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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116775
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】駐車場装置
(51)【国際特許分類】
   G07B 15/00 20110101AFI20240821BHJP
【FI】
G07B15/00 L
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022577
(22)【出願日】2023-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】000176730
【氏名又は名称】三菱プレシジョン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100135976
【弁理士】
【氏名又は名称】宮本 哲夫
(72)【発明者】
【氏名】山口 峻
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 公高
(72)【発明者】
【氏名】吉田 一成
【テーマコード(参考)】
3E127
【Fターム(参考)】
3E127AA18
3E127BA25
3E127BA38
3E127CA21
3E127CA47
3E127DA33
3E127FA24
3E127FA53
(57)【要約】
【課題】セキュリティを向上し且つコストを抑えて、装置が有する所定の目的の処理を実行する第1モードから装置の保守に関する処理を実行する第2モードへ変更可能な駐車場装置を提供する。
【解決手段】駐車場装置は、装置が有する所定の目的の処理を実行する第1モードと、装置の保守に関する処理を実行する第2モードとを有する。駐車場装置は、撮像部17と、撮像部17によって撮像された画像に基づいて、この画像に含まれる情報コード40を解析する解析部232と、解析部232によって解析された情報コード40が、第1モードにある駐車場装置を第1モードから第2モードへ変更することを要求するモード変更要求を表す情報を含むか否かを判定する判定部233と、判定部によって、情報コード40がモード変更要求を表す情報を含むと判定された場合、駐車場装置を第1モードから第2モードへ変更することを決定する決定部234と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置が有する所定の目的の処理を実行する第1モードと、装置の保守に関する処理を実行する第2モードとを有する駐車場装置であって、
撮像部と、
前記撮像部によって撮像された画像に基づいて、当該画像に含まれる情報コードを解析する解析部と、
前記解析部によって解析された前記情報コードが、前記第1モードにある前記駐車場装置を前記第1モードから前記第2モードへ変更することを要求するモード変更要求を表す情報を含むか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって、前記情報コードが前記モード変更要求を表す情報を含むと判定された場合、前記駐車場装置を前記第1モードから第2モードへ変更することを決定する決定部と、
を有する、
ことを特徴とする駐車場装置。
【請求項2】
更に、入力部を有し、
前記判定部は、前記解析部によって解析された前記情報コードが、前記モード変更要求を表す情報を含むと判定した場合、パスワードが前記入力部を介して入力されたか否かを判定し、
前記決定部は、前記判定部によって前記パスワードが前記入力部を介して入力されたと判定された場合、前記駐車場装置を前記第1モードから第2モードへ変更することを決定する、請求項1に記載の駐車場装置。
【請求項3】
前記情報コードは、前記モード変更要求を表す情報、及び、前記第2モードにおける前記駐車場装置の操作範囲を表す操作範囲情報を有し、
前記判定部は、前記解析部によって解析された前記情報コードが、前記モード変更要求を表す情報及び前記操作範囲情報を含むか否かを判定し、
前記判定部によって、前記情報コードが前記モード変更要求を表す情報及び前記操作範囲情報を含むと判定された場合、前記決定部は、前記駐車場装置を前記第1モードから第2モードへ変更し且つ前記操作範囲情報によって表される操作範囲において、前記駐車場装置が操作されることを許容することを決定する、請求項1に記載の駐車場装置。
【請求項4】
前記情報コードは、前記モード変更要求を表す情報、及び、前記モード変更要求の有効期限を表す情報を有し、
