(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116707
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】バルーン及びバルーンカテーテル
(51)【国際特許分類】
A61M 25/10 20130101AFI20240821BHJP
【FI】
A61M25/10 550
A61M25/10 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022477
(22)【出願日】2023-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】591245624
【氏名又は名称】株式会社東海メディカルプロダクツ
(74)【代理人】
【識別番号】100129676
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼荒 新一
(72)【発明者】
【氏名】露木 克望
(72)【発明者】
【氏名】藤原 達道
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA07
4C267AA10
4C267BB02
4C267BB11
4C267BB28
4C267BB39
4C267BB40
4C267CC09
4C267DD01
4C267GG01
4C267GG21
4C267HH08
(57)【要約】
【課題】
本発明は、カッティング性能を確保しつつ、ブレードの病変へのスタックリスクを低減させたカテーテル用のバルーン及びバルーンカテーテルを提供する。
【解決手段】
本発明にかかるバルーンカテーテル100に使用されるバルーン30は、バルーンカテーテルに使用されるバルーン30において、バルーン30の外周面に、1つ又は複数のカッティングブレード40がバルーン30の長手方向と平行に設けられており、カッティングブレード40の長手方向のいずれかの端部には、カッティングブレード40の端部の高さより高く形成され、かつ端部近傍の刃先を覆うように形成された端部形成部43cが形成されていることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルーンカテーテルに使用されるバルーンにおいて、
前記バルーンの外周面に、1つ又は複数のカッティングブレードが前記バルーンの長手方向と平行に設けられており、
前記カッティングブレードの長手方向のいずれかの端部には、前記カッティングブレードの端部の高さと同じ高さ、又は前記カッティングブレードの端部の高さよりも高く形成された端部形成部が設けられていることを特徴とするバルーン。
【請求項2】
前記端部形成部は、カッティングブレードの刃先端部の一部を被覆するように形成されていることを特徴とする請求項1記載のバルーン。
【請求項3】
前記端部形成部は、先端側に向かって徐々に高さが低くなるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のバルーン。
【請求項4】
前記カッティングブレードは、樹脂製のベース部に取り付けられており、前記端部形成部は、前記ベース部と一体に成形されていることを特徴とする請求項1に記載のバルーン。
【請求項5】
前記カッティングブレードは、長手方向に複数に分割して形成されていることを特徴とする請求項1に記載のバルーン。
【請求項6】
前記カッティングブレードは。金属製ブレードと樹脂製ブレードが交互に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のバルーン。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載のバルーンを有するバルーンカテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルーン及びバルーンカテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
血管病変の治療において、例えば、経皮的冠動脈形成術(Percutaneous Transluminal Coronary Angioplasty)において、冠動脈の病変部を押し広げて血流を改善するためにバルーンカテーテルが用いられる。また、下肢の大腿動脈、腸骨動脈、膝窩動脈、膝下動脈等に発生した動脈硬化を治療するPTA(Percutaneous Transluminal Angioplasty:経皮的血管形成術)や上肢バスキュラーアクセスの狭窄、閉塞を治療するVAIVT(Vascular Access Interventional Therapy:経皮的シャント拡張術)を行う際にもバルーンカテーテルが用いられることがある。
【0003】
しかし、動脈硬化が進行すると、病変部にプラークが発生したり、さらに病変部が石灰化して硬い部分が生じたりすることがある。こうした病変部は、バルーンカテーテルの拡張力だけでは、血管内を押し広げることができない場合がある。こうした場合にも治療を可能とするデバイスとして、バルーンにブレードを設けたカッティングバルーンカテーテルが知られている。カッティングバルーンカテーテルは、バルーンの外周に刃状のブレードを有しており、このブレードにより石灰化した部位に亀裂を入れて、病変部等の内腔を広げやすくすることができる。このようなブレードを有したバルーンカテーテルとしては、例えば特許文献1にあげるようなものがある。
【0004】
