でNO)、S30に戻る。
【0117】
S34では、バッテリ制御ユニット152は、バッテリユニット6のエラーを検出していないか否かを判断する。エラーは、例えば、バッテリセル150の温度が充電可能な温度範囲外にあることや、放電可能な温度範囲外にあることである。バッテリ制御ユニット152は、バッテリユニット6のエラーを検出していないと判断すると(S34でYES)、S36に進む。一方、バッテリ制御ユニット152は、バッテリユニット6のエラーを検出していると判断すると(S34でNO)、S30に戻る。
【0118】
S36では、バッテリ制御ユニット152は、スリープモードに切り替わる。
【0119】
図6および
図7の処理の実行中、メイン制御ユニット100とバッテリ制御ユニット152のそれぞれは、メインスイッチ22がオン状態からオフ状態に切り替わったかどうかを監視している。メイン制御ユニット100とバッテリ制御ユニット152のそれぞれは、メインスイッチ22がオン状態からオフ状態に切り替わったと判断すると、
図6および
図7の処理を終了し、通常動作モードからシャットダウンモードまたはスタンバイモードに切り替わる。
【0120】
図8に示す処理は、通常動作モード移行処理において、メイン制御ユニット100により実行される。S40では、メイン制御ユニット100は、操作ユニット16が操作されたか否かを判断する。メイン制御ユニット100は、操作ユニット16が操作されたと判断すると(S40でYES)、S42に進む。一方、メイン制御ユニット100は、操作ユニット16が操作されていないと判断すると(S40でNO)、S44に進む。
【0121】
S42では、メイン制御ユニット100は、通常動作モード移行信号を、移行信号出力ポート132から移行信号入力ポート174に出力する。
【0122】
S44では、メイン制御ユニット100は、現在時刻が動作時間帯に含まれているか否かを判断する。メイン制御ユニット100は、現在時刻が動作時間帯に含まれていると判断すると(S44でYES)、S42に進む。一方、メイン制御ユニット100は、現在時刻が動作開示時間に含まれていないと判断すると(S44でNO)、S46に進む。
【0123】
S46では、メイン制御ユニット100は、機器ユニット8の盗難が検出されたか否かを判断する。例えば、メイン制御ユニット100は、持ち上げセンサ14による検出結果に基づいて、機器ユニット8が地面Gから持ち上げられたか否かを判断する。メイン制御ユニット100は、機器ユニット8が地面Gから持ち上げられているときに、機器ユニット8の盗難が検出されたと判断し(S46でYES)、S42に進む。一方、メイン制御ユニット100は、機器ユニット8が地面Gから持ち上げられていないときに、機器ユニット8の盗難が検出されていないと判断し(S46でNO)、S40に戻る。
【0124】
図9に示す処理は、通常動作モード移行処理において、バッテリ制御ユニット152により実行される。S50では、バッテリ制御ユニット152は、通常動作モード移行信号が移行信号出力ポート132から移行信号入力ポート174に入力されたか否かを判断する。バッテリ制御ユニット152は、通常動作モード移行信号が入力されたと判断すると(S50でYES)、S52に進む。一方、バッテリ制御ユニット152は、通常動作モード移行信号が入力されていないと判断すると(S50でNO)、S54に進む。
【0125】
S52では、バッテリ制御ユニット152は、通常動作モードに切り替わる。
【0126】
S54では、バッテリ制御ユニット152は、電流センサ166から電流値を取得し、取得した電流値が第2電流値未満であるか否かを判断する。第2電流値は、負の値である。また、第2電流値は、第1電流値未満である。取得した電流が第2電流値未満であることは、大電流が流れていることを示し、大電流は、例えば、刈刃モータ28と、昇降モータ32と、左車輪モータ36と、右車輪モータ38を動作可能な電流を含む。バッテリ制御ユニット152は、取得した電流値が第2電流値未満であると判断すると(S54でYES)、S52に進む。一方、バッテリ制御ユニット152は、取得した電流値が第2電流値以上であると判断すると(S54でNO)、S56に進む。
【0127】
S56では、バッテリ制御ユニット152は、機器ユニット8が充電スタンド4に連結されているか否かを判断する。例えば、バッテリ制御ユニット152は、第5バッテリ端子164の電圧値が所定の電圧値以上であるかを判断する。バッテリ制御ユニット152は、第5バッテリ端子164の電圧値が所定の電圧値以上であるときに、機器ユニット8が充電スタンド4に連結されていると判断し(S56でYES)、S52に進む。一方、バッテリ制御ユニット152は、第5バッテリ端子164の電圧値が所定の電圧値未満であるときに、機器ユニット8が充電スタンド4に連結されていないと判断し(S56でNO)、S50に戻る。
【0128】
図8および
