(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116728
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】通行者監視制御装置
(51)【国際特許分類】
B61L 29/28 20060101AFI20240821BHJP
【FI】
B61L29/28 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022505
(22)【出願日】2023-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 真弓
(72)【発明者】
【氏名】津端 大
(72)【発明者】
【氏名】向山 卓也
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 健太
(72)【発明者】
【氏名】廣田 裕太郎
(72)【発明者】
【氏名】市山 智
【テーマコード(参考)】
5H161
【Fターム(参考)】
5H161AA01
5H161MM05
5H161MM14
5H161NN10
5H161PP01
5H161PP11
5H161QQ01
5H161QQ03
(57)【要約】
【課題】様々な通行者の安全な踏切の通行を支援すること。
【解決手段】通行者監視装置10は、踏切の周辺の通行者の移動速度を含む通行者情報を取得する通行者情報取得部21と、踏切の警報機の少なくとも作動開始時刻を示す踏切警報情報を取得する踏切警報情報取得部23と、踏切の周辺の周辺情報を取得する周辺情報取得部24と、通行者情報と踏切警報情報と周辺情報とに基づいて、通行者ごとに踏切を渡り切れるか否かを判定する判定部25と、判定部25の判定結果に基づいて、通行者に通知する通知情報を生成する通知情報生成部28とを備え、判定部25は、通行者が踏切を渡り切る通行終了予測時刻と、踏切の警報機の作動開始時刻との差である余裕時間から、通行者ごとに踏切を渡り切れるか否かを判定する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
踏切の周辺の通行者の移動速度を含む通行者情報を取得する通行者情報取得部と、
前記踏切の警報機の少なくとも作動開始時刻を示す踏切警報情報を取得する踏切警報情報取得部と、
前記踏切の周辺の周辺情報を取得する周辺情報取得部と、
前記通行者情報取得部が取得した前記通行者情報と、前記踏切警報情報取得部が取得した前記踏切警報情報と、前記周辺情報取得部が取得した前記周辺情報とに基づいて、前記通行者ごとに前記踏切を渡り切れるか否かを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に基づいて、前記通行者に通知する通知情報を生成する通知情報生成部と、
を備え、
前記判定部は、前記通行者が前記踏切を渡り切る通行終了予測時刻と、前記踏切の警報機の作動開始時刻との差である余裕時間から、前記通行者ごとに前記踏切を渡り切れるか否かを判定する、
通行者監視制御装置。
【請求項2】
前記通行者情報は、前記通行者の一人乗り電動車両のような移動手段、歩行用の補助具の使用の有無、および、介添人の有無の少なくともいずれか1つを含む、前記通行者の属性を示す情報を含み、
前記判定部は、前記通行者の属性に応じて、前記余裕時間の閾値を変更する、
請求項1に記載の通行者監視制御装置。
【請求項3】
前記周辺情報は、前記踏切の周辺の混雑状況、または、天候を含む周辺状況を示す情報を含み、
前記判定部は、前記踏切の周辺の混雑状況、または、天候のような周辺状況に応じて、前記余裕時間の閾値を変更する、
請求項1に記載の通行者監視制御装置。
【請求項4】
前記踏切の通行路の幅、前記踏切の路面の凹凸の有無、前記路面の段差の有無、および、前記踏切の路面状況の少なくともいずれかを示す踏切情報を取得する踏切情報取得部、
を備え、
前記判定部は、前記踏切の通行路の幅、前記路面の凹凸の有無、前記路面の段差の有無、および、前記踏切の路面状況の少なくともいずれかに応じて、前記余裕時間の閾値を変更する、
請求項1に記載の通行者監視制御装置。
【請求項5】
前記通行者に前記踏切の迂回を推奨するか否かを判定する迂回判定部、
を備え、
前記迂回判定部は、前記通行者が前記踏切を渡り切る通行終了予測時刻と、前記踏切を迂回した場合の迂回終了予測時刻とを比較して、前記通行終了予測時刻の方が遅い場合、迂回を推奨すると判定する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の通行者監視制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通行者監視制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
踏切横断中の歩行者が踏切内に閉じ込められないための適切な情報を提供する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。踏切を通行する通行人に対して、踏切を安全に通行することができるかの判断を支援する情報を提供する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-182556号公報
