(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116784
(43)【公開日】2024-08-28
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
B25F 5/00 20060101AFI20240821BHJP
【FI】
B25F5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022589
(22)【出願日】2023-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】000005094
【氏名又は名称】工機ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】根本 大輔
【テーマコード(参考)】
3C064
【Fターム(参考)】
3C064AB03
3C064AC02
3C064AD02
3C064BA12
3C064BB32
3C064CA05
3C064CA08
3C064CA29
3C064CA54
3C064CA60
3C064CA61
3C064CA74
3C064CB08
3C064CB17
3C064CB64
3C064CB71
3C064CB92
3C064CB93
(57)【要約】
【課題】作業機の作業性を向上させる。
【解決手段】電動工具10は、モータ52と、ユニットケース68と、アタッチメントリング76と、クランプシャフト82と、クランプスプリング96と、ツールシャフト102と、クランプレバー112と、を有する。クランプレバー112が第1位置PAに位置するときのクランプスプリング96のスプリング荷重をA(N)とする。前後方向で支軸42の中心位置P1からクランプレバー112の位置P2までのレバー長さをB(mm)とする。クランプレバー112の第1位置PAから第2位置PBまでの回動角度をC(度)とする。クランプレバー112を第1位置PAから第2位置PBまで回転させた場合のクランプシャフト82の移動量をD(mm)とする。特性値Q=(A×D)/(B×C)としたとき、特性値Qが50(N/度)以下となる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、
前記モータの回転力を受けて上下方向に沿った軸を中心に揺動する出力部と、
前記出力部に設けられ先端工具を保持可能な工具保持部と、
前記出力部に支持されるクランプシャフトと、
前記クランプシャフトを上方に付勢する付勢部材と、
前記クランプシャフトの下部に着脱可能に設けられ、前記クランプシャフトに装着された場合に前記先端工具を下側から付勢するクランプ部と、
支持軸を中心とする回転が可能であり、回転方向の第1位置と第2位置との間で回転操作されることで、前記クランプシャフトを前記上下方向に移動させるレバーと、
を有し、
前記工具保持部及び前記クランプ部は、前記先端工具を挟み込むことで前記先端工具を前記出力部に固定し、
前記レバーは、前記第1位置から前記第2位置まで回転される場合、前記クランプシャフトを前記出力部に対して下方に移動させることで、前記工具保持部と前記クランプ部とを前記上下方向に離間させ、
前記レバーが前記第1位置に位置するときの前記付勢部材の付勢力をA(N)とし、
前記上下方向と交差する交差方向で前記支持軸の中心位置から前記レバーの先端位置までのレバー長さをB(mm)とし、
前記レバーの前記第1位置から前記第2位置までの回動角度をC(度)とし、
前記レバーを前記第1位置から前記第2位置まで回転させた場合の前記クランプシャフトの移動量をD(mm)とし、
特性値Q=(A×D)/(B×C)としたとき、
特性値Qが50(N/度)以下となる、作業機。
【請求項2】
前記クランプ部は、前記クランプシャフトに着脱可能な軸部と、前記軸部の外周面から張り出され前記先端工具の下面と当接する当接部と、
を有する、請求項1に記載の作業機。
【請求項3】
前記クランプ部は、前記軸部の外周面から前記上下方向及び前記交差方向の両方と交差する幅方向に延びるピンを有し、
前記ピンが前記クランプシャフトと係合することで、前記付勢部材からの付勢力が前記クランプ部に伝達される、請求項2に記載の作業機。
【請求項4】
前記先端工具には、前記出力部の揺動方向に並ぶ複数の孔部が形成され、
前記工具保持部は、
前記軸部が挿通される挿通孔と、
前記上下方向の下方から見た場合に前記挿通孔を囲むように位置し、前記先端工具の装着時に前記複数の孔部と係合する複数の突起と、を有する、請求項2に記載の作業機。
【請求項5】
前記突起は、前記孔部の少なくとも2箇所で前記孔部と当接するテーパ部を有する、請求項4に記載の作業機。
【請求項6】
前記突起は、前記工具保持部から下側へ突出され、
前記突起の前記揺動方向の中央を通り且つ前記上下方向に沿った仮想の線を基準線として、
前記テーパ部は、前記基準線に対して対称に位置する2箇所で前記孔部と当接する、
請求項5に記載の作業機。
【請求項7】
前記レバーは、50(N)以下の荷重によって前記第1位置から前記第2位置まで回転可能に設けられている、
請求項5に記載の作業機。
【請求項8】
前記付勢部材はコイルスプリングであり、
前記レバーが前記第1位置に位置する場合の前記付勢部材の付勢力が500(N)以下である、
