(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116729
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】コイル一体型のDC/DCコンバータ
(51)【国際特許分類】
H02M 3/155 20060101AFI20240821BHJP
H01F 17/04 20060101ALI20240821BHJP
H01F 27/29 20060101ALI20240821BHJP
【FI】
H02M3/155 Y
H01F17/04 F
H01F27/29 120
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022508
(22)【出願日】2023-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】506334171
【氏名又は名称】トレックス・セミコンダクター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100128532
【弁理士】
【氏名又は名称】村中 克年
(72)【発明者】
【氏名】徳田 修
(72)【発明者】
【氏名】辻村 光明
(72)【発明者】
【氏名】武内 謙一
【テーマコード(参考)】
5E070
5H730
【Fターム(参考)】
5E070AA05
5E070AB01
5E070DB02
5E070EB04
5H730AA15
5H730BB11
5H730ZZ01
5H730ZZ07
5H730ZZ11
5H730ZZ17
(57)【要約】
【課題】 凹部に嵌め込む際のICチップの欠けを防止するとともに端子部の下端部位置とICチップの電極位置が面一になるように容易に調整し得るコイル一体型のDC/DCコンバータを提供する。
【解決手段】 コイル1は、相対向して配設されるとともに実装時には下端面が基板4にそれぞれ接触する端子部1a,1bと、端子部1a,1bにそれぞれ接続されたコイル導体1cと、該コイル導体1cを封止するとともに端子部1a,1b間に配設された磁気封止部材1dと、コイル導体1cを封止した部分の反対側の面からICチップ2の厚さに合わせて前記厚さ方向に磁気封止部材1dを切削して端子部1a,1b間に形成した凹部1eと、凹部1eの底部に伸びる角部に形成した溝部1f,1gとを有する一方、ICチップ2は、回路の全体がモールドされており、実装時に基板4に接続するための電極2a~2fを備えて凹部1eに嵌め込まれている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
DC/DCコンバータの本体である電子回路部分が形成されているICチップと、該ICチップに対する外付け部品であるコイルとを一体化したコイル一体型のDC/DCコンバータであって、
前記コイルは、相対向して配設されるとともに実装時には下端面が基板にそれぞれ接触して電気的に接続される端子部と、両端部が前記端子部にそれぞれ電気的に接続されたコイル導体と、該コイル導体を封止するとともに前記端子部間に配設された磁気封止部材と、前記磁気封止部材において前記コイル導体を封止した部分の反対側の面から前記ICチップの厚さに合わせて前記厚さ方向に前記磁気封止部材を切削して前記端子部間に形成した凹部と、該凹部の底部の角部に沿って伸びるように形成した溝部とを有する一方、
前記ICチップは、前記電子回路部分がモールド部材でモールドされており、実装時に基板に電気的に接続するための複数の電極を前記ICチップの表面に備えて前記凹部に嵌め込まれていることを特徴とするコイル一体型のDC/DCコンバータ。
【請求項2】
請求項1に記載するコイル一体型のDC/DCコンバータにおいて、
前記凹部には、前記ICチップとともに受動部品も配設したことを特徴とするコイル一体型のDC/DCコンバータ。
【請求項3】
請求項1に記載するコイル一体型のDC/DCコンバータにおいて、
前記コイル導体は、前記磁気封止部材中において前記溝部の底部よりも前記磁気封止部材の表面側に位置するように配設したことを特徴とするコイル一体型のDC/DCコンバータ。
【請求項4】