この特許文献1にかかるバルーンカテーテルは、血管内の病変部近傍に設置するカテーテルに高弾性率や高剛性材料のバルーンを連結し、このバルーンに数、位置等を変更できる可撓性のカッティングブレードを有する。可撓性増加により、蛇行生体内のカテーテル追跡性や送達性を向上でき、低可撓性カテーテルでは到達困難な心臓血管腔等の病変部へ、ガイドワイヤ上でカテーテルを進め得て、病変部を切除できる、という効果を有する。
【0005】
しかし、特許文献1にかかるカッティングブレードは、金属製ブレードが長手方向の端部まで設けられていることから、プラークや石灰化等の病変へ金属製ブレードの端部が強く刺さりスタックするリスクを有していた。また、バルーンの挿入時又は抜出時に金属製ブレードの端部が病変以外への血管に当接し、損傷する可能性があるという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、カッティング性能を確保しつつ、ブレードの病変へのスタックリスクを低減させたカテーテル用のバルーン及びバルーンカテーテルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するために、本発明にかかるバルーン及びバルーンカテーテルは、以下の手段を採用した。
【0009】
本発明にかかるバルーンは、バルーンカテーテルに使用されるバルーンにおいて、
前記バルーンの外周面に、1つ又は複数のカッティングブレードが前記バルーンの長手方向と平行に設けられており、
前記カッティングブレードの長手方向のいずれかの端部には、前記カッティングブレードの端部の高さと同じ高さ、又は前記カッティングブレードの端部の高さよりも高く形成された端部形成部が設けられていることを特徴とする。
【0010】
カッティングブレードの長手方向のいずれか又は両方の端部に端部形成部を設けることによって、プラークや石灰化等の病変へまずカッティングブレードの刃先の端部が最初に刺さることを防止することができ、カッティングブレードの刃先の端部が病変へ刺さりスタックするリスクを低減することができる。また、バルーンの挿入時又は抜出時にカッティングブレードの端部が病変以外への血管に当接し、損傷する可能性を防止することができる。
【0011】
本発明にかかるバルーンにおいて、前記端部形成部は、カッティングブレードの刃先端部の一部を被覆するように形成されていることを特徴とするものであってもよい。
【0012】
カッティングブレードの端部を覆うことによって、さらに、カッティングブレードの刃先がはじめにプラークや石灰化等の病変へ刺さる可能性を低減することができる。さらに、血管の湾曲部を通過させる際に、カッティングブレードの最も脱落しやすい端部を覆うことから、カッティングブレードの端部がバルーン又はベース部から脱落する可能性を低減することができ、結果としてカッティングブレード全体が剥離又は脱落する可能性を低減することができる。
【0013】
また、本発明にかかるバルーンにおいて、前記端部形成部は、先端に向かって徐々に高さが低くなるように形成されていることを特徴とするものであってもよい。かかる構成を採用することによって、血管内のバルーンを進行させたり、退出させる際に端部形成部が血管内で引っかかったりすることを低減し、スムーズに移動させることができる。
【0014】
さらに、本発明にかかるバルーンにおいて、前記カッティングブレードは、樹脂製のベースに取り付けられており、前記端部形成部は、前記ベース部と一体に成形されていることを特徴とするものであってもよい。端部形成部とベース部を一体に形成することによって、端部形成部自体が脱落する可能性を低減することができる。
【0015】
さらに、本発明にかかるバルーンにおいて、前記カッティングブレードは、長手方向に複数分割して形成されていることを特徴とするものであってもよい。カッティングブレーを複数に分割して形成することによって、バルーンを湾曲させやすくなり、湾曲した血管内をより追従させやすくすることができる。
【0016】
さらに、本発明にかかるバルーンにおいて、前記カッティングブレードは。金属製ブレードと樹脂製ブレードが交互に配置されていることを特徴とするものであってもよい。カッティングブレードに、金属製ブレードと樹脂製ブレードが交互に配置されているものを使用することによって、金属製ブレードによるカッティング性能を確保しつつ、樹脂製ブレードによる柔軟性により全体としてフレキシビリティ性が高く、血管追従性に優れたバルーンとすることができる。
【0017】
さらに、本発明は、前述したバルーンを有するバルーンカテーテルを提供する。かかるバルーンカテーテルは、前述した効果を有するバルーンカテーテルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明にかかるバルーンカテーテル100の実施形態の1つを模式的に示した側面図である。
【
図2】本発明にかかるバルーンカテーテル100のバルーン30を模式的に示した側面図である。
【
図3】本発明にかかるバルーンカテーテル100に使用されるカッティングブレード40を模式的に示した側面図である。
【
図4】本発明にかかるバルーンカテーテルのカッティングブレード40の別実施形態を模式的に示した側面図である。
【
図5】本発明にかかるバルーンカテーテルのカッティングブレード40のさらなる別実施形態を模式的に示した側面図である。
【
