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特開2024-116674扉開閉装置およびサーマルクリーンチャンバー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116674
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】扉開閉装置およびサーマルクリーンチャンバー
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/06 20060101AFI20240821BHJP
   E05D 15/06 20060101ALI20240821BHJP
【FI】
F24F7/06 C
E05D15/06 117
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022409
(22)【出願日】2023-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】591066465
【氏名又は名称】日本エアーテック株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000238197
【氏名又は名称】扶桑電機工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【弁理士】
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】豊田 貴大
(72)【発明者】
【氏名】丸山 秋広
(72)【発明者】
【氏名】岡野 宏志
(72)【発明者】
【氏名】中野 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】田口 清城
【テーマコード(参考)】
2E034
3L058
【Fターム(参考)】
2E034AA00
2E034BD01
2E034CB00
3L058BF09
3L058BG05
(57)【要約】
【課題】検査室内に出入口を通してワーク(製品)を搬入・搬出する際に、出入口を開閉する扉の駆動部からワークに塵が落下して付着するのを防止できる扉開閉装置および扉開閉装置を備えたサーマルクリーンチャンバーを提供する。
【解決手段】検査室1a内に出入口5を通してワークを搬入・搬出する際に、扉6を左右に移動させることで、当該扉6によって出入口5を開閉させる扉開閉装置20であって、出入口5の上方に扉6を開閉駆動させる駆動部21が設けられ、駆動部21と出入口5との間に、屋根部23が当該屋根部の先端縁部23aを上下方向において出入口5の位置と重なるように設けられ、駆動部21は、上下方向において出入口5と重ならないように屋根部23の基端縁部側に寄せて配置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査室内に出入口を通してワークを搬入・搬出する際に、扉を左右に移動させることで、当該扉によって前記出入口を開閉させる扉開閉装置であって、
前記出入口の上方に前記扉を開閉駆動させる駆動部が設けられ、
前記駆動部と前記出入口との間に、屋根部が当該屋根部の先端縁部を上下方向において前記出入口の位置と重なるように設けられ、
前記駆動部は、上下方向において前記出入口と重ならないように前記屋根部の基端縁部側に寄せて配置されていることを特徴とする扉開閉装置。
【請求項2】
前記駆動部は、扉の移動方向において離間して配置された駆動プーリおよび従動プーリと、これら駆動プーリおよび従動プーリに巻き掛けられたベルトと、を備え、
前記ベルトに前記屋根部の先端縁部を越えて扉に向けて延出するアームが取り付けられ、このアームに前記扉が連結されていることを特徴とする請求項1に記載の扉開閉装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の扉開閉装置を備えたことを特徴とするサーマルクリーンチャンバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーマルクリーンチャンバー等の検査室にワークを搬入・搬出するための出入口の扉を開閉する扉開閉装置および扉開閉装置を備えたサーマルクリーンチャンバーに関する。
【背景技術】
【0002】