前記判定部は、前記解析部によって解析された前記情報コードが、前記モード変更要求を表す情報及び前記モード変更要求の有効期限を表す情報を含むか否かを判定し、且つ、前記解析部によって解析された前記情報コードが、前記モード変更要求を表す情報及び前記モード変更要求の有効期限を表す情報を含むと判定した場合、現在が前記有効期限内であるか否かを判定し、
前記判定部によって、現在が前記有効期限内であると判定された場合、前記決定部は、前記駐車場装置を前記第1モードから第2モードへ変更することを決定する、請求項1に記載の駐車場装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両が駐車する駐車場には、駐車料金を精算する料金精算機等の駐車場装置が配置されている。駐車場装置は、装置の有する所定の目的の処理を実行する運用モードと、装置の保守に関する処理を実行する保守モードとを有する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
駐車場装置が料金精算機の場合、駐車場装置は、運用モードにおいて、駐車料金の精算処理を実行する。また、駐車場装置は、保守モードにおいて、保守係員に操作されて、駐車料金の集計及び装置の確認動作等を実行する。
【0004】
例えば、運用モードにある駐車場装置に対して、パスワードが駐車場装置へ入力されることにより、駐車場装置を運用モードから保守モードへ変更することが行われている。
【0005】
また、運用モードにある駐車場装置に対して、所定のコインが投入されることにより、駐車場装置を運用モードから保守モードへ変更することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007-219906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、パスワードは、第3者に漏洩するおそれがあるので、モード変更にパスワードを用いることはセキュリティの観点から問題があった。
【0008】
また、コインを用いることは、専用の物理的媒体を準備することになるので、モード変更に対してコストが増加する問題があった。
【0009】
本開示では、セキュリティを向上し且つコストを抑えて、装置が有する所定の目的の処理を実行する第1モードから装置の保守に関する処理を実行する第2モードへ変更可能な駐車場装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一の実施形態によれば、駐車場装置が提供される。この駐車場装置は、装置が有する所定の目的の処理を実行する第1モードと、装置の保守に関する処理を実行する第2モードとを有する駐車場装置であって、撮像部と、撮像部によって撮像された画像に基づいて、当該画像に含まれる情報コードを解析する解析部と、解析部によって解析された情報コードが、第1モードにある駐車場装置を第1モードから第2モードへ変更することを要求するモード変更要求を表す情報を含むか否かを判定する判定部と、判定部によって、情報コードがモード変更要求を表す情報を含むと判定された場合、駐車場装置を第1モードから第2モードへ変更することを決定する決定部と、を有する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本開示に係る駐車場装置は、セキュリティを向上し且つコストを抑えて、装置が有する所定の目的の処理を実行する第1モードから装置の保守に関する処理を実行する第2モードへ変更できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態の料金精算機の動作の概要を説明する図である。
図2】本実施形態の料金精算機のハードウェア構成図である。
図3】本実施形態の料金精算機のモード変更処理の動作フローチャートの一例である。
図4】(A)は、運用モードにおける表示装置の表示画面を示す図であり、(B)は、保守モードにおける表示装置の表示画面を示す図である。
図5】本実施形態の料金精算機の変型例1のモード変更処理の動作フローチャートの一例である。
図6】本実施形態の料金精算機の変型例1のモード変更処理を説明する図である。
図7】本実施形態の料金精算機の変型例2のモード変更処理の動作フローチャートの一例である。
図8】本実施形態の料金精算機の変型例3のモード変更処理の動作フローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本実施形態の料金精算機10の動作の概要を説明する図である。料金精算機10は、駐車場の出口に配置されて、駐車場を利用した車両の駐車料金の精算を行う。
