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特開2024-116695電力分岐装置、電力消費システム、処理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116695
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】電力分岐装置、電力消費システム、処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20240821BHJP
   F24F 11/88 20180101ALI20240821BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20240821BHJP
   H02J 3/14 20060101ALI20240821BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20240821BHJP
【FI】
H02M7/48 M
F24F11/88
H02J3/38 110
H02J3/14 130
H02J13/00 311T
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022450
(22)【出願日】2023-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】大和 裕明
(72)【発明者】
【氏名】清水 健志
(72)【発明者】
【氏名】手島 和範
(72)【発明者】
【氏名】中野 浩児
(72)【発明者】
【氏名】篠田 尚信
(72)【発明者】
【氏名】角藤 清隆
(72)【発明者】
【氏名】相場 謙一
【テーマコード(参考)】
3L260
5G064
5G066
5H770
【Fターム(参考)】
3L260AB02
3L260BA42
3L260CB90
3L260EA06
3L260FC34
5G064AA01
5G064AA04
5G064AC09
5G064CB08
5G064CB10
5G064CB21
5G066HA11
5G066HA17
5G066HB06
5G066HB07
5G066HB09
5G066JB03
5G066KA11
5G066KB06
5H770AA21
5H770BA05
5H770CA02
5H770CA04
5H770CA05
5H770CA06
5H770CA10
5H770DA03
5H770HA03Z
5H770JA11W
5H770JA17W
5H770JA17Z
5H770LA02W
5H770LB09
(57)【要約】
【課題】交流電力を電力源とし、その交流電力を直流電力に変換し、変換後の直流電力から交流電力を生成する装置に、直流電力の効率の低下を抑制して適切な直流電力を供給することのできる電力分岐装置を提供する。
【解決手段】電力分岐装置は、直流電力を受け入れ可能に構成された受入部と、前記受入部が受け入れた前記直流電力の一部である第1直流電力を第1の負荷に供給可能な第1供給部と、前記受入部が受け入れた前記直流電力の一部から前記第1直流電力よりも小さい第1交流電力を生成する第1生成部と、前記第1交流電力を第2の負荷に供給可能な第2供給部と、を備える。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電力を受け入れ可能に構成され、前記直流電力を受け入れた場合、前記直流電力の一部である第1直流電力を第1の負荷に出力する受入部と、
前記受入部が受け入れた前記直流電力の一部から前記第1直流電力よりも小さい第1交流電力を生成する生成部と、
前記第1交流電力を第2の負荷に供給可能な供給部と、
を備える電力分岐装置。
【請求項2】
交流系統から供給される交流電力、および前記第1交流電力の何れか一方を出力するスイッチであり、前記交流系統から前記交流電力が供給された場合に前記交流電力を出力し、前記交流系統から前記交流電力が供給されない場合に前記第1交流電力を出力するスイッチ、
を備える請求項1に記載の電力分岐装置。
【請求項3】
前記第1の負荷および前記第2の負荷を有する負荷装置と通信する通信部、
を備える請求項1に記載の電力分岐装置。
【請求項4】
前記供給部が前記第1交流電力を前記第2の負荷に供給しているか否かを判定する判定部、
を備え、
前記通信部は、
前記供給部が前記第1交流電力を前記第2の負荷に供給していると前記判定部が判定した場合、前記負荷装置に動作を限定させる通知を送信する、
請求項3に記載の電力分岐装置。
【請求項5】
前記供給部が前記第1交流電力を前記第2の負荷に供給していると判定した後に、前記供給部が前記第1交流電力を前記第2の負荷に供給していないと前記判定部が判定した場合、前記負荷装置に動作を停止させる通知を送信する、
請求項4に記載の電力分岐装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5の何れか一項に記載の電力分岐装置と、
前記第1の負荷および前記第2の負荷を有する負荷装置と、
を備える電力消費システム。
【請求項7】
前記負荷装置は、
空気調和機、冷蔵機器、または冷凍機器である、
請求項6に記載の電力消費システム。
【請求項8】
直流電力を受け入れた場合、前記直流電力の一部である第1直流電力を第1の負荷に出力することと、
受け入れた前記直流電力の一部から前記第1直流電力よりも小さい第1交流電力を生成することと、
前記第1交流電力を第2の負荷に供給することと、
を含む処理方法。
【請求項9】
直流電力を受け入れ可能に構成され、前記直流電力を受け入れた場合、前記直流電力の一部である第1直流電力を第1の負荷に出力する受入部と、前記受入部が受け入れた前記直流電力の一部から前記第1直流電力よりも小さい第1交流電力を生成する生成部と、前記第1交流電力を第2の負荷に供給可能な供給部と、を備える電力分岐装置のコンピュータに、
前記第1の負荷および前記第2の負荷を有する負荷装置と通信すること、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力分岐装置、電力消費システム、処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和機は、一般的に、交流系統から供給される交流電力を電力源として動作する。特許文献1には、関連する技術として、直流運転モードと交流運転モードの両方で動作する空気調和機に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公報第2017/047123号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、交流電力を電力源として動作する空気調和機では、電力源である交流電力をコンバータで直流電力に変換し、変換後の直流電力からインバータでコンプレッサモータを駆動する交流電力を生成している。一方で、空気調和機のように交流電力を電力源とし、その交流電力を直流電力に変換し、変換後の直流電力から交流電力を生成する装置では、交流電力の電力源のみならず直流電力の電力源でも動作することが望まれている。そこで、特許文献1に記載のように直流電力を交流電力に変換し、変換後の交流電力を元の交流電力の電力源として入力することにより、直流電力を電力源とする場合でも装置を動作させることが考えられる。しかしながら、直流電力を交流電力に変換するため、その変換効率の分だけ電力を無駄にしてしまう。
【0005】
そこで、交流電力を電力源とし、その交流電力を直流電力に変換し、変換後の直流電力から交流電力を生成する装置に、直流電力の効率の低下を抑制して適切な直流電力を供給することのできる技術が求められている。