【特許文献2】特開2016-155405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
踏切を通行する通行者には、例えば、歩行者、電動車椅子などの一人乗り電動車両の利用者など様々な通行者が存在する。様々な通行者の安全な踏切の通行を支援することには、改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、様々な通行者の安全な踏切の通行を支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る通行者監視制御装置は、踏切の周辺の通行者の移動速度を含む通行者情報を取得する通行者情報取得部と、前記踏切の警報機の少なくとも作動開始時刻を示す踏切警報情報を取得する踏切警報情報取得部と、前記踏切の周辺の周辺情報を取得する周辺情報取得部と、前記通行者情報取得部が取得した前記通行者情報と、前記踏切警報情報取得部が取得した前記踏切警報情報と、前記周辺情報取得部が取得した前記周辺情報とに基づいて、前記通行者ごとに前記踏切を渡り切れるか否かを判定する判定部と、前記判定部の判定結果に基づいて、前記通行者に通知する通知情報を生成する通知情報生成部と、を備え、前記判定部は、前記通行者が前記踏切を渡り切る通行終了予測時刻と、踏切の警報機の作動開始時刻との差である余裕時間から、前記通行者ごとに前記踏切を渡り切れるか否かを判定するを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、様々な通行者の安全な踏切の通行を支援することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第一実施形態に係る踏切通行監視システムの概略図である。
【
図2】
図2は、第一実施形態に係る通行者監視装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、踏切の通行可否を説明する概略図である。
【
図4】
図4は、第一実施形態に係る端末装置の構成例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、第一実施形態に係る通行者監視装置における処理の流れの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、第二実施形態に係る通行者監視装置の構成例を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、第二実施形態に係る通行者監視装置における処理の流れの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る踏切通行監視システムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0010】
[第一実施形態]
(踏切通行監視システム)
図1は、第一実施形態に係る踏切通行監視システムの概略図である。踏切通行監視システム1は、歩行者、一人乗り電動車両の利用者など様々な通行者の踏切通行を監視するシステムである。踏切通行監視システム1は、通行者が踏切100を渡り切れるか否かを判定して、通行者に通知する。踏切通行監視システム1は、通行者監視装置10と、端末装置50とを含む。通行者監視装置10と端末装置50とは、例えば、短距離無線通信を介して情報を通信可能である。
【0011】
(通行者監視装置)
図2は、第一実施形態に係る通行者監視装置10の構成例を示すブロック図である。通行者監視装置10は、踏切100の周辺に設置されている。通行者監視装置10は、記憶部11と、通信部19と、制御部(通行者監視制御装置)20とを備える。通行者監視装置10は、通信制御部29が制御する通信部19を用いて、踏切100の周辺の通行者の端末装置50と情報を通信可能である。
【0012】
記憶部11は、通行者監視装置10が設置された踏切100の踏切情報を記憶する記憶装置である。記憶部11は、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、または、メモリカードなどの記録部である。または、図示しない通信装置を介して無線接続される外部記録部であってもよい。
【0013】
通信部19は、短距離無線通信または広域無線通信を行う。本実施形態では、通信部19は、短距離通信部191と広域通信部192とを含む。
【0014】
短距離通信部191は、数m程度の短距離の無線通信を行う通信ユニットである。短距離通信部191は、端末装置50との間で情報の通信を行う。短距離通信部191は、制御部20の短距離通信制御部291によって通信を制御される。短距離通信部191は、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)などの通信モジュールで構成される。短距離通信部191は、端末装置50の通信部とは予めペアリング等を行い互いに通信可能な状態で使用する。