【0014】
料金精算機10は、駐車料金の料金精算を実行する運用モードと、装置の保守に関する処理を実行する保守モードとを有する。料金精算機10は、保守モードでは、保守係員(図示せず)に操作されて、駐車料金の料金精算処理を実行可能な状態が維持されると共に、駐車料金の集計処理等が行われる。運用モードは、第1モードの一例であり、保守モードは、第2モードの一例である。第2モードでは、料金精算機10は、第1モードとは異なる処理を実行する。
【0015】
料金精算機10は、駐車場装置の一例である。駐車場装置は、駐車場に配置されて、駐車場での駐車に関するサービスを提供する装置であればよい。例えば、駐車場装置は、駐車場の入り口に配置され、駐車場に入場する車両に対して駐車券を発行する駐車券発行装置であってもよい。また、駐車場装置は、駐車場の入り口又は出口に配置されて、ゲートの開閉を制御する装置であってもよい。
【0016】
運用モードにおいて、料金精算機10は、駐車券読み取り装置14を用いて、駐車券を読み取って、駐車料金を表示装置12へ表示する。料金精算機10は、マルチ決済装置15を用いて、駐車料金の電子決済を実行する。料金精算機10は、駐車料金の電子決済が終了すると、ゲート(図示せず)を開いて、車両が駐車場から退場することを可能とする。
【0017】
料金精算機10の保守係員は、料金精算機10の保守を実行する場合、情報コード40を撮像装置17の前にかざす。図1に示す例では、保守係員は、携帯端末30に表示された情報コード40を、撮像装置17の前にかざす。なお、情報コード40は、紙等の印刷媒体に印刷されていてもよい。
【0018】
図1に示す例では、情報コード40は、マトリックス式の2次元コードである。情報コード40には、運用モードにある料金精算機10を運用モードから保守モードへ変更することを要求するモード変更要求を表す情報が、複数のセルの配置として符号化されている
【0019】
なお、情報コード40は、1次元コードであってもよい。また、情報コードは、マトリックス式以外の2次元コードであってもよい。
【0020】
情報コード40には、モード変更要求を表す情報が複数のセルの配置として符号化されているので、モード変更要求を表す情報が、第3者に読み取られることが防止される。
【0021】
また、情報コード40は、携帯端末30に表示されて、撮像装置17により撮像されるので、コイン等の専用の物理的媒体は不要である。また、情報コード40が紙等の印刷媒体に印刷される場合でも、汎用のプリンタを用いて情報コード40を印刷できるので、コイン等の専用の物理的媒体を用意することに比べて、コストを低減できる。
【0022】
料金精算機10は、撮像装置17を用いて、情報コードを撮像する。料金精算機10は、情報コード40を表す画像に基づいて、この画像に含まれる情報コード40を解析する。
【0023】
料金精算機10は、情報コード40が、運用モードにある料金精算機10を運用モードから保守モードへ変更することを要求するモード変更要求を表す情報を含む場合、料金精算機10を運用モードから保守モードへ変更する。
【0024】
料金精算機10は、保守モードにおいて、保守係員に操作されて、保守に関する処理を実行する。保守係員は、扉10aを開いて、料金精算機10の保守を行うことができる。例えば、料金精算機10は、保守係員に操作されて、駐車料金の集計及び装置の確認動作等を実行する。
【0025】
以上、説明したように、本実施形態の料金精算機10は、セキュリティを向上し且つコストを抑えて、駐車料金の料金精算を実行する運用モードから装置の保守に関する処理を実行する保守モードへ変更できる。
【0026】
図2は、本実施形態の料金精算機10のハードウェア構成図である。料金精算機10は、通信装置11と、表示装置12と、スピーカ13と、駐車券読み取り装置14と、マルチ決済装置15と、領収書発行装置16と、撮像装置17と、制御装置18とを有する。
【0027】
通信装置11と、表示装置12と、スピーカ13と、駐車券読み取り装置14と、マルチ決済装置15と、領収書発行装置16と、撮像装置17と、制御装置18とは、例えば、通信ネットワーク19を介して通信可能に接続している。
【0028】
通信装置11は、料金精算機10を、外部ネットワーク(図示せず)に接続するためのインターフェース回路を有する。例えば、通信装置11は、料金精算機10を、外部ネットワークを介して、電子決済サーバ(図示せず)と通信可能に接続する。また、通信装置11は、料金精算機10を、駐車場の出口に配置されたゲート(図示せず)と通信可能に接続する。また、通信装置11は、料金精算機10の横に接近した車両を検知する車両検知センサと通信可能に接続されていてもよい。
