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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116744
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】車線規制情報報知システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/01 20060101AFI20240821BHJP
【FI】
G08G1/01 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022536
(22)【出願日】2023-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】八代醍 卓
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181DD04
5H181FF04
5H181FF05
5H181FF12
5H181FF22
5H181FF32
5H181FF40
(57)【要約】
【課題】アンケートへの回答に基づいて渋滞状況の悪化を防止できる車線規制情報報知システムを提供する。
【解決手段】車線規制情報報知システム1は、車両に搭載された車載機器2と、サーバ3とを備える。車載機器2は、車両が渋滞区間またはその周辺を走行している場合、渋滞区間に含まれている複数の車線のうちどの車線が規制されているかを問う質問を含むアンケートを出力し、車両の搭乗者によって入力された回答をサーバ3に送信する。サーバ3は、回答に基づく車線規制情報を渋滞区間に向かう後続車両に報知する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された車載機器と、サーバとを備えた車線規制情報報知システムであって、
前記車載機器は、前記車両が渋滞区間またはその周辺を走行している場合、前記渋滞区間に含まれている複数の車線のうちどの車線が規制されているかを問う質問を含むアンケートを出力し、前記車両の搭乗者によって入力された回答を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記回答に基づく車線規制情報を前記渋滞区間に向かう後続車両に報知する
車線規制情報報知システム。
【請求項2】
前記回答は、前記搭乗者によってタッチ入力または音声入力される
請求項1に記載の車線規制情報報知システム。
【請求項3】
前記車載機器は、道路交通情報に基づいて前記車両が渋滞区間またはその周辺を走行していると判定された場合、前記アンケート、または前記アンケートを表示するためのアイコンの出力を開始する
請求項1または2に記載の車線規制情報報知システム。
【請求項4】
前記アンケートは、規制車線の状態を問う追加の質問をさらに含む
請求項1または2に記載の車線規制情報報知システム。
【請求項5】
前記後続車両に搭載された車載機器をさらに含み、
前記後続車両に搭載された車載機器は、前記車線規制情報に基づいて走行車線に関する案内を行う
請求項1または2に記載の車線規制情報報知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車線規制情報報知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
片側に2つ以上の車線がある道路において事故等が発生した場合、1つ以上の車線が規制され、渋滞が発生する場合がある。車線規制が行われている場合、運転者は、規制車線を目視で確認し、車線移動や減速を行う必要がある。運転者が渋滞区間に近づいてから車線移動等を行うことで、渋滞状況がさらに悪化してしまう。
【0003】
特許文献1には、プローブカーの走行情報に基づいて渋滞情報を提供する渋滞情報提供システムに関する技術が記載されている。特許文献2には、複数の車両の走行情報(走行軌跡)から規制車線を検出し、適切な走行経路を推奨する車両用経路推奨装置に関する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-47544号公報