図6】本発明にかかるバルーンカテーテルの使用状態に示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明にかかるバルーンカテーテル100の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、実施形態にかかるバルーンカテーテル100を模式的に示した側面図である。本発明にかかるバルーンカテーテル100は、主として、カテーテルシャフト10及びバルーン30と、バルーンカテーテル100の近位端に設けられる操作部材60を備えている。なお、各図において、カッティングブレード40は、図示しやすいように、バルーンのサイズに対して現物の縮尺よりも大きく描かれている。また、バルーンカテーテル100の説明により、本発明にかかるバルーン30の説明も含まれるので、バルーンの説明は、バルーンカテーテル100の説明に代える。なお、本実施形態においては、RX型(rapid exchange型)を用いて説明するが、Over-the-wire型であってもよい。
【0021】
カテーテルシャフト10は、
図1に示すように、主として、インナーチューブ20と、バルーン30の近位側に設けられるアウターチューブ25と、を備えている。インナーチューブ20は、バルーン30の先端から近位側に挿通されており、カテーテルシャフト10のサイドに作製されるガイドワイヤポート23に連通している。
【0022】
インナーチューブ20は、バルーンカテーテル100のバルーン30を患者の病変部まで運ぶためのガイドワイヤ90を通したり、薬液等を注入したりするためのガイドワイヤルーメン22を内側に有している。それ以外の構成については特に限定するものではない。インナーチューブ20に使用される材料としては、例えば、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリエーテルブロックアミド共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等のオレフィン系ポリマー等若しくはこれらの組み合わせからなるコポリマー等を使用することができるがこれらに限定するものではない。好ましくはポリアミド、ポリウレタン等の医療用途で実績のある熱可塑性樹脂を使用するとよい。
【0023】
アウターチューブ25は、バルーン30の近位側であってインナーチューブ20の外周側に設けられたチューブである。
図1に示すように、インナーチューブ20との間にバルーン拡張用の拡張流体が流れる拡張流体用ルーメン26が形成される。拡張流体用ルーメン26は、バルーン30内のバルーンルーメン35と連通しており、この拡張流体用ルーメン26を流れてきた拡張流体によってバルーン30が拡張される。
【0024】
バルーン30は、カテーテルシャフト10の遠位端又は遠位端近傍に設けられており、内側にバルーンルーメン35を有する中空の部材であり、内部に拡張流体を流すことで拡張させることができる。バルーン30は、非伸張性素材であっても低伸張性を素材であってもよい。バルーン30の材料としては、例えば、ナイロン(登録商標)、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリエーテルブロックアミド共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等のオレフィン系ポリマー等若しくはこれらの組み合わせからなるコポリマー等を使用することができるがこれらに限定するものではない。好ましくはポリアミド、ポリウレタン等の医療用途で実績のある熱可塑性樹脂を使用するとよい。
【0025】
なお、バルーン30及びアウターチューブ25は、一体に成形してもよいし、別体で成形し後に接合してもよい。また使用する材料としては、それぞれバルーン30、アウターチューブ25は同一の材料を使用してもよいし、異なる材料を使用してもよい。
【0026】
カッティングブレード40は、
図2に示すように、バルーン30の外周面に1つ又は複数取り付けられている。カッティングブレード40は、バルーン30の長手方向と平行に設けられている。カッティングブレード40は、外周側が刃で形成されており、例えば、動脈硬化等により形成された血管内に形成されたプラークや血管内で石灰化した部位でバルーン30を拡張させることにより、プラークや石灰化した部位に刃で亀裂を入れて、病変部等の血管内腔を広げやすくすることができる。
【0027】
カッティングブレード40は、
図3Aに示すように、金属製ブレード41aが、バルーン30に取り付けられる樹脂製のベース部42に一体成形で作製される。金属製ブレード41aは、
図3Bに示すように、ベース部42内に埋設される部分には、複数の丸穴44が形成されている。この丸穴44を設けることによって、この丸穴44内に樹脂が埋入されるため、金属製ブレード41aがベース部42から脱落することを防止することができる。また、
図3Cに示すように、丸穴44に代えて、底面部側が狭く、奥側が広くなるように形成されている切欠部44aであってもよい。切欠部44aにすることで、金属製ブレード41aがベース部42から脱落することを防止するとともに、金属製ブレード41aが湾曲しやすくすることができる。ベース部42はいずれか一方又は両端に端部形成部43が設けられている。すなわち、本実施形態にかかるカッティングブレード40の長手方向のいずれか又は両方の端部には、端部形成部443(43c、43d)が設けられている。端部形成部43c、43dをカッティングブレード40の端部に配置することによって、カッティングブレード40の刃が端部に配置されることが防止されるため、プラークや石灰化等の病変へ先にカッティングブレード40の端部が強く刺さりスタックするリスクを防止することができる。また、バルーン30の挿入時又は抜出時にカッティングブレード40の端部が病変以外への血管に当接し、損傷することを防止することができる。端部形成部43は、カッティングブレード40の刃の高さと同じ高さ又は、カッティングブレード40の刃の高さより高くなるように形成するとよい。