請求項5に記載の作業機。
【請求項9】
前記レバー長さBは、70(mm)未満である、
請求項1に記載の作業機。
【請求項10】
前記レバーの前記回動角度Cは、100(度)以上である、
請求項1に記載の作業機。
【請求項11】
前記レバーが前記第1位置から前記第2位置まで動作された場合の前記クランプ部の前記上下方向の移動量が3.5(mm)以上である、
請求項1に記載の作業機。
【請求項12】
前記レバーには、前記クランプシャフトと前記上下方向で当接し、前記クランプシャフトを下方へ押圧するカム部が設けられ、
前記レバーが前記第1位置にある場合、前記カム部と前記クランプシャフトとの前記上下方向の間隔は、0(mm)よりも大きく且つ5(mm)よりも小さい、
請求項1に記載の作業機。
【請求項13】
前記カム部は、前記クランプシャフトを押圧可能な円弧部を有し、
前記円弧部の曲率半径は、6(mm)未満である、
請求項12に記載の作業機。
【請求項14】
特性値Qが30(N/度)以下となる、請求項1に記載の作業機。
【請求項15】
特性値Qが5(N/度)以上となる、請求項14に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータの駆動により動作する作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示された電動作業機は、作業者が操作するレバーと、先端工具を出力軸に対して固定及び解除が可能な工具固定部材と、金属製の圧縮コイルバネとを含んでいる。レバーが操作されることで、工具固定部材が固定状態から解除状態に切り替えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構成のように、バネ及びレバーを有し、レバーの操作で先端工具を着脱可能とする構成では、先端工具を取り外す際にバネを圧縮させる必要があり、レバーの操作に必要な操作荷重が大きくなる傾向にあった。このため、作業性の面で改善の余地があった。
【0005】
本発明の目的は、作業性を向上させた作業機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態の作業機は、モータと、前記モータの回転力を受けて上下方向に沿った軸を中心に揺動する出力部と、前記出力部に設けられ先端工具を保持可能な工具保持部と、前記出力部に支持されるクランプシャフトと、前記クランプシャフトを上方に付勢する付勢部材と、前記クランプシャフトの下部に着脱可能に設けられ、前記クランプシャフトに装着された場合に前記先端工具を下側から付勢するクランプ部と、支持軸を中心とする回転が可能に設けられ、回転方向の第1位置と第2位置との間で回転操作されることで、前記クランプシャフトを前記上下方向に移動可能となるレバーと、を有し、前記工具保持部及び前記クランプ部は、前記先端工具を挟み込むことで前記先端工具を前記出力部に固定し、前記レバーは、前記第1位置から前記第2位置まで回転される場合、前記クランプシャフトを前記出力部に対して下方に移動させることで、前記工具保持部と前記クランプ部とを前記上下方向に離間させ、前記レバーが前記第1位置に位置するときの前記付勢部材の付勢力A(N)とし、前記上下方向と交差する交差方向で前記支持軸の中心位置から前記レバーの先端位置までのレバー長さB(mm)とし、前記レバーの前記第1位置から前記第2位置までの回動角度C(度)とし、前記レバーを前記第1位置から前記第2位置まで回転させた場合の前記クランプシャフトの移動量D(mm)とし、特性値Q=(A×D)/(B×C)としたとき、特性値Qが50(N/度)以下となる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、作業機の作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】作業機の一例である電動工具を示す斜視図である。
【
図4】電動工具の前部の内部構造を拡大した断面図である。
【
図5】作業機が有するアタッチメントリング及びツールシャフトを示す斜視図である。
【
図6】アタッチメントリングの突起が先端工具の貫通孔に挿入された状態を示す説明図である。
【
図7】クランプシャフトにツールシャフトを取り付けた部分を拡大した断面図である。
【
図8】クランプシャフトにツールシャフトが取り付けられる状態を示す斜視図である。
【
図9】クランプシャフトにツールシャフトが取り付けられた部分を示す斜視図である。
【
図10】プッシュピースの外周部を示す説明図である。
【
図11】電動工具に関する各パラメータと操作荷重率及び操作荷重の値を示す表である。
【
図12】
図13の操作荷重率と操作荷重との関係を示すグラフである。
【
図13】先端工具が装着される前の電動工具の内部構造を示す断面図である。
【
図14】クランプレバーが解除方向に操作された状態にある電動工具の内部構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一の実施形態を図面に基づいて説明する。各図に前、後の矢印で示された方向を前後方向、左、右の矢印で示された方向を左右方向、上、下の矢印で示された方向を上下方向として説明する。前後方向、左右方向及び上下方向は、互いに直交している。前後方向は、上下方向と交差する交差方向の一例である。左右方向は、上下方向及び交差方向の両方と交差する幅方向の一例である。前後方向及び左右方向は、一例として、水平方向である。
