(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011675
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】記録装置、制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 11/42 20060101AFI20240118BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20240118BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
B41J11/42
B41J2/01 305
B41J2/01 401
B41J29/38 302
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113885
(22)【出願日】2022-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】000208743
【氏名又は名称】キヤノンファインテックニスカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】稲生 優人
(72)【発明者】
【氏名】尾高 祥司
【テーマコード(参考)】
2C056
2C058
2C061
【Fターム(参考)】
2C056EB13
2C056EB46
2C056EC58
2C056EC69
2C056EC80
2C056HA29
2C058AB16
2C058AC07
2C058AC12
2C058AD06
2C058AE04
2C058AF06
2C058AF27
2C058AF31
2C058GB05
2C058GB14
2C058GB17
2C058GB21
2C058GB31
2C058GB32
2C058GB48
2C058GH02
2C058GH03
2C058GH06
2C061AP01
2C061AQ04
2C061AQ05
2C061AR01
2C061AS08
2C061HJ06
2C061HK11
2C061HN08
2C061HN24
2C061HV11
2C061HV44
2C061HV50
(57)【要約】
【課題】つなぎ合わされた連続用紙が給紙された場合でも、つなぎ合わされたことによる影響を軽減すること。
【解決手段】
複数のラベルが所定の間隔を空けて配置された記録媒体を、搬送方向に搬送する搬送手段と、前記記録媒体に配置されたラベルを検出するためのセンサと、前記センサに基づき検出されたラベルに画像を印刷する印刷手段と、制御手段と、を有する記録装置の前記制御手段は、前記記録媒体に配置されたラベルの前記搬送方向における予め決められた長さの情報を取得し、前記センサに基づき検出された第1のラベルの前記搬送方向の長さを、前記センサの出力に基づき算出し、前記算出された長さと前記取得された情報が示すラベルの前記搬送方向の長さとを比較した結果に応じて、前記第1のラベルの次に前記センサに基づき検出される第2のラベルへは、前記第1のラベルに対する印刷対象の画像の印刷が行われるように制御する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のラベルが所定の間隔を空けて配置された記録媒体を、搬送方向に搬送する搬送手段と、
前記記録媒体に配置されたラベルを検出するためのセンサと、
前記センサに基づき検出されたラベルに画像を印刷する印刷手段と、
前記記録媒体に配置されたラベルへ画像を印刷するための制御をする制御手段と、を有する記録装置であって、
前記制御手段は、
前記記録媒体に配置されたラベルの前記搬送方向における予め決められた長さの情報を取得し、
前記センサに基づき検出された第1のラベルの前記搬送方向の長さを、前記センサの出力に基づき算出し、
前記算出された長さと前記取得された情報が示すラベルの前記搬送方向の長さとを比較した結果に応じて、前記第1のラベルの次に前記センサに基づき検出される第2のラベルへは、前記第1のラベルに対する印刷対象の画像の印刷が行われるように制御する
ことを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記算出された長さと前記取得された情報が示すラベルの前記搬送方向の長さとを比較した結果に基づき、前記センサに基づき検出された前記第1のラベルが正常であるかを決定し、前記第1のラベルが正常でないと決定した場合、前記第1のラベルの次に前記センサに基づき検出される第2のラベルへは、前記第1のラベルに対する印刷対象の画像の印刷が行われるように制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記算出された長さと、前記取得された情報が示す前記印刷対象のラベルの前記搬送方向の長さと、の差が所定の値以下である場合、前記センサに基づき検出された前記第1のラベルは正常と決定し
前記算出された長さと、前記取得された情報が示す前記印刷対象のラベルの前記搬送方向の長さと、の差が所定の値より大きい場合、前記センサに基づき検出された前記第1のラベルは正常でないと決定する
ことを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記センサに基づき検出された前記第1のラベルが正常であると決定した場合、次に前記センサに基づき検出される前記第2のラベルへ印刷は、前記第1のラベルへ印刷した画像の次のページの画像の印刷が行われるように制御する
ことを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記センサに基づき検出された前記第1のラベルが正常でないと決定した場合、印刷対象ページを変更しないで、次に前記センサに基づき検出される前記第2のラベルへの印刷が行われるように制御する
ことを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項6】
同一の画像を、前記記録媒体に配置された所定の枚数のラベルに印刷する場合、
前記制御手段は、前記センサに基づき検出された前記第1のラベルが正常でないと決定した場合、前記第1のラベルへの印刷は印刷枚数としてカウントしない
ことを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項7】