図9の処理の実行中、メイン制御ユニット100とバッテリ制御ユニット152のそれぞれは、メインスイッチ22がオン状態からオフ状態に切り替わったかどうかを監視している。メイン制御ユニット100とバッテリ制御ユニット152のそれぞれは、メインスイッチ22がオン状態からオフ状態に切り替わったと判断すると、
図8および
図9の処理を終了し、スリープモードから通常動作モードに切り替わり、その後にシャットダウンモードまたはスタンバイモードに切り替わる。
【0129】
(効果)
本実施例のバッテリユニット6は、機器ユニット8に接続される。バッテリユニット6は、バッテリセル150と、通常動作モードと、通常動作モードよりも消費電力が少ないスリープモード(省電力動作モードの一例)で動作可能であるバッテリ制御ユニット152と、を備えている。バッテリ制御ユニット152は、通常動作モードにおいて、バッテリ制御ユニット152をスリープモードに切り替えるスリープモード移行信号(省電力動作モード移行信号の一例)が機器ユニット8からバッテリユニット6に入力されると、スリープモードに切り替わる。
【0130】
上記の構成によれば、機器ユニット8が出力するスリープモード移行信号に基づいて、バッテリ制御ユニット152は、スリープモードに切り替わる。これにより、機器ユニット8の状況に応じて、バッテリ制御ユニット152はスリープモードに切り替わることができる。
【0131】
また、本実施例の機器ユニット8は、バッテリセル150を備えるバッテリユニット6に接続される。バッテリユニット6は、通常動作モードと、通常動作モードよりも消費電力が少ないスリープモード(省電力動作モードの一例)で動作可能である。機器ユニット8は、メイン制御ユニット100(機器制御ユニットの一例)を備えている。メイン制御ユニット100は、バッテリユニット6を通常動作モードからスリープモードに切り替えるスリープモード移行信号をバッテリユニット6に出力する。
【0132】
上記の構成によれば、機器ユニット8の状況に応じて、メイン制御ユニット100は、スリープモード移行信号をバッテリユニット6に出力する。これにより、機器ユニット8の状況に応じて、バッテリ制御ユニット152をスリープモードに切り替えることができる。
【0133】
また、本実施例の電気機器2は、機器ユニット8と、バッテリユニット6と、を備える。機器ユニット8は、バッテリユニット6に接続される。バッテリユニット6は、バッテリセル150と、通常動作モードと、通常動作モードよりも消費電力が少ないスリープモード(省電力動作モードの一例)で動作可能であるバッテリ制御ユニット152と、を備えている。バッテリ制御ユニット152は、通常動作モードにおいて、バッテリ制御ユニット152をスリープモードに切り替えるスリープモード移行信号(省電力動作モード移行信号の一例)が機器ユニット8からバッテリユニット6に入力されると、スリープモードに切り替わる。
【0134】
上記の構成によれば、バッテリユニット6の上記の効果と同様の効果を奏することができる。
【0135】
また、バッテリ制御ユニット152は、スリープモードにおいて、バッテリ制御ユニット152を通常動作モードに切り替える通常動作モード移行信号が機器ユニット8からバッテリユニット6に入力されると、通常動作モードに切り替わる。
【0136】
上記の構成によれば、機器ユニット8が出力する通常動作モード移行信号に基づいて、バッテリ制御ユニット152は、通常動作モードに切り替わる。これにより、機器ユニット8の状況に応じて、バッテリ制御ユニット152は通常動作モードに切り替わることができる。
【0137】
また、バッテリユニット6は、機器ユニット8と電気的に接続可能な移行信号入力ポート174(第1入力ポートの一例)をさらに備えている。通常動作モード移行信号は、移行信号入力ポート174を介して入力される。スリープモード移行信号は、移行信号入力ポート174を介して入力される。
【0138】
上記の構成によれば、1個のポートにより、通常動作モード移行信号とスリープモード移行信号をバッテリユニット6に入力することができる。
【0139】
また、通常動作モード移行信号は、Lo電位、HiZ電位と、Hi電位のうちから選択される電位(第1電圧値)で示される信号である。スリープモード移行信号は、通常動作モード移行信号の電位と異なる電位(第2電圧値の一例)で示される信号である。
【0140】
上記の構成によれば、簡素な構成により、バッテリ制御ユニット152は、通常動作モードまたはスリープモードに切り替わることができる。
【0141】
また、バッテリ制御ユニット152は、現在のモードを示す通常動作モード連絡信号とスリープモード連絡信号(信号の一例)を、バッテリユニット6から機器ユニット8に出力する。
【0142】
上記の構成によれば、バッテリ制御ユニット152の現在の状態を機器ユニット8に検出させることができる。
【0143】