【0029】
表示装置12は、運用モード及び保守モードにおいて、制御装置18に制御されて、料金精算機10の動作にともなう情報を表示する。本実施形態では、表示装置12は、タッチパネルである。表示装置12は、入力部の一例である。表示装置12は、駐車場のユーザ、又は、保守係員に操作されて、各種の操作情報を入力可能である。表示装置12は、通信ネットワーク19を介して、操作情報を制御装置18に出力する。
【0030】
スピーカ13は、運用モード及び保守モードにおいて、制御装置18に制御されて、料金精算機10の動作にともなう情報を音響情報として出力する。
【0031】
駐車券読み取り装置14は、制御装置18に制御されて、駐車券を読み取って、駐車料金の精算に用いられ精算情報を取得する。駐車券読み取り装置14は、駐車券に磁気的に記録された精算情報を読み取る読み取り部を有する。精算情報は、例えば、車両が駐車場に入場した入場時刻を含む。駐車券読み取り装置14は、通信ネットワーク19を介して、精算情報を制御装置18に出力する。
【0032】
マルチ決済装置15は、制御装置18に制御されて、クレジットカード又は交通系ICカードと通信することにより、駐車料金の電子決済に用いる決済情報を取得する。マルチ決済装置15は、クレジットカード又は交通系ICカードと通信する通信回路を有する。マルチ決済装置15は、通信ネットワーク19を介して、決済情報を制御装置18に出力する。また、マルチ決済装置15は、コード決済に対応していてもよい。なお、料金精算機10は、紙幣及び硬貨を用いて、駐車料金の精算を行えるようになっていてもよい。
【0033】
領収書発行装置16は、制御装置18に制御されて、駐車料金の領収書を発行する。領収書発行装置16は、印字部と、ロール状の紙を搬送する搬送部とを有する。
【0034】
撮像装置17は、制御装置18に制御されて、情報コードを撮像する。撮像装置17は、CCDあるいはC-MOS等、可視光に感度を有する光電変換素子のアレイで構成された2次元検出器と、その2次元検出器上に撮像対象となる領域の像を結像する撮像光学系とを有する。撮像装置17は、通信ネットワーク19を介して、情報コードを表す画像を制御装置18に出力する。撮像装置17は、撮像部の一例である。
【0035】
制御装置18は、制御処理と、解析処理と、判定処理、決定処理とを実行する。そのために、制御装置18は、通信インターフェース(IF)21と、メモリ22と、プロセッサ23とを有する。通信IF21、メモリ22は、プロセッサ23と信号線24を介して接続されている。
【0036】
通信IF21は、制御装置18を通信ネットワーク19に接続するためのインターフェース回路を有する。
【0037】
メモリ22は、例えば、揮発性の半導体メモリ及び不揮発性の半導体メモリを有する。そしてメモリ22は、プロセッサ23により実行される情報処理において使用されるアプリケーションのコンピュータプログラム及び各種のデータを記憶する。例えば、メモリ22は、モード変更要求を表す情報を記憶する。モード変更要求を表す情報として、例えば、所定数の文字及び/又は数字の組み合わせを用いることができる。メモリ22は、1又は複数のモード変更要求を表す情報を記憶していてもよい。例えば、モード変更要求は、保守管理者を表す情報(例えば、名称)と関連付けられて、メモリに記憶されていてもよい。
【0038】
制御装置18が有する機能の全て又は一部は、例えば、プロセッサ23上で動作するコンピュータプログラムにより実現される機能モジュールである。プロセッサ23は、制御部231と、解析部232と、判定部233と、決定部234を有する。あるいは、プロセッサ23が有する機能モジュールは、プロセッサ23に設けられる、専用の演算回路であってもよい。プロセッサ23は、1個又は複数個のCPU(Central Processing Unit)及びその周辺回路を有する。プロセッサ23は、論理演算ユニット、数値演算ユニットあるいはグラフィック処理ユニットといった他の演算回路を更に有していてもよい。
【0039】
制御部231は、運用モードにおいて、駐車料金の精算処理を実行する。精算処理は、駐車券を読み取って精算情報を取得する処理と、精算情報に基づいて駐車料金を算出する処理と、駐車料金を決済する処理と、駐車料金の領収書を発行する処理と、ゲートを開閉する処理等とを含む。
【0040】