【0015】
広域通信部192は、広域の無線通信を行う通信ユニットである。広域通信部192は、例えば、外部の列車運行管理システムなどとの間で情報の通信を行う。広域通信部192は、例えば、インターネットまたは携帯電話回線などいずれの方法で通信を行う。広域通信部192は、制御部20の広域通信制御部292によって通信を制御される。
【0016】
(制御部)
制御部20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などで構成された演算処理装置(制御装置)である。制御部20は、記憶されているプログラムをメモリにロードして、プログラムに含まれる命令を実行する。制御部20には図示しない内部メモリが含まれ、内部メモリは制御部20におけるデータの一時記憶などに用いられる。制御部20は、通行者監視装置10を制御する。制御部20は、通行者情報取得部21と、踏切情報取得部22と、踏切警報情報取得部23と、周辺情報取得部24と、判定部25と、通知情報生成部28と、通信制御部29とを有する。したがって、制御部20は、通行者監視装置10を用いた通行者監視方法を実行する制御部であり、通行者管理プログラムを実行するコンピュータである。
【0017】
通行者情報取得部21は、踏切100から、言い換えると、通行者監視装置10から所定範囲内に位置する端末装置50と、通信部19を介して通信を行い、通行者情報を取得する。通行者情報取得部21は、踏切100の周辺に端末装置50を携帯する通行者が複数存在する場合、複数の通行者情報を取得する。通行者情報取得部21は、踏切100の周辺に位置する通行者群の通行者情報を取得する。
【0018】
通行者情報は、通行者に関する情報である。通行者情報は、例えば、通行者の位置、移動速度、移動方向、目的地、端末装置50を識別する端末ID(Identification)、通行者の属性などを示す情報である。通行者の属性は、例えば、通行者の平均移動速度を含んでもよい。通行者の属性は、例えば、電動車椅子などの一人乗り電動車両のような移動手段を含んでもよい。通行者の属性は、例えば、杖などの歩行用の補助具の使用の有無を含んでもよい。通行者の属性は、例えば、一人乗り電動車両などを利用する通行者である場合、通行者の通行を介添えする介添人の有無を含んでもよい。
【0019】
踏切情報取得部22は、記憶部11に記憶された踏切情報を取得する。
【0020】
踏切情報は、踏切100に関する情報である。踏切情報は、例えば、踏切100の入口から出口までの距離などを示す情報を含む。踏切情報は、踏切100の通行に影響を及ぼす可能性がある情報を含んでもよい。踏切情報は、例えば、踏切100の通行路の幅、路面の凹凸の有無、路面の段差の有無、路面状況、レールの溝幅、および、通行路とレールとがなす角度を含んでもよい。踏切情報は、例えば、踏切100を識別する踏切IDを含んでもよい。踏切情報は、例えば、踏切100の設置位置を含んでもよい。
【0021】
踏切警報情報取得部23は、通信部19を介して、列車運行管理システムから踏切警報情報を取得する。
【0022】
踏切警報情報は、例えば、踏切100に設置された警報機101の作動開始時刻と作動終了時刻などを示す情報である。踏切警報情報は、例えば、踏切100に接近する列車の位置および速度、または、列車が踏切100に到達する時刻を含んでもよい。警報機101は、例えば、音や光などによって警報する装置であるが、踏切100に設置された遮断棹などによって通行を遮断する装置を含めてもよい。
【0023】
周辺情報取得部24は、踏切100の周辺状況を示す周辺情報を取得する。周辺情報取得部24は、通信部19を介して、外部のシステムから、踏切100の周辺情報を取得する。
【0024】
周辺情報は、例えば、踏切100の周辺の混雑状況、または、天候である。
【0025】
判定部25は、通行者情報、踏切情報、周辺情報、および、踏切警報情報に基づいて、通行者ごとに、通行者が踏切100を渡り切れるか否かを判定する。より詳しくは、判定部25は、通行者情報、踏切情報、および、踏切警報情報に基づいて、通行者が踏切100に到達する予測時刻において、通行者が踏切100に進入して渡り切れるか否かを判定する。判定部25は、通行者の踏切100の通行終了予測時刻と、踏切100の警報機の作動開始時刻との差である余裕時間から、通行者が踏切100を渡り切れるか否かを判定する。判定部25は、余裕時間が閾値以上である場合、渡り切れると判定する。判定部25は、余裕時間が閾値未満である場合、渡り切れないと判定する。
【0026】
通行者が踏切100に到達する予測時刻は、通行者から踏切100までの距離を、通行者の通行速度で除算して算出される。
【0027】
通行終了予測時刻は、通行者が踏切100に到達する予測時刻に、踏切通行所要時間を加算して算出される。
【0028】
踏切通行所要時間は、通行者が、踏切100の入口から出口まで通行するのに要する時間である。踏切通行所要時間は、踏切100の長さを、通行者の通行速度で除算して算出される。
【0029】