請求項1に記載するコイル一体型のDC/DCコンバータにおいて、
前記ICチップは、前記電極にボール形状の導電部材を付着させてなり、前記導電部材を介して前記基板との電気的な接続を行うように構成したものであることを特徴とするコイル一体型のDC/DCコンバータ。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか一つに記載するコイル一体型のDC/DCコンバータにおいて、
前記磁気封止部材の表面には樹脂を塗布して樹脂コート層を形成したことを特徴とするコイル一体型のDC/DCコンバータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコイル一体型のDC/DCコンバータに関し、特にDC/DCコンバータの本体である電子回路部分が形成されたICチップとこのICチップに対する外付け部品であるコイルとを一体化する場合に適用して有用なものである。
【背景技術】
【0002】
基板への実装作業を円滑に行い得るとともに、放熱性も向上させることができ、さらに小型化にも資することができるコイル一体型のDC/DCコンバータを開示する公知文献として特許文献1がある。特許文献1に開示するコイル一体型のDC/DCコンバータは、DC/DCコンバータの本体である電子回路部分が形成されているICチップと、このICチップに対する外付け部品であるコイルとを一体化したものである。ここで、コイルは、相対向して配設されるとともに実装時には基板にそれぞれ接続される2枚の端子部と、両端部が前記端子部にそれぞれ接続されたコイル導体と、前記コイル導体を封止するとともに前記端子部間に配設された磁気封止部材(フェライト)と、前記端子部間に形成された凹部とを有する。一方、ICチップは実装時に基板に接続するための複数の電極をその表面に有して前記凹部に嵌め込まれている。
【0003】
特許文献1に開示するコイル一体型のDC/DCコンバータによれば、ICチップをコイルに設けた凹部に嵌め込むように構成しているので、全体の占有空間を可及的に縮小することができる。さらに詳言すると、特許文献1に係るDC/DCコンバータでは、コイルの端子部及びICチップの各電極はそれぞれ直接基板に接続するように構成しているので、コイルとICチップ間の接続は基板の配線パターンを利用して行うことができる。したがって、コイル及びICチップはそれぞれの本質的な機能に関連する構成のみを備えていれば良い。すなわち、コイルとICチップを接続するための配線等を備える必要がなく、その分簡素な構成とすることができるという優れた作用・効果を奏する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示する技術では、コイル導体を封止している磁気封止部材に設けた凹部にICチップを嵌め込んで装着した場合、ICチップのモールド樹脂の角部に欠けや割れを生起する現象が発生した。また、ICチップを凹部に良好に嵌め込むことができず、基板実装時に基板の表面に当接する端子部の下端と、ICチップの電極とが面一にならないという現象も発生した。面一にならない場合、基板実装時に基板の表面に当接する端子部の下端部と電極面が、同時には基板の表面に接触しないこととなり、当該接続部の良好な電気的接続を実現することが不可能になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来技術に鑑み、ICチップを磁気封止部材の凹部に嵌め込む際のICチップの欠けや端子部の下端部とICチップの電極が面一にならないという原因を究明し、当該原因を除去することで、特許文献1が内包する課題を解消し得るコイル一体型のDC/DCコンバータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく、本発明者等は、ICチップを磁気封止部材の凹部に嵌め込む際のICチップの欠けや端子部の下端部とICチップの電極が面一にならないという問題の原因を究明し、これらの有害な現象の発生を除去し得るコイル一体型のDC/DCコンバータを提供することを目的とする。
【0008】