また、制御部231は、保守モードにおいて、保守係員の操作に応じて、保守に関する処理を実行する。保守に関する処理は、駐車料金の集計処理と、装置の動作を確認する処理と、警報処理等とを含む。制御装置18の他の動作については後述する。
【0041】
図3は、本実施形態の料金精算機10のモード変更処理の動作フローチャートの一例である。以下、図3を参照しながら、料金精算機10のモード変更処理について説明する。料金精算機10は、運用モードにおいて、所定の周期を有するモード変更処理時刻に、図3に示す動作フローチャートに従って、モード変更処理を実行する。
【0042】
まず、制御部231は、表示装置12の表示画面100の所定の領域101が操作されたか否かを判定する(ステップS101)。図4(A)は、運用モードにおける表示装置12の表示画面100を示す図である。制御部231は、表示画面100内の領域101に所定の操作(例えば、タップ)が行われたか否かを判定する。
【0043】
表示画面100の領域101に操作が行われていない場合(ステップS101-No)、一連の処理を終了する。
【0044】
料金精算機10の保守係員は、保守を開始する時に、表示画面100内の領域101に対して操作を実行する。
【0045】
表示画面100の領域101に操作が行われた場合(ステップS101-Yes)、制御部231は、撮像装置17を用いて、情報コードを表す画像を取得する(ステップS102)。
【0046】
図1に示すように、料金精算機10の保守係員は、携帯端末30に表示された情報コード40を、撮像装置17の前にかざす。なお、保守係員は、紙等の印刷媒体に印刷された情報コード40を、撮像装置17の前にかざしてもよい。
【0047】
次に、解析部232は、撮像装置17によって撮像された画像に基づいて、この画像に含まれる情報コード40を解析する(ステップS103)。図1に示す例では、情報コード40は、マトリックス式の2次元コードである。情報コード40には、モード変更要求を表す情報が、複数のセルの配置として符号化されている。解析部232は、複数のセルの配置として符号化されている情報コード40を復号して、モード変更要求を読み取る。
【0048】
情報コード40には、モード変更要求を表す情報が複数のセルの配置として符号化されているので、情報コード40が第3者に見られても、モード変更要求を表す情報が、第3者に読み取られることが防止される。これにより、モード変更に関するセキュリティが向上される。
【0049】
また、情報コード40には、保守管理者を表す情報(例えば、名称)が、複数のセルの配置として符号化されていてもよい。
【0050】
また、情報コード40を携帯端末30に表示させて、撮像装置17により撮像することにより、コイン等の専用の物理的媒体を用意することは不要となる。情報コード40が紙等の印刷媒体に印刷される場合でも、汎用のプリンタを用いて情報コード40を印刷できるので、コイン等の専用の物理的媒体を用意することに比べて、モード変更に関するコストを低減できる。
【0051】
次に、判定部233は、情報コード40が、モード変更要求を表す情報を含むか否かを判定する(ステップS104)。モード変更要求を表す情報は、メモリ22にもあらかじめ記憶されている。判定部233は、解析部232により情報コード40から読み取られたモード変更要求を表す情報と、メモリ22に記憶される情報とを比較して、一致しているか否かを判定する。
【0052】
判定部233は、情報コード40から読み取られたモード変更要求を表す情報と、メモリ22に記憶される情報とが一致している場合、情報コード40がモード変更要求を表す情報を含むと判定する。一方、判定部233は、情報コード40から読み取られたモード変更要求を表す情報と、メモリ22に記憶される情報とが一致しない場合、情報コード40がモード変更要求を表す情報を含まないと判定する。また、判定部233は、表示画面100の領域101に操作が行われたと判定された後、所定の時間(例えば、60秒間)が経過しても、情報コード40から読み取られない場合、情報コード40がモード変更要求を表す情報を含まないと判定してもよい。
【0053】
なお、メモリ22に記憶されるモード変更要求を表す情報は、一つでもよいし、複数あってもよい。メモリ22に記憶されるモード変更要求を表す情報が複数ある場合、判定部233は、情報コード40から読み取られたモード変更要求を表す情報が、メモリ22に記憶される何れかのモード変更要求を表す情報と一致する場合、情報コード40がモード変更要求を表す情報を含むと判定する。
【0054】