また、メイン制御ユニット100は、バッテリユニット6をスリープモードから通常動作モードに切り替える通常動作モード移行信号をバッテリユニット6に出力する。
【0144】
上記の構成によれば、機器ユニット8の状況に応じて、メイン制御ユニット100は、通常動作モード移行信号をバッテリユニット6に出力する。これにより、機器ユニット8の状況に応じて、バッテリ制御ユニット152を通常動作モードに切り替えることができる。
【0145】
また、機器ユニット8は、機器ユニット8の動作スケジュールを記憶するメモリ114をさらに備えている。メイン制御ユニット100は、現在時刻が機器ユニット8の動作時間帯に含まれているときに、通常動作モード移行信号をバッテリユニット6に出力する。
【0146】
上記の構成によれば、機器ユニット8の動作時間帯に、バッテリ制御ユニット152を通常動作モードに切り替えることができる。
【0147】
また、機器ユニット8は、機器ユニット8が盗難されたことを検出する持ち上げセンサ14(検出器の一例)をさらに備えている。メイン制御ユニット100は、持ち上げセンサ14が機器ユニット8が盗難されたことを検出したときに、通常動作モード移行信号をバッテリユニット6に出力する。
【0148】
例えば、機器ユニット8が盗難されたときに、バッテリ制御ユニット152がスリープモードであると、機器ユニット8には、十分な電力が供給されず、機器ユニット8の盗難を防ぐための処理が実行されない。上記の構成によれば、機器ユニット8が盗難されたとき、バッテリ制御ユニット152は、通常動作モードに切り替わる。十分な電力が機器ユニット8に供給されることにより、機器ユニット8の盗難を防ぐための処理を機器ユニット8に実行させることができる。
【0149】
また、メイン制御ユニット100は、バッテリセル150の電圧値が基準電圧値(第3電圧値の一例)以下であるときに、スリープモード移行信号をバッテリユニット6に出力する。
【0150】
上記の構成によれば、バッテリセル150の電圧値が基準電圧値以下であるとき、バッテリ制御ユニット152が通常動作モードである構成と比較して、バッテリセル150の消費電力を下げることができる。これにより、機器ユニット8の動作時間を長くすることができる。
【0151】
また、機器ユニット8は、ユーザからの操作を受け入れる操作ユニット16と停止スイッチ24(操作部の一例)をさらに備えている。メイン制御ユニット100は、操作ユニット16と停止スイッチ24が操作されてから第1期間経過しており、機器ユニット8の動作が停止しているときに、スリープモード移行信号をバッテリユニット6に出力する。
【0152】
操作ユニット16と停止スイッチ24が操作されてから第1期間経過しており、機器ユニット8の動作が停止しているとき、その後も機器ユニット8が動作しないことが多い。機器ユニット8が動作していない状況で、バッテリ制御ユニット152が通常動作モードにあると、次に機器ユニット8が動作するまでの間に、バッテリセル150の残電力が低下してしまう。上記の構成によれば、操作ユニット16と停止スイッチ24が操作されてから第1期間経過しており、機器ユニット8の動作が停止しているとき、バッテリセル150の残電力の低下を抑制することができる。
【0153】
また、メイン制御ユニット100は、バッテリセル150の残電力が満充電を示す満充電電力となったときに、スリープモード移行信号をバッテリユニット6に出力する。
【0154】
バッテリセル150の充電が完了しても、バッテリセル150が外部電源240に電気的に接続された状態に維持されることがある。上記の構成によれば、バッテリセル150の充電の完了後も、バッテリセル150が外部電源240に電気的に接続されているとき、バッテリ制御ユニット152が通常動作モードである構成と比較して、バッテリセル150の残電力の低下を抑制することができる。
【0155】
また、機器ユニット8は、自律移動ロボットである。
【0156】
自律移動ロボットは、ユーザに直接操作されることなく、自律して移動して作業する。このため、バッテリ制御ユニット152が、機器ユニット8の状況に関係なく、スリープモードに切り替わると、自律移動ロボットは、動作する必要がある状況で停止してしまうことがある。上記の構成によれば、自律移動ロボットの状況に応じてバッテリ制御ユニット152がスリープモードに切り替わるため、自律移動ロボットが動作する必要がある状況で停止してしまうことを抑制することができる。
【0157】
また、バッテリ制御ユニット152は、スリープモードにおいて、バッテリ制御ユニット152を通常動作モードに切り替える通常動作モード移行信号が機器ユニット8からバッテリユニット6に入力されると、通常動作モードに切り替わる。
【0158】
上記の構成によれば、機器ユニット8が出力する通常動作モード移行信号に基づいて、バッテリ制御ユニット152は、通常動作モードに切り替わる。これにより、機器ユニット8の状況に応じて、バッテリ制御ユニット152は通常動作モードに切り替わることができる。