判定部25は、通行者の属性に応じて、余裕時間の閾値を変更してもよい。判定部25は、例えば、通行者が一人乗り電動車両の利用者である場合、その他の通行者に比べて余裕時間の閾値を長くしてもよい。判定部25は、例えば、通行者が歩行用の補助具、または、一人乗り電動車両などを使用しない歩行者である場合、その他の通行者に比べて余裕時間の閾値を短くてもよい。判定部25は、例えば、通行者に介添人がいる場合、介添人がいない通行者に比べて余裕時間の閾値を短くしてもよい。
【0030】
判定部25は、踏切100の周辺の混雑状況、または、天候のような周辺状況に応じて、余裕時間の閾値を変更してもよい。判定部25は、踏切100の通行に時間を要するような周辺状況である場合、言い換えると、踏切通行所要時間が増加する可能性がある周辺状況である場合、余裕時間の閾値を長くしてもよい。判定部25は、例えば、通勤および通学時間帯、または、所定時間あたりの通行者の数が人数閾値以上である場合などのように、踏切100の周辺が混雑している場合、余裕時間の閾値を長くしてもよい。判定部25は、例えば、降水または降雪がある場合、余裕時間の閾値を長くしてもよい。
【0031】
判定部25は、踏切情報に応じて、余裕時間の閾値を変更してもよい。判定部25は、踏切100の通行路の幅、路面の凹凸の有無、路面の段差の有無、および、踏切100の路面状況の少なくともいずれかに応じて、余裕時間の閾値を変更してもよい。判定部25は、踏切100の通行に時間を要するような路面状況である場合、言い換えると、踏切通行所要時間が増加する可能性がある路面状況である場合、余裕時間の閾値を長くしてもよい。判定部25は、例えば、踏切100の路面が濡れていたり、積雪があったりする場合、余裕時間の閾値を長くしてもよい。
【0032】
例えば、踏切100の周辺が混雑していたり、天候が悪かったり、路面状況が悪かったりする場合、通行者が停止、減速、または、進路変更を余儀なくされて、踏切100の通行に時間を要する可能性がある。このような場合に、余裕時間の閾値を長く設定して判定することにより、より適切に判定される。
【0033】
判定部25は、再度判定を行う必要がある場合、再判定を行う。より詳しくは、判定部25は、例えば、通行者情報に基づいて、通行者が踏切100の入口で所定時間以上、停止している場合、再度判定を実行する。判定部25は、例えば、通行者情報に基づいて、通行者が踏切100を渡り切った場合、判定処理を終了する。
【0034】
判定部25は、通行者の属性から、通行者が一人乗り電動車両の利用者である場合、または、介添人がいる場合、判定を行うようにしてもよい。
【0035】
判定部25は、通行者の移動速度が速度閾値以下であるときに、判定を行うようにしてもよい。言い換えると、判定部25は、通行者の移動速度が速度閾値より速いときは、判定を行わないようにしてもよい。例えば、通行者が一人乗り電動車両で時間をかけて移動しているときに判定を行い、通行者が車両に乗車して踏切100を短時間に通行を完了するときなどに、判定を行わないようにするためである。
【0036】
判定部25は、例えば、通行者自身に加えて、他の通行者の属性に応じて、判定を行う。判定部25は、通行者が一人乗り電動車両の利用者などではない健常者である場合であって、他の通行者が健常者より通行が優先される通行者である場合、健常者より優先通行者が踏切100を優先して渡れるように、または、踏切100を渡りやすくするように判定する。より詳しくは、判定部25は、複数の通行者の属性から、例えば、通行者が一人乗り電動車両の利用者などではない健常者である場合であって、通行者以外の他の通行者に一人乗り電動車両の利用者がいる場合、一人乗り電動車両の利用者を優先して通行させるように判定を行う。判定部25は、複数の通行者の属性から、例えば、通行者が健常者である場合であって、通行者以外の他の通行者が歩行用の補助具を使用している場合、歩行用の補助具の利用者を優先して通行させるように判定を行う。
【0037】
優先して通行させるためには、例えば、健常者の余裕時間の閾値を通常よりも長く設定することにより、健常者が踏切100を渡り切れないと判定されやすくしてもよい。これにより、優先通行者が踏切100を通行する際には、健常者は通常よりも踏切100への侵入を早めに断念することになる。優先通行者が踏切100を通行する際には、健常者より通行が優先される。
【0038】
通知情報生成部28は、判定部25の判定結果に基づいて、通行者に通知する通知情報を生成する。通知情報生成部28は、通行者が踏切100に到達するまでに通知されるように通知情報を生成する。
【0039】
通知情報は、例えば、踏切100を渡り切れるかどうか、または、踏切100の通行の可否などである。通知情報は、例えば、踏切進入可能時間(期間)を含んでもよい。
【0040】
通知情報生成部28は、判定部25が渡り切れると判定した場合、例えば、「△秒以内に横断を開始して下さい」と踏切100の警報機の作動開始時刻までの時間を示す通知情報を生成する。通知情報生成部28は、判定部25が渡り切れないと判定した場合、例えば、「△秒間待って、警報が終了してから直ぐに横断して下さい」と今回の踏切100の警報機の作動終了時刻を示す通知情報を生成してもよい。通知情報生成部28は、判定部25が渡り切れないと判定した場合、例えば、「△秒後に警報が終了します」と今回の踏切100の警報機の作動終了時刻を示す通知情報を生成してもよい。