なお、撮像装置17のレンズが汚れている場合等にも、解析部232は、モード変更要求を表す情報を読み取れないこともある。このような観点から、情報コード40は、モード変更要求を表す情報に対して誤り訂正符号を含んでいることが、モード変更要求を表す情報を正しく読み取る観点から好ましい。
【0055】
情報コード40がモード変更要求を表す情報を含む場合(ステップS104-Yes)、決定部234は、料金精算機10を運用モードから保守モードへ変更することを決定して(ステップS105)、一連の処理を終了する。制御部231は、保守モードにおいて、料金精算機10を制御することを開始する。
【0056】
一方、情報コード40がモード変更要求を表す情報を含まない場合(ステップS104-No)、決定部234は、一連の処理を終了する。この場合、料金精算機10は、運用モードの状態を維持する。
【0057】
図4(B)は、保守モードにおける表示装置12の表示画面200を示す図である。表示画面200には、保守係員が各種の保守操作を行う係員操作タブと、保守係員が料金精算処理の動作を確認するメンテナンスタブと、保守係員が料金設定等を行う詳細設定タブとが選択可能に表示される。保守係員は、何れかのタブを選択して、所望の保守作業を実行できる。
【0058】
表示画面200に示す例では、係員操作タブが選択された状態が示されている。係員操作タブにおいて、保守係員は、駐車料金の集計処理と、装置の動作を確認する処理と、警報処理を実行可能である。
【0059】
また、詳細設定タブにおいて、保守係員は、モード変更要求を表す情報をメモリ22に登録可能である。
【0060】
図1に示すように、保守係員は、扉10aを開いて、料金精算機10の各種の保守を行うことができる。料金精算機10の保守が終了すると、保守係員は、扉10aを閉めた後、表示画面200の運用切替ボタンを操作する。これにより、決定部234は、料金精算機10を保守モードから運用モードへ変更することを決定する。制御部231は、運用モードにおいて、料金精算機10を制御することを開始する。
【0061】
以上、詳述したように、本実施形態の料金精算機は、セキュリティを向上し且つコストを抑えて、駐車料金の精算処理を実行する運用モードから装置の保守に関する処理を実行する保守モードへ変更できる。
【0062】
次に、上述した本実施形態の料金精算機10の変型例1から変型例3を、図5から図7を参照して、以下に説明する。
【0063】
図5は、本実施形態の料金精算機10の変型例1のモード変更処理の動作フローチャートの一例である。本変型例では、情報コード40がモード変更要求を表す情報を含む場合、パスワードの入力を求められる点が、上述した実施形態とは異なっている。モード変更要求を表す情報、及び、パスワードを表す情報は、メモリ22にあらかじめ記憶される。パスワードを表す情報として、例えば、複数の数字の組み合わせを用いることができる。
【0064】
詳細設定タブにおいて、保守係員は、モード変更要求を表す情報、及び、パスワードを表す情報をメモリ22に登録可能である。
【0065】
以下、図5を参照しながら、料金精算機10の変型例1のモード変更処理について説明する。料金精算機10は、運用モードにおいて、所定の周期を有するモード変更処理時刻に、図5に示す動作フローチャートに従って、モード変更処理を実行する。
【0066】
本変型例では、ステップS205が追加されている点が、上述した実施形態のモード変更処理とは異なっている。ステップS201、S202、S204及びS206の処理は、上述したステップS101、S102、S104及びS105の処理と同様である。
【0067】
本変型例では、情報コード40がモード変更要求を表す情報を含む場合(ステップS204-Yes)、判定部233は、パスワードが表示装置12を介して入力されたか否かを判定する(ステップS205)。
【0068】
図6は、本実施形態の料金精算機の変型例1のモード変更処理を説明する図である。判定部233は、パスワードの入力を求める表示画面300を、表示装置12に表示する。保守係員は、表示装置12を操作して、パスワードを入力したあと、OKボタンを操作する。
【0069】
判定部233は、入力されたパスワードと、メモリ22に記憶しているパスワードとを比較して、一致しているか否かを判定する。
【0070】
判定部233は、入力されたパスワードと、メモリ22に記憶しているパスワードとが一致している場合、パスワードが入力されたと判定する。一方、判定部233は、入力されたパスワードと、メモリ22に記憶しているパスワードとが一致しない場合、パスワードは入力されないと判定する。また、判定部233は、パスワードの入力を求める表示画面300を表示装置12に表示した後、所定の時間(例えば、60秒間)が経過しても、パスワードが入力されない場合、パスワードは入力されないと判定してもよい。