【特許文献2】特開2006-236247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術では、プローブカー等の車両の走行情報が用いられている。したがって、プローブカーが少ない地域など走行情報が十分に得られない地域では、渋滞状況の悪化を防止することが難しいという問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、アンケートへの回答に基づいて渋滞状況の悪化を防止できる車線規制情報報知システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、車両に搭載された車載機器と、サーバとを備えた車線規制情報報知システムであって、
前記車載機器は、前記車両が渋滞区間またはその周辺を走行している場合、前記渋滞区間に含まれている複数の車線のうちどの車線が規制されているかを問う質問を含むアンケートを出力し、前記車両の搭乗者によって入力された回答を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記回答に基づく車線規制情報を前記渋滞区間に向かう後続車両に報知する
車線規制情報報知システムを提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、アンケートへの回答に基づいて渋滞状況の悪化を防止できる車線規制情報報知システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態1にかかる車線規制情報報知システムを説明する図である。
図2】車両の搭乗者に提示されるアンケートの一例を説明する図である。
図3】選択されることでアンケートが表示されるアイコンを説明する図である。
図4】実施形態1にかかるサーバの動作の一例を説明するフローチャートである。
図5】実施形態1にかかる車載機器の動作の一例を説明するフローチャートである。
図6】実施形態1にかかる車載機器の動作の一例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態1)
図1は、実施形態1にかかる車線規制情報報知システム1の構成を説明する図である。車線規制情報報知システム1は、車載機器2およびサーバ3を備えている。車載機器2は、複数の車両の各々に搭載されていてもよい。車線規制情報報知システム1は、車載機器2が搭載された車両が、渋滞区間またはその周辺を走行している場合、車載機器2からアンケートを出力し、アンケートへの回答に基づく車線規制情報を報知するシステムである。
【0011】
車載機器2は、通信部21、表示部22、スピーカ23、入力部24、記憶部25、および制御部26を備えている。車載機器2は、車両に搭載される。車載機器2は、いわゆるナビゲーションシステムとしての機能を備えていてもよい。
【0012】
通信部21は、アンケートへの回答をサーバ3に送信する。通信部21は、車線規制情報をさらに受信してもよい。また、通信部21は、VICS(Vehicle Information and Communication System)(登録商標、以下同じ)からの道路交通情報を受信してもよい。通信部21は、適切なネットワーク(不図示)を介してサーバ3の通信部31と双方向通信可能に構成される。ネットワークは、VICS等の道路交通情報システムで用いられる専用ネットワークであってもよく、汎用ネットワーク(例:モバイルネットワーク、インターネット)であってもよい。
【0013】
専用ネットワークを介する場合、通信部21は、例えば、光ビーコン送受信機、電波ビーコン送受信機、FM(Frequency Modulation)多重放送受信機等を含む。光ビーコン送受信機は、路上(例:高速道路上)に設置されている光ビーコン装置との間で双方向通信を行う。光ビーコン送受信機は、ビーコン形式の光信号(光ビーコンとも言われる)を送受信する。電波ビーコン送受信機は、路上に設置されている電波ビーコン装置との間で双方向通信を行う。電波ビーコン送受信機は、ビーコン形式の電波信号(電波ビーコンとも言われる)を送受信する。FM多重放送受信機は、FMラジオの音声に重畳されて音声電波と同時に送信された情報を受信する。
【0014】
汎用ネットワークを介する場合、通信部21は、例えば、Wi-Fi(登録商標、以下同じ)やBluetooth(登録商標、以下同じ)等の無線通信方式で通信する。車載機器2は、車両の搭乗者が所有する通信端末(例:スマートフォン)のテザリング機能を使用してもよい。車載機器2は、通信端末とペアリングされる。テザリングの種類は、例えば、Wi-Fiテザリング、Bluetoothテザリング、USB(Universal Serial Bus)テザリング等である。
【0015】