FPD(フラットパネルディスプレイ)ガラス基板を検査・製造する際にはガラス基板及び検査・製造装置周囲の温度分布が均一でないと、ガラス基板もしくは検査・製造装置が温度差により伸縮し測定精度に影響を与える。従って、必ず事前に定められた設定温度の環境内で測定が行なわれなければならない。
サーマルクリーンチャンバーはその天井部全面から精密に温度制御されたエアーを供給し、庫内に設置された検査・製造装置本体及びその周囲の温度を高精度に安定させているため、上述した測定等に使用される。
このようなサーマルクリーンチャンバーの一例として、特許文献1に記載のものが知られている。このサーマルクリーンチャンバーは、クリーンルーム内に配置されており、当該クリーンルームからの被加工用ガラス基板(製品、ワーク)を受け入れる出入口及びそれに連なるガラス基板搬送路を有している。また、出入口は、上下スライド式の自動シャッタ(扉)によって開閉されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-237512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、サーマルクリーンチャンバーの出入口を左右スライド式の扉(シャッタ)によって開閉する場合がある。この場合、シャッタの上部に設置されている駆動部(ベルト、プーリ、ギヤ等)より発塵し、当該塵が製品(ガラス基板)上に落下する不具合が発生するおそれがある。
すなわち、従来の左右スライド式の扉開閉装置では、駆動部が扉によって開閉される出入口の上部に設置されているため、駆動部より発塵した場合、製品(ワーク、ガラス基板)がパーティクル(発塵によって生じた数百~数十nmレベルの微粒子)によって影響を受け易い。
【0005】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、サーマルクリーンチャンバー等の内部の検査室内に出入口を通してワーク(製品)を搬入・搬出する際に、出入口を開閉する扉の駆動部からワークに塵が落下して付着するのを防止できる扉開閉装置および扉開閉装置を備えたサーマルクリーンチャンバーを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明に係る扉開閉装置は、検査室内に出入口を通してワークを搬入・搬出する際に扉を左右に移動させることで、当該扉によって前記出入口を開閉させる扉開閉装置であって、
前記出入口の上方に前記扉を開閉駆動させる駆動部が設けられ、
前記駆動部と前記出入口との間に、屋根部が当該屋根部の先端縁部を上下方向において前記出入口の位置と重なるように設けられ、
前記駆動部は、上下方向において前記出入口と重ならないように前記屋根部の基端縁部側に寄せて配置されていることを特徴とする。
【0007】
本発明においては、駆動部と出入口との間に、屋根部が当該屋根部の先端縁部を上下方向において出入口の位置と重なるように設けられるとともに、扉を開閉駆動させる駆動部が、上下方向において出入口と重ならないように屋根部の基端縁部側に寄せて配置されているので、駆動部から発塵しても、当該塵は平面視において出入口より屋根部の基端縁部側に寄った位置において、屋根部に落下して、それ以上の落下が防止されるので、塵が出入口を通る製品(ガラス基板)に付着するのを防止できる。
【0008】
また、本発明の前記構成において、前記駆動部は、扉の移動方向において離間して配置された駆動プーリおよび従動プーリと、これら駆動プーリおよび従動プーリに巻き掛けられたベルトと、を備え、
前記ベルトに前記屋根部の先端縁部を越えて扉に向けて延出するアームが取り付けられ、このアームに前記扉が連結されていてもよい。
【0009】
このような構成によれば、扉を開閉駆動させる駆動部が、上下方向において出入口と重ならないように、つまり、扉と重ならないように、検査室側に寄せて配置されていても、ベルトに屋根部の先端縁部を越えて扉に向けて延出するアームが取り付けられ、このアームに扉が連結されているので、当該アームによって、容易に扉を左右に移動させることができる。
【0010】
また、本発明のサーマルクリーンチャンバーは、前記扉開閉装置を備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明においては、サーマルクリーンチャンバーの内部の検査室内に出入口を通してワーク(製品)を搬入・搬出する際に、出入口を開閉する扉開閉装置の駆動部からワークに塵が落下して付着するのを防止できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、検査室内に出入口を通してワーク(製品)を搬入・搬出する際に、出入口を開閉する扉の駆動部からワークに塵が落下して付着するのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る扉開閉装置を示すもので、側断面図である。