【0010】
〔電動工具の構成〕
図1には、作業機の一例としての電動工具10が示されている。電動工具10は、アウタハウジング22及び電池パック14を含み、先端工具16を他の先端工具に交換可能に構成されている。電動工具10は、電池パック14の電力で動作するコードレスタイプのマルチツールである。電動工具10は、一例として、先端工具16を矢印RWで示す方向に振動させる。アウタハウジング22は、電動工具10の外郭を形成している。電池パック14は、アウタハウジング22の後端部に装着及び離脱可能に設けられている。
【0011】
<先端工具>
図2に示されるように、先端工具16は、上下方向に所定の厚さを有する板を複数箇所で屈曲させた形状を有する。先端工具16は、前後方向に沿って延びており、前側の平板部17と、後側の取付部18とを有する。平板部17の前端には、刃部17Aが形成されている。
【0012】
取付部18は、平板部17に対して斜め上方に位置している。取付部18には、1つの孔部19と、複数の貫通孔21とが形成されている。孔部19は、取付部18の中央部に形成されている。複数の貫通孔21は、孔部19に対する外側に位置し、孔部19を囲んでいる。複数の貫通孔21のうち一部は、ユニットケース68の揺動方向に並ぶ複数の孔部の一例である。孔部19は、後述するツールシャフト102のシャフト本体106(
図8)を挿通可能な大きさを有する。複数の貫通孔21には、後述する突起79(
図6)が挿通される。なお、取付部18の下端面を下面18Aとする。
【0013】
<アウタハウジング>
図3には、電動工具10の内部構造が示されている。アウタハウジング22は、一例として、樹脂成形体である。アウタハウジング22は、前後方向に沿った中心軸を有する筒状に形成されている。アウタハウジング22の前側の下端部には、下開口23が形成されている。アウタハウジング22の前側の上端部には、上開口24が形成されている。
【0014】
アウタハウジング22の上部には、後述するクランプレバー112と、トリガ26とが設けられている。アウタハウジング22の内部には、スイッチ27、制御基板30、インナハウジング32、モータ52等が収容されている。
【0015】
トリガ26は、スイッチ27に接続されている。トリガ26が作業者によって操作されることで、スイッチ27のオン、オフが切り替わる。制御基板30には、モータ52の駆動制御を行うコントローラやスイッチング素子等が搭載されている。モータ52の駆動、停止は、スイッチ27のオン、オフに合わせて切り替わる。
【0016】
<インナハウジング>
インナハウジング32は、前方が開放された有底の筒状に形成されている。インナハウジング32は、アウタハウジング22の内面と間隔をあけて位置している。インナハウジング32は、一例として、モータケース34と、ベアリングホルダ35と、ヘッドケース36とを有する。ベアリングホルダ35の後端部は、モータケース34に取り付けられている。モータケース34の内側には、モータ52が収容されている。
【0017】
ヘッドケース36は、金属製の部材であり、一例として、アルミからなる。ヘッドケース36は、取付部37と、筒部38と、支持壁39とを有する。取付部37には、ベアリングホルダ35の前端部が取り付けられている。筒部38は、取付部37よりも前側に位置している。筒部38は、上下方向に沿った中心軸を有する円筒状に形成されている。
【0018】
支持壁39は、筒部38の上端部に設けられている。支持壁39は、円柱状の支軸42の軸方向の両端部を支持している。支軸42の軸方向は、一例として、左右方向に沿っている。なお、支軸42は、支持軸の一例である。筒部38の内側には、ボールベアリング44、46と、オイルシール48と、後述するユニットケース68とが設けられている。
【0019】
ボールベアリング44は、後述するスイングアーム62よりも前側且つ上側に位置している。ボールベアリング44、46は、上下方向に沿った中心軸を有する。ボールベアリング44は、後述するガイド部72を中心軸の回りに回転自在に支持している。ボールベアリング46は、スイングアーム62よりも前側且つ下側に位置しており、後述する収容部69を回転自在に支持している。オイルシール48は、ヘッドケース36の下部と収容部69の下部との隙間を塞いでいる。
【0020】
アウタハウジング22は、ゴム部材49を介してヘッドケース36を支持している。ゴム部材49は、上下方向から見てC字形状に形成されている。ゴム部材49は、モータ52の動作時に、ヘッドケース36からアウタハウジング22への振動の伝播を抑制する。
【0021】
図4に示されるように、電動工具10は、モータ52と、伝達機構部54と、駆動機構部66と、を含んでいる。
【0022】
<モータ>
モータ52は、アウタハウジング22の前後方向の中央部に位置している。モータ52は、ブラシレスモータである。モータ52は、回転軸53を有する。回転軸53は、前後方向に沿って延びている。モータ52は、電池パック14(
図1)からの電力供給によって駆動可能となる。
【0023】
<伝達機構部>