前記センサに基づき検出された前記第1のラベルが正常でないと決定した場合であって、かつ、前記印刷手段が前記第1のラベルに対して印刷している場合、前記搬送手段は前記記録媒体の搬送を停止しないで、前記印刷手段は行っている印刷を停止する
ことを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項8】
前記センサに基づき検出された前記第1のラベルが正常でないと決定した場合であって、かつ、前記印刷手段が前記第1のラベルに対して印刷する前である場合、前記搬送手段は、前記記録媒体の搬送を停止しないで、前記印刷手段は、前記第1のラベルへの印刷は行わない
ことを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項9】
前記記録装置は、所定のモードを有効にするか無効にするかを切り替え可能に構成されており、
前記制御手段は、
前記所定のモードが有効である場合は、前記センサに基づき検出された前記第1のラベルが正常でないと決定した場合であっても、前記搬送手段に前記記録媒体の搬送を停止させない
ことを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項10】
前記制御手段は、
前記所定のモードが無効である場合で、かつ、前記センサに基づき検出された前記第1のラベルが正常でないと決定した場合、エラーとして前記搬送手段に前記記録媒体の搬送を停止させる
ことを特徴とする請求項9に記載の記録装置。
【請求項11】
前記制御手段は、
前記所定のモードが有効である場合であっても、前記記録媒体が給紙された後、最初に前記センサに基づき検出されたラベルが正常でないと決定した場合は、エラーとして前記搬送手段に前記記録媒体の搬送を停止させる
ことを特徴とする請求項9に記載の記録装置。
【請求項12】
前記制御手段は、
前記記録媒体のラベルの先端および後端を前記センサの出力に基づき検出し、前記先端および前記後端の距離を算出することで、前記センサに基づき検出されたラベルの前記搬送方向の長さを算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項13】
前記記録媒体は、接続部材でつなぎ合わされた箇所を含む
ことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項14】
複数のラベルが所定の間隔を空けて配置された記録媒体を、搬送方向に搬送する搬送手段と、
前記記録媒体に配置されたラベルを検出するためのセンサと、
前記センサに基づき検出されたラベルに画像を印刷する印刷手段と、を有する記録装置の制御方法であって、
前記記録媒体に配置されたラベルの前記搬送方向における予め決められた長さの情報を取得する工程と、
前記センサに基づき検出された第1のラベルの前記搬送方向の長さを、前記センサの出力に基づき算出する工程と、
前記算出された長さと前記取得された情報が示すラベルの前記搬送方向の長さとを比較した結果に応じて、前記第1のラベルの次に前記センサに基づき検出される第2のラベルへは、前記第1のラベルに対する印刷対象の画像の印刷が行われるように制御する工程と、
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項15】
コンピュータに、請求項14に記載の制御方法の各工程を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、連続した記録媒体に記録を行う記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ラベルが所定間隔で配置されている連続用紙を搬送して、搬送された連続用紙上のラベルに対して画像を印刷するプリンタがある。
【0003】
特許文献1には、搬送された連続用紙のラベルにおける印字位置を決めるために、マーク検出モードと送り量検出モードを有するプリンタが記載されている。マーク検出モードでは、連続用紙のマークをセンサで検知し、マークの位置を基準として印字位置の位置決めを行う。送り量検出モードでは、予め設定された単位用紙長に基づいて用紙送り量を基準として印字位置の位置決めを行う。特許文献1のプリンタでは、マークが検知できなかった場合は、送り量基準モードで印刷を継続することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、印刷の前処理を行う際のトラブルにより連続用紙が切断された場合、切断箇所をテープなどの接続部材でつなぎ合わせることがある。そして、テープでつなぎ合わせた連続用紙がプリンタに給紙されて、その連続用紙が印刷に用いられることがある。
【0006】
図9に示すように、ラベル同士が重なるように連続用紙をテープ900でつなぎ合わせた場合、つなぎ合わされたラベルに画像901が印刷されてしまうことがある。つなぎ合わされたラベルは成果物として使用できないが、特許文献1の方法では、つなぎ合わされたラベルに画像が印刷された場合でも、次のラベルには次ページの画像が印刷されてしまう。このため、特許文献1の方法では、欠落ページが発生してしまう。
【0007】
また、特許文献1の方法では、マークが正しく検知できなかった場合は、送り量検出モードで次のラベルへ印刷を行っている。しかしながら、
図9に示すように、つなぎ合わされた箇所のラベルは、つなぎ合わされたことにより、予め設定した単位用紙長とは異なる長さとなっていることがある。このため、予め設定した単位用紙長に基づく用紙送り量によって印刷を行うと、適切ではない位置に画像902が印刷されてしまう。また、特許文献1には、マークを検知した結果、ラベルが短く検出された場合の処理については記載されていない。
【0008】