図2】同、正面図である。
図3】本発明の実施形態に係る扉開閉装置を備えたサーマルクリーンチャンバーの概略構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は本実施形態に係る扉開閉装置を示す側断面図、図2は同扉開閉装置を示す正面図、図3はサーマルクリーンチャンバーの概略構成を示す断面図である。
本実施形態は、本発明に係る扉開閉装置をサーマルクリーンチャンバーに適用したものである。サーマルクリーンチャンバーはその天井部全面から精密に温度制御されたエアーを供給し、庫内の検査室に設置された検査・製造装置本体及びその周囲の温度を高精度に安定させている。このため、FPD(フラットパネルディスプレイ)ガラス基板(ワーク)を検査・製造する際に好適に使用される。
【0015】
図3に示すように、サーマルクリーンチャンバー1は、全自動化されたFPD工場においてクリーンルーム2内に設置され、内部の検査室1aにFPD検査・製造装置3が収容されている。サーマルクリーンチャンバー1には被加工用のガラス基板用搬送路5aの出入口5が設けられ、左右スライド式の自動シャッタ(扉)6,6によって出入口5が開閉されるようになっている。
【0016】
出入口からFPD検査・製造装置3に送られるガラス基板4は、図示しない適宜搬送手段で担持されるが、出入口5からFPD検査・製造装置3に至る間にガラス基板4の温度慣らしのための気流雰囲気中を通過させるように搬送路5aを構成している。
【0017】
サーマルクリーンチャンバー1の天井部は、噴出ダクト8が設置されFPD検査・製造装置3の上位に噴気口8aを開口している。噴気口8aの噴気はガラス基板4上の水平気流が舞上がるのを防止し温度慣らし時間を短縮させ、またガラス基板4がFPD検査・製造装置3の所定位置に設置された後には同装置3上面の舞上がり気流を抑えて温度を安定化させる。
【0018】
サーマルクリーンチャンバー1はFPD検査・製造装置3を収容した作業空間(検査室)1aの周囲に、冷却コイル10、ヒーター11、ファン12等を収納したダクト16が設けられ、ヘパフィルター13を収容したダクト8,7及びそれぞれに圧力空気を送るダクト14,15を有している。
FPD検査・製造装置3は、大型石定盤上にガラス基盤を設置する高精度ガラステーブル3aと基板上の各座標点を検出する顕微鏡3cとを備え、エアスライダーやLMガイド等の駆動部3bにより高精度ガラステーブルや顕微鏡3cをXY軸方向へ移動させ測定する。
【0019】
このようなサーマルクリーンチャンバー1では、コイル10及び電気ヒーター11で所定温度にて精密に保たれたエアーがファン12からダクト14を通り、噴出ダクト8内に設置されたヘパフィルター13を介して作業空間(検査室)1a内に噴出する。ダクト8の噴気口8aから噴出したエアーはFPD検査・製造装置3の上面の舞上がり気流を抑え、また駆動部3b後方のデットゾーン9を解消し、さらに検査・製造装置後方の舞上がり気流を抑えて有効に温度慣らし作業と温度の安定化を行なっている。
【0020】
次に、本発明に係る扉開閉装置20について図1および図2を参照して説明する。
図1は、扉開閉装置20の側断面図、図3は扉開閉装置の正面図である。
図1および図2に示すように、出入口5の上方には、扉6,6を開閉駆動させる駆動部21が設けられている。本実施形態(本発明)でいう「出入口5」とは、扉6,6によって開閉される開口部のことを意味する。また、本実施形態では、扉6は、前後方向(図1において左右方向、図2において紙面と直交する方向)に配置された前扉6aと、後扉6bとを有している。このような前扉6aと後扉6bを有する扉6が、図2において、左右に一対配置され、出入口5は、左右一対の扉6,6が左右に互いに逆方向に移動することによって、開閉されるようになっている。
【0021】
駆動部21と出入口5との間には、屋根部23が当該屋根部23の先端縁部23aを上下方向において(平面視において)、出入口5の位置と重なるようにして設けられている。先端縁部23aは、屋根部23の先端部を上方に略直角に折曲して形成されたものである。この屋根部23の上面には、駆動部21で発塵した塵が落下するが、この落下した塵は先端縁部23aによって屋根部23の先端を飛び越えるのを防止されている。