伝達機構部54は、スピンドル56と、ボールベアリング57と、偏心軸部58と、スイングアーム62と、を含んでいる。
【0024】
(スピンドル等)
モータ52の回転軸53の前部には、スピンドル56が取り付けられている。スピンドル56は、前後方向に沿って延びており、回転軸53と一体で回転される。ボールベアリング57は、ベアリングホルダ35に支持されている。ボールベアリング57は、スピンドル56の前後方向の中央部を回転自在に支持している。スピンドル56の前端には、偏心軸部58が設けられている。偏心軸部58の中心軸は、スピンドル56の中心軸と平行で且つスピンドル56の中心軸に対してずれた位置にある。
【0025】
(スイングアーム)
スイングアーム62は、上下方向から見て、円環状の取付部62Aと、取付部62Aから後方に延びるU字形状のアーム部62Bと、を有する。取付部62Aは、後述するユニットケース68の外周面に固定されている。アーム部62Bは、偏心軸部58の外周部を挟んでいる。つまり、スイングアーム62は、偏心軸部58の回転動作とユニットケース68の動作とを連動させる。具体的には、偏心軸部58の回転によって、アーム部62Bが左右方向に揺動される。これにより、後述する駆動機構部66が、自軸を中心とする回転方向に振動可能となっている。
【0026】
<駆動機構部>
駆動機構部66は、ユニットケース68と、アタッチメントリング76と、クランプシャフト82と、クランプスプリング96と、ツールシャフト102と、クランプレバー112と、を有する。駆動機構部66は、モータ52から伝達機構部54を介して回転力(駆動力)が伝達されることで、クランプシャフト82を上下方向に沿った軸Kの回りに揺動可能に構成されている。
【0027】
(ユニットケース)
ユニットケース68は、収容部69、上壁部71及びガイド部72を有する。ユニットケース68は、出力部の一例である。ユニットケース68は、モータ52の回転力を受けて軸Kを中心に揺動する。
【0028】
収容部69は、上下方向を軸方向とする円筒形状の部位である。収容部69には、スイングアーム62が固定されている。収容部69の外周部は、ボールベアリング44の内輪部及びオイルシール48と接触している。収容部69の内部には、後述するクランプシャフト82及びクランプスプリング96が収容されている。上壁部71は、収容部69の上端部を覆っている。上壁部71には、下方に延びる縦壁71Aが形成されている。縦壁71Aは、上下方向から見て円環状に形成されている。
【0029】
ガイド部72は、上壁部71から上方に延びている。ガイド部72は、上下方向に沿った中心軸を有する円筒形状の部位である。ガイド部72は、軸Kの回りに回転(揺動)可能となるように、ボールベアリング44に支持されている。上壁部71及びガイド部72には、上下方向に沿った貫通孔73が形成されている。
【0030】
(アタッチメントリング)
アタッチメントリング76は、ユニットケース68の下端部に設けられている。アタッチメントリング76は、先端工具16(
図1)を保持可能な工具保持部の一例である。
【0031】
アタッチメントリング76は、底壁77と、側壁78と、複数の突起79と、を有する。底壁77は、上下方向に所定の厚さを有する円板形状に形成されている。底壁77の下端には、底面77Aが形成されている。底面77Aの外周部には、複数の窪み部77B(
図6)が形成されている。複数の窪み部77Bは、底面77Aの周方向に間隔をあけて並んでおり、且つ上側に向けて窪んでいる。底壁77の円の中心部には、底壁77を上下方向に貫通する孔部77Cが形成されている。孔部77Cは、シャフト本体106が挿通される挿通孔の一例である。
【0032】
側壁78は、底壁77の外周部から上方へ直立されており、円筒形状に形成されている。底壁77と側壁78とによって、嵌込部76Aが形成されている。嵌込部76Aには、ユニットケース68の下端部が嵌め込まれている。
【0033】
図5に示されるように、複数の突起79は、複数の窪み部77Bから下側へ突出されている。換言すると、複数の突起79は、アタッチメントリング76から下側へ突出されている。突起79は、底壁77の径方向から見た場合、逆台形状に形成されている。具体的には、突起79は、周方向の一方側に位置するテーパ面79Aと、他方側に位置するテーパ面79Bと、を有する。突起79の下端部には、R部79Cが形成されている。
【0034】
突起79は、先端工具16の貫通孔21に挿入可能で且つ貫通孔21の孔壁と接触可能な大きさを有する。複数の突起79は、上下方向の下方から見た場合に孔部77Cを囲むように位置している。複数の突起79は、先端工具16の装着時に複数の貫通孔21(
図2)と係合(接触)可能である。
【0035】
図6に示されるように、突起79の揺動方向の中央を通り且つ上下方向に沿った仮想の線を基準線Mとする。揺動方向は、一例として、
図1に矢印RWで示された方向である。テーパ面79Aとテーパ面79Bは、基準線Mに対して対称に位置する2箇所で貫通孔21の孔壁と当接する。このように、テーパ面79A及びテーパ面79Bは、貫通孔21の少なくとも2箇所で貫通孔21の孔壁と当接するテーパ部の一例である。
【0036】
<クランプシャフト>