表示部22は、車両の搭乗者に提示されるアンケートを表示するインタフェースであり、ディスプレイ等で構成される。また、車載機器2がカーナビゲーションシステムとしての機能を備えている場合、地図情報、道路交通情報、および経路の情報がさらに表示される。
【0016】
スピーカ23は、車両の搭乗者に提示されるアンケートの内容を音声で知らせる。なお、アンケートの内容を音声出力しない場合も、実施形態1には含まれ得る。この場合、車載機器2は、スピーカ23を備えていなくてもよい。
【0017】
入力部24は、搭乗者による入力内容を受け付けるインタフェースであり、ボタン、タッチパネル、マイク等で構成される。入力内容は、アンケートへの回答である。また、車載機器2がカーナビゲーションシステムとしての機能を備えている場合、入力内容は、経路の目的地を含んでもよい。
【0018】
記憶部25は、ハードディスク、フラッシュメモリ等の記憶装置であり、RAM(Random Access Memory)を含んでもよい。記憶部25は、制御部26の各機能を実現するためのコンピュータプログラムが格納される。車載機器2がカーナビゲーションシステムとしての機能を備えている場合、記憶部25は、各種道路が含まれる地図情報をさらに記憶していてもよい。
【0019】
制御部26は、判定部261、出力制御部262、回答送信部263、および取得部264を備えている。なお、制御部26は、図示しないプロセッサやメモリなどを備える。プロセッサは、記憶部25からコンピュータプログラムをメモリへ読み込ませ、コンピュータプログラムを実行することで判定部261、出力制御部262、回答送信部263、および取得部264の機能を実現する。
【0020】
判定部261は、受信された道路交通情報(VICS情報とも言われる)に基づいて、車載機器2が搭載された車両が、渋滞区間またはその周辺(渋滞区間等と言われる)を走行しているかを判定する。なお、サーバ3が、各車両が渋滞区間等を走行しているかを判定し、アンケートを出力するための要求を車載機器2に送信してもよい。この場合、車載機器2は、判定部261を備えていなくてもよい。
【0021】
渋滞区間を出た車両の搭乗者もアンケートに回答可能であり、渋滞区間に近づく車両の搭乗者も一定時間後にアンケートに回答可能になる。したがって、車両は、必ずしも渋滞区間を走行している必要はなく、渋滞区間またはその周辺を走行していればよい。
【0022】
判定部261は、渋滞区間の長さが閾値以上であるかをさらに判定してもよい。また、判定部261は、渋滞が車線規制によって発生したかをさらに判定してもよい。車線規制によらずに渋滞(自然渋滞)が発生する場合がある。渋滞区間の長さが閾値未満である場合や、渋滞が車線規制によらずに発生した場合、後述する出力制御部262は、アンケートを出力しなくてもよい。
【0023】
出力制御部262は、車両が渋滞区間等を走行していると判定された場合、アンケートを表示部22に表示する。なお、出力制御部262は、アンケートを表示部22に出力せず、スピーカ23から出力してもよい。また、出力制御部262は、アンケートを表示部22とスピーカ23の両方に出力してもよい。アンケートは、渋滞区間に含まれている複数の車線のうちどの車線が規制されているかを問う質問を含んでいる。また、アンケートは、規制車線の状態(例:発生した事故の内容、誘導員の有無)を問う追加の質問をさらに含んでいてもよい。追加の質問は、誘導員や作業員が保安器具(例:ロードコーン、看板)の片付けを開始し、規制箇所から退去しようとしているかを問うものであってもよい。サーバ3は、車線規制が解除される見込み時刻を報知することができる。
【0024】
出力制御部262は、選択されることでアンケートを表示するためのアイコンを表示部22に出力してもよい。搭乗者は、アイコンをタップ等して選択し、表示されたアンケートに回答できる。
【0025】
出力制御部262は、車両が車線規制によって発生した渋滞区間等を走行している場合、アンケートまたはアイコンの出力を開始する。アンケートが常時表示されているわけではないため、間違った回答が入力される可能性が低減される。アンケート等の出力を開始してから所定時間が経過した場合、出力制御部262は、アンケート等の出力を終了してもよい。
【0026】
渋滞区間に入った時点では、運転者が規制車線を認識できない場合がある。したがって、アンケート等は一定時間以上出力されていることが好ましい。この場合、運転者は、渋滞で車両が停止しているときや、渋滞を抜けてから回答可能となったときなど、都合のよいときに回答を入力できる。また、車両が規制箇所を通過しなければ、運転者が正しい情報を得られない場合もある。
【0027】