上述の如き特許文献1の問題の発生原因を究明すべく考察を重ねた結果、ICチップを封止している磁気封止部材に設けた凹部の底の角部には一定の曲率部が形成されているのに対し、凹部に嵌め込むICチップの角部は精確に直角に形成してある。これは、金属である磁気封止部材を下面側から厚さ方向に沿って切削・加工することにより凹部を形成した場合、凹部の底の角部は、どうしても曲面となってR面が形成される。これに対し、ICチップは樹脂をダイシング等により切断して個片化されるので、エッジ部分は精確に直角となっている。
【0009】
さらに詳説すると、
図10(a)に示すように、磁気封止部材01は、一般に金属であるので、これを研削して凹部を形成した場合、凹部の底の角部には、どうしても曲面(R面)01Aが形成されてしまう。すなわち、この場合の凹部の底の角部は、
図10(a)に一点鎖線で示すような、直角な面とすることが困難である。したがって、かかる状態で、
図10(b)に示すように、樹脂モールドしたICチップ02を凹部に挿入して装着しようとすると、ICチップ02の角部が曲面01AにP点で衝突してしまい、ICチップ02の欠けの原因となる。同時にICチップ02の凹部内での位置が曲面01AとICチップ02の角部との干渉により在るべき位置とは異なる位置に配設されることとなり、この結果ICチップ02の下面が凹部から下方に突出することになり、面一となるべき端子部の下端面の位置との間にずれを生起してしまう。
【0010】
そこで、
図10(c)に示すように、凹部の底部の角部に溝部01Bを形成することに思い至った。溝部01Bを研削等により形成する際に、同時に曲面01Aを除去し得るからである。かかる溝部01Bを形成することにより、
図10(d)に示すように、ICチップ02を凹部に挿入するに際し、障害物が除去されているので、ICチップ02の良好な挿入・装着を行うことができる。
【0011】
本発明は、かかる新規な知見に基づき上記目的を達成するものであり、各態様は次の点を特徴する。
【0012】
本発明の第1の態様は、
DC/DCコンバータの本体である電子回路部分が形成されているICチップと、該ICチップに対する外付け部品であるコイルとを一体化したコイル一体型のDC/DCコンバータであって、
前記コイルは、相対向して配設されるとともに実装時には下端面が基板にそれぞれ接触して電気的に接続される端子部と、両端部が前記端子部にそれぞれ電気的に接続されたコイル導体と、該コイル導体を封止するとともに前記端子部間に配設された磁気封止部材と、前記磁気封止部材において前記コイル導体を封止した部分の反対側の面から前記ICチップの厚さに合わせて前記厚さ方向に前記磁気封止部材を切削して前記端子部間に形成した凹部と、該凹部の底部の角部に沿って伸びるように形成した溝部とを有する一方、
前記ICチップは、前記電子回路部分がモールド部材でモールドされており、実装時に基板に電気的に接続するための複数の電極を前記ICチップの表面に備えて前記凹部に嵌め込まれていることを特徴とする。
【0013】
第2の態様は、
第1の態様に記載するコイル一体型のDC/DCコンバータにおいて、
前記凹部には、前記ICチップとともに受動部品も配設したことを特徴とする。
【0014】
第3の態様は、
請求項1に記載するコイル一体型のDC/DCコンバータにおいて、
前記コイル導体は、前記磁気封止部材中において前記溝部の底部よりも前記磁気封止部材の表面側に位置するように配設したことを特徴とする。
【0015】
第4の態様は、
請求項1に記載するコイル一体型のDC/DCコンバータにおいて、
前記ICチップは、前記電極にボール形状の導電部材を付着させてなり、前記導電部材を介して前記基板との電気的な接続を行うように構成したものであることを特徴とする。
【0016】
第5の態様は、
第1~第4の態様のいずれか一つに記載するコイル一体型のDC/DCコンバータにおいて、
前記磁気封止部材の表面には樹脂を塗布して樹脂コート層を形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、磁気封止部材に形成した凹部の底部の角部に溝を形成したので、ICチップの凹部への嵌入に伴うICチップの角部と凹部の底部の角部との干渉を除去することができる。この結果、ICチップの角部の欠けや割れを未然に防止することができるばかりでなく、脚部の下端部と基板実装時に基板の表面に当接する端子部の下端と、ICチップの電極とを容易に面一に調整することができ、当該接続部の良好な電気的接続を実現することも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係るコイル一体型のDC/DCコンバータのコイルを示す平面図である。