【0006】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、交流電力を電力源とし、その交流電力を直流電力に変換し、変換後の直流電力から交流電力を生成する装置に、直流電力の効率の低下を抑制して適切な直流電力を供給することのできる電力分岐装置、電力消費システム、処理方法、およびプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示に係る電力分岐装置は、直流電力を受け入れ可能に構成された受入部と、前記受入部が受け入れた前記直流電力の一部である第1直流電力を第1の負荷に供給可能な第1供給部と、前記受入部が受け入れた前記直流電力の一部から前記第1直流電力よりも小さい第1交流電力を生成する第1生成部と、前記第1交流電力を第2の負荷に供給可能な第2供給部と、を備える。
【0008】
本開示に係る電力消費システムは、前記電力分岐装置と、前記第1の負荷および前記第2の負荷を有する負荷装置と、を備える。
【0009】
本開示に係る処理方法は、直流電力を受け入れることと、受け入れた前記直流電力の一部である第1直流電力を第1の負荷に供給することと、受け入れた前記直流電力の一部から前記第1直流電力よりも小さい第1交流電力を生成することと、前記第1交流電力を第2の負荷に供給することと、を含む。
【0010】
本開示に係るプログラムは、直流電力を受け入れ可能に構成された受入部と、前記受入部が受け入れた前記直流電力の一部である第1直流電力を第1の負荷に供給可能な第1供給部と、前記受入部が受け入れた前記直流電力の一部から前記第1直流電力よりも小さい第1交流電力を生成する第1生成部と、前記第1交流電力を第2の負荷に供給可能な第2供給部と、を備える電力分岐装置のコンピュータに、前記第1の負荷および前記第2の負荷を有する負荷装置と通信すること、を実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本開示に係る電力分岐装置、電力消費システム、処理方法、およびプログラムによれば、交流電力を電力源とし、その交流電力を直流電力に変換し、変換後の直流電力から交流電力を生成する装置に、直流電力の効率の低下を抑制して適切な直流電力を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の第1実施形態による空気調和システムの構成の一例を示す図である。
図2】本開示の第1実施形態による電力分岐装置の構成の一例を示す図である。
図3】本開示の第1実施形態による空気調和機の構成の一例を示す図である。
図4】本開示の第1実施形態による空気調和システムの動作を説明するための第1の例を示す図である。
図5】本開示の第1実施形態による空気調和システムの動作を説明するための第2の例を示す図である。
図6】本開示の第1実施形態による空気調和システムの動作を説明するための第3の例を示す図である。
図7】本開示の第1実施形態による空気調和システムの動作を説明するための第4の例を示す図である。
図8】本開示の第2実施形態による空気調和システムの構成の一例を示す図である。
図9】本開示の第2実施形態による電力分岐装置の構成の一例を示す図である。
図10】本開示の第2実施形態による空気調和機の構成の一例を示す図である。
図11】本開示の第2実施形態による空気調和システムの処理フローの一例を示す図である。
図12】本開示の第3実施形態による電力分岐装置の構成の一例を示す図である。
図13】本開示の第4実施形態による電力分岐装置の構成の一例を示す図である。
図14】少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<第1実施形態>
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。本開示の第1実施形態による空気調和システムについて説明する。
【0014】
(空気調和システムの構成)
図1は、本開示の第1実施形態による空気調和システム1の構成の一例を示す図である。空気調和システム1は、図1に示すように、電力分岐装置10、および空気調和機20(負荷装置の一例)を備える。空気調和システム1は、少なくとも1つの直流電力源から直流電力を受け、空気調和機20において冷媒を循環させるために必要な主電力である直流電力およびその主電力である直流電力よりも小さな交流電力を、空気調和機20に供給するシステムである。直流電力源の例としては、自然エネルギー発電システム、蓄電池、電気自動車、プラグインハイブリッド電気自動車、燃料電池自動車などが挙げられる。自然エネルギー発電システムの例としては、太陽光発電システム、風力発電システム、地熱発電システムなどが挙げられる。なお、図1では、自然エネルギー発電システムの例として、太陽光発電システムが記載されている。
【0015】
図2は、本開示の第1実施形態による電力分岐装置10の構成の一例を示す図である。電力分岐装置10は、直流電力源が出力する直流電力を、空気調和機20において冷媒を循環させるために必要な主電力である直流電力と、その主電力である直流電力よりも小さな交流電力とに分岐し、分岐後の主電力である直流電力および分岐後の交流電力を空気調和機20に出力する。電力分岐装置10は、図2に示すように、接続部101(受入部の一例)、DC-AC(Direct Current to Alternative Current)コンバータ102(生成部の一例、供給部の一例)、および切り替えスイッチ104(スイッチの一例)を備える。
【0016】
接続部101は、1つ以上の直流電力源を接続可能な接続端子を有し、少なくとも1つの直流電力源から所定の直流電力を受ける。所定の直流電力の例としては、室外機の後述するコンプレッサ201を駆動するための直流電力であり、後述するコンプレッサ201のコンバータ2011が生成する直流電圧よりも高い直流電圧である直流電力などが挙げられる。接続部101は、受けた直流電力を、DC-ACコンバータ102、および後述するコンプレッサ201のコンバータ2011に出力する。
【0017】
DC-ACコンバータ102は、接続部101が出力した直流電力から所定の交流電力を生成する。所定の交流電力の例としては、空気調和機20の後述する補器202に供給する交流電力などが挙げられる。DC-ACコンバータ102は、生成した交流電力を切り替えスイッチ104に出力する。
【0018】
切り替えスイッチ104は、入力端子として第1端子および第2端子を備え、出力端子として第3端子を備える。第1端子には、交流系統が接続される。交流系統は、空気調和システム1の外部に存在し、空気調和システム1に交流電力を供給可能である。第2端子には、DC-ACコンバータ102の出力が接続される。第3端子には、空気調和機20の補器が接続される。第3端子には鉄などの磁性体である金属が接続されており、空気調和システム1の外部の交流系統から第1端子に交流電力が供給される場合に、第1端子の電圧に応じて第1端子のコイルが励磁して、金属が第1端子に引き付けられることにより、第1端子と第2端子とが接続される。また、空気調和システム1の外部の交流系統から第1端子に交流電力が供給されない場合、金属は第1端子に引き付けられず、第2端子と第3端子とが接続される。
【0019】
図3は、本開示の第1実施形態による空気調和機20の構成の一例を示す図である。空気調和機20は、図3に示すように、コンプレッサ201、補器202(図1ではLoad202と記載)、制御部203、コンバータ2011、コンデンサ2012、およびインバータ2013を備える。コンプレッサ201は、コンプレッサモータ2014を備える。
【0020】
コンバータ2011は、切り替えスイッチ104が出力する交流電力を受ける。コンバータ2011は、受けた交流電力からインバータ2013に供給する所定の直流電圧を生成する。コンバータ2011は、生成した直流電圧をインバータ2013に出力する。
【0021】