なお、アンケートを出力する機能(アンケート機能と言われる)のオンオフが、ユーザの希望に応じて設定されていてもよい。この場合、出力制御部262は、アンケート機能のオンオフを判定する機能を含んでいてもよい。
【0028】
回答送信部263は、車両の搭乗者によって入力された回答を、通信部21を介してサーバ3に送信する。制御部26は、音声入力された回答を認識する機能を含んでいてもよい。回答送信部263は、専用ネットワークを介して回答を送信するか、汎用ネットワークを介して回答を送信するかを決定する機能を含んでいてもよい。
【0029】
取得部264は、サーバ3から報知される車線規制情報を取得する。車線規制情報は、例えば、規制車線や優先走行車線を特定する情報である。そして、車載機器2は、車線規制情報に基づいて走行車線に関する案内を行う。車載機器2は、例えば、優先走行車線への車線移動を促す情報を表示部22やスピーカ23から出力してもよい。
【0030】
なお、車載機器2が取得部264を備えない場合も、実施形態1にかかる車線規制情報報知システム1には含まれ得る。例えば、車線規制情報を受信した自動運転車が、車線規制情報に基づいて車線移動を行ってもよい。この場合、後述する後続車両が、車載機器2(例:ナビゲーション装置)を備えている必要はない。
【0031】
図2は、出力制御部262が出力するアンケートの一例を説明する図である。表示部22に、アンケート4が表示されている。アンケート4は、例えば、ナビゲーション画面に覆いかぶさるように表示される。
【0032】
アンケート4の左側には、車線1~3のうちどの車線が規制されているかを問う質問が示されている。選択肢411~413は、左側の車線(車線1とも言われる)、中央の車線(車線2とも言われる)、および右側の車線(車線3とも言われる)に対応している。例えば、車線1が規制車線である場合、搭乗者は、タッチパネル上の選択肢411にタッチしてもよい。
【0033】
アンケート4の右側には、発生した事故の内容を問う追加の質問が示されている。選択肢421~424は、人身事故、複数車の物損事故、単独車の物損事故、および落下物に対応している。自然渋滞に対応する選択肢が用意されていてもよい。例えば、複数車が関わる事故が発生している場合、搭乗者は、タッチパネル上の選択肢422にタッチしてもよい。追加の質問は、事故の内容を問う質問には限定されず、火災の発生の有無や、荷物の散乱状況や、事故車両の車種(例:大型車、小型車)、誘導員の有無を問う質問を含んでもよい。荷物の散乱状況は、散乱している荷物の種類であってもよく、荷物が散乱している範囲であってもよい。また、アンケート4には、回答しない旨を示す選択肢が含まれていてもよい。
【0034】
アンケート4への回答が音声入力される場合の車載機器2の動作の一例を説明する。アンケート4が表示された後、搭乗者(例:運転者)は、アンケートに回答するために「事故情報の入力」と発話する。搭乗者の発話が認識された場合、出力制御部262は、「どの車線で事故が起きていましたか?」という質問をスピーカ23に出力させる。運転者は、例えば、「1番の車線」と回答する。制御部26は、「1番の車線」という音声から「1」等のエンティティを認識し、回答が車線1であると判定する。
【0035】
運転中の運転者は、アンケート4を見て回答できない場合がある。この場合、回答が曖昧な表現になる可能性がある。したがって、制御部26は、曖昧な表現から回答を判別する機能を含むことが好ましい。例えば、運転者が「左の車線」と回答した場合、制御部26は、回答が車線1であると判定する。
【0036】
渋滞が発生した道路に5つの車線が含まれており、運転者が「左の車線」という曖昧な表現で回答した場合、この表現に対応する車線が2つ存在する。この場合、制御部26は、回答が左側の2つの車線であると判定してもよい。2つの車線の両方が規制車線であるという保証はないが、この回答も、渋滞の状況の悪化を防止することに役立てられ得る。
【0037】
図3は、ナビゲーション画面上に表示されたアイコンを説明する図である。表示部22に、ナビゲーション画面が表示されている。そして、アイコン5が、ナビゲーション画面上に表示されている。アンケートが大きく表示されないため、運転者は、ナビゲーション画面を確認しながら車両を運転できる。出力制御部262は、アンケートが表示された画面を出力した後、一定時間(例:数秒間)操作がなかった場合、アイコン5が表示された画面を出力してもよい。
【0038】