【0071】
パスワードが入力された場合(ステップS205-Yes)、決定部234は、料金精算機10を運用モードから保守モードへ変更することを決定して(ステップS206)、一連の処理を終了する。制御部231は、保守モードにおいて、料金精算機10を制御することを開始する。
【0072】
一方、情報コード40がモード変更要求を表す情報を含まない場合(ステップS204-No)、又は、パスワードが入力されない場合(ステップS205-No)、決定部234は、一連の処理を終了する。この場合、料金精算機10は、運用モードの状態を維持する。
【0073】
以上、詳述した変型例1の料金精算機によれば、モード変更要求を表す情報が読み取られ且つパスワードが入力された場合にモード変更を決定するので、モード変更に関するセキュリティをより向上できる。また、変型例1の料金精算機によれば、上述した実施形態の料金精算機と同様の効果が奏される。
【0074】
図7は、本実施形態の料金精算機10の変型例2のモード変更処理の動作フローチャートの一例である。本変型例では、情報コード40は、モード変更要求を表す情報と共に、保守モードにおける料金精算機10の操作範囲を表す操作範囲情報を有している点が、上述した実施形態とは異なっている。
【0075】
以下、図7を参照しながら、料金精算機10の変型例2のモード変更処理について説明する。料金精算機10は、運用モードにおいて、所定の周期を有するモード変更処理時刻に、図7に示す動作フローチャートに従って、モード変更処理を実行する。
【0076】
本変型例では、ステップS303及びS307の処理と、ステップS305及びS306が追加されている点が、上述した実施形態のモード変更処理とは異なっている。ステップS301、S302及びS304の処理は、上述したステップS101、S102及びS104の処理と同様である。
【0077】
本変型例では、解析部232は、モード変更要求を表す情報、及び、操作範囲情報を含む情報コード40を表す画像を解析した場合(ステップS303)、モード変更要求を表す情報、及び、操作範囲情報を読み取る。
【0078】
操作範囲情報は、情報コード40を所有する保守係員に対して、保守モードにおいて操作可能な処理を制限する情報を有する。例えば、操作範囲情報は、保守モードにおいて、係員操作処理と、メンテナンス処理と、詳細設定処理とのうち、保守係員によって操作可能な処理を含む。操作範囲情報が含む処理に応じて、係員操作タブと、メンテナンスタブと、詳細設定タブとのうち(図4(B)参照)、保守係員によって選択可能なタブが決定される。
【0079】
情報コード40がモード変更要求を表す情報を含む場合(ステップS304-Yes)、判定部233は、情報コード40が操作範囲情報を含むか否かを判定する(ステップS305)。
【0080】
情報コード40が操作範囲情報を含む場合(ステップS305-Yes)、決定部234は、この操作範囲情報に基づいて、保守係員に対して許容される、保守モードにおける料金精算機10の操作範囲を決定する(ステップS306)。例えば、操作範囲情報が、係員操作処理と、メンテナンス処理とを含む場合、保守係員には、係員操作タブと、メンテナンスタブとの選択が許容される。一方、保守係員は、料金設定を行う詳細設定タブを選択することが許容されない。このように、操作範囲情報を含む情報コード40を保守係員に持たせることにより、詳細設定タブを選択することが許容される保守係員を限定することができる。
【0081】
次に、決定部234は、料金精算機10を運用モードから保守モードへ変更し、且つ、操作範囲情報によって表される操作範囲において、料金精算機10が操作されることを許容することを決定して(ステップS307)、一連の処理を終了する。制御部231は、保守モードにおいて、操作範囲情報によって表される操作範囲において、料金精算機10を制御することを開始する。
【0082】
一方、情報コード40が操作範囲情報を含まない場合(ステップS305-No)、決定部234は、料金精算機10を運用モードから保守モードへ変更することを決定して(ステップS307)、一連の処理を終了する。制御部231は、保守モードにおいて、料金精算機10を制御することを開始する。この場合、保守モードにおける料金精算機10の操作範囲に制限はない。
【0083】
また、情報コード40がモード変更要求を表す情報を含まない場合(ステップS304-No)、決定部234は、一連の処理を終了する。この場合、料金精算機10は、運用モードの状態を維持する。