コンデンサ2012は、コンバータ2011が生成した直流電圧、および接続部101が少なくとも1つの直流電力源から受けた所定の直流電力の直流電圧を受ける。コンデンサ2012は、受けた直流電圧のうち高い方の直流電圧を平滑化することによりその高い方の直流電圧を一定に保つ。なお、コンバータ2011は、ダイオード(不図示)を含んでいる。また、電力分岐装置10は、出力にダイオード(不図示)を備えている。そのため、コンデンサ2012からコンバータ2011および電力分岐装置10への電流の逆流はない。
【0022】
インバータ2013は、コンデンサ2012により一定に保たれる直流電圧を受ける。インバータ2013は、受けた直流電圧からコンプレッサモータ2014を駆動するための交流電圧を生成する。インバータ2013は、生成した交流電圧をコンプレッサモータ2014に出力する。
【0023】
コンプレッサモータ2014は、インバータ2013が生成した交流電圧を受ける。コンプレッサモータ2014は、受けた交流電圧に応じて回転する。コンプレッサモータ2014が回転することにより、コンプレッサ201は、圧縮空気を発生させ、空気調和機20において冷媒を循環させることが可能となる。
【0024】
補器202は、冷媒循環量の調整に関連する装置である。補器202の例としては、クランクケースヒータ、電磁弁、四方弁、電磁接触器、圧力スイッチ、冷却ファン、センサON/OFF用リレー、フィルタ昇降用回路、室内機などが挙げられる。制御部203は、コンプレッサ201の動作、および補器202の動作を制御する。
【0025】
次に、本開示の第1実施形態による空気調和システム1の動作について説明する。図4は、本開示の第1実施形態による空気調和システム1の動作を説明するための第1の例を示す図である。図5は、本開示の第1実施形態による空気調和システム1の動作を説明するための第2の例を示す図である。図6は、本開示の第1実施形態による空気調和システム1の動作を説明するための第3の例を示す図である。図7は、本開示の第1実施形態による空気調和システム1の動作を説明するための第4の例を示す図である。ここでは、本開示の第1実施形態による空気調和システム1の動作を、図4図7を参照して説明する。なお、ここでは、太陽光発電システム、蓄電池、電気自動車(またはプラグインハイブリッド電気自動車)、燃料電池自動車の4つの直流電力源が電力分岐装置10の接続部101に接続されているものとする。また、コンプレッサ201の動作および補器202の動作は、制御部203によって制御されているものとする。
【0026】
(直流電力源の直流電力によりコンプレッサを駆動し、交流系統の交流電力により補器を駆動する場合)
図4は、直流電力源の直流電力によりコンプレッサ201を駆動し、交流系統の交流電力により補器202を駆動する場合の空気調和システム1の動作を示す図である。まず、図4に示す直流電力源の直流電力によりコンプレッサ201を駆動し、交流系統の交流電力により補器202を駆動する場合の空気調和システム1の動作について説明する。なお、ここでは、太陽光発電システム、蓄電池、電気自動車(またはプラグインハイブリッド電気自動車)、燃料電池自動車の4つの直流電力源のうち、太陽光発電システムが最も高い直流電圧を出力しているものとする。
【0027】
接続部101は、4つの直流電力源から直流電力の直流電圧を受ける。4つの直流電力源のうち、太陽光発電システムが最も高い直流電圧である。そのため、接続部101が受けた直流電圧は、太陽光発電システムが出力する直流電圧となる。接続部101は、太陽光発電システムが出力する直流電圧を、DC-ACコンバータ102および空気調和機20に出力する。
【0028】
DC-ACコンバータ102は、接続部101が出力した直流電圧から所定の交流電圧を生成する。DC-ACコンバータ102は、生成した交流電圧を切り替えスイッチ104に出力する。
【0029】
切り替えスイッチ104の第2端子は、DC-ACコンバータ102から交流電圧を受ける。また、切り替えスイッチ104の第1端子は、交流系統から交流電力の交流電圧を受ける。この場合、切り替えスイッチ104において第1端子と第3端子とが接続される。
【0030】
したがって、この場合、コンプレッサ201のコンバータ2011および補器202のそれぞれは、切り替えスイッチ104を介して、交流系統の交流電圧を受ける。また、コンプレッサ201のコンデンサ2012は、コンバータ2011が生成した直流電圧、および接続部101が4つの直流電力源から受けた直流電圧を受ける。なお、接続部101が太陽光発電システムから受けた直流電圧は、コンバータ2011が生成した直流電圧よりも高い。そのため、コンデンサ2012は、接続部101が太陽光発電システムから受けた直流電圧となるよう一定の電圧を保つ。
【0031】
インバータ2013は、コンデンサ2012により一定に保たれる直流電圧を受ける。この場合、コンデンサ2012により一定に保たれる直流電圧は、接続部101が太陽光発電システムから受けた直流電圧である。インバータ2013は、受けた直流電圧からコンプレッサモータ2014を駆動するための交流電圧を生成する。インバータ2013は、生成した交流電圧をコンプレッサモータ2014に出力する。
【0032】
コンプレッサモータ2014は、インバータ2013が生成した交流電圧を受ける。コンプレッサモータ2014は、受けた交流電圧に応じて回転する。コンプレッサモータ2014が回転することにより、コンプレッサ201は、圧縮空気を発生させる。空気調和機20において冷媒が循環し、空気調和機20が動作する。
【0033】
(交流系統の交流電力によりコンプレッサおよび補器を駆動する場合)
図5は、交流系統の交流電力によりコンプレッサ201および補器202を駆動する場合の空気調和システム1の動作を示す図である。次に、図5に示す交流系統の交流電力によりコンプレッサ201および補器202を駆動する場合の空気調和システム1の動作について説明する。なお、ここでは、4つの直流電力源から出力される最も高い直流電圧が、コンバータ2011が生成した直流電圧よりも低いものとする。
【0034】
接続部101は、4つの直流電力源から直流電力の直流電圧を受ける。接続部101は、4つの直流電力源から出力される最も高い直流電圧を、DC-ACコンバータ102および空気調和機20に出力する。
【0035】
DC-ACコンバータ102は、接続部101が出力した直流電圧から所定の交流電圧を生成する。DC-ACコンバータ102は、生成した交流電圧を切り替えスイッチ104に出力する。
【0036】
切り替えスイッチ104の第2端子は、DC-ACコンバータ102から交流電圧を受ける。また、切り替えスイッチ104の第1端子は、交流系統から交流電力の交流電圧を受ける。この場合、切り替えスイッチ104において第1端子と第3端子とが接続される。
【0037】
したがって、この場合、コンプレッサ201のコンバータ2011および補器202のそれぞれは、切り替えスイッチ104を介して、交流系統の交流電圧を受ける。また、コンプレッサ201のコンデンサ2012は、コンバータ2011が生成した直流電圧、および接続部101が4つの直流電力源から受けた直流電圧を受ける。なお、接続部101が4つの直流電力源から受けた直流電圧は、コンバータ2011が生成した直流電圧よりも低い。そのため、コンデンサ2012は、コンバータ2011が生成した直流電圧となるよう一定の電圧を保つ。
【0038】
インバータ2013は、コンデンサ2012により一定に保たれる直流電圧を受ける。この場合、コンデンサ2012により一定に保たれる直流電圧は、コンバータ2011が生成した直流電圧である。インバータ2013は、受けた直流電圧からコンプレッサモータ2014を駆動するための交流電圧を生成する。インバータ2013は、生成した交流電圧をコンプレッサモータ2014に出力する。
【0039】