本発明はこのような課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、つなぎ合わされた連続用紙が給紙された場合でも、つなぎ合わされたことによる影響を軽減することが可能な記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の記録装置は、複数のラベルが所定の間隔を空けて配置された記録媒体を、搬送方向に搬送する搬送手段と、前記記録媒体に配置されたラベルを検出するためのセンサと、前記センサに基づき検出されたラベルに画像を印刷する印刷手段と、前記記録媒体に配置されたラベルへ画像を印刷するための制御をする制御手段と、を有する記録装置であって、前記制御手段は、前記記録媒体に配置されたラベルの前記搬送方向における予め決められた長さの情報を取得し、前記センサに基づき検出された第1のラベルの前記搬送方向の長さを、前記センサの出力に基づき算出し、前記算出された長さと前記取得された情報が示すラベルの前記搬送方向の長さとを比較した結果に応じて、前記第1のラベルの次に前記センサに基づき検出される第2のラベルへは、前記第1のラベルに対する印刷対象の画像の印刷が行われるように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、つなぎ合わされた連続用紙が給紙された場合でも、つなぎ合わされたことによる影響を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】記録装置に給紙される記録紙を説明するための図である。
【
図3】記録装置の制御に係る構成を示すブロック図である。
【
図4】切断箇所がつなぎ合わせた記録紙を説明するための概略図である。
【
図5】印刷シーケンスを説明するためのフローチャート。
【
図6】印刷対象ページの印刷処理を説明するためのフローチャート。
【
図8】印刷対象ページの印刷処理を説明するためのフローチャート。
【
図9】比較例の印刷結果を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本開示の技術な実施形態を説明する。
【0013】
<実施形態1>
[内部構成]
図1は、インクジェット記録ヘッドを搭載した本実施形態の記録装置100の内部構造の概略を示す側断面図である。
図1に示すように、記録装置100は、USBケーブルを介してホストコンピュータ(以下、ホスト)101と接続されている。
【0014】
記録装置100は記録紙の幅全体に渡って複数のノズルを配列した4つのフルライン記録ヘッド(以下、記録ヘッド)102~105を記録紙の搬送方向に沿って備えている。4つの記録ヘッド102~105はそれぞれ、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクを吐出して印刷を行い、4つの記録ヘッドから吐出される4色のインクにより、画像データに基づくフルカラー画像を印刷する。
【0015】
画像データは、ホスト101で生成される。ホスト101は、4色のインクに対応したブラック(K)成分、シアン(C)成分、マゼンタ(M)成分、イエロー(Y)成分に色値が分離され、濃度で色値が指定された画像データを記録装置100に送信する。記録装置100では、記録紙106を給紙し、押さえローラ107と搬送ベルト108で挟持して記録ヘッド102~105がある方向(搬送方向)へ記録紙106が搬送される。
【0016】
図2は、本実施形態の記録紙106を説明するための図である。
図2の上の図は、記録紙106を表しており、本実施形態の記録紙106は、ロール状の記録媒体(連続用紙ともいう)である。また記録紙106は、いわゆるラベル紙であり、連続した台紙201にラベル202が搬送方向に所定の間隔で仮着されて配置されている。ラベルとラベルの間に設けられている間隔をギャップ203とよび、ギャップ203は台紙201だけで構成されている。
【0017】
端部検知センサ109は、発光部および受光部を有する光電式センサである。発光部は光を照射し、その光は記録紙106を透過して、透過した光を受光部が受光する。そして端部検知センサ109は、透過光の光量を表す電圧値を出力する。用紙の透過度が高いほど透過光量が大きいため大きな電圧値が出力される。このため端部検知センサ109の検知結果に基づき、搬送された記録紙106の搬送方向における各位置の透過度を検出することができる。
【0018】
図2の下の図は、
図2の記録紙106を端部検知センサ109が検知した結果を表すグラフである。
図2の下のグラフの縦軸は電圧値であり横軸は、記録紙106の搬送方向における位置である。記録紙106におけるギャップ203の位置とラベル202の位置との透過度は異なる。ラベル202のある位置は、台紙201の上にラベル202が仮着されているためギャップ203よりも透過度が低い。即ち、ラベル202のある位置を端部検知センサ109が検知した結果出力される電圧値は、ギャップ203を検知した場合の電圧値よりも低くなる。このため、端部検知センサ109の検知結果に基づき、電圧値が閾値Thよりも低くなった位置を検出することで、搬送された記録紙106におけるラベル202の位置を検出することができる。なお、ラベル202の端部のうち、搬送方向の端部を先端と、搬送方向と反対方向の端部を後端とよぶ。
【0019】
各記録ヘッド102~105は、ラベル202の先端からの搬送量に基づく印刷タイミングに従ってインクをラベル202に吐出することにより画像の印刷を行う。搬送量は、搬送ベルト108に同期して信号を出力する不図示のエンコーダの出力をカウントすることにより導出される。
【0020】
記録装置100は、ページ単位の画像データを受信するものとする。記録装置100は、1ページ分の画像を1つのラベルに対して印刷を行う。ラベル202の先端の検出と印刷タイミングの決定とを繰り返すことで、搬送された記録紙106に含まれるラベルに順次、印刷対象ページの画像の印刷が行われる。
【0021】
[機能構成]
図3は、記録装置100の制御に係るハードウェア構成を示すブロック図である。記録装置100の制御部であるコントローラ300は、CPU301、ROM302、RAM303、イメージバッファメモリ304~307、ヘッド駆動回路308、モータドライバ310、制御回路320を有する。
【0022】
CPU301は、ROM302に格納されている制御プログラムをRAM303上の作業領域を用いて実行して各構成を制御する。また、コントローラ300では、RAM303は、各種データ処理の作業領域や受信バッファとして使用される。イメージバッファメモリ304~307は、画像展開部としてブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色成分濃度データを格納するのに用いられる。ヘッド駆動回路308は記録ヘッド102~105を駆動するために用いられる。モータドライバ310は、各色の記録ヘッド102~105が記録を行うのに最適な状態に保つためのクリーニング動作、および記録動作を制御する各種モータ309を駆動する。ASICの制御回路320は、各種動作の制御、および記録紙106のラベルの端部を検出するための端部検知センサ109を制御する。