【0041】
通信制御部29は、通信部19を制御して、端末装置50および列車運行管理システムとの通信を制御する。通信制御部29は、踏切100の周辺の通行者が携帯する端末装置50から、通行者情報を受信する。通信制御部29は、踏切100の周辺の通行者が携帯する端末装置50に対して、通知情報生成部28が生成した通知情報を送信する。通信制御部29は、列車運行管理システムから踏切情報を受信する。通信制御部29は、短距離通信制御部291と広域通信制御部292とを含む。
【0042】
短距離通信制御部291は、短距離通信部191を制御して、端末装置50との間の短距離通信を制御する。より詳しくは、短距離通信制御部291は、踏切100から、言い換えると、短距離通信部191から所定範囲内に位置する端末装置50の短距離通信部59とペアリング等を行い互いに通信可能な状態にするよう制御する。
【0043】
広域通信制御部292は、広域通信部192を制御して、通信網を介した広域の無線通信を制御する。より詳しくは、広域通信制御部292は、広域通信部192を介して、列車運行管理システムから踏切情報を取得するように制御する。
【0044】
図3を用いて、踏切100の通行可否の判定について具体的に説明する。
図3は、踏切100の通行可否を説明する概略図である。1本目の列車の通過により、警報機の作動開始時刻ts1から作動終了時刻te1まで踏切100の警報機が鳴る。1本目の列車の通過による警報機の作動時間である警報時間は、警報機の作動開始時刻ts1から作動終了時刻te1までである。2本目の列車の通過により、警報機の作動開始時刻ts2から作動終了時刻te2まで踏切100の警報機が鳴る。2本目の列車の通過による警報機の作動時間である警報時間は、警報機の作動開始時刻ts2から作動終了時刻te2までである。3本目の列車の通過により、警報機の作動開始時刻ts3から作動終了時刻te3まで踏切100の警報機が鳴る。3本目の列車の通過による警報機の作動時間である警報時間は、警報機の作動開始時刻ts3から作動終了時刻te3までである。通行者が、現在位置から踏切100に到達するまでの所要時間をTAとし、通行者が踏切100に到達する予測時刻をtaとする。通行者が、踏切100の通行に要する所要時間である踏切通行所要時間をTBとする。ケース(a)では、通行者が踏切100を渡り切る通行終了予測時刻tb1と、1本目の列車の警報機の作動開始時刻ts1の差より、渡り切ることができると判定される。ケース(b)では、通行者が踏切100を渡り切る通行終了予測時刻tb2と、1本目の列車の警報機の作動開始時刻ts1とは同時刻であり、渡り切ることができると判定される。ケース(c)では、通行者が踏切100を渡り切る通行終了予測時刻tb3が、1本目の列車の警報機の作動開始時刻ts1より遅くなり、渡り切ることができないと判定される。
【0045】
(端末装置)
図4は、第一実施形態に係る端末装置の構成例を示すブロック図である。より詳しくは、端末装置50は、通行者が携帯する端末装置である。端末装置50は、例えば、スマートフォンのような携帯用電子機器である。端末装置50は、短距離通信部59を介して通行者監視装置10と情報を通信可能である。端末装置50は、GNSS受信部51と、通知部58と、短距離通信部59と、制御部(端末制御装置)60とを備える。
【0046】
GNSS受信部51は、GNSS衛星からのGNSS信号を受信するGNSS受信機などで構成される。GNSS受信部51は、受信した位置情報信号を制御部60の位置情報生成部61に出力する。
【0047】
通行者は、通行者監視装置10から踏切100の通行可否に関する通知を受信する場合、短距離通信部59による短距離通信をONにしておく。通行者は、通行者監視装置10から踏切100の通行可否に関する通知を受信しない場合、短距離通信部59による短距離通信をOFFにしておく。
【0048】
通知部58は、通行者監視装置10から取得した踏切100の通行可否に関する通知を出力装置である。通知部58は、例えば、表示部または音声出力部である。通知部58は、例えば、制御部60の通知制御部68から出力された映像信号に基づいて、通知を映像として表示部に表示する。通知部58は、例えば、制御部60の通知制御部68から出力された音声信号に基づいて、通知を音声として音声出力部から出力する。
【0049】
短距離通信部59は、数m程度の短距離の無線通信を行う通信ユニットである。短距離通信部59は、通行者監視装置10との間で情報の通信を行う。短距離通信部59は、制御部60の短距離通信制御部69によって通信を制御される。短距離通信部59は、例えば、Bluetooth、Wi-Fiなどの通信モジュールで構成される。短距離通信部59は、通行者監視装置10の通信部とは予めペアリング等を行い互いに通信可能な状態で使用する。
【0050】
(制御部)
