(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116704
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】ケイ酸カルシウム保温材の熱伝導率測定方法
(51)【国際特許分類】
G01N 25/18 20060101AFI20240821BHJP
【FI】
G01N25/18 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022464
(22)【出願日】2023-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】000149136
【氏名又は名称】日本インシュレーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 晴久
【テーマコード(参考)】
2G040
【Fターム(参考)】
2G040AA09
2G040AB09
2G040BA01
2G040BA25
2G040CA01
2G040CA16
2G040DA02
2G040DA12
2G040EA01
2G040EB03
2G040EC03
2G040FA09
2G040GC04
(57)【要約】
【課題】手間をかけることなく、簡便な方法でケイ酸カルシウム保温材の熱伝導率をより正確に測定することができるケイ酸カルシウム保温材の熱伝導率測定方法を提供する。
【解決手段】本発明の熱伝導率測定方法は、有機フィラーを含有するケイ酸カルシウム保温材の熱伝導率を測定する方法であって、加熱処理によって前記ケイ酸カルシウム保温材に含まれる前記有機フィラーを少なくとも90質量%以上除去する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機フィラーを含有するケイ酸カルシウム保温材の熱伝導率を測定する方法であって、
加熱処理によって前記ケイ酸カルシウム保温材に含まれる前記有機フィラーを少なくとも90質量%以上除去してから熱伝導率を測定する、熱伝導率測定方法。
【請求項2】
前記加熱処理の温度は200~315℃である、請求項1に記載の熱伝導率測定方法。
【請求項3】
前記加熱処理によって、ケイ酸カルシウム保温材を少なくとも200℃以上に加熱して前記有機フィラーを少なくとも90質量%以上除去した後、前記ケイ酸カルシウム保温材を降温させる過程で前記ケイ酸カルシウム保温材の熱伝導率を測定する、請求項1に記載の熱伝導率測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケイ酸カルシウム保温材の熱伝導率測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ケイ酸カルシウム保温材は、断熱効果及び保温効果等に優れ、また、強度、耐久性及び防食性も高いことから、土木建築用途に広く適用される他、ボイラー、塔槽類、タンク等の各種生産設備に採用されており、その利用価値は極めて高いものである。
【0003】
ケイ酸カルシウム保温材の性能の良し悪しを判断する上で、熱伝導率が重要な指標の一つになる。このため、ケイ酸カルシウム保温材の熱伝導率を正確に測定することが、優れた性能を有するケイ酸カルシウム保温材の開発を進める上でも重要である。
【0004】
ケイ酸カルシウム保温材の熱伝導率を測定する方法として、一般的には、JIS A 1412-1で規定される「保護熱板法(GHP法)」に準拠した測定方法が知られている。また、例えば、特許文献1には、平面配向を有する試験体の熱伝導率測定方法に関する技術が開示されており、斯かる技術によれば、試験体の厚さ方向の熱伝導率を測定するとともに、試験体を動かすことなく、試験体の平面方向の熱伝導率を精度よく求めることができるものとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者らは、有機フィラーを含有するケイ酸カルシウム保温材の所定の温度における熱伝導率を従来のように測定して、その測定値を詳細に検討した。この結果、200℃から250℃程度までの各温度における熱伝導率を正確に測ることができないことが判明した。すなわち、通常は温度-熱伝導率グラフにおいて、温度と共に熱伝導率は直線的に推移するものであるところ、200℃から250℃の範囲においては直線的な推移からしばしば外れることを本発明者らが突き止めた。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、手間をかけることなく、簡便な方法でケイ酸カルシウム保温材の熱伝導率をより正確に測定することができるケイ酸カルシウム保温材の熱伝導率測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、加熱処理によってケイ酸カルシウム保温材に含まれる有機フィラーを少なくとも90質量%以上除去する工程を導入することにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、例えば、以下の項に記載の主題を包含する。