【0159】
(変形例)
一実施形態に係る機器ユニット8は、自律移動する芝刈機に限られず、例えば、自律移動するスイーパであってもよい。
【0160】
一実施形態に係る機器ユニット8は、USBポートを備えていてもよい。
【0161】
一実施形態に係る放電スイッチ168と、第1充電スイッチ170と、第2充電スイッチ172は、スイッチング素子以外のスイッチ、例えば、2つの接点が接触する、または離反することにより、導通と非導通が切り替えられるスイッチを備えていてもよい。
【0162】
一実施形態に係るバッテリユニット6は、第1充電スイッチ170と第2充電スイッチ172の一方のみを備えていてもよい。
【0163】
一実施形態に係る第5バッテリ端子164は、放電経路184を介することなく、充電経路186のみを介して第2バッテリ端子158に直接電気的に接続されてもよい。
【0164】
一実施形態に係るバッテリ制御ユニット152は、バッテリセル150の最大電圧値に基づいて、満充電フラグのオンとオフを切り替えてもよい。
【0165】
一実施形態において、移行信号出力ポート132と、モード状態信号出力ポート176と、スイッチ状態信号出力ポート178と、温度信号出力ポート180と、残量信号出力ポート182から出力される信号のそれぞれは、ビットに基づく信号であってもよい。
【0166】
一実施形態において、通常動作モード移行信号とスリープモード移行信号は、それぞれ異なるポートから出力されてもよく、通常動作モード連絡信号とスリープモード連絡信号は、それぞれ異なるポートから出力されてもよく、スイッチ導通信号とスイッチ非導通信号は、それぞれ異なるポートから出力されてもよく、バッテリセル充電可能信号とバッテリセル充電不可能信号は、それぞれ異なるポートから出力されてもよく、バッテリセル充電可能信号とバッテリセル充電不可能信号は、それぞれ異なるポートから出力されてもよい。
【0167】
一実施形態のS4およびS46において、メイン制御ユニット100は、持ち上げセンサ14以外を使用して、機器ユニット8の盗難が検出されたか否かを判断してもよい。例えば、機器ユニット8は、機器ユニット8の位置を検出するGPSセンサを備えており、メイン制御ユニット100は、GPSセンサにより検出される位置が、機器ユニット8の移動可能領域内であるか否かを判断することにより、機器ユニット8の盗難が検出されたか否かを判断してもよい。また、メイン制御ユニット100は、加速度センサや傾斜センサにより機器ユニット8の傾きや横転を検出したときに、機器ユニット8の盗難を検出してもよい。また、メイン制御ユニット100は、加速度センサにより機器ユニット8に大きな衝撃が加わったことを検出したときに、機器ユニット8の盗難を検出してもよい。また、機器ユニット8の移動可能領域が磁気ワイヤにより画定されている構成では、メイン制御ユニット100は、磁気ワイヤによる磁界が検出されて機器ユニット8が移動可能領域外に移動したことを検出したときに、機器ユニット8の盗難を検出してもよい。また、メイン制御ユニット100は、所定の操作が実行されることなく(例えば操作ユニット16が操作されることなく)停止スイッチ24が押し込まれたことやメインスイッチ22がオフ状態に切り替えられたことを検出したときに、機器ユニット8の盗難を検出してもよい。
【符号の説明】
【0168】
1 :電気機器システム
2 :電気機器
4 :充電スタンド
6 :バッテリユニット
8 :機器ユニット
12 :電動作業ユニット
14 :持ち上げセンサ
16 :操作ユニット
20 :報知器
22 :メインスイッチ
24 :停止スイッチ
100 :メイン制御ユニット
112 :電源回路
114 :メモリ
124 :第1機器端子
126 :第2機器端子
128 :第3機器端子
130 :第4機器端子
132 :移行信号出力ポート
134 :モード状態信号入力ポート
136 :スイッチ状態信号入力ポート
138 :温度信号入力ポート
140 :残量信号入力ポート
150 :バッテリセル
152 :バッテリ制御ユニット
156 :第1バッテリ端子
158 :第2バッテリ端子
160 :第3バッテリ端子
162 :第4バッテリ端子
164 :第5バッテリ端子
168 :放電スイッチ
170 :第1充電スイッチ
172 :第2充電スイッチ
174 :移行信号入力ポート
176 :モード状態信号出力ポート
178 :スイッチ状態信号出力ポート
180 :温度信号出力ポート
182 :残量信号出力ポート
184 :放電経路
185 :接続点
186 :充電経路
187 :接続点
188 :放電スイッチング素子
190 :放電ダイオード
192 :第1充電スイッチング素子
194 :第1充電ダイオード
196 :第2充電スイッチング素子
198 :第2充電ダイオード
220 :スタンド制御ユニット
230 :コンバータ
240 :外部電源
G :地面