制御部60は、例えば、CPUなどで構成された演算処理装置(制御装置)である。制御部60は、記憶されているプログラムをメモリにロードして、プログラムに含まれる命令を実行する。制御部60には図示しない内部メモリが含まれ、内部メモリは制御部60におけるデータの一時記憶などに用いられる。制御部60は、端末装置50を制御する。制御部60は、位置情報生成部61と、通知情報取得部65と、通知制御部68と、短距離通信制御部69とを有する。
【0051】
位置情報生成部61は、通行者の現在位置を示す位置情報を生成する。位置情報生成部61は、GNSS受信部51が受信したGNSS信号に基づいて、通行者の現在位置の位置情報を公知の方法によって算出する。
【0052】
通知情報取得部65は、短距離通信部59を介して、通行者監視装置10から踏切100の通行可否に関する通知情報を取得する。
【0053】
通知制御部68は、通行者監視装置10から取得した踏切100の通行可否に関する通知を通知部58から通知するよう制御する。通知制御部68は、例えば、表示部に対して、通知を映像で表示する映像信号を出力する。通知制御部68は、例えば、音声出力部に対して、通知を音声で出力する音声信号を出力する。
【0054】
短距離通信制御部69は、短距離通信部59を制御して、通行者監視装置10との間の短距離通信を制御する。より詳しくは、短距離通信制御部69は、端末装置50から所定範囲内に位置する通行者監視装置10の短距離通信部191とペアリング等を行い互いに通信可能な状態にするよう制御する。
【0055】
短距離通信制御部69は、端末装置50の使用者の情報である通行者情報を通行者監視装置10へ送信するよう制御する。
【0056】
通行者情報のうち、通行者の位置、移動速度、および、移動方向は、例えば、端末装置50のGNSS受信部51から取得する情報から算出される。通行者情報のうち、目的地、端末装置50を識別する端末IDのような通行者の属性などを示す情報は、図示しない記憶部に記憶されている。
【0057】
短距離通信制御部69は、通行者監視装置10と短距離通信可能になった場合、言い換えると、通行者監視装置10までの距離が距離閾値以下になった場合、通行者監視装置10に対して通行者情報を送信する。
【0058】
短距離通信制御部69は、通行者監視装置10までの距離が距離閾値以下であって、端末装置50の移動速度が速度閾値以下である場合に限って、通行者監視装置10に対して通行者情報を送信してもよい。短距離通信制御部69は、通行者監視装置10までの距離が距離閾値以下であって、端末装置50の移動方向が踏切100に近づく方向である場合に限って、通行者監視装置10に対して通行者情報を送信してもよい。
【0059】
(踏切通行監視システムにおける情報処理)
踏切通行監視システム1における処理の流れについて説明する。通行者は、外出前などに、踏切通行監視システム1を利用して、通行者監視装置10から踏切100の通行可否に関する通知を受信する場合、短距離通信部59による短距離通信をONにしておく。通行者が踏切100から所定範囲内に入ると、通行者が携帯する端末装置50は、通行者監視装置10に対して短距離通信によって通行者情報を送信する。
【0060】
次に、
図5を用いて、通行者監視装置10における処理の流れの一例を説明する。
図5は、第一実施形態に係る通行者監視装置における処理の流れの一例を示す図である。
図5に示す処理は、踏切通行監視システム1による処理が実行されている間、実行される。
【0061】
制御部20は、通行者情報を取得する(ステップS101)。より詳しくは、制御部20は、通行者情報取得部21によって、通信部19を介して、踏切100から所定範囲内に位置する端末装置50から通行者情報を取得する。制御部20は、ステップS102へ進む。
【0062】
制御部20は、踏切情報を取得する(ステップS102)。より詳しくは、制御部20は、踏切情報取得部22によって、記憶部11に記憶された踏切情報を取得する。制御部20は、ステップS103へ進む。
【0063】
制御部20は、踏切警報情報を取得する(ステップS103)。より詳しくは、制御部20は、踏切警報情報取得部23によって、通信部19を介して、列車運行管理システムから踏切警報情報を取得する。制御部20は、ステップS104へ進む。
【0064】
制御部20は、周辺情報を取得する(ステップS104)。より詳しくは、制御部20は、周辺情報取得部24によって、踏切100の周辺の状況を示す周辺情報を取得する。制御部20は、ステップS105へ進む。
【0065】
制御部20は、通行者が踏切100を渡り切れるか否かを判定する(ステップS105)。より詳しくは、制御部20は、判定部25によって、通行者情報、踏切情報、周辺情報、および、踏切警報情報に基づいて、通行者が踏切100に到達する予測時刻において、通行者が踏切100に進入して渡り切れるか否かを判定する。制御部20は、判定部25によって、余裕時間が閾値以上である場合、渡り切れると判定して(ステップS105でYes)、ステップS107へ進む。制御部20は、判定部25によって、余裕時間が閾値未満である場合、渡り切れないと判定して(ステップS105でNo)、ステップS106へ進む。
【0066】