コンプレッサモータ2014は、インバータ2013が生成した交流電圧を受ける。コンプレッサモータ2014は、受けた交流電圧に応じて回転する。コンプレッサモータ2014が回転することにより、コンプレッサ201は、圧縮空気を発生させる。空気調和機20において冷媒が循環し、空気調和機20が動作する。
【0040】
(交流系統の交流電力および直流電力源の直流電力によりコンプレッサを駆動し、交流系統の交流電力により補器を駆動する場合)
図6は、交流系統の交流電力および直流電力源の直流電力によりコンプレッサ201を駆動し、交流系統の交流電力により補器202を駆動する場合の空気調和システム1の動作を示す図である。まず、図6に示す交流系統の交流電力および直流電力源の直流電力によりコンプレッサ201を駆動し、交流系統の交流電力により補器202を駆動する場合の空気調和システム1の動作について説明する。なお、ここでは、太陽光発電システム、蓄電池、電気自動車(またはプラグインハイブリッド電気自動車)、燃料電池自動車の4つの直流電力源のうち、太陽光発電システムが最も高い直流電圧であるが、太陽光発電システムが出力する直流電圧が低下し、太陽光発電システムが出力する直流電圧が、コンバータ2011が生成する直流電圧と同一の電圧値となったものとする。
【0041】
接続部101は、4つの直流電力源から直流電力の直流電圧を受ける。接続部101は、4つの直流電力源から出力される最も高い直流電圧を、DC-ACコンバータ102および空気調和機20に出力する。
【0042】
DC-ACコンバータ102は、接続部101が出力した直流電圧から所定の交流電圧を生成する。DC-ACコンバータ102は、生成した交流電圧を切り替えスイッチ104に出力する。
【0043】
切り替えスイッチ104の第2端子は、DC-ACコンバータ102から交流電圧を受ける。また、切り替えスイッチ104の第1端子は、交流系統から交流電力の交流電圧を受ける。そのため、切り替えスイッチ104において第1スイッチと第3スイッチとが接続される。
【0044】
したがって、この場合、コンプレッサ201のコンバータ2011および補器202のそれぞれは、切り替えスイッチ104を介して、交流系統の交流電圧を受ける。また、コンプレッサ201のコンデンサ2012は、コンバータ2011が生成した直流電圧、および4つの直流電力源から出力される直流電圧を受ける。なお、4つの直流電力源から出力される最も高い直流電圧は、コンバータ2011が生成した直流電圧と同一の電圧値を有する。そのため、コンデンサ2012は、4つの直流電力源から出力される最も高い直流電圧およびコンバータ2011が生成した直流電圧となるよう一定の電圧を保つ。
【0045】
インバータ2013は、コンデンサ2012により一定に保たれる直流電圧を受ける。この場合、コンデンサ2012により一定に保たれる直流電圧は、4つの直流電力源から出力される最も高い直流電圧およびコンバータ2011が生成した直流電圧である。インバータ2013は、受けた直流電圧からコンプレッサモータ2014を駆動するための交流電圧を生成する。インバータ2013は、生成した交流電圧をコンプレッサモータ2014に出力する。
【0046】
コンプレッサモータ2014は、インバータ2013が生成した交流電圧を受ける。コンプレッサモータ2014は、受けた交流電圧に応じて回転する。コンプレッサモータ2014が回転することにより、コンプレッサ201は、圧縮空気を発生させる。空気調和機20において冷媒が循環し、空気調和機20が動作する。
【0047】
(直流電力源の直流電力によりコンプレッサおよび補器を駆動する場合)
図7は、直流電力源の直流電力によりコンプレッサ201および補器202を駆動する場合の空気調和システム1の動作を示す図である。まず、図7に示す直流電力源の直流電力によりコンプレッサ201および補器202を駆動する場合の空気調和システム1の動作について説明する。なお、ここでは、太陽光発電システム、蓄電池、電気自動車(またはプラグインハイブリッド電気自動車)、燃料電池自動車の4つの直流電力源のうち、太陽光発電システムが最も高い直流電圧を出力しているものとする。また、何等かの原因により、交流系統と切り替えスイッチ104の第1端子との間の接続が切断されているものとする。
【0048】
接続部101は、4つの直流電力源から直流電力を受ける。接続部101は、4つの直流電力源から出力される最も高い直流電圧を、DC-ACコンバータ102および空気調和機20に出力する。
【0049】
DC-ACコンバータ102は、接続部101が出力した直流電圧から所定の交流電圧を生成する。DC-ACコンバータ102は、生成した交流電圧を切り替えスイッチ104に出力する。
【0050】
切り替えスイッチ104の第2端子は、DC-ACコンバータ102から交流電圧を受ける。また、切り替えスイッチ104の第1端子は、交流系統に接続されていない。この場合、切り替えスイッチ104において第2スイッチと第3スイッチとが接続される。
【0051】
したがって、この場合、コンプレッサ201のコンバータ2011および補器202のそれぞれは、切り替えスイッチ104を介して、DC-ACコンバータ102が生成した交流電圧を受ける。また、コンプレッサ201のコンデンサ2012は、切り替えスイッチ104が出力した直流電圧を受ける。そして、コンデンサ2012は、切り替えスイッチ104が出力した直流電圧となるよう一定の電圧を保つ。
【0052】
インバータ2013は、コンデンサ2012により一定に保たれる直流電圧を受ける。この場合、コンデンサ2012により一定に保たれる直流電圧は、切り替えスイッチ104が出力した直流電圧である。インバータ2013は、受けた直流電圧からコンプレッサモータ2014を駆動するための交流電圧を生成する。インバータ2013は、生成した交流電圧をコンプレッサモータ2014に出力する。
【0053】
コンプレッサモータ2014は、インバータ2013が生成した交流電圧を受ける。コンプレッサモータ2014は、受けた交流電圧に応じて回転する。コンプレッサモータ2014が回転することにより、コンプレッサ201は、圧縮空気を発生させる。空気調和機20において冷媒が循環し、空気調和機20が動作する。
【0054】
(利点)
以上、本開示の第1実施形態による空気調和システム1について説明した。空気調和システム1において、電力分岐装置10は、直流電力を受け入れ可能に構成され、前記直流電力を受け入れた場合、前記直流電力の一部である第1直流電力を第1の負荷に出力する接続部101(受入部の一例)と、前記接続部101が受け入れた前記直流電力の一部から前記第1直流電力よりも小さい第1交流電力を生成し、前記第1交流電力を第2の負荷に供給可能なDC-ACコンバータ102(生成部の一例、供給部の一例)と、を備える。
【0055】
これにより、電力分岐装置10は、直流電力の一部である第1直流電力を第1の負荷に供給可能となり、第1交流電力を第2の負荷に供給可能となる。
【0056】
<第2実施形態>
次に、本開示の第2実施形態による空気調和システムについて説明する。以下、本開示の第2実施形態による空気調和システムの本開示の第1実施形態による空気調和システムと異なる点について主に説明する。
【0057】
(空気調和システムの構成)
図8は、本開示の第2実施形態による空気調和システム1の構成の一例を示す図である。図9は、本開示の第2実施形態による電力分岐装置10の構成の一例を示す図である。図10は、本開示の第2実施形態による空気調和機20の構成の一例を示す図である。
空気調和システム1は、図8に示すように、電力分岐装置10、および空気調和機20を備える。本開示の第2実施形態による空気調和システム1は、本開示の第1実施形態による空気調和システム1と同様の動作が可能であるシステムである。そして、空気調和システム1は、さらに、交流系統から電力分岐装置10への交流電力の供給が停止された場合に、空気調和の能力を限定して空気調和機20を運転するシステムである。また、空気調和システム1は、さらに、交流系統から電力分岐装置10への交流電力の供給が回復した場合、空気調和の能力を限定せずに(すなわち、ユーザによって設定された運転となるように)空気調和機20を運転するシステムである。