項1
有機フィラーを含有するケイ酸カルシウム保温材の熱伝導率を測定する方法であって、
加熱処理によって前記ケイ酸カルシウム保温材に含まれる前記有機フィラーを少なくとも90質量%以上除去してから熱伝導率を測定する、熱伝導率測定方法。
項2
前記加熱処理の温度は200~315℃である、項1に記載の熱伝導率測定方法。
項3
前記加熱処理によって、ケイ酸カルシウム保温材を少なくとも200℃以上に加熱して前記有機フィラーを少なくとも90質量%以上除去した後、前記ケイ酸カルシウム保温材を降温させる過程で前記ケイ酸カルシウム保温材の熱伝導率を測定する、項1に記載の熱伝導率測定方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、手間をかけることなく、簡便な方法でケイ酸カルシウム保温材の熱伝導率をより正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】パルプ単体の加熱重量分析によって得られた結果に基づいて作成した温度と重量減少率の関係を示すグラフである。
【
図2】実施例及び比較例で実施したケイ酸カルシウム保温材の熱伝導率の測定結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0013】
本発明の熱伝導率測定方法は、有機フィラーを含有するケイ酸カルシウム保温材の熱伝導率を測定する方法であって、加熱処理によって前記ケイ酸カルシウム保温材に含まれる前記有機フィラーを少なくとも90質量%以上除去してから熱伝導率を測定する。
【0014】
すなわち、本発明の熱伝導率測定方法では、ケイ酸カルシウム保温材に含まれる前記有機フィラーを少なくとも90質量%以上除去した後、斯かるケイ酸カルシウム保温材の熱伝導率測定を行うものである。
【0015】
本発明の熱伝導率測定方法は、簡便な方法でケイ酸カルシウム保温材の熱伝導率をより正確に測定することができる。これにより、本発明の測定方法を利用することで、ケイ酸カルシウム保温材の適切な熱伝導率の値を得ることができるので、より正確な断熱性能を把握することができる。
【0016】
以下、加熱処理によって前記ケイ酸カルシウム保温材に含まれる前記有機フィラーを少なくとも90質量%以上除去する工程を「工程A」と表記する。
【0017】
(ケイ酸カルシウム保温材)
本発明の熱伝導率測定方法では、測定対象は有機フィラーを含有するケイ酸カルシウム保温材である。ケイ酸カルシウム保温材は、有機フィラーを含有する限りは特に限定されず、例えば、公知のケイ酸カルシウム保温材を広く適用することができる。なお、ケイ酸カルシウムを主成分とし、有機フィラーを含む限り、測定対象たるケイ酸カルシウム保温材には種々の添加剤が含まれていてもよい。
【0018】
ケイ酸カルシウム保温材に含まれる有機フィラーの種類も特に限定されず、例えば、公知の有機フィラーを広く挙げることができる。中でも有機フィラーは、200℃~315℃の温度で分解する性質を有することが好ましい。この場合、本発明の熱伝導率測定方法により、より精度よくケイ酸カルシウム保温材の熱伝導率を測定することができる。より具体的には、加熱処理によって、有機フィラー全量の90質量%以上が焼失(分解)する性質を有することが好ましく、95質量%以上が焼失(分解)する性質を有することがより好ましく、99質量%以上が焼失(分解)する性質を有することがさらに好ましい。有機フィラーの具体例としては、パルプが挙げられる。
【0019】
(工程A)
工程Aでは、加熱処理によって前記ケイ酸カルシウム保温材に含まれる前記有機フィラーを少なくとも90質量%以上除去する。工程Aは、ケイ酸カルシウム保温材の熱伝導率を測定する前に設けられる。
【0020】
工程Aにおいて、ケイ酸カルシウム保温材中の有機フィラーが90質量%以上除去するための加熱処理の条件は、例えば、次の方法で決定することができる。まず、あらかじめケイ酸カルシウム保温材に含まれる有機フィラーと同じ有機フィラー単独の加熱重量変化を測定し、焼失率が90質量%以上となるための加熱処理の条件を決定する。斯かる加熱処理と同様の条件でケイ酸カルシウム保温材を加熱処理することで、ケイ酸カルシウム保温材中の有機フィラーの90質量%以上が除去されたものと判断する。
【0021】
加熱処理の条件は上記のように判断することができるが、具体的な工程Aでの加熱条件として、加熱処理の温度は、200℃~315℃であることが好ましく、250℃~315℃であることがより好ましく、275℃~315℃であることがさらに好ましい。加熱処理は、大気雰囲気下で行う。