図4に示されるように、クランプシャフト82は、ユニットケース68に支持されている。クランプシャフト82は、上下方向に並んだ上軸部84及び下軸部88により構成されている。下軸部88の上端部は、上軸部84の下端部に結合されている。これにより、上軸部84と下軸部88は、一体化されている。
【0037】
上軸部84は、円柱部85と、筒部86と、フランジ部87と、を有する。円柱部85は、上下方向に沿って延びている。円柱部85の上部は、貫通孔73を通ってガイド部72よりも上側に突出されている。円柱部85の上端面85Aは、前後方向及び左右方向に沿った平面である。上端面85Aは、後述するプッシュピース114と上下方向に対向しており、クランプレバー112の回転に伴って、プッシュピース114と接触するように位置している。
【0038】
筒部86は、円柱部85よりも下側に位置しており、円柱部85と一体化されている。筒部86は、上下方向に沿った中心軸を有する。フランジ部87は、筒部86の下端部から径方向の外側へ張り出されている。フランジ部87は、後述するクランプスプリング96によって付勢されることで、縦壁71Aの下端部と接触している。
【0039】
下軸部88は、柱部91と、筒部92と、を有する。柱部91は、上下方向に沿って延びている。柱部91の上部は、筒部86に挿入され且つ固定されている。筒部92は、柱部91よりも下側に位置しており、柱部91と一体化されている。筒部92の内側には、スプリング98が挿入されている。
【0040】
図6及び
図7に示されるように、筒部92は、円筒状に形成されている。筒部92には、2つのガイド孔部94が形成されている。なお、2つのガイド孔部94は、筒部92の中心に対して互いに点対称の関係となるように位置している。このため、一方のガイド孔部94について説明し、他方のガイド孔部94の説明を省略する。
【0041】
図7及び
図8に示されるように。ガイド孔部94は、円弧状(らせん状)に形成されたカム孔94Aと、カム孔94Aの終端で拡大された支持孔94Bとを有している。カム孔94Aは、後述するピン108を支持孔94Bに向けて案内する。支持孔94Bの孔壁は、ピン108を支持する。
【0042】
<クランプスプリング>
図4に示されるように、クランプスプリング96は、クランプシャフト82を上方に付勢する付勢部材の一例であり、コイルスプリングである。クランプスプリング96は、ユニットケース68とクランプシャフト82との間に位置している。クランプスプリング96は、上下方向に沿って伸縮可能である。クランプスプリング96の上端部は、フランジ部87を上方に付勢している。クランプスプリング96の下端部は、ユニットケース68の内壁の一部と上下方向に接触している。クランプスプリング96がフランジ部87を上方に付勢していることで、円柱部85の上部は、ガイド部72よりも上方に突出した状態で保持されている。
【0043】
<ツールシャフト>
図7に示されるように、ツールシャフト102は、底板部104と、把持部105と、シャフト本体106と、2つのピン108とを有する。底板部104、把持部105、シャフト本体106及び2つのピン108は、一体化されている。ツールシャフト102は、クランプシャフト82の下部に着脱可能に設けられたクランプ部の一例である。ツールシャフト102は、クランプシャフト82に装着された場合に、先端工具16を下側から付勢する。
【0044】
シャフト本体106は、クランプシャフト82に着脱可能な軸部の一例である。シャフト本体106は、上下方向に沿って延びる円柱状の部位である。シャフト本体106は、側面となる外周面106Aを有する。
【0045】
底板部104は、当接部の一例である。底板部104は、シャフト本体106の下端部の外周面106Aから、径方向に張り出されている。底板部104は、先端工具16の下面18Aと当接可能な部材である。底板部104は、上下方向に所定の厚さを有する円板形状に形成されている。底板部104の上端には上面104Aが形成され、下端には下面104Bが形成されている。
【0046】
把持部105は、下面104Bから下側へ突出された部位である。把持部105は、底板部104の径方向に延びており、作業者による把持が可能となっている。
【0047】
2つのピン108は、それぞれ円柱状に形成されている。また、2つのピン108は、外周面106Aから、シャフト本体106の左右方向の両外側へそれぞれ延びている。なお、2つのピン108は、シャフト本体106の中心に対して対称に位置している。ピン108は、ガイド孔部94に挿入可能である。
【0048】
図7及び
図8に示されるように、2つのピン108がガイド孔部94に挿入された状態で、把持部105が作業者によって軸Kの回りに回転された場合、2つのピン108はガイド孔部94に案内されながら上方に移動され、支持孔94Bに支持される。これにより、ツールシャフト102は、クランプシャフト82に連結される。つまり、2つのピン108がクランプシャフト82と係合することで、クランプスプリング96からの付勢力がツールシャフト102に伝達されるようになる。
【0049】
図4に示されるように、アタッチメントリング76及びツールシャフト102は、先端工具16を上下方向に挟み込むことで、先端工具16をユニットケース68に固定する。
【0050】
<クランプレバー>
図10に示されるように、クランプレバー112は、作業者によって操作されるレバーの一例である。クランプレバー112は、支軸42を中心とする回転が可能である。クランプレバー112は、回転方向の第1位置PAと第2位置PB(