【0022】
駆動部21は以下のように構成されている。
すなわちまず、図1に示すように、サーマルクリーンチャンバー1の前壁1bの上端部にモータ30が取り付けられている。モータ30は、図2に示すように、前壁1bの上端部でかつ一端部(右端部)に取り付けられており、このモータ30の回転軸(駆動軸)に駆動プーリ31が取り付けられている。モータ30の回転軸は扉6,6の移動方向と直交する方向(図1において左右方向、図2において紙面と直交する方向)に向けられている。したがって、駆動プーリ31は前壁1bと平行な鉛直面内において回転するようになっている。また、モータ30の回転軸は正逆方向に回転可能となっており、これに伴って駆動プーリ31も正逆方向(時計回りおよび反時計回り)に回転可能となっている。
また、図2に示すように、前壁1bの上端部でかつ他端部(左端部)には、正逆方向(時計回りおよび反時計回り)に回転可能な従動プーリ32が駆動プーリ31と同高さ位置に設けられている。また、駆動プーリ31と従動プーリ32とは、扉6の移動方向(図2において左右方向)に離間して配置されている。
駆動プーリ31と従動プーリ32とにはベルト33が巻き掛けられており、このベルト33は駆動プーリ31がモータ30によって正逆方向に回転することによって、駆動プーリ31と従動プーリ32との間で正逆方向に回転するようになっている。
【0023】
また、図1および図2に示すように、ベルト33には、屋根部23の先端縁部23aを越えて扉6,6に向けて延出する扉側に向けて延出するアーム35,35が取り付けられ、このアーム35,35に扉6,6の前扉6a,6aが連結されている。図2において左側の前扉6aに連結されたアーム35は、ベルト33の上側ベルト33aに連結され、右輪の前扉6aに連結されたアーム35は、ベルト33の下側ベルト33bに連結されている。
アーム35は、下端部に水平アーム35aを有しており、この水平アーム35aの両端部に連結アーム35b,35bを有している。当該連結アーム35b,35bの下端部は前扉6a,6aの上辺部に連結されている。
【0024】
したがって、ベルト33が時計回りに回転移動することによって、左側の前扉6aは右側に移動し、右側の前扉6aは左側に移動し、これによって、左右の前扉6a,6aが互いに近づいて行き、対向する側端面どうしが当接することによって、出入口5の略半分(左右方向の略半分)を閉じるようになっている。一方、ベルト33が反時計回りに回転移動することによって、左側の前扉6aは左側に移動し、右側の前扉6aは右側に移動し、左右の前扉6a,6aが互いには離れて行き、前扉6a,6aの対向する側端面が出入口5の左右の縦縁部に位置することによって、出入口5を開けるようになっている。
【0025】
また、水平アーム35aの両端部には、ローラ37,37が回転可能に取り付けられ、当該ローラ37,37は、レール38上を転動するようになっている。レール38は扉6,6(前扉6a,6a)の移動方向(図2において左右方向、図1において紙面と直交する方向)に延在するようにして配置され、当該レール38は前記屋根部23の下面に固定されている。このように、前扉6aは、アーム35によってローラ37,37を介してレール38に左右方向に移動可能に吊持されている。したがって、アーム35がベルト33によって左右に移動すると、ローラ37がレール38上を転動して行き、アーム35の移動、つまり前扉6aの移動がスムーズとなる。
【0026】
また、前記後扉6bは、前扉6aの移動に伴って当該前扉6aの移動方向と同方向に移動するようになっている。
すなわちまず、前記ベルト33の下方には、後扉6bの移動方向(図1において紙面と直交する方向、図2において左右方向)に延在する移動フレーム40が水平に設けられており、この移動フレーム40には、ローラ41,41が図2において左右に離間し、かつ回転可能に取り付けられている。
一方、前壁1bには、レール42が移動フレーム40と平行に固定されており、このレール42上をローラ41,41が転動可能となっている。したがって、移動フレーム40はレール42に沿って図2において左右方向(図1において紙面と直交する方向)に移動可能となっている。
【0027】
また、移動フレーム40の両端部には、一対のプーリ43,43が図2において左右方向に離間し、かつ回転可能に取り付けられ、当該プーリ43,43にはベルト44が巻き掛けられている。