【0023】
また、記録装置100は、ホスト101から送信された画像データやクリーニングコマンドなどを、USBケーブルを介して受信するためのUSBコントローラ312を有する。記録装置100のインタフェースはUSBに限られず、有線または無線ネットワークを介してホスト101と接続されていてもよい。記録装置100は、ホスト101から受信した各種コマンド命令に従って動作する。
【0024】
[記録紙のつなぎ合わせについて]
図4は、記録紙106のつなぎ合わせについて説明するための図である。印刷の前処理を行う際のトラブル等によりロール状の記録紙106は、途中で切断されてしまうことがある。
図4(a)の記録紙106は、ギャップ203内の切断箇所401で切断された後の記録紙を表す図である。記録紙106が切断された場合、記録紙106の切断箇所401をテープでつなぎ合わせることが行われる。そして、テープで切断箇所401がつなぎ合わされた記録紙106が記録装置100に給紙される。
【0025】
テープで切断箇所401をつなぎ合わさせる場合、
図4(a)の矢印を結び合わせた位置を台紙201の上面、下面、または上面および下面の両方からテープでつなぎ合わせ、連続する記録紙106とする。つなぎ合わせ方によっては、
図4(b)~(d)に示すように、端部検知センサ109の検知の結果検出されるラベルの位置が本来の位置とは異なって検出されてしまうことがある。
【0026】
図4(b)~(d)は、
図4(a)の記録紙106の切断箇所401をテープでつなぎ合わせた後の記録紙106の例をそれぞれ示す図である。
図4(b)~(d)の斜線部はテープの位置および大きさを表す。ギャップ203におけるテープのある領域は、テープの無い領域よりも透過度は下がるため、端部検知センサ109が出力する電圧値は低くなることになる。
【0027】
図4(b)は、ギャップ203の範囲内にテープが含まれるように切断箇所401をつなぎ合わせた例である。本来、ギャップ203は、台紙201のみが含まれるためラベル202のある領域よりも透過率が高い。このため、
図2を用いて説明したように、ギャップ203を端部検知センサ109検知した結果得られる電圧値は閾値より高くなる。一方、
図4(b)ではギャップ203内で、切断箇所401がテープでつなぎ合わされている。このためギャップ203内であってもテープのある領域(斜線部)とテープの無い領域では透過率が異なる。即ち、ギャップ内において切断箇所をつなぎ合わせているテープのある領域(斜線部)では透過率が低下して、電圧値が閾値を下回ってしまう。このため、電圧値と閾値とを比較すると、制御上、ギャップ203内にラベルがあると判定されてしまう。このため、制御上ではギャップ203内に短いラベルがあるかのように処理が行われてしまう。
【0028】
図4(c)は、切断箇所401をギャップ203の幅を超える幅のテープにてつなぎ合わせた例である。ギャップ203は全てテープで覆われているため、ギャップを端部検知センサ109が検知した結果取得される電圧値は、ラベル202を検知した場合に取得される電圧値と同等か近似した値になる。このため、制御上は2つ分のラベルの長さのある1つのラベルがあると判定されてしまう。
【0029】
図4(d)は、ラベルを重ね合わせて切断箇所をつなぎ合わせた例を示す図である。
図4(c)と同様にギャップ203はテープ又は他方のラベルで覆われるため、取得される電圧値はラベルと同等か近似した値になる。このため、制御上は長いラベルがあるかのように処理される。
【0030】
[フローチャート]
図5は本実施形態の記録装置100で実行される印刷シーケンスのフローを説明するためのフローチャートである。
図5のフローチャートで示される一連の処理は、コントローラ300のCPUがROMに記憶されているプログラムコードをRAMに展開し実行することにより行われる。また、
図5におけるステップの一部または全部の機能をASICや電子回路等のハードウェアで実現してもよい。なお、各処理の説明における記号「S」は、当該フローチャートにおけるステップであることを意味し、以後のフローチャートにおいても同様とする。
【0031】
図5のフローチャートは、ホスト101から画像データを含む印刷データと印刷開始指示が送信され、印刷動作を開始した後に開始される。印刷動作が開始されると搬送機構(搬送ベルト108)が搬送方向に記録紙106の搬送に開始する。即ち、
図5のフローチャートが開始されると、記録紙106の搬送についても開始される。ホスト101から送信された印刷データには、印刷が行われる用紙(ラベル)のサイズ、用紙(ラベル)の種類の情報が含まれる。即ち、記録紙106に含まれるラベルにおける予め測定して決められたサイズおよびラベルの種類がホストから送信される。
【0032】
S501においてコントローラ300は、印刷データから記録紙106に含まれるラベルのサイズおよびラベルの種類の情報を取得する。なお、ラベルの情報は、印刷データ以外から取得してもよい。また、ラベルのサイズおよびラベルの種類は、予めROM302に保存されていてもよい。
【0033】
コントローラ300は、端部検知センサ109の検知結果を随時取得して、搬送された記録紙106に含まれるラベルの先端が検出されたかを監視している。S502においてコントローラ300は、端部検知センサ109で検知した結果得られた電圧値を随時取得して、取得された電圧値が閾値Th以下となったかを判定する。電圧値が閾値Th以下となったとき、制御上、記録紙106上のラベルの先端が検出されたことになる。コントローラ300がラベルの先端を検出した場合(S502がYES)、S503へ進む。
【0034】
S503においてコントローラ300は、印刷指示にて指定されている印刷対象ページの画像の印刷処理を開始する。ホスト101から送信される画像データは、ページ単位の画像データが送信されるものとして説明する。1ページ分の画像データが、1つのラベルに印刷する画像のデータに相当する。1ページごとに印刷対象ページが選択されて、印刷対象ページの画像に対する印刷処理がS503で行われる。最初は、1ページ目の画像の印刷処理が行われることになる。S503の処理の詳細は、後述する。
【0035】
S504においてコントローラ300は、未印刷のページがあるか判定する。未印刷のページがあると判定された場合(S504がYES)、再度S502へ戻り、印刷対象ページを次に検出されたラベルへ印刷するために、次のラベルの先端を検出されたかを監視する。未印刷のページがないと判定された場合(S504がNO)、印刷シーケンスは終了する。