図4)との間で回転操作されることで、クランプシャフト82を上下方向に移動させる。
【0051】
第1位置PAは、先端工具16がツールシャフト102等により固定(保持)されているときのクランプレバー112の回転方向の位置を意味する。
【0052】
第2位置PBは、クランプレバー112が第1位置PAから回転(起立)され、且つ先端工具16の保持状態が解除されたときのクランプレバー112の回転方向の位置を意味する。
【0053】
具体的には、クランプレバー112は、レバー本体113と、レバー本体113に設けられたプッシュピース114と、を有する。レバー本体113は、左右方向に間隔をあけて位置する一対の基端部113Aと、一対の基端部113Aから後方へ延びる把持部113Bとを備えている。一対の基端部113Aの間には、プッシュピース114が固定されている。支軸42は、プッシュピース114及び一対の基端部113Aを左右方向に貫通している。換言すると、クランプレバー112は、支軸42を中心軸として支持壁39(
図3)に回転可能に連結されている。
【0054】
把持部113Bは、上開口24(
図3)を通してアウタハウジング22の外側に露出されている。これにより、作業者がクランプレバー112を操作可能となっている。把持部113Bは、作業者に把持されることで支軸42の回りに回転操作される。
【0055】
なお、以後の説明では、クランプレバー112の回転操作について、把持部113Bを前方に向けて回転させる動作を「解除動作」と称し、把持部113Bを後方に向けて回転させる動作を「装着動作」と称する。クランプレバー112の回転方向について、把持部113Bが前方に向かうときの回転方向を+R方向とし、把持部113Bが後方に向かうときの回転方向を-R方向とする。
【0056】
クランプレバー112は、第1位置PAから第2位置PBまで回転される場合、クランプシャフト82をユニットケース68に対して下方に移動させることで、アタッチメントリング76とツールシャフト102とを上下方向に離間させる。
【0057】
(プッシュピース)
プッシュピース114は、クランプシャフト82を下方へ押圧するカム部の一例である。プッシュピース114の姿勢は、クランプレバー112の回転に伴って変わる。プッシュピース114は、金属製のブロック状の部材である。
【0058】
プッシュピース114は、クランプシャフト82と上下方向で当接可能に位置している。具体的には、プッシュピース114は、クランプシャフト82の上端面85Aと接触又は離間が可能に位置している。プッシュピース114は、クランプレバー112の回転に伴って、上端面85Aとの接触位置が変化する。プッシュピース114は、支軸42の軸方向である左右方向から見て、外周部115を有する。
【0059】
外周部115は、上端面85Aと接触可能である。外周部115は、第1平面116、曲面117及び第2平面118を有する。なお、既述の+R方向は、先端工具16(
図1)を取り外す場合のプッシュピース114の回転方向に相当する。-R方向は、先端工具16を装着する場合のプッシュピース114の回転方向に相当する。
【0060】
支軸42の円の中心位置P1を点P1で示す。中心位置P1から第1平面116までの最短の距離は、中心位置P1から第2平面118までの最短の距離よりも短い。中心位置P1から曲面117までの距離は、曲面117の-R方向の始点から終点に向けて連続的に長くなっている。曲面117は、クランプシャフト82を押圧可能な円弧部の一例である。
【0061】
把持部113Bの後端の位置P2を点P2で示す。位置P2は、クランプレバー112の先端位置の一例である。ここで、前後方向で位置P2から中心位置P1までの長さをレバー長さB(mm)と定義する。レバー長さBは、支持軸の中心位置からレバーの先端位置までのレバー長さの一例である。なお、レバー長さBは、点P1と点P2との距離ではない。
【0062】
<操作荷重率>
図11には、本実施形態の電動工具10の各項目値を変更した工具M1から工具M5までと、比較例の工具M6から工具M9までとについて、操作荷重率Q及び操作荷重Fの各値をまとめた表が示されている。なお、電動工具10の各構成部材については、
図1から
図9までを参照するものとし、個別の図番の記載を省略する。操作荷重率Qは、特性値Qに相当する。
【0063】
項目Aは、クランプレバー112が既述の第1位置PAに位置しているときに、クランプスプリング96に作用しているスプリング荷重である。スプリング荷重をA(N)とする。スプリング荷重Aは、付勢力の一例である。項目Bは、既述のレバー長さB(mm)である。項目Cは、クランプレバー112の第1位置PAから第2位置PBまでのレバー動作角度θ(
図4)である。レバー動作角度θ(度)は、回動角度C(度)と等しい。
【0064】
項目Dは、クランプレバー112を既述の第1位置PAから第2位置PBまで回転(回動)させた場合のクランプシャフト82の上下方向のストロークであり、移動量D(mm)である。項目Eは、クランプレバー112が第2位置PBに位置している場合の、支軸42の軸中心(中心位置P1)から上端面85Aまでの距離(mm)である。項目Fは、カム円弧長(mm)であり、プッシュピース114の曲面117の円弧長である。項目Gは、カム曲率半径(mm)であり、曲面117の曲率半径である。