【0022】
加熱処理の時間は、加熱温度等の条件及び有機フィラーの種類及び含有量に応じて適宜設定することができ、例えば、9~168時間とすることができる。
【0023】
以上より、「ケイ酸カルシウム保温材に含まれる前記有機フィラーを少なくとも90質量%以上除去する」とは、「ケイ酸カルシウム保温材を200℃~315℃(より好ましくは250℃~315℃、さらに好ましくは275℃~315℃)で、大気雰囲気下、9~168時間の加熱処理する」と読み替えることができる。
【0024】
一般的に、ケイ酸カルシウム保温材に含まれる有機フィラーの焼失率は、
大気雰囲気下、300℃で9時間加熱した場合で90質量%、
大気雰囲気下、300℃で48時間加熱した場合で99質量%、
大気雰囲気下、200℃で168時間加熱した場合で90質量%、
大気雰囲気下、200℃で500時間加熱した場合で99質量%
であり、斯かる傾向は有機フィラーがパルプの場合に特に顕著に表れる。
【0025】
従って、工程Aにおいて、好ましい加熱処理の条件は、200℃~315℃で9~168時間である。この場合、ケイ酸カルシウム保温材中の有機フィラーは、全量に対して90質量%以上が焼失しやすい。特に好ましい加熱処理の条件は、大気雰囲気下、275℃~315℃で9~48時間とすることである。
【0026】
工程Aの加熱処理によって、有機フィラーの分解が起こり、ガス化して、有機フィラーが焼失する。
【0027】
工程Aでは、ケイ酸カルシウム保温材中に含まれる有機フィラーを93質量%以上除去することが好ましく、95質量%以上除去することがより好ましく、98質量%以上除去することがさらに好ましく、99質量%以上除去することが特に好ましい。工程Aでは、ケイ酸カルシウム保温材中の有機フィラーを全て除去することができる。
【0028】
(熱伝導率測定方法)
本発明の熱伝導率測定方法では、前述のように、工程Aによってケイ酸カルシウム保温材に含まれる前記有機フィラーを少なくとも90質量%以上除去した後、斯かるケイ酸カルシウム保温材の熱伝導率測定を行う。従って、本発明の熱伝導率測定方法は、工程Aの後、熱伝導率測定を行う工程を備えるものである。
【0029】
本発明の熱伝導率測定方法では、前記加熱処理の温度は200~315℃とすることができ、前記加熱処理は熱伝導率の測定前に行うことができる(この測定方法を以下「測定方法1」ということがある)。この測定方法1の場合、有機フィラーを含むケイ酸カルシウム保温材の熱伝導率を測定する前に加熱処理を行い、斯かる加熱処理によりケイ酸カルシウム保温材中の有機フィラーを90質量%以上除去した後、熱伝導率測定を行う。
【0030】
具体的に測定方法1においては、有機フィラーを90質量%以上除去した後のケイ酸カルシウム保温材を、例えば、200℃以下、好ましくは100℃以下、さらに好ましくは50℃以下、特に好ましくは30℃以下に降温させる。降温後、その温度から所定の温度まで昇温しながら当該ケイ酸カルシウム保温材の熱伝導率を測定することができる。この場合、昇温速度は、例えば、2℃/分~5℃/分とすることができる。
【0031】
測定方法1では、工程Aにおける加熱処理の条件は、大気雰囲気下、275℃~315℃で9~48時間とすることが好ましい。加熱処理の方法も特に限定されず、例えば、適宜の加熱装置を使用することができる。
【0032】
本発明の熱伝導率測定方法の他の態様として、加熱処理によって、ケイ酸カルシウム保温材を少なくとも200℃以上に加熱して前記有機フィラーを少なくとも90質量%以上除去した後、前記ケイ酸カルシウム保温材を降温させる過程で前記ケイ酸カルシウム保温材の熱伝導率を測定する態様が挙げられる(この態様に係る測定方法を以下「測定方法2」ということがある)。
【0033】
測定方法2の場合、ケイ酸カルシウム保温材中の有機フィラーを90質量%以上除去した後、熱伝導率を測定する点では測定方法1と同じである。しかしながら、測定方法2は、有機フィラーを90質量%以上除去した後のケイ酸カルシウム保温材を、降温させる過程で熱伝導率を測定する点で測定方法1とは異なる。
【0034】
例えば、測定方法2において、温度X℃で有機フィラーを90質量%以上除去した場合、このX℃からY℃までケイ酸カルシウム保温材を降温させながら、各温度におけるケイ酸カルシウム保温材の熱伝導率を測定することができる。ここで、X>Yであって、Xは、例えば、285以上、315以下であり、Yは、例えば、100以上、300以下、好ましくは、100以上、285以下である。
【0035】
測定方法2において、降温の速度は特に限定されず、例えば、2℃/分~10℃/分とすることができる。降温手段も特に限定されず、自然冷却でも良いし、あるいは、エアー等を吹き付ける方法など、適宜の手段で降温させてもよい。
【0036】