【0036】
図6は本実施形態における印刷対象ページの画像の印刷処理を説明するためのフローチャートである。
図6を用いてS503の処理の詳細を説明する。
【0037】
S601においてコントローラ300は、印刷対象ページの画像が印刷される印刷対象のラベルの測長を開始する。即ち、S502でラベルの先端が検出されてからラベルの後端が検出されるまでの搬送量(距離)の測定を開始する。コントローラ300は、不図示のエンコーダの入力信号をカウントすることで、搬送量を導出することができる。
【0038】
また、コントローラ300は、印刷対象ページの画像を印刷するためのインクの吐出開始位置までのカウントを開始する。吐出開始位置とは、印刷対象のラベルにおけるインクが初めて吐出される位置のことを指す。吐出開始位置は、ラベルの先端が検出されてから所定の搬送量だけ搬送されたときの位置であり、所定の搬送量は、記録ヘッド102~105と端部検知センサ109との位置、印刷対象ページの画像データに基づき算出される。コントローラ300は、不図示のエンコーダの入力信号をカウントすることで、所定の搬送量だけ搬送されたかを導出できる。
【0039】
S602においてコントローラ300は、不図示のエンコーダの入力信号をカウントした結果、印刷対象のラベルの吐出開始位置に到達したかを判定する。印刷開始位置に到達したと判定された場合(S602がYES)、S603に進む。
【0040】
S603においてコントローラ300は、記録ヘッド102~105にインクの吐出を開始させ、検出された印刷対象のラベルへ印刷対象ページの画像の印刷を開始させる。
【0041】
コントローラ300は、端部検知センサ109が検知した結果得られた電圧値を随時取得しており、S604では、コントローラ300は、取得された電圧値が閾値Thより大きくなったかを電圧値が取得された都度判定する。電圧値が閾値Thより大きくなった場合、制御上、今回検出された印刷対象のラベルの後端が検出されたことになる。コントローラ300がラベルの後端を検出した場合(S604がYES)、S605へ進む。
【0042】
S605においてコントローラ300は、S601で測長を開始した時からのデータから今回検出された印刷対象のラベルの搬送方向の長さを算出する。例えば、コントローラ300は、S502で先端が検出されてからS604で後端が検出されるまでの記録紙106の搬送量(距離)に基づき、検出された印刷対象のラベルの搬送方向の長さを算出できる。
【0043】
S606においてコントローラ300は、S501で取得された印刷データで指定されたラベルの搬送方向における長さと、S605で算出された長さが等しいかを判定する。S606においてコントローラ300は、完全に等しいかを判定するわけではなく、S605で算出された長さに、マージンを考慮した値によって決定された値を加味した値の範囲内に、印刷データで指定されたラベルの長さが含まれるか判定する。例えば、コントローラ300は、印刷データで指定されたラベルの長さが、S605で算出されたラベルの長さ±5mm以内であるかを判定する。換言すれば、S605で算出された長さと、印刷データで指定されたラベルの搬送方向の長さと、の差が所定の値以下(例えば5mm以下)であるか判定される。
【0044】
印刷データで指定されたラベルの長さと、S605で算出された長さが等しいと判定された場合(S606がYES)、今回検出された印刷対象のラベルは、切断箇所をつなぎ合わせているテープなどが含まれていない正常なラベルと考えられる。このため、今回検出された印刷対象のラベルに印刷対象ページの画像が適切に印刷されたことになる。よって、S607に進み、コントローラ300は、残りのページがある場合は、印刷対象ページを次ページに変更する。そして、次に検出されるラベルに対して変更後の印刷対象ページの画像を印刷するためにS502~S503の印刷処理が行われる。
【0045】
一方、印刷データで指定されたラベルの長さと、S605で算出された長さが等しくないと判定された場合(S606がNO)、今回検出された印刷対象のラベルは、正常でないラベルと考えられる。例えば、切断箇所をつなぎ合わせているテープが含まれていると考えられる。このため、印刷対象ページの画像が印刷されていても成果物として用いることができない。よって、S608に進み、コントローラ300は、印刷対象ページの画像の印刷が途中であった場合には、記録ヘッド102~105にインクの吐出を停止させて、印刷対象のラベルへの印刷対象ページの画像の印刷処理を中断させる。なお、記録紙106の搬送は停止されずに続けられる。そしてS607とは異なり、S608では印刷対象ページを次ページに変更しない。また、印刷対象ページの画像が印刷済みであった場合にはS608では何もしない。
【0046】
そして、次のS502~S503では、次に検出されたラベルを印刷対象のラベルとし、再度、今回の印刷対象ページを印刷対象ページとして印刷処理が行われる。
【0047】
図7は切断箇所におけるつなぎ合わせ方法がそれぞれ異なる状態における本実施形態の印刷処理の結果を説明するための図である。
【0048】
図7(a)は、2枚目のラベルと3枚目のラベルとの間のギャップ203にある切断箇所をギャップ203の幅より小さな幅のテープにてつなぎ合わせた記録紙106の例を示している。
図4(b)で説明したように、ギャップ203の範囲内に切断箇所をつなぎ合わせたテープが含まれるため、ギャップ203内にラベルがあるかのように判定される領域ができている。
【0049】
図6のフローチャートでは、端部検知センサ109によってラベルの先端が検出されてから吐出開始位置に到達するまではラベルの後端を検出しないフローとなっている。しかしながら、記録紙106によっては吐出開始位置に到達する前に、ラベルの後端を端部検知センサ109が検出する場合もある。
図7(a)の記録紙106がその例である。吐出開始位置に到達する前に、ラベルの後端が端部検知センサ109を通過してラベルの後端が検出された場合、例えば、ラベルへの印刷を中止して搬送を継続させる。
【0050】
具体的には、コントローラ300は、