【0084】
以上、詳述した変型例2の料金精算機によれば、情報コードを用いて、保守モードにおける料金精算機の操作範囲に制限を与えることができる。これにより、それぞれの保守係員に応じて、保守範囲の権限を与えることができる。また、変型例2の料金精算機によれば、上述した実施形態の料金精算機と同様の効果が奏される。
【0085】
図8は、本実施形態の料金精算機10の変型例3のモード変更処理の動作フローチャートの一例である。本変型例では、情報コード40は、モード変更要求を表す情報と共に、モード変更要求の有効期限を表す情報を有している点が、上述した実施形態とは異なっている。
【0086】
以下、図8を参照しながら、料金精算機10の変型例3のモード変更処理について説明する。料金精算機10は、運用モードにおいて、所定の周期を有するモード変更処理時刻に、図8に示す動作フローチャートに従って、モード変更処理を実行する。
【0087】
本変型例では、ステップS403の処理と、ステップS405及びS406が追加されている点が、上述した実施形態のモード変更処理とは異なっている。ステップS401、S402、S404及びS407の処理は、上述したステップS101、S102、S104及びS105の処理と同様である。
【0088】
本変型例では、解析部232は、モード変更要求を表す情報、及び、モード変更要求の有効期限を表す情報を含む情報コード40を表す画像を解析した場合(ステップS403)、モード変更要求を表す情報、及び、モード変更要求の有効期限を表す情報を読み取る。有効期限を表す情報は、例えば、年月日で表される。
【0089】
情報コード40がモード変更要求を表す情報を含む場合(ステップS404-Yes)、判定部233は、情報コード40がモード変更要求の有効期限を表す情報を含むか否かを判定する(ステップS405)。
【0090】
情報コード40がモード変更要求の有効期限を表す情報を含む場合(ステップS405-Yes)、判定部233は、現在が有効期限内であるか否かを判定する(ステップS406)。判定部233は、現在(年月日)が有効期限以内である場合、情報コード40が含むモード変更要求は有効であると判定する。一方、判定部233は、現在(年月日)が有効期限外である場合、情報コード40が含むモード変更要求は、有効ではないと判定する。
【0091】
現在が有効期限内である場合(ステップS406-Yes)、又は、情報コード40が有効期限を表す情報を含まない場合(ステップS405-No)、決定部234は、料金精算機10を運用モードから保守モードへ変更することを決定して(ステップS207)、一連の処理を終了する。制御部231は、保守モードにおいて、料金精算機10を制御することを開始する。
【0092】
また、情報コード40がモード変更要求の有効期限を表す情報を含まない場合(ステップS404-No)、又は、現在が有効期限内ではない場合(ステップS406-No)、決定部234は、一連の処理を終了する。この場合、料金精算機10は、運用モードの状態を維持する。
【0093】
以上、詳述した変型例3の料金精算機によれば、情報コードに有効期限を含ませることにより、モード変更に関するセキュリティをより向上できる。また、変型例3の料金精算機によれば、上述した実施形態の料金精算機と同様の効果が奏される。
【0094】
なお、本変型例において、モード変更要求の有効期限を表す情報は、情報コードに含まれていたが、モード変更要求の有効期限を表す情報は、メモリ22に記憶されていて、情報コード40には含まれていなくてもよい。この場合、判定部233は、情報コード40がモード変更要求を表す情報を含む場合、現在が有効期限内であるか否かを判定する。
【0095】
本発明では、上述した実施形態の駐車場装置は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。また、本発明の技術範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶものである。
【符号の説明】
【0096】
10 料金精算機(駐車場装置)
10a 扉
11 通信装置
12 表示装置
13 スピーカ
14 駐車券読み取り装置
15 マルチ決済装置
16 領収書発行装置
17 撮像装置
18 制御装置
21 通信インターフェース
22 メモリ
23 プロセッサ
231 制御部
232 解析部
233 判定部
234 決定部
30 携帯端末
40 情報コード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8