【0058】
電力分岐装置10は、図9に示すように、接続部101、DC-ACコンバータ102、通信部103、切り替えスイッチ104、検出部105、判定部106、およびホールド回路107を備える。
【0059】
通信部103は、空気調和機20の後述する通信部204と通信する。例えば、通信部103は、電力分岐装置10への交流電力の供給が停止したことを、通信部204に送信する。通信部103と通信部204との間の通信は、無線による通信であってもよいし、有線による通信であってもよい。検出部105は、切り替えスイッチ104の第1端子における電圧を検出する。
【0060】
判定部106は、交流系統から電力分岐装置10へ交流電力が供給されているか否かを判定する。例えば、判定部106は、検出部105が検出した電圧が交流系統から出力される所定の電圧であると判定した場合に、交流系統から電力分岐装置10へ交流電力が供給されていると判定する。また、判定部106は、検出部105が検出した電圧が交流系統から出力される所定の電圧でないと判定した場合に、交流系統から電力分岐装置10へ交流電力が供給されていないと判定する。
【0061】
なお、判定部106は、交流系統から電力分岐装置10へ交流電力が供給されていないと判定した場合、その交流電力の供給が停止したことを空気調和機20に通知する。例えば、判定部106は、通信部103を介して、その交流電力の供給が停止したことを示す電力停止信号を空気調和機20に送信することにより、交流系統から電力分岐装置10への交流電力の供給が停止したことを空気調和機20に通知する。
【0062】
また、判定部106は、交流電力の供給が停止したことを空気調和機20に通知した後、交流系統から電力分岐装置10へ交流電力が供給されていると判定した場合、交流系統から電力分岐装置10への交流電力の供給が回復したことを空気調和機20に通知する。例えば、判定部106は、通信部103を介して、交流系統から電力分岐装置10への交流電力の供給が回復したことを示す電力回復信号を空気調和機20に送信することにより、交流系統から電力分岐装置10への交流電力の供給が回復したことを空気調和機20に通知する。
【0063】
ホールド回路107は、切り替えスイッチ104がある接続状態となった場合、切り替えスイッチ104による接続の制御に優先して、所定の信号を受けるまで、その状態を維持する。また、ホールド回路107は、切り替えスイッチ104のある接続状態を維持している場合に所定の信号を受けると、その接続状態の維持を解除する。
【0064】
例えば、切り替えスイッチ104の接続状態が、第1端子から第2端子へ切り替わった場合、その後、切り替えスイッチ104の第1端子に交流系統から交流電力が供給された場合(すなわち、復電した場合)であっても、ホールド回路107は、通信部103を介して空気調和機20から動作の停止を示す停止信号を受けるまで、ホールド回路107において第2端子への接続を維持する。また、ホールド回路107は、ホールド回路107において第2端子への接続を維持し、切り替えスイッチ104の第1端子に交流系統から交流電力が供給された場合(すなわち、復電した場合)に、所定の信号を受けると、第2端子への接続の維持を解除する。なお、切り替えスイッチ104は、第1端子に交流系統から交流電力が供給されると、第1端子のコイルの励磁により第2端子から第1端子へ接続を切り替えようとする。これにより、その場合(ホールド回路107が第2端子への接続の維持を解除する場合)、第2端子から第1端子へ接続が切り替わる。
【0065】
なお、交流系統から電力分岐装置10へ交流電力が供給されていないと判定部106が判定した場合、切り替えスイッチ104の第3端子は、切り替えスイッチ104の第2端子に接続されている。つまり、交流系統から電力分岐装置10へ交流電力が供給されていないと判定部106が判定することは、判定部106が「DC-ACコンバータ102が交流電力をコンバータ2011およびコンデンサ2012に供給している」と判定することに等しい。
【0066】
また、交流系統から電力分岐装置10へ交流電力が供給されていると判定部106が判定した場合、切り替えスイッチ104の第3端子は、切り替えスイッチ104の第1端子に接続されている。つまり、交流系統から電力分岐装置10へ交流電力が供給されていると判定部106が判定することは、判定部106が「DC-ACコンバータ102が交流電力をコンバータ2011およびコンデンサ2012に供給していない」と判定することに等しい。
【0067】
空気調和機20は、図10に示すように、コンプレッサ201、補器202、制御部203、および通信部204を備える。コンプレッサ201は、コンバータ2011、コンデンサ2012、インバータ2013、およびコンプレッサモータ2014を備える。
【0068】
通信部204は、電力分岐装置10の通信部103と通信する。通信部204は、例えば、独立したバッテリーを備え、空気調和機20の動作に関わらず通信部103と通信可能である。
【0069】
制御部203は、通信部204を介して電力分岐装置10から交流電力の供給が停止したことを示す通知を受けた場合、空気調和の能力を限定した空気調和機20の運転となるように、コンプレッサ201および補器202を制御する。空気調和の能力を限定した空気調和機20の運転の例として、外部からの温度設定によらず、例えば、環境省の推奨温度(28度(冷房)、20℃(暖房))に抑える運転などが挙げられる。また、制御部203は、通信部204を介して電力分岐装置10から交流電力の供給が回復したことを示す通知を受けた場合、空気調和の能力を限定しない運転となるように(すなわち、ユーザによって設定された運転となるように)、コンプレッサ201および補器202を制御する。
【0070】
次に、本開示の第2実施形態による空気調和システム1が行う処理について説明する。図11は、本開示の第2実施形態による空気調和システム1の処理フローの一例を示す図である。ここでは、図11を参照して空気調和システム1が行う処理について説明する。なお、検出部105は、切り替えスイッチ104の第1端子における電圧を検出しているものとする。また、通信部103と通信部204は、常に通信可能であるものとする。
【0071】
判定部106は、交流系統から電力分岐装置10へ交流電力が供給されているか否かを判定する(ステップS1)。判定部106は、交流系統から電力分岐装置10へ交流電力が供給されていないと判定した場合(ステップS1においてNO)、交流電力の供給が停止したことを、通信部103を介して空気調和機20に通知する(ステップS2)。
【0072】
なお、交流系統から電力分岐装置10へ交流電力が供給されていないと判定部106が判定した場合(ステップS1においてNO)、切り替えスイッチ104の接続は、第1端子から第2端子へ切り替わる。切り替えスイッチ104の接続が、第1端子から第2端子へ切り替わった場合、ホールド回路107は、所定の信号受けるまで、この切り替えスイッチ104における第2端子への接続を維持する。また、切り替えスイッチ104の接続が、第1端子から第2端子へ切り替わった場合、空気調和機20は、少なくとも1つの直流電力源から直流電力を受ける。
【0073】
制御部203は、通信部204を介して電力分岐装置10から交流電力の供給が停止したことを示す通知を受けた場合、空気調和の能力を限定した空気調和機20の運転となるように、コンプレッサ201および補器202を制御する(ステップS3)。
【0074】
また、判定部106は、交流系統から電力分岐装置10へ交流電力が供給されていると判定した場合(ステップS1においてYES)、交流系統から電力分岐装置10へ交流電力が供給されていると前回のステップS1の処理において判定したか否かを判定する(ステップS4)。