図7(a)に示すように2ページ目の「Sample Print 2」の画像を印刷した後、印刷対象ページを3ページ目に変更する(S607)。そして、次のS503では、3ページ目の画像「Sample Print 3」を印刷する処理を行う。コントローラ300は、位置701でラベルの先端を制御上検出して、ラベルの長さの測定を開始し(S601)、先に、位置702でラベルの後端を制御上検出する(S604)。そして、コントローラ300は、位置701から位置702までの長さと、印刷データで指定されたラベルの長さを比較して、長さが等しくいないと判定する(S606がNO)。このため、コントローラ300は3ページ目の画像の印刷をいったん中止させる。しかし、記録紙106の搬送は継続する(S608)。そして、印刷対象ページを3ページ目としたまま、S502に戻り、S502~S503において、次に検出されたラベルに対して再度、3ページ目の画像「Sample Print 3」の印刷処理を実行する。よって、次の先端が検出された位置703から吐出開始位置に到達したら「Sample Print 3」を印刷するためのインクの吐出が開始される。
【0051】
図7(b)は、2枚目のラベルと3枚目のラベルとの間のギャップにある切断箇所をギャップの幅より大きな幅のテープにてつなぎ合わせた例を示している。
図4(c)を用いて説明したように、2枚目のラベルと3枚目のラベルが1枚のラベルかのように制御上検出される。
【0052】
コントローラ300は、
図7(b)が示すように1ページ目の「Sample Print 1」の画像を印刷した後、印刷対象ページを2ページ目に変更する(S607)。そして、次のS503では、2ページ目の画像「Sample Print 2」を印刷する処理を行う。コントローラ300は、位置704でラベルの先端を制御上検出して、ラベルの長さの測定を開始し(S601)、その後、画像「Sample Print 2」の印刷が開始させる(S603)。そして、位置705でラベルの後端を制御上検出する(S604)。
【0053】
コントローラ300は、位置704から位置705までの長さと、印刷データで指定されたラベルの長さを比較して、長さが等しくいないと判定する(S606がNO)。後端を検出した時点で印刷対象ページである2ページ目の画像「Sample Print 2」の印刷は終了している。しかし、
図6(b)に示すように2ページ目の画像が印刷された2枚目のラベルにはテープが含まれるため成果物として使用できない。このため、印刷対象ページを2ページ目としたまま(S608)、S502に戻る。そして、次のS502~S503において、次に検出されたラベルに対して再度、2ページ目の画像「Sample Print 2」の印刷処理を実行する。よって、次の先端が検出された位置706から吐出開始位置に到達したら「Sample Print 2」の印刷をするためのインクの吐出が開始される。
【0054】
図7(c)は、ラベルを重ね合わせて切断箇所をつなぎ合わせた例を示す図である。
図7(b)と同様に制御上は、2枚目のラベルと3枚目のラベルにかけて1枚の長いラベルがあるかのようにラベルが検出される。2ページ目の画像「Sample Print 2」は2枚目のラベルにのみいったん印刷される。S606では、2枚目のラベルの先端の位置707と、3枚目のラベルの後端の位置708との長さと、印刷データで指定されたラベルの長さとが比較されるため、長さが等しくいないと判定される(S606がNO)。よって、印刷対象ページを次ページに変更せず、
図7(b)と同様に、次の先端が検出された位置709から吐出開始位置に到達したら「Sample Print 2」の印刷が実行される。
【0055】
図7(d)は、2枚目のラベルが印刷データで指定されたラベルの長さよりも短くなるように、つなぎ合わされた記録紙106に対して印刷処理が行われた場合の印刷結果を説明するための図である。
【0056】
コントローラ300は、
図7(d)が示すように1ページ目の「Sample Print 1」の画像を印刷した後、印刷対象ページを2ページ目に変更する(S607)。そして、次のS503では、2ページ目の画像「Sample Print 2」を印刷する処理を行う。コントローラ300は、位置710でラベルの先端を制御上検出して、ラベルの長さの測定を開始し(S601)、その後、画像「Sample Print 2」の印刷が開始される(S603)。そして、位置711でラベルの後端を制御上検出する(S604)。
【0057】
コントローラ300は、位置710から位置711までの長さと、印刷データで指定されたラベルの長さを比較して、長さが等しくいないと判定する(S606がNO)。後端(位置711)を検出した時点で印刷対象ページである2ページ目の画像「Sample Print 2」の印刷は終了していない。このため、コントローラ300は、2ページ目の画像の印刷は途中ではあるがインクの吐出を中断させる。しかし記録紙106の搬送は停止させない(S608)。そして、印刷対象ページを2ページ目としたまま、
図5のS502に戻る。そして、次のS502~S503において、次に検出されたラベルに対して再度、2ページ目の画像「Sample Print 2」の印刷処理を実行する。
【0058】
なお、ラベルのサイズによっては、ページの印刷処理を実施している最中に次のラベルの先端が検出されることもある。その場合、2ページ以上のページを印刷対象ページとして、複数ページの印刷処理が並行して実行されてもよい。
【0059】
以上説明したように本実施形態によれば、搬送された記録紙から検出されたラベルの長さが、印刷データで指定された長さと異なる場合でも、用紙サイズエラーして搬送を停止することなく印刷シーケンスを継続する。そして、搬送された記録紙から検出されたラベルの長さが、印刷データで指定された長さと異なる場合は、印刷対象ページを変更しない。このため、印刷指示を受けたページの一部が欠落することなく、成果物として利用可能な全てのページ分のラベルを出力することが可能となる。このように本実施形態では、搬送を中断せずかつページが欠落することなく、成果物として利用可能なラベルを出力することが可能となる。
【0060】
なお、ホスト101から送信される印刷指示は、同一画像を複数枚(n枚)のラベルに印刷する印刷指示である場合がある。この場合の
図6の処理について説明する。
【0061】
S606において印刷データで指定されたラベルの長さと、検出されたラベルの長さが等しいと判定された場合は、S607に進む。S607においてコントローラ300は、今回の印刷がi枚目の印刷であった場合、印刷枚数をi+1にインクリメントする。そして、S504では現在の印刷枚数がn以下であるかが判定され、現在の印刷枚数がn以下の場合、次のS503ではi+1枚目の印刷を実行させる。S504で現在の印刷枚数がnより大きいと判定された場合は、印刷シーケンスは終了となる。