端部形成部43をカッティングブレード40の刃の高さと同じ又はより高く形成することで、カッティングブレード40の端部がプラークや石灰化等の病変へ刺さる可能性をさらに低減することができる。また、バルーン30の挿入時又は抜出時にカッティングブレード40の端部が病変以外への血管に当接し、損傷する可能性を防止することができる。また、端部形成部43c、43dの形態は特に限定するものではなく、端部形成部43dのように先端を略半球状に形成してもよい。好ましくは、端部形成部43cのように先端側に向かって徐々に高さが低く薄くなるように形成するとよい。先端側に向かって徐々に高さが低く薄くなる端部形成部43cは、長方向に配置される複数のカッティングブレード40の最前端部及び最後端部に設けるとよい。このように先端を薄く構成することによって、血管内のバルーンを進行させたり、退出させる際に端部形成部43が血管内に引っかかったりすることがなく、スムーズに移動させることができる。また、端部形成部43は、カッティングブレード40の刃先端部の一部を被覆するように形成してもよい。これにより、カッティングブレード40が脱落する可能性を低減することができる。
【0028】
なお、ベース部42へのカッティングブレード40の取付けは前述した一体成形に限らず、接着、鋳造、熱接合、機械的連結、溶接、ろう付け等の適切な方法又は他の適切な方法により行うことが可能である。また、ベース部42のバルーン30への取付けも同様に、接着、鋳造、熱接合、機械的連結、溶接、ろう付け等の適切な方法又は他の適切な方法により行うことが可能である。
【0029】
また、カッティングブレード40の数は、特に限定するものではなく、1本であってもよいし、複数本であってもよい。カッティングブレード40は、
図2に示すように、円周方向に複数設けても良いし、長手方向に複数設けても良い。さらに、
図4に示すように、それぞれのカッティングブレード40は分割して形成してもよい。このように、カッティングブレード40を分割して形成することで、フレキシビリティ性が向上し、血管追従性を向上させることができる。
【0030】
さらに、
図5に示すように、金属製ブレード41aと樹脂製ブレード41bとを交互に配置してもよい。一般的に金属製ブレード41aは、硬質であり、カッティング性能に優れるが、湾曲させたり伸ばしたりするフレキシビリティ性が低く、湾曲した血管等では、金属製ブレード41aでは血管の内面に追従させたり、血管内を進行させたりすることが困難であった。無理に追従させようとすると、金属製ブレード41aが折れたり、又は金属製ブレード41aがバルーン30から剥離したりする可能性があった。一方で、樹脂製ブレード41bは、柔軟性に優れ、フレキシビリティ性が高いため、湾曲した血管の内面に追従させやすく、また送達性に優れるという特徴がある。そこで、金属製ブレード41aと樹脂製ブレード41bを交互に配置することで、
図6に示すように金属製ブレード41aのカッティング性能を確保しつつ、樹脂製ブレード41bのフレキシビリティ性によって、血管の追従性を確保することができる。また交互に配置することによって、それぞれ金属製ブレード41a、樹脂製ブレード41bの長さが短くなるため、その点からも湾曲した血管に追従しやすくなる。これにより、可撓性の低い他のカッティングバルーンカテーテルでは到達することが困難な位置へバルーン30を進めることが可能となり、かつ血管内面への追従性もよくなるという効果がある。
【0031】
なお、金属製ブレード41aと樹脂製ブレード41bの長さは、特に限定するものではないが、金属製ブレード41aの長さが、樹脂製ブレード41bに対して長くなるように形成すると、カッティング性能が高くなる。一方、金属製ブレード41aの長さは、樹脂製ブレード41bに対して短く形成すると、金属製ブレード41aは短い方が血管内の湾曲に追従しやすく、樹脂製ブレード41bは長い方が湾曲して血管内に追従しやすくなるからである。好ましくは、金属製ブレード41aの長さは、1.0mm~40mmがよく、樹脂製ブレード41bは、0.5mm~18mmにするとよい。
【0032】
操作部材60は、バルーン拡張用流体が挿入されるインフレーションポート61を有しており、ここからバルーン拡張用流体を挿入することによってバルーンを膨らませることができる。
【0033】
以上のように、作製されたバルーンカテーテル100は、以下のようにして使用される。まず、病変へガイドワイヤ90を挿入する。その後、ガイドワイヤ90上を進めて血管70内を通過させてバルーン30を病変部へ到達させる。次に、拡張流体を拡張流体用ルーメン26を介してバルーンルーメン35に注入してバルーン30を膨張させる。この拡張によって
図6に示すように、カッティングブレード40が病変部を切除しつつ血管70を拡張し、血管70を治療する。
【0034】
なお、本発明は上述した各実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得る。
【産業上の利用可能性】
【0035】
上述した実施の形態で示すように、管腔拡張のためのバルーンカテーテルとして産業上使用することができる。
【符号の説明】
【0036】
10…カテーテルシャフト、20…インナーチューブ、22…ガイドワイヤルーメン、23…ガイドワイヤポート、25…アウターチューブ、26…拡張流体用ルーメン、30…バルーン、35…バルーンルーメン、40…カッティングブレード、41a…金属製ブレード、41b…樹脂製ブレード、42…ベース部、43…端部形成部、43c…端部形成部、43d…端部形成部、44…切欠部、60…操作部材、61…インフレーションポート、70…血管、100…バルーンカテーテル