【0065】
項目Hの振角は、先端工具16が振動するときの振動角度(度)である。項目Iは、先端工具16に負荷が作用していない状態での回転数、即ち振動数(min-1)である。項目Jは、電動工具10の前後方向の全長(mm)である。項目Kは、電動工具10の全体の質量(kg)である。操作荷重Fは、実測値であり、先端工具16を取り付ける際に必要な操作荷重(N)である。
【0066】
ここで、操作荷重Fと、項目Aから項目Kまでの各値との関係を検討したところ、操作荷重率Q(N/度)と操作荷重Fとについて、相関関係が見られた。操作荷重率Qは、上記の項目Aから項目Dまでの値を用いて、Q=(A×D)/(B×C)で求められる特性値である。
【0067】
図12には、操作荷重率Qと操作荷重Fとの関係がグラフGとして示されている。グラフGを見ると、操作荷重率Qと操作荷重Fとについて、ほぼ比例関係があることが分かった。つまり、操作荷重率Qが小さくなるように項目A、B、C、Dの各値を設定することで、クランプレバー112の操作荷重を小さく抑えられることが分かった。具体的には、操作荷重率Qが30(N/度)以下の場合、操作荷重Fが40(N)以下となることが分かった。このため、操作荷重率Qは、30(N/度)未満となることが好ましい。なお、クランプレバー112が簡単に動いてしまうと却って作業性を損なう恐れがあり、またクランプレバー112が長すぎても操作性に支障を来たす可能性がある。すなわち、操作荷重率Qが小さすぎる場合には作業性を損なう恐れがある。従って、本発明においては、操作荷重率Qは5~50(N/度)の範囲にあればよい。なお、操作荷重率Qは10~30(N/度)の範囲にあればよりよい。さらに操作荷重率Qは20~25(N/度)の範囲にあればなおよい。
【0068】
電動工具10では、一例として、クランプレバー112が、50(N)以下の荷重によって既述の第1位置PAから第2位置PBまで回転可能に設けられている。クランプレバー112が第1位置PAに位置する場合のクランプシャフト82に対するクランプスプリング96の付勢力は、一例として、500(N)以下であることが好ましい。クランプレバー112のレバー長さBは、一例として、70(mm)未満であることが好ましい。
【0069】
電動工具10では、クランプレバー112について、回動角度Cが100(度)以上であることが好ましい。クランプレバー112が第1位置PAから第2位置PBまで動作された場合、ツールシャフト102の上下方向の移動量は、3.5(mm)以上であることが好ましい。クランプレバー112が第1位置PAにある場合、プッシュピース114(外周部115)とクランプシャフト82(上端面85A)との上下方向の間隔は、0(mm)よりも大きく且つ5(mm)よりも小さいことが好ましい。プッシュピース114の曲面117の曲率半径は、6(mm)未満であることが好ましい。
【0070】
〔本実施形態の作用及び効果〕
図13には、先端工具16(
図1)が装着されていない電動工具10が示されている。クランプレバー112は、第1位置PAに位置している。クランプレバー112が作業者によって+R方向に回動された場合、プッシュピース114とクランプシャフト82が接触することで、クランプシャフト82が下方へ移動する。
【0071】
図14に示されるように、クランプレバー112が第2位置PBに位置した場合、ツールシャフト102が、アタッチメントリング76から下側へ突出する。そして、ツールシャフト102は、作業者によって回転されることで、クランプシャフト82から離脱される。
【0072】
図8に示されるように、先端工具16の孔部19(
図2)にシャフト本体106が挿通される。これにより、取付部18が底板部104に載る。ピン108は、ガイド孔部94の下端と対向するように配置されている。そして、ツールシャフト102が作業者によって上方に持ち上げられることで、ピン108がガイド孔部94に沿って移動し、ツールシャフト102とクランプシャフト82が連結される。ツールシャフト102とクランプシャフト82が連結された状態で、先端工具16の向きが調整される。
【0073】
図1、
図4及び
図6に示されるように、クランプレバー112は、-R方向に回動されることで第2位置PBから第1位置PAに移動する。このとき、クランプスプリング96の付勢力によって、クランプシャフト82及びツールシャフト102が上昇する。そして、突起79が貫通孔21に挿通されることで、先端工具16が固定される。
【0074】
ここで、電動工具10では、操作荷重率Qが30(N/度)未満となるように、スプリング荷重A、レバー長さB、回動角度C及び移動量Dが設定されている。これにより、クランプレバー112の操作荷重Fを40(N)よりも小さくすることが可能となるので、先端工具16を交換する場合の作業性を向上させることができる。
【0075】
電動工具10では、シャフト本体106を有することで、クランプシャフト82と連結可能な長さを確保すると共に、底板部104によって先端工具16を支持することができる。
【0076】