【
図4】本発明の第1の実施の形態に係るコイル一体型のDC/DCコンバータを示す正面図である。
【
図6】本発明の第1の実施の形態に係るコイル一体型のDC/DCコンバータの組立工程におけるコイルを示す斜視図である。
【
図7】
図6の組み立て工程におけるコイルを示す斜視図である。
【
図8】
図6の組み立て工程における一体化したコイルとICチップとを示す斜視図である。
【
図9】本発明の第2の実施の形態に係るコイル一体型のDC/DCコンバータを示す正面図である。
【
図10】従来技術に係る問題点を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本考案の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0020】
<第1の実施の形態>
図1~
図5は本発明の第1の実施の形態に係るコイル一体型のDC/DCコンバータを示す図で、
図1がそのコイルを示す平面図、
図2がそのコイルを示す正面図、
図3がそのコイルを示す裏面図、
図4がその全体を示す正面図、
図5がその全体を示す裏面図である。
【0021】
これら
図1~
図5に示すように、本形態に係るコイル一体型のDC/DCコンバータIは外付けコイル1とICチップ2とを一体化したものである。ここで、コイル1は、相対向して配設されるとともに実装時には基板4にそれぞれ接続される端子部1a,1bと、両端部が端子部1a,1bにそれぞれ接続されたコイル導体1cと、コイル導体1cを封止するとともに端子部1a,1b間に配設された磁気封止部材(フェライト)1dとを有する。ここで、端子部1a,1b間には凹部1eが形成してある。さらに詳言すると本形態における凹部1eは端子部1a,1bの間で、磁気封止部材1dを下方から削り込んで形成してある。かかる切削加工は磁気封止部材1dで封止するコイル導体1cが縦軸型である場合に特に容易に行うことができる。
図1中の上下方向の寸法に余裕があり、その分磁気封止部材1dの削り代に余裕があるからである。なお、縦軸型とはコイル導体1cの軸方向が端子部1a,1b間を結ぶ直線に対して直交するように巻回されているもの、すなわち垂直軸回りに巻回されているものをいう。これに対し、水平軸回りに巻回されているものを横軸型という。この種のコイル一体型のDC/DCコンバータのコイルとしては横軸型が多く使用されている。横軸型は上下方向の寸法に余裕がない場合が多いので、前述の如く凹部1eを、磁気封止部材1dを削り込んで形成するのには向いていない。
【0022】
ここで、コイル1には溝1f,1gが形成されている。さらに詳言すると、溝1f,1gは凹部1eの左右両側の底部の角部に凹部1eの長手方向に沿って設けてある。このように溝1f,1gを設けることにより、端子部1a,1bの間で、磁気封止部材1dを下方から削り込んで凹部1eを形成していることに起因して生起される凹部1eの左右両側の底部の角部の曲面部分を実質的に除去し得る。したがって、
図4および
図5に示すように、凹部1eにICチップ2を嵌め込んだ際にICチップ2の角部が凹部1eの底部の角部の曲面部分と干渉して、ICチップ2の欠けや、端子部1a,1bの下端面とICチップ2の下面とを面一に保持する際の障害となることはない。なお、溝1f,1gは凹部1eの加工時に続けて加工するのが合理的である。
【0023】
本形態におけるコイル導体1cは、磁気封止部材1d中において溝部1f,1gの底部よりも磁気封止部材1dの表面側(
図2の上側)に位置するように配設してある。このことにより、溝部1f,1gを形成する際の作業性を良好に担保し得る。溝部1f,1gの形成に伴うコイル導体1cの干渉を考慮しなくてよいからである。
【0024】