図1に戻り、サーバ3は、通信部31、記憶部32、および制御部33を備えている。通信部31は、アンケートの回答に基づく車線規制情報を車載機器2に報知する。通信部31は、適切なネットワークを介して車載機器2の通信部21と双方向通信可能に構成される。記憶部32は、ハードディスク、フラッシュメモリ等の記憶装置であり、RAMを含んでもよい。記憶部32には、制御部33の各機能を実現するためのコンピュータプログラムが格納される。
【0039】
制御部33は、解析部331および報知部332を備えている。なお、制御部33は、図示しないプロセッサやメモリなどを備えている。プロセッサは、記憶部32からコンピュータプログラムをメモリへ読み込ませ、コンピュータプログラムを実行することにより解析部331および報知部332の機能を実現する。
【0040】
解析部331は、車載機器2から受信した回答から、規制車線に関する情報(車線規制情報と言われる)を解析する。車線規制情報は、具体的には、規制車線を特定する情報や、規制車線以外の車線である優先走行車線を特定する情報である。解析部331は、例えば、規制車線であるという回答が最も多く得られた車線を、規制車線であると判定してもよい。また、解析部331は、規制車線の状態(例:事故の内容、火災の有無、誘導員の有無)に関する追加の質問への回答をさらに解析する。
【0041】
解析部331は、渋滞が発生した車線に関する情報をビッグデータとして保存してもよい。この情報から事故が発生しやすい道路の特徴がわかり、事故の防止に役立てられる可能性がある。例えば、車載機器2が搭載された車両が、事故が発生しやすい道路を走行している場合、車載機器2が運転者の注意を喚起してもよい。
【0042】
報知部332は、アンケートへの回答に基づく車線規制情報を、渋滞区間に向かう車両(後続車両と言われる)に報知する。後続車両は、回答を送信した車載機器2が搭載された車両に対して後ろを走る。報知部332は、具体的には、後続車両に搭載された車載機器2に車線規制情報を送信してもよい。報知部332は、専用ネットワークを介して車線規制情報を送信してもよく、汎用ネットワークを介して車線規制情報を送信してもよい。報知部332は、専用ネットワークを介して車線規制情報を送信するか、汎用ネットワークを介して車線規制情報を送信するかを決定する機能を備えていてもよい。
【0043】
後続車両は、渋滞区間を含む道路を走行している必要はない。後続車両は、渋滞区間を含む道路に入る前であってもよい。この場合、後続車両は、車線規制情報に基づいて当該道路を迂回することができる。
【0044】
車線規制情報は、追加の質問への回答に基づく情報をさらに含んでいてもよい。これにより、後続車両の運転者は、より詳細な情報を知ることができる。例えば、後続車両の運転者は、事故の内容に応じて渋滞区間を含む道路を迂回したり、誘導員がいない場合に予め車線移動したりすることができる。
【0045】
車線規制情報報知システム1は、アンケートへの回答に基づく車線規制情報を報知する。後続車両が予め車線移動を行うことで、十分な走行情報が得られない地域でも渋滞状況の悪化を防止できる。
【0046】
図4は、サーバ3の動作の一例を説明するフローチャートである。ステップS101で、サーバ3の解析部331は、アンケートの集計結果から車線規制情報を解析する。
【0047】
ステップS102で、サーバ3の報知部332は、専用ネットワークを介して車線規制情報を報知するか、汎用ネットワークを介して車線規制情報を報知するかを決定する。専用ネットワークを介して車線規制情報を報知する場合、ステップS103が実行される。汎用ネットワークを介して車線規制情報を報知する場合、ステップS104が実行される。
【0048】
ステップS103で、サーバ3の報知部332は、車線規制情報を電波ビーコン、光ビーコン、FM多重波信号で報知する。ステップS104で、サーバ3の報知部332は、車線規制情報をWi-Fi、Bluetooth等の無線通信方式により報知する。
【0049】
図5および図6は、車載機器2の動作の一例を説明するフローチャートである。図5を参照すると、ステップS201で、車載機器2の取得部264は、車線規制情報を取得して更新する。車載機器2は、ナビゲーションシステムとしての通常動作を行っていてもよい。車載機器2は、渋滞区間に近づいたとき、車線規制情報に基づいて走行車線に関する案内を行ってもよい。
【0050】
ステップS202で、車載機器2の判定部261は、受信した道路交通情報に基づいて車両が渋滞区間等を走行しているかを判定する。車両が渋滞区間等を走行していない場合、処理はステップS201に戻る。車両が渋滞区間等を走行している場合、ステップS203が実行される。
【0051】