渡り切れないと判定した場合(ステップS105でNo)、制御部20は、通知情報を生成し、送信する(ステップS106)。より詳しくは、制御部20は、通知情報生成部28によって、通行者が踏切100に到達するまでに通知されるように通知情報を生成する。制御部20は、通信制御部29によって、通行者が携帯する端末装置50に対して、通知情報生成部28が生成した通知情報を送信する。制御部20は、ステップS107へ進む。
【0067】
制御部20は、通行者が踏切100を渡り切ったか否かを判定する(ステップS107)。より詳しくは、制御部20は、判定部25によって、通行者情報に基づいて、通行者が踏切100を渡り切ったか否かを判定する。制御部20は、判定部25によって、踏切100を渡り切ったと判定する場合(ステップS107でYes)、処理を終了する。制御部20は、判定部25によって、踏切100を渡り切ったと判定しない場合(ステップS107でNo)、ステップS101を再度実行する。
【0068】
通行者の端末装置50は、通知情報取得部65によって、通行者監視装置10から短距離通信によって通知情報を受信する。端末装置50は、通知制御部68によって、通知情報を通知部58により通行者に通知する。
【0069】
(効果)
上述したように、本実施形態では、本実施形態では、通行者が踏切100を渡り切る通行終了予測時刻と、踏切100の警報機の作動開始時刻との差である余裕時間から、通行者ごとに踏切100を渡り切れるか否かを判定する。本実施形態によれば、様々な通行者の安全な踏切100の通行を支援することができる。
【0070】
本実施形態では、通行者の属性に応じて、余裕時間の閾値を変更する。本実施形態によれば、通行者の属性に応じて、踏切100を渡り切れるか否かを適切に判定することができる。
【0071】
本実施形態では、踏切100の周辺の混雑状況、または、天候のような周辺状況に応じて、余裕時間の閾値を変更する。本実施形態によれば、踏切100の周辺状況に応じて、踏切100を渡り切れるか否かを適切に判定することができる。
【0072】
本実施形態では、踏切100の通行路の幅、路面の凹凸の有無、路面の段差の有無、および、踏切100の路面状況の少なくともいずれかに応じて、余裕時間の閾値を変更する。本実施形態によれば、踏切100の状況に応じて、踏切100を渡り切れるか否かを適切に判定することができる。
【0073】
本実施形態によれば、優先通行者が通行する際には、健常者より優先して踏切100を渡ることができる。
【0074】
このようにして、本実施形態は、通行者が踏切100内で立ち往生することを未然に防ぎ、踏切100を安全に横断することを支援することができる。
【0075】
[第二実施形態]
図6、
図7を参照しながら、本実施形態に係る踏切通行監視システム1について説明する。
図6は、第二実施形態に係る通行者監視装置の構成例を示すブロック図である。
図7は、第二実施形態に係る通行者監視装置における処理の流れの一例を示す図である。第二実施形態の通行者監視装置10Aは、基本的な構成は第一実施形態の通行者監視装置10と同様である。以下の説明においては、第一実施形態の通行者監視装置10と同様の構成要素には、同一の符号または対応する符号を付し、その詳細な説明は省略する。通行者監視装置10Aは、地図情報記憶部12Aと、地図情報取得部31Aと、迂回判定部32Aと、迂回路探索部33Aとを備える点が第一実施形態と異なる。
【0076】
通行者監視装置10Aは、踏切100を渡り切ることができないと判定する場合、踏切100の迂回を推奨するか否かを判定して、迂回を推奨すると判定された場合に踏切100の迂回路を通知する。
【0077】
地図情報記憶部12Aは、道路、踏切100および通行路の情報を含む地図情報を記憶する。地図情報記憶部12Aは、踏切100の迂回路を探索するための地図情報を記憶する。
【0078】
地図情報記憶部12Aには、通行者の属性に対応して迂回路が記憶されていることが好ましい。地図情報記憶部12Aには、例えば、バリアフリー対応された迂回路と、バリアフリー非対応の迂回路とが区別可能に記憶されている。
【0079】
地図情報取得部31Aは、地図情報記憶部12Aから地図情報を取得する。
【0080】
迂回判定部32Aは、通行者に踏切100の迂回を推奨するか否かを判定する。迂回判定部32Aは、例えば、通行者が踏切100を渡り切る通行終了予測時刻と、踏切100を迂回した場合に踏切100を渡り切った位置に到達する予測時刻である迂回終了予測時刻とを比較して、通行者が踏切100を渡り切る通行終了予測時刻の方が遅い場合、迂回を推奨すると判定する。
【0081】
迂回判定部32Aは、さらに、通行者の属性に応じて、迂回を推奨するか否かを判定してもよい。迂回判定部32Aは、例えば、通行者が踏切100を渡り切る通行終了予測時刻の方が遅い場合であって、通行者が歩行用の補助具を使用していない場合、迂回を推奨すると判定する。
【0082】
迂回路探索部33Aは、通行者の現在位置から踏切100を迂回する経路を探索する。迂回路探索部33Aは、さらに、通行者の属性に応じた迂回路を探索する。迂回判定部32Aは、通行者が一人乗り電動車両の利用者である場合、バリアフリー対応された迂回路を探索する。迂回判定部32Aは、探索した経路を搭乗者に提示する。経路を探索する方法は、公知の経路探索方法を使用可能であり、限定されない。