一方、前扉6aに連結されたアーム35の水平アーム35aには、当該水平アーム35aから上方に延びる連結アーム35dの下端部が連結され、当該連結アーム35dの上端部はベルト44の上側ベルト44aに連結されている。
【0028】
また、後扉6bの上辺部の一方の端部には連結アーム45の下端部が連結され、この連結アーム45の上端部は、前記移動フレーム40に連結されている。連結アーム45にはローラ46が回転可能に取り付けられ、このローラ46はレール47上を転動可能となっている。レール47は図2において左右に延在しており、前記屋根部23の下面に鉛直に設けられた固定部48(図1参照)に水平に固定されている。
一方、後扉6bの上辺部の他方の端部には、支持アーム49が連結されており、この支持アーム49にローラ50が回転可能に取り付けられている。このローラ50はレール47上を転動可能となっている。このように、後扉6bは、連結アーム45および支持アーム49によってローラ46,50を介してレール47に左右方向に移動可能に吊持されている。したがって、移動フレーム40が図2において左右方向に移動すると、これに伴って後扉6bが左右方向にスムーズに移動する。
【0029】
移動フレーム40には、一対のプーリ43,43が取り付けられ、当該プーリ43,43に巻き掛けられたベルト44に連結アーム35dが連結され、当該連結アーム35dが前扉6aに連結されているので、当該前扉6aの移動に伴って、後扉6bが前扉6aの移動速度より減速されて前扉6aと同方向に移動する。
【0030】
上述したように駆動部21は、モータ30、駆動プーリ31、従動プーリ32、ベルト33、一対のプーリ43,43、ベルト44を備えている。したがって、このような駆動部21では、図2に示す状態において、モータ30によってベルト33が反時計回りに回転すると、左側の前扉6aは、上側ベルト33aに連結されているアーム35を介して左側に移動し、右側の前扉6aは、下側ベルト33bに連結されているアーム35を介して右側に移動する。これによって、左右の前扉6a,6aは互いに離間するように左右方向に移動し、出入口5が開く。
一方、出入口5が開いた状態において、モータ30によってベルト33が時計回りに回転すると、左側の前扉6aは、上側ベルト33aに連結されているアーム35を介して右側に移動し、左側の前扉6aは、下側ベルト33bに連結されているアーム35を介して左側に移動する。これによって、左右の前扉6a,6aは互いに接近するように左右方向に移動し、左右の前扉6a,6aが互いに当接することによって、出入口5が閉じる。
【0031】
また、図2に示す状態において、左側の前扉6aが左側に移動すると、当該前扉6aに下端部が連結されている連結アーム35dの上端部がベルト44の上側ベルト44aに連結されているので、上側ベルト44aは左側に引っ張られ、これによって移動フレーム40は左側に移動する。ベルト44は移動フレーム40に取り付けられているプーリ43,43に巻き掛けられているので、移動フレーム40は前扉6aの左側への移動速度より減速されて、左側に移動する。
移動フレーム40が左側に移動すると、移動フレーム40は連結アーム45によって左側の後扉6bに連結されているので、当該後扉6bが左側に移動する。つまり、後扉6bは前扉6aより減速されて左側に移動する。
【0032】
また、図2に示す状態において、右側の前扉6aが右側に移動すると、当該前扉6aに下端部が連結されている連結アーム35dの上端部がベルト44の上側ベルト44aに連結されているので、上側ベルト44aは右側に引っ張られ、これによって移動フレーム40は右側に移動する。ベルト44は移動フレーム40に取り付けられているプーリ43,43に巻き掛けられているので、移動フレーム40は、前扉6aの右側への移動速度より減速されて、右側に移動する。
移動フレーム40が右側に移動すると、移動フレーム40は連結アーム45によって右側の後扉6bに連結されているので、当該後扉6bが右側に移動する。つまり、後扉6bは前扉6aより減速されて右側に移動する。
【0033】
このように、左右の後扉6b,6bが互いに離間するように左右に移動することによって、出入口5が開く。
【0034】
一方、出入口5が開いた状態において、左側の前扉6aが右側に移動すると、上側ベルト44aは右側に引っ張られ、これによって移動フレーム40は右側に移動する。ベルト44は移動フレーム40に取り付けられているプーリ43,43に巻き掛けられているので、移動フレーム40は前扉6aの右側への移動速度より減速されて、右側に移動する。