【0075】
判定部106は、交流系統から電力分岐装置10へ交流電力が供給されていると前回のステップS1の処理において判定しなかった場合(ステップS4においてNO)、ステップS1の処理に戻す。また、判定部106は、交流系統から電力分岐装置10へ交流電力が供給されていると前回のステップS1の処理において判定した場合(ステップS4においてYES)、交流系統から電力分岐装置10への交流電力の供給が回復した(すなわち、復電した)ことを、通信部103を介して空気調和機20に通知する(ステップS5)。
【0076】
制御部203は、通信部204を介して電力分岐装置10から交流電力の供給が回復したことを示す通知を受けた場合、空気調和機20の空気調和の機能を停止させる(すなわち、コンプレッサ201を停止させる)運転となるように、コンプレッサ201および補器202を制御する(ステップS6)。
【0077】
ステップS3の処理の後にユーザが空気調和の機能を停止させる操作を空気調和機20に対して行った場合、または、ステップS6の処理が行われた場合、制御部203は、空気調和機20の空気調和の機能を停止させる。そして、制御部203は、空気調和機20の空気調和の機能が停止したことを、通信部204を介して電力分岐装置10に通知する(ステップS7)。なお、空気調和機20は、空気調和の機能が停止した場合、再起動する。
【0078】
電力分岐装置10が備えるマイコン(不図示)は、空気調和機20から空気調和の機能が停止したことを示す通知を受ける。このマイコンは、DC-ACコンバータ102が備える直流電圧を交流電圧に変換するための制御に使用されるマイコンであってもよい。また、このマイコンは、DC-ACコンバータ102が備えるマイコンとは別の独立したマイコンであってもよい。マイコンは、空気調和機20の空気調和の機能が停止したことを示す通知を受けると、所定時間内にホールド回路107に所定の信号を出力する。なお、所定時間内とは、空気調和機20の空気調和の機能を停止させてから空気調和機20の再起動が完了するまでの間のいずれかである。
【0079】
ホールド回路107は、所定の信号を受ける。ホールド回路107は、所定の信号に応じて、切り替えスイッチ104における接続状態の維持を解除する(ステップS8)。切り替えスイッチ104は、第1端子に交流系統から交流電力が供給されると、第1端子のコイルの励磁により第2端子から第1端子へ接続を切り替えようとする。そのため、切り替えスイッチ104における接続状態の維持が解除された場合、切り替えスイッチ104における接続は、第2端子から第1端子へ切り替わる(ステップS9)。マイコンは、所定時間内にホールド回路107に所定の信号を出力しているので、第2端子から第1端子へ切り替わるタイミングは、空気調和機20の空気調和の機能が停止してから空気調和機20の再起動が完了するまでのいずれかのタイミングである。つまり、空気調和機20の空気調和の機能が動作していない間に、切り替えスイッチ104における接続が第2端子から第1端子へ切り替わる。このように、切り替えスイッチ104における接続が第2端子から第1端子へ切り替わることにより、交流系統からの交流電力が復電し、その交流電力が電力分岐装置10を介して空気調和機20に供給される。
【0080】
上記の説明からわかるように、空気調和機20の再起動の完了は、切り替えスイッチ104における接続が第2端子から第1端子へ切り替わった後となる。なお、空気調和機20の再起動後は、空気調和の能力を限定する設定が解除され、任意の設定が可能になる。ただし、ユーザにより設定が変更されるまでは、再起動後の設定は再起動前の設定のままである。
【0081】
(利点)
以上、本開示の第2実施形態による空気調和システム1について説明した。電力分岐装置10において、通信部103は、空気調和機20の通信部204と通信する。検出部105は、切り替えスイッチ104の第1端子における電圧を検出する。判定部106は、交流系統から電力分岐装置10へ交流電力が供給されているか否かを判定する。判定部106は、交流系統から電力分岐装置10へ交流電力が供給されていないと判定した場合、その交流電力の供給が停止したことを空気調和機20に通知する。例えば、判定部106は、通信部103を介して、その交流電力の供給が停止したことを示す電力停止信号を空気調和機20に送信することにより、交流系統から電力分岐装置10への交流電力の供給が停止したことを空気調和機20に通知する。また、判定部106は、交流電力の供給が停止したことを空気調和機20に通知した後、交流系統から電力分岐装置10へ交流電力が供給されていると判定した場合、交流系統から電力分岐装置10への交流電力の供給が回復したことを空気調和機20に通知する。例えば、判定部106は、通信部103を介して、交流系統から電力分岐装置10への交流電力の供給が回復したことを示す電力回復信号を空気調和機20に送信することにより、交流系統から電力分岐装置10への交流電力の供給が回復したことを空気調和機20に通知する。空気調和機20において、通信部204は、電力分岐装置10の通信部103と通信する。制御部203は、通信部204を介して電力分岐装置10から交流電力の供給が停止したことを示す通知を受けた場合、空気調和の能力を限定した空気調和機20の運転となるように、コンプレッサ201および補器202を制御する。また、制御部203は、通信部204を介して電力分岐装置10から交流電力の供給が回復したことを示す通知を受けた場合、空気調和の能力を限定しない運転となるように(すなわち、ユーザによって設定された運転となるように)、コンプレッサ201および補器202を制御する。
【0082】
これにより、空気調和システム1において、電力分岐装置10は、空気調和機20と通信することができる。また、電力分岐装置10は、交流系統から電力分岐装置10への交流電力の供給の状態を、空気調和機20に通知することができる。また、電力分岐装置10は、空気調和機20に、交流系統から電力分岐装置10への交流電力の供給の状態に応じた運転をさせることができる。その結果、空空気調和の能力を限定して空気調和機20を運転することができ、それにより限られた直流電力を有効に活用することができる。
【0083】
<第3実施形態>
次に、本開示の第3実施形態による空気調和システム1について説明する。本開示の第3実施形態による空気調和システム1は、本開示の第2実施形態による空気調和システム1と同様に、電力分岐装置10、および空気調和機20を備える。なお、本開示の第3実施形態による空気調和システム1は、本開示の第1実施形態による空気調和システム1と、電力分岐装置10が異なる。
【0084】
図12は、本開示の第3実施形態による電力分岐装置10の構成の一例を示す図である。電力分岐装置10は、図12に示すように、本開示の第2実施形態による電力分岐装置10と同様に、接続部101、DC-ACコンバータ102、通信部103、切り替えスイッチ104、検出部105、判定部106、およびホールド回路107を備える。また、電力分岐装置10は、さらに、スイッチ108を備える。以下では、本開示の第3実施形態による電力分岐装置10の本開示の第2実施形態による電力分岐装置10と異なる主な点について説明する。
【0085】
DC-ACコンバータ102は、DC-ACコンバータ102に流れる過電流(すなわち、直流電力源から供給されるしきい値を超える電流)を検出する機能を有する。DC-ACコンバータ102は、過電流を検出している間、過電流を検出していることを示す通知を、電力分岐装置10が備えるマイコン(不図示)に出力する。また、DC-ACコンバータ102は、過電流を検出している間、直流電力から交流電力への変換を停止し、空気調和機20への交流電力の供給を停止する。
【0086】