【0062】
一方、S606において印刷データで指定されたラベルの長さと、検出されたラベルの長さが等しくないと判定された場合はS608に進む。S608においてコントローラ300は、印刷枚数をインクリメントしない。そして、今回の印刷がi枚目の印刷であった場合、コントローラ300は、次のS503でもi枚目の印刷が行われるように制御する。
【0063】
<実施形態2>
実施形態1では、端部検知センサの検知結果に基づき算出されたラベルの長さと、印刷データで指定されたラベルの長さが異なる場合でも、エラーとせずに、搬送を継続させ印刷処理を続ける方法を説明した。しかしながら、検出されたラベルの長さが印刷データで指定された長さと異なる場合、エラーとして検出され、以後の印刷動作すなわち搬送を停止するように制御されることを望むユーザも存在すると考えられる。例えば、テープによるつなぎ合わせがされていない連続用紙が記録装置100に給紙されたとする。この場合、検出されたラベルの長さが印刷データで指定された長さと異なるということは、何らかの異常が生じたことが考えられるため、記録紙の搬送を停止して印刷動作を停止させることが望まれる。
【0064】
そこで本実施形態では、印刷継続モードを有効にするか無効にするかを切り替え可能に構成されている記録装置100について説明する。印刷継続モードは、検知したラベルの長さと印刷データで指定されたラベルの長さが異なる場合でも記録紙の搬送を止めないで印刷シーケンスを継続させるモードである。印刷継続モードの切り替えは、例えば、ユーザの指示によって切り替えられる。本実施形態では、印刷継続モードを無効に切り替えることにより、検出されたラベルの長さが印刷データで指定された長さと異なる場合に、エラーとして記録紙の搬送を停止できるようにする。本実施形態については、実施形態1からの差分を中心に説明する。特に明記しない部分については実施形態1と同じ構成および処理である。
【0065】
図8は本実施形態における印刷対象ページの印刷処理を説明するためのフローチャートである。
図8を用いて本実施形態におけるS503の処理の詳細を説明する。
【0066】
S801~S807は、S601~S607と同様である。
【0067】
S806においてコントローラ300が、印刷データで指定されたラベルの長さと、S805で算出された長さが等しくないと判定した場合、処理はS808へ進む。
【0068】
S808においてコントローラ300は、前述した印刷継続モードが無効に設定されているかを判定する。例えば、ユーザが、印刷継続モードを「OFF」に設定した場合、印刷継続モードは無効と判定される。印刷継続モードが無効と判定された場合(S808がYES)、S809に処理を進める。S809においてコントローラ300は、用紙サイズのエラーを発生させる。そして、S810においてコントローラ300は、搬送機構に記録紙106の搬送を停止させて、印刷シーケンスを中断させる。その後、エラーが解消した場合、コントローラ300は、搬送機構に記録紙106の搬送を再開させて印刷シーケンスを再開させる。
【0069】
一方、印刷継続モードが有効と判定された場合(S808がNO)、S811へ進む。S811は
図6のS608と同じ処理である。即ち、印刷シーケンスは継続し、現在の印刷対象ページを次に検出されたラベルに印刷するための処理が行われる。
【0070】
以上説明したように本実施形態では、モードを選択することで、用紙サイズエラーを発生させるか否かを切り替えることが可能である。また本実施形態でも、モードを有効にすることで、用紙サイズエラーとして搬送機構に記録紙106の搬送を停止させることなく、印刷シーケンスを継続することができる。
【0071】
なお、記録紙を交換した後、印刷データに含まれる記録紙の情報を変更する処理をユーザが忘れた場合、検出されたラベルの長さが印刷データで指定された長さと異なると判定されてしまうと考えられる。このように印刷データに含まれるラベルの情報が間違っていた場合は、エラーを発生させることが望ましい。このため、記録紙を交換した後に検出された1枚目のラベルについては、印刷継続モードが有効であっても、印刷データで指定された長さと異なると判定された場合にはエラーとして処理されてもよい。例えば、S808でNOと判定された場合、コントローラ300は、現在の印刷処理が記録紙を交換した後の最初のラベルへの印刷処理であるかを判定する。そして、最初のラベルへの印刷処理と判定された場合は、S809へ遷移しエラーを発生させてもよい。また、最初のラベルへの印刷と判定されなかった場合は、S811へ遷移するように
図8のフローチャートの処理が行われればよい。
【0072】
また、
図8のフローチャートでは、印刷データで指定されたラベルの長さと、検出されたラベルの長さが異なると連続して判定されても、以後の処理は変わらないものとして説明した。複数のラベルに対して連続して、印刷データで指定されたラベルの長さと検出されたラベルの長さが等しくないと、判定されるケースとして、記録紙106が適切に搬送されていないケースが想定される。このため、印刷データで指定されたラベルの長さと、検出されたラベルの長さが異なると判定された回数によって以後の処理を切り替えてもよい。例えば、S806でNOと判定された場合、コントローラ300は、
図5の印刷シーケンスが開始されてからS806でNOと判定された回数が所定数を超えたかを判定する。そしてS806でNOと判定された回数が所定数を超えた場合は、印刷継続モードが無効であっても、S809へ遷移しエラーを発生させてもよい。
【0073】
また、検出されたラベルの長さの上限を設け、上限を超えた場合は、印刷継続モードが有効であっても、S809へ遷移しエラーを発生させてもよい。
【0074】
<その他の実施形態>
上述した実施形態は、記録ヘッドがインクを吐出して画像を形成するインクジェット方式の記録装置について説明したが、本開示の技術が適用可能な記録装置は、インクジェット方式の記録装置に限られない。他にも、例えば、サーマルヘッドによりインクリボンのインクを転写して画像を形成する熱転写方式の記録装置についても、本開示の技術を適用可能である。
【0075】
本開示は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0076】