ステップS203で、車載機器2の出力制御部262は、アンケート機能がオンになっているかを判定する。アンケート機能がオフである場合、処理はステップS201に戻る。アンケート機能がオンである場合、ステップS204が実行される。
【0052】
ステップS204で、車載機器2の出力制御部262は、渋滞区間の長さが閾値以上であるかを判定する。渋滞区間の長さが閾値未満である場合、処理はステップS201に戻る。渋滞区間の長さが閾値以上である場合、ステップS205が実行される。
【0053】
ステップS205で、車載機器2の出力制御部262は、渋滞が車線規制によって発生したかを道路交通情報に基づいて判定する。渋滞が車線規制によって発生していない場合、処理はステップS201に戻る。渋滞が車線規制によって発生した場合、ステップS206が実行される。
【0054】
ステップS206で、車載機器2の出力制御部262は、アンケートを表示部等に出力する。
【0055】
図6を参照すると、ステップS207で、車載機器2の出力制御部262は、アンケートへの入力がない状態が一定時間継続したかを判定する。入力がない状態が一定時間継続した場合、処理はステップS201に戻る。一定時間継続していない場合、ステップS208が実行される。
【0056】
ステップS208で、車載機器2の制御部26は、画面操作、音声入力等によりアンケートへの回答が入力されたかを判定する。回答が入力されていない場合、処理はステップS207に戻る。回答が入力された場合、ステップS209およびS210が実行される。
【0057】
ステップS209で、車載機器2の出力制御部262は、アンケートの出力を停止する。ステップS210で、車載機器2の制御部26は、アンケートの回答を記録する。
【0058】
ステップS211で、車載機器2の回答送信部263は、専用ネットワークを介して回答を送信するか、汎用ネットワークを介して回答を送信するかを決定する。専用ネットワークを介して回答を送信する場合、ステップS212が実行される。汎用ネットワークを介して回答を送信する場合、ステップS213が実行される。
【0059】
ステップS212で、車載機器2の回答送信部263は、電波ビーコン、光ビーコン等で回答を送信する。ステップS117で、車載機器2の回答送信部263は、Wi-Fi、Bluetooth等の無線通信方式で回答を送信する。
【0060】
ステップS214で、車載機器2の回答送信部263は、回答の送信に成功したかを判定する。回答の送信に成功した場合、処理はステップS201に戻る。回答は、サーバ3によって解析される。回答の送信に失敗した場合、処理はステップS211に戻る。
【0061】
車線規制情報報知システム1は、アンケートへの回答に基づいて規制車線を特定し、車線規制情報を後続車両に報知する。これにより、規制箇所付近での車線移動の数が減少し、渋滞状況の悪化が抑えられ、かつ、車線移動による事故の発生を防止できる。
【0062】
また、GPSの位置精度を考慮すると、従来技術では規制車線を正確に特定できない可能性がある。車線規制情報報知システム1は、アンケートを用いることで規制車線をより正確に特定できる可能性がある。
【0063】
車線規制情報報知システム1は、高速道路上で渋滞状況が悪化することを防止するために用いられてもよい。インターチェンジ間の距離が長いため、渋滞情報に基づいて高速道路上の渋滞区域を迂回することが難しく、高速道路では渋滞状況が悪化しやすいという問題がある。車線規制情報報知システム1は、この問題を解決できる。
【0064】
上述したプログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、Random Access Memory(RAM)、Read Only Memory(ROM)、フラッシュメモリ、Solid State Drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、Digital Versatile Disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【符号の説明】
【0065】
1 車線規制情報報知システム
2 車載機器
21 通信部
22 表示部
23 スピーカ
24 入力部
25 記憶部
26 制御部
261 判定部
262 出力制御部
263 回答送信部
264 取得部
3 サーバ
31 通信部
32 記憶部
33 制御部
331 解析部
332 報知部
4 アンケート
411、412、413、421、422、423、424 選択肢
5 アイコン
図1
図2
図3
図4
図5
図6