また、DC-ACコンバータ102は、しきい値以下の通常の電流を検出している間、過電流を検出していることを示す通知を停止する。また、DC-ACコンバータ102は、しきい値以下の通常の電流を検出している間、直流電力から交流電力への変換を実施し、空気調和機20へ交流電力を供給する。
【0087】
電力分岐装置10が備えるマイコン(不図示)は、DC-ACコンバータ102から過電流を検出していることを示す通知を受ける。このマイコンは、DC-ACコンバータ102が備える直流電圧を交流電圧に変換するための制御に使用されるマイコンであってもよい。また、このマイコンは、DC-ACコンバータ102が備えるマイコンとは別の独立したマイコンであってもよい。マイコンは、所定のタイミングに、過電流を検出していることを示す通知を受けた場合、スイッチ108を開状態にする信号をスイッチ108に出力する。また、マイコンは、所定のタイミングに、過電流を検出していることを示す通知を受けない場合、スイッチ108を閉状態にする信号をスイッチ108に出力する。
【0088】
スイッチ108は、図12に示すように、接続部101とDC-ACコンバータ102との接続点よりも出力側(後段側)に設けられる。スイッチ108は、入力される信号に応じて、開状態または閉状態となる。例えば、スイッチ108は、マイコンからスイッチ108を開状態にする信号を受けた場合、その信号に応じて開状態になる。また、例えば、スイッチ108は、マイコンからスイッチ108を閉状態にする信号を受けた場合、その信号に応じて閉状態になる。スイッチ108が開状態になった場合、電力分岐装置10を介して直流電力源から空気調和機20へ過電流が流れることを抑制することができる。また、スイッチ108が閉状態になった場合、空気調和機20および補器202へ交流電力を供給することができ、コンプレッサ201を所望の状態で運転させることができる(すなわち、コンプレッサ201の状態が不定状態となることを防止することができる)。
【0089】
(利点)
以上、本開示の第3実施形態による空気調和システム1について説明した。空気調和システム1において、DC-ACコンバータ102は、DC-ACコンバータ102に流れる過電流を検出する機能を有する。DC-ACコンバータ102は、過電流を検出した場合、過電流を検出したことを示す通知を、電力分岐装置10が備えるマイコンに出力する。マイコンは、過電流を検出したことを示す通知を受けると、スイッチ108を開状態にする信号をスイッチ108に出力する。スイッチ108は、マイコンが出力するスイッチ108を開状態にする信号に応じて開状態になる。
【0090】
これにより、空気調和システム1において、電力分岐装置10は、空気調和機20に過電流が流れることを抑制することができる。また、電力分岐装置10は、コンプレッサ201を所望の状態で運転させることができる(すなわち、コンプレッサ201の状態が不定状態となることを防止することができる)。
【0091】
<第4実施形態>
次に、本開示の第4実施形態による電力分岐装置10について説明する。図13は、本開示の第4実施形態による電力分岐装置10の構成の一例を示す図である。電力分岐装置10は、図13に示すように、接続部101、DC-ACコンバータ102、および切り替えスイッチ104を備える。接続部101は、1つの直流電力源を接続可能な接続端子を有し、1つの直流電力源から所定の直流電力を受ける。電力分岐装置10は、入力される直流電力を出力する。また、その直流電力とは別に、電力分岐装置10は、切り替えスイッチ104の第1端子に交流電力が供給される場合には、その交流電力を出力し、その第1端子に交流電力が供給されない場合には、入力される直流電力をDC-ACコンバータ102により変換した交流電力を出力する。図13に示す電力分岐装置10は、第1~第3実施形態それぞれの電力分岐装置10に共通する構成の中から必要最小限の構成を示すものである。
【0092】
(利点)
以上、本開示の第4実施形態による電力分岐装置10について説明した。この第4実施形態の電力分岐装置10によれば、交流電力を電力源とし、その交流電力を直流電力に変換し、変換後の直流電力から交流電力を生成する装置において、直流電力の効率の低下を抑制し、適切な直流電力を供給することが可能となる。
【0093】
なお、本開示の第1~第3の実施形態では、空気調和システム1を例に、電力分岐装置10が空気調和機20に電力を供給する例を示した。しかしながら、本開示の別の実施形態では、空気調和システム1とは別のシステムにおいて、電力分岐装置10が冷蔵機器30や冷凍機器40に電力を供給するものであってもよい。なお、冷蔵機器30および冷凍機器40は、空気調和機20と同様に、交流電力を電力源とし、その交流電力を直流電力に変換し、変換後の直流電力から交流電力を生成する装置であり、第1の負荷および第2の負荷を有する負荷装置の一例である。
【0094】
なお、上述の各実施形態において、切り替えスイッチ104の第3端子には鉄などの磁性体である金属が接続されており、空気調和システム1の外部の交流系統から第1端子に交流電力が供給される場合に、第1端子の電圧に応じて第1端子のコイルが励磁して、金属が第1端子に引き付けられることにより、第1端子と第2端子とが接続されるものとして説明した。また、空気調和システム1の外部の交流系統から第1端子に交流電力が供給されない場合、金属は第1端子に引き付けられず、第2端子と第3端子とが接続されるものとして説明した。しかしながら、本開示の別の実施形態では、切り替えスイッチ104における第1端子と第2端子との接続、および第2端子と第3端子との接続の切り替えは、第1端子のコイルの励磁によるものではなく、空気調和システム1の外部の交流系統から第1端子に交流電力が供給されるか否かに基づいて、制御装置(不図示)による電気を用いた制御により行われるものであってもよい。
【0095】
なお、本開示の実施形態における処理は、適切な処理が行われる範囲において、処理の順番が入れ替わってもよい。
【0096】
本開示の実施形態における記憶部や記憶装置(レジスタ、ラッチを含む)のそれぞれは、適切な情報の送受信が行われる範囲においてどこに備えられていてもよい。また、記憶部や記憶装置のそれぞれは、適切な情報の送受信が行われる範囲において複数存在しデータを分散して記憶していてもよい。
【0097】
本開示の実施形態について説明したが、上述の空気調和システム1、電力分岐装置10、空気調和機20、冷蔵機器30、冷凍機器40、その他の制御装置は内部に、コンピュータシステムを有していてもよい。そして、上述した処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。コンピュータの具体例を以下に示す。
図14は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
コンピュータ5は、図14に示すように、CPU6、メインメモリ7、ストレージ8、インターフェース9を備える。
例えば、上述の空気調和システム1、電力分岐装置10、空気調和機20、冷蔵機器30、冷凍機器40、その他の制御装置のそれぞれは、コンピュータ5に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ8に記憶されている。CPU6は、プログラムをストレージ8から読み出してメインメモリ7に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU6は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域をメインメモリ7に確保する。
【0098】