ツールシャフト102を上方に移動させた場合、ピン108がガイド孔部94(クランプシャフト82)に沿って移動されると共に支持孔94Bと係合されることで、クランプスプリング96の付勢力がツールシャフト102に伝達されるようになる。このように、ツールシャフト102を上方に移動させることで、ツールシャフト102とクランプシャフト82が連結するので、ツールシャフト102をねじ込む作業が不要となり、先端工具16の着脱操作を容易に行うことができる。
【0077】
アタッチメントリング76は、孔部77Cと複数の突起79とを有する。孔部77Cにシャフト本体106を挿通する方向は、クランプシャフト82の軸方向である上下方向となる。このため、ツールシャフト102を上下方向に沿ってクランプシャフト82に取り付ける場合に、アタッチメントリング76が作業の邪魔にならない。また、複数の突起79が先端工具16の複数の貫通孔21と係合することで、先端工具16が揺動(振動)方向に位置ずれすることを抑制できる。
【0078】
また、揺動方向の一方側ではテーパ面79Aが貫通孔21と係合し、他方側ではテーパ面79Bが貫通孔21と係合するので、揺動方向の一方側及び他方側の両方で、先端工具16の位置ずれを抑制できる。さらに、テーパ面79Aとテーパ面79Bが基準線Mに対して対称に位置する2箇所で貫通孔21と当接することで、それぞれの接触位置が上下方向にずれることが抑制されるので、先端工具16の水平面に対する傾きを抑制できる。
【0079】
〔本実施形態の変形例〕
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0080】
電動工具10について、ツールシャフト102は、底板部104とシャフト本体106が一体成形されたものに限らず、底板部104とシャフト本体106が別々の部材として構成されてもよい。クランプシャフト82とツールシャフト102との係合は、ピン108を用いたものに限らず、雄ねじと雌ねじを用いたねじ込み式のものであってもよい。
【0081】
アタッチメントリング76と先端工具16との係合は、複数の突起79と複数の貫通孔21との係合に限らず、突起と溝とが係合するものであってもよい。突起79は、テーパ面79A、79Bを有するものに限らず、曲面や上下方向に沿った面を有するものであってもよい。また、突起79のテーパ面の数は、2つの限らず、1つ又は3つ以上あってもよい。さらに、突起79と貫通孔21との係合(接触)箇所は、1箇所又は3箇所以上あってもよい。テーパ面79Aとテーパ面79Bは、基準線Mに対して対称に位置していなくてもよい。
【0082】
クランプレバー112は、50(N)よりも大きい荷重で第1位置PAから第2位置PBまで回転可能に設けられていてもよい。クランプレバー112が第1位置PAに位置する場合のクランプシャフト82に対するクランプスプリング96の付勢力は、500(N)よりも大きくてもよい。クランプレバー112のレバー長さBは、70(mm)以上であってもよい。
【0083】
クランプレバー112について、回動角度Cは、100(度)より小さくてもよい。クランプレバー112が第1位置PAから第2位置PBまで動作された場合、ツールシャフト102の上下方向の移動量は、3.5(mm)より短くてもよい。
【0084】
クランプレバー112が第1位置PAにある場合、プッシュピース114とクランプシャフト82との上下方向の間隔は、5(mm)以上あってもよい。曲面117の曲率半径は、6(mm)以上であってもよい。
【符号の説明】
【0085】
10 電動工具、14 電池パック、16 先端工具、17 平板部、17A 刃部、
18 取付部、18A 下面、19 孔部、21 貫通孔、22 アウタハウジング、
23 下開口、24 上開口、26 トリガ、27 スイッチ、30 制御基板、
32 インナハウジング、34 モータケース、35 ベアリングホルダ、
36 ヘッドケース、37 取付部、38 筒部、39 支持壁、42 支軸、
44 ボールベアリング、46 ボールベアリング、48 オイルシール、
49 ゴム部材、52 モータ、53 回転軸、54 伝達機構部、56 スピンドル、
57 ボールベアリング、58 偏心軸部、62 スイングアーム、62A 取付部、
62B アーム部、66 駆動機構部、68 ユニットケース、69 収容部、
71 上壁部、71A 縦壁、72 ガイド部、73 貫通孔、
76 アタッチメントリング、76A 嵌込部、77 底壁、77A 底面、
77B 窪み部、77C 孔部、78 側壁、79 突起、79A テーパ面、
79B テーパ面、79C R部、82 クランプシャフト、84 上軸部、
85 円柱部、85A 上端面、86 筒部、87 フランジ部、88 下軸部、
91 柱部、92 筒部、94 ガイド孔部、94A カム孔、94B 支持孔、
96 クランプスプリング、98 スプリング、102 ツールシャフト、
104 底板部、104A 上面、104B 下面、105 把持部、
106 シャフト本体、106A 外周面、108 ピン、112 クランプレバー、
113 レバー本体、113A 基端部、113B 把持部、114 プッシュピース、
115 外周部、116 第1平面、117 曲面、118 第2平面、
A スプリング荷重、B レバー長さ、C 回動角度、D 移動量、F 操作荷重、
G グラフ、K 軸、M 基準線、P1 中心位置、P2 位置、PA 第1位置、
PB 第2位置、Q 操作荷重率(特性値)、θ レバー動作角度