ICチップ2には当該DC/DCコンバータIの本体である電子回路部分が形成されており、実装時に基板に接続するための複数(本形態では6個)の電極2a,2b,2c,2d,2e,2f及び放熱用の放熱プレート3をその裏面に有している。また、本形態におけるICチップ2は前記電子回路部分が樹脂のモールド部材でモールドされている。このようにモールドされたICチップ2を凹部1eに嵌め込んでコイル1と一体化している。かかる一体化状態では、前述の溝1f,1gの存在も相俟って前記ICチップ2の裏面と端子部1a,1bの基板4と接する面とが面一になる。
【0025】
図6~
図8は本形態に係るコイル一体型のDC/DCコンバータの組立工程を示す斜視図である。
図6は磁気封止部材1dを削り込んで凹部1eを形成するとともに凹部1eの底部の角部に溝1f,1gを形成した状態のコイル1を示している。かかるコイル1の凹部1eに下方から
図7に示すICチップ2を嵌め込んで接着剤(図示せず)で仮固定する。この結果
図8に示すように、ICチップ2の裏面と端子部1a,1bの基板4と接する面とが面一になった状態でコイル1とICチップ2とが一体化される。
【0026】
かかる本形態によれば、既存のコイル1の磁気封止部材1dを切削して凹部1eを形成し、この凹部1eにICチップ2を嵌め込んでいるので、当該DC/DCコンバータの可及的な小型化を実現し得る。また、一体化した状態においては、溝1f,1gの存在によりICチップ2の角部と凹部1eの底部の角部とが干渉することによるICチップ2の損傷を未然に防止しつつ、ICチップ2の裏面の電極2a乃至2fと端子部1a,1bの基板4と接する面とが面一になっている状態も担保されるので、基板4への実装の際、特別な高さ調整の必要もなく所定の実装作業を容易且つ迅速に行うことができる。さらに、実装時に放熱プレート3を基板4に接触させることができるので、ICチップ2で発生した熱の放熱も良好に行わせることができる。
【0027】
<第2の実施の形態>
図9は本発明の第2の実施の形態に係るコイル一体型のDC/DCコンバータIIを示す正面図である。同図中
図1~
図5と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
【0028】
本形態におけるICチップ12はシリコン基板にDC/DCコンバータの電子回路部分を形成した状態で各電極にボール形状の導電部材12a,12b,12c,12dを付着させてある。すなわち、全体をモールド部材でモールドすることなくDC/DCコンバータとしての電子回路部分のみを形成したものである。かかるICチップ12も
図1と同構成のコイル1に形成した凹部1eに嵌め込まれている。かくして、基板4に実装した際、導電部材12a~12dの先端と端子部1a、1bの基板4と接する面とが面一になるように構成してある。このように実装時にボール形状の導電部材12a~12dの先端と端子部1a、1bの基板4と接する面とが面一になるように構成するためには、例えば磁気封止部材1dに形成する凹部1eの切削深さを調整すれば良い。かかる調整により、実装前においては、実装時に基板4に接触する端子部1a,1bの下面を結ぶ直線よりも導電部材12a~12dの先端が若干突出するようにしておく。このときの突出部分で実装時における基板4との電気的な接触を十分なものとすることができる。ここで、ボール形状の導電部材としては、例えば半田ボールを好適に適用し得る。
【0029】
かかる本形態においても、既存のコイル1の磁気封止部材1dを切削して凹部1eを形成し、この凹部1eにICチップ12を嵌め込んでいるので、当該DC/DCコンバータの可及的な小型化を実現し得る。また、一体化した状態においては、ICチップ12の各電極に付着する導電部材12a~12dと端子部1a,1bの基板4と接する面とが面一になっているので、基板4への実装の際、特別な高さ調整の必要もなく所定の実装作業を容易且つ迅速に行うことができる。
【0030】
<他の実施の形態>
上記実施の形態における磁気封止部材1dの表面に樹脂を塗布して樹脂コート層を形成しても良い。この場合には、一般にフェライト等の金属で形成される磁気封止部材1dではなく、前記樹脂コート層を利用して例えばレーザ光を用いて必要なマーキングを行うことができる。
【符号の説明】
【0031】
1 コイル
1a,1b 端子部
1c コイル導体
1d 磁気封止部材
1e 凹部
1f,1g 溝部
2,12 ICチップ
2a~2f 電極
3 放熱プレート
4 基板