本発明の熱伝導率を測定するにあたって、熱伝導率の測定装置は特に限定されず、例えば、公知の熱伝導率測定装置を広く採用することができる。測定装置としては、例えば、NETZSCH製の平板直接法熱伝導率測定装置「GHP456Titan HT Version」を使用することができ、JIS A 1412-1に準拠して熱伝導率の測定を行うことができる。
【0037】
本発明の熱伝導率を測定において、温度範囲は特に限定されず、例えば、公知の熱伝導率を測定する方法と同様とすることができる。例えば、70℃~600℃の温度範囲でケイ酸カルシウム保温材の熱伝導率を測定することができる。
【0038】
本発明の熱伝導率測定方法により、所定の温度範囲のケイ酸カルシウム保温材の熱伝導率を得ることができる。例えば、横軸に温度、縦軸にケイ酸カルシウム保温材の熱伝導率をプロットして、温度-熱伝導率のグラフを得ることができ、これにより、ケイ酸カルシウム保温材の熱伝導率の温度の関係を把握することができる。本発明の熱伝導率測定方法で得られる温度-熱伝導率のグラフは、温度に対して直線的に熱伝導率が推移するものであり、ケイ酸カルシウム保温材固有の熱伝導率の数値を捉えたものであるといえる。
【0039】
本発明の熱伝導率測定では、ケイ酸カルシウム保温材の熱伝導率をより正確に知ることができるので、例えば、熱伝導率の値に基づいてケイ酸カルシウム保温材の厚みも適切に設定することができる。仮にケイ酸カルシウム保温材の熱伝導率が正確でない場合は、その正確でない熱伝導率に基づいてケイ酸カルシウム保温材の厚みを設定することになるので、例えば、厚みが不足して所望の断熱性能を得ることができない問題も起こり得たが、本発明の測定方法では、そのような問題が起こるのを防止しやすい。
【実施例0040】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の態様に限定されるものではない。
【0041】
(予備試験)
差動型示差熱天秤(リガク社「TG-DTA8122」を用いてパルプ単体の加熱重量分析を行った。具体的には、パルプ単体を昇温速度5℃/分にて300℃まで昇温した後、300℃で72時間保持し、重量減少を連続的に計測した。
【0042】
図1には、パルプ単体の加熱重量分析によって得られた結果に基づいて作成した温度と重量減少率の関係を示すグラフを示している。斯かる結果から、パルプは300℃で加熱された場合48時間で99%以上の重量が減少することが確認された。
【0043】
(実施例1)
工程A
有機フィラーとして、前記予備試験で使用したパルプと同一のパルプを1.9質量%含む市販のケイ酸カルシウム保温材を大気雰囲気下、300℃で48時間にわたって加熱処理をした。これにより、ケイ酸カルシウム保温材中の有機フィラーを99質量%除去した(工程A)。このケイ酸カルシウム保温材を測定サンプルとして得た。
【0044】
上記工程Aで得られた測定サンプルを用いて、100~300℃の範囲で熱伝導率を測定した。測定装置は、NETZSCH製の平板直接法熱伝導率測定装置「GHP456Titan HT Version」を使用し、JIS A 1412-1に準拠して熱伝導率の測定を行った。測定は、100℃、125℃、150℃、175℃、200℃、225℃、250℃、275℃、300℃の順で行い、試料間温度差は30℃とした。
【0045】
(実施例2)
工程A
有機フィラーとしてパルプを1.9質量%含む市販のケイ酸カルシウム保温材を大気雰囲気下、300℃で48時間にわたって加熱処理をした。これにより、ケイ酸カルシウム保温材中の有機フィラーを99質量%除去した(工程A)。
【0046】
上記のように工程Aでケイ酸カルシウム保温材中の有機フィラーを除去した温度(300℃)から、2℃/分の速度で100℃まで降温させ、この降温過程でケイ酸カルシウム保温材の熱伝導率を測定した。熱伝導率は、測定を300℃、275℃、250℃、225℃、200℃、175℃、150℃、125℃、100℃の順で測定したこと以外は実施例1と同様の方法で測定した。
【0047】
(比較例1)
実施例1において、有機フィラーを含むケイ酸カルシウム保温材中の有機フィラーを除去する工程Aを経ずに(すなわち、ケイ酸カルシウム保温材中の有機フィラーを除去することなく)、熱伝導率を測定した。
【0048】
表1は、実施例及び比較例で実施したケイ酸カルシウム保温材の熱伝導率の測定結果である。
【0049】
図2は、表1に基づいて、温度-熱伝導率(横軸:平均温度(℃)、縦軸:熱伝導率(W/m・K))をプロットしたグラフである。
【0050】
【0051】
図2から明らかなように、実施例1,2で行われた熱伝導率測定方法では、温度変化に対して熱伝導率が直線的に推移しているのに対し、比較例1で行われた方法は、直線的な推移から外れていることがわかる。従って、実施例1,2の方法では、ケイ酸カルシウム保温材の熱伝導率をより正確に測定することができるものであるといえる。