<その他>
上述した実施形態の開示は、以下の構成を含む。
【0077】
(構成1)
複数のラベルが所定の間隔を空けて配置された記録媒体を、搬送方向に搬送する搬送手段と、
前記記録媒体に配置されたラベルを検出するためのセンサと、
前記センサに基づき検出されたラベルに画像を印刷する印刷手段と、
前記記録媒体に配置されたラベルへ画像を印刷するための制御をする制御手段と、を有する記録装置であって、
前記制御手段は、
前記記録媒体に配置されたラベルの前記搬送方向における予め決められた長さの情報を取得し、
前記センサに基づき検出された第1のラベルの前記搬送方向の長さを、前記センサの出力に基づき算出し、
前記算出された長さと前記取得された情報が示すラベルの前記搬送方向の長さとを比較した結果に応じて、前記第1のラベルの次に前記センサに基づき検出される第2のラベルへは、前記第1のラベルに対する印刷対象の画像の印刷が行われるように制御する
ことを特徴とする記録装置。
【0078】
(構成2)
前記制御手段は、
前記算出された長さと前記取得された情報が示すラベルの前記搬送方向の長さとを比較した結果に基づき、前記センサに基づき検出された前記第1のラベルが正常であるかを決定し、
前記第1のラベルが正常でないと決定した場合、前記第1のラベルの次に前記センサに基づき検出される第2のラベルへは、前記第1のラベルに対する印刷対象の画像の印刷が行われるように制御する
ことを特徴とする構成1に記載の記録装置。
【0079】
(構成3)
前記制御手段は、
前記算出された長さと、前記取得された情報が示す前記印刷対象のラベルの前記搬送方向の長さと、の差が所定の値以下である場合、前記センサに基づき検出された前記第1のラベルは正常と決定し
前記算出された長さと、前記取得された情報が示す前記印刷対象のラベルの前記搬送方向の長さと、の差が所定の値より大きい場合、前記センサに基づき検出された前記第1のラベルは正常でないと決定する
ことを特徴とする構成2に記載の記録装置。
【0080】
(構成4)
前記制御手段は、
前記センサに基づき検出された前記第1のラベルが正常であると決定した場合、次に前記センサに基づき検出される前記第2のラベルへ印刷は、前記第1のラベルへ印刷した画像の次のページの画像の印刷が行われるように制御する
ことを特徴とする構成2または3に記載の記録装置。
【0081】
(構成5)
前記制御手段は、
前記センサに基づき検出された前記第1のラベルが正常でないと決定した場合、印刷対象ページを変更しないで、次に前記センサに基づき検出される前記第2のラベルへの印刷が行われるように制御する
ことを特徴とする構成2または3に記載の記録装置。
【0082】
(構成6)
同一の画像を、前記記録媒体に配置された所定の枚数のラベルに印刷する場合、
前記制御手段は、前記センサに基づき検出された前記第1のラベルが正常でないと決定した場合、前記第1のラベルへの印刷は印刷枚数としてカウントしない
ことを特徴とする構成2に記載の記録装置。
【0083】
(構成7)
前記センサに基づき検出された前記第1のラベルが正常でないと決定した場合であって、かつ、前記印刷手段が前記第1のラベルに対して印刷している場合、前記搬送手段は前記記録媒体の搬送を停止しないで、前記印刷手段は行っている印刷を停止する
ことを特徴とする構成2から6の何れか1項に記載の記録装置。
【0084】
(構成8)
前記センサに基づき検出された前記第1のラベルが正常でないと決定した場合であって、かつ、前記印刷手段が前記第1のラベルに対して印刷する前である場合、
前記搬送手段は、前記記録媒体の搬送を停止しないで、前記印刷手段は、前記第1のラベルへの印刷は行わない
ことを特徴とする構成2から7の何れか1項に記載の記録装置。
【0085】
(構成9)
前記記録装置は、所定のモードを有効にするか無効にするかを切り替え可能に構成されており、
前記制御手段は、
前記所定のモードが有効である場合は、前記センサに基づき検出された前記第1のラベルが正常でないと決定した場合であっても、前記搬送手段に前記記録媒体の搬送を停止させない
ことを特徴とする構成2から8の何れか1項に記載の記録装置。
【0086】
(構成10)
前記制御手段は、
前記所定のモードが無効である場合で、かつ、前記センサに基づき検出された前記第1のラベルが正常でないと決定した場合、エラーとして前記搬送手段に前記記録媒体の搬送を停止させる
ことを特徴とする構成9に記載の記録装置。
【0087】
(構成11)
前記制御手段は、
前記所定のモードが有効である場合であっても、前記記録媒体が給紙された後、最初に前記センサに基づき検出されたラベルが正常でないと決定した場合は、エラーとして前記搬送手段に前記記録媒体の搬送を停止させる
ことを特徴とする構成9または10に記載の記録装置。
【0088】
(構成12)
前記制御手段は、
前記記録媒体のラベルの先端および後端を前記センサの出力に基づき検出し、前記先端および前記後端の距離を算出することで、前記センサに基づき検出されたラベルの前記搬送方向の長さを算出する
ことを特徴とする構成1から11の何れか1項に記載の記録装置。
【0089】
(構成13)
前記記録媒体は、接続部材でつなぎ合わされた箇所を含む
ことを特徴とする構成1から12のいずれか1項に記載の記録装置。
【0090】
(構成14)
複数のラベルが所定の間隔を空けて配置された記録媒体を、搬送方向に搬送する搬送手段と、
前記記録媒体に配置されたラベルを検出するためのセンサと、
前記センサに基づき検出されたラベルに画像を印刷する印刷手段と、を有する記録装置の制御方法であって、
前記記録媒体に配置されたラベルの前記搬送方向における予め決められた長さの情報を取得する工程と、
前記センサに基づき検出された第1のラベルの前記搬送方向の長さを、前記センサの出力に基づき算出する工程と、
前記算出された長さと前記取得された情報が示すラベルの前記搬送方向の長さとを比較した結果に応じて、前記第1のラベルの次に前記センサに基づき検出される第2のラベルへは、
前記第1のラベルに対する印刷対象の画像の印刷が行われるように制御する工程と、
を含むことを特徴とする制御方法。
【0091】
(構成15)
コンピュータに、構成14に記載の制御方法の各工程を実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0092】
100 記録装置
106 記録紙
108 搬送ベルト
109 端部検知センサ
300 コントローラ