【0083】
次に、
図7を用いて、通行者監視装置10Aにおける処理の流れの一例を説明する。ステップS111ないしステップS115、ステップS118、ステップS119の処理は、
図5に示すステップS101ないしステップS105、ステップS106、ステップS107と同様の処理を行う。
【0084】
制御部20Aは、迂回を推奨するか否かを判定する(ステップS116)。より詳しくは、制御部20Aは、迂回判定部32Aによって、例えば、通行者が踏切100を渡り切る通行終了予測時刻と、踏切100を迂回した場合の迂回終了予測時刻とを比較して、迂回を推奨するか否かを判定する。制御部20Aは、迂回判定部32Aによって、迂回を推奨すると判定される場合(ステップS116でYes)、ステップS117へ進む。制御部20Aは、迂回判定部32Aによって、迂回を推奨すると判定されない場合(ステップS116でNo)、ステップS118へ進む。
【0085】
制御部20Aは、迂回路を探索して、送信する(ステップS117)。より詳しくは、制御部20Aは、迂回路探索部33Aによって、通行者の現在位置から踏切100を迂回する経路を探索する。制御部20Aは、通信制御部29によって、通行者が携帯する端末装置50に対して、通知情報生成部28が生成した通知情報とともに迂回情報を送信する。制御部20は、ステップS119へ進む。
【0086】
迂回路を送信する場合、通行者に対して、可能な限り早く通知できることが好ましい。迂回するために、引き返したりすることを回避するためである。
【0087】
(効果)
上述したように、本実施形態では、迂回を推奨するか否かを判定して、迂回を推奨する場合、通行者に迂回情報を通知できる。
【0088】
図示した踏切通行監視システムの各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていなくてもよい。すなわち、各装置の具体的形態は、図示のものに限られず、各装置の処理負担や使用状況などに応じて、その全部または一部を任意の単位で機能的または物理的に分散または統合してもよい。
【0089】
踏切通行監視システムの構成は、例えば、ソフトウェアとして、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。上記実施形態では、これらのハードウェアまたはソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックとして説明した。すなわち、これらの機能ブロックについては、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、または、それらの組み合わせによって種々の形で実現できる。
【0090】
上記に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものを含む。さらに、上記に記載した構成は適宜組み合わせが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において構成の種々の省略、置換または変更が可能である。
【0091】
[変形例]
上記の通行者監視装置10は、踏切100を渡り切ることができないと判定した場合、端末装置50に対して通知情報を送信するとともに、一人乗り電動車両が踏切100の手前で停止するよう制御する制御信号を送信してもよい。
【0092】
上記の通行者監視装置10は、端末装置50から通行者の通行者の位置、移動速度、移動方向等を含む通行者情報を取得するものとしたが、これに限定されない。端末装置50から取得する通行者情報に、制御部20の情報処理において必要な通行者に関する情報が含まれている場合、踏切100にカメラなどのセンサを設置しなくてもよい。通行者監視装置10は、踏切100の周辺に設置したカメラなどのセンサのセンサデータから、通行者情報を取得してもよい。
【0093】
上記の通行者監視装置10は、一人乗り電動車両の利用者の端末装置50に対して通知情報を送信した場合には、踏切100に設置した音声出力装置などから、一人乗り電動車両の利用者の通行を優先するために、他の通行者は進路を譲るようにお願いする通知を出力してもよい。
【0094】
上記では、踏切100において、通行者を支援するものとして説明したが、信号がある交差点にも適用可能である。この場合、踏切を信号と読み替えればよい。
【符号の説明】
【0095】
1 踏切通行監視システム
10 通行者監視装置
19 通信部
20 制御部(通行者監視制御装置)
21 通行者情報取得部
22 踏切情報取得部
23 踏切警報情報取得部
24 周辺情報取得部
25 判定部
28 通知情報生成部
29 通信制御部
50 端末装置
51 GNSS受信部
58 通知部
59 短距離通信部
60 制御部(端末制御装置)
61 位置情報生成部
65 通知情報取得部
68 通知制御部
69 短距離通信制御部
100 踏切
101 警報機
110 列車
120 電動車両