ストレージ8の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ8は、コンピュータ5のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インターフェース9または通信回線を介してコンピュータ5に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ5に配信される場合、配信を受けたコンピュータ5が当該プログラムをメインメモリ7に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、ストレージ8は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0099】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現してもよい。さらに、上記プログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるファイル、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0100】
本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例であり、開示の範囲を限定しない。これらの実施形態は、開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、種々の省略、種々の置き換え、種々の変更を行ってよい。
【0101】
<付記>
本開示の各実施形態に記載の電力分岐装置10、電力消費システム1、処理方法、およびプログラムは、例えば以下のように把握される。
【0102】
(1)第1の態様に係る電力分岐装置(10)は、
直流電力を受け入れ可能に構成され、前記直流電力を受け入れた場合、前記直流電力の一部である第1直流電力を第1の負荷に出力する受入部(101)と、
前記受入部(101)が受け入れた前記直流電力の一部から前記第1直流電力よりも小さい第1交流電力を生成する生成部(102)と、
前記第1交流電力を第2の負荷に供給可能な供給部(102)と、
を備える。
【0103】
この電力分岐装置(10)は、交流電力を電力源とし、その交流電力を直流電力に変換し、変換後の直流電力から交流電力を生成する装置に、直流電力の効率の低下を抑制して適切な直流電力を供給することができる。
【0104】
(2)第2の態様に係る電力分岐装置(10)は、(1)の電力分岐装置(10)であって、
交流系統から供給される交流電力、および前記第1交流電力の何れか一方を出力するスイッチ(104)であり、前記交流系統から前記交流電力が供給された場合に前記交流電力を出力し、前記交流系統から前記交流電力が供給されない場合に前記第1交流電力を出力するスイッチ(104)、
を備えるものであってもよい。
【0105】
これにより、電力分岐装置(10)は、交流系統から交流電力が供給された場合に、その交流電力を第2の負荷に供給することができる。
【0106】
(3)第3の態様に係る電力分岐装置(10)は、(1)または(2)の電力分岐装置(10)であって、
前記第1の負荷および前記第2の負荷を有する負荷装置と通信する通信部(103)、
を備えるものであってもよい。
【0107】
これにより、電力分岐装置(10)は、空気調和機(20)と通信することができる。また、電力分岐装置(10)は、交流系統から電力分岐装置(10)への交流電力の供給の状態を、空気調和機(20)に通知することができる。また、電力分岐装置(10)は、空気調和機(20)に、交流系統から電力分岐装置(10)への交流電力の供給の状態に応じた運転をさせることができる。その結果、空空気調和の能力を限定して空気調和機(20)を運転することができ、それにより限られた直流電力を有効に活用することができる。
【0108】
(4)第4の態様に係る電力分岐装置(10)は、(3)の電力分岐装置(10)であって、
前記供給部が前記第1交流電力を前記第2の負荷に供給しているか否かを判定する判定部、
を備え、
前記通信部は、
前記供給部が前記第1交流電力を前記第2の負荷に供給していると前記判定部が判定した場合、前記負荷装置に動作を限定させる通知を送信するものであってもよい。
【0109】
これにより、電力分岐装置(10)は、第1交流電力が第2の負荷に供給されている場合、消費電力を低減させることができる。
【0110】
(5)第5の態様に係る電力分岐装置(10)は、(4)の電力分岐装置(10)であって、
前記供給部が前記第1交流電力を前記第2の負荷に供給していると判定した後に、前記供給部が前記第1交流電力を前記第2の負荷に供給していないと前記判定部が判定した場合、前記負荷装置に動作を停止させる通知を送信するものであってもよい。
【0111】
これにより、電力分岐装置(10)は、交流電力が復電した場合、負荷装置を一旦停止させることができる。
【0112】
(6)第6の態様に係る電力消費システム(1)は、
(1)から(5)のいずれか1つの電力分岐装置(10)と、
前記第1の負荷および前記第2の負荷を有する負荷装置(20)と、
を備える。
【0113】
この電力消費システム(1)は、交流電力を電力源とし、その交流電力を直流電力に変換し、変換後の直流電力から交流電力を生成する装置に、直流電力の効率の低下を抑制して適切な直流電力を供給することができる。
【0114】
(7)第7の態様に係る電力消費システム(1)は、(6)の電力消費システム(1)であって、
前記負荷装置は、
空気調和機、冷蔵機器、または冷凍機器であるものであってもよい。
【0115】
これにより、電力消費システム(1)は、交流電力を電力源とし、その交流電力を直流電力に変換し、変換後の直流電力から交流電力を生成する空気調和機、冷蔵機器、または冷凍機器に、直流電力の効率の低下を抑制して適切な直流電力を供給することができる。
【0116】
(8)第8の態様に係る処理方法は、
直流電力を受け入れた場合、前記直流電力の一部である第1直流電力を第1の負荷に出力することと、
受け入れた前記直流電力の一部から前記第1直流電力よりも小さい第1交流電力を生成することと、
前記第1交流電力を第2の負荷に供給することと、
を含む。
【0117】
この処理方法は、交流電力を電力源とし、その交流電力を直流電力に変換し、変換後の直流電力から交流電力を生成する装置に、直流電力の効率の低下を抑制して適切な直流電力を供給することができる。
【0118】
(9)第9の態様に係るプログラムは、
直流電力を受け入れ可能に構成され、前記直流電力を受け入れた場合、前記直流電力の一部である第1直流電力を第1の負荷に出力する受入部と、前記受入部が受け入れた前記直流電力の一部から前記第1直流電力よりも小さい第1交流電力を生成する生成部と、前記第1交流電力を第2の負荷に供給可能な供給部と、を備える電力分岐装置のコンピュータに、
前記第1の負荷および前記第2の負荷を有する負荷装置と通信すること、
を実行させる。
【0119】
このプログラムは、交流電力を電力源とし、その交流電力を直流電力に変換し、変換後の直流電力から交流電力を生成する装置に、直流電力の効率の低下を抑制して適切な直流電力を供給することができる。
【符号の説明】
【0120】
1・・・空気調和システム
5・・・コンピュータ
6・・・CPU
7・・・メインメモリ
8・・・ストレージ
9・・・インターフェース
10・・・電力分岐装置
20・・・空気調和機
101・・・接続部
102・・・DC-ACコンバータ
103、204・・・通信部
104・・・切り替えスイッチ
105・・・検出部
106・・・判定部
107・・・ホールド回路
108・・・スイッチ
201・・・コンプレッサ
202・・・補器
203・・・制御部
2011・・・コンバータ
2012・・・コンデンサ
2013・・・インバータ
2014・・・コンプレッサモータ
図1
図2
図3
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図5
図6
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