移動フレーム40が右側に移動すると、移動フレーム40は連結アーム45によって左側の後扉6bに連結されているので、当該後扉6bが右側に移動する。つまり、後扉6bは前扉6aより減速されて右側に移動する。
また、出入口5が開いた状態において、右側の前扉6aが左側に移動すると、上側ベルト44aは左側に引っ張られ、これによって移動フレーム40は左側に移動する。ベルト44は移動フレーム40に取り付けられているプーリ43,43に巻き掛けられているので、移動フレーム40は前扉6aの左側への移動速度より減速されて、左側に移動する。
移動フレーム40が左側に移動すると、移動フレーム40は連結アーム45によって左側の後扉6bに連結されているので、当該後扉6bが左側に移動する。つまり、後扉6bは前扉6aより減速されて左側に移動する。
【0035】
このように、左右の後扉6b,6bが互いに接近するように左右に移動することによって、出入口5が閉じる。
【0036】
また、前扉6aと後扉6bの左右の幅がほぼ等しいとすると、後扉6bの移動速度が、前扉6aの移動速度の約1/2となり、かつ、出入口5が扉6,6によって閉じられた状態から前扉6aおよび後扉6bが開く方向に移動し、前扉6aおよび後扉6bの前側端面が出入口5の縦縁部にほぼ同時に到着するように、さらに、出入口5が開いた状態から前扉6aおよび後扉6bが閉じる方向に移動し、前扉6a,6aが互いに当接して停止したと同時に後扉6b,6bの後側端麺が出入口の縦縁部に到着するように、プーリ43,43の径およびベルト44の長さが設定されている。
【0037】
以上のように本実施形態によれば、駆動部21と出入口5との間に、屋根部23が当該屋根部23の先端縁部を上下方向において出入口5の位置と重なるように設けられるとともに、扉6,6を開閉駆動させる駆動部21が、上下方向において出入口5と重ならないように屋根部23の基端縁部側に寄せて配置されているので、駆動部21から発塵しても、当該塵は平面視において出入口5より屋根部23の基端縁部側に寄った位置において、屋根部23に落下して、それ以上の落下が防止されるので、塵が出入口5を通る製品(ガラス基板)に付着するのを防止できる。
【0038】
また、駆動部21は、扉6,6の移動方向において離間して配置された駆動プーリ31および従動プーリ32と、これら駆動プーリ31および従動プーリ32に巻き掛けられたベルト33と、を備え、ベルト33に屋根部23の先端縁部23aを越えて前扉6aに向けて延出するアーム35が取り付けられ、このアーム35に前扉6a,6aが連結されているので、駆動部21が、上下方向において出入口と重ならないように、つまり、前扉6a,6aと重ならないように、検査室側に寄せて配置されていても、ベルト33によって移動するアーム35によって、容易に前扉6a,6aを左右に移動させることができる。
【0039】
さらに、駆動部21は、ベルト44が巻き掛けられた一対のプーリ43,43を有する移動フレーム40が、前扉6aの移動に伴って減速されて移動し、これによって後扉6bも減速されて移動するので、前扉6aと後扉6bとによって出入口5を同時に開閉できる。
また、検査室1aがサーマルクリーンチャンバー1に設けられているので、検査室1a内に出入口5を通してワーク(製品)を搬入・搬出する際に、出入口5を開閉する扉6,6の駆動部21からワークに塵が落下して付着するのを防止できる。
【0040】
なお、本実施形態では、サーマルクリーンチャンバー1の出入口5を前扉6aおよび後扉6bを有する一対の扉6,6で開閉するようにしたが、これに限ることはない。例えば、前扉6aの左右の幅を2倍とすることで出入口5の幅方向の1/2の幅を有する扉とするとともに後扉6bを省略してもよい。
この場合、出入口5は左右一対の扉で開閉されることになり、駆動部21については、移動フレーム40、一対のプーリ43,43およびベルト44等を省略できる。
【0041】
また、本実施形態では、本発明に係る扉開閉装置を、サーマルクリーンチャンバー1の出入口5を開閉するものに適用したが、扉開閉装置は、他の装置や部屋の出入口の扉開閉装置に適用してもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 サーマルクリーンチャンバーの概略構成を示す断面図
1a 検査室
5 出入口
6 扉
6a 前扉
6b 後扉
20 扉開閉装置
21 駆動部
23 屋根部
31 駆動プーリ
32 従動プーリ
33 ベルト
35 アーム
図1
図2
図3